JP2004155152A - 製本システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】書籍の内容に関する書籍内容データが入力される書籍内容データ入力部101と、表紙表示に関する表紙データが入力される表紙データ入力部と101、書籍内容データ入力部から入力された書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成を行う書籍内容画像形成部105と、前記表紙データ入力部から入力された表紙データに基づいてくるみカバーに画像形成を行う表紙表示画像形成部105と、上記画像形成が行われた記録用紙に背糊付けをする背糊付け手段203と、前記背糊付け手段で背糊付けされた記録用紙にくるみカバーをくるんで接着するくるみ手段204とを備える。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、書籍内容データと表紙データとを用いて製本を行う製本システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本に高級感や耐久性を持たせるため、本の内容を記した紙葉とは別種のものによって形成された表紙(くるみカバー)を本に取り付けることが行われている。この方法としては、種々のものが知られているが、例えば針金とじや無線とじ等が多用されてきた。しかしながら、針金とじ等のこれらの方法では、小さな版の本を製本する際に機械化することが難しい場合があったり、製本コストが上昇することがあった。このため、最近注目されている方法にいわゆる糊付け製本がある。これは、内容を記載した紙葉をページ順に折りたたんだものに表紙を糊付けすることによって取り付けるもので、これらはまず、本の内容部分をなす複数の紙葉をページ順になるように積層させ、これらの紙葉がばらばらにならないようにする。次いで、表紙となるものを用意し、製本されたものと表紙とを、背表紙部分において、糊付けして本が完成される。従来、上記製本に際し、書籍の内容が記録された書籍内容データや表紙に関する表紙データを用いて、所定の用紙に画像形成を行い、内容が印刷された用紙と表紙とを上記糊付けにより製本する装置や方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1〜3では、複写装置などの画像形成装置により画像形成された転写紙の束に、表紙を装丁し、製本する装置が提案されている。特許文献4では、上記装置に関し、糊付け部分に余白を設けて画像形成する装置が提案されている。特許文献5では、さらに糊付け部分に余白を設けて記録しに画像形成する記録手段とともに、該記録紙を製本する製本機構を備える装置が提案されている。
特許文献6には、糊付け製本に際し、被製本物をガイドするガイド板の誤動作による製本ミスを回避するための製本装置が提案されている。
特許文献7では、印字も可能としたバインドテープを用いて製本を行う製本装置が提案されている。
特許文献8では、画像形成が行われた製本物の厚さに応じて印刷する背表紙表示を処理してくるみ製本する印刷装置が提案されている。
特許文献9では、折丁と表紙とを貼り付けて二つ折りする糊付けくるみ製本の装置および方法が提案されている。
特許文献10では、最終的に出来上がる本のサイズより大きいくるみ製本を作成し、三方を断裁して仕上げる方法が提案されている。背表紙に柔軟材を用いている。
特許文献11では、画像形成を行う記録媒体の厚みを検知し、該厚みに応じて背表紙厚さを積算して計算する装置が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特許2752738号公報(第1頁)
【特許文献2】
特許2752739号公報(第1頁)
【特許文献3】
特許2752740号公報(第1頁)
【特許文献4】
特許2845999号公報(第1頁)
【特許文献5】
特許2944688号公報(第1頁)
【特許文献6】
特許3133747号公報(第1頁)
【特許文献7】
特許3146335号公報(第1頁)
【特許文献8】
特開平10−151734号公報(第2頁)
【特許文献9】
特開平11−139037号公報(第2頁)
【特許文献10】
特開平11−180068号公報(第2頁)
【特許文献11】
特開2000−184154号公報(第2頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来からの製本システムは、本文の画像形成、表紙の印刷、くるみ製本といった一つ一つの工程が、オフラインのシステムである。例えば、表紙をオフセット印刷で準備しておき、本文をモノクロプリンタで画像形成し、オフラインでくるみ製本まで仕上げるシステムである。これは1日、2日単位でのオンデマンドであり、1分2分単位でのオンデマンドではない。そのため従来の製本装置では、店頭に設置して、その場で書籍を作成することは困難であるという大きな課題がある。
【0006】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、画像形成から糊付けくるみ製本までをインラインで処理することを可能とし、ブックオンデマンドとして好適な製本システム装置を提案する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の製本システムのうち請求項1記載の発明は、書籍の内容に関する書籍内容データが入力される書籍内容データ入力部と、
表紙表示に関する表紙データが入力される表紙データ入力部と、
前記書籍内容データ入力部から入力された書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成を行う書籍内容画像形成部と、
前記表紙データ入力部から入力された表紙データに基づいてくるみカバーに画像形成を行う表紙表示画像形成部と、
上記画像形成が行われた記録用紙に背糊付けをする背糊付け手段と、
前記背糊付け手段で背糊付けされた記録用紙に、くるみカバーをくるんで接着するくるみ手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の製本システムは、請求項1記載の発明において、記録用紙を収納する記録用紙収納手段と、
前記記録用紙を書籍内容画像形成部に給紙する記録用紙給紙手段と、
くるみカバーを収納するくるみカバー収納手段と、
前記くるみカバーを表紙表示画像形成部に給紙するくるみカバー給紙手段と、
画像形成された前記記録用紙を搬送する記録用紙搬送手段と、
画像形成されて記録用紙搬送手段により搬送された記録用紙を集積する集積手段と、
集積手段で集積された記録用紙を整合する整合手段と、
画像形成された前記くるみカバーをくるみ手段へ搬送するくるみカバー搬送手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
従来のブックオンデマンドシステムでは、本文の画像形成、表紙の印刷、くるみ製本といった一つ一つの工程が、オフラインのシステムであった。そのため、ブックオンデマンドシステムを店頭に設置して、店頭で書籍を印刷・製本することは困難、という大きな課題があった。請求項1、2に記載された本願発明によれば、本文、表紙とも画像形成手段で画像形成し、インラインでくるみ製本まで仕上げることが可能になる。
【0010】
本願発明では、書籍の内容に関する書籍内容データと、表紙表示に関する表紙データが用いられる。
書籍内容データには、少なくとも本文データが含まれている。さらに、書籍内容データには、書誌事項データを含むことができる。書誌事項データは、書籍名、出版社、著者、著者紹介、発行所、発行日、印刷所、製本所、価格、紹介文などの情報からなり、これらの1または2以上の情報をデータとして保持するものである。なお、書籍内容データには、内容識別情報をデータとして含むことができる。内容識別情報データは、出版界で共通して用いられる書籍コードや本願の製本システム独自の識別番号等からなるもので構成でき、また上記書誌事項データを識別情報データとして利用することもできる。
【0011】
本発明では、前記したように書籍内容データが入力される書籍内容データ入力部と、表紙データが入力される表紙データ入力部とを備えている。これらデータ入力部は、代表的には、後述するように、ネットワーク通信手段を備え、前記書籍内容データと表紙データの一部または全部が、ネットワークに接続されたサーバに蓄積され前記ネットワークを介して該データが入力されるように構成することができる。
【0012】
ただし、本発明は、上記の必要なデータが入力されるものであればよく、例えば、持ち運び可能な記憶媒体によってこれらデータが入力されるものであってもよい。書籍内容データ入力部と表紙データ入力部とはそれぞれ個別に備えるものであってもよく、これらが共通する入力部を備えるものであってもよい。また、上記書籍内容データおよび表紙データは、同一の入力経路によって全データが入力される他、複数の入力経路によってそれぞれ一部のデータが入力されて、それらデータの加算によって全体のデータが構築されるものであってもよい。
【0013】
さらに、本発明では、書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成する書籍内容画像形成部と、表紙表示データに基づいてくるみカバーに画像形成する表紙表示画像形成部とを備えている。該画像形成部は、構成の如何に拘わらず、データを用いて用紙に画像を形成することができるものであればよい。一般に、画像形成部は、画像データ(絵柄、文字等のデータ)に対し必要に応じて適宜の信号処理を行い、このデータに基づいて電子写真プロセスにより画像を形成するものであり、画像データに基づいて潜像させる感光体ドラムを備えている。
書籍内容画像形成部と表紙表示画像形成部とは、後述するように、共通する画像形成部で構成することができ、また、それぞれ個別に用意されるものであってもよい。
【0014】
画像形成が行われる記録用紙とくるみカバーは、請求項2に記載するように、それぞれ記録用紙収納手段とくるみカバー収納手段とに収納しておくことができる。これら収納手段は、記録用紙やくるみカバーを積層して収納する構成とすることができる。収納は、カセット内に記録用紙やくるみカバーを納めるようにして行ってもよく、また、手差し台に載せ置くようにしてもよい。
【0015】
記録用紙およびくるみカバーは、上記収納手段より画像形成に備えて画像形成部へと給紙される。該給紙は、記録用紙給紙手段と、くるみカバー給紙手段の動作に基づいて行うことができる。
給紙手段は、収納手段に収納された用紙を取りだして搬送するものであり、例えば複数の給紙ローラを収納手段から給紙経路に沿って配置し、該ローラで記録用紙またはくるみカバーを移送するように構成することができる。
また、画像形成された記録用紙およびくるみカバーは、搬送手段によりくるみ手段等へと搬送される。該搬送手段も給紙手段と同様に、複数の搬送ローラを画像形成部から搬送経路に沿って配置し、該ローラで記録用紙またはくるみカバーを移送するように構成することができる。
【0016】
さらに、本願発明では、画像形成された記録用紙に背糊付けする背糊付け手段を備えている。背糊付け手段としては、記録用紙の背に糊を付着できるものであればよく、本発明としては特定の構造に限定されるものではない。例えば、糊吐出ノズルを用いて糊収容部から記録用紙の背に糊を吐出する吐出部を備えたものや、糊収容部に塗布部材を設置し、該塗布部材を回転させるなどして糊を付着させ、塗布部材を記録用紙に接触させて糊を塗布するもの等を用いることができる。
【0017】
なお、上記背糊付けに際しては、記録用紙が集積され、整合されていることが必要である。これらは、記録用紙搬送手段により搬送された記録用紙を集積する集積手段と、集積手段で集積された記録用紙を整合する整合手段とにより行うことができる。
集積手段は、複数枚の記録用紙を積み重ねて集積させるものであり、例えば搬送手段により搬送される記録用紙が突き当たるストッパと、該ストッパに当たって停止する記録用紙を受け入れるスタッカとにより構成することができる。
整合手段は、集積された記録用紙の外周縁が揃うように整合させるものである。例えば、記録用紙の外辺に当接する整合部材を、適宜の駆動手段でスライド移動させ、各記録用紙の位置ずれを調整して揃えたり、集積された記録用紙を移動させ位置決め部材に当てて整合させる。
また、背糊付けの前または後、もしくはくるみ処理後において、積層された記録用紙のサイズ調整や折り返した記録用紙の切断等、くるみカバーのサイズ調整等のために記録用紙やくるみカバーを断裁することができる。該断裁手段は、適宜のカッタ、該カッタを位置決めする位置決め装置、カッタを動作させる駆動装置等により構成することができる。
【0018】
本発明では、背糊付けした記録用紙に、くるみカバーをくるんで接着する、くるみ手段を備えている。該くるみ手段は、上記処理が行われるものであればよく、本発明としては、その構成は特定のものに限定されない。例えば、くるみカバーの背表紙に相当する部分の内面を、押さえ板等により記録用紙の背糊付け部分に押し当ててて背付け糊で接着し、さらに、折り返し部材等の稼働によりくるみカバーの表表紙部分、裏表紙部分を記録用紙面側に折り返し、加圧板等によりくるみカバーの外面側から加圧して整形することによりくるみ動作を実行することができる。
【0019】
次に、請求項3記載の製本システムの発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記書籍内容入力部と表紙表示入力部とは、ネットワーク通信手段を備えており、前記書籍内容データと表紙データの一部または全部は、ネットワークに接続されたサーバに蓄積され前記ネットワークを介して前記書籍内容入力部および表紙表示入力部に送信されるものであることを特徴とする。
【0020】
上記請求項3記載の構成により多種の書籍を対象にして地理的な問題を抱えることなく、また迅速に製本作業を行うことができる。書籍の内容は、サーバにて容易に管理することができ、端末としての製本システムにおいて、データの送信要求を行うことで、容易に所望の書籍を得ることができる。サーバは、一つのコンピュータで構成してもよく、管理サーバ、データサーバ等の複数のサーバによって構成しても良い。
【0021】
請求項4記載の製本システムの発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記書籍内容画像形成部と、表紙表示画像形成部とは、共通する画像形成部からなることを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、書籍内容の画像形成と表紙表示の画像形成に、共通する画像形成を使用するので、装置構成を簡略にでき、コスト、設置スペースの点で有利となる。例えば書籍内容、表紙とも1台のカラープリンタで画像形成してしまうシステムを提供することが可能になる。
【0023】
請求項5記載の製本システムの発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記書籍内容画像形成部と、表紙表示画像形成部とは、一方がカラープリンタからなり、他方がモノクロプリンタからなることを特徴とする。
【0024】
書籍本文はモノクロプリントであっても、表紙はカラープリントしなければならないという場合がある。その場合に、請求項5記載の発明によれば、例えば高速で処理可能なモノクロプリンタで頁数の多い書籍本文を画像形成し、比較的低速ではあるもののカラープリントが可能なカラープリンタで表紙の画像形成を行うことができ、必要に応じてカラープリンタとモノクロプリンタを使い分けることができる。記録用紙は例えば金毬と呼ばれる普通紙であるが、くるみカバーは厚手のコート紙などを用いることがあり、画像形成時の制御条件(転写電流、分離電流等々)が異なってくる。これらをカラープリンタとモノクロプリンタというように異なる画像形成装置を使用することにより、個別に、かつ容易に制御することができる。
【0025】
請求項6記載の製本システムの発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバーは、くるみみカバー収納部に収納される以前に表紙表示の一部としての印刷または画像形成が行われており、前記表紙表示画像形成部では該くるみカバーに重ね合わせて他の表紙表示の画像形成を行うものであることを特徴とする。
【0026】
従来のくるみカバーは、専用デザインか汎用デザインの二者択一であった。ブックオンデマンドの場合、専用デザインでは、書籍内容データとの1対1管理が面倒で、汎用デザインでは何の本か分からないという課題がある。また、従来のくるみカバーの汎用デザインでは、普通の書籍並の情報が印刷されていないため、例えばバーコードがないため、レジで課金できないという課題がある。
また、従来のくるみカバーの専用デザインでは、ロット単位の印刷のため、一枚一枚に固有情報を盛り込むことができないという課題がある。
さらに、従来は本をプレゼントする際に、メッセージカードを添えたりしたが、時が経つにつれてカードを紛失してメッセージが分からなくなってしまうという課題がある。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、本文はプリンタで画像形成し、くるみカバーは事前に汎用デザインでオフセット印刷したもの等に必要な表示を重ね合わせて画像形成し、インラインでくるみ製本まで仕上げることができる。したがって、汎用デザインのくるみカバーに書籍固有の表示を行うことが可能になり、上記課題を解決することができる。
【0028】
請求項7記載の製本システムの発明は、請求項6記載の発明において、前記くるみカバーへの事前の表紙表示は、カラー印刷またはカラープリントからなり、前記重ね合わせ画像形成がモノクロプリントであることを特徴とする。
【0029】
請求項7記載の発明によれば、汎用デザインでカラー印刷したくるみカバーをベースに、固有情報をモノクロプリンタで墨入れするシステムを提供することができる。
【0030】
請求項8記載の製本システムの発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記表紙表示は、書籍名、著者名、発行所、価格、書店名、バーコード情報の、少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0031】
請求項8記載の発明によれば、書籍名、著者名、発行所、価格、書店名、バーコード情報の中から必要な情報をくるみカバーに重ね合わせてプリントすることができる。普通の書籍と同様にレジで課金できるように、価格情報を有するバーコードは必須とするのが望ましい。
【0032】
請求項9記載の製本システムの発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記表紙表示は、書籍購入者の固有情報を含むことを特徴とする。
【0033】
請求項9記載の発明によれば、汎用デザインと重ね合わせプリントを更に進化させ、必要情報だけでなく固有情報もくるみカバーにプリント可能とし、例えば自分だけの本のように仕上げることができる。
【0034】
請求項10記載の製本システムの発明は、請求項9記載の発明において、前記固有情報が、書籍購入者の住所、氏名、購入者によるメッセージ、購入日付の内の、少なくとも1つであることを特徴とする。
【0035】
請求項10記載の発明によれば、固有情報としてプレゼント相手の氏名や日付はもとより、伝えたいメッセージも表紙にプリントすることができる。
【0036】
請求項11記載の製本システムの発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバーは、表表紙エリア、背表紙エリア、裏表紙エリアの3つの領域からなり、該くるみカバーへの画像形成に際しては、センター基準または片側突き当て基準において、背表紙エリアの厚さを考慮して各エリアに形成する画像の位置決めを行う表紙画像形成位置決め手段を備えることを特徴とする。
【0037】
請求項11記載の発明によれば、本文の量(記録用紙の厚さ)に応じて背表紙の厚さや表表紙、裏表紙の領域を定めて画像の位置決めを行うことができ、種類の異なる書籍に対してそれぞれサイズを合わせたくるみカバーを用意する必要がなく、汎用のくるみカバーを種々の書籍に使用することができる。
【0038】
請求項12記載の製本システムの発明は、請求項11記載の発明において、記録用紙の1枚当たりの厚みを紙種毎に登録する記録用紙厚み登録手段と、画像形成されて製本される記録用紙の枚数をカウントするカウント手段とを設け、前記登録手段に登録した厚みデータと、前記カウント手段でカウントされた枚数データとから、前記背表紙エリアとして必要な厚さを計算する背表紙エリア厚さ算出手段を備えることを特徴とする。
【0039】
くるみカバーのオンデマンドカラープリントや、汎用デザイン重ね合わせプリントを提供するためには、背表紙の厚みや用紙サイズの位置決めが課題である。従来の背表紙の厚み決定手段には、用紙の厚みを測定する方法や、用紙の厚みを設定する方法があったが、前者は装置が大規模、後者は紙種を変更する度に設定し直さないといけないという課題がある。
請求項12記載の発明によれば、登録された記録用紙の厚みと、画像形成した記録用紙の枚数から、背表紙の厚さに相当する記録用紙全体の厚みを計算することができる。
【0040】
請求項13記載の製本システムの発明は、
書籍の内容に関する書籍内容データが入力される書籍内容入力部と、
前記書籍内容入力部から入力された書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成を行う書籍内容画像形成部と、
表紙表示としての印刷または画像形成がなされたくるみカバーを収納するくるみカバー収納手段と、
上記画像形成が行われた記録用紙に背糊付けをする背糊付け手段と、
前記背糊付け手段で背糊付けされた記録用紙に、前記くるみカバーをくるんで接着するくるみ手段と、
を備えることを特徴とする。
【0041】
請求項14記載の製本システムの発明は、請求項13記載の発明において、記録用紙を収納する記録用紙収納手段と、
前記記録用紙を書籍内容画像形成部に給紙する記録用紙給紙手段と、
画像形成された記録用紙を搬送する記録用紙搬送手段と、
画像形成されて記録用紙搬送手段により搬送された記録用紙を集積する集積手段と、
集積手段で集積された記録用紙を整合する整合手段と、
前記くるみカバー収納手段に収納された前記くるみカバーをくるみ手段に給紙、搬送するくるみカバー給紙搬送手段と、
を備えることを特徴とする。
【0042】
従来より所定の印刷又はプリント処理をしたくるみカバーや、所定の厚みのくるみカバーは、画像形成部を通せないという課題がある。請求項13、14記載の発明によれば、くるみカバー収納手段から、画像形成部を通さずに直接くるみカバーをくるみ手段側へ搬送することができる。
【0043】
請求項15記載の製本システムの発明は、請求項1〜14のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバー収納手段に、くるみカバー有無検知手段が設けられていることを特徴とする。
【0044】
請求項16記載の製本システムの発明は、請求項1〜15のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバー収納手段に、くるみカバーサイズ検知手段が設けられていることを特徴とする。
【0045】
請求項17記載の製本システムの発明は、請求項15記載の発明において、前記くるみカバー有無検知手段による有無検知結果に拘わらず、前記書籍内容データの画像形成開始を許可することを特徴とする。
【0046】
請求項18記載の製本システムの発明は、請求項16記載の発明において、前記くるみカバーサイズ検知手段によるサイズ検知結果に拘わらず、前記書籍内容データの画像形成開始を許可することを特徴とする。
【0047】
従来、くるみカバー収納手段に設けたくるみカバー有無検知手段がくるみカバー無しを検知している場合や、くるみカバーサイズ検知手段が所定外サイズを検知している場合に、書籍内容データの画像形成開始を許可できないという課題がある。請求項17、18では、上記検知結果に拘わらず、書籍内容データの画像形成の開始を可能にして処理の迅速化を図ることができる。また、本文(書籍内容データ)と、くるみカバーの画像形成を、別々の画像形成部で開始する場合に備えて、くるみカバーがくるみカバー収納手段に事前にセットされていなくても、書籍内容データの画像形成開始を許可することができる。また、サイズが適正でないくるみカバーをくるみカバー収納手段にセットした場合でも画像形成をとりあえず開始してもかまわないため、書籍内容データの画像形成の開始を許可することができる。
【0048】
請求項19記載の製本システムの発明は、請求項15〜18のいずれかに記載の発明において、くるみカバー無し検知またはくるみカバー所定外サイズ検知がなされた場合、くるみカバー収納手段からのくるみカバーの給紙を停止することを特徴とする。
【0049】
請求項19記載の発明によれば、くるみカバー無し検知またはくるみカバー所定外サイズ検知がなされ、書籍内容データの画像形成を開始した場合、適正なくるみカバーが収納されていない状態ではそのままくるみカバーの給紙を停止しておくことができる。
【0050】
請求項20記載の製本システムの発明は、請求項19記載の発明において、くるみカバー無し検知の状態で前記書籍内容データに基づく画像形成開始後に、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知した場合に、くるみカバー無し検知による前記給紙停止を解除することを特徴とする。
【0051】
従来、画像形成開始許可後にくるみカバー収納手段に設けたくるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知しても、途中からこれを有効にするのは難しいという課題がある。請求項20記載の発明では、上記画像形成開始後にくるみカバー有りを検知した場合に、くるみカバー無し検知による前記給紙停止を解除してくるみカバーの給紙を可能にする。
なお、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知し、前記くるみカバーサイズ検知手段が所定サイズと検知したら、所定のタイミングで前記くるみカバーを前記くるみカバー収納手段から搬送するように構成することができる。
【0052】
請求項21記載の製本システムの発明は、請求項19記載の発明において、くるみカバー所定外サイズ検知の状態で前記書籍内容データに基づく画像形成開始後に、前記くるみカバーサイズ検知手段が所定サイズのくるみカバーを検知した場合、くるみカバー所定外サイズ検知による給紙停止を解除することを特徴とする。
【0053】
従来、画像形成開始許可後にくるみカバー収納手段に設けたくるみカバーサイズ検知手段が所定サイズを検知しても、途中からこれを有効にするのは難しいという課題がある。請求項21記載の発明では、上記画像形成開始後にくるみカバーサイズ検知手段が所定サイズを検知することにより前記給紙停止を解除してくるみカバーの給紙を可能にする。
【0054】
請求項22記載の製本システムの発明は、請求項15〜21のいずれかに記載の発明において、画像成形が行われた記録用紙への背糊付け動作開始前に、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー無しを検知した場合、または、前記くるみカバーサイズ検知手段がくるみカバーの所定外サイズを検知した場合、前記背糊付け動作を停止することを特徴とする。
【0055】
請求項16〜21記載の発明では、適正なくるみカバーがセットされていなくても画像形成開始を許可するようにしたため、所定枚数の画像形成が完了して、背糊付け実行前の時点で、まだくるみカバーがセットされていないというケースが起こり得る。ここで、背糊付け実行後にくるみ工程まで間が空くと、糊が一旦固まってしまうという課題がある。請求項22では、上記画像形成後に適正なくるみカバーがセットされていない場合に、画像形成した記録用紙への背糊付けを停止しておくことができる。
【0056】
請求項23記載の製本システムの発明は、請求項22記載の発明において、くるみカバー無し検知による前記背糊付け動作の停止後、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知した場合、くるみカバー無し検知による前記背糊付け動作の停止を解除することを特徴とする。
【0057】
背糊付け実行中にくるみカバーが引き抜かれると、くるみ工程を実施せずに、一旦中断せざるを得ないという課題がある。
請求項23記載の発明によれば、くるみカバーがセットされることにより停止されていた背糊付けを解除して直ちに処理を進行させることができる。
【0058】
請求項24記載の製本システムの発明は、請求項22記載の発明において、くるみカバーの所定外サイズ検知による前記背糊付け動作の停止後、前記くるみカバーサイズ検知手段がくるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーが所定サイズであることを検知した場合、くるみカバーの所定外サイズ検知による前記背糊付け動作の停止を解除することを特徴とする製本システム。
【0059】
請求項24記載の発明によれば、適正なサイズのくるみカバーがセットされることにより停止されていた背糊付けを解除して直ちに処理を進行させることができる。
【0060】
請求項25記載の製本システムの発明は、請求項15〜24項のいずれかに記載の発明において、前記背糊付け動作完了後、くるみ手段によるくるみ動作前に、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー無しを検知した場合、または、前記くるみカバーサイズ検知手段がくるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーを所定外サイズであることを検知した場合、前記くるみ動作を停止することを特徴とする。
【0061】
請求項26記載の製本システムの発明は、請求項25記載の発明において、くるみカバー無し検知による前記くるみ動作の停止後、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知した場合、くるみカバー無し検知によるくるみ動作の停止を解除することを特徴とする。
【0062】
請求項27記載の製本システムの発明は、請求項25記載の発明において、くるみカバー所定外サイズ検知によるくるみ動作の停止後、前記くるみカバーサイズ検知手段がくるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーが所定サイズであることを検知した場合、くるみカバー所定外サイズ検知によるくるみ動作の停止を解除することを特徴とする。
【0063】
背糊付け実行中にくるみカバーが引き抜かれる等の状況が生じると、くるみ工程を実施できず、一旦中断せざるを得ない。請求項26、27記載の発明では、このような場合、適正なくるみカバーがセットされることにより処理の再開を可能にする。
【0064】
請求項28記載の製本システムの発明は、請求項26または27項記載の発明において、前記くるみ動作の停止解除時に、背糊付けされた糊を加熱して溶かし、その後、くるみ動作を開始することを特徴とする。
【0065】
請求項28記載の発明によれば、背糊付け中にくるみ動作が停止された状況で、障害が排除されてくるみ動作を可能とする際に、背糊付けされた糊を再加熱してくるみカバーと記録用紙の接着を確実なものとする。
【0066】
請求項29記載の製本システムの発明は、請求項25〜28項のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバーの給紙、背糊付けまたはくるみ動作を停止した場合、停止状態を通知する手段を備えることを特徴とする。
【0067】
また、くるみ製本開始前中断中には、操作者が障害を取り除けるように中断中であることを通知しなければならない。このため、請求項29記載の発明では、停止状態を通知可能とする。
通知方法は、本発明としては特に限定されるものではなく、操作者が認識できるものであればよい。例えば、製本システムの操作パネル上にメッセージ又はアイコンを表示するか、製本システム内のブザーを鳴らすか、製本システム内のスピーカから音声ガイドを行なうか、製本システム上のパトライトを回転させるか、製本システムから管理者のパソコンへ電子メールで知らせるか、の1つを採択することができる。
通知内容は、ブザー等の注意を喚起するもんでもよく、また、中断中であることを示すものや、さらに障害の排除方法を示すものであってもよい。通知は、健常者へはもとより、非健常者(全盲、全聾等)へも告知可能な手段とすることも可能である。
【0068】
請求項30記載の製本システムの発明は、請求項1〜29項のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバー収納手段は、くるみカバーを順次上積み可能であり、くるみカバー給紙手段またはくるみカバー給紙搬送手段は、上積みされた前記くるみカバーを順次底から送り出し可能とされていることを特徴とする。
【0069】
連続して製本ジョブが入った場合に、別のカラープリンタで次々と並列出力した、異なるくるみカバーを、くるみカバー収納手段に先入れ先出しの順序を守りながら、追加セットしていく場合がある。
請求項30記載の発明によれば、くるみカバー収納手段を、上積み・底送り方式とし、印刷・製本中の書籍の後から印刷・製本予定の書籍のくるみカバーを、順番に積んでいくだけで、書籍内容データ(本文)とくるみカバーとが順番に対応付けされるようにすることができる。
【0070】
請求項31記載の製本システムの発明は、請求項1〜30項のいずれかに記載の発明において、前記書籍内容データが保持する内容識別情報と対応して前記くるみカバーにカバー識別情報を付与しておくとともに、くるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーの識別情報を読み取る識別情報読み取り手段を設け、前記カバー識別情報を前記識別情報読み取り手段で読み取り、前記内容識別情報と比較し、比較結果に応じ両者が対応すると判定される場合に前記くるみカバーを給紙可能とすることを特徴とする。
【0071】
請求項32記載の製本システムの発明は、請求項31項記載の発明において、前記くるみカバーは、予め印刷または画像形成によりカバー識別情報が付与されていることを特徴とする。
【0072】
請求項33記載の製本システムの発明は、請求項31または32に記載の発明において、前記比較の結果、前記カバー識別情報と前記内容識別情報とが対応しない場合、くるみカバーの給紙を停止することを特徴とする。
【0073】
くるみカバーを書籍内容とは別の画像形成部で並列出力し、このくるみカバーをくるみカバー収納手段にセットし、画像形成された書籍内容データとともに、糊付けくるみ製本する際に、ジャムリカバリ等が原因で先入れ先出しの順序が狂うと、書籍内容データとくるみカバーとが一致しなくなる可能性がある。
請求項31、32、33記載の発明によれば、くるみカバーに識別情報を印刷或いはプリントにより付与しておき、該識別情報を読み取り手段で読み取り、書籍内容データの識別情報と比較し、比較結果に応じてくるみ工程を実行することができるので、識別情報が異なる書籍内容とくるみカバーとが一致しない形で製本されてしまうのを確実に防止できる。
【0074】
請求項34記載の製本システムの発明は、請求項31〜33のいずれかに記載の発明において、前記比較の結果、前記カバー識別情報と前記内容識別情報とが対応しない場合、該状態を告知するための通知手段が設けられていることを特徴とする。
【0075】
また、書籍内容データとくるみカバーの識別情報の比較結果が対応しない場合には、くるみ工程を停止するとともに、不一致であることを通知しなければならないという課題がある。
請求項34記載の発明によれば、上記不一致状態が通知手段により告知され、必要に応じて操作者によるくるみカバーの入れ替え等を行うことができる。
本発明としては、上記通知手段が特定のものに限定されるものではなく、製本システムの操作パネル上にメッセージ又はアイコンを表示するか、製本システム内のブザーを鳴らすか、製本システム内のスピーカから音声ガイドを行なうか、製本システム上のパトライトを回転させるか、製本システムから管理者のパソコンへ電子メールで知らせるか、の中の1つを実行する通知手段を設けることができる。告知は、健常者へはもとより、非健常者(全盲、全聾等)へも告知可能なものとすることができる。
【0076】
請求項35記載の製本システムの発明は、請求項31〜34のいずれかに記載の発明において、複数のくるみカバー収容手段を備えるとともに、該収容手段に順位付けをしておき、
(1)上記順位に従ってくるみカバー収容手段に収容されたくるみカバーの識別情報を読み取り、
(2)該カバー識別情報と前記内容識別情報とを比較し、
(3)両者が対応すると判定された場合に該くるみカバーに収容されたくるみカバーを給紙対象とし、対応しないと判定された場合に、次順位に移行して、
上記(1)〜(3)の処理を繰り返すくるみカバー選択手段を備えることを特徴とする。
【0077】
また、くるみカバーを別の画像形成部で並列出力し、できたくるみカバーをくるみカバー収納手段にセットし、画像形成された書籍内容データとともに、糊付けくるみ製本する際に、くるみカバー収納手段を複数備えるマルチトレイ(くるみカバーをためるトレイが複数個より構成されているもの)等の場合には、書籍内容データと、選択したくるみカバー収納手段のくるみカバーの識別情報が対応しない場合に給紙停止すると、別のくるみカバー収納手段にあるくるみカバーが対応する可能性があるにも拘わらずくるみカバーの給紙がなされないという課題がある。
請求項35記載の発明によれば、上記のように一つのくるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーの識別情報が、書籍内容データの識別情報と対応しない場合にも、順次、他の収納手段におけるくるみカバーの識別情報が調査され、書籍内容データに対応するくるみカバーがいずれかのくるみカバー収納手段に収納されていれば、くるみカバーの給紙を実行することができる。
【0078】
請求項36記載の製本システムの発明は、請求項35記載の発明において、複数の内容識別情報と対応可能な汎用カバー識別情報を設け、該汎用カバー識別情報をくるみカバーに付与しておき、前記くるみカバー選択手段は、前記書籍内容識別情報と一対一に対応するカバー識別情報を有するくるみカバーが存在しない場合、前記汎用カバー識別情報を有するくるみカバーを給紙の対象とすることを特徴とする。
【0079】
また、くるみカバーを別の画像形成部で並列出力し、できたくるみカバーをくるみカバー収納手段にセットし、画像形成された書籍内容データとともに、糊付けくるみ製本する際に、専用くるみカバーが品切れになると、くるみ工程がストップしてしまうという課題がある。
請求項36記載の発明によれば、一致した識別情報がない場合でも、汎用識別情報(オールマイティ)を有するくるみカバーがあれば、それを選択可能にし、くるみ工程を実行可能にすることができる。
例えば第一のくるみカバー収納手段に専用くるみカバー、第二のくるみカバー収納手段に汎用くるみカバーをセットしておくことで、専用くるみカバーがなくても、汎用くるみカバーがあれば、くるみ工程を実行できる。
【0080】
請求項37記載の製本システムの発明は、請求項1〜36のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバーは、短辺がくるみ対象となる記録用紙の用紙サイズの一辺と同じ長さで、長辺が該記録用紙の用紙サイズの他の一辺の2倍と背表紙の厚さを加えた長さであることを特徴とする。
【0081】
このように構成すれば、ページ数と紙種を管理することで、背表紙の厚みを一定にし、断裁不要なぴったりサイズのくるみカバーを提供することができる。
【0082】
請求項38記載の製本システムの発明は、請求項1〜36のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバーが、短辺がくるみ対象となる記録用紙の用紙サイズの一辺と同じ長さで、長辺が該記録用紙サイズの他の一辺の2倍と背表紙の厚さを加えた長さより長いサイズからなる場合、くるみによって該用紙サイズよりはみ出た部分を内側へ折り返す折り返し手段を有することを特徴とする。
【0083】
このように構成すれば、はみ出た部分は内側へ折り返す折り返し手段を設けたことで、くるみカバーのサイズが記録用紙に一致しない場合にも、断裁することなくくるみカバーを使用することができる。
【0084】
折り返し手段は既知のものを利用することができ、例えば、折り目部を形成する装置と、折り返し用のローラとによって構成することができる。
【0085】
請求項39記載の製本システムの発明は、請求項1〜36のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバーが、短辺がくるみ対象となる記録用紙の用紙サイズの一辺と同じ長さで、長辺が該用紙サイズの他の一辺の2倍と背表紙の厚みを加えた長さより長いサイズからなる場合、くるみによって該用紙サイズよりはみ出た部分を、該用紙サイズの所定量内側において小口断裁する小口断裁手段を有することを特徴とする。
【0086】
専用くるみカバーであればぴったりサイズも可能であるが、汎用くるみカバーとなると、背表紙の厚みがまちまちなため、ぴったりなサイズは難しい。
請求項39の発明によれば、はみ出た部分の小口断裁のみ行なう方法を提供することができ、小口の体裁を向上させることができる。また、本文(書籍内容データ)部分もなめる(一緒に断裁する)ことにより更に体裁を向上させることも可能である。
小口断裁手段は、適宜のカッタ、該カッタを位置決めする位置決め装置、カッタを動作させる駆動装置等により構成することができる。
【0087】
請求項40記載の製本システムの発明は、請求項1〜36のいずれかに記載の発明において、前記くるみカバーは、短辺がくるみ対象となる記録用紙の用紙サイズの一辺より長く、長辺が該用紙サイズの他の一辺の2倍と背表紙の厚さを加えた長さより長いサイズからなる場合、くるみによって該用紙サイズよりはみ出た部分を、該用紙サイズの所定量内側で三方断裁する三方断裁手段を有することを特徴とする。
【0088】
このように構成すれば、はみ出た部分を三方断裁することで、三方の体裁を向上させることができる。また、この場合にも本文(書籍内容データ)部分もなめる(一緒に断裁する)ことにより更に体裁を向上させることもできる。
三方断裁手段は、適宜のカッタ、該カッタを位置決めする位置決め装置、カッタを動作させる駆動装置等により構成することができる。なお、小口断裁手段と、三方断裁手段とは、共通の構成とし、小口断裁に際し、一部の構成を使用して断裁を行うようにすることができる。
【0089】
請求項41記載の製本システムの発明は、請求項1〜40のいずれかに記載の発明において、書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成する際に、一枚の記録用紙に対し、片面に2頁ずつ、両面に4頁の本文が表示されるとともに、前記記録用紙を中折りした状態で、外面側に4N+1頁目と4N+4頁目が位置し、内面側に4N+2頁目と4N+3頁目(Nは0を含む整数)が位置するように4面付けをして、前記書籍内容画像形成手段に画像配置を指示する面付け手段と、前記4面付け画像形成された記録用紙を中折りする中折り手段とを備えることを特徴とする。
【0090】
請求項42記載の製本システムの発明は、請求項41記載の発明において、記録用紙は、中折りされた状態で集積、整合、背糊付けされることを特徴とする請求項41記載の製本システム。
【0091】
従来より印刷・製本業界では、例えば一枚の用紙に対して両面で4面付けし、オフラインで断裁してから糊付けくるみ製本することにより、単純に両面印刷する場合と比較して、1/2の印刷コストが実現できた。これに対して、製本システムによるプリントコストを、いかにして下げるかという大きな課題がある。
請求項41、42記載の発明によれば、一枚の記録用紙に片面に2頁ずつ、両面に4頁の本文を割り付けて、二つ折りした1枚目が1〜4頁、2枚目が5〜8頁というように各頁が配置され、単純に両面プリントする場合と比較して、1/2のプリントコストが実現できる。
【0092】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1は製本システムの構成例を示す図で、ブックオンデマンドシステムを構成している。ブックオンデマンドシステムとは、顧客の要望に応じて本を製本して顧客に手渡すシステムである。図において、1は複数の出版社に設置された各データサーバを示すものであり、図では出版社Aと出版社Bのものが示されている。 3 ジャストインシステム
3は複数の書店にそれぞれ設置されたジャストインブックシステム(商標)を示すものであり、図では書店Aと書店Bのものが示されている。5は製本システムの管理を行なう管理会社に設置された管理サーバを示すものである。これら出版社A、B(データサーバ1)と、書店A、B(製本システム)と、管理会社(管理サーバ5)とがネットワーク6を介して相互接続されている。ネットワーク6としては、例えばインターネット、公衆回線等が用いられる。
【0093】
各データサーバ1においては、データサーバ用コンピュータ11と該コンピュータ11と接続されるデータベース12とを備えている。なお、データサーバの設置場所は、出版社はA、Bの2社に限るものではなく、多数の出版社に設置されているものであってもよい。また、上記説明では、各社のコンピュータ11およびデータベースは同一の符号を付して説明しているが、各社においてデータベース12に記憶されたデータの内容は通常、それぞれ異なるものである。
次に、ジャストインブックシステム3において、13は端末であり、図では書店毎に2台設けられている例を示している。14は本発明に係る製本システムである。図では、書店AとBとを示しているが、書店数はこれに限るものではなく、多数の書店が含まれている。また、書店毎において製本システムの構成が異なるものであってもよい。例えば、書店Aでは、画像形成部がカラープリンタからなり、書籍内容の画像形成と表紙表示の画像形成とを同じカラープリンタで実行する。また、例えば、書店Bにおいては、画像形成部としてカラープリンタとモノクロプリンタとを備え、書籍内容の画像形成と表紙表示の画像形成とを異なる画像形成部で行うことができる。
次に、管理サーバ5において、15は製本システムの全体の動作を制御する管理サーバ用コンピュータ、16は該管理サーバ用コンピュータ16と接続されるデータベースである。
【0094】
図2はデータサーバ1の構成を示すブロック図である。図において、20は装置全体の動作を制御する主制御部であり、例えばCPUとこれを動作させるプログラムとにより構成することができる。21は書籍の本文(書籍内容データ)情報及びその他の情報を記憶する記憶部であり、ハードディスク装置、DVD等の記憶装置が用いられ、前記データベース12が構築される。22は外部との通信を行なうための通信部であり、適宜の通信プロトコルによりデータの授受を行うネットワークインターフェースなどにより構成することができる。23は画像データの圧縮・伸長を行なう圧縮・伸長部であり、例えばCPUとこれを動作させるプログラム、データを一時保存するRAM等により構成することができる。これら各構成要素間は、パス24で相互接続されている。
【0095】
このように構成された装置において、主制御部20は記憶部21に設けられるデータベース12と画像データのやりとりを行なう。例えば、データベース12に記憶されている画像データがビット・マップ・データ(BMD)である場合には、圧縮・伸長部23でJPEG等への圧縮処理を行ない、記憶部21に記憶させる。画像データを圧縮して記憶することで、記憶部21の記憶領域を効率よく使用することができる。
逆に、記憶部21に記憶されている画像データを読み出す場合には、圧縮・伸長部23は読み出したデータを元のビット・マップ・データに戻し、表示部(ディスプレイ:図示せず)に画像を表示する。画像データをネットワーク6に送り出す場合には、画像データは圧縮したままで、通信部22を経由してネットワーク6に送出する。送出された画像データは、ネットワーク6を経由して管理サーバ5に入力される。
【0096】
次に、図3は管理サーバ5の構成例を示すブロック図である。図において、30は全体の動作を制御する主制御部であり、例えばCPUとこれを動作させるプログラムとにより構成することができる。31は書籍内容データを印刷用PS(ポストスクリプト)データや端末13での閲覧用データに変換を行なうデータ変換部であり、CPUとこれを動作させるプログラムとにより構成することができる。32は端末13で閲覧中の書籍内容データを一時的に記憶する記憶部であり、例えばハードディスク装置が用いられ、前記データベース16が構築される。33は外部との通信を行なう通信部であり、適宜の通信プロトコルによりデータの授受を行うネットワークインターフェースなどにより構成することができる。34は管理サーバにアクセスする端末13が正当なものであるかどうかを判断する認証部である。該認証部34では、例えば、正当な端末に関する情報を上記記憶部32等に記憶しておき、端末13から送出されるデータに含まれる識別のための情報やIPアドレス等を得て、上記記憶情報と照合して端末が正当であるか否かの判定を行うことができる。
35は印刷対象を特定する印刷対象特定部、36は製本する時のかかる費用(著作権料、印刷料等)を計算する課金処理部である。該課金処理部36では、予め書籍毎にかかる費用を設定して記憶しておき、端末との通信によって特定された書籍名等から課金額を決定し、端末に通知する。
印刷対象特定部35は、印刷要求した端末が予め登録されている書店のものであるかどうかを特定し、書籍閲覧要求と同時に端末から送られた書籍名等から該当するデータサーバを特定する。37は各構成要素間を接続するパスである。
【0097】
このように構成されたシステムにおいて、主制御部30は書店の端末13から書籍閲覧要求があったことをネットワーク6と通信部33を介して認識すると、認証部34を起動する。認証部34は、当該端末13が予め登録されている端末であるかどうかをチェックする。登録されているものであった場合、認証部34はその旨を主制御部30に通知する。主制御部30は、書籍閲覧要求と同時に送られてきた書籍名、出版社、著者等を認識し、印刷対象特定部35を起動して、該当するデータサーバを特定する。次に、該当する出版社のデータサーバ1に通信部33とネットワーク6を介してアクセスし、当該書籍の書籍内容データを要求する。
書籍内容データを要求された出版社のデータサーバ1では、該当する書籍内容データがデータベース12に記憶されているか否かを検索する。当該書籍内容データが記憶されている場合には、データサーバ1はデータベース12に記憶されている当該書籍内容データを管理サーバ5に送信する。
【0098】
管理サーバ5の主制御部30は、ネットワーク6と通信部33を介して受信した当該書籍内容データを一時的に記憶部32に記憶させる。
主制御部30は、印刷対象特定部35を起動して、対象とする製本システム14が書籍購入要求があった当該端末13が設置されている書店に設置されている製本システムであることを特定する。そして、当該製本システム14が特定できたら、記憶部32に記憶されている当該書籍内容データを読み出し、データ変換部31を起動して、当該書籍内容データを印刷用PS(ポストスクリプト)データに変換し、通信部33とネットワーク6を介して当該製本システム14に送信する。
【0099】
次に、図4は端末13の構成例を示すブロック図である。図において、40は全体の動作を制御する主制御部、例えばCPUとこれを動作させるプログラムとにより構成することができる。41は本文(書籍内容データ)情報の他に各種の情報を表示する表示部であり、例えばCRTや液晶表示器が用いられる。42は閲覧用データ及びその他の情報を記憶する記憶部であり、例えばハードディスク装置が用いられる。43は外部との通信を行なうための通信部であり、適宜の通信プロトコルによりデータの授受を行うネットワークインターフェースなどにより構成することができる。44は各種のコマンド等を入力する操作部であり、例えばキーボードやタッチパネル等が用いられる。これら各構成要素は、パス45で相互接続されている。
【0100】
このように構成されたシステムにおいて、端末13は管理サーバ5に対して、閲覧したい本を要求する。この時、閲覧要求と同時に、書籍名、出版社、著者等がサーバ5に対して送信される。管理サーバ5から前記手順により閲覧用データが送られてくると、主制御部40は、送られてきた閲覧用データを記憶部42に記憶し表示部41に表示する。そして、操作部44から管理サーバ5に書籍購入要求を出し、管理サーバ5が製本システム14に製本開始指令を出すことにより、製本システム14は、くるみカバーを装丁して一冊の本を製本する。製本された本は、書店で購入者に渡され、購入者は、所定の本代を支払う。支払われた本代の一部は、出版社及び管理会社に支払われることになる。
【0101】
図5は製本システムの一実施の形態例の構成を機能面でまとめたブロック図である。図に示す製本システムは、本発明の画像形成部を含む画像形成装置100と、本発明のくるみ手段を含む製本装置200とから構成されている。
この実施形態では画像形成装置100は、本発明の書籍内容画像形成部と表紙表示画像形成部とを兼ねている。画像形成装置100において、101は外部ネットワークと通信を行なうネットワーク通信手段101aを含むデータ入力部であり、本発明の書籍内容データ入力部と表紙表示データ入力部を構成している。102は、データ入力部101を通して入力された書籍データ(書籍内容データと表紙表示データとからなる)を記憶する書籍データ記憶手段であり、ハードディスク装置などにより構成される。103は、書籍内容を記録用紙に面付け(画像データの割り付け)を行なう面付け手段であり、CPUおよびこれを動作させるプログラムにより構成することができる。104は背表紙の厚さに応じてくるみカバーの割り付け位置(表表紙と裏表紙の画像又は文字の割り付け位置)を計算する表紙の画像形成位置決め手段であり、同じくCPUおよびこれを動作させるプログラムにより構成することができる。105は記録用紙およびくるみカバーに画像を形成する画像形成部であり、記録用紙画像形成部および表紙表示画像形成部を構成する。該画像形成部105としては、例えば感光体ドラムに静電潜像を形成させ、静電潜像に応じた現像を行ない、現像されたトナー画像を製本用紙に転写する画像書き込み機構が用いられる。カラー画像形成装置の場合には、前記トナーとしては、例えばY、M、C、Kトナーが用いられる。
【0102】
画像書き込みユニットは、例えば、レーザーダイオード(LD)、該LDの出力光を回転しながら反射するポリゴンミラー、該ポリゴンミラーの反射光を受ける光学ユニット、該光学ユニットを通過したレーザ光を感光体ドラム上に書き込むミラーから構成されている。画像書き込みユニットでは、その他に感光体ドラム表面に一様帯電させる帯電器、感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像器、現像されたトナー像を用紙に転写する転写器、感光体ドラムの表面に残っているトナー等をクリーニングするクリーニング部、用紙に画像を定着させる定着部等を備える。また、画像形成装置では、用紙の両面に画像形成を行うように用紙を逆転して搬送する両面機構も備えている。上記した画像書き込みユニットとしての機構は、画像形成装置において既知のものを利用することができる。
【0103】
110は製本のための操作を行なう操作手段であり、操作キーやタッチパネルにより構成することができる。
操作手段110は、コマンド等を入力する入力手段111、各種情報を表示する表示手段112、音声ガイドを流すための音声ガイド手段113及び用紙厚みを登録する用紙厚み登録手段114より構成されている。用紙厚み登録手段114では、入力手段111を用いて用紙1枚の厚みを紙種毎に入力する。入力の単位としては、例えばmmが用いられる。入力された用紙の厚みデータは、内部のメモリに記憶され、後述の背表紙の厚みを計算するために用いられる。
なお、音声ガイド手段113は、適宜の音声がスピーカ(図示しない)を通して発せられるものであり、本発明における給紙等の禁止状態を通知する手段および書籍内容とカバーの識別情報の不対応を告知する通知手段としても機能する。また、本発明の画像形成装置は、通常の複写機として使用するコピーモードと、製本モードとが設定可能になっている。これらのモードの切り換えは、上記操作手段110において操作者が入力操作することにより行うことができる。
【0104】
記録用紙収納手段120は、記録用紙を収納しておく用紙トレイを備えており、さらに、該トレイ内の用紙の有無を検知する有無検知手段121、トレイ内の用紙のサイズを検知するサイズ検知手段122を備えている。記録用紙給紙手段123は用紙をトレイから繰り出す装置であり、給紙トレイから用紙を繰り出す繰り出し機構等や該記録用紙を画像形成部105に移送するローラ等から構成されている。
また、記録用紙収納手段120としては、手差しトレイを備えるものであっても良い。手差しトレイは、紙を曲げる工程が少ないので厚みのある記録用紙を搬送するのに好適である。
【0105】
画像形成装置100に備えるくるみカバー収納手段130は、画像形成に供する専用または汎用くるみカバーを収納しておくトレイを備えており、さらに、該トレイ内の用紙の有無を検知する有無検知手段131、トレイ内の用紙のサイズを検知するサイズ検知手段132を備えている。133は、くるみカバーに付与されている識別情報を読み取る識別情報読み取り手段であり、識別情報の付与方法により適宜の装置が用いられる。例えば、CCDによる光学読み取りにより情報を入手する装置が用いられる。くるみカバー給紙手段134はトレイからくるみカバーを繰り出す装置であり、トレイからくるみカバーを繰り出す繰り出し機構や該くるみカバーを画像形成部105に移送するローラ等から構成されている。
なお、くるみカバー収納手段130においても複数のトレイを有するものであってもいよい。各トレイでは、サイズの異なる複数種類のくるみカバーを収容したり、トレイ毎に専用くるみカバー、汎用カバーを収容することができる。
また、くるみカバー収納手段130としては、手差しトレイを備えるものであっても良い。手差しトレイは、紙を曲げる工程が少ないので厚みのあるくるみカバーを搬送するのに好適である。
【0106】
また、前搬送手段140は、画像形成された記録用紙およびくるみカバーをそれぞれ画像形成装置100から製本装置200に搬送する装置であり、それぞれ本発明の記録用紙搬送手段およびくるみカバー搬送手段の一部を構成している。
【0107】
145は製本装置200側のシリアル通信手段245と接続されるシリアル通信手段である。さらに150は、画像形成装置100の各構成要素を制御する画像形成装置制御手段である。該画像形成装置制御手段150としては、例えばCPUおよびこれを動作させるプラグラムにより構成することができる。本発明では、画像形成装置100側に画像形成装置全体の動作を制御する画像形成装置制御手段150を設け、製本装置200側に製本装置全体の動作を制御する製本装置制御手段250を後述するように設け、これら画像形成装置制御手段150と製本装置制御手段250間をシリアル通信手段145、245で接続している。これにより、画像形成装置100と製本装置200との連携をスムーズに行なうことができる。
【0108】
次に、製本装置200では、前記した画像形成装置100のシリアル通信手段145と接続されてシリアル通信手段245を備えている。
後搬送手段220は、画像形成装置100で画像形成され、前搬送手段140で搬送された記録用紙およびくるみカバーをさらに、製本装置200内で引き続きくるみ手段204にまで搬送するものであり、前搬送手段140と後搬送手段220とにより本発明の記録用紙搬送手段とくるみカバー搬送手段が構成されている。
【0109】
201はプリントされた用紙を集積する集積手段、202は印刷がすんだ製本用紙を整える整合手段、203は製本用紙の背表紙部分に糊付けを行なう糊付手段、204はくるみカバーを製本に装丁するくるみ手段、205は製本された本が規定のサイズに収まるように端部を断裁する断裁手段であり、小口断裁手段および三方断裁手段として機能する。206は、製本された本を収納する製本収納手段である。207は記録用紙を中折り方式で行なう場合、中折りを行なう中折り手段である。
【0110】
240は製本完了をカウントする製本完了カウント手段、241は用紙の集積枚数をカウントする集積枚数カウント手段である。製本完了カウント手段240は、製本完了をカウントすると、その情報に書籍を特定する情報を付加してネットワーク6を介して管理サーバ5の課金処理部36に通知する。該課金処理部36は、ネットワーク6を介して製本完了カウント手段240からの信号を受けて、本の冊数に応じた課金処理を行なう。集積枚数カウント手段241は、前記集積手段201に集積された記録用紙の枚数をカウントするものであり、カウント結果は、シリアル通信手段245、145を介して画像形成装置100の画像形成位置決め手段104に通知される。
さらに、250は、前述した各構成要素と接続され、製本制御を行なう製本装置制御手段である。該製本装置制御手段250としては、例えばCPUおよびこれを動作させるプログラムにより構成することができる。
【0111】
上記の製本システムでは、一つの使用法としては、画像形成装置100をカラープリンタとし、書籍内容データと表紙表示データとを、それぞれ記録用紙と、くるみカバーに印刷し、インラインで製本装置に搬送し、くるみ製本する。
また、他の使用法として、画像形成装置100をモノクロプリンタとし、書籍内容データを記録用紙に印刷し、表紙表示データは汎用デザインでオフセット印刷したくるみカバーに墨入れ印刷し、両者インラインで製本装置に搬送し、くるみ製本する。
【0112】
図6は、図5に示す製本システムの変更例であり、上記くるみカバー収納手段130に変えて、製本装置200にくるみカバー収納手段230を設けたものである。
すなわち、製本装置200は、印刷または画像形成が完了した専用くるみカバーを収納しておく、くるみカバー収納手段230を備えている。
くるみカバー収納手段230は、くるみカバーを収納しておくトレイを備えており、さらに、該トレイ内の用紙の有無を検知する有無検知手段231、トレイ内の用紙のサイズを検知するサイズ検知手段232を備えている。233は、くるみカバーに付与されている識別情報を読み取る識別情報読み取り手段であり、識別情報の付与方法により適宜の装置が用いられる。例えば、CCDによる光学読み取りにより情報を入手する装置が用いられる。くるみカバー給紙搬送手段234はくるみカバートレイから繰り出して搬送する装置であり、トレイからくるみカバーを繰り出す繰り出し機構や該くるみカバーを後述するくるみ手段204に移送するローラ等から構成されている。上記有無検知手段231、サイズ検知手段232、識別情報読み取り手段233は、前記した有無検知手段131、サイズ検知手段132、識別情報読み取り手段133と同様の構成とすることができる。
【0113】
上記の製本システムの使用法としては、画像形成装置100をモノクロプリンタとし、書籍内容データを記録用紙に印刷し、インラインで製本装置に搬送するとともに、表紙表示データは汎用デザインでオフセット印刷したくるみカバーを製本装置において給紙して、くるみ製本する方法が挙げられる。
【0114】
図7は、さらに図5に示すシステムの変更例であり、画像形成装置側での上記くるみカバー収納手段130に加えて、製本装置200側にくるみカバー収納手段230を備えている。さらに、上記と同様に、有無検知手段231、サイズ検知手段232、識別情報読み取り手段233、くるみカバー給紙搬送手段234を備えている。くるみカバー給紙搬送手段234は、くるみカバー収納手段230に収納されたくるみカバーを製本装置200内で引き続きくるみ手段204にまで搬送するものである。
なお、くるみカバー手段130とくるみカバー手段230とは、使用するくるみカバーの種別(画像形成の有無)によって択一的に使用される。
この製本システムでは、図5、6に示す製本システムの上記使用法を適宜選択することができる。
【0115】
図8は、図5〜7の製本システムの機械的構成例を示す図である。図5〜7と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、100が画像形成装置、200が製本装置である。画像形成装置100において、160は原稿を自動的に原稿読み取りユニットに送り出す自動原稿送り装置(ADF)である。自動原稿送り装置160の上段トレイ161に載置された原稿は、回転部162で巻き取られて回転される間に原稿読み取りユニット163で読み取られ、読み取られた原稿は搬送部により、下段トレイ164に排紙される。
両面原稿の場合には、回転部162で再度巻き取られ、更に回転される間に裏面の原稿が原稿読み取りユニット163で読み取られる。或いは、ガラス面のプラテン上に原稿がセットされ、原稿読み取りユニット163で走査されて読み取られる。163は自動原稿送り装置160から送られた原稿を読み取る原稿読み取りユニットである。これら自動原稿送り装置160と原稿読み取りユニット163は本発明の構成要素ではないので、これ以上の説明は省略する。
【0116】
170、171、172は用紙が載置されている記録用紙収納手段120またはくるみカバー収納手段130としての給紙トレイである。このように複数の給紙トレイが設けられているのは、サイズの異なる複数種類の用紙を用いる必要があるためである。ここでは、給紙トレイ172に載置されている用紙が用いられる場合について説明する。174は給紙トレイ172に載置されている用紙を繰り出す繰り出し部である。具体的には、繰り出し部174としては、ローラが用いられる。給紙トレイ172と繰り出し部174とで図5の記録用紙収納手段120またはくるみカバー収納手段130を構成している。175は、給紙トレイ172から繰り出された用紙をレジストローラ176まで搬送する給紙部である。
180は感光体ドラム181上に画像を書き込む画像書き込みユニットである。該画像書き込みユニット180は、レーザーダイオード(LD)、該LDの出力光を回転しながら反射するポリゴンミラー、該ポリゴンミラーの反射光を受ける光学ユニット、該光学ユニットを通過したレーザ光を感光体ドラム181上に書き込むミラーから構成されている。181は前述した感光体ドラム、182は感光体ドラム表面に一様帯電させる帯電器である。
【0117】
183は感光体ドラム181に形成された静電潜像を現像する現像器、183は現像されたトナー像を用紙に転写する転写器、184は感光体ドラム181の表面に残っているトナー等をクリーニングするクリーニング部である。185は画像が転写された用紙を搬送する搬送部、186は搬送部185を介して搬送されてきた用紙を受けて画像を定着させる定着部である。搬送部185を含み、画像形成装置100の出口側までの搬送部とにより、図5〜7の前搬送手段140を構成している。
【0118】
188は、定着された用紙を両面コピーモード時の時に逆転搬送部190に用紙を送り出すための切替器である。該切替器188は.片面プリントモード時、又は両面プリントが終了した時には、用紙を製本装置200側に送り出す。190は前記した逆転搬送部である。189は、画像形成装置100側からの用紙を排紙する排紙ローラである。173は、手差しトレイである。図は、手差しトレイ173が閉じた状態を示している。使用する場合には、この手差しトレイ173を下に倒して開き、用紙を手差しする。この手差しトレイ173は、紙を曲げる工程が少ないので厚みのあるくるみカバーを搬送するのに好適である。150は、画像形成装置全体の動作を制御する画像形成装置制御手段としての制御部である。
【0119】
次に、製本装置側の構成について説明する。260、261は画像形成装置100側から送られてきた用紙を搬送する搬送部である。これら搬送部260、261によって、図5〜7の後搬送手段220を構成する。
270は搬送部260〜261から送られてきた用紙を集積すると共に、整合し、用紙の背表紙部分に糊付けしてくるみ製本する糊付くるみ製本部である。該糊付くるみ製本部270は、図5〜7に示す構成要素の内の、集積手段201、整合手段202、糊付手段203、くるみ手段204、中折り手段207を兼ねた構成となっている。205は糊付くるみ製本部270から送られてくる製本の体裁を整えるために、不要部分を断裁する断裁手段としての断裁部である。206は、該断裁部205で断裁された製本を収納する収納手段としての収納部である。収納部206は、製本が収納される度にその位置が図に示すように下部に移動するようになっている。
【0120】
280はくるみカバーを載置する第1のくるみカバー給紙トレイ、281は他の種類のくるみカバーを載置する第2のくるみカバー給紙トレイであり、図6、7に示すくるみカバー収納手段230を構成している。図8においては、くるみカバー有無検知手段231、サイズ検知手段232、識別情報読み取り手段233は図示されていない。282、283はこれらくるみカバー給紙トレイ280、281出口側に設けられた繰り出し手段としての繰り出しローラである。これら、くるみカバー給紙トレイ280、281、繰り出しローラ282、283、搬送部261とでくるみカバー給紙搬送手段234を構成している。250は製本装置200の全体の動作を制御する製本装置制御手段としての制御部である。
【0121】
上記の製本システムでは、一つの画像形成装置と、製本装置とを備えるものについて説明したが、記録用紙への画像形成とくるみカバーへの画像形成を行う画像形成装置をそれぞれ備えるものであってもよい。以下に、記録用紙用の画像形成装置とくるみカバー用の画像形成装置をそれぞれ備える製本システムについて説明する。
【0122】
図9は、画像形成装置100および画像形成装置300と製本装置200を備える製本システムを示すブロック図である。なお、前記した製本システムと同様の構成については同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
上記製本システムでは、画像形成装置100は、記録用紙への画像形成を行う書籍内容画像形成部として機能する。また、画像形成装置300は、くるみカバーへの画像形成を行う表紙表示画像形成部として機能する。画像形成装置100では、画像形成を行う記録用紙を収納する記録用紙収納手段120を有しており、画像形成された記録用紙をインラインで製本装置200に搬送する記録用紙前搬送手段141を備えている。一方、画像形成装置300では、画像形成を行うくるみカバーを収納するくるみカバー収納手段330を有しており、画像形成されたくるみカバーをインラインで製本装置200に搬送するくるみカバー前搬送手段340を備えている。くるみカバー収納手段330は、画像形成に供する専用または汎用くるみカバーを収納しておくトレイを備えており、さらに、該トレイ内の用紙の有無を検知する有無検知手段331、トレイ内の用紙のサイズを検知するサイズ検知手段332、くるみカバーに付与されている識別情報を読み取る識別情報読み取り手段333を備えている。識別情報読み取り手段333には、識別情報の付与方法により適宜の装置が用いられ、例えば、CCDによる光学読み取りにより情報を入手する装置が用いられる。くるみカバー給紙手段334はトレイからくるみカバーを繰り出す装置であり、トレイからくるみカバーを繰り出す繰り出し機構や該くるみカバーを表紙表示用の画像形成部305に移送するローラ等から構成されている。上記画像形成部305は、前記した画像形成部105と同様の構成とすることができる。
【0123】
また、記録用紙前搬送手段141およびくるみカバー前搬送手段340は、画像形成された記録用紙およびくるみカバーをそれぞれ画像形成装置100、300から製本装置200に搬送する装置であり、それぞれ本発明の記録用紙搬送手段およびくるみカバー搬送手段の一部を構成している。なお、製本装置200には、記録用紙後搬送手段221、くるみカバー後搬送手段222を備えており、上記記録用紙前搬送手段141またはくるみカバー前搬送手段340で搬送される記録用紙またはくるみカバーをくるみ手段204に搬送する。
また、画像形成装置300では、表紙表示データ入力部301を有しており、該入力部301では、ネットワーク通信手段301aを介してネットワークを通した表紙表示データの入力が可能になっており、入力された表紙データを記憶する表紙データ記憶手段302を備えている。また、画像形成装置300では、画像形成装置100と同様にシリアル通信手段345を備え、製本装置のシリアル通信手段245と通信可能となっている。
【0124】
また、画像形成装置300において、302は、データ入力部301を通して入力された表紙表示データを記憶する表紙表示データ記憶手段であり、ハードディスク装置などにより構成される。303は、表紙表示をくるみカバーに面付け(画像データの割り付け)を行なう面付け手段であり、CPUおよびこれを動作させるプログラムにより構成することができる。304は背表紙の厚さに応じてくるみカバーの割り付け位置(表表紙と裏表紙の画像又は文字の割り付け位置)を計算する表紙の画像形成位置決め手段であり、同じくCPUおよびこれを動作させるプログラムにより構成することができる。
上記面付け手段303、画像位置決め手段304、操作手段310、入力手段311、表示手段312、音声ガイド手段313、用紙厚み登録手段314は、画像形成装置100に備える面付け手段103、画像位置決め手段104、操作手段110、入力手段111、表示手段112、音声ガイド手段113、用紙厚み登録手段114と同様の構成とすることができる。350は、画像形成装置300の全体の動作を制御する製本装置制御手段としての制御部である。
【0125】
上記の製本システムでは、一つの使用法としては、画像形成装置100にて書籍内容データを記録用紙に印刷し、インラインで製本装置に搬送する。一方、画像形成装置300では、表紙表示データを全体印刷または墨入れするようにくるみカバーに印刷し、インラインで製本装置200に搬送して前記記録用紙とともにくるみ製本する。
【0126】
次に、図9の製本システムの変更例として、上記製本システムの構成に加えて、製本装置200に、くるみカバー収納手段230を備える製本システムを図10に基づいて説明する。
図10は、該製本システムを示すブロック図であり、前記製本システムと同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
該製本システムでは、画像形成装置300にくるみカバー収納手段330を備えるとともに、製本装置200においても、くるみカバー収納手段230を備えており、該くるみカバー収納手段230に伴って、用紙の有無を検知する有無検知手段231、用紙のサイズを検知するサイズ検知手段232、くるみカバーに付与されている識別情報を読み取る識別情報読み取り手段233、くるみカバー給紙搬送手段234を備えている。これらは前記した製本システム(図6、図7)と同様の構成とすることができる。
上記くるみカバー収納手段230と、くるみカバー収納手段330とは選択的に使用される。くるみカバー収納手段230に収納されたくるみカバーを用いる場合には、前記した製本システムと同様に、画像形成装置200において、くるみカバーに全体印刷するか、汎用デザインでオフセット印刷したくるみカバーに墨入れ印刷して、インラインで製本装置200に搬送し、画像形成装置100で印刷されてインラインで製本装置200に搬送された記録用紙とともにくるみ製本する。一方、くるみカバー収納手段330に収納されたくるみカバーを使用する場合には、オフセット印刷により印刷が完了したくるみカバーをくるみカバー給紙搬送手段234によってくるみ手段204に搬送するとともに、画像形成装置100で印刷されてインラインで製本装置200に搬送された記録用紙とともにくるみ手段204にてくるみ製本を行う。
【0127】
図11は、上記各製本システムにおいて使用されるくるみカバーの種類を示す図である。図において、(a)は専用くるみカバー、(b)は汎用くるみカバーである。図の(a)において、50はくるみカバー、51は書籍名、52は表表紙エリア、53は裏表紙エリア、54は背表紙エリアを示している。55はくるみカバー50に付された本の値段等を示すバーコードである。これに対して、(b)に示す汎用くるみカバー60は、書籍名等の印刷がなされておらず、汎用デザインを用いたものとなっており、複数種類の本の装丁に用いることが可能となっている。
専用のくるみカバー50における「くるみ製本」という書籍名等は、くるみカバー50に予め印刷しておいて、表紙の表示が完了したものとしてもよいし、本発明システムの画像形成装置100、300を用いて、専用くるみカバー50にプリントするようにしてもよい。オフセット印刷等によって表紙の表示が完了しているくるみカバーは、通常、製本装置200に備えるくるみカバー収納手段230に収容しておく。一方、汎用くるみカバー60または墨入れ等によって表示の追加を行う専用くるみカバー50は、画像形成装置100におけるくるみカバー収納手段130や画像形成装置300におけるくるみカバー収納手段330に収納しておく。
【0128】
次に、上記製本システムにおける製本工程を説明する。
このように構成されたシステムでは、端末13からの要求に従って、前述したように管理サーバ16から印刷用データに変換した書籍内容データおよび表紙表示データが送られる。図5〜8に示す製本システムでは、画像形成装置制御手段150によって、上記データを一時的にデータ記憶手段102に記憶し、必要に応じて面付け手段103において、記録用紙、くるみカバーに形成する画像の面付けを決定し、その後、画像形成装置100において記録用紙70およびくるみカバー50またはくるみカバー60への画像形成を行い、製本装置200において、図12に示すように、上記記録用紙70に背糊付けをして背糊付け部71を設け、前記背糊付け部71にくるみカバー50または60を接着してくるみ製本を行い、所望の書籍80を得る。なお、くるみカバーへの表紙表示の印刷がオフセット印刷等によって完了している場合には、上記表紙表示データの送受信や面付け、くるみカバーへの画像形成は省略される。
【0129】
また、図9、図10に示す製本システムでは、管理サーバ16から印刷用データに変換した書籍内容データが画像形成装置100に送られ、表紙表示データは画像形成装置300に送られる。画像形成装置100においては、画像形成装置制御手段150によって書籍内容データを一時的にデータ記憶手段102に記憶し、必要に応じて面付け手段103において、記録用紙に形成する画像の面付けを決定し、その後、画像形成装置100において記録用紙70への画像形成を行い、製本装置200に搬送する。画像形成装置300では画像形成装置制御手段350によって、表紙表示データを一時的にデータ記憶手段302に記憶し、必要に応じて面付け手段303において、くるみカバーに形成する画像の面付けを決定し、その後、画像形成装置300においてくるみカバー50またはくるみカバー60への画像形成を行い、製本装置200に搬送する。製本装置200では、画像形成装置100から搬送される記録用紙と、画像形成装置300から搬送されるくるみカバーとを受けて、記録用紙70に背糊付けをし背糊付け部71を設け、該背糊付け部71にくるみカバー50または60を接着してくるみ製本を行い、所望の書籍80を得る。なお、この製本システムにおいてもくるみカバーへの表紙表示の印刷がオフセット印刷等によって完了している場合には、上記表紙表示データの送受信や面付け、くるみカバーへの画像形成は省略される。
【0130】
以下に、上記製本工程を図15のフローチャートに従ってさらに詳細に説明する。該フローチャートは、本文(書籍内容データ)とくるみカバーに画像形成し、くるみ製本まで仕上げるシステムの動作を示している。動作主体としては、図5〜図10に示す製本システムが用いられる。判断主体としては、画像形成装置100側の画像形成装置制御手段150または画像形成装置300側の画像形成装置制御手段350と、製本装置200側の製本装置制御手段が用いられる。
なお、該動作においては、フローチャートには示されていないが、フローチャートに示す処理に先立って必要に応じて面付け処理を行う。なお、記録用紙に面付けを行うことなくそのまま画像の形成を行う場合には、面付け処理を省略してもよい。
【0131】
図13は、記録用紙に面付けを行う際の例を示すものである。面付けとは、画像データを割り付けることをいい、画像形成装置100の面付け手段103や画像形成装置300の面付け手段303により行なわれる。(a)は記録用紙70に対し両面2面付けを行う状態を示し、(b)は両面中折り4面付けの場合を示す。これら(a)に示す両面2面付けの場合は、記録用紙70をそのまま整合するだけでよい。これに対して、(b)に示す両面中折り4面付けの場合には、製本装置200の中折り手段207(図5参照)により記録用紙70を中折りすることによって4面が形成されるので、用紙にプリントする場合には、後で中折りした状態で、図14に示すように頁が位置するように面付けを行う。即ち、中折りした状態で、外面側に4N+1頁目と4N+4頁目が位置し、内面側に4N+2頁目と4N+3頁目(Nは0を含む整数)が位置するように4面付けがされている。このようにすることによって、中折り手段207により中折りした場合に、各頁が順序よく並んだ画像が形成できる。このようにすれば、単純に両面プリントする場合と比較して、1/2のプリントコストが実現できる。
【0132】
次に、面付け後の動作を図15に示すフローチャートに従って説明する。該動作では、本文(書籍内容データ)の画像形成が1部完了したら、背糊付け処理を実行し、くるみカバーに画像形成し、くるみ処理を行なう。なお、本発明としては、先にくるみカバーに画像形成を行なって待機させておき、本文(書籍内容データ)の画像形成が1部完了したら、背糊付け処理を実行し、くるみ処理を行なうようにしてもよい。
【0133】
先ず、製本システム14は、本文(書籍内容データ)の画像形成が1部完了したかどうかチェックする(ステップS1)。1部完了していない場合には、画像形成を続行する必要がある。即ち、記録用紙収納手段120から、記録用紙給紙手段123によって記録用紙を繰り出し(ステップS2:第1給紙処理)、画像形成手段105に対し、用紙をレジストし、給紙する(ステップS3:第2給紙処理)。そして、画像形成装置100では、書籍データ記憶手段102に記憶されている書籍内容データに基づいて画像形成手段105により画像を形成する処理を行い、画像形成装置300を用いる場合は、書籍データ記憶手段302に記憶されている書籍内容データに基づいて画像形成手段305により画像を形成する処理を行う(ステップS4)。
【0134】
次に、画像形成が終了したら、該記録用紙を前搬送手段140または記録用紙前搬送手段141により、製本装置200側へ搬送し、さらに製本装置200側では、後搬送手段220または記録用紙後搬送手段221により集積手段201へと搬送する(ステップS5)、集積手段201に集積する(S6)。整合手段202は、集積手段201に集積された記録用紙の整合処理を行なう(ステップS7)。以上の画像形成処理を1部完了する迄必要な回数だけ繰り返す。
【0135】
そして、記録用紙への本文の画像形成が1部完了した場合には、くるみカバーによるくるみ処理へと移行していく。なお、このフローチャートでは示していないが、くるみ処理に先だって必要に応じてくるみカバーの位置合わせ処理が行われる。なお、くるみカバーとして専用のくるみカバーが使用され、該くるみカバーのサイズが表紙として必要とされるサイズに正に合致する等の場合には、上記位置合わせ処理を行う必要はない。
【0136】
図16はくるみカバー50の位置合わせの説明図である。(a)は画像形成位置センター基準で合わせる場合を、(b)と(C)は画像形成位置突き当て基準で合わせる場合をそれぞれ示している。このような位置合わせは、画像形成装置100の画像形成位置決め手段104または画像形成装置300の画像形成位置決め手段304が行なう。(a)に示す位置合わせの場合、背表紙の真ん中をセンター基準として位置合わせをする。したがって、余った部分は表表紙と裏表紙をはみ出した小口51となる。この小口部分は、内部に折り込んだり、後述するように製本装置200の断裁手段205(図5参照)により断裁したりして調整をし、体裁を整える。
【0137】
図16(b)に示す位置合わせの場合、表表紙の左端を表表紙突き当て基準としている。この結果、余った部分は裏表紙の小口51となる。この場合には、この小口部分を同じく断裁手段205により断裁して調整をする。図16(C)に示す位置合わせの場合、裏表紙の右端を裏表紙突き当て基準としている。この結果、余った部分は表表紙の小口51となる。この場合には、この小口部分を断裁手段205により断裁して調整される。
このようにすれば、背表紙の厚みや用紙サイズを基に、センター基準の位置決め方法や、突き当て基準の位置決め方法を実現することができる。
【0138】
ここで、くるみカバーのサイズを図16(a)に示すようにP1、P2とし、背表紙厚さをP3とする。この場合において、くるみカバーは、短辺P2が所定の用紙サイズの一辺と同じ長さで、長辺が所定の用紙サイズの他の一辺(P1)の2倍と背表紙の厚みP3を加えた長さである。このようにすれば、ぺージ数と紙種を管理することで、図17(a)に示すように、背表紙の厚みを一定にし、断裁不要なぴったりサイズのくるみカバー50を提供することができる。
【0139】
なお、くるみカバーの表表紙エリアと、背表紙エリアと、裏表紙エリアは、表紙表示データとして大きさを定めておくことができる。ただし、背表紙エリアは、記録用紙の総厚みによって厚さが異なってくる。このため、前記用紙厚み登録手段114、314に登録した厚みデータと、前記集積枚数カウント手段241でカウントした枚数データとから、前記背表紙の厚みを計算することができる。この計算は、製本装置制御手段250が行なう。
【0140】
このようにすれば、給紙トレイ毎に、セットした用紙の厚みを登録可能にして、画像形成した用紙の枚数から、背表紙の厚みを確実に知ることができる。
例えば、用紙の厚みをT、用紙枚数をKとすると、背表紙の厚みはT×Kとなり、くるみカバーの背表紙の厚みを計算することができ、センター基準、突き当て基準時に背表紙の厚みから各エリアの割り当てを容易に行うことができる。
また、書籍データ記憶手段102に記憶された書籍内容データから書籍頁数データを読み取り、用紙厚み登録手段114、314に登録された厚みデータをもとに背表紙の厚みを計算することができる。このようにすれば、背表紙の厚みを早期に知ることができる。
【0141】
次に、くるみ処理に移行するため、図15のフローチャートに示すように、集積、整合された記録用紙に背糊付け処理を行う(ステップS8)。該背糊付け処理では、図12(a)に示すように、集積、整合された記録用紙70の背の部分に糊を付けて背糊付け部71を設ける。なお、記録用紙を中折りする場合には、背糊付け処理に先立って製本装置200における中折り手段207を用いて例えば図13に示すように記録用紙を中折りし、この中折りした用紙の背表紙部分に糊付けする。
【0142】
背糊付け処理が終了したら、製本装置制御手段250では、シリアル通信手段345、245、145を介して画像形成装置100または画像形成装置300に対し、くるみカバーの用意を要求する。画像形成装置制御手段150または250では、必要に応じてくるみカバーへの画像形成を実行する。
先ず、くるみカバー収納手段130または330に収容されているくるみカバーをくるみカバー給紙手段144または344によって繰り出す第1給紙処理(ステップS9:)を行う。次に、くるみカバーをレジストし、画像形成部105または画像形成部305に給紙する第2給紙処理を行なう(ステップS10)。給紙されるくるみカバーには、画像形成手段105、305により画像形成処理を行われる(S11)。くるみカバーへの画像処理では、くるみカバーへの表紙表示の形成または追加を行う。すなわち、前記くるみカバーに所定の印刷又は画像形成がなされている場合には、前記画像形成装置100、300で前記所定の印刷又は画像形成面に重ねて画像形成することができる。このようにすれば、くるみカバーは事前に汎用デザインでオフセット印刷等により印刷したものに必要事項を重ね合わせて画像形成し、くるみ製本まで仕上げるシステムを提供することができる。
【0143】
なお、画像形成部105がカラープリンタである場合、一つの画像形成部によって記録用紙への画像形成と、くるみカバーへの表紙表示の画像形成を行うことができる。
また、画像形成部105がモノクロプリンタである場合に、前記所定の印刷又は画像形成はカラー印刷又はカラープリントであり、前記重ね合わせ画像形成がモノクロプリントであるようにすることができる。このようにすれば、汎用デザインでカラー印刷したものをベ一スに、固有情報をモノクロプリンタで墨入れするシステムを提供することができる。
さらに、画像形成部105と画像形成部305を備える場合、画像形成部105で記録用紙への画像形成を行い、画像形成部305でくるみカバーへの表表紙の画像形成を行うように役割を分担することができる。
ここで、「印刷」とはオフセット印刷等による画像形成をいい、「プリント」とは電子写真による画像形成をいう。
【0144】
なお、前記くるみカバーに形成する画像としては、書籍名、著者名、発行所(出版社)、価格、書店名、バーコード情報の、少なくとも1つを含むようにすることができる。このようにすれば、書籍名、著者名、発行所、(出版社)、価格、書店名、バーコード情報の中から必要な情報を重ね合わせてプリントすることができる。また、必要情報だけでなく固有情報もプリント可能とし、自分だけの本に仕上げることができる。この場合において、前記固有情報は、購入者の住所、氏名、メッセージ、購入日付の内の少なくとも1つであるようにすることができる。このようにすれば、固有情報としてプレゼント相手の氏名や日付はもとより、伝えたいメッセージも表紙にプリントすることができる。
【0145】
上記のようにして画像形成処理が終了したくるみカバーは、前搬送手段140またはくるみカバー前搬送手段340により製本装置200側へ搬送され、さらに製本装置200側で後搬送手段220またはくるみカバー後搬送手段221によりくるみ手段204へと搬送される(ステップS12)。次に、くるみ手段205では、搬送されてきたくるみカバーを先に背糊付け処理を行った記録用紙70の背糊付け部分71に押し当ててくるむ、くるみ処理を行なう(ステップS13)。
【0146】
くるみ処理が終了したら、本の体裁をとるものができあがることになる。そこで、断裁手段205では、例えば小口部分等の不要な部分の断裁処理を行ない、本としての体裁を整える(ステップS14)。この時、本文(書籍内容データ)部分もなめる(一緒に断裁する)ことにより、更に製本としての体裁を整えることが可能となる。なお、記録用紙への画像の面付けを行って中折を行うものでは、上記断裁に先立って中折手段207において必要な中折処理を行っておく。
上記断裁では、図16(a)、図17(b)に示すように、前記くるみカバーの短辺P2が所定の用紙サイズの一辺と同じで、長辺が所定の用紙サイズの他の一辺P1の2倍と背表紙の厚みP3を加えた長さより長い場合、記録用紙サイズよりはみ出た部分(小口51)を、断裁手段205により小口断裁を行う。
【0147】
また、図16(a)、図17(c)に示すように、前記くるみカバーの短辺P2が所定の用紙サイズの一辺より長く、長辺が所定の用紙サイズの他の一辺P1の2倍と背表紙の厚みP3を加えた長さより長くて三方が余っている場合には記録用紙サイズよりはみ出た部分を、断裁手段205にて三方断裁する。ここで、三方とは図に示すような小口51と、天52と、地53のことをいう。
このようにすれば、はみ出た部分を三方断裁することで、三方の体裁を向上させることができる。また、この場合、本文(書籍内容データ)もなめる(一緒に断裁すること)ことで更に体裁を向上させることができる。
【0148】
また、前記くるみカバーが記録用紙サイズよりはみ出た部分を、図示しない中折り手段によって内側へ折り返すようにして、断裁不要なくるみカバーとすることもできる。
【0149】
このようにしてでき上がった製本は、製本収納手段206に収納される(ステップS15)。これに伴い、製本完了カウント手段240は、カウントを1だけ更新して、管理サーバ5にネットワーク6を介してその旨(カウント情報と書籍を特定する情報)を通知する。
【0150】
管理サーバー5では、主制御部30は、書籍特定情報とカウント情報をもとに、課金処理部36を起動して課金処理を行なうとともに、記憶部32に一時的に記憶されていた当該書籍内容データを消去する。
製本された本は、顧客に渡され、顧客は本代を支払う。本代はその場で支払ってもよく、また管理サーバ5で課金情報を累積しておき、例えば月末に、該当する書店との間で書籍代金の精算を行なうなどの処理を行うこともできる。
【0151】
上記各実施形態のように、記録用紙への画像形成と、くるみカバーへの画像形成を共通する画像形成部で行うか、それぞれ異なる画像形成部で行うかは任意である。例えば、くるみカバーをカラープリンタで画像形成し、記録用紙をモノクロプリンタで画像形成する。それぞれ画像形成された用紙は、インラインで製本装置に搬送することができる。また、この他に、例えば、カラープリンタで画像形成したくるみカバーを製本装置のくるみカバー収納手段に収納し、モノクロプリンタで画像形成した記録用紙はインラインで製本装置に搬送するというように、一方のみをインラインで製本装置に搬送するものであってもよい。
【0152】
なお、上述の実施の形態例では、画像形成装置100または画像形成装置300で、くるみカバーに画像形成する場合について説明した。ただし、本発明はこれに限るものではなく、予めくるみカバーには、オフセット印刷等により画像形成しておき、このくるみカバーで用紙をくるむようにすることができる。以下に、具体的に説明する。
【0153】
図18はくるみカバーに画像形成することなくくるみ製本を行う手順を示すフローチャートである。この実施の形態では、本文(書籍内容データ)に画像形成し、くるみカバーは画像形成装置100を通さずに直接製本装置200側のくるみカバー収納手段230に収納し、製本装置内で搬送されて、くるみ製本まで仕上げる。この実施の形態では、整合処理は、途中整合処理(S71)とラスト整合処理(S72)とで整合条件を変えて、特にラスト整合処理に時間をかけて、次工程である背糊付け精度を向上させている。
くるみカバーは、上記のようにくるみカバー収納手段230に収納しておき、製本装置制御手段250からの給紙指令が与えられると、くるみカバー給紙搬送手段234によって繰り出され、くるみ手段204へと搬送するステップS20を有している。なお、その他のステップで図15と同様のものについては、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0154】
なお、くるみカバー収納手段230では、図19に示すように上積み・底送り方式とするのが望ましい。くるみカバー収納手段230に備える給紙トレイ230aでは上側からくるみカバー50が順次上積みされていく。そして、トレイ230aの底の方からはくるみカバー50が送り出される。このようにすれば、先積み・先送りとなり、書籍内容データと専用のくるみカバー50とが順番に対応付けられる。なお、上積み・底送り方式は、くるみカバー収納手段130に適用することも可能である。
【0155】
なお、上記各実施の形態において、所望によりくるみカバーの有無検知、サイズ検知によって制御する手順を含むことができる。図18の手順では、例えば画像形成処理(ステップS4)に含めて実行することができる。以下、詳細に説明する。
【0156】
この制御手順では、くるみカバーの有無は、くるみカバー収納手段230に設けられたくるみカバー有無検知手段231で検知される。くるみカバーのサイズ検知は、くるみカバー収納手段230に設けられたくるみカバーサイズ検知手段232で検知される。このようにすれば、くるみカバーの有無とくるみカバーサイズを検知することが可能となる。なお、検知の実行は、製本に際し給紙の対象となるくるみカバーの収納手段が対象となる。
【0157】
図20はくるみカバー無し又は所定外サイズ時の画像形成開始可否判断を示すフローチャートである。この実施の形態例では、くるみカバー有無検知手段がくるみカバー無しを検知していても、或いはくるみカバーサイズ検知手段が所定外サイズを検知していても、書籍モードであれば画像形成開始を許可するようにしたものである。判断の主体は、画像形成装置制御手段150または画像形成装置制御手段350である。
【0158】
先ず、画像形成開始信号が入力されたかどうかチェックする(S30)。画像形成開始信号は、画像形成装置制御手段150または250において、発せられる。
開始信号が入力された場合には、くるみカバーが有るか否かをくるみカバー有無検知手段においてチェックする(S31)。くるみカバーがない場合には、書籍モードであるかどうかをチェックする(S32)。書籍モードである場合には、くるみカバーがなくてもくるみカバー有りの場合と同じシーケンスに戻り、後述するステップS34に移行する。ここで、書籍モードとは、書籍を作成するモードのことで、この場合には、くるみカバーは別のプリンタで例えばカラープリントされている場合があるので、くるみカバーが無くても本文(書籍内容データ)の画像形成は行なう必要があるためである。
【0159】
ステップS32で書籍モードでない場合には、くるみカバー無しを警告し(S33)、画像形成開始可否判断を終了する。この警告の態様は、製本システムの操作パネル上にメッセージ又はアイコンを表示するか、製本システム内のブザーを鳴らすか、製本システム内のスピーカから音声ガイドを行なうか、製本システム上のパトライトを回転させるか、製本システムから管理者のパソコンへ電子メールで知らせるか、の中の少なくとも1つを用いる通知を行うことで実現できる。
ステップS34では、くるみカバーが有るか又はくるみカバー無しでも書籍モードである場合には、くるみカバーが所定サイズであるか否かをチェックする(S34)。くるみカバーが所定サイズでない場合には、書籍モードであるかどうかをチェックする(S35)。書籍モードである場合には、画像形成モードに戻りステップS37に移行する。書籍モードでない場合には、くるみカバーサイズの警告を行ない(S36)、画像形成開始可否判断を終了する。ステップS36における警告も上記と同様の通知により行うことができる。ステップS37では画像形成開始を許可する。
【0160】
本発明によれば、くるみカバー有無検知手段がくるみカバー無しを検知しても、書籍モードである場合には、書籍内容データの画像形成開始を許可することができる。このようにすれば、本文(書籍内容データ)をモノクロで、くるみカバーをカラーでというように、別々のプリンタでプリント開始する場合に備えて、くるみカバーが収納手段に事前にセットされていなくても、書籍内容データの画像形成を許可する制御方法を提供することができる。
【0161】
また、本発明によれは、くるみカバーサイズ検知手段が所定外サイズを検知しても、書籍モードである場合には、前記書籍内容データの画像形成開始を許可することができる。このようにすれば、違うくるみカバーをセットした場合でも、画像形成はとりあえず開始してもかまわないため、書籍内容データの画像形成開始を許可することができる。画像形成開始後において、くるみカバー無しまたはくるみカバーの所定外サイズを検知している場合には、くるみカバーの給紙は停止しておく。
【0162】
さらに、上記各実施の形態において、所望により、搬送処理、集積処理、整合処理(ステップS5〜S7)後、背糊付け処理(ステップS8)に、先立ってくるみカバーの有無検知、サイズ検知、識別情報読み取りによって制御する手順を含むことができる。
この制御手順により、適正なくるみカバーが収納手段に収納されていない場合、背糊付けを開始しないように制御することができる。以下、詳細に説明する。
【0163】
図21は、くるみカバー無し又は所定外サイズ又は識別情報不一致の場合の中断/再開処理を示すフローチャートである。なお、前記実施形態と同様の処理に関しては同一のステップ番号を付し、その説明を省略または簡略化する。
先ず、1部の本文(書籍内容データ)の作成が完了したかどうかがチェックされ(S1)、本文(書籍内容データ)作成が1部完了した場合には、くるみカバーが有るか否かをくるみカバー有無検知手段によりチェックする(ステップS40)。くるみカバーが無い場合には、くるみカバー無しを警告する(ステップS41)。この警告の態様は、前述したように、製本システムの操作パネル上にメッセージ又はアイコンを表示するか、製本システム内のブザーを鳴らすか、製本システム内のスピーカから音声ガイドを行なうか、製本システム上のパトライトを回転させるか、製本システムから管理者のパソコンへ電子メールで知らせるか、の中の少なくとも1つを用いることで実現することができる。くるみカバー無しを検知している場合には、背糊付け処理への移行は停止されている。
【0164】
ステップS40において、くるみカバーがある場合、くるみカバーサイズ検知手段はくるみカバーのサイズを検知する。そして、くるみカバーが所定のサイズであるかどうかをチェックする(S42)。もし、くるみカバーのサイズが合わないものであった場合には、くるみカバーサイズの警告を行なう(S43)。この警告の態様は、前述したものと同様である。くるみカバーの所定外サイズを検知している場合には、背糊付け処理への移行は停止されている。
【0165】
ステップS42において、くるみカバーサイズが所定のサイズであった場合には、識別処理を行なう(S44)。ここでいう識別処理とは、くるみカバーに識別情報(例えばID情報やバーコード情報)を印刷或いはプリントしておき、該識別情報を読み取り手段(例えばCCD)133、233または333により読み取り、書籍内データの識別情報と比較するものである。つまり、その本のためのくるみカバーであるかを確認するものである。そして、識別情報が一致したかどうかをチェックする(S45)。識別情報が一致しない場合には、識別情報不一致の警告を行なう(S46)。警告の態様は、前述したものと同様である。識別情報が一致しない場合には、背糊付け処理への移行は停止されている。
【0166】
ここまでの処理は、搬送、集積、整合処理を1部分完了したら、背糊付け処理を開始する前に、くるみカバーの有無、所定サイズか否か、書籍との識別情報が一致するか否かを判定するものである。ステップS45において識別情報の一致が確認されると、背糊付け処理(ステップS8)に移行する。
【0167】
なお、上記においてくるみカバー無し検知、くるみカバー所定外サイズ検知、識別情報不一致の状態にある場合、くるみカバーの入れ替え等によってくるみカバー有り検知、くるみカバー所定サイズ検知、識別情報一致の状態となった場合には、上記処理を続行するようにできる。
【0168】
次に、上記各実施の形態例では、背糊付け処理(ステップS8)が完了したら、くるみカバー給紙処理(ステップS9,10)に先立ってくるみカバーの有無検知、サイズ検知、識別情報読み取りによって制御する手順を含むことができる。 この制御手順により、適正なくるみカバーが収納手段に収納されていない状態では、背糊付けがなされていてもくるみ処理を開始しないように制御することができる。以下、詳細に説明する。
【0169】
図22に示すように、背糊付け処理(ステップS8)に先立って背糊付けが再開されたものであるかどうかをチェックする(S50)。背糊付け処理をした時点で、くるみカバーがなくなっている場合がある。たとえば、何らかの理由でくるみカバーが抜き取られた場合などである。この場合には、製本システムの動作は一時中断する。その時には、新たにくるみカバーを搬送してやる必要がある。ステップS50で背糊付けが後で再開されたものである場合には、背糊再加熱処理を行なって糊を溶かす(S51)。その後、背糊付けの再開でない場合と同様に、ステップS52に移行する。ステップS50において、背糊付けの再開でない場合には、背糊付け処理が行なわれる(S8)。
糊付け又は加熱による糊を溶かす処理を行った後、くるみカバーがあるかどうかくるみカバー有無検知手段によりチェックする(S52)。くるみカバーが無い場合には、くるみカバー無しを警告する(S53)。警告時の通知は、前記他の警告と同様に行うことができる。
【0170】
ステップS52でくるみカバーがある場合には、次ステップでくるみカバーサイズ検知手段によりくるみカバーが所定のサイズであるか否かをチェックする(S54)。
所定のサイズでない場合には、くるみカバーサイズの警告を行なう(S55)。警告時の通知は前記と同様である。所定のサイズである場合には、識別処理を行なう(S56)。この識別処理は、識別情報読み取り手段(例えばCCD)が行なうものであり、前述した識別処理と同様であり、くるみカバーと本文(書籍内容データ)の一致を判断する。そして、識別情報が一致するか否かをチェックする(S57)。一致しない場合には、識別情報不一致の警告を行なう(S58)。警告時の通知は前記と同様である。一致した場合には、くるみカバーの給紙を行なう(S9,10またはステップS20)。ここまでの処理は、背糊付け処理又は背糊再加熱処理が完了したら、くるみ処理を開始する前に、くるみカバーの有無、所定サイズが否か、識別情報が一致するか否かを判定するものである。
【0171】
そして、前記の実施の形態例と同様に、くるみ手段204によりくるみ処理を行ない(S13)、必要に応じて、図23に示すように断裁手段206により断裁を行ない(S14)、本文(書籍内容データ)までなめられて(一緒に断裁されて)体裁が整った書籍は、収納手段206に収納される(S15)。
このようにすれば、くるみカバーに識別情報を印刷或いはプリントし、該識別情報を読み取り装置で読み取り、書籍内容データの識別情報と比較し、比較結果に応じてくるみ工程を実行することができる。
【0172】
また、本発明によれば、前記整合した所定枚数の背糊付け動作完了後に、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー無しを検知した時、又は前記くるみカバーサイズ検知手段が所定外サイズを検知した時、くるみカバーの識別情報が不一致の時には、前記くるみ動作を開始しない。その後、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知し、前記くるみカバーサイズ検知手段が所定サイズと検知し、くるみカバーの識別情報の一致を確認した時には、製本装置制御手段250は背糊付け部71の一旦固まった糊を加熱して溶かしてからくるみ動作を開始することができる。
このようにすれば、背糊付け実行後に、くるみカバーが所定の給紙装置にセットされていなければ、一旦動作を中断し、再開後に固まった糊を加熱して溶かしてからくるみ工程を実行することができる。
【0173】
さらに、上記の実施の形態例における識別処理に際し、くるみカバーの識別情報不一致となる場合に、くるみカバーのサーチおよび専用くるみカバーから汎用くるみカバーへの変更処理を行うことができる。以下、説明する。
【0174】
図24は上記した識別処理を示すフローチャートである。判断主体は画像形成装置制御手段150または画像形成装置制御手段350もしくは製本装置制御手段250である。この場合には、先ず識別情報読み取り手段(例えばCCD)によりくるみカバーの識別情報(例えばID情報やバーコード情報)を読み取る(S60)。次に、書籍内容データの識別情報を書籍内容データから取得する(S61)。次に、くるみカバーと書籍内容データとの識別情報が一致するかどうかチェックする(S62)。双方の識別情報が一致した場合には、識別情報一致として次の処理へと移行する(S63)。
ステップS62で双方の識別情報が一致しなかった場合、くるみカバーが収納されている全収納手段の識別情報を確認したかチェックする(S64)。全給紙装置の確認が終わっていなかった場合、次収納手段のくるみカバー識別情報を読み取り(S65)、ステップS61に戻り識別情報の一致、不一致の確認処理をくる返す。ステップS64で全収納手段におけるカバー識別情報の確認がとれた場合、識別情報が一致するカバーが存在しないことになる。この場合、既に読みとった各収納手段の識別情報に汎用識別情報が含まれているか否かチェックする(S66)。
汎用識別情報があった場合には、識別情報が一致したものとして一致処理を行う(S63)。汎用識別情報がなかった場合には、識別情報不一致を確認する(S67)。
【0175】
このようにすれば、くるみカバー給紙装置がマルチトレイの場合には、各給紙装置を順番にサーチして、識別情報が一致するくるみカバーがセットされた給紙装置を選択することができる。また、一致した識別情報がなかった場合にも、汎用識別情報(オールマイティ)を有するくるみカバーがあれば、それを選択可能にし、くるみ工程を実行可能にすることができる。
【0176】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のうち、請求項1記載の製本システムの発明によれば、書籍の内容に関する書籍内容データが入力される書籍内容データ入力部と、表紙表示に関する表紙データが入力される表紙データ入力部と、前記書籍内容データ入力部から入力された書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成を行う書籍内容画像形成部と、前記表紙データ入力部から入力された表紙データに基づいてくるみカバーに画像形成を行う表紙表示画像形成部と、上記画像形成が行われた記録用紙に背糊付けをする背糊付け手段と、前記背糊付け手段で背糊付けされた記録用紙にくるみカバーをくるんで接着するくるみ手段と、を備えるので、書籍内容データと表紙表示データとを用いて、画像形成から糊付けくるみ製本までをインラインで処理することを可能とし、ブックオンデマンドとして好適な製本システムを構築することができる。
【0177】
また、請求項6記載の製本システムの発明によれば、前記くるみカバーは、くるみみカバー収納部に収納される以前に表紙表示の一部としての印刷または画像形成が行われており、前記表紙表示画像形成部では該くるみカバーに重ね合わせて他の表紙表示の画像形成を行うものであるので、汎用デザインで印刷したくるみカバーに、固有情報等を後入れすることができる。
【0178】
さらに、請求項13記載の製本システムの発明によれば、書籍の内容に関する書籍内容データが入力される書籍内容入力部と、前記書籍内容入力部から入力された書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成を行う書籍内容画像形成部と、表紙表示としての印刷または画像形成がなされたくるみカバーを収納するくるみカバー収納手段と、上記画像形成が行われた記録用紙に背糊付けをする背糊付け手段と、前記背糊付け手段で背糊付けされた記録用紙に、前記くるみカバーをくるんで接着するくるみ手段とを備えるので、画像形成部を通すことができない、所定の印刷又はプリント処理をしたくるみカバーや、所定の厚みのくるみカバーを用いて、画像形成から糊付けくるみ製本までをインラインで処理することを可能なブックオンデマンドとしての製本システムを構築することができる。
【0179】
さらに、請求項31記載の製本システムの発明によれば、書籍内容データが保持する内容識別情報と対応して前記くるみカバーにカバー識別情報を付与しておくとともに、くるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーの識別情報を読み取る識別情報読み取り手段を設け、前記カバー識別情報を前記識別情報読み取り手段で読み取り、前記内容識別情報と比較し、比較結果に応じ両者が対応すると判定される場合に前記くるみカバーを給紙可能とする給紙可否判定手段を備えるので、書籍内容とくるみカバーとが一致しない状態でくるみ製本されるのを防止して、所定の書籍を確実に製本することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】製本システムの構成例を示す図である。
【図2】データサーバの構成例を示す図である。
【図3】管理サーバの構成例を示す図である。
【図4】端末の構成例を示す図である。
【図5】製本システムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】同じく変更例の構成を示すブロック図である。
【図7】同じく変更例の構成を示すブロック図である。
【図8】同じく、製本システムの一実施例の機械的構造を示す図である。
【図9】製本システムの他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図10】同じく変更例の構成を示すブロック図である。
【図11】くるみカバーの種類を示す図である。
【図12】本発明によるくるみ製本仕上がりまでの工程を示す図である。を示す図である。
【図13】本発明による面付けの説明図である。
【図14】両面中折り4面付けの場合の頁の関係を示す図である。
【図15】本発明の動作を示すフローチャートである。
【図16】くるみカバーの位置合わせの説明図である。
【図17】くるみカバーの位置合わせ後の余り部分の説明図である。
【図18】本発明の第2の動作を示すフローチャートである。
【図19】くるみ収納手段における上積み・底送り方式の説明図である。
【図20】くるみカバー無し又は所定外サイズ時の画像形成開始可否判断を示すフローチャートである。
【図21】くるみカバー無し又は所定外サイズ又は識別情報不一致時の中断/開始処理を示すフローチャートである。
【図22】くるみカバー無し又は所定外サイズ又は識別情報不一致時の中断/再開処理を示すフローチャートである。
【図23】断裁処理を示すフローチャートである。
【図24】識別処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 データサーバ
3 ジャストインブックシステム
5 管理サーバ
6 ネットワーク
13 端末
14 製本システム
100 画像形成装置
101 データ入力部
101a ネットワーク通信手段
102 データ記憶手段
103 面付け手段
104 画像形成位置決め手段
105 画像形成手段
110 操作手段
113 音声ガイド手段
114 用紙厚み登録手段
120 記録用紙収納手段
121 有無検知手段
122 サイズ検知手段
123 記録用紙給紙手段
130 くるみカバー収納手段
131 有無検知手段
132 サイズ検知手段
133 識別情報読み取り手段
134 くるみカバー給紙手段
140 前搬送手段
141 記録用紙前搬送手段
145 シリアル通信手段
150 画像形成装置制御手段
200 製本装置
201 集積手段
202 整合手段
203 糊付手段
204 くるみ手段
205 断裁手段
207 中折り手段
220 後搬送手段
221 記録用紙後搬送手段
222 くるみカバー後搬送手段
230 くるみカバー収納手段
231 有無検知手段
232 サイズ検知手段
233 識別情報読み取り手段
234 くるみカバー給紙搬送手段
240 製本完了カウント手段
241 集積枚数カウント手段
245 シリアル通信手段
300 画像形成装置
301 データ入力部
301a ネットワーク通信手段
302 データ記憶手段
303 面付け手段
304 画像形成位置決め手段
305 画像形成手段
310 操作手段
313 音声ガイド手段
314 用紙厚み登録手段
320 記録用紙収納手段
321 有無検知手段
322 サイズ検知手段
323 記録用紙給紙手段
330 くるみカバー収納手段
331 有無検知手段
332 サイズ検知手段
333 識別情報読み取り手段
334 くるみカバー給紙手段
340 くるみカバー前搬送手段
350 画像形成装置制御手段
345 シリアル通信手段
Claims (42)
- 書籍の内容に関する書籍内容データが入力される書籍内容データ入力部と、
表紙表示に関する表紙データが入力される表紙データ入力部と、
前記書籍内容データ入力部から入力された書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成を行う書籍内容画像形成部と、
前記表紙データ入力部から入力された表紙データに基づいてくるみカバーに画像形成を行う表紙表示画像形成部と、
上記画像形成が行われた記録用紙に背糊付けをする背糊付け手段と、
前記背糊付け手段で背糊付けされた記録用紙にくるみカバーをくるんで接着するくるみ手段と、
を備えることを特徴とする製本システム。 - 記録用紙を収納する記録用紙収納手段と、
前記記録用紙を書籍内容画像形成部に給紙する記録用紙給紙手段と、
くるみカバーを収納するくるみカバー収納手段と、
前記くるみカバーを表紙表示画像形成部に給紙するくるみカバー給紙手段と、
画像形成された前記記録用紙を搬送する記録用紙搬送手段と、
画像形成されて記録用紙搬送手段により搬送された記録用紙を集積する集積手段と、
集積手段で集積された記録用紙を背糊付けに先立って整合する整合手段と、
画像形成された前記くるみカバーをくるみ手段へ搬送するくるみカバー搬送手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の製本システム。 - 前記書籍内容入力部と表紙表示入力部とは、ネットワーク通信手段を備えており、前記書籍内容データと表紙データの一部または全部は、ネットワークに接続されたサーバに蓄積され前記ネットワークを介して前記書籍内容入力部および表紙表示入力部に送信されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の製本システム。
- 前記書籍内容画像形成部と、表紙表示画像形成部とは、共通する画像形成部からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製本システム。
- 前記書籍内容画像形成部と、表紙表示画像形成部とは、一方がカラープリンタからなり、他方がモノクロプリンタからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバーは、くるみみカバー収納部に収納される以前に表紙表示の一部としての印刷または画像形成が行われており、前記表紙表示画像形成部では該くるみカバーに重ね合わせて他の表紙表示の画像形成を行うものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバーへの事前の表紙表示は、カラー印刷またはカラープリントからなり、前記重ね合わせ画像形成がモノクロプリントであることを特徴とする請求項6記載の製本システム。
- 前記表紙表示は、書籍名、著者名、発行所、価格、書店名、バーコード情報の、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の製本システム。
- 前記表紙表示は、書籍購入者の固有情報を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製本システム。
- 前記固有情報が、書籍購入者の住所、氏名、購入者によるメッセージ、購入日付の内の、少なくとも1つであること特徴とする請求項9記載の製本システム。
- 前記くるみカバーは、表表紙エリア、背表紙エリア、裏表紙エリアの3つの領域からなり、該くるみカバーへの画像形成に際しては、センター基準または片側突き当て基準において、背表紙エリアの厚さを考慮して各エリアに形成する画像の位置決めを行う表紙画像形成位置決め手段を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の製本システム。
- 記録用紙の1枚当たりの厚みを紙種毎に登録する記録用紙厚み登録手段と、画像形成されて製本される記録用紙の枚数をカウントするカウント手段とを設け、前記登録手段に登録した厚みデータと、前記カウント手段でカウントされた枚数データとから、前記背表紙エリアとして必要な厚さを計算する背表紙エリア厚さ算出手段を備えることを特徴とする請求項11記載の製本システム。
- 書籍の内容に関する書籍内容データが入力される書籍内容入力部と、
前記書籍内容入力部から入力された書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成を行う書籍内容画像形成部と、
表紙表示としての印刷または画像形成がなされたくるみカバーを収納するくるみカバー収納手段と、
上記画像形成が行われた記録用紙に背糊付けをする背糊付け手段と、
前記背糊付け手段で背糊付けされた記録用紙に、前記くるみカバーをくるんで接着するくるみ手段と、
を備えることを特徴とする製本システム。 - 記録用紙を収納する記録用紙収納手段と、
前記記録用紙を書籍内容画像形成部に給紙する記録用紙給紙手段と、
画像形成された記録用紙を搬送する記録用紙搬送手段と、
画像形成されて記録用紙搬送手段により搬送された記録用紙を集積する集積手段と、
集積手段で集積された記録用紙を整合する整合手段と、
前記くるみカバー収納手段に収納された前記くるみカバーをくるみ手段に給紙、搬送するくるみカバー給紙搬送手段と、
を備えることを特徴とする請求項13記載の製本システム。 - 前記くるみカバー収納手段に、くるみカバー有無検知手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバー収納手段に、くるみカバーサイズ検知手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバー有無検知手段による有無検知結果に拘わらず、前記書籍内容データの画像形成開始を許可することを特徴とする請求項15記載の製本システム。
- 前記くるみカバーサイズ検知手段によるサイズ検知結果に拘わらず、前記書籍内容データの画像形成開始を許可することを特徴とする請求項16記載の製本システム。
- くるみカバー無し検知またはくるみカバー所定外サイズ検知がなされた場合、くるみカバー収納手段からのくるみカバーの給紙を停止することを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の製本システム。
- くるみカバー無し検知の状態で前記書籍内容データに基づく画像形成開始後に、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知した場合に、くるみカバー無し検知による前記給紙停止を解除することを特徴とする請求項19に記載の製本システム。
- くるみカバー所定外サイズ検知の状態で前記書籍内容データに基づく画像形成開始後に、前記くるみカバーサイズ検知手段が所定サイズのくるみカバーを検知した場合、くるみカバー所定外サイズ検知による給紙停止を解除することを特徴とする請求項19に記載の製本システム。
- 画像成形が行われた記録用紙への背糊付け動作開始前に、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー無しを検知した場合、または、前記くるみカバーサイズ検知手段がくるみカバーの所定外サイズを検知した場合、前記背糊付け動作を停止することを特徴とする請求項15〜21のいずれかに記載の製本システム。
- くるみカバー無し検知による前記背糊付け動作の停止後、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知した場合、くるみカバー無し検知による前記背糊付け動作の停止を解除することを特徴とする請求項22記載の製本システム。
- くるみカバーの所定外サイズ検知による前記背糊付け動作の停止後、前記くるみカバーサイズ検知手段がくるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーが所定サイズであることを検知した場合、くるみカバーの所定外サイズ検知による前記背糊付け動作の停止を解除することを特徴とする請求項22記載の製本システム。
- 前記背糊付け動作完了後、くるみ手段によるくるみ動作前に、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー無しを検知した場合、または、前記くるみカバーサイズ検知手段がくるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーを所定外サイズであることを検知した場合、前記くるみ動作を停止することを特徴とする請求項15〜24項のいずれかに記載の製本システム。
- くるみカバー無し検知による前記くるみ動作の停止後、前記くるみカバー有無検知手段がくるみカバー有りを検知した場合、くるみカバー無し検知によるくるみ動作の停止を解除することを特徴とする請求項25記載の製本システム。
- くるみカバー所定外サイズ検知によるくるみ動作の停止後、前記くるみカバーサイズ検知手段がくるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーが所定サイズであることを検知した場合、くるみカバー所定外サイズ検知によるくるみ動作の停止を解除することを特徴とする請求項25記載の製本システム。
- 前記くるみ動作の停止解除時に、背糊付けされた糊を加熱して溶かし、その後、くるみ動作を開始することを特徴とする請求項26または27に記載の製本システム。
- 前記くるみカバーの給紙、背糊付けまたはくるみ動作を停止した場合、該停止状態を通知する手段を備えることを特徴とする請求項25〜28のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバー収納手段は、くるみカバーを順次上積み可能であり、くるみカバー給紙手段またはくるみカバー給紙搬送手段は、上積みされた前記くるみカバーを順次底から送り出し可能とされていることを特徴とする請求項1〜29のいずれかに記載の製本システム。
- 前記書籍内容データが保持する内容識別情報と対応して前記くるみカバーにカバー識別情報を付与しておくとともに、くるみカバー収納手段に収納されたくるみカバーの識別情報を読み取る識別情報読み取り手段を設け、前記カバー識別情報を前記識別情報読み取り手段で読み取り、前記内容識別情報と比較し、比較結果に応じ両者が対応すると判定される場合に前記くるみカバーを給紙可能とすることを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバーは、予め印刷または画像形成によりカバー識別情報が付与されていることを特徴とする請求項31記載の製本システム。
- 前記比較の結果、前記カバー識別情報と前記内容識別情報とが対応しない場合、くるみカバーの給紙を停止することを特徴とする請求項31または32に記載の製本システム。
- 前記比較の結果、前記カバー識別情報と前記内容識別情報とが対応しない場合、該状態を告知するための通知手段が設けられていることを特徴とする請求項31〜33のいずれかに記載の製本システム。
- 複数のくるみカバー収容手段を備えるとともに、該収容手段に順位付けをしておき、
(1)上記順位に従ってくるみカバー収容手段に収容されたくるみカバーの識別情報を読み取り、
(2)該カバー識別情報と前記内容識別情報とを比較し、
(3)両者が対応すると判定された場合に該くるみカバーに収容されたくるみカバーを給紙対象とし、対応しないと判定された場合に、次順位に移行して、
上記(1)〜(3)の処理を繰り返すくるみカバー選択手段を備えることを特徴とする請求項31〜34のいずれかに記載の製本システム。 - 複数の内容識別情報と対応可能な汎用カバー識別情報を設け、該汎用カバー識別情報をくるみカバーに付与しておき、前記くるみカバー選択手段は、前記書籍内容識別情報と一対一に対応するカバー識別情報を有するくるみカバーが存在しない場合、前記汎用カバー識別情報を有するくるみカバーを給紙の対象とすることを特徴とする請求項35記載の製本システム。
- 前記くるみカバーは、短辺がくるみ対象となる記録用紙の用紙サイズの一辺と同じ長さで、長辺が該記録用紙の用紙サイズの他の一辺の2倍と背表紙の厚さを加えた長さであることを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバーが、短辺がくるみ対象となる記録用紙の用紙サイズの一辺と同じ長さで、長辺が該記録用紙サイズの他の一辺の2倍と背表紙の厚さを加えた長さより長いサイズからなる場合、くるみによって該用紙サイズよりはみ出た部分を内側へ折り返す折り返し手段を有することを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバーが、短辺がくるみ対象となる記録用紙の用紙サイズの一辺と同じ長さで、長辺が該用紙サイズの他の一辺の2倍と背表紙の厚みを加えた長さより長いサイズからなる場合、くるみによって該用紙サイズよりはみ出た部分を、該用紙サイズの所定量内側において小口断裁する小口断裁手段を有することを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の製本システム。
- 前記くるみカバーは、短辺がくるみ対象となる記録用紙の用紙サイズの一辺より長く、長辺が該用紙サイズの他の一辺の2倍と背表紙の厚さを加えた長さより長いサイズからなる場合、くるみによって該用紙サイズよりはみ出た部分を、該用紙サイズの所定量内側で三方断裁する三方断裁手段を有することを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の製本システム。
- 書籍内容データに基づいて記録用紙に画像形成する際に、一枚の記録用紙に対し、片面に2頁ずつ、両面に4頁の本文が表示されるとともに、前記記録用紙を中折りした状態で、外面側に4N+1頁目と4N+4頁目が位置し、内面側に4N+2頁目と4N+3頁目(Nは0を含む整数)が位置するように4面付けをして、前記書籍内容画像形成手段に画像配置を指示する面付け手段と、前記4面付け画像形成された記録用紙を中折りする中折り手段とを備えることを特徴とする請求項1〜40のいずれかに記載の製本システム。
- 記録用紙は、中折りされた状態で集積、整合、背糊付けされることを特徴とする請求項41記載の製本システム。
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