JP2005285606A - 正極活物質及びその評価方法並びに非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極材料用リチウム含有複合酸化物の粉末としての性状を溶液の吸液量で評価し、JIS K6217に規定されるDBP吸収量値が、20〜40ml/100gの物を用いる。あるいは、同法に準拠した方法で、N-メチルピロリドン吸収量値が20〜50ml/100g、もしくは水給収量値が20〜50ml/100gの物を用いる。
【選択図】 図1
Description
リチウム含有複合酸化物として、Li−Mn系複合酸化物、Li−Co系複合酸化物、Li−Ni系複合酸化物などが提案され、それらの一部が実用化に至っている。
また、これらの複合酸化物の特性を改良すべく、さらに種々の元素置換を試みた、Li−Mn−Ni系複合酸化物、Li−Co−Al系複合酸化物、Li−Mg−Co系複合酸化物なども提案されている。
優れた電池特性を得る為、これらの原材料の開発、改良を図る訳であるが、その手法として、先ず第一に複合する元素とその配合の選択、第二に配合された材料を得るための焼成条件の最適化を試みる。これは、結晶学的、あるいは電気化学的な基本データがあれば良いから、少量サンプルでの評価、解析で済む場合が多い。
次に、この改良されたサンプルを用いて、実用に耐える極板作成を試みる訳であるが、先ず第一に極板化する際のペーストの良否、第二に極板にした時の屈曲性、強度等の最適化が重要である。ここでペーストの良否とは、工業的には、ペースト化した後に集電体に塗工するまで放置される事があるので、経時変化に対する安定性、たとえば時間が経っても沈降性を増さない事、塗工しやすい事(非ニュートニアン流体が好ましい)、さらには粘度変化が大きくない事が上げられる。
しかしながら、過去の知見、既知の紛体物性等から、極板化しても問題の無い事が予想される複合酸化物、導電材、結着剤の組み合わせにおいて、極板化した後に、合材層が導電材から浮き上がり剥がれ落ちるという現象等が起こり、実用上大きな課題がある事を見出した。
プラストグラフまたはプラスチコーダを用い、試薬液体を定速度ビュレットで適定し、その際の粘度特性の変化をトルク検出器によって測定、記録し、発生した最大トルクの70%時点のトルクに対応する試薬液体の添加量を吸液量としたときの前記吸液量が、リチウム含有複合酸化物重量100g当たり20〜40mlであることを特徴とするものである。
/100gとなる物を選定、あるいは合成する。
JIS K6217のA法に準拠し、あさひ総研製 吸収量測定装置S‐36Aを用い測定した。二枚羽根からなる回転翼によってかき混ぜられている試料にDBPを添加する。DBPが添加されるにつれて、この混合物は自由に流動する粉体から半塑性の塊へと変化する。その際の粘度特性の変化をトルク検出器によって測定、記録し、発生した最大トルクの70%時点のトルクに対応するDBPの添加量を得、試料100g当たりに換算し、DBP吸収量を得た。
前記(1)の評価用溶液DBPの代わりに、NMPを用い、(1)の手法に順じ、NMP吸収量を得た。
前記(1)の評価用溶液DBPの代わりに、水を用い、(1)の手法に順じ、水吸収量を得た。
(4)粒子径(体積基準平均粒径(D50))
界面活性剤にポリオキシエチレン(20)ソルピタンモノラウレートの2vol%水溶液を約 1cc用い、これを予め炭素質粉末に混合し、しかる後にイオン交換水を分散媒として、掘場製作所社製レーザ−回折式粒度分布計「LA−910」にて、体積基準平均粒経D50(メジアン)及び、当該測定値を得た。
(5)BET比表面積測定
大倉理研社製AMS−8000を用い、予備乾燥として350℃に加熱し、15分間窒素ガスを流した後、窒素ガス吸着による相対圧0.3におけるBET1点法によって測定した。
(6)合剤−芯材間強度
抜き型などを用い試料極板を80mm×10mmに採寸する。この極板サンプルを両面テープなどを用い、台座に貼りつける。カッターナイフなど先のとがった物などで台座に貼りついた状態の極板から芯材を剥がし、この芯材を貼り付けた台座方向から90度上方に向かって荷重計の付いた引張り試験機で引張り、芯材‐合剤間の剥離に要する力を測定し、合剤‐芯材強度とした。
(実施例1)
正極材料として、組成式LiCoO2を用いる。この正極材料は、1.0mol/lの硫酸コバルトを溶解させた水溶液に水酸化ナトリウムを滴下し、その時のpHを10から13になるように調整して、各材料を反応層に連続供給しながら前駆体の合成を行った。反応層は、反応均一化のため、500rpmの一定速度で回転するモーターで攪拌を行った。この結果CoOH2なる水酸化物を得た。その後この前駆体と、炭酸リチウムと前駆体中のコバルトの比がモル比において、1:1になるように混合し、600℃において仮焼成を行った後、粉砕し、900℃で再度焼成を行い、粉砕、分級した後、本発明用の正極材料とした。尚、焼成時間は各々10時間で焼成は空気雰囲気下で行った。
(実施例2)
正極材料として、組成式LiCo0.995Mg0.005O2を用いる。この正極材料は、0.995mol/lの硫酸コバルトと0.05mol/lの硫酸マグネシウムを溶解させた混合水溶液に水酸化ナトリウムを滴下し、実施例1と同じ条件下で各材料を反応層に連続供給しながら前駆体の合成を行った。この結果(Co0.995Mg0.005)OH2からなる水酸化物を得た。その後この前駆体と、炭酸リチウムと前駆体中のコバルトとマグネシウムの比がモル比において、1:0.995:0.005になるように混合し、600℃において仮焼成を行った後、粉砕し、900℃で再度焼成を行い、粉砕、分級した後、本発明用の正極材料とした。尚、焼成時間は各々10時間で焼成は空気雰囲気下で行った。
正極材料として、組成式LiCo0.995Mg0.005O2を用いる。この正極材料は、途中までは実施例2と同じ合成処方を踏襲するが、600℃による仮焼成を行った後、粉砕し、950℃で再度焼成を行い、粉砕、分級した後、本発明用の正極材料とした。
正極材料として、組成式LiCo0.995Mg0.005O2を用いる。この正極材料は、途中までは実施例2と同じ合成処方を踏襲するが、600℃による仮焼成を行った後、粉砕し
、1000℃で再度焼成を行い、粉砕、分級した後、本発明用の正極材料とした。
正極材料として、組成式LiCo0.995Mg0.005O2を用いる。この正極材料は、途中までは実施例2と同じ合成処方を踏襲するが、600℃による仮焼成を行った後、粉砕し、1050℃で再度焼成を行い、粉砕、分級した後、本発明用の正極材料とした。
正極材料として、組成式LiCo0.995Al0.005O2を用いる。この正極材料は、0.995mol/lの硫酸コバルトと0.05mol/lの硫酸アルミニュウムを溶解させた混合水溶液に水酸化ナトリウムを滴下し、その時のpHを10から13になるように調整して各材料を反応層に連続供給しながら前駆体の合成を行った。この結果(Co0.995Al0.005)OH2からなる水酸化物を得た。その後この前駆体と、炭酸リチウムと前駆体中のコバルトとアルミニュウムの比がモル比において、1:0.995:0.005になるように混合し、600℃において仮焼成を行った後、粉砕し、900℃で再度焼成を行い、粉砕、分級した後、本発明用の正極材料とした。尚、焼成時間は各々10時間で焼成は空気雰囲気下で行った。
正極材料として、組成式LiCo0.995Mn0.005O2を用いる。この正極材料は、0.995mol/lの硫酸コバルトと0.05mol/lの硫酸マンガンを溶解させた混合水溶液に水酸化ナトリウムを滴下し、その時のpHを10から13になるように調整して各材料を反応層に連続供給しながら前駆体の合成を行った。この結果(Co0.995Mn0.005)OH2からなる水酸化物を得た。その後この前駆体と、炭酸リチウムと前駆体中のコバルトとマンガンの比がモル比において、1:0.995:0.005になるように混合し、600℃において仮焼成を行った後、粉砕し、900℃で再度焼成を行い、粉砕、分級した後、本発明用の正極材料とした。尚、焼成時間は各々10時間で焼成は空気雰囲気下で行った。
それ以外は、実施例1と同じ条件で、極板及び、電池を構成し、このようにして作製した正極材料、正極板、電池をそれぞれ、本発明の正極材料7、正極板7、電池7とする。
(実施例8)
正極材料として、組成式LiCo0.995Ni0.005O2を用いる。この正極材料は、0.995mol/lの硫酸コバルトと0.05mol/lの硫酸ニッケルを溶解させた混合水溶液に水酸化ナトリウムを滴下し、その時のpHを10から13になるように調整して各材料を反応層に連続供給しながら前駆体の合成を行った。この結果(Co0.995Ni0.005)OH2からなる水酸化物を得た。その後この前駆体と、炭酸リチウムと前駆体中のコバルトとニッケルの比がモル比において、1:0.995:0.005になるように混合し、600℃において仮焼成を行った後、粉砕し、900℃で再度焼成を行い、粉砕、分級した後、本発明用の正極材料とした。尚、焼成時間は各々10時間で焼成は空気雰囲気下で行った。
(従来例1)
正極材料として、実施例1と同じ、正極材料として、組成式LiCoO2を用いる。
(従来例2)
正極材料として、実施例1と同じ、正極材料として、組成式LiCoO2を用いる。
(従来例3)
正極材料として、実施例2と同じ、正極材料として、組成式LiCo0.995Mg0.005O2を用いる。
(従来例4)
正極材料として、組成式LiCo0.995AL0.005O2を用いる。
(従来例5)
正極材料として、組成式LiCo0.995Mn0.005O2を用いる。
(従来例6)
正極材料として、組成式LiCo0.995Ni0.005O2を用いる。
ものであるという結論に至った。
00gで有ることが好ましい。
問題点を事前に防ぐ事ができ、優れた特性を低下させる事無く、高い実用性、生産性を有する複合酸化物及び、極板、その結果得られる優れた特性と生産性を兼ね備えた非水電解質二次電池を提供することを目的としており、上記、実施例で示した活物質組成やその製造プロセス、条件などに制限されるものでは無い。
Claims (6)
- リチウム含有複合酸化物の粉末からなる正極活物質において、前記粉末を、JIS K6217(1997)で規定されたDBP吸収量A法またはB法試験方法に準拠したアブソープトメータ、プラストグラフまたはプラスチコーダを用い、試薬液体を定速度ビュレットで適定し、その際の粘度特性の変化をトルク検出器によって測定、記録し、発生した最大トルクの70%時点のトルクに対応する試薬液体の添加量を吸液量としたときの前記吸液量が、リチウム含有複合酸化物重量100g当たり20〜40mlであることを特徴とする正極活物質。
- 前記試薬液体が、フタル酸ジブチルであり、前記吸液量がリチウム含有複合酸化物重量100g当たり20〜40mlであることを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
- 前記試薬液体が、N―メチルピロリドンまたは水であり、前記吸液量がリチウム含有複合酸化物重量100g当たり20〜50mlであることを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
- 請求項1から3のいずれかに記載の正極活物質からなる正極板と負極板とをセパレータを介して絶縁した電池群を電池ケースに収納し、非水電解液を注液してなる非水電解質二次電池。
- 正極材料用リチウム含有複合酸化物の粉末の性状をJIS K6217(1997)で規定されたDBP吸収量A法試験方法、あるいはB法試験方法に準拠した装置により測定された試薬液体の吸液量で規定することを特徴とする正極活物質の評価方法。
- 前記試薬液体が、フタル酸ジブチル、N―メチルピロリドンまたは水である請求項5記載の評価方法。
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