JP7284596B2 - 二水石膏の製造方法 - Google Patents

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この発明は二水石膏の製造方法に関し、特にヒ素含有量を低減できる製造方法に関する。
二水石膏は石膏ボードの原料、セメント原料などに用いられ、二水石膏原料は、廃石膏ボード、排煙脱硫石膏、化学石膏、天然石膏などである。ところで廃石膏ボードにはヒ素などの不純物を含んでいるものがある(特許文献1,2)。そして特許文献1は、廃石膏ボードを破砕した二水石膏に高炉セメントB種を15~25質量%混合すると、ヒ素の溶出を防止できるとしている。
セメントを混合した二水石膏は、石膏ボードの原料には不適である。またヒ素を不溶化することよりも、二水石膏中のヒ素含有量自体を減少させることの方が好ましい。
特開2014-176793 特開2014-57949
この発明の課題は、ヒ素含有量を減少させることができる二水石膏の製造方法を提供することにある。
この発明は、ヒ素を含有する二水石膏をか焼し、半水及び/又は無水III型石膏とし、得られた半水及び/又は無水III型石膏をpHが1以上5以下の硫酸酸性水溶液中に溶解させた後に、二水石膏粒子として晶析させることを特徴とする、ヒ素含有量を減少させた二水石膏の製造方法にある。
半水及び/又は無水III型石膏をpHが1以上5以下の硫酸酸性水溶液中に溶解させると、硫酸酸性のためヒ素化合物の溶解度が増す。このため原料石膏分中のヒ素は水溶液中に安定に溶解し、析出する二水石膏粒子には取り込まれにくくなる。言い換えると、ヒ素の多くは水溶液中に留まったままになる。そして析出した二水石膏粒子を固液分離により回収すると、ヒ素含有量が低い二水石膏を製造できる。なお硫酸の代わりに硝酸や塩酸を用いると、二水石膏の溶解度が著しく増すので(図2)、二水石膏粒子を晶析させることが難しくなる。
半水及び/又は無水III型石膏を溶解させる水溶液は、硫酸によりpHを1以上5以下に調整した水溶液である。後述のように、pH6ではヒ素含有量は原材料の二水石膏からほとんど減少しないが、pH4.7では1/2程度に減少する。従ってpHを5以下にすることが必要である。pHが低い程、水溶液へのヒ素化合物の溶解度が増し、製造した二水石膏中のヒ素含有量を低減できる。この一方でpHを低くする程、製造装置に要求される硫酸への耐食性が高くなる。このためpHの下限を1とし、好ましくはpHを4以上5以下とする。なお水溶液は水と硫酸のみから成る硫酸水溶液でも良く、あるいは水と硫酸の他に二水石膏の種結晶、二水石膏粒子等を含む水溶液でも良い。
原材料とする二水石膏は、廃石膏ボード由来のもの(実施例)の他に、火力発電所等からの排煙脱硫石膏、リン酸や二酸化チタン等を製造する際の副産物である化学石膏、天然石膏、等任意である。即ち、原材料の二水石膏は、ヒ素含有量を減少させることが望ましいものであれば良い。
半水及び/又は無水III型石膏の硫酸酸性水溶液への溶解及び二水石膏粒子の析出は、回分法でも連続法でも良いが、工業的には連続法が好ましい。また固液分離した二水石膏に付着している硫酸分を除くため、固液分離後に二水石膏を水洗しても良い。
発明者は、この発明に到る過程で、晶析後の二水石膏等を水洗し、ヒ素を除去することを試みたが、成功しなかった。このことから、ヒ素は二水石膏の結晶内部に固溶していると推定した。石膏分は水に一旦溶解した後に二水石膏粒子として析出するので、この水溶液を活性炭に接触させてヒ素を吸着させることも試みた。しかしほとんど効果は無かった。
実施例の工程図 酸、塩類水溶液中での二水石膏の溶解度を示す図
以下に本発明を実施するための実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
廃石膏ボードからヒ素含有量を減少させた二水石膏を製造する。なお石膏ボード原料の天然石膏、化学石膏、排煙脱硫石膏等がヒ素を含有する場合、か焼と水溶液への溶解及び晶析を行う定法では、製造した二水石膏中にヒ素が含有されたままである。
実施例の製造工程を図1に示し、廃石膏ボードを破砕及び篩い分けし、石膏ボード原紙由来の紙片を分離する。破砕した二水石膏粒体を例えば130℃以上160℃以下でか焼し、半水及び/又は無水III型石膏とする。か焼後に粉砕あるいは紙片の再分離等を行っても良い。
か焼後の半水及び/又は無水III型石膏を、水に硫酸を加えてpHを1以上5以下に調整した硫酸水溶液を蓄えた反応槽に投入し、過飽和の石膏スラリーとする。反応槽は1段でも複数段でも良く、複数段で連続法の場合、後段の反応槽から前段の搬送槽へ石膏スラリーを循環させることが好ましい。また硫酸酸性水溶液の温度は、室温以上で90℃以下とし、例えば60℃±20℃とする。
石膏スラリーは硫酸酸性水溶液中に溶解し、次いで二水石膏粒子が析出する。析出した二水石膏粒子をフィルタープレス等の固液分離装置により抽出し、連続法の場合、ろ液を反応槽の前段へ循環させる。なお、連続法でろ液を循環させていると徐々にヒ素濃度が上昇してくるため、その場合には適宜、公知の方法でろ液からヒ素除去を行うことが好ましい。固液分離までに二水石膏が反応槽に滞留する時間は、例えば1時間以上100時間以下とし、好ましくは2時間以上10時間以下とする。
投入した半水及び/又は無水III型石膏はCa2+イオンとSO 2-イオンとして、pHを4以上5以下に調整した二水石膏スラリー(硫酸酸性水溶液)中に溶解し、この時ヒ素も溶解する。各種の水溶液への二水石膏の溶解度(セメント・セッコウ・石灰ハンドブック:無機マテリアル学会より引用)を図2に示す。硫酸を加えると二水セッコウの溶解度が増すが、ヒ素化合物の溶解度も著しく増し、ヒ素の多くは水溶液中に留まる。このため析出した二水セッコウ粒子中のヒ素含有量が減少する。なお硝酸、塩酸を加えると、二水セッコウの溶解度が著しく増し、二水石膏粒子の晶析が困難になる。
抽出した二水セッコウ粒子には希薄な硫酸が付着しているので、必要であれば、抽出した二水セッコウ粒子を水洗し、硫酸分を洗い流す。固液分離の過程で、硫酸分の一部が二水石膏粒子と共に反応槽から出て行くので、連続法の場合、失われた分の硫酸を反応槽に補給する。
図1では廃石膏ボードを処理対象としたが、排煙脱硫石膏、化学石膏、天然石膏等を処理しても良い。また反応槽への溶解と二水石膏粒子の析出は、回分法でも連続法でも良く、固液分離前に再度紙片を篩い分けるなどの公知の処理を追加しても良い。
実験例
硫酸酸性水溶液のpHを変え、ヒ素含有量の減少効果を観察した。ヒ素含有量は蛍光X線分析装置を用いて測定し、金属ヒ素に換算した濃度で示す。
実施例1
ヒ素含有量120massppmの二水石膏粒体100gを130℃でか焼し、半水石膏粒体とした。pH4.7に調整した硫酸水溶液400mLと上記の二水石膏粒体を混合し、60℃で0.5時間撹拌した後ろ過し、乾燥重量で99gの二水石膏を製造した。製造した二水石膏中のヒ素含有量は58massppmで、ヒ素含有量は約1/2に減少した。
実施例2
ヒ素含有量1140massppmの二水石膏粒体100gを用い、硫酸水溶液のpHを1.2とした他は実施例1と同様にして、乾燥重量で97gの二水石膏を製造した。製造した二水石膏中のヒ素含有量は28massppmで、ヒ素含有量は約1/40に減少した。
比較例1
ヒ素含有量120massppmの二水石膏粒体100gを用い、硫酸水溶液のpHを6とした他は実施例1と同様にして、乾燥重量で99gの二水石膏を製造した。製造した二水石膏中のヒ素含有量は119massppmで、ヒ素含有量は実質的に減少しなかった。
実施例1と比較例1とから、
・ pHが4.7と6の間にヒ素含有量が減少し始める閾値が有ること、及び
・ pH4.7でヒ素含有量は有意に減少していることが分かる。そこでこの発明では、硫酸酸性水溶液のpHの上限を4.7よりもやや高い5とする。また硫酸酸性水溶液のpHを4以上とすると、反応槽及び固液分離装置の耐食性も容易に得られるので、pHは4以上5以下が好ましい。

Claims (2)

  1. ヒ素を含有する二水石膏をか焼し、半水及び/又は無水III型石膏とし、得られた半水及び/又は無水III型石膏をpHが4以上5以下の硫酸酸性水溶液中に溶解させた後に、前記硫酸酸性水溶液中でかつ60℃±20℃の温度で、前記硫酸酸性水溶液から二水石膏粒子を晶析させると共に、前記硫酸酸性水溶液中へヒ素を溶解させることを特徴とする、ヒ素含有量を減少させた二水石膏の製造方法。
  2. 前記硫酸酸性水溶液のpHを4以上4.7以下とすることを特徴とする、請求項1のヒ素含有量を減少させた二水石膏の製造方法。
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