JPWO2007072759A1 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高温環境下でもサイクル特性に優れ、かつ熱安定性の高い非水電解質二次電池を提供することを目的とする。本発明の非水電解質二次電池は、活物質Aおよび活物質Cの少なくとも1種と活物質Bとを正極活物質として含む。活物質Aは、LixCoO2(0.9≦x≦1.2)である。活物質Bは、LixNiyMnzM1−y−zO2(0.9≦x≦1.2、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.5、0.2≦1−y−z≦0.5、0.9≦y/z≦2.5であり、MはCo、Mg、Al、Ti、Sr、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、WおよびReよりなる群から選択される少なくとも1種である。)である。活物質Cは、LixCo1−aMaO2(0.9≦x≦1.2、0.005≦a≦0.1であり、MはMg、Al、Ti、Sr、Mn、Ni、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、ZnおよびBaよりなる群から選択される少なくとも1種である。)である。

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、主として非水電解質二次電池に含まれる正極活物質の改良に関する。
近年、携帯電話やノートパソコンなどの携帯電子機器の小型化、薄型化、軽量化および高機能化が急速に進展している。それに伴って、携帯電子機器の電源として用いられる電池にも、小型、薄型、軽量および高容量化が要求されている。
現在、上記のような要求を満たすため、非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池が、携帯電子機器用の電源として用いられている。
このような非水電解質二次電池用の正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)およびニッケル酸リチウム(LiNiO2)のようなリチウム含有遷移金属酸化物が使用されている。このようなリチウム含有遷移金属酸化物は、高い容量密度を達成でき、かつ高い電圧域でリチウムの吸蔵および放出の良好な可逆性を示す。
しかし、上記正極活物質を含む非水電解質二次電池は、正極活物質の原料であるコバルトやニッケルが高価であるため、作製コストが高い。さらに、上記正極活物質を含む非水電解質二次電池が満充電状態で加熱された場合、正極活物質と非水電解質とが反応して、電池が発熱することがある。
一方で、比較的安価なマンガンを原料として用いて作製された、マンガン酸リチウム(LiMn24)のようなスピネル型複合酸化物を正極活物質として用いることも検討されている。スピネル型複合酸化物を正極活物質として用いる非水電解質二次電池は、満充電状態で加熱された場合に、正極活物質にLiCoO2やLiNiO2などを用いた非水電解質二次電池に比べて、発熱しにくいという特徴がある。しかし、このような非水電解質二次電池は、LiCoO2のコバルト系材料やLiNiO2のニッケル系材料を用いた電池に比べ、容量密度が小さい。
上記のような問題を解決するため、2種類以上のリチウム含有遷移金属酸化物を含む混合物を正極活物質として用いる非水電解質二次電池が提案されている(特許文献1〜4参照)。
特許文献1には、LiMn24、LiNiO2およびLiCoO2の混合物を正極活物質として用いた非水電解質二次電池が提案されている。しかしながら、このようの正極活物質は、単位重量当たりの放電容量が低いLiMn24を含むために、単位重量当たりの放電容量が小さい。
そこで、コバルト、ニッケル、マンガンのような遷移金属を複数種固溶させたリチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用いることが提案されている。ただし、このような活物質は、含まれる遷移金属の種類によって、電気容量、可逆性、熱安定性、作動電圧などの電気特性等が異なる。
例えば、LiCoO2に含まれるコバルトの一部の代わりにニッケルを固溶したLiNi0.8Co0.22を正極活物質として用いた場合は、LiCoO2を単独で用いた場合の容量密度140〜160mAh/gに比べて高い容量密度180〜200mAh/gを達成することができる。
特許文献2においては、LiNi0.8Co0.22の特性を改良するために、Mnをさらに含むLiNi0.75Co0.2Mn0.052等が提案されている。
特許文献3には、以下の式:
LiNixMn1-xy2
(ただし、0.30≦x≦0.65、0≦y≦0.2であり、MはFe、Co、Cr、Al、Ti、Ga、In、およびSnのいずれかから選択される金属元素。)
で表されるリチウム含有遷移金属酸化物が提案されている。
特許文献4には、以下の式(a):
LixNiyMn1-y-zz2
(ただし、xは0.9≦x≦1.2、yは0.40≦y≦0.60、zは0≦z≦0.2であり、MはFe、Co、Cr、およびAl原子のいずれかから選択される。)
で表されるリチウム含有遷移金属酸化物と、以下の式(b):
LixCoO2
(ただし、xは0.9≦x≦1.1である。)
で表されるリチウム−コバルト複合酸化物との混合物が提案されている。
ところで、非水電解質二次電池の隔離膜には、電池の熱安定性等の観点から、熱可塑性樹脂の多孔質ポリオレフィン膜を用いることが多い。樹脂製の隔離膜は、外部短絡などの不具合が起こった場合、短絡に伴う電池の急激な温度上昇に伴って軟化し、隔離膜の微多孔(無数の小さな孔)が潰れ、イオン伝導性を失い、電流が流れなくなる機能(いわゆるシャットダウン機能)を有している。しかしながら、シャットダウン後も電池の温度が上昇し続けた場合、隔離膜が、溶融および熱収縮し、正負極間の短絡面積が拡大する(いわゆるメルトダウン)。
そこで、シャットダウン性と耐メルトダウン性の両方を向上させる取り組みがなされている。しかし、ポリオレフィンからなる隔離膜は、シャットダウン性を向上させるために、その熱溶融性を高めると、メルトダウン温度が低くなる。このため、多孔質ポリオレフィン膜と耐熱性樹脂膜とからなる複合隔離膜を用いることが考えられる。例えば、特許文献5には、耐熱性含窒素芳香族重合体(アラミドやポリアミドイミド)とセラミック粉末を含む層と、多孔質ポリオレフィン層とからなる隔離膜が提案されている。
特開平11−003698号公報 特開平10−027611号公報 特開2002−145623号公報 特開2002−100357号公報 特開2000−30686号公報
特許文献1〜4に開示される技術において、充放電容量、サイクル特性、高温保存時の信頼性、および熱安定性の全ての特性を満足する正極活物質は得られていない。特に、ノートパソコンなどにおける高温環境下での使用を想定した高温時のサイクル特性が、発明者らの実験により、正極活物質に含まれる遷移金属の種類によっては、向上できないことがわかった。これは、以下のように推測される。高温下で充放電を繰り返した場合、正極活物質と非水電解質とが反応し、正極活物質中の遷移金属(Co、Ni、Mn)の一部が非水電解質中に溶解する。その結果、正極活物質の劣化が生じ、サイクル特性が低下すると考えられる。
特許文献5に開示される、耐熱性樹脂からなる隔離膜を用いることにより、電池の熱安定性を高めることはできる。しかし、隔離膜が耐熱性樹脂を含む場合、高温下でのサイクル特性が低下する。これは、以下のように考えることができる。隔離膜に含まれる耐熱性樹脂は、例えば、アラミドまたはポリアミドイミドを含む。アラミドは、アミン基を有する有機物(例えば、パラフェニレンジアミン)と、塩素原子を有する有機物(例えば、テレフタル酸クロリド)とを重合して得られる。よって、アラミドは、末端基として塩素原子を含む。ポリアミドイミドは、無水トリメリット酸モノクロライドとジアミンとを反応させて得られる。よって、アラミドと同様に、ポリアミドイミドも、末端基として塩素原子を含む。残存した塩素原子は、高温環境下で、前記隔離膜を含む電池の充放電を繰り返すことによって、非水電解質中に遊離する。遊離した塩素がリチウム含有遷移金属酸化物からなる正極活物質の近傍に存在すると、溶解した遷移金属の一部と塩素との錯形成反応を生じ、遷移金属の溶出量が増加する。このため、正極活物質の充放電反応に寄与できる部位が減少する。よって、充放電を繰り返すと、著しく容量が低下すると考えられる。
そこで、本発明は、高温環境下でもサイクル特性に優れ、かつ熱安定性の高い非水電解質二次電池を提供することを目的としている。
本発明の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極活物質層を備える正極と、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含む負極活物質層を備える負極と、非水電解質と、隔離膜とを備える。正極活物質は、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と活物質Bとを含む。活物質Aは、以下の式(1):
LixCoO2 (1)
(式中、0.9≦x≦1.2)
で表される第1のリチウム複合酸化物である。活物質Bは、以下の式(2):
LixNiyMnz1-y-z2 (2)
(式中、0.9≦x≦1.2、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.5、0.2≦1−y−z≦0.5、かつ0.9≦y/z≦2.5であり、MはCo、Mg、Al、Ti、Sr、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、およびReよりなる群から選択される少なくとも1種である。)
で表される第2のリチウム複合酸化物である。活物質Cは、以下の式(3):
LixCo1-aa2 (3)
(式中、0.9≦x≦1.2、および0.005≦a≦0.1であり、MはMg、Al、Ti、Sr、Mn、Ni、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、およびBaよりなる群から選択される少なくとも1種である。)
で表される第3のリチウム複合酸化物である。
隔離膜は、耐熱性樹脂を含む多孔質膜を含み、前記耐熱性樹脂は、塩素原子を含むことが好ましい。
本発明の一実施形態において、隔離膜は、ポリオレフィンを含む多孔質膜をさらに含むことが好ましい。
本発明の別の実施形態において、耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、フィラーを含むことが好ましい。
耐熱性樹脂は、アラミドおよびポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
活物質Bは、正極活物質の10〜90wt%を占めることが好ましく、10〜50wt%を占めることがさらに好ましい。
活物質Bに含まれる元素Mは、Coであることが好ましい。
活物質Bにおいて、Ni、Mnおよび元素Mの合計に占めるNiのモル比yおよびMnのモル比zは、それぞれ1/3であることが好ましい。
正極活物質層における正極活物質の密度は、3.3〜3.7g/cm3であることが好ましい。
活物質Aまたは活物質Cの平均粒径は、3〜12μmであることが好ましく、活物質Bの平均粒径は、3〜12μmであることが好ましい。
正極活物質の比表面積は、0.4〜1.2m2/gであることが好ましい。また、正極活物質のタップ密度は、1.9〜2.9g/cm3であることが好ましい。
本発明において、上記のように、正極活物質は、導電性が高く、放電時の平均電圧が高い活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と、熱安定性に優れた活物質Bとを含む。このため、高温下で充放電されるような場合でも電池の容量低下を抑制し、高温時のサイクル特性および熱安定性に優れた高容量の非水電解質二次電池を提供することができる。
実施例で作製した非水電解質二次電池の斜視図である。 A−A線での、図1の電池の縦断面を示す概略図である。 B−B線での、図1の電池の縦断面を示す概略図である。
本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質と、隔離膜とを含む。正極は、リチウムを吸蔵および放出可能な正極活物質を含む正極活物質層を備える。負極は、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含む負極活物質層を備える。
正極活物質は、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と活物質Bとを含む。
活物質Aは、以下の式(1):
LixCoO2 (1)
(式中、0.9≦x≦1.2)
で表される第1のリチウム複合酸化物である。
活物質Bは、以下の式(2):
LixNiyMnz1-y-z2 (2)
(式中、0.9≦x≦1.2、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.5、0.2≦1−y−z≦0.5、0.9≦y/z≦2.5であり、MはCo、Mg、Al、Ti、Sr、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、WおよびReよりなる群から選択された少なくとも1種である。)
で表される第2のリチウム複合酸化物である。
活物質Cは、以下の式(3):
LixCo1-aa2 (3)
(式中、0.9≦x≦1.2、0.005≦a≦0.1であり、MはMg、Al、Ti、Sr、Mn、Ni、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、およびBaよりなる群から選択された少なくとも1種である。)で表されるリチウム複合酸化物である。
なお、活物質A〜Cにおいて、リチウムのモル比xは、活物質の合成直後の値である。
上記活物質AおよびCは、導電性が高いが、熱安定性があまり高くない。さらに、高温環境下で充放電を繰り返した場合、これらの活物質に含まれる遷移金属が非水電解質中に溶解するために、サイクル特性の劣化が生じやすい。
一方、活物質Bが、適切なモル比でNi、Mnおよび元素Mを含むので、高温下で充放電を繰り返した場合でも、活物質Bの結晶構造が安定に維持される。つまり、活物質Bは、高い熱安定性を有する。しかし、活物質Bは、導電性が低い。
本発明においては、正極活物質は、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と、活物質Bとを含むため、活物質Aおよび/またはCと、活物質Bとは、それぞれの欠点を補うことができる。つまり、活物質Bは熱安定性が高いため、本発明の非水電解質二次電池を、45℃程度の高温環境下で、電池の充放電を繰り返した場合でも、活物質Bに含まれる金属元素が非水電解液へ溶出することが抑制される。よって、高温環境下における正極活物質の劣化を抑制することができる。さらに、正極活物質は、活物質Bより導電性の高い活物質Aおよび活物質Cの少なくとも1種を含む。このため、高温環境下で、充放電を繰り返した場合でも、正極活物質層中に導電パスを確保することができる。よって、高温環境下でのサイクル特性の低下を抑制することができる。
従って、正極活物質が、導電性が高い活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と、熱安定性が高い活物質Bとを含むことにより、高温サイクル特性に優れ、かつ熱安定性が高い非水電解質二次電池を得ることができる。
さらに、活物質Aと活物質Cは、放電時の平均電圧が高い。よって、正極活物質が、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことにより、電池の充放電容量も向上させることができる。
活物質Bにおいて、NiとMnと元素Mとの合計に対するNiのモル比yは0.1〜0.5であり、0.25〜0.5であることが好ましく、0.3〜0.5であることがさらに好ましい。モル比yが、0.1よりも小さくなると、初期充放電容量が低下する。モル比yが0.5より大きくなると、電池の熱安定性が低下する。
NiとMnと元素Mとの合計に対するMnのモル比zは0.2〜0.5であり、0.2〜0.4であることが好ましい。モル比zが、0.2よりも小さくなると、電池の熱安定性が低下する。モル比yが0.5より大きくなると、初期充放電容量が低下する。
NiとMnと元素Mとの合計に対する元素Mのモル比1−y−zは0.2〜0.5であり、0.21〜0.5であることが好ましく、0.21〜0.4であることがさらに好ましい。モル比1−y−zが、0.2よりも小さくなると、電池の熱安定性が低下する。モル比yが0.5より大きくなると、高温サイクル特性が低下する。
比y/zは、0.9〜2.5であり、0.9〜2.0であることが好ましい。比y/zが、0.9よりも小さくなると、初期充放電容量が低下するとともに、高温サイクル特性が低下する。比y/zが2.5より大きくなると、電池の熱安定性が低下する。
活物質Cにおいて、Coと元素Mとの合計に対する元素Mのモル比aは、0.005〜0.1であり、0.01〜0.05であることが好ましい。モル比aが0.005より小さくなると、元素Mの添加による高温サイクル特性を向上させる効果が得られにくくなる。モル比aが0.1より大きくなると、初期充放電特性が低下する。
活物質Bの量は、正極活物質の10〜90重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがさらに好ましい。活物質Bの量を前記範囲とすることにより、充放電容量、高温下のサイクル特性、および熱安定性のバランスが良い非水電解質二次電池を得ることができる。活物質Bの量が、正極活物質の10重量%より少なくなると、高温環境下で充放電サイクルを繰り返したときに、活物質AおよびCに含まれる遷移金属元素の溶出量が多くなる。このため、高温サイクル特性が低下する。活物質Bの量が、正極活物質の90重量%より多くなると、正極活物質の集電性が低下するため、高温サイクル特性が低下する。
活物質Bに含まれる元素Mは、Co、Mg、およびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、Coであることがさらに好ましい。活物質Bが前記元素を含むことにより、充放電容量と、高温下サイクル特性と、熱安定性とのバランスに優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
また、活物質Bにおいて、Ni、Mnおよび元素Mの合計に対するニッケルのモル比yおよびマンガンのモル比zは、それぞれ1/3であることが好ましい。モル比yおよびzをそれぞれ1/3とすることにより、活物質Bの結晶構造をより安定化させることができる。このため、熱安定性および高温下のサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
活物質層における正極活物質の密度は、3.3〜3.7g/cm3であることが好ましい。これにより、充放電容量が高く、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を容易に作製することができる。例えば、正極が、正極活物質を含むペーストを集電体に塗布し、乾燥し、圧延することにより作製される場合、得られた活物質層における正極活物質の密度が3.7g/cm3よりも大きいと、圧延時に集電体に大きな負荷がかかる。このため、集電体が切断されて、正極が作製できないことがある。また、正極が作製できたとしても、圧延時に正極活物質の二次粒子が壊されてしまい、サイクル特性が低下することがある。
活物質層における正極活物質の密度が3.3g/cm3より小さい場合には、正極活物質の密度が3.3g/cm3以上の場合と比較して、正極活物質と非水電解質との接触面積が大きくなる。このため、高温環境下で、非水電解質二次電池の充放電を繰り返した場合、正極活物質と非水電解質との反応が促進され、正極活物質が劣化する可能性がある。その結果、サイクル特性が低下することがある。
なお、正極活物質層が正極活物質以外に、結着剤、導電剤等を含む場合、これらの混合比がわかっているため、活物質層における正極活物質の密度は、活物質層の体積と重量から計算することができる。
正極活物質に含まれる活物質Aまたは活物質Cの平均粒径は、3〜12μmであることが好ましい。活物質Aまたは活物質Cの平均粒径を上記範囲とすることにより、充放電容量、高温サイクル特性および熱安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
正極活物質に含まれる活物質Aまたは活物質Cの平均粒径が3μmより小さい場合、非水電解質二次電池を高温下で充放電を行った時、活物質A、または活物質Cの反応性が高まり、正極活物質が非水電解質と反応して正極活物質が劣化することがある。その結果、サイクル特性が低下することがある。
活物質Aまたは活物質Cの平均粒径が12μmより大きい場合、活物質Aまたは活物質Cの比表面積が小さいので、活物質AまたはCの充放電に寄与できる反応面積も減少する。さらに、活物質と非水電解質との反応により、充放電に寄与できる反応面積がさらに減少する。このため、正極活物質と、非水電解質中のLiイオンとの挿入および脱離反応が、正極活物質粒子の所定の部分に集中して、正極活物質が急速に劣化することがある。よって、電池のサイクル特性が低下することがある。
正極活物質に含まれる活物質Bの平均粒径は、3〜12μmであることが好ましい。活物質Bの平均半径を上記範囲とすることにより、充放電容量、高温サイクル特性、および熱安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
活物質Bの平均粒径が3μmより小さい場合、電池を高温下で充放電した際に、活物質Bの反応性が増加するので、正極活物質と非水電解質が反応して、活物質Bが劣化することがある。このため、サイクル特性が低下することがある。活物質Bの平均粒径が12μmより大きい場合、上記と同様に、活物質Bの充放電に寄与できる反応面積が減少する。このため、正極が急速に劣化し、サイクル特性が低下することがある。
なお、活物質A、BおよびCの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定したときの、累積重量が50%に相当するときの値である。
正極活物質の比表面積は、0.4〜1.2m2/gであることが好ましい。正極活物質の比表面積を上記範囲とすることにより、充放電容量、高温サイクル特性、および熱安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
正極活物質の比表面積が1.2m2/gより大きい場合、電池を150℃のような高温に意図的に加熱したときに、正極活物質の反応性が高くなり、電池の熱安定性が低下することがある。更に、電池を高温下で充放電した場合、ガス発生が多く、正極活物質が急速に劣化することがある。このため、サイクル特性が低下することがある。
正極活物質の比表面積が0.4m2/gより小さい場合、正極活物質の充放電に寄与できる反応面積が減少する。よって、正極活物質が急速に劣化し、電池のサイクル特性が低下することがある。
なお、正極活物質の比表面積が0.4〜1.2m2/gであれば、活物質A、活物質Bおよび活物質Cの各々の比表面積は0.4〜1.2m2/gであってもよいし、前記範囲外であってもよい。
正極活物質の比表面積は、例えば、ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法(JIS R 1626)により測定することができる。
正極活物質のタップ密度は、1.9〜2.9g/cm3であることが好ましい。正極活物質のタップ密度を前記範囲とすることにより、充放電容量、高温サイクル特性および生産性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
正極活物質のタップ密度が1.9g/cm3より小さいと、正極活物質層を、例えばプレスにより所定の密度に圧延する場合、大きな圧力が必要となる。このため、生産性が著しく低下する。更に、圧延時に正極活物質層に大きな負荷がかかるために、正極活物質の二次粒子が崩壊し、一次粒子になる。このため、電池を高温下で充放電した場合、ガス発生が多く、正極が急速に劣化することがある。その結果、高温サイクル特性が低下することがある。
正極活物質のタップ密度が2.9g/cm3より大きい場合、正極活物質の粒径が大きくなる。このため、タップ密度が2.9g/cm3より小さい場合と比較して、正極板の反応面積が減少する。その結果、正極および負極において、Liイオンの挿入および脱離反応が局部的に集中する。よって、充放電サイクルを繰り返した際に、本来負極活物質に挿入されるべきLiイオンが負極活物質に挿入されず、金属リチウムが負極上に析出することがある。その結果、サイクル特性が低下することがある。
タップ密度は、例えば、以下のようにして測定することができる。
重量D(g)のメスシリンダに、50gの正極活物質を入れる。次いで、正極活物質を収容したメスシリンダを20mmの高さから垂直に落下させる操作を2秒間隔で1時間繰り返す。メスシリンダの全重量E(g)および正極活物質の体積F(cm3)を測定する。これらの値を用い、次式:
タップ密度(g/cm3)=(E−D)/F
により、正極活物質のタップ密度を求めることができる。
活物質AであるLixCoO2は、例えば、リチウム化合物とコバルト化合物を所定の割合で混合し、得られた混合物を600〜1100℃で焼成することにより、得ることができる。
活物質BであるLixNiyMnz1-y-z2は、例えば、以下のようにして作製することができる。
リチウム化合物、マンガン化合物、ニッケル化合物およびMを含む化合物を所定の割合で混合する。得られた混合物を、不活性ガス雰囲気下あるいは大気中で、固相法により500〜1000℃で焼成することにより、活物質Bを得ることができる。または、前記混合物を、溶融塩法により500〜850℃で焼成することによっても、活物質Bを得ることができる。
活物質CはであるLixCo1-aa2は、例えば、リチウム化合物と、コバルト化合物と、Mを含む化合物を所定の割合で混合し、得られた混合物を600〜1100℃で焼成することにより得ることができる。
リチウム化合物としては、例えば、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウムなどを用いることができる。
コバルト化合物としては、酸化コバルト、水酸化コバルトなどを用いることができる。
ニッケル化合物としては、酸化物(NiOなど)、水酸化物(NiOH)、オキシ水酸化物(NiOOH)などを用いることができる。
マンガン化合物としては、3価のマンガンを含む化合物を用いることが好ましい。このようなのマンガン化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Mを含む化合物としては、Mを含む酸化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩などを用いることができる。
次に、隔離膜について説明する。
隔離膜は、多孔質膜を含む。多孔質膜は、例えば、無機微多孔膜であってもよいし、有機微多孔膜であってもよい。隔離膜は、有機微多孔膜と無機微多孔膜の両方を含んでいてもよい。
無機微多孔膜は、例えば、無機フィラーと、無機フィラーを結着させるための結着剤を含む。無機フィラーとしては、アルミナ、シリカなどが挙げられる。無機微多孔膜に含まれる結着剤は、特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性アクリロニトリル−ポリアクリル酸系ゴム粒子(例えば、日本ゼオン(株)製のBM−500B)が挙げられる。なお、PTFEおよびBM−500Bは、増粘剤と組み合わせて用いることが好ましい。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、変性アクリロニトリルゴム(例えば、日本ゼオン(株)製のBM−720H)などが挙げられるが、これらに限定されない。
結着剤の量は、無機微多孔膜の機械的強度を維持するとともにイオン伝導性を確保する観点から、無機フィラー100重量部あたり1〜10重量部であることが好ましく、2〜8重量部であることがさらに好ましい。結着剤のほとんどは、非水電解質に含まれる非水溶媒により膨潤する性質を有する。よって、結着剤の量が10重量部を超えると、結着剤の過度の膨張により、無機微多孔膜の空隙が塞がれる。このため、無機微多孔膜のイオン伝導性が低下し、電池反応が阻害される場合がある。結着剤の量が1重量部未満である場合には、無機微多孔膜の機械的強度が低下する場合がある。
無機微多孔膜を隔離膜として用いる場合、無機微多孔膜は、正極と負極との間に介在していればよい。この場合、無機微多孔膜は、正極または負極の表面のみに配置されてもよく、正極および負極の両方の表面に配置されてもよい。無機微多孔膜を隔離膜として用いる場合、無機微多孔膜の厚さは1〜20μmであることが好ましい。
隔離膜が無機微多孔膜と有機微多孔膜の両方を含む場合、無機微多孔膜の厚さは1〜10μmであることが好ましい。
有機微多孔膜としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを原料とする多孔性シートまたは不織布を用いることができる。耐熱性樹脂を含む多孔質膜を、有機微多孔膜として用いることもできる。有機微多孔膜の厚さは10〜40μmであることが好ましい。
耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、塩素原子を含む耐熱性樹脂を含むことが好ましい。このとき、正極活物質は、組成中にAlを有するリチウム含有複合酸化物を少なくとも一種含むことが好ましい。
高温サイクル時に、隔離膜を構成する耐熱性樹脂の末端基として残存している塩素原子が、非水電解質中に遊離した場合に、遊離した塩素原子は、Alと優先的に錯体を形成する。このため、正極活物質を構成する他の遷移金属元素の正極活物質からの溶出を抑制することができる。これは、Alが、Co、Ni、およびMnなどの遷移金属と比較して、塩素との錯体形成における安定化定数が高く、Alと塩素とが優先的に錯体を形成しやすいためである。
以上のように、隔離膜が、塩素原子を含む耐熱性樹脂を含む場合には、正極活物質が構成元素としてAlを含むことにより、非水電解質中への正極活物質の主構成元素(Co、Ni、Mnなど)の溶出を抑制することができる。このため、高温サイクル特性と熱安定性とのバランスに優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
塩素原子を含む耐熱性樹脂は、アラミドおよびポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの耐熱性樹脂は、極性有機溶媒に可溶であるため、製膜性に優れるとともに、多孔質膜を形成し易い。さらに、前記耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、非水電解質の保持力と耐熱性が極めて高い。
隔離膜が塩素原子を含む耐熱性樹脂を含む場合、隔離膜に含まれる塩素原子の量は、隔離膜1gあたり50〜2000μgであることが好ましい。塩素元素を前記範囲の量で含む耐熱性樹脂は、容易に製造できるからである。
有機微多孔膜は、ポリオレフィンからなる多孔質膜と、耐熱性樹脂を含む多孔質膜とを含む積層膜であることが好ましい。このような積層膜を用いることにより、ポリオレフィンからなる多孔質膜が有する電子伝導性を確保しつつ、耐熱性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。この場合にも、有機微多孔膜の厚さは10〜40μmであることが好ましい。
上記積層膜において、ポリオレフィンからなる多孔質膜の上に耐熱性樹脂を含む多孔質膜を配置してもよいし、またはその逆であってもよい。
前記積層膜において、耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、フィラーを含むことがさらに好ましい。耐熱性樹脂を含む多孔質膜が、塩素原子を含む耐熱性樹脂とフィラーとを含むことにより、隔離膜の耐熱性をさらに向上させることができる。耐熱性樹脂を含む多孔質膜がフィラーを含む場合、フィラーの量は、耐熱性樹脂100重量部あたり33〜400重量部であることが好ましい。フィラーは、アルミナ、ゼオライト、窒化珪素、炭化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、および二酸化ケイ素よりなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物を含むことが好ましい。このような無機酸化物フィラーは、耐非水電解質性が高く、酸化還元電位下においても、電池特性に悪影響を及ぼす副反応を起こさないからである。無機酸化物フィラーは、化学的に安定であり、高純度であることが好ましい。
耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、例えば、以下のようにして作製することができる。例えば、塩素原子を含む耐熱性樹脂を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの極性溶媒に溶解する。次いで、得られた溶液を、ガラス板、ステンレス鋼板などの基材に塗着し、乾燥する。得られた膜を基材から分離することにより、耐熱性樹脂を含む多孔質膜を得ることができる。
なお、塩素原子を含む耐熱性樹脂を溶解したNMP溶液を、ポリオレフィンからなる多孔質膜上に塗着し、乾燥することにより、耐熱性樹脂を含む多孔質膜と、ポリオレフィンからなる多孔質膜とを含む積層膜を作製することができる。
耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、例えば、以下のようにして作製することができる。
例えば、塩素原子を含有した耐熱性樹脂を溶解したNMP溶液に、フィラーを添加する。得られた混合物を、所定の基材上に塗布し、乾燥する。得られた乾燥膜を、基材から剥がすことにより、耐熱性樹脂を含む多孔質を得ることができる
耐熱性樹脂とフィラーを含む多孔質膜と、ポリオレフィンからなる多孔質膜との積層膜は、例えば、以下のようにして作製することができる。
例えば、塩素原子を含有した耐熱性樹脂を溶解したNMP溶液に、フィラーを添加する。得られた混合物を、ポリオレフィンからなる多孔質膜上に塗布し、乾燥する。こうして、耐熱性樹脂とフィラーを含む多孔質膜と、ポリオレフィンからなる多孔質膜との積層膜を得ることができる。
次に、正極について説明する。
正極を構成する正極活物質層は、必要に応じて、結着剤、導電剤等を含む。
例えば、正極集電体とその上に担持された正極活物質層とを備える正極は、以下のようにして作製することができる。
例えば、正極活物質、結着剤、所定の分散媒、および必要に応じて、導電剤、増粘剤等を混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーを、正極集電体の表面に塗布し、乾燥することにより、正極を製造することができる。得られた正極をそのままロール成形して、シート状の電極としてもよい。
あるいは、正極活物質、結着剤、導電剤等を含む混合物を、圧縮成形して、ペレット状の電極としてもよい。
正極に用いられる結着剤は、正極の製造時に使用する溶媒や非水電解質に対して安定な材料であれば、特に限定されない。具体的には、結着剤として、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、およびエチレンプロピレンゴム(EPDM)等を挙げることができる。
導電剤としては、例えば、銅、ニッケル等の金属材料、ならびにグラファイト、カーボンブラック等の炭素材料が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビリルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、およびガゼインが挙げられる。
分散媒としては、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。
正極集電体としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等の金属箔、または前記元素を含む合金箔を用いることができる。なかでも、軽量で、高いエネルギー密度が得られることがから、Al箔またはAl合金箔を正極集電体として使用するのが望ましい。
次に、負極について説明する。
負極は、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含む。このような負極活物質としては、例えば、黒鉛材料が挙げられる。リチウムを吸蔵および放出することが可能であれば、黒鉛の物理的性状は特に制限されない。
黒鉛材料の中でも、昜黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛、精製天然黒鉛、および前記のような人造黒鉛および天然黒鉛にピッチを用いて表面処理を施した材料が好ましい。
負極活物質は、上記のような黒鉛材料の他に、リチウムを吸蔵および放出可能な第2の活物質を含んでいてもよい。第2の活物質としては、例えば、難黒鉛性炭素、低温焼成炭素等の非黒鉛系炭素材料、酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物材料、ならびにリチウム金属および各種リチウム合金を用いることができる。
なお、負極活物質は、上記のような黒鉛材料および第2の活物質の2種以上を含んでいてもよい。
例えば、負極集電体およびその上に担持された負極活物質層を含む負極は、以下のようにして作製することができる。
例えば、負極活物質、結着剤、所定の分散媒、および必要に応じて、導電剤、増粘剤等を、混合して、ペーストを得る。得られたペーストを、負極集電体の表面に塗布し、乾燥して、負極を得ることができる。
正極の場合と同様に、得られた負極をそのままロール成形して、シート状の電極としてもよい。また、負極活物質、結着剤、導電剤等を含む混合物を、圧縮成形して、ペレット状の電極としてもよい。
負極集電体としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼等の金属箔が使用できる。これらの中でも、薄膜に加工し易く、低コストであることから、Cu箔を負極集電体として用いることが好ましい。
負極に用いられる結着剤、導電剤および分散媒としては、正極で用いられるのと同様なものを用いることができる。
次に、非水電解質について説明する。
非水電解質は、非水溶媒と、それに溶解した溶質を含む。非水溶媒は、炭酸エステルを含むことが好ましい。炭酸エステルは、環状および鎖状のいずれをも使用することができる。
環状炭酸エステルとしては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、およびブチレンカーボネートが好適に用いられる。これらの環状炭酸エステルは、誘電率が高い。
鎖状炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−i−プロピルカーボネートが好適に用いられる。これらの鎖状炭酸エステルは、粘度が低い。
上記環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶質としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4のような無機リチウム塩、ならびにLiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23などの含フッ素有機リチウム塩を用いることができる。前記溶質は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、LiPF6およびLiBF4が好ましい。
溶質は、通常0.1〜3.0mol/L、好ましくは0.5〜2.0mol/Lの濃度で、非水溶媒に溶解される。
上記のような正極、負極、隔離膜および非水電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法は、特に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
非水電解質二次電池の形状は、特に限定されず、コイン形、ボタン形、シート形、円筒形、扁平形、および角形のいずれであってもよい。電池の形状がコイン形またはボタン形である場合、ペレット状の正極および負極が用いられる。そのペレットのサイズは、電池サイズにより決められる。
電池の形状がシート形、円筒形または角形である場合、正極および負極は、集電体およびその上に担持された活物層を含む。また、このような電池においては、正極、隔離膜および負極を含む極板群は、積層型であってもよいし、捲回型であってもよい。
以下の実施例では、図1〜3に示されるような非水電解質二次電池を作製した。
図1は、扁平な角形の電池1の斜視図を示し、図2は、図1のA−A線での断面図を示し、図3は、図1のB−B線での断面図を示す。
電池1において、図2および図3に示されるように、正極2、負極3、および正極2と負極3との間に配置された隔離膜4を含む極板群5と、非水電解質とが、有底筒状の電池ケース6に収容されている。隔離膜としては、厚み20μmのポリエチレン製多孔質膜からなるセパレータを用いている。電池ケース6は、アルミニウム(Al)で構成されている。電池ケース6は、正極端子として機能する。
極板群5の上方には、樹脂製の枠体10が配置されている。
電池ケース6の開口端部が、負極端子7を備えた封口板8にレーザーで溶接されて、電池ケース6の開口部が封口されている。なお、負極端子7は、封口板8とは絶縁されている。
ニッケル製の負極リード線9の一端は負極に接続されている。負極リード線9の他端は、負極端子7と導通し、封口板8とは絶縁されている部分12に、レーザー溶接されている。
図3に示されるように、アルミニウム製の正極リード線11の一端が、正極に接続されている。正極リード線11の他端は、封口板8に、レーザー溶接されている。
作製した電池のサイズは、縦50mm、横34mm、幅5mmであった。また、電池容量は900mAhであった。
負極は、負極集電体とその両面に担持された負極活物質層とから構成した。負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としては、ピッチを用いて表面処理を施した精製天然黒鉛を使用した。負極活物質と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースと、結着剤であるスチレン−ブタジエンゴムとを、100:2:2の重量比で混合した。得られた混合物と、分散媒である水とを混合して、負極スラリーを得た。負極スラリーを、集電体として厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、200℃で乾燥して、水を除去した。その後、得られた負極板を、ロールプレスを用いて圧延し、所定の寸法に切断して、負極を得た。
非水電解質は、エチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを1:1の体積比で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解することによって調製した。
上記電池に含まれる正極2として、以下のような種々の正極を用いた。
≪実施例1≫
(i)活物質BであるLiNi1/3Mn1/3Co1/32の作製
硫酸ニッケル、硫酸マンガンおよび硫酸コバルトを、1:1:1のモル比で溶解した水溶液に、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、ニッケル(Ni)−マンガン(Mn)−コバルト(Co)共沈水酸化物を得た。Ni−Mn−Co共沈水酸化物を濾別し、水洗し、空気中で乾燥させた。乾燥後の共沈水酸化物を、400℃で5時間焼成し、Ni−Mn−Co酸化物粉末を得た。
得られた粉末と炭酸リチウム粉末とを所定のモル比で混合した。得られた混合物を、ロータリーキルン内に収容し、空気雰囲気中、650℃で10時間予備加熱した。次いで、予備加熱後の混合物を、電気炉内で、2時間で950℃まで昇温し、この後、950℃で10時間焼成した。こうして、LiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。得られた活物質の平均粒径は7.1μmであった。
(ii)活物質AであるLiCoO2の作製
所定の濃度の硫酸コバルト水溶液に、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、コバルト共沈水酸化物を得た。得られた水酸化物を、濾別し、水洗し、空気中で乾燥させた。乾燥後の水酸化物を、500℃で5時間焼成し、コバルト酸化物粉末を得た。
得られた粉末と炭酸リチウム粉末を混合した。得られた混合物を、ロータリーキルン内に収容し、空気雰囲気中、650℃で10時間予備加熱した。次いで、予備加熱後の混合物を、電気炉内で、2時間で950℃まで昇温し、この後、950℃で10時間焼成した。こうして、LiCoO2を得た。得られた活物質の平均粒径は6.8μmであった。
(iii)正極活物質の調製
上記(i)で作製したLiNi1/3Mn1/3Co1/32と、上記(ii)で作製したLiCoO2とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質1を得た。正極活物質1の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.32g/cm3であった。
(iv)正極の作製
正極活物質1と、導電剤であるアセチレンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを、100:2:2の重量比で混合した。得られた混合物と、分散媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して、正極スラリーを調製した。
正極スラリーを、厚さ15μmのAl箔からある正極集電体の両面に塗布し、150℃で乾燥して、NMPを除去した。その後、得られた正極板を、ロールプレスを用いて、正極活物質層における活物質の密度が3.5g/cm3となるように圧延し、所定の寸法に切断して、正極を得た。
このようにして作製した正極を用いて、電池A1を作製した。
≪実施例2≫
(v)活物質CであるLiCo0.975Mg0.02Al0.0052の作製
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸アルミニウムを、0.975:0.02:0.005のモル比で溶解した水溶液に、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、コバルト(Co)−マグネシウム(Mg)−アルミニウム(Al)共沈水酸化物を得た。Co−Mg−Al共沈水酸化物を濾別し、水洗し、空気中で乾燥させた。乾燥後の共沈水酸化物を、400℃で5時間焼成し、Co−Mg−Al酸化物粉末を得た。
得られた粉末と炭酸リチウム粉末とを所定のモル比で混合した。得られた混合物を、ロータリーキルン内に収容し、空気雰囲気中、650℃で10時間予備加熱した。次いで、予備加熱後の混合物を、電気炉内で、2時間で950℃まで昇温し、この後、950℃で10時間焼成した。こうして、LiCo0.975Mg0.02Al0.0052を得た。得られた活物質の平均粒径は6.9μmであった。
上記(v)で作製したLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、上記(i)で作製したLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質2を得た。正極活物質2の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.30g/cm3であった。
正極活物質2を用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池A2を作製した。
≪実施例3≫
隔離膜として、ポリエチレン(PE)製の多孔質膜(厚さ16μm)と、その上に担持された、アラミド樹脂からなる多孔質膜を含む積層膜を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A3を作製し得た。
上記積層膜を、以下のようにして、作製した。
NMP100重量部に、乾燥した無水塩化カルシウム(以下、CaCl2と略す)を6.5重量部添加した。得られた混合物を、反応槽内で80℃に加温して、CaCl2を完全に溶解して、CaCl2のNMP溶液を得た。
NMP溶液の温度を常温まで戻し、そのNMP溶液にパラフェニレンジアミンを3.2重量部添加し、完全に溶解した。その後、NMP溶液を収容する反応槽を、20℃の恒温槽に入れ、NMP溶液にテレフタル酸ジクロライド5.8重量部を、1時間をかけて滴下して、重合反応により、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)を合成した。その後、20℃の恒温槽内で1時間放置した。
重合反応の終了後に、PPTAを含むNMP溶液を、真空槽内に収容し、減圧下で30分撹拌して、脱気した。得られた重合液を、CaCl2のNMP溶液で希釈し、PPTA濃度が1.4重量%であるアラミド樹脂のNMP溶解液を調製した。
得られたアラミド樹脂のNMP溶解液を、ポリエチレンからなる多孔質膜上にドクターブレードにより薄くコートし、80℃の熱風(風速0.5m/秒)で乾燥した。得られたアラミド樹脂層を、純水で十分に水洗して、残留したCaCl2を除去した。こうして、アラミド樹脂層を多孔質化した。こののち、アラミド樹脂層を、再び乾燥した。このようにして、アラミドからなる多孔質膜とPE製の多孔質膜を含む積層膜(総厚20μm)を作製した。この積層膜の残留塩素量を化学分析にて測定した。その結果、残留塩素量は、隔離膜1gあたり650μgであった。
≪実施例4≫
実施例3で用いた隔離膜を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、電池A4を作製し得た。
≪実施例5≫
隔離膜として、PE製の多孔質膜(厚さ16μm)と、その上に担持された、アミドイミド樹脂からなる多孔質膜とを含む積層膜を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A5を作製した。
上記積層膜を、以下のようにして作製した。
無水トリメリット酸モノクロライドと、ジアミンを、NMP中で室温にて混合し、ポリアミド酸のNMP溶液を得た。このポリアミド酸のNMP溶液を、PE製の多孔質膜上にドクターブレードにより薄く塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥して、ポリアミド酸を脱水閉環させて、ポリアミドイミドを生成させた。このようにして、アミドイミドからなる多孔質膜とPE製の多孔質膜を含む積層膜(総厚20μm)を得た。この積層膜の残留塩素量を化学分析にて測定した。その結果、残留塩素量は、隔離膜1gあたり830μgであった。
≪実施例6≫
隔離膜として、アラミド樹脂からなる多孔質膜を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A6を作製した。
上記アラミド樹脂からなる多孔質膜を、以下のようにして作製した。
実施例3で作製した、アラミド樹脂のNMP溶解液を、表面が平滑なステンレス鋼板上にドクターブレードを用いて、塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥した。こうして、厚みが20μmのアラミド樹脂からなる多孔質膜を得た。この多孔質膜の残留塩素量を化学分析にて測定した。その結果、残留塩素量は、隔離膜1gあたり1800μgであった。
≪実施例7≫
隔離膜として、PE製の多孔質膜(厚さ16μm)と、その上に担持された、アルミナ微粒子フィラーとアラミド樹脂を含む多孔質膜とを備える積層膜を用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池A7を作製した。
上記積層膜を、以下のようにして作製した。
実施例3で作製したアラミド樹脂のNMP溶解液に、200重量部のアルミナ微粒子を混合した。前記NMP溶液は、固形分を100重量部含んだ。
得られた分散液を、PE製の多孔質膜上に、ドクターブレードにより、薄く塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥した。こうして、PE製の多孔質膜と、フィラーおよびアラミドを含む多孔質膜とを含む積層膜(総厚20μm)を得た。この積層膜の残留塩素量を化学分析にて測定した。その結果、残留塩素量は、隔離膜1gあたり600μgであった。
≪実施例8≫
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、90:10の重量比で混合して、正極活物質8を得た。正極活物質8の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.34g/cm3であった。
正極活物質8を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A8を作製した。
≪実施例9≫
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、50:50の重量比で混合して、正極活物質9を得た。正極活物質9の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.39g/cm3であった。
正極活物質9を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A9を作製した。
≪実施例10≫
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、30:70の重量比で混合して、正極活物質10を得た。正極活物質10の比表面積は0.68m2/gであり、タップ密度は2.41g/cm3であった。
正極活物質10を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A10を作製した。
≪実施例11≫
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、10:90の重量比で混合して、正極活物質11を得た。正極活物質11の比表面積は0.68m2/gであり、タップ密度は2.44g/cm3であった。
正極活物質11を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A11を作製した。
≪実施例12≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを50:30:20のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.5Mn0.3Co0.22を得た。得られた活物質の平均粒径は7.5μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi0.5Mn0.3Co0.22とを、70:30の重量比で
混合して、正極活物質12を得た。正極活物質12の比表面積は0.63m2/gであり、タップ密度は2.56g/cm3であった。
正極活物質12を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A12を作製した。
≪実施例13≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、25:25:50のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.25Mn0.25Co0.52を得た。得られた活物質の平均粒径は7.8μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi0.25Mn0.25Co0.52とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質13を得た。正極活物質13の比表面積は0.58m2/gであり、タップ密度は2.78g/cm3であった。
正極活物質A13を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A13を作製した。
≪実施例14≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、40:20:40のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.4Mn0.2Co0.4を得た。得られた活物質の平均粒径は6.7μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi0.4Mn0.2Co0.42とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質14を得た。正極活物質14の比表面積は0.72m2/gであり、タップ密度は2.28g/cm3であった。
正極活物質14を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A14を作製した。
≪実施例15≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、40:40:20のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.4Mn0.4Co0.22を得た。得られた活物質の平均粒径は6.9μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi0.4Mn0.4Co0.22とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質15を得た。正極活物質15の比表面積は0.71m2/gであり、タップ密度は2.28g/cm3であった。
正極活物質15を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A15を作製した。
≪実施例16≫
活物質Bを作製するときに、硫酸コバルトの代わりに硫酸マグネシウムを用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi1/3Mn1/3Mg1/32を得た。得られた活物質の平均粒径は7.1μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi1/3Mn1/3Mg1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質16を得た。正極活物質16の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.30g/cm3であった。
正極活物質16を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A16を作製した。
≪実施例17≫
活物質Bを作製するときに、硫酸コバルトの代わりに硫酸アルミニウムを用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi1/3Mn1/3Al1/32を得た。得られた活物質の平均粒径は7.5μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi1/3Mn1/3Al1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質17を得た。正極活物質17の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.25g/cm3であった。
正極活物質17を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A17を作製した。
≪実施例18≫
正極板をプレスした後の活物質層における活物質の密度を3.25g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、正極を得た。この正極を用いて、電池A18を作製した。
≪実施例19≫
正極板をプレスした後の活物質層における活物質の密度を3.3g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、正極を得た。この正極を用いて、電池A19を作製した。
≪実施例20≫
正極板をプレスした後の活物質層における活物質の密度を3.7g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、正極を作製した。この正極を用いて、電池A20を作製した。
≪実施例21≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径2.6μmのLiCoO2を得た。
平均粒径2.6μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを70:30の重量比で混合して、正極活物質21を得た。正極活物質21の比表面積は0.87m2/gであり、タップ密度は2.00g/cm3であった。
正極活物質21を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A21を作製した。
≪実施例22≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径3.3μmのLiCoO2を得た。
平均粒径3.3μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質22を得た。正極活物質22の比表面積は0.80m2/gであり、タップ密度は2.11g/cm3であった。
正極活物質22を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A22を作製した。
≪実施例23≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径11.8μmのLiCoO2を得た。
平均粒径11.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質23を得た。正極活物質23の比表面積は0.54m2/gであり、タップ密度は2.71g/cm3であった。
正極活物質23を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A23を作製した。
≪実施例24≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径12.9μmのLiCoO2を得た。
平均粒径12.9μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質24を得た。正極活物質24の比表面積は0.49m2/gであり、タップ密度は2.77g/cm3であった。
正極活物質24を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A24を作製した。
≪実施例25≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径2.4μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径2.4μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質25を得た。正極活物質25の比表面積は0.93m2/gであり、タップ密度は2.10g/cm3であった。
正極活物質25を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A25を作製した。
≪実施例26≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径3.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径3.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質26を得た。正極活物質26の比表面積は0.83m2/gであり、タップ密度は2.21g/cm3であった。
正極活物質26を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A26を作製した。
≪実施例27≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径11.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径11.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質27を得た。正極活物質27の比表面積は0.49m2/gであり、タップ密度は2.61g/cm3であった。
正極物質27を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A27を作製した。
≪実施例28≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径13.2μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径13.2μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質28を得た。正極活物質28の比表面積は0.43m2/gであり、タップ密度は2.69g/cm3であった。
正極活物質28を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A28を作製した。
≪実施例29≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径10.9μmのLiCoO2を得た。
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径10.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を用いた。
平均粒径10.9μmのLiCoO2と、平均粒径10.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質29を得た。正極活物質29の比表面積は0.33m2/gであり、タップ密度は3.01g/cm3であった。
正極活物質29を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A29を作製した。
≪実施例30≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径9.8μmのLiCoO2を得た。
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径10.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を用いた。
平均粒径9.8μmのLiCoO2と、平均粒径10.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質30を得た。正極活物質30の比表面積は0.41m2/gであり、タップ密度は2.88g/cm3であった。
正極活物質30を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A30を作製した。
≪実施例31≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径4.1μmのLiCoO2を用いた。
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径4.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を用いた。
平均粒径4.1μmのLiCoO2と、平均粒径4.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質31を得た。正極活物質31の比表面積は1.19m2/gであり、タップ密度は1.91g/cm3であった。
正極活物質31を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A31を作製した。
≪実施例32≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径3.6μmのLiCoO2を用いた。
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径3.4μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を用いた。
平均粒径3.6μmのLiCoO2と、平均粒径3.4μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質32を得た。正極活物質32の比表面積は1.31m2/gであり、タップ密度は1.83g/cm3であった。
正極活物質32を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A32を作製した。
≪実施例33≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、90:10の重量比で混合して、正極活物質33を得た。正極活物質33の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.32g/cm3であった。
正極活物質33を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A33を作製した。
≪実施例34≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、50:50の重量比で混合して、正極活物質34を得た。正極活物質34の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.35g/cm3であった。
正極活物質34を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A34を作製した。
≪実施例35≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、30:70の重量比で混合して、正極活物質35を得た。正極活物質35の比表面積は0.68m2/gであり、タップ密度は2.40g/cm3であった。
正極活物質35を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A35を作製した。
≪実施例36≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、10:90の重量比で混合して、正極活物質36を得た。正極活物質36の比表面積は0.68m2/gであり、タップ密度は2.43g/cm3であった。
正極活物質36を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A36を作製した。
≪実施例37≫
硫酸コバルトおよび硫酸マグネシウムを、0.975:0.025のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.975Mg0.0252を得た。得られた活物質Cの平均粒径は7.0μmであった。
平均粒径7.0μmのLiCo0.975Mg0.0252と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質37を得た。正極活物質37の比表面積は0.70m2/gであり、タップ密度は2.32g/cm3であった。
正極活物質37を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A37を作製した。
≪実施例38≫
硫酸コバルトおよび硫酸アルミニウムを、0.975:0.025のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.975Al0.0252を得た。得られた活物質Cの平均粒径は6.8μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCo0.975Al0.0252と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質38を得た。正極活物質38の比表面積は0.67m2/gであり、タップ密度は2.33g/cm3であった。
正極活物質38を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A38を作製した。
≪実施例39≫
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸ジルコニウムを、0.975:0.02:0.005のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.975Mg0.02Zr0.0052を得た。得られた活物質Cの平均粒径は6.7μmであった。
平均粒径6.7μmのLiCo0.975Mg0.02Zr0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質39を得た。正極活物質39の比表面積は0.70m2/gであり、タップ密度は2.31g/cm3であった。
正極活物質39を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A39を作製した。
≪実施例40≫
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸モリブデンを、0.975:0.02:0.005のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.975Mg0.02Mo0.0052を得た。得られた活物質Cの平均粒径は6.9μmであった。
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Mo0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質40を得た。正極活物質40の比表面積は0.67m2/gであり、タップ密度は2.34g/cm3であった。
正極活物質40を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A40を作製した。
≪実施例41≫
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸アルミニウムを、0.995:0.003:0.002のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.995Mg0.003Al0.0022を得た。得られた活物質Cの平均粒径は6.6μmであった。
平均粒径6.6μmのLiCo0.995Mg0.003Al0.0022と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質41を得た。正極活物質41の比表面積は0.70m2/gであり、タップ密度は2.27g/cm3であった。
正極活物質41を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A41を作製した。
≪実施例42≫
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸アルミニウムを、0.9:0.095:0.005のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.9Mg0.095Al0.0052を得た。得られた活物質Cの平均粒径は7.0μmであった。
平均粒径7.0μmのLiCo0.9Mg0.095Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質42を得た。正極活物質42の比表面積は0.67m2/gであり、タップ密度は2.30g/cm3であった。
正極活物質42を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A42を作製した。
《実施例43》
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、27:30:43のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.27Mn0.3Co0.432を得た。得られた活物質の平均粒径は7.6μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径7.6μmのLiNi0.27Mn0.3Co0.432とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質43を得た。正極活物質43の比表面積は0.61m2/gであり、タップ密度は2.61g/cm3であった。
正極活物質43を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A43を作製した。
《実施例44》
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、50:20:30のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.5Mn0.2Co0.32を得た。得られた活物質の平均粒径は7.4μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径7.4μmのLiNi0.5Mn0.2Co0.32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質44を得た。正極活物質44の比表面積は0.65m2/gであり、タップ密度は2.45g/cm3であった。
正極活物質44を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A44を作製した。
≪比較例1≫
正極活物質として、平均粒径6.8μmのLiCoO2を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B1を作製した。
≪比較例2≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B2を作製した。
≪比較例3≫
平均粒径6.6μmのLiCo0.995Mg0.003Al0.0022を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B3を作製した。
≪比較例4≫
平均粒径7.0μmのLiCo0.9Mg0.095Al0.0052を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B4を作製した。
≪比較例5≫
平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B5を作製した。
≪比較例6≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケルと硫酸マンガンを1:1mのモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.5Mn0.52を得た。得られた活物質Bの平均粒径は6.2μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記LiNi0.5Mn0.52とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質を得た。得られた正極活物質の比表面積は0.60m2/gであり、タップ密度は2.43g/cm3であった。
この正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B6を作製した。
≪比較例7≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、45:45:10のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.45Mn0.45Co0.12を得た。得られた活物質Bの平均粒径は6.4μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記LiNi0.45Mn0.45Co0.12とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質を得た。この正極活物質の比表面積は0.62m2/gであり、タップ密度は2.40g/cm3であった。
この正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B7を作製した。
《比較例8》
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、24:30:46のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.24Mn0.3Co0.462を得た。得られた活物質の平均粒径は7.7μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径7.7μmのLiNi0.24Mn0.3Co0.462とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質を得た。この正極活物質の比表面積は0.60m2/gであり、タップ密度は2.63g/cm3であった。
この正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B8を作製した。
《比較例9》
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、55:20:25のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.55Mn0.2Co0.252を得た。得られた活物質の平均粒径は7.7μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径7.7μmのLiNi0.55Mn0.2Co0.252とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質を得た。この正極活物質の比表面積は0.62m2/gであり、タップ密度は2.45g/cm3であった。
この正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B9を作製した。
電池A1〜A44および比較電池B1〜B9に含まれる正極活物質の種類および物性、ならびに隔離膜の構成材料を、表1〜4に示す。
Figure 2007072759
Figure 2007072759
Figure 2007072759
Figure 2007072759
電池A1〜A44および比較電池B1〜B9の高温サイクル特性および熱安定性を、以下のようにして評価した。
[高温サイクル特性]
各電池を、45℃の雰囲気中において、1It(A)(単位:アンペア、I:電流、t:時間)の電流値で、電池電圧が4.2Vになるまで充電した。充電後の電池を、1It(A)の電流値で、電池電圧3.0Vに低下するまで放電した。この充放電を、500サイクル繰り返した。1サイクル目での放電容量に対する500サイクル目での放電容量の比を、容量維持率とした。結果を、表5および6に示す。表5および6において、容量維持率は、百分率値として表している。
[熱安定性]
各電池を、常温で、1ItAの電流値で、電池電圧が4.25Vになるまで充電した。その後、充電後の電池を、恒温槽内に静置し、常温から5℃/minの昇温速度で150℃になるまで加熱した。
加熱後、各電池を150℃雰囲気下で3時間放置し、電池の表面の最高到達温度を測定した。電池の発熱が小さいほど、電池表面の最高到達温度が150℃に近い。つまり、電池の熱安定性が高い。なお、通常、電子機器等で使用する場合の充電終止電圧は4.2Vであるが、電池の充電終止電圧にはばらつきがある。本評価では、電圧のばらつきを考慮して、充電終止電圧を4.25Vとした。
結果を、表5および6に示す。
Figure 2007072759
Figure 2007072759
表5および6の結果から、電池A1〜A44は、比較電池B1〜B9と比べて、高温サイクル特性が優れていることがわかる。正極活物質が、活物質A:LixCoO2および活物質C:LixCo1-yy2の少なくとも一方と、活物質B:LixNiyMnz1-y-z2とを含むことにより、45℃で充放電サイクルを繰り返したときに、正極活物質中の遷移金属の非水電解質中への溶解量が少なくなる。このため、正極活物質の劣化が抑制されたと考えられる。
電池A1およびA2は、比較電池B1およびB2に比べ、150℃で加熱したときの最高到達温度が低く、熱安定性が向上していることが分かる。これは、正極活物質が熱安定性の高いLixNi1/3Mn1/3Co1/32(活物質B)を含むことにより、活物質A(LixCoO2)または活物質C(LixCo1-yy2)を単独で正極活物質として用いた場合よりも、正極活物質の熱安定性が大幅に向上したためであると考えられる。
電池A1の結果と、電池A3およびA5〜A7の結果との比較から、隔離膜が耐熱性樹脂を含むことにより、高温サイクル特性を維持したまま、電池の熱安定性をさらに向上できることがわかる。また、電池A2の結果と電池A4の結果とを比較した場合も、前記と同様の傾向がみられた。
このような結果が得られたのは、隔離膜が耐熱性樹脂を含むことによって、150℃で加熱したときに、隔離膜の収縮が起こらず、正極と負極との短絡を十分に抑制することができたためであると考えられる。
電池A1およびA8〜A11の結果から、活物質A(LiCoO2)と活物質B(LiNi1/3Mn1/3Co1/32)との合計に占める活物質Bの割合は、10〜90重量%であることが好ましいことがわかる。特に、活物質Aと活物質Bの合計に占める活物質Aの割合が50〜90重量%である場合、つまり、活物質Aと活物質Bの合計に占める活物質Bの割合が10〜50重量%である場合に、高い熱安定性を有するとともに、85%以上の優れた高温サイクル特性が得られることがわかる。
電池A12〜A15の結果から、リチウム以外の金属元素の合計に占めるCoの割合を20〜50モル%とすることにより、良好な容量維持率が得られることがわかる。なお、電池A15のように、リチウム以外の金属元素の合計に占めるMnの割合を40モル%まで増加させた場合、高温サイクル特性がより低下した。これは、活物質Bに含まれるMnの量が増えたことによって、高温での充放電サイクルにおいて、Mnの溶出量が増え、正極活物質の劣化が促進されたためであると考えられる。
一方、比較電池B6およびB7のように、リチウム以外の金属元素の合計に占めるCoの割合を10モル%以下にした場合には、電池A12〜A15と比較して、高温サイクル特性が顕著に低下していた。活物質Bに含まれるCoの量が少ない場合には、活物質Bの結晶性が低下するため、高温サイクル特性が低下したと考えられる。
従って、高温で充放電サイクルを繰り返した場合に、活物質BからのMnの溶出を抑制するためには、活物質Bにおいて、リチウム以外の金属元素の合計に占めるCoの割合を、20〜50モル%とすることが好ましい。
電池A16およびA17の結果に示されるように、活物質Bに含まれる元素Mが、MgまたはAlであっても、元素MとしてCoを用いた場合と同様に、良好な高温サイクル特性が得られた。また、元素Mが上記以外の遷移金属元素であっても、良好な高温サイクル特性が得られた。
活物質Bにおいて、リチウム以外の金属元素の合計に占めるNiの割合、Mnの割合、および元素Mの割合は、それぞれ1/3であることが最も好ましい。
電池A18〜A20の結果から、正極活物質層における正極活物質の密度を3.3〜3.7g/cm3とすることにより、80%以上の容量維持率が得られることがわかる。
一方で、正極活物質の密度を3.25g/cm3とした場合(電池A18)、容量維持率が多少低下し、73%となった。この理由は、以下のように考えられる。正極活物質層における正極活物質の密度が小さいために、正極活物質層に生じる空孔が大きくなり、電池内の非水電解質が多量に保持されるようになる。その結果、充放電サイクルを繰り返すことによって、非水電解質が電極表面との副反応等によって徐々に減少する。よって、充放電サイクルを多数繰り返した後には、十分な量の非水電解質が電池内に存在しないために、サイクル特性が低下すると考えられる。
なお、正極活物質層における正極活物質の密度が3.75g/cm3である電池は、作製することができなかった。正極活物質層をプレス圧延した時に、正極集電体が切れてしまったからである。
以上の結果より、正極活物質層における正極活物質の密度は3.3〜3.7g/cm3であることが好ましい。
電池A21とA25の結果から、活物質Aの平均粒径が3μm未満である場合(電池A21)、および活物質Bの平均粒径が3μm未満である場合(電池A25)には、150℃で加熱したときに最高到達温度が160℃以上となり、電池の熱安定性が多少低下する傾向にあった。これは、平均粒径を小さくした場合、高温下での正極板と非水電解質とが反応しやすくなり、その結果、正極活物質が不安定になったものであると考えられる。よって、各活物質の平均粒径は3μm以上であることが好ましい。
一方、電池A24とA28の結果から、活物質Aの平均粒子が12μmより大きい場合(電池A24)、および活物質Bの平均粒径が12μmより大きい場合(電池A28)には、容量維持率が多少低下していた。これは、活物質の平均粒径を大きくなると、比表面積が小さくなるので、反応面積が減少し、正極および負極が急速に劣化したためであると考えられる。よって、各活物質の平均粒径は12μm以下であることが好ましい。
なお、上記のことは、活物質Cにおいても同様であった。
以上の結果から、活物質A、活物質Bおよび活物質Cの平均粒径は、それぞれ3〜12μmであることが好ましい。
正極活物質の比表面積が0.4m2/g以上であり、かつタップ密度が2.9g/cm3以下である場合(電池A30)に、容量維持率が82%であり、良好な高温サイクル特性が得られた。一方、正極活物質の比表面積が0.4m2/gより小さく、かつタップ密度が2.9g/cm3より大きい場合(電池A29)には、高温サイクル特性が多少低下した。これは、正極活物質の比表面積が小さくなることにより、正極の反応面積が減少し、正極および負極が急速に劣化したためであると考えられる。
電池A31およびA32の容量維持率は90%以上であり、優れた高温サイクル特性が得られた。一方で、正極活物質の比表面積が1.2m2/gより大きく、かつタップ密度が1.9g/cm3より小さい場合(電池A32)、150℃で加熱したときに最高到達温度は160℃以上であり、熱安定性が多少低下する傾向にあった。これは、正極活物質の比表面積が大きくなることによって、高温時の正極の反応性が高くなり、電池における発熱量が多くなったためであると考えられる。
以上の結果から、正極活物質の比表面積は0.4〜1.2m2/gであることが好ましく、タップ密度は1.9〜2.9g/cm3であることが好ましい。
電池A2およびA33〜A36の結果から、活物質Bと活物質Cの合計に占める活物質Bの割合は、10〜90重量%であることが好ましいことがわかる。特に、活物質Bと活物質Cの合計に占める活物質Cの割合が50〜90重量%である場合、つまり活物質Bと活物質Cの合計に占める活物質Bの割合が10〜50重量%である場合に、高い熱安定性が得られるとともに、85%以上の容量維持率が得られることがわかった。
電池A2およびA37〜A40の結果から、LiCo0.975Mg0.02Al0.0052の代わりに、LiCo0.975Mg0.0252、LiCo0.975Al0.0252、LiCo0.975Mg0.02Zr0.0052またはLiCo0.975Mg0.02Mo0.0052を活物質Cとして用いた場合でも、高い熱安定性を有し、かつ容量維持率が90%以上である電池が得られることがわかる。
電池A41〜A42および比較電池B3〜B4の結果により、活物質Cに含まれるCoと元素Mとの合計に占める元素Mの割合が、0.5〜10モル%である場合に、活物質Cと活物質Bとを混合することにより、活物質Cを単独で用いた場合と比較して、熱安定性および高温サイクル特性が向上することがわかる。よって、活物質Cにおいて、Coと元素Mとの合計に占める元素Mの割合は、0.5〜10モル%であることが好ましい。
活物質Bにおけるマンガンに対するニッケルの比y/zが0.9である電池A43の容量維持率は、83%と良好な値であった。一方、比y/zが0.8である比較電池B8の容量維持率が68%であり、70%より低い値であった。活物質Bにおいて、比y/zが0.9よりも小さくなると、マンガンの量がニッケルの量よりも相対的に多くなる。この場合、高温環境下で、電池の充放電を繰り返すと、活物質B中に含まれるマンガン等の遷移金属の非水電解質中への溶解量が増加し、その結果、正極活物質が劣化する。このため、比較電池B8では、容量維持率が低下したと考えられる。
また、比y/zが2.5である電池44の容量維持率は、82%と高い値を示した。一方、比y/zが2.75である比較電池A9の容量維持率は、68%であり、70%を下回った。活物質Bにおいて、比y/zが2.5より大きくなると、活物質Bの導電性が低下する。そして、この導電性の低下は、高温下で、充放電サイクルを繰り返すほどに大きくなる。このため、比較電池B9では、容量維持率が顕著に低下したと考えられる。
以上説明したように、正極活物質が、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と、活物質Bを含むことにより、前記活物質A、BまたはCを単独で用いた場合より、熱安定性および高温サイクル特性に優れた電池を提供することができる。
なお、活物質Bにおいて、リチウム以外の金属元素の合計に占めるNiの割合を10〜50モル%とした場合、およびMnの割合を20〜50モル%とした場合にも、上記と同様な効果が得られた。
上記実施例において、活物質A、活物質Bおよび活物質Cに含まれるリチウムのモル比xを1.0とした場合について説明した。いずれの活物質においても、リチウムのモル比xが0.9〜1.2であれば、上記と同様の効果が得られた。
上記実施例においては、活物質Bとして、LixNiyMnzCo1-y-z2、LixNiyMnzMg1-y-z2、およびLixNiyMnzAl1-y-z2を用いた。LixNiyMnzTi1-y-z2、LixNiyMnzSr1-y-z2、LixNiyMnzCa1-y-z2、LixNiyMnz1-y-z2、LixNiyMnzFe1-y-z2、LixNiyMnz1-y-z2、LixNiyMnzZr1-y-z2、LixNiyMnzMo1-y-z2、LixNiyMnzTc1-y-z2、LixNiyMnzRu1-y-z2、LixNiyMnzTa1-y-z2、LixNiyMnz1-y-z2、またはLixNiyMnzRe1-y-z2を活物質Bとして用いた場合においても、上記と同様の効果が得られた。
また、上記実施例において、活物質Cとして、LixCo1-y(MgAl)y2、LixCo1-yMgy2、LixCo1-yAly2、およびLixCo1-y(MgZr)y2、LixCo1-y(MgMo)y2を用いた。LixCo1-yy2に含まれる元素Mとして、Sr、Mn、Ni、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、およびBaの中から選ばれた少なくとも1種を用いた場合においても、上記と同様の効果が得られた。
さらに、上記実施例においては、角形非水電解質二次電池を作製した。電池の形状が、円筒形、コイン形、ボタン形、ラミネート形などであっても、上記と同様の効果が得られる。
本発明の非水電解質二次電池は、熱安定性および高温サイクル特性に優れている。このため、本発明の非水電解質二次電池は、例えば、携帯電話やノート型パソコン等の民生用モバイルツール用の主電源、電動ドライバー等のパワーツール用の主電源、およびEV自動車用の主電源として用いることができる。
本発明は、非水電解質二次電池に関し、主として非水電解質二次電池に含まれる正極活物質の改良に関する。
近年、携帯電話やノートパソコンなどの携帯電子機器の小型化、薄型化、軽量化および高機能化が急速に進展している。それに伴って、携帯電子機器の電源として用いられる電池にも、小型、薄型、軽量および高容量化が要求されている。
現在、上記のような要求を満たすため、非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池が、携帯電子機器用の電源として用いられている。
このような非水電解質二次電池用の正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)およびニッケル酸リチウム(LiNiO2)のようなリチウム含有遷移金属酸化物が使用されている。このようなリチウム含有遷移金属酸化物は、高い容量密度を達成でき、かつ高い電圧域でリチウムの吸蔵および放出の良好な可逆性を示す。
しかし、上記正極活物質を含む非水電解質二次電池は、正極活物質の原料であるコバルトやニッケルが高価であるため、作製コストが高い。さらに、上記正極活物質を含む非水電解質二次電池が満充電状態で加熱された場合、正極活物質と非水電解質とが反応して、電池が発熱することがある。
一方で、比較的安価なマンガンを原料として用いて作製された、マンガン酸リチウム(LiMn24)のようなスピネル型複合酸化物を正極活物質として用いることも検討されている。スピネル型複合酸化物を正極活物質として用いる非水電解質二次電池は、満充電状態で加熱された場合に、正極活物質にLiCoO2やLiNiO2などを用いた非水電解質二次電池に比べて、発熱しにくいという特徴がある。しかし、このような非水電解質二次電池は、LiCoO2のコバルト系材料やLiNiO2のニッケル系材料を用いた電池に比べ、容量密度が小さい。
上記のような問題を解決するため、2種類以上のリチウム含有遷移金属酸化物を含む混合物を正極活物質として用いる非水電解質二次電池が提案されている(特許文献1〜4参照)。
特許文献1には、LiMn24、LiNiO2およびLiCoO2の混合物を正極活物質として用いた非水電解質二次電池が提案されている。しかしながら、このようの正極活物質は、単位重量当たりの放電容量が低いLiMn24を含むために、単位重量当たりの放電容量が小さい。
そこで、コバルト、ニッケル、マンガンのような遷移金属を複数種固溶させたリチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用いることが提案されている。ただし、このような活物質は、含まれる遷移金属の種類によって、電気容量、可逆性、熱安定性、作動電圧などの電気特性等が異なる。
例えば、LiCoO2に含まれるコバルトの一部の代わりにニッケルを固溶したLiNi0.8Co0.22を正極活物質として用いた場合は、LiCoO2を単独で用いた場合の容量密度140〜160mAh/gに比べて高い容量密度180〜200mAh/gを達成することができる。
特許文献2においては、LiNi0.8Co0.22の特性を改良するために、Mnをさらに含むLiNi0.75Co0.2Mn0.052等が提案されている。
特許文献3には、以下の式:
LiNixMn1-xy2
(ただし、0.30≦x≦0.65、0≦y≦0.2であり、MはFe、Co、Cr、Al、Ti、Ga、In、およびSnのいずれかから選択される金属元素。)
で表されるリチウム含有遷移金属酸化物が提案されている。
特許文献4には、以下の式(a):
LixNiyMn1-y-zz2
(ただし、xは0.9≦x≦1.2、yは0.40≦y≦0.60、zは0≦z≦0.2であり、MはFe、Co、Cr、およびAl原子のいずれかから選択される。)
で表されるリチウム含有遷移金属酸化物と、以下の式(b):
LixCoO2
(ただし、xは0.9≦x≦1.1である。)
で表されるリチウム−コバルト複合酸化物との混合物が提案されている。
ところで、非水電解質二次電池の隔離膜には、電池の熱安定性等の観点から、熱可塑性樹脂の多孔質ポリオレフィン膜を用いることが多い。樹脂製の隔離膜は、外部短絡などの不具合が起こった場合、短絡に伴う電池の急激な温度上昇に伴って軟化し、隔離膜の微多孔(無数の小さな孔)が潰れ、イオン伝導性を失い、電流が流れなくなる機能(いわゆるシャットダウン機能)を有している。しかしながら、シャットダウン後も電池の温度が上昇し続けた場合、隔離膜が、溶融および熱収縮し、正負極間の短絡面積が拡大する(いわゆるメルトダウン)。
そこで、シャットダウン性と耐メルトダウン性の両方を向上させる取り組みがなされている。しかし、ポリオレフィンからなる隔離膜は、シャットダウン性を向上させるために、その熱溶融性を高めると、メルトダウン温度が低くなる。このため、多孔質ポリオレフィン膜と耐熱性樹脂膜とからなる複合隔離膜を用いることが考えられる。例えば、特許文献5には、耐熱性含窒素芳香族重合体(アラミドやポリアミドイミド)とセラミック粉末を含む層と、多孔質ポリオレフィン層とからなる隔離膜が提案されている。
特開平11−003698号公報 特開平10−027611号公報 特開2002−145623号公報 特開2002−100357号公報 特開2000−30686号公報
特許文献1〜4に開示される技術において、充放電容量、サイクル特性、高温保存時の信頼性、および熱安定性の全ての特性を満足する正極活物質は得られていない。特に、ノートパソコンなどにおける高温環境下での使用を想定した高温時のサイクル特性が、発明者らの実験により、正極活物質に含まれる遷移金属の種類によっては、向上できないことがわかった。これは、以下のように推測される。高温下で充放電を繰り返した場合、正極活物質と非水電解質とが反応し、正極活物質中の遷移金属(Co、Ni、Mn)の一部が非水電解質中に溶解する。その結果、正極活物質の劣化が生じ、サイクル特性が低下すると考えられる。
特許文献5に開示される、耐熱性樹脂からなる隔離膜を用いることにより、電池の熱安定性を高めることはできる。しかし、隔離膜が耐熱性樹脂を含む場合、高温下でのサイクル特性が低下する。これは、以下のように考えることができる。隔離膜に含まれる耐熱性樹脂は、例えば、アラミドまたはポリアミドイミドを含む。アラミドは、アミン基を有する有機物(例えば、パラフェニレンジアミン)と、塩素原子を有する有機物(例えば、テレフタル酸クロリド)とを重合して得られる。よって、アラミドは、末端基として塩素原子を含む。ポリアミドイミドは、無水トリメリット酸モノクロライドとジアミンとを反応させて得られる。よって、アラミドと同様に、ポリアミドイミドも、末端基として塩素原子を含む。残存した塩素原子は、高温環境下で、前記隔離膜を含む電池の充放電を繰り返すことによって、非水電解質中に遊離する。遊離した塩素がリチウム含有遷移金属酸化物からなる正極活物質の近傍に存在すると、溶解した遷移金属の一部と塩素との錯形成反応を生じ、遷移金属の溶出量が増加する。このため、正極活物質の充放電反応に寄与できる部位が減少する。よって、充放電を繰り返すと、著しく容量が低下すると考えられる。
そこで、本発明は、高温環境下でもサイクル特性に優れ、かつ熱安定性の高い非水電解質二次電池を提供することを目的としている。
本発明の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極活物質層を備える正極と、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含む負極活物質層を備える負極と、非水電解質と、隔離膜とを備える。正極活物質は、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と活物質Bとを含む。活物質Aは、以下の式(1):
LixCoO2 (1)
(式中、0.9≦x≦1.2)
で表される第1のリチウム複合酸化物である。活物質Bは、以下の式(2):
LixNiyMnz1-y-z2 (2)
(式中、0.9≦x≦1.2、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.5、0.2≦1−y−z≦0.5、かつ0.9≦y/z≦2.5であり、MはCo、Mg、Al、Ti、Sr、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、およびReよりなる群から選択される少なくとも1種である。)
で表される第2のリチウム複合酸化物である。活物質Cは、以下の式(3):
LixCo1-aa2 (3)
(式中、0.9≦x≦1.2、および0.005≦a≦0.1であり、MはMg、Al、Ti、Sr、Mn、Ni、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、およびBaよりなる群から選択される少なくとも1種である。)
で表される第3のリチウム複合酸化物である。
隔離膜は、耐熱性樹脂を含む多孔質膜を含み、前記耐熱性樹脂は、塩素原子を含むことが好ましい。
本発明の一実施形態において、隔離膜は、ポリオレフィンを含む多孔質膜をさらに含むことが好ましい。
本発明の別の実施形態において、耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、フィラーを含むことが好ましい。
耐熱性樹脂は、アラミドおよびポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
活物質Bは、正極活物質の10〜90wt%を占めることが好ましく、10〜50wt%を占めることがさらに好ましい。
活物質Bに含まれる元素Mは、Coであることが好ましい。
活物質Bにおいて、Ni、Mnおよび元素Mの合計に占めるNiのモル比yおよびMnのモル比zは、それぞれ1/3であることが好ましい。
正極活物質層における正極活物質の密度は、3.3〜3.7g/cm3であることが好ましい。
活物質Aまたは活物質Cの平均粒径は、3〜12μmであることが好ましく、活物質Bの平均粒径は、3〜12μmであることが好ましい。
正極活物質の比表面積は、0.4〜1.2m2/gであることが好ましい。また、正極活物質のタップ密度は、1.9〜2.9g/cm3であることが好ましい。
本発明において、上記のように、正極活物質は、導電性が高く、放電時の平均電圧が高い活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と、熱安定性に優れた活物質Bとを含む。このため、高温下で充放電されるような場合でも電池の容量低下を抑制し、高温時のサイクル特性および熱安定性に優れた高容量の非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質と、隔離膜とを含む。正極は、リチウムを吸蔵および放出可能な正極活物質を含む正極活物質層を備える。負極は、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含む負極活物質層を備える。
正極活物質は、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と活物質Bとを含む。
活物質Aは、以下の式(1):
LixCoO2 (1)
(式中、0.9≦x≦1.2)
で表される第1のリチウム複合酸化物である。
活物質Bは、以下の式(2):
LixNiyMnz1-y-z2 (2)
(式中、0.9≦x≦1.2、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.5、0.2≦1−y−z≦0.5、0.9≦y/z≦2.5であり、MはCo、Mg、Al、Ti、Sr、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、WおよびReよりなる群から選択された少なくとも1種である。)
で表される第2のリチウム複合酸化物である。
活物質Cは、以下の式(3):
LixCo1-aa2 (3)
(式中、0.9≦x≦1.2、0.005≦a≦0.1であり、MはMg、Al、Ti、Sr、Mn、Ni、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、およびBaよりなる群から選択された少なくとも1種である。)で表される第3のリチウム複合酸化物である。
なお、活物質A〜Cにおいて、リチウムのモル比xは、活物質の合成直後の値である。
上記活物質AおよびCは、導電性が高いが、熱安定性があまり高くない。さらに、高温環境下で充放電を繰り返した場合、これらの活物質に含まれる遷移金属が非水電解質中に溶解するために、サイクル特性の劣化が生じやすい。
一方、活物質Bが、適切なモル比でNi、Mnおよび元素Mを含むので、高温下で充放電を繰り返した場合でも、活物質Bの結晶構造が安定に維持される。つまり、活物質Bは、高い熱安定性を有する。しかし、活物質Bは、導電性が低い。
本発明においては、正極活物質は、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と、活物質Bとを含むため、活物質Aおよび/またはCと、活物質Bとは、それぞれの欠点を補うことができる。つまり、活物質Bは熱安定性が高いため、本発明の非水電解質二次電池を、45℃程度の高温環境下で、電池の充放電を繰り返した場合でも、活物質Bに含まれる金属元素が非水電解液へ溶出することが抑制される。よって、高温環境下における正極活物質の劣化を抑制することができる。さらに、正極活物質は、活物質Bより導電性の高い活物質Aおよび活物質Cの少なくとも1種を含む。このため、高温環境下で、充放電を繰り返した場合でも、正極活物質層中に導電パスを確保することができる。よって、高温環境下でのサイクル特性の低下を抑制することができる。
従って、正極活物質が、導電性が高い活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と、熱安定性が高い活物質Bとを含むことにより、高温サイクル特性に優れ、かつ熱安定性が高い非水電解質二次電池を得ることができる。
さらに、活物質Aと活物質Cは、放電時の平均電圧が高い。よって、正極活物質が、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことにより、電池の充放電容量も向上させることができる。
活物質Bにおいて、NiとMnと元素Mとの合計に対するNiのモル比yは0.1〜0.5であり、0.25〜0.5であることが好ましく、0.3〜0.5であることがさらに好ましい。モル比yが、0.1よりも小さくなると、初期充放電容量が低下する。モル比yが0.5より大きくなると、電池の熱安定性が低下する。
NiとMnと元素Mとの合計に対するMnのモル比zは0.2〜0.5であり、0.2〜0.4であることが好ましい。モル比zが、0.2よりも小さくなると、電池の熱安定性が低下する。モル比が0.5より大きくなると、初期充放電容量が低下する。
NiとMnと元素Mとの合計に対する元素Mのモル比1−y−zは0.2〜0.5であり、0.21〜0.5であることが好ましく、0.21〜0.4であることがさらに好ましい。モル比1−y−zが、0.2よりも小さくなると、電池の熱安定性が低下する。モル比1−y−zが0.5より大きくなると、高温サイクル特性が低下する。
比y/zは、0.9〜2.5であり、0.9〜2.0であることが好ましい。比y/zが、0.9よりも小さくなると、初期充放電容量が低下するとともに、高温サイクル特性が低下する。比y/zが2.5より大きくなると、電池の熱安定性が低下する。
活物質Cにおいて、Coと元素Mとの合計に対する元素Mのモル比aは、0.005〜0.1であり、0.01〜0.05であることが好ましい。モル比aが0.005より小さくなると、元素Mの添加による高温サイクル特性を向上させる効果が得られにくくなる。モル比aが0.1より大きくなると、初期充放電特性が低下する。
活物質Bの量は、正極活物質の10〜90重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがさらに好ましい。活物質Bの量を前記範囲とすることにより、充放電容量、高温下のサイクル特性、および熱安定性のバランスが良い非水電解質二次電池を得ることができる。活物質Bの量が、正極活物質の10重量%より少なくなると、高温環境下で充放電サイクルを繰り返したときに、活物質AおよびCに含まれる遷移金属元素の溶出量が多くなる。このため、高温サイクル特性が低下する。活物質Bの量が、正極活物質の90重量%より多くなると、正極活物質の集電性が低下するため、高温サイクル特性が低下する。
活物質Bに含まれる元素Mは、Co、Mg、およびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、Coであることがさらに好ましい。活物質Bが前記元素を含むことにより、充放電容量と、高温下サイクル特性と、熱安定性とのバランスに優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
また、活物質Bにおいて、Ni、Mnおよび元素Mの合計に対するニッケルのモル比yおよびマンガンのモル比zは、それぞれ1/3であることが好ましい。モル比yおよびzをそれぞれ1/3とすることにより、活物質Bの結晶構造をより安定化させることができる。このため、熱安定性および高温下のサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
活物質層における正極活物質の密度は、3.3〜3.7g/cm3であることが好ましい。これにより、充放電容量が高く、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を容易に作製することができる。例えば、正極が、正極活物質を含むペーストを集電体に塗布し、乾燥し、圧延することにより作製される場合、得られた活物質層における正極活物質の密度が3.7g/cm3よりも大きいと、圧延時に集電体に大きな負荷がかかる。このため、集電体が切断されて、正極が作製できないことがある。また、正極が作製できたとしても、圧延時に正極活物質の二次粒子が壊されてしまい、サイクル特性が低下することがある。
活物質層における正極活物質の密度が3.3g/cm3より小さい場合には、正極活物質の密度が3.3g/cm3以上の場合と比較して、正極活物質と非水電解質との接触面積が大きくなる。このため、高温環境下で、非水電解質二次電池の充放電を繰り返した場合、正極活物質と非水電解質との反応が促進され、正極活物質が劣化する可能性がある。その結果、サイクル特性が低下することがある。
なお、正極活物質層が正極活物質以外に、結着剤、導電剤等を含む場合、これらの混合比がわかっているため、活物質層における正極活物質の密度は、活物質層の体積と重量から計算することができる。
正極活物質に含まれる活物質Aまたは活物質Cの平均粒径は、3〜12μmであることが好ましい。活物質Aまたは活物質Cの平均粒径を上記範囲とすることにより、充放電容量、高温サイクル特性および熱安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
正極活物質に含まれる活物質Aまたは活物質Cの平均粒径が3μmより小さい場合、非水電解質二次電池を高温下で充放電を行った時、活物質A、または活物質Cの反応性が高まり、正極活物質が非水電解質と反応して正極活物質が劣化することがある。その結果、サイクル特性が低下することがある。
活物質Aまたは活物質Cの平均粒径が12μmより大きい場合、活物質Aまたは活物質Cの比表面積が小さいので、活物質AまたはCの充放電に寄与できる反応面積も減少する。さらに、活物質と非水電解質との反応により、充放電に寄与できる反応面積がさらに減少する。このため、正極活物質と、非水電解質中のLiイオンとの挿入および脱離反応が、正極活物質粒子の所定の部分に集中して、正極活物質が急速に劣化することがある。よって、電池のサイクル特性が低下することがある。
正極活物質に含まれる活物質Bの平均粒径は、3〜12μmであることが好ましい。活物質Bの平均半径を上記範囲とすることにより、充放電容量、高温サイクル特性、および熱安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
活物質Bの平均粒径が3μmより小さい場合、電池を高温下で充放電した際に、活物質Bの反応性が増加するので、正極活物質と非水電解質が反応して、活物質Bが劣化することがある。このため、サイクル特性が低下することがある。活物質Bの平均粒径が12μmより大きい場合、上記と同様に、活物質Bの充放電に寄与できる反応面積が減少する。このため、正極が急速に劣化し、サイクル特性が低下することがある。
なお、活物質A、BおよびCの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定したときの、累積重量が50%に相当するときの値である。
正極活物質の比表面積は、0.4〜1.2m2/gであることが好ましい。正極活物質の比表面積を上記範囲とすることにより、充放電容量、高温サイクル特性、および熱安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
正極活物質の比表面積が1.2m2/gより大きい場合、電池を150℃のような高温に意図的に加熱したときに、正極活物質の反応性が高くなり、電池の熱安定性が低下することがある。更に、電池を高温下で充放電した場合、ガス発生が多く、正極活物質が急速に劣化することがある。このため、サイクル特性が低下することがある。
正極活物質の比表面積が0.4m2/gより小さい場合、正極活物質の充放電に寄与できる反応面積が減少する。よって、正極活物質が急速に劣化し、電池のサイクル特性が低下することがある。
なお、正極活物質の比表面積が0.4〜1.2m2/gであれば、活物質A、活物質Bおよび活物質Cの各々の比表面積は0.4〜1.2m2/gであってもよいし、前記範囲外であってもよい。
正極活物質の比表面積は、例えば、ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法(JIS R 1626)により測定することができる。
正極活物質のタップ密度は、1.9〜2.9g/cm3であることが好ましい。正極活物質のタップ密度を前記範囲とすることにより、充放電容量、高温サイクル特性および生産性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
正極活物質のタップ密度が1.9g/cm3より小さいと、正極活物質層を、例えばプレスにより所定の密度に圧延する場合、大きな圧力が必要となる。このため、生産性が著しく低下する。更に、圧延時に正極活物質層に大きな負荷がかかるために、正極活物質の二次粒子が崩壊し、一次粒子になる。このため、電池を高温下で充放電した場合、ガス発生が多く、正極が急速に劣化することがある。その結果、高温サイクル特性が低下することがある。
正極活物質のタップ密度が2.9g/cm3より大きい場合、正極活物質の粒径が大きくなる。このため、タップ密度が2.9g/cm3より小さい場合と比較して、正極板の反応面積が減少する。その結果、正極および負極において、Liイオンの挿入および脱離反応が局部的に集中する。よって、充放電サイクルを繰り返した際に、本来負極活物質に挿入されるべきLiイオンが負極活物質に挿入されず、金属リチウムが負極上に析出することがある。その結果、サイクル特性が低下することがある。
タップ密度は、例えば、以下のようにして測定することができる。
重量D(g)のメスシリンダに、50gの正極活物質を入れる。次いで、正極活物質を収容したメスシリンダを20mmの高さから垂直に落下させる操作を2秒間隔で1時間繰り返す。メスシリンダの全重量E(g)および正極活物質の体積F(cm3)を測定する。これらの値を用い、次式:
タップ密度(g/cm3)=(E−D)/F
により、正極活物質のタップ密度を求めることができる。
活物質AであるLixCoO2は、例えば、リチウム化合物とコバルト化合物を所定の割合で混合し、得られた混合物を600〜1100℃で焼成することにより、得ることができる。
活物質BであるLixNiyMnz1-y-z2は、例えば、以下のようにして作製することができる。
リチウム化合物、マンガン化合物、ニッケル化合物およびMを含む化合物を所定の割合で混合する。得られた混合物を、不活性ガス雰囲気下あるいは大気中で、固相法により500〜1000℃で焼成することにより、活物質Bを得ることができる。または、前記混合物を、溶融塩法により500〜850℃で焼成することによっても、活物質Bを得ることができる。
活物質CはであるLixCo1-aa2は、例えば、リチウム化合物と、コバルト化合物と、Mを含む化合物を所定の割合で混合し、得られた混合物を600〜1100℃で焼成することにより得ることができる。
リチウム化合物としては、例えば、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウムなどを用いることができる。
コバルト化合物としては、酸化コバルト、水酸化コバルトなどを用いることができる。
ニッケル化合物としては、酸化物(NiOなど)、水酸化物(NiOH)、オキシ水酸化物(NiOOH)などを用いることができる。
マンガン化合物としては、3価のマンガンを含む化合物を用いることが好ましい。このようなのマンガン化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Mを含む化合物としては、Mを含む酸化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩などを用いることができる。
次に、隔離膜について説明する。
隔離膜は、多孔質膜を含む。多孔質膜は、例えば、無機微多孔膜であってもよいし、有機微多孔膜であってもよい。隔離膜は、有機微多孔膜と無機微多孔膜の両方を含んでいてもよい。
無機微多孔膜は、例えば、無機フィラーと、無機フィラーを結着させるための結着剤を含む。無機フィラーとしては、アルミナ、シリカなどが挙げられる。無機微多孔膜に含まれる結着剤は、特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性アクリロニトリル−ポリアクリル酸系ゴム粒子(例えば、日本ゼオン(株)製のBM−500B)が挙げられる。なお、PTFEおよびBM−500Bは、増粘剤と組み合わせて用いることが好ましい。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、変性アクリロニトリルゴム(例えば、日本ゼオン(株)製のBM−720H)などが挙げられるが、これらに限定されない。
結着剤の量は、無機微多孔膜の機械的強度を維持するとともにイオン伝導性を確保する観点から、無機フィラー100重量部あたり1〜10重量部であることが好ましく、2〜8重量部であることがさらに好ましい。結着剤のほとんどは、非水電解質に含まれる非水溶媒により膨潤する性質を有する。よって、結着剤の量が10重量部を超えると、結着剤の過度の膨張により、無機微多孔膜の空隙が塞がれる。このため、無機微多孔膜のイオン伝導性が低下し、電池反応が阻害される場合がある。結着剤の量が1重量部未満である場合には、無機微多孔膜の機械的強度が低下する場合がある。
無機微多孔膜を隔離膜として用いる場合、無機微多孔膜は、正極と負極との間に介在していればよい。この場合、無機微多孔膜は、正極または負極の表面のみに配置されてもよく、正極および負極の両方の表面に配置されてもよい。無機微多孔膜を隔離膜として用いる場合、無機微多孔膜の厚さは1〜20μmであることが好ましい。
隔離膜が無機微多孔膜と有機微多孔膜の両方を含む場合、無機微多孔膜の厚さは1〜10μmであることが好ましい。
有機微多孔膜としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを原料とする多孔性シートまたは不織布を用いることができる。耐熱性樹脂を含む多孔質膜を、有機微多孔膜として用いることもできる。有機微多孔膜の厚さは10〜40μmであることが好ましい。
耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、塩素原子を含む耐熱性樹脂を含むことが好ましい。このとき、正極活物質は、組成中にAlを有するリチウム含有複合酸化物を少なくとも一種含むことが好ましい。
高温サイクル時に、隔離膜を構成する耐熱性樹脂の末端基として残存している塩素原子が、非水電解質中に遊離した場合に、遊離した塩素原子は、Alと優先的に錯体を形成する。このため、正極活物質を構成する他の遷移金属元素の正極活物質からの溶出を抑制することができる。これは、Alが、Co、Ni、およびMnなどの遷移金属と比較して、塩素との錯体形成における安定度定数が高く、Alと塩素とが優先的に錯体を形成しやすいためである。
以上のように、隔離膜が、塩素原子を含む耐熱性樹脂を含む場合には、正極活物質が構成元素としてAlを含むことにより、非水電解質中への正極活物質の主構成元素(Co、Ni、Mnなど)の溶出を抑制することができる。このため、高温サイクル特性と熱安定性とのバランスに優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
塩素原子を含む耐熱性樹脂は、アラミドおよびポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの耐熱性樹脂は、極性有機溶媒に可溶であるため、製膜性に優れるとともに、多孔質膜を形成し易い。さらに、前記耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、非水電解質の保持力と耐熱性が極めて高い。
隔離膜が塩素原子を含む耐熱性樹脂を含む場合、隔離膜に含まれる塩素原子の量は、隔離膜1gあたり50〜2000μgであることが好ましい。塩素元素を前記範囲の量で含む耐熱性樹脂は、容易に製造できるからである。
有機微多孔膜は、ポリオレフィンからなる多孔質膜と、耐熱性樹脂を含む多孔質膜とを含む積層膜であることが好ましい。このような積層膜を用いることにより、ポリオレフィンからなる多孔質膜が有する電子伝導性を確保しつつ、耐熱性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。この場合にも、有機微多孔膜の厚さは10〜40μmであることが好ましい。
上記積層膜において、ポリオレフィンからなる多孔質膜の上に耐熱性樹脂を含む多孔質膜を配置してもよいし、またはその逆であってもよい。
前記積層膜において、耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、フィラーを含むことがさらに好ましい。耐熱性樹脂を含む多孔質膜が、塩素原子を含む耐熱性樹脂とフィラーとを含むことにより、隔離膜の耐熱性をさらに向上させることができる。耐熱性樹脂を含む多孔質膜がフィラーを含む場合、フィラーの量は、耐熱性樹脂100重量部あたり33〜400重量部であることが好ましい。フィラーは、アルミナ、ゼオライト、窒化珪素、炭化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、および二酸化ケイ素よりなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物を含むことが好ましい。このような無機酸化物フィラーは、耐非水電解質性が高く、酸化還元電位下においても、電池特性に悪影響を及ぼす副反応を起こさないからである。無機酸化物フィラーは、化学的に安定であり、高純度であることが好ましい。
耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、例えば、以下のようにして作製することができる。例えば、塩素原子を含む耐熱性樹脂を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの極性溶媒に溶解する。次いで、得られた溶液を、ガラス板、ステンレス鋼板などの基材に塗着し、乾燥する。得られた膜を基材から分離することにより、耐熱性樹脂を含む多孔質膜を得ることができる。
なお、塩素原子を含む耐熱性樹脂を溶解したNMP溶液を、ポリオレフィンからなる多孔質膜上に塗着し、乾燥することにより、耐熱性樹脂を含む多孔質膜と、ポリオレフィンからなる多孔質膜とを含む積層膜を作製することができる。
耐熱性樹脂を含む多孔質膜は、例えば、以下のようにして作製することができる。
例えば、塩素原子を含有した耐熱性樹脂を溶解したNMP溶液に、フィラーを添加する。得られた混合物を、所定の基材上に塗布し、乾燥する。得られた乾燥膜を、基材から剥がすことにより、耐熱性樹脂を含む多孔質を得ることができる
耐熱性樹脂とフィラーを含む多孔質膜と、ポリオレフィンからなる多孔質膜との積層膜は、例えば、以下のようにして作製することができる。
例えば、塩素原子を含有した耐熱性樹脂を溶解したNMP溶液に、フィラーを添加する。得られた混合物を、ポリオレフィンからなる多孔質膜上に塗布し、乾燥する。こうして、耐熱性樹脂とフィラーを含む多孔質膜と、ポリオレフィンからなる多孔質膜との積層膜を得ることができる。
次に、正極について説明する。
正極を構成する正極活物質層は、必要に応じて、結着剤、導電剤等を含む。
例えば、正極集電体とその上に担持された正極活物質層とを備える正極は、以下のようにして作製することができる。
例えば、正極活物質、結着剤、所定の分散媒、および必要に応じて、導電剤、増粘剤等を混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーを、正極集電体の表面に塗布し、乾燥することにより、正極を製造することができる。得られた正極をそのままロール成形して、シート状の電極としてもよい。
あるいは、正極活物質、結着剤、導電剤等を含む混合物を、圧縮成形して、ペレット状の電極としてもよい。
正極に用いられる結着剤は、正極の製造時に使用する溶媒や非水電解質に対して安定な材料であれば、特に限定されない。具体的には、結着剤として、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、およびエチレンプロピレンゴム(EPDM)等を挙げることができる。
導電剤としては、例えば、銅、ニッケル等の金属材料、ならびにグラファイト、カーボンブラック等の炭素材料が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビリルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、およびガゼインが挙げられる。
分散媒としては、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。
正極集電体としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等の金属箔、または前記元素を含む合金箔を用いることができる。なかでも、軽量で、高いエネルギー密度が得られることがから、Al箔またはAl合金箔を正極集電体として使用するのが望ましい。
次に、負極について説明する。
負極は、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含む。このような負極活物質としては、例えば、黒鉛材料が挙げられる。リチウムを吸蔵および放出することが可能であれば、黒鉛の物理的性状は特に制限されない。
黒鉛材料の中でも、昜黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛、精製天然黒鉛、および前記のような人造黒鉛および天然黒鉛にピッチを用いて表面処理を施した材料が好ましい。
負極活物質は、上記のような黒鉛材料の他に、リチウムを吸蔵および放出可能な第2の活物質を含んでいてもよい。第2の活物質としては、例えば、難黒鉛性炭素、低温焼成炭素等の非黒鉛系炭素材料、酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物材料、ならびにリチウム金属および各種リチウム合金を用いることができる。
なお、負極活物質は、上記のような黒鉛材料および第2の活物質の2種以上を含んでいてもよい。
例えば、負極集電体およびその上に担持された負極活物質層を含む負極は、以下のようにして作製することができる。
例えば、負極活物質、結着剤、所定の分散媒、および必要に応じて、導電剤、増粘剤等を、混合して、ペーストを得る。得られたペーストを、負極集電体の表面に塗布し、乾燥して、負極を得ることができる。
正極の場合と同様に、得られた負極をそのままロール成形して、シート状の電極としてもよい。また、負極活物質、結着剤、導電剤等を含む混合物を、圧縮成形して、ペレット状の電極としてもよい。
負極集電体としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼等の金属箔が使用できる。これらの中でも、薄膜に加工し易く、低コストであることから、Cu箔を負極集電体として用いることが好ましい。
負極に用いられる結着剤、導電剤および分散媒としては、正極で用いられるのと同様なものを用いることができる。
次に、非水電解質について説明する。
非水電解質は、非水溶媒と、それに溶解した溶質を含む。非水溶媒は、炭酸エステルを含むことが好ましい。炭酸エステルは、環状および鎖状のいずれをも使用することができる。
環状炭酸エステルとしては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、およびブチレンカーボネートが好適に用いられる。これらの環状炭酸エステルは、誘電率が高い。
鎖状炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−i−プロピルカーボネートが好適に用いられる。これらの鎖状炭酸エステルは、粘度が低い。
上記環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶質としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4のような無機リチウム塩、ならびにLiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23などの含フッ素有機リチウム塩を用いることができる。前記溶質は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、LiPF6およびLiBF4が好ましい。
溶質は、通常0.1〜3.0mol/L、好ましくは0.5〜2.0mol/Lの濃度で、非水溶媒に溶解される。
上記のような正極、負極、隔離膜および非水電解質を有する非水電解質二次電池の製造方法は、特に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
非水電解質二次電池の形状は、特に限定されず、コイン形、ボタン形、シート形、円筒形、扁平形、および角形のいずれであってもよい。電池の形状がコイン形またはボタン形である場合、ペレット状の正極および負極が用いられる。そのペレットのサイズは、電池サイズにより決められる。
電池の形状がシート形、円筒形または角形である場合、正極および負極は、集電体およびその上に担持された活物層を含む。また、このような電池においては、正極、隔離膜および負極を含む極板群は、積層型であってもよいし、捲回型であってもよい。
以下の実施例では、図1〜3に示されるような非水電解質二次電池を作製した。
図1は、扁平な角形の電池1の斜視図を示し、図2は、図1のA−A線での断面図を示し、図3は、図1のB−B線での断面図を示す。
電池1において、図2および図3に示されるように、正極2、負極3、および正極2と負極3との間に配置された隔離膜4を含む極板群5と、非水電解質とが、有底筒状の電池ケース6に収容されている。隔離膜としては、厚み20μmのポリエチレン製多孔質膜からなるセパレータを用いている。電池ケース6は、アルミニウム(Al)で構成されている。電池ケース6は、正極端子として機能する。
極板群5の上方には、樹脂製の枠体10が配置されている。
電池ケース6の開口端部が、負極端子7を備えた封口板8にレーザーで溶接されて、電池ケース6の開口部が封口されている。なお、負極端子7は、封口板8とは絶縁されている。
ニッケル製の負極リード線9の一端は負極に接続されている。負極リード線9の他端は、負極端子7と導通し、封口板8とは絶縁されている部分12に、レーザー溶接されている。
図3に示されるように、アルミニウム製の正極リード線11の一端が、正極に接続されている。正極リード線11の他端は、封口板8に、レーザー溶接されている。
作製した電池のサイズは、縦50mm、横34mm、幅5mmであった。また、電池容量は900mAhであった。
負極は、負極集電体とその両面に担持された負極活物質層とから構成した。負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としては、ピッチを用いて表面処理を施した精製天然黒鉛を使用した。負極活物質と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースと、結着剤であるスチレン−ブタジエンゴムとを、100:2:2の重量比で混合した。得られた混合物と、分散媒である水とを混合して、負極スラリーを得た。負極スラリーを、集電体として厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、200℃で乾燥して、水を除去した。その後、得られた負極板を、ロールプレスを用いて圧延し、所定の寸法に切断して、負極を得た。
非水電解質は、エチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを1:1の体積比で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解することによって調製した。
上記電池に含まれる正極2として、以下のような種々の正極を用いた。
≪実施例1≫
(i)活物質BであるLiNi1/3Mn1/3Co1/32の作製
硫酸ニッケル、硫酸マンガンおよび硫酸コバルトを、1:1:1のモル比で溶解した水溶液に、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、ニッケル(Ni)−マンガン(Mn)−コバルト(Co)共沈水酸化物を得た。Ni−Mn−Co共沈水酸化物を濾別し、水洗し、空気中で乾燥させた。乾燥後の共沈水酸化物を、400℃で5時間焼成し、Ni−Mn−Co酸化物粉末を得た。
得られた粉末と炭酸リチウム粉末とを所定のモル比で混合した。得られた混合物を、ロータリーキルン内に収容し、空気雰囲気中、650℃で10時間予備加熱した。次いで、予備加熱後の混合物を、電気炉内で、2時間で950℃まで昇温し、この後、950℃で10時間焼成した。こうして、LiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。得られた活物質の平均粒径は7.1μmであった。
(ii)活物質AであるLiCoO2の作製
所定の濃度の硫酸コバルト水溶液に、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、コバルト水酸化物を得た。得られた水酸化物を、濾別し、水洗し、空気中で乾燥させた。乾燥後の水酸化物を、500℃で5時間焼成し、コバルト酸化物粉末を得た。
得られた粉末と炭酸リチウム粉末を混合した。得られた混合物を、ロータリーキルン内に収容し、空気雰囲気中、650℃で10時間予備加熱した。次いで、予備加熱後の混合物を、電気炉内で、2時間で950℃まで昇温し、この後、950℃で10時間焼成した。こうして、LiCoO2を得た。得られた活物質の平均粒径は6.8μmであった。
(iii)正極活物質の調製
上記(i)で作製したLiNi1/3Mn1/3Co1/32と、上記(ii)で作製したLiCoO2とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質1を得た。正極活物質1の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.32g/cm3であった。
(iv)正極の作製
正極活物質1と、導電剤であるアセチレンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを、100:2:2の重量比で混合した。得られた混合物と、分散媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して、正極スラリーを調製した。
正極スラリーを、厚さ15μmのAl箔からある正極集電体の両面に塗布し、150℃で乾燥して、NMPを除去した。その後、得られた正極板を、ロールプレスを用いて、正極活物質層における活物質の密度が3.5g/cm3となるように圧延し、所定の寸法に切断して、正極を得た。
このようにして作製した正極を用いて、電池A1を作製した。
≪実施例2≫
(v)活物質CであるLiCo0.975Mg0.02Al0.0052の作製
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸アルミニウムを、0.975:0.02:0.005のモル比で溶解した水溶液に、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、コバルト(Co)−マグネシウム(Mg)−アルミニウム(Al)共沈水酸化物を得た。Co−Mg−Al共沈水酸化物を濾別し、水洗し、空気中で乾燥させた。乾燥後の共沈水酸化物を、400℃で5時間焼成し、Co−Mg−Al酸化物粉末を得た。
得られた粉末と炭酸リチウム粉末とを所定のモル比で混合した。得られた混合物を、ロータリーキルン内に収容し、空気雰囲気中、650℃で10時間予備加熱した。次いで、予備加熱後の混合物を、電気炉内で、2時間で950℃まで昇温し、この後、950℃で10時間焼成した。こうして、LiCo0.975Mg0.02Al0.0052を得た。得られた活物質の平均粒径は6.9μmであった。
上記(v)で作製したLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、上記(i)で作製したLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質2を得た。正極活物質2の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.30g/cm3であった。
正極活物質2を用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池A2を作製した。
≪実施例3≫
隔離膜として、ポリエチレン(PE)製の多孔質膜(厚さ16μm)と、その上に担持された、アラミド樹脂からなる多孔質膜を含む積層膜を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A3を作製し得た。
上記積層膜を、以下のようにして、作製した。
NMP100重量部に、乾燥した無水塩化カルシウム(以下、CaCl2と略す)を6.5重量部添加した。得られた混合物を、反応槽内で80℃に加温して、CaCl2を完全に溶解して、CaCl2のNMP溶液を得た。
NMP溶液の温度を常温まで戻し、そのNMP溶液にパラフェニレンジアミンを3.2重量部添加し、完全に溶解した。その後、NMP溶液を収容する反応槽を、20℃の恒温槽に入れ、NMP溶液にテレフタル酸ジクロライド5.8重量部を、1時間をかけて滴下して、重合反応により、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)を合成した。その後、20℃の恒温槽内で1時間放置した。
重合反応の終了後に、PPTAを含むNMP溶液を、真空槽内に収容し、減圧下で30分撹拌して、脱気した。得られた重合液を、CaCl2のNMP溶液で希釈し、PPTA濃度が1.4重量%であるアラミド樹脂のNMP溶解液を調製した。
得られたアラミド樹脂のNMP溶解液を、ポリエチレンからなる多孔質膜上にドクターブレードにより薄くコートし、80℃の熱風(風速0.5m/秒)で乾燥した。得られたアラミド樹脂層を、純水で十分に水洗して、残留したCaCl2を除去した。こうして、アラミド樹脂層を多孔質化した。こののち、アラミド樹脂層を、再び乾燥した。このようにして、アラミドからなる多孔質膜とPE製の多孔質膜を含む積層膜(総厚20μm)を作製した。この積層膜の残留塩素量を化学分析にて測定した。その結果、残留塩素量は、積層膜1gあたり650μgであった。
≪実施例4≫
実施例3で用いた隔離膜を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、電池A4を作製し得た。
≪実施例5≫
隔離膜として、PE製の多孔質膜(厚さ16μm)と、その上に担持された、アミドイミド樹脂からなる多孔質膜とを含む積層膜を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A5を作製した。
上記積層膜を、以下のようにして作製した。
無水トリメリット酸モノクロライドと、ジアミンを、NMP中で室温にて混合し、ポリアミド酸のNMP溶液を得た。このポリアミド酸のNMP溶液を、PE製の多孔質膜上にドクターブレードにより薄く塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥して、ポリアミド酸を脱水閉環させて、ポリアミドイミドを生成させた。このようにして、アミドイミドからなる多孔質膜とPE製の多孔質膜を含む積層膜(総厚20μm)を得た。この積層膜の残留塩素量を化学分析にて測定した。その結果、残留塩素量は、隔離膜1gあたり830μgであった。
≪実施例6≫
隔離膜として、アラミド樹脂からなる多孔質膜を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A6を作製した。
上記アラミド樹脂からなる多孔質膜を、以下のようにして作製した。
実施例3で作製した、アラミド樹脂のNMP溶解液を、表面が平滑なステンレス鋼板上にドクターブレードを用いて、塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥した。こうして、厚みが20μmのアラミド樹脂からなる多孔質膜を得た。この多孔質膜の残留塩素量を化学分析にて測定した。その結果、残留塩素量は、隔離膜1gあたり1800μgであった。
≪実施例7≫
隔離膜として、PE製の多孔質膜(厚さ16μm)と、その上に担持された、アルミナ微粒子フィラーとアラミド樹脂を含む多孔質膜とを備える積層膜を用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池A7を作製した。
上記積層膜を、以下のようにして作製した。
実施例3で作製したアラミド樹脂のNMP溶解液に、200重量部のアルミナ微粒子を混合した。前記NMP溶液は、固形分を100重量部含んだ。
得られた分散液を、PE製の多孔質膜上に、ドクターブレードにより、薄く塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥した。こうして、PE製の多孔質膜と、フィラーおよびアラミドを含む多孔質膜とを含む積層膜(総厚20μm)を得た。この積層膜の残留塩素量を化学分析にて測定した。その結果、残留塩素量は、隔離膜1gあたり600μgであった。
≪実施例8≫
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、90:10の重量比で混合して、正極活物質8を得た。正極活物質8の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.34g/cm3であった。
正極活物質8を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A8を作製した。
≪実施例9≫
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、50:50の重量比で混合して、正極活物質9を得た。正極活物質9の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.39g/cm3であった。
正極活物質9を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A9を作製した。
≪実施例10≫
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、30:70の重量比で混合して、正極活物質10を得た。正極活物質10の比表面積は0.68m2/gであり、タップ密度は2.41g/cm3であった。
正極活物質10を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A10を作製した。
≪実施例11≫
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、10:90の重量比で混合して、正極活物質11を得た。正極活物質11の比表面積は0.68m2/gであり、タップ密度は2.44g/cm3であった。
正極活物質11を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A11を作製した。
≪実施例12≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを50:30:20のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.5Mn0.3Co0.22を得た。得られた活物質の平均粒径は7.5μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi0.5Mn0.3Co0.22とを、70:30の重量比で
混合して、正極活物質12を得た。正極活物質12の比表面積は0.63m2/gであり、タップ密度は2.56g/cm3であった。
正極活物質12を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A12を作製した。
≪実施例13≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、25:25:50のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.25Mn0.25Co0.52を得た。得られた活物質の平均粒径は7.8μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi0.25Mn0.25Co0.52とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質13を得た。正極活物質13の比表面積は0.58m2/gであり、タップ密度は2.78g/cm3であった。
正極活物質13を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A13を作製した。
≪実施例14≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、40:20:40のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi 0.4 Mn 0.2 Co 0.4 2 を得た。得られた活物質の平均粒径は6.7μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi0.4Mn0.2Co0.42とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質14を得た。正極活物質14の比表面積は0.72m2/gであり、タップ密度は2.28g/cm3であった。
正極活物質14を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A14を作製した。
≪実施例15≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、40:40:20のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.4Mn0.4Co0.22を得た。得られた活物質の平均粒径は6.9μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi0.4Mn0.4Co0.22とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質15を得た。正極活物質15の比表面積は0.71m2/gであり、タップ密度は2.28g/cm3であった。
正極活物質15を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A15を作製した。
≪実施例16≫
活物質Bを作製するときに、硫酸コバルトの代わりに硫酸マグネシウムを用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi1/3Mn1/3Mg1/32を得た。得られた活物質の平均粒径は7.1μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi1/3Mn1/3Mg1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質16を得た。正極活物質16の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.30g/cm3であった。
正極活物質16を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A16を作製した。
≪実施例17≫
活物質Bを作製するときに、硫酸コバルトの代わりに硫酸アルミニウムを用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi1/3Mn1/3Al1/32を得た。得られた活物質の平均粒径は7.5μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、LiNi1/3Mn1/3Al1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質17を得た。正極活物質17の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.25g/cm3であった。
正極活物質17を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A17を作製した。
≪実施例18≫
正極板をプレスした後の活物質層における活物質の密度を3.25g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、正極を得た。この正極を用いて、電池A18を作製した。
≪実施例19≫
正極板をプレスした後の活物質層における活物質の密度を3.3g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、正極を得た。この正極を用いて、電池A19を作製した。
≪実施例20≫
正極板をプレスした後の活物質層における活物質の密度を3.7g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、正極を作製した。この正極を用いて、電池A20を作製した。
≪実施例21≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径2.6μmのLiCoO2を得た。
平均粒径2.6μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを70:30の重量比で混合して、正極活物質21を得た。正極活物質21の比表面積は0.87m2/gであり、タップ密度は2.00g/cm3であった。
正極活物質21を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A21を作製した。
≪実施例22≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径3.3μmのLiCoO2を得た。
平均粒径3.3μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質22を得た。正極活物質22の比表面積は0.80m2/gであり、タップ密度は2.11g/cm3であった。
正極活物質22を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A22を作製した。
≪実施例23≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径11.8μmのLiCoO2を得た。
平均粒径11.8μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質23を得た。正極活物質23の比表面積は0.54m2/gであり、タップ密度は2.71g/cm3であった。
正極活物質23を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A23を作製した。
≪実施例24≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径12.9μmのLiCoO2を得た。
平均粒径12.9μmのLiCoO2と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質24を得た。正極活物質24の比表面積は0.49m2/gであり、タップ密度は2.77g/cm3であった。
正極活物質24を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A24を作製した。
≪実施例25≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径2.4μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径2.4μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質25を得た。正極活物質25の比表面積は0.93m2/gであり、タップ密度は2.10g/cm3であった。
正極活物質25を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A25を作製した。
≪実施例26≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径3.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径3.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質26を得た。正極活物質26の比表面積は0.83m2/gであり、タップ密度は2.21g/cm3であった。
正極活物質26を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A26を作製した。
≪実施例27≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径11.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径11.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質27を得た。正極活物質27の比表面積は0.49m2/gであり、タップ密度は2.61g/cm3であった。
正極物質27を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A27を作製した。
≪実施例28≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径13.2μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径13.2μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質28を得た。正極活物質28の比表面積は0.43m2/gであり、タップ密度は2.69g/cm3であった。
正極活物質28を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A28を作製した。
≪実施例29≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径10.9μmのLiCoO2を得た。
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径10.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32得た
平均粒径10.9μmのLiCoO2と、平均粒径10.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質29を得た。正極活物質29の比表面積は0.33m2/gであり、タップ密度は3.01g/cm3であった。
正極活物質29を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A29を作製した。
≪実施例30≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径9.8μmのLiCoO2を得た。
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径10.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32得た
平均粒径9.8μmのLiCoO2と、平均粒径10.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質30を得た。正極活物質30の比表面積は0.41m2/gであり、タップ密度は2.88g/cm3であった。
正極活物質30を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A30を作製した。
≪実施例31≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径4.1μmのLiCoO2得た
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径4.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32得た
平均粒径4.1μmのLiCoO2と、平均粒径4.5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質31を得た。正極活物質31の比表面積は1.19m2/gであり、タップ密度は1.91g/cm3であった。
正極活物質31を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A31を作製した。
≪実施例32≫
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(ii)と同様にして、活物質Aである平均粒径3.6μmのLiCoO2得た
焼成温度および焼成時間を変更したこと以外、実施例1の(i)と同様にして、活物質Bである平均粒径3.4μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32得た
平均粒径3.6μmのLiCoO2と、平均粒径3.4μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質32を得た。正極活物質32の比表面積は1.31m2/gであり、タップ密度は1.83g/cm3であった。
正極活物質32を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A32を作製した。
≪実施例33≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、90:10の重量比で混合して、正極活物質33を得た。正極活物質33の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.32g/cm3であった。
正極活物質33を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A33を作製した。
≪実施例34≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、50:50の重量比で混合して、正極活物質34を得た。正極活物質34の比表面積は0.69m2/gであり、タップ密度は2.35g/cm3であった。
正極活物質34を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A34を作製した。
≪実施例35≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、30:70の重量比で混合して、正極活物質35を得た。正極活物質35の比表面積は0.68m2/gであり、タップ密度は2.40g/cm3であった。
正極活物質35を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A35を作製した。
≪実施例36≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、10:90の重量比で混合して、正極活物質36を得た。正極活物質36の比表面積は0.68m2/gであり、タップ密度は2.43g/cm3であった。
正極活物質36を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A36を作製した。
≪実施例37≫
硫酸コバルトおよび硫酸マグネシウムを、0.975:0.025のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.975Mg0.0252を得た。得られた活物質Cの平均粒径は7.0μmであった。
平均粒径7.0μmのLiCo0.975Mg0.0252と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質37を得た。正極活物質37の比表面積は0.70m2/gであり、タップ密度は2.32g/cm3であった。
正極活物質37を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A37を作製した。
≪実施例38≫
硫酸コバルトおよび硫酸アルミニウムを、0.975:0.025のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.975Al0.0252を得た。得られた活物質Cの平均粒径は6.8μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCo0.975Al0.0252と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質38を得た。正極活物質38の比表面積は0.67m2/gであり、タップ密度は2.33g/cm3であった。
正極活物質38を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A38を作製した。
≪実施例39≫
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸ジルコニウムを、0.975:0.02:0.005のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.975Mg0.02Zr0.0052を得た。得られた活物質Cの平均粒径は6.7μmであった。
平均粒径6.7μmのLiCo0.975Mg0.02Zr0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質39を得た。正極活物質39の比表面積は0.70m2/gであり、タップ密度は2.31g/cm3であった。
正極活物質39を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A39を作製した。
≪実施例40≫
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸モリブデンを、0.975:0.02:0.005のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.975Mg0.02Mo0.0052を得た。得られた活物質Cの平均粒径は6.9μmであった。
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Mo0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質40を得た。正極活物質40の比表面積は0.67m2/gであり、タップ密度は2.34g/cm3であった。
正極活物質40を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A40を作製した。
≪実施例41≫
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸アルミニウムを、0.995:0.003:0.002のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.995Mg0.003Al0.0022を得た。得られた活物質Cの平均粒径は6.6μmであった。
平均粒径6.6μmのLiCo0.995Mg0.003Al0.0022と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質41を得た。正極活物質41の比表面積は0.70m2/gであり、タップ密度は2.27g/cm3であった。
正極活物質41を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A41を作製した。
≪実施例42≫
硫酸コバルト、硫酸マグネシウムおよび硫酸アルミニウムを、0.9:0.095:0.005のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、活物質CであるLiCo0.9Mg0.095Al0.0052を得た。得られた活物質Cの平均粒径は7.0μmであった。
平均粒径7.0μmのLiCo0.9Mg0.095Al0.0052と、平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質42を得た。正極活物質42の比表面積は0.67m2/gであり、タップ密度は2.30g/cm3であった。
正極活物質42を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A42を作製した。
《実施例43》
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、27:30:43のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.27Mn0.3Co0.432を得た。得られた活物質の平均粒径は7.6μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径7.6μmのLiNi0.27Mn0.3Co0.432とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質43を得た。正極活物質43の比表面積は0.61m2/gであり、タップ密度は2.61g/cm3であった。
正極活物質43を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A43を作製した。
《実施例44》
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、50:20:30のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.5Mn0.2Co0.32を得た。得られた活物質の平均粒径は7.4μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径7.4μmのLiNi0.5Mn0.2Co0.32とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質44を得た。正極活物質44の比表面積は0.65m2/gであり、タップ密度は2.45g/cm3であった。
正極活物質44を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電池A44を作製した。
≪比較例1≫
均粒径6.8μmのLiCoO2を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B1を作製した。
≪比較例2≫
平均粒径6.9μmのLiCo0.975Mg0.02Al0.0052を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B2を作製した。
≪比較例3≫
平均粒径6.6μmのLiCo0.995Mg0.003Al0.0022を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B3を作製した。
≪比較例4≫
平均粒径7.0μmのLiCo0.9Mg0.095Al0.0052を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B4を作製した。
≪比較例5≫
平均粒径7.1μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32を正極活物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B5を作製した。
≪比較例6≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケルと硫酸マンガンを1:1のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.5Mn0.52を得た。得られた活物質Bの平均粒径は6.2μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記LiNi0.5Mn0.52とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質を得た。得られた正極活物質の比表面積は0.60m2/gであり、タップ密度は2.43g/cm3であった。
この正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B6を作製した。
≪比較例7≫
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、45:45:10のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.45Mn0.45Co0.12を得た。得られた活物質Bの平均粒径は6.4μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記LiNi0.45Mn0.45Co0.12とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質を得た。この正極活物質の比表面積は0.62m2/gであり、タップ密度は2.40g/cm3であった。
この正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B7を作製した。
《比較例8》
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、24:30:46のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.24Mn0.3Co0.462を得た。得られた活物質の平均粒径は7.7μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径7.7μmのLiNi0.24Mn0.3Co0.462とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質を得た。この正極活物質の比表面積は0.60m2/gであり、タップ密度は2.63g/cm3であった。
この正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B8を作製した。
《比較例9》
活物質Bを作製するときに、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、および硫酸コバルトを、55:20:25のモル比で溶解した水溶液を用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、LiNi0.55Mn0.2Co0.252を得た。得られた活物質の平均粒径は7.7μmであった。
平均粒径6.8μmのLiCoO2と、上記平均粒径7.7μmのLiNi0.55Mn0.2Co0.252とを、70:30の重量比で混合して、正極活物質を得た。この正極活物質の比表面積は0.62m2/gであり、タップ密度は2.45g/cm3であった。
この正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較電池B9を作製した。
電池A1〜A44および比較電池B1〜B9に含まれる正極活物質の種類および物性、ならびに隔離膜の構成材料を、表1〜4に示す。
Figure 2007072759
Figure 2007072759
Figure 2007072759
Figure 2007072759
電池A1〜A44および比較電池B1〜B9の高温サイクル特性および熱安定性を、以下のようにして評価した。
[高温サイクル特性]
各電池を、45℃の雰囲気中において、1It(A)(単位:アンペア、I:電流、t:時間)の電流値で、電池電圧が4.2Vになるまで充電した。充電後の電池を、1It(A)の電流値で、電池電圧3.0Vに低下するまで放電した。この充放電を、500サイクル繰り返した。1サイクル目での放電容量に対する500サイクル目での放電容量の比を、容量維持率とした。結果を、表5および6に示す。表5および6において、容量維持率は、百分率値として表している。
[熱安定性]
各電池を、常温で、1ItAの電流値で、電池電圧が4.25Vになるまで充電した。その後、充電後の電池を、恒温槽内に静置し、常温から5℃/minの昇温速度で150℃になるまで加熱した。
加熱後、各電池を150℃雰囲気下で3時間放置し、電池の表面の最高到達温度を測定した。電池の発熱が小さいほど、電池表面の最高到達温度が150℃に近い。つまり、電池の熱安定性が高い。なお、通常、電子機器等で使用する場合の充電終止電圧は4.2Vであるが、電池の充電終止電圧にはばらつきがある。本評価では、電圧のばらつきを考慮して、充電終止電圧を4.25Vとした。
結果を、表5および6に示す。
Figure 2007072759
Figure 2007072759
表5および6の結果から、電池A1〜A44は、比較電池B1〜B9と比べて、高温サイクル特性が優れていることがわかる。正極活物質が、活物質A:LixCoO2および活物質C:LixCo1-yy2の少なくとも一方と、活物質B:LixNiyMnz1-y-z2とを含むことにより、45℃で充放電サイクルを繰り返したときに、正極活物質中の遷移金属の非水電解質中への溶解量が少なくなる。このため、正極活物質の劣化が抑制されたと考えられる。
電池A1およびA2は、比較電池B1およびB2に比べ、150℃で加熱したときの最高到達温度が低く、熱安定性が向上していることが分かる。これは、正極活物質が熱安定性の高いLixNi1/3Mn1/3Co1/32(活物質B)を含むことにより、活物質A(LixCoO2)または活物質C(LixCo1-yy2)を単独で正極活物質として用いた場合よりも、正極活物質の熱安定性が大幅に向上したためであると考えられる。
電池A1の結果と、電池A3およびA5〜A7の結果との比較から、隔離膜が耐熱性樹脂を含むことにより、高温サイクル特性を維持したまま、電池の熱安定性をさらに向上できることがわかる。また、電池A2の結果と電池A4の結果とを比較した場合も、前記と同様の傾向がみられた。
このような結果が得られたのは、隔離膜が耐熱性樹脂を含むことによって、150℃で加熱したときに、隔離膜の収縮が起こらず、正極と負極との短絡を十分に抑制することができたためであると考えられる。
電池A1およびA8〜A11の結果から、活物質A(LiCoO2)と活物質B(LiNi1/3Mn1/3Co1/32)との合計に占める活物質Bの割合は、10〜90重量%であることが好ましいことがわかる。特に、活物質Aと活物質Bの合計に占める活物質Aの割合が50〜90重量%である場合、つまり、活物質Aと活物質Bの合計に占める活物質Bの割合が10〜50重量%である場合に、高い熱安定性を有するとともに、85%以上の優れた高温サイクル特性が得られることがわかる。
電池A12〜A15の結果から、リチウム以外の金属元素の合計に占めるCoの割合を20〜50モル%とすることにより、良好な容量維持率が得られることがわかる。なお、電池A15のように、リチウム以外の金属元素の合計に占めるMnの割合を40モル%まで増加させた場合、高温サイクル特性がより低下した。これは、活物質Bに含まれるMnの量が増えたことによって、高温での充放電サイクルにおいて、Mnの溶出量が増え、正極活物質の劣化が促進されたためであると考えられる。
一方、比較電池B6およびB7のように、リチウム以外の金属元素の合計に占めるCoの割合を10モル%以下にした場合には、電池A12〜A15と比較して、高温サイクル特性が顕著に低下していた。活物質Bに含まれるCoの量が少ない場合には、活物質Bの結晶性が低下するため、高温サイクル特性が低下したと考えられる。
従って、高温で充放電サイクルを繰り返した場合に、活物質BからのMnの溶出を抑制するためには、活物質Bにおいて、リチウム以外の金属元素の合計に占めるCoの割合を、20〜50モル%とすることが好ましい。
電池A16およびA17の結果に示されるように、活物質Bに含まれる元素Mが、MgまたはAlであっても、元素MとしてCoを用いた場合と同様に、良好な高温サイクル特性が得られた。また、元素Mが上記以外の遷移金属元素であっても、良好な高温サイクル特性が得られた。
活物質Bにおいて、リチウム以外の金属元素の合計に占めるNiの割合、Mnの割合、および元素Mの割合は、それぞれ1/3であることが最も好ましい。
電池A18〜A20の結果から、正極活物質層における正極活物質の密度を3.3〜3.7g/cm3とすることにより、80%以上の容量維持率が得られることがわかる。
一方で、正極活物質の密度を3.25g/cm3とした場合(電池A18)、容量維持率が多少低下し、73%となった。この理由は、以下のように考えられる。正極活物質層における正極活物質の密度が小さいために、正極活物質層に生じる空孔が大きくなり、電池内の非水電解質が多量に保持されるようになる。その結果、充放電サイクルを繰り返すことによって、非水電解質が電極表面との副反応等によって徐々に減少する。よって、充放電サイクルを多数繰り返した後には、十分な量の非水電解質が電池内に存在しないために、サイクル特性が低下すると考えられる。
なお、正極活物質層における正極活物質の密度が3.75g/cm3である電池は、作製することができなかった。正極活物質層をプレス圧延した時に、正極集電体が切れてしまったからである。
以上の結果より、正極活物質層における正極活物質の密度は3.3〜3.7g/cm3であることが好ましい。
電池A21とA25の結果から、活物質Aの平均粒径が3μm未満である場合(電池A21)、および活物質Bの平均粒径が3μm未満である場合(電池A25)には、150℃で加熱したときに最高到達温度が160℃以上となり、電池の熱安定性が多少低下する傾向にあった。これは、平均粒径を小さくした場合、高温下での正極板と非水電解質とが反応しやすくなり、その結果、正極活物質が不安定になったものであると考えられる。よって、各活物質の平均粒径は3μm以上であることが好ましい。
一方、電池A24とA28の結果から、活物質Aの平均粒子が12μmより大きい場合(電池A24)、および活物質Bの平均粒径が12μmより大きい場合(電池A28)には、容量維持率が多少低下していた。これは、活物質の平均粒径を大きくなると、比表面積が小さくなるので、反応面積が減少し、正極および負極が急速に劣化したためであると考えられる。よって、各活物質の平均粒径は12μm以下であることが好ましい。
なお、上記のことは、活物質Cにおいても同様であった。
以上の結果から、活物質A、活物質Bおよび活物質Cの平均粒径は、それぞれ3〜12μmであることが好ましい。
正極活物質の比表面積が0.4m2/g以上であり、かつタップ密度が2.9g/cm3以下である場合(電池A30)に、容量維持率が82%であり、良好な高温サイクル特性が得られた。一方、正極活物質の比表面積が0.4m2/gより小さく、かつタップ密度が2.9g/cm3より大きい場合(電池A29)には、高温サイクル特性が多少低下した。これは、正極活物質の比表面積が小さくなることにより、正極の反応面積が減少し、正極および負極が急速に劣化したためであると考えられる。
電池A31およびA32の容量維持率は90%以上であり、優れた高温サイクル特性が得られた。一方で、正極活物質の比表面積が1.2m2/gより大きく、かつタップ密度が1.9g/cm3より小さい場合(電池A32)、150℃で加熱したときに最高到達温度は160℃以上であり、熱安定性が多少低下する傾向にあった。これは、正極活物質の比表面積が大きくなることによって、高温時の正極の反応性が高くなり、電池における発熱量が多くなったためであると考えられる。
以上の結果から、正極活物質の比表面積は0.4〜1.2m2/gであることが好ましく、タップ密度は1.9〜2.9g/cm3であることが好ましい。
電池A2およびA33〜A36の結果から、活物質Bと活物質Cの合計に占める活物質Bの割合は、10〜90重量%であることが好ましいことがわかる。特に、活物質Bと活物質Cの合計に占める活物質Cの割合が50〜90重量%である場合、つまり活物質Bと活物質Cの合計に占める活物質Bの割合が10〜50重量%である場合に、高い熱安定性が得られるとともに、85%以上の容量維持率が得られることがわかった。
電池A2およびA37〜A40の結果から、LiCo0.975Mg0.02Al0.0052の代わりに、LiCo0.975Mg0.0252、LiCo0.975Al0.0252、LiCo0.975Mg0.02Zr0.0052またはLiCo0.975Mg0.02Mo0.0052を活物質Cとして用いた場合でも、高い熱安定性を有し、かつ容量維持率が90%以上である電池が得られることがわかる。
電池A41〜A42および比較電池B3〜B4の結果により、活物質Cに含まれるCoと元素Mとの合計に占める元素Mの割合が、0.5〜10モル%である場合に、活物質Cと活物質Bとを混合することにより、活物質Cを単独で用いた場合と比較して、熱安定性および高温サイクル特性が向上することがわかる。よって、活物質Cにおいて、Coと元素Mとの合計に占める元素Mの割合は、0.5〜10モル%であることが好ましい。
活物質Bにおけるマンガンに対するニッケルの比y/zが0.9である電池A43の容量維持率は、83%と良好な値であった。一方、比y/zが0.8である比較電池B8の容量維持率が68%であり、70%より低い値であった。活物質Bにおいて、比y/zが0.9よりも小さくなると、マンガンの量がニッケルの量よりも相対的に多くなる。この場合、高温環境下で、電池の充放電を繰り返すと、活物質B中に含まれるマンガン等の遷移金属の非水電解質中への溶解量が増加し、その結果、正極活物質が劣化する。このため、比較電池B8では、容量維持率が低下したと考えられる。
また、比y/zが2.5である電池A44の容量維持率は、82%と高い値を示した。一方、比y/zが2.75である比較電池A9の容量維持率は、68%であり、70%を下回った。活物質Bにおいて、比y/zが2.5より大きくなると、活物質Bの導電性が低下する。そして、この導電性の低下は、高温下で、充放電サイクルを繰り返すほどに大きくなる。このため、比較電池B9では、容量維持率が顕著に低下したと考えられる。
以上説明したように、正極活物質が、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と、活物質Bを含むことにより、前記活物質A、BまたはCを単独で用いた場合より、熱安定性および高温サイクル特性に優れた電池を提供することができる。
なお、活物質Bにおいて、リチウム以外の金属元素の合計に占めるNiの割合を10〜50モル%とした場合、およびMnの割合を20〜50モル%とした場合にも、上記と同様な効果が得られた。
上記実施例において、活物質A、活物質Bおよび活物質Cに含まれるリチウムのモル比xを1.0とした場合について説明した。いずれの活物質においても、リチウムのモル比xが0.9〜1.2であれば、上記と同様の効果が得られた。
上記実施例においては、活物質Bとして、LixNiyMnzCo1-y-z2、LixNiyMnzMg1-y-z2、およびLixNiyMnzAl1-y-z2を用いた。LixNiyMnzTi1-y-z2、LixNiyMnzSr1-y-z2、LixNiyMnzCa1-y-z2、LixNiyMnz1-y-z2、LixNiyMnzFe1-y-z2、LixNiyMnz1-y-z2、LixNiyMnzZr1-y-z2、LixNiyMnzMo1-y-z2、LixNiyMnzTc1-y-z2、LixNiyMnzRu1-y-z2、LixNiyMnzTa1-y-z2、LixNiyMnz1-y-z2、またはLixNiyMnzRe1-y-z2を活物質Bとして用いた場合においても、上記と同様の効果が得られた。
また、上記実施例において、活物質Cとして、LixCo1-y(MgAl)y2、LixCo1-yMgy2、LixCo1-yAly2 LixCo1-y(MgZr)y2およびLixCo1-y(MgMo)y2を用いた。LixCo1-yy2に含まれる元素Mとして、Sr、Mn、Ni、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、およびBaの中から選ばれた少なくとも1種を用いた場合においても、上記と同様の効果が得られた。
さらに、上記実施例においては、角形非水電解質二次電池を作製した。電池の形状が、円筒形、コイン形、ボタン形、ラミネート形などであっても、上記と同様の効果が得られる。
本発明の非水電解質二次電池は、熱安定性および高温サイクル特性に優れている。このため、本発明の非水電解質二次電池は、例えば、携帯電話やノート型パソコン等の民生用モバイルツール用の主電源、電動ドライバー等のパワーツール用の主電源、およびEV自動車用の主電源として用いることができる。
実施例で作製した非水電解質二次電池の斜視図である。 A−A線での、図1の電池の縦断面を示す概略図である。 B−B線での、図1の電池の縦断面を示す概略図である。

Claims (14)

  1. 正極活物質を含む正極活物質層を備える正極と、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含む負極活物質層を備える負極と、非水電解質と、隔離膜とを備え、
    前記正極活物質は、活物質Aおよび活物質Cよりなる群から選択される少なくとも1種と活物質Bとを含み、
    前記活物質Aは、以下の式(1):
    LixCoO2 (1)
    (式中、0.9≦x≦1.2)
    で表される第1のリチウム複合酸化物であり、
    前記活物質Bは、以下の式(2):
    LixNiyMnz1-y-z2 (2)
    (式中、0.9≦x≦1.2、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.5、0.2≦1−y−z≦0.5、かつ0.9≦y/z≦2.5であり、MはCo、Mg、Al、Ti、Sr、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、およびReよりなる群から選択される少なくとも1種である。)
    で表される第2のリチウム複合酸化物であり、
    前記活物質Cは、以下の式(3):
    LixCo1-aa2 (3)
    (式中、0.9≦x≦1.2、および0.005≦a≦0.1であり、MはMg、Al、Ti、Sr、Mn、Ni、Ca、V、Fe、Y、Zr、Mo、Tc、Ru、Ta、W、Re、Yb、Cu、Zn、およびBaよりなる群から選択される少なくとも1種である。)
    で表される第3のリチウム複合酸化物である、非水電解質二次電池。
  2. 前記隔離膜が、耐熱性樹脂を含む多孔質膜を含み、前記耐熱性樹脂は、塩素原子を含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記隔離膜が、ポリオレフィンを含む多孔質膜をさらに含む、請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記耐熱性樹脂を含む多孔質膜が、フィラーを含む、請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記耐熱性樹脂が、アラミドおよびポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記活物質Bが、前記正極活物質の10〜90wt%を占める、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記活物質Bが、前記正極活物質の10〜50wt%を占める、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記活物質Bに含まれる元素MがCoである、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記活物質Bにおいて、Ni、Mnおよび元素Mの合計に占めるNiのモル比yおよびMnのモル比zが、それぞれ1/3である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  10. 前記正極活物質層における前記正極活物質の密度が、3.3〜3.7g/cm3である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  11. 前記活物質Aまたは前記活物質Cの平均粒径が、3〜12μmである、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  12. 前記活物質Bの平均粒径が、3〜12μmである、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  13. 前記正極活物質の比表面積が、0.4〜1.2m2/gである、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  14. 前記正極活物質のタップ密度が、1.9〜2.9g/cm3である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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