JP5645260B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
イオン液体とは、常温で液体のイオン化合物のことであり、カチオン成分とアニオン成分とからなっている。本発明に用いるイオン液体は、カチオン成分がピロリジニウムやピペリジニウム等の一般的に耐還元性が高いカチオンを構成要素に含むイオン液体であることを特徴としている。さらにイオン液体のカチオン成分としては、化学式1で示される骨格を有する含窒素化合物カチオンからなる4級アンモニウム系、含リン化合物カチオンからなる4級ホスホニウム系、含硫黄化合物カチオンからなる3級スルホニウム系なども用いることができる。
本発明におけるリン酸エステル誘導体としては、下記化学式8、9で表される化合物が挙げられる。
本発明における電解液には、以下に示すカーボネート系有機溶媒を同時に混合する必要がある。カーボネート系有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、フェニルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等があげられる。
本発明における皮膜形成添加剤とは、電気化学的に負極表面を皮膜するもののことである。具体例としては、ビニルエチレンカーボネート(VC)、エチレンサルファイト(ES)、プロパンサルトン(PS)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、無水コハク酸(SUCAH)、ジアリルカーボネート(DAC)、ジフェニルジサルファイド(DPS)等があげられるが、特にこれらに限定されない。添加量を多くすると電池特性に悪影響を与えてしまうため、10質量%未満であることが望ましい。
電解液とは、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、例えば電解質塩を溶解したイオン液体を利用することができる。電解質塩として、例えばLiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、Li2B10Cl10、Li2B12Cl12、LiB(C2O4)2、LiCF3SO3、LiCl、LiBr、LiIなどがあげられ、そのうち、LiBF4の少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したLiBF3(CF3)、LiBF3(C2F5)、LiBF3(C3F7)、LiBF2(CF3)2、LiBF2(CF3)(C2F5)や、LiPF6の少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したLiPF5(CF3)、LiPF5(C2F5)、LiPF5(C3F7)、LiPF4(CF3)2、LiPF4(CF3)(C2F5)、LiPF3(CF3)3等をもちいてもよい。
本発明における酸化物正極材料としては、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、LiFePO4あるいはLixV2O5(0<x<2)あるいはこれら化合物の遷移金属を別の金属で一部置換したもの等のリチウム含有遷移金属酸化物を用いることができる。また、本発明における正極は、正極集電体の上に形成することができ、正極集電体としては、ニッケルやアルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス、炭素等からなる箔、金属平板を用いることができる。
本発明における炭素負極材料としては、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し、炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭、黒鉛などの炭素材料を用いることができる。負極の各構成材料間の結びつきを強めるために、結着剤を用いることもできる。このような結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、部分カルボキシ化セルロース、各種ポリウレタン等が挙げられる。本発明における負極は、負極集電体の上に形成することができ、負極集電体としては、ニッケルやアルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス、炭素等からなる箔、金属平板を用いることができる。
本発明におけるリチウムイオン二次電池には、正極、および負極が接触しないようにポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質フィルム、セルロース膜、不織布などのセパレータを用いることもできる。これらセパレータを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、二次電池の形状は特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。電池形状としては、円筒型、角型、コイン型、およびシート型等が挙げられる。このような電池は、上述した正極、負極、電解質、セパレータなどを、電極積層体あるいは巻回体を金属ケース、樹脂ケース、あるいはアルミニウム箔などの金属箔と合成樹脂フィルムからなるラミネートフィルム等によって封止することによって作製される。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
ドライルーム中でイオン液体、リン酸エステル誘導体、カーボネート系有機溶媒を混合させた溶液に、リチウム塩を溶解させ電解液を作製した。
正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn2O4)系材料に、導電剤としてVGCF(昭和電工(株)製)を混合し、これをN−メチルピロリドン(NMP)に分散させてスラリーとした後、正極集電体としてのアルミニウム箔に塗布し、乾燥させた。その後直径12mmφの正極を作製した。
負極活物質として、黒鉛系材料をN−メチルピロリドン(NMP)に分散させてスラリーとした後、負極集電体としての銅箔に塗布し、乾燥させた。その後、直径12mmφの電極を作製した。実施例1〜7、参考例1〜5、比較例1〜5はこの方法で作製した負極を用いた。
上記の方法で得られた正極を、ステンレスからなるコインセル受形を兼ねた正極集電体上に置き、多孔質のポリエチレンフィルムからなるセパレータを挟んで黒鉛からなる負極と重ね合わせ電極積層体を得た。得られた電極積層体に、上記の方法で得られた電解液を注入し、真空含浸させた。十分に含浸させて電極及びセパレータの空隙を電解液で埋めた後、絶縁パッキンとコインセル受型を兼ねた負極集電体とを重ね合わせ、専用のかしめ機で一体化させて、コイン型二次電池を作製した。
イオン液体であるブチルメチルピロリジニウムテトラフルオロスルホニルイミド(以下、BMPTFSIと略記する)とリン酸トリメチル(以下、TMPと略記する)を体積比で60:40の割合で混合させた。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のリチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド(以下、LiTFSIと略記する:分子量287.1)を溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、LiMn2O4系活物質からなる正極、黒鉛系材料からなる負極を用いて電池を作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で20:40:40の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=20/40/12/28)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で5:35:60の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=5/35/18/42)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で10:30:60の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=10/30/18/42)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で20:60:20の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=20/60/6/14)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で35:15:50の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=35/15/15/35)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、フルオロジエチルホスフェート(以下、FDEPと略記する)及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で10:30:60の割合で混合させた(BMPTFSI/FDEP/EC/DEC=10/30/18/42)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるブチルメチルピペリジニウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(以下BMPpTFSIと略記する)と、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で10:30:60の割合で混合させた(BMPpTFSI/TMP/EC/DEC=10/30/18/42)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIとBMPpTFSIとを体積比で50:50の割合で混合させた。当該混合イオン液体、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で10:30:60の割合で混合させた(BMPTFSI/BMPpTFSI/TMP/EC/DEC=5/5/30/18/42)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で10:30:60の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=10/30/18/42)。その混合液に、濃度が2mol/L(2M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、FDEP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で10:30:60の割合で混合させた(BMPTFSI/FDEP/EC/DEC=10/30/18/42)。その混合液に、2質量%VCを添加し、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で20:40:40の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=20/40/12/28)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiPF6を溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIに、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
TMPに、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、カーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で40:60の割合で混合させた(BMPTFSI/EC/DEC=40/18/42)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で40:60の割合で混合させた(TMP/EC/DEC=40/18/42)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
イオン液体であるEMITFSIと、TMP及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で10:30:60の割合で混合させた(EMITFSI/TMP/EC/DEC=10/30/18/42)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例1と同じものを用いた。その結果を表1に示す。
電解液を染み込ませたガラス繊維濾紙を炎に近づけ、その後、当該ガラス繊維を炎から遠ざけた場合に、炎が確認できるか否かを基準に判断を行った結果を表1に示す。イオン液体であるBMPTFSI単体では、燃焼性が確認された(比較例1)。また、カーボネート系有機溶媒との混合電解液の場合も同様に燃焼性が確認された(比較例3)。しかし、リン酸エステル誘導体を15体積%以上混合し、イオン液体をある程度同時に混合することで不燃性になることを見出した(実施例1−7、参考例1〜5)。このことより、リン酸エステル誘導体の混合量は15体積%以上であることが望ましい。
上述のように作製したコイン型二次電池を0.073 mAの電流で充放電させ、初回の放電容量を表1に示す。イオン液体単体やリン酸エステル誘導体単体を電解液として用いた場合、放電容量が確認されなかった(比較例1、2)。本発明において、単体では動作しないこれらの電解液を両者混合させることで放電容量を確認することができることを見出した(参考例1)。また、カーボネート系電解液に40体積%リン酸エステル誘導体を混合させた2種混合電解液の場合では放電容量が観測されないのに対し(比較例4)、カーボネート系有機溶媒の20体積%をイオン液体BMPTFSIに変えた3種混合電解液の場合、放電容量が確認されることも同時に発見した(参考例2)。このためイオン液体には、リン酸エステルの分解抑制効果があると考えられる。さらに、高い混合割合である60体積%リン酸エステル誘導体を混合させた電解液においても、イオン液体を含んだ3種混合電解液の場合、放電容量を確認することができた(参考例3)。
参考例2の電解液と比較例4の電解液を用いて、LV測定した結果を図1のラインA、Bに示す。アルミニウム集電体を作用極に用いたLV測定結果では、TMP/EC/DEC(40/18/42)に1.0MのLiTFSI塩を溶解した比較例4の電解液では、3.2V(Li/Li±)付近にアルミニウム集電体の腐食反応による電流ピークが確認できる。しかしEC/DECに20%BMPTFSIを混合させたBMPTFSI/TMP/EC/DEC(20/40/12/28)に1.0MのLiTFSI塩を溶解した参考例2の電解液は、アルミニウム集電体の腐食反応による電流ピークが確認されなくなった。カーボネート電解液とリン酸エステルからなる電解液にイオン液体を混合させることで、LiTFSI塩を用いてもアルミニウム集電体との腐食反応が抑制できることを新たに見出した。
イオン液体であるEMIFSIと、TMPを体積比で90:10の割合で混合させた。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のリチウムフルオロスルホニルイミド(以下、LiFSIと略記する:分子量187.1)を溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、LiMn2O4系活物質からなる正極、及びSEI付負極を用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMPを体積比で85:15の割合で混合させた溶液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMPを体積比で80:20の割合で混合させた溶液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMPを体積比で60:40の割合で混合させた溶液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMPを体積比で50:50の割合で混合させた溶液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で60:20:20の割合で混合させた(EMIFSI/TMP/EC/DEC=60/20/6/14)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で40:40:20の割合で混合させた(EMIFSI/TMP/EC/DEC=40/40/6/14)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で20:40:40の割合で混合させた(EMIFSI/TMP/EC/DEC=20/40/12/28)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で30:20:50の割合で混合させた(EMIFSI/TO/EC/DEC=30/20/15/35)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、フルオロリン酸ジエチル(以下、FDEPと略記する)を体積比で60:40の割合で混合させた溶液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、FDEP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で60:20:20の割合で混合させた(EMIFSI/FDEP/EC/DEC=60/20/6/14)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIに、同じくイオン液体であるメチルプロピルピロリジニウムフルオロスルホニルイミド(以下、P13FSIと略記する)を体積比で70:30の割合で混合させた。当該混合イオン液体、TMP、EC/DEC(3:7)を体積比で60:20:20の割合で混合させた溶液(EMIFSI/P13FSI/TMP/EC/DEC=42/18/20/6/14)に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIに、同じくイオン液体であるメチルプロピルピペリジニウムフルオロスルホニルイミド(以下、PP13FSIと略記する)を体積比で70:30の割合で混合させた。当該混合イオン液体、TMP、EC/DEC(3:7)を体積比で60:20:20の割合で混合させた溶液(EMIFSI/PP13FSI/TMP/EC/DEC=42/18/20/6/14)に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMPを体積比で60:40の割合で混合させた。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、さらに5質量%のビニルエチレンカーボネート(以下、VCと略記する)を混合させ、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、TMP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で60:20:20の割合で混合させた(EMIFSI/TMP/EC/DEC=60/20/6/14)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、さらに5質量%のVCを混合させ、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で20:40:40の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=20/40/12/28)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるBMPTFSIと、TMP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で20:40:40の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=20/40/12/28)。その混合液に、濃度が2mol/L(2M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMITFSIと、TMP、及びカーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で20:40:40の割合で混合させた(BMPTFSI/TMP/EC/DEC=20/40/12/28)。その混合液に、濃度が2mol/L(2M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるトリエチルスルホニウムフルオロスルホニルイミド(以下、TESFSIと略記する)、TMP、カーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で60:20:20の割合で混合させた(TESFSI/TMP/EC/DEC=60/20/6/14)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるTESFSI、TMP、カーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で60:20:20の割合で混合させた(TESFSI/TMP/EC/DEC=60/20/6/14)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、さらに5質量%のVCを混合させてこれを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるTESFSIと、TMPを体積比で60:40の割合で混合させた。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、さらに5質量%のVCを混合させてこれを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIとTESFSIを体積比で70:30の割合で混合させた。当該混合イオン液体、TMP、EC/DEC(3:7)を体積比で60:20:20の割合で混合させた溶液(EMIFSI/TESFSI/TMP/EC/DEC=42/18/20/6/14)に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMITFSIに、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMITFSIと、TMPを体積比で90:10の割合で混合させた溶液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMITFSIと、TMPを体積比で85:15の割合で混合させた溶液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMITFSIと、TMPを体積比で80:20の割合で混合させた溶液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiTFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIに、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
イオン液体であるEMIFSIと、カーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)を体積比で60:40の割合で混合させた(EMIFSI/EC/DEC=60/12/28)。その混合液に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiFSIを溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極については参考例6と同じものを用いた。その結果を表2に示す。
カーボネート系有機溶媒であるEC/DEC(3:7)に、濃度が1mol/L(1M)となる量のLiPF6を溶解し、これを燃焼試験の電解液として用いた。放電容量の試験は、電解液を除く正極、負極は参考例6と同じものを用いて行った。その結果を表2に示す。
電解液を染み込ませたガラス繊維濾紙を炎に近づけ、その後、当該ガラス繊維を炎から遠ざけた場合に、炎が確認できるか否かを基準に判断を行った結果を表2に示す。イオン液体単体(比較例6、10)では燃焼が確認され、リン酸エステル誘導体が10体積%以下の場合、燃焼が確認された(参考例6、比較例7)。一方、リン酸エステル誘導体が15体積%以上含有されている電解液は不燃性であるため、リン酸エステル誘導体の混合量は15体積%以上であることが望ましい(参考例7)。
上述のように作製したコイン型二次電池を0.073 mAの電流で充放電させ、初回の放電容量を表2に示す。比較例6や10のイオン液体単体を電解液として用いた場合、比較例12に示すように、カーボネート系有機溶媒からなる電解液を用いた場合に比べ、放電容量は半分以下しか得られなかった。しかし、EMIFSI、リン酸エステル誘導体、EC/DECの組成比を変えて、同様の実験を行った結果、EMIFSIにリン酸エステル誘導体を10体積%以上含ませることで、初回放電容量の増加を確認することができた。また、VCの添加によって放電容量の増加が確認され、負極表面上での皮膜形成効果が混合電解液の場合でも確認することができた。
Claims (12)
- 正極がリチウムイオンを吸蔵、放出する酸化物から形成され、負極がリチウムイオンを吸蔵、放出する炭素材料から形成され、電解液が電解質塩と、イオン液体と、リン酸エステル誘導体と、カーボネート系有機溶媒とを含み、前記イオン液体は、カチオン成分とアニオン成分とを含み、前記リン酸エステル誘導体が全電解液中に占める割合が15体積%以上で、前記イオン液体は全電解液中に占める割合が5体積%以上、20体積%未満で、前記カーボネート系有機溶媒は、全電解液中に占める割合が20体積%以上、60体積%以下で含有され、前記イオン液体のカチオンが化学式2で示されるピロリジニウムカチオン、及び化学式3で示されるピペリジニウムカチオンの内のいずれか一種を含むことを特徴とする二次電池。
- 前記リン酸エステル誘導体が、リン酸トリメチルであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
- 前記リン酸エステル誘導体が、リン原子を除く少なくとも一つの原子がハロゲン原子で置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池。
- 前記電解液に溶解しているリチウム塩の濃度が0.1mol/L〜2.5mol/Lであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記イオン液体が、スルホニウムカチオンを含むことを特徴とする請求項1乃至4の内のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記イオン液体のアニオンがビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンを構成要素としたイオン液体であることを特徴とする請求項1乃至5の内のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記イオン液体が、少なくとも2種類の異なるカチオンを含むことを特徴とする請求項1乃至6の内のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記負極が、その負極表面にあらかじめ電気化学的に皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の内のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記電解液が、皮膜形成添加剤を含むことを特徴とする請求項1乃至8の内のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記電解質塩は、Li2B10Cl10、Li2B12Cl12、LiB(C2O4)2、LiCl、LiBr、LiI、LiBF3(CF3)、LiBF3(C2F5)、LiBF3(C3F7)、LiBF2(CF3)2、LiBF2(CF3)(C2F5)、LiPF5(CF3)、LiPF5(C2F5)、LiPF5(C3F7)、LiPF4(CF3)2、LiPF4(CF3)(C2F5)、LiPF3(CF3)3、または、化学式14で示される化学構造式を含む化合物からなる塩、もしくは、化学式15で示される化学構造式を含む化合物からなる塩であり、
前記カチオンは、テトラアルキルアンモニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、1,1−ジメチル又は1-エチル-1−メチルピペリジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリニウムカチオン、ピロリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びチアゾリウムカチオンから選択された少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1乃至9の内のいずれか一項に記載の二次電池。 - 前記電解質塩は、Li2B10Cl10、Li2B12Cl12、LiB(C2O4)2、LiCl、LiBr、LiI、LiBF3(CF3)、LiBF3(C2F5)、LiBF3(C3F7)、LiBF2(CF3)2、LiBF2(CF3)(C2F5)、LiPF5(CF3)、LiPF5(C2F5)、LiPF5(C3F7)、LiPF4(CF3)2、LiPF4(CF3)(C2F5)、LiPF3(CF3)3、または、化学式14で示される化学構造式を含む化合物からなる塩、もしくは、化学式15で示される化学構造式を含む化合物からなる塩であり、
前記カチオンは、テトラアルキルアンモニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、1,1−ジメチル又は1-エチル-1−メチルピペリジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリニウムカチオン、ピロリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びチアゾリウムカチオンから選択された少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項11に記載の電解液。
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