JP6907791B2 - イリジウムの回収方法 - Google Patents

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本発明は、イリジウムと硫酸を含む水溶液からイリジウムを含んだ澱物を回収する方法に関する。
イリジウムは白金族に属する貴金属元素で、その希少性と工業的利用価値の高さから、非常に高価で取り引きされている。このため、イリジウムを含有する原料を加工して製品にする際には、イリジウムの損失を抑えることが重要である。このような事情から、加工の過程においてイリジウムが混入した排水を含む副産物などから、その副産物に含まれるイリジウムが微量であっても、イリジウムを回収して原料として再利用することが望まれている。
イリジウムを加工する工場や、イリジウムを用いる工場では、安価な水や硫酸を使用して洗浄などの各種処理が行われている。イリジウムは耐酸性を有するものの、処理後の溶液にわずかに溶けてしまい、処理後の溶液はその液量が多量であることから、これらの処理によるイリジウムの損失は無視できないものとなっている。そこで、洗浄処理後の排水などの、各種処理後に生じるイリジウムが溶解した硫酸を含有する水溶液からも、イリジウムを回収することが求められている。
水溶液を加熱乾燥して溶質を回収する方法は知られているが、各種処理により生じた硫酸を含有する水溶液については、その液量が多量となるため、長時間の加熱が必要とされるという問題がある。また、100℃程度の温度まで硫酸を含有する水溶液を加熱させると、硫酸の濃縮も進んでしまうという問題がある。
本発明は、このような課題を解消しつつ、イリジウムを用いる工場における各種処理により生じたイリジウムと硫酸を含む水溶液から簡便にイリジウムを回収する方法を提供することを目的としている。
本発明の第1態様に係るイリジウムの回収方法は、
イリジウムと硫酸を含む水溶液に、ナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤を、前記水溶液のpHが2.5以上、好ましくは3.0以上となるまで添加して、イリジウムを含有する沈殿を得ることを特徴とする。
本発明の第2態様に係るイリジウムの回収方法は、
イリジウムと硫酸を含む水溶液に、カルシウム系中和剤を、前記水溶液のpHが1.0以下、好ましくは0.4以下の任意の値に達するまで添加して、石膏を析出させ、該石膏を固液分離により除去する工程と、
前記石膏の除去後の残液に、ナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤を、前記水溶液のpHが2.5以上、好ましくは3.0以上となるまで添加して、イリジウムを含有する沈殿を得る工程と、
を備えることを特徴とする。
いずれの態様においても、前記水溶液もしくは前記残液のpHが6.0未満の領域、好ましくは3.0以下の領域で、前記イリジウムを含有する沈殿を得たあと、カルシウム系中和剤を、前記残液のpHが6.0以上となるまで添加することが好ましい。
本発明の方法によれば、加熱乾燥を行うことなく、硫酸を含む水溶液からイリジウムを簡便に回収できるため、イリジウムの回収にかかる時間および熱エネルギの低減を図ることができる。さらに、本発明では、最終的に回収された澱物中においてイリジウムの品位が低下してしまうことを防止することができる。
特に、本発明の第2態様では、イリジウムを含有する沈殿を得る工程を除いて、中和剤として、安価なカルシウム系中和剤を用いるため、イリジウムの回収に費やすコストを削減できる。
このように、本発明により、イリジウムを用いる工場において、硫酸を含有する水溶液で各種処理を行った後に生ずる、排水などのイリジウムと硫酸を含有する水溶液から、この水溶液中のイリジウムの濃度が低い場合であっても、簡便かつ低コストでイリジウムを回収することが可能となるため、本発明の工業的価値はきわめて大きい。
図1は、本発明の一態様に係るイリジウム回収工程フローの一例を示す。 図2は、本発明の別の態様に係るイリジウム回収工程フローの一例を示す。
本発明者らは、イリジウムを用いる工場において、硫酸を含有する水溶液で各種処理を行った後に生ずる、イリジウムと硫酸を含有する水溶液の処理方法を検討した。その結果、各種の中和剤を用いて、イリジウムと硫酸を含有する水溶液から、中和によりイリジウムを中和塩として析出させることにより、水溶液中のイリジウム濃度が低い場合であっても、イリジウムを簡便かつ効率的に回収することが可能であるとの知見を得た。
本発明者らは、さらに検討を進め、中和剤として安価なカルシウム系中和剤の使用について研究を進めた。しかしながら、中和剤としてカルシウム系中和剤を用いると、イリジウムの中和塩が析出するだけでなく、硫酸根が石膏として析出してしまう。中和前のイリジウムの濃度は低く、硫酸の濃度は高いため、中和剤としてカルシウム系中和剤を用いてイリジウムを析出させようとすると、回収殿物の大部分を石膏が占め、回収澱物中のイリジウムの比率はきわめて低いという問題があった。このようなイリジウムの中和塩への石膏の混入を避けるため、それぞれの析出条件を調べたところ、石膏の析出は広いpH領域で生じるが、イリジウムの中和塩が析出する条件は所定のpH領域に限定されるとの知見が得られた。
そこで、本発明者らは、イリジウムの沈殿が生じないpH領域の中和に、ナトリウム系中和剤やマグネシウム系中和剤よりも安価であるカルシウム系中和剤を使用して、かかる中和により生成した石膏(硫酸カルシウム二水塩)を分離した後の残液から、ナトリウム系中和剤やマグネシウム系中和剤を使用して、イリジウムの品位を低下させることなく、イリジウムの回収が可能となるとの知見を得た。
本発明は、このような知見に基づいて完成したものである。
以下、本発明の、イリジウムと硫酸を含む水溶液から、回収澱物におけるイリジウム品位を低下させることなく、中和によりイリジウムを回収する工程(以下、「イリジウム回収工程」と記す)について、説明する。
図1は、本発明の第1態様に係るイリジウム回収工程フローの一例を示す。本発明において、イリジウムと硫酸を含む水溶液から、中和によりイリジウムを含有する沈殿を得るための中和剤として、ナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤を用いる。
イリジウムを用いる工場において、硫酸を含有する水溶液で各種処理を行った後に生ずる、イリジウムと硫酸を含有する水溶液には、イリジウムは0.1mg/L〜100mg/L程度含まれている。
このようなイリジウム濃度が高いとはいえない、洗浄処理の排水などの各種処理後のイリジウムと硫酸を含有する水溶液から、中和によりイリジウムを含有する沈殿を得るためには、イリジウムと硫酸を含む水溶液のpHが2.5以上、好ましくは3.0以上となるまで、中和剤を添加する必要がある。この水溶液のpHが2.5未満の領域で中和を止めると、イリジウムの液中の残存率が高くなる。好ましくは、この水溶液にpHが3.0以上となるまで中和を行うことで、イリジウムをほぼ完全に回収できる。この場合、中和剤として、カルシウム系中和剤を用いると、回収澱物中に、イリジウムの中和塩のみならず、多量の石膏が含まれてしまうため、回収澱物中のイリジウム品位がきわめて低下してしまう。このようなイリジウム品位の低下を防止するために、本発明では、水溶液のpHが2.5以上、好ましくは3.0以上となるまでの中和に使用する中和剤として、ナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤を用いることに特徴がある。
ナトリウム系中和剤としては、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)、重曹(炭酸水素ナトリウム)などを用いることができるが、本用途に対しては、通常、苛性ソーダが用いられる。また、マグネシウム系中和剤としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどを用いることができるが、本用途に対しては、通常、水酸化マグネシウムが用いられる。
これらのナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤を用いた中和は、イリジウムと硫酸を含む水溶液のpHが6.0未満にとどめることが好ましく、pHが3.0以下の領域にとどめることがより好ましい。イリジウムを含有する沈殿が主として得られるpH領域は、この水溶液のpHが3.0以下の範囲であり、このpH領域において、イリジウムを含む回収澱物とイリジウムを含まない排水との分離が十分に可能となるためである。すなわち、pHが3.0よりも大きい領域における中和は、イリジウムを含まない排水を、pHが6.0以上の中性に近づけるためのものであり、このような排水のpHを6.0以上とするための中和剤として、高価なナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤を用いると、処理コストが過大となるためである。
図2は、本発明の第2態様に係るイリジウム回収工程フローの一例を示す。図2に示す態様では、ナトリウム系中和剤やマグネシウム系中和剤の使用による、中和剤コストの削減を図るために、イリジウムと硫酸を含む水溶液を中和する工程の一部で、ナトリウム系中和剤やマグネシウム系中和剤に代替して、比較的安価なカルシウム系中和剤を使用している。
しかしながら、イリジウム回収工程において、カルシウム系中和剤のみで中和すると、
回収殿物の大部分を石膏が占め、回収澱物中のイリジウムの比率はきわめて低いものとなる。回収澱物中に石膏が存在すると、後工程でイリジウムを精製する工程での生産性の低下を招く欠点がある。この欠点は、ナトリウム系中和剤やマグネシウム系中和剤と混ぜて使用すれば緩和できるが、そのかわり中和剤の単価があまり下げられない。
本発明の第2態様では、図2に示したフローのように、イリジウム回収工程を、石膏生成工程と澱物回収工程に分けることで、回収澱物のイリジウム品位を、図1に示したイリジウム回収工程と同等に維持したまま、中和剤のコストを削減することを可能としている。
具体的には、石膏生成工程において、イリジウムが沈殿しない領域、もしくは沈殿しても含有するイリジウム量がきわめて少ない領域、具体的にはpHが1.0以下、好ましくは0.4以下の任意の値に達するまでは、中和剤としてカルシウム系中和剤を使用し、それに伴って生成する石膏(硫酸カルシウム二水塩)を固液分離する。石膏生成工程で得られたイリジウムを含む残液(ろ液)を、澱物回収工程において、ナトリウム系中和剤やマグネシウム系中和剤を用いて中和し、イリジウムを含む澱物を回収する。
なお、カルシウム中和剤としては、消石灰(水酸化カルシウム)、石灰乳、生石灰(酸化カルシウム)、石灰石(炭酸カルシウム)などを用いることができるが、取り扱いの簡便性から、消石灰または石灰乳を用いることが好ましい。
このように、本発明の第2態様に従ったイリジウム回収工程を用いて操業した場合、pHが前記任意の値に達するまでの範囲で使用する中和剤の単価が下がるため、図1に示す態様に係るイリジウム回収工程と比較して、中和剤のコストが削減可能となる。この場合でも、回収澱物のイリジウム品位は、図1に示したイリジウム回収工程と比較して低下することはない。
イリジウムと硫酸を含有する水溶液のpHが前記任意の値となった時点で、カルシウム系中和剤の添加を終了してナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤の添加を開始する。なお、この中和剤の切り替えのタイミングは、イリジウムと硫酸を含む水溶液中のイリジウムの濃度に応じて、適切に設定することが好ましい。たとえば、イリジウムの研磨粉と各種混酸の混合スラリーなどのように、もとの水溶液に含まれるイリジウム濃度が極端に高い場合には、イリジウムの回収率を維持するためには、前記任意の値を0.4以下とすることが好ましい。本発明が適用される、洗浄処理後の排液のように、もとの水溶液に含まれるイリジウム濃度が極端に低い場合などにおいては、たとえば、前記任意の値を1.0以下、好ましくは0.4以下とすることができる。いずれの場合でも、前記任意の値をあらかじめ決定せずに、pHが1.0以下であって、イリジウムの中和塩が析出し始める時点で、カルシウム系中和剤からナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤に切り替えることもできる。
その後の、イリジウムを含む沈殿を得る工程については、図1に示したイリジウム回収工程と同様である。
上述したように、イリジウムは、基本的に、pHが0.4以上3.0以下の範囲において沈殿して、回収澱物として回収することが可能であり、イリジウムの中和塩を析出した水溶液(残液)は中和が相当程度まで進んでいるといえる。このため、イリジウムを含有する沈殿を分離した水溶液(残液)については、中和剤をわずかに添加するだけで無害化することが可能である。無害化された水溶液は、工業用水として用いることができる。
したがって、イリジウム回収工程を、イリジウムと硫酸を含む水溶液のpHが4.0となった時点で、好ましくは、pHが3.0となった時点で終了し、再度、石膏生成工程と同様に、中和剤としてカルシウム系中和剤を用いて、残液を無害化することが好ましい。無害化工程では、残液に、カルシウム系中和剤を、残液がpH6.0以上の中性領域(pH6.0〜8.0)となるまで、あるいは、弱アルカリ領域(pH8.0〜10.0)となるまで、添加する。これに伴い残液中の硫酸根は石膏として除去される。このように、いずれの態様でも、硫酸を含む水溶液から、安価なカルシウム系中和剤を用いて、硫酸根を石膏として除去することが可能となる。特に、弱アルカリ領域まで中和することにより、硫酸根を高レベルで除去できるため、無害化された水溶液(排水)を各種用途の工業用水として用いることが可能となる。
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
[実施例1]
イリジウム(10mg/L)と硫酸(31g/L)とを含む、イリジウムおよび硫酸を含有する水溶液(1m)を用意した。この水溶液のpHは、0.2であった。
図1に示すフローの通り、このイリジウムと硫酸を含む水溶液に、この水溶液のpHが5.0となるまで苛性ソーダ(東ソー製)を添加して、中和反応で生じた澱物(イリジウムを含む回収澱物)を回収した。この回収澱物を乾燥したうえ蛍光X線で分析したところ、イリジウムの存在が確認された。
公知の後処理により、回収澱物から99質量%以上の品位のイリジウムを回収した。
イリジウムを含む澱物を回収した後の残液(1m)をICP発光分光法で測定したところ、イリジウム濃度は5mg/L未満であった。この残液に、pHが7に達するまで石灰乳(カルファイン製の消石灰を予め水に溶かしたもの)を添加したところ、沈殿が生じた。この沈殿をX線回折法で分析したところ、石膏であった。
[実施例2]
石膏生成工程として、イリジウムと硫酸を含む水溶液のpHが0.4となるまで、消石灰(カルファイン製)を添加して、中和反応で生じた澱物を含む水溶液を濾過することにより固液分離して清澄液を得た。この清澄液に対して苛性ソーダを添加したこと以外は、実施例1と同様にして、イリジウムと石膏の回収を行った。その結果、実施例1と同様の品位のイリジウムと石膏が得られた。
なお、実施例2における中和剤のコストは、実施例1の0.7倍であった。
[実施例3]
石灰乳の添加をpHが6に達するまでとしたこと以外は、実施例2と同様にして、イリジウムと石膏の回収を行った。その結果、実施例1と同様の品位のイリジウムと石膏が得られた。
なお、実施例3における中和剤のコストは、実施例1の0.7倍であった。
[実施例4]
塩化イリジウム(IV)5gを35%塩酸10Lに溶かし、ここに約500Lの水と98%硫酸90Lとを加えて撹拌し、イリジウムと硫酸を含む水溶液600Lを得た。この水溶液のpHは0.3であった。
続いて、石膏生成工程として、イリジウムと硫酸を含む水溶液のpHが0.4となるまで、炭酸カルシウムを添加して、中和反応で生じた澱物を固液分離して清澄液を得た。なお、固液分離した澱物をX線回折法で分析したところ、石膏の存在が確認された。
得られた清澄液のpHが2.5となるまで苛性ソーダを添加して、中和反応で生じた澱物(イリジウムを含む回収澱物)を回収した。この回収澱物を水素炎で加熱し、水素気流中で放冷したところ、金属光沢のある固体が得られた。この固体の比重を測定したところ、22g/cmであった。
[実施例5]
炭酸カルシウムの添加をpHが1.0となるまでとしたことと、苛性ソーダ添加をpHが3.0となるまでとしたこと以外は、実施例4と同様にして、金属光沢のある固体を得た。この固体の比重を測定したところ、22g/cmであった。
[比較例1]
中和剤として、苛性ソーダに代替して、石灰乳を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、イリジウムと硫酸を含む水溶液のpHが5.0となるまで中和を行い、中和反応で生じた澱物(イリジウムを含む回収澱物)を回収した。この回収澱物を乾燥したうえ蛍光X線で分析したところ、イリジウムの存在が確認されたものの実施例1〜3と比べて微弱であり、硫黄とカルシウムの存在が目立った。
イリジウムを含む回収澱物の重量は実施例1〜3の4倍以上と多く、石膏によってイリジウムが薄まったものと考えられる。
イリジウムを含む澱物を回収した後の残液(1m)をICP発光分光法で測定したところ、イリジウム濃度は5mg/L未満であり、実施例1〜3との大きな違いはなかった。
イリジウムおよびイリジウムを用いた合金は、その優れた耐熱性や耐摩耗性により、工業用坩堝や点火プラグの電極などの材料に用いられるほか、宝飾用途にも用いられる貴金属であり、イリジウムを用いる工場において、洗浄工程などの排液に含まれるイリジウムを回収することは広く求められていることから、本発明は、このような排液からイリジウムの澱物を高いイリジウム品位で簡便に回収することが可能であり、広い産業分野に適用可能である。

Claims (3)

  1. イリジウムと硫酸を含む水溶液に、ナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤を、前記水溶液のpHが2.5以上3.0以下となるまで添加して、イリジウムを含有する沈殿を得たあと、前記イリジウムを含有する沈殿を除去した後の残液に、カルシウム系中和剤を、該残液のpHが6.0以上となるまで添加する、イリジウムの回収方法。
  2. イリジウムと硫酸を含む水溶液に、カルシウム系中和剤を、前記水溶液のpHが1.0以下の任意の値に達するまで添加して、石膏を析出させ、該石膏を固液分離により除去する工程と、
    前記石膏の除去後の残液に、ナトリウム系中和剤もしくはマグネシウム系中和剤を、前記水溶液のpHが2.5以上となるまで添加して、イリジウムを含有する沈殿を得る工程と、
    を備える、イリジウムの回収方法。
  3. 記残液のpHが6.0未満の領域で前記イリジウムを含有する沈殿を得たあと、カルシウム系中和剤を、前記残液のpHが6.0以上となるまで添加する、請求項2に記載のイリジウムの回収方法。
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