以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<印刷物発行システムの全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる画像記録装置(例えばデジタル複合機)を備える印刷物発行システムの一例を示す構成図である。尚、本実施形態の画像記録装置の事を画像形成装置又は印刷装置とも呼ぶ。又、当該画像形成装置を具備する本実施形態のシステムを、画像形成システム或いは印刷システムとも呼ぶ。又、本実施形態で述べている印刷物発行システムとは、本印刷システムが設置されうるPOD等の印刷環境における実際の作業現場を想定したものである。図1に例示の印刷物発行システムは、デジタル複合機(画像記録装置)101、クライアントPC102、断裁機103を備え、それぞれがネットワーク104により接続されている。またデジタル複合機101は図2に示すような、メディア(媒体)に関する情報を記載したテーブル(メディア情報テーブル)、ならびに図3に示すような、後工程となる断裁機103での断裁処理において、該断裁機103が一度に処理できるメディアの厚さに関する情報を記載したテーブル(後処理機器性能テーブル)を保持している。
なお、断裁機103は印刷物発行システムを構成するデジタル複合機101の後処理機器の一例であり、後処理機器としては特に断裁機に限定されるものではない。又、本実施形態では、印刷装置の1例としてコピー機能及びプリント機能等の複数の機能を具備した複合機のタイプの印刷装置を例に説明する。しかし、外部装置からの印刷データの印刷を実行するプリント機能のみを具備する装置、又は、自装置の原稿読取部から入力する印刷データの印刷を実行するコピー機能のみを具備する装置等、単一機能型の印刷装置でも、本実施形態に適用包含される。
<デジタル複合機の機能構成>
本発明の印刷装置(画像記録装置)の1例に相当するデジタル複合機101の機能構成について図4を用いて説明する。尚、本明細が開示するデジタル複合機101は、処理対象のジョブの印刷データの印刷を印刷媒体(印刷物)に実行する機能を具備する。故に、本明細が開示するデジタル複合機の事を、印刷装置とも呼ぶ。且つ、本明細が開示するシステムは、この印刷装置を具備するシステムであるが故に、印刷システムとも呼ぶ。印刷装置101(本体)及びシート処理装置720を具備する本形態の印刷システムは、印刷装置101により印刷処理がなされた印刷物をシート処理装置720の積載部(例えば図2のスタックトレイ722)に積載可能に構成されている。
図4は、デジタル複合機101の機能構成を示す図であり、ここでは、特にコピー/印刷/FAXなどの機能を有するデジタル複合機が具備する各ユニットのブロック図を例示している。
図4において、401はスキャナ部であり、原稿読み取り処理を行う。402はコントローラ部であり、スキャナ部401において読み取られた画像に画像処理を施し、メモリ405に格納する。404はスキャナ部401において読み取られた画像に対する各種印刷条件を設定する操作部である。操作部404は、本形態にて制御対象となるユーザインタフェースユニットの1例に相当する。この操作部404は、印刷装置101が具備するオペレーションパネルであり、各種の情報表示機能とオペレータからの各種指示の入力機能とを兼ね備えた液晶タッチパネル部を有している。また、403はプリンタ部であり、メモリ405から読み出された画像データ(印刷データ)に基づいて、操作部404により設定された印刷条件のもと、メディア上に記録を行う。図4に例示する本形態の印刷装置が具備する各ユニットは、コントローラ部(制御部とも呼ぶ)402が、統括的に制御する。
<コントローラ402の詳細構成>
本形態の制御部の1例に相当する、デジタル複合機101の制御を実行する該装置が具備するコントローラ部402の、ハードウェア構成の詳細について図5を用いて説明する。
図5に示すように、コントローラ部402内のメインコントローラ501は、主にCPU502と、バスコントローラ503、及び各種I/Fコントローラ回路から構成される。
CPU502とバスコントローラ503は、デジタル複合機101全体の動作を制御するものであり、CPU502はROM504からROM I/F505を経由して読み込んだプログラムに基づいて動作する。また、受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ503は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
DRAM506はDRAM I/F507によってメインコントローラ501と接続されており、CPU502が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
コーデック508は、DRAM506に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM509はコーデック508の一時的なワーク領域として使用される。コーデック508はI/F510を介してメインコントローラ501と接続され、DRAM506との間のデータの転送は、バスコントローラ503によって制御されDMA転送される。
グラフィックプロセッサ524は、DRAM506に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM525はグラフィックプロセッサ524の一時的なワーク領域として使用される。グラフィックプロセッサ524はI/Fを介してメインコントローラ501と接続され、DRAM506との間のデータの転送は、バスコントローラ503によって制御されDMA転送される。
ネットワークコントローラ511はI/F513によってメインコントローラ501と接続され、コネクタ512によって外部ネットワーク104と接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
汎用高速バス515には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ514とI/O制御部516とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスがあげられる。I/O制御部516には、スキャナ部401、プリンタ部403が備える各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ517が2チャンネル装備されており、I/Oバス518によってスキャナI/F回路526、プリンタI/F回路530に接続されている。
パネルI/F521は、LCDコントローラ520に接続され、操作部404上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/Fとから構成される。
操作部404は液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F521を介してCPU502に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F521から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本デジタル複合機101の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
リアルタイムクロックモジュール522は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ用電池523によってバックアップされている。
E−IDEインタフェース539は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施形態の場合、このI/Fを介してハードディスクドライブ538を接続し、ハードディスク540へ画像データを記憶させ、ハードディスク540から画像データを読み込むことが可能である。コネクタ527と532は、それぞれスキャナ部401とプリンタ部403とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(528,533)とビデオI/F(529,534)とから構成される。
スキャナI/F526は、コネクタ527を介してスキャナ部401と接続され、また、スキャナバス541によってメインコントローラ501と接続されており、スキャナ部401から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、さらに、スキャナ部401から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス529に出力する機能も有する。スキャナバス529からDRAM506へのデータ転送は、バスコントローラ503によって制御される。
プリンタI/F530は、コネクタ532を介してプリンタ部403と接続され、また、プリンタバス531によってメインコントローラ501と接続されており、メインコントローラ501から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部403へ出力する機能を有し、さらに、プリンタ部403から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス531に出力する機能も有する。
DRAM506上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部403への転送は、バスコントローラ503によって制御され、プリンタバス531、ビデオI/F534を経由して、プリンタ部403へDMA転送される。
SRAM536は、バックアップ用電池から供給される電源により、デジタル複合機101全体が電源遮断されても記憶内容を保持できる構成となっているメモリであり、バス535を介してI/O制御部と接続されている。EEPROM537も同様にバス535を介してI/O制御部と接続されているメモリである。コントローラ部402のハードウェア構成の詳細は以上である。
<操作部404の構成>
次に各種印刷条件の設定を行う操作部404の構成について説明する。図6の601に示す操作部が図5の521のパネルI/Fの先に接続されている。602はユーザが設定した設定値などを取り消すためのリセットキーである。603は動作中のジョブを中止させる時に使用するストップキーである。604は置数などの数値入力を行うためのテンキーである。605はタッチパネル式の液晶表示部であり、図10に例示が如くの各種操作画面(予め登録された画面)を表示する。各種設定をするためのタッチパネルのボタンが多数存在する。606は原稿の読み込みなどジョブをスタートさせるためのスタートキーである。607は設定などをクリアするためのクリアキーである。当該操作部404を制御する制御部402は、表示部605を含む操作部404を介して入力される、印刷装置101を含む本印刷システムに対するオペレータからの上記例示が如くの各種指示を、受け付ける。且つ、制御部402は、該操作部404を介してオペレータにより入力された指示に基いた動作を、本印刷システムにて、実行させる。且つ、制御部402は、操作部404におけるオペレータ操作の確認をオペレータに促す確認表示、及び、本システムのジョブ処理状況やステータス情報等のオペレータに通知すべき情報の表示、等を、表示部605に、実行させる。このように、制御部402は、印刷装置101が具備する操作部404を操作するオペレータとのインタラクティブなやり取りを行う為の各種制御を実行する。このように、印刷装置101の操作部404を基点とする各種制御を実行可能にしたシステム構成も、オフィス環境のみならずPOD環境にも充分効果を発揮する為の本形態の特徴点の1例でもある。印刷装置101が有するタッチパネル形式の表示部605を具備する操作部404は、オペレーションパネル或いはコントロールパネルとも呼ぶ。
<スキャナ部401及びプリンタ部403のハードウェア構成>
図7はスキャナ部401及びプリンタ部403の断面図である。スキャナ部401の原稿給送装置701は原稿を最終頁から順に1枚ずつプラテンガラス702上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス702上の原稿を排出するものである。
原稿がプラテンガラス702上を搬送されると、ランプ703を点燈し、そしてスキャナユニット704の移動を開始させて、原稿を露光走査する。このときの原稿からの反射光は、ミラー705、706、707、708によってCCDイメージセンサ709へ導かれる。
このように走査された原稿の画像はCCD709によって読み取られるCCD709から出力される画像データは、印刷装置101が具備する、複数の印刷ジョブの印刷データを記憶可能なハードディスク(例えば図4のメモリ405内部のHD)に記憶される。且つ、該HDを介して、当該印刷対象のジョブの画像データの印刷がプリンタ部403により実行される。このような原稿読取ユニットから印刷データが入力されるジョブの一連の印刷動作も、制御部402が制御する。
プリンタ部403にはレーザ発光部710を駆動するためのレーザドライバがあって、スキャナ部401から出力された画像データに応じてレーザ発光部710を駆動し発光させる。
またプリンタ制御部721は外部とネットワークで接続され、入力された画像データを処理し、画像データに応じてレーザ発光部710を駆動し発光させる。
このレーザ光は回転多面鏡で掃引された後、感光ドラム711に照射され、感光ドラム711上にレーザ光の露光に応じた潜像を形成させる。この感光ドラム711の潜像の部分には現像器712によって現像剤が付着される。
そして、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット713およびカセット714のいずれかから記録紙を給紙して転写部715へ搬送し、感光ドラム711に付着された現像剤をメディアに転写する。
現像剤が転写されたメディアは定着部716に搬送され、定着部716の熱と圧力により現像剤はメディアに定着される。
定着部716を通過したメディアは排出ローラ717によって排出され、ソータ720は排出されたメディアをそれぞれのビンに収納してメディアの仕分けを行う。
ソータ720の最上ビンはサンプルトレイ722である。その他に、大量に排出されたメディアを積載できるトレイ723がある。サンプルトレイ722とトレイ723のいずれかに排出するかは、フラッパ724により切り替えられる。
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ717の回転方向を逆転させ、フラッパ718によって再給紙搬送路へ導く。多重記録が設定されている場合は、メディアを排出ローラ717まで搬送しないようにフラッパ718によって再給紙搬送路へ導く。再給紙搬送路へ導かれたメディアは上述したタイミングで転写部715へ給紙される。
<クライアントPCの構成>
図1の印刷システムが具備する印刷装置101とは異なる遠隔の外部装置の1例に相当する情報処理装置(この例ではクライアントPC)102の構成について説明する。
PC102は、例えば図8に示す各種ユニットを具備する。図8の801は制御メモリ(ROM)、802は中央演算処理装置(CPU)、803はメモリ(RAM)、804は外部記憶装置、805はD/A変換器、806は入力装置、807は表示装置、808はバスである。本実施形態にかかる情報処理機能を実現するための制御プログラム(例えば、デジタル複合機101用のプリンタドライバ等)やその制御プログラムで用いるデータは、制御メモリ801に記憶される。これらの制御プログラムやデータは、中央演算処理装置802の制御のもと、バス808を通じて適宜メモリ803に取り込まれ、中央演算処理装置802によって実行される。当該PC102のCPU802は、本形態のユーザインタフェースユニットの1例に相当する入力装置805(マウスやキーボード)及び表示装置806を介してPC102のオペレータからの指示を受け付ける。且つ、CPU802は、その指示に応じた動作をPC102により実行させる。例えば、処理対象となるジョブの各種データ(印刷データ及び印刷条件データ)を印刷実行要求と共に本形態の印刷装置101にネットワークI/F807経由で送信させる。そして、当該処理対象となるジョブの印刷動作を、該ジョブの印刷条件データに従って、該印刷装置101により、実行させるよう制御する。
尚、本形態では、後述の印刷装置101による出力対象の印刷物の区分け処理に関る制御をPC102にて実行する際の構成要件も具備している。例えば、CPU802が、印刷装置101又は後述のニアライン後処理装置等の外部装置から当該制御に必要な後処理装置に関わる情報を、PC102により、獲得させる。或いは、PC102のメモリに予め該後処理装置に関る情報を登録させておく。当該構成を前提とし、CPU802は、後述の区分け処理に関るユーザインタフェース画面を、PC102の表示装置806により、PC102のユーザ操作に応答して、表示させる。且つ、CPU802は、当該画面を介して後述の区分け処理に関る各種要求をPC102のオペレータから受け付ける。そして、CPU802は、該PC102から印刷実行要求がなされた印刷ジョブの印刷動作を、該PC102のオペレータの要求に応じた区分け処理でもって、印刷装置101により、実行させる。この構成については、第2実施形態等で詳述する。
<本形態にて制御対象となるデジタル複合機におけるコピー時の処理の流れ>
図9は、本形態の制御を説明する為のフローチャートである。本形態では、印刷装置101の制御部402が、図9のフローチャートに例示する各ステップの処理・動作を、本印刷装置101により、実行可能に、制御する。図9のフローチャートの処理を印刷装置101により実行させる為のプログラムコードは、例えば、印刷装置101のメモリ405にプログラムデータとして予め記憶されている。制御部402は、当該データを読出実行することで、図9に例示する各種の処理動作を印刷装置101により実行させる。図9の例示のフローチャートは、主に、制御部402が実行するデジタル複合機のコピー時における印刷物の仕分け方法に関する制御における一連の処理手順を示す。
まず、S901にて、制御部402は、印刷装置101の電源がオペレータにより投入後、操作部404の表示部605に、初期画面として、図10に例示の設定画面を表示させる。制御部402は、図10に例示する表示部605の表示領域上方に配列表示させる機能選択キー(コピータブ、送信タブ、ボックスタブ、拡張タブ)1001〜1004を、コピー機能の以外の他の機能の操作画面を表示させている状態でも、表示させる。且つ、制御部402は、コピー機能以外の画面にてコピータブ1001がユーザ押下された事に応答し、図10に例示の表示を、表示部605に実行させる。
制御部402が表示部605に表示させる図10に例示のコピー設定画面は、機能選択キー1001〜1004以外にも、図10に例示の各種表示構成要素1005〜1018を具備する。色選択設定キー1005は、印刷装置101のスキャナ部401により読取対象のジョブの原稿の読取モードをユーザにより指定する為の操作指示キーである。ステータス表示部1006は、印刷装置101の動作状況をユーザに通知する為の情報を表示させる表示部として機能する。倍率表示部1007は、印刷対象のジョブの印刷データの印刷倍率として現在設定済のパラメータをユーザに確認させる為の表示部として機能する。倍率設定キー1008は、印刷対象のジョブの印刷データの印刷倍率をユーザにより設定する為の操作指示部として機能する。
「ソータ」キー1009は、装置101で印刷対象となるジョブの印刷物の仕分け方法を複数の選択候補の中から該装置101のユーザ(オペレータと同義)が指定可能にする為の表示を表示部605により実行させる為の要求を、該ユーザから受け付ける為の、表示キーである。該キー1009がユーザにより押下された場合、制御部402は、図11に例示する表示画面を、印刷装置101の表示部605により、表示させるよう制御する。図10の「ソータ」キー1009や後述の「ソータ」キー4002(図40参照)は、仕分け方法を複数の選択候補の中からオペレータにより特定可能にする表示画面を表示させる為の表示キーである。故に、キー1009やキー4002の名称は、「仕分け方法選択」キーという名称でも良い。且つ、本形態では「仕分け処理」の事を、後述するが如く、「区分け処理」と定義し、称している。故に、キー1009やキー4002は、「区分け処理方法選択」キーという名称でも良い。このように発明の趣旨に矛盾しない範囲内で表示構成要素を適宜変形しても良い。制御部402は、処理対象となる印刷ジョブの為に操作部404のテンキー604等を介してオペレータ入力されたトータルの印刷部数を、図10に例示のUI画面の枚数表示領域1010に、表示させる。尚、図10に例示のUI画面は、濃度設定キー1011、画像モード設定キー1012、割り込みキー1013、両面設定キー1014、紙サイズ設定キー1015、紙サイズ表示部1016、システムモニタキー1017、応用モードキー1018等の各種操作指示キーも具備する。制御部402は、図10に例示が如くの表示部605に表示させる画面やハードキー入力部(図6の表示部605以外の各種ハードキー)を介して入力されるオペレータからの各種印刷条件に従った印刷動作を、プリンタ部403により、実行させる。この操作部404からのオペレータ操作により印刷対象となるジョブは、スキャナ部401から印刷データが入力対象の印刷ジョブ、及び、後述のボックス機能により印刷装置101のHDに印刷データが格納済の印刷ジョブである。
図10に例示の如く、表示部605の表示領域における上方部に配列表示させる機能選択キー1001〜1004は、デジタル複合機101が具備する複数の機能のうちのどの機能の操作画面を表示部605に表示させるかをオペレータが選択する為の表示キーである。例えば、本装置101は、コピー機能、送信機能、ボックス機能、拡張機能の4つの機能を具備する。故に、制御部402は、表示部605に、「コピー」タブ1001、「送信」タブ1002、「ボックス」タブ1003、「拡張」タブ1004を表示させる。例えば、図10に例示の画面上のボックス1003がオペレータにより選択された事に応答し、制御部402は、後述の図39や図40のボックス機能の操作画面を、表示部605に表示させる。このボックス操作については、後述する。
制御部402は、図10の表示を表示部605により実行させたうえで、ステップS902にて、図10の表示におけるキー1009がオペレータにより押下されたか否かを、タッチパネルセンサからの情報を基に、判断する。ステップS902にてキー1009がオペレータにより押下されたと判断した場合、制御部402は、ステップS903に進み、図11に例示の仕分け方法選択画面を、表示部605に表示させる。
制御部402は、図11の例示が如く、印刷装置101により実行可能な複数種類の印刷物の仕分け方法の候補からオペレータにより所望の種類の仕分け方法を処理対象のジョブの為に選択可能にする為の画面を、表示部605により、表示させる。図11の例では、「部数仕分け」ボタン1101、「高さ仕分け」ボタン1102、「後工程指定」ボタン1103を具備する操作画面を、表示部605に、表示させる。例えば、図11の画面のボタン1101がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部402は、操作部404を介して入力されるオペレータからの印刷実行要求により処理すべき印刷ジョブの印刷物の仕分け方法として、「部数仕分け」モードがオペレータにより選択されたと判断する。一方、図11の画面のボタン1102がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部402は、処理すべき印刷ジョブの印刷物の仕分け方法として、「高さ仕分け」モードがオペレータにより選択されたと判断する。一方、図11の画面のボタン1103がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部402は、処理すべき印刷ジョブの印刷物の仕分け方法として、「後工程指定」モードがオペレータにより選択されたと判断する。
制御部402は、S903で図11の表示を表示部605に実行させたうえで、S904にて、「部数仕分け」ボタン1101がオペレータにより押下されたか否かをタッチパネルセンサからの情報を基に判断する。「部数仕分け」ボタン1101がオペレータにより押下されたと判定した場合、制御部402は、ステップS905に進み、図12に例示の表示を、表示部605により、実行させる。図12の表示1201は、図11の画面上にポップアップ表示させる、部数仕分け設定ウィンドウである。制御部402は、図12に例示が如く、「一部毎」ボタン1202と「指定毎」ボタン1203と部数入力欄1204の3つの表示構成要素を具備する表示1201を、ボタン1101がオペレータにより押下された場合に、表示部605により、実行させる。制御部402は、これら2つの表示ボタン1202、1203の各ボタンに対応する2種類の仕分け方法のうちのオペレータが所望の仕分け方法を選択可能に制御する。
例えば、処理対象のジョブの為にトータルの印刷部数としてテンキー604を用いて「4」がオペレータにより設定されたとする。このジョブは、複数部数分の印刷を要するジョブに該当する。そして、このトータルの印刷部数が「4部」の複数部数分の印刷を要するジョブの為に、部数仕分け設定ウィンドウ1201の「一部毎」ボタン1202が、該オペレータにより押下されたとする。そのうえで、スタートキー606の押下により当該ジョブの印刷実行要求が該オペレータにより入力されたとする。この場合、制御部402は、プリンタ部403で印刷対象の当該トータルで4部数分の印刷を要する印刷ジョブの印刷物を、1部数分の印刷束単位で仕分け(区分け)された状態で、本システムの積載ユニットにスタックさせるように、本システムを制御する。このように「一部毎」ボタン1202は、印刷時に印刷物を一部毎に仕分けする為に機能する表示構成要素である。
一方、例えば、処理対象のジョブの為にトータルの印刷部数としてテンキー604を用いて「6」がオペレータにより設定されたとする。このジョブも複数部数分の印刷を要するジョブに該当する。このトータルの印刷部数が「6部」の複数部数分の印刷を要するジョブの為に、部数仕分け設定ウィンドウ1201の「指定毎」ボタン1202が、該オペレータにより、押下されたとする。この場合、制御部402は、部数入力欄1204を有効表示状態とし、該入力欄1204を介して、所望の指定部数の該オペレータにより入力する事を許可する。例えば、該入力欄1204を介してオペレータにより指定部数として「3」が入力されたとする。そのうえで、スタートキー606の押下により当該ジョブの印刷実行要求が該オペレータにより入力されたとする。この場合、制御部402は、プリンタ部403で印刷対象の当該トータルで6部数分の印刷を要する印刷ジョブの印刷物を、1部数分の印刷束単位で仕分け(区分け)された状態で、本システムの積載ユニットにスタックさせる事を、禁止する。この場合、制御部402は、プリンタ部403で印刷対象のトータルで6部数分の複数部印刷を要する印刷ジョブの印刷物を、3部数分の印刷束単位で仕分け(区分け)された状態で、本システムの積載ユニットにスタックさせるように、本印刷システムを制御する。
既述の如く、「指定毎」ボタン1203と入力欄1204は、複数部数分の印刷を要するジョブの印刷物を、1部数分の印刷物単位で区分けする事無く、オペレータが手動入力する指定部数分の印刷物単位で区分けする為に機能する表示構成要素の1例である。この入力欄1204でオペレータにより手動入力を許可する指定部数の値をXとし、処理対象の印刷ジョブの為にオペレータにより手動入力されるトータルの印刷部数の値をYとする。
尚、印刷すべきジョブにて必要なトータルの印刷部数をオペレータに確認させる為の図10の表示欄1010の表示を表示部605に実行させている期間中に、制御部402は、そのジョブのトータルの印刷部数(Y)を、オペレータにより手動入力可能に制御する。且つ、制御部402は、このトータルの印刷部数(Y)が図10の表示を介してオペレータ入力された後にオペレータがソータキー1009を押下した事に応答し、図12の入力欄1204の表示を、表示部605により実行可能に制御する。且つ、制御部402は、図12の入力欄1204を表示部605により有効表示状態にさせている期間中に、トータルの印刷部数(Y)がオペレータにより既に設定済の上記ジョブの為の指定部数(X)を、オペレータにより手動入力可能に制御する。且つ、これらトータルの印刷部数(Y)と指定部数(X)をオペレータにより手動入力させる際は、テンキー604を用いて数値入力させる。又、制御部402は、オペレータにより数値入力させるトータルの印刷部数(Y)と指定部数(X)の両者を、置数データとして管理する。且つ、制御部402は、これらの置数データを、処理すべきジョブの印刷処理条件パラメータとして、そのジョブの印刷データと関連付けておき、印刷装置101による印刷処理時に、これらの置数データを利用する。且つ、制御部402は、印刷すべきジョブの処理が印刷装置101にて完了するまで、これらの置数データを、印刷データと関連付けメモリ405内部のHDDに保持させておく。これにより該ジョブの印刷中断要因発生により印刷が一時中断した際にも対処可能に構成する。
又、印刷装置101により印刷すべきジョブのトータルの印刷部数(Y)とそのジョブの為の指定部数(X)との関係は、『2≦X<Y(共に、正の整数値(自然数))』とする。制御部402は、この大小関係(関係式)もジョブ処理条件として管理し、この関係に矛盾するオペレータ設定や動作の実行は制御部402により禁止するよう制御する。
例えば、図10の表示を操作部404に実行させている最中にオペレータから受付たトータルの印刷部数(Y)が「2」であり、それよりも多い値に相当する「4」が図12の入力欄1204を介して指定部数(X)としてオペレータ入力されたとする。そのうえで、当該ジョブの印刷実行要求を入力するべくオペレータがスタートキー606を押下したとする。この場合、上記関係式の条件を満たしていないと判断し、制御部402は、当該オペレータの設定は無効とし、表示部605にその旨をオペレータ通知する警告表示を実行させる。且つ、当該ケースの場合、スタートキー606を用いてオペレータにより印刷実行要求は既に入力済みではある。しかし、制御部402は、当該ケースの場合、そのオペレータからの印刷実行要求自体を無効とし、原稿読取動作及び印刷動作を含むそのジョブの為の一連の印刷動作を印刷装置101により開始させる事自体を禁止する。このように当該ケースに該当する場合、制御部402は、処理対象となるジョブの印刷処理をキャンセルする。このように、本形態は、指定部数毎に仕分け(区分け)処理がオペレータにより要求されたジョブにて当該オペレータ自身の誤操作やそれに起因した装置誤作動の発生を極力抑える事を可能にする効果を図るように構成している。
尚、上記構成は、オペレータにより誤操作の可能性を考慮した構成であるが故に、必須の構成としなくても良い。例えば、図10の表示を操作部404に実行させている最中にオペレータから受付たトータルの印刷部数(Y)が「5」であり、それよりも多い値に相当する「10」が図12の入力欄1204を介して指定部数(X)としてオペレータ入力されたとする。そのうえで、当該ジョブの印刷実行要求を入力するべくオペレータがスタートキー606を押下したとする。この場合、上記関係式の条件を満たしていないが、制御部402は、このジョブの印刷をキャンセルせずに、該ジョブの印刷動作の開始を許可する。この場合、制御部402は、例えば、このジョブに対してオペレータにより指定部数(X)として「10部」が指定されたが、このジョブの印刷動作では、10部数分の印刷は実行させず、トータルで5部数分の印刷動作を印刷装置101に実行させる。即ち、印刷回数に関しては、指定部数(X)の値よりも、トータルの印刷部数(Y)の値を優先する。但し、仕分け(区分け)処理に関しては、トータルの印刷部数(Y)の値よりも、指定部数(X)の値を優先する。1例として例えば、制御部402は、このトータルで5部数分の印刷を要するジョブの5部数分の全ての印刷物を、全て、区分けする事無く、積載部(例えばスタックトレイ722)に順次スタックさせるよう本印刷システムを制御する。既述の如く構成することで、高度な操作に慣れている事が想定されるPOD環境のオペレータ等が意図的に設定した条件を優先させ、極力、印刷システムの動作を停止させずに高生産性を優先させる等の効果が図れる。
既述の指定部数(X)とトータルの印刷部数(Y)と大小関係に係わる2種類の制御のどちらを実行可能にした構成とするかは、誤操作発生抑止を優先するか高生産性を優先させるかを考慮し、本印刷システムが導入される印刷環境に即した構成である事が望ましい。又更に、例えば、これらのどちらの制御を実行するか、予めオペレータにより初期設定として選択決定可能にした構成でも良い。
既述の例示が如く、制御部402は、トータルで複数部数分の印刷を要し且つ指定部数毎に区分けされた状態で印刷物の積載を要するジョブの為の、印刷装置101を含む本印刷システムに対する、各種制御を、図9のS909の処理を経た場合に、実行する。
制御部402は、図12の表示を表示部605に実行させた状態で、ステップS906にて、図12の表示1201の「一部毎」ボタン1202が選択されたか否かを、表示部605のタッチパネルセンサからの情報を基に判定する。「一部毎」ボタン1202が選択されたと判定された場合には、ステップS907に進む。制御部402は、S907にて、当該操作部404にて印刷条件がオペレータにより設定された処理対象のジョブの為に一部毎に仕分けして印刷するよう設定を行う。そして、このS907の処理を経たうえで、キー606の押下により該ジョブの印刷開始要求をオペレータから受付たとする。これを受け、制御部402は、この設定で処理すべきジョブの印刷物を、1部数分の印刷束毎に区分けされた状態で、積載部(例えばトレイ722)にスタックさせるよう、本印刷システム(印刷装置101)を制御する。
一方、ステップS906において、「一部毎」ボタン1202が選択されなかったと判定されたとする。この場合、制御部402は、ステップS908に進み、図12の表示1201の「指定毎」ボタン1203がオペレータにより選択されたか否かを表示部605のタッチパネルセンサからの情報を基に判定する。尚、S908では、図12の表示1201の部数入力欄1204を介して、少なくとも2部以上の任意の指定部数がオペレータにより入力されたか否かも、判断する。又、制御部402は、ボタン1203押下に応答し入力欄1204の表示を有効状態にする。この状態の間に、オペレータによりテンキー604を用いた数値入力がなされることで、該入力欄1204への指定部数の入力が完了する。オペレータによるボタン1203押下の確認及びオペレータによる指定部数の入力の確認をしたら、制御部402は、S908からS909へ処理を進める。この場合、制御部402は、当該操作部404にて印刷条件がオペレータにより設定された処理対象のジョブの為に、図12の部数入力欄1204に入力された指定部数ごとに仕分けして印刷するよう設定を行う。そして、このS909の処理を経たうえで、キー606の押下により該ジョブの印刷開始要求をオペレータから受付たとする。これを受け制御部402は、この設定で処理すべきジョブの印刷物を、入力欄1204を介しオペレータ入力された値数(X)に相当する指定部数分の印刷束毎に区分けされた状態で、積載部(例えばトレイ722)にスタックさせるよう、本システムを制御する。このS909に係わる各種動作制御は、既述のとおりである。
一方、表示部605に表示させた「部数仕分け」ボタン1101がオペレータにより押下されていない事を、制御部402が、S904にて、確認したとする。又は、表示部605に表示させた「指定毎」ボタン1203がオペレータにより押下されていない事を、S908にて、確認したとする。これらのケースに該当する場合、制御部402は、処理をステップS910に進める。制御部402は、S910にて、表示部605に表示させた「高さ仕分け」ボタン1102がオペレータにより押下されたか否かを、表示部605のタッチパネルセンサからの情報に基き、判断する。表示部605に表示させた「高さ仕分け」ボタン1102がオペレータにより押下された事をS910にて確認した場合、制御部402は、S910からS911へ処理を進める。制御部402は、S911にて、処理すべき印刷ジョブを、所定の高さ(積み上げ高さの許容値内)毎に仕分けして印刷するように設定を行う。このS911の処理を経たうえで、キー606の押下により該ジョブの印刷開始要求をオペレータから受付たとする。この場合、制御部402は、処理対象となる該印刷ジョブの印刷物を、操作部404から入力されるオペレータからの数値情報に基いた高さ毎に区分けされた状態で、積載ユニット(例えばトレイ722)にスタックさせるよう、本印刷システムを制御する。この数値情報は、積載ユニットにおける印刷物の積載量に相当する数値情報であり、換言すると、積載ユニットに印刷物を積み上げた場合の、その印刷物の高さを示す数値情報である。制御部402は、印刷物の高さを示す数値情報を、表示部605に表示させる図11の「高さ仕分け」ボタン1102がオペレータにより押下された事を条件にオペレータから受け付ける。例えば、該ボタン1102が押下された事に応答し、制御部402は、該ボタン1102の右側近傍の表示入力欄(高さ情報入力欄)を有効表示状態とする。且つ、当該状態の間に、制御部402は、該ボタン1102の入力欄を介してオペレータから高さ情報の入力を受け付ける。制御部402は、このボタン1102の入力欄を介してオペレータ入力された該高さ情報に基いた高さ毎に(該情報に基いた積載量毎)区分けされた状態で、この設定で処理すべきジョブの印刷物を、積載部(例えばトレイ722)に、積載させるよう、制御する。
一方、S910において、表示部605に表示させた「高さ仕分け」ボタン1102が押下されていない事を確認したとする。この判定の場合、制御部402は、S910からS912へ処理を進める。S912では、表示部605に表示させた「後工程指定」ボタン1103がオペレータにより押下されたか否かを表示部605のタッチパネルセンサからの情報を基に、判定する。S912において「後工程指定」ボタン1103がオペレータにより押下されたと判定した場合、制御部402はS912からS913に処理を進める。S913では、制御部402は、図13に例示する後工程指定モード画面を、表示部605に表示させる。
制御部402が、表示部605に表示させる図13に例示の後工程指定モード画面では、ボタン1103の設定で処理すべき印刷ジョブの後工程としてオペレータが選択可能な候補に相当するリストを一覧表示させる。この機能は以下に例示のケースに対処する機能である。
例えば、本形態は、当該設定に基いた処理が実行可能な本印刷装置101により印刷がなされたジョブの印刷物に対して、図1の断裁機103による断裁処理が実行可能に構成している。この断裁機103による断裁処理は、印刷装置101にて実行可能な後処理では無い。換言すると、この断裁機103による断裁処理は、印刷装置101を含む本印刷システムが具備する後処理装置により実行対象となる後処理には該当しない後処理である。即ち、断裁機103による断裁処理は、本印刷システムの後処理装置により実行対象外の後処理に該当する。しかし、制御部402は、このような本印刷システムの後処理装置により実行対象外の後処理を要する印刷ジョブにて如何なる後処理を実行するのか、図13の表示の一覧リストを介してオペレータにより明示的に入力可能に、印刷装置101を制御する。且つ、処理対象となる印刷ジョブの為にこの図13のリストにて後工程の指定がオペレータによりなされたうえでスタートキー606が押下されたとする。これを受け制御部402は、当該設定で処理すべきジョブの印刷物を、図13のリストでオペレータ指定された後工程に基いた積載量単位で区分けした状態で、積載ユニットに、積載させるよう、本システム(印刷装置101)を制御する。これにより、このジョブにて、印刷装置101による印刷後に要する本印刷システムにて実行対象外の後処理を実行する際に必要な、オペレータによる作業を、極力減らす事が可能となる。このように、本実施形態では、デジタル複合機101の後工程として、断裁機103による断裁処理を行う場合に対処可能にするための制御を具備する。又、この断裁処理以外にも、例えば、箱詰め処理等が挙げられ、後工程指定モード画面には、かかる処理内容も表示させるよう制御している。この点についても後述する。
又、制御部402が表示部605に表示させる図13の表示のリストにて一覧表示の対象とする後工程情報は、後処理装置の情報を印刷装置101により自動的に取得させる事で表示対象とする情報が存在する。断裁機103の情報に該当する図13の表示の1番目のList1の情報は、この1例に該当する。この断裁機103の情報を図13の表示のリストに表示させるにあたり、次に例示の制御を実行する。
まず、制御部402は、印刷装置101から断裁機103に対して、ネットワーク104経由で、該断裁機103の情報(機器名や実行可能なフィニシングの種類やその能力に関る情報等)の取得要求コマンドを送信させる。このコマンドを断裁機103が受信した事に応じて断裁機103から印刷装置101に対して、返信結果としての該該断裁機103の情報を、送信させ、印刷装置101により受信させる。そして、当該例示が如く、この印刷装置101が該断裁機103の情報を外部から取得したことで、制御部402が、当該情報に基いた情報を図13のリスト上で反映表示させるよう表示部605を制御する。
このように、制御部402は、ニアライン後処理装置の情報は、印刷装置101が自動的に(オペレータによる手動入力操作無しに)獲得させることで、図13の後工程情報のリストに表示させる。ここで述べるニアライン後処理装置(ニアライン後処理ユニットとも呼ぶ)とは、後述でも説明するが、少なくとも、以下の2つの定義を満足する後処理装置に該当するものを定義したものである。
[ニアライン後処理ユニットの定義1] 本システムの印刷装置で印刷された印刷物を、印刷処理後にオペレータによる介入作業(例えば、印刷物の取出作業や搬送作業やその他、後処理に係わる準備作業)等を経る事無しに受取可能には、構成されていない後処理装置。換言すると、印刷装置101と物理的には非接続関係にある後処理装置。
[ニアライン後処理ユニットの定義2] ネットワーク104等のデータ通信媒体に接続可能であり、印刷装置101の制御部402等の機器とデータ通信が実行可能に構成されている後処理装置。換言すると、印刷装置101と電気的には接続関係にある後処理装置。
これらニアライン後処理ユニットの[定義1]と[定義2]の両方を満足する後処理装置を、ニアライン後処理装置(ニアライン後処理ユニット)と定義している。例えば、この1例である断裁機103は、印刷装置101による印刷処理後にオペレータによる印刷物の取出作業等の介入作業を経たうえで、断裁すべき印刷物が、自装置にセットされる。そのうえで、該印刷束に対して断裁処理が実行可能に構成されている。且つ、断裁機103の情報を、自装置が接続されているネットワーク104を介して、印刷装置101にデータ送信可能に構成されている。このように、図1の断裁機103は、印刷装置101と物理的には非接続関係である反面、電気的には接続関係にある後処理装置に該当する。故に、ニアライン後処理装置と定義している。
ここで、図13の表示のリストで選択可能なこのニアライン後処理装置に対応する選択肢をオペレータにより入力可能に構成することで、本システムがどのように動作するかを以下に例示する。
例えば、処理対象となるジョブが、印刷装置101による印刷処理後に、後処理として、図1のネットワーク104に接続された断裁機103による断裁処理を要するジョブであるとする。この場合、制御部402は、該処理対象となるジョブの印刷を印刷装置101に開始させる前、例えば、印刷開始要求をスタートキー606によりオペレータが押下する前に先立ち、上記断裁機103による断裁処理に対応する図13の表示のList1をオペレータ入力可能にする。この図13のList1の項目がオペレータにより選択されたうえでスタートキー606が入力された事を受け、制御部402は、当該設定がなされた印刷ジョブの印刷処理を印刷装置101により実行させる。この際、制御部402は、当該設定がなされた印刷ジョブの印刷処理にて、当該ジョブの印刷物を、オペレータにより指定された図13の表示のList1に対応する後処理に応じた単位で仕分け(区分け)された状態で、積載部(例えばトレイ722)に、積載させるよう、本システムを制御する。例えば、断裁機103の処理能力として、断裁機103が1度にまとめて断裁可能な印刷物の量が、A4サイズで1枚当りの厚さが0.1mmの印刷媒体を最大100枚であるとする。この場合、制御部402は、当該設定で処理すべきジョブの印刷物を、当該断裁機103の処理能力(A4サイズで厚さ0.1mmの用紙を最大100枚収納可能であるという情報)分に相当する単位で区分けした状態で、該積載部に対してスタックさせるよう制御する。
既述のニアライン後処理装置の処理能力に応じた制御を制御部402により実行可能にする為にも、断裁機103等の後処理装置は、ネットワーク104に接続可能に構成し、ニアライン後処理装置として機能させている。このように、印刷装置101等のネットワーク機器とのデータ通信を実行するべく、印刷装置101に物理的接続関係にはないが、印刷装置101と電気的接続関係になるよう、本実施例にて、ニアライン後処理装置を具備した印刷環境となっている。
尚、断裁機103以外のニアライン後処理装置として包含可能な他の後処理装置の1例としては、例えば、印刷装置101で印刷がなされたジョブの印刷物に対してくるみ製本処理等の糊付け製本処理が実行可能な糊付け製本機がある。又、印刷装置101で印刷がなされたジョブの印刷物に対して穴あけ処理等のパンチ処理が実行可能な穴あけ装置もある。又、印刷装置101で印刷がなされたジョブの印刷物に対して包装処理等を実行可能な梱包機器もこれに包含される。
又、制御部402が表示部605に表示させる図13の表示のリストにて一覧表示の対象とする後工程情報には、事前にオペレータが操作部404等のユーザインタフェースユニットで手動入力させておくことで表示対象とする情報も存在する。図13の表示の2番目のList2の情報と3番目のList3の情報が、この1例に該当する。これらは、印刷装置101により印刷がなされたジョブの印刷物の為にオペレータによる箱詰め作業を要する場合に図13の表示にてオペレータにより選択対象となる項目に該当する。
例えば、処理対象となるジョブが、印刷装置101による印刷処理後に、後処理として、「○○箱」という名称に相当する後処理ユニットとしての梱包物(包装手段乃至梱包手段)を用いてオペレータが印刷物の箱詰め作業を要するジョブであるとする。この場合、制御部402は、該処理対象となるジョブの印刷を印刷装置101に開始させる前、例えば、印刷開始要求をスタートキー606によりオペレータが押下する前に先立ち、上記梱包物に対応する図13の表示のList2をオペレータ入力可能にする。この図13のList2の項目がオペレータにより選択されたうえでスタートキー606が入力された事を受け、制御部402は、当該設定がなされた印刷ジョブの印刷処理を印刷装置101により実行させる。この際、制御部402は、当該設定がなされた印刷ジョブの印刷処理にて、当該ジョブの印刷物を、オペレータにより指定された図13の表示のList2に対応する後処理に応じた単位で仕分け(区分け)された状態で、積載部(例えばトレイ722)に、積載させるよう、本システムを制御する。例えば、「○○箱」という名称に相当する梱包物の処理能力として、印刷装置101で印刷された印刷物を、A4サイズで1枚当りの厚さが0.1mmの印刷媒体を最大500枚収納できる能力を具備するとする。この場合、制御部402は、当該設定で処理すべきジョブの印刷物を、当該能力(A4サイズで厚さ0.1mmの用紙を最大500枚収納可能であるという情報)分に相当する単位で区分けした状態で、該積載部に対してスタックさせるよう制御する。
一方、例えば、処理対象となるジョブが、印刷装置101による印刷処理後に、後処理として、「△△箱」という名称に相当する後処理ユニットとしての梱包物(包装手段乃至梱包手段)を用いてオペレータが印刷物の箱詰め作業を要するジョブであるとする。この場合、制御部402は、該処理対象となるジョブの印刷を印刷装置101に開始させる前、例えば、印刷開始要求をスタートキー606によりオペレータが押下する前に先立ち、上記梱包物に対応する図13の表示のList3をオペレータ入力可能にする。この図13のList3の項目がオペレータにより選択されたうえでスタートキー606が入力された事を受け、制御部402は、当該設定がなされた印刷ジョブの印刷処理を印刷装置101により実行させる。この際、制御部402は、当該設定がなされた印刷ジョブの印刷処理にて、当該ジョブの印刷物を、オペレータにより指定された図13の表示のList3に対応する後処理に応じた単位で仕分け(区分け)された状態で、積載部(例えばトレイ722)に、積載させるよう、本システムを制御する。例えば、「△△箱」という名称に相当する梱包物の処理能力として、印刷装置101で印刷された印刷物を、A4サイズで1枚当りの厚さが0.1mmの印刷媒体を最大100枚収納できる能力を具備するとする。この場合、制御部402は、当該設定で処理すべきジョブの印刷物を、当該能力(A4サイズで厚さ0.1mmの用紙を最大100枚収納可能であるという情報)分に相当する単位で区分けした状態で、該積載部に対してスタックさせるよう制御する。
以上の図13の表示のList2やList3で特定される後処理は、本システムの印刷装置による印刷処理後にオペレータによる介入作業を要するオフライン後処理装置(オフライン後処理ユニット)による後処理に該当する。ここで述べるオフライン後処理装置(オフライン後処理ユニットとも呼ぶ)とは、後述でも説明するが、少なくとも、以下の2つの定義を満足する後処理装置に該当するものを定義したものである。
[オフライン後処理ユニットの定義1] 本システムの印刷装置で印刷された印刷物を、印刷処理後にオペレータによる介入作業(例えば、印刷物の取出作業や搬送作業やその他、後処理に係わる準備作業)等を経る事無しに受取可能には、構成されていない後処理装置。換言すると、印刷装置101と物理的には非接続関係にある後処理装置。
[オフライン後処理ユニットの定義2]ネットワーク104等のデータ通信媒体に接続不可能であり、印刷装置101の制御部402等の機器とデータ通信が実行不可の構成に相当する後処理装置。換言すると、印刷装置101と電気的にも非接続関係にある後処理装置。
これらオフライン後処理ユニットの[定義1]と[定義2]の両方を満足する後処理装置を、オフライン後処理装置(オフライン後処理ユニット)と定義している。例えば、この1例である図13のList2の「○○箱」やList3の「△△箱」は、例えば、ダンボール箱など、印刷物を収納可能な単なる梱包物に過ぎないとする。しかし、これは、換言すると、印刷装置101による印刷処理後にオペレータによる印刷物の取出作業等の介入作業を経たうえで、オペレータにより当該印刷物の箱詰め処理が実行可能な後処理ユニットである。但し、これらの後処理ユニットは、ネットワーク通信機能などは具備しておらず、印刷装置101とデータ送信可能に構成されてはいない。このように、図13のList2の「○○箱」やList3の「△△箱」に相当する梱包手段(包装手段)としての収納箱は、印刷装置101と物理的に非接続関係であり、且つ、電気的にも非接続関係にある、後処理装置に該当する。故に、オフライン後処理装置(オフライン後処理ユニット)と定義している。尚、このようなオフライン後処理装置の情報を図13のリストに反映させるには、例えば、事前に、オペレータにより印刷装置101のメモリ405内のハードディスクに、リスト表示させるオフライン後処理装置の情報を登録させる。このオペレータによる手動入力を経て、制御部402は、オフライン後処理装置の情報を獲得し、その獲得したオフライン後処理装置の情報を、図13の表示のリストに表示させ、オペレータにより選択候補の1つとなるよう制御する。
以上図13を用いた制御例が如く、制御部402は、印刷装置101による印刷処理後に、該装置101を含む本システムにて実行対象外の後処理を要するジョブにて、如何なる後処理(後工程)を行うのかを、明示的且つ印刷開始前に、オペレータ入力可能にする。且つ、制御部402は、S913にて図13の表示を介してオペレータ入力に基いた設定を行う。且つ、制御部402は、該設定で処理すべきジョブの印刷物を、S913でオペレータにより明示的に工程が指定された項目に対応する後処理に基いた単位で仕分け(区分け)した状態で、積載部(例えばトレイ722)に積載させるよう、本システムを制御する。
このように、制御部402は、ステップS913にて、後工程指定モード画面において選択されたリストに基づいて仕分けして印刷するよう設定を処理対象となるジョブの為に実行する。
尚、シート処理装置720は印刷装置101自身が具備する後処理装置の1例であるが、これは印刷装置101のオプション装置として該印刷装置101に着脱可能に構成されている後処理装置である。このように、本形態では、印刷装置自身が構成としてシート処理装置720を具備する構成でも、印刷装置のオプションとして印刷装置101にシート処理装置720を接続可能に構成しても良い。この点はどちらの構成でも限定しない。但し、シート処理装置720は、本形態では、インライン後処理装置(インライン後処理ユニット)に該当する。ここで述べるインライン後処理装置(インライン後処理ユニットとも呼ぶ)とは、後述でも説明するが、少なくとも、以下の2つの定義を満足する後処理装置に該当するものを定義したものである。
[インライン後処理ユニットの定義1] 本システムの印刷装置で印刷された印刷物を、印刷処理後にオペレータによる介入作業(例えば、印刷物の取出作業や搬送作業やその他、後処理に係わる準備作業)等を経る事無しに受取可能に、構成されている後処理装置。換言すると、印刷装置101と物理的には接続関係にある後処理装置。
[インライン後処理ユニットの定義2] 印刷装置101内部の信号線等のデータ通信媒体に接続可能であり、印刷装置101の制御部402等の機器とデータ通信が実行可能に構成されている後処理装置。換言すると、印刷装置101と電気的にも接続関係にある後処理装置。
これらインライン後処理ユニットの[定義1]と[定義2]の両方を満足する後処理装置を、インライン後処理装置(インライン後処理ユニット)と定義している。この1例であるシート処理装置720は、印刷装置101内部のシート搬送路を介し、プリンタ部403により印刷がなされたジョブの印刷物を、印刷装置101による印刷処理後にオペレータによる介入作業無しに直接的に自装置内部に導入可能に構成している。且つ、このシート処理装置720の情報(用紙の有無に関する情報や、用紙ジャムやステイプル針のジャム等のエラー情報)を、装置内部の信号線を介して、制御部402に伝達可能に構成している。このように、図7のシート処理装置720は、印刷装置101と物理的に接続関係であり、且つ、電気的にも接続関係にある後処理装置に該当する。故に、インライン後処理装置と定義している。尚、印刷装置101を具備する印刷システムの構成をシステム全体から参酌すると、本形態の印刷システムは、印刷装置101(本体)とインライン後処理装置とを具備した構成である事を意味する。且つ、制御部402が、印刷装置101(本体)とインライン後処理装置を具備する印刷システムを統括的に制御している事を意味する。
しかも特筆すべきは、本形態の制御部402は、本印刷システムが具備する後処理装置(後処理ユニット)には該当しない非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)による後処理を考慮した制御も、本印刷システムで実行可能に構成している。尚、この非インライン後処理ユニットとは、既述の如く、当然、ニアライン後処理装置(ニアライン後処理ユニット)及びオフライン後処理装置(オフライン後処理ユニット)の少なくとも何れかの定義に該当する後処理装置(後処理ユニット)を意味する。換言すると、この非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)は、以下の定義に該当するものを意味する。
[非インライン後処理ユニットの定義] 本印刷システムの印刷装置に対して物理的に接続関係であり且つ電気的にも接続関係にある後処理装置(後処理ユニット)には該当しない後処理装置(後処理ユニット)。例えば、既述の断裁機103がこれに該当する。換言すると、印刷装置101で印刷がなされたジョブの印刷物を該ジョブの印刷処理後にオペレータによる介入作業無しに受取可能な構成を少なくとも具備していない後処理装置(後処理ユニット)がこれに該当する。又、例えば、図28のシート収納箱Aも、これに該当する。換言すると、制御部402等の機器とデータ通信可能な構成も具備していない後処理装置(後処理ユニット)がこれに該当する。
このように[非インライン後処理ユニットの定義]に該当する後処理装置(後処理ユニット)を本形態にて非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)と定義している。本形態では、この非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニットと同義)を考慮した制御として、既述が如くの制御を、本システムにて実行可能に構成している。
例えば、本システムで印刷対象のジョブが要する非インライン後処理ユニットによる後処理(後工程)に基いて(考慮して)オペレータが明示的にその非インライン後処理ユニットに係わる後処理の情報を、手動入力可能に、制御部402が操作部404を制御する。
この1例として、制御部402は、既述の如く、表示キー1009、1101、1203等に対するオペレータによるキー操作に応答し、図12の指定部数入力欄1204を有効表示状態となるように、表示部605による該入力欄1204の表示を制御する。且つ、制御部402は、この表示制御により表示部605に実行させた入力欄1204の表示を介して、印刷対象となる複数部数分の印刷を要するジョブの為の指定部数の値(X)を、オペレータにより明示的に手動入力可能に制御する。且つ、制御部402は、この指定部数情報(X)がオペレータ入力された処理対象の印刷ジョブの印刷物を、該指定部数情報(X)に基いた印刷束毎に仕分け(区分け)された状態で本印刷システムの積載部に順次スタックさせるように、本印刷システムを制御する。この制御が、既述の図9のS909の処理を経たうえで実行する制御であり、且つ、図36に例示の制御例に該当する制御である。
又、別の例として、制御部402は、既述の如く、図11の入力欄1102の表示を表示部605に実行させる。且つ、制御部402は、この表示制御により表示部605に実行させた入力欄1102の表示を介して、印刷対象となるジョブの為の印刷物の積載量(高さ)に関する高さ情報を、オペレータにより明示的に手動入力可能に制御する。且つ、制御部402は、この高さ情報がオペレータ入力された処理対象の印刷ジョブの印刷物を、該高さ情報に基いた積載量毎に仕分け(区分け)された状態で本印刷システムの積載部に順次スタックさせるように、本印刷システムを制御する。この制御が、既述の図9のS11の処理を経たうえで実行する制御であり、且つ、図30に例示の制御例に該当する制御である。
又更なる例として、制御部402は、既述の如く、図13のリストの表示を表示部605に実行させる。且つ、制御部402は、この表示制御により表示部605に実行させた図13のリストの表示を介して、印刷対象となるジョブにて印刷処理後に実行される後処理に利用する非インライン後処理ユニットの処理能力を特定する為の情報を、オペレータにより明示的に手動入力可能に制御する。且つ、制御部402は、この非インライン後処理ユニットの能力情報がオペレータ入力された処理対象のジョブの印刷物を、該能力情報に基いた積載量毎に仕分け(区分け)された状態で本印刷システムの積載部に順次スタックさせるように、本システムを制御する。この制御が、既述の図9のS913の処理を経たうえで実行する制御であり、且つ、図29や図31に例示の制御例に該当する制御である。
尚、図26に例示の制御は、既述のS907の処理を経てスタートキー606がオペレータにより入力された場合に制御部402が実行する制御例に該当する。又、図27に例示の制御は、既述のS914の処理を経てスタートキー606がオペレータにより入力された場合に制御部402が実行する制御例に該当する。
<高さ指定仕分け処理の流れ>
次にステップS911の高さ指定仕分け処理の詳細について説明する。図14は、高さ指定仕分け処理の詳細を示すフローチャートである。本形態では、図9を用いて例示した制御と同様に、印刷装置101の制御部402が、図14のフローチャートに例示する各ステップの処理・動作を、本印刷装置101により、実行可能に、制御する。図14のフローチャートの処理を印刷装置101により実行させる為のプログラムコードも、図9に例示のフローチャートの処理プログラムと関連付けて、例えば、印刷装置101のメモリ405にプログラムデータとして予め記憶されている。制御部402は、当該データを読出実行することで、図14に例示する各種の処理動作を印刷装置101により実行させる。
図14のS1401にて、制御部402は、印刷すべきジョブの為に既述のS911の段階で図11の表示の入力欄1102を介してオペレータ入力により設定された印刷物の積載量に対応する高さ情報の値(積み上げ高さの許容値)を操作部404からの情報を基に認識する。次いでS1402にて、制御部402は、そのジョブの印刷に要する印刷媒体(印刷用紙)の1枚当りの厚さを、メモリ405内部のHDDに予め登録されている図2に例示のメディア情報テーブルのメディア情報を基に、取得する。尚、このジョブの印刷に要する用紙のサイズや種類は、オペレータにより印刷条件として指定された用紙の情報に基いて制御部402により認識する。例えば、図10の操作画面上の用紙選択キー1015をオペレータが押下した事に応答して制御部402が表示部605に表示させる用紙選択画面(不図示)を介して設定された用紙情報を、オペレータからの設定情報として、制御部402が認識する。制御部402は、このオペレータから指定された用紙に該当する用紙の厚さ情報を図2の管理テーブルから検索し、該検索結果として該テーブルから特定した厚さ情報を、当該印刷ジョブにて要する用紙の1枚当りの厚さ情報として判断する。
制御部402は、S1403にて、処理すべき印刷ジョブにて要する1部数分の印刷束当りの印刷物の高さを計算する。例えば処理すべきジョブの種類がコピージョブであるとする。この場合、制御部402は、スキャナ部401のADF(原稿給送装置)にセットされた該ジョブの原稿束の原稿読取動作を、オペレータによりスタートキー606が押下された事に応答し、開始させる。且つ、制御部402は、該スキャナ部401で読取った原稿の画像データを順次ページ順にメモリ405内部のHD(ハードディスク)に記憶させる。制御部402は、このHDへの原稿データの蓄積動作実行期間中に、該ジョブにて読取対象となる原稿の枚数を1枚ずつカウントする原稿枚数カウント動作を並行して実行する。且つ、このジョブにて読取べき原稿を上記ADFから全て給送させ、該ジョブの全ての原稿データがHDに記憶が完了した時点で、制御部402は、上記カウント動作の原稿枚数結果を基に、このジョブの原稿のトータルのページ数を特定する。且つ、制御部402は、このトータルの原稿ページ数と、S1402にて獲得済の該ジョブの印刷にて要する用紙の1枚あたりの厚さとの掛け算を行う。制御部402は、この掛け算の結果に相当するデータを基に、該ジョブにて1部数分の印刷にて要する印刷物の高さの値を、獲得する。この例示のような処理を、S1403の処理として、制御部402は実行する。次いで、S1404にて、制御部402は、S1401の処理で獲得した表示欄1102を介してオペレータ入力された高さ情報とS1403で獲得した該ジョブにて要する1部数分の印刷束の高か情報とを比較参照しつつ、これらの情報をもとに、該オペレータにより入力された高さを超えない最大部数を当該ジョブの為に計算する。
制御部402は、既述のS911の処理を経てスタートキー606がオペレータにより押下された事を条件に、上記ジョブの印刷動作を印刷装置101により実行させるわけだが、この印刷動作として、S1405の処理を実行する。即ち、制御部402は、高さ指定による印刷物の仕分け処理を要する当該ジョブの印刷動作として、1部数分の印刷束毎に仕分けする事を禁止し、S1404にて計算した部数でもって、該ジョブの印刷束の仕分け処理を実行するように、本印刷システムを制御する。
以上の図14を用いて例示した処理の具体例を挙げて説明する。印刷すべきジョブの為に例えばオペレータによる用紙選択キー1015の押下に応答し制御部402が表示部605に表示させた用紙選択画面(不図示)を介してオペレータが設定した用紙の種類(メディアタイプ)が、「普通紙」であるとする。制御部402は、この「普通紙」に対応する用紙一枚当りの厚さ情報として、図2のメディア情報テーブルより、「0.05mm/枚」を取得する。この処理はS1402にて行う。又、このジョブは、100頁の原稿からなる原本(原稿束)の印刷処理としてトータルで50部数分の印刷を要するジョブであるとする。この原稿のトータルの頁数情報は、既述の如く、このジョブの原稿読取動作を実行中に制御部402がカウントした原稿枚数カウントのカウント結果に基き、獲得する。トータルの印刷部数の情報も、既述の如く、図10の枚数表示欄1010の表示を表示部605により実行させている期間中にオペレータによりテンキー入力させるトータルの印刷部数(Y)を確認する事で、制御部402は、獲得する。これらの判断情報を基に、制御部402は、該ジョブの一部数分の印刷に要する印刷束の厚さとして、「0.05mm×100頁=5mm」という情報を獲得する。この処理はS1403にて行う。又、高さ指定による印刷物の仕分けがオペレータにより要求された当該ジョブの為にオペレータが入力欄1102を介して指定した高さが「60mm」であるとする。制御部402は、この高さ情報を、S1401の処理にて獲得する。その上で、制御部402は、これら各種判断情報を基に、S1404の処理を実行する。例えば、制御部402は、S1404にて、該ジョブの為に「60mm/5mm=12」という演算を行う。これは、即ち、当該印刷ジョブの印刷物は、1つの仕分け束として、最大12部(=仕分け量)まで仕分けせずにスタックできる事(1区分あたり、最大、12部数分の印刷束を包含できる事)を意味する。制御部402は、このS1404で獲得した演算結果に基いた仕分け処理を当該ジョブの印刷動作にて実行するよう、制御する。この処理がS1405の処理に対応する。
この図14の処理による該ジョブの本システムにおける印刷結果は、次のとおりになる。
[結果] 該ジョブの1頁目から最終頁(100頁)目迄の一連の原稿画像データが頁順に1頁ずつ印刷された100枚の用紙からなる1部数分(1セット分)の印刷束が作成される。且つ、この1セット分の印刷束が互いに仕分けされていない状態で計12セット分包含されている印刷束が、1区分の印刷束として、作成される。且つ、このような12セット分の印刷束で構成され且つ互いに仕分けされていない状態にある、1区分の印刷束が、合計4つ、各区分毎に、区分けされた状態で、積載部(例えばスタックトレイ722)にスタックされる。且つ、更に、この4区分目の印刷束のうえに、2セット分の印刷束が互いに仕分けされていない状態で、積載部(例えばスタックトレイ722)にスタックされる。このような積載状態となる印刷結果が、本印刷システムにより、得る事が出来る。
尚、この図14のフローチャートの処理に基いた制御例が、図30の制御例に該当する。
<後工程指定処理の流れ>
次にステップS913の後工程指定処理の詳細について説明する。図15は、後工程指定処理の詳細を示すフローチャートである。本形態では、図9や図14を用いて例示した制御と同様に、印刷装置101の制御部402が、図15のフローチャートに例示する各ステップの処理・動作を、本印刷装置101により、実行可能に、制御する。図15のフローチャートの処理を印刷装置101により実行させる為のプログラムコードも、図9や図14に例示のフローチャートの処理プログラムと関連付けて、例えば、印刷装置101のメモリ405にプログラムデータとして予め記憶されている。制御部402は、当該データを読出実行することで、図15に例示する各種の処理動作を印刷装置101により実行させる。
制御部402は、図15のS1501の処理として、ステップS912において印刷対象のジョブの為にオペレータが指定した後工程を認識する。この1例として例えば、制御部402は、表示部605に実行させた図13のリスト表示を介して、オペレータがどの後工程を指定したか、タッチパネルセンサからの情報に基き判断する。
尚、ここでは、1例として、ステップS912において後工程として図13の“List1”(断裁機)がオペレータにより選択されていたとする。又、このList1の断裁機は図1の断裁機103に対応するものとする。この場合、制御部402は、S1502にて、メモリ405内部のHDに予め登録されている図3の後処理機器性能テーブルを参照する。且つ、S1503にて、制御部402は、該後処理機器性能テーブルの情報に基づいて、断裁機103が一度に処理できる印刷物の厚さ(積み上げ高さの許容値)を把握する。
次いでS1504にて、制御部402は、図2に示すメディア情報テーブルから指定メディア一枚あたりの厚さを取得する。この指定メディアとは、処理すべきジョブの印刷処理にて要する用紙としてオペレータが指定した用紙を意味する。即ち、図14のS1402で既述した用紙選択キー1015等を介してオペレータが印刷に利用すべき用紙として指示した用紙を意味する。換言すると、S1504の処理とS1402の処理は同等である。次いでS1505にて、制御部405はメディア情報テーブル(図2)からのメディア1枚あたりの厚さとに基づいて、当該ジョブの印刷物一部あたりの高さ(当該ジョブの1部数分の印刷に要する印刷物の高さ)を計算する。このS1505の処理もS1403の処理と同様なので詳細は割愛する。
次いで、制御部402は、S1503にて獲得済の情報に相当する断裁機103が一度に処理できる印刷物の厚さと、S1505にて獲得済の情報に相当する印刷物一部あたりの高さとに基づいた計算を、S1506にて、行う。この1例として、制御部402は、該ジョブの印刷物に対する断裁処理を断裁機103が実行する場合に、該断裁機103が一度に処理できる量(印刷物の高さ)を超えない最大部数を計算する。これは、当該ジョブが印刷装置101による印刷処理後にニアライン後処理装置により実行予定の後工程(後処理)を考慮した計算を、制御部402が、S1506にて、実行する事を意味する。
制御部402は、既述のS913の処理を経てスタートキー606がオペレータにより押下された事を条件に、上記ジョブの印刷動作を印刷装置101により実行させるわけだが、この印刷動作として、S1507の処理を実行する。即ち、制御部402は、後工程指定指定による印刷物の仕分け処理を要する当該ジョブの印刷動作として、1部数分の印刷束毎に仕分けする事を禁止し、S1506にて計算した部数でもって、該ジョブの印刷束の仕分け処理を実行するように、本印刷システムを制御する。
以上の処理について具体例を挙げて説明する。メディアとして普通紙が指定されていたとし、後処理機器性能テーブルを参照した際、断裁機103が一度に処理できる印刷物の厚さが100mmであったとする。また、一部が100頁からなる原本を50部コピーするよう印刷条件が設定されていたとすると、図2のメディア情報テーブルより、普通紙の厚さは0.05mm/枚であることから、印刷物一部ごとの厚さは、0.05×100頁=5mmとなる。したがって、100mm/5mm=20となり、印刷物として最大20部(=仕分け量)まで積み上げることができることがわかる。
この図15の処理による該ジョブの本システムにおける印刷結果は、次のとおりになる。
[結果] 該ジョブの1頁目から最終頁(100頁)目迄の一連の原稿画像データが頁順に1頁ずつ印刷された100枚の用紙からなる1部数分(1セット分)の印刷束が作成される。且つ、この1セット分の印刷束が互いに仕分けされていない状態で計20セット分包含されている印刷束が、1区分の印刷束として、作成される。且つ、このような20セット分の印刷束で構成され且つ互いに仕分けされていない状態にある、1区分の印刷束が、合計2つ、各区分毎に、区分けされた状態で、積載部(例えばスタックトレイ722)にスタックされる。且つ、更に、この2区分目の印刷束のうえに、10セット分の印刷束が互いに仕分けされていない状態で、積載部(例えばスタックトレイ722)にスタックされる。このような積載状態となる印刷結果が、本印刷システムにより、得る事が出来る。
尚、この図15のフローチャートの処理に基いた制御例が、図31の制御例に該当する。
以上の説明から明らかな如く本実施形態によれば、非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を用いた断裁作業、納品作業等の、後工程(後処理)を考慮した制御を実行する。この1例として、本形態では、印刷装置101により印刷対象となるジョブにて該印刷装置101による印刷後に要する非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を用いた後処理を考慮した制御を、印刷装置101が具備する制御部402が、実行する。これにより、非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を用いた後工程にて要求される作業者の作業を、本印刷システムが開示する制御により、極力、減らす事が可能となるという効果が得られる。このように、POD等のオフィス環境とはユースケースもユーザニーズも異なる印刷環境の実際の作業現場における作業者の作業負荷を低減し、効率的な作業の実現が可能となる。
また、本形態によれば、非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を用いた後工程にて要求される作業者の作業を本印刷システムが開示する制御により極力減らす事が可能となる。故に、POD等の多数のジョブを如何に効率よく処理するかが重要視されうる印刷環境にて、複数のジョブの全体の作業効率の向上が期待できるとともに、作業にかかるコストを削減することも可能となる。
又、非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)の性能に基づいて予め制限されている印刷物の量(印刷枚数や1束当りの印刷物の厚さ等)以上の印刷物を非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)に処理させる等の問題発生も未然に抑制可能となる。故に、このような問題発生に起因して、その非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を破損してしまうといった、人為的ミスの発生も未然に抑制可能となる。又、該問題発生を未然に抑制可能にすることで、例えば、作業に付随する危険を削減する事も可能となる。又、例えば、本印刷装置101で作成された印刷物に対する非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を用いた後工程を、非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)に馴染みのあるベテランオペレータ以外のPODオペレータでも、簡単に、実現可能となる。
尚、第1の実施形態の印刷システムは、既述の如く、以下の構成要件を具備する。
例えば上記印刷システムは、印刷装置101により印刷処理がなされた印刷物を積載部(例えばスタッカトレイ722)に積載可能にした印刷システムである。
且つ、本システムは、印刷装置101で印刷処理を要するジョブにて該印刷処理後に必要な非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を用いた後処理を考慮した指示情報をオペレータが明示的且つジョブ毎に入力可能にする構成している。その為に、本システムは、当該指示情報をオペレータが明示的且つジョブ毎に入力可能に構成した図11〜図13に例示の操作画面を操作部404により表示させる制御を実行する、制御部402を、具備する。
上記構成を前提とし、例えば、該制御部402が操作部404により実行させた図11〜図13で例示の何れかの表示を介して、処理対象の1つのジョブの為に上記指示情報がオペレータにより明示的に入力されたとする。この場合、制御部402は、このジョブの印刷物を、1部数分の印刷物単位で区分けされた状態で上記積載部(例えばスタッカトレイ722)に積載させる事を禁止する。この場合、制御部402は、このジョブの為にオペレータにが明示的に入力した上記指示情報に基づいた印刷物単位で区分けされた状態で、このジョブの印刷物を、該積載部(例えばスタッカトレイ722)により積載させる。
更に上記構成を前提とし、一方、例えば、制御部402が操作部404により実行させた図11〜図13で例示の何れかの表示を介して、処理対象の1つのジョブの為に上記指示情報がオペレータにより明示的に入力されなかったとする。この場合、制御部402は、このジョブの印刷物を、上記指示情報に基づいた印刷物単位で区分けされた状態で、上記積載部(例えばスタッカトレイ722)に積載させる事を、禁止する。この場合、例えば、制御部402は、このジョブの印刷物を、1部数分の印刷物単位で区分けされた状態で上記積載部(例えばスタッカトレイ722)に積載させるよう本印刷システムを制御する。
このように、本印刷システムは、印刷装置101自身が具備するUI部を介してオペレータが明示的に且つ各ジョブ毎に、上記指示情報を入力可能に構成されている。且つ、その指示情報の有無等に基いて、処理対象となる各ジョブ毎に、選択的に、上記例示が如くの区分け動作を実行するように、制御部402により、本印刷システムを制御している。
尚、上記指示情報とは、既述の如く、UI部を介してオペレータにより明示的且つジョブ毎に入力対象となる、指示情報である。これを具体的に換言すると、当該指示情報とは、既述の如く、『処理対象となるジョブにて印刷装置101による印刷処理後に必要な非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を用いた後処理(後工程)を考慮した指示情報』である。本実施例にて、この上記指示情報とは、既述の如く、例えば、以下に例示の指示情報が、少なくとも、当該指示情報として、該当する。尚、以下に例示の各種指示情報は、上記指示情報に包含される情報である。しかし、これらは、指示の形態が異なるので、各指示情報毎に指示形態の種類が異なる複数タイプの指示情報として取り扱う。
[第1タイプの指示情報] 制御部402が操作部404に実行させる入力欄1204の表示を介してオペレータにより明示的且つジョブ毎に手動入力可能にした「指定部数(X)に相当する置数情報」。
[第2タイプの指示情報] 制御部402が操作部404に実行させる入力欄1102の表示を介してオペレータにより明示的且つジョブ毎に手動入力可能にした「印刷物の量を高さで表現した値に相当する高さ情報」。
[第3タイプの指示情報] 制御部402が操作部404に実行させる図13のリスト表示を介してオペレータにより明示的且つジョブ毎に手動入力可能にした「非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)の処理能力に係わる後工程情報」。
尚、本実施例では、上記第1タイプの指示情報に該当する置数(X)は、少なくとも、2以上の自然数(正の整数)である事を大前提としている。換言すると、本形態では、「1」という置数は、「後工程を考慮した指示情報」には該当しないものとして取り扱っている。なぜなら、指定部数として1部が設定されると言うことは、1部毎に印刷物を区分けすることを意味する。これは、POD環境等の印刷環境にて発生しうる後工程に応じた単位で印刷物を区分けしているとは言えない可能性が高いと考えるからである。但し、もし、指定部数に相当する置数として「1」も、処理対象のジョブにて印刷装置101により印刷処理後に必要な後処理を考慮した情報に相当するというのであるならば、必ずしもこれに限らない。この場合、例えば、指定部数に相当する置数として「1」も[第1タイプの指示情報]に包含するものとしてもよい。
以上に例示が如く、本形態の印刷システムは、これら3種類の全ての種類の指示情報に対応する制御を実行可能に構成している。しかし、これら3種類のうちの1種類の指示情報に対応する1種類の制御のみを実行可能に構成しても良い。又は、これら3種類のうちの2種類の指示情報に対応する2種類の制御を実行可能に構成しても良い。このように、少なくとも1種類の指示情報に対応した制御を実行可能にした構成であるならば、如何なる構成でも本発明の範疇である。この点は、図26〜図38を用いて例示した制御例でも述べている事である。しかし、少なくとも、印刷装置101自身が具備するUI部(ユーザインタフェース部)に本形態にて提供するUI機能を提供可能に構成する。且つ、印刷装置101自身が具備するUI部(ユーザインタフェース部)を介して上記指示情報をオペレータが明示的且つ1ジョブ単位で入力可能にした構成とする。且つ、この印刷装置101自身が具備するUI部(ユーザインタフェース部)を介してオペレータが明示的に処理対象のジョブの為に入力した当該指示情報に基いた制御を印刷システムで実行可能に構成する。このように構成する事が望ましい。これは以下に例示する状況を想定し以下に例示が如くの効果を図る為のものでもある。
例えば、POD環境は、オフィス環境とはユースケースもユーザニーズも異なる傾向にある印刷環境といえる。というのも、例えば、オフィス環境は、印刷装置に対して、自分の文書を自分の指示で印刷させるよう指示し、その印刷装置で印刷された自分の印刷物を自分で取りに行くといったケースが多い環境である。かたやPOD環境では、印刷物の作成の依頼は顧客である。且つ、その印刷物の作成の為に印刷装置(又はその印刷装置を具備する印刷システム)に対して動作を指示するのは、POD環境の作業現場で従事する作業者(オペレータ)であるケースが殆どである。このようにPOD環境は、オフィス環境とは異なり、処理すべきジョブの為に印刷装置(又はその印刷装置を具備する印刷システム)を動作させるよう指示するオペレータが、そのジョブの最終成果物を受取る人ではないケースが多い環境でもある。
又、POD環境が如くの印刷環境では、本実施例の図1や図16で示すが如く、その作業現場に、例えば、印刷装置が設置されているだけでなく、その印刷装置とは独立して、断裁機等の専用の後処理装置が設置されている状況が想定される。このような印刷環境では、例えば、処理すべきジョブの為に必要な作業工程として、上記のような印刷装置により印刷された印刷物を、上記のような断裁機を用いて断裁する作業や、箱詰めする作業のような工程が、想定される。このように、処理対象のジョブにて印刷装置(又は、その印刷装置を具備した印刷システム)での処理は終了しても、当該印刷装置による印刷工程の後に当該ジョブにて行われる工程が存在しうる。このような作業現場では、上記のような印刷装置で印刷され且つ当該印刷装置の排紙部に積載された印刷物を、作業者(オペレータ)が、当該印刷装置の排紙部から取り出す作業が発生しうる。そして、上記の断裁や箱詰めといった工程を行うが為に、作業者が印刷物を整えなおしたり、仕分けし直したりする等の作業が要求されうる。このように、POD環境が如くの印刷環境では、処理対象のジョブの為に、印刷装置による印刷処理の終了後に、作業者の介入作業が要求されるケースが頻繁に発生しうる。且つ、その処理対象のジョブにて印刷処理後に必要とされるオペレータによる介入作業の際には、多くの作業がオペレータに要求されうる。
しかも、POD環境が如くの印刷環境では、より多くの顧客からの依頼を短期間短納期で対処すべく、例えば、複数のジョブを効率よくリアルタイムに処理する事が想定されうる。この場合、例えば、印刷装置の目の前にてオペレータが常駐的に存在するケースが想定される。又、生産性に影響を及ぼすような要因が発生したら、その対処をオペレータは速やかに作業現場にて行う必要がある。このような、高い生産性を維持する為に印刷作業現場にてオペレータが対処する必要がある状況としては、以下に例示の状況がある。
例えば、大量の印刷ジョブを納期に間に合うように事前にスケジューリングして、そのスケジューリングに即して大量の印刷ジョブを予め印刷装置101のメモリ405に投入した後、急遽、別の急ぎの印刷ジョブを印刷する必要が発生した場合が、これに該当する。
又、例えば、処理すべき印刷ジョブを印刷装置101に投入する前の段階と、後の段階とでは、印刷装置101が設置されている作業現場にて利用可能な後処理装置(後処理ユニット)が変化したとする。例えば、印刷ジョブを印刷装置101に投入する前の段階では作業現場に存在していなかった非インラインタイプの後処理装置(後処理ユニット)が、印刷ジョブを装置101に投入した後に、その作業現場に新規導入される場合が、これに該当する。又は、故障或いは他のジョブにて利用中である等の理由により、利用不可状態の後処理装置(後処理ユニット)が、処理すべき印刷ジョブを印刷装置101に投入する直前、或いは、その直後に、急遽利用可能になった場合等が、これに該当する。
既述の如く、POD環境が如くの印刷環境では、作業現場にてオペレータによる高い生産性を維持する為の対処が急遽必要になりうる状況が発生しうる。
このような状況に対処するには、作業現場で実際に作業を行うオペレータが存在する位置に最も近い位置に存在する可能性が高い印刷装置101の操作部404を介して、各種要求をオペレータから明示的に受付可能にする構成が要望として存在しうる。且つ、POD環境の作業現場にて発生しうる生産性に影響を及ぼすような状況変化に対しても、当該構成でもって、柔軟且つ動的にジョブのハンドリングを実行可能にした構成が要望として存在しうる。且つ、これにより、処理すべきジョブの順序や処理すべきジョブの処理条件の変更を急遽必要とする状況が作業現場で発生しても、迅速に対応可能にする構成が要望として存在しうる。
換言すると、上記が如くの要望に対処できない構成では、上記が如くの状況が発生した場合、迅速な対応が困難になり、上記要望にも対処出来なくなる。これでは、短期間短納期をメリットに商売を行うPOD業者におけるPOD環境のような、複数のジョブの生産性が重要視されうる印刷環境にて致命的な問題につながりかねない。
更なる具体例でこれを換言すると、印刷装置の操作部404から直接的にPODオペレータから各種要求が受け付け可能に構成されていないと、PC等の外部装置と印刷装置101との間でPODオペレータが頻繁に移動する必要が高くなる可能性がある。このような必要以上の無駄な動作は、複数のジョブを如何に高い生産性でもって処理するかが重要視されうるPOD環境が如くの印刷環境では問題となりうる。
既述が如くの各検討事項を踏まえると、例えば、POD環境における顧客と作業者との関係が如く、最終成果物の受取人と該最終成果物を作成する為に印刷装置又は印刷システムに動作を要求する人間とが異なる印刷環境にも柔軟に対処できるようにする事が望ましい。且つ、その為に、本形態の印刷装置(換言すると、印刷装置を具備する本形態の印刷システム)の操作を実際に行うオペレータにとって、より使い勝手の良い柔軟性に富んだユーザインタフェース環境を提供可能にする事が望ましい。
特に、例えば、POD環境が如くの印刷環境にて、処理対象のジョブにて印刷装置101による印刷後に必要な後処理に係わるオペレータの介入作業の効率を向上できるという効果を図る。且つ、この印刷後に必要な後処理に係わるオペレータの介入作業の効率向上を考慮し当該オペレータの意志を極力尊重可能にした優れた操作環境を、当該印刷装置101を操作するオペレータの為に、当該印刷装置101のUI部を介して提供可能にする。このようなPOD環境が如くの印刷環境を考慮した利便性の高いユーザインタフェース環境を構築できるという効果を図る。このようなPOD環境が如くの印刷環境を考慮した2つの効果の両立を図る事が出来るように印刷システムを構成する事が望ましい。
そこで、本形態の如く構成することで、既述の例示が如くの状況や問題や要望に対しても対処できる。具体例で換言すると、オフィス環境のみならず、PODオペレータにも満足する操作環境を、印刷装置101の操作部404を介して提供出来る。
以上に例示が如くの効果を図る仕組みとして第1の実施形態の如く構成する事が好ましい。尚、既述で述べた事項は、後述する図26以降の図面を用いて例示する各種制御例でも同様であり、本明細の全てに対して共通して言える事項でもある。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、スキャナ部により読み込まれた原稿をデジタル複合機(印刷装置101)にてコピーする場合の仕分けについて主に説明した。本発明はこれに限られず、例えば、クライアントPCが有する画像データをデジタル複合機にて印刷する場合の仕分けについても適用可能であることはいうまでもない。尚、第2の実施形態の構成は、第1の実施形態により得られる効果と同等の効果を、印刷装置とは遠隔の外部装置からの操作で得られるように構成したものである。この1例として例えば、第2の実施形態では、第1の実施形態にて制御部402が実行した制御と同等の制御を、外部装置の一例に相当するクライアントPCの制御部(例えば、図8のCPU802)が、主体となり、実行する構成となっている。且つ、第2の実施形態では、第1の実施形態にて操作部404により提供するユーザインタフェース機能と同等の機能を、外部装置の一例に相当するクライアントPCのUI部(例えば図8の入力装置805や表示装置806)を用いて提供可能にした構成となっている。
例えば、印刷装置101が具備するコピー機能を利用する場合には、既述の如く、仕分けに関する各種設定操作を行う為の操作画面を、印刷装置の表示部605に実行させる。これに対して、第2の実施形態で例示する構成は、クライアントPCから印刷対象となる画像データを印刷装置101に送信し、印刷させるプリント機能を利用するケースに該当する。この場合、印刷ジョブを投入する前にPCのオペレータが操作するクライアントPCに表示される画面を介して仕分けに関する各種設定を行うこととなる。以下、本実施形態の詳細について説明する。
<印刷物発行システムの構成>
図16は、本発明の第2の実施形態にかかる画像記録装置(デジタル複合機)ならびに情報処理装置(クライアントPC)を備える印刷物発行システムの一例を示す図である。尚、ここで述べる印刷物発行システムも、既述の如く、本印刷システムが設置されうるPOD等の印刷環境における実際の作業現場を想定したものである。
図16において、1601は、印刷ジョブに基づいて印刷処理を行うデジタル複合機(画像記録装置)、1602は印刷ジョブを投入するクライアントPC、1602は印刷ジョブの管理を行うサーバである。これらは本形態の印刷システムの外部装置に該当する情報処理装置の1例である。1604乃至1606は、印刷処理の後処理として断裁作業を行うための断裁機であり、各機器はネットワーク1607を介して通信可能に接続されている。
尚、図1の画像形成装置101と図16の画像形成装置1601は同じものであるが故、内部構成については省略する。換言すると、装置1601は、構成要件として、操作部404及び制御部402及びメモリ405及びプリンタ部403を少なくなくとも含む図4に例示が如くの各種ユニットと同等の各ユニットを具備している。但し、本形態の画像形成装置(画像記録装置や印刷装置とも呼ぶ)は、コピー機能及びプリント機能やボックス機能等、複数の機能を有する複合機能型の装置であるが、特に構成は限定しない。例えば、本形態は、コピー機能のみを具備する装置、或いは、PCからのデータをプリントするプリント機能のみを具備した装置等、所謂、単一機能型の画像形成装置であっても勿論良い。
<印刷時のクライアントPCにおける処理の流れ>
図17は、クライアントPC1603から送信される画像データに基づいてデジタル複合機1601にて印刷する場合の、クライアントPC1603における処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理は、クライアントPC1603にインストールされたプリンタドライバ(デジタル複合機1601用のプリンタドライバ)により実行されるものとする。換言すると、例えば、図17で例示する各種処理をPC1603にて実行する為の制御は、主に、PC1603の制御部(図8で説明すると、例えばCPU802に相当)が、実行する。且つ、図16のフローチャートに係わる処理を実行する為の制御プログラムは、PC1603のメモリ(図8で説明すると、例えばROM801に相当)に記憶される。この制御プログラムは、例えば、ネットワークを利用し、PC1603が外部のホームページにアクセスし、そこからダウンロードする。或いは、PC1603に着脱可能な記憶媒体(例えばCD−ROM)がPC1603にセットされた事に応じて、当該記憶媒体からダウンロードする。いずれにしても、当該制御プログラムを、当該PC1603の制御部が、読出し実行可能に構成されていれば、如何なる構成でも良い。
尚、事前に説明しておくが、以下に例示する図17のフローチャートの説明で述べる「ユーザ」とは、PC1603のUI部(図8で説明すると、入力装置805及び表示装置806)を介して印刷装置1601を遠隔操作する、PC1603のオペレータを意味する。且つ、図17のフローチャートの処理により表示制御対象の各種UI画面(図18〜図22の各UI画面)は、PC1603の制御部が、PC1603の表示部(図8で説明すると、例えば表示装置806に相当)に、表示させる、表示画面である。但し、図23で例示するフローチャートの処理は、主に、印刷装置1601により実行させるものである。換言すると、図23で例示するフローチャートの各種処理に関する制御は、主に、印刷装置1601の制御部(図4で説明すると、例えば、制御部402に相当)が実行するものである。これを踏まえたうえで、以下に図17のフローチャートの説明を以下に述べる。
ユーザからの印刷指示が入力されると、ステップS1701では、図18に示す印刷設定画面を表示する。印刷設定画面(図18)には、「仕分け方法選択」ボタン1801があり、ステップS1702では、「仕分け方法選択」ボタン1801が押下されたか否かを判定する。
ステップS1702において「仕分け方法選択」ボタン1801が押下されることなく「印刷」ボタン1803が押下されたと判断された場合には、ステップS1723に進み、印刷設定画面(図18)における設定内容(ここでは、仕分け方法以外の設定内容)が付加された印刷ジョブが、サーバ1602を介してデジタル複合機1601に送信される。
一方、ステップS1702において「仕分け方法選択」ボタン1801が押下されたと判断された場合には、ステップS1703に進み、図19に示す仕分け方法選択画面を表示する。仕分け方法選択画面(図19)には、「部数仕分け」ボタン1901、「高さ仕分け」ボタン1902、「後工程指定」ボタン1903、「AUTO」ボタン1904が表示され、ユーザは任意の仕分け方法を選択することができる。
ステップS1704では、「部数仕分け」ボタン1901が押下されたか否かを判定し、「部数仕分け」ボタン1901が押下されたと判定した場合には、ステップS1705に進み、図20に示す部数仕分け設定ウィンドウ2001を表示する。
部数仕分け設定ウィンドウ2001には、「一部毎」ボタン2002と「指定毎」ボタン2003とが表示され、ユーザはいずれかのボタンを選択することができる。なお、「一部毎」ボタン2002は、印刷時に印刷物を一部毎に仕分けするためのボタンである。一方、「指定毎」ボタン2003は、部数入力欄2004に入力された部数毎に仕分けするためのボタンである。
ステップS1706では、「一部毎」ボタン2002が選択されたか否かを判定し、「一部毎」ボタン2002が選択されたと判定され、さらに「印刷」ボタン1803が押下された場合には、ステップS1707に進み、一部ごとに仕分けして印刷する旨の記載を印刷ジョブに付加したうえで、該印刷ジョブをサーバ1602を介してデジタル複合機1601に送信する。
一方、ステップS1706において、「一部毎」ボタン2002が選択されなかったと判定された場合には、ステップS1709に進み、「指定毎」ボタン2003が選択されたか否かを判定する。「指定毎」ボタン2003が選択されたと判定され、さらに「印刷」ボタン1803が押下された場合には、ステップS1710に進み、部数入力欄2004に入力された部数ごとに仕分けして印刷する旨の記載を印刷ジョブに付加したうえで、該印刷ジョブをサーバ1602を介してデジタル複合機1601に送信する。
一方、ステップS1704において、「部数仕分け」ボタン2001が押下されなかったと判定された場合には、ステップS1712に進み、「高さ仕分け」ボタン1902が押下されたか否かを判定する。ステップS1712において、「高さ仕分け」ボタン1902が押下されたと判定され、さらに「印刷」ボタン1803が押下された場合には、ステップS1713に進み、印刷物が所定の高さになるように仕分けして印刷する旨の記載を印刷ジョブに付加したうえで、該印刷ジョブをサーバ1602を介してデジタル複合機1601に送信する。
一方、ステップS1712において、「高さ仕分け」ボタン1902が押下されなかったと判定された場合には、ステップS1715に進み、「後工程指定」ボタン1903が押下されたか否かを判定する。ステップS1715において、「後工程指定」ボタン1903が押下されたと判定された場合には、ステップS1716に進み、図21に示す後工程指定モード画面を表示する。
後工程指定モード画面には、複数のリストが表示される。本実施形態では、デジタル複合機1601における印刷処理の後工程として、断裁機1604による断裁処理を行うが、断裁処理以外にも、例えば、箱詰め処理等が挙げられ、後工程指定モード画面には、かかる処理内容が表示される。
後工程指定モード画面において後工程を選択したのち、「印刷」ボタン1803が押下されると、ステップS1717では、後工程指定モード画面において選択されたリストに対応する後処理機器性能テーブルに基づいて仕分けして印刷する旨の記載を印刷ジョブに付加したうえで、該印刷ジョブをサーバ1602を介してデジタル複合機1601に送信する。
一方、ステップS1715において、「後工程指定」ボタン1903が押下されなかったと判定された場合には、ステップS1719に進み、「AUTO」ボタン1904が押下されたか否かを判定する。ステップS1719において、「AUTO」ボタン1904が押下されたと判定された場合には、ステップS1720に進み、図22に示すAUTO連動モード画面を表示する。
そして、「印刷」ボタン1803が押下されると、ステップS1721では、現在設定されている後工程に関する情報を印刷ジョブに付加したうえで、該印刷ジョブをサーバ1602を介してデジタル複合機1601に送信する。
<印刷時のデジタル複合機における処理の流れ>
図23は、クライアントPC1603から送信される印刷ジョブに基づいてデジタル複合機1601にて印刷する場合の、デジタル複合機1601における処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2301では、印刷ジョブを受信したか否かを判断し、印刷ジョブを受信したと判断した場合には、ステップS2302に進む。ステップS2302では、受信した印刷ジョブに仕分け指定に関する情報が含まれているか否かを判断する。仕分け指定に関する情報が含まれていないと判断された場合には、ステップS2303に進み、仕分けすることなく当該印刷ジョブに基づいて印刷を行う。
一方、ステップS2302において仕分け指定に関する情報が含まれていると判断された場合には、ステップS2304に進み、当該仕分け指定に関する情報が、「一部ごとの仕分け」についての記載であるか否かを判断する。
ステップS2304において、「一部ごとの仕分け」についての記載であると判定された場合には、ステップS2305に進み、一部ごとに仕分けして印刷を行う。
一方、ステップS2304において、「一部ごとの仕分け」についての記載でないと判定された場合には、ステップS2306に進み、「指定部数ごとの仕分け」についての記載であるか否かを判定する。「指定部数ごとの仕分け」についての記載であると判定された場合には、ステップS2307に進み、当該指定部数ごとに仕分けして印刷を行う。
一方、ステップS2306において、「指定部数ごとの仕分け」についての記載でないと判定された場合には、ステップS2308に進み、「高さ指定による仕分け」についての記載であるか否かを判定する。ステップS2308において、「高さ指定による仕分け」についての記載であると判定された場合には、ステップS2309に進み、指定された高さとメディアの種類とに基づいて、仕分け部数を算出し、当該仕分け部数に従って仕分けして印刷を行う。なお、ここでの仕分け処理の内容は、図14のステップS1402〜ステップS1405と同様であるため、説明は省略する。
一方、ステップS2308において、「高さ指定による仕分け」についての記載でないと判定された場合には、ステップS2310に進み、「後工程指定による仕分け」についての設定であるか否かを判定する。ステップS2310において、「後工程指定による仕分け」についての記載であると判定された場合には、ステップS2311に進み、後工程(本実施形態では断裁処理)に基づいて仕分けして印刷を行う。なお、ここでの仕分け処理の内容は、図15のステップS1502〜ステップS1508と同様であるため、説明を省略する。
一方、ステップS2310において、「後工程指定による仕分け」についての記載でないと判定された場合には、ステップS2312に進み、「自動仕分け」についての記載であるか否かを判定する。ステップS2312において、「自動仕分け」についての記載であると判定された場合には、ステップS2313に進み、自動仕分けによる印刷を行う。なお、詳細は以下に説明する。
<自動仕分け処理の流れ>
ステップS2313の自動仕分け印刷の詳細を説明する。図24は、自動仕分け印刷の詳細の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS2401では、受信した印刷ジョブに含まれる後工程に関する情報を取得する。図25は、「AUTO」ボタン1904が押下された場合にデジタル複合機1601に対して送信される印刷ジョブの一例を示す図である。図25に示すように、後工程に関する情報(ここでは、断裁機1604での断裁処理)が記載されているものとする。
ステップS2402では、図3に示す後処理機器性能テーブル情報を参照する。ステップS2203では、後処理機器性能テーブル情報に基づいて、断裁機1604が一度に処理できる印刷物の高さを把握する。
ステップS2404では、図2に示すメディア情報テーブルから指定メディア一枚あたりの厚さを取得する。ステップS2405では、断裁機1604が一度に処理できる印刷物の高さと、メディア情報テーブルからのメディア1枚あたりの厚さとに基づいて、印刷物一部あたりの高さを計算する。
ステップS2406では、断裁機1604が一度に処理できる印刷物の高さと、印刷物一部あたりの高さとに基づいて、断裁機1604が一度に処理できる高さを超えない最大部数を計算する。
ステップS2407では、ステップS2406にて計算された部数で仕分けして印刷するよう設定される。
以上の処理について具体例を挙げて説明する。メディアとして普通紙が指定されていたとし、後処理機器性能テーブルより断裁機1604が一度に処理できる印刷物の高さが100mmであったとする。また、印刷条件として一部が100頁からなる画像データを50部印刷するよう設定されていたとすると、図2のメディア情報テーブルより、普通紙の厚さは0.05mm/枚であることから、印刷物一部ごとの厚さは、0.05×100頁=5mmとなる。したがって、100mm/5mm=20となり、印刷物として最大20部まで積み上げることができることがわかる。
この結果、「印刷」ボタン1803を押し、50部の印刷を実行させた場合、排出された印刷物は20部ごとの山が2つと、10部の山が1つとに仕分けされることとなる。
なお、これ以上の説明は省略する。なぜなら、第2実施形態にて既述の説明以外に必要な説明は、上記第1実施形態を含む第2実施形態以外の他の実施形態における説明と同一、又は、当該説明に基いて適宜発展応用すれば理解できる事項であるからである。
以上のように第2実施形態によれば、第1実施形態で例示の各種効果を奏する事が出来るのみならず、本形態の印刷システムの外部装置から印刷実行要求がなされた印刷ジョブに対しても第1実施形態で既述の各種効果と同等効果を得られるという更なる効果を奏する。その1例として、例えば、クライアントPCから送信された印刷ジョブを印刷するにあたり、断裁作業、納品作業等の後工程を考慮して、デジタル複合機にて印刷される印刷物の仕分けを決定する構成とすることにより、後工程における作業者の作業負荷を減らすことが可能となる。
また、後工程における作業者の作業負荷の低減に伴って、印刷物発行作業全体の作業効率の向上が期待できるとともに、作業にかかるコストの削減にもつながる。
さらに、後工程の機器の性能に基づいて制限されている枚数、厚さ以上の印刷物を、後工程の機器に処理させることで、当該機器を破損してしまうといった、人為的ミスの発生を防止できると共に、作業に付随する危険を削減することが可能となる。
尚、第1実施形態で既述の[第1タイプの指示情報]〜[第3タイプの指示情報]は、第2実施形態では、PC1603等の外部装置のUI部を介して、入力対象となる。具体的には、既述のとおりだが、これを、図8のコンピュータ側のブロック図を用いて、以下にまとめる。尚、これらの情報は、当然、第1実施形態と同様、『処理対象となるジョブにて本形態の印刷装置による印刷処理後に必要な非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)を用いた後処理(後工程)を考慮した指示情報』に包含される情報である。
[第1タイプの指示情報]PC1603のCPU802がPC1603の表示装置806に実行させる図20の入力欄2004の表示を介してPC1603のオペレータにより明示的且つジョブ毎に手動入力可能にした「指定部数(X)に相当する置数情報」。これが、第2実施例にて外部装置のUI部を介して入力対象となる上記第1タイプの指示情報の1例に該当する。
[第2タイプの指示情報]PC1603のCPU802がPC1603の表示装置806に実行させる図19の入力欄1902の表示を介してPC1603のオペレータにより明示的且つジョブ毎に手動入力可能にした「印刷物の量を高さで表現した値に相当する高さ情報」。これが、第2実施例にて外部装置のUI部を介して入力対象となる上記第2タイプの指示情報の1例に該当する。
[第3タイプの指示情報]PC1603のCPU802がPC1603の表示装置806に実行させる図21のリスト表示を介してPC1603のオペレータにより明示的且つジョブ毎に手動入力可能にした「非インライン後処理装置(非インライン後処理ユニット)の処理能力に係わる後工程情報」。これが、第2実施例にて外部装置のUI部を介して入力対象となる上記第3タイプの指示情報の1例に該当する。
尚、第1実施例では、UI部がタッチパネル形式の表示部を具備した操作部404なので、オペレータが直接的に表示ボタンを操作する構成を例示している。第2実施例では、ポインタやマウス等の入力装置805を用いてオペレータが上記指示情報を入力する。このように若干構成は異なるが発明の趣旨は逸脱しないように構成する事が望ましい。
又、第1実施形態でも第2実施形態でも共通して言えることだが、上記3種類の指示情報の全てを満足した構成のもの以外でも勿論本発明の適用範囲内である。換言すると、上記3種類の指示情報のうちの、1種類の指示情報に対応する構成のみしか具備しないものでも良い。或いは、2種類の指示情報に対応する構成のみしか具備しないものでも良い。このように発明の趣旨を逸脱しない範囲ならば如何なる構成でも良い。
以上に例示が如くの各種効果を、クライアントPCが如くの外部装置のUI部を介して印刷実行要求をオペレータから受付対象となるジョブでも得ることが出来る、という効果を奏する。このように、上記第1実施形態の効果に加え、更に、これらの効果を奏することが出来るので、本明細で述べる各種効果が更に向上可能となる。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、スキャナ401でスキャン対象となる原稿の印刷を行う、所謂、コピー機能を用いた場合について説明した。即ち、オペレータからの印刷実行要求を操作部404を介して受付け、且つ、スキャナ部401による原稿読取動作がなされたうえで当該原稿の印刷データの印刷を実行する、機能において、処理対象となるジョブに関し、説明した。尚、この印刷データとは、例えば、読取画像データの事を意味する。上記第2の実施形態は、クライアントPCより送信された印刷データの印刷を行う、所謂、プリント機能を用いた場合について説明した。即ち、外部装置のUI部を介してオペレータから印刷実行要求を受付け、且つ、外部装置から送信された印刷データの印刷を実行する、機能において、処理対象となるジョブに関し、説明した。尚、ここでいう印刷データとは、例えば、コンピュータから送信対象となる、印刷装置側においてビットマップ画像への展開処理を要するPDLデータが、その1例である。本発明は特にこれに限定されない。例えば、複合機能タイプの印刷装置101が備えるボックス機能にて処理対象となるジョブでも、同等の制御を実行可能に構成しても良い。ボックス機能とは、既述の如く、スキャン部401或いはPC1603等に例示の外部装置から入力対象となる印刷データを、全頁、例えば、メモリ405のハードディスク等の複数のジョブの印刷データを記憶可能なメモリに、ビットマップに展開済の状態で、保存させる機能である。且つ、このボックス機能を利用して、メモリ405のハードディスクに保存した印刷データは、操作部404を介して、オペレータが、印刷実行要求を入力することで、印刷を許可する。且つ、印刷実行要求を入力するにあたり、操作部404を介して、選択候補の印刷データを提示し、その提示した印刷データの中から、所望の印刷データを1又は複数個選択する。且つ、その印刷対象となるジョブの為に、所望の印刷条件を、操作部404を介して、受付ける。その上で、印刷実行要求がオペレータから操作部404を介して入力された事に応じて、当該ジョブの印刷データを、当該設定された印刷処理条件でもって、プリンタ部403により、印刷可能にする。且つ、このようなボックス機能にて処理対象のジョブの印刷データは、オペレータからの操作部404からの指示が無い限り、当該メモリ405のハードディスクから消去させず、且つ、プリンタ部403による印刷後も、当該メモリに保持させておく。且つ、これにより、印刷実行要求が操作部404を介してオペレータ入力される毎に、何度でも、再印刷可能にする。これらの制御も制御部402が主に実行する。このような機能を提供する機能がボックス機能である。このような、ボックス機能にて処理対象となるジョブに関しても、第1実施形態で説明した構成を適用可能に構成しても良い。例えば、後述の図26〜図38を用いた説明も、当該形態の1例である。又、ボックス機能を活用することで、後述の図39〜図41を用いた応用的な制御も、本形態にて実行可能に構成している。この点は後述する。
[第1〜第3の実施形態の具体例]
次に、上述した各実施形態の構成を踏まえて、本形態が開示する画像形成装置(印刷装置と同義)を具備する画像形成システム(印刷システムと同義)にて実行可能な各種制御に関し、詳細な具体的制御例をもって説明する。
本形態の印刷システムが有する印刷装置101(図16の印刷装置1601)は、複数のジョブのデータを記憶可能なハードディスク等の記憶ユニットを具備する。例えば、本印刷装置101は、自装置が具備するスキャナ部401からのジョブデータを受け付ける。又、当該印刷装置101は、ネットワーク104等の通信ユニットを介して外部装置(例えば、図1のコンピュータ102、図16のPC1603やサーバ1602等の情報処理装置や、他の印刷装置等の装置を含む)からのジョブデータを受付る。このように本形態の印刷装置101は、互いに異なる入力経路から、印刷処理の実行を要する複数種類のジョブのデータを受付可能に構成されている。
印刷装置101の制御部402は、これら各種データ入力経路を介して受け付けた複数のジョブの一連の画像データを、各ジョブ毎に、ユーザにより設定された一連の処理条件データと関連付けて、図4に示すメモリ405内部のハードディスクに記憶させる。
又、該制御部402は、自装置の操作部404及び外部装置の操作部等の各種ユーザインタフェースユニットを介して処理対象のジョブに対してユーザ(オペレータと同義)により設定された一連の処理条件データを各ジョブ毎に区別して受け付ける。且つ、制御部402は、図2や図3等の管理テーブル等に記憶されている各種管理情報データや、装置のステータス情報等、各種の判断材料データも自装置内部の各種関係ユニットから取得する。これらの各種判断材料情報に基づいて、制御部402は、印刷装置101を含む本形態の印刷システムにおける各種動作を制御する。
例えば、制御部402は、上記ハードディスクに記憶させた該メモリ部に記憶させた処理対象となるジョブのデータのプリント処理を、ユーザにより設定された一連の処理条件データでもって、プリンタ部403により実行させる。
このような構成のもと、本印刷装置101が、4頁からなる一連の文書データのジョブ(以下、ジョブAと称す)を受け付けたとする。
そして、該ジョブAは、ユーザインタフェース画面を介してオペレータにより設定された処理条件として、例えば以下の一連の処理条件が設定されたジョブであるとする。1)「出力用紙サイズはA4サイズ」、2)「用紙タイプは普通紙」、3)「出力部数は50部」、片面印刷するか両面印刷するかに関する設定として、4)「片面印刷を実行する」。
尚、当該出力用紙(印刷媒体と同義)の1枚当りの厚さは0.1mmであるとする。又、このジョブAの処理にて必要な出力用紙の枚数の合計は、4頁分×50部数分であるが故に、200枚である。故に、このジョブAのシート(印刷媒体と同義)を全てトレイ(図7の積載トレイ722或いは723)に排出した場合の、該ジョブAのシートの高さは、200枚×0.1mmであるが故に、20mm(2cm)である。
そして、該処理対象のジョブAは、例えば、オペレータによりシート処理モードとして、「1部毎に仕分けするモード」が設定されているジョブであるとする。
尚、当該ジョブAが、本装置101のスキャナ部104から投入されたジョブであるならば、当該ジョブのユーザインタフェースは操作部404である。
故に、このようなジョブを受け付ける場合、制御部402は、操作部404の表示部605に図10の画面を表示させる。そして、該画面上のキー1009がオペレータにより押下された事に応じて、制御部402は、図11の画面を表示部605に表示させる。そして、図11の画面にて「部数仕分け」キー1101がオペレータにより押下された事に応じて、制御部402は、図12に示す表示項目2001を表示部605に表示させる。そして、項目2001内の「一部毎」キー2002がオペレータにより選択された事に応じて、制御部402は、該ジョブに対して「1部毎に仕分けするモード」をセットする。
このような一連の操作手順が本形態のユーザインタフェースユニットの一例としての操作部404にてオペレータにより実行されたうえで、該オペレータによりスタートキー606が押下されたとする。すると、制御部402は、当該オペレータ操作に応答して、スキャナ部104から取り込んだジョブAを、制御部402は、「1部毎に仕分けするモード」がユーザにより設定されたジョブであると判断する。換言すると、制御部402は、当該処理対象のジョブAを、「トータルで複数部数分の印刷を要し、且つ、1部数分の印刷物単位で区分け処理を要する、ジョブ」として、取り扱うよう、本印刷システムを制御する。
一方、もし、当該ジョブAが、本装置101に遠隔の外部装置の一例としての図16のクライアントコンピュータ1603からネットワーク1607経由で投入されたジョブであるとする。この場合、当該コンピュータ1603が具備するキーボードやマウスやディスプレイが当該ジョブのユーザインタフェースユニットに相当する。
本形態では、このようにホストコンピュータからジョブを受け付ける場合、オペレータからの指示を、該コンピュータの表示部に表示させる本形態の印刷装置101の為のプリンタドライバを介して、該コンピュータのオペレータから受付可能に構成している。例えば、クライアントPC1603のオペレータによるキー入力操作に応答し、クライアントPC1603の制御部(図8のCPU802)が、該PC1603の表示部に、図18の本印刷装置101のプリンタドライバ画面を、表示させる。
そして、図18の画面上の仕分け方法選択キー1801が、該PC1603のユーザによりポインティングデバイスを用いて押下された事に応答し、PC1603の制御部は、PC1603の表示部に、図19の画面を表示させる。そして、図19の画面にて「部数仕分け」キー1901がPC1603のユーザにより押下された事に応じて、PC1603の制御部は、図20に示す表示項目2001をPC1603の表示部に表示させる。そして、項目2001内の「一部毎」キー2002がPC1603のユーザにより選択された事に応じて、PC1603の制御部は、該ジョブに対して「1部毎に仕分けするモード」をセットする。
このような一連の操作手順が本形態のユーザインタフェースユニットの一例としてのPC1603の表示部を介してPC1603のユーザにより実行されたうえで、図18の画面の印刷キー1803がPC1603のユーザにより押下されたとする。すると、PC1603の制御部は、PC1603から処理対象となる4頁からなる一連のドキュメントデータを含んだジョブデータを、本印刷装置101へ送信させる。この際、PC1603の制御部は、当該プリンタドライバを介してユーザにより設定された該ジョブの一連の処理条件データも、当該ドキュメントデータと一緒に関連付けて装置101へ送信する。
このような一連の処理条件データとプリントデータを含むジョブデータを本印刷装置101が受信し、該データのコマンドを制御部402が解析する。この外部装置からの当該データの解析結果に基き、制御部402は、外部装置から取り込んだ当該ジョブは、「1部毎に仕分けするモード」がユーザにより設定されたジョブであると判断する。このような方法で、制御部402は、外部装置から受付対象の当該ジョブを、「トータルで複数部数分の印刷を要し、且つ、1部数分の印刷物単位で区分け処理を要する、ジョブ」として判断する。
既述が如く、本形態の印刷装置101は、自装置のデータ発生装置(本形態ではスキャナ401)にて生成されるジョブデータも、外部のデータ発生装置(例えば、ホストコンピュータや他の画像形成装置)にて生成されるジョブデータも、受付可能に構成している。
このような「1部毎に仕分けするモード」が設定された該処理対象のジョブのデータは、メモリ405のハードディスクに格納され、本装置101により処理される。本装置101の制御部402は、当該ジョブのデータの処理として、図26に示すような処理を本装置101に実行させるよう本印刷システムを制御する。
図26に示す(ケース1)というのが、上記各種説明した内容である。制御部402は、4頁分の一連の文書データを含んだ該ジョブAを、オペレータからの指示に基づいて、片面印刷で且つ50部数分、プリンタ部403によりプリントさせる。且つ、制御部402は、該プリンタ部403により印刷させた該ジョブAのシート(印刷媒体又は印刷物と同義)を、本装置101の排紙ローラ717により、本装置101自身が具備するシート処理装置720内部へ搬送させる。且つ、制御部402は、このジョブAの印刷物を、例えば、排紙トレイ722に、順次、積載(スタック)させる。制御部402は、このような一連の動作を当該ジョブAの為に実行させるよう本印刷システムを制御する。
この図26を用いた例では、処理対象のジョブAに対して「1部毎に仕分けするモード」が設定されている。換言すると、このジョブAは、「トータルで50部数分の複数部数分の印刷を要し、且つ、1部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を要する、ジョブ」である。故に制御部402は、該ジョブAのシート(プリント済のシート、即ち、印刷物)をトレイ722にスタックさせる際に、該ジョブAの印刷物を1部数分の印刷物毎に区分けされた状態でトレイ722によりスタックさせるように本装置101を制御する。尚、図26では、このような動作モードを、第1モードと定義し、称している。又、本形態で述べる「区分けされた状態で印刷物をスタックさせる」とは、「複数の印刷束の各印刷束の区切り目がオペレータにより認識できるように印刷物の積載を実行させる」事を意味する。このように、区切り目がオペレータにより明確な状態で印刷物の積載を本印刷システムにて実行させる。
図26のシート束2600は、プリンタ部403により印刷処理が済み、且つ、排紙ローラ717により本体内部より排出され、且つ、トレイ722により積載処理が完了した後の状態に相当する、トレイ722におけるジョブAの印刷物の積載結果を意味する。即ち、当該ジョブに対して本装置101が実行すべき処理が全て完了した後のトレイ722におけるジョブ出力結果を示している。第1モードが設定されているジョブを処理する場合には、このような出力結果になるよう、制御部402は、印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。
図26のシート束2600は、図7の印刷装置101のトレイ722に積載された出力束を、図7の図を装置101の正面図として、左側から見た際の出力結果を示す。このトレイ722の様子を図32に示す。図32は、装置101を真上から俯瞰した際のトレイ722の様子を示す。手前側が装置101の正面で、奥側が装置背面を意味する。プリンタ部403からのシートの搬送方向は、右側が上流側で左側が下流側である。図26の出力束2600は、図32のユーザが出力結果を見ている方向から該出力束2600を見た場合のトレイ722の積載状況を意味する。尚、後述する図27〜図31の各シート束についても、図32に示す方向から表現しているものとする。
以上に例示が如くの方法で、制御部402は、該第1モードの設定を含む図26のケース1に示すようなジョブ処理条件がオペレータにより設定されたジョブの印刷実行要求を受け付ける。且つ、当該第1モードが設定済のジョブの処理を装置101に実行させる場合、制御部402は、例えば、図26のシート出力束2600となるような仕分け処理を、当該ジョブの為に実行するように、印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。
例えば図26の例示の如く、制御部402は、4頁からなるドキュメントの当該ジョブAのデータを、片面印刷で且つ50部数分プリントさせる。このジョブAの印刷処理にて、制御部402は、A4サイズで且つ1枚当りの厚さが0.1mmの4枚の普通紙の各シートに、ジョブAの1〜4頁目の各ドキュメントページを、夫々、片面プリントさせる。これを1セットとし、制御部402は、オペレータにより設定されたトータルの印刷出力部数分、即ち、50セット、繰り返し実行させる。これにより50部数分のプリント処理を実行する。
但し、当該ジョブAに対してオペレータにより設定された条件は第1モードである。換言すると、該ジョブAは「トータルで複数部数分の印刷を要し、且つ、第1モードに対応する印刷物の区分け処理を要する、ジョブ」である。故に、制御部402は、プリンタ部403により印刷させた当該処理対象のジョブAの印刷物を、1部数分のシート束毎に区分した状態で、トレイ722にスタックさせるよう、印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。
尚、本形態の印刷装置101は、複数ページからなる一連のジョブのプリントデータを、先頭頁から順番にメモリ402のハードディスクに格納し、それを、先頭ページから順番に読み出して、先頭頁から順番にプリントさせる機能を具備した構成である。尚且つ、印刷装置101は、プリント済みのシートは反転排紙(ファイスダウン排紙)させ、先頭ページの出力紙から順番に排紙部にスタックさせる機能を具備した構成である。
このように本形態の印刷装置101は印刷対象のデータの先頭頁処理が実行可能に構成されている。これによりFCOT(ファーストコピーオンタイム)、又は、FPOT(ファーストプリントオンタイム)、及び、ジョブ全体の生産性の向上を図っている。尚、この方法を実行するうえで頁順序の整合をとる為に、プリンタ部403からのシートは、排紙トレイ722では、すべて、画像形成面が下向きの状態でスタックさせている。換言すると、印刷データの奇数頁目のデータに相当する印刷結果が印刷された印刷面が下向きの状態で、シート(印刷媒体と同義)がトレイ722に順次スタックされる。
故に、図26では、最初に1部目のシート束(P1〜P4)のトレイ722における積載状況は、全頁画像形成面が下向きの状態(フェイスダウンの状態)で、本ジョブのドキュメントの1ページ目の画像がプリントされたシートP1が一番下にスタックされる。そのうえに、2ページ目の画像がプリントされたシートP2、3ページ目の画像がプリントされたシートP3、4ページ目の画像がプリントされたシートP4が、順次スタックされる。2部目以降も同様である。このような1束が4枚からなるシート束を、計50セット分出力させることになる。但し、頁順序や、フェイスダウン排紙から否かは特に言及しなくても良い。例えば、最終ページからプリントするタイプの装置であるならば、画像形成面が上向きの状態で且つ排紙部にて一番下に最終頁の出力紙がスタックされるような構成でも良い。即ち、少なくとも以下の制御を本第1モードで実行可能な構成であればよい。
制御部402は、第1モードが設定された当該ジョブの印刷物を、図26の例示の如くの積載状態でもって、スタックさせるように、印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。例えば図26の制御例が如く、制御部402は、該ジョブの1部目の4枚のシートP1〜P4からなるシート束と、2部目の4枚のシートP1〜P4からなるシート束とが、互いに、排紙トレイ722にて、ずれた状態でスタックされるように、制御する。且つ、制御部402は、当該ジョブの2部目以降のシート束も同様に、図26の制御例が如く、1部毎に、トレイ722にて、ずれた状態でスタックさせる。尚、本明細で述べている「印刷物がずれた状態でスタックさせる」とは、「本印刷システムの積載部に、印刷物がシフトされた状態で、印刷物の積載を実行させる」事を意味する。即ち、図26、図29、図30、図31、図36等の積載形態でもって印刷物をスタックさせる事を意味する。
既述の例は、換言すると、ジョブAという同一ジョブの一連の処理工程にて、プリント処理が先行して行われる第1のグループに属するシート(印刷物と同義)と、それに後続してプリント処理が行われる第2グループに属するシートとが、存在する事を意味する。制御部402は、この同一ジョブにおける第1グループに属する印刷物と第2グループに属する印刷物とがグループ毎に互いに区分けされた状態で積載部にスタックされるような印刷物の区分け処理を、印刷装置101を含む本印刷システムにより、実行させる。
例えば図26の制御例が如く、処理対象のジョブが、トータルで複数部数分の印刷を要し、且つ、本装置101にて実行可能な複数のシート処理モードのうちの第1モードが設定されたジョブであるとする。この場合、制御部402は、図26の制御例が如く、当該ジョブの為の上記複数部数分の印刷処理において、1部数分のシート束の印刷処理をプリンタ部403により完了させる毎に、当該区分け処理を、装置101により実行させる。この構成により、図26のような、1部目〜50部目の全ての印刷物のトレイ722による積載処理が全て完了した後の状態に相当する、トレイ722におけるシート束2600の積載結果となる。即ち、トレイ722におけるジョブAの印刷物の積載結果として、1部数分単位で、互いに、区分けされた状態の出力結果を得られるようになる。
尚、本形態で述べている、シートが区分けされた状態とは、ユーザが本装置101によりプリントされた出力物を排紙部から取り出す際に、シートとシートとの区切り目が該ユーザにより把握出来るような状態である事を意味する。図26の例で言えば、1部目のシート束と2部目のシート束は互いにずれて状態でスタックされている。2部目以降のシート束についても、同様である。故に、1部数分単位で、シートでの区切り目が、ユーザにより理解できる状態である。
又、本形態では、図26や、後述する図27〜図30のように、制御部402による制御により装置101により実行させる区分け処理の一方法例として、シフト排紙処理を実行可能に構成している。これは、同一の排紙トレイ上において、同一グループの属するシート束と他のグループのシート束とが互いにずれた状態になるようにスタックされる処理である。このシフト排紙処理について図33、図34を用いて説明する。
尚、図2のシート処理装置720の構成が、図33や図34のような構成であるものとして、ここでは説明を行う。
図33は、シート処理装置720を正面からみた場合の装置断面図を示す。プリンタ部403でプリントされたジョブのシートは、排紙ローラ717によるシート搬送処理により、シート処理装置720内部のパス3301に、導入される。その後、シート処理装置720内部の処理トレイ3302に一時的にスタックされる。
処理トレイ3302では、1まとまりのグループのシートとしてスタックさせるべき一連のシートの全てを該トレイ3302にスタックさせた上で、ステイプラ3303により該シート束に対するステイプル処理を実行させる事も出来る。そして、1束分の処理が完了したら、該シート束を排紙トレイ722に排出させる事が出来る。
尚、図26のジョブに関し、1束はシートP1〜P4の計4枚のシートで構成される。尚且つ、このジョブはステイプル処理の実行指示はなされていないジョブである。
故に、このジョブのシートを処理する場合には、1部目の出力としてプリンタ部403により1ページ目のデータから4ページ目のデータを先頭ページから順番にプリントさせる。そして、1部目のシートの1枚目のシートから順番にパス3301に導入される1部目のシートP1〜P4を、画像形成面が下向きの状態で、先頭ページから順番に処理トレイ3302にスタックさせる。
そして、当該部の最終紙に相当する4枚目のシートP4が処理トレイ3302にスタックされた事に応じて、整合ユニット3304により、当該1部目のシート束の端部を綺麗に揃える為の整合処理を実行させる。これにより、シートP1〜P4を、1まとまりの出力束とする。
そして、当該整合ユニット3304による整合処理を実行させたうえで、当該1部目のシートP1〜P4を、1まとまりの出力束の状態のままで、そのまま、押し出しユニット3305により、シート処理装置720の機外に排出させる。これにより、1部目のシート束が排紙トレイ722にスタックされる。
このように、複数枚のシートからなるシート束単位での排紙処理を、束排紙処理と呼ぶ。尚、排紙トレイ722は、上下方向に移動可能に構成されている。又、排紙トレイ722は、所定数分のシートがスタックされる毎に、下降させ、一方、シートがトレイ722からユーザにより除去されれば、上昇させたりすることが出来る。換言すると、シート処置装置720の機内から機外へとシートを排出する排紙口とトレイ722でのシートの積載面との距離を一定に維持可能に構成している。
これにより、排紙されたシートがトレイ722積載できないような高さにトレイ722が位置する等の問題や、あまりにも低い位置にトレイ722が存在する事で、排紙したシートのトレイ722にて安定した積載性が維持できない等の不具合を防止するように構成している。
図26の例では、1部目のシート束の処理トレイ3302からトレイ722への束排出処理が完了すると、2部目のシート束の排紙処理を処理トレイ3302で実行させるが、その際に、上記区分け処理として、シートのシフト処理を実行させる。図34を用いて説明する。
図34の図は、図32と同様に、シート処理装置720の排紙トレイ722付近の個所を、装置真上から俯瞰した図である。尚、処理トレイ3302は、図33に示すようにシート処理装置720内部のシート搬送路上に存在するものである。故に、図34の俯瞰図では直視できない。そこで、図34では、処理トレイ3302が装置内部に存在する事を示すように、該ユニット3302を点線で示している。
又、図34は、ジョブを処理している途中の状況を説明する図である。具体的には、処理対象の同一ジョブにおいて、先行してプリント処理が実行されたグループのシートが既に排紙トレイ722にスタックされた後の状況である。尚且つ、現在、処理トレイ3302上に上記先行グループに後続するグループのシートがスタックされている状況を示す。そして、これから、該後続グループのシートのシフト処理並びに束排紙処理を処理トレイ330により実行させようとしている状況である。
例えば、図34で示すトレイ722に既にスタック済みのシート束が、図26に示すシート束2600の1部目のシート束であるならば、図34で示す処理トレイ3302上にスタックさせているシートは、図26の2部目のシートに該当する。
処理トレイ3305には整合ユニット3304が存在する事を図33で説明したが、整合ユニット3304は、2つのユニットで構成されている。これを、図34にて整合ユニット3304a、3304bと表記している。この整合ユニット3304a、3304bは、それぞれ、図34に示すシート搬送方向に対して、垂直方向に移動可能なものであり、且つ、それぞれを独立且つ択一的に動作可能に構成している。
例えば、図26のジョブの1部目のシート束を、そのシート束のシート上端部が図34の第1の整合ポジションを基準に揃うように、処理トレイ3302にて整合させる。この整合処理がなされた1部目のシート束を、トレイ3302からトレイ722に対して束排紙させ、そのまま、トレイ722の第1の積載位置を基準に、スタックさせたとする。このように1部目のシート束を処理させた場合、制御部402は、当該ジョブの2部目のシート束を、次のように処理させる。
まず、シート下端部が第2の整合ポジションを基準に揃うように、当該ジョブの2部目のシートの整合動作を整合ユニット3304に実行させる。例えば、整合ユニット3304bを図34に示す位置で固定させる。この状態を維持させたまま、該2部目のシート束の下端部が該整合ユニット3304bに突き当たるように、整合ユニット3304aを3304b側に移動させる。これにより、図34に示すように後続グループのシート束が第2の整合ポジション側にシフトされた状態にする。
そのうえで、トレイ3302からトレイ722へのシート束の排紙を実行させる。これにより、第2の積載基準位置にシート下端部が揃った状態で、当該2部目のシート束を排紙トレイ722にてスタックさせる事が出来る。
このような一連の処理を施すことで、図26に示す積載状態となる。即ち、1部目のシート束と2部目のシート束とが、シート搬送方向に対して垂直方向に所定長さ分だけシフトされた状態で、排紙トレイ722にスタックされる。図34で説明すると、図26に示す各シート束のシフト量(ずらし量)は20mmとなる。
第2の積載基準位置を基準にスタックされた2部目のシート束の直後に処理すべきグループのシートに相当する3部目のシート束を処理する場合は、1部目のシート束を処理した際と同じ束排紙処理を実行させる。即ち、第1の積載基準位置を基準にトレイ722にスタックさせるようにシート処理装置720を動作させる。
第1の積載基準位置を基準にスタックされた3部目のシート束の直後に処理すべきグループのシートに相当する4部目のシート束を処理する場合は、2部目のシート束を処理した際と同じ束排紙処理を実行させる。即ち、第2の積載基準位置を基準にトレイ722にスタックさせるようにシート処理装置720を動作させる。このように、1グループ分のシート束を処理する毎に、トレイ722におけるシートの積載位置を交互に切り換えるように制御する。
制御部402は、このような処理を当該ジョブにて処理すべき全てのシート束に対して実行させるようシート処理装置720を制御する。これにより、処理対象のジョブにおいて先行グループのシート束のトレイ722における積載位置と、その直後の後続グループのシート束のトレイ722における積載位置とが、所定間隔でもって、ずれた状態(シフトされた状態)で、スタックさせる事が出来る。即ち、図26に示すような積載状態のシート束2600を得る事が出来る。
以上の説明のように、ユーザインタフェースユニットを介して処理対象のジョブに対して複数のシート処理モードのうちの第1モードがユーザにより設定されたとする。当該設定がなされた事に応じて、制御部402は、図26に示すシート束2600のような出力結果が得られるよう本印刷システムを制御する。尚、ここでいう印刷システムとは、既述が如く、印刷装置101本体のみ、或いは、印刷装置101及びシート処理装置720の両方を含めた装置全体、或いは、これらの装置のいずれか一方のみを意味する。
このように、処理対象のジョブが、該第1モードが設定されたジョブであるとする。この場合、制御部402は、プリンタ部403からの当該処理対象のジョブのシートを、1部数分のシート束毎に区分された状態で排紙トレイ722等の積載ユニットによりスタックさせるよう、本印刷システムを制御する。尚、本実施例では、この制御を、第1シーケンスと定義し称している。
この第1シーケンスを実行可能にすることで、オフィス環境にもマッチした高付加価値を装置101により提供可能となる。例えば、オフィスにおいて、自分が所属する部署のメンバー50人に、4ページからなる会議資料を、50人に配布したいような要望をもったユーザがいるとする。このような場合、図26のケース1のような設定を行うことで、図26のような、1部毎に区切れ目が明確なシート束2600を当該ユーザが得ることが出来る。これにより、メンバー全員への当該会議資料の配布をスムーズに実行することが出来る。
ここで、既述の[第1タイプの指示情報]〜[第3タイプの指示情報]と図26の制御例を用いて説明した第1シーケンスとの関係を、念の為、補足説明する。
既述が如く、[第1タイプの指示情報]〜[第3タイプの指示情報]は、全て、「印刷装置101で印刷処理を要するジョブにて該印刷処理後に必要な後処理を考慮した指示情報」の1例に相当する。且つ、本形態は、この少なくとも何れかのタイプの指示情報に相当する指示情報を、本形態が開示するUI部を介して、オペレータにより明示的且つジョブ毎に入力可能に構成している。
ここで、1例として本形態では、制御部402は、以下の条件を全て満足する事を条件に図26の制御例で例示の当該第1シーケンスを処理対象のジョブの為に実行する。
(条件1)処理対象のジョブが、本形態のUI部を介して第1タイプの指示情報も第2タイプの指示情報も第3タイプの指示情報もどの指示情報もオペレータ入力されずに、当該UI部を介してオペレータにより印刷実行要求がなされたジョブである。
(条件2)処理対象のジョブが、1部数分の印刷物単位で区分け処理を実行させる指示情報がUI部を介してオペレータ入力されたうえで、当該UI部を介してオペレータにより印刷実行要求がなされたジョブである。
本形態にて、上記(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブとは、例えば、「複数部数分の印刷を要し、且つ、図12の表示の入力欄1202で「1部毎」がオペレータにより明示的に指示された、ジョブ」である。又、例えば、「複数部数分の印刷を要し、且つ、図20の表示の入力欄2002で「1部毎」がオペレータにより指示された、ジョブ」である。処理対象のジョブが、当該例示が如くのジョブである事に応じて、制御部402は、図26の制御例が如くの上記第1シーケンスを実行する。該説明からも明らかな如く本実施例では、「1部数分の印刷物毎に区分けされた状態で印刷物の積載を実行させる為のオペレータからの指示情報」は、「印刷装置101で印刷処理を要するジョブにて該印刷処理後に必要な後処理を考慮した指示情報」には該当しない。換言すると、入力欄1202又は入力欄2002を介して入力対象となるオペレータからの明示的な指示情報は、「印刷装置101で印刷処理を要するジョブにて該印刷処理後に必要な後処理を考慮した指示情報」には該当しないものとする。このような対応関係となる。
そして、本形態が開示する印刷システムは、上記制御を実行可能にするのみならず、様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応すべく、次のような環境をも想定した制御を実行可能に構成している。
例えば、図26を用いた説明では、主に、オフィス環境にマッチした制御と言える。これに対して、POD環境にも十分対応可能な制御を実行可能にする。
ここで述べるPOD環境として、次のような環境を想定する。例えば、装置101を購入した印刷サービス提供会社が、顧客(以下、顧客A称す)から4ページからなるドキュメントの出力物を、A4サイズの普通紙で且つ片面印刷設定でもって、50部、直ぐに欲しいと依頼を受けたとする。この顧客からは、これ以上の印刷処理条件の要望は特に無かったとする。このような顧客からの要望に応えるべく、該印刷サービス提供会社では、このジョブ(以下、ジョブBと称す)を納期優先(短納期)で処理させる事が想定される。そこで、当該状況に応えるべく、装置101を操作する印刷サービス提供会社のオペレータの為に、次のような制御を、制御部402により実行可能にする。その一例が図27である。
図27に示すケース2は、図26のケース1と仕分け方法が異なるだけで、その他のジョブ処理条件は図26のケース1と全く同一条件である。そして、図27に示すケース2は、仕分け方法として、当該処理対象のジョブBに対してユーザにより第2モードがシート処理モードとして設定された例である。
例えば、上記顧客Aから紙原稿で上記4ページのドキュメントを受け取っているならば、当該顧客AのジョブBを処理するオペレータ(以下、オペレータAと称す)は、例えば、本装置101をフル活用すべく、本装置101のスキャナユニット401を利用する。即ち、該ジョブBの画像データを、本装置101のスキャナユニット104から入力させることになる。故に、当該オペレータAは、該ジョブBの処理条件を、本形態のユーザインタフェースユニットの一例である本装置101の操作部404を介して、設定する。
そこで、制御部402は、例えば、操作部404の表示部605に表示させた図10の画面を介して、図27のケース2のジョブ処理条件に対応するような処理条件を該オペレータAより受け付け可能に制御する。そして、該オペレータAにより、図10の画面の仕分けキー1009を用いて、本形態の区分け処理の実行がOFF状態になるように設定された事に応じて、制御部402は、当該処理対象のジョブは、第2モードのジョブであると判断する。
この第2モードは、図26のシート束や後述する図29〜図31に示すようなシート束のように、処理対象のジョブのシートを、区分けされた状態で積載ユニットにスタックさせる事を禁止し、処理対象のジョブのシートを、区分けしない状態で、積載ユニットにスタックさせるモードである。
又例えば、該顧客Aから電子データで上記4ページのドキュメントを受け取っているならば、当該顧客AのジョブBを処理するオペレータ(以下、オペレータAと称す)は、例えば、本システムが有するコンピュータを利用して、本装置101にジョブを投入する。この場合、例えば、図16のクライアントPC1603から該ジョブBの画像データを入力させる事になる。故に、当該オペレータAは、当該ジョブBの処理条件を、本形態のユーザインタフェースユニットの一例であるホストコンピュータの表示部を介して、設定する。
例えば、本装置101のプリンタドライバをPC1603で起動させる事に応じて、PC1603の制御部が、図18の画面を、PC1603の表示部に表示させる。そして、当該PC1603の表示部に表示させた図18の画面を介して、図27のケース2のジョブ処理条件に対応するような処理条件を該オペレータAより受け付け可能に制御する。そして、例えば、該オペレータAにより、図18の画面の仕分け方法選択キー1801を用いて、本形態の区分け処理の実行がOFF状態になるように設定されたとする。この場合、該PCの制御部402は、第2モードのジョブとして図27のジョブBのデータを、本装置101へ送信する。そして、当該データを本装置101が受信したら、当該制御部402が、当該処理対象のジョブデータを解析することで、当該ジョブBは第2モードのジョブであると判断する。
以上の図27のケース2のように、処理対象のジョブBが、シート処理モードとして第2モードのジョブである場合には、制御部402は、図27のシート束2700が得られるように、本印刷システムを制御する。換言すると、当該ジョブBは、「処理対象のジョブの印刷物の全てを、区分け処理の実行無しに、積載部にスタックさせる必要のある、ジョブ」である。このジョブBの一連の印刷処理では以下に例示の動作を実行するように、制御部402は、本印刷装置101を含む本印刷システムを、制御する。
例えば、制御部402は、ジョブBのプリント処理として、A4サイズで且つ1枚当りの厚さが0.1mmの、4枚の普通紙の各シートに、1〜4頁目のジョブBの各ドキュメントデータを、夫々、ページ単位で、片面プリントさせる。これを1セットとし、制御部402は、オペレータAにより設定された印刷出力部数分、即ち、50セット、繰り返し、該ジョブBの印刷を実行させる。これによりジョブBの50部数分のプリント処理を実行する。但し、ジョブBは第2モードのジョブである。即ち、ジョブBは、処理対象のジョブの印刷物の全てを区分け処理の実行無しに積載部にスタックさせる必要のあるジョブである。
故に、制御部402は、プリンタ部403からシート処理装置720の搬送路3301に導入させるジョブBのシートに対して、図26のような、整合ユニット3304によるシフト動作を実行する事は禁止する。制御部402は、プリンタ部403からのジョブBのシートを、シフト動作の実行無しに、そのまま、処理トレイ3302を介して排紙トレイ722へ排紙させる。
但し、印刷物の荷崩れが発生することを防止する。故に、トレイ722における第1、第2の積載基準位置の何れか一方の基準位置でもって、シートの端部が全て揃うように、シートの積載処理を実行させる。このように、当該ジョブBの為の動作を装置101に実行させるよう制御する。
これにより、トレイ722におけるジョブBの印刷物の積載状態(積載結果)は、図27のシート束2700のような出力結果となる。即ち、オペレータAにより設定された50部数分の全てのシートが、部の切れ目であろうが否かに関係なく、区分けされていない状態で、トレイ722にスタックされるように、当該ジョブは処理される。
ここで、なぜ、上記第2モードによる一連の制御(以下、第2シーケンスと称す)が、上記要望に満足できるか理由を述べる。なぜなら、例えば、図27のシート束2700は、図26のシート束2600のようにシートの区分け処理を実行する必要がない。例えば、図26のシート束2600を得るには、シート束のずらし動作を処理トレイ3302を介して49回行うことになる。
一方、図27のシート束2700は、このような、ずらし動作を実行させる事なく、得ることが出来る。故に、このようなシートのずらし動作を省略できる分、図26のジョブよりも早く出力が完了する。即ち、図26のジョブAよりも図27のジョブBの方が生産性が高く、短納期で処理する事が出来るからである。
このように、本形態の装置101を含むシステムにて第2シーケンスも実行可能に制御する。この構成も、様々な状況に対応可能にし、様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応出来るという上記の効果を得る為の1つの仕組みである。
ここで、既述の[第1タイプの指示情報]〜[第3タイプの指示情報]と図27の制御例を用いて説明した第2シーケンスとの関係を、念の為、補足説明する。
既述が如く、[第1タイプの指示情報]〜[第3タイプの指示情報]は、全て、「印刷装置101で印刷処理を要するジョブにて該印刷処理後に必要な後処理を考慮した指示情報」の1例に相当する。且つ、本形態は、この少なくとも何れかのタイプの指示情報に相当する指示情報を、本形態が開示するUI部を介して、オペレータにより明示的且つジョブ毎に入力可能に構成している。
ここで、1例として本形態では、制御部402は、以下の条件を全て満足する事を条件に図27の制御例で例示の当該第2シーケンスを処理対象のジョブの為に実行する。
(条件1)処理対象のジョブが、本形態のUI部を介して第1タイプの指示情報も第2タイプの指示情報も第3タイプの指示情報もどの指示情報もオペレータ入力されずに、当該UI部を介してオペレータにより印刷実行要求がなされたジョブである。
(条件2)処理対象のジョブが、1部数分の印刷物単位で区分け処理を実行させる指示情報すらもUI部を介してオペレータ入力されずに、当該UI部を介してオペレータにより印刷実行要求がなされたジョブである。
本形態にて、上記(条件1)と(条件2)の両方を満足するジョブとは、例えば、図11〜図13の各表示のどの表示においてもオペレータからの指示情報が一切入力されずに操作部404を介してオペレータから印刷実行要求がなされたジョブである。又、例えば、図19〜図21の各表示のどの表示においてもオペレータからの指示情報が一切入力されずにPC1603のUI部を介してオペレータから印刷実行要求がなされたジョブである。処理対象のジョブが、当該例示が如くのジョブである事に応じて、制御部402は、図27の制御例が如くの上記第2シーケンスを実行する。このように、「印刷装置101で印刷処理を要するジョブにて該印刷処理後に必要な後処理を考慮した指示情報」も、「1部数分の印刷物毎に区分けされた状態で印刷物の積載を実行させる為のオペレータからの指示情報」もオペレータ入力されなかったとする。この場合、図27に例示の第2シーケンスが如く、制御部402は、当該処理対象のジョブの印刷物の全てを、印刷物の区分け処理を禁止した状態で、積載部に、スタックさせる。このような対応関係となる。
そして、本形態は、以上のような構成を前提とし、例えば、POD環境における実情や今後の展開を見据え、本システムの実用化が実現した場合でも、十分に上記効果を発揮すべく、以下のような制御も実行可能に構成している。
例えば、本装置101を導入している上記印刷サービス提供会社が、ある企業の依頼主(以下、顧客Bと称す)から、4ページからなるドキュメントデータを、A4サイズの普通紙で且つ片面印刷設定でもって、50部、出力作成して欲しいと依頼を受けたとする。即ち、これらの一連の印刷処理条件は、図26のケース1や図27のケース2のジョブの一連の処理条件と同様である。
しかし、当該顧客Bからは、上記条件に加え、更に、以下の条件が指定されたとする。例えば、上記印刷サービス提供会社にて用意している梱包物に、当該顧客Bの印刷出力物を収納し、それを最終成果物として、顧客Bに納品して欲しいと依頼を受けたとする。この梱包物の一例として適用可能なシート収納箱の一例が図28に示すシート収納箱A2800である。尚、これ以上の要望は顧客Bから特に無かったとする。
シート収納箱A2800の形状等は、例えば、図28に示すとおりとする。図28に示す数値は、シート収納部A2800の内容積を意味し、縦方向のサイズが297mm、横方向のサイズが210mm、高さ方向のサイズが10mmを意味する。即ち、図28に示すが如く、シート収納箱A2800の収納能力は、例えば、A4サイズで且つ1枚当りのシートの厚さが0.1mmのシートを、最大100枚収納可能とする。
本形態では、以上のような一連の処理条件を有する顧客Bのジョブ(以下、ジョブCと称す)を処理するオペレータ(以下、オペレータBと称す)が、例えば、プリンタ部403によりプリントされ、排紙トレイ722にスタックされる、当該ジョブCのシート束を、排紙トレイ722から取り出し、図28のシート収納箱A2800に、手作業で、箱詰めする作業を行う状況を想定する。
これが、本形態が着目している本画像形成システムにより実行される後処理工程の1例に相当する。尚、何故、本形態にて後工程と称しているのか、その理由は、本装置101のプリンタ部403によるプリント処理を基点に述べているからである。例えば、当該ジョブCの為に本システムにて実行するべき複数の処理工程からなる一連の作業工程(ワークフローとも呼ぶ)では、このような、シート収納箱を用いたオペレータによるシート収納工程を、少なくとも、必要とする。この当該シート収納箱を用いたオペレータによるシート収納工程は、本装置101のプリンタ部403によるプリント処理工程の後に、実行させる必要のある、後工程(後処理)であるからである。
本形態の印刷装置101を含む本印刷システムは、このような状況にも対応可能に構成している。その構成の一例を説明する図が図29である。
当該ジョブCのシート束は、全てA4サイズであり、且つ、シートの合計枚数は、4ページ×50部数分=200枚である。又、1枚当りのシートの厚さは0.1mmである。故に、該ジョブCのシート束全体の厚み(高さ)は、200×0.1mm=20mm(2cm)である。又、該ジョブCのシート束全体のサイズは、縦方向のサイズが297mm、横方向のサイズが210mm、高さ方向のサイズが20mmである。
このジョブCのシート束の全てと、図28に示すシート収納箱A2800、1箱分のシート収納能力とを対比しても分るように、当該ジョブCのシート束の全てのシートを、1個のシート収納箱A2800に、全て収納する事は出来ない。この例の場合は、シート収納箱A2800が、2個必要である。
即ち、このような状況の場合、例えば、これから印刷工程を開始させようとしている該ジョブCのシートの全てが排紙トレイ722にスタックされた後に、オペレータBの介入作業による後工程(後処理)が必要である。例えば、オペレータBが、該ジョブCのシート束を、各々が25部数分のシート束で構成される2つのシート束に分ける。そして、それら2つのシート束を、2個のシート収納箱A2800に、夫々、別々に、収納する作業が必要である。ジョブCは、このようなオペレータの介入作業による後処理が該ジョブCの印刷装置101による印刷処理後に必要なジョブである。
この場合、もし、図26を用いて説明した第1シーケンスでもって、当該ジョブCのプリント処理を実行してしまうと、以下のような作業が、オペレータBに発生してしまう。
例えば、図26のシート束2600は、1部数分のシート毎に、ずれた状態で、処理対象のジョブのシートを、トレイ722に、スタックさせる制御を実行することで、装置101に生成させた出力物である。故に、まず、オペレータBはトレイ722から取り出したシート束2600の束をシートの端部が揃うように、該シート束2600のシートのずれを直す。その後、2つのシート収納箱2800Aに収納できるように、シート束2600を分ける作業を行う。この際、オペレータBは、どこまでが25部数分のシート束であるかを勘定する。そして、1部目〜25部目のシート束を1つのグループのシート束とし、26部目のシート束〜50部目のシート束を、2つ目のグループのシート束となるように、シート束2600の仕分作業を行う。このようなオペレータBによる一連の介入作業が発生する。
そして、上記オペレータBによる一連の介入作業を経ることで、漸く、2つのグループに仕分けされたシート束を、オペレータBが、上記2つのシート収納箱A2800の各箱に収納することとなる。
このように、ジョブCの最終成果物を得るには、オペレータBによる図28のシート収納箱A2800を用いたシート収納処理という後処理工程を、当該ジョブCの一連の処理工程において、本システムにて実行する必要がある。
ここで、もしジョブCの為に、既述の図26の制御例が如くの第1モード(第1シーケンス)を制御部402が実行した場合には、この後処理工程をオペレータBが行う際に、上記のようなオペレータBによる一連の介入作業が発生してしまう。この一連の介入作業とは、例えば、「各部毎にずれた状態のシート束を揃える作業→2つの箱に収納できるようにする為に、1つのシート束2600を、互いに25部数分の複数のシートで構成される2つのシート束に分ける作業」である。
又、もしジョブCの為に、既述の図27の制御例が如くの上記第2モード(第2シーケンス)を制御部402が本装置101により実行させたとしても、やはり、このような一連の介入作業が、上記後処理工程をオペレータBが行う際に必要となる。
なぜなら、例えば、第2モード(第2シーケンス)が選択された場合、処理対象のジョブのシートを、区分け処理がなされた状態でトレイ722にスタックさせる事を禁止し、全てのシートを揃えた状態でトレイ722に積載させるよう装置101を制御する。これにより図27の出力物を得られる事が出来る。
故に、図26の例のような、1部数分毎にシートがずれた状態のシート束を揃える作業は、オペレータBにより実行する必要が無い。しかし、この場合でも、該ジョブCの出力物を、2つのシート収納箱2800Aに収納可能にする為に、1つのシート束2700を、互いに25部数分の複数のシートで構成される2つのシート束に分ける作業は必要である。この作業は、オペレータBに要求される作業である。
そこで、本形態では、このように、例えば、POD環境等にて発生しうるオペレータによる介入作業を極力減らす事が出来るようにも構成されている。即ち、この観点からみても、本形態は、様々な環境に対応でき、様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応できる、今後のデジタルプリンティングシステムを見据えた印刷システムを提供できるという上記効果を図っている。
その具体的構成として、例えば、本形態では、処理対象のジョブの最終成果物を得る為に必要な一連のワークフローにて実行される後工程に基いた制御を制御部402により実行可能に構成している。
即ち、本実施例では、既述の如く、制御部402が、印刷装置101で印刷処理を要するジョブにて当該印刷処理後に必要な後処理を考慮した指示情報をオペレータにより明示的且つジョブ毎に入力可能にする為の表示を、本形態のUI部により、実行させる。且つ該構成を前提とし、本システムが受付た処理対象のジョブが、当該表示を介して該指示情報がオペレータ入力されていないジョブではなく、当該表示を介して当該指示情報がオペレータ入力されたジョブであるとする。この場合、制御部402は、当該指示情報がオペレータ入力されたジョブの印刷物を、1部数分の印刷物単位で区分けされた状態で本システムの積載部に積載させる事を禁止する。且つ、この場合、制御部402は、当該指示情報がオペレータ入力されたジョブの印刷物を、当該ジョブの為にオペレータ入力された当該指示情報に基づいた印刷物単位で区分けされた状態で、当該積載部により、積載させる。このように本印刷装置101を具備する本印刷システムを制御部402により制御する。
この一例が、図29を用いて以下に説明する、複数のシート処理モードのうちの第3モードがユーザにより選択された場合に、装置101に実行させる第3シーケンスである。
図29で例示する第3モードとは、処理対象のジョブのシートを、当該ジョブにて実行される後処理工程に基いた単位で区分けした状態で、シート積載ユニットの一例としての排紙トレイ722に積載可能にするモードである。
図29に示すケース3は、仕分け方法(シート処理モード)以外は、図26や図27に例示したジョブ処理条件と同じである。
オペレータBにより上記ジョブCを処理する場合、該ジョブCに対して第3モードを設定したうえで、当該ジョブCのプリント処理を装置101に実行させれば良い。これにより、図29に示すシート束2900を得ることが出来る。図29のシート束2900は、トレイ722におけるジョブCの印刷物の最終的な積載状況(積載結果)を意味する。
本形態は、この第3モードに関連し、その特徴の1つとして、本印刷装置101を有する本印刷システムが設置されるPOD環境などの印刷環境における作業現場にて、オフライン状態の後工程、更に、後述のニアライン状態の後工程にも、対応可能に構成している。
本形態で述べるオフライン状態の後工程とは、本印刷装置101を基準に定義している。例えば、図28のシート収納箱2800Aに対するシート収納処理(箱詰め作業)は、オフライン状態の後工程の一例に相当する。というのも、図28のシート収納箱2800Aは、シートを収納可能なユニットの一例である。このシート収納箱2800Aは、電気的にも物理的にも本装置101に接続されていない後処理ユニットの一例である。
電気的に接続されていないという意味は、例えば、2つのユニット間でデータ通信が出来ない意味を含む。物理的に接続されていないという意味は、装置101とメカ的に接続されていない状態を含む。又、単に、2つのユニット同士が離間せずに連結されているという状態のみを意味するものではない。例えば、本装置101の排紙ローラ717により搬送されるプリンタ部403からのシートを、オペレータによる手作業を経る事無く、受容できるような状態では無いという事を意味する。
本形態では、このような考え方をもとに、本形態が開示する複数種類の後処理ユニットを以下のように区別し、且つ、それらの何れのタイプの後処理ユニットに対しても対応可能に構成している。
例えば、図7を参照し、シート処理装置720を、オンライン後処理ユニットと称す。なぜなら、シート処理装置720は、内部構成的ではあるものの、少なくとも、本画像形成装置101とデータ通信可能に構成されている。例えば、装置101の制御部402等の内部ユニットとシート処理装置720が具備する不図示のセンサ等の内部ユニット間では、例えば、シート処理装置720からシートの有無検知情報等のデータを制御部402にデータ通信する。一方、制御部402からシート処理装置720内部のコントローラに対してはシート処理装置720の動作を制御する制御信号がデータ通信される。即ち、両者は電気的接続関係にある。
尚且つ、シート処理装置720は、該装置101と連結接続可能に構成され、該装置101のプリンタ部403からのシートを、排紙ローラ717を介して、オペレータの介入作業無しに、直接受容できる後処理装置である。即ち、両者は物理的接続関係でもある。
故に、このようなシート処理ユニットを本形態ではオンライン後処理ユニットと称す。或いは、プリンタ部403からのシートを搬送するパスが両者間でつながっている観点で、インライン後処理ユニットとも呼ぶ。即ち、本印刷システムが具備するシート処理装置720は、本実施例の冒頭の既述が如く、インラインタイプの後処理ユニットの1例に該当する。
これに対し、図28のシート収納箱2800Aは、オフライン後処理ユニットの一例である。なぜなら、上記の如く、シート収納箱2800Aは、プリンタ部403でプリントされたシートの収納処理が可能な後処理ユニットではある。しかし、シート収納箱2800Aは、印刷装置101に対して電気的にも物理的にも接続関係ではない後処理ユニットに相当するからである。尚、勿論、このオフライン後処理ユニットの一例に相当するシート収納箱2800Aは、本実施例の冒頭の既述が如く、非インラインタイプの後処理ユニットの1例に該当するものである。
本形態の印刷システムは、更に、その特徴の1つとして、上記のような異なる性質の2種類の後処理ユニットの中間的存在として、ニアライン後処理ユニットと定義する後処理ユニットを具備する。そして、このタイプの後処理ユニットに対しても対応可能に構成されている。このニアライン後処理ユニットの一例が、図16の断裁機1604〜1606である。
断裁機1604〜1606は、本印刷装置101(1601)や、情報処理装置(コンピュータ1602や1603等)の少なくとも何れかの外部装置と、所定のデータ通信媒体を介して、データ通信可能に構成されている。
例えば、断裁機1604〜1606は、自装置のステータス情報、上述の各種管理テーブルに記憶すべき情報として利用可能な機器属性データ等、各種データを、ネットワーク1607を介して、外部装置に送信可能に構成される。ステータス情報の一例としては、例えば、シートの断裁処理を実行しているか否かに関する情報やエラーが発生した旨を通知する情報等がある。又、機器属性データの一例としては、例えば、如何なる種類の後処理が可能かを特定する情報、装置の名称情報等、他装置の制御部により認識可能な機器固有情報がある。又、1回の後処理にて1度にまとめて実行可能なシートの最大処理可能枚数やシートの厚さに関する情報等の後処理能力情報等もある。
このように本形態の断裁機1604〜1606は、他装置に対して電気的接続関係にある。しかし、断裁機1604〜1606は、印刷装置に対して物理的接続関係ではない。
例えば、断裁機1604〜1606は、画像形成装置101のプリンタ部403によりプリントされた処理対象のジョブのシートに対する後処理として断裁処理が可能ではある。しかし、これらの断裁機1604〜1606は、当該断裁処理を実行すべきジョブのシートを受容する為には、オペレータにより介入作業が必要な装置である。
例えば、排紙トレイ7222にスタックされたシート束をオペレータが取り出して、そのシート束を、オペレータが断裁機にセットするという作業が必要である。
即ち、画像形成装置101の排紙ローラ717を介して搬送されるプリンタ部403からのシートを、オペレータの操作無しに、直接的に、装置内部に搬送できるような装置構成ではない(インライン状態ではない)。
以上の理由により、本形態では、断裁機1604〜1606のような、他装置に対して電気的接続関係ではあるものの物理的接続関係ではないようなタイプの後処理装置の事を、ニアライン後処理ユニットと、定義している。尚、オンラインに近いという意味でニアラインと称している。そして、本形態では、このようなニアライン後処理ユニットを用いた後処理工程を、ニアライン状態の後工程と称している。又、勿論、このニアライン後処理ユニットの一例に相当する断裁機1604〜1606は、本実施例の冒頭の既述が如く、非インラインタイプの後処理ユニットの1例に該当するものである。
以上の構成を踏まえ、図29を用いた第3モードの説明に戻る。処理対象のジョブのプリント処理を実行させる場合に、制御部402は、本形態が提供するユーザインタフェースユニットを介して入力されるオペレータからの設定指示に基づいて、第3モードを装置101により実行可能に制御する。
例えば、スキャナ部401から上記ジョブCのドキュメントデータを入力させる場合を考える。この場合、制御部402は、操作部404の表示部605に図10の画面を表示させ、当該画面を介して、オペレータBから図29のケース3に示す各種一連の印刷処理条件を受け付ける。即ち、出力用紙サイズはA4サイズ、用紙タイプは厚さ0.1mmの普通紙、出力部数は50部、印刷形式は片面印刷等、ジョブCに関す一連の処理条件パラメータを受け付ける。
そして、仕分けキー1009がユーザにより押下された場合に、制御部402は、表示部605に図11の仕分け方法選択画面を表示させる。
この図11の画面を介して、複数種類の仕分け方法の選択候補の中から、当該処理対象のジョブCの仕分け方法を、該オペレータBから受け付け可能にする。そして、図11の画面の後工程指定キー1103が押下された事に応答し、制御部402は、図13に示す後処理モード画面を表示部605に表示させる。
本形態は、後工程指定モードが選択された場合、処理対象のジョブに対して本画像形成システムにて指定可能な後処理工程の選択候補を、ユーザインタフェースユニットを介して、ユーザに提示可能に制御する。そして、該選択候補の中からユーザにより所望の後工程を指定可能に制御する。しかも、ユーザにより選択可能な後工程の候補として、上述のような、オフライン後処理ユニットを用いたオフライン状態で実行される後工程も、選択候補に含まれるように構成する。尚且つ、ニアライン後処理ユニットを用いたニアライン状態の後工程をも、ユーザにより選択可能な後工程の1候補として利用可能に構成している。この構成も上記効果を得る為の1つの仕組みである。
例えば、図13では、ニアライン後処理ユニットを用いた後工程の一例を示す、図1の断裁機103による断裁処理を選択する為のList1をリスト上で表示させる。且つ、オフライン後処理ユニットでの後工程の一例を示す、シート収納箱を用いた箱詰め作業(シート収納処理)を選択する為のList2、List3をも該リスト上で表示させる。このように表示部605を制御する。
このリストの表示項目(選択候補)は、装置内部のメモリに事前に登録された情報を反映可能に制御する。
例えば、装置101のハードディスクに上記のような管理テーブルを用意する。該テーブルデータに、オペレータによる手動入力によりセットされた後工程に関する情報を登録する。又、ネットワーク104を介してニアライン後処理ユニットから受信した情報を登録する。
尚、ニアライン後処理ユニットの情報は、ニアライン後処理ユニットがネットワーク104に接続された時点で、自動登録可能にする。又、本装置101から情報取得リクエストコマンドデータをニアライン後処理ユニットに送信する。これに応答し該ニアライン後処理ユニットから送信される、上述の如くの各種機器情報を、受信し、その情報を、自動登録可能にする。又、ポーリング形式で、ニアライン後処理ユニットが、自発的且つ定期的に、該機器情報を、本装置101に送信し、その情報を自動登録可能にする。
このように、どのような方法でニアライン後処理ユニットの情報をメモリに登録させても良いが、その登録情報に基いた表示を表示部605に実行可能に制御部402により制御する。
又、オフライン後処理ユニットの情報として、例えば、図28のシート収納箱A2800の情報を登録する場合、オペレータが操作部404を介して事前に、該ユニットに関連する各種情報を登録しておく。登録情報としては、例えば、図28に示すような、該ユニットの名称やタイプ、収納能力情報を登録可能にする。本例では、当該シート収納箱2800Aによる箱詰め作業工程が、図13のリスト3に関連付けられるように、オペレータにより事前登録済みであるとする。
制御部402は、このように上記メモリに事前登録された情報に基いたリスト表示を、図13のように、表示部404に実行させる。
このような構成のもとで、図13のリストにてオペレータBにより当該処理対象のジョブCの設定としてリスト3が選択されたとする。この場合、当該ジョブCは、トレイ722によるシート束の積載処理が全て完了した後に、オフライン後工程として、シート収納箱2800Aによるシート収納処理が実行されるジョブであると、制御部402により判断される。
以上の一連の設定がオペレータBによりなされ、スタートキー606押下により印刷開始要求が入力されると、制御部402は、該ジョブCの4ページ分の原稿画像データをスキャナ部401から入力させる。そして、当該ジョブCのデータをメモリ405内のハードディスクに順次格納する。これにより当該ジョブCのデータを受け付ける。
又、例えば、図16のPC1603から上記ジョブCのドキュメントデータを入力させる場合を考える。この場合、PC1603の制御部は、PC1603の表示部に図18のプリンタドライバ画面を表示させ、当該画面を介して、オペレータBから図29のケース3に示す各種一連の印刷処理条件を受け付ける。即ち、出力用紙サイズはA4サイズ、用紙タイプは厚さ0.1mmの普通紙、出力部数は50部、印刷形式は片面印刷等、ジョブCに関す一連の処理条件パラメータを受け付ける。
そして、仕分け方法選択キー1801がユーザにより押下された場合に、例えば、PC1603の制御部は、PC1603の表示部に図19の仕分け方法選択画面を表示させる。
この図19の画面を介して、複数種類の仕分け方法の選択候補の中から、当該処理対象のジョブCの仕分け方法を、該オペレータBから受け付け可能にする。そして、図19の画面の後工程指定キー1903が押下された事に応答し、PC1603の制御部は、図21に示す後処理モード画面をPC1603の表示部に表示させる。
当該PCの画面においても、オフライン後処理ユニットによる後工程を選択候補とする。又、ニアライン後処理ユニットによる後工程も選択候補となるように構成する。当該リストの情報は、装置101の上記メモリから獲得しても良いし、PC1603の内部メモリに登録しておいても良い。尚、図21の画面では、リスト1〜リスト3は、夫々、断裁機1604〜1606の各装置による工程に対応する。このようにニアライン後処理ユニットの情報は、ネットワーク1603を介して、該ニアライン後処理ユニットから直接、或いは、サーバ1602経由で、PC1603により取得可能とする。
そして、PC1603の表示部に表示させている図21のリストを介してシート収納箱2800Aによる箱詰め作業が指定され、一連の印刷条件がオペレータ8Bにより設定され、図18の画面のキー1803が押下されたとする。すると、PC1603の制御部は、当該ジョブCの4ページからなる画像データと共に、上記ジョブCの為の一連の印刷処理条件を、ジョブデータとして、PC1603から本画像形成装置101に送信させる。そして、PC1603からの当該ジョブCのデータを装置101が受信したら、制御部402は、該データをハードディスクに順次格納させる。これにより、当該ジョブCのデータの受け付けが完了する。
このような各種方法により画像形成装置101のハードディスクに格納させた当該ジョブCのデータのプリント処理を、該ジョブCの処理条件に基づいて、プリンタ部403により実行させるよう制御部402により制御する。
プリント処理を開始させるにあたり、制御部402は、該ジョブCのシート処理モードを、上記ユーザ設定情報に基づいて確認する。例えば、該ジョブCは、後工程モードが選択されたジョブである。且つ、該ジョブCは、本画像形成装置101にて実行すべき処理が全て完了した後に、オフライン後工程としてシート収納箱A2800によるシート収納処理が実行される予定のジョブである。
このようなシート処理モードの確認を含む当該ジョブCの処理条件の確認を実行したうえで、制御部402は、プリンタ部403による該ジョブCのプリント処理を開始させる。
即ち、上記確認結果に基づいて、制御部402は、当該ジョブCの装置101による出力結果として、図29に示すシート束2900が得られるように装置101を制御する。以下にジョブCのシート束2900をどのように作成させるかを説明する。
ジョブCのプリント処理として、A4サイズで且つ1枚当りの厚さが0.1mmの、4枚の普通紙の各シートに、ジョブCの1〜4頁目の各ドキュメントデータを、夫々、ページ単位で、片面プリントさせる。これを1セットとし、オペレータBにより設定された印刷出力部数分、即ち、50セット、繰り返し実行させる。これにより50部数分のプリント処理を実行する。但し、該ジョブCは、シート処理モードとして、第3モードが設定されたジョブである。
故に、制御部402は、プリンタ部403からの当該ジョブCのシートに対して、図26のような区分け処理を、処理トレイ3302にて、整合ユニット3304により実行させる事は禁止する。又、図27のように、区分け処理の実行無しに排紙トレイ722に当該ジョブCのシートがスタックされるような動作を装置101により実行させる事も禁止する。
ジョブCは、当該装置101によるプリント処理が完了後、オフラインの後処理工程として、図28のシート収納箱2800Aによる箱詰め作業がオペレータBにより実行される予定のジョブである。ジョブCは、ワークフローとして、このようなスケジューリングが組まれているジョブであると、後工程指定モード画面でのオペレータBの設定情報に基づいて、制御部402により確認済である。
故に、制御部402は、該ジョブCのシートが、オフライン後工程にて利用予定のシート収納箱2800Aに関わる情報に基いた単位で区分けされた状態で、排紙トレイ722にスタックされるよう、装置101を動作させる。具体的には、ジョブCの出力物として、図29に示すようなシート束2900を装置101に作成させる。
ジョブCは、仕分け方法以外の処理条件は、図26のケース1、図27のケース2と同様である。制御部402は、ジョブCのプリント処理を完了させる為に必要なシートに関する情報を確認する。この確認方法としては、オペレータBにより設定された印刷処理条件情報を参照する。ここで、該ジョブが合計何ページで構成されるかを特定する為のページ数情報も確認する。この確認方法の一例としては、オペレータにより合計ページ数を予め入力させる事で確認する。或いは、メモリ405のハードディスクに該ジョブのデータの全てのページが記憶された時点で該情報を確認する。或いは、ホストからのジョブの場合は、ホストから最終ページを送信した際に最終ページコマンドも合わせて獲得することで確認する。或いは、スキャンジョブの場合は、複数原稿の連続給送読取動作を行うADF機能を有するスキャナユニット401のADFトレイから読取原稿が無くなる事を受けて、該情報を確認する。このように、ページ数の確認方法は如何なる構成でも良い。
制御部402は、上記確認処理を経て、ジョブCは、4ページからなる一連のドキュメントデータを、A4サイズで且つ厚さ0.1mmの普通紙に対して、片面印刷で、50部数分、プリントさせるべきジョブであると判断する。又、制御部402は、ジョブCのプリント処理を完了させる為に必要なシートの合計枚数は、4頁×50枚=200枚である事を確認する。このシート全体の高さ(厚み)は、200枚×0.1mm=20mmであると事も確認する。
制御部402は、このようなジョブCのプリント処理を完了させる為に必要なシートに関する情報と、当該ジョブCの後工程情報とを対比参照する。この対比参照結果に基づいて、制御部402は、ジョブCのシートの区分け処理を、当該ジョブCの為の一連のプリント処理工程における、どのタイミングで、シート処理装置720により実行させるかを決定する。
例えば、制御部402は、上述したような予め手動或いは自動で各種必要な情報を事前登録させた管理テーブルの情報を参照することで、該ジョブCの後処理工程情報を把握する。例えば、該テーブル情報をもとに、シート収納箱2800Aは高さが10mm〔1センチ〕である事を認識する。或いは、シート収納箱2800Aは、A4サイズで且つ1枚あたりの厚さが0.1mmのシートを、最大、100枚収納可能なシート収納ユニットである事を認識する。このように、当該ユニットの能力情報を利用する。
以上のような各種判断材料情報をもとに、例えば、制御部402は、当該ジョブCの1部目の1枚目のシートP1から25部目の4枚目のシートP4までの範囲に該当するシートは、第1グループのシートとみなす。ジョブCにて必要なシートの合計枚数200枚を基準に換言すると、当該ジョブCにて利用するシートのうちの、1枚目から100枚目までのシートが、同一グループのシートとみなす。尚、該グループに属するシートを第1区分のシートと称す。
同様に、制御部402は、上記情報をもとに、当該ジョブCの26部目の1枚目のシートP1から50部目の4枚目のシートP4までの範囲に該当するシートを、第2グループのシートとみなす。ジョブCにて必要なシートの合計枚数200枚を基準に換言すると、当該ジョブCにて利用するシートのうちの、101枚目から200枚目までのシートが、同一グループのシートとみなす。尚、該グループに属するシートを第2区分のシートと称す。
このような判断を行う事で、制御部402は、ジョブCのシートの区分け処理を、当該ジョブCの為の一連のプリント処理工程における、どのタイミングで、シート処理装置720により実行させるかを、決定する。
又、本例では、区分け処理の一例としてシートのシフト処理を採用している。故に、例えば、以下のような制御も制御部402により実行可能にする。
第1区分のシートに属する全てのシートを同一積載位置でもって排紙トレイ722にスタックさせる。且つ、第2区分のシートに属する全てのシートを同一積載位置でもって排紙トレイ722にてスタックさせる。但し、第1区分のシートに属するシートと第2区分のシートに属するシートは、ユーザにより区切れ目が理解できるように、互いに、シートの積載位置がずれた状態で、排紙トレイ722にスタックさせる。
即ち、制御部402は、図29のシート束2900のような区分け状態で、処理対象のジョブCの第1区分のシートに属するシートと第2区分のシートを、排紙トレイ722にスタックさせるよう装置101を制御する。
例えば、図34を参照し、ジョブCの第1区分のシートに属する全てのシートを、シート上端部が第1の積載基準位置に揃うように、スタックさせる。この場合、制御部402は、ジョブCの第2区分のシートに属する全てのシートを、シート下端部が第2の積載基準位置に揃うように、スタックさせる。ジョブCが、このような結果となるように、制御部402は、詳述の処理トレイ3302における整合ユニット3304を用いたシフト動作、部材3305によるトレイ722への束排紙動作を実行させる。
例えば、ジョブCの第1区分のシートは、シート上端部が第1の整合ポジションに揃うようにする。その為に、処理トレイ3302に該第1区分のシートがスタックされたら、整合ユニット3304aは該位置に固定し、整合ユニット3304bを上記第1整合ポジション側に移動させる。これにより、シートを上記第1整合ポジション側にずらす。そして、シート上端部が第1の整合ポジション側に揃ったジョブCの第1区分のシートを、その位置のまま、排紙トレイ722に排紙する。この動作を、第1区分のシートがなくなるまで実行させる。即ち、ジョブCの1枚目のシートから100枚目のシートまで、このシート処理を実行させる。
次に、ジョブCの第2区分のシート、即ち、ジョブCの101枚のシートからは、シート下端部が第2の整合ポジションに揃うようにする。その為に、処理トレイ3302に該第2区分のシートがスタックされたら、整合ユニット3304bは該位置に固定し、整合ユニット3304aを上記第2整合ポジション側に移動させる。これにより、シートを上記第2整合ポジション側にずらす。そして、シート下端部が第2の整合ポジション側に揃ったジョブCの第2区分のシートを、その位置のまま、排紙トレイ722に排紙する。この動作を、第2区分のシートがなくなるまで実行させる。即ち、ジョブCの101枚目のシートから200枚目のシートまで、このシート処理を実行させる。
以上の一連のシート処理をジョブCの為に実行させる。これにより、ジョブCの第1区分のシートに属する全てのシートを、シート上端部が第1の積載基準位置に揃うように、排紙トレイ722にスタック出来る。且つ、ジョブCの第2区分のシートに属する全てのシートを、シート下端部が第2の積載基準位置に揃うように、排紙トレイ722にスタック出来る。
尚、もし、ジョブCの第1区分のシートに属する全てのシートを、シート下端部が第2の積載基準位置に揃うように、スタックさせるならば、上記例とは逆のシート処理を実行させる。即ち、この場合、制御部402は、該ジョブCの第2区分のシートに属する全てのシートを、シート上端部が第1の積載基準位置に揃うように、スタックさせる。
以上の一連のプリント動作を、ジョブCのプリント処理工程で装置101により実行させる。これにより、ジョブCの出力結果として、図29のシート束2900を作成させる。即ち、この例では、ジョブCのプリント処理工程後に実行予定の、シート収納箱2800Aを用いたシート収納処理工程に基づいた、シート100枚という単位でジョブCのシート区分け処理を実行させた。
このようなシート区分け処理が実行されたジョブCのシート束2900は、オペレータBにより簡単に後工程を実行することが出来る。
なぜなら、図29の如く、第1区分に属するシート束と第2区分に属するシート束とで区切れ目が明確になるように区分け処理が施された状態で、シート束2900がトレイ722にスタックされている。オペレータBは、まず、第1区分のシートとの区切れ目が明確となっている第2区分に属するシートの全てを、そのまま、トレイ722から取り出す。
即ち、フェイスダウン排紙されたシートの最上部のシートに相当するジョブCの50部目のシートP4から、26部目のシートP1の計100枚を、排紙トレイ722から取り出す。これらのシートは、全て端部がそろっており、1個目のシート収納箱2800Aに、無駄な空きスペースができない状態で、ジャストサイズで、簡単に、収納することが出来る。次に、オペレータBは、排紙トレイ722に残っているジョブCの第1区分のシートを全てトレイ722から取り出す。即ち、フェイスダウン排紙された現時点で最上部のシートに相当するジョブCの25部目のシートP4から、1部目のシートP1の計100枚を、排紙トレイ722から取り出す。これらのシートは、全て端部がそろっており、2個目のシート収納箱2800Aに対しても、無駄な空きスペースができない状態で、ジャストサイズで、簡単に、収納作業が可能となる。
以上のオペレータBによるオフラインユニットを用いた後工程を経て、ジョブCのワークフローの全てが完了する。これにより、2つのシート収納箱2800Aに箱詰めされたジョブCの最終成果物を、顧客Bに納品可能となる。
このように、本形態は、POD環境をも念頭にいれた仕様を機能として盛り込んでいる。該一例として、処理対象のジョブが、シート処理モードとして第3モードが設定されたジョブの場合に、プリンタ部403からの該ジョブのシートを、1部数分のシート毎に区分した状態でトレイ722にスタックさせる事を禁止する。且つ、該ジョブに関わる後処理工程に基づいた単位で区分けされた状態で、該ジョブのシートを、該排紙トレイ722にスタックさせる。制御部402は、処理対象のジョブが第3モードのジョブの場合には、このような動作を画像形成装置101に実行させる。この制御を、第3シーケンスと称す。
尚、第3シーケンスの実行条件としての第3モードは、ユーザインタフェースユニットを介して、処理対象のジョブの後工程をユーザにより具体的(明示的)に指定させる事により、実行可能にするモードである。この点は、図13、或いは、図21の説明のとおりである。
即ち、本実施例にて、この第3モードで処理対象となるジョブとは、上記第3タイプの指示情報が本形態のUI部を介してオペレータにより明示的に入力されたうえでオペレータにより印刷実行要求がなされたジョブである。処理対象のジョブが、当該例示が如くのジョブであるとする。この場合、制御部402は、そのオペレータが当該ジョブの為にUI部を介して明示的に入力した、そのジョブにて装置101による印刷処理後に必要とする、非インラインタイプの後処理ユニットの処理能力に係わる後工程情報を、確認する。そして、制御部402は、当該ジョブの印刷部を、1部数分の印刷物単位で区分けした状態で積載する事無く、その後工程情報に基いた印刷物単位で区分された状態で、本形態の積載部に、スタックさせるよう、制御する。このような対応関係となる。
本形態では、処理対象のジョブに対してシート処理モードとして第4モードも受け付け可能に構成している。処理対象のジョブが該モードが設定されたジョブ場合にも、上記第3シーケンスを実行可能に制御部402により制御する。その例が、図30である。図28や図29を用いた説明と対比しながら説明する。
先の図29では、第3モードの設定を行う際に、ユーザインタフェース画面として、図13や図21の表示を、ユーザインタフェースユニットに実行させた。図13や図21の表示リストでは、ニアライン後処理ユニットや、オフライン後処理ユニットが、選択対象となる。ニアライン後処理ユニットからは、ネットワークを介して自動的に情報を取得する。
この自動収集した情報に基づいて、ニアライン後処理ユニットの選択項目を、当該リスト上に表示させる。一方、オフライン後処理ユニットの場合には、オペレータ操作により、メモリに該オフライン後処理ユニットの各種情報を事前登録させる。例えば、図28のシート収納箱2800Aの情報として、図28に示す名称やタイプや能力情報を、オペレータBが、操作部404或いはホストコンピュータの操作部等のユーザインタフェースユニットを介して入力する。このオフライン後処理ユニットに関わる情報をメモリに登録情報として記憶させる。この手動入力された初期登録情報に基づいて、オフライン後処理ユニットの選択項目を、該リスト上に表示させる。
このように、第3モードを利用する場合には、メモリに事前登録した後工程に関する情報を利用可能とする。且つ、一度、メモリへの登録作業を済ませておけば、以後、これらの後工程に対応する選択項目を、第3モード選択時に、オペレータにより選択利用可能とする。故に、オペレータは、簡単な操作で、上記第3シーケンスを、実行させる事ができ、労せずして、図29のシート束2900の結果を、得ることが出来る。
これよりも、更に、簡単操作で、第3シーケンスを実行させる方法の1つの方法例しての動作モードが、第4モードである。具体的には、例えば、オフライン後処理ユニットの情報を上記のように事前登録しなくても、図29のシート束2900と同様の出力を作成させることが出来る。
例えば、上記ジョブCの処理を担当するオペレータBは、図28のシート収納箱2800Aの形状や能力を、予め理解しているとする。例えば、この図28に示すオフライン後処理ユニットは、A4サイズで且つ1枚当りの厚さが0.1mmのシートを最大100枚収納できる事を把握している。特に、該オフラインユニット後処理ユニットにより一度に処理できるシートの高さ(最大値)は、0.1mm×100枚=10mmである点も理解している。
このような状況の場合に、制御部402は、例えば、図11の仕分け方法選択画面を介してオペレータBにより高さ仕分けキー1102を押下可能とする。該キー1102が押下された場合には、高さ仕分けモード(第4モード)を設定する。且つ、該キー1102の高さ入力欄に、上記オフライン後工程の高さに相当する数値を、mm単位で、オペレータにより、テンキー604を用いて、入力可能にする。ここでオペレータBにより、シート収納箱2800Aの高さに相当する10mmを入力させる。
以上の高さ仕分けモード(第4モード)の設定を含むジョブCの為の一連の印刷処理条件の設定が完了したとする。これが図30のケース4である。そのうえで、スタートキー606がオペレータBにより押下されたとする。これを受け、制御部402は、ADFのジョブCの原稿の読取を開始させ、該ジョブCのデータをハードディスクに格納させる。これによりジョブCの受け付けを完了する。
尚、上記例はスキャンジョブの例である。PDLジョブの場合は、プリンタドライバから指定する。例えば、PC1603の表示部に表示させた図19の画面の高さ仕分けキー1902が押下され、シート収納箱2800Aの高さに相当する10mmを、PC1603のキーボードを用いて入力可能とする。このうえで、ジョブCのプリントデータをPC1603から受け付ける。
上記方法で、ジョブCを受け付けると制御部402は、ジョブCのプリント処理をプリンタ部403により実行させる。この例では、A4サイズで且つ1枚当りの厚さが0.1mmの、4枚の普通紙の各シートに、ジョブCの1〜4頁目の各ページを、夫々、片面プリントさせる。これを1セットとし、オペレータBにより指定された部数、50部数分、繰り返し実行させる。但し、このジョブCは、第4モードが設定されている。
故に、制御部402は、このジョブCの一連の印刷処理を開始する前に、区分け処理に関する条件を事前に決定する。具体的には、当該ジョブCのプリント処理を行っている間において、該ジョブCのデータをプリントしたシートを、どのタイミングで、区分け処理するかを決定する。
この例では、ジョブCに必要なシートの合計は、4ページ×50部=200枚である。1枚当りのシートの厚さは、0.1mmである。一方、図11の高さ仕分けキー1102の高さ入力欄を介してオペレータBにより入力された、シート収納箱2800Aの高さに相当する値は、10mmである。
この10mmという値が、ジョブCのワークフローにおいて、ジョブCのプリント処理工程後に実行予定の後処理工程において、後工程ユニットにより1度に処理可能なシートの最大高さ量であると、制御部402は認識する。
故に、制御部402は、この値10mmを、ジョブCのシート1枚当りの高さ0.1mmで除算する計算処理を実行する。この除算結果は100である。この100という値が、ジョブCのシートの区分け処理を装置101に実行させるにあたり、1グループとして区分すべきシートの枚数に相当する。これにより、ジョブCのシートを、100枚単位で、区分け処理を実行させるというルールを確定する。制御部402は、この結果に基づいた、シートの区分け処理をジョブCの為に実行するよう装置101を制御する。
ジョブCは、合計200枚なので、ジョブCの最初の100枚分のシートを、第1区分のシートとする。即ち、ジョブCの1部目の1枚目のシートP1〜25部目の4枚目のシートP4がこのグループに該当する。且つ、ジョブCの101枚目〜200枚目を第2区分のシートとする。即ち、ジョブCの26部目の1枚目のシートP1〜50部目の4枚目のシートP4が、このグループに属する。
制御部402は、ジョブCのシートを、上記のような区分けでもって、排紙トレイ722にスタックさせるよう制御する。区分け処理の方法は、図29と同様なので省略する。このようにジョブCを第4モードでもって、処理することで、図30に示す、シート束3000が完成する。
オペレータBは、図30に示す区分け状態で排紙トレイ722にスタック済みのシート束3000を、排紙トレイ722から取り出すことになる。この排紙トレイ722からジョブCのシート束3000を取り出し、2個のシート収納箱2800Aに、収納する後工程は、図29と同様なので省略する。
以上のように、第3モードを利用しなくても、第4モードを選択することで、上記第3シーケンスを実行可能にする。
即ち、処理対象のジョブのシートを、1部数分毎に区分けした状態で、積載ユニットにスタックさせる事を禁止し、該ジョブの後工程に基いた単位で、区分けした状態で、積載ユニットに積載可能にする。
このシーケンスを、第3モード(後工程指定モード)が選択された場合以外にも、第4モード(高さ仕分けモード)が選択された場合においても実行可能にする。
これにより、ニアライン後処理ユニットによる後工程情報、及び/又は、オフライン後処理ユニットによる後工程情報を、図13や図21のリストに反映させるべく、メモリに初期登録する等の作業が不要となる。故に、第4モードを利用することで、第3モードよりも更に簡単操作で、図30のような出力結果を得ら事が出来る。
従って、オフィス環境でも、POD環境でも、最適なシステムを提供でき、ユーザからの様々なニーズに柔軟に対応出来るという上記効果を更に向上させる事も可能となる。
尚、この第4モードで処理対象となるジョブとは、上記第2タイプの指示情報が本形態のUI部を介してオペレータにより明示的に入力されたうえでオペレータにより印刷実行要求がなされたジョブである。処理対象のジョブが、当該例示が如くのジョブであるとする。この場合、制御部402は、そのオペレータが当該ジョブの為にUI部を介して明示的に入力した、「印刷物の量を高さで表現した値に相当する高さ情報」を、確認する。そして、制御部402は、当該ジョブの印刷部を、1部数分の印刷物単位で区分けした状態で積載する事無く、その印刷物の高さ情報(積載量情報)に基いた印刷物単位で区分された状態で、本形態の積載部に、スタックさせるよう、制御する。このような対応関係となる。
又、図29や図30では、オフライン後処理ユニットの1例であるシート収納箱2800Aにシートを収納する後工程を、処理対象のジョブのワークフローにおいて、該ジョブのプリント工程後に実行させる場合の制御例を説明した。
しかし本形態はこれに限らない。例えば、これ以外の後処理ユニットを用いた後工程を、処理対象のジョブのワークフローで実行する場合においても、上記第3モードや第4モードを選択可能にし、且つ、第3シーケンスを実行可能にする。
例えば、図1の断裁機103を用いて説明する。図1では、断裁機103は外部機器とデータ通信可能にネットワーク104に接続されている。故に、本形態の定義で言うならば、図1の状態の断裁機103は、ニアライン後処理ユニットの一例に該当する。
断裁機103は、例えば、A4サイズで且つ1枚当りの厚さが0.1mmのシートを、一回の断裁処理で、最大490枚、同時に、シートを切断出来る能力を具備するものとする。この場合、断裁機103が、複数枚のシートを一括して断裁処理できるシートの最大量(シート束の厚さ)は、0.1mm×490枚=49mmである。
図1の断裁機103は、例えば、このような能力を具備する事を特定する為の能力情報や、装置名称等の各種情報を記憶可能なメモリを有する。
上記構成にて、装置101の制御部402は、例えば、断裁機103の該各種情報をネットワーク104経由で、該断裁機103から獲得する。或いは、PC102等の外部の情報処理装置から該断裁機103の当該各種情報を受信する。
このような方法で獲得した図1の断裁機103の情報を、制御部402は、図13のリストのリスト1に関連付けるように、装置101の上記メモリに登録させる。
このようなニアライン後処理ユニットの事前登録を完了させておくことで、図1の断裁機103を、ニアライン後処理ユニットとして、図13のリストや、図21のリストにて、選択候補として、利用可能にする。
尚、処理対象のジョブがプリントジョブ(PDLジョブ)ならば、ユーザインタフェースユニットは、例えば、ホストコンピュータの表示部である。この場合、ホストコンピュータの表示部に表示させる図21のリストで上記断裁機103の情報を表示させる。
その為に、該ホストコンピュータは、上記断裁機103の各種情報を、断裁機103やサーバ等の外部装置から、ネットワーク104を介して、受信する。該ホストの制御部は、外部から獲得した当該図1の断裁機103の各種情報を、図21のリストのリスト1に関連付けるように、該ホストのメモリに登録させる。
これにより、ホストコンピュータからプリントジョブを装置101に送信する際にも、図21のリストにて、ニアライン後処理ユニットとしての図1の断裁機103を選択可能にする。
又、もし、図1のシステム環境にて、図1の断裁機103がネットワーク104に接続されていないとする。即ち、断裁機103が、電気的にも物理的にも他装置に対して非接続状態であるとする。この状況の場合、断裁機103は、本形態で上述した定義に当てはめると、オフライン後処理ユニットの一例に該当する。
この場合、操作部404を介して、このオフライン状態の後処理ユニットの一例としての断裁機103の上記各種情報を、オペレータが手動入力する。このようなマニュアル入力方法で獲得した図1の断裁機103の情報を、制御部402は、図13のリストのリスト1に関連付けるように、装置101の上記メモリに登録させる。
又、処理対象のジョブがプリンタジョブならば、ユーザインタフェースユニットは、例えば、ホストコンピュータの表示部である。この場合、ホストコンピュータの表示部に表示させる図21のリストで上記断裁機103の情報を表示させる。
その為に、ホストコンピュータのキーボードやマウス等の操作指示ユニットを用いて、ホストのオペレータが、上記断裁機103の各種情報を手動入力する。該ホストの制御部は、当該手動入力された情報を、図21のリストのリスト1に関連付けるように、該ホストのメモリに登録させる。
これにより、ホストコンピュータからプリントジョブを装置101に送信する際にも、図21のリストにて、オフライン後処理ユニットとしての図1の断裁機103を、ホストのユーザにより選択可能にする。
このようなオフライン後処理ユニットの事前登録を完了させておくことで、図1の断裁機103を、オフライン後処理ユニットとして、図13のリストや、図21のリストにて、選択候補として、利用可能にする。
このように、断裁機103が、ニアライン状態、或いは、オフライン状態において、上記図13のリスト及び図21のリストに、当該断裁機103の登録が完了したとする。そのうえで、以下のようなジョブ(以下、ジョブDと称す)を本画像形成システムにて処理するとする。
例えば、ジョブDは、本システムにて実行すべきワークフロー(複数のデバイスにより実行させる複数の処理工程からなる一連の処理工程)として、以下のスケジューリングが組まれているジョブである。
例えば、ジョブDは、断裁機103によるシート断裁処理工程を、本画像形成装置101により処理が完了したうえで、後工程処理として、実行される予定のジョブである。
ジョブDの為に画像形成装置101が実行すべきプリント処理工程では、以下の処理条件に基いた処理を装置101に実行させるよう、ユーザ(以下、オペレータCと称す)から、上記UIユニットを介して、指示を受け付けた。尚、ジョブDは、4頁からなるドキュメントデータとする。
このジョブDの処理条件として、出力用紙サイズがA4サイズで且つ、出力用紙タイプが色紙のシートをプリント用紙として選択する。この出力用紙1枚当りの厚さは、0.5mmとする。
更に、印刷処理条件として、4頁からなる該ジョブDの出力部数を、30部とする。印刷形式は、片面印刷とする。このジョブDにて必要な全てのシートの合計枚数は、4頁×30部数分=120枚である。この場合、ジョブDのシートの高さの合計は、120枚×0.5mm=60mm(6センチ)である。
尚且つ、ジョブDの印刷処理条件として、画像形成装置でのフィニッシィング実行指示が設定された。具体的には、シート処理装置720のステイプラ3303によるステイプル処理を実行させる指示が入力された。
以上の一連の処理条件が、画像形成装置101自身により実行すべき処理に直接関係するジョブDの処理条件である。
更に、このジョブDは、画像形成装置101による処理が完結しただけでは処理が完了しない。このジョブDは、画像形成装置101によりプリント処理を完了したら、そのジョブDのシートを、断裁機103により断裁処理するジョブである。
例えば、画像形成装置101によりジョブDのプリントを行う。且つ、該ジョブDのシートに対するステイプル処理を、本装置101自身が具備するシート処理装置720のステイプラ3303により実行させる。そして、該ジョブDのステイプル処理済みのシート束を、処理トレイ3302から排紙トレイ722に束排紙させる。これにより、排紙トレイ722にジョブDのシート束をスタックさせる。以上で、装置101により実行させるべきジョブDの為の処理は完了する。
しかし、この後に、オペレータCが、該ジョブDのシート束を、排紙トレイ722から取り出し、断裁機103にセットする。そして、該ジョブDのシート束に対する断裁処理を、該ジョブDのワークフローにおける後工程として、断裁機103により実行させる。断裁処理としては、例えば、図35のように、シートの4つの端部のうちの一方の端部のみを切断する一方断裁処理を断裁機103により実行させる。
尚、先の定義で説明すると、シート処理装置720は、オンライン後処理ユニットの1例に相当する。一方、本装置101とは物理的に非接続関係である断裁機103は、もし、ネットワーク104に接続され他装置と電気的接続関係であるならば、ニアライン後処理ユニットの一例に該当する。又、もし、ネットワーク104に接続されておらず、他装置と電気的接続関係では無いならば、断裁機103は、オフライン後処理ユニットの1例に該当する。
このような状況の場合、オペレータCは、画像形成装置101に投入すべき当該ジョブDに対して、シート処理モードとして、第3モードを選択し、後工程として断裁機103による断裁処理を指定すれば良い。これが、図31に示すケース5に相当する。本形態はこのような状況に対応可能に構成されている。
ジョブDの一連の印刷処理条件を装置101にて設定する場合において、制御部402は、図10の画面を表示部605を表示させる。該画面を介して、オペレータCにより、ケース5に示す上述の各種パラメータを受け付ける。
更に、制御部402は、図10の画面のキー1009がオペレータCにより押下された事に応答し、図11の画面を表示部605に表示させる。そして、図11の画面のキー1103を介して、ジョブDのシートの仕分け方法として、後工程指定モード(第3モード)を受け付け可能にする。そして、該キー1103により後工程指定モードがオペレータCにより選択されたとする。
これにより、ジョブDは、プリンタ部403でプリントさせたシートを、該ジョブの後処理工程に関する情報に基づいた単位で区分した状態で、積載ユニットにスタックさせるべきジョブである事を、制御部402により確認する。この例では、プリンタ部403でプリントさせたシートを、断裁機103による断裁処理に関わる情報に基づいた単位で区分された状態で、排紙トレイ722にスタックさせるべきジョブとして、ジョブDを取り扱うよう制御する。
制御部402は、断裁機103による断裁処理に関する情報として、以下のような情報を、以下のような方法でもって獲得する。
制御部402は、図11のキー1103がユーザにより押下された場合に、該3モードをセットする。且つ、後工程の一覧リストを表示する為の表示領域を具備した図13の画面を、表示部605に表示させる。図13の画面のリストを介してジョブDの為の後工程として、断裁機103により断裁工程をオペレータCにより受け付け可能にする。尚、リストの登録は上記方法等を採用すれば良い。この例では、断裁機103は図13のリストに関連付けられている。
図13の画面のリスト1の断裁機がオペレータCにより選択され、ジョブDの為に設定すべき全ての処理条件が設定され、スタートキー606が押下されたとする。これにより、制御部402は、ジョブDのデータを受け付ける。
尚、上記は、ジョブDの原稿データをスキャナ401により入力させる例である。故に、ジョブDの原稿データをホストから受け付ける場合には、先程と同様にホストのプリンタドライバを介してジョブDの設定を受け付ける。
このように、本形態は、少なくとも第3モードを含むシート処理モードをユーザにより選択可能にする構成であるならば、如何なるデータ入力形態であっても構わない。但し、使い勝手を考慮して、本形態のユーザインターフェースと同様なユーザインタフェースを提供可能な構成のものが、より好ましい。
制御部402は、上記第3モードが設定されたジョブDを装置101により処理させる場合に、図26のような出力結果にさせる第1モードの実行を禁止する。且つ、図27のような出力結果にさせる第2モードの実行を禁止する。
制御部402は、ジョブDを、ユーザからの設定に基づいて図31のような出力結果となるよう第3モードで処理するよう装置101を制御する。換言すると、図35のように、後工程として、断裁機103によりジョブDのシート束が断裁されることを考慮したシート区分け処理を、装置101に、実行させる。
制御部402は、ジョブDのプリントを行うにあたり、どのタイミングでもって、ジョブDのシートの区分け処理を、シート処理装置720により、実行させるかを、決定する。
本例の場合、断裁機103の能力として、1回分の断裁処理で処理できるシートの最大許容量は、シート束の高さで示すと、49mmである。ジョブDの為にユーザより選択されたA4サイズの色紙のシートの一枚当りの厚さは、0.5mmである。
故に、断裁機103が、1回分の断裁処理で処理できる、当該メディアタイプのジョブDのシートの最大許容量を、枚数で換算すると、49mm÷0.5mm=98枚である。尚、ジョブDにて必要なシートの合計枚数は、4頁×30部数=120枚である。
ここで、もし、このジョブDが、オンライン後処理ユニットの1例であるシート処理装置720自身による綴じ処理(ステイプル処理)を実行しない場合を説明する。この場合、例えば、制御部402は、プリンタ部403によりプリントさせたジョブDの1枚目のシートから98枚目のシートまでを第1区分のシートとみなす。ジョブDの99枚目から120枚目を第2区分のシートとみなす。
しかしながら、本例では、ジョブDの為に、このようなシート区分け処理を実行する事を禁止する。なぜなら、ジョブDは、オンライン後処理ユニットの一例であるシート処理装置720自身による綴じ処理(ステイプル処理)を実行させるジョブであるからである。
例えば、ジョブDの1部数分のページ数は4頁であり、且つ、ジョブDは、片面プリントである。故に、1部数分のシートの枚数は4枚である。又、本例では、先頭ページから順番にプリントするタイプの装置である。故に、98枚目のシートは、25部目のシート束に含まれる。具体的には、25部目のシート束の2枚目(シートP2)に該当する。
もし、98枚目のシートの時点で、区分け処理を実行してしまったら、25部目のシート束に対するステイプル処理が実行できない。或いは、25部目のシートP1とシートP2の2枚からなるシート束にステイプルし、且つ、25部目のシートP3とシートP4の2枚からなるシート束にステイプルする。このような本来ならば一束の出力物が、2つに分かれて綴じ処理が施されてしまう。本例では、このような不具合が起きるのを未然に防止する。
又、上記不具合のみに着目して対処してしまうと、ジョブDにて実行予定のその後の後処理工程にて問題が生じうる。
例えば、25部目のセットが完了した時点で、シート処理装置720の整合ユニット3304を用いて区分け処理を実行させる。即ち、100枚目のシートまでを第1区分のシートとしてしまう。
このような区分け処理を実行してしまうと、断裁機103の1回分の断裁処理にて実行可能なシートの最大許容量をオーバしてしまう。例えば、この区分け処理でスタックされる第1区分のシートの全体の高さは、100枚×0.5mm=50mmである。断裁機103の能力は、高さ基準で表現すると、49mmである。このようにシートの量が1mmオーバしてしまう。
即ち、オペレータCがトレイ722からジョブDのシート束を取出したとしても、この区分け処理の状態のままでは、ジョブDのシート束に対して断裁処理を一括して行う事が出来ない。
こうなると、ジョブDのシート束を断裁機103で効率よく断裁させる為に、トレイ722から取出したジョブDのシート束の区分け処理を、オペレータC自らが、やり直す作業が発生しうる。これでは本形態の効果が発揮しきれない。
以上のような不具合をも防止する為に、制御部402は、上記のようなシート区分け処理をジョブDのシートに対して実行してしまう事も禁止する。
制御部402は、排紙トレイ722におけるジョブDのシートの積載状態が、図31のシート束3100のような結果となるように、シートの区分け処理を、ジョブDの為に、実行するよう制御する。
具体的には、25部目の4枚のシートが、第1区分と第2区分の2つの区分に、2枚ずつに分かれて区分けされる事を禁止する。且つ、1グループ分のシート束として区分けしたシート束を、オペレータCが再度区分処理をやり直す等のユーザ介入作業の実行無しに、断裁機103により断裁可能とする。
その為の動作を装置101により実行させるよう制御部402により制御する。例えば、制御部402は、ジョブDのドキュメントの印刷をプリンタ部403により開始させたら、A4サイズで且つ1枚当りの厚さが0.5mmの、4枚の色紙の各シートに、ジョブDの1〜4頁目の各ドキュメントデータを、夫々、ページ単位で、片面プリントさせる。4枚分のシートを処理トレイ3302に全てスタックさせたら、ステイプラ3303により、該シート束の左端部の図35に示すような綴じ位置に、ステイプル処理を実行させる。そして、ステイプル処理済の4枚からなるシート束を、押し出し部材3305を用いて、処理トレイ3302から排紙トレイ722に束排紙させる。
制御部402は、このような一連の作業を、オペレータCにより設定された印刷部数分、即ち、30回繰り返し実行させるよう装置101を制御する。但し、このステイプル処理が設定されたジョブDは、断裁機103での後工程が指定済みの第3モードのジョブである。
そこで、制御部402は、ジョブDの1部目のシート束から24部目のシート束を第1区分のシートとみなし、ジョブDの25部目のシート束から最終部である30部目のシート束を第2区分のシートとみなすようグループ化する。
その為に、制御部402は、例えば、ジョブDの1部目のシート束から24部目のシート束を排紙トレイ722に排紙する迄は、ジョブDのシートを、上端部が第1積載基準位置に揃うように、排紙トレイ722にスタックさせる。
この場合、例えば、処理トレイ3302にて、整合ユニット3304aの位置は固定し、整合ユニット3304bを整合ユニット3304a側に移動させる。このような方法で、シート上端部が第1整合ポジションに揃うように、シートのシフト動作を実行させる。シフト動作が完了したら、処理トレイ3302から排紙トレイ722に対して、ジョブDのシートを、該整合位置を保った状態のまま、束排紙させる。これを、24部目のシート束を処理するまで繰り返す。
そして、24部目のシート束を、処理トレイ3302から排紙トレイ722に対して束排紙させたら、それ以降に排紙させるジョブDのシートの積載位置を、先の第1区分のシートの積載位置と、異ならせる。
即ち、ジョブDの25部目のシート束から30部目のシート束を排紙トレイ722に排紙する迄は、ジョブDのシートを、シート下端部が第2積載基準位置に揃うように、排紙トレイ722にスタックさせる。
この場合、処理トレイ3302にて、整合ユニット3304bの位置を固定し、整合ユニット3304aを整合ユニット3304b側に移動させる。このような方法で、シート下端部が第2整合ポジションに揃うように、シートのシフト動作を実行させる。シフト動作が完了したら、処理トレイ3302から排紙トレイ722に対して、ジョブDのシートを、該整合位置を保った状態のまま、束排紙させる。これを、25部目のシート束〜最終部に相当する30部目のシート束を処理するまで繰り返す。
制御部402は、以上の一連のシート区分け処理をジョブDのプリント処理工程にて装置101により実行させる。これにより、図31のシート束3100を作成させることが出来る。
その後、ジョブDの後工程として、例えば、次のような処理をジョブDのワークフローとして実行される。
図31のシート束3100のような状態で区分け処理が施された状態のジョブDのシート束を、オペレータCが排紙トレイ722から取り出す。ここで、まず、オペレータCは、第1区分のシート束と区切り目が明確になっている第2区分のシート束に対応する25部目のシート束から30部目のシート束を、取り出す。そして、そのまま、断裁機103に該シート束を運び、断裁位置にセットする。
そして、1部分毎に互いにステイプル処理がなされている25部目のシート束から30部目のシート束を、そのまま、1まとまりの状態のままで、一括して、断裁機103により断裁させる。即ち、4枚×6部=24枚(12mm)を、1回分の断裁処理として、断裁機103により、まとめて、断裁させる。
その後、オペレータCは、第2区分のシート束が除去された後の排紙トレイ722から第1区分のシート束に対応する1部目のシート束から24部目のシート束を、取り出す。そして、そのまま、断裁機103に該シート束を運び、断裁位置にセットする。
そして、1部分毎に互いにステイプル処理がなされている1部目のシート束から24部目のシート束を、そのまま、1まとまりの状態のままで一括して断裁機103により断裁させる。即ち、4枚×24部=96枚(48mm)を、1回分の断裁処理として、断裁機103により、まとめて、断裁させる。
以上により、ジョブDにて実行すべき全ての断裁作業が完了する。これにより、ジョブDのワークフローが全て完了する。
尚、第4モード、即ち、高さ指定モードでも同様の出力結果を得る事が出来るのは言うまでも無い。
例えば、オペレータCが、断裁機103の能力を予め把握している。例えば、最大許容量は、シート束の高さで表現すると、49mmである。
このような状況の場合に、オペレータCから、図11の画面の高さ仕分けキーを介して、高さ仕分けモードを受け付ける。且つ、オペレータCにより、該キーの高さ入力欄を介して49mmに相当する値を入力させる。
このような操作方法を介してジョブDを受け付ければ、第3モードを選択しなくても、制御部402は、上記と同様に処理させる。即ち、図31のシート束3100のような区分け処理をジョブDの為に装置101により実行させる。
以上のよう構成することで、ジョブDの後工程にて実行予定の断裁機103の能力を超えない範囲で最大限に断裁機103の能力を発揮させる事ができる。しかも、これを実現するが為に、オペレータがシート区分け作業をプリント出力後にやり直す等のユーザ介入作業が必要という状況すらも無くす事が可能となる。即ち、上記問題が起きることもなく、上記効果を発揮することが出来る。
以上の図27のケース2、図29のケース3、図30のケース4、図31のケース5は、POD環境に特に好適な仕様と言える。但し、オフィス環境でも上記のようなケースが発生しないとは限らないが故に、オフィス環境にも適した仕様とも言える。
一方、図26のケース1は、オフィス環境に主に好適な仕様と言える。但し、POD環境でも上記のようなケースが発生しないとは限らないが故に、POD環境にも適した仕様とも言える。
本形態は、上述のような複数種類の区分け処理を実行可能にするのみならず、例えば、様々な利用環境を想定し、次のような区分け処理も本印刷装置により実行可能に構成している。それが、処理対象のジョブに対してシート処理モードとして第5モードが設定された場合において該ジョブの為に実行する、第4シーケンスである。その一例を図36に示す。
図36に示すケース6は、図26のケース1や図27のケース2や図29のケース3や図30のケース4と比較すると、仕分けモード以外のジョブ処理条件は同じである。
図30のケース6のように、処理対象のジョブが、シート処理モードとして第5モードがセットされたジョブ(以下、ジョブEと称す)を受け付けたとする。この場合、制御部402は、当該ジョブEのシートの区分け処理を、1部数分のシート毎に実行させること無く、該ジョブのユーザにより指定された指定部数単位でもって、実行させるよう、本印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。
処理対象のジョブが、該第5モードが設定されたジョブである場合に、制御部402は、図26のシート束2600のように、1部数分のシート毎にシートの区分け処理を実行させる事を禁止する。即ち、第1シーケンスの実行を禁止する。又、図27のシート束2700のように、区分け処理の実行無しに積載ユニットにスタックさせるよう印刷装置を動作させる事も禁止する。即ち、第2シーケンスの実行も禁止する。又、図29や図30で示した区分け処理も禁止する。即ち、処理対象のジョブのワークフローにおいてプリント工程後に実行予定の該ジョブの後工程に基いた単位でもって、該ジョブのシートの区分け処理を印刷装置に実行させる事も禁止する。このように、第3シーケンスの実行も禁止する。
ジョブEの設定を行うにあたり、先程と同様に、本形態にて提供するユーザインタフェースユニットを介して、図36のケース6に示す各種印刷処理条件をユーザから受け付ける。例えば、制御部402は、4頁からなる文書データのジョブEを、A4サイズの普通紙に片面プリントでもって、50部数分、プリントさせる指示をユーザから受け付ける。
このジョブにて選択されたシートの一枚当りの厚さは0.1mmとする。ジョブEにて必要なシートの合計枚数は4頁×50部数分=200枚である。高さは、200枚×0.1mm=20mmである。
第5モードの場合には、このようなシートの合計枚数情報(200枚)やシートの厚さ情報(0.1mm)やシート束の厚さ情報(20mm)は、利用しないで、済む。制御部402は、これらの情報を用いずに、ジョブEのシートの区分け処理を実行可能に制御する。
例えば、図10の画面のキー1009がユーザにより押下された事を受け、制御部402は、表示部605に図11の画面を表示させる。図11の画面のキー1101が押下された事を受け、図12の表示1201を表示部605に実行させる。制御部402は、表示1201の指定毎キー1203を介して第5モードの実行指示をユーザから受け付け可能にする。且つ、何部毎にシートの区分け処理を実行させるかを、部数入力表示欄1204を介して、ユーザにより決定可能にする。
図36の例では、ジョブEの為に、ユーザにより、キー1203がチェックされ第5モードがセットされ、且つ、テンキー604の操作に応答し、指定部数として「5部毎」が表示欄1204を介してセットされる。
以上のような一連の印刷処理条件のユーザ設定が完了し、スタートキー606がユーザにより押下された事で、制御部402は、ジョブEの処理を画像形成装置101により開始させ、ジョブEのデータの受け付けを行う。ジョブEの原稿画像データはスキャナ401により読取らせる。それをメモリ405のハードディスクに順次格納させる。そして、該メモリのジョブEのデータのプリント処理をプリンタ部403により実行させる。
尚、上記例は、スキャナ部401からジョブEの画像データを入力させる例が故に、ユーザインタフェースとして操作部404を利用した。コンピュータからジョブを受け付ける場合、該コンピュータの表示部に、図18〜20の表示を、コンピュータの制御部により実行させる。該表示を介してコンピュータにて、上記第5モードの設定を含むジョブEに対する一連の処理条件をコンピュータのユーザにより入力可能にする。一連のユーザ設定が完了し、コンピュータのプリンタドライバを介して入力された印刷実行指示によりコンピュータから送信された、ジョブEのデータを、画像形成装置101が受信する。このような方法で受け付けたジョブEのデータを、制御部402は、メモリ405のハードディスクに格納させる。そして、該メモリのジョブEのデータのプリント処理をプリンタ部403により実行させる。
ジョブEは、シートの区分け処理以外は、図26のケース1や図27のケース2や図29のケース3や図30のケース4と同じである。即ち、制御部402は、これらの例と同様に、ジョブEのプリント処理をプリンタ部403により実行させる。例えば、A4サイズで且つ1枚当りの厚さが0.1mmの、4枚の普通紙の各シートに、ジョブEの1〜4頁目の各ページを、夫々、片面プリントさせる。これを1セットとし、ユーザにより設定された印刷出力部数分、即ち、50セット、繰り返し実行させる。これにより50部数分のプリント処理を実行する。但し、ジョブEは、シート処理モードとして、第5モードが設定されたジョブである。
故に、制御部402は、ユーザにより指定された部数分単位でジョブEのシートの区分け処理を装置101により実行させるよう制御する。その結果が、図36のシート束3600である。
ユーザにより設定された出力部数は50部である。一方、第5モード(指定部数モード)の選択において、5部毎にシートの区分け処理を実行させる指示がユーザから入力された。そこで、制御部402は、例えば、ジョブEを以下のように処理させる。図34と図36を参照しながら説明する。
ジョブEの1部目のシート束から5部目のシート束までのシート(ジョブEの1枚目から20枚目のシート)は、第1区分のシートとして、シート上端部が第1の積載基準位置に揃うように、排紙トレイ722にスタックさせる。制御部402は、このような積載状態にする為のシートシフト動作や束排紙動作を、処理トレイ3302にて、整合ユニット3304aや3304bを用いて実行させる。
尚、処理トレイ3302におけるシートシフト動作や束排紙動作の方法は詳述したので、ジョブEの為の本説明では省略する。
ジョブEの第1区分に属する全てのシートの排紙トレイ722に対する排紙並びに排紙トレイ722における積載が完了したとする。これを受け、制御部402は、ジョブEの6部目のシート束から10部目のシート束の排紙トレイ722におけるシート積載位置を、第1区分のシートのトレイ722におけるシートの積載位置と異ならせるように制御する。
例えば、ジョブEの6部目のシート束から10部目のシート束まのシートでのシート(ジョブEの21枚目から40枚目のシート)を、第2区分のシートとして、シート下端部が第2の積載基準位置に揃うように、トレイ722にスタックさせる。制御部402は、このような積載状態にする為のシートシフト動作や束排紙動作を、処理トレイ3302にて、整合ユニット3304aや3304bを用いて実行させる。
ジョブEの第2区分に属する全てのシートの排紙トレイ722に対する排紙並びに排紙トレイ722における積載が完了したとする。これを受け、制御部402は、ジョブEの11部目のシート束から15部目のシート束の排紙トレイ722におけるシート積載位置を、第2区分のシートのトレイ722における積載位置と異ならせるように制御する。
例えば、ジョブEの11部目のシート束から15部目のシート束までのシート(ジョブEの41枚目から60枚目のシート)を、第3区分のシートとして、シート上端部が第1の積載基準位置に揃うように、トレイ722にスタックさせる。制御部402は、このような積載状態にする為のシートシフト動作や束排紙動作を、処理トレイ3302にて、整合ユニット3304aや3304bを用いて実行させる。
制御部402は、このような方法で、ジョブEのシートの区分け処理を、ジョブEの為にユーザにより指定された5部数分毎に、本画像形成装置101により実行させる。そして、このジョブEの最終部目のシート束に相当する50部数目のシート束を処理するまで、上記処理を繰り返すよう制御する。
即ち、図36のシート束3600のような区分け処理が施された状態で、排紙トレイ722に、ジョブEの全てのシート(4頁×50部数分=合計200枚のシート)を、スタックさせる。
制御部402は、第5モードが設定されたジョブを受け付けた場合に、以上のような一連の処理を装置101に実行させる。
即ち、制御部402は、処理対象のジョブのデータのプリント処理を、複数部数分、実行させる場合において、該ジョブのシートが1部数分のシート毎に区分けされた状態で積載ユニットに積載される事を禁止する。該ジョブのシートが該複数部数の値とは異なる第5モードの選択時にユーザにより指定された部数分のシート毎に区分けされた状態で積載ユニットに積載させるように制御する。
この一例として、図36の制御例のように、制御部402はジョブEのデータのプリント処理を50部数分実行させる場合に、ジョブEのシートが1部数分のシート毎に区分けされた状態でトレイ722に積載される事を禁止する。制御部402は、ジョブEのシートが、50部数分とは異なる指定部数モードの選択時にてユーザにより指定された5部数分のシート毎に区分けされた状態で、トレイ722に積載させるよう印刷装置101を制御する。
このような第5モードが設定された場合に実行する一連の動作を第4シーケンスと称す。尚、図36のシート束3600を作成可能にする事で、例えば、POD環境等の印刷環境にて、上記第3シーケンスにより得られる効果と同等効果を、得ることが可能となる。しかも特筆すべきは、該POD環境等の印刷環境の実際の作業現場で発生しうる上述が如くの本実施例が着目するユースケースやユーザニーズに、簡単な装置構成やシステム構成で対処出来るという、優れた更なる効果を奏する事ができる。
例えばPOD環境等の印刷環境特有の本形態の記載が如くのユースケースやニーズに対して、上記第3モードや第4モードに対応する構成は搭載していなくても、この第5モードに対応した構成であるならば、対処可能となる。これにより、上記効果を図りつつも、第3モードや第4モードを具備しない分、システムのスリム化やコストダウン化が図れる。このように、POD環境等の印刷環境に向けた製品実用化を目指し、その製品納品先として想定されうる、POD業者にて、ジョブの高生産性や高操作性や作業効率性等と共に重要視されうる、印刷システムの運用面での効果も期待できる。
又、第3モード(第3タイプの指示情報により動作モード)や、第4モード(第2タイプの指示情報による動作モード)は、図14、図15や図29や図30で例示の如く、後処理を考慮した印刷物の1区分当りの印刷量を制御部402が計算する必要がある。ここで、制御部402は、この当該計算を行うにあたり、処理対象となるジョブの印刷データのトータルの頁数を確認する必要がある。例えば、コピー機能のジョブの場合、制御部402は、スキャナ部401により処理対象の複数枚の原稿で構成される一連の原稿束を全頁読み取らせ、且つ、全頁、メモリ部405のHDに記憶させる。この時点で、このジョブの原稿データのトータルの頁数が確定する。一方、外部コンピュータからのジョブの場合、例えば、制御部402は、PDLデータからビットマップ画像に展開する処理を、入力されるPDLデータの全頁展開処理が完了し、HDに記憶させる。この時点で、このジョブの原稿データのトータルの頁数が確定する。換言すると、制御部402は、処理理対象のジョブの印刷データの全頁が本印刷装置のメモリ部405に記憶されたうえで、該ジョブの後処理を考慮した印刷物の1区分当りの印刷量を計算する。そのうえで、制御部402は、この計算結果を踏まえた一連の印刷動作を印刷装置101により開始させる。これに対して、第5モードは、既述が如くの計算処理は不要である。換言すると、処理対象の原稿の全頁をカウントするが為に全頁を上記HDに記憶されるのを待ったうえで、そのジョブの1頁目の印刷を開始させる等の処理は不要である。
このように、第3モードや第4モードの場合には、実際に処理対象の1頁目の印刷データの印刷を開始させるタイミングが、上記第5モードの場合よりも、遅れをとる可能性がある。これは即ち、換言すると、第5モードに対応した構成であるならば、他のモードよりも、1頁目の印刷開始タイミングも早く、後工程を考慮した印刷物の積載を要するジョブを、速やかに完遂可能となる。このように、第5モードはPOD環境等の如何に生産性を向上させるかが重要視される印刷環境に向けても優れた効果を発揮する。
但し、上記記載も勿論例示的な説明とし、必ずしもこれに限らなくてもよい。
例えば、第3モードや第4モードでも、第5モードと同様に、全頁の印刷データが全て上記HDに記憶されるのを待たずに、1頁目の印刷データが該HDに記憶された時点から、制御部402は、そのジョブの印刷データの印刷をプリンタ部403に開始させる。そして、制御部402は、当該印刷動作を実行させつつ、頁数を順次カウントしていき、1セット目の印刷物の為の最終頁の印刷データの印刷完了を示す通知をプリンタ部403から受取る。この時点で、該原稿のカウント処理をストップする。且つ、この時点は、1セット目(1部目)の印刷物の印刷が完了した時点であるが、この時点で、一時的に、印刷動作を中断させる。そして、そのカウント枚数の結果を基に、該ジョブの原稿データのトータルの頁数を確定する。そして、上記計算を行う。そして、この計算により1区分当りの印刷物の量を決定したら、その決定結果に基き、例えば、これから印刷開始対象の2セット目(2部目)の印刷物を、先の1セット目の印刷物と区分けする必要がある場合は、このジョブの2セット目の印刷物を、1セット目の印刷物と区分けして状態でトレイ722に積載させる。一方、先の1セット目の印刷物と区分けする必要がなければ、このジョブの2セット目の印刷物を、1セット目の印刷物と区分けせずに、同じ積載基準位置に揃うように、トレイ722に積載させる。このような方法でも、図14、図15や図29や図30で例示の如くと同等の出力結果が得られる。
既述例が如く本形態は、POD環境等の印刷環境に向けた製品実用化を目指し、製品納品先となるPOD業者にて発生しうる、オフィス環境では想定外の、潜在的なユースケースやユーザニーズを見出している。そのうえで、それに満足出来るような仕組みを提供可能に構成している。勿論、本形態は、本形態の構成による効果を最大限に発揮すべく、当該POD環境等の印刷環境とは異なる印刷環境をも想定しており、例えば、以下のような状況にも活用可能となるという効果が得られるように構成されている。
例えば、オフィス環境で、ジョブEのドキュメントの印刷物を、自分の所属する部門全体に配布する状況を想定する。部門に属するメンバーは50人存在する。しかし、各メンバーは、5人ずつに、分かれて、10箇所のフロアに点在する。このような状況の際に、図36のような仕分け処理を装置101に実行させる。これにより、ジョブEの出力物を簡単に各フロアのメンバーにジョブEの印刷物を配布できる。
又、例えば、ジョブEのドキュメントの印刷物を用いて、会議室で報告を行う状況を想定する。会議の参加者数は50人である。その会議室は、10個テーブルが存在し、1つのテーブル毎に、5人が着席する形式であるとする。このような状況の際に、図36のような仕分け処理を装置101に実行させる。これにより、ジョブEの出力物を簡単に各テーブルにて控えている参加者にジョブEの印刷物を配布できる。
又、例えば、POD環境において、ジョブEの印刷物を、5人のオペレータが分担して検品する状況を想定する。例えば、ジョブEの印刷物が顧客から指定されたとおりの出来栄えであるかを目視する為の作業を、1人で行うよりも5人で行う方が効率的なので、当該分担作業がなされる状況を想定する。このような状況の際に、図36のような仕分け処理を装置101に実行させる。これにより、ジョブEの出力物を、簡単に、5人のオペレータに、均等配布できる。
このように本印刷装置が導入されうる様々な環境を想定し、様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応出来る。
尚、この第5モードで処理対象となるジョブとは、上記第1タイプの指示情報が本形態のUI部を介してオペレータにより明示的に入力されたうえでオペレータにより印刷実行要求がなされたジョブである。処理対象のジョブが、当該例示が如くのジョブであるとする。この場合、制御部402は、そのオペレータが当該ジョブの為にUI部を介して、そのジョブの印刷処理後に要する後処理をオペレータが考慮して明示的に入力した、「指定部数(X)に相当する置数情報」、を、確認する。そして、制御部402は、当該ジョブの印刷部を、1部数分の印刷物単位で区分けした状態で積載する事無く、当該指定部数分の印刷物単位で区分された状態で、本形態の積載部に、スタックさせるよう、制御する。このような対応関係となる。
以上、図26〜図36を用いて説明したように、本形態は複数種類の仕分け方法を提供可能とし、ユーザにより所望の仕分け方法でもって、処理対象のジョブを処理させる事が出来る。
尚、本形態では、5種類の仕分け方法を具備する構成を説明した。その一例として、第1モード〜第5モードをユーザにより選択可能にする構成を説明した。又、選択されたモードに対応した制御シーケンスとして、4つの制御シーケンスを実行可能にする構成を説明した。その一例として、第1シーケンス〜第4シーケンスを選択的に実行可能にする構成を説明した。
しかし、本形態の構成は必ずしもこれらの構成を全て具備しなくても良い。何故なら、これらの仕組みは、本画像形成装置が色々な環境で利用される事を想定し、様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応出来るようにする高付加価値機能の仕組みである。即ち、上述した各種効果のうちの少なくとも何れかの効果のみを奏するだけでも、従来技術にて想定しているような問題に対処でき、使い勝手や利便性を向上させる事が出来る。
例えば、オフィス環境のみならずPOD環境にも対応出来るように、上述したモードのうちの、少なくとも、第3モード及び/又は第4モードを選択可能に構成する。第3モード或いは第4モードが選択された場合に、上記第3シーケンスを実行可能に構成する。これは、即ち、上記第2タイプの指示情報及び第3タイプの指示情報のうちの少なくとも何れかを、入力可能に構成されたシステム構成である事を意味する。これにより、以下のような状況にも対処可能となる。
例えば、断裁機の性能として、“一度に処理できる印刷物の量”が決まっている。故に、POD環境では作業効率を念頭におき、断裁作業の為に、画像記録装置より排出された印刷物を所定の量に仕分けしたうえで一括して断裁機にて処理させたい等の要望が想定される。
このような要望が仮にあったとしても、本形態のような後工程を考慮にいれた制御を画像形成装置にて取り入れていない場合には、不具合が発生する可能性があると思われる。
例えば、後工程を意識せず、図26のような出力形態でもってプリントさせてしまうと、作業者が断裁機に一度にまとめて処理させるべく、印刷物を整頓する作業が発生する。又、図27のような出力形態でもってプリントさえてしまうと、断裁機で一度に処理できる印刷物の量を超える可能性がある。この場合、断裁結果の良し悪しに影響するだけでなく、断裁機自身を破損させたりする可能性があるやも知れない。又、“一度に処理できる印刷物の量”は、硬い紙なら一度に何mmまで、柔らかい紙なら一度に何mmまで処理できるといったように、扱うメディア(媒体)の種類により変化する事が予想される。作業者はこの点についても考慮した上で作業を進める必要があると思われる。
故に、本形態のような後工程を考慮にいれた制御を画像形成装置にて取り入れていない場合には、効率的な作業の妨げになりかねない。又、断裁するメディアによって動作を変化させる断裁機のようなものが仮にあったとしても、このようなタイプの断裁機は、断裁作業の前に各種設定をオペレータが行う必要がと思われる。即ち、結局、作業者の作業負荷が高くなる傾向にある事が予想される。
上記のように第3シーケンスを実行可能に構成することで、このような問題も未然に防止可能となる。
又、例えば、少なくとも上記第5モードを具備し、該第5モードの選択に応じて、上記第4シーケンスを実行可能に構成する。これは、即ち、上記第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報のうちの、少なくとも第1タイプの指示情報を入力可能に構成されたシステム構成である事を意味する。
このように、第3モード〜第5モードの少なくともいずれかを具備し、第3シーケンス及び第4シーケンスのうちの少なくとも何れかを具備する構成でも良い。勿論、状況に応じて、第1モード及び/又は第2モードも合わせ持つ構成でも良い。このように柔軟に構成をカスタマイズしても良い。
但し、第1モード及び/又は第2モード以外のモードを少なくとも具備し、第1シーケンス及び/又は第2シーケンス以外のシーケンスを少なくとも実行可能に構成する事が好ましい。なぜなら、第1シーケンスしか出来ない装置や、第2シーケンスしか出来ない装置や、これらの両方は対応するが、それ以外は実行不可能な装置では、上述したような環境に十分に対応できない可能性がある。即ち、本形態の効果を十分に発揮しきれない可能性があるからである。
又、上記ニアライン後処理ユニットやオフライン後処理ユニットとして、シート収納箱2800や、断裁機を説明した(尚、シート収納箱2800は、画像形成装置にてプリントさせたシートの収納処理を行うものとして、本例では、後処理装置の一例として包含して説明している)。
しかし、当然、上記のような様々な利用環境、ユーザニーズに柔軟に対応すべく、これらの後処理装置以外の後処理ユニットも本形態は対応出来るように構成されている。
例えば、ニアライン後処理ユニット、及び/又は、オフライン後処理ユニットの、他の例として、プリンタ部403によりプリントされたシートの糊付け処理が可能な糊付け装置がある。又、プリンタ部403によりプリントされたシートの製本処理を実行可能な製本装置もある。又、プリンタ部403によりプリントの包装処理を実行可能な梱包装置がある。又、プリンタ部403によりプリントされたシートに対するパンチ処理を実行可能な穿孔装置がある。又、プリンタ部403によりプリントされたシートに対する綴じ処理を行う綴じ装置等もある。
又、POD環境などでは、画像形成装置にてプリントした出力物を顧客に納品する為に、トラックやバイク等を利用することも考えられる。そこで、このような移動手段も、ワークフローにおける納品工程という、1つの後工程と定義する事も出来る。故に、このような、プリンタ部403によりプリントされたシートの納品処理を実行する為の装置も、ニアライン或いはオフラインの後処理ユニットの1例として包含しても良い。
このような各種後処理装置を本印刷システムが具備する場合でも、当然、上記第1モード〜第5モード及び第1シーケンス〜第4シーケンスを実行可能に構成し、上記効果を発揮できるようにしても良い。
このような趣旨で、本形態の印刷システムを、変形応用可能に構成しても良い。又、本形態の説明では、シートの区分け処理の1例として、シート処理装置720により、処理対象のジョブのデータのプリント処理が施されたシートをずらす処理を実行させる例を説明した。しかし、当然、このようなシートのシフト処理以外も、シートの区分け処理として採用できる。
例えば、上述例では、本印刷装置101に対して図33のような、装置内部でフィニッシィングを行うようなフィニッシャータイプのシート処理装置720を利用した。これを、例えば、図37のような、多数の積載ビンを具備する多ビンソータタイプのシート処理装置3700を、オンライン後処理ユニットとして、シート処理装置720の代わりに、印刷装置101に接続した状況に対処する。
この場合、制御部402は、排紙ローラ717によりシート処理装置3700に搬送させるプリンタ部403からの処理対象のジョブのシートを、複数のビンに振り分けるようシート処理装置3700を制御する。具体的には、処理対象のジョブのシートの区分け処理を実行させるタイミングでもって、排紙先のビンを切り換えるように制御する。
例えば、処理対象のジョブのシートとして、第1区分に属するシートの全てをシート処理装置3700の第1積載ビンに排紙させる処理が完了したとする。これを受け、制御部402は、該ジョブの第2区分に属するシートの全てを第2積載ビンに排紙させるように、排紙先の切り換えを、シート処理装置3700に実行させる。例えば、第2ビンへシートが導入されるようにシート搬送経路をフラッパ等で切り換える。そして、後続グループのシートも、適宜、別のビンに排紙させる(図37のシート処理装置3700の拡大図参照)。
このように、1つの積載ビンに対して、1つの区分け処理で区分すべきグループに属するシートのみを、スタックさせるように、構成しても良い。
以上のような、オンライン後処理ユニットとしての複数ビンタイプのソータを用いた、シートの排紙先切換処理を、実行可能にする。このような方法でもって、シート区分け処理を実行可能に構成しもてよい。尚、当然の如く、多ビンソータタイプのシート処理装置3700は、本実施例でいう所の、インラインタイプの後処理ユニットの1例に該当する。
又、上記の方法以外でも区分け処理として採用できる方法が種々考えられる。例えば、図38のような方法もある。これは、第1の向きのシートと第2の向きのシートを1回分の区分け処理が完了する毎に交互に使い分けるように、複数の給紙ユニットを用いた給紙選択処理を、実行させることで、シートの区分け処理を実現させる方法である。
この場合、図7の給紙部713や714を含む複数の給紙ユニットのうちの第1給紙ユニットに、処理対象のジョブで指定された用紙サイズで且つ用紙タイプの記録紙を、第1の向きで、セットする。又、第2給紙ユニットに、当該第1給紙ユニットにセットされた記録紙と同一サイズで且つ同一タイプの記録紙を、該第1の向きと90度異なる第2の向きで、セットする。例えば、A4横の状態で記録用紙を給紙カセット713にセットし、A4縦の状態で、記録用紙を給紙カセット714にセットする。
このような準備を完了したうえで、例えば、制御部402により、図38のような方法で区分け処理を画像形成装置101により実行可能にする。
このような場合、例えば、制御部402は、処理対象のジョブのシートとして、第1区分に属するシートの全てを、給紙カセット713から給送させる。そして、例えば、A4横の状態のまま、プリント処理を施し、そのままの向きで、排紙トレイ722にスタックさせる。
そして、第1区分のシートの処理が全て完了したとする。これを受け、制御部402は、該ジョブの第2区分に属するシートの全てを、給紙カセット714から給送させる。そして、例えば、A4縦の状態のまま、プリント処理を施し、そのままの向きで、排紙トレイ722にスタックさせる。
尚、どの区分のシートに印字するデータも、同一ジョブのデータである。故に、制御部402は、出力結果の画像向きを一致させる為の画像回転処理を、画像処理ユニットにより、適宜、実行させる。
例えば、A4横の場合には、A4縦の用紙に画像をプリントする際の画像の向きと90度向きを異なせて画像データをプリントさせる。
そして、第2区分のシートの処理が全て完了したとする。これを受け、制御部402は、該ジョブの第3区分に属するシートの全てを、給紙カセット713から給送させる。そして、例えば、A4横の状態のまま、プリント処理を施し、そのままの向きで、排紙トレイ722にスタックさせる。この結果が、図38である。
そして、後続する区分のシートも、適宜、給紙カセット713と、給紙カセット714を、交互に使い分けて、プリントさせる。
このように、シートの区分け処理として、第1方向の複数のシートと、該第1方向のシートと向きが異なる第2方向の複数のシートを、1つの区分に属するシートのプリント処理が完了する毎に、交互に使い分るように、給紙制御を実行可能に構成しても良い。
尚、これ以外にも、例えば、第1区分のシート束と第2区分のシート束の間に仕切紙を挿入させるように、本印刷装置101を制御部402により制御しても良い。このように、区分け処理として、仕切紙を用いた、シートインサート処理を実行可能に構成しても良い。
以上のように、如何なる方法でもって、シートの区分け処理を実現しても良い。しかし、少なくとも、積載ユニットからシート束を取出すユーザにより、シートの区分け個所が極力理解できるような状態でもって、スタックさせる事が望ましい。
尚、上述した第1モード〜第5モードは、このように、区分け処理を施した状態でシートをスタックさせるという意味で、第1〜第5のシートスタックモードと称しても良い。
そして、制御部402は、上述したように、このような複数種類のシートスタックモードの中から、上記ユーザインタフェースユニットを介して入力されるユーザからの指示に基いたスタッキングモードを選択可能にする。そして選択されたスタッキングモードに対応する積載方法(積載形態)でもって、処理対象のジョブの複数のシートを、排紙トレイ722等の積載ユニットにスタックさせるよう、本形態の印刷装置を制御する。
即ち、図26のシート束2600、図27のシート束2700、図29のシート束2900、図30のシート束3000、図31のシート束3100、図36のシート束3600等で例示が如くの印刷物の積載処理を可能にする。このように、オペレータの所望の積載形態でもって、処理対象のジョブの複数のシート(印刷媒体又は印刷物と同義)を、本印刷装置101を含む本印刷システムが具備する積載ユニットに積載可能に構成する。このように構成することで上記効果を発揮可能とする。
以上の如く本形態の印刷システムは、今後のデジタルプリンティングシステムを見据えた、上述例が如く様々な印刷環境にも対処可能な仕組みを提供可能に構成している。そこで本形態の効果を更に発揮すべく、例えば以下に例示の制御を実行可能に構成しても良い。
例えば、第3の実施形態等で例示した如く、本印刷システムはボックス機能にも対処可能に構成されている。そこで、以下に例示が如くの構成を具備した構成を提供する。
例えば、制御部402が、表示部401に実行させた図10の表示にてボックスタブ1003がオペレータにより押下されとする。これに応答し、制御部402は、ボックス機能が選択されたと判断する。この場合、制御部402は、例えば、図39Aに例示が如くの文書一覧選択画面3900Aを、表示部401により、表示させる。画面3900Aは、印刷装置101のメモリ405内のハードディスク(以下、HDと記す)に保存済の、ボックス機能にて処理対象の複数のジョブの各ドキュメントデータの中から、所望のドキュメントを、1又は複数個、オペレータが選択できるように構成された、表示画面である。
ここで例えば、図39Aの表示のリスト3901を介して、オペレータが、リストの1番目の3頁からなるドキュメントデータ(以下、文書Aと称す)を選択したとする。そのうえで、更に、図39Aの表示のリスト3901を介して、オペレータが、リストの3番目の2頁からなるドキュメントデータ(以下、文書Bと称す)を選択したとする。このオペレータのリスト3901での文書選択操作に応答し、制御部402は、当該オペレータの文書選択状況を反映した表示内容となるよう、表示部401を制御する。例えば、制御部402は、リスト3901の当該文書選択操作がオペレータによりなされた事に応じ、文書選択画面の表示内容を、図39Aの表示内容から図39Bの表示内容に遷移させる。
ここで、制御部402は、図39Bの表示が如く、リスト3901にてオペレータが文書Aを1番目に選択し且つ次いで文書Bを2番目に選択した事を該オペレータにより特定出来るように、表示制御を実行する。尚且つ、このようにリスト3901にて文書が選択された場合、制御部402は、そのオペレータが選択した文書に対する処理をオペレータが当該文書選択画面にて明示的に指示できるように、表示制御を実行する。
例えば、リスト3901にてオペレータによる文書選択がなされていない状態の場合は、図39Aの表示が如く、プリントキー3902等の各種の指示を入力する操作キーを、当該画面上にて無効表示状態とする。ここで、無効表示の方法としては、例えば、図39Aの表示例が如く、グレーアウト表示させる方法がある。或いは、網掛け表示等を実行可能に構成しても良い。如何なる構成でも良いが、オペレータによる誤まった指示が入力されないよう、オペレータによる指示を受付不可状態なるよう、制御する。
これに対して、例えば、リスト3901にてオペレータによる文書選択がオペレータによりなされたとする。この場合、制御部402は、図39Bの表示が如く、プリントキー3902等、リスト3901にて選択済の文書に対する各種指示を入力する為の操作キーを、当該文書選択画面上にて、有効表示状態となるよう、表示部401を、制御する。
ここで、既述が如く、リスト3901にてオペレータにより互いに独立した複数のジョブの複数のドキュメントデータが選択されたとする。本形態の印刷装置101は、このように複数のジョブの文書データがリスト3901にて複数個選択された事を条件とする、複数文書連続印刷機能を、具備する。
例えば、既述が如くの文書選択がリスト3901にてなされたとする。この場合、制御部402は、上記HDから、リスト3901で1番目に選択された文書Aに相当するドキュメントデータを読出しプリンタ部403によりプリントさせる。尚且つ、更に、連続して、上記HDから、リスト3901で2番目に選択された文書Bに相当するドキュメントデータを読出しプリンタ部403によりプリントさせる。
このように、リスト3901でオペレータが選択した互いに独立した複数のジョブのドキュメントデータを、該リスト3901におけるこれらの文書の選択した順序と同じ順序で、連続的に、プリンタ部403により、印刷させる、連続印刷機能を、具備している。尚、複数のドキュメントデータを連続的に印刷させるという意味は、例えば、オペレータが複数回の印刷実行要求を入力すること無しに、1回分の印刷実行要求の入力操作に応答して、これら複数のドキュメントデータを連続印刷させる事を意味する。
しかも本形態の印刷装置101は、上記連続印刷対象となる複数のドキュメントデータを、1つのジョブのドキュメントデータとして取扱出力させる、文書結合機能を、具備する。尚且つ、上記連続印刷対象となる複数のドキュメントデータを、夫々別々のジョブの別々のドキュメントデータとしてそのまま取扱出力させる、文書非結合機能を、具備する。
上記構成を前提に、制御部402は、該連続印刷対象の互いに独立した文書データを、1つの文書データとして結合した状態で連続印刷させるか、そのまま別々の文書データとして区別した状態で連続印刷させるか、を、オペレータにより選択可能に、制御する。
例えば、図39Bの表示例が如く、文書A、文書Bという選択順序で、これらの文書が選択された状態で、同画面上の有効表示状態のプリントキー3902がオペレータにより押下されたとする。すると、制御部402は、図40Aに例示が如くの表示を、表示部401により、実行させる。
図40Aの表示は、リスト3901で選択されたドキュメントの印刷設定を行う機能と印刷開始指示を入力する機能を具備した表示画面である。制御部402が表示部401に実行させる図40Aの表示は、以下の表示構成要素を具備するように構成されている。
(表示欄4001)当該表示欄4001は、リスト3901でオペレータ選択された文書の数をオペレータに確認可能にした情報と、この選択対象の文書データに対して現在設定済の印刷処理条件をオペレータに確認可能にした情報等を示すように構成している。この例では、リスト3901でオペレータが文書Aと文書Bの2つの文書を選択した。故に、制御部402は、図40Aに例示が如く、それをオペレータに通知すべく「文書選択数が2」である事を表示欄4001にて表示させる。又、この例にて、現在、当該選択対象のドキュメントデータの印刷処理条件として、用紙サイズが「A4サイズ」で、且つ、用紙の種類として、「一枚当りの厚さが1mmの厚紙」が設定され、且つ、トータルの印刷部数として「1」部が設定されているとする。この場合、例えば図40Aに例示が如く、制御部402は、当該選択対象の文書の印刷処理条件として、現在、「用紙サイズがA4サイズであり、印刷部数は1部」が設定済である事を表示欄4001にて表示させている。
(ソータキー4002)この表示キー4002が、上述の第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報の何れかをオペレータが明示的且つジョブ毎に入力できるようにした表示画面を表示部401に表示させる為の指示を、オペレータが入力する為の、操作指示キーである。例えば、該表示キー4002がオペレータにより押下された場合、これに応答し、制御部402は、表示部401に、図11の表示を実行させる。その後は、第1実施例にて詳述した如く、オペレータからの操作に応答し、図12の表示、図13のリスト表示を、表示部402により実行させる。当該例示が如くのUI制御を行う事で、制御部402は、リスト3901にて選択済の文書データの印刷処理を要するボックス機能のジョブにおいても、上記非インラインタイプの後処理ユニットを考慮した印刷物の区分け処理を実行可能にする。
(文書結合キー4004)この表示キー4004が、リスト3901にてオペレータにより選択済の互いに独立した複数の文書データを、1つの文書データとして印刷させるか、それとも、別々の文書データのままで連続印刷させるかを、オペレータが決定指示する為の、操作指示キーである。例えば、この例にて、オペレータが文書結合キー4004が押下し、その後、プリント開始キー4003を押下したとする。この場合、制御部402は、「文書結合する」指示の入力有りと判断する。且つ、この場合、制御部402は、上記リスト3901でオペレータにより選択された文書Aと文書Bのこれら独立した2つの文書を、1つの文書として、印刷出力させる。一方、オペレータが文書結合キー4004が押下せずにプリント開始キー4003を押下したとする。この場合、制御部402は、「文書結合する」指示の入力無しと判断する。且つ、この場合、制御部402は、上記リスト3901でオペレータにより選択された文書Aと文書Bのこれら独立した2つの文書を、夫々、別々の文書として、印刷出力させる。但し、制御部402は、この場合でも、勿論、これらの文書Aと文書Bは、リスト3901における文書選択順序と同じ順序で、連続的に、印刷させる。即ち、文書結合する場合でも、文書結合しない場合でも、1つの文書として出力するか、別々の文書として出力するかの印刷出力形態が異なるだけで、これら文書Aと文書Bの印刷データは連続印刷の対象となる。
(プリント開始キー4003)この表示キー4003は、当該図40に例示が如くの各種印刷処理条件の設定がオペレータによりなされたうえで、リスト3901にて選択対象の文書の印刷実行指示を、オペレータにより入力する為の、操作指示キーである。
以上のような各種表示構成要素を具備した画面として、制御部402は、図40Aの表示を、表示部401により、実行させる。尚、図40Aの表示を介して、処理対象のジョブの印刷部数の設定や用紙の設定や各種応用モード(縮小レイアウト等)の設定をオペレータにより実行可能に構成されている。
以上に例示のボックス機能のジョブが如く、本印刷システムは、上記印刷装置101が具備するHD内の複数のドキュメントデータのうちの、オペレータが選択した複数のドキュメントデータを連続的に印刷可能に制御部402により制御する。しかも、この連続印刷モードにおいて当該連続印刷対象の複数のドキュメントを文書結合した状態で印刷させる文書結合機能を具備する。且つ、この連続印刷モードにおいて当該連続印刷対象の複数のドキュメントを文書結合せずに印刷させる非文書結合機能を具備する。且つ、この文書結合するか否かをも、オペレータにより選択可能に構成している。上記の如く、文書結合キー4004により文書結合する指示が入力された場合、制御部402は、連続印刷対象となる互いに独立した複数のドキュメントデータを、1つのドキュメントデータとして、ドキュメント結合された状態で、印刷させる。一方、文書結合キー4004により文書結合する指示が入力されなかった場合、制御部402は、連続印刷対象となる互いに独立した複数のドキュメントデータを、別々のドキュメントデータとして、ドキュメント結合せずに、印刷させる。このような選択的動作を実行するよう、制御部402は、印刷装置101を含む本形態の印刷システムを制御する。
本形態では、既述が如く、連続印刷対象となる複数のドキュメントデータを印刷する際にも、上述した実施例の印刷物の区分け処理に関する動作を、制御部402が、処理対象のジョブに対して本印刷システムにより実行可能に制御している。即ち、上述が如く、制御部402は、当該ケースにおいても、『処理対象のジョブにて印刷装置101による印刷処理後に必要な非インライン後処理ユニットを用いた後処理を考慮した、印刷物の区分け処理』を、実行可能に、本システムを制御している。
例えば、「複数ドキュメントの連続印刷を要し、且つ、それら複数ドキュメントの文書結合を要する、ジョブ」の為に、オペレータが明示的に第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報の何れかに相当する指示情報を、操作部404を介して、入力したとする。
この場合、制御部402は、この「複数ドキュメントの連続印刷を要し、且つ、それら複数ドキュメントの文書結合を要する、ジョブ」の印刷物を、該ジョブの後処理を考慮した印刷物単位で区分けされた状態で、積載部(例えばトレイ722)により、積載させる。
一方例えば、「複数ドキュメントの連続印刷を要し、且つ、それら複数ドキュメントの文書結合は不要な、ジョブ」の為に、オペレータが明示的に第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報の何れかに相当する指示情報を、操作部404を介して、入力したとする。
この場合も、制御部402は、この「複数ドキュメントの連続印刷を要し、且つ、それら複数ドキュメントの文書結合は不要な、ジョブ」の印刷物を、該ジョブの後処理を考慮した印刷物単位で区分けされた状態で、積載部(例えばトレイ722)により、積載させる。
しかも本形態で特筆すべきは、互いに連続印刷対象の、上記文書結合を要するジョブと、上記文書結合は不要なジョブとで、この後処理(後工程)を考慮した印刷物の区分け動作の、その区分け方法を、異ならせるよう(区別するよう)、制御している事である。以下、この制御部402が実行する制御の具体例を、上記図39Bで例示のリスト3901にて文書Aと文書Bを連続印刷対象として選択した場合の制御例を用いて、説明する。
まず、文書結合しない場合にて実行対象となる印刷物の区分け動作に関する制御例を、以下に、例示する。
例えば、リスト3901にて文書Aを選択しその後文書Bをオペレータが選択し、その後、プリントキー3902を押下した。これに応答し、制御部402は、表示部401の表示内容を、図39Bの表示画面から図40Aの表示画面に遷移させる。
ここで図40Aの画面にて、この「文書Aと文書Bとを、文書A→文書Bという順序で、連続印刷すべきジョブ」の、トータルの印刷部数として4部を設定したとする。すると、制御部402は、このオペレータの設定を反映した表示内容となるよう表示部401を制御する。例えば、制御部402は、図40Aの画面4000Aを、図40Bの画面4000Bに例示するが如くの表示状態とする。
その後、更に、オペレータが、図40Bの表示のソータキー4002を押下したとする。すると、このオペレータ操作に応答し、制御部402は、図11の表示を、表示部401により、実行させる。その後、オペレータが、図11の表示のキー1101を押下したとする。すると、このオペレータ操作に応答し、制御部402は、図12の表示を、表示部401により、実行させる。
そして、この図12の表示画面を表示部401に表示させている状態にて、オペレータが、キー1202を押下し、このジョブの為に「1部数分の印刷物単位で区分けした状態でスタックさせる」指示を、入力したとする。その後、この図12の表示におけるオペレータの設定が完了した事に応じ、制御部402は、再度、図40Bの表示画面を、表示部401により、表示させる。
以上の如く、印刷物の仕分け動作に関する指示がオペレータ入力されたとする。そのうえで、例えば、オペレータが、図40Bの画面4000Bの文書結合キー4004により文書結合する指示を入力せずに、プリント開始キー4003を押下することで、当該処理対象のジョブの印刷実行要求を入力したとする。
以上に例示が如くの一連の各種設定及び印刷実行要求がオペレータからなされたとする。この場合、制御部402は、当該ジョブは、「文書Aと文書Bとを、文書A→文書Bという順序で、連続印刷する必要があり、且つ、文書結合は不要な、ジョブ」であると、判断する。且つ、制御部402は、このジョブは、「トータルで4部数分の印刷を要するジョブであり、且つ、1部数分の印刷物単位で区分けした状態で印刷物の積載を要する、ジョブ」であると、判断する。その上で、制御部402は、当該ジョブに対してオペレータが設定した処理条件に基いた一連の印刷動作を、当該ジョブの為に、実行するよう、本印刷システムを制御する。具体的には、積載部(例えば、トレイ722)における当該ジョブの印刷物の最終的な積載結果が図41Aに例示のシート束4100Aとなるような一連の印刷動作を、当該ジョブの為に、実行するよう、本印刷システムを制御する。尚、ここで述べている「一連の印刷動作」とは、印刷物に対するプリンタ部203による印刷処理と、当該印刷済の印刷物の区分け処理との、両処理が含まれている事を意味する。この制御部402が上記ジョブの為に実行する制御を、図41Aを用いて、より具体的に以下に説明する。
例えば、上述に例示が如くのオペレータの操作部404での設定指示に基き、制御部402は、上記ジョブの処理条件は図41Aの(ケースA)に示す処理条件であると判断する。即ち、以下に例示の処理条件が上記ジョブの為にオペレータから操作部404を介して指示されたとする。
(条件1)3頁からなる文書データである文書Aと2頁からなる文書データである文書Bとを、文書A⇒文書Bという印刷順序で、夫々別々の文書として、連続印刷させる。これは、換言すると、「連続印刷する、但し、文書結合はしない」事を意味する。
(条件2)出力用紙サイズはA4サイズ。出力用紙タイプは厚紙。1枚当りの用紙の厚さは1mm。トータルの出力部数は4部。片面印刷を実行する。
尚、この場合、当該ジョブにて必要なシート(印刷用紙、印刷媒体とも呼ぶ)の利用枚数の合計は、3頁分の文書Aを4部数分片面印刷する為に必要な枚数12枚と、2頁分の文書Aを4部数分片面印刷する為に必要な枚数8枚との合計に相当する、20枚である。又、このジョブの全ての印刷物の積載量(高さ合計)は、20枚×1mm=2センチである。
(条件3)当該ジョブは、1部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を要する、ジョブである。換言すると、仕分け方法として、第1モードが指示されたジョブである。
以上の処理条件に従った一連の印刷動作として、上記ジョブの為に、図41Aのような積載結果となるよう、制御部402は、本印刷システムを制御する。この一連の印刷動作では以下に例示が如くの各ステップを、以下に例示が如くの順番で、順次、実行させる。尚、この図41Aのシート束4100Aの参照方法は、既述の図26等で例示の説明と同等なので、ここでは、かいつまんで、説明する。
[ステップ1]上記HDから文書Aのデータを読出し、文書Aの3頁分の片面印刷を実行させる。これを1セット目の印刷物とする。この1セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙させる。
[ステップ2]上記HDから文書Aのデータを読出し、文書Aの3頁分の片面印刷を実行させる。これを2セット目の印刷物とする。但し、この2セット目の印刷物は1セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この2セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ3]上記HDから文書Aのデータを読出し、文書Aの3頁分の片面印刷を実行させる。これを3セット目の印刷物とする。但し、この3セット目の印刷物は2セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この3セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ4]上記HDから文書Aのデータを読出し、文書Aの3頁分の片面印刷を実行させる。これを4セット目の印刷物とする。但し、この4セット目の印刷物は3セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この4セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ5]上記HDから文書Bのデータを読出し、文書Bの2頁分の片面印刷を実行させる。これを5セット目の印刷物とする。但し、この5セット目の印刷物は4セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この5セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ6]上記HDから文書Bのデータを読出し、文書Bの2頁分の片面印刷を実行させる。これを6セット目の印刷物とする。但し、この6セット目の印刷物は5セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この6セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ7]上記HDから文書Bのデータを読出し、文書Bの2頁分の片面印刷を実行させる。これを7セット目の印刷物とする。但し、この7セット目の印刷物は6セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この7セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ8]上記HDから文書Bのデータを読出し、文書Bの2頁分の片面印刷を実行させる。これを8セット目の印刷物とする。但し、この8セット目の印刷物は7セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この8セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
以上で当該ジョブの一連の印刷動作が完了する。これにより、上記図41Aの(ケースA)に相当するジョブのトレイ722における最終的な積載結果が、図41Aのシート束4100Aが如くの積載結果となる。尚、上述の図41Aの積載結果を得る為の[ステップ1]〜[ステップ8]で構成される一連の印刷動作は、オペレータが図40Bの表示のプリント開始キー4003により印刷実行要求を1回入力しただけで、順次、自動的に、実行させるものである。
図41Aで例示の上記制御部402が実行する制御例は、文書Aと文書Bの文書結合を禁止した印刷処理を実行させ、且つ、1部数分の印刷物毎に区分けした状態で、当該ジョブの印刷物をスタックさせる、制御例に該当する。
これがもし、文書Aと文書Bの文書結合を要する印刷処理を実行させ、且つ、1部数分の印刷物毎に区分けした状態で、当該ジョブの印刷物をスタックさせる、場合は、以下のように構成する。
例えば、上述の制御例にて図40Bの表示画面を表示部401に再表示させるまでの一連の設定と同じ事をオペレータが実行したものとする。但し、この段階にて、図40Bの表示において文書結合キー4004をオペレータが押下したとする。すると制御部402は、このオペレータ操作に応答し、図40Cの表示状態となるよう、表示部401を制御する。図40Cの画面は、文書結合が指示された後の状態を意味する。その後、プリント開始キー4003の押下により印刷実行要求を受け付けたとする。
この場合、制御部402は、当該処理対象のジョブは、「文書Aと文書Bとを、文書A→文書Bという順序で、連続印刷する必要があり、但し、文書結合を要する、ジョブ」であると、判断する。且つ、制御部402は、このジョブは、「トータルで4部数分の印刷を要するジョブであり、且つ、1部数分の印刷物単位で区分けした状態で印刷物の積載を要する、ジョブ」であると、判断する。その上で、制御部402は、当該ジョブに対してオペレータが設定した処理条件に基いた一連の印刷動作を、当該ジョブの為に、実行するよう、本印刷システムを制御する。具体的には、積載部(例えば、トレイ722)における当該ジョブの印刷物の最終的な積載結果が図41Bに例示のシート束4100Bとなるような一連の印刷動作を、当該ジョブの為に、実行するよう、本印刷システムを制御する。この制御部402が上記ジョブの為に実行する制御を、図41Bを用いて、より具体的に以下に説明する。
例えば、上述に例示が如くのオペレータの操作部404での設定指示に基き、制御部402は、上記ジョブの処理条件は図41Bの(ケースB)に示す処理条件であると判断する。即ち、以下に例示の処理条件が上記ジョブの為にオペレータから操作部404を介して指示されたとする。
(条件1)3頁からなる文書データである文書Aと2頁からなる文書データである文書Bとを、1つの文書として、印刷させる。これは、換言すると、「連続印刷する、且つ、文書結合する」事を意味する。
尚、本形態では、このように複数文書が1つの文書として結合された文書を、結合文書と呼ぶ。この例では、結合文書として、3頁分の文書Aのドキュメントデータと2頁分の文書Bのドキュメントデータで構成される計5頁からなる結合文書が印刷されるように、制御部402は、上記HDからのデータ読出制御やデータ作成処理を実行する。又、これらの結合文書として構成される文書Aと文書Bとの結合順序は、リスト3901におけるオペレータの文書選択順序と同じ順序で結合する。本例では、文書Aの次に文書Bをオペレータがリスト3901で選択した。故に、制御部402は、該5頁からなる結合文書の1頁目から3頁目が文書Aの1頁目から3頁目となり、当該結合文書の4頁目から5頁目が文書Bの1頁目から2頁目となるよう、上記HDからのデータの読出制御やデータ生成処理を実行する。
(条件2)出力用紙サイズはA4サイズ。出力用紙タイプは厚紙。1枚当りの用紙の厚さは1mm。トータルの出力部数は4部。片面印刷を実行する。
尚、この場合、当該ジョブにて必要なシート(印刷用紙、印刷媒体とも呼ぶ)の利用枚数の合計は、5頁分の結合文書を4部数分片面印刷する為に必要な印刷枚数、即ち、5頁×4部=20枚である。このジョブの全ての印刷物の積載量(高さ合計)は、20枚×1mm=2センチである。
(条件3)当該ジョブは、1部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を要する、ジョブである。換言すると、仕分け方法として、第1モードが指示されたジョブである。
以上の処理条件に従った一連の印刷動作として、上記ジョブの為に、図41Bのような積載結果となるよう、制御部402は、本印刷システムを制御する。この一連の印刷動作では以下に例示が如くの各ステップを、以下に例示が如くの順番で、順次、実行させる。尚、この図41Bのシート束4100Bの参照方法も、既述の図26等で例示の説明と同等なので、ここでは、かいつまんで、説明する。
[ステップ1]上記HDから文書Aのデータと文書Bのデータを読出しして、これらを上記結合順序で結合した計5頁からなる結合文書を、上記HDの空き領域を用いて、作成する。そのうえで、この生成した結合文書の片面印刷を実行させる。これを1セット目の印刷物とする。この1セット目の結合文書の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙させる。
尚、この文書Aと文書Bのデータで構成される結合文書は、当該ジョブの一連動作が終了するまでの間に、4部数分、繰り返し利用する。故に、制御部402は、この生成した結合文書データを、該ジョブの処理が全て終了するまでの間は、上記HDのメモリに、保持させておく。
[ステップ2]上記生成した結合文書の片面印刷を実行させる。これを2セット目の結合文書の印刷物とする。但し、この2セット目の結合文書の印刷物は1セット目の結合文書の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この2セット目の結合文書の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作と束排紙動作を実行させる。
[ステップ3]上記生成した結合文書の片面印刷を実行させる。これを3セット目の結合文書の印刷物とする。但し、この3セット目の結合文書の印刷物は2セット目の結合文書の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この3セット目の結合文書の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作と束排紙動作を実行させる。
[ステップ4]上記生成した結合文書の片面印刷を実行させる。これを4セット目の結合文書の印刷物とする。但し、この4セット目の結合文書の印刷物は3セット目の結合文書の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この4セット目の結合文書の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作と束排紙動作を実行させる。
以上で当該ジョブの一連の印刷動作が完了する。これにより、上記図41Bの(ケースB)に相当するジョブのトレイ722における最終的な積載結果が、図41Bのシート束4100Bが如くの積載結果となる。尚、上述の図41Bの積載結果を得る為の[ステップ1]〜[ステップ4]で構成される一連の印刷動作は、オペレータが図40Cの表示状態にて、プリント開始キー4003を介して、印刷実行要求を1回入力しただけで、順次、自動的に、実行させるものである。
図41Aの制御例は、処理対象のジョブが「複数文書の印刷を要し、且つ、文書結合は不要であり、且つ、1部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を要する、ジョブ」を制御部402が受付た場合に、本印刷システムにて実行させる、制御例である。
図41Bの制御例は、処理対象のジョブが「複数文書の印刷を要し、且つ、文書結合を要し、且つ、1部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を要する、ジョブ」を制御部402が受付た場合に、本印刷システムにて実行させる、制御例である。
これらが、もし、「1部部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を実行する事を禁止し、且つ、印刷処理後に必要な後処理を考慮した印刷物単位での区分け処理を要する」場合は、如何様に、制御部402が、本システムを制御するのか、以下、順番に、例示する。
まず、図41Cを用いて説明する。この図41Cの(ケースC)は、図41Aの(ケースA)と、仕分け方法が異なるだけで、後は、全て、図41Aの(ケースA)と、同一であるものとする。図41Cの(ケースC)では、第5モードが設定された例である。換言すると、このジョブは、第1タイプの指示情報が明示的にオペレータ入力されたうえで印刷実行要求がプリントキー4003を介してオペレータによりなされたジョブに相当する。尚、図41Cの(ケースC)のように、このジョブの為に第5モードを選択する際には、以下のような操作フローを実行する。
例えば、図40Bの表示のソータキー4002をオペレータが押下する。これを受け制御部402が、表示部401に図11の表示を実行させる。その後、表示キー1101がオペレータにより押下された事で、制御部402は、図12の表示を表示部401により実行させる。この図12の表示を表示部401により実行させた状態で、オペレータによりキー1203が押下され、且つ、入力欄1204を介して指定部数として「2」部が設定された。その後、図40Bの表示画面に戻り、図40Bの表示状態にて、文書結合キー4004でオペレータが文書結合指示を入力する事なく、プリント開始キー4003を押下した。これにより、当該処理対象のジョブの印刷実行要求を制御部402は受け付ける。このような操作手順を経て、当該処理対象のジョブは、図41Cの(ケースC)が如くの一連の処理条件の設定がなされる。そして、制御部402は、この図41Cの(ケースC)に基いた一連の印刷動作を、当該ジョブの為に実行するよう印刷システムを制御する。
以上に例示が如くの一連の各種設定及び印刷実行要求がオペレータからなされたとする。この場合、制御部402は、当該ジョブは、「文書Aと文書Bとを、文書A⇒文書Bという順序で、連続印刷する必要があり、且つ、文書結合は不要な、ジョブ」であると、判断する。且つ、制御部402は、このジョブは、「トータルで4部数分の印刷を要するジョブであり、且つ、指定部数に相当する2部数分の印刷物単位で区分けした状態で印刷物の積載を要する、ジョブ」であると、判断する。その上で、制御部402は、当該ジョブに対してオペレータが設定した処理条件に基いた一連の印刷動作を、当該ジョブの為に、実行するよう、本印刷システムを制御する。具体的には、積載部(例えば、トレイ722)における当該ジョブの印刷物の最終的な積載結果が図41Cに例示のシート束4100Cとなるような一連の印刷動作を、当該ジョブの為に、実行するよう、本印刷システムを制御する。この制御部402が上記ジョブの為に実行する制御を、図41Cを用いて、より具体的に以下に説明する。
例えば、上述に例示が如くのオペレータの操作部404での設定指示に基き、制御部402は、上記ジョブの処理条件は図41Cの(ケースC)に示す処理条件であると判断する。即ち、以下に例示の処理条件が上記ジョブの為にオペレータから操作部404を介して指示されたとする。
(条件1)3頁からなる文書データである文書Aと2頁からなる文書データである文書Bとを、文書A⇒文書Bという印刷順序で、夫々別々の文書として、連続印刷させる。これは、換言すると、「連続印刷する、但し、文書結合はしない」事を意味する。
(条件2)出力用紙サイズはA4サイズ。出力用紙タイプは厚紙。1枚当りの用紙の厚さは1mm。トータルの出力部数は4部。片面印刷を実行する。
尚、この場合、当該ジョブにて必要なシート(印刷用紙、印刷媒体とも呼ぶ)の利用枚数の合計は、3頁分の文書Aを4部数分片面印刷する為に必要な枚数12枚と、2頁分の文書Aを4部数分片面印刷する為に必要な枚数8枚との合計に相当する、20枚である。又、このジョブの全ての印刷物の積載量(高さ合計)は、20枚×1mm=2センチである。
(条件3)当該ジョブは、上記第1タイプの指示情報に相当する、指定部数として2部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を要する、ジョブである。換言すると、仕分け方法として、第5モードが指示されたジョブである。
以上の処理条件に従った一連の印刷動作として、上記ジョブの為に、図41Cのような積載結果となるよう、制御部402は、本印刷システムを制御する。この一連の印刷動作では以下に例示が如くの各ステップを、以下に例示が如くの順番で、順次、実行させる。尚、この図41Cのシート束4100Cの参照方法は、既述の図36等で例示の説明と同等なので、ここでは、かいつまんで、説明する。
[ステップ1]上記HDから文書Aのデータを読出し、文書Aの3頁分の片面印刷を実行させる。これを1セット目の印刷物とする。この1セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙させる。
[ステップ2]上記HDから文書Aのデータを読出し、文書Aの3頁分の片面印刷を実行させる。これを2セット目の印刷物とする。但し、この2セット目の印刷物を1セット目の印刷物とずれた状態でスタックさせる事は禁止する。換言すると、この2セット目の印刷物の端部が、1セット目の印刷物と同じ、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙動作を実行させる。
[ステップ3]上記HDから文書Aのデータを読出し、文書Aの3頁分の片面印刷を実行させる。これを3セット目の印刷物とする。但し、この3セット目の印刷物は2セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この3セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ4]上記HDから文書Aのデータを読出し、文書Aの3頁分の片面印刷を実行させる。これを4セット目の印刷物とする。但し、この4セット目の印刷物を3セット目の印刷物とずれた状態でスタックさせる事は禁止する。換言すると、この4セット目の印刷物の端部が、3セット目の印刷物と同じ、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙動作を実行させる。
[ステップ5]上記HDから文書Bのデータを読出し、文書Bの2頁分の片面印刷を実行させる。これを5セット目の印刷物とする。ここで、この5セット目の印刷物は4セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この5セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ6]上記HDから文書Bのデータを読出し、文書Bの2頁分の片面印刷を実行させる。これを6セット目の印刷物とする。ここで、この6セット目の印刷物を5セット目の印刷物とずれた状態でスタックさせる事は禁止する。換言すると、この6セット目の印刷物の端部が、5セット目の印刷物と同じ、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙動作を実行させる。
[ステップ7]上記HDから文書Bのデータを読出し、文書Bの2頁分の片面印刷を実行させる。これを7セット目の印刷物とする。但し、この7セット目の印刷物は6セット目の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この7セット目の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作及び束排紙動作を実行させる。
[ステップ8]上記HDから文書Bのデータを読出し、文書Bの2頁分の片面印刷を実行させる。これを8セット目の印刷物とする。但し、この8セット目の印刷物を7セット目の印刷物とずれた状態でスタックさせる事は禁止する。換言すると、この8セット目の印刷物の端部が、7セット目の印刷物と同じ、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙動作を実行させる。
以上で当該ジョブの一連の印刷動作が完了する。これにより、上記図41Cの(ケースC)に相当するジョブのトレイ722における最終的な積載結果が、図41Cのシート束4100Cが如くの積載結果となる。尚、上述の図41Cの積載結果を得る為の[ステップ1]〜[ステップ8]で構成される一連の印刷動作は、オペレータが図40Bの表示のプリント開始キー4003により印刷実行要求を1回入力しただけで、順次、自動的に、実行させるものである。
図41Cで例示の上記制御部402が実行する制御例は、文書Aと文書Bの文書結合を禁止した印刷処理を実行させ、且つ、1部数分の印刷物毎の区分け処理の実行を禁止し、後処理を考慮した印刷物物単位での区分け処理を実行させる、制御例に該当する。
これがもし、文書Aと文書Bの文書結合を要する印刷処理を実行させ、且つ、1部数分の印刷物毎の区分け処理の実行を禁止し、後処理を考慮した印刷物物単位での区分け処理を実行させる、場合は、以下のように構成する。
例えば、図41Cで例示の制御例における図11の表示を制御部402が表示部401により実行させるまでの段階は、基本的に、上記図41Cで例示の条件と同一のもとする。この図12の表示を介して、仕分け方法として、以下の何れかがオペレータにより設定されたとする。
(1)キー1103を押下する事でオペレータが第3モードを選択し、図13のリスト表示にて「項目no3」を選択した。これは、換言すると、処理対象のジョブに対して上記第3タイプの指示情報がオペレータにより明示的に入力された事を意味する。
(2)キー1102を押下する事でオペレータが第4モードを選択し、入力欄1102にて高さ情報として「10mm」を数値入力した。これは、換言すると、処理対象のジョブに対して上記第2タイプの指示情報がオペレータにより明示的に入力された事を意味する。
(3)キー1203を押下する事でオペレータが第5モードを選択し、入力欄1204にて指定部数情報として「2部」を数値入力した。これは、換言すると、処理対象のジョブに対して上記第1タイプの指示情報がオペレータにより明示的に入力された事を意味する。
以上の第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報の何れかに相当する指示情報がオペレータにより操作部404を介して明示的に処理対象の上記ジョブの為に入力されたうえで、その後、図40Bの表示画面に復帰したとする。
ここで、図40Bの表示状態にて、文書結合キー4004を押下したことで、オペレータから文書結合指示が入力されたとする。この場合、制御部402は、表示内容を、図40Cとなるように制御する。そのうえで、プリント開始キー4003をオペレータが押下したとする。これにより、当該処理対象のジョブの印刷実行要求を制御部402は受け付ける。このような操作手順を経て、当該処理対象のジョブは、図41Dの(ケースD)が如くの一連の処理条件の設定がなされる。そして、制御部402は、この図41Dの(ケースD)に基いた一連の印刷動作を、当該ジョブの為に実行するよう印刷システムを制御する。この制御部402が上記ジョブの為に実行する制御を、図41Dを用いて、より具体的に以下に説明する。
例えば、上述に例示が如くのオペレータの操作部404での設定指示に基き、制御部402は、上記ジョブの処理条件は図41Dの(ケースD)に示す処理条件であると判断する。即ち、以下に例示の処理条件が上記ジョブの為にオペレータから操作部404を介して指示されたとする。
(条件1)3頁からなる文書データである文書Aと2頁からなる文書データである文書Bとを、1つの文書として、印刷させる。これは、換言すると、「連続印刷する、且つ、文書結合する」事を意味する。尚、これは、図41Bと同様に結合文書の印刷を意味する。又、文書Aと文書Bの結合文書の生成方法も、上記図41Bでの説明と同様なので省略する。
(条件2)出力用紙サイズはA4サイズ。出力用紙タイプは厚紙。1枚当りの用紙の厚さは1mm。トータルの出力部数は4部。片面印刷を実行する。このジョブにて必要なシート(印刷用紙、印刷媒体とも呼ぶ)の利用枚数の合計は、5頁分の結合文書を4部数分片面印刷する為に必要な印刷枚数、即ち、5頁×4部=20枚である。このジョブの全ての印刷物の積載量(高さ合計)は、20枚×1mm=2センチである。
(条件3)当該ジョブは、1部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を要する、ジョブである。換言すると、仕分け方法として、第3モード又は第4モード又は第5モードが指示されたジョブである。各モードの詳細な処理条件パラメータは、上記のとおりであり、且つ、図41Dの(ケースD)の仕分け方法に示しているので、割愛する。
以上の処理条件に従った一連の印刷動作として、上記ジョブの為に、図41Dのような積載結果となるよう、制御部402は、本印刷システムを制御する。この一連の印刷動作では以下に例示が如くの各ステップを、以下に例示が如くの順番で、順次、実行させる。尚、この図41Dのシート束4100Dの参照方法も、既述の図29や図30や図36等で例示の説明と同等なので、ここでは、かいつまんで、説明する。
[ステップ1]上記HDから文書Aのデータと文書Bのデータを読出しして、これらを上記結合順序で結合した計5頁からなる結合文書を、上記HDの空き領域を用いて、作成する。そのうえで、この生成した結合文書の片面印刷を実行させる。これを1セット目の結合文書の印刷物とする。この1セット目の結合文書の印刷物の端部が、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙させる。この文書Aと文書Bのデータで構成される結合文書は、当該ジョブの一連動作が終了するまでの間に、4部数分、繰り返し利用する。故に、制御部402は、この生成した結合文書データを、該ジョブの処理が全て終了するまでの間は、上記HDのメモリに、保持させておく。
[ステップ2]上記生成した結合文書の片面印刷を実行させる。これを2セット目の結合文書の印刷物とする。但し、この2セット目の結合文書の印刷物を1セット目の結合文書の印刷物とずれた状態でスタックさせる事は禁止する。換言すると、この2セット目の結合文書の印刷物の端部が、1セット目の結合文書の印刷物と同じ、トレイ722における第1の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙動作を実行させる。
[ステップ3]上記生成した結合文書の片面印刷を実行させる。これを3セット目の結合文書の印刷物とする。但し、この3セット目の結合文書の印刷物は2セット目の結合文書の印刷物とはシフトされた状態でスタックさせる。換言すると、この3セット目の結合文書の印刷物の端部が、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、シフト動作と束排紙動作を実行させる。
[ステップ4]上記生成した結合文書の片面印刷を実行させる。これを4セット目の結合文書の印刷物とする。但し、この4セット目の結合文書の印刷物を3セット目の結合文書の印刷物とずれた状態でスタックさせる事は禁止する。換言すると、この4セット目の結合文書の印刷物の端部が、3セット目の結合文書の印刷物と同じ、トレイ722における第2の積載基準位置(図34参照)に揃うよう、束排紙動作を実行させる。
以上で当該ジョブの一連の印刷動作が完了する。これにより、上記図41Dの(ケースD)に相当するジョブのトレイ722における最終的な積載結果が、図41Dのシート束4100Dが如くの積載結果となる。尚、上述の図41Dの積載結果を得る為の[ステップ1]〜[ステップ4]で構成される一連の印刷動作は、オペレータが図40Cの表示状態にて、プリント開始キー4003を介して、印刷実行要求を1回入力しただけで、順次、自動的に、実行させるものである。
以上図39A〜図41Dで例示が如くの制御例を制御部402が実行する。尚、これら図39A〜図41Dで例示が如くの制御を制御部402が実行する為のコンピュータ読取可能なプログラムも、上記仕分け動作にかかわる制御のプログラムとして、上記メモリ部405に予め記憶されている。
以上の如く、制御部402は、本印刷システムが具備する上記HDに記憶対象となる、互いに独立した複数の文書データを、1つの文書データとして結合する事無く、夫々別々の文書データとして連続的に印刷させる、第1タイプの印刷動作を、実行可能に制御する。これは換言すると、印刷実行要求の入力により制御部402が受付た、処理すべきジョブが「複数文書の連続印刷を要し、且つ、文書結合は不要のジョブ」である場合を、意味する。
且つ、制御部402は、本印刷システムが具備する上記HDに記憶対象となる、互いに独立した複数の文書データを、1つの文書データとして、結合された状態で、印刷させる、第2タイプの印刷動作を、実行可能に制御する。これは換言すると、印刷実行要求の入力により制御部402が受付た、処理すべきジョブが「複数文書の連続印刷を要し、且つ、文書結合を要するジョブ」である場合を、意味する。
しかも上記の構成を前提に、制御部402は、「複数文書の連続印刷を要し、且つ、文書結合は不要の、ジョブ」を処理する場合にて、1部数分の印刷物単位での区分け処理を実行可能に、制御する。これは、図41Aに例示の制御例に相当する。
尚且つ、制御部402は、「複数文書の連続印刷を要し、且つ、文書結合を要する、ジョブ」を処理する場合にて、1部数分の印刷物単位での区分け処理を実行可能に、制御する。これは、図41Bに例示の制御例に相当する。
尚且つ、制御部402は、「複数文書の連続印刷を要し、且つ、文書結合は不要の、ジョブ」を処理する場合にて、そのジョブにて印刷処理後に必要な後処理を考慮した印刷物単位での区分け処理を実行可能に、制御する。これは、図41Cに例示の制御例に相当する。
尚且つ、制御部402は、「複数文書の連続印刷を要し、且つ、文書結合を要する、ジョブ」を処理する場合にて、そのジョブにて印刷処理後に必要な後処理を考慮した印刷物単位での区分け処理を実行可能に、制御する。これは、図41Dに例示の制御例に相当する。
又、これら図41A〜図41Dの各シート束のトレイ722における積載結果を比較しても分るように、これらのシート束4100A〜4100Cの積載形態は、全て、夫々、違った積載結果となるように、本印刷システムは、制御部402により、制御される。
換言すると、制御部402は、連続印刷対象となるドキュメントが同じケースの場合であっても、文書結合を要するジョブであるか否かを判断する為の第1の確認を行う。又、制御部402は、印刷処理後に要する後処理を考慮した印刷物単位での印刷物の区分け処理を実行を要するジョブであるか否かを判断する為の第2の確認を行う。そのうえで、制御部402は、たとえ、連続印刷対象となる複数ドキュメントが同じケースの場合であっても、当該第1の確認結果や第2の確認結果に基いて、トレイ722における印刷物の積載結果を異ならせるよう、制御する。
これにより、例えば、処理すべき連続印刷を要するジョブが、2つ存在するとする。しかも、両方ともに、「1部数分の印刷物単位での印刷物の区分け処理を要するジョブ」であるとする。しかも、印刷対象のドキュメントも同一である。しかし、このようなケースであっても、1つ目のジョブが、上記第1タイプの印刷動作を要するジョブであり、2つのジョブが、第2タイプの印刷動作を要するジョブであるとする。この場合、制御部402は、当該1つ目のジョブの印刷物のトレイ722における積載形態とは異なる積載形態でもって、トレイ722に対して、当該2つ目のジョブの印刷物の積載を実行させるように、本印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。この点は、共通の処理条件を有すジョブ同士ではあるが、文書結合するか否かに基き、図41Aのシート束4100Aの積載結果とは異なる積載形態で、制御部402が、図41Bで例示の上記ジョブの印刷物をトレイ722に積載させる。これにより、図41Aで例示の積載結果とは異なる積載結果として、図41Bのシート束4100Bが如くの積載結果が、得られるようにする。この構成からも明らかである。
又、例えば、処理すべき連続印刷を要するジョブが、2つ存在するとする。しかも、両方ともに、「印刷処理後の後処理(後工程)を考慮した印刷物単位での印刷物の区分け処理を要するジョブ」であるとする。しかも、印刷対象のドキュメントも同一である。しかし、このようなケースであっても、1つ目のジョブが、上記第1タイプの印刷動作を要するジョブであり、2つのジョブが、第2タイプの印刷動作を要するジョブであるとする。この場合、制御部402は、当該1つ目のジョブの印刷物のトレイ722における積載形態とは異なる積載形態でもって、トレイ722に対して、当該2つ目のジョブの印刷物の積載を実行させるように、本印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。この点は、共通の処理条件を有すジョブ同士ではあるが、文書結合するか否かに基き、図41Cのシート束4100Cの積載結果とは異なる積載形態で、制御部402が、図41Dで例示の上記ジョブの印刷物をトレイ722に積載させる。これにより、図41Cで例示の積載結果とは異なる積載結果として、図41Dのシート束4100Dが如くの積載結果が、得られるようにする。この構成からも明らかである。
又、例えば、処理すべき連続印刷を要するジョブが、2つ存在するとする。しかも、両方ともに、「文書結合は不要なジョブ」であるとする。しかも、印刷対象のドキュメントも同一である。しかし、このようなケースであっても、1つ目のジョブが、「印刷処理後の後処理(後工程)を考慮した印刷物単位での印刷物の区分け処理が禁止対象のジョブ」である。一方、2つ目のジョブは、「印刷処理後の後処理(後工程)を考慮した印刷物単位での印刷物の区分け処理を要するジョブ」である。この場合、制御部402は、当該1つ目のジョブの印刷物のトレイ722における積載形態とは異なる積載形態でもって、トレイ722に対して、当該2つ目のジョブの印刷物の積載を実行させるように、本印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。この点は、共通の処理条件を有すジョブ同士ではある。しかし、上述の後処理を考慮した指示情報がオペレータ入力されたジョブか否に基き、図41Aのシート束4100Aの積載結果とは異なる積載形態で、制御部402が、図41Cで例示の上記ジョブの印刷物をトレイ722に積載させる。これにより、図41Aで例示の積載結果とは異なる積載結果として、図41Cで例示のシート束4100Bが如くの積載結果が、得られるようにする。この構成からも明らかである。
又、例えば、処理すべき連続印刷を要するジョブが、2つ存在するとする。しかも、両方ともに、「文書結合を要するジョブ」であるとする。しかも、印刷対象のドキュメントも同一である。しかし、このようなケースであっても、1つ目のジョブが、「印刷処理後の後処理(後工程)を考慮した印刷物単位での印刷物の区分け処理が禁止対象のジョブ」である。一方、2つ目のジョブは、「印刷処理後の後処理(後工程)を考慮した印刷物単位での印刷物の区分け処理を要するジョブ」である。この場合、制御部402は、当該1つ目のジョブの印刷物のトレイ722における積載形態とは異なる積載形態でもって、トレイ722に対して、当該2つ目のジョブの印刷物の積載を実行させるように、本印刷装置101を含む本印刷システムを制御する。この点は、共通の処理条件を有すジョブ同士ではある。しかし、上述の後処理を考慮した指示情報がオペレータ入力されたジョブか否に基き、図41Bのシート束4100Bの積載結果とは異なる積載形態で、制御部402が、図41Dで例示の上記ジョブの印刷物をトレイ722に積載させる。これにより、図41Bで例示の積載結果とは異なる積載結果として、図41Dで例示のシート束4100Dが如くの積載結果が、得られるようにする。この構成からも明らかである。
このように、本形態では、制御部402が、連続印刷対象のジョブが存在するか否かを判断する。この判断は、操作部404に表示させたリスト3901でオペレータにより複数の文書が選択されたか否かに対応した判断である。且つ、その連続印刷対象のジョブが、文書結合を要するジョブであるか否かを判断する。この判断は、リスト3901で選択された複数の文書に対する文書結合指示が、操作部404に表示させた文書結合キー4004を介して、オペレータが入力したか否かに対応した判断である。又、制御部402は、後処理を考慮した印刷物の区分け処理を要するジョブであるか否かを判断する。この判断は、第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報の何れかに相当する指示情報が、図11の表示〜図13の表示を介してオペレータにより明示的に入力された否かに対応した判断である。これら3つの判断結果に基いて、制御部402は、処理対象のジョブの印刷物のトレイ722における積載形態を決定する。そして、その積載形態でもって該処理対処のジョブの印刷物の区分け処理を実行するよう本印刷システムを制御する。尚、これら3つの判断全ての判断を行わなう構成でなくても良い。例えば、これらのうちの1つの判断のみ、或いは、2つの判断でもって、制御部402が、処理対象の印刷物の区分け動作に関する制御を実行するように構成しても良い。
尚、第3実施形態や図39A〜図41Dで例示のボックス機能にて処理対象のジョブの文書データは、印刷装置101のメモリ部405のハードディスクに保持させておく構成である事は述べた。本形態では、このボックス機能で処理対処の印刷文書データは、例えば図39Bの画面3900Bに具備する「消去キー」によるオペレータの明示的な消去指示が入力されない限り、該メモリ部405のHDに保持させておくよう、制御部402が制御する。この構成により、図40A等で例示のプリント開始キー4003からのオペレータからの印刷実行要求が入力される度に、何度でも、繰り返し、印刷可能にする。このように再印刷機能が備わっている。
尚、上記構成はユーザメリットを考慮した仕組みであるが故に、必ずしも全ての構成要件を具備していなくても良い。例えば、連続印刷動作自体は可能であるが文書結合機能は無い構成、或いは、連続印刷動作自体は可能であるが非文書結合機能は無い構成等でも良い。但し、少なくとも、後処理を考慮した区分け処理を実行可能にした構成である事は大前提である。このように本形態で述べている各種効果のうちの少なくとも何れかの効果を図れる構成であるならば如何なる構成でも良い。この点は、本明細の実施例全てに共通していえる事項でもある。
以上の図39A〜図41Dで例示が如くの構成要件をも具備する事で、上述の図1〜図38等を用いて例示した上記効果が更に向上可能となるという効果が図れる。特に、例えば、POD環境等の印刷環境にて発生しうる様々なユースケースやユーザニーズに柔軟に対応可能となるという効果が、上記図39A〜図41Dで例示の構成要件を具備することで、更に向上可能となるという効果が期待できる。
というのも、例えば、POD環境等の印刷環境では、短納期且つ短期間で様々な顧客からの様々な印刷発注要求に対処すべく、POD環境に従事する現場の作業者が、予め日程調整を行う。且つ、それに従い、大量のジョブを同時期に集中して作業現場の印刷装置の記憶部に予め投入し、記憶保持させておく。そして、印刷装置内部のメモリに予め記憶させた大量のジョブのドキュメントを、一度にまとめて集中的に大量印刷させるように、オペレータが、当該日程に従い、印刷装置の操作部から指示する。このようなケースがPOD環境が如くの印刷環境の作業現場では想定されうる。これは、本形態が、作業効率化を念頭に、一度にまとめて行うべき処理が複数存在するならばまとめて処理したい等のニーズが、POD環境が如くの印刷環境から要望されうる点に着目している根拠でもある。又、これは、本形態が、印刷装置の動作を連続的に(極力プリンタエンジンを止めずに)動作させる事でダウンタイム削減したいといったニーズが、POD環境が如くの印刷環境から要望されうる点に着目している根拠でもある。
上記が如くの印刷作業現場では、上記が如く、予め、日程調整をして、その日程に従うように印刷順番も決め、印刷装置のメモリに大量ジョブの大量ドキュメントを保持させておく。それにも拘らず、急遽、再度日程調整を行い、それに従って、予め投入しておいた上記大量ドキュメントの印刷処理順番も再構築する状況に出くわす可能性がある。これは、本形態が、上記POD環境が如くの印刷環境では、緊急的な、優先度の高い、印刷発注依頼や、再印刷依頼(増刷依頼)が、顧客から要求されたら、急遽、大量ジョブの処理順番を変更する必要がある状況を想定している根拠でもある。
上記が如くの状況が発生してしまったら、当初の予定とは異なる順番で大量のジョブを処理する状況になっているが故に、当然、印刷処理後に必要な後処理やオペレータによる介入作業の内容も、がらりと変化してしまう。もし、このような状況に対して、本形態が如くの制御を実行可能な構成でないならば、本形態が掲げる印刷装置101による印刷処理後に要するオペレータによる介入作業や後処理の効率化という効果に影響を与える可能性がある。
これに対して本形態は、図39A〜図40C等を用いて説明したユーザインタフェース環境を印刷装置101の操作部404にてオペレータに提供可能にする。これにより、上記のような状況がおきても柔軟且つリアルタイムに対応可能となる。このように、本形態の図39A〜図41Dで例示が如くの制御も実行可能に構成することで、本形態で上述した各種効果にも極力影響を与えずに、上記が如くの状況にも対処可能となる。このような効果が期待できる。
このように本形態では、オフィス環境では想定外のPOD環境が如くの印刷環境特有のユースケースやユーザニーズを見出し、これに対処可能な仕組みを提供しているが、この作用効果を更に発揮すべき以下のような構成を具備しても良い。
例えば、POD環境が如くの印刷環境では既述の如く大量のジョブの大量のドキュメントの印刷を集中的に行うケースが想定される。そこで、例えば、このようなケースに対処すべく、例えば、図44Aで例示の大容量スタッカを本印刷システムが具備するように構成する。
この大容量スタッカは、例えば、プリンタ部403で印刷がなされたジョブの印刷物を最大5000枚積載可能に構成されている。この大容量スタッカは、シート処理装置720の代わりに、印刷装置100本体に直接接続可能であり、プリンタ部403からのシートをオペレータの介入作業無しに受取可能に構成される。且つ、大容量スタッカ内部には各種センサがありシートの状況等各種の大容量スタッカにおけるステータス情報を、大容量スタッカが具備するCPUが、装置内部の信号線を介して、制御部402に通知可能に構成されている。これは即ち、当該大容量スタッカは本形態で定義しているインラインタイプの後処理装置に相当する事を意味する。
この大容量スタッカ内部の構成は、例えば、図44Bに例示するが如くの構成となっている。プリンタ部403で印刷がなされた印刷物は、印刷装置101本体内部の搬送ローラ(図7のローラ717)、図44BのA点を介して、この大容量スタッカ装置内部のシート搬送路に導入されるように、構成されている。この大容量スタッカは、装置内部に、図44Bに例示の如く、スタックトレイを具備する。又、この大容量スタッカは、図44Bのスタックトレイに対して積載対象となるジョブの印刷物のシフト動作及び束排紙動作を実行可能なシフト排紙ユニット(不図示)を、図44BのB点の位置に、具備している。これにより、図34で例示のシフト排紙機能と同等機能を当該大容量スタッカ内部のスタックトレイでも実現可能に構成されている。
例えば、この大容量スタッカ内部のスタックトレイに対して印刷物を積載するとする。この場合、制御部402は、プリンタ部403で印刷された印刷物を、図44BのA点を介して、図44Bのスタックトレイ側のシート搬送路へ導入するよう当該大容量スタッカを制御する。その後、制御部402は、図44BのB点に配設された上記シフト排紙ユニットにより、当該印刷物の為の、シフト排紙動作と束排紙動作の両動作、又は、束排紙動作のみを、実行させる。これにより、図44Bのスタックトレイによる当該処理対象のジョブの印刷物の積載が完遂する。
図44Bのスタックトレイにおける印刷物の積載位置は、図34と同様に、第1の整合基準位置又は第2の整合基準位置に、印刷物の端部が揃うようにスタックされる。この大容量スタッカは、図44Bのスタックトレイに印刷物がスタックされると、その印刷物の積載量に応じて当該トレイが適宜下降出来るように、図44Bに例示が如くの伸縮可能なステイを具備する。そして、当該大容量スタッカ内部のスタックトレイに積載が完了した印刷物は、図44Aの筐体外部の概観図の如く前ドアをオペレータがオープンすることで、取出可能となるように構成されている。尚且つ、図44Bの台車でもって、当該印刷物をオペレータにより搬送可能にも構成されている。
本形態の印刷システムは、既述の如く、POD環境等の印刷環境にて発生しうる同時期に集中する大量印刷にも対処可能に仕組みとして、本印刷装置100に対して図44で例示が如くの大容量スタッカを接続可能に構成している。
既述の如く、POD環境が如くの印刷環境では、同時期に集中した大量印刷が現場のオペレータにより要望されうる。このような状況にて、もしかりに、印刷装置101による印刷動作の実行中に、本印刷システムにて当該印刷動作の中断要因の発生したとする。
この場合、制御部402は、当該ジョブの印刷中断要因が発生した事に応じて、現在印刷装置101による印刷動作中の当該処理対象のジョブの印刷動作を中断させるよう制御する。且つ、制御部402は、当該ジョブの印刷中断要因が解除された事に応じて、自動的に、当該ジョブの一連の印刷動作を本システムにて再開可能に、制御している。且つ、このような印刷中断対象のジョブのリカバリ動作を実行可能にすべく、制御部402は、当該中断対象のジョブの印刷データを上記メモリ部405内部のHDに保持させる。且つ、制御部402は、メモリ405に保持している該ジョブの印刷データを用いて、当該ジョブの一連の印刷動作を、当該ジョブの印刷中断要因が解除後に、中断した時点の個所から、継続可能に制御する。尚、ここで述べている、一連の印刷動作とは、プリンタ部403による中断対象のジョブの印刷処理、及び、中断対象のジョブの印刷物の積載部に対する積載動作を包含する。即ち、中断対象のジョブの印刷物の区分け処理も、この一連の印刷動作に包含される。又、この印刷中断要因としては、例えば、少なくとも以下の何れかが、この1例に該当する。
(要因1)印刷対象の当該ジョブにて必要な印刷媒体の用紙切れエラー
(要因2)印刷対象の当該ジョブの原稿ジャムや読取エラー等の、スキャナ部401におけるトラブル
(要因3)メモリ部405のハードディスクのメモリフルエラー
(要因4)操作部404を介して入力対象の当該ジョブに対するオペレータからの明示的な印刷中断指示
以上のように、制御部402は、印刷中断要因の発生により印刷動作を中断させた印刷中断対象のジョブの当該一連の印刷動作を、該ジョブの印刷中断要因の解除がなされた事に応じて、自動的に、継続可能に、本印刷システムを制御する。
ここでもし、かりに、単に、印刷中断要因解除後に、印刷動作を再開可能に構成しただけでは、本形態で上述した効果が満足に得られない可能性がある。故、本形態ではこのような問題すらも未然に防止可能な仕組みを提供可能に構成している。
例えば、印刷中断対象のジョブが、非インラインタイプ後処理ユニットによる後処理を考慮した印刷物単位での印刷物の区分け処理を要するジョブであるとする。即ち、上記仕分け方法として第3モードから第5モードのうちの少なくとも何れかの仕分け方法による印刷物の積載を要するジョブであるとする。もし、このような場合には、印刷中断要因解除後の印刷再開動作時にて、特に留意する必要がある。換言すると、第1モード又は第2モードの動作を要するジョブと同じようなリカバリ方法で、印刷動作を再開させると、オペレータの作業効率やトラブルに影響を与える可能性があると考える。
というのも、既述の如く、非インラインタイプ後処理ユニットによる後処理を考慮した印刷物単位での印刷物の区分け処理を要するジョブの印刷物は、1部数分の印刷束単位で順次積載位置を切り換えて積載部にスタックさせれば良いというわけには行かない。オペレータが明示的にUI部を介して入力した、そのジョブの為の後処理を考慮した指示情報に従った印刷物単位での区分け処理を要するジョブである。このようなジョブは、印刷再開後であっても、そのオペレータが明示的に入力した後処理を考慮した指示情報に則った積載形態を維持させるべきである。
なぜなら、例えば、既述の如く、印刷中断対象のジョブが、後処理を考慮した指示情報がオペレータ入力されたジョブであるとする。にも拘らず、該ジョブの印刷中断要因解除後の、当該ジョブの印刷再開動作として、印刷中断要因発生前の仕分けモードを全く無視して、1部毎にシフトする動作が機能してしまったとする。これでは、処理対象のジョブの、本印刷システムの積載部における、最終的な積載結果として、図29や図30や図31や図36や図41Cや図41Dが如くの、そのジョブの為の後処理を考慮した積載結果が得られない。換言すると、同一ジョブであるにも拘らず、印刷中断要因発生前に本システムの積載部に積載済の該ジョブの印刷物の積載形態と、印刷中断要因解除後に本システムの積載部に積載対象の当該ジョブの印刷再開後の印刷物の積載形態とが、異なる結果となりうる。
もし、上記が如くの状況が発生したら、その印刷再開後に出力された印刷物を目視したオペレータは、印刷再開前に出力済のジョブの印刷物とは別のジョブの印刷物である等の誤解を誘発しかねない。ひいては、その誤解により、誤操作をオペレータが行いかねない。仮に、このような間違いは起きずとも、折角、後処理を考慮した区分け処理を望んで印刷要求を投入したにも拘らず、結局、オペレータの作業負担は、軽減されない等の問題が発生しかねない。例えば、第1実施形態で既述の如く、互いにシフトされた印刷束を整える。その後、非インラインタイプの後処理ユニットを考慮して、オペレータが手作業で、印刷束の枚数を勘定する。そして、手作業で、後処理に見合ったに仕分けをオペレータが行う。このようなオペレータによる介入作業を要求してしまう可能性がある。
しかも上記のようなトラブルが、上記が如く、そのPOD環境の作業現場にて、大量ドキュメントを同時期に集中して大量連続印刷動作中に発生してしまったら、上記トラブルは、更に大きなトラブルに発展しかねない。
例えば、印刷再開後、そのジョブ以外にも、別のジョブも大量に印刷動作を待機しているので、オペレータは、これら全てのジョブの処理が完遂したら、図44の大容量スタッカから、これらの印刷物を取出そうと考えているとする。
このような状況の場合、上記の如く、印刷中断前に積載済の印刷物と印刷再開後に積載した印刷物とで積載形態が維持されていない上記問題発生対象のジョブの印刷物の上に、更に、別の後続ジョブの印刷物が排紙積載される。その後も、続々と、大量のジョブが、順次、印刷待ち行列から呼び出され、印刷、排紙、積載されつづける。これでは、どれがどのジョブであるのか、もはや区別がつかなくなってしまう等の問題が起こりかねない。もし、このような問題が発生したら、当然、作業効率どころか、生産性にも影響を与えかねない。このように、POD環境が如くの生産性が重要視されうる印刷環境では致命的なトラブルになりかねない。
そこで、本形態は、このような、POD環境が如くの印刷環境にて発生しうる潜在的な課題をも着目し、これを改善可能となる仕組みを本印刷システムにて提供可能に構成している。換言すると、本形態では、このようなPOD環境が如くの印刷環境特有の要求として要望されうる潜在的にニーズをも見出し、これに対処可能に構成している。例えば、その1例として、以下に例示が如くの、各種制御を、制御部402により、実行する。
本形態では、制御部402が、処理対象のジョブにて要求された積載形態でもって本システムにて処理が完遂できるように、処理対象のジョブの管理情報を、メモリ部405の上記HDに、保持させる。この管理情報は、そのジョブの処理が本印刷システムにて完遂すまで保持させておく。例えば、処理対象のジョブの印刷物の全てが本システムの積載部(例えばトレイ722や図43の大容量スタッカ内部のスタックトレイがこれに該当する)にスタックされた時点で、制御部402は、当該管理情報を該HDから消去する事を許可する。この管理情報の1例として、本形態では、図42Aに示す管理情報4200Aを例示している。図42Aに例示では、テーブル形式で当該管理情報を該HDに保持させる構成を採用するが、これ以外の形態での管理方法でも良い。但し、この管理情報4200Aは、処理対象となるジョブの各ジョブ毎に、生成、管理する情報である。
この管理情報4200Aには、印刷実行要求がなされたジョブの為に、例えば、図42Aのように、情報項目4201A〜4217A毎に、種々の管理情報が含まれている。尚、各項目の(情報1)〜(情報17)が、如何なる情報であるかは、図42Aに例示に記載のとおりなので、ここでは省略する。但し、これらの各項目の情報は、処理対象のジョブの為にオペレータが設定した各種印刷処理条件データや、処理対象のジョブにて印刷対象となる印刷データ固有の情報等に基いて、制御部402が生成し、適宜、上記HDから読出し参照可能に構成する。このように、制御部402により認識可能な情報として取り扱う。且つ、例えば、制御部402が、管理情報4200Aの情報に基いて、本印刷システムにおける、その管理情報に対応するジョブの為の一連の印刷動作を実行可能にする。且つ、当該情報4200Aに基いた情報を表示部401により表示可能に構成する。
このような構成を前提に、この管理情報を如何様に利用するのか具体例でもって説明する。例えば、あるジョブの印刷実行要求を操作部404のスタートキー606を介してオペレータから受け付けたとする。以後、このジョブをジョブXと称す。すると、制御部402は、当該印刷実行要求に応答し、当該ジョブXの一連の印刷動作を本印刷システムにて開始させたとする。このような状況において、例えば、制御部402は、このジョブXの管理情報として、図42Bの管理情報4200Bを生成し、上記HDに記憶させる。
ここで、現在、ジョブXはプリンタ部403により印刷実行中である。故に、制御部402は、項目4216Bに、当該ジョブXがプリント中である事を示す情報をセットする。又、このジョブXは、トータルの頁数は4頁で、且つ、オペレータが設定したトータルの印刷部数は4部のジョブであるとする。且つ、このジョブXは、オペレータが仕分け動作(区分け動作)を指示し、且つ、その仕分け条件として、第1モードの実行を指示した、ジョブであるとする。換言すると、このジョブXの全ての印刷束を積載部に積載した場合、その印刷物のトータルの区分数は、4÷1=4区分である。制御部402は、これらの情報を含む、当該ジョブXの各種属性情報を、項目4201B〜4215Bに、夫々、セットする。尚、既述に説明のない項目の情報は、全て、図42Bに記載のとおりなので、省略する。
既述の如く、現在、ジョブXはプリント実行中であるが、制御部402は、どれぐらい処理が済んだかを示す、その進捗状況も、管理情報4200Bに含まれる情報として、項目4217Bに、セットする。図42Bの例では、現在、ジョブXの進捗情報(処理状況)として、ジョブXの2部目の2枚目まで印刷済であり、それを制御部402により特定可能な情報として「2部目の2枚目まで印刷済み」という情報を、項目4217Bに記憶させる。ここで、制御部402は、このジョブXの進捗状況を換言した表現方法として、「2区分目の2枚目まで印刷済み」という表現形態の情報も、項目4217Bに記憶させる。
以上の説明が、図42Bの上に記載の[プリント中(印刷中断前)の際のジョブXの情報]の説明である。
そして、このように現在印刷実行中のこのジョブXの印刷中断要因が発生したとする。すると、制御部402は、このジョブXの印刷動作を中断させるよう印刷装置101を制御する。且つ、制御部402は、この状態を当該ジョブXの管理情報4200Bにも反映するように、当該ジョブXの管理情報4200Bのアップデートを実行するよう上記HDを制御する。この1例を示したものが、図42Bの下に記載の[印刷中断中の際のジョブXの情報]である。例えば、ジョブXのジョブ状況は、現在、「印刷中断中」であるので、その情報を、項目4216Bにて反映させる。又、ここでは、現在の印刷中断時直前までにジョブXの3部目の2枚目までを印刷済みであるとする。故に、制御部402は、この進捗状況も、項目4217Bにて反映させる。且つ、この情報を換言した表現方法として、「3区分目の2枚目まで印刷済み」という情報も、項目4217Bにて反映させる。このジョブXの印刷中断時点における積載部の実際の状況を表したものが、図43Aの上に記載のものである。尚、上記ジョブXの印刷中断要因は上述の例示の(要因1)〜(要因4)のうちの何れかの要因とする。
その後、上記ジョブXの印刷中断要因がオペレータの介入作業を経て解除されたとする。このオペレータの介入作業とは例えば少なくとも以下の何れかとする。
(作業1)印刷対象の当該ジョブにて必要な印刷媒体の補給
(作業2)スキャナ部401での原稿ジャムの除去を含むスキャナ部401におけるエラーの解除
(作業3)メモリ部405のハードディスクのデータ消去によるメモリ空き容量の確保
(作業4)操作部404を介して入力対象の当該ジョブに対するオペレータからの明示的な印刷再開指示
上記例示が如くのオペレータによる介入作業により印刷対象のジョブXの印刷中断要因が解除された事を、制御部402が、関係するユニットから通知をうけたとする。すると、制御部402は、この当該ジョブXの印刷中断要因の解除に応じて、当該ジョブの一連の印刷動作を、印刷中断時点の印刷頁から、再開させるよう制御する。但し、制御部402は、このジョブXの印刷再開動作として、図43Bの下に記載の管理情報4200Bにセットされた情報に基いた動作を実行するように、本印刷システムを制御する。これにより、制御部402は、例えば、このジョブXの一連の印刷動作の再開動作(リカバリ動作)として、以下の工程を、順番に、順次、実行する。
[ステップ1]ジョブXの3部目の3枚目の印刷媒体と、ジョブXの3部目の4枚目の印刷媒体に対する、印刷を実行する。且つ、これら2枚の印刷媒体を、中断時直前に処理済みのジョブXの3部目の2枚目の印刷物の上に、シフト動作の実行無しに、束排紙させる。これにより、3部目の印刷束、1セット分の印刷は済んだことになる。
[ステップ2]ジョブXの4部目の1〜4枚目の印刷媒体に対する印刷を実行する。且つ、これら4枚の印刷媒体を、ジョブXの3部目の4枚目の印刷物の上に、ずれた状態でスタックさせるべく、シフト動作を実行したうえで、束排紙させる。これにより、4部目の印刷束、1セット分の印刷も済んだことになる。
以上により、1部数分の印刷束単位での区分け処理を要するジョブXの印刷中断要因解除後にて実行すべき処理は、全て完了する。即ち、制御部402は、図43Aの下に記載のジョブXの積載結果が如く、ジョブXの印刷中断前の印刷物の積載形態と整合性がとれた積載形態でもって、印刷中断後のジョブXの印刷物の積載を、実行可能にする。
以上の図42B及び図43Aに例示の制御例が如く、印刷中断対象のジョブが、上記第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報の何れの指示情報もオペレータにより入力されていないジョブであるとする。且つ、この印刷中断対象のジョブが、1部数分の印刷束単位での区分け処理を要するジョブであるとする。当該ケースの場合に、制御部402は、当該ジョブの印刷中断要因が解除された後に、当該ジョブの印刷動作を継続可能に制御する。且つ、制御部402は、当該ジョブの印刷再開の際には、このジョブの指示に即した積載形態を維持した状態で積載部にスタックさせるよう制御する。この例では、処理対象のジョブXの印刷中断前の印刷物と同じ積載方法を維持すべく、1部数分の印刷が完了する毎に、シフト排紙動作を実行させるよう本印刷システムを制御部402により制御する。即ち、制御部402は、このジョブXの仕分け条件に従い、「1部毎に印刷物をシフトさせる」積載形態を、ジョブXにて「印刷中断要因の発生→印刷中断→印刷中断要因の解除→印刷再開」という一連の状況が発生した場合であっても、維持するように、制御する。
このように、制御部402は、印刷中断要因の発生により印刷動作が中断されたジョブの印刷物の積載動作を、当該印刷中断要因解除後に継続可能にする。且つ、制御部402は、例えば、図42Bで例示の管理情報4200Bの項目4214Bの情報を基に、印刷中断対象のジョブが上述の指示情報の入力が未入力のジョブである事を確認する。そして、印刷中断要因が解除された場合は、図42Bの下に例示の管理情報4200Bの項目4214B、4215B、4217Bの情報を確認する。そのうえで、これらの確認情報に基き、制御部402は、印刷中断要因発生前に積載部に既に積載済の当該ジョブの印刷物の積載形態を維持した状態で、該ジョブの印刷物の積載動作を、該印刷中断要因解除後に、継続出来るように、本印刷システムを制御する。
既述の如く、制御部402は、印刷中断対象のジョブが、後処理を考慮した指示情報がオペレータにより明示的に入力されていないジョブである事を確認する。これに該当するジョブであっても、制御部402は、印刷中断要因発生前に積載部に既に積載済の当該ジョブの印刷物の積載形態を維持した状態で、該ジョブの印刷物の積載動作を、該印刷中断要因解除後に、継続可能に、本印刷システムを制御している。
上記構成を前提に更に本形態にて特筆すべき点として、更に以下の構成を具備している。
例えば、図42B及び図43Aに例示のジョブXは、1部数分の印刷物単位で印刷物の区分け処理を要するジョブであった。尚、本例では、この区分け処理の1例として「シフト排紙動作」でもって説明している。制御部402は、このようなジョブ以外でも、同じ効果を得られるように制御している。
この1例として、例えば、印刷中断対象のジョブが、上記ジョブXのような、上述の第1タイプ〜第3タイプの指示情報の何れの指示情報も未入力のジョブではないとする。即ち、印刷中断対象のジョブが、上述の第1タイプ〜第3タイプの指示情報の何れかに相当する指示情報が明示的にオペレータ入力されたジョブであるとする。換言すると、印刷中断対象のジョブが、印刷装置101による印刷処理後に必要な後処理を考慮した単位での印刷物の区分け処理を要するジョブであるとする。本例では、このようなジョブであっても、制御部402は、該ジョブの印刷中断要因発生前に積載部に既に積載済の該ジョブの印刷物の積載形態を維持した状態で、該ジョブの印刷物の積載動作を、該ジョブの印刷中断要因解除後に、継続可能に制御している。この1例を、図42C及び図43Bを用いて例示する。
この例では図42Cの管理情報4200Cで管理対象のジョブを以後ジョブYとする。例えば、このジョブYの印刷実行要求を操作部404のスタートキー606を介してオペレータから受け付けたとする。すると、制御部402は、該印刷実行要求に応答し、このジョブYの一連の印刷動作を本印刷システムにて開始させる。この際、制御部402は、このジョブYの管理情報として、図42Bの管理情報4200Bを生成し、上記HDに記憶させる。
このジョブYの管理情報4200Cのうち、項目4202C〜4213Cまでの各項目は、制御部402が図42Bの管理情報4200Bに基いて制御したジョブXの内容と全て同一である。但し、ジョブYの項目4214Cに関しては、ジョブXの項目4214Bの管理情報の内容とは異なる。具体的には、ジョブXは、仕分け条件として、第1モードの実行指示がオペレータにより明示的に入力された、ジョブである。一方、このジョブYは、仕分け条件として、第5モードの実行指示がオペレータにより明示的に入力された、ジョブである。換言すると、このジョブYは、「第1タイプの指示情報がUI部を介して明示的にオペレータ入力されたジョブ」である。より具体的に述べると、このジョブYは、「指定部数として2部毎にシフト排紙動作を要するジョブ」である。故に、制御部402は、このジョブYのトータルの区分数を、「4部÷2部=2区分」として、管理する。制御部402は、これらジョブYの各項目の管理情報に対応する各情報を、項目4214C、項目4215に、書き込む。
上記各種情報からなる管理情報4200Cで制御部402が管理するジョブYは、現在、プリンタ部403により印刷実行中であるとする。故に、制御部402は、当該ジョブYのステータス情報として、項目4216Cに、印刷実行中である事を示す情報を、セットする。又、このジョブYの現在の進捗状況は、2部目の2枚目まで印刷済みであるとする。即ち、上述のジョブXで例示した進捗状況と同様な状況である。ここで、制御部402は、この現在印刷中のジョブYの進捗処理状況を示す情報として、「2部目の2枚目まで印刷済み」である事を示した情報を、項目4217Cに記憶させる。但し、このジョブYは、2部数分の印刷物毎にシフト排紙動作の実行を要するジョブである。換言すると、このジョブYは、2部数分の印刷束単位での印刷物の積載を要するジョブである。これは、即ち、ジョブYの印刷物の積載形態(積載方法)はジョブXの積載形態(積載方法)とは異なる事を意味する。例えば、このジョブYの原稿頁数の合計は4頁である。且つ、このジョブYは、トータルで4部数分のジョブである。しかし、このジョブYは、2部毎に印刷束が区分けされた状態で積載部に積載させる必要のあるジョブである。即ち、このジョブYの1区分当りの印刷束の印刷枚数は、「4枚分(1セット分)×2部=8枚」である。故に、制御部402は、このジョブYの進捗状況を換言した表現方法として、「1区分目の6枚目まで印刷済み」という表現形態の情報を、項目4217Cに、記憶させる。
以上の説明が、図42Cの上に記載の[プリント中(印刷中断前)の際のジョブYの情報]の説明である。そして、制御部402は、このような管理情報4200Cを利用することで、図43Bで例示が制御を実現可能にしている。尚、このジョブYの、その他の各種管理項目の情報は、図43Cに記載のとおりであるので、説明は省略する。
そして、既述の如く現在印刷中の、このジョブYの印刷中断要因が本印刷システムにて発生したとする。すると、これを受け、制御部402は、このジョブYの印刷動作を中断させるよう印刷装置101を制御する。且つ、制御部402は、この状態を当該ジョブYの管理情報4200Cにも反映するように、当該ジョブYの管理情報4200Cのアップデートを実行するよう上記HDを制御する。この1例を示したものが、図42Cの下に記載の[印刷中断中の際のジョブYの情報]である。例えば、ジョブYのジョブ状況は、現在、「印刷中断中」であるので、その情報を、項目4216Cにて反映させる。又、ここでは、現在の印刷中断時直前までにジョブYの3部目の2枚目までを印刷済であるとする。故に、制御部402は、この進捗状況も、項目4217Cにて反映させる。又、制御部402は、このジョブYの中断時直前迄に処理済の処理状況を、印刷物の区分単位での表現方法でもって換言した情報もアップデートさせる。ここで、この印刷中断時点の直前のジョブYの進捗状況は、部数単位で表現すると、「3部目の2枚目まで印刷済」である。但し、このジョブYは、既述の如く、1区分当りの印刷束の印刷枚数が「4頁頁×2部=8枚」である。と言うことは、ジョブYの印刷中断時直前までの進捗状況は、区分単位での表現方法に換言すると、「2区分目の2枚目まで印刷済み」である。故に、制御部402は、このジョブYの進捗状況を換言した表現方法として、「2区分目の2枚目まで印刷済み」という表現形態の情報を、項目4217Cに、記憶させる。
このように、ジョブXとジョブYは仕分け方法が異なるだけで、その他の処理条件は、全て同じ条件を有しているジョブ同士である。且つ、進捗状況も、印刷中断したタイミングも、ジョブXとジョブYは、同一条件である。しかし、制御部402は、項目4217Cに示すが如く、ジョブXの項目4217Bとは区別した管理内容でもって、当該ジョブYの情報を管理する。即ち、ジョブXは、「後処理を考慮した区分け処理を要するジョブには該当しないジョブ」である。ジョブYは、「後処理を考慮した区分け処理を要するジョブには該当するジョブ」である。制御部402は、これらのジョブに関し、その進捗状況に関する情報を、夫々、これらの各ジョブ毎に、区別出来るようにした管理形態でもって、生成し、管理するよう制御する。
このジョブYの印刷中断時点における積載部(例えばトレイ722又は図44Bの大容量スタッカのスタックトレイ)の実際の状況を表したものが、図43Bの上に記載のものである。尚、このジョブYの印刷中断要因も、又は、上述の例示の(要因1)〜(要因4)のうちの何れかの要因とする。
図43Bの上の図に記載の如く、印刷中断する前までに、制御部402は、このジョブYの一連の印刷動作として以下の動作を印刷装置101を含む本印刷システムに実行させていた。
[ステップ1]ジョブYの1頁目〜4頁目の印刷物を1セットとし、積載部にスタックさせる。次に、ジョブYの2セット目の印刷物の印刷をプリンタ部403により実行させる。但し、こらはシフトした状態でスタックする事を禁止する。即ち、1セット目の4枚分の印刷媒体と2セット目の4枚分の印刷束を、第1区分に属する印刷束として、積載部に対して、束排紙させる。これにより、1セット目と2セット目の印刷束の計8枚の印刷媒体で構成されたジョブYの第1区分目の印刷及び積載が終了する。
[ステップ2]このジョブYの3部目の1枚目、換言すると、ジョブYの2区分目の1枚目の印刷と、このジョブYの3部目の2枚目、換言すると、ジョブYの2区分目の2枚目の印刷を、実行させた。しかし、この時点で、ジョブYの印刷中断要因が本印刷システムにて発生した。故に、制御部402は、この時点で、強制的に、これら2枚の印刷媒体を、ジョブYの第1区分目の印刷束の上に、積載させた。
以上の工程が、ジョブYの印刷中断直前の状況である。且つ、これにより、本印刷システムにおける積載部におけるジョブの印刷物の積載状況は、図43Bの上に示すが如くの積載状況となっている。
その後、このジョブYの印刷中断要因がオペレータの介入作業を経て解除されたとする。このオペレータの介入作業は、既述の(作業1)〜(作業4)の何れかであるとする。
上記例示が如くのオペレータによる介入作業により印刷対象のジョブYの印刷中断要因が解除された事を、制御部402が、関係するユニットから通知をうけたとする。すると、制御部402は、このジョブYの印刷中断要因の解除に応じて、このジョブYの一連の印刷動作を、印刷中断時点の印刷頁から、再開させるよう制御する。但し、制御部402は、このジョブYの印刷再開動作として、図42Cの下に記載の管理情報4200Cにセットされた情報に基いた動作を実行するように、本印刷システムを制御する。これにより、制御部402は、例えば、このジョブYの一連の印刷動作の再開動作(リカバリ動作)として、以下の工程を、順番に、順次、実行する。
[ステップ1]ジョブYの3部目の3枚目の印刷媒体と、ジョブXの3部目の4枚目の印刷媒体に対する、印刷を実行する。これで3セット目の印刷は済んだ事になる。しかし、制御部402は、積載部への束排紙動作は禁ずる。つまり、ジョブYの4部目の1枚目〜4枚目までの印刷が済むまで、積載部への束排紙動作は待つ。制御部402は、これらジョブYの4部目の1枚目〜4枚目の各印刷媒体に対する印刷を全て実行させる。これを受け、制御部402は、ジョブYの3部目の印刷束に属する3枚目と4枚目の2枚分の印刷媒体と、ジョブYの4部目の印刷束に属する1枚目〜4枚目の4枚分の印刷媒体との、計6枚の印刷媒体を、1区分分の印刷束に属する印刷物として、1まとまりの状態で、束排紙させる。これを区分単位で換言して説明する。制御部402は、印刷再開後にプリンタ部403により印刷させた「ジョブYの第2区分の3枚目〜8枚目の印刷物」を、印刷中断直前に積載部にて既に積載済の「ジョブYの第2区分の2枚目の印刷物」の上に、シフト動作の実行無しに、束排紙させる。これにより、同じ区分同士のジョブYの印刷物を、印刷中断再開後でも、同一の積載形態でもって、スタックさせる事が出来る。
以上により、「指定部数としての2部数分の印刷束単位での区分け処理を要するジョブYの印刷中断要因解除後にて実行すべき処理は、全て完了する。
即ち、制御部402は、図43Bの下に記載のジョブYの積載結果が如く、ジョブYの印刷中断前の印刷物の積載形態と整合性がとれた積載形態でもって、印刷中断後のジョブXの印刷物の積載を、実行可能にする。
以上の図42C及び図43Bに例示の制御例が如く、印刷中断対象のジョブが、上記第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報の何れかに相当する指示情報がオペレータにより入力されたジョブであるとする。当該ケースの場合においても、制御部402は、当該ジョブの印刷中断要因が解除された後に、当該ジョブの印刷動作を継続可能に制御する。しかも、制御部402は、当該ジョブの印刷再開の際には、このジョブの指示に即した積載形態を維持した状態で積載部にスタックさせるよう制御する。この例では、処理対象のジョブYの印刷中断前の印刷物と同じ積載方法を維持すべく、2部数分の印刷が完了する毎にシフト排紙動作を実行するように、本印刷システムを制御部402により制御する。即ち、制御部402は、このジョブYの仕分け条件に従い、「2部毎に印刷物をシフトさせる」積載形態を、ジョブYにて「印刷中断要因の発生→印刷中断→印刷中断要因の解除→印刷再開」という一連の状況が発生した場合であっても、維持するように、制御する。
以上に例示が如く、制御部402は、印刷中断要因の発生により印刷動作が中断されたジョブの印刷物の積載動作を、当該印刷中断要因解除後に継続可能にする。且つ、制御部402は、例えば、図42Cで例示の管理情報4200Cの項目4214Cの情報を基に、印刷中断対象のジョブが上述の指示情報が入力されたジョブである事を確認する。そして、印刷中断要因が解除された場合は、図42Cの下に例示の管理情報4200Cの項目4214C、4215C、4217Cの情報を確認する。そのうえで、これらの確認情報に基き、制御部402は、印刷中断要因発生前に積載部に既に積載済の当該ジョブの印刷物の積載形態を維持した状態で、該ジョブの印刷物の積載動作を、該印刷中断要因解除後に、継続出来るように、本印刷システムを制御する。これにより図43Bの下に記載が如くの積載結果が本システムの積載部にて得られる。
既述の如く、制御部402は、印刷中断対象のジョブが、後処理を考慮した指示情報がオペレータにより明示的に入力されたジョブである事を確認する。これに該当するジョブであっても、制御部402は、印刷中断要因発生前に積載部に既に積載済の当該ジョブの印刷物の積載形態を維持した状態で、該ジョブの印刷物の積載動作を、該印刷中断要因解除後に、継続可能に、本印刷システムを制御している。
このように、本形態の印刷システムは、以上の図42A〜図44Bで例示が如くの制御を本印刷システムにて実行可能に構成されている。これにより、図42Aの説明の直前の説明にて指摘した上記例示が如くのトラブル等の発生も防止可能となる。即ち、以下に例示が如くの効果が図れる。
例えば「後処理を考慮した印刷物の区分け処理が不要なジョブ」や「後処理を考慮した印刷物の区分け処理を要するジョブ」でも印刷中断要因解除後に印刷再開可能に構成したことで、発生しうる、新規な問題として、本形態が見出した課題に、対処可能となる。例えば、「印刷再開後に出力された印刷物を目視したオペレータが、印刷再開前に出力済のジョブの印刷物とは別のジョブの印刷物である等の誤解を誘発し、ひいては、その誤解により、誤操作をオペレータが行いかねない」等の問題に対しても未然防止が図れる。
又、例えば、「後処理を考慮した印刷物の区分け処理を要すジョブ」にて印刷中断要因が発生した事に起因した問題にも対処可能となる。即ち、例えば、「折角、後処理を考慮した区分け処理を望んで印刷要求を投入したにも拘らず、結局、オペレータの作業負担は軽減されない」等の問題に対しても、未然防止が図れる。即ち、例えば、印刷中断要因発生が原因で結局、「後処理を考慮し、オペレータが手作業で印刷枚数を勘定する。そして、その後処理に見合った印刷物の仕分けをオペレータが手作業で行う。このようなオペレータによる介入作業を要求してしまう」等の問題の回避が、図れる。
従って、上記のような問題が原因で、「そのPOD環境の作業現場にて、大量ドキュメントを同時期に集中して大量連続印刷動作中に発生してしまったら、上記トラブルは、更に大きなトラブルに発展しかねない」等の問題の回避も、図れる。
既述が如く「後処理を考慮した印刷物の区分け処理が不要なジョブ」や「後処理を考慮した印刷物の区分け処理を要するジョブ」を印刷中断要因解除に再開可能に構成したことで発生しうる課題に対しても対処可能となる。しかも、この課題に対して、図1〜図41Dを用いて説明した本形態の構成により得られる既述に例示が如くの効果に対して影響を与えずに、対処が可能となるという効果が図れる。
このように本形態では、オフィス環境では想定外のPOD環境が如くの印刷環境特有のユースケースやユーザニーズを見出し、これに対処可能な仕組みを提供しているが、この作用効果を更に発揮すべき以下のような構成を具備しても良い。
例えば、図34や図37や図38等を用いて例示した如く、本形態では「印刷物の区分け処理」として、以下の少なくとも何れかの仕分け方法により仕分け処理を実行可能な構成であるならば、本形態に包含される事は述べた。
(方法1)1区分あたりの印刷物毎に、シフト動作を実行させる、シフト排紙動作
(方法2)1区分あたりの印刷物後に、排紙ビンを切り替える、多ビンソータによる排紙ビン切換動作
(方法3)1区分あたりの印刷物毎に、仕切り紙を挿入する、仕切り紙挿入動作
(方法4)1区分あたりの印刷物毎に、給紙部を切り替える、給紙部切換動作
ここでもし、本印刷システムが如くのシステム構成にて、上記(方法1)に相当する動作と、(方法3)に相当する動作の両方が実行可能な印刷システムであるとする。換言すると、本形態が如くに印刷システムにて、「印刷物の区分け処理」を実行する際に、「シフト排紙動作」が実行可能な構成である。且つ、「印刷物の区分け処理」を実行する際に、「仕切り紙挿入動作」も実行可能な構成である。このようなシステム構成であるとする。
本形態では、既述が如くのシステム構成の場合、以下に例示が如くの課題が存在する可能性があることを見出している。
例えば、もし上記の如く「シフト排紙動作」と「仕切り紙挿入動作」のどちらの動作も実行可能な印刷システムであるとする。且つ、既述が如く、処理対象のジョブの印刷物を、後処理を考慮した印刷物単位で区分け処理を実行するとする。且つ、この後処理を考慮した区分け処理として、「仕切り紙挿入動作」を実行させてしまう構成だとする。これは、換言すると、「1区分の印刷物毎に、仕切り紙が、挿入される」事を意味する。このような構成である場合、以下に事例が如くの問題が発生する可能性がある。
例えば、POD環境が如くの印刷環境では、図44B等で例示が如くの大容量スタッカ等のインラインタイプの後処理装置を印刷装置101に接続して、大量ジョブの大量ドキュメントを、同時期に集中して、大量連続印刷させる可能性がある。これは、換言すると、大量ドキュメントを印刷した結果、大量の区分け処理が実行される事を意味する。このような状況において、上記が如くの構成だとすると、大量の仕切りが挿入される事を意味する。例えば、図44Bで例示が如くの大容量スタッカのスタックトレイに、300個分の区分け処理がなされた印刷物がスタックされたとする。この場合、300個分の区分け処理に、299枚の仕切り紙が必要である事を意味する。このような状況が発生してしまった場合、以下のような問題が発生しうる。
[懸念事項1] 非インラインタイプの後処理装置にて後処理を行う前に、印刷物と印刷物の間に挿入されている仕切りをオペレータにより抜き取る作業が、必要となる。上記ケースの場合、全ての印刷束の為の後処理を非インラインタイプの後処理ユニットを用いて完成させるには、仕切り紙を印刷物から抜き取る作業をオペレータが299回実行する事になる。このように、後処理を考慮した区分け処理を実行させたつもりが、結局、オペレータによる多くの介入作業が必要となってしまう。このような、1区分の印刷物毎に仕切り紙が挿入された状態で積載部に印刷物が積載される事が原因でオペレータによる仕切り紙の抜き取り作業を要するという、オペレータの作業効率向上維持が困難になる問題。
[懸念事項2] 上記の如く、仕切りを利用するという事は、印刷装置の給紙部に予め、印刷物の区分け処理に必要な仕切りを準備しなければならないという問題。POD環境が如くの印刷環境は、印刷物の作成を商売として行う印刷環境である。その為に、既述の如く、如何に高い生産性でもって複数のジョブを処理できるかを、重要視する。且つ、商売であるが故に、当然極力、コストダウンを図る事も重要視されうる。即ち、上記のような構成では、本来の最終成果物となる印刷物には、不必要な仕切り紙という資源を、大量に購入し、準備しなければならない。このような、最終成果物としての印刷物には利用されない仕切り紙を用意しなければいけない事に起因した、コストアップという問題。
[懸念事項3] 1つのジョブにて多くの区分け処理を要する場合、そのジョブの為に多くの仕切りを、印刷開始前に印刷装置の給紙部に準備する必要がある。しかも、印刷すべきジョブが複数存在するならば、多くの給紙部に多くの仕切りをセットしておく必要が有る。このような状況になってしまうと、仕切り紙の為に多くの給紙部が占有される状況が発生しうる。こうなると、同時に集中的に大量の印刷ジョブを投入しても、最終成果物としての印刷物にて本来必要な印刷媒体をセットできる給紙部が、上記の如く多くの給紙部が仕切り紙専用の給紙部として占有される事で、なくなってしまうという状況が発生しうる。こうなると、いくら印刷ジョブを投入しても、印刷に必要な印刷媒体が給紙部に存在しない事が原因で、頻繁に、用紙無しエラーが発生しうる。換言すると、プリンタ部403による印刷中断が頻繁に発生しうる。これでは、1つのジョブの印刷処理に要する時間もかかり、且つ、印刷待ち状態の印刷ジョブも、印刷を開始するタイミングが、大幅に、遅れる。これは、印刷システムにおけるダウンタイムの発生率が高くなってしまう事を意味する。このような、仕切り紙の為に給紙部が占有される事が原因で処理すべきジョブの印刷処理が滞るという、複数のジョブ全体の生産性に影響を与えかねない生産性の問題。
本形態では、このような課題が存在する可能性がある事をも見出している。そして、このような課題を解決できる仕組みとして、例えば、以下のような構成を具備している。
例えば、本印刷システムは、ユーザからの様々なニーズに柔軟に対応可能にすべく、既述の(方法1)に相当する「印刷物のシフト排紙動作」と、(方法3)に相当する「印刷物に対する仕切り紙挿入動作」の両方を実行可能に構成している。そして、制御部402は、オペレータからの明示的な要求に応じて、これら2つの動作を、選択的に、実行するよう、本印刷システムを制御している。
このような構成を前提に、例えば、処理対象のジョブが、上述が如く、第1タイプの指示情報〜第3タイプの指示情報のうちの何れかに相当する情報がオペレータにより明示的に入力されたジョブであるとする。この場合、制御部402は、既述の如く、当該ジョブの印刷物を、その印刷物の後処理を考慮した区分け処理を実行するよう、本印刷システムを制御する。
但し、制御部402は、この「第1タイプ〜第3タイプの何れかの指示情報がオペレータにより明示的に入力されたジョブ」の一連の印刷動作における「後処理を考慮した区分け処理」の為に、上記「仕切り紙挿入動作」を実行する事を禁止する。且つ、制御部402は、この「後処理を考慮した区分け処理」の為に「シフト排紙動作」を実行させるように、本印刷システムを、制御する。
上記を換言すると、当該印刷装置101は、印刷物の区分け(仕分け)を実現する機能として、シフト排紙機能と仕切り紙挿入機能の2つの機能を具備する。しかし、制御部402は、後処理を考慮した区分け処理を実行する場合に、当該仕切り挿入機能を利用する事を禁止する。且つ、制御部402は、後処理を考慮した区分け処理を実行する場合に、上記シフと排紙機能を利用するよう制御する。これにより、たとえ仕切り紙挿入機能を有す構成でも、図29、図30、図31、図36、図41B、図41C、図41Dが如く、積載部(トレイ722又は図44Bのスタックトレイ)にて1区分の印刷物単位でシフトされた状態の積載結果が得られるよう制御する。
以上のように構成する事で、上述のような本形態が課題として見出している上記例示が如くの[懸念事項1]〜[懸念事項3]の各問題も回避可能となるという効果が得られる。
但し、本形態では、ユーザニーズに柔軟に対応可能にする効果を向上させるべき以下に例示が如くの構成を具備している。
例えば、操作部404のユーザモードキー(不図示)がオペレータにより入力されとする。これに応答し、制御部402は、図45に例示の表示を、表示部401により、実行させる。この図45に例示の表示は、後処理を考慮した印刷物の区分け処理に仕切り紙を利用する事を許可するか禁止するかを、オペレータが決定できるように構成された、表示画面4500である。この、制御部402が、表示部401に、オペレータからの指示により、表示させる、表示画面4500は、以下のような表示構成要素を具備する。
[1.オペレータに対するガイダンス表示] 例えば、図45に例示が如く、「後処理を考慮した印刷物の区分け処理に仕切紙を利用する事を、許可するか、禁止するかを、指定できます。※初期設定では「後処理を考慮した区分け処理に仕切り紙の利用を禁止する」設定が、なされています。※仕切り紙の利用を禁止する場合は、後処理を考慮した区分け処理にシフト排紙機能を利用します。」という、ガイダンス表示を、制御部402は、当該画面4500にて行うように、表示部401を制御する。
[2.操作指示キー4501] この表示キーは、後処理を考慮した印刷物の区分け処理に仕切紙を利用する事を禁止する指示をオペレータにより入力する為の、操作指示キーとして、機能する。制御部402は、当該指示キー4501がオペレータにより押下される事で当該指示を受け付ける。尚、本形態では、この指示は、印刷装置101の設定として、制御部402が受け付ける。そして、例えば、この指示が装置101に対して設定されている状態において、上記が如くの、「後処理を考慮した印刷物の区分け処理を要するジョブ」を、受け付けたとする。この場合に、制御部402は、このジョブの区分け処理にて、上記「仕切り紙挿入動作」の実行を禁止し、上記「シフト排紙動作」を実行させるよう、印刷装置101を含む当該印刷システムを制御する。
[3.操作指示キー4502] この表示キーは、後処理を考慮した印刷物の区分け処理に仕切紙を利用する事を許可する指示をオペレータにより入力する為の、操作指示キーとして、機能する。制御部402は、この指示キー4502がオペレータにより押下される事で当該指示を受け付ける。尚、本形態では、この指示は、印刷装置101の設定として、制御部402が受け付ける。そして、例えば、この指示が装置101に対して設定されている状態において、上記が如くの、「後処理を考慮した印刷物の区分け処理を要するジョブ」を、受け付けたとする。この場合に、制御部402は、このジョブの区分け処理にて、上記「シフト排紙動作」の実行を禁止し、上記「仕切り紙挿入動作」を実行させるよう、印刷装置101を含む当該印刷システムを制御する。このように、制御部402は、本形態のUI部を介してオペレータにより「区分け処理に仕切り紙を利用する」指示が明示的に入力された事を条件に、「後処理を考慮した区分け処理」の為に上記「仕切り紙挿入動作」を実行する事を許可する。
以上のように構成することで、上述の効果を図りつつも、ユーザニーズに柔軟に対応可能になるという効果が更に向上可能となる効果が図れる。
尚、本形態では、図45の例示が如く、初期設定として、「後処理を考慮した印刷物の区分け処理に仕切紙を利用する事を禁止する」設定を、デフォルト設定としておくように構成している。これにより上述が如く効果を確実に得られるようにする事が可能となるという効果が図れる。
又、上記図45の表示は、例えば、本形態のUI部の一例に該当するPC1603の表部(図8の表示装置806に相当)により、表示出来るように、PC1603の制御部(図8のCPU802に相当)により制御する。そして、PC1603のオペレータからの指示に応じた動作を実行するよう、PC1603の制御部(図8のCPU802に相当)が主体となり制御する。このような構成を更に具備しても良い。これにより、本印刷システムの柔軟性が向上する。即ち、本形態の効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
又、図45を用いた制御例では、図45の表示を介してオペレータからの指示に基いた設定は装置101に対する設定としている。しかし、処理対象のなるジョブの印刷設定画面として、上記図45に例示が如くの表示と同等の表示を、本形態のUI部により実行させる。そして、当該表示を介して上記と同等の指示を受付可能にする。そして、制御部402は、そのジョブの設定として受け付けた指示に応じて、上記2つの動作を選択的に実行可能にする。このように、処理対象となる各ジョブ毎に、上記2つの動作の何れかの動作を選択的に実行させるような構成でも良い。これにより、本印刷システムの柔軟性が向上する。即ち、本形態の効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
尚、本形態にて、図42A〜図45で例示の制御は、コピー機能のジョブだけに適用されるものではない。例えば、当該制御は、制御部402が、操作部404からのオペレータ指示に応答して印刷装置101の上記HDに保存されている文書をプリンタ部403により印刷させる、図39A〜図41Dで例示のボックス機能、の、ジョブにも、適用される。又、プリント機能のジョブにも、図42A〜図45で例示の制御は適用される。その為にも、本形態では一例として、制御部402が、管理情報4200の項目4202の情報を参照し、処理対象のジョブが、コピー機能のジョブか、ボックス機能のジョブか、プリント機能のジョブであるのか等の判断を行う。このようにコピー機能の以外の機能のジョブにも上記図42A〜図45で例示の制御を実行可能に構成することで、システムに柔軟性を更に持たせる事が可能となり上記効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
尚、以上図1〜図45を用いて説明した本形態の特徴点に相当する各種の構成は、ユーザメリットを考慮した上での仕組みであるが故に、必ずしも、全ての構成は持たなく良い。換言すると、これら本形態の特徴点に相当する各種構成のうちの少なくとも1つの構成を具備し、それに対応した1つの効果が図れるような構成であるものは本形態の技術範疇に包含される。何故なら、このように構成するだけでも、少なくとも、従来技術として想定したような課題を解決でき、従来技術で想定される構成よりも顕著な効果が得られるからである。
以上の説明が如く、本形態のように構成することで、以下に例示するが如くの各種効果が図れる。
例えば、オフィス環境に留まらずPOD環境にも適応可能な使い勝手の良い便利な印刷環境を提供可能となる。
又、例えば、印刷装置のオフィス環境を想定した構成に起因するPOD環境にて発生しうるオペレータの介入作業を極力抑えた印刷環境を提供可能となる。そして、POD環境等の印刷環境の実際の作業現場における作業者の作業負荷を低減し、効率的な作業の実現を可能となる。
又、例えば、POD環境における顧客と作業者との関係が如く、最終成果物の受取人と該最終成果物を作成する為に印刷装置又は印刷システムに動作を要求する人間とが異なる印刷環境にも柔軟に対処可能となる。換言すると、印刷装置又は印刷システムの操作を実際に行うオペレータにとって、より使い勝手の良い柔軟性に富んだユーザインタフェース環境を提供可能となる。
又、例えば、POD環境が如くの印刷環境にて、処理すべきジョブにて印刷装置による印刷後に必要な後処理に係わるオペレータの介入作業の効率を向上できるという第1効果が図れる。且つ、この印刷後に必要な後処理に係わるオペレータの介入作業の効率向上を考慮し該オペレータの意志を極力尊重可能にした優れた操作環境を、印刷装置又は印刷システムを操作するオペレータの為に、該印刷装置又は印刷システムを介して提供可能となる。このようなPOD環境が如くの印刷環境を考慮した利便性の高いユーザインタフェース環境を構築できるという第2効果が図れる。このようなPOD環境が如くの印刷環境を考慮した2つの効果の両立が図れる。
このように本形態の印刷システムが如く構成することで、様々な状況や利用環境を想定し、様々なユーザからの様々なニーズにも、極力、柔軟に対応可能な印刷環境を提供可能となる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(例えば、上述した各種フローチャートのプログラムや、上述した各種ユーザインタフェースユニットの為の操作制御プログラムや、図26〜図45を用いて説明した各種動作を印刷装置或いはシステムに実行させる為の動作制御プログラム等)を記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。例えば、本実施例で既述の区分け処理に係わる制御を制御部402が実行する為の制御プログラムと同等の制御プログラムを、PC1603の制御部(例えば図8のCPU802)が、PC1603のメモリ(例えば図8のメモリ801)に記憶させる。その上で、当該PC1603の制御部が、当該制御プログラムを読出し実行可能に構成する。このように構成することで、本実施例で既述の区分け処理に係わる制御を、印刷装置101とは遠隔の外部装置側にて実現可能となる。様々な利用形態が想定されうるPOD環境が如くの印刷環境でも柔軟に対処可能となるという本形態の効果が更に向上可能となる。