JP4521109B2 - 排水の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水の処理方法に関し、さらに詳しくは、pHが3以下の酸性排水に含まれている塩化物イオン、硝酸イオン、フッ化物イオン、及び硫酸イオンなどのアニオンを効率的に固定除去することが可能な排水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ごみ焼却施設やフロン分解処理工場、半導体製造工場から排出される塩酸、硝酸、フッ酸、及び硫酸などの無機酸を含むpHが3以下の強酸性排水は、従来より、水酸化カルシウムなどのアルカリ処理剤により中和処理された後、河川などの公共水域へ放流されている。また、酸性排水の中和処理により生成した中和反応生成物(例:塩化カルシウム)は、埋立て処分場にて埋立処分されるか、排水に溶解している状態のまま河川などの公共水域へ放流されている。
【0003】
ただし、上記のような中和処理だけでは、排水中の塩化物イオンなどのアニオン(無機イオン)を完全に除去することは難しく、溶解度の高い中和反応生成物は、そのほとんどが公共水域に放出されている。公共水域に放出された排水に、塩化物イオンなどのアニオンが含まれていると、水稲などの農作物の発育が阻害されたり、生態系にまで影響が及ぶことがあるといわれている。例えば、近年、山間部の河川に海藻類似の汽水性のけい藻(アンフィプローラ・アターラ)が出現したという報告がなされている。このような理由から、排水に含まれているアニオンを効率的に固定除去することが可能な排水処理方法の開発が望まれる。
【0004】
排水に含まれているアニオンを除去あるいは固定する方法としては、電気透析法、逆浸透法、蒸発法、そしてイオン交換樹脂を用いたイオン交換法などが知られている。しかしながら、電気透析法、逆浸透法、蒸発法では、その方法の実施に必要な設備のコストが高いため、安価であることが望まれる排水の処理方法としては実用的な方法ということはできない。一方、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法は、比較的安価な設備で実施することができる。しかしながら、イオン交換樹脂を再利用可能に再生する際には、一旦吸着されたアニオンをより高濃度で含むアルカリ性水溶液が排水として発生するため、別の場所にアニオンを吸着したイオン交換樹脂を輸送して再生しなければならず、その再生処理に必要なコストが高くなるため、塩化物イオンなどの安価なアニオンを除去するには必ずしも実用的とはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、入手と再生処理が容易な材料を用いて、pHが3以下の酸性排水からアニオンを工業的に有利に固定除去することができる排水の処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩化物イオン、硝酸イオン、フッ化物イオン、及び硫酸イオンのうちの少なくとも一種のアニオンを含み、かつpHが3以下の排水に、下記の化学式:
Mg 2+ 1-X Al 3+ X (2+x)/2
(但し、Xは0.2〜0.35を示す)
で表され、岩塩型構造を持つ複合金属酸化物を接触させて、該複合金属酸化物にアニオンを固定することを特徴とする排水の処理方法にある。
【0007】
本発明の排水処理方法は、イオン交換樹脂によるイオン交換処理では困難とされる高濃度の酸を含む排水、特にpHが1以下の強酸性排水であっても好適に用いることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
初めに、本発明の排水処理方法に用いられる複合金属酸化物について説明する。本発明の排水処理方法に用いられる複合金属酸化物は、下記の化学式:
Mg 2+ 1-X Al 3+ X (2+x)/2
[但し、Xは0.2〜0.35(好ましくは0.2〜0.33)を示す]
で表され、岩塩型構造を呈し、アニオンを吸着・固定して層状構造に構造が変化するものであることが好ましい。
【0009】
上記の一般式で表される岩塩型構造を持つ複合金属酸化物は、例えば、下記の化学式:
Mg 2+ 1-X Al 3+ X (OH)2]An- x/n・mH2
(但し、Xは前記と同じであり、An-はn価のアニオン、nは1以上の自然数、mは0〜1を示す)
で表されるハイドロタルサイト構造を持つハイドロタルサイト様化合物を300〜850℃の温度にて焼成させることにより得ることができる。
【0010】
上記の一般式において、An-の例としては、水酸化物イオン(OH-)、フッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)、硝酸イオン(NO3 -)などの一価のアニオンや、炭酸イオン(CO3 2-)、硫酸イオン(SO4 2-)などの二価のアニオンを挙げることができる。
【0011】
本発明において下記の化学式:
Mg2+ 1-XAl3+ X(2+x)/2
(但し、Xは0.2〜0.35を示す)
で表される複合金属酸化物を、以下、Mg−Al型複合金属酸化物という。
【0012】
本発明の排水処理方法では、pHが3以下の酸性排水に岩塩型構造を持つ複合金属酸化物を接触させて、排水に含まれているアニオンを複合金属酸化物に固定することに主な特徴がある。ここで、岩塩型構造を持つ複合金属酸化物が排水中のアニオンを固定除去する反応機構について説明する。
【0013】
純水とMg−Al型複合金属酸化物とを接触させると、下記に示す反応式(1)に表されている反応より水酸化物型ハイドロタルサイト様化合物{[Mg1-XAlX(OH)2](OH)x}が生成することが知られている。
【0014】
Mg1-XAlX(2+x)/2+(2+x)/2H2O→
[Mg1-XAlX(OH)2](OH)x・・・(1)
【0015】
なお、上記の反応式(1)に示されている反応は、ハイドロタルサイト様化合物を焼成して得た複合金属酸化物が、ハイドロタルサイト様化合物に再生することから再生反応と呼ばれている反応である。
【0016】
本発明の排水処理方法では、この複合金属酸化物の再生反応を利用して、排水中のアニオンを固定除去することができる。例えば、塩酸を含む排水とMg−Al型複合金属酸化物とを接触させると、下記に示す反応式(2)に表されている反応より塩酸を固定除去することができる。
【0017】
Mg1-XAlX(2+x)/2+xHCl+(2−x)/2H2O→
[Mg1-XAlX(OH)2]Clx・・・(2)
【0018】
上記の反応式(2)に示されている反応により生成される化合物{[Mg1-XAlX(OH)2]Clx}もまた、ハイドロタルサイト構造を持つハイドロタルサイト様化合物であり、塩化物イオンはこの化合物の主骨格(ホスト層)にインターカレートされている。
【0019】
本発明の排水処理方法において、排水と複合金属酸化物とを接触させる方法には、特に制限はない。例えば、複合金属酸化物の粉末及び/又は顆粒物が充填された円筒状の管(カラム)やろ過床に排水を流し込む方法、あるいは撹拌槽と沈殿槽とを組み合わせて用いる方法などを挙げることができる。
【0020】
複合金属酸化物に接触させる時の排水の温度には特には制限はないが、通常は、10〜80℃の範囲内、好ましくは20〜60℃の範囲内である。また、複合金属酸化物と排水との接触時間は1分以上、好ましくは5分以上、さらに好ましくは10分以上である。また、接触時間の上限には特に制限はないが、通常は5時間以下である。
【0021】
【実施例】
[実施例1]
[1]Mg−Al型複合金属酸化物の製造
(1)炭酸型ハイドロタルサイト様化合物の製造
硝酸マグネシウム・6水和物[Mg(NO32・6H2O]と硝酸アルミニウム・9水和物[Al(NO33・9H2O]とが、それぞれモル比で7:2になるように混合されている混合水溶液に、40℃に加温した炭酸ナトリウム水溶液を、炭酸イオンとアルミニウムイオンとがモル比([CO3 2-]/[Al3+])で1.5になるまで添加した。炭酸ナトリウム水溶液の添加時に、混合水溶液のpHを10に調整するために、炭酸ナトリウム水溶液の添加と同時に濃度が2モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。添加終了後、液温を40℃に維持しながら4時間撹拌した後、混合水溶液中に生成した炭酸型ハイドロタルサイト様化合物{[Mg0.78Al0.22(OH)2](CO30.11・mH2O、m:0〜1}をろ過し、水洗した後、乾燥機中105℃で、1日乾燥した。
【0022】
(2)Mg−Al型複合金属酸化物の製造
上記のようにして製造した炭酸型ハイドロタルサイトを500℃で1時間仮焼して、岩塩型構造を持つMg−Al複合金属酸化物(Mg0.78Al0.221.11)を製造した。
【0023】
[2]評価
上記のようにして製造したMg−Al型複合金属酸化物を用いて、塩酸水溶液中の塩化物イオンの固定除去処理を行った。すなわち、0.01〜0.5モル/リットルの塩酸水溶液10ミリリットルをねじ口試験管(径:25mm、長さ:100mm)に入れ、そこに化学量論比として0.5〜2.0となる量のMg−Al型複合金属酸化物を一気に加え、恒温槽中25〜60℃で10〜180分間振とうさせて処理した。なお、ここでいう化学量論比は、塩酸水溶液中の塩化物イオン量に対するMg−Al複合金属酸化物に理論的に固定できる塩化物イオン量の比である(Mg−Al複合金属酸化物に理論的に固定できる塩化物イオン量/塩酸水溶液中の塩化物イオン量)。例えば、化学量論比が1であるとは、下記の反応式(3)に示されているように0.22モルの塩酸に対し、1モルのMg−Al型複合金属酸化物(Mg0.78Al0.221.11)を加えることをいう。
【0024】
Mg0.78Al0.221.11+0.22HCl+0.89H20→
[Mg0.78Al0.22(OH)2]Cl0.22・・・(3)
【0025】
塩化物イオンの除去処理した塩酸水溶液を、ろ過して反応生成物を取り除いた後、ろ液のpH、塩化物イオン量、マグネシウムイオン量、そしてアルミニウムイオン量を測定した。
塩化物イオン量は、イオンクロマトグラフィ[装置:イオンクロマトグラフQIC、DIONEX(株)製、カラム:無機カラムAS−3、感度:30μS]を用いて測定した。マグネシウムイオン量及びアルミニウムイオン量はICP−AESを用いて測定した。
【0026】
処理後の塩酸水溶液中の塩化物イオン量から、塩化物イオン除去率(%)を次のようにして算出した。
塩化物イオン除去率(%)=(処理前の塩酸水溶液中の塩化物イオン量−処理後の塩酸水溶液中の塩化物イオン量)/処理前の塩酸水溶液中の塩化物イオン量×100
【0027】
処理後の塩酸水溶液中のマグネシウムイオン量及びアルミニウムイオン量から溶出率(%)を次のようにして算出した。
マグネシウムイオン溶出率(%)=処理後の塩酸水溶液中のマグネシウムイオン量/酸化物中のマグネシウム量×100
アルミニウムイオン溶出率(%)の算出方法は、マグネシウムイオン溶出率と同様である。
【0028】
[3]結果
(1)処理時間による影響
下記の処理条件Iに示すように、処理時間を変えて塩化物イオンを除去処理した時の塩化物イオン除去率(−○−)を図1に、pH(−○−)とマグネシウムイオン溶出率(−□−)を図2に示す。
【0029】
<処理条件I>
塩酸水溶液の濃度(モル/リットル):0.5
Mg−Al型複合金属酸化物の添加量(化学量論比として):1.75
恒温槽の温度(℃):60
処理時間(分):10、30、60、120、180
【0030】
図1に示した結果から、塩化物イオン除去率は反応開始30〜60分でほぼ100%に達していることがわかる。
【0031】
ここで、図1に、参考例として、Mg−Al型複合金属酸化物の代わりに、前記[1]Mg−Al型複合金属酸化物の製造の(1)で製造した炭酸型ハイドロタルサイト様化合物を化学量論比として同量加えた以外は、上記処理条件Iと同様にして塩化物イオンを除去処理した時の結果(−△−)を示した。
炭酸型ハイドロタルサイト様化合物を用いた場合には、塩化物イオンの除去率は10%以下であり、ほとんど塩化物イオンの除去効果が得られないことがわかる。
【0032】
図2に示した結果から、処理後の塩酸水溶液は、処理時間が10分の場合でもpHは9であり、塩酸水溶液(酸性溶液)が速やかに弱アルカリ性に中和されることがわかる。また、マグネシウムイオン溶出率は、処理時間が10分の場合には2%程度であったが、処理時間が長くなるに伴って減少した。これは、一旦塩酸水溶液に溶出したマグネシウムイオンが、pHの上昇に伴って、水酸化物として再沈殿したためと考えられる。なお、アルミニウムイオンは、全ての処理条件において処理後の塩酸水溶液から検出されなかった。
【0033】
(2)Mg−Al型複合金属酸化物の添加量による影響
下記の処理条件IIに示すように、Mg−Al型複合金属酸化物の添加量を変えて塩化物イオンを除去処理した時の塩化物イオン除去率を図3に、pH(−○−)とマグネシウムイオン溶出率(−□−)を図4に示す。
【0034】
<処理条件II>
塩酸水溶液の濃度(モル/リットル):0.5
Mg−Al型複合金属酸化物の添加量(化学量論比として):0.5、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0
恒温槽の温度(℃):60
処理時間(分):180
【0035】
図3に示した結果から、塩化物イオン除去率は、Mg−Al型複合金属酸化物の添加量の増加に伴って上昇し、Mg−Al型複合金属酸化物の添加量が化学量論比として1.75となる量の時、ほぼ100%に達することがわかる。
【0036】
図4に示した結果から、pHはMg−Al型複合金属酸化物の添加量の増加に伴って高くなるのに対し、マグネシウム溶出率はMg−Al型複合金属酸化物の添加量の増加に伴って低くなることがわかる。なお、アルミニウムイオンについては、全ての処理条件において処理後の塩酸水溶液から検出されなかった。
【0037】
(3)塩酸濃度による影響
下記の処理条件IIIに示すように、塩酸水溶液の塩酸濃度を変えて塩化物イオンを除去処理した時の塩化物イオン除去率を図5に示す。
【0038】
<処理条件III>
塩酸水溶液の濃度(モル/リットル):0.01、0.05、0.1、0.5
Mg−Al型複合金属酸化物の添加量(化学量論比として):1.75
恒温槽の温度(℃):60
処理時間(分):180
【0039】
図5に示した結果から、塩化物イオンの除去率は、塩酸水溶液の塩酸濃度の低下に伴って減少することがわかる。特に、塩酸水溶液の塩酸濃度が0.1モル/リットル以下になると、塩化物イオン除去率が大きく低下した。これは塩酸水溶液の塩酸濃度が薄くなると、塩酸水溶液中の水酸化物イオン量が多くなり、本質的に塩化物イオンよりインターカレートし易い水酸化物イオンの影響を受けるためと考えられる。
【0040】
(4)処理温度による影響
下記の処理条件IVに示すように、処理温度(恒温槽の温度)と処理時間を変えて塩化物イオンを除去処理した時の塩化物イオン除去率を図6に示す。なお、図6中−○−は処理時間が1時間の場合であり、−□−は処理時間が3時間の場合である。
【0041】
<処理条件IV>
塩酸水溶液の濃度(モル/リットル):0.5
Mg−Al型複合金属酸化物の添加量(化学量論比として):1.75
恒温槽の温度(℃):25、40、60
処理時間(分):60、180
【0042】
図6に示した結果から、処理温度(恒温槽の温度)が高くなるに従って、塩化物イオン除去率が高くなることがわかる。塩化物イオン除去率は、40℃で3時間処理した場合では約95%であったのに対し、60℃では1時間処理した場合でもほぼ100%に達することがわかる。
【0043】
[実施例2]
[1]Mg−Al型複合金属酸化物の製造
硝酸マグネシウム・6水和物[Mg(NO32・6H2O]と硝酸アルミニウム・9水和物[Al(NO33・9H2O]とのモル比を2:1にした以外は、前記実施例1と同様の操作を行って、Mg−Al型複合金属酸化物(Mg0.66Al0.341.17)を製造した。
【0044】
なお、このMg−Al型複合金属酸化物において化学量論比が1であるとは、下記の反応式(4)に示されているように0.34モルの塩酸に対し、1モルのMg−Al型複合金属酸化物(Mg0.66Al0.341.17)を加えることをいう。
【0045】
反応式(4);
Mg0.66Al0.341.17+0.34HCl+0.83H2
→[Mg0.66Al0.34(OH)2]Cl0.34・・・(4)
【0046】
[2]評価及び結果
Mg/Al比の影響
実施例1で製造したMg−Al型複合金属酸化物(Mg0.78Al0.221.11:Mg/Al(モル比)=3.5)と実施例2で製造したMg−Al型複合金属酸化物(Mg0.66Al0.341.17:Mg/Al(モル比)=2)とについて、下記の処理条件Vで塩酸水溶液中の塩化物イオンを除去処理した時の塩化物イオン除去率(−○−)とpH(−△−)とを図7に示す。
【0047】
<処理条件V>
塩酸水溶液の濃度(モル/リットル):0.5
Mg−Al型複合金属酸化物の添加量(化学量論比として):1.75
恒温槽の温度(℃):60
処理時間(分):60
【0048】
図7に示した結果から、Mg/Al比が小さいMg−Al型複合金属酸化物(実施例2)を用いて処理した方が、塩化物イオン除去率が低く、pHも低くなることがわかる。これは、Mg/Al比が小さいMg−Al型複合金属酸化物の方がホスト層間の正電荷が高くなるため、Mg/Al比が大きいMg−Al型複合金属酸化物(実施例1)よりも、多くの水酸化物イオンをインターカレートしたためと考えられる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の排水処理方法によれば、pHが3以下の酸性排水からアニオンを工業的に有利に固定除去することができる。
特に、岩塩型構造を持つ複合金属酸化物にハイドロタルサイト様化合物の焼成物を用いた場合には、排水処理後に生成されるアニオンを吸着固定した複合金属酸化物(ハイドロタルサイト様化合物)を焼成してアニオンをガス状化合物として蒸発させることにより再度、岩塩型構造を持つ複合金属酸化物として利用することができるので、排水処理にかかるコストを大幅に低減することができる。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】塩酸水溶液中の塩化物イオンを処理時間を変えて除去処理した時の塩化物イオン除去率の変化を示す図である。
【図2】塩酸水溶液中の塩化物イオンを処理時間を変えて除去処理した時のpHとマグネシウムイオン溶出率の変化を示す図である。
【図3】塩酸水溶液中の塩化物イオンをMg−Al型複合金属酸化物の添加量を変えて除去処理した時の塩化物イオン除去率の変化を示す図である。
【図4】塩酸水溶液中の塩化物イオンをMg−Al型複合金属酸化物の添加量を変えて除去処理した時のpHとマグネシウムイオン溶出率の変化を示す図である。
【図5】塩酸水溶液の塩酸濃度を変えて塩化物イオンを除去処理した時の塩化物イオン除去率の変化を示す図である。
【図6】塩酸水溶液中の塩化物イオンを処理温度を変えて除去処理した時の塩化物イオン除去率の変化を示す図である。
【図7】塩酸水溶液中の塩化物イオンを組成の異なるMg−Al型複合金属酸化物を用いて除去処理した時の塩化物イオン除去率とpHとを示す図である。

Claims (2)

  1. 塩化物イオン、硝酸イオン、フッ化物イオン、及び硫酸イオンのうちの少なくとも一種のアニオンを含み、かつpHが3以下の排水に、下記の化学式:
    Mg 2+ 1-X Al 3+ X (2+x)/2
    (但し、Xは0.2〜0.35を示す)
    で表され、岩塩型構造を持つ複合金属酸化物を接触させて、該複合金属酸化物にアニオンを固定することを特徴とする排水の処理方法。
  2. 排水のpHが1以下であることを特徴とする請求項1に記載の排水の処理方法。
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