JP5867710B2 - 高純度硫酸ニッケルの製造方法、及びニッケルを含む溶液からの不純物元素除去方法 - Google Patents

高純度硫酸ニッケルの製造方法、及びニッケルを含む溶液からの不純物元素除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、ニッケルを含む溶液からマグネシウムを効率的に除去し、高純度の硫酸ニッケルを生成する製造工程に関するもので、特に湿式ニッケル製錬プロセスから発生する工程内の中間生成溶液の処理に適用できる。
硫酸ニッケルを工業的に製造する一般的な方法として、原料を酸溶液に溶解後、不純物を除去する工程を経て、硫酸ニッケル溶液、あるいは蒸発晶析などにより硫酸ニッケル結晶を得る方法がある。
この不純物を除去する工程は、原料に含まれる不純物により様々な方法があるが、先ず、中和剤を用いて不純物の一部を含む中和澱物と分離後残液を形成する浄液工程を経た後、この分離後残液を、さらに不純物元素除去処理を施すもので、通常有機溶媒を用いて抽出する溶媒抽出工程が行われる。特に、原料中にコバルトが含まれる場合におけるニッケルとコバルトを効率良く分離する方法として、ホスホン酸やホスフィン酸を用いた溶媒抽出法が広く知られている。
このようなホスホン酸やホスフィン酸として、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシルエステル、ジ−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸は、ニッケルとコバルトの抽出分離が良好であり好適である。
これらのホスホン酸およびホスフィン酸による抽出は、溶液のpHに依存し、pHが上昇するほど抽出率が向上する。そして、元素により抽出に対するpH依存性が異なり、この特性を利用してコバルトやその他不純物元素を有機溶媒中へ抽出するものである。
すなわち、ニッケルが抽出されるpHより低いpHに設定することにより、不純物元素を有機相へ分配させ、ニッケルは水相へ残留するため、不純物を除去したニッケル溶液を得ることができる。
更には、特許文献1、2、3では、あらかじめ高いpHでニッケルを有機溶媒中へ抽出し、このニッケルを抽出した有機溶媒と不純物を含むニッケル溶液を接触させることにより、ニッケルより抽出されやすい元素が有機相へ、有機中のニッケルが水相側へ移行する交換反応が起こり、ニッケル溶液中の不純物を除去する方法が示されている。
この方法は、pH調整剤に含まれるNaなどの不純物元素がニッケル溶液へ混入し、製品を汚染することを防止する方法として有効である。
しかし、溶液中のマグネシウムは、以上のような硫酸ニッケルの製造工程における浄液工程や溶媒抽出工程を用いても、ニッケルと反応挙動が似ていることから、ニッケル溶液から選択的にマグネシウムを除去することは困難であった。そのため、溶媒抽出工程や浄液工程から排出されるニッケルを少量含有する溶液を、系内で繰り返し利用した場合、除去されずに残ったマグネシウムも、ニッケルと同様に繰り返されることになる。したがって、系内にマグネシウムが蓄積し、製品中のマグネシウム品位が上昇する要因となっていた。
特開平10−310437号公報 特開平10−30135号公報 特開2004−307270号公報
このような状況の中で、本発明は、ニッケルを含む溶液からマグネシウムを選択的に除去する不純物元素除去方法と、この不純物元素除去方法を用いて高純度の硫酸ニッケルを得る製造方法の提供を目的とするものである。
このような課題を解決する本発明の第1の発明は、ニッケルを含む溶液から高純度硫酸ニッケルを生成する製造方法における製造工程において、その製造工程内のニッケルを含む溶液に対して、下記(1)から(3)に示す不純物元素除去処理工程を施すことを特徴とする高純度硫酸ニッケルの製造方法である。

(1)製造工程内のニッケルを含む溶液の一部に、アルカリを添加してpH7.0〜7.8の範囲にすることで、その溶液に含まれるニッケルを水酸化ニッケルとした沈殿物と、その沈殿物以外の水酸化後液からなる水酸化スラリーを形成し、その製造工程内のニッケルを含む溶液からニッケル成分を回収する水酸化工程。
(2)(1)の水酸化工程で得られた水酸化スラリーを、沈殿物である水酸化ニッケルと水酸化後液に分離する固液分離工程。
(3)(2)の固液分離工程により分離した水酸化後液を、中和処理して不純物元素を含む中和澱物を生成し、製造工程内の溶液に含まれる不純物元素を回収する中和工程。
本発明の第2の発明は、第1の発明における不純物元素が、マグネシウムであることを特徴とする高純度硫酸ニッケルの製造方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における製造工程が、さらにニッケル含有物を溶解する浸出工程と、ニッケルとコバルトを溶媒抽出法により分離する溶媒抽出工程を備えることを特徴とする高純度硫酸ニッケルの製造方法である。
本発明の第4の発明は、第3の発明におけるニッケル含有物が、ニッケルおよびコバルト混合硫化物、工業中間物である粗硫酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、ニッケル粉であることを特徴とする高純度硫酸ニッケルの製造方法である。
本発明の第5の発明は、ニッケルを含む硫酸酸性溶液から不純物元素を除去するために、下記(1)から(3)に示す処理工程を施すことを特徴とするニッケル含有溶液からの不純物元素除去方法である。

(1)ニッケルを含む硫酸酸性溶液に、アルカリを添加してpH7.0〜7.8の範囲にすることで、そのニッケルを含む硫酸酸性溶液に含まれるニッケルを水酸化ニッケルとした沈殿物と、その沈殿物以外の水酸化後液とからなる水酸化スラリーを形成し、そのニッケルを含む硫酸酸性溶液からニッケル成分を回収する水酸化工程。
(2)(1)の水酸化工程で得られた水酸化スラリーを、沈殿物である水酸化ニッケルと水酸化後液に分離する固液分離工程。
(3)(2)の固液分離工程により分離した水酸化後液pHが排水基準値以下で、且つMnを除去した中和後液と不純物元素を含む中和澱物を生成する中和処理を行って、製造工程内の溶液に含まれる不純物元素を回収する中和工程。
本発明の第6の発明は、第5の発明における不純物元素が、マグネシウムであることを特徴とするニッケル含有溶液からの不純物元素除去方法である。
本発明によれば、ニッケルを含む溶液から高純度硫酸ニッケルを得る製造方法において、特に、その選択除去が難しいマグネシウムを効率的に製造工程系外へ排出するプロセスを提供することによって、高純度硫酸ニッケル製品中のマグネシウムを大きく低減することが可能となり、より高純度の硫酸ニッケルを提供する。
本発明の高純度硫酸ニッケルの製造フロー図である。 本発明のニッケルを含む溶液からの不純物元素除去方法のフロー図である。
本発明では、ニッケルを含む溶液から高純度硫酸ニッケルを得る製造方法において、下記(1)〜(3)に示す工程内の溶液から不純物元素を除去する方法を構成する一連の工程を、製造工程中に組み込むことによって、ニッケルを含む溶液から、より不純物の少ない高純度硫酸ニッケルを製造することを特徴とするものである。
以下、図1の本発明の高純度硫酸ニッケルの製造フロー図、及び図2のニッケルを含む溶液からの不純物元素除去方法のフロー図を参照して、本発明の高純度硫酸ニッケル溶液の製造方法を説明する。
[高純度硫酸ニッケル溶液の製造方法]
図1は、その製造フローを示すもので、通常は「(実線)矢印1」に従って工程が進行して高純度硫酸ニッケル溶液が製造されるが、ニッケルを含む溶液である、溶媒抽出工程より生成された高不純物濃度硫酸ニッケル溶液を元液とした「(破線)矢印2」の工程を経ることで、より高純度な硫酸ニッケル溶液を得ることが可能である。
以下、図1の高純度硫酸ニッケル溶液の製造フローに沿って、図2に示すニッケルを含む溶液からの不純物元素除去方法を踏まえて説明する。
この工程は、出発原料となる、ニッケルおよびコバルト混合硫化物、粗硫酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、ニッケル粉などから選ばれる一種、または複数の混合物から成る工業中間物などのニッケル含有物を、鉱酸(塩酸、硫酸など)により溶解して、ニッケルを浸出させて浸出液(ニッケルを含む溶液)を生成する工程で、特開2005−350766号公報などに開示された公知の方法を用いて行われる。
[工程内の溶液からの不純物元素除去方法]
(1)水酸化工程
先ず、本発明におけるニッケルを含む溶液とは、ニッケル酸性溶液を示すものである。
特にニッケル含有物を、酸を用いて溶解する浸出工程と、この浸出工程により生成されるニッケル酸性溶液中のニッケルとコバルトを、溶媒抽出法を用いて分離する溶媒抽出工程を有する硫酸ニッケル製造方法の製造工程内の溶液、特にニッケルを含む溶液に効果的に用いることができる。
出発原料となるニッケル含有物は、ニッケルおよびコバルト混合硫化物、工業中間物である粗硫酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、ニッケル粉などから選ばれる一種、または複数の混合物を指し、これらは不純物を多く含むために、溶媒抽出法を用いる浄液法により処理するのが望ましいものである。
これらのニッケル含有物は、塩酸や硫酸などの鉱酸によりニッケルを浸出した浸出液を形成するが、この際、不純物元素も同様に液中へ溶出してしまう。そこで、浸出液中の鉄、クロム、アルミニウム濃度が高い場合は、中和処理を行ない、溶媒抽出前にこれらの元素を除去する方が、有機溶媒中への鉄、クロム、アルミニウムの蓄積を緩和でき、溶媒抽出工程の効率が良くなる。
本発明はニッケルを含む酸性溶液であれば、工程内のいずれの溶液にも適用可能であるが、特に溶媒抽出工程の条件を制御することによって生成される、マグネシウムが高濃度に蓄積あるいは濃縮した高不純物濃度溶液、または溶液の一部に用いると効果的である。
さらに、通常硫酸ニッケルの製造工程では、ニッケルを高濃度に含むのに対して、不純物濃度は低いため、極力マグネシウム濃度が高く、ニッケル濃度が低い溶液に本発明を適用するほうが、ニッケルを水酸化物として沈殿させるための薬剤の使用量を低減でき、経済的である。その点、溶媒抽出工程では、有機相と水相の混合比率を適正化することにより、簡単に水溶液中の元素濃度を調整することができるため、該当する溶液が容易に得られる。
水酸化工程では、工程内の溶液、特にニッケルを含む溶液にアルカリを添加し、ニッケルを水酸化ニッケルとして沈殿させる。このとき、コバルト、亜鉛、銅などはニッケルと共に沈殿し、分離されない。
一方、マグネシウムは沈殿するpHがニッケルよりも高いため、溶液(水酸化後液)中に残留させることができ、ニッケルと分離が可能となる。
このとき使用するアルカリは、特に限定はされないが、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウムなどが工業的に広く用いられており、大量かつ容易に入手できる点で望ましい。ただし、水酸化カルシウムを用いる場合は、一般的に水酸化カルシウムは不純物としてマグネシウムを含み、このマグネシウムの一部が水酸化工程において生成する水酸化ニッケルの沈殿に混入するため、効率良くマグネシウムを除去することができなくなる。したがって、水酸化マグネシウムを使用する場合には、マグネシウム濃度が低い水酸化カルシウムを用いる必要がある。
水酸化工程の温度は、特に限定はされないが、40〜80℃が好ましい。
40℃未満では反応時間が長くなりすぎ、設備が巨大化する。また、80℃以上では樹脂系の材料が使用できないため設備の材質が制限され、設備費が上昇してしまう。
また、pHは7.0〜7.8が好ましい。pH7.0未満では水酸化後液へのニッケルの残留が多すぎてニッケルの損失量が大きい。また、pH7.8以上ではマグネシウムも沈殿してしまう。
(2)固液分離工程
水酸化工程で生成した水酸化ニッケルと残液である水酸化後液を、固液分離装置を用いて分離回収する工程である。
用いる固液分離装置は、特に限定されるものではなく、加圧濾過装置、吸引濾過装置、遠心分離装置などを用いることができる。回収されたニッケルを主成分とする水酸化物は浸出液中の鉄、クロム、アルミを除去するための中和工程に中和剤の一部として繰り返すことにより、再利用できる。
(3)中和工程
一方、固液分離後の不純物を含む水酸化後液は、中和剤の添加による中和処理により生成する沈殿物である中和澱物と、中和後液からなる中和溶液を形成した後に、固液分離装置を用いて固液分離し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液に分離する。
ここで、使用する中和剤は、特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが安価であり、工業的に用いるのに適している。
中和する際の調整するpHは8.0〜8.5の範囲とすることが望ましい。
pH8.0未満ではMnの除去が不十分であり、一方pH8.5を超えるとpHの排水基準値を超える可能性があり、最終的に排出する際にpHの再調整が必要となってしまうためである。
[溶媒抽出工程]
図1中の「溶媒抽出工程」と表記される溶媒抽出工程は、水相と有機相を接触させ、各相中の成分を交換することで、水相中のある成分の濃度を高め、他の異なる成分の濃度を低くするもので、本発明では水相に、浸出工程、pH調整を経て得られたニッケルを含む溶液を用い、有機相にホスホン酸やホスフィン酸などの有機溶媒、或いは特許文献1乃至特許文献3に示されるようなニッケルを含む有機溶媒を用いた溶媒抽出法によって行われ、高純度硫酸ニッケル溶液と高不純物濃度硫酸ニッケル溶液、およびコバルト回収液が得られる。
この溶媒抽出工程において、溶媒抽出条件を変更することによって、生成される硫酸ニッケル溶液中の不純物元素濃度の調整が可能である。
そこで、不純物元素を濃縮した高不純物濃度硫酸ニッケル溶液を溶媒抽出により生成し、不純物元素除去方法を施すことで、高純度な硫酸ニッケル溶液を作製することが可能である(図1の(破線)矢印2で示される工程)。
以上のように、ニッケルを含む溶液からの不純物元素除去方法を製造工程に組み込むことにより、製造工程系内からマグネシウムを選択的に排出することができ、したがって系内にこれらの元素が蓄積することがなくなり、高純度硫酸ニッケルを製造することができる。
本発明により製造される硫酸ニッケルは、製品形態として、硫酸ニッケル溶液または、晶析やスプレードライ等の一般的な結晶化方法を用いて硫酸ニッケル結晶にすることができる。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
[水酸化工程]
(1)水酸化工程
ニッケルを含む溶液(元液)として、表1に示す硫酸酸性溶液を400ml準備した。
ウォーターバスを用いて、その液温が40℃になるように保持し、スターラーで撹拌しながら、アルカリとして水酸化カルシウム(200g/L)を用い、ビーカー内の元液に滴下して反応させた。液のpHが7.5となるまでアルカリの添加を行なった。
(2)固液分離工程
次に、不純物元素濃度の除去具合を知る目的で、形成したスラリーを、濾過による固液分離を実施後、得られた水酸化後液をICP発光分光分析法により、含まれる各元素の定量分析を行なった。
その結果を表1に併せて示す。なお、水酸化後液の濃度はサンプリングとアルカリ溶液を加えたことによる液量の増減を補正している。
Figure 0005867710
表1より、コバルトはほぼ全量沈殿しているのに対して、マグネシウムは元液と水酸化後液中濃度の変化が小さく、水酸化後液に残留しているのがわかる。
[浸出工程]
原料のニッケル中間物をオートクレーブに装入し、これに酸素を供給して、以下の条件で高温加圧浸出の浸出工程を行い、浸出液(ニッケルを含む硫酸酸性溶液)を作製した。
(浸出条件)
浸出温度:165℃
浸出時間:240分
スラリー濃度:200g/L
[溶媒抽出工程]
次いで、その浸出液をpH調整後、溶媒抽出工程において硫酸を用いて逆抽出して不純物を高濃度含む高不純物濃度硫酸ニッケル溶液を得た。これらの組成を表2に示す。
<不純物元素の除去>
[水酸化工程]
図1の「破線矢印2」に示すように、得られた高不純物濃度硫酸ニッケル溶液の液温を40℃に保持しつつ、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7.8に調整した水酸化スラリーを形成した。次に、この水酸化スラリーを固液分離した後に得られた水酸化後液の組成を表2に示す。また、回収した水酸化ニッケル澱物は、浸出液をpH調整する際の中和剤の一部として全量を繰り返した。
以上の工程により得られた、溶媒抽出工程から産出された高純度硫酸ニッケル溶液の組成を表2に示す。
Figure 0005867710
実施例2の製造工程における溶媒抽出工程において、溶媒抽出工程から生成された不純物を高濃度に含む、高不純物濃度硫酸ニッケル溶液を水酸化処理せずに、全量を工程内へ繰り返し、図1のフロー図の「(実線)矢印1」に示す処理を行なった。そのときに得られた各液の組成を表3に示す。
Figure 0005867710

Claims (6)

  1. ニッケルを含む溶液から高純度硫酸ニッケルを生成する製造方法における製造工程において、
    製造工程内のニッケルを含む溶液に対して、下記(1)から(3)に示す不純物元素除去処理工程を施すことを特徴とする高純度硫酸ニッケルの製造方法。

    (1)前記製造工程内のニッケルを含む溶液の一部に、アルカリを添加してpH7.0〜7.8の範囲にすることで、前記溶液に含まれるニッケルを水酸化ニッケルとした沈殿物と、その沈殿物以外の水酸化後液とからなる水酸化スラリーを形成し、前記製造工程内のニッケルを含む溶液からニッケル成分を回収する水酸化工程。
    (2)(1)の水酸化工程で得られた水酸化スラリーを、沈殿物である水酸化ニッケルと水酸化後液に分離する固液分離工程。
    (3)(2)の固液分離工程により分離した水酸化後液を、中和処理して不純物元素を含む中和澱物を生成し、製造工程内の溶液に含まれる不純物元素を回収する中和工程。
  2. 前記不純物元素が、マグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載の高純度硫酸ニッケルの製造方法。
  3. 前記製造工程が、ニッケル含有物を溶解する浸出工程と、ニッケルとコバルトを溶媒抽出法により分離する溶媒抽出工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度硫酸ニッケルの製造方法。
  4. 前記ニッケル含有物が、ニッケルおよびコバルト混合硫化物、工業中間物である粗硫酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、ニッケル粉であることを特徴とする請求項3に記載の高純度硫酸ニッケルの製造方法。
  5. ニッケルを含む硫酸酸性溶液から不純物元素を除去するために、下記(1)から(3)に示す処理工程を施すことを特徴とするニッケルを含む溶液からの不純物元素除去方法。

    (1)前記ニッケルを含む硫酸酸性溶液に、アルカリを添加してpH7.0〜7.8の範囲にすることで、前記ニッケルを含む硫酸酸性溶液に含まれるニッケルを水酸化ニッケルとした沈殿物と、その沈殿物以外の水酸化後液とからなる水酸化スラリーを形成し、前記ニッケルを含む硫酸酸性溶液からニッケル成分を回収する水酸化工程。
    (2)(1)の水酸化工程で得られた水酸化スラリーを、沈殿物である水酸化ニッケルと水酸化後液に分離する固液分離工程。
    (3)(2)の固液分離工程により分離した水酸化後液に、pHが排水基準値以下で、且つMnを除去した中和後液と不純物元素を含む中和澱物を生成する中和処理を行って、製造工程内の溶液に含まれる不純物元素を回収する中和工程。
  6. 前記不純物元素が、マグネシウムであることを特徴とする請求項5に記載のニッケルを含む溶液からの不純物元素除去方法。
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