以下、図面を参照しながら、本発明の画像出力装置等の実施形態について説明する。
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る画像出力装置101の構成について説明する。
図1は、画像出力装置101の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像出力装置101は、画像データ読込書込手段111、画像編集合成手段112、素材データベース113、プリント手段114、製本手段115、注文内容入力手段116、課金手段117等を備える。
画像データ読込書込手段111は、予め画像データが記憶された入力メディア122から画像データを読み込んだり、原稿121をスキャナ装置等の原稿読取装置により読み込んだりすることにより画像データを取得する。また、画像データ読込書込手段111は、画像出力装置101が作成した画像データを出力メディア123に記録することもできる。
入力メディア122および出力メディア123は、例えば、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、ミニSD(Secure Digital)カード、SDメモリカード、メモリスティック、xDピクチャーカード、コンパクトディスク、USBメモリ等である。
なお、本実施形態では、画像データ読込書込手段111として、スキャナ装置で原稿121を読み取る手段や、入力メディア122から画像データを読み取る手段のみを示しているが、被写体をデジタルカメラ等の撮像装置により撮影し、画像データを読み取る手段を備えてもよいし、いずれか1つの読取手段のみを備えるようにしてもよい。
画像編集合成手段112は、1つ以上の入力、または選択した画像に対して、落書きやスタンプのような加工、画像データの切り抜き、変倍、切り抜いた画像の他の画像への貼り付け、などの画像編集を対話的に行う対話型インタフェース手段と、画像処理プログラムで構成される。合成編集で扱う画像データとしては、素材データベース113が保持する素材画像データやフレーム画像などを使用する。
プリント手段114(印刷手段)は、画像データを印刷する高解像度カラープリンタで、製本パターンに基づいて用紙に両面印刷または片面印刷と疑似接着層(用紙を剥離可能に接着する第1の接着層)の転写を行う、例えば昇華型の熱転写型プリンタである。設置するプリンタは、1台でも複数台でもよく、片面印刷を行うプリンタと両面印刷を行うプリンタの双方を設置してもよい。この時片面印刷を行うプリンタとしては、従来知られているものを用いることができる。
製本手段115は、プリント手段により印刷された用紙を、製本パターンに基づき折りたたんで、その際に対向する面を圧着する。また、プリント手段で印刷された検知マークを検知して、折りたたむ用紙が正しい位置にあることを確認し、折りずれを防ぐようにすることができる。また、製本の際に綴じ代となる部分の一部または全部に糊付けし、所定の箇所を裁断することもできる。加えて、折りたたまれた用紙を別の用紙で更に折りたたんで閉じ、別紙を折りたたむ際に対向する別紙の面を、ミシン加工等で接合することもできる。
プリント物124は、本実施形態の画像出力装置101によるフォトブック等の出力物であるが、その他のプリント物を出力できるようにしてもよい。プリント物124は、プリント取り出し口209に排出される。
注文内容入力手段116(製本パターン選択手段)は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示手段と一体化されたタッチパネルや、キーボード、マウス、トラックボール等である。
この注文内容入力手段116により、出力すべき注文内容を利用者に選択入力させる。例えば、用紙を折りたたむパターンを選択させたり、読み取った画像のサムネイル画像を表示手段に表示したうえで、用紙の各面にプリントする画像を選択させたり、プリント枚数やサイズを指定させたりして、製本パターンの選択をさせる。
製本パターンは、印刷のパターンや、折りパターン、プリント枚数やサイズなど、プリント物の出力形態に係る事項を広く含むものである。
課金手段117は、利用者によるプリント物の注文内容に応じて課金処理を行い、利用者に入金を要求する。
次に、図2に沿って本実施形態の画像出力装置101の外観構成について説明する。図2は、画像出力装置101の概略斜視図である。
図2に示すように、画像出力装置101には、タッチパネル付きのモニタ等であるモニタ画面201が配置されている。モニタ画面201は、操作の案内や操作の状況、読み込んだ画像データのサムネイル画像表示等を表示する表示手段としての機能を持つとともに、印刷する写真や画像サイズ、画像処理、及び、折りパターン、画像印刷パターン等を含む製本パターンをタッチパネルに触れることで利用者に選択させる入力手段としての機能を持つ。
タッチパネル付きモニタ画面201の下部には、メディア挿入口202が設けられる。メディア挿入口202は、各種メディア(スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード(CFカード)、フロッピー(登録商標)ディスク、PCカード、CD−ROM、USBメモリ等)の挿入口であり、複数の挿入口が1箇所にまとめて配置されている。
また、画像出力装置101の筐体内には、上記の各記録媒体の挿入口に対応して、それぞれの媒体の読取・書込装置の本体(図示しない)が設置されている。各挿入口には、料金の徴収が完了するまで記録媒体を取り出せないようにシャッタ(図示しない)を備えてもよい。
画像出力装置101の下段部には、料金投入口(硬貨投入口205、紙幣挿入口207)、返却ボタン206、返却口208、レシート取出口204、プリント物取出口209(209−1、209−2、209−3)、プリント物取出口扉210等がそれぞれ配置されている。
料金投入口(205、207)、返却ボタン206、返却口208、レシート取出口204は、課金手段117として機能する。
利用者は、硬貨投入口205に硬貨を投入したり、紙幣投入口207に紙幣を挿入したりすることにより料金を支払う。釣銭がある場合や、利用者が返却ボタン206を押した場合には返却口208から釣銭等が放出される。
また、料金徴収後、徴収金額や注文内容等が印刷されたレシートがレシート取出口204から放出される。画像出力装置101の筐体内には、レシート取出口204に対応してレシート印刷用プリンタが設けられている。
プリント物取出口209からは印刷済みのプリント物が放出される。図2では、プリント物取出口209が3つ装備されている(209−1、209−2、209−3)。画像出力装置101の筐体内には、複数個の製本を同時に行えるよう複数のプリンタ本体、製本機等(図示しない)が各プリント物取出口209につながる位置に設置されている。
プリント物取出口209の外側には、プリント物取出口209を覆うようにプリント物取出口扉210が設けられ、プリント物124の落下防止、プリント中のプリント物124の保護の役割を果たす。
利用者は、タッチパネル付きモニタ画面201に設けられたタッチパネルにより画像の選択、プリントの実行や製本パターンを指示する。指示に従ってプリンタ本体によって印刷が行われ、利用者はプリント物取出口209から放出されるプリント物124を受け取る。
また、画像出力装置101の筐体内には、図示しないが、画像出力装置101の各構成部分を制御するための制御部を含むコンピュータや、電圧の変換を行う電源ボックス、停電時に制御部のCPUやハードディスク等の破損を防ぐ無停電電源装置等が設けられる。
次に、図3を参照しながら、画像出力装置101のハードウェア構成について説明する。
画像出力装置101は、制御部301、記憶部302、入出力部303(CD−ROMドライブ装置、キーボード、マウス等)、各種メディア読込書込部304、シャッタ305、モニタ(タッチパネル付き)306、コインメック307、ビルバリ308、レシートジャーナル処理部309、プリンタ310、製本機311等がバス312を介して接続される。
制御部301は、プログラムの実行を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム命令あるいはデータ等を格納するためのRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成される。制御部301は、記憶部302等に格納されたプログラムに従って、バス312を介して接続された各装置を制御する。
記憶部302には、各構成部分を制御するプログラム、例えば、各記録メディアに対応する読込書込プログラム、シャッタの開閉制御プログラム、課金処理プログラム、画像編集合成プログラム、注文内容入力処理プログラム、プリンタ制御プログラム、製本機制御プログラム、レシート印刷処理プログラム、保守プログラム等のプログラムや、画像データ、各種制御データ等が格納されている。
これらのプログラム・コードは、制御部301により必要に応じて読みだされ、RAMに移され、CPUに読み出されて各種機能として実行される。
入出力部303(CD−ROMドライブ装置、キーボード、マウス等)は、制御部301のROMや記憶部302に格納されているプログラムや情報の更新や、画像出力装置101の動作等の設定に用いられる。画像出力装置101を管理モードに切り替えて、入出力部303に更新用のCD−ROMを挿入し、データやプログラムの書き換えを行ったり、設定データの入力を行ったりする。
各種メディア読込書込部304は、画像データ読込書込手段111に相当する。シャッタ305は、メディア挿入口202に設けられ、記録メディア挿入口を開閉し、読取処理中あるいは課金処理が完了するまで記録メディアを取り出せないようにする。
モニタ306に表示された操作案内に従って、利用者はモニタ306に設置されたタッチパネルに触れることにより、画像入力時の画像選択、製本パターンの選択や、プリント指示、プリント物出力までの一連の操作を行う。
コインメック307、ビルバリ308、レシートジャーナル処理部309は、課金手段116に相当し、硬貨投入、紙幣挿入、レシートの発行を行う。
プリンタ310はプリント手段に相当し、画像のプリント処理を行う。製本機311は、糊付け機構(接着層形成手段)、折り機構(折り手段)、裁断機構(裁断手段)、接合機構(接合手段)を有し、画像をプリントした用紙の折りたたみ、圧着、裁断、接合等を行う。
続いて、図4から図9を参照しながら、熱転写方式のプリンタ310、製本機311の実施例について説明する。なお、本実施形態では両面印刷を行うものとして説明するが、製本パターンによっては片面印刷を行うことも可能であり、その場合は既知のプリンタを用いることができる。
図4(a)は、プリンタ310a、製本機311の一例を示す図である。図4(a)のプリンタ310aにおいて、417はロール紙(用紙)、415はカッタ、403a、403bは熱転写シート、405a、405bは熱転写シート供給ロール、407a、407bは熱転写シート巻取ロール、401a、401bはサーマルヘッド、411a、411bはプラテンローラ、409a、409bはニップローラ、413はセンサである。その他、プリンタ310aは、図示を省略したローラや搬送路等で構成されるロール紙の搬送機構、印刷制御を行う制御部を備える。
ロール紙417(用紙)は、両面印刷を行うべく給紙ロール(図示しない)から搬送ローラ等により搬送される。ロール紙417の詳細については後述する。
カッタ415は、両面印刷を行った後、ロール紙417を切断するために用いられる。
熱転写シート403a(403b)には、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)等の色材層、更に剥離可能な接着層である疑似接着層が設けられる。熱転写シート403a(403b)の詳細については後述する。
熱転写シート供給ロール405a(405b)は、熱転写シート403a(403b)を巻き付けたもので、熱転写シート供給ロール405a(405b)に巻き付けられた熱転写シート403a(403b)は印刷時搬送され、後述のサーマルヘッド401a(401b)の発熱部を経由して、熱転写シート巻取ロール407a(407b)に巻き取られる。
サーマルヘッド401a(401b)は、発熱部、画像情報入力部、昇降部、制御部(図示しない)等を有する。印刷を行う際、サーマルヘッド401a(401b)は、プラテンローラ411a(411b)との間で熱転写シート403a(403b)とロール紙417を圧接するとともに、発熱部を構成する発熱素子を画像情報入力部より入力された画像データに応じて発熱させ、熱転写シート403a(403b)の色材層の色材をロール紙417に転写する。また、製本パターンに応じて、印刷されたロール紙417の所定の面に疑似接着層を転写する。
プラテンローラ411a(411b)は円筒状の形状を有し、ロール紙417を搬送する。プラテンローラ411a(411b)の円筒面ではロール紙417が搬送されるとともに、サーマルヘッド401a(401b)による印刷が行われる。
ニップローラ409a(409b)はロール紙417の搬送を補助するローラである。一組のニップローラ409a(409b)がロール紙417の搬送方向においてサーマルヘッド401a(401b)を挟むようにプラテンローラ411a(411b)と近接して設けられる。
印刷を行う際は、プラテンローラ411a(411b)とニップローラ409a(409b)でロール紙417を挟持しながら確実に搬送を行う。また、ニップローラ409a(409b)は平滑な平面を有し、ロール紙417の表面に凹凸を生じさせることがない。
センサ413は、ロール紙417に印刷される画像の位置を両面で合わせる際、ロール紙417に形成された後述の検知マークを検知する。検知マークとセンサ413の組み合わせは種々考えられ、例えばセンサ413については赤外線センサとすることなどできる。図4(a)では、センサ413がサーマルヘッド401bに対して搬送方向の下流側に設けられているが、これに限らず、例えばサーマルヘッド401bに対して搬送方向の上流側に設けるようにしてもよい。
また、製本機311は、図4(b)に示すように、糊付け機構350、折り機構360、裁断機構370、接合機構380等を備える。また、図示を省略したローラや搬送路等で構成されるロール紙の搬送機構、製本制御を行う制御部を備える。
糊付け機構350(接着層形成手段)は、製本パターンに従って、カッタ415で切断したロール紙417の、製本時の綴じ代となる箇所の一部または全部に糊付けし、接着層(第2の接着層)を形成するものである。
折り機構360(折り手段)は、製本パターンに従って、カッタ415で切断したロール紙417を折りたたんで圧着する。対向する面に後述する疑似接着層が設けられている場合には、この対向する面どうしは剥離可能に接着される。また、折りたたまれたロール紙417を別紙(別の用紙)でさらに折りたたんで閉じる場合もある。
裁断機構370(裁断手段)は、製本パターンに従って、折り機構で折りたたまれたロール紙417の、所定の箇所を裁断する。
接合機構380(接合手段)は、製本パターンに従って、折りたたまれたロール紙417をさらに別紙で折りたたんで閉じた場合に、別紙の対向する面が接合するように、別紙の所定の箇所にミシン加工等を行う。
なお、以上の糊付け機構350、折り機構360、裁断機構370、接合機構380としては既知のものを適宜使用可能である。
次に、図5を参照しながら、本実施形態の熱転写シート403a(403b)の構成について説明する。図5は、熱転写シート403a(403b)の平面構成の一例を示す図である。
熱転写シート403a(403b)は、基材シート上に色材層を設けたものである。熱転写シート403a(403b)としては、従来知られた種々のものを使用可能である。図5に示すように、熱転写シート403a(403b)の平面構成は、Y(イエロー)やM(マゼンダ)やC(シアン)の色材層を有する領域が面順次に設けられる。色材の転写順は、Y、M、Cの順になる。
また、本実施形態では特に、印刷によりロール紙417の所定の面に疑似接着層を転写するため、熱転写シート403a(403b)の平面構成には、更に疑似接着層(図示しない)を有する領域が設けられる。
この疑似接着層としては、例えば、特開2005−220204に開示される、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はそのオリゴマーからなる成分と、脂肪及び/または脂肪油からなる成分とを含有するものを用いることができ、その硬化被膜をロール紙417の面上に形成し、折り機311で折りたたんで圧着することで、疑似接着層を形成したロール紙417の対向する面を剥離可能に接着することができる。
また、熱転写シート403a(403b)の平面構成には、例えば画像印刷後の画像を保護するための保護シート層を有する領域を更に加えてもよい。また、K(ブラック)の色材層を有する領域を更に加えることもできる。加えて、印刷目的に応じて、金色・銀色の色材層、ホログラム層などを有する領域を加え、特色転写を行うこともできる。
次に、図6を参照しながら、本実施形態のロール紙417の構成について説明する。図6は、ロール紙417の断面構成の一例を示す図である。
ロール紙417は、紙材509の両面に、接着層507、多孔フィルム505、プライマ503、受容層501が順次設けられる構成となっている。これらは、強度や耐熱性、色材の染着性など考慮して、様々な構成あるいは材料を用いることができる。また、ロール紙417の受容層501に熱転写シートの色材等が転写されるが、この受容層501を両面に設けていることで、ロール紙417の両面印刷が可能である。なお、片面印刷の場合は、受容層501を片面のみに設けるものでもよい。
続いて、プリンタ310aでの両面印刷方法の流れを説明する。
両面印刷開始の際には、まず、熱転写シート403aのY(イエロー)の色材層が設けられた領域の一端がサーマルヘッド401aの位置にくるように頭出しが行われる。加えて、ロール紙417の最初の印刷領域の印刷開始位置がプラテンローラ411aの上部でサーマルヘッド401aの位置にくるように、ロール紙417が搬送ローラ等により搬送される。
サーマルヘッド401aの両側近傍では、ロール紙417がプラテンローラ411aとニップローラ409aで挟持されており、サーマルヘッド401aの位置では、ロール紙417の上面(第1の面)がサーマルヘッド401aに対向し、ロール紙417の下面(第2の面)がプラテンローラ411aに接する。ロール紙417をプラテンローラ411aとニップローラ409aで挟持するので、ロール紙417の搬送を確実に行うことができる。
ついで、サーマルヘッド401aが、熱転写シート403aの下面(色材層等が設けられた面)をロール紙417の上面に押し付ける。即ち、熱転写シート403aの下面とロール紙417の上面が接するように、サーマルヘッド401aとプラテンローラ411aの間で熱転写シート403aとロール紙417を重ね合わせて圧接する。
その後、ロール紙417と熱転写シート403aを搬送しながら、印刷する画像のY(イエロー)成分量に対応する画像を熱転写方式により転写する。即ち、サーマルヘッド401aの発熱部の発熱素子が画像データのY成分量に応じて発熱し、画像データのY成分量に応じた量だけ、熱転写シート403aのY色材がロール紙417の上面に転写される。
Y色材の転写を終えると、サーマルヘッド401aを上げて熱転写シート403aをロール紙417から離し、ロール紙417を引き戻す。ロール紙417を引き戻す量は、転写時ロール紙417を搬送した量と同量であり、最初の印刷画像の印刷開始位置がサーマルヘッド401aと再び同じ位置になる。また、サーマルヘッド401aの位置に熱転写シート403aのM(マゼンダ)の色材層の領域の一端が来るように、熱転写シート403aを搬送し、頭出しが行われる。
その後、同様の手順でM、C(シアン)の色材を画像データの各色の成分量に応じて転写してゆく。また、印刷目的に応じてK(ブラック)や金色、銀色の色材やホログラムの転写や保護層の転写を行うこともできる。また、各色材の転写後には、製本パターンに応じて、ロール紙417の所定の面には上記した疑似接着層を転写する。
このようにして、各色の色材等を画像データに合わせて転写し、所定の面には疑似接着層を転写して、1枚の画像の印刷をロール紙417の上面(第1の面)に行うと、次の画像印刷領域までロール紙417を所定量送り出し、同様の手順で画像の印刷、疑似接着層の転写を行う。ただし、画像の印刷は1枚ずつ行うようにしてもよく、その場合は1枚の画像をロール紙417の上面(第1の面)に印刷等した後、続いてロール紙417をプラテンローラ411bに向かって送り出し、ロール紙417の下面(第2の面)に印刷等を行う両面印刷の手順となる。
また、画像の印刷時には、検知マークをロール紙417に形成することができる。図9を用いて、ロール紙417に形成される検知マークについて説明する。
検知マークは、画像印刷とともにロール紙417に形成される。検知マーク421は、ロール紙417に印刷される、センサ413により検知可能な微小なマークである。例えば、センサ413を赤外線センサとして、検知マーク421をカーボンブラックを含む色材により形成することができる。その他、周囲の領域に対して光沢度の異なる微小領域をロール紙417に付与して検知マークとし、これをセンサ413としての光学センサで検出するようにすることなどもできる。
図9において、423は1枚の画像が印刷される領域であり、両面で同じ領域が設けられている。例えば製本の際の綴じ代など、検知マーク421は、ロール紙417で画像が印刷されない領域に設けることができる。また、その形状も様々に定めることができる。
さらに、検知マーク421はロール紙417に事前に印刷するようにしてもよく、この場合、画像印刷時にロール紙417に検知マーク421を形成しなくてもよい。
また、ロール紙417の印刷後、後述する製本機311でロール紙417の折りたたみを行うが、この折りたたみの際の位置合わせのために用いる検知マークも上記のように印刷時に形成することができ、製本機311に設けたセンサ(図示しない)によりこれを検知することで、折りずれを防ぐことができる。この場合の検知マーク及びセンサの構成は、検知マーク421及びセンサ413と同様の構成とすることができる。
所定の枚数の印刷をロール紙417の上面に行った後は、ロール紙417の先端をプラテンローラ411bに向かって送り出す。送り出されたロール紙417は、プラテンローラ411bに達する。サーマルヘッド401bの位置では、先ほど印刷が行われたロール紙417の上面(第1の面)がプラテンローラ411bに接し、ロール紙417の下面(第2の面)がサーマルヘッド401bに対向し、印刷がなされる面となる。
また、ロール紙417の搬送方向に沿ってサーマルヘッド401bの両側近傍では、ロール紙417がプラテンローラ411bとニップローラ409bで挟持される。
センサ413がロール紙417の最初の画像印刷領域423の先端に形成された検知マーク421を検知すると、ロール紙417の最初の画像印刷領域423がサーマルヘッド401bの位置にセットされる。
センサ413は、センサ413で検知マーク421を検知するとき、ロール紙417の画像印刷領域423の印刷開始位置がサーマルヘッド401bの位置に来るように設けられている。このようにして、印刷の際に両面の印刷画像の位置合わせがなされる。
ただし、センサ413の配置は、センサ413で検知マーク421を検知するときロール紙417の画像印刷領域423の印刷開始位置がサーマルヘッド401bの位置から所定量離れるようにしてもよい。この場合は、両面の印刷画像の位置合わせは、センサ413で検知マーク421を検知した後、所定量のロール紙417を引き戻し、あるいは送り出すことによってなされる。また、センサ413がサーマルヘッド401bに対してロール紙417の搬送方向の上流側に配置されている場合でも同様である。
さらに、熱転写シート403bのY(イエロー)の色材層の領域の一端がサーマルヘッド401bの位置に来るように頭出しが行われる。
続いて、サーマルヘッド401bが、熱転写シート403bの上面(色材層等が設けられた面)をロール紙417の下面(第2の面)に押し付ける。即ち、熱転写シート403bの上面とロール紙417の下面が接するように、サーマルヘッド401bとプラテンローラ411bの間で熱転写シート403bとロール紙417を重ね合わせて圧接する。
その後、ロール紙417と熱転写シート403bを搬送しながら、印刷する画像のY成分量に対応する画像を熱転写方式により転写する。
Yの色材の転写を終えると、サーマルヘッド401bを下げて熱転写シート403bをロール紙417から離し、検知マーク421をセンサ413が再び検知するまで、ロール紙417を引き戻す。検知マーク421をセンサ413が再び検知するとき、最初の印刷画像の印刷開始位置はサーマルヘッド401bと再び同じ位置になる。
また、サーマルヘッド401bの位置に熱転写シート403bのM(マゼンダ)の色材層の領域の一端が来るように、熱転写シート403bを搬送し、頭出しが行われる。
以下同様の手順で、M、C(シアン)の色材を画像データの各色の成分量に応じて転写してゆく。また、印刷目的に応じてK(ブラック)や金色、銀色の色材やホログラムの転写や保護層の転写を行うこともできる。また、製本パターンに従って、ロール紙417の所定の面には疑似接着層を転写する。各色の色材の転写等を行うと、ロール紙417の下面(第2の面)に1枚の画像が印刷される。
このように、1枚の画像の印刷が終了すると、次の検知マーク421を検知するまでロール紙417を送り出す。このとき次の印刷画像の印刷開始位置とサーマルヘッド401bとの位置合わせがなされるので、つづいて同様の手順で次の画像を印刷する。
ただし、前述のように画像の印刷は1枚ずつ行うようにしてもよく、その場合は1枚の画像をロール紙417の下面(第2の面)に印刷した後、ロール紙417を切断する手順に移る。
また、検知マーク421をロール紙417に事前に印刷しておくことも可能であることを先に述べたが、この場合は、ロール紙417の上面(第1の面)に印刷を行う場合も、センサによって印刷開始位置を定めることが望ましい。即ち、センサで事前に印刷された所定の検知マーク421をセンサが検知するとき、あるいは検知マーク421をセンサが検知した後所定量搬送して、ロール紙417の印刷画像の印刷開始位置がサーマルヘッド401aの位置に来るようにしておく。これにより、ロール紙417の上面に印刷を行う時点でより正確に印刷画像の位置を定めることができ、両面の位置合わせを正確に行うことができる。
このようにして所定の数の画像をロール紙417の下面(第2の面)に印刷し、所定量の両面印刷が終了すると、カッタ415でロール紙417を切断する。
続いて、切断したロール紙417を製本機311により製本する。この際、製本パターンに従って、製本機311の折り機構360でロール紙417を折りたたんで圧着し、ロール紙417の所定の面に形成された疑似接着層によりロール紙417の対向する面の一部もしくは全部が接着される。折りたたむ際には、上記したように印刷の際に設けた検知マークを図示しないセンサが検知することによりロール紙417の位置合わせを行い、折りずれを防ぐようにすることができる。
また、製本パターンによっては、糊付け機構350で、ロール紙417の製本時の綴じ代となる箇所の一部または全部に糊付けした後、折り機構360でロール紙417を折りたたみ圧着して、裁断機構370で、折り機構360で折りたたまれたロール紙417の所定の箇所を裁断したり、折り機構360で、折りたたまれたロール紙417を別紙でさらに折りたたんで閉じた後、接合機構380で、ロール紙417を折りたたんで閉じた別紙の所定の箇所を、ミシン加工等により接合したりする場合もある。
熱転写方式によって両面印刷を行うプリンタの実施例については、図4で示したものの他、様々な例が考えられる。以下の例において説明は省略するが、熱転写シート403やロール紙417、製本機311は図4において説明したものと同様のものを用いることができる。また、サーマルヘッド401により印刷を行う方法、あるいは検知マーク、センサ等についても前述したものと同様のものが適用される。さらに、各々の実施例については、図示を省略したローラや搬送路で構成されるロール紙の搬送機構、印刷制御、折り機の制御を行う制御部を備える。
図7は、プリンタ310b、製本機311の一例を示す図である。プリンタ310bにおいて、419はガイドベーン、425は搬送ローラである。
ガイドベーン419は、方向を切り替えることによりロール紙417の搬送方向を搬送ローラ425の上方や下方に変化させるために用いられる。
搬送ローラ425は、ロール紙417の搬送機構の一部である。搬送ローラ425の上方や下方にロール紙417を搬送させることができる。
図7では、センサ413がサーマルヘッド401に対してロール紙417の搬送方向の上流側に設けられている。しかし、センサ413の位置はこれに限らず例えばサーマルヘッド401に対して下流側に設けるようにしてもよい。
プリンタ310bは、1つのプラテンローラ411と1つのサーマルヘッド401で、両面印刷を行う。両面印刷開始に際して、ロール紙417が搬送ローラ425等により送り出される際、プリンタ310bでは、ガイドベーン419が上向きに配置されており、図7に示すように、ガイドベーン419に沿ってロール紙417が搬送ローラ425の上方に送り出され、以降ロール紙417の上面(第1の面)に所定の数の画像の印刷、疑似接着層の転写等が行われる。
その後ロール紙417を引き戻し、ロール紙417の先端をプラテンローラ411から離した後、ガイドベーン419を回転させて下方向に傾斜するようにし、プラテンローラ411へ向かうロール紙417の搬送経路を下方に切り替える。
次に、ロール紙417をプラテンローラ411に向かって送り出す。このときガイドベーン419は下向きに配置され、ロール紙417はガイドベーン419に沿って搬送ローラ425の下方から、プラテンローラ411に沿って不図示の搬送機構により搬送され、ロール紙417はサーマルヘッド401まで達する。このとき、先ほど印刷が行われたロール紙417の面はプラテンローラ411に接し、別の面(第2の面)はサーマルヘッド401に対向する。以降、この面に所定の数の画像の印刷、疑似接着層の転写等を行い、両面印刷が終了する。その後、ロール紙417を切断し、製本機まで不図示の搬送機構により搬送し、製本機311で製本を行う。ロール紙417の印刷等の際には、ニップローラ409とプラテンローラ411でロール紙417を挟持しながら搬送する。
また、図8はプリンタ310c、製本機311の一例を示す図である。図4、図7と同じ要素については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
プリンタ310cは、1つのプラテンローラ411と2つのサーマルヘッド401a(401b)を持ち、ガイドベーン419に沿って搬送ローラ425の上方または下方にロール紙417を搬送する。
図8に示すように、プリンタ310bと同様にして、ガイドベーン419を上向きとして搬送ローラ425の上方にロール紙417を搬送した後、サーマルヘッド401aを用いてその上面(第1の面)に印刷、疑似接着層の転写等を行う。その後、プリンタ310bと同様にしてプラテンローラ411の下方へロール紙417を搬送し、ロール紙417はサーマルヘッド401bの位置に達する。このとき、ロール紙417の下面(第2の面)がサーマルヘッド401b対向し、印刷が行われる面となる。以降、同様に印刷、疑似接着層の転写等を行う。その後、ロール紙417をカッタ415で切断し、製本機311まで不図示の搬送機構により搬送し、製本機311による製本を行う。印刷を行う際は、ニップローラ409a(409b)とプラテンローラ411でロール紙417を挟持しながら搬送を行う。
図8では、センサ413が搬送ローラ425とニップローラ409bの間に設けられている。しかし、センサ413の位置はこれに限らず例えばサーマルヘッド401b近傍の、ロール紙417の搬送方向の下流側で、プラテンローラ411の内側に設けることもできる。
なお、以上の例では、ニップローラ409、409a、409bの代わりにクランプとプラテンローラによりロール紙417を挟持して搬送してもよい。クランプを用いる場合、より確実にロール紙417の保持が可能となり、正確にロール紙417の搬送を行うことができるので、両面印刷の位置合わせに用いる前述の検知マーク、あるいはこれを検知するセンサの構成は必ずしも必要でない。
また、前述したように、本発明の画像出力装置101には、片面印刷を行うプリンタを設けてもよく、この場合、当該プリンタは従来知られているものを使用可能である。
続いて、図10を参照しながら、本発明の画像出力装置を用いた画像出力方法について説明する。
図10は、本発明の実施形態の画像出力方法の例を示すフローチャートである。
利用者は、入力メディア122を挿入したり、スキャナ装置で原稿121を読み取らせたりして印刷し製本する画像データを画像出力装置101に入力する(ステップ501)。
画像出力装置101は、モニタ画面201に、プリントの形態、サイズや枚数などを選択する出力モード選択画面を表示し、利用者は、出力モードを選択する(ステップ502)。
選択された出力モードがフォトブックでない場合(ステップ503の「No」)、他の印刷方法へ移るが、出力モードがフォトブックである場合(ステップ503の「Yes」)は、画像出力装置101は、続いて図11に示すような製本パターン選択画面550を表示し、利用者は所望の製本パターンを選択する(ステップ504)。製本パターンとは、疑似接着層の転写を含むロール紙の印刷パターンと、ロール紙の折りたたみパターン、接着層の形成箇所や裁断箇所、さらには、後述するが、別紙で更に折りたたむことやその後別紙の接合を行うこと、またサイズや印刷する画像の枚数など、フォトブック(プリント物124)の出力形態に係る事項を広く含むものである。
これらの事項の選択により、製本パターンの選択がなされる。
図11(a)は折りパターンを選択する例が示されており、出力するフォトブックの折りパターンの選択を行うことができる。例えば、二ツ折り、外三ツ折り、ジグザグ折り等が選択できるが、これらに限られることはない。
また、図11(b)に示すように、出力するフォトブックのサイズの選択を行うこともできる。例えばはがきサイズの大きさで出力することを選択できるが、これに限ることはない。
更に、図11(c)に示すように、出力する画像の枚数の選択を行うこともできる。例えば、計4枚の画像を出力するように選択することができるが、これに限ることはない。
利用者は、これらの選択を行うことで、選択事項に対応する製本パターンの選択を行うことができる。これらの選択は、例えば折りパターンと印刷パターンを選択するなど上記したような事項を複数選択し行ってもよいし、1つの事項のみを選択するようにしてもよい。例えば、サイズのみ、例えばはがきサイズで出力するように選択することができる。
選択事項に対応する製本パターン(選択された事項以外の事項は予め定められている)は画像出力装置101の記憶部302等に記憶されており、この選択された製本パターンに基づき自動的に制御部301が印刷、製本の際の制御を行う。例えばサイズのみの選択により製本パターンの選択を行った場合、サイズの選択(例えばはがきサイズ)に応じて、対応するこれに適した製本パターンにより、以降印刷、製本がなされる。
製本パターンの選択の際には、画面の表示に従ってロール紙417の各面に印刷する画像の指定等も行う。この際ロール紙417の全面、もしくは複数の印刷領域にわたって1枚の画像を印刷するようにすることもできる。
図11に示すように、製本パターン選択画面550は、例えばロール紙417に印刷、疑似接着層の転写を行って切断した後折りたたむパターンを数種類示し、これを選択可能なものや、あるいは出力するフォトブックの形態、出力する画像の枚数等を選択可能なもの、その他フォトブックの出力形態に係る様々な事項を選択可能なものとできる。これらの選択により、利用者は、様々な製本パターンを選択することができる。選択に応じて製本パターンの詳細な説明が表示されるようにしてもよい。
製本パターンについて、図12から図15を用いて説明する。
図12は、製本パターンの一例を示すもので、二ツ折りにより製本を行う例である。即ち、図12(a)に示すように、ロール紙417(用紙)は、表裏に各2面分印刷され、裏2面には疑似接着層602が更に形成される印刷パターン601を有する。印刷面の間を折り線とし、裏2面どうしが対向するように折りたたみ圧着して裏2面を接着しフォトブック(プリント物124)が作成される。
図12(b)に示すように、ロール紙417を折りたたむ際の位置合わせに用いるため、前述したように印刷の際に形成した検知マーク603を検知してもよい。この検知マーク603により、折りたたみの際にロール紙417が正しい位置にセットされているかどうかを確認し、折りずれを防ぐことができる。
また、図12(c)に示すように、印刷の際には、所定の面に郵送の際の宛名(郵便番号を含む)を印刷するようにしてもよい。このため、例えば製本パターン選択画面550で製本パターンを選択したあと、宛名を入力するための入力画面を表示するようにしてもよい。また、宛名の一部を印刷し、出力の後残りの部分を利用者が自ら記載するようにしてもよい。
宛名やメッセージを印刷する所定の面は、製本パターンの一部として選択されるようにすることができるが、勿論、上記のロール紙417に印刷する印刷画像の選択の際、所定の面には印刷する画像を選択せず、画像を印刷しないようにすることもできる。これにより、この面を利用者が後で宛名あるいはメッセージ等を記載する箇所とすることができる。また、上記の宛名と同様、予めメッセージ入力画面等で利用者が入力したメッセージを印刷できるようにすることもできる。
図13は他の製本パターンについて、印刷パターンと折りパターンの例を示すもので、図13(a)は片身出しジグザグ折り、図13(b)は巻き四ツ折り、図13(c)は二ツ折り直角巻き四つ折りの例である。それぞれ図右に示すように印刷を行うとともに疑似接着層602を形成した後、図左に示すように折りたたんで圧着し、フォトブックを作成する。図13(c)の場合では、ロール紙417の幅方向に複数(例えば2枚)の画像を印刷することになる。
即ち、図12、図13に示すような製本パターンが選択された場合(ステップ505の「パターンA」)、選択された製本パターンに沿ってプリンタにより印刷と疑似接着層602の形成を行い(ステップ506)、製本機311の折り機構360により折りたたんで圧着し(ステップ507)、フォトブックであるプリント物124の出力を行い(ステップ518)、製本を終了する。
また、図14は製本パターンの別の例を示すもので、外三ツ折りにより製本を行う例である。この例では、図14(b)に示すように、ロール紙417(用紙)は、表裏に各3面分印刷され、表の2面、裏の2面には疑似接着層602が形成される印刷パターン601を有する。更に、製本を行う際に綴じ代となる部分の一部または全部には、製本機311の糊付け機構350により接着層607が形成される。
ロール紙417は、図14(a)に示すように、表裏の疑似接着層602が形成された2面どうしが対向するように製本機311の折り機構360により折りたたまれる。折りたたまれたロール紙417は、裁断機構370により図14(c)に示す裁断箇所609(綴じ代が形成された一端と対向する端部)を裁断される。すると、綴じ代が接着層607で接着された、図14(d)に示すようなプリント物124であるフォトブックが作成される。
この場合も、上記したように、ロール紙417を折りたたむ際の位置合わせに用いるため、印刷の際に形成した検知マークを検知してもよい。また、印刷の際には、所定の面に郵送の際の宛名を印刷するようにしてもよく、宛名の一部を印刷し、出力の後残りの部分を利用者が自ら記載するようにしてもよい。また、所定の面には画像を印刷せず、利用者が後で宛名やメッセージ等を記載する箇所とすることもできる。宛名と同様、メッセージについても、利用者が事前に入力したものを印刷するようにすることもできる。
図15は、他の製本パターンについて、印刷パターン601と折りパターン、裁断箇所を示すもので、図15(a)はジグザグ折り、図15(b)は巻き三ツ折りの例である。それぞれ印刷を行うとともに疑似接着層602を形成した後、糊付けして接着層607を形成し、図に示すように折りたたんで圧着した後、裁断箇所609を裁断してフォトブックを作成する。
即ち、図14、図15に示すような製本パターンが選択された場合(ステップ505の「パターンB」)、選択された製本パターンに沿ってプリンタにより印刷と疑似接着層602の形成を行い(ステップ508)、製本機311の糊付け機構350により製本の際の綴じ代となる部分に糊付けして接着層607を形成し(ステップ509)、折り機構360により折りたたんで圧着し(ステップ510)、裁断機構370により所定の箇所を裁断した(ステップ511)後、フォトブックであるプリント物124の出力を行い(ステップ518)、製本を終了する。
以上の方法により、写真品質のフォトブックを作成することができる。写真品質のプリントを行うことで、レア感を持たせたものができ、また、疑似接着層602による接着により、内容もはがしてからわかるので、ワクワク感の演出が可能である。また、郵送した後も写真等がばらばらになることがなく、そのまま保管することができるフォトブックが得られる。
さらに、このフォトブックを作成する際に、作成後のフォトブックをそのまま郵送可能な形態とすることも望ましい。そのために、ロール紙417の幅や印刷領域の大きさを、作成後のフォトブックが安価で郵送可能なもの(例えばはがきサイズや定型郵便物サイズ)になるよう定めることが好ましく、例えば折りたたんだ後に郵便はがき程度の大きさになるように、ロール紙417の幅を郵便はがきの長辺方向のサイズ(14〜15.4cm程度)と等しくなるようにすることができ、これにより安価で郵送が可能なフォトブックが作成可能である。また、フォトブック製本後、フォトブックの表紙(表面)となる所定の1面については、上記のように宛名の一部または全部を印刷するようにしておくか、あるいは宛名を利用者自らが記載するために、画像を印刷しない面とすることも好ましい。以上により、上記の効果とともに、安価で郵送可能となる。
また、例えば前述した二ツ折り(図12)の場合などでは、予めロール紙417の表面には画像を印刷せず、空白とする(宛名やメッセージを記載するスペースとする)場合も考えられ、この場合にはプリンタは片面印刷を行うものでもよく、従来知られているものを使用可能である。
また、図16は更に別の製本パターンを示すもので、この例では、製本パターンに応じて図16(b)に示すように、印刷の際にロール紙417の裏面に疑似接着層602を形成する。また、製本機の糊付け機構350では表面の4面(画像の印刷は行わない)と製本後の綴じ代に接着層607を形成する。
これを図16(a)に示すように、折り機構360により、裏面の各面が対向する面の一方の面となるように、ジグザグ状に折りたたみ圧着する。
その後、図16(c)に示すように、裁断機構370にて裁断箇所609を裁断する。これをフォトブックとして出力してもよいが、本実施形態では、図16(d)に示すように、ロール紙417を折りたたみ裁断箇所を切断した後、更に、折り機構360で、折りたたまれたロール紙417を別紙611(別の用紙)で、折りたたまれたロール紙417の製本後に背となる一端が別紙611の折り線と対応するように折りたたんで閉じ、接合機構380で、別紙611を折りたたむ際に対向する別紙611の面を、折り線に対応する辺を除く3辺においてミシン加工等にて接合してフォトブックとして製本する。
即ち、図16に示すような製本パターンが選択された場合(ステップ505の「パターンC」)、選択された製本パターンに沿ってプリンタにより印刷と疑似接着層602の形成を行い(ステップ512)、製本機311の糊付け機構350により製本の際の綴じ代となる部分に糊付けして接着層607を形成し(ステップ513)、折り機構360により折りたたんで圧着し(ステップ514)、裁断機構370により所定の箇所を裁断する(ステップ515)。パターンCでは、更に上記したように別紙を用いて折り機構360によりこれを折りたたんで閉じ(ステップ516)、接合機構380により別紙の所定の箇所を接合(ステップ517)した後、フォトブックであるプリント物124の出力を行い(ステップ518)、製本を終了する。
この方法によっても、写真品質のフォトブックを作成することができる。写真品質のプリントを行うことで、レア感を持たせたものができ、また、疑似接着層602による接着により、内容もはがしてからわかるので、ワクワク感の演出が可能である。また、郵送した後も写真等がばらばらになることがなく、そのまま保管することができるフォトブックが得られる。さらに、前述したものと同様、別紙の大きさとロール紙の大きさを所定のものとして、例えば定型郵便物として安価に郵送することもできる。ミシン加工で接合されたミシン加工箇所613の外側部分を切り取ると、図16(e)に示すように製本されたフォトブックを開くことができる。これにより、上記の効果とともに、安価で郵送可能となる。なお、利用者は、フォトブックの表紙となる別紙の1面に宛名を記載することができる。また、不図示のプリント手段により、別紙の1面に予め入力された宛名の一部または全部を印刷することもできる。
この場合も、上記したように、ロール紙417を折りたたむ際の位置合わせに用いるため、印刷の際に形成した検知マークを検知してもよい。また、所定の面には画像を印刷せず、利用者が後でメッセージ等を記載する箇所とすることもできる。上記と同様、メッセージについても、利用者が事前に入力したものを印刷するようにすることもできる。さらに、製本の形態によっては、例えばロール紙417の表面には画像を印刷せず、空白とする(メッセージを記載するスペース等とする)場合も考えられ、この場合にはプリンタは片面印刷を行うものでもよく、従来知られているものを使用可能である。
なお、印刷を行う手順は、画像出力装置101の制御部301を介して制御することができるが、その制御方法は、一回の搬送で片面に印刷できる最大印刷枚数等によって定めることができる。以下、制御部が行う両面印刷制御の例を説明する。
例えば、フォトブック等を作成する目的で、製本パターンにおいて、M枚の画像を印刷するとする。このとき、1回の搬送で片面に印刷できる最大印刷枚数をN枚とする。制御部はM/(2・N)を計算し、商Aと余りBを求める。これにより、画像出力装置301がロール紙417に両面印刷をA回繰り返して行うこととする。この後、残ったB枚の画像を印刷してゆく。残りのB枚の画像は、例えばロール紙417の上面あるいは下面に1枚ずつ印刷してゆくことができる。
これを具体例をあげて説明する。ページ順にa、b、c、d、e、f、gなる7枚の画像(制御部のメモリに記憶される)をロール紙417に印刷することを考える。また、1回の搬送で片面に印刷できる最大印刷枚数を2枚とする。このとき、M/(2・N)の商Aは1、余りBは3となる。
このときの印刷手順を説明すると、以下のようになる。即ち、まずロール紙417の第1の面にa、cの2枚の画像をこの順に印刷した後、ロール紙417の第2の面にb、dの2枚の画像をこの順に印刷する。これで両面印刷が1回行われ(A=1)、e、f、gの3枚の画像が余ることになる(B=3)。この後、画像出力装置101は、e、f、gの画像をこの順にロール紙417の第1の面と第2の面に1枚ずつ印刷してゆく。
さらに、B/2を計算し、商Cと余りDを求めることで、最後の1枚の第2の面に画像が印刷されるかどうかを判定することができる。余りDが0の場合、最後の1枚の第2の面に画像が印刷される。一方、余りDが1の場合、最後の1枚の第2の面には画像が印刷されない。
この例では、B/2を計算すると、商Cが1、余りDが1となる。従って、最後の1枚の第2の面、即ち画像gを印刷した反対側の面には画像が印刷されない。この面は、例えば宛名を記載する面とすることもできる。
前述したような、別紙で閉じて製本を行う方法は、図12〜図15で示したような別の製本パターンにも適用可能であり、例えば図11に示した製本パターン選択画面550上で選択することが可能である。また、接合機構380も、ミシン加工で接合するものに限ることはなく、既知の様々な方法を用いて接合することができる。
また、製本すべく選択された画像に応じて、利用者が印刷を行うロール紙417の種類を変えることができるようにしてもよい。これは、昼景など明るい色が多い画像を印刷するときは図17(a)に示すような白いロール紙417を使用するが、例えば夜景などの暗い部分が多い画像を印刷する際には、ロール紙417で印刷がされない縁部分が目立たないようにするために、図17(b)に示すような暗い色のロール紙417を選択したりするものである。
この選択を可能とするように、図17(c)に示すように、プリンタ310には数種類のロール紙417を供給可能とするため複数の供給ロール419が備えられ、利用者の選択に応じたロール紙417が供給できるようにしておく。
また、利用者によるロール紙417の選択は、例えば製本パターン選択画面550で製本パターンを選択し、各面に印刷する画像を決定した後、図17(d)に示すような用紙選択画面560を表示させ、画面上で選択を行うようにすることができる。
以上説明したように、本実施形態の画像出力装置等によれば、写真などの入力した画像データを様々な形式で印刷して製本し、プリント面を剥離可能に接着することで、より魅力的な画像出力物を出力することができる。例えば写真品質のプリントを行うことで、レア感を持たせた写真品質のフォトブックが作成でき、また、剥離可能な接着層による接着により、内容もはがしてからわかるので、ワクワク感の演出が可能である。また、このフォトブックは、上記の効果とともに、郵送した後も写真等がばらばらになることがなく、そのまま保管することができる。なお、このフォトブックを作成する際に、作成後のフォトブックを安価で郵送可能な形態(例えばはがきサイズ)とすることもできる。また、印刷する画像に応じて用紙を選択することにより、用紙の縁部と画像の色を合わせ、用紙の縁部が目立たないようにすることもできる。また、用紙に検知マークを形成し、折りたたむ際に検知マークを検知することにより位置合わせを行うことができ、より正確な製本を行うことができる。また、用紙の所定の面に宛名を印刷することにより、利用者が宛名を記載する手間が省けるとともに、統一し整った字体で宛名を記載することができる。これらも、画像出力物であるフォトブックの魅力向上に寄与する。
以上添付図面を参照しながら、本発明に係る画像出力装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものである。