JP2007053083A - 非水電解質二次電池及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い充電終止電圧を使用するとともに、放電レート特性及び高温保存特性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として含む正極、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極、セパレータ、及び非水電解液を備えた非水電解質二次電池であって、非水電解液が、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、及びプロパンスルトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(A)と、無水マレイン酸、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(B)とを含み、充電終止電圧が4.3〜4.5Vである非水電解質二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は非水電解質二次電池及びその製造方法に関する。より詳しくは、高い充電終止電圧を利用する非水電解質二次電池の放電レート特性及び高温保存特性の改善に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高い作動電圧と高エネルギー密度とを有している。このため携帯電話、ノート型パソコン、ビデオカムコーダー等のポータブル電子機器の駆動用電源としてリチウムイオン二次電池が実用化されてきており、さらに急速にその需要が拡大している。代表的なリチウムイオン二次電池は、遷移金属含有複合酸化物であるコバルト酸リチウムを正極活物質として含む正極と、炭素材料を負極活物質として含む負極と、微多孔質フィルムからなるセパレータと、環状あるいは鎖状の炭酸エステル及び環状カルボン酸エステル等からなる非水溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等の溶質を溶解させた非水電解液とを主構成要素として有している。
近年、携帯電話等の高機能化に伴い、さらに高容量で、しかも大電流での放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池が望まれている。このような特性を有するリチウムイオン二次電池を得るための方法としては、正極及び負極の活物質自体を高容量化する手法の他に、活物質からより多くの容量を引き出すために電池の充電終止電圧を高く設定する手法が挙げられる。すなわち、一般的にリチウムイオン二次電池の充電終止電圧は、汎用の正極活物質であるコバルト酸リチウムの充放電特性を考慮して4.1〜4.2V付近に設定されている。このため、例えば、Coの一部をNi及びMnで置換した遷移金属含有複合酸化物(LiNi1-q-rMnqCor2)を正極活物質として用いるとともに、充電終止電圧を4.25〜4.7Vの高電圧に設定することにより正極活物質の充電深度を高め、高容量化を実現する手段が本出願人によって先に提案されている(特許文献1)。一方、リチウムイオン二次電池の電池性能の安定化を目的として、非水電解液の改良も活発に行われている。例えば、非水電解液へのプロパンスルトンまたは1,4−ブタンスルトンの添加が提案されている(特許文献2)。特許文献2によれば、上記スルトンが負極活物質である炭素材料の表面に不働態被膜を形成するため電解液の分解を抑制でき、それによって電池の耐久性(サイクル特性)が改善できるとされている。従って、特許文献1のようにCoの一部を他の元素で置換した遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として用いた電池で高い充電終止電圧を利用する場合、正極及び負極の活物質表面を介した各種電池材料の分解反応が活性化するため、特許文献2の手法を組み合わせることは有効と考えられる。
特開2004−055539号公報 特開2000−003724号公報
しかしながら上記のような両手法を単に併用しただけでは、当初期待されたような電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることは困難であった。具体的には、Coの一部を他の元素で置換した遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として用いて充電終止電圧を高く設定できるようにするとともに、負極表面での電解液の分解を抑制するため、スルトン系の添加剤を非水電解液に多量に添加したリチウムイオン二次電池では、非水電解液中の多量の添加剤よって放電レート特性が低下することが本発明の検討過程において明らかとなった。また、上記電池が高電圧の充電状態で高温下保存されると、保存後に放電容量が著しく低下するという問題が生じた。リチウムイオン二次電池の使用形態が拡大していることから、放電特性だけでなく、上記のような高温保存特性は特に重要である。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、高容量化のために高い充電終止電圧が利用された場合でも、放電レート特性に優れるとともに、充電状態の電池を高温で保存したときに容量劣化の少ない高温保存特性に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として含む正極、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極、セパレータ、及び非水電解液を備えた非水電解質二次電池であって、前記非水電解液が、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、及びプロパンスルトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(A)と、無水マレイン酸、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(B)とを含み、充電終止電圧が4.3〜4.5Vである非水電解質二次電池である。
本発明の目的、特徴、局面、及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明によれば、高容量化のために4.3〜4.5Vの高い充電終止電圧を利用する場合でも、放電レート特性及び高温保存特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
上記したように本発明の一局面は、遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として含む正極、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極、セパレータ、及び非水電解液を備えた非水電解質二次電池であって、非水電解液中に、エチレンサルファイト(以下、ESと略記)、プロピレンサルファイト(以下、PRSと略記)、プロパンスルトン(以下、PSと略記)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(A)と、無水マレイン酸(以下、MAと略記)、ビニレンカーボネート(以下、VCと略記)、ビニルエチレンカーボネート(以下、VECと略記)、及びLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(B)とを含み、充電終止電圧が4.3〜4.5Vである非水電解質二次電池である。
本発明者等の検討によれば、高容量化のためにCoの一部を他の元素で置換した遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として用いることにより高い充電終止電圧を利用する非水電解質二次電池において、高電圧の充電状態の電池を高温で保存した後に放電容量が顕著に低下する原因は、保存時に正極活物質から金属イオンが非水電解液中に溶出し、それが負極に析出して電池のインピーダンスを上昇させるためであることが判明した。特に、Coの一部を他の元素で置換した遷移金属含有複合酸化物は、高い充電電圧を利用できる一方、従来の正極活物質に比べて高電圧の充電状態で金属イオンの溶出が多いと考えられた。従って、これらの正極活物質を使用する場合には、添加剤により負極表面に被膜を形成するだけでなく、正極表面からの金属イオンの溶出を抑制する必要がある。
上記知見から、高電圧仕様の遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として含有する正極を用いた場合でも、正極表面からの金属イオンの溶出を抑制しうる手段について検討した結果、ES、PRS、PSからなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(A)と、MA、VC、VEC、及びLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(B)の両者を含有する非水電解液を用いれば、放電レート特性及び高温保存特性に優れる非水電解質二次電池が得られることが見出された。
この理由は現在のところ必ずしも明らかではない。しかしながら、添加剤(A)としてPSを、添加剤(B)としてLiBFを含む非水電解液を用いた電池の電子プローブX線マイクロアナリシス(EPMA:Electron Probe X−ray Microanalysis)による分析で、正極及び負極の表面に各添加剤に由来すると考えられる成分(正極で硫黄含有成分、負極でホウ素含有成分)が確認されたことから、両添加剤が非水電解液中に共存する場合、電極表面での添加剤による被膜形成が優先順位を持って競争的に起こることが考えられた。すなわち、低電圧下において、添加剤(A)はそれのみを添加剤として含有する非水電解液中では本来負極表面で分解して被膜を形成する。しかしながら、両添加剤が非水電解液中に共存する場合、添加剤(A)よりも添加剤(B)が優先的に負極表面で分解して被膜を形成し、それによって、添加剤(A)と作用できる負極表面部分が減少する。そして、従来負極表面に被膜を形成すると考えられていた添加剤(A)が、高電圧の充電状態において、遷移金属含有複合酸化物と作用することにより主として正極表面に吸着あるいは分解して被膜を形成する。この高電圧状態の遷移金属含有複合酸化物と添加剤(A)の作用により形成される被膜が、充電状態の電池が高温保存されたときに正極活物質から溶出してくる金属イオンを大幅に減少させることができるため、高温保存特性が改善できると考えられる。また、添加剤(A)単独の非水電解液中では添加剤(A)が正極よりも負極に優先的に被膜を形成するため、大量に添加しても高温保存特性が改善されないだけでなく、添加剤の増加により非水電解液のインピーダンスが上昇して大電流での放電レート特性も低下する。これに対し、添加剤(A)及び添加剤(B)の両添加剤を含有する非水電解液中では、添加剤(B)が優先的に負極表面に被膜が形成するため両添加剤の添加量も少量に抑えられ、また両添加剤が各電極表面で被膜を形成するため非水電解液のインピーダンスの上昇も抑えられ、結果的に放電レート特性を低下させることなく、高温保存特性を改善することができる。
なお、上記において、添加剤(A)はいずれも分子内にSO結合を有する5員環化合物であり、4.3V以上の高電圧下で遷移金属含有複合酸化物を含む正極表面と作用し、被膜を形成するという共通した性質を有している。また、添加剤(B)はいずれもLi電位基準に対して非水電解液用の非水溶媒として一般的に用いられるエチレンカーボネートが被膜を形成する電位より高い電位で、負極表面に被膜を形成するという共通した性質を有している。このため、添加剤(B)は充電時に非水溶媒や添加剤(A)よりも優先的に被膜を形成することができる。
非水電解液中の添加剤(A)の添加量は、0.03〜5質量%が好ましく、0.05〜4質量%がより好ましい。添加剤(A)の添加量が0.03〜5質量%であれば、正極表面に被膜を十分に形成することができるとともに、非水電解液のインピーダンスの増加を抑えることができる。また、非水電解液中の添加剤(B)の添加量は、0.03〜5質量%が好ましく、0.05〜4質量%がより好ましい。添加剤(B)の添加量が0.03〜5質量%であれば、負極表面に被膜を十分に形成することができるとともに、非水電解液のインピーダンスの増加を抑えることができる。非水電解液中の添加剤(A)及び添加剤(B)の混合割合は、特に限定されるものではないが、正極及び負極の各表面に添加剤(A)及び添加剤(B)の各被膜を十分に形成するために、添加剤(A)/添加剤(B)の質量比で、1/3〜3/1が好ましく、1/2〜2/1がより好ましく、略等量が最も好ましい。
添加剤(A)及び添加剤(B)の添加量の総量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、0.1〜4質量%が最も好ましい。上記したように、添加剤(B)が負極に優先的に被膜を形成し、添加剤(A)が高電圧の充電状態で正極に被膜を形成するため、非水電解液中の両添加剤の総量を抑えることができる。このため、少量の添加量で高温保存特性を改善することができ、それによって放電レート特性の低下も抑えられ、高温保存特性と放電レート特性とを高いレベルで両立することができる。
非水電解液は、上記の添加剤以外に、非水溶媒と、その非水溶媒に溶解するリチウム塩とを含有する。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の非環状カーボネート類等の非プロトン性有機溶媒を挙げることができる。これらの非水溶媒は単独または二種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、環状カーボネートと非環状カーボネートとを主成分とする非水溶媒が好ましい。
上記の溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiPF6 、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2、Li(CF3SO22、LiAsF6 、LiN(CF3SO22等を挙げることができ、これらの中でもLiPF6がより好ましい。これらのリチウム塩は単独又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。リチウム塩の溶解量は、特に限定されるものではないが、0.2〜2mol/Lが好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましい。なお、LiBFはリチウム塩として使用してもよいが、負極表面で分解して被膜を形成するため、他のリチウム塩とともに使用することが好ましい。
上記非水溶媒とリチウム塩の組み合わせは、特に限定されるものではないが、非水溶媒としてECとEMCを少なくとも含み、リチウム塩としてLiPF6を少なくとも含む非水電解液が好ましい。
正極は、非水電解質二次電池に使用されるLiCoO、LiNiO等の遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として含有する。これらの遷移金属含有複合酸化物の中でも、高い充電終止電圧を使用でき、また高電圧状態で添加剤(A)がその表面に吸着あるいは分解して良質な被膜を形成しうるCoの一部を他の元素で置換した遷移金属含有複合酸化物が好ましい。このような遷移金属含有複合酸化物としては、具体的には、例えば、一般式LixNi1-(y+z)Coyz2(式中、0.95≦x≦1.12,0.01≦y≦0.35,0.01≦z≦0.50であり、Mは、Al,Mn,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である)で表される遷移金属含有複合酸化物が挙げられる。特に、上記一般式において、Mが、Mnと、Al,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む遷移金属含有複合酸化物は放電レート特性と高温保存特性とを高いレベルで両立できるだけでなく、初期容量特性、及び熱的安定性にも優れた非水電解質二次電池を得ることができる。上記遷移金属含有複合酸化物において、xが0.95未満の場合、電池容量が小さくなる傾向があり、xが1.12を超える場合は活物質表面に炭酸リチウム等のリチウム化合物が生成しやすくなり、高温保存時にガスを発生する傾向がある。また、yが0.01未満の場合、活物質の結晶安定性が低下し寿命特性が低下する傾向があり、yが0.35を超える場合、希少金属であるCoが多く用いられるため、活物質自体が高価なものとなる。さらに、zが0.01未満の場合、熱的安定性が低下する傾向があり、0.50を超える場合、容量が低下する傾向がある。上記Coの一部を他の元素で置換した遷移金属含有複合酸化物の比表面積は、0.15〜1.50m2/gが好ましく、0.15〜0.50m2/gがより好ましく、0.15〜0.30m2/gが最も好ましい。比表面積が0.15m2/g未満の場合、正極活物質表面での電荷移動抵抗が増大して放電レート特性が低下する傾向があり、比表面積が1.5m2/gを超える場合、充電状態での高温保存時に金属イオンの溶出が増加する傾向がある。なお、上記比表面積は、予め真空中で110℃3時間の乾燥を行った遷移金属含有複合酸化物を試料とし、窒素ガスを吸着ガスとして、BET法を用いて測定圧力5点の多点法により求めた値である。上記のような比表面積を測定できる機器としては、例えば、島津製作所製ASAP2010が挙げられる。
上記遷移金属含有複合酸化物は、各金属元素の組成比に相当する量の原料化合物を混合し、焼成する従来公知の方法によって合成することができる。原料化合物としては、正極活物質を構成する各金属元素の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、有機錯塩等を用いることができる。これらは単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
上記遷移金属含有複合酸化物の合成に当たっては、上記のような原料化合物を使用してCo、Ni及び他の金属元素からなる水酸化物を沈殿法等により調製し、この水酸化物を一次焼成することによって各元素が固溶した酸化物を調製することが好ましい。一次焼成を行うことにより得られる酸化物の比表面積を減少することができる。一次焼成は、金属元素の種類にもよるが、例えば、300〜700℃の温度で、5〜15時間焼成することが好ましい。そして得られた酸化物と水酸化リチウム等のリチウム化合物とを混合し、二次焼成することにより、各金属元素を固溶した遷移金属含有複合酸化物を合成することができる。
正極活物質としては、2種以上の遷移金属含有複合酸化物が混合された混合物が使用されてもよい。例えば、上記のCoの一部を他の元素で置換した遷移金属含有複合酸化物とLiCoOとが混合された正極活物質を用いてもよい。混合時のLiCoOの量としては、正極活物質全体に対して、30〜90質量%が好ましい。さらに、正極活物質として上記一般式で表された遷移金属含有複合酸化物とは異なるLiCoO2のCoの一部を他の元素で置換した遷移金属含有複合酸化物を用いてもよい。置換元素としては、Mg、Al、Zr、Moを挙げることができる。前記置換元素の群から選ばれる1種以上の元素でCoを置換することにより、Mg、Alを用いた場合には耐熱安定性が、また、Zr、Moを用いた場合には放電分極特性が改善できる。前記置換元素は酸化還元反応に寄与しないため、添加量としては、置換元素の総量としてCoに対し10mol%以下が好ましい。添加量を10mol%以下とすることより、正極活物質の容量低下を抑制できる。
正極は、上記のような正極活物質、必要により結着剤、導電剤等を混合して得られる正極合剤をアルミニウム等の集電体上に塗着して得られる。導電剤としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導性材料を1種以上用いることができる。このような電子伝導性材料としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト類;アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類;フッ化カーボン、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の導電性粉末類;酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類;酸化チタン等の導電性金属酸化物類;ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等が挙げられる。これらは単独または二種以上を混合して使用してもよい。これらの導電剤の中でも、人造黒鉛、アセチレンブラック、ニッケル粉末が特に好ましい。結着剤としては、分解温度が300℃以上のポリマーが好ましい。このような結着剤としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。これらは単独または二種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、PVDF、PTFEが特に好ましい。
負極活物質としては、炭素材料、リチウム含有複合酸化物、リチウムと合金化可能な材料等のリチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を用いることができる。炭素材料としては、例えば、コークス、熱分解炭素類、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素類、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、気相成長炭素系)、不定形炭素、有機物の焼成された炭素材料等が挙げられる。これらは単独または二種以上を混合して使用してもよい。これらの中でもメソフェーズ小球体を黒鉛化した炭素材料や、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料が好ましい。また、リチウムと合金化可能な材料としては、例えば、Si単体あるいはSiとOとの化合物(SiO)等が挙げられる。これらは単独または二種以上を混合して使用してもよい。上記のようなケイ素系の負極活物質を使用することにより、さらに高容量の非水電解質二次電池が得られる。
負極は、上記のような負極活物質、必要により結着剤、導電剤等を混合して得られる負極合剤を銅箔等の集電体上に形成して得られる。炭素材料を負極活物質として使用する場合、電池理論容量(X)と、炭素材料の質量(Y)との比で表される負荷容量(X/Y)を、250〜360mAh/gの範囲に設定することが好ましい。上記負荷容量の範囲であれば、リチウムの円滑な吸蔵放出が可能となり、分極特性の低下が抑制できるため、高温保存特性に優れるとともに、放電レート特性にさらに優れる非水電解質二次電池が得られる。なお、前記電池理論容量は、正極活物質の単位質量当りの理論容量と正極中の正極活物質の含有量とから定まる正極容量から電池が使用される機器の通常の終止電圧で充放電を行なった際に生じる正極及び負極の不可逆容量を除くことによって求められる利用可能な電池容量を意味する。
上記導電剤としては、正極の導電剤と同様の電子伝導性材料を用いることができる。結着剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。これらの中でも分解温度が300℃以上のポリマーが好ましい。このような結着剤としては、例えば、PE、PP、PTFE、PVDF、スチレンブタジエンゴム(SBR)、FEP、PFA、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ETFE樹脂、PCTFE、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ECTFE、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、CMC等が挙げられる。これらは単独または二種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、SBR、PVDFが好ましく、SBRが最も好ましい。
セパレータとしては、大きなイオン透過度、及び所定の機械的強度を有する絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、一定温度、例えば120℃以上で孔を閉塞し、抵抗を上げる機能を持つセパレータが好ましい。このようなセパレータとしては、耐有機溶剤性及び疎水性を有するPP、PE等が単独又は組合わされたオレフィン系ポリマーまたはガラス繊維等から作製されたシート、不織布、織布が挙げられる。
非水電解質二次電池は、上記の正極、負極がセパレータを介して捲回または積層された極板群を電池ケースに挿入し、これに非水電解液を注液して封口して組み立てられる。
図1は巻回構造の極板群を有する非水電解質二次電池の一例を示す概略断面図である。極板群12は、正極リード2を備えた正極1と、負極リード4を備えた負極3とが、セパレータ5を介して渦巻き状に捲回された構造を有している。極板群12の上部には上部絶縁板6が、下部には下部絶縁板7が取り付けられている。そして、極板群12、及び非水電解液(図示せず)が入れられたケース8は、ガスケット9と正極端子11とを備えた封口板10で封口されている。
非水電解質二次電池の製造においては、上記の組み立て工程後に、4.3〜4.5Vの範囲の電圧までの充電を少なくとも1回含む高電圧充電工程を設けることが好ましい。4.3〜4.5Vの高電圧まで非水電解質二次電池を予め充電することによって、添加剤(B)が負極表面に優先的に被膜を形成するとともに、添加剤(A)が主として正極表面に被膜を形成するため、添加剤(A)及び添加剤(B)による放電レート特性及び高温保存特性改善の効果を十分に発揮することができる。上記高電圧充電工程においては、少なくとも1回4.3〜4.5Vの範囲の電圧まで充電を行うことが好ましいが、高温保存特性により好適な被膜を両電極表面に形成するためにも、少なくとも2回充電を行うことがより好ましい。一方、生産性の観点から高電圧の充電は10回以下が好ましく、5回以下がより好ましい。2回以上充電を行なう場合の放電時の終止電圧は、特に限定されないが、過放電を避けるため、3.0V以上が好ましい。なお、高電圧充電工程における充電電圧が4.5Vより高い場合、正極からの金属イオンの溶出が顕著となり、また両添加剤の分解が顕著となって、均一な被膜の形成が困難となる傾向がある。
さらに、上記の組み立て工程後、高電圧充電工程前に、予備充電終止電圧が4.3V未満で、予備放電終止電圧が3.0V以上の充放電サイクルを少なくとも1回行なう予備充放電工程を設けることが好ましい。添加剤(A)は4.3V以上の高電圧で正極表面に吸着あるいは分解して被膜を形成するのに対し、添加剤(B)は低電圧でも添加剤(A)よりも優先的に負極表面に被膜を形成する。このため、正極表面での添加剤(A)の吸着あるいは分解が進行しない低電圧で電池を予め充放電することにより、負極表面に添加剤(B)による被膜を優先的に形成することができる。そして、低電圧の予備充電を行い、負極表面に添加剤(A)と作用する部位に予め添加剤(B)の被膜が形成された後、高電圧で電池を充電することにより、正極表面に添加剤(A)の被膜が形成されるため、さらに高温保存特性を改善することができる。上記充放電サイクルは、少なくとも1回行なうことが好ましいが、高温保存特性により好適な被膜を形成するためにも、少なくとも3回行なうことがより好ましい。一方、生産性の観点から充放電サイクルは10回以下が好ましく、5回以下がより好ましい。なお、予備充電終止電圧としては、4.3V未満であれば特に限定されないが、3.8V以上が好ましく、3.9V〜4.1Vがより好ましい。また、予備放電終止電圧としては、3.0V以上であれば特に限定されないが、3.6V以下がより好ましく、3.0〜3.4Vがより好ましい。
上記のようにして製造される非水電解質二次電池は、充電終止電圧が4.3〜4.5Vの範囲で通常使用される。充電終止電圧が4.3V未満では、低電圧であるため充電状態で高温保存したときの放電容量の低下は少ないが、高容量で、放電レート特性に優れる高電圧仕様の正極活物質を用いる意義が失われる。また、高電圧充電工程を設けずに、充電終止電圧が4.3V以下の範囲でのみ使用された場合、添加剤(A)が正極表面で被膜を十分に形成することができないため、放電レート特性の低下のみが顕著となる。一方、充電終止電圧が4.5Vより高いと、高電圧仕様の正極活物質を用いた場合、正極からの金属イオンの溶出が顕著となり、添加剤(A)及び添加剤(B)を併用しても高温保存特性が十分に改善されない。なお、上記充電終止電圧は単電池当たりの電圧である。複数の電池から構成される組電池の場合には、各単電池に設定される電圧を意味する。また、充電終止電圧とは、その電池が使用される機器における通常の使用時に設定される電圧を意味するものであり、過充電時等の異常使用時の電圧を意味するものではない。
上記使用時における充電は、定電流・定電圧充電を行うことが好ましい。すなわち、4.3〜4.5Vの充電終止電圧に達するまで定電流充電を行い、その後、4.3〜4.5Vの範囲を超えないように定電圧充電することが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型の電池あるいは電気自動車等に用いる大型電池等いずれの形状、大きさにも適用できる。また、本発明の非水電解質二次電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車及びハイブリッド電気自動車等に用いられるが、特にこれらに限定されない。
以上本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、本発明がそれらに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
以下に、本発明に関する実施例が示されるが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
[実施例1]
(実施例1−1)
<正極>
正極活物質として以下の方法により合成された組成式Li1.05Ni1/3Co1/3Mn1/32で表される遷移金属含有複合酸化物が用いられた。
NiSO4水溶液に、Co及びMnの各硫酸塩が所定比率で加えられ、飽和水溶液が調製された。この飽和水溶液が低速で撹拌されながら水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液が滴下されて、三元系の水酸化物Ni1/3Co1/3Mn1/3(OH)2の沈殿が共沈法により得られた。この沈殿物が、ろ過、水洗され、空気中80℃で乾燥された。得られた水酸化物の平均粒径は、約10μmであった。
次に、上記で得られた水酸化物が大気中380℃で10時間熱処理(以下、一次焼成と記載)され、三元系の酸化物Ni1/3Co1/3Mn1/3Oが得られた。得られた酸化物は粉末X線回折により単一相であることが確認された。
上記で得られた酸化物に、Ni、Co、Mnのモル数の和とLiのモル数との比が1.00:1.05になるように水酸化リチウム・1水和物が加えられ、乾燥空気中1000℃で10時間熱処理(以下、二次焼成と記載)されて、目的とするLi1.05Ni1/3Co1/3Mn1/32が得られた。得られた遷移金属含有複合酸化物は粉末X線回折により単一相の六方晶層状構造であるとともに、Co、及びMnの固溶が確認された。そして、粉砕、分級の処理を経て正極活物質粉末が調製された[平均粒径:8.5μm、BET法による比表面積(以下、単に比表面積という):0.15m2/g]。
この正極活物質粉末は、走査型電子顕微鏡による観察から、0.1〜1.0μm程度の一次粒子が多数凝集して略球状乃至楕円体状の二次粒子を形成していることが確認された。
上記で得られた正極活物質100質量部に、導電剤としてABが2.5質量部加えられた。この混合物に、N−メチルピロリドン(NMP)の溶剤に結着剤としてPVDFが溶解された溶液が混練されてペーストが調製された。なお、PVDFは活物質100質量部に対して2質量部となるように調整されて添加された。次いで、このペーストがアルミニウム箔の両面に塗着され、乾燥、圧延されて、活物質密度3.30g/cc、厚み0.152mm、合剤幅56.5mm、長さ520mmの正極が作製された。
<負極>
負極活物質として人造黒鉛が用いられた。この人造黒鉛とSBRとCMC水溶液が質量比で、人造黒鉛:SBR:CMC=100:1:1の割合で混合されてペーストが調製された。このペーストが銅箔の両面に塗着され、乾燥、圧延されて、活物質密度1.60g/cc、厚み0.174mm、合剤幅58.5mm、長さ580mmの負極が作製された。なお負極の作製において、正極合剤層と負極合剤層とが対向する面の単位体積当り、正極活物質の質量に対する負極活物質の質量の比が0.61となり、充電終止電圧を4.4Vとした場合の負荷容量が300mAh/gとなるように負極活物質量が調整された。
<非水電解液>
非水電解液は、ECとDMCとEMCを20:60:20の体積比で混合した溶媒に1.0mol/Lの六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解し、さらに、添加剤(A)としてPRSを1質量%、添加剤(B)としてLiBF4を1質量%ずつ混合して調製された。
<非水電解質二次電池>
正極にはアルミニウム製の正極リード、負極にはニッケル製の負極リードが各合剤層の一部を剥離後それぞれ取り付けられた。この正極及び負極が、PPとPEとからなるセパレータを介して渦巻き状に捲回され、極板群が作製された。極板群の上部にはPP製の上部絶縁板が、極板群の下部にはPP製の下部絶縁板が取り付けられ、鉄にニッケルメッキを施した直径18mm、高さ65mmのケースに挿入された。上記で調製された非水電解液がケースに注液された後、開口部が封口板により封口されて、実施例1−1の非水電解質二次電池が作製された(充電終止電圧が4.4V時の理論容量:2350mAh)。
(実施例1−2)
実施例1−1において、添加剤(B)としてLiBF4の代わりにMAが用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例1−3)
実施例1−1において、添加剤(B)としてLiBF4の代わりにVCが用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−3の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例1−4)
実施例1−1において、添加剤(B)としてLiBF4の代わりにVECが用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−4の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例1−5)
実施例1−1において、添加剤(B)としてMAがさらに1質量%加えられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−5の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例1−6)
実施例1−1において、添加剤(A)としてPRSの代わりにESが用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−6の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例1−7)
実施例1−1において、添加剤(A)としてPRSの代わりにPSが用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−7の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例1)
実施例1−1において、添加剤(A)としてPRSが2質量%用いられ、添加剤(B)が用いられなかった以外は、実施例1−1と同様にして比較例1の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例2)
実施例1−1において、添加剤(B)としてLiBF4が2質量%用いられ、添加剤(A)が用いられなかった以外は、実施例1−1と同様にして比較例2の非水電解質二次電池が作製された。
<初期充放電>
上記の各非水電解質二次電池は、予備充放電、エージング、及び高電圧充電の各工程からなる初期充放電が行われた。予備充放電工程では、各非水電解質二次電池は、20℃環境下、480mAの定電流で4.1Vの予備充電終止電圧まで充電し、480mAの定電流で3.0Vの予備放電終止電圧まで放電する充放電サイクルが3回行なわれた。その後、エージング工程では、各非水電解質二次電池は、20℃環境下、480mAの定電流で4.1Vまで充電され、60℃環境下にて2日間放置された後、20℃環境下、480mAの定電流で3.0Vまで放電された。そして、高電圧充電工程では、各非水電解質二次電池は、20℃環境下、1680mAの定電流で4.4Vまで充電し、さらに充電電流が120mAに低下するまで4.4Vの定電圧で充電した後、480mAの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルが2回行なわれた。
(実施例1−8)
上記初期充放電において、実施例1−1で作製された非水電解質二次電池を用いて、予備充放電及びエージングを行ない、高電圧充電の充放電サイクルを1回だけ行なった以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−8の非水電解質二次電池が調製された。
(実施例1−9)
上記初期充放電において、実施例1−1で作製された非水電解質二次電池を用いて、予備充放電を行なわず、エージング及び高電圧充電を行なった以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−9の非水電解質二次電池が調製された。
(実施例1−10)
上記初期充放電において、実施例1−1で作製された非水電解質二次電池を用いて、予備充放電及びエージングを行ない、高電圧充電を行なわなかった以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−10の非水電解質二次電池が調製された。
上記の各非水電解質二次電池は、以下に示す試験が行なわれた。表1は、その結果を示す。
(放電レート試験)
各非水電解質二次電池が、20℃環境下、1680mAの定電流で4.4Vまで充電され、さらに充電電流が120mAに低下するまで4.4Vの定電圧で充電された後、4800mAの定電流で3.0Vまで放電が行なわれた。このときの放電容量の高電圧充電工程における2サイクル目の充電後の放電容量に対する比率が、放電レート特性として評価された。なお、実施例1−8については、高電圧充電工程における1サイクル目の充電後の放電容量が基準とされた。また、実施例1−10については、実施例1−1の高電圧充電工程における2サイクル目の充電後の放電容量が基準とされた。
(高温保存試験)
各非水電解質二次電池が、20℃環境下、1680mAの定電流で4.4Vまで充電され、さらに充電電流が120mAに低下するまで4.4Vの定電圧で充電された後、充電状態のまま60℃環境下、20日間保存された。保存後の各電池を、480mAの定電流で3.0Vまで放電を行った後、20℃環境下、1680mAの定電流で4.4Vまで充電し、さらに充電電流が120mAに低下するまで4.4Vの定電圧で充電した後、480mAの定電流で3.0Vまで放電された。このときの放電容量の高電圧充電工程における2サイクル目の放電容量に対する比率が、高温保存特性として評価された。なお、実施例1−8については、高電圧充電工程における1サイクル目の充電後の放電容量が基準とされた。また、実施例1−10については、実施例1−1の高電圧充電工程における2サイクル目の充電後の放電容量が基準とされた。
Figure 2007053083
表1の結果から明らかなように、高電圧仕様の正極活物質を用いて4.4Vの高い充電終止電圧が使用された場合でも、添加剤(A)及び添加剤(B)の双方が添加された非水電解液を用いた非水電解質二次電池は、放電レート特性及び高温保存特性の両方に優れることがわかる。これに対して、添加剤(A)あるいは添加剤(B)が単独で添加された非水電解液を用いた比較例1あるいは2の非水電解質二次電池は、高電圧仕様の正極活物質を用いているため放電レート特性は実施例のそれと同等であるが、高温保存特性に劣ることがわかる。これは、添加剤(A)あるいは添加剤(B)が非水電解液中に単独で添加されているため、充電終止電圧が4.4Vの高電圧に設定された際に正極からの金属イオンの溶出を抑制するための被膜が正極表面に十分に形成されず、金属イオンが負極表面において析出する反応を抑制できなかったことが原因と考えられる。
また、実施例1−1〜1−8の非水電解質二次電池は、組み立て工程後に予備充放電工程と高電圧充電工程の両方が行なわれているため、いずれか一方のみが行なわれた実施例1−9〜1−10の非水電解質二次電池に比べて、高温保存特性に優れることがわかる。
以上の結果から、高い充電終止電圧を利用するために、正極活物質として高電圧仕様の遷移金属含有複合酸化物を用い、ES、PRS、及びPSからなる群から選ばれる添加剤(A)と、MA、VC、VEC、及びLiBF4からなる群から選ばれる添加剤(B)とを少なくとも1種類ずつ含む非水電解液を用いることにより、放電レート特性と高温保存特性に優れる非水電解質二次電池が得られることがわかる。そして、上記非水電解質二次電池は、電池の組み立て後に、予備充放電及び高電圧充電が行なわれることにより、放電レート特性と高温保存特性とを高いレベルで両立できることがわかる。
[実施例2]
次に、添加剤(A)及び添加剤(B)が添加された非水電解液を有する非水電解質二次電池において、負荷容量と電池特性との関係が検討された。
(実施例2−1)
実施例1−1において、正極の長さが470mmに調整された。また、負荷容量が250mAh/gとなるように銅箔の両面に塗着する負極活物質の単位面積当たりの質量が調整された(負極の厚み:0.214mm、負極の長さ:530mm)。上記以外は、実施例1−1と同様にして実施例2−1の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例2−2)
実施例1−1において、正極の長さが560mmに調整された。また、負荷容量が360mAh/gとなるように銅箔の両面に塗着する負極活物質の単位面積当たりの質量が調整された(負極の厚み:0.151mm、負極の長さ:620mm)。上記以外は、実施例1−1と同様にして実施例2−2の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例2−3)
実施例1−1において、正極の長さが460mmに調整された。また、負荷容量が240mAh/gとなるように銅箔の両面に塗着する負極活物質の単位面積当たりの質量が調整された(負極の厚み:0.222mm、負極の長さ:520mm)。上記以外は、実施例1−1と同様にして実施例2−3の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例2−4)
実施例1−1において、正極の長さが570mmに調整された。また、負荷容量が370mAh/gとなるように銅箔の両面に塗着する負極活物質の単位面積当たりの質量が調整された(負極の厚み:0.148mm、負極の長さ630mm)。上記以外は、実施例1−1と同様にして実施例2−4の非水電解質二次電池が作製された。
上記の各非水電解質二次電池について、実施例1と同条件で初期充放電が行なわれた後、実施例1と同条件で放電レート試験及び高温保存試験が行なわれた。表2は、その結果を示す。
Figure 2007053083
表2に示されるように、いずれの実施例の非水電解質二次電池も放電レート特性及び高温保存特性の両特性に優れている。また、これらの実施例の中で、負荷容量が250mAh/g未満の実施例2−3の非水電解質二次電池は、極板長の短縮に伴って、電極単位面積当たりの移動するリチウムイオン量が増加するため分極特性が低下し、他の実施例の非水電解質二次電池に比べて放電レート特性が低下する傾向にある。また、極板面積に対する電解液量の比が増加するため、高温保存特性も低下する傾向にある。一方、負荷容量が370mAh/gを超える実施例2−4の非水電解質二次電池は、充電時に黒鉛の層間に入りきれないリチウムが電解液と反応することによる不活性化が生じて、高温保存特性が低下する傾向にある。以上の結果から、炭素材料を負極活物質として用いた場合、負荷容量は250〜360mAh/gの範囲が好ましいことがわかる。
[実施例3]
次に、添加剤(A)及び添加剤(B)を含有する非水電解液を用いた非水電解質二次電池において、充電終止電圧と電池特性の関係が検討された。
(実施例3−1)
実施例1−1において、正極の長さが540mmに調整された。また、充電終止電圧を4.3Vとした場合の負荷容量が300mAh/gとなるように銅箔の両面に塗着する負極活物質の単位面積当たりの質量が調整された(負極の厚み:0.164mm、負極の長さ:600mm)。上記以外は、実施例1−1と同様にして実施例3−1の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例3−2)
実施例1−1において、正極の長さが510mmに調整された。また、充電終止電圧を4.5Vとした場合の負荷容量が300mAh/gとなるように銅箔の両面に塗着する負極活物質の単位面積当たりの質量が調整された(負極の厚み:0.180mm、負極の長さ:570mm)。上記以外は、実施例1−1と同様にして実施例3−2の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例3)
実施例1−1において、正極の長さが560mmに調整された。また、充電終止電圧を4.2Vとした場合の負荷容量が300mAh/gとなるように銅箔の両面に塗着する負極活物質の単位面積当たりの質量が調整された(負極の厚み:0.152mm、負極の長さ:620mm)。上記以外は、実施例1−1と同様にして比較例3の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例4)
実施例1−1において、正極の長さが500mmに調整された。また、充電終止電圧を4.6Vとした場合の負荷容量が300mAh/gとなるように銅箔の両面に塗着する負極活物質の単位面積当たりの質量が調整された(負極の厚み:0.185mm、負極の長さ:560mm)。上記以外は、実施例1−1と同様にして比較例4の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例5及び9)
比較例3において、電解液組成(添加物を含む)としてそれぞれ比較例1及び2と同じ電解液組成が用いられた以外は、比較例3と同様にして比較例5及び9の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例6及び10)
実施例3−1において、電解液組成(添加物を含む)としてそれぞれ比較例1及び2と同じ電解液組成が用いられた以外は、実施例3−1と同様にして比較例6及び10の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例7及び11)
実施例3−2において、電解液組成(添加物を含む)としてそれぞれ比較例1及び2と同じ電解液組成が用いられた以外は、実施例3−2と同様にして比較例7及び11の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例8及び12)
比較例4において、電解液組成(添加物を含む)としてそれぞれ比較例1及び2と同じ電解液組成が用いられた以外は、比較例4と同様にして比較例8及び12の非水電解質二次電池が作製された。
上記の各非水電解質二次電池について、まず実施例1の初期充放電と同条件の予備充放電工程とエージング工程が行なわれた。次に、高電圧充電工程の際に充電電圧の上限が表3に示す各充電終止電圧に設定された以外は、実施例1と同条件で2サイクル充放電が行われた。この2サイクル目の放電容量が初期容量とされた。次に、上記の各非水電解質二次電池について、実施例1と同様にして放電レート試験及び高温保存試験が行なわれた。この際、各試験において、充電終止電圧及び高温保存時の充電電圧は表3に示す充電終止電圧に設定された。表3は、これらの結果を示す。
Figure 2007053083
表3から明らかなように、実施例1−1、3−1及び3−2の非水電解質二次電池は、高電圧充電工程及び放電レート試験において、4.3〜4.5Vの範囲の充電終止電圧が利用されているため、高電圧仕様の正極活物質の特性を十分に発揮させることができ、高い初期容量が得られることがわかる。そして、上記充電終止電圧の範囲は、添加剤(B)が負極表面に被膜を形成し、添加剤(A)が正極表面に被膜を形成する電圧の範囲であるため、4.3〜4.5Vの高電圧の充電状態の電池が高温で保存されても、高温保存特性に優れることがわかる。従って、上記充電終止電圧が利用されることにより、初期容量、放電レート特性、及び高温保存特性のバランスの取れた非水電解質二次電池が得られることがわかる。
これに対して、充電終止電圧が4.5Vを超える比較例4の非水電解質二次電池は、添加剤(A)と添加剤(B)の両方が添加された非水電解液が用いられているにも拘らず、高温保存特性の低下が見られた。充電終止電圧が4.5Vより高いと、高電圧仕様の正極活物質では金属イオンの溶出が顕著となり、添加剤(A)及び添加剤(B)だけではインピーダンスの上昇を抑制できなかったため、保存特性が低下したと考えられる。また、充電終止電圧が4.3V未満の比較例3の非水電解質二次電池は、低い充電終止電圧が利用されたため高温保存特性の低下は抑えられているが、高電圧の正極活物質の有効利用が図られず、初期容量が顕著に低下する。さらに、放電レート特性も添加剤(A)あるいは添加剤(B)が単独で添加された非水電解液が用いられた比較例5及び9のそれより低下している。これは、充電終止電圧が低電圧であるため、添加剤(A)が正極に十分に被膜を形成することができず、電池内部のインピーダンスが増加したためと考えられる。以上の結果から、4.3〜4.5Vの範囲の充電終止電圧が利用された場合に、高容量で、放電レート特性及び高温保存特性に優れた非水電解質二次電池が得られることがわかる。また、高電圧充電工程において、充電電圧は4.3〜4.5Vの範囲が好ましいことがわかる。
[実施例4]
次に、添加剤(A)及び添加剤(B)を含有する非水電解液を用いた非水電解質二次電池において、添加剤(A)及び添加剤(B)の添加量と電池特性の関係が検討された。
(実施例4−1〜4−7)
実施例1−1において、添加剤(A)及び添加剤(B)をそれぞれ表4に示す添加量で混合した非水電解液が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例4−1〜4−7の非水電解質二次電池が作製された。
上記の各非水電解質二次電池について、実施例1と同条件で初期充放電が行なわれた後、実施例1と同条件で放電レート試験及び高温保存試験が行なわれた。表4は、その結果を示す。
Figure 2007053083
表4に示されるように、いずれの実施例の非水電解質二次電池も放電レート特性及び高温保存特性の両特性に優れている。また、これらの実施例の中で、実施例4−1の非水電解質二次電池は、非水電解液中の添加剤(A)と添加剤(B)との総量が0.1質量%未満であるため高温保存特性が低下する傾向にある。一方、実施例4−5の非水電解質二次電池は、非水電解液中の添加剤(A)と添加剤(B)との総量が8質量%を超えるため放電レート特性が低下する傾向にある。以上の結果から、非水電解液中の添加剤(A)と添加剤(B)の総量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、0.1〜4質量%がさらに好ましいことがわかる。
[実施例5]
次に、添加剤(A)及び添加剤(B)を含有する非水電解液を用いた非水電解質二次電池において、正極活物質の比表面積と電池特性の関係が検討された。
(実施例5−1〜5−3)
実施例1−1において、正極活物質製造プロセスの一次及び二次焼成温度として表5に示す各温度が使用して合成された、0.12、1.50、2.00m2/gの各比表面積を有するLi1.05Ni1/3Co1/3Mn1/32が正極活物質として使用された以外は、実施例1−1と同様にして実施例5−1〜5−3の非水電解質二次電池が作製された。
上記の各非水電解質二次電池について、実施例1と同条件で初期充放電が行なわれた後、実施例1と同条件で放電レート試験及び高温保存試験が行なわれた。表5は、その結果を示す。
Figure 2007053083
表5に示されるように、いずれの実施例の非水電解質二次電池も放電レート特性及び高温保存特性の両特性に優れている。また、これらの実施例の中で、1.50m2/gを超える比表面積を有する正極活物質が用いられた実施例5−3の非水電解質二次電池は、活物質の表面積(反応面積)に比例して金属イオンの溶出量が増加するため高温保存特性が低下する傾向にある。一方、0.15m2/g未満の比表面積を有する正極活物質が用いられた実施例5−1の非水電解質二次電池は、活物質の表面積に比例して電池反応が鈍くなるため、放電レート特性が低下する傾向にある。以上の結果から、正極活物質の比表面積は、0.15〜1.50m2/gが好ましいことがわかる。
[実施例6]
次に、添加剤(A)及び添加剤(B)を含有する非水電解液を用いた非水電解質二次電池において、正極活物質の組成と電池特性の関係が検討された。
(実施例6−1〜6−4)
実施例1−1の正極活物質の製造プロセスにおいて、三元系の酸化物Ni1/3Co1/3Mn1/3Oに対して、Ni、Co、及びMnのモル数の和とLiのモル数との比がそれぞれ、1.00:0.93、1.00:0.95、1.00:1.12、1.00:1.15となるように水酸化リチウム・1水和物が加えられた以外は、実施例1−1と同様にして正極活物質が合成された。これらの正極活物質が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例6−1〜6−4の非水電解質二次電池が作製された。なお、正極活物質の比表面積はそれぞれ、0.53m2/g(実施例6−1)、0.40m2/g(実施例6−2)、0.20m2/g(実施例6−3)、0.17m2/g(実施例6−4)であった。
(実施例6−5)
実施例1−1の正極活物質の製造プロセスにおいて、NiSO4水溶液にMnの硫酸塩が所定比率で加えられ、飽和水溶液が調製された。この飽和水溶液に水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液が滴下されて二元系の水酸化物Ni0.67Mn0.33(OH)2が生成された。得られた水酸化物を原材料として正極活物質Li1.05Ni0.67Mn0.332(比表面積:0.42m2/g)が合成された。この正極活物質が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例6−5の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例6−6〜6−8)
実施例1−1の正極活物質の製造プロセスにおいて、NiSO4水溶液にCo及びMnの各硫酸塩が3種類の異なる混合比率で加えられ、各飽和水溶液が調製された。この各飽和水溶液に水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液が滴下されて三元系の水酸化物Ni0.67-vCoMn0.33(OH)2(v=0.01,0.35,0.40)が生成された。得られた各水酸化物を原材料として正極活物質Li1.05Ni0.67-vCoMn0.332(v=0.01,0.35,0.40)が合成された。これらの正極活物質が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例6−6〜6−8の各非水電解質二次電池が作製された。なお、正極活物質の比表面積はそれぞれ、0.30m2/g(実施例6−6)、0.30m2/g(実施例6−7)、0.32m2/g(実施例6−8)であった。
(実施例6−9)
実施例1−1の正極活物質の製造プロセスにおいて、NiSO4水溶液にCoの硫酸塩が所定比率で加えられ、飽和水溶液が調製された。この飽和水溶液に、水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液が滴下されて二元系の水酸化物Ni0.67Co0.33(OH)2が生成された。得られた水酸化物を原材料として正極活物質Li1.05Ni0.67Co0.332(比表面積:0.57m2/g)が合成された。この正極活物質が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例6−9の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例6−10〜6−12)
実施例1−1の正極活物質の製造プロセスにおいて、NiSO4水溶液にCo及びMnの各硫酸塩が3種類の異なる混合比率で加えられ、各飽和水溶液が調製された。この各飽和水溶液に水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液が滴下されて三元系の水酸化物Ni0.67-wCo0.33Mn(OH)2(w=0.01,0.50,0.55)が生成された。得られた水酸化物を原材料として正極活物質Li1.05Ni0.67-wCo0.33Mn2(w=0.01,0.50,0.55)が合成された。これらの正極活物質が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例6−10〜6−12の各非水電解質二次電池が作製された。なお、正極活物質の比表面積はそれぞれ、0.30m2/g(実施例6−10)、0.30m2/g(実施例6−11)、0.28m2/g(実施例6−12)であった。
(実施例6−13)
実施例1−1の正極活物質の製造プロセスにおいて、NiSO4水溶液にCo及びAlの各硫酸塩が所定比率で加えられ、飽和水溶液が調製された。この飽和水溶液に水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液が滴下されて三元系の水酸化物Ni0.82Co0.15Al0.03(OH)2が生成された。得られた水酸化物を原材料として、大気中600℃で10時間熱処理を行って、酸化物Ni0.82Co0.15Al0.03Oが生成された。次に、得られた酸化物に、Ni、Co、Alのモル数の和とLiのモル数との比が1.00:1.01になるように水酸化リチウム・1水和物が加えられ、乾燥空気中800℃で10時間熱処理されて正極活物質Li1.01Ni0.82Co0.15Al0.032(比表面積:0.30m2/g)が合成された。この正極活物質が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例6−13の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例6−14)
実施例1−1の正極活物質の製造プロセスにおいて、NiSO4水溶液にCo及びMnの各硫酸塩とTiの硝酸塩が所定比率で加えられ、飽和水溶液が調製された。この飽和水溶液に水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液が滴下されて四元系の水酸化物Ni0.33Co0.33Mn0.29Ti0.05(OH)2が生成された。得られた水酸化物を原材料として正極活物質Li1.05Ni0.33Co0.33Mn0.29Ti0.052(比表面積:0.33m2/g)が合成された。この正極活物質が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例6−14の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例6−15〜6−19)
実施例1−1の正極活物質の製造プロセスにおいて、NiSO4水溶液にCo、Mn及びM(Mはそれぞれ、Mg、Mo、Y、Zr、Ca)の各硫酸塩が所定比率で加えられ、各飽和水溶液が調製された。この各飽和水溶液に水酸化ナトリウムを溶解したアルカリ溶液が滴下されて四元系の水酸化物Ni0.33Co0.33Mn0.290.05(OH)2(Mはそれぞれ、Mg、Mo、Y、Zr、Ca)が生成された。得られた水酸化物を原材料として正極活物質Li1.05Ni0.33Co0.33Mn0.290.052(Mはそれぞれ、Mg、Mo、Y、Zr、Ca)が合成された。これらの正極活物質が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例6−15〜6−19の非水電解質二次電池が作製された。なお、正極活物質の比表面積は、全て0.30m2/gであった。
上記の各非水電解質二次電池について、実施例1と同条件で初期充放電が行なわれた後、実施例1と同条件で放電レート試験及び高温保存試験が行われた。さらに、下記に示す寿命試験及び熱的安定性試験が行われた。表6は、各実施例の正極活物質の組成を、表7は、その試験結果をそれぞれ示す。
(寿命試験)
各非水電解質二次電池を、20℃環境下、1680mAの定電流で4.4Vまで充電し、さらに充電電流が120mAに低下するまで4.4Vの定電圧で充電した後、480mAの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルが300回繰り返された。2サイクル目の放電容量に対する300サイクル目の放電容量の比率が、容量維持率(寿命特性の尺度)として評価された。
(熱的安定性試験)
各非水電解質二次電池が、20℃環境下、1680mAの定電流で4.4Vまで充電され、さらに充電電流が120mAに低下するまで4.4Vの定電圧で充電された後、電池の表面に熱電対が取り付けられた。この各電池を、5℃/分の速度で昇温する環境槽に入れ、環境温度を150℃まで上昇させた。そして、各非水電解質二次電池を150℃で2時間保持した時の電池表面の最高到達温度が、熱的安定性の尺度として評価された。
Figure 2007053083
Figure 2007053083
表7に示されるように、いずれの実施例の非水電解質二次電池も放電レート特性及び高温保存特性の両特性に優れている。また、これらの実施例の中で、一般式LixNi1-(y+z)Coyz2で表される正極活物質において、xが0.95未満の正極活物質が用いられた実施例6−1の非水電解質二次電池は、他の電池に比べ、放電レート特性が低下する傾向にある。これは理論容量に対して実質的に高いレートで放電されたためと考えられる。逆にxが1.12より多い正極活物質が用いられた実施例6−4の非水電解質二次電池は、他の電池に比べ、高温保存特性が低下する傾向にある。これは活物質表面に炭酸リチウム等のリチウム化合物が生成しやすくなり、高温保存時にガスが発生したためと考えられる。またyが0.01未満の正極活物質が用いられた実施例6−5の非水電解質二次電池は、他の電池に比べ、寿命特性が低下する傾向にある。これは正極活物質の結晶安定性が低下したためと考えられる。逆にyが0.35より多い正極活物質が用いられた実施例6−8の非水電解質二次電池は、特に特性上の不具合は見られないものの、希少金属であるCoが多く用いられているため活物質自体が高価となる。さらに、zが0.01未満の正極活物質が用いられた実施例6−9の非水電解質二次電池は、他の電池に比べ、熱的安定性が低下する傾向にある。逆にzが0.50より多い正極活物質が用いられた実施例6−12の非水電解質二次電池は、Mn(一般式でMで表される元素)が多くなり容量が低下する傾向にある。そして、Coの一部が、Mnと、Ti、Mg、Mo、Y、Zr、及びCaから選ばれる少なくとも1種の元素とで置換された遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として用いた実施例6−14〜6−19の非水電解質二次電池は、いずれの特性にも優れていることがわかる。以上の結果から、正極活物質として、一般式LixNi1-(y+z)Coyz2(0.95≦x≦1.12,0.01≦y≦0.35,0.01≦z≦0.50,Mは、Al、Mn、Ti、Mg、Mo、Y、Zr、及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)で表される遷移金属含有複合酸化物が好ましいことがわかる。さらに、上記一般式において、Mが、Mnと、Ti、Mg、Mo、Y、Zr、及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として用いた場合、高いレベルで電池特性のバランスの取れた非水電解質二次電池が得られることがわかる。
[実施例7]
次に、添加剤(A)及び添加剤(B)が添加された非水電解液を有する非水電解質二次電池において、正極活物質と電池特性の関係について検討された。
(実施例7−1)
実施例1−1において、正極活物質として、Li1.05Ni1/3Co1/3Mn1/32とLiCoO2とが質量比70:30で混合された混合物が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例7−1の非水電解質二次電池が作製された。なお、本実施例で用いられたLiCoO2は以下の方法により合成された。
まず、硫酸コバルトを溶解させた濃度1mol/Lの金属塩水溶液が調製された。撹拌下にある前記金属塩水溶液が50℃に維持され、その中に水酸化ナトリウムを30質量%含む水溶液がpH12になるまで滴下されて、水酸化コバルトの沈殿が共沈法により生成された。この沈殿物が、ろ過、水洗され、空気中80℃で乾燥された。次いで、400℃で5時間焼成されて、酸化コバルトが得られた。得られた酸化物は粉末X線回折により単一相であることが確認された。
次に、得られた酸化コバルトにCoのモル数とLiのモル数の比が1:1になるように炭酸リチウムが加えられた。この混合物がロータリーキルンに入れられ、空気雰囲気中650℃で10時間予備加熱された。ロータリーキルンから取り出された予備加熱後の混合物が電気炉内に入れられ、室温から850℃まで2時間で昇温した後、850℃で10時間の熱処理を行うことにより、目的とするLiCoO2が得られた。得られたLiCoO2は粉末X線回折により単一相の六方晶層状構造であることが確認された。そして粉砕、分級の処理を経て正極活物質粉末が調製された(平均粒径:10.3μm、比表面積:0.38m/g)。
(比較例13)
実施例7−1において、添加剤(A)としてPRSが2質量%用いられ、添加剤(B)が用いられなかった以外は、実施例7−1と同様にして比較例13の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例14)
実施例7−1において、添加剤(B)としてLiBF4が2質量%用いられ、添加剤(A)が用いられなかった以外は、実施例7−1と同様にして比較例14の非水電解質二次電池が作製された。
上記の各非水電解質二次電池について、実施例1と同条件で初期充放電が行なわれた後、実施例1と同条件で放電レート試験及び高温保存試験が行なわれた。表8は、その結果を示す。
Figure 2007053083
表8の結果から明らかなように、正極活物質としてLi1.05Ni1/3Co1/3Mn1/32とLiCoO2との混合物が用いられた場合でも、非水電解液に添加剤(A)及び添加剤(B)の双方を添加することによって優れた高温保存特性が得られることがわかる。
[実施例8]
次に、添加剤(A)及び添加剤(B)が添加された非水電解液を有する非水電解質二次電池において、負極活物質と電池特性との関係が検討された。
(実施例8−1)
実施例1−1において、負極活物質として、炭素材料の代わりに、SiO0.5の組成式で表される酸化ケイ素が用いられた以外は、実施例1−1と同様にして実施例8−1の非水電解質二次電池が作製された。本実施例で用いられたSiO0.5は以下の方法により作製された。
ターゲット材として、純度99.9999%のケイ素単体((株)高純度化学研究所製)が、装置として、電子ビーム加熱手段を具備する蒸着装置((株)アルバック製)が用いられた。装置内の固定台上に水平面と63度傾斜させて電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製,厚み35μm)が設置された。その鉛直下にターゲットが配置された。流量80sccmで純度99.7%の酸素ガス(日本酸素(株)製)が装置内に導入された。加速電圧−8kV、エミッション500mAで電子ビームがターゲットに照射されて、固定台に設置された銅箔上にケイ素と酸素とを含む化合物(酸化ケイ素)からなる負極活物質層が形成された。堆積量は、充電終止電圧を4.4Vとしたときの負荷容量が1760mAh/gとなるように調整された。得られた試料は、負極活物質層が外表面となるように二つ折りにされた後、幅58.5mm、長さ580mmに裁断され、負極リードが取り付けられて負極が作製された。得られた負極活物質層に含まれる酸素量が燃焼法により定量された結果、酸化ケイ素の組成はSiO0.5であることが確認された。
(比較例15)
実施例8−1において、添加剤(A)としてPRSが2質量%用いられ、添加剤(B)が用いられなかった以外は、実施例8−1と同様にして比較例15の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例16)
実施例8−1において、添加剤(B)としてLiBF4が2質量%用いられ、添加剤(A)が用いられなかった以外は、実施例8−1と同様にして比較例16の非水電解質二次電池が作製された。
(実施例8−2)
実施例8−1において、負極活物質として、酸化ケイ素の代わりにケイ素単体が用いられた以外は、実施例8−1と同様にして実施例8−2の非水電解質二次電池が作製された。なお、本実施例で用いられた負極は、実施例8−1の負極の作製プロセスにおいて、酸素ガスが放出されなかった以外は実施例8−1と同様にして作製された。
(比較例17)
実施例8−2において、添加剤(A)としてPRSが2質量%用いられ、添加剤(B)が用いられなかった以外は、実施例8−2と同様にして比較例17の非水電解質二次電池が作製された。
(比較例18)
実施例8−2において、添加剤(B)としてLiBF4が2質量%用いられ、添加剤(A)が用いられなかった以外は、実施例8−2と同様にして比較例18の非水電解質二次電池が作製された。
上記の各電池について、実施例1と同条件で初期充放電が行なわれた後、実施例1と同条件で放電レート試験及び高温保存試験が行なわれた。表9は、その結果を示す。
Figure 2007053083
表9の結果から明らかなように、負極活物質としてSi単体やSiとOの化合物が用いられた非水電解質二次電池でも、添加剤(A)及び添加剤(B)の双方を含有する非水電解液を用いることによって優れた放電レート特性及び高温保存特性が得られることがわかる。
以上、詳細に説明されたように、本発明の一局面は、遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として含む正極、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極、セパレータ、及び非水電解液を備えた非水電解質二次電池であって、前記非水電解液が、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、及びプロパンスルトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(A)と、無水マレイン酸、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(B)とを含み、充電終止電圧が4.3〜4.5Vである非水電解質二次電池である。上記構成によれば、添加剤(B)が優先的に負極表面で分解して被膜を形成する。そして、従来負極表面に被膜を形成すると考えられていた添加剤(A)が、高電圧の充電状態において、遷移金属含有複合酸化物と作用することにより正極表面に吸着あるいは分解して被膜を形成する。この高電圧状態の遷移金属含有複合酸化物と添加剤(A)の作用により形成される被膜が、充電状態の電池が高温保存されたときに正極活物質から溶出してくる金属イオンを大幅に減少することができる。また、添加剤(B)が優先的に負極表面に被膜が形成するため両添加剤の添加量も少量に抑えられ、両添加剤が各電極表面で被膜を形成するため非水電解液のインピーダンスの上昇も抑えられる。このため、高容量化のために4.3〜4.5Vの高い充電終止電圧を利用する場合でも、放電レート特性及び高温保存特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
上記非水電解液中の添加剤(A)と添加剤(B)との総量は、0.1〜10質量%が好ましい。上記構成によれば、添加剤(B)が負極に優先的に被膜を形成し、添加剤(A)が高電圧の充電状態で正極に被膜を形成するため、非水電解液中の両添加剤の総量を抑えることができる。このため、少量の添加量で高温保存特性を改善することができ、放電レート特性の低下も抑えられる。
また、上記正極は、正極活物質として一般式LixNi1-(y+z)Coyz2(式中、0.95≦x≦1.12,0.01≦y≦0.35,0.01≦z≦0.50であり、Mは、Al,Mn,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である)で表され、かつ、0.15〜1.50m2/gの比表面積を有する遷移金属含有複合酸化物を含むことが好ましい。上記組成の遷移金属含有複合酸化物は、高い充電終止電圧を使用でき、また高電圧充電時に添加剤(A)がその表面に吸着あるいは分解して良質な被膜を形成することができる。さらに、上記範囲の比表面積を有する遷移金属含有複合酸化物は、表面での電荷移動抵抗が小さく、また金属イオンの溶出が少ない。このため、放電レート特性と高温保存特性を高いレベルで両立することができる。
そして、上記一般式LixNi1-(y+z)Coyz2のMが、Mnと、Al,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として用いた場合、放電レート特性と高温保存特性とを高いレベルで両立できるだけでなく、容量特性、熱的安定性にも優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
上記正極は、正極活物質として、さらにLiCoOを含有してもよい。上記構成によれば、複数種の正極活物質を含有する正極であっても、放電レート特性及び高温保存特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
また、上記負極は、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質として炭素材料を含有してもよい。上記構成によれば、炭素材料を負極活物質として含有する負極を有する非水電解質二次電池においても、放電レート特性及び高温保存特性を改善することができる。
そして、上記炭素材料を負極活物質として含有する負極は、電池理論容量(X)と前記炭素材料の質量(Y)との比で表される負荷容量(X/Y)が、250〜360mAh/gであることが好ましい。上記負荷容量の範囲であれば、リチウムイオンの円滑な吸蔵放出が可能となり、分極特性の低下が抑制され、放電レート特性及び高温保存特性のさらに優れた非水電解質二次電池が得られる。
また、上記負極は、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質としてSi単体、SiとOとの化合物のいずれかまたは両方を含有してもよい。上記構成によれば、高容量が得られるケイ素系材料を負極活物質として含有する負極を有する非水電解質二次電池においても、放電レート特性及び高温保存特性を改善することができる。
また、上記一局面に係る非水電解質二次電池の製造に際しては、正極と、負極と、セパレータとを有する極板群、及び上記非水電解液を電池ケースに入れる組み立て工程と、前記組み立て工程後に、非水電解質二次電池を4.3〜4.5Vの範囲の電圧まで少なくとも1回充電する高電圧充電工程を設けることが好ましい。上記構成によれば、高電圧充電により添加剤(B)が負極表面に優先的に被膜を形成するとともに、添加剤(A)が主として正極表面に被膜を形成するため、添加剤(A)及び添加剤(B)による放電レート特性と高温保存特性を改善する効果が十分に発揮される。
上記高電圧充電工程は、4.3〜4.5Vの範囲の電圧までの充電を少なくとも2回行なうことが好ましい。上記構成によれば、各被膜が正極、負極の各電極表面に十分に形成されるため、より確実に放電レート特性及び高温保存特性を改善することができる。
また、上記組み立て工程と高電圧充電工程の間に、予備充電終止電圧が4.3V未満で、予備放電終止電圧が3.0V以上の充放電サイクルを少なくとも1回行なう予備充放電工程を設けることが好ましい。上記構成によれば、添加剤(A)の負極表面での吸着あるいは分解が進行しない低電圧で電池を予め充放電することにより、負極表面に添加剤(B)による被膜を優先的に形成することができる。そして、低電圧の予備充電により、負極表面に添加剤(A)と作用する部位に予め添加剤(B)の被膜が形成された後、高電圧で電池を充電することによって、正極表面に添加剤(A)の被膜が形成されるため、さらに放電レート特性及び高温保存特性を改善することができる。
上記非水電解質二次電池の製造方法において、正極は、正極活物質として一般式LixNi1-(y+z)Coyz2(式中、0.95≦x≦1.12,0.01≦y≦0.35,0.01≦z≦0.50であり、Mは、Al,Mn,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である)で表され、かつ、0.15〜1.50m2/gの比表面積を有する遷移金属含有複合酸化物を含むことが好ましい。上記組成式の遷移金属含有複合酸化物は、高い充電終止電圧を使用でき、また高電圧充電時にその表面に添加剤(A)が吸着あるいは分解して良質な被膜を形成することができる。さらに、上記範囲の比表面積を有する遷移金属含有複合酸化物は、表面での電荷移動抵抗が小さく、また金属イオンの溶出が少ない。このため、放電レート特性と高温保存特性を高いレベルで両立することができる。
そして、上記一般式LixNi1-(y+z)Coyz2のMが、Mnと、Al,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として用いた場合、放電レート特性と高温保存特性とをさらに高いレベルで両立できるだけでなく、容量特性、熱的安定性にも優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、高容量で、放電レート特性及び高温保存特性にも優れているので、携帯電話等のポータブル機器に使用される二次電池として利用可能である。また、高出力を有する電動工具等の駆動用電源としても利用が可能である。
図1は、本発明の非水電解質二次電池の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 正極
2 正極リード
3 負極
4 負極リード
5 セパレータ
6 上部絶縁板
7 下部絶縁板
8 ケース
9 ガスケット
10 封口板
11 正極端子
12 極板群

Claims (13)

  1. 遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として含む正極、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極、セパレータ、及び非水電解液を備えた非水電解質二次電池であって、
    前記非水電解液は、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、及びプロパンスルトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(A)と、無水マレイン酸、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(B)とを含み、
    充電終止電圧が4.3〜4.5Vである非水電解質二次電池。
  2. 前記非水電解液中の添加剤(A)と添加剤(B)の総量が、0.1〜10質量%である請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記正極は、前記正極活物質として一般式LixNi1-(y+z)Coyz2(式中、0.95≦x≦1.12,0.01≦y≦0.35,0.01≦z≦0.50であり、Mは、Al,Mn,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である)で表され、かつ、0.15〜1.50m2/gの比表面積を有する遷移金属含有複合酸化物を含む請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記一般式LixNi1-(y+z)Coyz2のMは、Mnと、Al,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記正極は、前記正極活物質として、さらにLiCoOを含有する請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記負極は、前記リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質として炭素材料を含有する請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  7. 電池理論容量(X)と炭素材料の質量(Y)との比で表される負荷容量(X/Y)が、250〜360mAh/gである請求項6に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記負極は、前記リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質としてSi単体、SiとOとの化合物のいずれかまたは両方を含有する請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  9. 遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として含む正極、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極、セパレータ、及び非水電解液を備えた非水電解質二次電池の製造方法であって、
    前記非水電解液は、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、及びプロパンスルトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(A)と、無水マレイン酸、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びLiBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(B)とを含んでおり、
    前記正極と、前記負極と、前記セパレータとを有する極板群、及び前記非水電解液を電池ケースに入れる組み立て工程と、
    前記組み立て工程後に、前記非水電解質二次電池を4.3〜4.5Vの範囲の電圧まで少なくとも1回充電する高電圧充電工程を有する非水電解質二次電池の製造方法。
  10. 前記高電圧充電工程は、4.3〜4.5Vの範囲の電圧までの充電を少なくとも2回含む請求項9に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  11. 前記組み立て工程と前記高電圧充電工程の間に、予備充電終止電圧が4.3V未満で、予備放電終止電圧が3.0V以上の充放電サイクルを少なくとも1回行なう予備充放電工程を有する請求項9に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  12. 前記正極は、前記正極活物質として一般式LixNi1-(y+z)Coyz2(式中、0.95≦x≦1.12,0.01≦y≦0.35,0.01≦z≦0.50であり、Mは、Al,Mn,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である)で表され、かつ、0.15〜1.50m2/gの比表面積を有する遷移金属含有複合酸化物を含む請求項9に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  13. 前記一般式LixNi1-(y+z)Coyz2のMは、Mnと、Al,Ti,Mg,Mo,Y,Zr,及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む請求項12に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
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