JP2019169426A - リチウム二次電池 - Google Patents

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JP2019169426A JP2018058121A JP2018058121A JP2019169426A JP 2019169426 A JP2019169426 A JP 2019169426A JP 2018058121 A JP2018058121 A JP 2018058121A JP 2018058121 A JP2018058121 A JP 2018058121A JP 2019169426 A JP2019169426 A JP 2019169426A
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友美 岩本
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Abstract

【課題】高いサイクル特性を有するリチウム二次電池の提供。【解決手段】正極集電体22の表面に正極活物質を含む層24を有する正極20と、負極集電体32の表面に金属リチウムを含む層を有する負極30と、セパレータ10と、電解液とを含み、前記電解液はリチウム塩と、イオン液体と、リン酸エステル誘導体とを含み、前記リチウム塩の濃度が2.6mol/L以上であり、前記イオン液体は、カチオン成分とアニオン成分とを含み、前記カチオンが特定の構造式で示されるピロリジニウムカチオン、あるいは特定の構造式で示されるピペリジニウムカチオンの少なくとも一方を含み、前記リン酸エステル誘導体の前記電解液中に占める割合が15体積%以上90体積%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、高いエネルギー密度を実現できることから携帯電話、ノートパソコン用電源、また大型の電力貯蔵用電源や自動車用電源としても注目されている。
リチウム二次電池は、電極を構成する材料内にリチウムイオンを挿入、脱離することで充放電を行うリチウムイオン二次電池とは異なり、リチウム金属が析出、溶解することで充放電を行う。リチウム金属は極めて卑な電位を有するため、リチウム二次電池は高い理論容量密度を実現できると期待されている。
リチウム二次電池は、充電時に金属リチウムが析出する。金属リチウムは、析出開始点を根として樹状に析出する(デンドライドを形成する)場合がある。樹状に析出した金属リチウムは、リチウム二次電池の放電時に溶解する。樹状に析出した金属リチウムの枝の部分から金属リチウムが順に溶解すれば問題ないが、根元の部分が先に溶解する場合がある。この場合、根元を失った金属リチウムは電解液中に浮遊し、導通が取れなくなる。電解液中に浮遊する金属リチウムは、導通が取れないため、以降の充電には寄与することができない。その結果、リチウム二次電池のサイクル特性は低減する。
また、安全性を高める手段の一つとして、電解液を難燃化する方法が挙げられる。従来、リチウム二次電池の電解液として一般的には揮発性の可燃性溶媒である環状カーボネートや鎖状カーボネートなどにリチウム塩を溶解させた電解液が知られている。一方、特許文献1では従来の電解液の耐熱性や安全性をより一層改善することを目的として、イオン液体を電解液として用いることが試みられている。イオン液体とは常温で液体を呈し、揮発性がなく、分解温度が高い特徴を有する。
特許第5645260号
特許文献1に記載の電解液は、カーボン負極では難燃性を担保しつつ高いサイクル特性が得られるものの、リチウム金属負極では十分なサイクル特性が得られない問題点がある。
本発明は、前記状況を鑑みて、高いサイクル特性を有するリチウム二次電池を提供する。
本発明者らは、特定濃度以上のリチウム塩と、特定のカチオンを有するイオン液体と、リン酸エステル誘導体とを含む電解液を用いる場合、得られた二次電池が良好なサイクル特性を実現することができることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1]正極集電体の表面に正極活物質を含む層を有する正極と、負極集電体の表面に金属リチウムを含む層を有する負極と、セパレータと、電解液とを含み、前記電解液はリチウム塩と、イオン液体と、リン酸エステル誘導体とを含み、前記リチウム塩の濃度が2.6mol/L以上であり、前記イオン液体は、カチオン成分とアニオン成分とを含み、前記カチオンが化学式(1)で示されるピロリジニウムカチオン、あるいは化学式(2)で示されるピペリジニウムカチオンの少なくとも一方を含み、前記リン酸エステル誘導体の前記電解液中に占める割合が15体積%以上90体積%以下であることを特徴とするリチウム二次電池。
Figure 2019169426
Figure 2019169426
(化学式(1)、(2)中、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレンアルコキシ基である。)
[2] 前記イオン液体のアニオンが化学式(3)で示されるアニオンを含むことを特徴とする[1]に記載のリチウム二次電池。
Figure 2019169426
(化学式(3)中、R、Rはハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R、Rは互いに異なったものでもよい。)
[3] 前記リチウム塩のアニオンが化学式(3)で示されるアニオンを含むことを特徴とする[1]乃至[2]の内のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
Figure 2019169426
(化学式(3)中、R、Rはハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R、Rは互いに異なったものでもよい。)
本発明によれば、特定濃度以上のリチウム塩と、特定のカチオンを有するイオン液体と、リン酸エステル誘導体とを含む電解液を用いることにより、負極上での安定なSEI膜の形成および長期にわたりデンドライドの抑制が可能となる。その結果、高いサイクル特性を実現できる。
本実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[リチウム二次電池]
図1は、第1実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウム二次電池100は、発電部40と、外装体50と、リード60、62とを備える。外装体50は、発電部40を密閉した状態で収容する。一対のリード60、62の一端は、発電部40に接続され、他端は外装体50の外部まで延在している。また図示されていないが、発電部40と共に電解液が、外装体50内に収容されている。
(発電部)
発電部40は、正極20と負極30とが、セパレータ10を挟んで対向配置されている。図1では、外装体50内に発電部40が一つの場合を例示したが、複数積層されていてもよい。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられている。
「二次電池用電解質」 本発明の実施形態として、リチウム二次電池に使用される材料や、構成部材の作製方法について説明する。しかし、発明においては、これらに限定されるものではない。最初にリチウム二次電池に使用される材料として電解液、正極、負極、およびセパレータについて説明する。
<電解液>
電解液70は、発電部40内に含浸される。電解液70には、特定濃度以上のリチウム塩と、特定のカチオンを有するイオン液体と、リン酸エステル誘導体とを含むことを特徴とする。
負極上で長期にわたりデンドライドを抑制させるには、負極表面でのリチウムイオン濃度を高めかつ、負極表面上での電荷集中の抑制及びデンドライド成長を阻害する強固なSEI膜を形成する必要がある。化学式(1)で示されるピロリジニウムカチオン、あるいは化学式(2)で示されるピペリジニウムカチオンを有するイオン液体はリチウム塩の溶解性に優れているため負極表面でのリチウムイオン濃度を高めることが可能となる。また、リン酸エステル誘導体が負極表面に均一に吸着することで、電荷集中の抑制及び強固なSEI膜を形成することができる。
<イオン液体>
イオン液体とは、常温で液体のイオン化合物のことであり、カチオン成分とアニオン成分とからなっている。本発明に用いるイオン液体は、カチオン成分がピロリジニウムやピペリジニウム等リチウム塩の溶解性を向上させうるカチオンを構成要素に含むイオン液体であることを特徴としている。
ピロリジニウムカチオンとしては化学式(1)で示され、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレンアルコキシ基である。1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2019169426
ピペリジニウムカチオンとしては化学式(2)で示され、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレンアルコキシ基である。1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ブチル−1−メチルピペリジニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2019169426
さらに他のカチオン成分を有するイオン液体を含有してもよい。カチオン成分としては、化学式(4)で示される骨格を有する含窒素化合物カチオンからなる4級アンモニウム系、含リン化合物カチオンからなる4級ホスホニウム系なども用いることができる。
Figure 2019169426
含窒素化合物カチオンからなる4級アンモニウム系カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリニウムカチオン、ピロリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、チアゾリウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
テトラアルキルアンモニウムカチオンとしては、ジエチルメチルメトキシエチルアンモニウムカチオン、トリメチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルへキシルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピラゾリウムカチオンとしては、1,2‐ジメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2‐メチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2‐メチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2‐メチルピラゾリウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピロリニウムカチオンとしては、1,2−ジメチルピロリニウムカチオン、1−エチル−2−メチルピロリニウムカチオン、1−プロピル−2‐メチルピロリニウムカチオン、1−ブチル−2−メチルピロリニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピロリウムカチオンとしては、1,2−ジメチルピロリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピロリウムカチオン、1−プロピル−2−メチルピロリウムカチオン、1−ブチル−2−メチルピロリウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピリジニウムカチオンとしては、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
チアゾリウムカチオンとしては、エチルジメチルチアゾリウムカチオン、ブチルジメチルチアゾリウムカチオン、ヘキサジメチルチアゾリウムカチオン、メトキシエチルチアゾリウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2019169426
含リン化合物カチオンからなる4級ホスホニウム系としては、化学式(5)で示される骨格を有するホスホニウムカチオンが挙げられる。化学式(5)において、R、R、R、Rはアルキル基、またはハロゲン化アルキル基、アルケニル基、シアノ基、フェニル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基を表し、それぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。また、5員環、6員環等の環状構造を有してもよい。
具体例としては、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリメチルエチルホスホニウムカチオン、ジメチルジエチルホスホニウムカチオン、トリメチルプロピルホスホニウムカチオン、トリメチルブチルホスホニウムカチオン、ジメチルエチルプロピルホスホニウムカチオン、メチルエチルプロピルブチルホスホニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
イオン液体のアニオンとしては、ClO 、PF 、BF 、AsF 、B(C 、CFSO 、Cl、Br、I等が挙げられ、そのうちBF の少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したBF(CF、BF(C、BF(C、BF(CF 、BF(CF)(Cや、PF の少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したPF(CF、PF(C、PF(C、PF(CF 、PF(CF)(C、PF(CF 等を用いてもよい。
また、化学式(3)で示される化学構造式を含むアニオン等も挙げられる。化学式(3)におけるR、Rはハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R、Rは異なったものでもよい。具体例としては、N(FSON(CFSON(CSON(CFSO)(CSO)である。
Figure 2019169426
Figure 2019169426
またアニオンとしては、化学式(6)で示される化学構造式を含むアニオン等も挙げられる。化学式(6)におけるR、R、Rはハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R、R、Rは異なったものでもよい。具体例としては、C(CFSOC(CF5、が挙げられる。
本発明では、これらのカチオンやアニオンを構成要素とするイオン液体を用いることができる。しかし、アニオンは親水性を示すBF やPF 等のアニオンより、疎水性を示す化学式(3)のようなイミドアニオンを用いたイオン液体を用いるほうがリチウム塩の溶解性向上の観点から望ましい。
<リン酸エステル誘導体>
本発明におけるリン酸エステル誘導体としては、下記化学式(7)、(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019169426
Figure 2019169426
ここで化学式(7)、(8)におけるR、R、Rは炭素数7以下のアルキル基、またはハロゲン化アルキル基、アルケニル基、シアノ基、フェニル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シリル基を表し、R、R、Rのいずれか、または全てが結合した環状構造も含む。具体例としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジメチルエチル、リン酸ジメチルプロピル、リン酸ジメチルブチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸ジプロピルメチル、リン酸ジブチルメチル、リン酸メチルエチルプロピル、リン酸メチルエチルブチル、リン酸メチルプロピルブチル等が挙げられる。さらに亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジメチルエチル、亜リン酸ジメチルプロピル、亜リン酸ジメチルブチル、亜リン酸ジエチルメチル、亜リン酸ジプロピルメチル、亜リン酸ジブチルメチル、亜リン酸メチルエチルプロピル、亜リン酸メチルエチルブチル、亜リン酸メチルプロピルブチル、亜リン酸ジメチルトリメチルシリル等が挙げられる。安定性が高いことから、特にリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、あるいはリン酸トリオクチルであることが好ましい。
Figure 2019169426
Figure 2019169426
Figure 2019169426
Figure 2019169426
また、リン酸エステル誘導体として、上記一般化学式(9)、(10)、(11)、(12)で表される化合物が挙げられる。化学式(9)、(10)、(11)、(12)におけるR、Rは同一でも、異なっていてもよく、炭素数7以下のアルキル基、またはハロゲン化アルキル基、アルケニル基、シアノ基、フェニル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シクロアルキル基を表し、R、Rの結合による環状構造も含む。また、X、Xはハロゲン原子であり、同一でも異なっていてもよい。
これらの具体例としては、フルオロリン酸メチル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸エチル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸プロピル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸アリル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸ブチル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸フェニル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸ビス(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸メチル(テトラフルオロプロピル)、フルオロリン酸エチル(テトラフルオロプロピル)、フルオロリン酸テトラフルオロプロピル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸フェニル(テトラフルオロプロピル)、フルオロリン酸ビス(テトラフルオロプロピル)、フルオロリン酸メチル(フルオロフェニル)、フルオロリン酸エチル(フルオロフェニル)、フルオロリン酸フルオロフェニル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸ジフルオロフェニル、フルオロリン酸フルオロフェニル(テトラフルオロプロピル)、フルオロリン酸メチル(ジフルオロフェニル)、フルオロリン酸エチル(ジフルオロフェニル)、フルオロリン酸ジフルオロフェニル(トリフルオロエチル)、フルオロリン酸ビス(ジフルオロフェニル)、フルオロリン酸ジフルオロフェニル(テトラフルオロプロピル)、フルオロリン酸フルオロエチレン、フルオロリン酸ジフルオロエチレン、フルオロリン酸フルオロプロピレン、フルオロリン酸ジフルオロプロピレン、フルオロリン酸トリフルオロプロピレン、ジフルオロリン酸フルオロエチル、ジフルオロリン酸ジフルオロエチル、ジフルオロリン酸フルオロプロピル、ジフルオロリン酸ジフルオロプロピル、ジフルオロリン酸トリフルオロプロピル、ジフルオロリン酸テトラフルオロプロピル、ジフルオロリン酸ペンタフルオロプロピル、ジフルオロリン酸フルオロイソプロピル、ジフルオロリン酸ジフルオロイソプロピル、ジフルオロリン酸トリフルオロイソプロピル、ジフルオロリン酸テトラフルオロイソプロピル、ジフルオロリン酸ペンタフルオロイソプロピル、ジフルオロリン酸ヘキサフルオロイソプロピル、ジフルオロリン酸ヘプタフルオロブチル、ジフルオロリン酸ヘキサフルオロブチル、ジフルオロリン酸オクタフルオロブチル、ジフルオロリン酸パーフルオロ−t−ブチル、ジフルオロリン酸ヘキサフルオロイソブチル、ジフルオロリン酸フルオロフェニル、ジフルオロリン酸ジフルオロフェニル、ジフルオロリン酸2−フルオロ−4−メチルフェニル、ジフルオロリン酸トリフルオロフェニル、ジフルオロリン酸テトラフルオロフェニル、ジフルオロリン酸ペンタフルオロフェニル、ジフルオロリン酸2−フルオロメチルフェニル、ジフルオロリン酸4−フルオロメチルフェニル、ジフルオロリン酸2−ジフルオロメチルフェニル、ジフルオロリン酸3−ジフルオロメチルフェニル、ジフルオロリン酸4−ジフルオロメチルフェニル、ジフルオロリン酸2−トリフルオロメチルフェニル、ジフルオロリン酸3−トリフルオロメチルフェニル、ジフルオロリン酸4−トリフルオロメチルフェニル、ジフルオロリン酸2−フルオロ−4−メトキシフェニル等が挙げられる。
これらの中でも、フルオロリン酸フルオロエチレン、フルオロリン酸ビス(トリフルオロエチル)、ジフルオロリン酸フルオロエチル、ジフルオロリン酸トリフルオロエチル、ジフルオロリン酸プロピル、ジフルオロリン酸フェニルが好ましく、低粘度、難燃性の点でジフルオロリン酸フルオロエチル、ジフルオロリン酸テトラフルオロプロピル、ジフルオロリン酸フルオロフェニルがより好ましい。
リン酸エステル誘導体の電解液中に占める割合は15体積%以上90体積%以下がより好ましい。15体積%未満では、負極表面でのSEI膜形成が不十分で強固なSEI膜を形成することができず、90体積%以上では、負極表面でのSEI膜が厚くなりすぎて柔軟性に欠けるため、クラック等が発生しやすくなる。
<リチウム塩>
本発明におけるリチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12、LiB(C、LiCFSO、LiCl、LiBr、LiI等が挙げられ、そのうち、LiBFの少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したLiBF(CF)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiBF(CF、LiBF(CF)(C)や、LiPFの少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したLiPF(CF)、LiPF(C)、LiPF(C)、LiPF(CF、LiPF(CF)(C)、LiPF(CF等を用いてもよい。
Figure 2019169426
また、リチウム塩として、化学式(13)で示される化学構造式を含む化合物からなる塩も挙げられる。化学式(13)におけるR、Rはハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R、Rは異なったものでもよい。具体例としては、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)である。
Figure 2019169426
また、リチウム塩として、化学式(14)で示される化学構造式を含む化合物からなる塩も挙げられる。化学式(14)におけるR、R、Rはハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R、R、Rは異なったものでもよい。具体例としては、LiC(CFSO、LiC(CSO、が挙げられる。これらの中でも、化学式(13)で示されるリチウム塩は溶解性を高くすることが可能であるためより好ましい。リチウム塩の濃度が2.6mol/L以上では負極表面でのリチウムイオン濃度が高くなるため、負極表面に均一なリチウムを析出させることができる。リチウム塩の濃度が2.6mol/L未満では、負極表面でのリチウムイオン濃度が低くなり、負極表面に均一なリチウムを析出させることができない。
また、電解液には、機能を向上させるために、必要に応じて他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、たとえば、従来公知のその他の溶媒、過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、特性改善助剤等が挙げられる。
(その他の溶媒)
その他の溶媒としては、たとえば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、3−フルオロプロピルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の炭酸エステル、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等のカルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、プロパンサルトン等の環状スルホン酸エステル、スルホン酸アルキルエステル、リン酸アルキルエステル、ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。
前記その他の溶媒の含有量は、該電解液量を100体積%としたとき、10体積%以下であることが好ましく、5体積%以下であることがより好ましい。
過充電防止剤としては、たとえば、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソールおよび2,6−ジフルオロアニオール等の含フッ素アニソール化合物が挙げられる。過充電防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解液が過充電防止剤を含有する場合、電解液中の過充電防止剤の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。電解液に過充電防止剤を0.1質量%以上含有させることにより、過充電による二次電池の破裂・発火を抑制することがさらに容易になり、二次電池をより安定に使用できる。
脱水剤としては、たとえば、モレキュラーシーブス、芒硝、硫酸マグネシウム、水素化カルシウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、塩化カルシウム、金属ナトリウム等が挙げられる。
特性改善助剤としては、たとえば、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化合物が挙げられる。これら特性改善助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解液が特性改善助剤を含有する場合、電解質中の特性改善助剤の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。
<正極>
正極20は、正極集電体22と、その一面に設けられた正極活物質層24とを有する(図1参照)。正極集電体22は、導電性を有する材料により構成されていればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インター化レーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えばPF -)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMnMaO(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、MはCo、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等が挙げられる。
また正極活物質層24は、導電材を有していてもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、正極活物質層24は導電材を含んでいなくてもよい。
また正極活物質層24は、バインダーを含む。バインダーは公知のものを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HEP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PEP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PEP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオロライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
<負極>
負極30は、集電体と金属リチウムとを有する。充電時には集電体の表面に金属リチウムが析出し、放電時には表面に析出した金属リチウムが溶出する。すなわち、充電時には集電体と金属リチウムとを含むものが負極30となり、放電時には集電体が負極30となる。また充放電に寄与するリチウム量が不足することに備えて、充放電前の初期状態から集電体の一面にリチウム箔を設けても良い。
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
<セパレータ>
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
(外装体)
外装体50は、その内部に発電部40及び電解質を密封する。外装体50は、電解質の外部への漏出や、外部からのリチウム二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、外装体50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
(リード)
リード60、62はアルミ等の導電材料から形成されている。リード60、62を正極20、負極30にそれぞれ溶接し、正極20と負極30との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解質と共に外装体50内に挿入し、外装体50の入り口をシールする。
[リチウム二次電池の製造方法]
本実施形態にかかるリチウム二次電池100の製造方法について説明する。まず正極20及び負極30を作製する。
正極20は、正極集電体22上に正極活物質を含む塗料を塗布、乾燥して作製する。正極活物質を含む塗料は、正極活物質、バインダー及び溶媒を含み、必要に応じて導電材が混合されている。溶媒には、例えば、水、N−メチル−2‐ピロリドン等を用いることができる。
塗料における正極活物質、導電材、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜98wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。
そして作製した塗料を、正極集電体22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクタープレード法が挙げられる。
続いて、正極集電体22に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された集電体22を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。そして、正極集電体22上に正極活物質層24が形成された正極20が得られる。
そして、このようにして正極活物質層24が形成された電極を必要に応じ、ロールプレス装置等によりプレス処理を行う。ロールプレスの線圧は用いる材料によって異なるが、正極活物質層24の密度が所定の値となるように調整する。正極活物質層24の密度と線圧との関係は、正極活物質層24を構成する材料比率との関係を踏まえた事前検討により求めることができる。負極30は、負極活物質として金属リチウムを用い、厚さ0.01〜200μmのリチウム箔を銅箔からなる負極集電体上に貼り付け、負極シートを作製する。負極集電体32上に負極活物質層34が形成された負極30が得られる。
次いで作製した正極20と負極30とを、セパレータ10を介して積層し、電解液と共に、外装体50内に封入する。例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、予め作製した袋状の外装体50に、発電部40を入れる。電解液は、外装体50内に注入してもよいし、発電部40内に含浸させてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。実施例1〜36として、実施形態で説明したイオン液体、リン酸エステル誘導体及びその体積比や、リチウム塩及びリチウム塩濃度を変更したリチウム二次電池を作製した。また、比較のために、比較例1〜4を作製し、同様に50サイクル後の放電容量維持率の測定を行った。
<リチウム二次電池評価用のセル作製>
まず、正極を準備した。正極活物質としてNCA(組成式:Li1.0Ni0.78Co0.19Al0.03)、導電材としてカーボンブラック、バインダーとしてPVDFを準備した。これらを溶媒中で混合し、塗料を作製し、アルミ箔からなる正極集電体上に塗布した。正極活物質と導電材とバインダーの質量比は、95:2:3とした。塗布後に、溶媒は除去した。その後正極活物質層の密度が3.0g/cmになるようにプレスして正極シートを作製した。
次いで負極を準備した。負極は、負極活物質として金属リチウムを用い、厚さ100μmのリチウム箔を銅箔からなる負極集電体上に貼り付け、負極シートを作製した。
上記で作製した正極および負極と、セパレータを介して積層した。セパレータには、ポリエチレンとポリプロピレンの積層体を用いた。得られた発電部を調製した電解液に含浸させてから外装体内に封入した後、真空シールし、評価用のリチウム二次電池を作製した。
50サイクル後の放電容量維持率の測定は、以下に示す手順により行った。
NCA正極−リチウム金属箔からなる単極セルのシート状二次電池を、電極間の密着性を高めるためにガラス板で挟んだ状態で、25℃において、0.1Cに相当する定電流で、終止電圧4.4Vまで充電し、その後0.1Cに相当する定電流で3.0Vまで放電することで行った。1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合を求め、「50サイクル後の放電容量維持率」とした。
ただし、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、0.1Cとはその1/10の電流値を表す。
(実施例1)
イオン液体である1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、P13FSAと略記する)とリン酸トリメチル(以下、TMPと略記する)を体積比で85:15の割合で混合させた。その混合溶液に、濃度が2.6mol/L(2.6M)となる量のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、LiFSAと略記する:分子量 187.07)を溶解し、これを電解液として用いた。50サイクル後の放電容量維持率の測定結果を表1に示す。
(実施例2)
イオン液体であるP13FSAとTMPを体積比で70:30の割合で混合すること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
イオン液体であるP13FSAとTMPを体積比で55:45の割合で混合すること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
イオン液体であるP13FSAとTMPを体積比で40:60の割合で混合すること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
イオン液体であるP13FSAとTMPを体積比で25:75の割合で混合すること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例6)
イオン液体であるP13FSAとTMPを体積比で10:90の割合で混合すること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例7)
3.0mol/L(3.0M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例8)
3.5mol/L(3.5M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例9)
4.0mol/L(4.0M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例10)
4.5mol/L(4.5M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例11)
5.0mol/L(5.0M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例12)
5.5mol/L(5.5M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例13)
6.0mol/L(6.0M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例14)
6.5mol/L(6.5M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例15)
3.5mol/L(3.5M)となる量のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、LiTFSAと略記する)を溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例16)
3.5mol/L(3.5M)となる量のリチウムフルオロスルホニル(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、LiFTAと略記する)を溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例17)
2.6mol/L(2.6M)となる量の六フッ化リン酸リチウム(以下、LiPFと略記する)を溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例18)
3.0mol/L(3.0M)となる量の四フッ化ホウ酸リチウム(以下、LiBFと略記する)を溶解すること以外は、実施例4と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例19)
イオン液体のアニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、TFSAと略記する)にすること以外は実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例20)
イオン液体のアニオンがフルオロスルホニル(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、FTAに略記する)にすること以外は実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例21)
イオン液体のアニオンがピロリジニウムトリフレート(以下、CFSO に略記する)にすること以外は実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例22)
イオン液体である1‐ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下P14TFSAと略記する)とTMPを体積比で60:40の割合で混合すること以外は、実施例15と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例23)
イオン液体のカチオンが1−ブチル−1−メチルピロリジニウム(以下、P14に略記する)にすること以外は実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例24)
イオン液体のカチオンがブチルメチルピペリジニウム(以下、BMPpに略記する)にすること以外は実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例25)
イオン液体であるP13FSAとリン酸トリエチル(以下TEPと略記する)を体積比で85:15の割合で混合すること以外は、実施例7と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例26)
イオン液体であるP13FSAとTEPを体積比で70:30の割合で混合すること以外は、実施例25と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例27)
イオン液体であるP13FSAとTEPを体積比で55:45の割合で混合すること以外は、実施例25と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例28)
イオン液体であるP13FSAとTEPを体積比で40:60の割合で混合すること以外は、実施例25と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例29)
イオン液体であるP13FSAとリン酸トリプロピル(以下、TPPと略記する)を体積比で25:75の割合で混合すること以外は、実施例25と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例30)
イオン液体であるP13FSAとリン酸トリス(2,2,2‐トリフルオロエチル)(以下、TFEPと略記する)を体積比で10:90の割合で混合すること以外は、実施例25と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例31)
リン酸エステル誘導体がTPPにすること以外は実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例32)
リン酸エステル誘導体がTFEPにすること以外は実施例9と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例33)
イオン液体のアニオンがTFSAにすること以外は実施例28と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例34)
イオン液体のアニオンがTFSA、リン酸エステル誘導体がTEPにすること以外は、実施例23と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例35)
イオン液体のカチオンがBMPpにすること以外は実施例34と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例36)
イオン液体であるP14TFSAとTMPを体積比で40:60の割合で混合させること以外は、実施例22と同様に行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
イオン液体のカチオンが1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(以下、EMIに略記する)にすること以外は実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
イオン液体であるP13FSAとTMPを体積比で90:10の割合で混合すること以外は、実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
イオン液体であるP13FSAとTMPを体積比で5:95の割合で混合すること以外は、実施例8と同様に行った。その結果を表1に示す。
(比較例4)
2.0mol/L(2.0M)となる量のLiFSAを溶解すること以外は実施例7と同様に行った。その結果を表1に示す。
実施例1〜36、比較例1〜4のサンプルに対するリチウム二次電池の50サイクル後の放電容量維持率の評価を表1に示す。
Figure 2019169426
表1に示すように、実施例1〜36の二次電池は、比較例1〜4の二次電池よりも放電容量が優れる。
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、30…負極、32…負極集電体、34…負極活物質層、40…発電部、50…外装体、60,62…リード、70…電解液、100…リチウム二次電池

Claims (3)

  1. 正極集電体の表面に正極活物質を含む層を有する正極と、
    負極集電体の表面に金属リチウムを含む層を有する負極と、
    セパレータと、
    電解液とを含み、
    前記電解液は
    リチウム塩と、
    イオン液体と、
    リン酸エステル誘導体とを含み、
    前記リチウム塩の濃度が2.6mol /L以上であり、
    前記イオン液体は、カチオン成分とアニオン成分とを含み、前記カチオンが化学式(1)で示されるピロリジニウムカチオン、あるいは化学式(2)で示されるピペリジニウムカチオンの少なくとも一方を含み、
    前記リン酸エステル誘導体の前記電解液中に占める割合が15体積%以上90体積%以下であることを特徴とするリチウム二次電池。
    Figure 2019169426

    Figure 2019169426

    (但し、化学式(1)、(2)中、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレンアルコキシ基である。)
  2. 前記イオン液体のアニオンが化学式(3)で示されるアニオンを含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
    Figure 2019169426

    (但し、化学式(3)中、R、Rはハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R、Rは互いに異なったものでもよい。)
  3. 前記リチウム塩のアニオンが化学式(3)で示されるアニオンを含むことを特徴とする請求項1乃至2の内のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
    Figure 2019169426

    (但し、化学式(3)中、R、Rはハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R、Rは互いに異なったものでもよい。)


































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JP2021077608A (ja) * 2019-11-13 2021-05-20 株式会社Gsユアサ 非水電解質、非水電解質蓄電素子及び非水電解質蓄電素子の製造方法

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