以下添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
[本印刷システム1000を含む印刷環境10000全体のシステム構成の説明]
本形態は、背景技術で想定したような課題に対処すべく、POD環境等のオフィス環境とは異なる印刷環境を想定している。故に、ここでは、本印刷システム1000を含むPOD環境の現場(図1の印刷環境10000)全体のシステム環境について説明する。このような印刷環境自体も本形態の特徴の1つである。
尚、本形態では、この本印刷システム1000が適用可能な印刷環境10000のことを、POD環境にも適しているが故に、PODシステム10000と呼ぶ。
図1のPODシステム10000は、構成要素として、本形態の印刷システム1000が1台と、サーバコンピュータ103、クライアントコンピュータ104(これを、以下PCと呼ぶ)を具備する。又、紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、くるみ製本機108、スキャナ102等も具備する。このように複数の装置がPODシステム10000に用意されている。
本形態の1台の印刷システム1000は、構成要素として、印刷装置本体100が1台及びシート処理装置200を具備する。尚、本形態の1台の印刷装置100の1例として、本形態では、コピー機能及びPCプリント機能等複数の機能を具備する複合機で説明するが、PC機能のみ或いはコピー機能のみの単一機能型の印刷装置であっても、良い。尚、該複合機のことを、以下では、MFP(Multi Function Peripheral)とも呼ぶ。
ここでは、図1の紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、くるみ製本機108を、本印刷システム1000が具備するシート処理装置200と同様に、シート処理装置と定義する。何故なら、本印刷システム1000が具備する印刷装置100で印刷されたジョブのシートに対するシート処理を実行可能なデバイスであるからである。例えば、紙折り機107は、印刷装置100で印刷されたジョブのシートの折処理を実行可能に構成されている。断裁機109は、複数枚のシートで構成されるシート束単位で、印刷装置100で印刷されたシートの断裁処理を、実行可能に構成されている。中綴じ製本機110は、印刷装置100で印刷されたジョブのシートの中綴じ製本処理を実行可能に構成されている。くるみ製本機108は、印刷装置100で印刷されたジョブのシートのくるみ製本処理を実行可能に構成されている。但し、これらのシート処理装置で各種シート処理を実行させるには、印刷装置100で印刷されたジョブの印刷物を該印刷装置100の排紙部からオペレータが取出し、且つ、処理対象となるシート処理装置に、その印刷物をセットする作業が必要である。
このように、本印刷システム1000自身が具備するシート処理装置200以外のシート処理装置を利用する場合には、印刷装置100による印刷処理後にオペレータによる介入作業を要する。
換言すると、本印刷システム1000自身が具備するシート処理装置200を利用して印刷装置100により印刷されたジョブにて要するシート処理を実行させる場合には、該装置100による印刷処理の実行後にオペレータによる介入作業は不要である。何故なら、印刷装置100からシート処理装置200に対しては、印刷装置100で印刷されたシートを、直接、供給出来るように構成されているからである。具体的には、印刷装置100内部のシート搬送路が、シート処理装置200内部のシート搬送路に、連結可能に構成している。このように、本印刷システム1000自身が具備するシート処理装置200と印刷装置100は、互いに、物理的接続関係にあるからである。且つ、本印刷装置100とシート処理装置200は、互いに、CPUを具備し、データ通信可能に構成されている。このように印刷装置100とシート処理装置200は、互いに、電気的接続関係にあるからである。
尚、本形態では、本印刷システムが具備する制御部が、これら印刷装置100とシート処理装置200を統括的に制御している。この1例として、本例では、図2の印刷装置100内部のコントローラ部205が統括制御を行う。尚、本形態では、これらシート処理装置の事を、後処理装置やポストプレスとも呼ぶ。何故なら、少なくとも、本形態に開示する全てのシート処理装置は、ステイプル処理やパンチ処理や中綴じ製本処理や糊付け製本処理や断裁処理等といった、印刷装置100のプリンタ部203による処理対象のジョブにて要する印刷処理の後に、該ジョブにて要する印刷後処理(後処理やポストプレスとも呼ぶ)を該ジョブのシート(印刷物)に対して実行可能な装置に該当するからである。故に、本形態に開示のシート処理装置は、全て、後処理装置として包含されることを意味する。同様に、本形態に開示している「シート処理」とは、プリンタ部203による印刷処理がなされたジョブの印刷物(シートや印刷媒体とも呼ぶ)に対して実行対象となる後処理(フィニシングとも呼ぶ)に該当する。尚、これらの呼称は、発明の内容をより分りやすくするためのものであり、発明の内容が限定されるものではない。
図1のPODシステム10000における、これら複数の装置のうちの、中綴じ製本機110以外の装置は、全て、ネットワーク101に接続されており、互いに他装置とデータ通信可能に構成されている。
例えば、PC103、104等の外部装置の一例に該当する情報処理装置からネットワーク101を介して送信された印刷実行要求がなされた処理対象となるジョブの印刷データを、印刷装置100により印刷させる。
又、例えば、ネットワーク通信により他の装置とのデータの送受を実行することで、サーバPC103は、本POD環境10000にて処理すべき全てのジョブの全体を管理する。換言すると、複数の処理工程からなる一連のワークフローの工程全体を統括管理するコンピュータとして機能する。該PC103は、オペレータから受け付けたジョブの指示に基づいて、本環境10000にて仕上げ可能な後処理条件を決定する。且つ、エンドユーザ(この例では印刷の作成依頼をした顧客)の要求通りの後処理(仕上げ処理)工程の指示を行う。この際に、サーバ103が、JDFなどの情報交換ツールを用いて、ポストプレス内部でのコマンドやステータスでそれぞれの後処理機器と情報交換している。
以上のような構成要素を具備するPOD環境10000における本形態の着目点の1つとして、上記各シート処理装置を、本形態では、3種類に分類して、以下のように、定義している。
[定義1] 以下に列挙の(条件1)と(条件2)の両方を満たす装置に該当するシート処理装置を、「インラインフィニッシャ」と定義する。尚、この定義に該当する装置を、本形態では、インラインタイプのシート処理装置やインラインタイプの後処理装置とも呼び、これらは本実施形態において全て同義である。
(条件1) 印刷装置100から搬送されるシートをオペレータの介入無しに直接的に受容出来るように、紙パス(シート搬送路)が、印刷装置100と物理的に接続されている。
(条件2) 操作指示や状況確認等に要するデータ通信を他装置と出来るように、他装置と電気的に接続されている。具体的には、印刷装置100とデータ通信可能に電気的接続されている事、或いは、ネットワーク101を介して印刷装置100以外の装置(例えば、PC103、104等)とデータ通信可能に電気的接続されている事。これら少なくとも何れかの条件を満たすものを、(条件2)に合致するものとする。
即ち、本印刷システム1000自身が具備するシート処理装置200は、「インラインフィニッシャ」に該当する。何故なら、上記の如く、シート処理装置200は、印刷装置100と物理的接続関係にあり、且つ、印刷装置100と電気的接続関係にあるシート処理装置であるからである。
[定義2] 前項に掲げる(条件1)と(条件2)のうちの(条件1)は満たさないが、(条件2)を満たす装置に該当するシート処理装置を、「ニアラインフィニッシャ」と定義する。尚、この定義に該当する装置を、本形態では、ニアラインタイプのシート処理装置やニアラインタイプの後処理装置とも呼び、これらは本実施形態において全て同義である。
例えば、紙パスも印刷装置100と接続されておらず、作業者(オペレータ)が印刷物の運搬等の介入作業を要する。しかし、操作指示や状況確認はネットワーク101等の通信手段を介して電気的に情報送受可能である。このような条件に合致するシート処理装置を、「ニアラインフィニッシャ」と定義する。
即ち、図1の紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、くるみ製本機108は、「ニアラインフィニッシャ」に該当する。何故なら、これらのシート処理装置は、印刷装置100と物理的接続関係には無い。しかし、少なくとも、ネットワーク101を介して、PC103やPC104等の他装置とデータ通信可能な電気的接続関係にあるシート処理装置であるからである。
[定義3] 前項に掲げる(条件1)と(条件2)の何れの条件も満たさない装置に該当するシート処理装置を、「オフラインフィニッシャ」と定義する。尚、この定義に該当する装置を、本形態では、オフラインタイプのシート処理装置やオフラインタイプの後処理装置とも呼び、これらは本実施形態において全て同義である。
例えば、紙パスも印刷装置100と接続されておらず、作業者(オペレータ)が印刷物の運搬等の介入作業を要する。しかも、操作指示や状況確認に要する通信ユニットも具備しておららず、他装置とのデータ通信も不可能である。故に、作業者が出力物の運搬、出力物の設定、手作業での操作入力、機器自体が発する状況報告を手作業で行う。このような条件に合致するシート処理装置を「オフラインフィニッシャ」と定義する。
即ち、図1の中綴じ製本機110は「オフラインフィニッシャ」に該当する。何故なら、このシート処理装置は、印刷装置100と物理的接続関係には無い。しかも、ネットワーク101にも接続不可で、他装置とデータ通信不可な、電気的接続関係ではない、シート処理装置であるからである。
以上の如く、3つの種類に分類する各種シート処理装置を具備する本POD環境10000にて、様々なシート処理を実行可能に構成している。
例えば、断裁処理、中綴じ製本処理、くるみ製本処理、シートの折処理、穴あけ処理、封入処理、帳合処理、等の様々なシート加工処理を、印刷装置100により印刷処理されたジョブの印刷媒体に対して実行可能に構成している。このように、エンドユーザ(顧客)が望む所望の製本印刷体裁でもってシート加工を実行可能に構成されている。
サーバPC103が管理するニアラインフィニッシャやオフラインフィニッシャには、他にも、ステープラ専用装置、穴あけ専用装置、封入機あるいは、帳合機(コレータ)を初めとして様々なものがある。サーバ103は、これらのニアラインフィニッシャと予め決められたプロトコルで、逐次ポーリングなどでデバイスの状況やジョブの状況を、ネットワーク101経由で把握する。且つ、本環境10000にて処理すべき多数のジョブの各ジョブの実行状況(進捗状況)を管理する。
尚、本形態は、上述の複数の記録紙処理をそれぞれ別々のシート処理装置により実行可能にする構成でも、複数種類の記録紙処理を1台のシート処理装置が実行可能にする構成でも良い。又、複数のシート処理装置のうちのいずれかのシート処理装置を本システムに具備する構成でも良い。
ここで、本形態の更なる着目点について説明しておく。
図1の印刷システム1000は、印刷装置100と、該印刷装置100に着脱可能なシート処理装置200を具備している。このシート処理装置200は、印刷装置100で印刷がなされたジョブのシートを、直接的に、シート搬送路を介して、受容可能な装置である。且つ、ユーザインタフェース部を介して印刷実行要求と共にユーザが要求したシート処理を、印刷装置100のプリンタ部203により印刷されたジョブのシートに対して実行するシート処理装置である。この点は、上記インラインタイプのシート処理装置である点からも明白である。
ここで特筆すべきは、本形態のシート処理装置200は、一連のシート処理装置群200として、定義することも可能である点である。というのも、本形態では、シート処理装置200として、互いに独立筐体で且つ独立使用可能な、複数台のシート処理装置を、印刷装置100に連結して利用可能に構成されているからである。この1例として、図1に示す、印刷システム1000は印刷装置100と3台のシート処理装置とを具備している構成である事を意味している。換言すると、図1の印刷システム1000は、3台のシート処理装置が印刷装置100に直列的に接続されている。本例では、このように複数台のシート処理装置を印刷装置100に接続された構成をカスケード接続と呼ぶ。これら印刷装置100にカスケード接続される、一連のシート処理装置群200に包含される、複数台のシート処理装置は、全て、インラインフィニッシャとして、本形態で取り扱っている。且つ、本システム1000の制御部の1例に該当する図2のコントローラ部205が、印刷装置本体100及びこれら複数台のインラインタイプのシート処理装置を統括的に制御し、以下の実施形態で述べる各種制御を実行する。このような特徴点も具備している。尚、この構成については、図3等を用いて後述する。
[本システム1000の内部構成(主にソフト構成)]
次に、本印刷システム1000の内部構成(主に、ソフト構成)について、図2のシフテムブロック図でもって説明する。尚、本例では、本印刷システム1000が具備する図2に示す各ユニットのうちのシート処理装置200(厳密にいえば、複数台のインラインタイプのシート処理装置で構成可能な一連のシート処理装置群)以外のユニットは、全て印刷装置100内部に具備している。換言すると、シート処理装置200は、本印刷装置100に対して、着脱可能なシート処理装置であり、印刷装置100のオプションとして提供可能に構成されている。これにより、POD環境にて、必要なインラインフィニッシャを、必要な台数分、提供可能にする等の効果を図っている。故に、以下のような構成となっている。
印刷装置100は、自装置内部に複数の処理対象となるジョブのデータを記憶可能なハードディスク209(以下、HDとも呼ぶ)等の不揮発性メモリを具備する。且つ、印刷装置100自身が具備するスキャナ部201から受付けたジョブデータを該HDを介してプリンタ部203で印刷するコピー機能を具備する。且つ、PC103、104等の外部装置から通信部の1例に該当する外部I/F部202ユニットを介して受付けたジョブデータを該HDを介してプリンタ部203で印刷する印刷機能等を具備する。このような複数の機能を具備したMPFタイプの印刷装置(画像形成装置とも呼ぶ)である。
尚、換言すると、本形態の印刷装置は、カラープリント可能な印刷装置でも、モノクロプリント可能な印刷装置でも、本形態で述べる各種制御を実行可能であるならば如何なる構成でも良い。
本形態の印刷装置100は、原稿画像を読み取り、読み取られた画像データを画像処理するスキャナ部201を具備する。又、ファクシミリ、ネットワーク接続機器、外部専用装置と画像データなどを送受する外部I/F部202を具備する。又、スキャナ部201及び外部I/F部202の何れかから受付けた複数の印刷対象となるジョブの画像データを記憶可能なハードディスク209を具備する。又、ハードィスク209に記憶された印刷対象のジョブのデータの印刷処理を印刷媒体に対して実行するプリンタ部203を具備する。又、本印刷装置100は、本印刷システム1000が具備するユーザインタフェース部の一例に該当する、表示部を有する操作部204も、具備する。本印刷システム1000にて提供しているユーザインタフェース部の別の例としては、例えば、PC103や104の外部装置の表示部及びキーボードやマウス等がこれに該当する。
本印刷システム1000が具備する制御部の一例に該当するコントローラ部(制御部、或いは、CPUとも呼ぶ)205は、本印刷システム1000が具備する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。ROM207には、後述する図24に示すフローチャートの各種処理等を実行する為のプログラムを含む本形態にて要する各種の制御プログラムが記憶されている。又、ROM207には、図示しているユーザインタフェース画面(以下、UI画面と呼ぶ)を含む、操作部204の表示部に各種のUI画面を表示させる為の表示制御プログラムも記憶されている。制御部205は、ROM207のプログラムを読出実行することで、本形態にて説明する各種の動作を本印刷装置により実行させる。外部I/F202を介して外部装置(103や104等)から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータ(ビットマップ画像データ)に展開する動作を実行する為のプログラム等もROM207に記憶されている。これらは、ソフトウェアによって処理される。
ROM207は読み出し専用のメモリで、ブートシーケンスやフォント情報等のプログラムや上記のプログラム等各種プログラムが予め記憶されている。RAM208は読み出し及び書き込み可能なメモリで、スキャナ部201や外部I/F202よりコントローラ部205を介して送られてきた画像データや、各種プログラムや設定情報を記憶する。
HDD(ハードディスク)209は、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶する大容量の記憶装置である。当該HDD209に、処理対象となるジョブのプリントデータ等複数のデータを保持可能に構成されている。制御部205は、スキャナ部201や外部I/F部202等の各種入力ユニットを介して入力された処理対象となるジョブのデータを、該HDD209を介して、プリンタ部203でプリント可能に制御する。又、外部I/F202を介して外部装置へ送信できるようにも制御する。このようにHDD209に格納した処理対象のジョブのデータの各種の出力処理を実行可能に制御部205により制御する。圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等を圧縮・伸張動作を行う。
以上のような構成のもと、本印刷システムが具備する制御部の1例としての制御部205が、図1の説明の如く、インラインタイプのシート処理装置200の動作も制御する。この説明も含む、本印刷システム1000のメカ構成について、図3等でもって説明する。
[本システム1000の装置構成(主にメカ構成)]
次に、本印刷システム1000の構成(主に、メカ構成)について、図3の装置構成説明図でもって説明する。
尚、上述したように、本印刷システム1000は、複数台のインラインタイプのシート処理装置を、印刷装置100にカスケード接続可能に構成している。又、印刷装置100に接続可能なインラインタイプのシート処理装置は、特定の制限下のもと、本形態の効果を向上させるべく、利用環境に合わせ、任意の台数設置可能に構成されている。
故に、説明をより明瞭化すべく、図2や図3では、シート処理装置200は、一連のシート処理装置群として、N台接続可能であるものとしている。且つ、1台目のシート処理装置から順に、シート処理装置200a、200b、、、、、と示し、N台目のシート処理装置として、シート処理装置200nと示している。尚、図1〜図3では、説明上、シート処理装置200の形状が、図のような形状となっているが、しかし、本来の概観は、後述するような構成となっている。
まず、これらインラインタイプのシート処理装置200によるシート処理を実行する前の工程に該当する印刷装置100における印刷処理を実行する際の、メカ構成を説明する。主に、図2のコントローラ部(以下制御部又はCPUと呼ぶ)205が印刷装置100に実行させる、プリンタ部203の内部からシート処理装置200の内部へ印刷処理がなされたジョブのシートを供給する時点迄のペーパハンドリング動作等を説明する。
図3に示す符号301〜322のうち、301は、図2のスキャナ部201のメカ構成に該当する。302〜322が、図3のプリンタ部203のメカ構成に該当する。尚、本形態では、1DタイプのカラーMFPの構成について説明する。尚、4DタイプのカラーMFP、白黒MFPも、本形態の印刷装置の一例であるが、ここでは説明を割愛する。
図3の自動原稿搬送装置(ADF)301は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1頁目の原稿から、ページ順に、順番に分離して、スキャナ302によって原稿走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。スキャナ302は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCDによって画像データに変換する。回転多面鏡(ポリゴンミラー等)303は、前記画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム304に照射する。感光ドラム304上に前記レーザ光によって形成された潜像はトナーによって現像され、転写ドラム305上に貼り付けられたシート材に対してトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。4回の画像形成プロセスの後に、フルカラー画像形成された転写ドラム305上のシート材は、分離爪306によって分離され、定着前搬送器307によって定着器308へ搬送される。
定着器308は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート材上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。排紙フラッパ309は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シート材の搬送方向を規定する。排紙フラッパ309が図中時計回りの方向に揺動しているときには、シート材は真直ぐに搬送され、排紙ローラ310によって機外へ排出される。一方、シート材の両面に画像を形成する際には、排紙フラッパ309が図中反時計回りの方向に揺動し、シート材は下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。両面搬送部は、反転フラッパ311、反転ローラ312、反転ガイド313および両面トレイ314を具備する。
反転フラッパ311は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シート材の搬送方向を規定する。制御部205は、両面印刷ジョブを処理する場合、プリンタ部203でシートの第1面にプリント済みのシートを、反転フラッパ311を図中反時計回りの方向に揺動させ、反転ローラ312を介して、反転ガイド313へと送り込むよう制御する。そして、シート材後端が反転ローラ312に狭持された状態で反転ローラ312を一旦停止させ、引き続き反転フラッパ311が図中時計回りの方向に揺動させる。且つ、反転ローラ312を逆方向に回転させる。これにより、該シートスイッチバックして搬送させ、シートの後端と先端が入れ替わった状態で、該シートを両面トレイ314へと導くよう制御する。
両面トレイ314ではシート材を一旦積載し、その後、再給紙ローラ315によってシート材は再びレジストローラ316へと送り込まれる。このときシート材は、1面目の転写工程とは反対の面が感光ドラムと対向する側になって送られてきている。そして、先述したプロセスと同様にして該シートの第2面に対して2面目の画像を形成させる。そして、シート材の両面に画像が形成され、定着工程を経て排紙ローラ310を介して印刷装置本体内部から機外へと該シートを排出させる。制御部205は、以上のような一連の両面印刷シーケンスを実行することで、両面印刷対象のジョブのデータのシートの第1面と第2面の各面に対する両面印刷を本印刷装置により実行可能にする。
給紙搬送部は、印刷処理に要するシートを収納する給紙ユニットとしての給紙カセット317、318(例えば、夫々500枚のシートを収容可能)、ペーパーデッキ319(例えば、5000枚のシートを収納可能)、手差しトレイ320等がある。又、これら給紙ユニットに収納されたシートを給送するユニットとして、給紙ローラ321、レジストローラ316等がある。給紙カセット317、318、ペーパーデッキ319には、各種のシートサイズで且つ各種のマテリアルのシートを、これらの各給紙ユニット毎に、区別して、セット可能に構成されている。
手差しトレイ320も、OHPシート等の特殊なシートを含む各種の印刷媒体をセット可能に構成されている。給紙カセット317、318、ペーパーデッキ319、手差しトレイ320には、それぞれに給紙ローラ321が設けられ1枚単位でシートを連続的に給送可能に構成される。例えば、ピックアップローラによって積載されたシート材が順次繰り出され、給紙ローラ321に対向して設けられる分離ローラによって重送が防止されてシート材は1枚ずつ搬送ガイドへと送り出される。ここで、分離ローラには搬送方向とは逆方向に回転させる駆動力が図示しないトルクリミッタを介して入力されている。給紙ローラとの間に形成されるニップ部にシート材が1枚だけ進入しているときには、シート材に従動して搬送方向に回転する。
一方、重送が発生している場合には搬送方向とは逆方向に回転することにより重送したシート材が戻され、最上部の1枚だけが送り出されるようになっている。送り出されたシート材は搬送ガイドの間を案内され、複数の搬送ローラによってレジストローラ316まで搬送される。このときレジストローラ316は停止しており、シート材の先端がレジストローラ316対で形成されるニップ部に突き当たり、シート材がループを形成し斜行が補正される。その後、画像形成部において感光ドラム304上に形成されるトナー像のタイミングに合わせて、レジストローラ316は回転を開始してシート材を搬送する。レジストローラ316により送られたシート材は、吸着ローラ322によって転写ドラム305表面に静電気的に吸着される。定着器308から排出されたシート材は、排出ローラ310を介して、シート処理装置200内部のシート搬送路へ導入される。
制御部205は、以上のような印刷プロセスを経て、印刷対象となるジョブを処理する。
制御部205は、UI部を介してユーザから受付た印刷実行要求に基き、データ発生源からHDD209に記憶させた該ジョブの印刷データの印刷処理を、上記方法でもって、プリンタ部203により、実行させる。
尚、例えば、印刷実行要求を操作部204から受付けたジョブのデータ発生源は、スキャナ部201を意味する。又、印刷実行要求をホストコンピュータから受付けたジョブのデータ発生源は、当然ホストコンピュータである。
又、制御部205は、処理対象のジョブの印刷データを、先頭ページから順番にHDD209に記憶させ、且つ、先頭ページから順番にHDD209から該ジョブの印刷データを読み出して、シート上に該印刷データの画像を形成させる。このような先頭ページ処理を遂行する。且つ、制御部205は、先頭ページから順番に印刷されるシートを、画像面が下向きで、シート処理装置200内部のシート搬送路へ供給させる。その為に、排紙ローラ310によりシート処理装置200内部へシートを導入する直前で、定着器308からのシートの表裏を反転させる為のスイッチバック動作を排紙フラッパ309、反転ローラ312等を用いて実行させる。このような、先頭ページ処理に対処する為のペーパハンドリング制御も制御部205は実行する。
次に、本印刷システム1000が印刷装置100と共に具備するインラインタイプのシート処理装置200の構成について説明する。
本形態のシステム1000は、図3に示すが如く、印刷装置100にカスケード接続可能なインラインタイプのシート処理装置を合計n台としている。この台数は、例えば、可能な限り何台でも設置可能に構成しても良い。しかし、少なくとも、プリンタ部203により印刷がなされたシートをオペレータによる介入作業無しに機内のシート処理部へ供給可能な構成のシート処理装置の利用を要する。換言すると、例えば、印刷装置100が具備する排紙ローラ309を経てプリンタ部203内部から排出される印刷媒体を機内で搬送可能なシート搬送路(紙パス)を具備するシート処理装置の利用を要する。このような制約事項は遵守するように構成されている。
とはいうものの、本形態の効果を向上させる為の1つの仕組みとして、このような制約事項を遵守した範囲内では、柔軟に本印刷システム1000を構築可能に構成している。
例えば、インラインタイプのシート処理装置を3台接続したり、5台接続したり、接続数も任意とする。勿論、オフラインタイプのシート処理装置の利用効率を向上させるが故に、インラインタイプのシート処理装置は不要と管理者が判断するようなPOD環境も想定している。例えば、インラインタイプのシート処理装置を全く利用しない(即ち、0台)場合でも、本形態の印刷装置100は当然利用可能にする。
又、例えば、複数台のインラインタイプのシート処理装置を印刷装置100にカスケード接続する場合に、それら複数台のシート処理装置の接続順番も、管理者等の特定ユーザにより、制約の範囲内で、任意に、変更、決定可能に構成している。
但し、上記のような仕組みは、ユーザ利便性を向上させるための仕組みであるが故に、必ずしも必須の構成要件としなくても良い。換言すると、例えば、本発明はこのような構成に限定解釈されない。1例として、例えば、本印刷システム1000にて利用可能なインラインタイプのシート処理装置の台数や、それらの装置の接続順序が、一律的に規定されているようなシステム構成でも良い。少なくとも、後述する各種ジョブ制御の少なくとも何れかを実行可能に構成されるならば、如何なるシステム構成でも装置構成でもあっても、本発明に包含される。
尚、本印刷システム1000が、印刷装置100に対して、如何様なシート処理を実行可能な如何様なインラインタイプのシート処理装置を、如何様に、何台、接続できるのか等は、後述する。
[本システム1000のUI部の1例に該当する操作部204の構成]
図4等を用いて、本システム1000の印刷装置100が具備する本システム1000におけるユーザインタフェース部(以下、UI部と呼ぶ)の一例に該当する操作部204について説明する。
操作部204は、ハードキーによるユーザ操作を受付け可能なキー入力部402、ソフトキー(表示キー)によるユーザ操作を受付可能な表示ユニットの一例としてのタッチパネル部401を、有する。
図5に示すように、キー入力部402は、操作部電源スイッチ501を具備する。該スイッチ501のユーザ操作に応答し、制御部205は、スタンバイモード(通常動作状態)とスリープモード(ネットワーク印刷やファクシミリなどに備えて割り込み待ち状態でプログラムを停止して、消費電力を抑えている状態)を選択的に切換るよう制御する。制御部205は、該スイッチ501のユーザ操作を、システム全体の電源供給を行う主電源スイッチ(不図示)がON状態にて、受付可能に制御する。
スタートキー503は、処理対象となるジョブのコピー動作や送信動作等、ユーザにより指示された種類のジョブ処理を印刷装置に開始させる指示をユーザから受付可能にする為のキーである。ストップキー502は、受付けたジョブの処理を印刷装置に中断させる指示をユーザから受付可能にする為のキーである。テンキー506は、各種設定の置数の設定をユーザにより実行可能にする為のキーである。クリアキー507は、キー506を介してユーザにより設定された置数等の各種パラメータを解除するためのキーである。リセットキー504は、ユーザにより処理対象のジョブに対して設定された各種設定を全て無効にし、且つ、設定値をデフォルト状態に戻す指示をユーザから受付る為のキーである。ユーザモードキー505は、ユーザごとのシステム設定画面に移行するためのキーである。
次に、図6は、本印刷システムが提供するユーザインタフェースユニットの一例に相当するタッチパネル部(以下、表示部とも呼ぶ)401を説明する図である。該タッチパネル部401はLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極からなるタッチパネルディスプレイを有す。当該ユニット401は、操作者からの各種設定を受付ける機能と操作者に情報を提示する機能を兼ね備える。例えば、LCD上の有効表示状態の表示キーに該当する個所がユーザにより押下されたのを検知すると、制御部205は、ROM207に予め記憶された表示制御プログラムに従い、該表示部401に該キー操作に応じた操作画面を表示可能に制御する。尚、図6は、本印刷装置の状態がスタンバイモード時(印刷装置により処理すべきジョブが無い状態)に表示部401に表示させる初期画面の一例である。
図6に示す表示部401上のコピータブ601がユーザにより押下された場合、制御部205は、本印刷装置が具備するコピー機能の操作画面を表示部401に表示させる。送信タブ602がユーザにより押下された場合、制御部205は、本印刷装置が具備するファックスやE−mail送信などデータ送信(Send)機能の操作画面を表示部401に表示させる。ボックスタブ603がユーザにより押下された場合、制御部205は、本印刷装置が具備するボックス機能の操作画面を表示部401に表示させる。
尚、ボックス機能とは、HDD209に仮想的に予め設けているユーザ毎に区別して利用可能な複数個のデータ記憶ボックス(以下、ボックスと呼ぶ)を用いた機能である。当該機能にて、制御部205は、例えば、複数のボックスのうちのユーザが所望のボックスを該ユーザによりユーザインタフェースユニットを介して選択可能にし、所望の操作をユーザから受付可能に制御する。例えば、制御部205は、操作部204を介して入力されたユーザからの指示に応答し、該ユーザにより選択されたボックスに対して、本印刷装置のスキャナ201から受付けたジョブの文書データを記憶可能にHDD209を制御する。又、外部I/F部202を介し受付た外部装置(例えばホストコンピュータ103や104等)からのジョブの文章データ等も、該外部装置のユーザインタフェース部を介して指定された該外部装置のユーザ指示に従い、該ユーザが指定したボックスに、記憶可能にする。又、制御部205は、ボックスに記憶されたジョブのデータを、操作部204からのユーザ指示に従い、該ユーザが所望の出力形態で、例えば、プリンタ部203により印刷させたり、該ユーザの所望の外部装置に送信可能に外部I/F部202を制御する。
このよう各種のボックス操作をユーザにより実行可能にすべく、制御部205は、該ボックスタブ603のユーザ押下に応答し、表示部401にボックス機能の操作画面を表示可能に制御する。又、制御部205は、図6の表示部401の拡張タブ604がユーザにより押下された場合、スキャナ設定など拡張機能を設定するため画面を表示部401に表示させる。システムモニタキー617がユーザ押下された場合、MFPの状態や状況をユーザに通知する為の表示画面を表示部401に表示させる。
色選択設定キー605は、カラーコピー、白黒コピー、あるいは自動選択かを予めユーザにより選択可能にするための表示キーである。倍率設定キー608は、等倍、拡大、縮小などの倍率設定をユーザにより実行可能にする設定画面を表示部401に表示させる為のキーである。
両面キー614がユーザにより押下された場合、制御部205は、印刷対象となるジョブのプリント処理にて片面印刷か両面印刷のどちらを実行させるかを該ユーザにより設定可能にする画面を表示部401に表示させる。又、用紙選択キー615のユーザ押下に応答し、制御部205は、印刷対象のジョブの印刷処理に要する給紙部やシートサイズやシートタイプ(メディアタイプ)を該ユーザにより設定可能にする画面を表示部401に表示させる。キー612のユーザ押下に応答し、制御部205は、文字モードや写真モードなど原稿画像に適した画像処理モードを該ユーザにより選択可能にする為の画面を表示部401に表示させる。又、濃度設定キー611をユーザ操作することで、印刷対象となるジョブの出力画像の濃淡を調整可能にする。
又、図6を参照し、制御部205は、表示部401のステータス表示欄606に、スタンバイ状態、ウォームアップ中、プリント中、ジャム、エラー等、本印刷装置にて現在発生中のイベントの動作状態をユーザに確認させる為の表示を実行させる。又、制御部205は、処理対象となるジョブの印刷倍率をユーザに確認させる為の情報を、表示欄607に、表示させる。又、処理対象となるジョブのシートサイズや給紙モードをユーザに確認させる為の情報を、表示欄616に、表示させる。又、処理対象となるジョブの印刷部数をユーザに確認させる為の情報や、プリント動作中にて何枚目を印刷中かをユーザに確認させる為の情報を、表示欄610に、表示させる。このように、制御部205は、ユーザに通知すべき各種情報を表示部401に表示させる。
更に、制御部205は、割り込みキー613がユーザにより押下された場合、本印刷装置により印刷中のジョブの印刷を停止させ、該ユーザのジョブの印刷を実行可能にする。応用モードキー618が押下された場合、ページ連写、表紙・合紙設定、縮小レイアウト、画像移動など様々な画像処理やレイアウトなどの設定を行う画面を表示部401に表示させる。
ここで、本形態の更なる着目点の1例について述べておく。
制御部205は、処理対象となるジョブの為の設定として、本印刷システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置200が具備するシート処理部によるシート処理の実行要求をユーザから受付可能にする為の表示をUI部により実行させる。この表示を該UI部に実行させる為の指示自体をユーザから受付可能にする表示も該UI部により実行させる。
この1例として、例えば、制御部205は、表示部401に図6の表示キー609を表示させる。このシート処理設定キー609がユーザ押下されたとする。この場合、制御部205は、本システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置を用いて実行可能なシート処理の選択候補の中からユーザが所望のシート処理をユーザ自身により特定可能にする表示を、表示部401に、実行させる。尚、この図7の表示に例示する「シート処理設定キー609」のことを、図19以降で例示では、「フィニッシングキー」とも呼ぶ。即ち、同じ機能ボタンを意味する。故に、後述する説明では、「シート処理」のことを「フィニッシィング」とも呼ぶ。又、「パンチ処理」に関しても、POD環境では、様々なパンチ処理(印刷済みのシートに対する穿孔処理)を行うニーズが想定される。
そこで、図19以降の例示では、複数種類のパンチ処理に該当する、「2穴パンチ(シートの綴じ辺に該当するシート端部に2箇所穴をあける処理)「多穴パンチ(シートの端部に30穴等の多数の穴をあける処理)」を例示している。これらの処理は、上記構成に対応すべく、図8A〜図10Bに示す中綴じ製本機が具備するパンチユニットにより実行可能にするものとする。換言すると、これ以外の装置やユニットを用いて、これらのパンチ処理を実行可能に構成しても良い。但し、上記例示の如く、インラインフィニッシャの定義に該当する装置を本システム1000にて利用を許可し、これに該当しない装置は本システム1000での利用を禁ずるよう構成する。
例えば、本例では、キー609がユーザにより押下された事に応答し、表示部401に図7の表示を実行させる。制御部205は、図7の表示を介して、処理対象のジョブにて印刷されたシートに対してインラインシート処理装置200により実行すべきシート処理の実行要求を受付可能に制御する。
但し、制御部205は、図7の表示を介して選択可能なシート処理装置の候補は、本システム1000が如何なるシート処理装置を具備するのか、その装備状況に応じて、決定する。例えば、図7の表示では、プリンタ部203により印刷されたシート(印刷媒体或いは印刷物とも呼ぶ)に対して以下に列挙する複数種類のシート処理(後処理或いはフィニッシングとも呼ぶ)のうちの何れかの種類のシート処理の実行要求をユーザから受付けることを許可している。
(1) ステイプル処理
(2) パンチ処理
(3) 折り処理
(4) シフト排紙処理
(5) 断裁処理
(6) 中綴じ製本処理
(7) 糊付け製本処理の1例に該当するくるみ製本処理
(8) 糊付け製本処理の別例に該当する天糊製本処理
(9) 大量積載処理
図7のUI制御例では、制御部205は、これら9種類のシート処理を選択候補となるよう操作部204を制御している。この理由は、本印刷システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置を利用することで、これら9種類のシート処理を選択的に実行可能であるからである。
換言すると、本システム1000にて実行不可能な種類に該当するシート処理は、図7の表示にて選択候補の対象外となるよう、UI部を制御する。例えば、くるみ製本処理及び天糊製本処理を選択的に実行可能な1台のシート処理装置を本システム1000が具備していない場合、或いは、故障している場合等は、キー707及びキー708は選択無効状態となるよう制御する。例えば、制御部205は、グレーアウト表示な網掛け表示を実行させる。これにより、当該シート処理の実行要求をユーザから受付けないように制御する。更に、換言すると、上記9種類の候補以外の異なるシート処理を実行可能なシート処理装置を本システム1000が具備している場合は、そのシート処理の実行要求をユーザから受付可能にする為の表示キーを、図7の表示にて、有効表示状態にするよう制御する。これにより、当該シート処理の実行要求をユーザから受付ける事を許可する。このような表示制御も、本形態にて、後述するジョブ処理制御と共に実行可能に構成することで、ユーザの誤操作を防止可能にしている。
又、このような制御を実行するうえで、制御部205は、如何なるシート処理装置が、シート処理装置200として、本システム1000が具備しているかを特定するシステム構成情報を獲得する。又、該シート処理装置200にてエラーが発生しているか否か等を特定するステータス情報等も、上記制御の際に利用する。これらの情報を、制御部205は、例えば、UI部を介してユーザがマニュアル入力する事で獲得するか、シート処理装置200が印刷装置100が接続された際に、装置自身が信号線を介して出力する信号に基いて自動獲得する。このような構成を前提とし、制御部205は、当該獲得した情報に基いた表示内容でもって、図7の表示を、表示部401に実行させる。
尚、本システム1000は、PC103、104等の外部装置からも処理対象となるジョブの印刷実行要求、及び、該ジョブにて要するシート処理の実行要求を受付可能に構成している。このように外部装置からジョブを投入する場合は、印刷データの送信元となる該外部装置の表示部に図7の表示と同等機能の表示を実行させるよう制御する。この1例として、本例では、後述するような、プリンタドライバの設定画面を、PC103や104のコンピュータの表示部に表示させている。但し、このように外部装置のUIに表示を実行させる場合には、該装置の制御部が上記制御を実行する。例えば、PC103やPC104の表示部に後述するプリンタドライバUI画面を表示させる場合には、制御の主体は、該PCのCPUが実行する。
[本形態にて制御対象となる本印刷システム1000の具体的システム構成例]
本形態の特徴点の1例に関連し、本印刷システム1000が、印刷装置100に対して、如何様なシート処理を実行可能な如何様なインラインタイプのシート処理装置を、如何様に、何台、接続できるのか等のシステム構成に関し、図8A、8B等を用いて説明する。
本形態は、図1〜図3に示すシステム1000として、例えば、図8A、8Bのようなシステム構成を構築可能に構成している。
図8Aのシステム構成例は、本システム1000が、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機、合計3台のインラインタイプのシート処理装置を、一連のシート処理装置群200として、具備している事を意味する。尚且つ、図8Aの構成例は、本システム1000が具備する印刷装置100に対して、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機という、接続順序で、接続されている事を意味する。本システム1000が具備する制御部の1例に該当する制御部205は、図8A、8Bのようなシステム構成からなる本印刷システム1000を統括的に制御する。
本例にて、大容量スタッカは、プリンタ部203からのシートを、大量枚数(例えば、5000枚)、積載可能なシート処理装置である。
又、本例の糊付け製本機は、プリンタ部203で印刷された1束分のシートを表紙をつけて製本するにあたりシートの糊付け処理を要するくるみ製本処理を実行可能なシート処理装置である。又、表紙をつけずに糊付け製本するシート処理に該当する天糊製本処理も該糊付け製本機により実行可能である。該糊付け製本機は、少なくとも、くるみ製本処理を実行可能なシート処理装置であるが故に、くるみ製本機とも呼ぶ。
又、中綴じ製本機は、プリンタ部203からのシートに対して、ステイプル処理、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙、中綴じ製本処理、折り処理、を、選択的に実行可能なシート処理装置である。
本形態では、制御部205が、これらのシート処理装置に関わる各種のシステム構成情報を、各種制御に要する管理情報として、特定のメモリに登録させる。例えば、制御部205は、本システム1000が図8Aのようなシステム構成である場合、以下に列挙する情報を、HDD209に登録させておく。
(情報1) 本システム1000はインラインタイプのシート処理装置を具備している事を制御部205により確認可能にする為の装置有無情報。このように、本システム1000がインラインタイプのシート処理装置を具備しているか否かを制御部により特定可能にする情報がこれに該当する。
(情報2) 本システム1000は、インラインタイプのシート処理装置200を3台具備している事を制御部205により確認可能にする為のインラインシート処理装置の台数情報。このように、本システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置の台数を制御部により特定可能にする情報がこれに該当する。
(情報3) 大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機を、本システム1000が具備している事を制御部205により特定可能にするインラインシート処理装置の種類情報。このように、本システム1000にて具備するインラインシート処理装置の種類を制御部により確認可能にする情報がこれに該当する。
(情報4) 上記3台のうち、1台は、プリンタ部203からのシートの積載処理を実行可能な大容量スタッカである事を制御部205により確認可能にする情報。うち1台は、プリンタ部203からのシートの糊付け製本処理(くるみ製本処理、及び/又は、天糊製本処理)を実行可能な糊付け製本装置ある事を制御部205により確認可能にする装置能力情報。うち1台は、プリンタ部203からのシートに対して、ステイプル、パンチ、断裁、シフト排紙、中綴じ製本処理、折り処理、が、選択的に実行可能な中綴じ製本装置である事を制御部205により確認可能にする情報。換言すると、本システムにて実行可能なシート処理は、ステイプル、パンチ、断裁、シフト排紙、中綴じ製本、折り、くるみ製本、天糊製本、大量積載の、合計9種類である事を制御部205により特定可能にする為の情報。このように、本システム1000のインラインタイプのシート処理装置にて実行可能なシート処理の能力情報を制御部により確認可能にする為の情報が、これに該当する。
(情報5) 上記3台のシート処理装置は、印刷装置100に対して、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機、の順序で、カスケード接続されている事を制御部205により確認可能にする為の情報。このように、複数台のインラインフィニッシャが接続されている場合に、これらシート処理装置の本システムにおける接続順序情報が、これに該当する。
以上の(情報1)〜(情報5)で示すが如くの、各種情報を、制御部205が各種制御にて要するシステム構成情報として、HDD209に登録する。且つ、制御部205は、この情報を後述するジョブ制御にて要する判断材料情報として、利用する。
以上の構成を前提とし、例えば、本印刷システム1000のシステム構成状況が、図8Aのようなシステム構成であるとする。このシステム構成にて制御部205が、どのような制御を実行するか、以下に例示する。
例えば、本システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合、上記9種類のシート処理を本システムにて全て実行可能である。この事実は、制御部205が、上記(情報1)〜(情報5)の判断材料に基いて、認識する。且つ、当該認識結果に基いて、制御部205が、図7の表示に示す合計9種類のシート処理を全て選択候補にするようUI部を制御する。且つ、該制御部205は以下のようなユーザ操作に応答した制御を実行する。
例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー701のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為にステイプル処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートに対するステイプル処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー702のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為にパンチ処理(シートの穴あけ処理)の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートに対するパンチ処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー703のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に断裁処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの断裁処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー704のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に断裁処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの断裁処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー705のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に中綴じ製本処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの中綴じ製本処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー706のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に折り処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの折り処理(例えば、Z折りと呼ばれるシート処理)を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー707のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為にくるみ製本処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートのくるみ製本処理を、図8Aのシート処理装置200bに該当する糊付け製本機により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー708のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に天糊製本処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの天糊製本処理を、図8Aのシート処理装置200bに該当する糊付け製本機により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー709のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に大量積載処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの大量積載処理を、図8Aのシート処理装置200aに該当する大容量スタッカにより実行させる。
以上の如く、制御部205は、本システム1000が具備するシート処理装置にて実行可能な種類のシート処理に対応する選択候補の中からユーザが所望の種類のシート処理の実行要求を、UI部を介して、印刷実行要求と共に、受付可能に制御する。且つ、本形態で提供するUI部を介して処理対象となるジョブの印刷実行要求をユーザから受付け事に応答し、該ジョブにて要する印刷処理をプリンタ部203により実行させる。且つ、そのプリント処理がなされた該ジョブのシートに対して該ジョブにて要するシート処理を本システム1000のシート処理装置により実行させる。
尚且つ、本形態の特徴点の1例として、制御部205は、以下のような制御も本システム1000にて実行する。
例えば、システム1000が図8Aのようなシステム構成であるとする。換言すると、印刷システム1000が、印刷装置100→大容量スタッカ→糊付け製本機→中綴じ製本機の順で接続されているとする。この場合のシステム構成内部の状況は、図8Bに示すような構成になる。
図8Bは、印刷システム1000の構成が図8Aのシステム構成の場合における印刷システム1000全体の装置断面図を示している。且つ、図8Bの装置構成は、図8Aの装置構成に対応している。
図8Bでは、システム1000全体の装置断面図を示している。且つ、図8Bの装置構成は、図8Aの装置構成に対応している。
図8Bの装置内部構成からも明らかなように、印刷装置100のプリンタ部203で印刷されたシートは、各シート処理装置の内部へと供給可能に構成されている。具体的には、図8Bに示すが如く、各シート処理装置は、装置内部におけるA点、B点、C点を介して、シートを搬送可能な、シート搬送路を、夫々、具備する構成である。
且つ、図8Bのシート処理装置200aや200b等、各インラインタイプのシート処理装置は、自装置にて実行可能なシート処理が処理対象となるジョブにて必要でなくても、自装置よりも前に接続されている前段の装置からシートを受取る機能を具備する。且つ、該前段装置から受取ったシートを、自装置よりも後ろ接続されている後段の装置へと渡す機能を具備する。
このように、本形態の印刷システム1000は、処理対象のジョブにて要するシート処理とは異なるシート処理を実行するシート処理装置が前段の装置から後段の装置へと処理対象となるジョブのシートを搬送する機能を具備する。この構成も、本形態の特徴点の1例である。
以上が如くのシステム構成を前提とし、例えば、印刷システム1000が図8A、8Bに示すシステム構成である場合、上記のような方法でUI部を介して印刷実行要求がユーザからなされたジョブに対して、制御部205は、以下に例示する制御を当該システム1000の為に実行する。ここでは、システム1000の構成が図8A、8Bに示すシステム構成である事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御例として、図8Bの(ケース1)と称する制御例、及び、図8Bの(ケース2)と称する制御例、及び、図8Bの(ケース3)と称する制御例、を、それぞれ、順番に説明する。
まず、システム1000の構成が図8A、8Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図8Bの(ケース1)の制御例について、説明する。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bのシステム構成である場合において、ユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
このスタッカジョブを、システム1000が図8A、8Bに示すシステム構成である場合において当該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図8BのA点を通過させて、大容量スタッカによるシート処理を実行させる。且つ、この大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)がなされたスタッカジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図8Bのシステムにおける、該大容量スタッカの後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図8Bに示す大容量スタッカ内部の排紙先Xにて、保持させる。
この図8Bの排紙先Xにホールドされたスタッカジョブの印刷物は、この排紙先Xの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図8Bのシート搬送方向最下流の排紙先Zにシートを搬送して、該個所から該スタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図8Bの(ケース1)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図8A、8Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図8Bの(ケース2)の制御例について、説明する。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bのシステム構成である場合において、ユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て糊付け製本機によるシート処理(exくるみ製本処理、又は、天糊製本処理)を要するジョブであるとする。ここではこのジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。
この糊付け製本ジョブを、システム1000が図8A、8Bに示すシステム構成である場合において当該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図8BのA点及びB点を通過させて、糊付け製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この糊付け製本機によるシート処理(exくるみ製本処理、又は、天糊製本処理)がなされた糊付け製本ジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図8Bのシステムにおける、該糊付け製本機の後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図8Bに示す糊付け製本装置内部の排紙先Yにて、保持させる。
この図8Bの排紙先Yにホールドされた糊付け製本ジョブの印刷物は、この排紙先Yの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図8Bのシート搬送方向最下流の排紙先Zにシートを搬送して、該個所から該糊付け製本ジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図8Bの(ケース2)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図8A、8Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図8Bの(ケース3)の制御例について、説明する。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bに示すシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て中綴じ製本処理によるシート処理(例えば、中綴じ製本、又はパンチ処理、又は断裁処理、又はシフト排紙処理、又は折り処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを、システム1000が図8A、8Bに示すシステム構成である場合において当該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図8BのA点及びB点及びC点を通過させて、中綴じ製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この中綴じ製本機による上記シート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷結果を、他装置へ搬送させずに、そのまま、図8Bに示す中綴じ製本装置の排紙先Zにて、保持させる。
尚、図8Bの排紙先Zは複数の排紙先候補がある。これは、後述の図13の説明のように、本形態の中綴じ製本機は、複数種類のシート処理を実行可能であり、各シート処理毎に排紙先を異ならせる構成である事に起因する。
以上の、本印刷システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図8Bの(ケース3)の制御例に該当する。
以上の如く、本形態の制御部の一例に該当する制御部205は、HDD209に記憶された本システム1000のシステム構成情報に基いたペーパハンドリング制御も、実行する。
尚、このシステム構成情報に該当する情報は、インラインフィニッシャを具備しているか否かの情報、インラインフィニッシャを具備している場合の、その装置の台数の情報、その装置の能力情報である。又、複数台のインラインフィニッシャを具備する場合には、それらの接続順序情報も、これに該当する。
図1〜図3、図8A、8B等で説明したように、本形態の印刷システム1000は、印刷装置100に対して、複数台のインラインタイプのシート処理装置を接続可能に構成している。且つ、図8A、8B及び後述する図9A、9Bや図10A、10Bを対比参照しても明白なように、これら複数台のインラインタイプのシート処理装置は、それぞれ独立に接続したり、外したり、自由な組合せで、印刷装置100に対して、取付可能に構成している。また、これら複数台のインラインタイプのシート処理装置の接続順序も、物理的に接続できれば、自由に組み合わせることができる。但し、本形態では、これらのシステムに構成に関し、制約事項も設けている。
例えば、本システム1000にてインラインタイプのシート処理装置として利用を許可する装置は、以下の構成要件を具備する装置としている。
自装置にて実行可能なシート処理を要するジョブのシートに対するシート処理を自装置自身で実行可能であり、且つ、自装置自身によるシート処理を要さないジョブのシートを前段の装置から受け取り後段装置へ渡すシート搬送機能を具備するシート処理装置。例えば、本例では、図8A、8Bや後述する図9A、9Bのシステム構成で示す、大容量スタッカ及び糊付け製本機が、これに該当する。
尚且つ、本形態では、上記構成に該当しないシート処理装置も、インラインタイプのシート処理装置として本システム1000にて利用を許可している。例えば、以下の要件を満たす装置がこれに該当する。
自装置にて実行可能なシート処理を要するジョブのシートに対するシート処理を自装置自身で実行可能である反面、自装置自身によるシート処理を要さないジョブのシートを前段の装置から受け取り後段の装置へ渡すシート搬送機能を具備しない、シート処理装置。例えば、本例では、図8A、8Bや後述する図9A、9Bや図10A、10Bのシステム構成で示す、中綴じ製本機が、これに該当する。但し、このような装置に対しては制約事項を設けている。
例えば、上記の如く、後段装置へのシート搬送機能が無い構成のインラインフィニッシャ(例えば図8A、8Bの中綴じ製本機)を本印刷システム1000にて利用する場合には、この装置の利用台数を1台のみとする。但し、これ以外のタイプのインラインフィニッシャを同時に利用することは許可する。
例えば、図8A、8Bや後述する図9A、9Bのシステム構成で示すが如く、大容量スタッカや糊付け製本機を、中綴じ製本機と併用して利用することは許可する。但し、このように、複数台のシート処理装置をカスケード接続して利用する場合、上記後段装置へのシート搬送機能を具備しないインラインタイプのシート処理装置は、シート搬送方向最下流に位置するように設置させる。
例えば、図8A、8Bや後述する図9A、9Bのシステム構成で示すが如く、中綴じ製本機は、システム1000にて1番最後に接続するように構成する。換言すると、図8A、8Bや後述する図9A、9Bのシステム構成とは異なるシステム構成として、大容量スタッカと糊付け製本機との間に上記中綴じ製本機を接続するように本システムにて構成する事は禁止する。
以上のような制約事項を遵守した範囲内での運用を行うよう本システムが具備する制御部は本システム1000を統括的に制御する。
この1例として、例えば、制御部205は、上記制約に違反するような接続順序でインラインタイプのシート処理装置が接続された場合には、UI部に警告表示を実行させる。又、例えば、上述した構成が如く、複数台のシート処理装置の接続順番をUI部を介してユーザ自身により入力させる構成の場合に、制御部205は、上記制約に違反するようなユーザ設定は無効にするよう制御する。例えば、不適正な接続の設定を阻止するべくグレーアウト表示や網掛け表示を実行させる。
以上のような構成を採用することで、本形態のような構成を採用する場合にて、ユーザ誤操作や装置誤動作等の発生を未然防止できる。即ち、本形態で述べている効果が更に向上する。
このような構成を前提とし、本形態では、上記制約事項を遵守する範囲内において、本システム1000のシステム構成を柔軟に構築可能に構成する。
例えば、インラインタイプのシート処理装置の接続順序や接続台数を、上記制約事項を遵守した範囲内で、PODシステム10000のオペレータにより任意に決定変更可能に構成する。且つ、本システム1000は、当該システム構成状況に応じた制御を実行する。この一例を以下に示す。
例えば、図8Aのシステム構成における複数台のインラインタイプのシート処理装置の接続順序を変更したシステム構成の1例として、図9Aのようなシステム構成も構築可能に本印刷システム1000を構成している。
図9Aのシステム構成は、図8Aのシステム構成と比較して、本システム1000が具備する複数台のインラインシート処理装置の接続順序が異なる。具体的には、印刷システム1000が、印刷装置100→糊付け製本機→大容量スタッカ→中綴じ製本機の順で接続されている。この場合のシステム構成内部の状況は、図9Bに示すような構成になる。
図9Bは、印刷システム1000の構成が図9Aのシステム構成の場合における印刷システム1000全体の装置断面図を示す。且つ、図9Bのシステム構成は、図9Aのシステム構成の内部構成に対応している。
図9Bのシステム内部構成も、先のシステム構成例と同様に、印刷装置100のプリンタ部203で印刷されたシートを、各シート処理装置内部へ供給可能に構成されている。具体的には、図9Bに示すが如く、装置内部におけるA点、B点、C点を介して、プリンタ部203からのシートを搬送可能なシート搬送路を具備する。
しかも、図9A、9Bのシステム構成も、上記制限事項を遵守したシステム構成となっている。例えば、上述したように、中綴じ製本機は、シート搬送方向最下流になるよう、各シート処理装置を本印刷装置100にカスケード接続している。
以上の構成を前提とし、例えば印刷システム1000のシステム構成状況が、図9A、9Bに示すシステム構成である場合、上記のような方法でUI部を介して印刷実行要求がユーザからなされたジョブに対して、制御部205は以下に例示する制御を実行する。ここでは、システム1000の構成が図9A、9Bに示すシステム構成である事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御例として、図9Bの(ケース1)と称する制御例、及び、図9Bの(ケース2)と称する制御例、及び、図9Bの(ケース3)と称する制御例、を、それぞれ、順番に説明する。
まず、システム1000の構成が図9A、9Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図9Bの(ケース1)の制御例について、説明する。例えば、システム1000の構成が図9A、9Bに示すシステム構成である場合にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
このスタッカジョブを、システム1000が図9A、9Bに示すシステム構成である場合において当該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図9BのA点及びB点を通過させて、大容量スタッカによるシート処理を実行させる。且つ、この大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)がなされたスタッカジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図9Bのシステムにおける、該大容量スタッカの後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図9Bに示す大容量スタッカ内部の排紙先Yにて、保持させる。
この図9Bの排紙先Yにホールドされたスタッカジョブの印刷物は、この排紙先Yの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図9Bのシート搬送方向最下流の排紙先Zにシートを搬送して、該個所から該スタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図9Bの(ケース1)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図9A、9Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図9Bの(ケース2)の制御例について、説明する。例えば、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て糊付け製本機によるシート処理(例えば、くるみ製本処理、又は、天糊製本処理)を要するジョブであるとする。ここではこのジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。
この糊付け製本ジョブを、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図9BのA点を通過させて、糊付け製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この糊付け製本機によるシート処理(exくるみ製本処理、又は、天糊製本処理)がなされた糊付け製本ジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図9Bのシステムにおける、該糊付け製本機の後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図9Bに示す糊付け製本装置内部の排紙先Xにて、保持させる。
この図9Bの排紙先Xにホールドされた糊付け製本ジョブの印刷物は、この排紙先Xの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図9Bのシート搬送方向最下流の排紙先Zにシートを搬送して、該個所から該糊付け製本ジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図9Bの(ケース2)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図9A、9Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図9Bの(ケース3)の制御例について、説明する。例えば、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て中綴じ製本処理によるシート処理(例えば、中綴じ製本、又はパンチ処理、又は断裁処理、又はシフト排紙処理、又は折り処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図9BのA点及びB点及びC点を通過させて、中綴じ製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この中綴じ製本機による上記シート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷結果を、他装置へ搬送させずに、そのまま、図9Bに示す中綴じ製本装置の排紙先Zにて、保持させる。
尚、図9Bの排紙先Zは複数の排紙先候補がある。これは、後述の図13の説明のように、本形態の中綴じ製本機は、複数種類のシート処理を実行可能であり、各シート処理毎に排紙先を異ならせる構成である事に起因する。
以上の、本印刷システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図9Bの(ケース3)の制御例に該当する。
以上の図8A、8B、図9A、9Bに例示した如く、本印刷システム1000は、インラインシート処理装置として利用を許可する複数台のシート処理装置の接続順序を、上記制約事項の範囲内で、柔軟に、組換え変更可能に構成している。このように、本形態で上述する効果を最大限に発揮する為の仕組みを多数盛り込んでいる。
この観点で、本形態では、図8A、8Bや図9A、9Bのようなシステム構成以外の構成も、本システム1000にて、適宜、構築可能に構成している。この一例を以下に説明する。
例えば、図8A、8Bや図9A、9Bのシステム構成では、インラインタイプのシート処理装置を3台具備するシステム構成を説明した。本形態では、インラインタイプのシート処理装置の台数を上記のような制約事項を遵守した範囲内で任意にユーザが決定可能に構成している。
この1例として、図10Aのようなシステム構成も構築可能に本印刷システム1000を構成している。
図10Aのシステム構成は、図8Aや図9Aのシステム構成とはシート処理装置の接続台数が異なる。具体的には、印刷システム1000が、印刷装置100→大容量スタッカ→中綴じ製本機の順序で、2台接続されている。この場合のシステム構成内部の状況は、図10Bに示すような構成になる。
図10Bは、印刷システム1000の構成が図10Aのシステム構成の場合における印刷システム1000全体のシステム構成断面図を示す。且つ、図10Bの装置構成は、図10Aの装置構成に対応している。
図10Bの装置内部構成も、先のシステム構成例と同様に、印刷装置100のプリンタ部203で印刷されたシートを、各シート処理装置内部へ供給可能に構成されている。具体的には、図10Bに示すが如く、装置内部におけるA点、B点、を介して、シートを搬送可能な、シート搬送路を、具備する。しかも、上記制限事項を遵守したシステム構成となっている。例えば、上述したように、中綴じ製本機は、シート搬送方向最下流になるよう、各シート処理装置を接続している。
このような構成を前提とし、例えば印刷システム1000のシステム構成状況が図10A、10Bに示すシステム構成である場合、上記のような方法でUI部を介して印刷実行要求がユーザからなされたジョブに対して制御部205は以下に例示する制御を実行する。ここでは、システム1000の構成が図10A、10Bに示すシステム構成である事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御例として、図10Bの(ケース1)と称する制御例、及び、図10Bの(ケース2)と称する制御例、及び、図10Bの(禁則制御)と称する制御例、を、それぞれ、順番に説明する。
まず、システム1000の構成が図10A、10Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図10Bの(ケース1)の制御例について、説明する。例えば、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
このスタッカジョブを、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図10BのA点を通過させて、大容量スタッカによるシート処理を実行させる。且つ、この大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)がなされたスタッカジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図10Bのシステムにおける、該大容量スタッカの後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図10Bに示す大容量スタッカ内部の排紙先Xにて、保持させる。
この図10Bの排紙先Xにホールドされたスタッカジョブの印刷物は、この排紙先Xの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図10Bのシート搬送方向最下流の排紙先Yにシートを搬送して、該個所から該スタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図10Bの(ケース1)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図10A、10Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図10Bの(ケース2)の制御例について、説明する。例えば、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て中綴じ製本処理によるシート処理(例えば、中綴じ製本、又はパンチ処理、又は断裁処理、又はシフト排紙処理、又は折り処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図10BのA点及びB点を通過させて、中綴じ製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この中綴じ製本機による上記シート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷結果を、他装置へ搬送させずに、そのまま、図10Bに示す中綴じ製本装置の排紙先Yにて、保持させる。
尚、図10Bの排紙先Yは複数の排紙先候補がある。これは、後述の図13の説明のように、本形態の中綴じ製本機は、複数種類のシート処理を実行可能であり、各シート処理毎に排紙先を異ならせる構成である事に起因する。
以上の、本印刷システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図9Bの(ケース2)の制御例に該当する。
但し、制御部205は、図10A、10Bのシステム構成の場合は、糊付け製本機が実行可能なシート処理(exくるみ製本処理or天糊製本処理)の実行要求をユーザから受付ける事を禁止する。この制御が、システム1000の構成が図10A、10Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図10Bの(禁則制御)である。この10Bの(禁則制御)の更なる詳細な具体例を以下に例示する。
例えば、本印刷システムが図10A、10Bのようなシステム構成状況である場合において、図7の表示をUI部に実行させる際には、表示キー707及び表示キー708の網掛け表示やグレーアウト表示になるよう制御部205によりUI部を制御する。換言すると、制御部205は、該キー707、708のユーザ操作を無効状態にする。
以上の如く、本システム1000が図10A、10Bのようなシステム構成である場合には、制御部205は、糊付け製本処理を本システム1000にて実行する事を禁止する。
この、本印刷システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する制御が、図10Bの(禁則制御)に該当する。
以上の説明の如く、制御部205は、本印刷システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置の接続台数に応じた各種制御を実行する。換言すると、システム1000にて実行可能なシート処理の種類に応じた各種制御を実行する。
以上、図8A〜図10B等の説明からも明らかなように、本印刷システム1000が具備する制御部は、本システム1000のシステム構成状況(インラインシート処理装置の接続台数や接続順序)毎に対応した各種制御を本システム1000にて実行する。
尚、何故、本形態にて本印刷システム1000にてインラインシート処理装置の接続順序や台数をユーザニーズに対応するよう柔軟に構築変更可能に構成しているか、この理由の1例を述べる。これは、全てユーザメリットを考慮しているからである。
例えば、まず、なぜ、本システム1000にて利用を許可するインラインタイプのシート処理装置は、各々、独立筐体で且つ印刷装置に対して着脱可能に構成しているかの理由を述べる。
この理由の1例としては、例えば、本システム1000の納品先となるPOD業者として、くるみ製本処理は必要ないが大容量積載処理は行いたい等の要望をもった業者等の存在に配慮した仕組みである。
換言すると、例えば、本システムの利用環境を想定してみると、上記9種類のシート処理の全てをインラインシート処理装置で実現したい等のニーズが予想される。一方、特定のシート処理のみインラインシート処理装置で実現した等のニーズも可能性としてはある。このように、納品先となる各POD業者毎にニーズも千差万別である事に対処する仕組みを提供する為である。
又、なぜ、本システム1000にて利用を許可するインラインタイプのシート処理装置の接続順序を上記制約事項の範囲内で任意に変更、組替えを、可能に構成しているかの理由を述べる。この理由は、なぜ、図8A、8Bや図9A、9Bに示すが如く、各インラインシート処理装置毎に印刷物をオペレータにより取出可能な排紙先を設けているのかの理由でもある。
この理由の一例としては、本印刷システム1000にて要求される複数のシート処理の利用頻度に応じて柔軟にシステムを構築可能にする方が、本システム1000の利用者の利便性が向上すると考えるからである。
例えば、図1のPODシステム10000を保有するPOD業者では、顧客より依頼される印刷形態のニーズが、ユーザマニュアルやガイドブック等、くるみ製本処理を要する印刷ジョブが比較的多い傾向にあるとする。このような利用環境の場合、図8A、8Bのような接続順序でシステム1000を構築するよりも、図9A、9Bのような接続順序でシステム1000を構築する方が利便性がある。
換言すると、印刷装置100に対して、より近い個所に、糊付け製本機を接続した方が使い勝手が良い。これは、くるみ製本ジョブにて要するくるみ製本処理を実行する為に必要な装置内部におけるシートの搬送距離を短い方が効果的である事に起因する。
例えば、シート搬送距離がながければ長いほど、そのジョブの最終成果物である印刷物の完成に要する時間が長くなる。又、シート搬送距離が長ければ長いほど、シート搬送動作中における装置内部でのジャム発生率が、高くなる可能性が予想される。このような理由によるものである。
即ち、くるみ製本ジョブがユーザニーズとして多いようなPOD業者の場合には、図8A、8Bのシステム構成よりも図9A、9Bのシステム構成を採用する方が、くるみ製本ジョブの印刷物を作成するうえで必要なシート搬送距離が短くなる。且つ、迅速に印刷物を取出すことが出来る。
換言すると、例えば、上記業者とは別のPOD業者では、シートの大量積載を要するジョブの方が多い傾向にあるとする。この場合には、図9A、9Bのシステム構成よりも図8A、8Bのシステム構成の方が、スタッカジョブの印刷物を作成するうえで必要なシート搬送距離が短くなる。且つ、迅速に印刷物を取出すことが出来る。
このように、本形態は、如何に、効率よく、利用環境に適した柔軟なシステム形態で、本印刷システム1000にて複数のジョブの生産性を向上させるかに着目している。その上で、このような本システム1000を利用するユーザからの立場にたった利便性を追求した多数の仕組みを提供可能に構成している。
次に、図8A〜図10Bで例示した本システム1000にて具備可能な各種インラインタイプのシート処理装置の内部構成の具体例を、各シート処理装置毎に、個別に例示する。
[大容量スタッカの内部構成]
図11は、図8A〜図10Bに例示した、本形態にて、制御部205により制御対象となる、大容量スタッカの内部構成断面図の1例を示す。
当該大容量スタッカ内部には、印刷装置100からのシートの搬送経路として、大きく分けて、3つに分かれている。この1例として、図11に示すが如く、1つは、ストレートパスである。1つは、エスケープパスである。1つは、スタックパスである。このように3つのシート搬送路が内部に設けられている。
尚、図11の大容量スタッカ及び後述する図12の糊付け製本機の各装置が具備するストレートパスは、前段装置から受取ったシートを後段装置へ渡す為の機能を果たすが為に、本例ではインラインシート処理装置におけるスルーパスとも呼ぶ。
大容量スタッカ内部に具備するストレートパスは、該装置が具備する積載ユニットによるシートの積載処理を要さないジョブのシートを後段の装置へ渡す為のシート搬送路である。換言すると、当該シート処理装置自身によるシート処理が要求されていないジョブのシートを、上流の装置から下流の装置へと搬送する為のユニットである。
又、大容量スタッカ内部に具備するエスケープパスは、スタックせずに、出力したい場合に用いられる。例えば、後続のシート処理装置が接続されていない場合に、出力の確認作業(プルーフプリント)等を行う場合に、スタックトレイからの取出しを簡略化するべく、当該エスケープパスに印刷物を搬送して、該トレイから印刷物を取出可能にする。
尚、この大容量スタッカ内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知するのに要する複数のシート検知センサが設けられている。
大容量スタッカの不図示のCPUは、これら各センサからのシート検知情報を、制御部205とのデータ通信を行う為の信号線(図2に示す、シート処理装置200と制御部205とを電気的接続関係にする信号線)を、介して、制御部205に通知する。制御部205は、この大容量スタッカからの情報に基き、大容量スタッカ内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、本印刷システムのシステム構成として、このシート処理装置装置と印刷装置100の間に他のシート処理装置がカスケード接続されている場合、そのシート処理装置のCPUを介して、この大容量スタッカのセンサの情報を、制御部205に通知する構成となっている。このように、インラインフィニッシャ固有の構成を具備する。
又更に、大容量スタッカ内部に具備するスタックパスは、該装置が具備する積載ユニットによるシートの積載処理を要するジョブのシートに対する積載処理を、該装置により実行させる為のシート搬送路である。
例えば、本システム1000が図8A〜図10Bに示した大容量スタッカを具備しているとする。このシステム構成状況において、制御部205が、例えば図7の表示のキー709のキー操作により、処理対象のジョブの為に、当該スタッカにて実行可能なシートの積載処理の実行要求を、UI部を介してユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、この大容量スタッカが具備するスタックパスへシートを搬送するよう制御する。スタックパスへ搬送されたシートはスタックトレイへ排紙する。
図11のスタックトレイは、伸縮可能なステイなどの上に載置される積載ユニットである。このスタックトレイとの結合部には、ショックアブソーバ等が付けられている。制御部205は、このスタックトレイを用いて、処理対象となるジョブの印刷済みシートの積載処理を該大容量スタッカによる実行させるよう制御する。伸縮可能なステイの下は台車となっており、不図示の取っ手を付けると台車として、上に載せたスタック出力を別のオフラインフィニッシャなどに運べるようになっている。
スタッカ部の前ドアが閉まっているときは、伸縮可能なステイはスタック出力が積載されやすい上の位置に上昇し、前ドアがオペレータにより開けられる(あるいは、開ける指示がなされる)とスタックトレイは、下降する仕組みになっている。
また、スタック出力の積み方には、平積みとシフト積みがあって、平積みは、文字通り常に同じ位置に積む。シフト積みは、ある決められた部数単位、ジョブ単位などで奥手前方向にシフトして、出力に区切りを作って、出力を扱いやすいように積む方法である。
このように、本システム1000にてインラインタイプのシート処理装置として利用を許可する対象の当該大容量スタッカは、プリンタ部203からのシートの積載処理を実行するにあたり、複数種類の積載方法を実行可能に構成されている。制御部205は、このような各種動作の制御を装置に対して実行する。
[糊付け製本装置の内部構成]
図12は、図8A〜図10Bに例示した、本形態にて、制御部205により制御対象となる、糊付け製本装置の内部構成断面図の1例を示す。
当該糊付け製本装置内部には、印刷装置100からのシートの搬送経路として、大きく分けて、3つに分かれている。この1例として、図12に示すが如く、1つは、ストレートパスである。1つは、本身パスである。1つは、表紙パスである。このように3つのシート搬送路が内部に設けられている。
図12の糊付け製本装置内部に具備するストレートパス(スルーパス)は、該装置が具備する糊付け製本ユニットによるシートの糊付け製本処理を要さないジョブのシートを後段の装置へ渡す為の機能を果たすシート搬送路である。換言すると、当該シート処理装置自身によるシート処理が要求されていないジョブのシートを、上流の装置から下流の装置へと搬送する為のユニットである。
尚、この糊付け製本機内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知するのに要する複数のシート検知センサが設けられている。
糊付け製本機の不図示のCPUは、これら各センサからのシート検知情報を、制御部205とのデータ通信を行う為の信号線(図2に示す、シート処理装置200と制御部205とを電気的接続関係にする信号線)を、介して、制御部205に通知する。制御部205は、この糊付け製本機からの情報に基き、糊付け製本機内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、本印刷システムのシステム構成として、このシート処理装置装置と印刷装置100の間に他のシート処理装置がカスケード接続されている場合、そのシート処理装置のCPUを介して、この糊付け製本装置のセンサの情報を、制御部205に通知する構成となっている。このように、インラインフィニッシャ固有の構成を具備する。
又、図12の糊付け製本装置内部に具備する本身パスと表紙パスは、くるみ製本印刷物を作成する為のシート搬送路である。
例えば、本形態では、くるみ製本印刷処理として、本文となる印刷データの印刷処理をプリンタ部203で実行させる。且つ、この印刷されたシートをくるみ製本印刷物の1束分の出力物における本文部分として利用可能にする。このように、くるみ製本にて本文(中身)部分に該当する印刷データが印刷された本文部分のシート束を、本例では「本身」と呼ぶ。且つ、この本身を表紙用の1枚のシートでくるむ処理を、くるみ製本処理にて実行する。この表紙としてのシートを、表紙パスを介して搬送する。他方、本身となる、プリンタ部203でプリントした印刷用紙は、本身パスへ搬送するよう制御部205が各種シートの搬送制御を実行する。
このような構成のもと、例えば、制御部205が、例えば図7の表示のキー707のキー操作により、処理対象のジョブの為に、当該糊付け製本機にて実行可能なくるみ製本処理の実行要求を、UI部を介してユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、以下のように当該装置を制御する。
例えば、プリンタ部203で印刷されたシートを、図12の本身パスを介して、順次スタック部に蓄える。且つ、処理対象となるジョブの1冊分のシートにて要する本文データが印刷されたシートを、全ページ、該スタック部に蓄えたうえで、表紙パスを介して、該ジョブにて要する表紙用のシートを、搬送させる。
尚、くるみ製本に関し、本形態の特徴点の1つに関連する事項が存在する。例えば、本例にて糊付け製本処理の1例に該当するくるみ製本処理では、1束分のシート束として処理可能なシート処理枚数が、当該糊付け製本処理とは異なる種類のシート処理にて1束分のシート束として処理可能なシート処理枚数よりも、圧倒的に多い。例えば、くるみ製本処理にて1束分の本文用のシート束として最大200枚まで処理を許容する。一方、ステイプル処理等は、最大20枚、中綴じ製本では最大15枚まで、1束分のシート処理として印刷用紙を処理する事を許可する。このように、1束分のシート束としてシート処理を許可する印刷用紙の許容枚数は、糊付け製本処理と、その他のシート処理では、圧倒的に異なる。
このように、本形態では、制御部205により制御対象となるインラインタイプのシート処理装置により、くるみ製本処理という糊付け製本処理を実行可能に構成している。且つ、オフィス環境では要求すらされなかったインラインタイプのシート処理装置により実行可能なフィニッシィングとして全く新規のフィニッシィングを提供可能に構成している。換言すると、POD環境を想定した仕組みの1つであり、且、後述する制御に関連する構成である。
尚、くるみ製本にて、表紙用のシートとして、図12に示すが如く、糊付け製本装置自身が具備するインサータのインサータトレイから搬送対象となる、表紙用のデータが予め印刷済みのプレプリントシートを利用可能に構成している。又、印刷装置100自身により表紙用の画像を印刷させたシートも利用可能に構成している。これら何れかのシートを表紙用のシートとして、表紙パスへ搬送させる。そして、スタック部の下方部分にて、当該表紙用のシートの搬送を一時停止させる。
この動作に並行して、スタック部に積載済みの本文全ページが印刷済みの複数枚のシートで構成される本身に対して、糊付け処理を実行する。例えば、糊付け部は、所定量の糊を本身の下部に塗布して、十分に糊が行き渡ったところで、本身の糊付けされた部分を表紙の中央部にあてがい、包み込むように結合させる。結合に当たっては、本身を下方に押し込むように送り出すため、表紙にくるまれた本身は、ガイドに添って、回転台の上に滑り落ちる。その後、ガイドは、表紙にくるまれた本身を回転台の上に倒すように移動する。
回転台の上に寝た表紙にくるまれた本身を、幅寄せ部で位置合わせを行って、まず、小口となる部分をカッターで断裁する。次に、回転台を90度回転して、幅寄せ部で位置合わせを行い、天となる部分を断裁する。更に、180度回転して、幅寄せ部で位置合わせを行い、地となる部分を断裁する。
断裁後は、再度幅寄せ部で奥まで押しやって、出来上がった表紙にくるまれた本身をバスケット部に入れる。
バスケット部で十分に糊を乾かした後、出来上がったくるみ製本の束を取り出すことができる。
このように、糊付け製本機は、UI部を介して印刷実行要求と共に糊付け製本処理の実行要求がユーザからなされた処理対象のジョブのシートに対する糊付け製本処理を実行する糊付けユニットを具備している。
又、上述したように、本形態にて、インラインタイプのシート処理装置により実行可能に構成した糊付け製本処理は、上記構成に示すが如く、他の種類のシート処理と比較して、処理工程が多い。且つ、実際に糊付け処理をシート束に施す前に準備すべき処理も多い。例えば、糊をシート束につける為に、その糊自体を溶解する処理等が前準備として必要である。換言すると、糊付け製本処理は、ステイプルや中綴じ製本のようなオフィス環境にて利用可能性のあるシート処理とは全く構成が異なる種類のシート処理であるといえる。且つ、ユーザから要求されたシート処理を完結されるのに要する処理時間も、他のフィニッシィングに比べ、糊付け製本処理は、長くなる事が予想される。本形態では、このような点についても、着目している。
このように、糊付け製本機能1つをとっても分るように、本形態では、例えば、オフィス環境のみ留まらず、POD環境等の全く新しい印刷環境でも充分に通用する、利便性や生産性を追求した、印刷システム、製品の、実用化を目指す為の仕組みを採用している。換言すると、例えば、くるみ製本機能や大量積載機能等、オフィス環境では全く未対処であった新機能をPOD環境でも活用可能に構成要件として具備している。又、図8A〜図10Bに例示するが如く、印刷装置に対して、インラインタイプのシート処理装置を複数台接続可能にしたシステム構成自体についても、上記目的を果たすが為の仕組みである。
ここで、特筆すべきは、例えば、本形態は、単に、上記のような新規の機能やシステム構成を具備する事のみに留まらず、当該機能構成を採用する事で想定されうるユースケースやユーザニーズ等、対処すべき課題を事前に発見検討している点である。且つ、その課題に対する解決手法となる構成要件をも具備する点が特徴点の1つに該当する。このように、本形態では、事務機メーカが新規市場の開拓参入するうえで、新規に搭載する機能やシステム構成に対する市場要望等を、課題として、事前に、発見検討し、その課題に対する解決手法をも念頭に入れた仕組みを構成として採用している。このような点も本形態の特徴的要件の1つに該当する。この具体的に構成要件の1例として、制御部205により本形態にて各種制御を実行している。
[中綴じ製本装置の内部構成]
図13は、図8A〜図10Bに例示した、本形態にて、制御部205により制御対象となる、中綴じ製本機の内部構成断面図の1例を示す。
当該中綴じ製本装置内部には、印刷装置100からのシートに対してステイプル処理や断裁処理やパンチ処理や折り処理がシフト排紙処理等を選択的に実行可能にするための各種ユニットを具備している。但し、当該中綴じ製本機は、上記制約事項で述べたように、後段装置へのシート搬送機能の役目を果たすスルーパスを具備しない。
尚、この中綴じ製本機内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知するのに要する複数のシート検知センサが設けられている。
中綴じ製本機の不図示のCPUは、これら各センサからのシート検知情報を、制御部205とのデータ通信を行う為の信号線(図2に示す、シート処理装置200と制御部205とを電気的接続関係にする信号線)を、介して、制御部205に通知する。制御部205は、この中綴じ製本機からの情報に基き、中綴じ製本機内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、本印刷システムのシステム構成として、このシート処理装置装置と印刷装置100の間に他のシート処理装置がカスケード接続されている場合、そのシート処理装置のCPUを介して、この中綴じ製本装置のセンサの情報を、制御部205に通知する構成となっている。このように、インラインフィニッシャ固有の構成を具備する。
又、例えば、図13に示すが如く、サンプルトレイ、スタックトレイ及び、ブックレットトレイが設けられており、制御部205は、ジョブの種類や排出される記録紙の枚数に応じて利用するユニットを切り替えるよう制御する。
例えば、制御部205が、図7の表示のキー701のキー操作により、処理対象のジョブの為に、当該中綴じ製本機にて実行可能なステイプル処理の実行要求を、UI部を介してユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、プリンタ部203からのシートを、スタックトレイ側へ搬送するよう制御する。尚、この際、記録紙がスタックトレイに排出される前に、記録紙をジョブ毎に中綴じ製本部の内部の処理トレイに順次蓄えておき、該処理トレイ上にてステープラにてバインドして、その上で、スタックトレイへ、該記録紙束を束排出する。このような方法でプリンタ部203にて印刷されたシートに対するステイプル処理を当該装置により実行させる。
その他、紙をZ字状に折るためのZ折り機、ファイル用の2つ(または3つ)の穴開けを行うパンチャがあり、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理を行う。例えば、出力すべきジョブに対する記録紙処理に関する設定としてユーザにより操作部を介してZ折り処理設定がなされた場合には、そのジョブの記録紙に対してZ折り機により折り処理を実行させ、その上で、機内を通過させて、スタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。又、例えば、出力すべきジョブに対する記録紙処理に関する設定としてユーザにより操作部を介してパンチ処理設定がなされた場合には、そのジョブの記録紙に対してパンチャによるパンチ処理を実行させ、その上で、機内を通過させて、スタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。
又、サドルステッチャ部は、記録紙の中央部分を2ヶ所バインドした後に、記録紙の中央部分をローラに噛ませることにより記録紙を半折りし、パンフレットのようなブックレットを作成する中綴じ製本処理を行う。
サドルステッチャ部で製本された記録紙は、ブックレットトレイに排出される。当該サドルステッチによる製本処理等の記録紙処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定された記録紙処理設定に基づく。
又、インサータはインサートトレイにセットされた記録紙をプリンタへ通さずにスタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイのいずれかに送るためのものである。これによって中綴じ製本部に送り込まれる記録紙(プリンタ部で印刷された記録紙)と記録紙の間にインサータにセットされた記録紙をインサート(中差し)することができる。インサータのインサートトレイにはユーザによりフェイスアップの状態でセットされるものとし、ピックアップローラにより最上部の記録紙から順に給送する。故に、インサータからの記録紙はそのままスタックトレイまたはサンプルトレイへ搬送することによりフェイスダウン状態で排出される。サドルステッチャへ送るときには、一度パンチャ側へ送り込んだ後スイッチバックさせて送り込むことによりフェースの向きを合わせる。
尚、当該インサータによる記録紙挿入処理等の記録紙処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定された記録紙処理設定に基づく。
又、本形態では、1例として、中綴じ製本装置内部に断裁部(トリマ部)も具備する。この説明を以下の行う。
中綴じ製本部においてブックレット(中綴じの小冊子)となった出力は、このトリマに入ってくる。その際に、まず、ブックレットの出力は、ローラで予め決められた長さ分だけ紙送りされ、カッタ部にて予め決められた長さだけ切断され、ブックレット内の複数ページ間でばらばらになっていた端部がきれいに揃えられることとなる。そして、ブックレットホールド部に格納される。尚、当該トリマによる断裁処理等の記録紙処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定された記録紙処理設定に基づく。
このように、中綴じ製本機は、UI部を介して印刷実行要求と共に中綴じ製本処理の実行要求がユーザからなされた処理対象のジョブのシートに対する中綴じ製本処理を実行する中綴じ製本ユニットを具備している。
尚、例えば、図7の表示のキー705によりユーザから中綴じ製本が選択された場合、制御部205は、UI部に図14の表示を実行させる。当該図14の表示を介して、制御部205は、中綴じ製本の詳細設定をユーザから受付可能に制御する。例えば、ステイプル針を用いて実際にシート中央付近に対する中綴じ処理を実行するか否かを決定可能にする。又、分割製本、中綴じ位置の変更、断裁の有無、あるいは、断裁幅の変更などの設定もユーザから受付け可能にする。
例えば、制御部205がUI部に実行させた図14の表示を介してユーザにより「中綴じ製本する」と「断裁する」が設定されたとする。この場合、制御部205は、中綴じ製本印刷結果として処理対象のジョブが図15のような印刷体裁になるよう本システム1000の動作制御を行う。図15の中綴じ製本印刷結果に示すが如く、サドルステッチが打たれて、小口側の断裁がなされる。また、サドルステッチの位置や断裁面の位置を予め設定しておけば、所望の位置に変更することができる。
又、例えば、図7の表示のキー707によりユーザからくるみ製本処理の実行要求がなされた場合、制御部205は、くるみ製本印刷結果として、処理対象のジョブが図16のような印刷体裁になるよう本システム1000を制御する。図16の1例に示すが如く、くるみ製本の場合の印刷物は、断裁面A、B及び、Cに関して、それぞれ断裁幅を設定することができる。
又、本印刷システム1000は、外部装置の一例に該当する情報処理装置からも処理対象となるジョブの印刷実行要求及びシート処理の実行要求を受付け可能に構成されている。以下、ホストコンピュータから本印刷システム1000を利用する場合の一例をもって説明する。
例えば、本実施形態の各種の処理や制御を実行する為のプログラムデータをWEB等のデータ供給源あるいは特定の記憶媒体からダウンロードしたホストコンピュータ(図1のPC103や104等)にて操作する場合、以下のように制御する。但し、制御の主体はPCの制御部である。
例えば、ユーザからのマウス或いはキーボード操作に応答し、本システム1000の印刷装置100を操作する為のプリンタドライバの起動指示がなされたとする。これを受け、該ホストコンピュータのCPUは、当該ホストコンピュータの表示部に、図17Aに示す印刷設定画面を表示させる。図17A、17Bは、本実施形態にて制御対象となる、ユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
ここで、例えば、当該図17A、17Bの操作画面上の仕上げキー1701がユーザのマウス操作により押下されたとする。すると、該ホストコンピュータのCPUは、当該印刷設定画面を、図17Bのような印刷設定画面に切り換えるよう表示部を制御する。
そして、該ホストコンピュータのCPUは、図17A、17Bの印刷設定画面上のシート処理設定項目1701を介して、本システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置200により実行させるべきシート処理の種類をユーザにより選択可能に制御する。
尚、ここでは、省略するが、該ホストコンピュータを含む外部装置においては、図17A、17B以外の画面として、本実施形態で詳述した各種の表示画面を介して入力可能な指示と同等の指示を入力可能にするための表示画面を表示させるように構成している。換言すると、本形態で述べる各種の処理や制御と同等の処理や制御を外部装置側にて実行可能に構成されている。
そして、ユーザにより、設定項目1701を介して所望のシート処理が選択され、図17A、17Bの画面に戻って、OKキーが押下されるとする。
これを受け、ホストコンピュータのCPUは、当該印刷設定画面を介してユーザにより設定された各種印刷条件を示すコマンドと、プリント部203によりプリントさせるべき一連のプリントデータとを、一つのジョブとして関連付けて、本システム1000に対して、ネットワーク101を介して送信する。
そして、該コンピュータからのジョブを、本システム1000の外部I/F部202が受信すると、これを受け、本システムの制御部205は、当該ホストコンピュータからのジョブを、該ホストコンピュータにてユーザにより設定された処理要件に基づいて、処理するよう本システム1000を制御する。
以上のように構成することで、外部装置等からのジョブでも、本形態で述べる各種の効果を得ることが出来、本システム1000の利用効率を更に向上させる事ができる。
本形態の印刷システム1000が具備する制御部は、以上で説明したような各種構成要件を前提として、後述する各種制御を実行する。
尚、図1〜図17Bを用いた説明した構成は、本実施形態にて述べる全ての実施形態にて共通する構成要件に該当する。換言すると、例えば、本形態にて述べる各種制御は、当該構成を前提とした構成要件に該当する。
図1〜図17Bを用いた上述の如く、本形態の印刷システム1000は、オフィス環境に留まらず、POD環境にも適した印刷環境を構築可能に構成している。
例えば、その1例として、オフィス環境では全く想定されえないPOD環境にて想定されうるユースケースやユーザニーズに対処可能な仕組みを採用している。
この1例として、例えば、POD環境では顧客から様々な印刷形態をPOD業者が受注可能に構成している。
具体例を挙げるならば、例えば、上記の如く、糊付け製本処理や大量積載処理等、オフィス環境ではユーザニーズとして要求されえないフィニッシィングをインラインシート処理装置により実現可能に構成している。換言すると、本形態は、ステイプル等のオフィス環境にて要求されうるニーズ以外のユーザニーズにもPOD環境を考慮して対処出来るように構成している。又、例えば、本印刷システム1000の納入対象となるPOD環境で商売をなすPOD業者におけるビジネス形態に柔軟に対応可能に構成している。
この1例として、例えば、上記の如く、複数台のインラインシート処理装置を印刷装置100に対して接続可能にし、且つ、各インラインシート処理装置毎に、独立筐体で且つ独立動作が可能に構成している。且つ、接続するシート処理装置も任意台数とし、本印刷システム1000にて柔軟にインラインシート処理装置の増設や変更等を可能にシステムを構成している。
尚、本形態では本印刷システム1000の利用者の操作性にも充分配慮した設計となっている。この1例として、例えば、本形態では、本印刷システム1000のシステム構成を、オペレータ自らが手動でHDD209に登録できる構成を説明した。故に、これを用いて例示する。
例えば、本印刷システム1000のシステム構成として、図8A、8Bに示すシステム構成をPOD業者にて構築したいと望んだとする。この場合、まず、該POD業者のオペレータにより、印刷装置100と共に購入した図8A、8Bの3台のシート処理装置を、図8A、8Bに示す接続順序で、印刷装置に接続してもらう。そのうえで、操作部204のユーザモードキー505を押下してもらう。この場合に、制御部205は、当該キー操作に応答し、表示部401に、図18Aの表示を実行させる。
図18Aの表示は、本印刷システム1000のシステム構成情報を、オペレータ自身によりマニュアル入力可能にする為の表示である。制御部205は、当該図18A〜18Dの表示を介して、印刷装置100に接続すべきインラインタイプのシート処理装置の種類をオペレータにより決定可能にする。且つ、制御部205は、当該図18A〜18Dの表示を介して、印刷装置100に接続する複数台のインラインタイプのシート処理装置の接続順序をオペレータにより決定可能にする。
且つ、制御部205は、図18Aの表示の各設定項目毎に設けた「詳細設定」キーがオペレータにより押下されたら、不図示の画面を表示させる。この画面で、1台ずつ、本印刷システムにて利用するシート処理装置を特定可能にする。しかも、本形態は、上述したように制約事項を遵守してもらっている故、この情報もガイダンス情報としてオペレータに通知する。例えば、制御部205は、図18Aに示すが如く、「印刷装置に接続する、シート処理装置の種類と接続順序を登録して下さい。最大5台まで接続できます。但し、中綴じ製本機は接続する装置の1番最後に接続して下さい。」なるガイダンスを通知する。尚、ここでは、インラインシート処理装置の接続台数を最大5台までとしているが、特にこれに限定しなくても良い。
尚、制御部205は、図18Aの設定項目の上から順番に、利用するシート処理装置を1台ずつ決定可能に表示部401を制御するが、この設定項目の上から順番に設定する設定順序自体が、実際の装置の接続順序として判断する。
上記構成のもと、例えば、本印刷システム1000のシステム構成を図8A、8Bに示すシステム構成にする場合、図18Bの表示のように、各シート処理装置の種類と、接続順番を登録してもらう。具体的には、図18Bの表示のように、設定項目の上から順番に「大容量スタッカ⇒糊付け製本機⇒中綴じ製本機」となるよう設定してもらう。この設定順序が、図8A、8Bに示すが如く、実際の接続順序として、制御部205が判断する。
一方、例えば、本印刷システム1000のシステム構成を図9A、9Bに示すシステム構成にする場合、図18Cの表示のように、各シート処理装置の種類と、接続順番を登録してもらう。具体的には、図18Cの表示のように、設定項目の上から順番に「糊付け製本機⇒大容量スタッカ⇒中綴じ製本機」となるよう設定してもらう。この設定順序が、図9A、9Bに示すが如く、実際の接続順序として、制御部205が判断する。
更に一方、例えば、本印刷システム1000のシステム構成を図10A、10Bに示すシステム構成にする場合、図18Dの表示のように、各シート処理装置の種類と、接続順番を登録してもらう。具体的には、図18Dの表示のように、設定項目の上から順番に「大容量スタッカ⇒中綴じ製本機」となるよう設定してもらう。この設定順序が、図10A、10Bに示すが如く、実際の接続順序として、制御部205が判断する。
このように、実際の現場のユースケースを想定した利便性を向上させるUI制御自体も本形態の特徴点の1つに該当する。
以上の図1〜図18Dを用いて上述した如く、本システム1000は、オフィス環境とはユースケースやユーザニーズも異なるPOD環境等をも見据えた、様々なユースケースやユーザニーズにも柔軟に対処可能な、製品の実用化に向けての様々な仕組みを具備する。
しかも、単に、上記のような新規な機能及び新規な構成を具備するに留まらず、本印刷システム1000の効果を最大限に発揮すべく、以下のような各種制御を、本システム1000にて実行可能に構成している。
この1例として、例えば、本印刷システムが具備する制御部は、以下のような制御を本印刷システム1000にて実行するよう制御している。
以下に例示の各種制御は、主に、本システム1000にて、以下のような状況を想定し、その中で生まれる課題や、それに対する具体的解決手法の1例に該当する制御例である。
例えば、本システム1000が利用されうる図1のPODシステム10000のような印刷環境のような多種多様なフィニッシィングを可能にした印刷環境をも念頭に入れた構成となっている。又、例えば、上記PODシステム10000のような環境下にて、顧客から、印刷部数が5部の印刷依頼を受注したが、4部は糊付け製本し、残り1部は穴あけ処理を実行して欲しい等の要求も、可能性としはあると考える。
上記ユースケースを換言すると、例えば、印刷データ自体は同一コンテンツではあるもののフィニッシングが異なる処理を実行してほしい等のユーザニーズが本システム1000にて想定されると考える。このような要求に対しては、印刷データ自体は同じであるが、フィニッシィングが異なる為に、次のような方法で対処することも1案ではある。例えば、1つのフィニッシィング単位で、印刷処理条件の設定や、印刷データの入力や、印刷データのメモリへの蓄積等の一連の作業を複数回行う。これにより、上記ニーズに対処する事も可能である。しかし、このような対処方法では、上記の如く、極力生産性や効率性を向上させる仕組みを搭載している本印刷システム1000における効率性や生産性に影響を及ぼす可能性があると考える。換言すると、このような対処方法では、POD環境等の、如何に、複数のジョブを処理するかが重要視される事が予想される印刷環境下では、改善事項として提案要求される可能性があると考える。しかし、このような改善提案要求は、そもそも、現状ではなされていない事もあり、これに対する具体的解決手法の提案にも至っていない状況にある。このようにPOD環境等のオフィスとは異なる環境の実際の現場のユースケースやニーズにも対処可能な製品の実用化にはまだまだ現実では至っていない状況である。換言すると、オフィス環境に留まらずPOD環境にも適応可能な印刷装置や印刷システム等を実用化するには、まだまだ検討の余地が残されていると考える。
そこで、本形態は、以上のような本システム1000の利用環境やユースケースやユーザニーズに対処する為にも、以下に例示の制御を本印刷システム1000にて実行可能に構成している。特に、本例では、例えば、オフィス環境とはユースケースもニーズも全く異なるPOD環境等にも適した印刷環境を提供可能に構成している。この1例として、本システム1000は、例えば、印刷対象のデータの内容自体は同じだが指定部数単位で様々な種類のフィニッシングを行いたい等の多種多様なニーズに対しても、高い生産性を維持して対処可能に、構成している。
尚、本例では、当該システム1000の制御部の一例に該当する制御部205が、以下に例示の各種制御(フローチャートの処理の各種ジョブ制御や以下に例示の各種UI画面をUI部に表示させる表示制御等)を、実行する。
又、本システム1000の制御部は、図24、図25、図29等を用いて例示する後述の一連の制御を本システム1000にて実行可能にするのみならず、次のような一連の制御も本システム1000にて実行可能に制御している。
例えば、制御部205は、テンキー506のユーザ操作により図6の表示を介して処理対象となるジョブにて必要な印刷部数を、ユーザから受付可能に制御している。且つ、制御部205は、図6の表示を介して設定された印刷部数分の印刷処理をプリンタ部203により実行させる。且つ、制御部205は、プリンタ部203により印刷されたジョブのシートに対して、図7の表示を介してユーザにより選択可能な9種類のシート処理のうちの、ユーザにより実行要求がなされた種類のシート処理を、シート処理装置200により実行させる。
このような構成を前提とし、制御部205が、図6の表示を介して、処理対象のジョブの処理条件としてユーザから受付けた印刷部数が、複数部数であるとする。この場合、制御部205は、その設定された複数部数分の印刷を該ジョブの印刷にてプリンタ部2により実行させる。且つ、該印刷がなされたジョブのシートに対して上記シート処理を実行させる際に、印刷部数1部数単位で、印刷された該ジョブのシート処理を実行させる。
上記制御を換言すると、制御部205は、処理対象となる複数部数の複数のシート束の1束単位でフィニッシングをシート処理装置により実行させる。ここで、上記のように処理対象となるジョブが、複数部数分の印刷を要するジョブの場合に、それら複数部数分の印刷物に該当する複数のシート束の各シート束の全てのシート束に対して、同一種類のシート処理を実行可能に、制御部205により、制御している。換言すると、制御部205は、複数部数分の印刷を要するジョブの各シート束毎に、同一種類のフィニッシングをシート処理装置200により実行可能にする。
又、上述のユースケースが如く、本形態で提供するUI部を介してユーザから印刷要求がなされた処理対象となるジョブが、複数部数分の印刷を要し、且つ、指定部数毎に異なるフィニッシングを要する、ジョブであるとする。この場合は、図6の表示及び図7の表示を介して、ユーザが望む複数種類のシート処理の各シート処理毎に(1種類単位で)、個別に印刷部数とフィニッシングの設定を行う。且つ、その印刷にて要する印刷対象となる印刷データを、HDD209に記憶させ、且つ、プリンタ部203で印刷させる。且つ、フィニッシングをシート処理装置200で実行させる。制御部205は、このような一連のユーザ設定並及び一連の装置の動作を、ユーザが望む複数種類のフィニッシング分だけ、繰り返し、本システム1000にて、実行させる。
上記の如く、本形態のUI部を介してユーザから印刷要求がなされた処理すべきジョブが、複数部数分の印刷を要し、且つ、該複数部数分の印刷のうちの特定部数分の印刷毎に特定種類のシート処理を要する、ジョブであるとする。この場合、本形態の制御部は、上記が如くの一連の制御を、本印刷システム1000にて実行可能に制御する。
この1例として、制御部205は、上記が如く、図6の表示で1種類分のシート処理の印刷部数をユーザから個別に受付け、及び、図7の表示で1種類分のフィニッシングの設定を1個分ユーザから受付け、及び、キー503で印刷開始要求の受付け、を含む一連のユーザ操作を受付ける。且つ、制御部205は、当該ユーザ操作に応答し、このジョブの印刷データのHDD209への記憶、プリンタ部203での印刷、シート処理200によるシート処理を含む一連の装置動作を実行させる。且つ、制御部205は、これら一連のユーザ操作及び一連の装置動作を、ユーザが要求する複数種類のシート処理の全てを完結するに必要な回数分、1種類のシート処理単位で、繰り返し、実行させる。
上記が如くの一連の制御を、本システム1000にて実行可能にすることで、上記ユースケースにも対処可能に構成している。
本形態では、上記のようなユースケースに対処可能な本システム1000にて制御部により実行可能にした上記一連の制御の事を、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンスによる制御」と定義している。
しかも、特筆すべきは、本形態では、この「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンスによる制御」とは別の一連の制御を、上記一連の制御とは独立且つ区別して、本システム1000にて実行可能に構成している。この1例として、以下に例示の制御例が如くの制御を、本システム1000の制御部により実行可能にしている。
この一連の制御も、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンスによる制御」と同様に、上記ユースケースに対して対処可能な仕組みである。しかし、特筆すべきは、この一連の制御は、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンスによる制御」を用いて上記ユースケースに対処するのに必要な本システム1000におけるオペレータによる介入作業を極力減らす事を可能にした仕組みである。
且つ、本システム1000におけるジョブの生産性やシステム全体の生産性を、上記「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンスによる制御」を用いて上記ユースケースに対処するよりも、向上可能にした仕組みである。換言すると、POD環境等の印刷環境を想定し、印刷対象のデータの内容自体は同じだが指定部数単位で様々な種類のフィニッシングを行いたい等の多種多様なニーズに対しても、対処可能となる等の効果を図る仕組みの1例である。しかも、POD環境等の印刷環境にて要求されうる、このような多種多様なニーズに対しても、本印刷システム1000の高い生産性を、極力維持しつつ、対処可能となる、等の、効果を図るが為の仕組みの1例に、該当する。このような効果を両立させる仕組みの1例として当該一連の制御を本システム1000にて実行可能に構成している。
本形態では、この一連の制御のことを、「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」と定義している。
又、本形態では、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンスによる制御」と「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」を、選択的に、実行可能に構成している。
この1例として、本システム1000の制御部は、本システム1000のUI部を介して、どちらのシーケンスを本システム1000にて実行するかを、ユーザにより決定可能に制御している。例えば、制御部205は、操作部204に、これらどちらのシーケンスを本システム1000にて実行するかを、ユーザにより決定可能にする不図示の表示を実行させる。且つ、この不図示の表示を介して、ユーザにより選択されたシーケンスに該当する制御を、本印刷システム1000にて実行するよう制御部205により制御する。このような構成要件も具備する。
但し、本形態では本形態の効果を最大限に発揮可能にする為に、両制御を選択的に実行可能に構成しているが、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンスによる制御」は実行不可の構成であっても本形態は適用可能である。換言すると、少なくとも、「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」を実行可能な構成のものであるならば、本形態で述べる効果と同等効果を得る事が出来る。このように種々の構成のものが本発明に包含される。
[図24に示すフローチャートの処理を用いた制御例(印刷装置100が具備するUI部を介して処理対象となるジョブの印刷実行要求を受付ける場合の制御例)の説明]
上記説明を踏まえ、ここでは、上述の「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」に含まれる、図24のフローチャートの処理について説明する。1例として、本例では、制御部205が、図24の処理を実行する為のコンピュータ読取可能なプログラムデータをHDD209から読出実行することで、当該処理を実行する。制御部205は、ユーザが希望の印刷対象となるジョブの印刷実行要求とユーザが望む複数種類のシート処理の実行要求とを、本形態のUI部の一例に該当する操作部204を介して、ユーザから受付ける場合に、当該処理を実行する。
例えば、図6の表示のコピータブ601がユーザにより選択された事に応じて印刷装置100が具備するコピーモードによる動作を実行する場合にて、キー503操作により印刷開始要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、処理対象となるジョブの複数頁からなる一連の印刷データを、自装置が具備するスキャナ部201から入力させる。且つ、制御部205は、このスキャナ部201から入力した当該一連の印刷データをHDD209に記憶させる。且つ、制御部205は、HDD209に記憶対象となる該一連の印刷データを、HDD209を介して、ユーザにより設定された印刷部数分、プリンタ部203により印刷処理を実行させる。
このように、処理対象となるジョブの種類が、コピーモードのジョブである場合に、制御部205は、図24に例示のS1201〜S1217の各ステップの処理を実行可能に、制御する。
又、例えば、図6の表示のボックスタブ603がユーザにより選択された事に応じて印刷装置100が具備するボックスモードを用いた印刷動作を実行するとする。この場合、制御部205は、ボックスモード選択時に表示部401に表示させる不図示のボックス画面のプリント開始キーを介して、HDD209に保存済みのジョブの印刷データの印刷開始要求をユーザから受付ける。この場合、印刷対象となるデータは、HDD209に既に保存済みの、ジョブのデータが印刷対象となる。このボックスモードにてHDD209に保存可能なデータは、スキャナ部201を介して入力対象となる一連の印刷データ及び外部I/F部202を介して入力対象となる一連の印刷データが、これに該当する。
当該例が如く、ボックスモードを用いてHDD209に保存済のデータをHDD209から読出しプリンタ部203で印刷させる場合、制御部205は、次に例が如くの操作を、操作部204を介して、ユーザから受付ける。例えば、ユーザからHDD209に具備する複数のデータボックス領域(ボックスと呼ぶ)のうちの何れかのボックスを選択する為のボックス選択操作。及び、その選択したボックスに格納されている複数の印刷対象となるジョブのうちのユーザが印刷を望むジョブを1又は複数選択する為のボックス文書選択操作。当該例が如くの一連のボックス操作を経て、該不図示の印刷開始キーによる印刷実行要求を、操作部204を介して、受付けたとする。そのうえで、制御部205は、当該要求により印刷すべきジョブの印刷データをHDD209から読み出してプリンタ部203で印刷させる。
このように、処理対象となるジョブの種類が、ボックスモードのジョブである場合にも、制御部205は、当該図24の処理を実行可能に制御する。尚、上記コピーモードのジョブとボックスモードのジョブとの処理フローは、上記各モードの動作例を比較しても分るように、ボックスモードでは処理対象となるデータは既にHDD209に格納済みであるが故に、印刷実行要求を受付けた後に、スキャナ部201からの印刷データの入力処理等を実行する必要は無い。
但し、本システム1000の制御部は、コピーモードのジョブでもボックスモードのジョブでも、印刷実行要求を操作部204を介してユーザから受付ける前に、次に例示が如くのユーザ要求を、UI部を介して受付可能に制御する。
例えば、制御部205は、処理対象となるジョブの為に印刷装置100により実行させるべき印刷動作の回数を特定する為の印刷部数の設定を、操作部204を介して、テンキー506等を用いてユーザから受付ける。且つ、制御部205は、処理対象となるジョブの為に本システム1000が具備するシート処理装置200により実行させるべきシート処理の種類を、操作部204を介して、ユーザから受付ける。
尚、本例では、これらの処理条件の設定は、処理対象となるジョブの印刷処理条件(単に、処理条件)の設定と呼ぶ。又、本例では、上記処理条件以外の他の印刷条件(用紙サイズや印刷倍率や印刷濃度や印刷レイアウト等の各種印刷処理条件)も合わせて、処理対象となるジョブの為に、印刷実行要求前に、ユーザからUI部を介して受付可能に構成している。
以上に例示が如くの各種印刷処理条件を特定するユーザ要求が印刷装置100が具備する操作部204を介してユーザからなされたうえで、上記例示が如くの方法で該操作部204を介してユーザから印刷実行要求を受付ける。そして、当該要求に応答し、本システム1000の制御部は、図24の処理を本システム1000にて実行可能に制御する。この1例として、例えば、制御部205は、上記UI部を介して処理対象のジョブの為に設定された印刷部数分の印刷処理を、プリンタ部203により、実行させる。且つ、制御部205は、該プリンタ部203で印刷がなされたジョブのシート束に対して、上記UI部を介して処理対象のジョブの為に設定されたシート処理を、本システム1000が具備するシート処理装置200により実行させる。
本形態では、このような構成要件を具備する本システム1000にて、図24の処理や後述する図25の処理や図29の処理を実行可能に構成している。且つ、このような処理を実行するための制御を行うと共に、本システムのUI部により各種UI画面を表示させる為の表示制御も、本システム1000にて、実行可能に構成している。ここで、まず図24の処理を以下に説明する。
図24の処理は、処理対象となるジョブの印刷要求(印刷開始指示)を含むユーザ要求を、本形態のUI部の一例に該当する印刷装置100の操作部204を介して、受付けた場合に、制御部205が実行する制御例である。換言すると、図24の制御例にて処理対象となるジョブは、スキャナ部201にて入力対象となるコピーモードのジョブか、HDD209に記憶済みのボックスモードのジョブである。以下、図24の各ステップについて説明する。
まず、図24のS1201にて、制御部205は、本形態のUI部を介してユーザから処理対象となるジョブの処理条件の設定がなされたか否かを確認する。この1例として、例えば、制御部205は、表示部401に実行させた図6の表示を介して、処理対象となるジョブの為の各種印刷処理条件をユーザから受付けたか否かを、タッチパネルセンサからの情報に基いて、判断する。このように、制御部205は、本形態のUI部の一例に該当する操作部204に対するユーザ操作がなされたか否かを、S1201で、判断する。
S1201にてYES判定を下した場合、制御部205は、S1202の処理へ移行する。一方、S1201にてNO判定を下した場合、制御部205は、S1202の処理へ移行せず、S1201の処理を繰り返す。S1202の処理へ移行した場合、制御部205は、S1202の処理として、以下に例示の処理を実行する。
例えば、制御部205は、処理対象となるジョブにて実行すべきシート処理の種類をユーザにより設定可能にする設定画面をUI部に表示させる為のユーザ指示が、本形態のUI部を介して、ユーザから入力されたか否を、判断する。
この一例として、例えば、S1202にて、制御部205は、表示部401に実行させた図6の表示のシート処理設定キー609がユーザにより押下されたか否かを判断する。ちなみに、本形態にて「シート処理」とは、システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理の事を意味する。
尚、本例では、このキー609は、システム1000が具備するシート処理装置200によるシート処理を実行させる為の設定をユーザが行うのに要する表示キーなので、図6の表示例のような表記としている。しかし、当該キー609は、換言すると、システム1000が具備するインラインフィニッシャによるフィニッシングを実行させる為の表示キーとも呼べる。そこで、例えば、キー609の事を、「フィニッシング」キーと呼んでも良い。
S1202の判断でNO判定の場合、制御部205は、S1210へ、処理を進める。一方、S1202の判断でYES判定の場合、制御部205は、S1203へ、処理を進める。S1203の処理へ移行した場合、制御部205は、S1203の処理として、以下に例示の処理を実行する。
例えば、S1203にて、制御部205は、本印刷システム1000のシステム構成情報をHDD209から読み出す。且つ、制御部205は、このシステム構成情報の確認事項として、例えば、以下に例示が如くの確認を行う。
(確認1) 該システム1000がインラインタイプのシート処理装置を具備しているか否かを確認する。
(確認2) 該システム1000がインラインタイプのシート処理装置を具備している場合、その台数を確認する。
(確認3) 該システム1000がインラインタイプのシート処理装置を具備している場合、そのインラインタイプのシート処理装置を用いて如何なる種類のシート処理(フィニッシング)が実行できるかを確認する。
(確認4) 該システム1000がインラインタイプのシート処理装置を複数台具備している場合、如何なるシート処理装置が如何なる種類のシート処理が実行可能なのか、システム1000が具備する複数台のインラインタイプのシート処理装置毎の、能力情報を確認する。
(確認5) 該システム1000がインラインタイプのシート処理装置を複数台具備している場合、如何なるシート処理装置が如何なる接続順序で、印刷装置100に接続されているかを確認する。
以上の例示したが如くの確認を、制御部205は、S1203の処理にて、実行する。ちなみに、本形態にて、「インラインタイプのシート処理装置」とは上述の如く、インラインフィニッシャとも称している。
尚、上記のような確認を行う際には、制御部205は、HDD209に予め登録済みの本印刷システム1000のシステム構成情報を読み出して確認する。この1例として、制御部205は、冒頭で説明した、上記(情報1)〜(情報5)で示すが如くの各種情報を含んだ本印刷システム1000のシステム構成情報を、図24の処理における判断材料情報として、利用する。
S1203の処理が済んだら、制御部205は、S1204へ処理を移行する。S1204の処理へ移行した場合、制御部205は、S1204の処理として、以下に例示の処理を実行する。
制御部205は、本印刷システム1000にて異なる種類のシート処理が実行可能か否かを、上記S1203で確認した本システム1000のシステム構成情報に基いて、判断する。1例として、制御部205は、本印刷システム1000が具備するインラインフィニッシャを用いて複数種類のフィニッシングが該システム1000にて実行可能か否かを、HDD209に登録済のシステム構成情報に基いて、確認する。尚、このシステム構成情報としては、例えば後述の図31A〜図31Cで例示の3101A、3101B、3101C等がこれに該当する。
S1204にてYES判定の場合には、S1205へ処理を進める。一方、S1204にてNO判定の場合には、S1215へ処理を進める。
例えば、印刷システム1000が図8A〜図10Bで示すシステム構成の何れかのシステム構成である場合には、制御部205は、S1204にてYES判定を下す。何故なら、図8A〜図10Bで例示のシステム構成例は、どのシステム構成例でも、互いに異なる種類のシート処理を実行可能な複数台のインラインシート処理装置を印刷システム1000が具備する構成であるからである。換言すると、図8A〜図10Bで例示したが如くのシステム構成である場合、本印刷システム1000にて互いに異なる種類の複数種類のフィニッシングが可能である。故に、このようなシステム構成の場合、制御部205は、S1204からS1205へ処理を進める。
尚、図8A〜図10Bで例示したインラインフィニッシャとして図13で例示したタイプの中綴じ製本機を1台のみ具備している場合も、制御部205は、S1204にてYES判定を下す。何故なら、本形態の中綴じ製本機は、上述したように、自装置にて複数種類のシート処理が実行可能なタイプのインラインフィニッシャであるからである。換言すると、該システム1000が、インラインフィニッシャとして、上述の「大容量スタッカ」を1台のみ具備しているシステム構成の場合は、制御部205は、S1204にてNO判定を下す。
何故なら、この場合、実行可能なシート処理の種類は1種類であるからである。他方、該システム1000が、インラインフィニッシャとして、上述の「糊付け製本」を1台のみ具備しているシステム構成の場合は、制御部205は、S1204にてYES判定を下す。
何故なら、この場合、実行可能なシート処理の種類は「くるみ製本処理」と「天糊製本処理」の2種類であるからである。但し、これらは、あくまでも例示的な説明であるが故に、特にこれに限定されるものでもない。
S1204からステップS1205の処理へ移行した場合、制御部205は、S1205の処理として、以下に例示の処理を実行する。
例えば、S1205にて、制御部205は、処理対象となるジョブの印刷部数を、本形態で提供するUI部を介してユーザにより設定された処理対象となるジョブの為の処理条件に基いて、確認する。この1例として、制御部205は、表示部401のタッチパネルセンサやテンキー506からの各種情報を獲得する。この操作指示情報に基き、制御部205は、ユーザにより印刷部数が設定された当該印刷対象とすべきジョブが、該ジョブの印刷データの印刷処理にて何部数分(何セット分)の印刷を要するジョブであるのかを特定する。
S1205の処理が済んだら、制御部205は、S1206へ処理を移行する。S1206の処理にて、制御部205は、上記S1204で確認した処理対象となるジョブの為の印刷部数の設定を含んだジョブ自体の処理条件情報に基いて、以下に例示の処理を、実行する。
例えば、制御部205は、処理対象となるジョブが複数部数分の印刷を要するジョブであるか否を、上記UI部からのユーザ要求に基いて、確認する。
この1例として、50頁からなるジョブ(以下、ジョブAとする)の処理条件を特定する為のユーザ設定に該当する印刷部数の設定として、ユーザにより、印刷部数「1」が、操作部204を介して、設定されているとする。例えば、図6の表示例が如くの設定がユーザにより操作部204を介して設定された場合が、このケースに該当する。この処理条件の場合、制御部205は、当該処理対象となるジョブは、複数部数分の印刷を要するジョブに該当しないジョブであると判断する。換言すると、当該ジョブは「1部数分の印刷を要するジョブ」であると制御部205は判断する。
尚、制御部205は、該ジョブAの1部数分の印刷を行う場合、該ジョブAの50頁分のデータを、HDD209を介して、全ページ、プリンタ部203により印刷させる。この一連の印刷動作を、1回だけ、実行させる。即ち、同一ページをHDD209から繰り返し読み出して印刷する等の動作の実行は禁止する。このジョブAは、換言すると、「印刷対象となる一連の印刷データに含まれる全頁のデータを全て印刷するのに必要な印刷処理をプリンタ部203により1回分実行させる為の一連の印刷動作を要するジョブ」である。本例では、このようなジョブの事を「1部数分の印刷を要するジョブ」と定義している。
制御部205は、上記図6の表示例が如くの設定がなされたジョブAのように、処理対象となるジョブが「1部数分の印刷を要するジョブ」である場合に、S1206からS1215へ処理を移行する。
一方、例えば、40頁からなるジョブ(以下、ジョブBとする)の処理条件を特定する為のユーザ設定に該当する印刷部数の設定として、ユーザにより、印刷部数「10」が、操作部204を介して、設定されているとする。例えば、図19の表示例が如くの設定がユーザにより操作部204を介して設定された場合が、このケースに該当する。この処理条件の場合、制御部205は、当該処理対象となるジョブは、複数部数分の印刷を要するジョブに該当するジョブであると判断する。この場合、制御部205は、S1206でYES判定を下し、S1206からS1207へ処理を進める。
尚、制御部205は、該ジョブBの複数部数分の印刷を行う場合、該ジョブBの40頁分のデータを、HDD209を介して、全ページ、プリンタ部203により印刷させる。この一連の印刷動作を、10回分、繰り返し、プリンタ部203により、実行させる。即ち、同一ページをHDD209から複数回繰り返し読み出して印刷する等の動作を実行させる。
このジョブBは、換言すると、「印刷対象となる一連の印刷データに含まれる全頁のデータを全て印刷するのに必要な印刷処理をプリンタ部203により複数回分実行させる為の一連の印刷動作を要するジョブ」である。本例では、このようなジョブの事を「複数部数分の印刷を要するジョブ」と定義している。
制御部205は、上記図19の表示例が如くの設定がなされたジョブBのように、処理対象となるジョブが「複数部数分の印刷を要するジョブ」である場合に、S1206からS1207へ処理を移行する。
S1207に処理を移行した場合、本形態の制御部は、S1207の処理として、以下に例示が如くの処理を、実行する。
例えば、トータルの印刷部数が「10部」となるようユーザにより設定された上記ジョブBを例に挙げると、このジョブBの為に、制御部205は、以下に例示の制御を実行する。
例えば、制御部205は、該ジョブBにて要する合計10部数分の印刷のうちの、所望の指定印刷部数毎に、所望の種類のフィニッシングを、個別に、該ユーザ自身が設定する事を、許可する。この処理は、制御部205が、S1207にて、本形態のUI部を介して、特定のジョブの実行要求をユーザから受付ける事を許可するよう制御する構成の制御例に該当する。この「特定のジョブの実行要求」とは、本形態にて「複数部数分の印刷を要し且つ該複数部数分の印刷のうちの特定部数分の印刷毎に特定種類のシート処理を要するジョブの実行要求」を意味する。換言すると、制御部205は、S1207にて、本形態のUI部を介して特定のユーザ要求をユーザから受付ける事を許可するよう制御している。この「特定のユーザ要求」は、本形態にて特に意味のある要求である。
この要求は、本形態にて「複数部数分の印刷を要すジョブの該複数部数分の印刷のうちの特定部数分の印刷毎に特定種類のシート処理を本システム1000のシート処理装置により実行させる為の特定のユーザ要求」に該当する。
上述の如く制御部205は、S1204でYESの場合で且つS1206でYSEの場合に、本形態が提供するUI部の一例に該当する操作部204を介して上記特定の要求をユーザから受付ける事を許可する。この特定の要求とは上記の如く「特定のジョブの実行要求」であり、換言すると、上記の如く「特定のユーザ要求」を意味する。
このように制御部205は、S1207にて、上記特定の要求をUI部を介してユーザから受付ける事を許可する。尚且つ、制御部205は、この許可判断に即したシート処理設定画面の表示を、S1207にて、操作部204により実行させるよう、操作部204に対する表示制御も実行する。本形態にてS1207にて操作部204により実行させる当該表示は、本形態にて特に意味のある「特定の表示」に該当する。
例えば制御部205は、S1207にて、「複数部数分の印刷のうちの特定部数分の印刷毎に特定種類のシート処理をシステム1000にて実行させる為のユーザ要求を受付可能にする特定の表示」を、UI部により、実行させる。
このS1207にて、本システム1000の制御部が、上記特定の表示として、如何なる表示を、本システム1000のUI部により、実行させるのか、その表示制御例の1例を、図20〜図22Cを用いて、以下に例示する。ここでは、上述の制御例にて制御対象としているジョブBでもって、これを説明する。
上記ジョブBは、複数部数分の印刷を要するジョブであり、その印刷部数の合計は「10部」である。上述の制御例にて、制御部205は、このジョブBの処理条件を、操作部204が具備する表示部401を介して、該ジョブBのユーザから受付可能に制御している。
例えば、表示部401に実行させた図19の表示を介し、該ジョブBにて要するトータルの印刷部数の合計値として「10部」がユーザにより設定されたとする。そのうえで、該ユーザにより図19の表示のシート処理設定キー609が押下されたとする。すると、制御部205は、当該ユーザの一連の操作に応答し、図20に例示する表示を表示部401により実行させるよう制御する。
制御部205が表示部401に実行させる図20の表示は、例えば、以下に例示する表示キーを具備する。
(1) プリンタ部203から供給される印刷処理がなされたジョブのシート束に対するソート処理をシステム1000が具備するインラインフィニッシャにより実行させる指示をユーザから受付ける為のキー2001。
(2) プリンタ部203から供給される印刷処理がなされたジョブのシート束に対する中綴じ製本処理をシステム1000が具備するインラインフィニッシャにより実行させる指示をユーザから受付ける為のキー2002。
(3) プリンタ部203から供給される印刷処理がなされたジョブのシート束に対するステイプル処理をシステム1000が具備するインラインフィニッシャにより実行させる指示をユーザから受付ける為のキー2003。
(4) プリンタ部203から供給される印刷処理がなされたジョブのシート束に対するくるみ製本処理をシステム1000が具備するインラインフィニッシャにより実行させる指示をユーザから受付ける為のキー2004。
(5) プリンタ部203から供給される印刷処理がなされたジョブのシート束に対する多穴パンチ処理をシステム1000が具備するインラインフィニッシャにより実行させる指示をユーザから受付ける為のキー2005。
(6) プリンタ部203から供給される印刷処理がなされたジョブのシート束に対する2穴パンチ処理をシステム1000が具備するインラインフィニッシャにより実行させる指示をユーザから受付ける為のキー2006。
上記キー群は、システム1000が具備するインラインフィニッシャにより実行可能な複数種類のフィニッシングの候補の中から処理対象のジョブにて要するフィニッシングの種類をユーザが決定可能にする為の機能を果たす。
尚、多穴パンチや2穴パンチは、パンチ処理の1例に該当するフィニッシングである。又、図20の表示では、フィニッシングの種類の選択候補が、6種類である。先の図7の表示例では、9種類であった。これは、説明を分りやすくする為に表示例を変えただけであり、整合がとれていないわけではない。換言すると、制御部205は、図7の表示を表示部401に実行させる場合でも、図20の表示を表示部401に実行させる場合でも、以下の制約事項は遵守するよう、操作部204を制御する。
例えば、制御部205は、システム1000にて実行不可能なフィニッシングの種類に該当するシート処理キーの表示を表示部401により実行させる事は禁止する。或いは、表示自体は許可しても、グレーアウト表示や網掛け表示を実行させるよう制御する。この制御例が如く、少なくとも、システム1000のインラインフィニッシャを利用しても実行不可能な種類に該当するのフィニシングの実行要求をユーザから該UI部を介して受付ける事を禁止するよう制御する。
この構成前提とし、制御部205は、システム1000にて実行可能なフィニッシングの種類に該当するシート処理キーの表示を表示部401により実行する事は許可する。例えば、該キーをユーザによる選択可能な有効表示状態にするよう表示部401を制御する。
このように、少なくとも、システム1000のインラインフィニッシャを利用することで該システム1000にて実行可能な種類のフィニシングの実行要求をユーザから該UI部を介して受付ける事を許可する。
以上のような制約事項は遵守する。このようなUI制御を行う際にも、本形態の制御部は、HDD209に登録済みの印刷システム1000のシステム構成情報を、利用する。
尚且つ、制御部205は、ステップS1207にて、上記各種シート処理キーの表示を図20の画面2000にて表示部401に実行させると共に、更に、同画面2000にてキー2007の表示を表示部401により実行させる。
制御部205は、図24のS1204でYES判定を下した場合で且つS1206でYSE判定を下した場合に、このキー2007の表示を表示部401により実行させる事を許可する。且つ、該キー2007を画面2000にて有効表示状態にさせ、該キー2007を介してユーザ要求をユーザから受付ける事を許可するよう表示部401を制御する。この図20の画面2000にて表示対象となるキー2007は、本形態にて特定の要求をユーザから受付可能にする為の表示機能キーの役目を果たす。
例えば1例として本形態にて、制御部205は、「複数部数分の印刷設定がUI部を介してユーザによりなされたジョブにて要する該複数部数分の印刷のうちの該ユーザが指示する特定部数分の印刷毎に該ユーザが指示する特定種類のシート処理をシステム1000のインラインフィニッシャにより実行させる為の要求を該ユーザ自身から該UI部を介して受付可能にする為の表示」として、キー2007の表示を、表示部401により、実行させる。換言すると、本形態にて該キー2007は、「複数部数分の印刷を要するジョブにおける指定部数分の印刷毎にユーザが指定する種類のフィニッシングを個別に実行させる為の要求をユーザから受付可能にする為の表示」に該当する。
上記構成のもと、例えば、制御部205が、ステップS1207にて、キー2001〜キー2007の表示を具備する図20の画面2000を表示部401に表示させたとする。この状態で、制御部205は、ステップS1208にて、図20の画面2000のキー2007がユーザにより押下されたか否かをチェックする。且つ、制御部205は、S1208にて、キー2007がユーザにより押下されたと判断した場合は、図24のS1208からS1212へ処理を進める。一方、S1208にて、キー2007がユーザにより未押下であると判断した場合は、図24のS1208からS1209へ処理を進める。
換言すると、制御部205は、指定部数毎に個別にフィニッシングの設定を行う要求がユーザからなされた否かを、ステップS1208にて判断する。且つ、S1208にて該要求をユーザから受付けた場合は、S1208からS1212へ処理を移行させ、一方、S1208にて該要求をユーザから受付けなかった場合は、S1208からS1209へ処理を移行させる。
尚、例えば、S1208からS1209へ処理を移行させる例としては、例えば、以下に例示する操作がユーザにより図20の画面を介して実行された場合がこれに該当する。
例えば、図20の画面2000に具備するキー2007がユーザにより押下されていない状態のままにて、同画面2000のキー2001〜2006の何れかのキーがユーザにより押下されたとする。且つ、そのうえで、キー2008が押下されたとする。このようなケースが、制御部205は、S1208からS1209へ移行する条件に該当する。
上記例が如く、ステップS1209へ移行する条件に該当するジョブを、制御部205が、本システム1000にて、どのように処理させるかを、以下に例示して説明する。尚、ここでは、図19の表示を介してユーザによりトータルの印刷部数が「10部」となるよう設定された、合計40頁分の印刷データからなる一連の印刷データを有する、上記ジョブB、を、用いて説明する。
例えば、図19の表示で「10部」が設定されたジョブBの為の処理条件の設定として、S1207にて、ユーザが図20の画面2000にてキー2007を押下せずにキー2004を押下し且つOKキー2008を押下したとする。この条件の場合、制御部205は、該ジョブBに関する判断として次に例示するような判断を下す。例えば、制御部205は、「該ジョブBは、複数部数分の印刷を要するジョブである」と判断する。。
しかし、制御部205は、上記キー操作がユーザによりなされた場合、「該ジョブBは、該複数部数分の印刷のうちの特定部数部の印刷毎に特定種類のシート処理の実行要求がユーザからなされたジョブには該当しないジョブである。且つ、合計10部数分の印刷を要する該ジョブBの1部数分の印刷毎に、全て同一種類のシート処理として、印刷処理がなされたシートに対するくるみ製本処理の実行を要するジョブである。」と判断する。このような判断を、制御部205は、現在処理対象となるジョブBに対して下す。
且つ、この例示が如く、S1208にてNO判定を下したジョブBに対して、ユーザの印刷実行要求に従いS1210でYES判定を下したとする。この場合、制御部205は、該ジョブBの為の一連のジョブ処理動作として、以下に例示の一連のジョブ処理動作を、本システム1000により実行させるよう制御する。
例えば、ユーザが図19の表示を介し「10部」を設定し且つ図20の表示を介しキー2007を押さずにキー2004が押下し且つキー2008を押下した上記ジョブBの為に、該ユーザが、キー503を押下したとする。これを受け、制御部205は、該ジョブBの印刷実行要求を有りと判断する。且つ、該要求に応じて以下に例示の処理を、該キー2007が押下されなかったジョブBの為に実行させる。
例えば、合計40頁分の印刷データからなる一連の印刷データを具備するジョブBの印刷データを、スキャナ部201から入力し、全ページ、先頭ページから順番に、HDD209に記憶させる。但し、この記憶動作はジョブBがコピーモードのジョブである場合に実行する動作である。もしジョブBがボックスモードのジョブに該当する場合、既にジョブBの全ページの印刷データはHDD209に事前に保存済みの為、この動作は不要である。
制御部205は、HDD209にジョブBの印刷データが記憶された後、順次、このジョブBの印刷データを先頭ページから順番に読み出して、プリンタ部203により印刷させる。且つ、制御部205は、該ジョブBの印刷として1束分の印刷(合計40ページ分の印刷データの印刷を要する1セット分の印刷)が実行された後、この1束分の印刷がなされたシート束に対して、システム1000が具備するインラインフィニッシャにより「くるみ製本処理」を実行させる。尚、この処理は、くるみ製本処理が実行可能なインラインフィニッシャに該当する、図8A〜図10B及び図12で例示した、「糊付け製本機」により実行させる。
このように、ジョブBの印刷データの印刷処理をプリンタ部203により実行させる。且つ、該印刷処理によりジョブBの40頁分の印刷データが各印刷用紙に頁順に印刷された複数枚のシートで構成される1束分のシートの為のくるみ製本処理を実行させる。この一連の動作を、ジョブBの合計印刷部数分、即ち、10回、繰り返すよう制御する。これにより、10部数分の印刷束の1部毎に、全て同じ種類のフィニッシング、即ち、くるみ製本処理を実行させる。
制御部205は、上記例示が如くの一連動作を、「S1207の処理を経たうえで、S1208でNO→S1209でYES→S1210でYES→S1217」というフローで処理した場合に、ジョブBの為に実行する。
これに対して、図24のS1208からS1209へ移行せずに、S1208からS1212へ処理を進めた場合、制御部205は、S1212にて、以下に例示の処理を実行する。
例えば、S1212にて、制御部205は、図21に例示する画面2100の表示を表示部401により実行させる。且つ、「複数部数分の印刷を要するジョブにて、該ユーザが指示する特定部数分の印刷毎に該ユーザが指示する特定種類のシート処理をシート処理装置200により実行させる為の設定」を、この画面2100を介し、ユーザから受付可能となるよう、表示部401を、制御する。換言すると、制御部205は、該画面2100を介し、複数部数分の印刷を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちのユーザが希望する部数分の印刷単位でユーザが希望する種類のフィニッシング(本形態におけるシート処理や後処理と同義)を個別にユーザ設定可能にする。この処理を、S1212にて実行する。
このステップS1212にて制御部205が表示部401に実行させる図21の表示は、例えば本形態にて、以下に例示する表示構成要素を具備する。
[表示構成要素1:表示設定欄2108]
この表示欄2108は、「印刷処理条件がユーザにより現在設定対象のジョブの為に該ユーザから操作部204を介して、当画面2100を表示部401により表示させる前に、制御部205が、ユーザから受付けた印刷部数の合計を、該ユーザにより確認可能にする表示」である。尚、本例では、上記ジョブBと区別して、ここではジョブCを例にとり説明している。このジョブCは、図19の表示を介して既にユーザによりトータルの印刷部数として「10部」が設定済みである。故に、現在設定対象のジョブCの情報として、図21の表示欄2108には「10部」を表示させている。
又、本形態では、既に設定された印刷部数の変更を、この表示欄2108に対するユーザ操作に応答し、ユーザから受付可能に構成している。例えば、該キー2108がユーザにより押下された事に応じ、該キー2108の表示欄の表示を点滅表示させる。この期間中に、テンキー506を介して、該ジョブの印刷部数をユーザにより設定変更可能にする。
[表示構成要素2:キー2101A及び表示設定欄2101B]
キー2101Aは、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの表示欄2101Bを介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000のソート処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対するソート処理を実行させる、為の要求を、ユーザから受付可能にする、表示キー」である。
例えば、ユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブBの複数部数分の印刷のうち、1部数分の印刷束(1セット分のシート束)に関しては、ソート処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、例えば、キー2101Aをユーザが押下する。これを受け、制御部205は、キー2101Aに関連付けているキー2101Bの表示を点滅表示させる。この期間中に、キー2101Bの右側近傍に具備した上下キーを用いて、該表示欄2101Bに、指定部数として「1部」を設定可能にする。尚、この設定を受付けた場合、制御部205は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブCの1セット分のシート束についてのみ、ソート処理を実行させるよう制御する。
該例示が如くの方法で、表示欄2108にトータルの印刷部数が表示対象のジョブの該トータルの印刷部数のうちの表示欄2101Bを介しユーザから受付けた指定部数分の印刷束の為のソート処理の個別設定、を、完了させる。
[表示構成要素3:キー2102A及び表示設定欄2102B]
キー2102Aは、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの表示欄2102Bを介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000の中綴じ製本処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対する中綴じ製本処理を実行させる、為の要求を、ユーザから受付可能にする、表示キー」である。
例えば、ユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブCの複数部数分の印刷のうち、2部数分の印刷束(2セット分のシート束)に関しては、中綴じ製本処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、キー2102Aをユーザが押下する。これを受け、制御部205は、キー2102Aに関連付けているキー2102Bの表示を点滅表示させる。この期間中に、キー2102Bの右側近傍に具備した上下キーを用いて、該表示欄2102Bに、指定部数として「2部」を設定可能にする。尚、この設定を受付けた場合、制御部205は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブCの2セット分のシート束についてのみ、1セット単位で、全て、中綴じ製本処理を実行させるよう制御する。
該例示が如くの方法で、表示欄2108にトータルの印刷部数が表示対象のジョブの該トータルの印刷部数のうちの表示欄2102Bを介しユーザから受付けた指定部数分の印刷束の為の中綴じ製本処理の個別設定、を、完了させる。
[表示構成要素4:キー2103A及び表示設定欄2103B]
キー2103Aは、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの表示欄2103Bを介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000のステイプル処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対するステイプル処理を実行させる、為の要求を、ユーザから、受付可能にする、表示キー」である。
例えば、ユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブCの複数部数分の印刷のうち、3部数分の印刷束(3セット分のシート束)に関しては、ステイプル処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、キー2103Aをユーザが押下する。これを受け、制御部205は、キー2103Aに関連付けているキー2103Bの表示を点滅表示させる。この期間中に、キー2103Bの右側近傍に具備した上下キーを用いて、該表示欄2103Bに、指定部数として「3部」を設定可能にする。尚、この設定を受付けた場合、制御部205は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブCの3セット分のシート束についてのみ、1セット単位で、全て、ステイプル処理を実行させるよう制御する。
該例示が如くの方法で、表示欄2108にトータルの印刷部数が表示対象のジョブの該トータルの印刷部数のうちの表示欄2103Bを介しユーザから受付けた指定部数分の印刷束の為のステイプル処理の個別設定、を、完了させる。
[表示構成要素5:キー2104A及び表示設定欄2104B]
キー2104Aは、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの表示欄2104Bを介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000のくるみ製本処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対するくるみ製本処理を実行させる、為の要求を、ユーザから受付可能にする、表示キー」である。
例えば、ユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブCの複数部数分の印刷のうち、4部数分の印刷束(4セット分のシート束)に関しては、くるみ製本処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、キー2104Aをユーザが押下する。これを受け、制御部205は、キー2104Aに関連付けているキー2104Bの表示を点滅表示させる。この期間中に、キー2104Bの右側近傍に具備した上下キーを用いて、該表示欄2104Bに、指定部数として「4部」を設定可能にする。尚、この設定を受付けた場合、制御部205は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブCの4セット分のシート束についてのみ、1セット単位で、全て、くるみ製本処理を実行させるよう制御する。
該例示が如くの方法で、表示欄2108にトータルの印刷部数が表示対象のジョブの該トータルの印刷部数のうちの表示欄2104Bを介しユーザから受付けた指定部数分の印刷束の為のくるみ製本処理の個別設定、を、完了させる。
[表示構成要素6:キー2105A及び表示設定欄2105B]
キー2105Aは、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの表示欄2105Bを介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000の多穴パンチ処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対する多穴パンチ処理を実行させる、為の要求を、ユーザから受付可能にする、表示キー」である。
例えば、ユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブCの複数部数分の印刷のうち、5部数分の印刷束(5セット分のシート束)に関しては、多穴パンチ処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、キー2105Aをユーザが押下する。これを受け、制御部205は、キー2105Aに関連付けているキー2105Bの表示を点滅表示させる。この期間中に、キー2105Bの右側近傍に具備した上下キーを用いて、該表示欄2105Bに、指定部数として「5部」を設定可能にする。
尚、この設定を受付けた場合、制御部205は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブCの5セット分のシート束についてのみ、1セット単位で、全て、多穴パンチ処理を実行させるよう制御する。
該例示が如くの方法で、表示欄2108にトータルの印刷部数が表示対象のジョブの該トータルの印刷部数のうちの表示欄2105Bを介しユーザから受付けた指定部数分の印刷束の為の多穴パンチ処理の個別設定、を、完了させる。
[表示構成要素7:キー2106A及び表示設定欄2106B]
キー2106Aは、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの表示欄2105Bを介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000の2穴パンチ処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対する2穴パンチ処理を実行させる、為の要求を、ユーザから受付可能にする、表示キー」である。
例えば、ユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブCの複数部数分の印刷のうち、6部数分の印刷束(6セット分のシート束)に関しては、2穴パンチ処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、キー2106Aをユーザが押下する。これを受け、制御部205は、キー2106Aに関連付けているキー2106Bの表示を点滅表示させる。この期間中に、キー2104Bの右側近傍に具備した上下キーを用いて、該表示欄2106Bに、指定部数として「6部」を設定可能にする。
尚、この設定を受付けた場合、制御部205は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブCの6セット分のシート束についてのみ、1セット単位で、全て、2穴パンチ処理を実行させるよう制御する。
該例示が如くの方法で、表示欄2108にトータルの印刷部数が表示対象のジョブの該トータルの印刷部数のうちの表示欄2106Bを介しユーザから受付けた指定部数分の印刷束の為の2穴パンチ処理の個別設定、を、完了させる。
制御部205は、以上の各種例示が如くのユーザ設定を、キー2101A〜キー2106Bを用いてユーザにより実行可能にする。
[表示構成要素8:表示設定欄2109]
表示欄2109は、制御部205が表示部401に実行させるキー2101A〜キー2106Bの表示を介してユーザが個別設定するフィニッシングの種類と指定部数の設定がユーザによりなされた場合に、連動させる表示である。具体的には、図21の表示を介して各フィニッシングの種類毎にユーザにより個別設定された指定部数の合計値を、割当て済みの印刷部数として、該ユーザ自身により確認可能にする表示内容を、表示欄2109に表示させる。
尚、本例では、上記ジョブCを例にとり説明している。このジョブCは、図21の表示を実行した段階では、フィニッシングの個別設定がユーザによりなされていない状態である。故に、図21の表示を表示部401に実行させた段階では、制御部205は、図21の表示例が如く、図21の表示欄2109に「0部」を表示させる。又、例えば、もし、このジョブCの為のフィニッシングの個別設定が全て完了すれば、制御部205は、図22Aの表示例や図22Bの表示例に示すが如く、表示欄2109に「10部」を表示させる。
[表示構成要素9:キー2110]
OKキー2101は、「ユーザの指定する特定印刷部数毎にユーザが指定する特定種類のフィニッシングを実行させる為の一連のシート処理の設定」がユーザにより全て完了した際に押下する表示キーである。制御部205は、ユーザによりキー2100が押下された事に応じて、この設定に該当するユーザ要求の受付けが有りと判断する。
例えば、図21の表示における各種設定がユーザによりなされたうえでOKキー2110がユーザにより押下された場合、制御部205は、図24のS1214の判定としてYES判定を下す。
[表示構成要素10:キー2107]
このキー2107は、図20の表示におけるキー2007の押下により「指定部数毎に個別にフィニッシングを設定する」要求がユーザから入力されたものの、該要求をユーザによりキャンセルする際に利用するキーである。
例えば、当該キー2107がユーザにより押下されたとする。この場合、制御部205は、処理対象となるジョブが複数部数分の印刷を要するジョブであっても、該複数部数分の印刷のうちの特定部数分毎に特定種類のフィニッシングを実行させる事を、禁ずる。且つ、表示部401の表示内容を、図21の表示内容から図20の表示内容へ復帰させるよう表示部401を制御する。これにより、上記動作の実行をユーザが設定・要求する事自体を阻止する。尚、図20の画面に戻らなくても、図21の画面2100におけるキー2101B〜キー2106Bの合計6個の表示キーを無効表示状態にさせる。例えば、これらのキーを全てグレーアウト表示或いは網掛け表示する。
上記例が如く、制御部205は、キー2107のユーザ押下により、「指定部数毎に個別にフィニッシングの設定を行わない要求」がなされたと判断する。この場合、制御部205は、複数部数分の印刷を要するジョブにて特定部数分毎に特定種類のフィニッシングのシステム1000による実行する事を禁止する。又、このキー2107がユーザにより押下された場合、制御部205は、図24のS1213の判定としてYES判定を下す。
以上の表示構成要素1〜10を含む各種表示構成要素を具備した図21の表示を、制御部205は、図24のS1212にて、表示部401により、実行させる。
尚、制御部205が表示部401に実行させるキー2101A〜キー2106Bの表示を介し指定部数単位で個別にフィニッシングを設定するに際に、上記例示とは異なる方法で、各種指示をユーザから受付可能に構成しても良い。
例えば、キー2101Aを押下せずに、表示欄2101Bの為の上下キーをユーザが直接操作する。これにより、制御部205は、該上下キーにより設定された指定部数分の印刷束については、ソート処理を実行させる要求を受付けたものと判断する。
このように、印刷システム1000にて実行可能な複数種類のフィニッシングの各種類毎に対応させた合計6個のキー2101A〜キー2106Aの何れかに対するキー操作は要求しない。但し、該複数種類のフィニッシングのうちのユーザが希望する種類のフィニッシングの為の指定部数表示欄に設けた上下キーに対するユーザの直接操作を受付ける。これにより、上記と同様の設定をユーザにより実行可能に構成しても良い。
又、ユーザが希望する種類のフィニッシングの為の指定部数表示欄を点滅表示させた状態で、図21の画面上の上下キーを利用せずに、ユーザによりテンキー506による数値入力設定を受付け可能に構成しても良い。これにより、上記と同様の設定をユーザにより実行可能に構成しても良い。
以上のようにユーザの利用環境に応じたUI環境を提供可能に構成しても良い。但し、以下に例示するような制約事項は遵守するよう制御部はUI部を制御する。
例えば、キー2101B〜キー2106Bのどの指定部数設定欄についても共通したルールを設けている。例えば、制御部205は、キー2101B〜キー2106Bの、どの設定欄を介しても、ユーザにより設定を許可する指定印刷部数の最大値は、処理対象となるジョブのトータルの印刷部数以下となるよう、制御する。上記ジョブBで説明すれば、例えば、キー2101B〜キー2106Bのどの設定欄にて、ユーザが指定部数を設定しても、トータルの印刷部数に該当する「10部」を越えない値として、例えば、「1部〜9部」の範囲内で指定部数をユーザから受付ける。制御部205は、この条件を満たさない設定・要求をユーザが実行する事は禁止する。又、以下のルールも設けている。
例えば図21の制御例では、複数部数分の印刷を要するジョブにて指定部数毎に特定種類のフィニシングを実行させるユーザ要求に関し、次のルールを設定している。例えば、1つのジョブにて指定部数分毎に実行を許可するフィニッシングの種類は最大6種類までとなるよう制御する。なぜ、この制限値「6」なのかは、本例にて、本システム1000が具備するインラインフィニッシャにより実行可能なフィニッシングの種類が6種類であるからである。
このようにシステム1000にて実行可能なフィニッシングが何種類かでこの制限値を規定する。この条件を満たさない設定・要求をユーザが実行する事は禁止する。このように、1つのジョブにて異なる種類のフィニシングを実行させる事自体は許可しても、その許容するフィニシングの数は制限している。又、以下に例示のルールも設けている。
例えば上記例では、システム1000で実行可能なシート処理の総数に対応する最大6種類のシート処理の範囲内で、複数部数分の印刷を要する1つのジョブにて1束分の印刷束毎に異なるフィニシングの実行を許可している。且つ、それ以上の種類を同一ジョブにて実行する事は禁止し、そのような設定・要求をユーザ実行する事自体も禁止するよう表示制御もあわせて実行している。このような制限のもとで更に、ユーザが指定部数毎に個別にフィニッシングを設定するにあたり、以下に例示のルールを設けている。
例えば、上記個別にフィニッシングの設定がなされた指定部数の合計が、その設定でもって処理対象となるジョブにて要するトータルの印刷部数の値を越えないように制御する。上記ジョブCで説明すれば、各キー2101A〜2106Bを介して、複数種類のフィニシングをジョブCの為に設定させ且つその設定に従った処理をシステム1000に実行させるよう制御する。しかし、その個別に特定種類のフィニッシングの設定がなされた指定部数の合計が「10部」を越える事は禁止する。
換言すると、制御部205は、図21のキー2101B〜キー2106Bの各指定部数設定欄を介してユーザから受付けた指定部数の合計が、キー2108の表示欄に表示させている値と一致するよう制御する。これに該当しない設定でもってジョブCの処理の実行要求をユーザから受付ける事は禁止する。
例えば、図21の表示にて、合計10部数分の印刷を要する上記ジョブCの為の個別設定として、キー2104A及びキー2104Bにより、指定部数が「9部」で且つ「くるみ製本処理」が、設定されたとする。尚且つ、上記ジョブCの為の個別設定として、キー2105A及びキー2105Bにより、該ジョブCの残りの印刷部数に該当する指定部数が「1部」で「多穴パンチ処理」が、設定されたとする。この場合、制御部205は、表示部401における図21の表示を、図22Aに例示する表示内容となるよう制御する。
且つ、制御部205は、この一連の設定がユーザによりなされた時点で、その他のキーによる更なる個別設定をユーザが実行する事を禁止する。例えば、キー2101A、2101B、2102A、2102B、2103A、2103B、2106A、2106Bのこれら合計8種類の表示を全て無効表示状態にさせる(グレーアウトや網掛け表示等にする)。このようにトータルの印刷部数に達した時点で、特定部数分の印刷の為の特定種類のシート処理の更なる設定・要求をユーザから受付ける事を禁止する。
以上のような各種制約事項を遵守するよう制御部205は操作部204に対する表示制御を実行する。且つ、このような制約事項を遵守した範囲内で、例えば、図22Aの表示や、図22Bの表示に示すが如く、ユーザが所望の設定を、図21の画面2100を介して、柔軟に受付け可能に制御する。
[図22Aの表示例が如くのユーザ要求が複数部数分の印刷を要すジョブの為にユーザからUI部を介して受付けた場合に、制御部が実行する制御例]
以下に、図21の表示を介して上記の如く特定のユーザ要求がなされた場合に、本形態の制御部が実行する制御例の一例を図22Aを用いて以下に例示する。
例えば、制御部205が表示部401に実行させた図21の表示を介して、上述のジョブCに対して、図22Aの表示例に示すが如くのユーザ設定がなされたとする。尚、このジョブCも、合計40ページ分の一連の印刷データのジョブであるとする。
この場合、該ジョブCは「合計10部数分の印刷を要するジョブであり、該10セット分の印刷束のうち、9セット分の印刷束については各束毎にくるみ製本処理の実行を要し、且つ、残りの1セット分の印刷束については多穴パンチ処理の実行を要するジョブ」であると、制御部205は、判断する。且つ、この場合、制御部205は、図24のS1212→S1213でYES→S1214でYES→S1210でYES→S1217という処理フローを経て、ジョブBの為の一連の動作として、以下の動作をシステム1000にて実行するよう制御する。
例えば、制御部205は、合計40頁からなる一連の印刷データの印刷動作を1セット分の印刷としてプリンタ部203により実行させる。且つ、このジョブBの40頁からなる一連の印刷処理を、10セット分、プリンタ部203により、繰り返し実行させる。但し、10セット分の印刷束のうち、9セット分の印刷束を印刷させている期間中においては、1セット分の印刷をプリンタ部203で実行させる毎に、該1束分のシートに対するくるみ製本処理を実行させる。
且つ、該ジョブCにて要する残り1セット分の印刷をプリンタ部203により実行させ、その1セット分の印刷束に対して多穴パンチ処理を実行させる。この一連の動作の詳細を以下に例示する。
例えば、システム1000のシステム構成が図8Bであるとする。この場合、制御部205は、該ジョブBの9セット分の印刷束の1束毎のくるみ製本処理を、図8Bの糊付け製本機で、実行させる。且つ、9セット分のくるみ製本処理済み印刷束を、全て、該装置が具備する排紙先、即ち、図8Bの排紙先Yに排紙保持させる。これにより、該ジョブCの最終成果物の一部分に該当する出力束として、9セット分のくるみ製本束の作成を完了させる。
且つ、制御部205は、該ジョブCの残り1セット分の印刷束の為の多穴パンチ処理を、図8Bの中綴じ製本機で、実行させる。且つ、この1セット分の多穴パンチ処理済み印刷束を、該装置が具備する排紙先、即ち、図8Bの排紙先Zに排紙保持させる。これにより、該ジョブCの最終成果物の残り部分に該当する出力束として、1セット分の多穴パンチ処理済み印刷束の作成が完了する。
以上の一連の動作により、40頁からなる一連の印刷データの合計10部数分の印刷処理を要する上記ジョブBの最終成果物の全ての印刷物の作成が完了する。
即ち、1セット毎にジョブCの40頁分の印刷データが印刷済の9セット分の印刷束の各束毎にくるみ製本処理が実行済みの印刷出力物を得られる。且つ、ジョブCの40頁分の印刷データが印刷済み残り1セット分のシート束には多穴パンチ処理が実行済の印刷出力物が得られる。このように9セット分のくるみ製本印刷物と1セット分の多穴パンチ処理済み印刷物の全10セットがジョブCの最終成果物となる。
以上の例示が如くの一連の動作を、画面2100の表示を介してジョブCの為の特定要求として図22Aの表示例が如くのユーザ要求をユーザから受付た事に応じてシステム1000が実行するよう、制御部は該システムを制御する。
尚、ジョブCは、「複数部数分の印刷を要するジョブで且つ該複数部数分の印刷のうちの特定部数分の印刷毎に特定種類のシート処理の実行を要するジョブ」に該当するジョブである。しかし、ジョブCの最終成果物に該当する上記10セット分のシート束には、1束分のシート束毎に、ジョブCの40頁分の印刷データが、夫々、印刷されている事を意味する。換言すると、これら10セット分の各シート束には、それぞれ、同一内容(同一コンテンツ)の印刷データが、印刷されている。
このジョブCの為の一連の動作にて異なるフィニッシングが実行対象となる複数セットのシート束同士であっても、印刷対象となる印刷データは同一コンテンツである。この構成要件は以下に例示の制御を実行する事を意味する。
例えば、キー503を用いて印刷実行要求を入力する前に、ユーザが、上記ジョブCに対する印刷設定として、図6の表示を介して「片面印刷」設定を実行していたとする。
この場合、印刷用紙1枚につきジョブCの1頁分の印刷データを印刷させる事になる。その為、例えば制御部205は、ジョブCの1セット分の印刷を実行させるにあたり、以下のような動作を実行するよう制御する。
例えば、合計40ページ分の印刷データからなる該ジョブCの一連の印刷データを、HDD209を介して、順次、先頭頁の印刷データから読み出す。且つ、先頭頁の印刷データから、順番に、印刷用紙1枚ずつ、印刷を実行させる。これを、ジョブCの最終頁の印刷データを印刷するまで実行させる。換言すると、ジョブCの1セット分の印刷に必要な印刷用紙の枚数は40枚である。
このジョブCの一連の印刷データの1セット目の印刷が済んだら、制御部205は、ジョブCの一連の印刷データの2セット目の印刷を実行させる。このよ作業を、合計10セット分繰り返す。換言すると、ジョブCの一連の印刷データの印刷工程にて、どのセットの印刷を実行する場合でも、ジョブCの40頁からなる一連の印刷データが、印刷対象となる。
即ち、制御部205は、ジョブCの一連の印刷データの印刷工程として、1〜10セット目のどのセットの印刷をプリンタ部203により実行させる場合でも、各セット毎に、夫々、同一コンテンツの印刷データを印刷させる。その為に、「HDD209からジョブCの一連の印刷データを先頭頁から順番に最終頁まで読み出す作業」を、10回繰り返すよう、HDD209を制御する。
以上に例示が如くの印刷制御を「複数部数分の印刷を要し、且つ、該複数部数分の印刷のうちの特定部数分の印刷毎に特定種類のシート処理の実行を要する、ジョブ」の処理にて制御部が実行する点も、本形態の特徴点の1つである。
又、上述の制御例では、図22Aの制御例のような設定がジョブCの設定として画面2100を介してユーザにより実行された。そのうえで該ユーザによりスタートキー503が押下された事により、当該ジョブCの印刷実行要求を制御部205が受付けた。制御部205は、このジョブCの印刷実行要求をUI部から受付けた事に応じて、ジョブCの最終成果物の作成完了に要する上述の全ての一連の動作を、全て、自動的に実行させた。この意味は、以下に例示する制御を意味している。
例えば、ジョブCの為のユーザ要求として図20の表示を介してキー2007が押下される事で「指定部数毎に個別にフィニッシングを設定する」指示を制御部205はユーザから受付けた。これは、図24のS1208の判定でYESの判定を下す一例に該当する。且つ、該キー2007のユーザ押下に応答し制御部205が表示部401に実行させた図20の画面2000を介して制御部205は上記ユーザ要求を受付けた。
即ち、「合計10部数分の印刷のうち9部数分の印刷束の1束毎にくるみ製本処理を実行させ、且つ、1部数分の印刷束に対しては多穴パンチ処理を実行させる」要求を制御部205はユーザから受付けた。そして、ジョブCに対するこれら一連のユーザ設定が完了したとする。これは、図24のS1214の判定でYESの判定を下す一例に該当する。そのうえで、該ジョブCのユーザがスタートキー503を押下したとする。即ち、この時点で、制御部205は、ジョブCの印刷実行要求をユーザからUI部を介して受付けた事を意味する。これは、図24のS1210の判定でYESの判定を下す一例に該当する。
制御部205は、このジョブCのユーザからの印刷実行要求を受付けた事に応じて、ジョブCの最終成果物の作成完了に要する動作として、以下に例示の複数の動作を、全て、自動的に実行するようシステム1000を制御する。
(動作1) ジョブCの40頁からなる一連の印刷データを、全頁、HDD209に記憶させる動作。
(動作2) ジョブCの40頁からなる一連の印刷データをHDD209から読出し、プリンタ部203により印刷開始させる。このジョブCの一連の印刷データの先頭頁から最終頁までの印刷データの全頁を全て1回印刷させる一連の印刷工程を、1セット分の印刷とする。動作2では、9セット分のくるみ製本印刷束を作成に要する印刷動作として、この一連の印刷工程を、9回繰り返し実行させる。即ち、ジョブCの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、くるみ製本処理の実行の為にユーザが指定した9部数分の印刷をプリンタ部203で実行させる。
(動作3) 上記9部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対するくるみ製本処理を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。このくるみ製本処理は、9部数分の印刷束の各束1束ずつ、実行させる。
(動作4) 動作2にて9セット分の印刷を実行するにあたりHDD209から9回繰り返し読み出されたデータと同一内容のコンテンツデータに該当するデータ、即ち、上記ジョブCの一連の印刷データを、HDD209から再び読み出す。且つ、このHDD209から読み出したジョブCの一連の印刷データの先頭頁から最終頁までの印刷データの全頁を全て1回印刷させる一連の印刷工程を、1セット分の印刷として、プリンタ部203により実行させる。動作4では、1セット分の多穴パンチ処理済み印刷束を作成に要する印刷動作として、この一連の印刷工程を、1回、実行させる。即ち、ジョブCの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、多穴パンチ処理の実行の為にユーザが指定した1部数分の印刷をプリンタ部203で実行させる。
(動作5) 上記1部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対する多穴パンチ処理を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。この多穴パンチ処理も、1シート束単位で実行させる。即ち、この動作5にて多穴パンチを実行させる回数は1回である。
尚、このジョブCの為に、ユーザから、図22Aの表示例が如くのユーザ要求を図21の画面2100の表示を介して受付けたうえでキー503を介してユーザから受付けたジョブCの為の印刷実行要求は1回だけである。
制御部205は、この1回の印刷実行要求をユーザから受付けただけで、ジョブCの為に、上記(動作1)を開始させ、且つ、これら(動作1)〜(動作5)を、ジョブCの為に、連続的且つ自動的に全て実行させる。
又、(動作1)はコピーモードのジョブにて要する動作である。ボックスモードのジョブでは(動作1)は不要である。ジョブCがボックスモードのジョブに該当する場合には、制御部205は、(動作2)から開始させ、この(動作2)〜(動作5)を、連続的且つ自動的に全て実行させる。
制御部205は、以上が如くの一連の動作を、ジョブCのユーザにより図22Aの表示例が如くの設定がなされうえでスタートキー503が押下された事に応答し、自動的に全て実行させるよう、システム1000を制御する。即ち、制御部205は、ジョブCの印刷実行要求を複数回ユーザから受付ける事無く、上記一連の動作を開始実行させる。
換言すると、制御部205は、(動作1)の開始前にジョブCの印刷実行要求を1回受付けた後に、(動作1)の開始時点から(動作5)の完了時点を含む一連の動作期間中にてジョブCの印刷実行要求を再びユーザから受付ける事無く、(動作1)〜(動作5)の全ての動作を、実行させる。
更に換言すると、制御部205は、(動作1)の開始前に「くるみ製本処理」の実行要求と「多穴パンチ処理」の実行要求の両要求を、図22Aの表示が如くUI部に実行させる表示を介し、同時にユーザから受付可能に制御する。且つ、制御部205は、これら互いに異なる2種類のシート処理の実行要求を(動作1)の開始前に受付けた後には、(動作1)の開始時点から(動作5)の完了時点を含む一連の動作期間中にて「多穴パンチ処理」の実行要求をユーザから受付ける事無く、(動作1)〜(動作5)の全ての動作を、実行させる。
しかも、該制御部205は、(動作1)を(動作2)の前に1回だけ実行させるよう制御する。
換言すると、制御部205は、(動作2)における印刷と(動作4)における印刷の為に(動作2)におけるジョブCのデータの記憶動作を2回実行させる事無しに、(動作1)〜(動作5)の全ての動作を、実行させる。
このように必要最低限のユーザ設定、装置動作のみを実行させ、それ以外の動作の実行は、禁止するよう、制御部205により、システム1000を制御する。
尚、これら(動作1)〜(動作5)は、ユーザから印刷実行要求を一度受けた事に応じてシステム1000にて実行させる動作である。且つ、この一連の動作を実行させる為の制御は、図29で例示するフローにて制御部が実行対象となる制御例に該当する。
例えば、図22Aの表示例が如くのユーザ要求がなされた上でキー503がユーザにより押下されたとする。該キー503の押下に応答し、制御部205は、図29のS1301の判定で、このジョブCの為にYES判定を下す。これにより(動作1)を図29のS1302で実行する。且つ、制御部205は、このジョブCの為に図29のS1304の判定にてYES判定を下す。なぜなら、ジョブCは「複数部数分の印刷を要するジョブ」に該当するからである。且つ、制御部205は、図29のS1305の判定にてYES判定を下す。なぜなら、ジョブCは、図22Aの表示例のユーザ要求が如く、「指定部数毎に異なる種類のシート処理の実行を要するジョブ」に該当するからである。このような判断を制御部は図29の処理にてこのジョブCの為に下す。
これにより、制御部205は、図29のS1301でYES判定を下した事に応じて、S1302、S1303、S1308等の処理により、上記の如く、(動作2)〜(動作5)を、連続的且つ自動的に、本システム1000にて、全て、実行させる。このような対応関係になる。
以上に例示したが如くの各種制御を本システム1000にて本形態の制御部により実行可能にする。
以上のような構成要件を具備することで、上記技術背景等で想定した課題等に対処可能となる。特に、オフィス環境とは異なるユースケース・ユーザニーズの発生が想定されるPOD環境等の印刷環境でも、極力、生産性を向上させる仕組みが提供可能となる。このような制御も本形態における重要な特徴点の1つである。
尚、図22Aは、互いに同一内容のデータが印刷対象となる複数部数分の印刷を要すジョブCに対するユーザ要求に従い指定部数分の印刷束毎に実行させるフィニッシングの種類が「2種類」の場合における制御例の1つに該当する。上述した如く、本形態では、システム1000にて実行可能範囲内であれば、2種類以上の異なる種類のフィニッシングを、個別設定可能に構成している。これを以下に例示する。
[図22Bの表示例が如くのユーザ要求が複数部数分の印刷を要すジョブの為にユーザからUI部を介して受付けた場合に、制御部が実行する制御例]
以下に、図21の表示を介して上記の如く特定のユーザ要求がなされた場合に、本形態の制御部が実行する制御例の更なる一例を、図22Bを用いて以下に例示する。尚、ここでは、図22Aの表示例にて制御対象のジョブCと区別すべく、20頁からなるジョブ(以下、ジョブDと呼ぶ)を例に挙げ説明する。
例えば、制御部205が表示部401に実行させた図21の表示を介して、上述のジョブDに対して、図22Bの表示例に示すが如くのユーザ設定がなされたとする。
この場合、該ジョブDは「合計10部数分の印刷を要するジョブであり、該10セット分の印刷束のうち、2セット分の印刷束は1束毎にステイプル処理の実行を要し、且つ、4セット分の印刷束は1束毎にくるみ製本処理の実行を要し、且つ、残り4セット分の印刷束は1束毎に多穴パンチ処理の実行を要するジョブ」であると、制御部205は、判断する。
この図22Bの表示例が如くのユーザ要求が画面2100の表示を介してユーザにより実行されたうえで、スタートキー503が押下されたとする。これにより、制御部205は、ジョブDの印刷実行要求の受付けがユーザからなされたと判断する。且つ、この判断を下した場合、例えば、例えば、制御部205は、以下に例示の一連の動作を、全て、連続的且つ自動的、実行させるよう印刷システム1000を制御する。
(動作1) ジョブDの20頁からなる一連の印刷データを、全頁、HDD209に記憶させる動作。
(動作2) ジョブDの20頁からなる一連の印刷データをHDD209から読出し、プリンタ部203により印刷開始させる。このジョブDの一連の印刷データの先頭頁から最終頁までの印刷データの全頁を全て1回印刷させる一連の印刷工程を、1セット分の印刷とする。動作2では、2セット分のステイプル処理済み印刷束を作成に要する印刷動作として、この一連の印刷工程を、2回繰り返し実行させる。即ち、ジョブDの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、ステイプル処理の実行の為にユーザが指定した2部数分の印刷をプリンタ部203で実行させる。
(動作3) 上記2部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対するステイプル処理を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。このステイプル処理は、2部数分の印刷束の各束1束ずつ、実行させる。
(動作4) 動作2にて2セット分の印刷を実行するにあたりHDD209から9回繰り返し読み出されたデータと同一内容のコンテンツデータに該当するデータ、即ち、上記ジョブDの一連の印刷データを、HDD209から再び読み出す。且つ、このHDD209から読み出したジョブDの一連の印刷データの先頭頁から最終頁までの印刷データの全頁を全て1回印刷させる一連の印刷工程を、1セット分の印刷として、プリンタ部203により実行させる。動作4では、4セット分のくるみ製本処理済み印刷束を作成に要する印刷動作として、この一連の印刷工程を、4回、実行させる。即ち、ジョブDの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、くるみ製本処理の実行の為にユーザが指定した4部数分の印刷をプリンタ部203で実行させる。
(動作5) 上記4部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対するくるみ製本処理を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。このくるみ製本処理も、1シート束単位で実行させる。即ち、この動作5にてくるみ製本処理を実行させる回数は4回である。
(動作6) 動作2にて4セット分の印刷を実行するにあたりHDD209から9回繰り返し読み出されたデータと同一内容のコンテンツデータに該当するデータ、即ち、上記ジョブDの一連の印刷データを、HDD209から再び読み出す。且つ、このHDD209から読み出したジョブDの一連の印刷データの先頭頁から最終頁までの印刷データの全頁を全て1回印刷させる一連の印刷工程を、1セット分の印刷として、プリンタ部203により実行させる。動作6では、4セット分の多穴パンチ処理済み印刷束を作成に要する印刷動作として、この一連の印刷工程を、4回、実行させる。即ち、ジョブDの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、多穴パンチ処理の実行の為にユーザが指定した4部数分の印刷をプリンタ部203で実行させる。
(動作7) 上記4部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対する多穴パンチ処理を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。この多穴パンチ処理も、1シート束単位で実行させる。即ち、この動作7にて多穴パンチ処理を実行させる回数は4回である。
尚、このジョブDの為に、ユーザから、図22Bの表示例が如くのユーザ要求を図21の画面2100の表示を介して受付けたうえでキー503を介してユーザから受付けたジョブDの為の印刷実行要求は1回だけである。
制御部205は、この1回の印刷実行要求をユーザから受付けただけで、ジョブDの為に、上記(動作1)を開始させ、且つ、これら(動作1)〜(動作7)を、ジョブDの為に、連続的且つ自動的に全て実行させる。
又、(動作1)はコピーモードのジョブにて要する動作である。ボックスモードのジョブでは(動作1)は不要である。ジョブDがボックスモードのジョブに該当する場合には、制御部205は、(動作2)から開始させ、この(動作2)〜(動作5)を、連続的且つ自動的に全て実行させる。
制御部205は、以上が如くの一連の動作を、ジョブDのユーザにより図22Bの表示例が如くの設定がなされうえでスタートキー503が押下された事に応答し、自動的に全て実行させるよう、システム1000を制御する。即ち、制御部205は、ジョブDの印刷実行要求を複数回ユーザから受付ける事無く、上記一連の動作を開始実行させる。
換言すると、制御部205は、(動作1)の開始前にジョブDの印刷実行要求を1回受付けた後に、(動作1)の開始時点から(動作7)の完了時点を含む一連の動作期間中にてジョブDの印刷実行要求を再びユーザから受付ける事無く、(動作1)〜(動作7)の全ての動作を、実行させる。
更に換言すると、制御部205は、(動作1)の開始前に「ステイプル処理」、「くるみ製本処理」、「多穴パンチ処理」のこれら3種類のシート処理の実行要求を、図22Bの表示が如くUI部に実行させる表示を介し、同時にユーザから受付可能に制御する。且つ、制御部205は、これら互いに異なる3種類のシート処理の実行要求を(動作1)の開始前に受付けた後には、(動作1)の開始時点から(動作7)の完了時点を含む一連の動作期間中にて「くるみ製本処理」や「多穴パンチ処理」の実行要求をユーザから受付ける事無く、(動作1)〜(動作7)の全ての動作を、実行させる。
しかも、該制御部205は、(動作1)を(動作2)の前に1回だけ実行させるよう制御する。
換言すると、制御部205は、(動作2)における印刷と(動作4)における印刷と(動作3)における印刷の為に(動作2)におけるジョブDのデータの記憶動作を3回実行させる事無しに、(動作1)〜(動作7)の全ての動作を、実行させる。
このように必要最低限のユーザ設定、装置動作のみを実行させ、それ以外の動作の実行は、禁止するよう、制御部205により、システム1000を制御する。且つ、システム1000にて実行可能なシート処理の種類の数の合計に該当する数の範囲内(図21の例では最大6種類まで)にて、複数種類のシート処理を同一ジョブにて同時に設定実行可能に構成している。
又、制御部205は、上述の如く、表示欄2108で表示対象のトータルの印刷部数を越える設定を、複数部数分の印刷を要するジョブにて指定部数毎に個別にフィニッシングをユーザが設定する際に、実行する事は、禁じている。しかし、図21の表示を介して、ユーザによりトータルの印刷部数を変更可能に構成しても良い。これを以下に例示する。
例えば、制御部205が、表示部401に図21の表示を実行させたうえで、図21の表示欄2108がユーザにより押下されたとする。これを受け、制御部205は、表示欄2108の表示を点滅表示させ、その期間中に、ユーザからトータルの印刷部数の変更要求を受付ける。例えば、トータルの印刷部数を「10部」から「12部」に変更した場合、テンキー506で「12」を数値入力させれば良い。且つ、この設定を受付けた事に応じて、図21の表示内容もその設定変更を反映させた表示内容になるよう制御する。例えば、この1例として、図22Cに示すが如くの表示を、制御部205は表示部401に実行させる。
このように構成することで操作性が更に向上可能となる。尚、このような構成でなくとも良い。例えば、図21の画面2100を閉じた後、表示部401に、図6や図19で例示の、処理対象のジョブのトータルの印刷部数の設定をユーザにより実行可能にする表示を、再度、表示部401により、実行させる。その表示を介して処理対象となるジョブのトータルの印刷部数の設定変更をユーザにより実行可能にするよう制御部205により制御する。このように、如何なる操作制御を採用しても良いが、少なくとも、ユーザが処理対象となるジョブの処理条件の設定変更として印刷部数の変更が要求された場合に、その要求を制御部205が受付可能に構成する。
尚、このように印刷部数の設定変更がなされた場合、例えば、制御部205は、図24のS1211でYES判定を下し、図24のS1206の処理へ移行する。
又、上述の図20、図21、図22A〜図22Cを用いて例示したUI部に対する操作制御は、換言すると、以下の制御を制御部205が実行する事を意味する。
例えば、制御部205が、ユーザにより現在印刷処理条件が設定対象のジョブの為に、図24のS1204の判定及びS1206の判定うちの、少なくとも何れかの判定にて、NO判定を下したとする。これは、換言すると、以下のケースの何れかのケースに該当する事を意味する。
(ケース1) システム1000にて異なる種類のシート処理が実行できない場合。例えば、システム1000が具備するインラインフィニッシャの台数が0台。即ち、1台もインラインフィニッシャが存在しない。或いは、システム1000は1台インラインフィニッシャを具備するが、当該装置では、異なる複数種類のフィニッシングが実行できない。このようなケースが、これに該当する。
(ケース2) 図6や図19に例示した表示が如く、印刷部数の設定をユーザから受付け可能にする表示を介してユーザ自身が要求したトータルの印刷部数が「1部」である場合。換言すると、例えば、処理対象のジョブが、「1部数分の印刷を要するジョブ」であり、「複数部数分の印刷を要するジョブ」に該当しない場合。このようなケースが、これに該当する。
この例示が如くの(ケース1)及び(ケース2)の少なくとも何れかのケースに該当すると制御部205が判断したとする。この場合、制御部205は、図20、図21、図22A〜図22Cを用いて例示した上記特定の要求を、操作部204から、そのジョブのユーザから受付ける事は、禁止するよう、操作部204を制御する。
この一例として、例えば、図20のキー2007の表示を無効表示状態にするよう表示部401を制御する。例えば、該キー2007の表示自体を実行させない。或いは、該キーをグレーアウト表示或いは網掛け表示させる。このように、如何なる表示制御方法でも良い。但し、該ケースに該当する場合、制御部205は、少なくとも、「処理対象のジョブにて指定部数毎に個別に特定種類のシート処理を設定する為のユーザ要求をユーザから受付ける事」を禁止するよう操作部204を制御する。
又、上記の(ケース1)及び(ケース2)の少なくとも何れかのケースに該当する場合、制御部205は、図21〜図22Cに例示した画面2100の表示を表示部401に実行させる事自体も禁止する。これにより、図21の画面2100の表示を介して、「複数部数分の印刷のうちの特定部数の印刷毎に特定種類のシート処理をインラインフィニッシャにより実行させる」という特定の要求をユーザから受付ける事自体も禁止する。
以上のような禁則制御を採用することで、ユーザがシステム1000の構成を間違う事、及び、それに起因したユーザ誤操作等の発生を防止可能にする。即ち、このような禁則制御を採用する自体も、本形態にて、ユーザの操作性向上を図る仕組みども有り、本形態の効果の更なる向上を図る為の仕組みである。
この禁則制御が、図24のS1215の処理に該当する。即ち、S1204からS1215へ移行した場合、又は、S1206からS1215へ移行した場合、制御部205は、指定部数毎に個別にフィニッシングの設定をユーザが行う事を禁止する。且つ、この判断に即したシート処理設定画面の表示を表示部401に実行させる。
図24のS1215の処理では、例えば、以下に例示の表示を制御部205は表示部401に実行させる。
例えば、図20の画面2000のキー2007の表示は無効表示状態にし、且つ、キー2001〜キー2008については有効表示状態としたシート処理設定画面の表示を、S1215にて、表示部401により、実行させる。或いは、図21の画面2100のキー2101B〜キー2106Bの合計6個の表示キーの表示は少なくとも無効表示状態にし、且つ、キー2101A〜キー2106Aの合計6個の表示キーの表示は少なくとも有効表示状態にした、シート処理設定画面の表示を、S1215にて、表示部401により、実行させる。
このような表示をS1212にて制御部205は表示部401に実行させるよう制御する。これにより、制御部205は、複数部数分の印刷を要するジョブにて指定部数毎に個別にフィニッシングの設定をユーザが行う事を禁止する。且つ、その設定自体の要求をUI部を介しユーザから受ける事自体をも禁止する。このように構成することで、以下に例示の効果を奏する。
例えば、S1204又はS1206にてNO判定のケースに該当するにも拘わらず、指定部数毎に個別に異なる種類のフィニッシングを設定できるものとユーザが混乱する等の問題の発生を未然に防止可能となる。又、該ケースに該当するにも拘わらず印刷システムの構成を把握していない事が原因で、ユーザの誤操作やユーザの本来の希望とは異なる最終成果物が作成されてしまう等の問題が発生するのを未然に防止可能となる。
又、上記のような禁則制御を用いない場合、以下のような構成も想定される。
例えば、複数部数分の印刷を要するジョブにて複数種類のフィニッシングがユーザにより要求された。しかし、そのうちの何れかの種類のフィニシングがシステムにて実行不可であったとする。この場合に、その実行不可のフィニシングは実行せずに、他の実行可能なフィニシングに変更して、強制出力を実行する。このような構成も1つの設計案ではあると考える。しかし、このような、システム又は装置が独断で自動的に強制出力するような代替処理を実行する構成は、本形態では不採用としている。なぜなら、本形態は、以下のようなユースケースを念頭に入れて構成しているからである。
例えば、POD環境を想定してみると、印刷システム1000を動作させるユーザと印刷システム1000により作成される最終成果物を希望するユーザは異なる状況が想定される。というのも、システム1000を動作させるユーザは、POD環境で作業する印刷代行業に従事する作業者である。一方、最終成果物を希望するユーザは、その業者に印刷を依頼する顧客である。
もし、本形態の禁則制御を行わずに、上述のような代替処理的な構成を採用してしまったら、最終成果物を希望するユーザ(顧客)の望む処理とは異なる処理がシステムで実行されてしまう。これでは、POD環境では、何の役にも立たない。本形態では、本システムをPOD環境に導入した場合に、このようなトラブルが発生するのも未然に防止できるように構成している。その為の構成として、上記禁則制御を本システム1000にて実行可能に構成している。
本形態は上記の如く、様々なユースケースやニーズを想定し、上述で例示のような各種効果を図る為にも、図24のS1204又はS1206にてNO判定を下した場合は、S1215の処理を実行可能にする。このような制御を採用する事自体も、本形態の特徴点の1つである。
但し、S1215の処理にて、上記例示が如くの表示をUI部に実行させた場合に、もし処理対象のジョブが複数部数分の印刷を要するジョブであるとする。このケースに該当する場合で、且つ、特定の条件をシステム1000が満たす場合には、制御部205は、該ジョブの該複数部数分の印刷束の各束毎に全て同一種類のシート処理を実行する事は許可する。換言すると、S1215の処理は、フィニシングの実行自体を常に必ず禁止する処理ではない。
例えば、S1204の判定で複数種類のフィニシングは実行できないが、図20で例示した6種類のフィニシングのうちの1種類のフィニシングについてのみ、実行可能であるとする。この場合、S1204からS1215へ移行する。しかし、この場合、図20のキー2007の表示は無効表示状態にし且つキー2001〜2006のうちの上記1種類のフィニッシングに該当するキーは有効表示とした表示を、S1215にて、表示部401により、実行させる。且つ、該キーを介して、そのフィニシングについては、少なくとも、ユーザが要求すれば、複数部数分の印刷にて実行可能に制御する。即ち、該要求がユーザからなされた場合、制御部205は、複数部数分の印刷を要するジョブにて該複数部数分の印刷束毎に該ユーザが指定した同一種類のフィニシングを実行させる。このような制御を実行する。
尚、この制御は、図24のS1204でNO→S1215→S1216でYES→S1210でYES〜(省略)〜図29のS1304でYES→S1305でNO→S1307という一連の処理フローにて実行する制御例の1つに該当する。又、このような特定の条件以外にも以下のようなケースの場合にも、S1215にて、対処する。
例えば、S1206でNO判定だとする。換言すると、上記ジョブAのように、処理対象のジョブが「複数部数分の印刷を要さないジョブ」に該当する「1部数分の印刷を要するジョブ」であるとする。この場合、S1215へ移行する。但し、もし、システム1000が複数種類のシート処理を実行可能なシステム構成である場合は、以下の例示のように制御する。
例えば、システム1000のシステム構成が図20で例示したような6種類のフィニシングが実行可能なシステム構成であるとする。もし、システム1000がこのシステム構成の場合にて、S1206からS1215へ移行したとする。この場合、制御部205は、上述したような表示制御を実行する。
即ち、図20のキー2007の表示は無効表示状態にし且つキー2001〜2008については有効表示状態としたシート処理設定画面の表示を、S1215にて、表示部401により、実行させる。又は、図21のキー2101B〜2106Bの計6個のキーの表示は全て無効表示状態とし且つキー2101A〜2106Aの計6個のキーの表示は全て有効表示状態とした表示を、S1215にて、表示部401により、実行させる。
そして、上記の表示の中から上記6種類のフィニシングのうちのユーザが所望の種類のフィニシングを1種類のみ受付ける事を許可するよう制御部205により制御する。即ち、制御部205は、ユーザからの要求に応じ、その1種類のフィニシングを該ユーザの1部数分の印刷を要するジョブの印刷束に対して実行可能にする。
尚、上記制御は、図24のS1204でYES〜S1206でNO→S1215→S1216でYES→S1210でYES〜(省略)〜図29のS1304でNO→S1306なる一連のフローで実行する制御例の1つに該当する。
ちなみに、図22Aや図22Bで例示の制御例により処理対象の上記ジョブBや、ジョブCは、以下に例示の一連のフローで処理されるジョブに該当し、以下に例示の処理フローで処理されるよう、制御部により、制御する。
例えば、制御部205は、図24のS1204でYES→S1205→S1206でYES→S1207→S1208でYES→S1212→S1213でNO→S1214でYES→S1210でYES→S1217という処理フローで、ジョブB、ジョブCを、処理する。且つ、該制御部205は、図29のS1301でYES→S1302→S1303→S1304でYES→S1305でYES→S1308という処理フローで、ジョブB、ジョブCを、処理する。
以上のような各種処理が図24のフローチャートに示す処理にて制御部205により実行される。
尚、処理対象となるジョブの為のユーザ設定が全て完了し、操作部204のスタートキー503がユーザにより押下された場合、制御部205は、S1210でYESを下し、S1217へ移行する。このS1217では、以下に例示の処理を実行する。
例えば、制御部205は、処理対象となるジョブの為に操作部204を介しユーザから受付けた各種設定を、一連の印刷処理条件データとして、印刷対象となる該ジョブの一連の印刷データに関連付けてHDD209に登録させる。
以上のような方法で、制御部205は、処理対象となるジョブの印刷実行要求及び該ジョブの各種処理条件(インラインフィニッシャによるシート処理の実行要求を含む)を、操作部204を介してユーザから受付ける。
以上、主に図19〜図24を用いて例示した本システム1000の制御部が実行する各種制御が、本形態の「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」の1例に包含される制御である。
尚、本形態の印刷システム1000は、上述の如く、UI部の一例に該当する操作部204以外のUI部からも、上記と同等の構成及び効果を奏する事が可能となるよう構成している。その1例を、図25〜図28を用いて、以下に例示する。
[図25に示すフローチャートの処理を用いた制御例(印刷装置100の外部装置のUI部を介して処理対象となるジョブの印刷実行要求を受付ける場合の制御例)の説明]
図25のフローチャートの処理も、本形態における「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」に含まれる処理の1例である。
但し、図25の一連の処理は、図1で例示のPC103や104等の情報処理装置を含む、印刷装置100に対してデータ通信可能な遠隔の外部装置にて実行される処理である。換言すると、図25の処理に関する制御は、該外部装置装置が具備する制御部(例えば、PC103のCPU)により実行するよう構成している。本例では一例として、PC104にて図25の処理を実行する場合について説明する。
例えば、PC104の制御部は、図25の処理を実行する為のコンピュータ読取可能なプログラムデータを該PC104が具備するメモリから読出実行することで、当該処理を実行する。このプログラムデータは、印刷装置100のプリンタドライバのデータとして包含されていても良い。且つ、インターネット経由でWEB等からダウンロードする構成でも良いし、PC104に対して着脱可能なCDROM等の記憶媒体からダウンロードする構成でも良い。いずれにしても、PC104等の外部装置の制御部が、図25の処理を実行可能にするプログラムデータを読出し実行可能に構成すれば良い。且つ、該外部装置のUI部により、以下に例示する図26〜図28の表示を、実行可能に制御できる構成であれば良い。
以上の構成を前提とし、本形態のUI部の更なる一例に該当する外部装置のUI部を介して受付可能にしたユーザ要求に応じて、システム1000により処理させるべきジョブの投入方法に関し、図25〜図28を用いて例示する。
ここでは主に、「複数部数分の印刷を要し、且つ、指定部数毎に異なる種類のシート処理を要するジョブ」を含む処理対象となるジョブを、図1のPC104から印刷装置100に対して投入する際の処理に関し、図25に例示のS1701〜S1713の各ステップの処理を含めて、説明する。
まず、文書データ作成ソフト等の特定のアプリケーションソフトで作成されたファイルデータの印刷実行要求に係わる指示を、PC104のユーザが要求したとする。例えば、該データのファイルをPC104にてオープンさせた状態で、該PC104のユーザが、PC104が具備する不図示の操作ユニットを用いて、印刷装置100のプリンタドライバの起動指示をPC104で入力したとする。尚、このPC104の操作ユニットは、例えば、PC104のマウスやキーボード、及び、PC104のモニタ(表示部)がこれに該当する。
例えば、このPC104からの印刷装置100のプリンタドライバの起動指示をPC104にて受付けた事に応答し、PC104の制御部は、PC104の表示部に、印刷装置100の印刷設定画面を、表示させる。この1例を図26に示す。図26の表示は、プリンタのプロパティを指定するためのウィンドウ1401の表示例を示す図である。
PC104の制御部がPC104の表示部に実行させる図26の表示には、印刷対象となるジョブのデータの各種ページ設定をユーザにより実行可能にする表示をPC104に実行させる為のページ設定タブ1402を、具備する。尚、図26の表示は、タブ1402がPC104のユーザにより押下された際にPC104の制御部がPC104の表示部に表示させるページ設定画面を具備している。又、図26の表示は、印刷対象となるジョブのフィニッシングの設定をPC104のユーザが実行可能にする表示をPC104に実行させる為の指示を該ユーザから受付ける為の仕上げタブ1403も、具備する。
且つ、図26の表示は、給紙方法を該ユーザが指定可能にする表示をPC104に実行させる為の指示を該ユーザから受付ける為の給紙タブ1404も、具備する。又、図26の表示は、印刷品質の設定を該ユーザが行う為の印字品質タブ1405も、具備する。且つ、図26の表示は、印刷対象となるジョブの印刷部数を該ユーザが指定する為の部数指定欄1406も、具備する。
PC104の制御部は、印刷すべきジョブを、該PC104から印刷装置100に対して送信するにあたり、印刷対象となる該ジョブの各種印刷処理条件を、PC104のユーザから、図26の表示を介して、受付ける。
尚、PC104の制御部は、印刷装置100の為のプリンタドライバの起動指示がPC104のユーザにより入力された事に応じて、図26の表示を、PC104の表示部により、実行させる。且つ、PC104の制御部は、印刷装置100の為のプリンタドライバの該起動指示がPC104のユーザにより入力された事に応じて、図25のフローチャートを実行する為のプログラムデータを、PC104のメモリから、読出す。且つ、PC104の制御部は、この読み出したプログラムをPC104にて実行することで、図25の一連の処理をPC104にて実行する。換言すると、PC104の制御部は、図26の表示をPC104の表示部により実行させた場合に、図25のフローチャートの処理を開始実行するようPC104を制御する。
尚且つ、PC104の制御部は、図26の表示におけるユーザのキー操作に応答し、図26の表示で受付可能な印刷処理条件以外の印刷処理条件を該PC104のユーザから受付可能にする為の表示を、PC104の表示部により、実行させる。以上を踏まえて、図25の処理を説明する。
PC104の制御部は、印刷装置100の印刷設定画面の一例に該当する図26の表示をPC104の表示部により実行させたうえで、PC104のユーザからシート処理の設定画面の表示要求がなされた否かを、判断する。この処理が、図25のS1701の処理の1例に該当する。
例えばS1701にて、PC104の制御部は、PC104のユーザにより図26の表示にて何れかのキー操作が実行されたか否かをチェックする。もし、図26の表示において何れかのキー操作がPC104のユーザによりなされれば、S1701にてYSE判定を下し、S1702の処理へ移行する。もし、何れかのキー操作も図26の表示を介して受付けていないならば、S1701にてNO判定を下し、S1701の処理を繰り返す。
S1702へ移行した場合、PC104の制御部は、S1701にてPC104のユーザが要求した指示が「処理対象となるジョブの為のシート処理設定画面の表示指示」であるか否かを判断する。換言すると、S1702にてPC104の制御部は、「印刷装置100により印刷対象となるジョブにて要するシート処理をPC104のユーザが指定可能にする表示をPC104に実行させる指示」を受けたか否かを判定する。
例えばS1702では、PC104の制御部は、図26の表示が具備する仕上げタブ1403がPC104のユーザによるマウス操作で押下されたか否かをチェックする。図26の表示のタブ1403が押下された場合、PC104の制御部は、S1702にてYES判定を下し、S1702からS1703へ処理を進める。一方、S1701でPC104のユーザから受付けた要求が図26の表示におけるタブ1403による要求ではない場合、PC104の制御部は、S1702にてNO判定を下し、S1702からS1709へ処理を進める。
S1703にて、PC104の制御部は、印刷装置100を具備する印刷システム1000のシステム構成情報を、確認する。このシステム構成情報とは先の図8A〜図10B等を用いて説明した(情報1)〜(情報5)を含むシステム構成情報である。換言すると、PC104の制御部は、S1703にて、以下に例示の事項を確認する。
(1) 印刷装置100にインラインフィニッシャが接続されているかの確認。換言すると、システム1000がインラインフィニッシャを具備しているか否かの確認。
(2) 印刷装置100にインラインフィニッシャが接続されている場合、何台接続されているか、そのインラインフィニッシャの接続台数の確認。換言すると、システム1000がインラインフィニッシャを何台具備しているか否かの確認。
(3) 印刷装置100にインラインフィニッシャが接続されている場合、如何なる種類のフィニシングを実行可能なインラインフィニッシャが接続されているのか、そのインラインフィニッシャの種類の確認。
(4) 印刷装置100にインラインフィニッシャが接続されている場合、如何なる種類のフィニッシングを実行可能であるか、システム1000にてサポートしているフィニシングの種類の確認。
(5) システム1000が複数台のインラインフィニッシャを具備している場合、如何なる種類のフィニッシングを実行できるインラインフィニッシャが如何なる順番で印刷装置100に対しカスケード接続されているかの確認。換言すると、システム1000が具備する複数台のインラインフィニッシャの印刷装置100に対する接続順序の確認。
PC104の制御部は、以上に例示が如くの確認を、S1703で実行する。尚、この確認は、PC104の制御部が、印刷システム1000のシステム構成情報をチェックすることで実行する。本例では、PC104の制御部は、このシステム構成情報を、以下に例示の何れかの方法を用いて、獲得し参照するよう構成している。
(1) 図26のタブ1403がPC104のユーザにより押下された事に応じ、PC104の制御部が、システム1000のシステム構成情報を要求する為のリクエストコマンドを、ネットワーク101を介して、印刷装置100に送信する。このリクエストコマンドを印刷装置100が受信した事に応じ、印刷装置100の制御部205が、HDD209に保持している上述のシステム構成情報を、ネットワーク101経由で、印刷装置100から該PC104に返信する。印刷装置100から送信されたシステム構成情報をPC104が受信した事に応じ、該PC104の制御部が、該システム構成情報に基いて、S1703の処理を実行する。このように、PC104におけるユーザ要求に応答し、リアルタイムに、印刷装置100からシステム構成情報を確認する。
(2) 予め、PC104のメモリに、印刷システム1000のシステム構成情報を登録しておく。例えば、印刷装置100のプリンタドライバをPC104にインストールした際に、PC104の制御部が、PC104の表示部に不図示の設定画面を表示させる。この不図示の設定画面を介して、印刷装置100を含むシステム1000の設定を、PC104のユーザにより、登録させる。この際に、上記(情報1)〜(情報5)を、登録情報として、登録させる。且つ、この情報をPC104のメモリに登録保持させておき、S1703の処理を実行する際に、PC104の制御部が、この情報をPC104のメモリから読出し、該情報に基いて、S1703の処理を実行する。このように、予めPC104のメモリに登録済みのシステム構成情報に基いた確認を行う。
以上で例示した方法の何れかにより、PC104の制御部は、S1703にて、印刷装置100を具備する印刷システム1000のシステム構成情報を確認する。尚、上述の何れかの方法を用いても良いが、現時点、即ち、処理対象のジョブをPC104から印刷装置100に対して送信するタイミングにおけるシステム構成情報をPC104の制御部がS1703にて確認する事が望ましい。
S1703における印刷システム1000の上記システム構成情報の確認が済んだら、PC104の制御部は、S1703からS1704へ処理を進める。且つ、S1704にてPC104の制御部は、印刷システム1000にて異なる種類のシート処理が実行可能な否かを、S1703にて確認した当該システム構成情報の確認結果に基いて、判断する。換言するとS1704にてPC104の制御部は、PC104から送信対象となるジョブのシートに対して、インラインフィニッシャを用いて、異なる種類のフィニッシングが実行可能か否かを、確認する。
S1704にて、異なる種類のシート処理がシステム1000にて実行可能である事を確認した場合、PC104の制御部は、S1704からS1705へ処理を進める。例えば、印刷システム1000のシステム構成が図8A〜図10Bで例示したシステム構成の何れかのシステム構成であるならば、PC104の制御部は、S1704にてYES判定を下し、S1704からS1705へ処理を進める。何故なら、上述した如く、図8A〜図10Bのシステム構成は、いずれも、処理対象のジョブの印刷処理がなされたシートに対して、異なる種類のフィニシングが実行可能なシステム構成であるからである。
一方、例えば、印刷システム1000のシステム構成が、異なる種類のフィニシングが実行できないシステム構成であるならば、PC104の制御部は、S1704でNO判定を下し、S1704からS1711へ処理を進める。例えば、印刷システム1000がインラインフィニッシャを1台も具備していない場合は、S1704からS1711へ処理を進める。又例えば、システム1000がインラインフィニッシャを1台又は複数台具備していても、該システム構成が、同じ種類のフィニシングを1種類しか実行できないシステム構成である場合は、S1704からS1711へ処理を進める。これらの例示の如く、システム1000が異なる複数種類のフィニッシングが実行できないシステム構成である場合に、PC104の制御部は、S1704からS1711へ処理を進める。
S1705では、PC104の制御部は、PC104から印刷装置100に送信対象となるジョブの印刷データの印刷部数を確認する。例えば、PC104の制御部は、PC104の表示部に実行させた図26の表示の印刷部数指定欄1406を介してPC104のユーザから受付けた印刷部数を確認する。この指定欄1406で設定させる印刷部数は処理対象となるジョブのトータルの印刷部数に該当する。図26の制御例では、処理対象のジョブのトータルの印刷部数としてPC104のユーザにより設定を許容する範囲を「1部〜2000部」としている。この範囲内でユーザにより任意の印刷部数を、印刷装置100による印刷実行を希望するジョブに対して、設定可能にする。
S1706の処理では、PC104の制御部は、印刷装置100により印刷対象となるジョブに対してPC104のユーザが設定した印刷部数が複数部数か否かを判断する。換言すると、PC104から印刷装置100に対して送信対象となるジョブが、複数部数分の印刷を要するジョブであるか否かを、S1706にて確認する。
例えば、図26の表示の印刷部数指定欄1406を介して2部以上の印刷部数がPC104のユーザにより設定されたうえで、図26のタブ1403が該ユーザにより押下されたとする。この条件の場合、該ジョブは「複数部数分の印刷を要するジョブ」に該当する。故に、当該ケースに該当する場合、PC104の制御部は、S1706でYES判定を下し、S1706からS1707へ処理を進める。
一方、例えば、図26の表示の印刷部数指定欄1406にて設定済みの印刷部数が「1部」である場合にて、PC104のユーザにより、図26のタブ1403が該ユーザにより押下されたとする。この条件の場合、該ジョブは「複数部数分の印刷を要するジョブ」には該当しない。換言すると、このジョブは「1部数分の印刷を要するジョブ」に該当する。故に、当該ケースに該当する場合、PC104の制御部は、S1706でNO判定を下し、S1706からS1711へ処理を進める。
S1707に進んだ場合、PC104の制御部は、PC104から印刷装置100に送信対象となる上記ジョブの為に、「PC104のユーザが指定部数毎に個別にフィニシングの設定を実行する事」を、許可する。換言するとS1707にてPC104の制御部は、「複数部数分の印刷を要するジョブにおける該複数部数分の印刷のうちのユーザが指示する特定部数分の印刷毎に該ユーザが指示する特定種類のフィニシングをシステム1000のインラインフィニッシャにより実行させる為のユーザ要求」を、該PC104のユーザから、PC104のUI部を介して、受付ける事を、許可する。且つ、S1707にてPC104の制御部は、S1707における当該判断に基いた特定の表示を、PC104の表示部により、実行させる。
この、S1707にてPC104の制御部がPC104の表示部により実行させる「特定の表示」は、「処理対象のジョブに対するシート処理の設定をPC104のユーザにより実行可能にする表示」に、該当する。且つ、S1707における「特定の表示」は、「複数部数分の印刷を要するジョブの為に、PC104のユーザが指定する指定部数毎に、PC104のユーザが個別にフィニシングの設定を実行可能にする、表示」に、該当する。このS1707にてPC104の制御部がPC104の表示部に実行させる「特定の表示」として、如何なる表示を実行させるのか、以下に例示する。
例えば、PC104の制御部がPC104の表示部に図26の表示を実行させたうえで、図26の表示の印刷部数指定欄1406を介してPC104のユーザから印刷対象となるジョブの為に「印刷部数:10部」が設定された。その上で、図26の表示のタブ1403が該ユーザにより押下されたとする。このトータルの印刷部数として「10部」がPC104のUIを介してユーザにより設定されたジョブを、ここでは、「ジョブE」と称す。このジョブEは、一連の印刷データの全ページを印刷する一連の印刷動作を、10回分、プリンタ部203により実行させるべきジョブに該当する。
換言すると、ジョブEは「複数部数分の印刷を要するジョブ」に該当する。故に、PC104の制御部は、このジョブEの為の処理として、S1706にてYES判定を下し、S1707に進み、上述の判断を下す。且つ、S1707におけるジョブEの為の「特定の表示」として、S1707にて、PC104の制御部は、図27の表示を、PC104の表示部により、実行させる。
図26の表示の指定欄1406を介しジョブEの為に「印刷部数:10部」がユーザにより設定されたうえで図26のタブ1403のキー操作によりジョブDの為のシート処理の設定要求がユーザによりなされた事に応答し、PC104の制御部は、図27の表示を、PC104の表示部により実行させる。但し、勿論、この表示制御は、S1704でYES判定を下した場合、即ち、「異なる複数種類のフィニッシングが印刷システム1000で実行可能である」事が前提条件である。
図27の表示は、構成要素として以下に例示する構成要素を具備する。
[表示構成要件1:印刷方法指定欄]
PC104の制御部は、図27の表示における「印刷方法指定欄」を介して、処理対象となるジョブの為に印刷装置100により実行させるべき印刷方法を、PC104のユーザにより、設定可能にする。
例えば、PC104の制御部は、図27の表示の「印刷方法指定欄」にて「片面印刷」及び「両面印刷」等の印刷方法の選択候補を複数提示可能にし、且つ、その中から何れかの印刷方法をPC104のユーザにより指定可能にする。且つ、PC104の制御部は、そのPC104のユーザからの指示に応じた印刷方法でもって、該PC104から送信対象となるジョブのデータの印刷処理を、印刷装置100により、実行させるよう、制御する。
[表示構成要件2:綴じ方法指定欄]
PC104の制御部は、図27の表示の「綴じ方向指定欄」を介して、処理対象となるジョブの印刷を印刷装置100により実行させる際に印刷原稿の綴じ方向(どの辺を綴じるか)をPC104のユーザにより設定可能にする。
この綴じ方向を設定することで、例えば、両面印刷の時は綴じる辺に合わせて表面の画像と裏面の画像が正しくレイアウトされるように画像の向きを制御する。
[表示構成要件3:シート処理の種類の指定欄2701]
この図27の表示の指定欄2701は、「複数部数分の印刷を要するジョブのユーザが要求する特定部数分の印刷毎に、ユーザが要求する特定種類のフィニッシングを印刷システム1000により実行させる」為のユーザ要求をユーザから受付可能にする為の表示である。S1707にてPC104の制御部がPC104表示部により実行させる「特定の表示」には、少なくとも、この指定欄2701の表示が含まれている。且つ、この指定欄2701を介して、PC104のユーザが指示する部数毎に個別にフィニッシングを設定可能にする。
本形態では、図21の表示により提供可能にする機能・効果と同等の機能・効果を、この指定欄2701を介して、PC104のユーザに対して提供可能にする。換言すると、図19〜図22Cの表示例等で例示した制御例の如く、本形態は、処理対象となるジョブの印刷実行要求を、印刷装置100のUI部を介して、ユーザから受付可能に構成している。且つ、そのジョブが「複数部数分の印刷を要するジョブ」である場合に、印刷装置100のUI部を介して、ユーザが指定する部数毎にユーザが望む種類のフィニッシングを個別に設定可能に構成している。
本形態は更に、この構成と同等の構成を、PC104等の外部装置のUI部を介して、実行可能に構成している。即ち、処理対象となるジョブの印刷実行要求を、印刷装置100とデータ通信可能な外部装置のUI部を介して、ユーザから受付可能に構成する。且つ、そのジョブが「複数部数分の印刷を要するジョブ」である場合に、該外部装置のUI部を介して、ユーザが指定する部数毎にユーザが望む種類のフィニッシングを個別に設定可能に構成している。
この1例として、図25のS1707にてPC104の制御部は、指定項目欄2701を具備する図27の表示を、PC104の表示部により、実行させる。且つ、PC104の制御部は、指定項目2701を介して、以下に例示する各種要求を、該PC104のユーザから、処理対象となる複数部数分の印刷を要するジョブの為に、受付ける事を許可する。
尚、図27の項目欄2701は、印刷システム1000にて実行可能なフィニシングの種類の全項目をPC104のユーザに提示する機能を果たす。例えば、図27の表示例では、異なる複数種類のフィニッシングとして、図21の例示と同様に、全部で6種類のフィニシングが印刷システム1000にて実行可能である事をPC104のユーザにより通知している例である。換言するとPC104の制御部は、指定欄2701を介し、システム1000で複数種類のフィニッシングが実行できる事をPC104のユーザにより確認可能にし、且つ、それが如何なる種類のフィニシングであるのかを該ユーザにより確認可能にする、表示を、PC104の表示部により、実行させている。このような表示を実行する際にも、PC104の制御部は、上述の方法で獲得した印刷システム1000のシステム構成情報を利用する。
且つ、図27の項目欄2701は、ユーザにより選択可能な複数種類のフィニシング(本例では6種類)の各種選択候補毎に区別して設けた、指定欄1502〜1513を具備している。これらの各指定欄の役目・機能について以下に例示する。
[図27の表示が具備する指定欄1502及び指定欄1503]
指定欄1502は、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの指定欄1503を介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000のソート処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対するソート処理を実行させる、為の要求を、PC104のユーザから受付可能にする、表示」である。
例えば、PC104のユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブEの複数部数分の印刷のうち、1部数分の印刷束(1セット分のシート束)に関しては、ソート処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、例えば、指定欄1502の選択を該ユーザにより実行する(マウス操作により該指定欄に対してチェックを入れる)。これを受け、PC104の制御部は、指定欄1502に関連付けている1503の表示を有効表示させる。その上で、指定欄1503に指定部数として「1部」を該ユーザにより設定可能にする。この設定を該PC104のユーザにより受付けた場合、PC104の制御部は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブEの1セット分のシート束についてのみ、ソート処理をシステム1000にて実行させる。
該例示が如くの方法で、図26の指定欄1406でトータルの印刷部数が設定済のジョブの該トータルの印刷部数のうちの指定欄1503を介してPC104のユーザから受付た指定部数分の印刷束の為のソート処理の個別設定、を、完了させる。
[図27の表示が具備する指定欄1504及び指定欄1505]
指定欄1504は、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの指定欄1505を介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000の中綴じ製本処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対する中綴じ製本処理を実行させる、為の要求を、PC104のユーザから受付可能にする、表示」である。
例えば、PC104のユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブEの複数部数分の印刷のうち、1部数分の印刷束(1セット分のシート束)に関しては、中綴じ製本処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、例えば、指定欄1504の選択を該ユーザにより実行する(マウス操作により該指定欄に対してチェックを入れる)。
これを受け、PC104の制御部は、指定欄1504に関連付けている1505の表示を有効表示させる。その上で、指定欄1505に指定部数として「1部」を該ユーザにより設定可能にする。この設定を該PC104のユーザにより受付けた場合、PC104の制御部は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブEの1セット分のシート束についてのみ、中綴じ製本処理をシステム1000にて実行させる。
該例示が如くの方法で、図26の指定欄1406でトータルの印刷部数が設定済のジョブの該トータルの印刷部数のうちの指定欄1505を介してPC104のユーザから受付た指定部数分の印刷束の為の中綴じ製本処理の個別設定、を、完了させる。
[図27の表示が具備する指定欄1506及び指定欄1507]
指定欄1506は、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの指定欄1507を介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000のステイプル処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対するステイプル処理を実行させる、為の要求を、PC104のユーザから受付可能にする、表示」である。
例えば、PC104のユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブEの複数部数分の印刷のうち、2部数分の印刷束(2セット分のシート束)に関しては、中綴じ製本処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、例えば、指定欄1506の選択を該ユーザにより実行する(マウス操作により該指定欄に対してチェックを入れる)。
これを受け、PC104の制御部は、指定欄1506に関連付けている1507の表示を有効表示させる。その上で、指定欄1507に指定部数として「2部」を該ユーザにより設定可能にする。この設定を該PC104のユーザにより受付けた場合、PC104の制御部は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブEの2セット分のシート束についてのみ、ステイプル処理をシステム1000にて実行させる。
該例示が如くの方法で、図26の指定欄1406でトータルの印刷部数が設定済のジョブの該トータルの印刷部数のうちの指定欄1507を介してPC104のユーザから受付た指定部数分の印刷束の為のステイプル処理の個別設定、を、完了させる。
[図27の表示が具備する指定欄1508及び指定欄1509]
指定欄1508は、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの指定欄1509を介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000のくるみ製本処理が実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対するくるみ製本処理を実行させる、為の要求を、PC104のユーザから受付可能にする、表示」である。
例えば、PC104のユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブEの複数部数分の印刷のうち、2部数分の印刷束(2セット分のシート束)に関しては、くるみ製本処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、例えば、指定欄1508の選択を該ユーザにより実行する(マウス操作により該指定欄に対してチェックを入れる)。
これを受け、PC104の制御部は、指定欄1508に関連付けている1509の表示を有効表示させる。その上で、指定欄1509に指定部数として「2部」を該ユーザにより設定可能にする。この設定を該PC104のユーザにより受付けた場合、PC104の制御部は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブEの2セット分のシート束についてのみ、くるみ製本処理をシステム1000にて実行させる。
該例示が如くの方法で、図26の指定欄1406でトータルの印刷部数が設定済のジョブの該トータルの印刷部数のうちの指定欄1509を介してPC104のユーザから受付た指定部数分の印刷束の為のくるみ製本処理の個別設定、を、完了させる。
[図27の表示が具備する指定欄1510及び指定欄1511]
指定欄1510は、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの指定欄1511を介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000の多穴パンチが実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対する多穴パンチ処理を実行させる、為の要求を、PC104のユーザから受付可能にする、表示」である。
例えば、PC104のユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブEの複数部数分の印刷のうち、2部数分の印刷束(2セット分のシート束)に関しては、多穴パンチ処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、例えば、指定欄1510の選択を該ユーザにより実行する(マウス操作により該指定欄に対してチェックを入れる)。
これを受け、PC104の制御部は、指定欄1510に関連付けている1511の表示を有効表示させる。その上で、指定欄1511に指定部数として「2部」を該ユーザにより設定可能にする。この設定を該PC104のユーザにより受付けた場合、PC104の制御部は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブEの2セット分のシート束についてのみ、多穴パンチ処理をシステム1000にて実行させる。
該例示が如くの方法で、図26の指定欄1406でトータルの印刷部数が設定済のジョブの該トータルの印刷部数のうちの指定欄1511を介してPC104のユーザから受付た指定部数分の印刷束の為の多穴パンチ処理の個別設定、を、完了させる。
[図27の表示が具備する指定欄1512及び指定欄1513]
指定欄1512は、「複数部数分の印刷実行を要するジョブの該複数部数分の印刷のうちの指定欄1513を介してユーザが設定した指定部数分の印刷における1部数分の印刷毎に、システム1000の多穴パンチが実行可能なインラインフィニッシャによる該ジョブの一連の印刷データが印刷された1束分のシート束に対する2穴パンチ処理を実行させる、為の要求を、PC104のユーザから受付可能にする、表示」である。
例えば、PC104のユーザが、「合計10部数分の印刷を要するジョブEの複数部数分の印刷のうち、2部数分の印刷束(2セット分のシート束)に関しては、2穴パンチ処理でフィニッシングしたい」と考えたとする。この場合、例えば、指定欄1512の選択を該ユーザにより実行する(マウス操作により該指定欄に対してチェックを入れる)。
これを受け、PC104の制御部は、指定欄1512に関連付けている1513の表示を有効表示させる。その上で、指定欄1513に指定部数として「2部」を該ユーザにより設定可能にする。この設定を該PC104のユーザにより受付けた場合、PC104の制御部は、合計10セット分のシート束の印刷を要するジョブEの2セット分のシート束についてのみ、2穴パンチ処理をシステム1000にて実行させる。
該例示が如くの方法で、図26の指定欄1406でトータルの印刷部数が設定済のジョブの該トータルの印刷部数のうちの指定欄1513を介してPC104のユーザから受付た指定部数分の印刷束の為の2穴パンチ処理の個別設定、を、完了させる。
以上で例示した制御を、PC104の制御部は、S1707にて実行する。
尚、図27の指定欄2701にてPC104のユーザにより実行を許可する設定のルールは、図21の表示を介して印刷装置100のユーザにより実行を許可する設定のルールと同じに構成している。この1例として、PC104の制御部は、指定欄1502〜1513にて個別に実行要求の受付けを許可するフィニシングの指定部数の合計が、図26の指定欄1406で設定された値と同じになるように、ユーザ操作を制限する。
例えば、ジョブDはトータルの印刷部数の合計は10部である。故に、PC104の制御部は、図27の表示にて個別にフィニシングの設定を許可する場合でも、各フィニシング毎の指定部数の合計が10部となる設定以外の設定要求は全て無効にする。この方法として、例えば、図27の表示例では、既に、合計10セット分の印刷を要するジョブEの9セット分のシート束については「くるみ製本」が設定され、残り1セット分のシート束については「多穴パンチ」が設定済みである。
故に、PC104の制御部は、図27の表示例における設定状態のままで、引き続き、他の種類のフィニシングを該ジョブEの為に設定する事は禁止する。この場合、例えばPC104の制御部は、指定欄1508及び1510のチェックをキャンセルしない限り、他の指定欄(1502、1504、1506、1512)の表示は全て無効表示(グレーアウトや網掛け表示等)とさせる。
但し、これはあくまでも例示的な制御の為、これ以外の制御を実行可能に構成しても良い。例えば、図26の表示の指定欄1406で設定された印刷部数の値と、図27の指定欄2701で個別設定された指定部数の合計値が異なる場合、図27の表示の設定が最終的な設定として決定可能に構成しても良い。換言すると、図26の表示で設定したトータルの印刷部数の値を、図27の表示で設定された指定部数の合計値に変更可能に制御しても良い。
又、図27の指定欄2701を介して、PC104のユーザにより、特定部数毎に特定種類のフィニシングの設定を必ず実行しなければならないという構成は採用していない。
例えば、あるジョブ(以下、ジョブFと称す)の設定として、PC104のユーザが図27の表示の指定欄1508をチェックし、且つ、指定欄1509で「10部」を設定したとする。この場合、PC104の制御部は、トータルの印刷部数が10部であるジョブFの10セット分のシート束について、全て、各束毎に、くるみ製本処理を、システム1000にて実行させる。
上述例が如く、図27の表示を実行する場合であっても、ユーザからの要求に従い、複数部数分の印刷を要するジョブの複数セットのシート束の各束毎に、全て、同一種類のフィニシングを実行可能に制御する。換言すると、PC104の制御部は、S1711の処理を実行する場合でも、指定部数毎に個別にフィニシングの設定するか、共通のフィニシングを1種類設定するかを、ユーザ自身により選択可能に制御している。
以上の各種外部装置における制御も、図21で例示した印刷装置100のUI部で提供可能にしたサービスと同等のサービスを外部装置のUI部にて提供可能にする仕組みの1案でもある。
尚、PC104の制御部は、図25のS1708の判断を、図27の表示のOKキー1514がPC104のユーザにより押下されたか否に基いて、実行する。換言すると、PC104の制御部は、S1708にて、図27の表示を介してPC104のユーザによるフィニシングの設定が完了するのを待ち、該設定が完了すれば、S1708からS1709へ処理を進める。
ちなみに、複数部数分の印刷を要する該ジョブEに対して、図27の表示例の如くの「指定部数毎に個別にフィニッシングを設定」が完了したとする。PC104の制御部は、これを、図27の表示のOKキー1514がPC104のユーザにより押下された(マウスでクリックされた)事で、認識する。この場合、PC104の制御部は、S1708でYSE判定を下し、S1708からS1709へ処理を進める。
その後、PC104の表示部にて図26の表示等に戻り、該印刷装置100のプリンタドライバの設定画面における印刷実行キー(不図示)がPC104のユーザにより押下されたとする。この場合、PC104の制御部は、該印刷実行キーの押下に応答し、該ジョブEの印刷実行要求を受付けたと判断する。即ち、S1709でYSE判定を下し、S1709からS1713へ処理を進める。
且つS1713にてPC104の制御部は、図26や図27を含む各種表示を介してPC104のユーザから受付けたジョブEの為の各種印刷処理条件を具備する一連の印刷処理条件データと、該ジョブEの印刷データ(例えば、40ページ分の一連の文書データ)とを関連付ける。且つS1713にてPC104の制御部は、これら関連付けがなされたデータを、ジョブEのデータとして、該PC104から印刷装置100に対してネットワーク101を経由で、送信する。
そして、このジョブEのデータを印刷装置100が外部I/F202を介して受信したとする。すると、印刷装置100の制御部205は、該ジョブEのデータをHDD209に記憶させる。且つ、該制御部205は、該HDD209に記憶させた該ジョブEの印刷データの印刷処理をプリンタ部203により実行させる。
且つ、該制御部205は、該ジョブEの印刷処理がなされたシート束に対するフィニシングをシート処理装置200により実行させる。このジョブEの為の印刷処理及びシート処理を含む一連の動作は、全て、PC104のUI部を介してPC104のユーザにより実行されたユーザ要求に従うように、制御部205は、システム1000を制御する。
即ち、該ジョブEは、トータルの印刷部数が10部となるように、図26の表示を介して、PC104のユーザにより、要求されたジョブである。しかも、PC104の表示部にて実行された図27の指定欄2701の表示を介して、PC104のユーザにより、「10部の印刷束のうち9部の印刷束にはくるみ製本を実行させ、且つ、1部の印刷束には多穴パンチを実行させる」要求がなされた、ジョブである。故に、制御部205は、このジョブEのユーザの要求に従った動作を、ジョブEの為の一連の動作として、印刷システム1000により、実行させる。
尚、制御部205は、如何なるユーザ要求がなされたか否の確認を、ジョブEの印刷データ(40頁分の一連の文書データ)と共にHDD209に記憶させた該ジョブEの上記一連の印刷処理条件データを解析する事で、実行する。この1例として、制御部205は、以下に例示する動作を、全て自動的に実行するように、印刷システム1000を制御する。この「自動的に動作させる」とは、「PC104から印刷装置100に該ジョブDのデータを送信させた後に、該PC104のユーザにより、新たに印刷実行要求やシート処理の設定を、PC104や印刷装置100のUI部を介して、受付ける事無く、連続的且つ自動的に、以下に例示の動作を実行させる」事を、意味する。
[動作1] ジョブEの40頁からなる一連の印刷データをHDD209に全ページ記憶させる。且つ、該ジョブEの一連の印刷条件データも該印刷データに関連付けてHDD209に記憶させる。
[動作2] ジョブEの40頁からなる一連の印刷データをHDD209から読出し、プリンタ部203により印刷開始させる。このジョブEの一連の印刷データの先頭頁から最終頁までの印刷データの全頁を全て1回印刷させる一連の印刷工程を、1セット分の印刷とする。動作2では、9セット分のくるみ製本処理済み印刷束を作成に要する印刷動作として、この一連の印刷工程を、9回繰り返し実行させる。即ち、ジョブEの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、くるみ製本処理の実行の為にユーザが指定した9部数分の印刷をプリンタ部203で実行させる。
[動作3] 上記9部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対するくるみ製本処理を本システム1000のインラインフィニッシャ(システム1000が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合は、シート処理装置200bが、これに該当する)により実行させる。このくるみ製本処理は、9部数分の印刷束の各束1束ずつ、実行させる。
[動作4] 動作3にて9セット分の印刷を実行するにあたりHDD209から9回繰り返し読み出されたデータと同一内容のコンテンツデータに該当するデータ、即ち、上記ジョブEの一連の印刷データを、HDD209から再び読み出す。且つ、このHDD209から読み出したジョブEの一連の印刷データの先頭頁から最終頁までの印刷データの全頁を全て1回印刷させる一連の印刷工程を、1セット分の印刷として、プリンタ部203により実行させる。動作4では、1セット分の多穴パンチ処理済み印刷束を作成に要する印刷動作として、この一連の印刷工程を、1回だけ、実行させる。即ち、ジョブEの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、多穴パンチ処理の実行の為にユーザが指定した1部数分の印刷をプリンタ部203で実行させる。
[動作5] 上記1部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対する多穴パンチ処理を本システム1000のインラインフィニッシャ(システム1000が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合は、シート処理装置200cが、これに該当する)により実行させる。この多穴パンチ処理も、1シート束単位で実行させる。即ち、この動作5にて多穴パンチ処理を実行させる回数は1回である。
制御部205は、上記[動作1]の前に図26や図27の表示を介しPC104のユーザから受付たユーザ要求に従った、ジョブEの為の上記[動作1]〜[動作5]の各動作を、[動作1]以降の期間中におけるユーザによる介入操作無しに、全て、連続的且つ自動的に、印刷システム1000により実行させるよう、HDD209やプリンタ部203やシート処理装置200を制御する。
尚、上述の、ジョブEの為の、図26や図27の表示を介して受付けたユーザ要求に応じた一連の動作を、図25及び後述の図29の各フローチャートでまとめて説明すると、ジョブEは、本システムにて以下のような処理フローで処理するように、本システム1000の制御部(PC104の制御部及び印刷装置100の制御部205の両方を含む)により、制御される。
図25のS1701でYSE→S1702でYES→S1703→S1704でYES→S1705→S1706でYES→S1707→S1708でYES→S1709でYES→S1713(以上、PC104側の一連の処理)→図29のS1301でYES→S1302→S1303→S1304でYES→S1305でYES→S1308(以上、印刷装置100側の一連の処理)。
以上の例示の如くの、一連の制御を、図25のS1707へ処理を進めた場合に、システム1000にて、実行可能にする。
これに対して、S1704でNO判定を下した場合、及び、S1706でNO判定を下した場合のうちの、少なくとも何れかに該当する場合、PC104の制御部は、処理をS1711に進める。この場合、S1711にてPC104の制御部は、「PC104のユーザが指定部数毎に個別にフィニシングの設定を実行する事」を禁止する。且つ、S1711にてPC104の制御部は、当該判断に即したシート処理設定画面の表示を、PC104の表示部により、実行させる。このS1711にてPC104の制御部がPC104の表示部により実行させる表示に関する制御の1例を以下に例示する。
例えば、システム1000にて異なる複数種類のフィニシングが実行できないとする。この場合、S1704からS1711へ移行する。又、例えば、異なる複数種類のフィニシングがシステム1000で実行可能な場合であっても、処理対象のジョブが「複数部数分の印刷を要するジョブ」ではない場合、S1706からS1711へ移行する。
S1711に進んだ場合、PC104の制御部は、S1707にてPC104の表示部により実行対象となる図27の表示で例示した上述の「特定の表示」を、PC104の表示部により、実行させる事は、禁止する。換言するとS1711にてPC104の制御部は、図27の表示にて提供可能にする機能とは区別した、「図27の表示とは異なる特定の表示」を、PC104の表示部により、実行させる。この1例として、S1711にてPC104の制御部は、PC104の表示部に、図28に例示する表示を、実行させる。
図28の表示が具備する構成要素には図27の[印刷方法指定欄]と[綴じ方法指定欄]の各表示と同じ構成要素が具備されるよう、PC104の制御部はPC104の表示部を制御する。換言するとPC104の制御部は、図28の表示をPC104に表示させる場合、図27の[印刷方法指定欄]と[綴じ方法指定欄]の各表示を介して受付を許可する対象のユーザ要求を、該図28の表示を介してユーザから受付ける事は、許可するよう、PC104の表示部を制御する。
しかし、図28の表示が具備する構成要素には、図27の表示における[表示構成要件3:シート処理の種類の指定欄2701]に該当する表示構成要素は具備しないように、PC104の制御部はPC104の表示部を制御する。
換言するとPC104の制御部は、図28の表示をPC104に表示させる場合、図27の指定欄2701の表示を介して受付を許可する対象のユーザ要求を、該図28の表示を介してユーザから受付ける事は、禁止するよう、PC104の表示部を制御する。
但し、図28の表示を実行させる場合、PC104の制御部は、図27の指定欄2701の表示をPC104の表示部に実行させる事は禁止するが、該表示の代わりに、指定欄2801の表示をPC104の表示部により実行させる。
この1例としてPC104の制御部は、該指定欄2801の表示を介して、「複数部数分の印刷を要するジョブの該複数部数分の複数の印刷束毎に全て同一種類のフィニシングを実行させる」為のユーザ要求をPC104のユーザから受付ける事は、許可する。且つ、PC104の制御部は、該指定欄2801の表示を介して、印刷システム1000にて実行可能な複数種類のフィニシングの選択候補の中から、PC104のユーザが所望の種類のフィニシングを1種類のみ、PC104のユーザにより、選択可能に制御する。
例えば、PC104の制御部は、該指定欄2801を6種類のフィニシングの中から何れかの種類のフィニシングを1種類だけPC104のユーザにより選択する事を許可する。この選択候補がなぜ6種類存在するかは、上述したように、印刷システム1000にて実行可能なインラインフィニッシャによるフィニシングの種類が6種類である場合のシステム構成例でもって説明しているからである。
PC104の制御部はS1711にて、この図28の表示を、PC104の表示部により実行させる。図28の指定欄2801には指定欄1602〜1607が具備されている。PC104の制御部は、この指定欄1602〜1607の何れかを介してPC104のユーザにより所望の種類のフィニシングを1種類選択可能にする。図28の例示では、指定欄2801に含まれる指定欄1606にチェックがPC104によりなされた事を意味する。換言すると、処理対象のジョブの印刷処理がなされたシート束に対して多穴パンチ処理を実行させる要求がPC104のユーザによりなされた事を意味する。
尚、図28の表示例は、S1706からS1711へ処理が進んだ場合の表示例である。換言すると、S1704からS1711へ処理を進めた場合、PC104の制御部はS1711にて、図27の指定欄2701の表示とも異なり且つ図28の指定欄2801の表示とも異なる、更なる特定の表示を、PC104の表示部により、実行させる。
というのも、S1706からS1711へ処理を進めるフローは、S1704にてYES判定を下した事が前提条件となる。即ち、システム1000にて異なる複数種類のシート処理が実行可能である事を前提に、S1706のNO判定を経てS1711へ処理を進めるフローである。図28の指定欄2801の表示は、これを反映した表示内容の1例である。換言するとPC104の制御部は、6種類のフィニシングがシステム1000にて実行可能である事を確認したが(S1704でYES)、処理対象のジョブが複数部数分の印刷を要するジョブではない事に応じて(S1706でNO)、S1711にて、PC104の表示部により、図28の指定欄2801の表示を、実行させた。この場合、PC104の制御部が、PC104のユーザにより受付けを許可する要求は、以下に例示の少なくとも何れが、これに該当する。
(1) 複数部数分の印刷を要するジョブの該複数部数分の複数の印刷束の全ての印刷束に対して、1束毎に、同一種類のフィニシングを、実行させる為の要求。且つ、6種類のフィニシングのうちのどの種類のフィニシングを実行させるのかをユーザが指定する為の要求。
(2) 1部数分の印刷を要するジョブの該1部数分の1つの印刷束に対して、6種類のフィニシングのうちの何れか1種類のフィニシングを、実行させる為の要求。且つ、6種類のフィニシングのうちのどの種類のフィニシングを実行させるのかをユーザが指定する為の要求。
PC104の制御部は、S1706からS1711へ処理を進めた場合には、上記(1)や(2)等の、PC104のユーザになされた要求に応じた動作を、処理対象のジョブの為に、印刷システム1000にて、実行させる。
尚、S1711にて上記(1)の要求がなされたうえで、PC104の表示部に表示させた上記プリンタドライバ設定画面における印刷実行キー(不図示)によりPC104のユーザにより印刷実行要求がなされたとする。これは図25のS1711→S1712でYES→S1709でYES→S1713を意味する。この場合、該要求により処理対象となるジョブの為に、印刷装置100の制御部205は、後述の図29にてS1307の処理を実行する。
又、S1711にて上記(2)の要求がなされたうえで、PC104の表示部に表示させた上記プリンタドライバ設定画面における印刷実行キー(不図示)によりPC104のユーザにより印刷実行要求がなされたとする。これも、図25のS1711→S1712でYES→S1709でYES→S1713を意味する。この場合、該要求により処理対象となるジョブの為に、印刷装置100の制御部205は、後述の図29にてS1306の処理を実行する。
上述のS1706からS1711へ移行するフローに対して、S1704からS1711へ処理を進めるフローは、システム1000にて異なる複数種類のシート処理が実行不可能である事を条件に移行する処理フローである。例えば、この状況は、「システム1000にて実行可能なフィニシングが全く無い場合」、又は、「システム1000にて実行可能なフィニシングが1種類のみの場合」が、これに該当する。もし前者(システム1000にて実行可能なフィニシングが全く無い場合)に該当するならば、PC104の制御部はS1711にて、図28の指定欄2801で例示する表示は実行させずに、シート処理の種類の設定欄がフィニシングを1種類も選択できない表示内容とする。
この場合、PC104の制御部は、「印刷方法」の要求や「とじ方向」の要求は受付けを許可するが、「シート処理の種類」の設定に関する要求は受付を禁ずる。又もし後者(システム1000にて実行可能なフィニシングが1種類のみの場合)に該当するならば、その1種類のフィニシングの実行可否を決定する項目のみを具備した表示を、指定欄2801の表示の代わりに、実行させる。この場合、PC104の制御部は、「印刷方法」の要求や「とじ方向」の要求は受付けを許可する。且つ、「シート処理の種類」の設定に関する要求は1種類のみ受付を許可する。
尚、本形態では、「システム1000にて実行可能なフィニシングが全く無い場合」は、念の為、考慮に入れている仕様であり、基本的には、このようなケースは印刷システム1000にて発生しないケースである。というのも、上記6種類のフィニシングのうちの本形態にて例示の「ソート」なるフィニッシングは、排紙部にスタックされる複数の印刷束が、各束毎に、ユーザにより区切れ目が認識可能となるように、1束単位で印刷束をずらす動作のみを要するフィニシングである。このように、「ソート」は、特別なメカ機構が不要なフィニシングであり、印刷装置100に標準装備される機能である可能性が高い。このような状況を鑑み、本形態では、基本的に、最低、1種類のフィニシング(例えばソート)は実行できるシステム構成を想定している。
後述する図29のフローチャートもこの事情を加味した仕様としている。この1例として、本例では、外部装置にて図25のS1711の処理を実行した場合、印刷装置100の制御部205は、図29のS1306の処理及びS1307の処理のうちの、少なくとも何れかの処理を、印刷システム1000にて実行可能にする。但し、外部装置にて図25のS1711の処理を実行した場合、印刷装置100の制御部205は、図29のS1308の処理をシステム1000にて実行させる事は、禁止する。尚、これらは例示的な構成として採用可能にしたものであり、これに限定されるものでもない。
以上の例示の如くの処理をPC104の制御部はS1711にて実行する。即ち、少なくとも、PC104の制御部はS1711にて、指定部数毎に個別にフィニシングの設定をユーザが行う事を、禁止する。換言するとPC104の制御部はS1711にて、指定部数毎に個別にフィニシング設定をユーザにより実行可能にする図27で例示の指定欄2701の表示をPC104の表示部により実行させる事を、禁止する。但し、上述のような当判断に応じたシート処理設定画面の表示をPC104の表示部により実行させる事は、許可する。且つ、PC104の制御部はS1711にて、その表示を介して許可する範囲内にて、上述のように、シート処理の実行要求をPC104のユーザにより受付可能にする。
S1708やS1712では、PC104の制御部は、PC104のユーザによるシート処理の設定がなされるのを待つ。該設定が完了したら、PC104の制御部は、S1709へ処理を進める。
S1709では、PC104の制御部は、上述の如く、PC104のユーザから処理対象となるジョブの印刷実行指示を受付けた否かを、プリンドライバの印刷実行キーの押下状況に基き、確認する。
S1709にてNO判定ならば、PC104の制御部は、S1710へ処理を進める。且つ、PC104の制御部は、S1710にて、例えば、PC104の表示部により実行させた図26の表示の印刷部数指定欄1406を介して、PC104のユーザによる印刷部数の変更がなされた否かを、確認する。もしS1710にてYES判定の場合には、S1706へ戻り、S1706から処理をやり直す。一方、S1710にてNO判定の場合には、S1702へ戻り、S1702から処理をやり直す。
一方、S1709にてYES判定ならば、PC104の制御部は、S1713へ処理を進める。且つ、PC104の制御部はS1713にて、この処理に到達するまでにPC104のユーザから該PC104のUIを介して受付けた一連の印刷条件データと、該PC104から印刷装置100に送信すべきジョブの印刷データと関連付ける。且つ、PC104の制御部はS1713にて、それらのデータを、該ジョブのデータとして、ネットワーク101経由で、PC104から印刷装置100に対して、送信する。そして、印刷装置100側で該PC104のユーザから受付けた要求に応じた印刷処理及びフィニシングを印刷システム1000にて実行させる。即ち、上述例が如くの制御を実行する。
以上の図25〜図28等を用いて例示した如くの制御を、本システム1000にて実行可能に構成することで、図19〜図24等を用いて例示した如くの制御と同等の機能・サービスが提供可能となる。換言すると、印刷装置100の操作部204やPC104等の遠隔の外部装置の操作部等の本形態の装置・システムに関るユーザ要求が受付可能な如何なるUI部を介してユーザ要求を受付ける場合でも、本形態と同等の構成、同等の効果が提供可能になる等の効果を奏す。即ち、本形態で得られる効果が更に向上可能になるという効果を奏する。
しかも、本形態は、システム1000で処理対象となるジョブの印刷実行要求とフィニシングの実行要求を含む特定のユーザ要求を、上述が如くのUI部を介し、ユーザから受付ける際に、特別な制御を実行する。
この1例として本形態では、印刷実行要求を受付けるタイミングにて、本形態の制御部は、システム1000のシステム構成情報及び該ジョブ自体の情報の少なくとも何れかに係わる特定条件を満足しているか否かを確認する。且つ該制御部は、該特定条件を満足していない事を確認した場合、処理対象となるジョブにて特定の印刷部数の印刷束単位で特定種類のフィニシングを実行させる為の一連の動作をシステムにより実行させる事を、禁止する。換言すると、これに関連するプリンタ部203による印刷動作及びシート処理装置200によるフィニシング動作自体を禁止する。本形態は、該特定条件を満足していない場合、該例示が如く、システムにおける実際の動作の実行を禁止する。
しかも本形態は、該特定条件を満足していない場合、システムの実際の動作を禁止するのみならず、特定の印刷部数毎に特定種類のフィニシングを実行させる為のユーザ要求をUI部を介してユーザから受付ける事自体をも禁止する。この1例として本形態では、図24のS1215にて例示したUI部に対する表示制御や、図25のS1711で例示した表示制御を実行している。
これらのUI制御は、もし本形態の構成要件を具備していない構成では、以下に例示が如くの問題が発生しうる事を本形態にて予め着目している事を意味する。換言すると本形態が開示する構成は、以下に例示が如くの問題が発生する事を未然に防止する為にも上記制御を実行している。
例えば、もし本形態の構成を採用しない1例として、システム1000でユーザが望む「異なる複数種類のフィニシング」が実行できないにも拘らず、「指定部数毎に個別のフィニシングの設定に関する」ユーザ要求をUI部を介してユーザから受付けてしまう構成を想定してみる。
具体例で換言すると例えば、S1204でNO判定又はS1206でNO判定に該当する状況であるにも拘らず、S1207の処理と同等の処理を実行してしまうような構成が、これに該当する。或いは、S1704でNO判定又はS1706でNO判定に該当する状況であるにも拘らず、S1707の処理と同等の処理を実行してしまうような構成が、これに該当する。このような構成では、役に立たないどころか、資源の無駄やユーザ、システムに対して余計な負荷を与えてしまう可能性がある。
というのも、例えば、ユーザ(POD環境なら顧客)が希望する最終成果物は、「印刷部数が10部のジョブのうち、9部はくるみ製本の印刷物、1部は多穴パンチの印刷物」であるとする。その一方で、システム1000は、くるみ製本処理及び2穴パンチ処理は実行可能であるものの、多穴パンチについては実行不可のシステム構成であるとする。もし、本形態の構成要件を具備しない上記例示が如くの構成では、該ユーザが希望する最終成果物をシステム1000で完成できないにも拘らず、該ユーザ要求を受付けてしまう構成になってしまう。
これでは、ユーザ(POD環境ならシステム1000を操作するオペレータ)の誤操作、装置の誤動作が発生しうるのみならず該ユーザに困惑を与えかねない。しかも、POD環境等の印刷環境では、様々なユーザ(POD環境なら顧客)からの様々な印刷体裁等に関する要求がなされた大量の印刷ジョブを、如何に効率良く且つ高い生産性でもって処理するかが、重要視されうる。このような印刷環境に対して、本形態の構成要件を具備しない上記例示が如くの構成を採用したら、ユーザ(POD環境なら顧客)が望む最終成果物が完成できないにも拘らず、そのジョブの印刷実行要求をシステムに投入してしまう。
このような無駄な行為が発生しかねない。又、もし仮に、この不適正なジョブの発行にユーザ(POD環境ならオペレータ)が気づき、該ジョブの印刷をキャンセルしたとする。しかし、その操作が行われた時点では、既に、大量ジョブがスケジューリングされてしまった後の状態である可能性が高い。もし、当該例示が如くの状況に陥ったら、複数のジョブを効率よく処理する為に、該複数のジョブのスケジューリングを最初からやり直す必要が発生しうる。POD環境等の、納期がシビアに要求され且つ一度に大量のジョブの処理が要求されうる印刷環境にて、このような1つの印刷ジョブのミスが、複数のジョブの全体の生産性に大きな影響を与えかねない。
このように、本形態の構成を具備しない上記例示が如くの構成を採用すると、上述例が如くの様々なトラブルが発生する可能性がある。本形態はこのような各種トラブルを抑える仕組みとしても、本形態にて上記制御を実行している。又、本形態の構成要件を具備していない構成では、以下に例示が如くの問題が発生する可能性すら考えられる。
例えば上記例示が如くの本形態の構成要件を具備しない構成にて、上記例示が如く、ユーザ(POD環境なら顧客)が希望の最終成果物をシステムで完成できないにも拘らず、該ユーザ要求をシステムで受付けてしまったとする。この場合、上記例示が如く、誤発注に該当するジョブをユーザ(POD環境ならオペレータ)がキャンセルする。又は、そのジョブの処理をシステムにて強制的に完了させてしまう。このような選択肢が想定される。もし、後者に例示が如く、ユーザ(POD環境なら顧客)が本来望んでいる最終成果物を完成できないにも拘らず、そのジョブの処理を強制的にシステムで実行してしまう構成だと、以下に例示が如くの問題が発生しうる。
例えば、上記ジョブは、本来ならば「印刷部数が10部のジョブのうち、9部はくるみ製本の印刷物、1部は多穴パンチの印刷物」の最終成果物を完成させるべきだった。しかし、上記システムにて「くるみ製本」と「2穴パンチ」は実行可能であるが「多穴パンチ」は実行不可であるが為に、システムの制御部が、独断で、該ジョブの1部の印刷物は「2穴パンチ」を実行するよう制御してしまう。このように、本形態の構成要件を具備しない構成のものでは、指定部数毎に特定種類のフィニシングの実行を要するジョブにて、その1部のフィニシングを自動的に代替処理してしまう構成が、想定される。このような、本形態の構成要件を具備せずに当該例示が如くの動作を実行してしまう構成のものでは、先の例示が如くの各種トラブルよりも更に深刻なトラブルが発生しうる。
具体例で換言すると、10部の印刷束のうち、少なくとも1部の印刷束は何の価値もなくなってしまい、資源の無駄になりかねない。しかも、このような結果を出力する事は、POD環境では致命的なトラブルになりかねない。その1例として、顧客が望んでいない成果物を納品してしまう等の問題がある。しかも、POD環境にてこのようなトラブルが発生すると、顧客に迷惑をかけるのみならず、以下に例示するような問題すら発生しうる。
例えば、POD環境では顧客からの要求にきめ細やかに対処できるようにする事が想定される。例えば、印刷装置による印刷に要する記録紙等の印刷媒体に関しても、単に用紙サイズが同じであれば良いという訳にはいかず、顧客が要求する種類の印刷媒体を利用する事が予想される。しかも、そのような印刷媒体は、市販の印刷媒体よりも高価な印刷媒体が想定され、又、顧客自身がPOD環境に持ち込みで持参した印刷媒体が利用される可能性すら想定される。
上述例が如くのユースケースが存在し得るPOD環境で、上述が如くの「指定部数毎に特定種類のフィニシングの実行を要するジョブにて、そのうちの一部分については、フィニシングの種類を自動的に変更して処理する」構成を採用してしまったら、該フィニシングの種類が自動変更されて処理された印刷束に含まれる印刷媒体が全て無駄になりかねない。換言すると、POD業者側でその責任、その費用を全て背負う事になりかねない。
このように、本形態の構成要件を具備しない構成要件では、上記例示が如くの様々な問題が発生しうる。換言すると、本形態の構成要件は、このような問題が発生しない為の仕組みでもある。更に換言すると、本形態は、システム1000が製品実用化された場合におけるシステム1000の納品先として想定されうるPOD業者にとって、メリットがある、様々な仕組みを採用した仕組みを具備している。
且つ、それにより、本形態で述べる各種効果を奏するのみならず、上述例が如くの、本形態の構成要件を具備しない構成にて発生しうる問題自体が発生しないようにする事が可能となる。即ち、本形態の効果が更に向上するという効果が図れる。
このように本形態の印刷システム1000は、オフィス環境では想定しえないユースケースやユーザニーズに配慮し、POD環境でも適用し得る、便利で柔軟な印刷環境が構築可能となる、デジタルプリンティングシステムの製品実用化を目指した、様々な仕組みを、具備している。
[図29に示すフローチャートの処理を用いた制御例の説明]
図29の処理も、図24及び図25等の処理と同様、「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」に含まれる、処理である。図29の処理は、本形態のUI部を介してシステム1000にて処理対象となるジョブの印刷実行要求を受付けた事に応じて、本形態の制御部が、印刷システム1000により実行させる処理の1例である。
尚、本形態のシステム1000は、図24で例示した制御が如く、印刷装置100の操作部204を介して、処理対象となるジョブの印刷実行要求をユーザから受付可能に構成している。この場合、上述の如く、コピーモードのジョブか、ボックスモードのジョブが、処理対象となるジョブに該当する。換言すると、印刷対象となる印刷データは、印刷装置100が具備するスキャナ部201からスキャン入力される印刷データ、又は、HDD209のボックス領域に既に保存済みの印刷データである。
又、本形態のシステム1000は、図25で例示した制御が如く、印刷装置100とは異なる遠隔の外部装置の操作部を介して、処理対象となるジョブの印刷実行要求をユーザから受付可能に構成している。この場合、該外部装置から送信対象となるジョブが処理対象のジョブに該当し、印刷対象となるデータは、該外部装置から送信される印刷データである。
故に、図29の処理では、上述のようなデータ入力経路で受付けるジョブを処理対象のジョブとして取り扱う。
又、図29の処理に関する制御は、1例として、本形態の制御部の一例に該当する制御部205により実行するものとする。故に、本例では、制御部205が、図24の処理と同様にこの図29の処理を実行する為のコンピュータ読取可能なプログラムデータをHDD209から読出実行する。これにより、図29の処理を実行する。以下に、図29で例示のS1301〜S1308の各ステップにおける処理について述べる。
図29のS1301にて制御部205は、ユーザから印刷実行要求がなされたジョブを受付けたか否かを確認する。例えばS1301で制御部205は、PC104等の外部装置から処理対象のジョブの印刷実行要求の受付の有無を、外部I/F202から獲得する信号(例えば、外部データの受信状況の確認に要する制御信号)に基き、確認する。又、S1301で制御部205は、印刷装置100にて処理対象のジョブの印刷実行要求を受付けたか否かを、操作部204からの情報(例えば、キー503等、操作部204におけるユーザのキー操作状況を特定するのに要する信号)に基き、確認する。S1301にて印刷実行要求の受付け有りと判断した場合、制御部205はS1301からS1302へ処理を進める。
S1302にて制御部205は、S1301で印刷実行要求の受付けを確認した処理対象となるジョブのデータに該当する印刷データや一連の印刷処理条件データを、関連付けて、HDD209に、記憶させる。
尚、印刷データをHDD209に記憶させる際には、印刷対象となる複数頁からなる一連の印刷データを先頭ページから最終ページまで全ページHDD209に記憶させる。且つ、複数部数分の印刷を要するジョブの際には、その記憶したデータを、指定された印刷部数分、繰り返し利用可能に、該印刷データをHDD209に保持させる。
但し、ボックスモードのジョブの印刷データは、既に、HDD209に保存済みである。故に、ボックスモードのジョブの印刷実行要求を受付けた場合、そのジョブの印刷処理条件データのみをHDD209等の適当なメモリに記憶させ、印刷データ自体は、HDD209に保存済みのデータを利用可能にする。
次いでS1303にて制御部205は、該印刷実行要求がなされたジョブにて要するユーザからの要求に応じた、HDD209内の該ジョブの一連の印刷データの印刷処理を、プリンタ部203により、実行させる。このS1303の処理は、該ジョブに対してユーザが要求したトータルの印刷部数分、全て、印刷完了するまで実行する処理である。
例えば、処理対象のジョブが1部数分の印刷を要するジョブの場合、S1303にて制御部205は、該ジョブの一連の印刷データの印刷処理を、プリンタ部203により、1回分(1セット分)、実行させる。又例えば、処理対象のジョブがトータル10部数分の印刷を要するジョブの場合、S1303にて制御部205は、該ジョブの一連の印刷データの印刷処理を、プリンタ部203により、10回分(10セット分)、実行させる。
次いでS1304にて制御部205は、プリンタ部203による印刷処理がなされたうえで該ジョブの印刷データが印刷されたシート束に対してユーザが要求するフィニシングを実行させる為の制御を実行する。
例えばS1304にて制御部205は、該ジョブが「複数部数分の印刷を要するジョブ」であるか否かを確認する。この確認に、制御部205は、HDD209に該ジョブの印刷データに関連付けて保持させた該ジョブの印刷処理条件データをチェックする。
S1304にて制御部205が、処理対象のジョブは「複数部数分の印刷を要するジョブ」に該当しない、換言すると、該ジョブは「1部数分の印刷を要するジョブ」である事を、確認したとする。この確認結果の場合、制御部205は、該ジョブの処理として、S1304からS1306へ処理を進める。且つS1306で制御部205は、該ジョブの為に、該ジョブの印刷データが印刷されたシート束に対して、該ジョブのユーザにより要求された種類のシート処理をシステム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。
尚、S1306にて制御部205により制御対象となるジョブは、図24の処理で例示したジョブAがこれに該当する。換言すると、S1306にて処理対象となるジョブは、例えば、図24のS1206でNO→S1215→S1216でYESを経た1部数分の印刷を要するジョブが、これに該当する。又、S1204でNO→S1215→S1216でYESを経た1部数分の印刷を要するジョブ等が、これに該当する。又、例えば、図25のS1706でNO→S1711→S1712でYESを経た1部数分の印刷を要するジョブが、これに該当する。又、図25のS1704でNO→S1711→S1712でYESを経た1部数分の印刷を要するジョブ等がこれに該当する。
一方、S1304にて制御部205が、処理対象のジョブは「複数部数分の印刷を要するジョブ」である事を、確認したとする。この確認結果の場合、制御部205は、該ジョブの処理として、S1304からS1305へ処理を進める。且つS1305にて制御部205は、当該複数部数分の印刷を要するジョブが「指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブ」であるか否かを、確認する。この確認においても、制御部205は、HDD209に該ジョブの印刷データに関連付けて保持させた該ジョブの印刷処理条件データをチェックする。
S1305にて制御部205が、該複数部数分の印刷を要するジョブは「指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブ」に該当しないジョブである事を、確認したとする。この確認結果の場合、制御部205は、該ジョブの処理として、S1305からS1307へ処理を進める。且つS1307で制御部205は、該複数部数分の印刷を要すジョブの全ての印刷束に対して、全て、同じ1種類のフィニシングを、1束単位で、システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。
尚、S1307にて実行させるフィニシングは、当然、該ジョブのユーザにより指定された種類のシート処理である。故に、如何なる種類のフィニシングが要求された否かの確認を行う為にも、該制御部205は、HDD209に該ジョブの印刷データに関連付けて保持させた該ジョブの印刷処理条件データをチェックする。
又、S1307にて制御部205により制御対象となるジョブは、図24の処理で例示したジョブBや図25で例示のジョブFがこれに該当する。換言すると、S1307にて制御部205により制御対象となるジョブは、例えば、図24のS1213でYES→S1208でNO→S1209でYES→S1210でYESの一連の処理フローを経たジョブが、これに該当する。又、図24のS1204でNO→S1215→S1216でYESを経た複数部数分の印刷を要するジョブ等も、S1307にて処理対象となるジョブに該当する。
又、例えば、図25のS1707→S1708でYESを経た「複数部数分の印刷を要すが、各印刷束に対して全て同じ種類のフィニシングが要求されたジョブ」が、これに該当する。又、図25のS1704でNO→S1711→S1712でYESを経た複数部数分の印刷を要するジョブ等がこれに該当する。
一方、S1305にて制御部205が、該複数部数分の印刷を要するジョブは「指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブ」である事を、確認したとする。この確認結果の場合、制御部205は、該ジョブの処理として、S1305からS1308へ処理を進める。且つS1308で制御部205は、該ジョブの複数の印刷束のうちの、該ジョブのユーザが指定した指定部数毎に、該ユーザが個別に指定した異なる種類のフィニシングを、1束単位で、システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。
尚、S1308にて制御部205は、上記複数部数分の印刷を要するジョブの一連の動作において、如何なる部数分の印刷毎に如何なる種類のフィニシングを要するのかを特定する。その指定部数の情報や各指定部数毎に要求されているフィニシングの種類を特定する為にも、該制御部205は、HDD209に該ジョブの印刷データに関連付けて保持させた該ジョブの印刷処理条件データをチェックする。
又、S1308にて制御部205により制御対象となるジョブは、図24の処理で例示したジョブCやジョブD、図25で例示のジョブE等がこれに該当する。換言すると、S1308にて制御部205により制御対象となるジョブは、例えば、図24のS1207→S1208でYES→S1212→S1213でNO→S1214でYESの一連の処理フローを経たジョブが、S1308にて処理対象となるジョブに該当する。又、例えば、図25のS1707→S1708でYESを経た「複数部数分の印刷を要し、且つ、指定部数毎に個別に異なる種類のフィニシングが要求されたジョブ」等も、S1308にて処理対象のジョブに該当する。
以上の図29で例示したような処理を、本形態の「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」の1例として、本システム1000にて実行可能にする。尚、図29の説明した以外の当該制御に関する本システム1000の制御部により実行対象となる制御については、図19〜図28等で例示した制御が、該制御部により、実行される。故に、その点については図19〜図28等で例示の説明どおりなので、図29の説明では、割愛する。
以上の例示が如くの本実施形態の印刷システム1000による奏することが可能な効果以下に例示する。
例えば、従来で想定したような問題に対処できる。又、例えば、オフィス環境に留まらずPOD環境にも適応可能な使い勝手の良い便利な印刷環境が構築可能となる。又、例えば、印刷装置の仕様に起因するPOD環境にて発生しうるオペレータの介入作業を、極力、減らす仕組みが提供可能となる。且つ、作業者の作業負荷を低減し、効率的な作業の実現が可能となる。
又、このように様々な状況や利用環境を想定し、様々なユーザからの様々なニーズにも、極力、柔軟に対応可能な仕組みが提供可能となる。そして、従来で想定したようなPOD環境で想定されるユースケースやニーズに対処可能な便利で且つ柔軟な印刷環境を構築するにあたり、以下の効果を発揮可能となる。
例えば、印刷データ自体は同一コンテンツではあるもののフィニッシングが異なる処理を実行してほしい等の要望が本システム1000に対してなされても、効率良く、且つ、高い生産性を維持して、上記要望にも対処可能となる。
換言すると、該要望がなされても、例えば、印刷データ自体は同じであるが、フィニッシングが異なる為に、1つのフィニッシィング単位で、印刷処理条件の設定や、印刷データの入力や、メモリへの蓄積といった一連の作業を複数回行う等の作業が不要となる。このように、設定の煩雑さやユーザ作業量を極力低下させる仕組みが提供可能となる。換言すると、上記の如く、極力生産性や効率性を向上させる仕組みを搭載している本印刷システム1000における効率性や生産性に影響を及ぼす等も問題も未然に抑える事が可能となる。
換言すると、POD環境等の、如何に、複数のジョブを処理するかが重要視される事が予想される印刷環境下で、改善事項として上記のような提案要求がなれても、柔軟に対処可能となる。このように、POD環境等のオフィスとは異なる環境の実際の現場のユースケースやニーズにも対処可能な製品の実用化に向けての仕組みが提供可能となる。
尚、本形態では、システム1000で享受可能な効果を最大限に発揮すべく、「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」にて更なる特別な制御を実行可能に構成している。この制御を、図23A〜図23D等を用いて例示する。
[図23A〜図23Dの説明]
図23A〜図23Dを用いて例示する制御は、本形態の制御部の1例に該当する制御部205が実行する制御である。制御部205は、「複数部数分の印刷を要し且つ指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブ」をHDD209内の印刷待ち行列にセットした時点にて、この図23A〜図23Dに関する制御を、実行する。換言すると、この制御は、システム1000にて処理対象となるジョブの印刷実行要求をユーザから受付けた事に応じて実行させる制御例の1つに該当する。
本形態では、図19の表示が具備するキー617がユーザにより押下された場合に、制御部205が、この図23A〜図23Dの表示を、表示部401により、実行可能に制御している。図23A〜図23Dの表示には、ジョブ状況表示欄2301が含まれている。制御部205は、このジョブ状況画面表示欄2301の表示を介して、以下に例示する内容がユーザにより確認可能になるよう、表示部401に対する表示制御を、実行する。
(内容1) 如何なるジョブがシステム1000にて現在処理中であるかをユーザにより確認可能にする情報。
(内容2) 如何なるジョブがシステム1000にて現在処理待ちであるかをユーザにより確認可能にする情報。
(内容3) 処理中のジョブ及び処理待ちのジョブを含む、処理が完了していない複数のジョブが、如何なる順番でシステム1000にて処理されるのかを、ユーザにより確認可能にする情報。
(内容4) 各ジョブ毎の、「受付け番号、受付け時刻(印刷実行要求を受付けた時刻)、ジョブ名(文書名が未設定の場合はジョブ種)、ジョブグループ、フィニシングの種類、現在の状況」等の各種のジョブ情報をユーザにより確認可能にする情報。
図23Aの表示欄2301の表示例では、現在、システム1000で処理すべきジョブが3つ存在する事を意味している。
この表示欄2301のリストにジョブ情報が表示されている対象のジョブが、ユーザからの印刷実行要求を受付けた事に応じ、印刷システム1000にて処理させるべき、処理対象のジョブである。
例えば図23Aの表示例では、システム1000にて現時点にて処理すべきジョブがHDD209に3個存在する事を意味する。且つ、受付け番号0001のジョブは、現在、プリンタ部203により「プリント中」であり、受付け番号0002のジョブ及び受付け番号0003のジョブは両方ともに「プリント待ち」状態である事を意味する。
又、制御部205は、表示欄2301にてジョブ情報の表示がなさている複数のジョブを、この表示欄2301における各ジョブの表示順序どおりに処理するよう、システム1000を制御する。
例えば図23Aの表示例では、表示欄2301のリストの上から順番に、受付け番号0001のジョブ、受付け番号0002のジョブ、受付け番号0003のジョブが、表示されている。この図23Aの表示順序の場合、制御部205は、まず、最初に、現在プリント中の受付け番号0001のジョブをシステム1000にて完了させるよう制御する。該ジョブの印刷が完了した事に応じて、制御部205は、受付け番号0002のジョブの印刷をプリンタ部203により開始させる。
且つ、この受付け番号0002のジョブの印刷が完了した事に応じて、受付け番号0003のジョブの印刷をプリンタ部203により開始させる。このように、表示欄2301における各ジョブの表示順序が図23Aで例示の表示順序である場合、制御部205は、受付け番号0001のジョブ→受付け番号0002のジョブ→受付け番号0003のジョブ、の順序で、これら3つのジョブをシステム1000にて処理させる。
このように、制御部205は、印刷実行要求がなされたジョブに対する実際の動作に関する制御に連動した表示制御も実行している。
上述例が如くの表示制御を行う制御部205は、図23A〜図23Dの表示を表示部401により実行させる場合に、「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」に関連する表示制御も、実行する。
例えば、図23Aの表示例では、3つのジョブが処理対象のジョブとして存在している。この図23Aの表示例にて、制御部205は、受付け番号0001のジョブには、ジョブグループとして「0001」を付与するよう制御している。且つ、受付け番号0002のジョブには、ジョブグループとして「0002」を付与するよう制御している。且つ、受付け番号0003のジョブには、受付け番号0002のジョブと同じジョブグループとして「0002」を付与するよう制御している。
このように本形態にて、制御部205は、複数のジョブをグループ分けしており、各ジョブ毎にジョブグループ番号を付与するよう制御している。且つ、本形態では、このジョブグループ番号が同じ番号のジョブは、印刷実行要求をユーザから受付ける時点では、本来1つのジョブであった、「複数部数分の印刷を要し且つ指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブ」同士である事を意味している。
例えば、図23Aの表示例では、受付け番号0001のジョブのジョブグループ番号は「0001」である。このジョブは、他の2つのジョブのジョブグループ番号と重複しないジョブグループ番号を付与したジョブである。本形態にて、この受付け番号0001のジョブは、ユーザから該ジョブの印刷実行要求を受付けた際に「複数部数分の印刷を要し且つ指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブ」としてユーザ要求がなされたジョブではない事を意味している。即ち、この受付け番号0001のジョブは、図24や図25等を用いた制御例に対応して説明すると、「ジョブA」や「ジョブB」や「ジョブF」等が、このジョブに該当する事を意味する。
一方、図23Aの受付け番号0002のジョブと受付け番号0003のジョブは、両方ともに、ジョブグループ番号が「0002」である。本形態にて、これら受付け番号0002のジョブと受付け番号0003のジョブは、ユーザから印刷実行要求を受付けた際に「複数部数分の印刷を要し且つ指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブ」としてユーザ要求がなされたジョブである事を意味している。しかも、印刷実行要求を受付ける時点においては、1つのジョブであった事を意味する。
換言すると、図23Aの受付け番号0002のジョブも受付け番号0003のジョブも、互いに、同一内容の一連の印刷データが印刷対象となるジョブ同士である。但し、受付け番号0002のジョブは、一連の印刷データの印刷がなされたシート束に対して「くるみ製本処理」を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる必要があるジョブである。
且つ、受付け番号0003のジョブは、一連の印刷データの印刷がなされたシート束に対して「多穴パンチ」を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる必要があるジョブである。即ち、受付け番号0002のジョブと受付け番号0003のジョブは、図24や図25等を用いた制御例に対応して説明すると、図22Aの表示例が如くのシート処理の実行要求を印刷装置100のUI9部を介してユーザから受付けた「ジョブC」に該当する事を意味する。
尚、受付け番号0002のジョブと受付け番号0003のジョブとが、図27の表示を介してPC104からのユーザ要求を受付けた「ジョブE」に該当しない理由は、これらのジョブのジョブ種は、図23Aの表示例では、「コピーモード」のジョブとして、説明しているからである。換言すると、もし、これらのジョブのジョブ種を特定する情報として、表示欄2301のジョブ名に「プリント」と表示されているとする。この場合、これらのジョブは、図27の表示例が如くのシート処理の実行要求をPC104のUI部を介してユーザから受付けた「ジョブE」に対応する。このように、より正確なUI制御を制御部205により実行している。
上述が如く、制御部205は、図22Aで例示が如くのシート処理の実行要求を印刷装置100のUI部を介してユーザから受付け且つキー503の押下により印刷実行要求を該ユーザから受付けたジョブCを、図23Aの表示例が如くの表示形態で、表示部により、表示させている。なぜ、このような制御を実行するのか、その理由の1例を以下に例示する。
図22Aで例示の上記「ジョブC」は、「40頁から一連の印刷データの印刷を要するジョブ」である。且つ該ジョブCは、「トータルの印刷部数として10部がセットされたジョブであり、そのうちの9部数分の印刷束の各束には「くるみ製本処理」が要求され、残り1部数分の印刷束には「多穴パンチ」が要求された、ジョブ」である。
制御部205は、該ユーザ要求に従い該ジョブCを、図23Aに例示が如く、受付け番号0002のジョブ(以下、ジョブC−1と称す)と、受付け番号0003のジョブ(以下、ジョブC−2と称す)と、2つのジョブに分割する。但し、ジョブC−1の処理に得られる印刷束と、ジョブC−2の処理にて得られる印刷束は、両方とも、本来、ジョブCの最終成果物の印刷束に包含されるべきものである。故に、制御部205は、これらのジョブC−1とジョブC−2とを、互いに関連性があるジョブとして取り扱うべく、互いに共通する同じジョブグループ番号0002を付与する。
制御部205は、「複数部数分の印刷を要し、且つ、ユーザからの要求に応じた特定部数毎に、ユーザからの要求に応じた特定種類のフィニシングを要する、ジョブ」の1例に相当する、該ジョブCを、上述例が如くのジョブ管理方法でもって、HDD209内の印刷待ち行列に、登録させる。
尚、制御部205は、このジョブCを、互いに関連性のあるジョブC−1とジョブC−2との2個のジョブに分割した。制御部205は、このジョブCの分割数を、ジョブCの為にユーザが何種類のフィニシングを要求したかに応じて決定している。換言すると、制御部205は、ジョブCの為にユーザから要求された互いに異なる複数種類のフィニシングの種類の総数に基き、ジョブCの分割数を決定している。
例えば、図22Aの表示を介してジョブCにて要するフィニシングの種類は「くるみ製本」と「多穴パンチ」の2種類である。故に、制御部205は、ジョブCにて要するフィニシングの種類の総数「2」と同じ数の分割ジョブを作成すべく、ジョブCの分割数として「2」を決定する。且つ制御部205は、該決定した分割数分の複数個のジョブとして、ジョブC−1とジョブC−2とを2個作成し、これらのジョブを、処理対象のジョブとして、HDD209の印刷待ち行列にエントリーするように、制御する。
このような制御を制御部205により実行するが故に、図23Aで例示のジョブC−1に相当する受付け番号0002のジョブとジョブC−2に相当する受付け番号0003のジョブは、互いに、ジョブの受付時刻が同時刻(図23Aの表示例では「16:50」)となっている。且つ、両方とも、ジョブ名が同じ名称となっている(図23Aの例では、文書名が未登録なので、ジョブの種類を特定する「コピー」が表示されている)。
尚、制御部205は、例えば、ジョブCの40頁からなる一連の印刷データがHDD209に記憶された時点で、これら2つのジョブC−1とC−2とを、処理対象とのジョブとして、印刷待ち行列にエントリーさせる。この際、ジョブCの40頁からなる一連の印刷データの1頁目がHDD209に記憶された時点で、これら2つのジョブをエントリーしても良い。或いは、ジョブCの40頁の印刷データの全ページがHDD209に記憶された時点で、これら2つのジョブの印刷待つ行列へのエントリーを実行しても良い。但し、何れにしても、ジョブCにて要するフィニシングの設定がユーザにより確定し、且つ、印刷実行要求をユーザからUI部を介して受付けた後に、ジョブC−1とジョブC−2を、印刷待ち行列にセットするよう、制御部205により、制御する。
又、印刷実行要求を制御部205がユーザから受付けた後に、ジョブCにて要する一連の動作は、図22Aの例示で上述したように(動作1)〜(動作5)である。
ジョブC−1とジョブC−2の各ジョブでは両方とも、上述のジョブCの(動作1)を印刷装置100により実行させる事で得られる「HDD209に保持されたジョブCの40頁からなる一連の印刷データ」が利用される。換言すると制御部205は、ジョブC−1における印刷処理でも、ジョブC−2における印刷処理でも、互いに「同じ内容の印刷データ」をプリンタ部203により印刷させるよう、印刷装置100を制御する。但し、その他の動作については、ジョブC−1とジョブC−2とでは異ならせる。
この1例として、制御部205は、ジョブC−1にて実行させるべき動作として、先に例示のジョブCにて要する(動作2)と(動作3)を実行するよう制御する。具体例で換言すると制御部205は、ジョブC−1の処理として、以下に例示の一連の動作を実行させる。
[ジョブC−1の処理としてシステム1000にて実行対象となる動作]
ジョブCの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、くるみ製本処理の実行の為にユーザが指定した9部数分の印刷を、プリンタ部203により、実行させる。換言すると、この印刷工程では、HDD209に保持したジョブCの一連の印刷データを9回繰り返し読み出す。
上記9部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対するくるみ製本処理を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。このくるみ製本処理は、9部数分の印刷束の各束1束ずつ、実行させる。
制御部205は、上述のジョブC−1にて要する一連の動作をシステム1000により実行させる。且つ、この一連の動作を実行させたら、制御部205は、ジョブC−1の処理は完了と判断する。且つ、その際、制御部205は、図23Aのジョブ状況画面表示欄2301で表示対象のジョブC−1に相当する受付番号0002のジョブ情報の表示を表示欄2301から消去させる。且つ、該ジョブC−1の処理が済んだら、制御部205は、ジョブC−2の処理を開始させる。
制御部205は、このジョブC−2にて実行させるべき動作として、先に例示のジョブCにて要する(動作4)と(動作5)を実行するよう制御する。具体例で換言すると制御部205は、ジョブC−2の処理として、以下に例示の一連の動作を実行させる。
[ジョブC−2処理としてシステム1000にて実行対象となる動作]
ジョブCの一連の印刷データの合計10部数分の印刷のうちの、多穴パンチ処理の実行の為にユーザが指定した1部数分の印刷をプリンタ部203で実行させる。換言すると、この印刷工程では、HDD209に保持したジョブCの一連の印刷データを1回読み出す。尚、当該印刷工程にてHDD209から読み出す印刷データは、当然、ジョブC−1における印刷工程にてHDD209から読出対象の印刷データと同じデータである。
上記1部数分の印刷にてプリンタ部203により印刷されたシート束に対する多穴パンチ処理を本システム1000のインラインフィニッシャにより実行させる。この多穴パンチ処理も、1シート束単位で実行させる。即ち、この動作5にて多穴パンチを実行させる回数は1回である。
制御部205は、上述のジョブC−2にて要する一連の動作をシステム1000により実行させる。且つ、この一連の動作を実行させたら、制御部205は、ジョブC−2の処理は完了と判断する。且つ、その際、制御部205は、図23Aのジョブ状況画面表示欄2301で表示対象のジョブC−2に相当する受付番号0003のジョブ情報の表示を表示欄2301から消去させる。
制御部205は、以上で例示が如くの各動作を、ジョブC−1とジョブC−2とで、互いに独立的且つ区別して、システム1000にて実行するよう制御する。
且つ制御部205は、互いに同一内容の印刷データが印刷対象となる上記ジョブC−1とジョブC−2の、これらの各ジョブに関る表示を、互いに独立的且つ区別した表示形式でもって、表示部201により、実行させる。この1例として、図23Aの表示例が如く、制御部205は、ジョブC−1とジョブC−2の各のジョブの状況並びにジョブ情報を、プリントジョブ状況指定欄2301にて、リスト形式で、区別して、表示させる。
本形態にて、上記の如くの表示制御を実行することで、以下に例示が如くの効果を果たしている。
例えば、制御部205は、図23Aの表示例が如くの表示を本形態のUI部により実行可能に制御している。これにより、印刷実行要求がなされた複数のジョブを印刷装置100が受付け、複数のジョブが処理待ち状態となっている場合に、各ジョブの状況がユーザにより容易に確認可能となる。
特に本形態では、図23Aの表示例が如く、「指定部数毎に個別に特定種類のフィニシングの実行を要さないジョブ」には、そのジョブの1個のみに固有のジョブグループ番号を発行し、それを反映表示させている。図23Aの例示では、制御部205は、受付け番号0001のジョブのジョブグループ番号として、他のジョブのジョブグループ番号とは重複させない「0001」を発行し、それを画面上で反映表示させている。且つ、「指定部数毎に個別に特定種類のフィニシングの実行を要するジョブ」は、互いに関連性あるジョブとして、そのジョブの分割ジョブに該当する全てのジョブに対して、同じジョブグループ番号を発行し、それを反映表示させている。
図23Aの例示では、制御部205は、ジョブCのユーザ要求に従い2個に分割した、受付け番号0002のジョブと受付け番号0003のジョブの、各ジョブグループ番号として、共に同じ番号に該当する「0002」を発行した。且つ、これを反映表示させている。
これにより、上記処理待ちの複数のジョブのうちの、どのジョブが「指定部数毎に個別に特定種類のフィニシングの実行を要さないジョブ」であり、どのジョブが「指定部数毎に個別に特定種類のフィニシングの実行を要するジョブ」であるのかがを、ユーザが容易に識別確認可能となる。即ち、ユーザによる各ジョブの状況の全体把握・視認性に関する、上記例示が如くの効果が、更に、向上可能となる、という効果を、奏する。
しかも、本形態では、図22Aで例示の表示欄2301の表示は、ジョブ状況を通知する機能を果たす為だけのものに留まらない。
例えば本形態では、この表示欄2301に表示されている複数のジョブの中からユーザが選択を希望するジョブを、該表示欄2301を介してユーザにより選択可能に構成している。且つ、表示欄2301の表示を介してユーザにより選択されたジョブに対して、表示キー2302〜2305を利用可能に制御することで、複数の特定の処理の中から、ユーザが所望の特定の処理を、実行可能に構成している。図23Aで例示する表示は、このような、ジョブに対する各種操作指示機能としての役目も果たしている。尚、本形態の操作部204が具備する表示部401はタッチパネル形式の画面を表示可能に構成されているので、以下に例示が如くの操作が可能となっている。
例えば、図23Aの表示欄2301の表示を介して、受付け番号0003のジョブ(このジョブはジョブC−2に相当するジョブ)の表示ラインがユーザによりタッチされたとする。するとこれを受け、制御部205は、当該ジョブ状況画面の表示が、ユーザの操作を反映した表示内容となるよう、制御する。この1例として、例えば制御部205は、当該ユーザによるジョブ選択操作に応答し、図23Bに例示の表示を、表示部401により、実行させる。
このように制御部205は、表示欄2301の表示を介して、各ジョブ毎に、個別にジョブをユーザにより選択可能に制御する。
尚且つ、表示欄2301の表示を介してユーザによりジョブの選択がなされた事に応じて、そのジョブに対して実行を許可する処理を、ユーザにより、選択可能に制御する。
例えば、図23Aの表示例では、デフォルトとして、表示欄2301にて1番上のジョブ、即ち、現在プリント中の受付け番号0001のジョブが選択状態となっている。且つ、このジョブについての処理としてユーザからの要求を受付許可する処理は、該ジョブの詳細を表示部401により表示させる処理、及び、現在印刷中の当該ジョブの処理を中止させる処理の2つとしている。
制御部205は、これらの処理の実行要求をユーザから選択的に受付可能にすべく、図23Aが如くの選択状態の場合において、キー2303とキー2304のこれら2つのキーの表示を有効表示させる。
且つ、例えば、図23Aの表示が如く、受付け番号0001のジョブが選択された状態にて、キー2303がユーザにより押下されたとする。すると該キー操作に応答し、制御部205は、受付け番号0001のジョブの詳細情報の表示を、図23Aの表示に代わって、表示部401により、実行させる。
又、例えば、図23Aの表示が如く、受付け番号0001のジョブが選択された状態にて、キー2304がユーザにより押下されたとする。すると該キー操作に応答し、制御部205は、現在プリンタ部203によりプリント実行中の当該受付け番号0001のジョブの印刷処理を中止させる。且つ、このリスト上から該ジョブの情報を消去する。且つ、印刷の為にHDD209に記憶させた該ジョブの一連の印刷データをHDD209から消去させる。且つ、処理順番が2番目のジョブに該当する受付け番号0002のジョブの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。
一方、図23Bの表示例では、図23Aの表示欄2301にて受付け番号0003のジョブがユーザにより選択された場合の表示状態を示している。即ち図23Bの表示例では、処理順序が現時点にて3番目のジョブに該当する、受付け番号0003のジョブがユーザにより選択された状態を、意味する。且つ、図23Bの選択状態にて、この受付け番号0003のジョブに対する処理として、ユーザからの要求を受付許可する処理は、図23Aの選択状態の場合とは異なり、全部で3種類の処理となるように制御している。
この3種類のうち、1つは、「受付け番号0003のジョブの詳細を表示部401により表示させる処理」である。うち1つは、「受付け番号0003のジョブの処理を中止させる処理」である。うち1つは、「受付け番号0003のジョブの処理を、現在印刷中のジョブ以外のジョブで且つ現在印刷待ち状態のその他のジョブの処理よりも、優先的に、実行させる処理」である。尚、この3つ目の処理は、本例にて、「優先プリント処理」と呼んでいる。例えば、図23Bの例では、「現在印刷中のジョブ以外のジョブに該当するジョブで且つ現在印刷待ち状態のジョブ」は、当該受付け番号0003のジョブ以外には、受付け番号0002のジョブしかない。故に、この場合、受付け番号0001のジョブの印刷処理が完了直後に、受付け番号0003のジョブの印刷処理をプリンタ部203により実行させる。
換言すると、図23Bにて現在印刷待ち状態の受付け番号0002のジョブの印刷処理を開始させる前に、該受付け番号0003のジョブの印刷処理を開始させ且つ完了させる。このように受付け番号0002のジョブの印刷処理よりも優先的に受付け番号0003のジョブの印刷処理を実行可能にする。
制御部205は、以上の3つの処理の実行要求をユーザから選択的に受付可能にすべく、図23Bが如くの選択状態の場合において、キー2302とキー2303とキー2304の3つのキーの表示を全て有効表示させる。
且つ、例えば、図23Bの表示が如く、現在処理順序が3番目のジョブに該当する受付け番号0003のジョブ(このジョブはジョブC−2に相当するジョブ)が選択された状態にて、キー2303がユーザにより押下されたとする。すると該キー操作に応答し、制御部205は、受付け番号0003のジョブの詳細情報の表示を、図23Aの表示に代わって、表示部401により、実行させる。例えば、このジョブは「指定部数毎に個別に特定種類のフィニシングが要求されたジョブです。合計10部の印刷を要するジョブCの1部数分の印刷を実行し、且つ、その印刷束には多穴パンチが実行されます。」等の詳細情報を表示部401により表示させる。
又、例えば、図23Aの表示欄2301にて、現在処理順序が2番目のジョブに該当する受付け番号0002のジョブ(このジョブはジョブC−1に相当するジョブ)が選択された状態にて、キー2303がユーザにより押下されたとする。すると該キー操作に応答し、制御部205は、受付け番号0002のジョブの詳細情報の表示を、図23Aの表示に代わって、表示部401により、実行させる。例えば、このジョブは「指定部数毎に個別に特定種類のフィニシングが要求されたジョブです。合計10部の印刷を要するジョブCの9部数分の印刷を実行し、且つ、その印刷束にはくるみ製本処理が実行されます。」等の詳細情報を表示部401により表示させる。
上記例が如く制御部205は、2種類の異なるフィニシングの実行がユーザから要求されたジョブCを、フィニシングの種類の総数と同じ数の2個のジョブC−1とC−2とに分割する。但し、それらを、互いに関連づけて、印刷待ち行列にセットする。且つ該制御部205は、これらのジョブの詳細なジョブ情報を、ユーザからの詳細情報表示要求に応じて、個別に区別して但し互いに関連性がある事を明示した状態で、表示部401により、表示させるよう、制御する。
又、例えば、図23Bの表示が如く、現在処理順序が3番目のジョブに該当する受付け番号0003のジョブ(このジョブはジョブC−2に相当するジョブ)が選択された状態にて、キー2304がユーザにより押下されたとする。すると該キー操作に応答し、制御部205は、当該受付け番号0003のジョブの印刷処理を中止させる。且つ、このリスト上から該ジョブの情報を消去する。この1例として、例えば、該ジョブの消去が実行された場合、制御部205は、図23Bの表示内容を、図23Cの表示例が示すが如くの表示内容になるよう表示部401を制御する。但し、このケースの場合、制御部205は、少なくとも、受付番号0002のジョブ(このジョブはジョブC−1に相当するジョブ)にて要する9セット分の印刷処理とこれら9セット分の印刷物の各セット毎に実行される9回分のくるみ製本処理の全ての処理が完了する迄の期間中に、該受付番号0003のジョブの一連の印刷データをHDD209から消去する事は、禁止する。
何故なら、受付け番号0003のジョブはジョブC−2である。即ち、該ジョブは、「指定部数毎に個別に特定種類のフィニシングが要求されたジョブ」である。且つ、該ジョブに関連するジョブに該当する、該ジョブのジョブグループ番号0002と同一のジョブグループ番号を付与している他のジョブ、即ち、受付け番号0002のジョブが、印刷待ち行列にセットされた状態のままであり、処理が未完了の状態である。
故に、制御部205は、図23Bの表示を介してユーザにより受付番号0003のジョブのキャンセル要求を受付けた場合、該受付番号0003のジョブの1セット分の印刷処理と1セット分の印刷物に対するパンチ処理の実行はキャンセルし、且つ、該受付番号0003のジョブ情報も図23Bの表示画面上から消去するよう制御する。しかし、このケースの場合、制御部205は、該受付番号0003のジョブの印刷対象となる印刷データはHD209から消去すること無しに、全ページ、HD209に保持させたままとする。そのうえで、現在プリント中の受付番号0001のジョブの処理が完了したことを受けて、制御部205は、処理順番が2番目のジョブに該当する受付け番号0002のジョブの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。且つ、制御部205は、この受付番号0002のジョブの印刷処理では、このHD209に保持させたままの状態にした印刷データを用いた印刷処理をプリンタ部203により実行させる。且つ、この印刷処理がなされたうえで、制御部205は、この受付番号0002のジョブにて要するフィニシングをインラインフィニッシャにより実行させる。即ち、制御部205は、受付け番号0002のジョブに相当するジョブC−2の処理として、ジョブCの一連の印刷データを、9セット分印刷させる。且つ、各束毎に、くるみ製本処理を実行させる。このようにシステム1000に対する制御を制御部205により実行する。
上述例が如く、図23Bの表示例の場合、制御部205は、ジョブCの設定として当初ユーザから受付けた「10セット分の印刷にて9セット分はくるみ製本、残り1セット分は多穴パンチを実行させる」要求に関し、ジョブCの一連の印刷データの9セット分の印刷及び9セット分のくるみ製本処理のみ実行させる。即ち、ジョブCの一連の印刷データの残り1セット分の印刷及び多穴パンチ処理の実行はキャンセルする。制御部205は、このようなジョブ制御をシステム1000にて実行する。
勿論、図23Bに例示が如くのユーザ要求(「10セット分の印刷にて9セット分はくるみ製本、残り1セット分は多穴パンチを実行させる」為のユーザ要求)がなされたジョブCに対して、以下の処理を実行する事も可能にする。
例えば、制御部205は、ジョブCの一連の印刷データの9セット分の印刷及び9セット分のくるみ製本処理の実行はキャンセルする。且つ、ジョブCの一連の印刷データの1セット分の印刷及び多穴パンチ処理の実行は印刷システム1000にて実行させる。
このジョブCの為の処理は、以下に例示のユーザ操作が実行された事に応答し、実行するよう、制御部205により、制御する。
例えば、図23Aの表示の表示欄2301を介してユーザから受付け番号0002のジョブ(このジョブは、ジョブC−1に相当する)が選択された。その上で、中止キー2304が押下された。このように制御部205は、表示欄2301のリストのジョブC−2に該当する表示項目がユーザにより選択されたうえで中止キー2304を介し該ジョブの中止要求がユーザからなされた場合に、上記処理を実行させるよう制御する。換言すると制御部205は、ジョブC−2にて要する(動作4)と(動作5)を含む一連の動作を実行する事は禁止し、ジョブC−1にて要する(動作2)と(動作3)を含む一連の動作のみをシステム1000により実行させるよう、制御する。
上記例が如く制御部205は、2種類の異なるフィニシングの実行がユーザから要求されたジョブCを、フィニシングの種類の総数と同じ数の2個のジョブC−1とC−2とに分割する。但し、それらを、互いに関連づけて、印刷待ち行列にセットする。且つ該制御部205は、これらのジョブのキャンセル処理を、ユーザからのジョブキャンセル要求に応じて、個別に、実行するよう、印刷装置100を含む印刷システム1000を制御する。
以上に例示が如くの制御を実行可能にする事で例えば以下に例示の効果が図れる。
例えば、指定部数毎に互いに異なる複数種類のフィニシングの実行要求を処理対象のジョブに対して設定したうえで該ジョブを投入したものの、そのうちの特定種類のフィニシングの実行及びそのフィニシングの為の印刷動作は不要である事がユーザにより発覚した。このような場合に、全ての処理をキャンセルせずに、その不要な種類のフィニシング及びその印刷のみをキャンセルできる。
具体例で換言すると、上記例が如く、合計10部の印刷セットのうち9部セット分の印刷束には夫々くるみ製本で処理させ且つ残り1セット分の印刷束は多穴パンチで処理させるようにジョブCに対してユーザ要求がなされたとする。その後、ユーザが、1部数分の印刷及び多穴パンチについては、キャンセルしたいと望んだとする。このような状況が発生した場合でも、合計10部の印刷セットのうち9部セット分の印刷及びくるみ製本処理の実行自体はキャンセルせずに済む。
即ち、トータルで10部数分の印刷セットの印刷実行要求がなされた上記ジョブCの9部セット分の印刷及びくるみ製本処理の実行自体は実行させたいが、1セット分の印刷及び多穴パンチについてはキャンセルしたいが故に、これら全ての処理をキャンセルせざるを得なくなる等の問題の発生が防止可能となる。
このように複数部数分の印刷を要し且つ特定種類のフィニシングの実行を要するジョブにて要する1部部分の処理のみを、本形態のUI部を介してオペレータからの要求に制御部205が応答することで、キャンセルすることが出来る。故に、このように1部部分の処理のみをキャンセルしたいが為に、該ジョブに関する全ての処理をキャンセルしてしまう等の動作が行われないようにする事が出来る。即ち、本形態の効果が更に一層向上可能となるという効果が図れる。但し、既述のジョブCが如く、トータルで複数部数分の印刷を要し、且つ、オペレータ入力される指定部数毎に異なる種類のフィニッシングを要するジョブを印刷装置100が受付けたとする。この場合、制御部205は、その指定部数単位で要求された複数種類のフィニシングの数に相当する数の分割ジョブを互いに関連付けて生成する。この構成の具体例として、先の実施形態では、9セット分の印刷セットの各セット毎に実行を要するくるみ製本処理と、1セット分の印刷セットに実行を要するパンチ処理との、合計2種類のフィニシングを指定部数毎にオペレータから要求されたジョブCの処理要求をUI部を介して制御部205が受付けた。この要求に基き、制御部205は、その2種類のフィニシングの数に相当する2個の分割ジョブとして、ジョブC−1とジョブC−2を生成し、互いに関連付けてHD209の印刷待ち行列にセットした。尚且つ、図23Aのジョブ状況画面の例示が如く、制御部205は、これらのジョブのシステム1000における処理状況をリアルタイムにオペレータにより通知可能に構成したジョブ状況画面の表示を、UI部により実行可能する。しかも、図23Aの表示のように、ジョブC−1とジョブC−2に該当するジョブ情報に対して共通のジョブグループ番号0002を付与し、それを表示内容に反映するように制御部205は表示部を制御する。これにより、これら分割ジョブC−1とC−2はもともとは同じジョブCである事をシステム1000のオペレータが容易に認識可能となる効果を図る。これは、つまり、ジョブC−1とジョブC−2は、互いに、印刷処理にて同一のコンテンツデータを利用するが、異なる種類のフィニシングを要する分割ジョブであることをオペレータに通知可能に制御部205が本形態のUI部を制御していることを意味する。しかも、制御部205は、これらの分割ジョブ単位で、即ち、ジョブCの印刷設定にて受付けた指定部数単位で、分割ジョブの処理のキャンセルを該UIを介してオペレータから受付可能にシステム1000を制御している。
又、例えば、図23Bの表示が如く、現在処理順序が3番目のジョブに該当する受付け番号0003のジョブ(このジョブはジョブC−2に相当するジョブ)が選択された状態にて、キー2302がユーザにより押下されたとする。すると該キー操作に応答し、制御部205は、当該受付け番号0003のジョブの印刷処理を、他の印刷待ち状態のジョブの印刷処理に優先して、実行するよう制御する。
ここで、図23Bに例示の状況では、受付け番号0001のジョブは、既にプリンタ部203によりプリント実行中である。換言すると、現時点にて該受付け番号0001のジョブは印刷待ち状態のジョブに該当しない。一方、受付け番号0002のジョブは、現在印刷待ち状態であり、且つ、図23Bの表示を介して選択された受付け番号0003のジョブよりも現時点にて処理順序が先のジョブである。
故に、制御部205は、図23Bに例示の如く受付け番号0003のジョブが選択された状態で、キー2302がユーザにより押下された場合、以下に例示が如くの処理順序で、これら3つのジョブを処理するよう制御する。
(1)受付け番号0001のジョブ→(2)受付け番号0003のジョブ→(3)受付け番号0002のジョブ。換言すると制御部205は、これら3つのジョブを、以下に例示が如くの動作でもって、処理するよう、印刷システム1000を制御する。
例えば、図23Bの表示を介して受付け番号0003のジョブに対する優先プリント実行要求をユーザから受けつけた場合、制御部205は、現在印刷中の受付け番号0001のジョブの処理については、そのまま処理を継続させる。且つ制御部205は、受付け番号0001のジョブの処理が全て完了した事に応じて、受付け番号0003のジョブの処理を開始させ、且つ、該ジョブの処理を完了させる。即ち、ジョブC−2にて要する上記(動作4)及び(動作5)を含む一連の動作を全て実行するよう制御する。且つ制御部205は、受付け番号0003のジョブ(即ち、ジョブC−2)の一連の動作が終了した事に応じて、受付け番号0002のジョブの処理を開始させ、且つ、該ジョブの処理を完了させる。即ち、ジョブC−1にて要する上記(動作2)及び(動作3)を含む一連の動作を全て実行するよう制御する。
上記例が如く制御部205は、2種類の異なるフィニシングの実行がユーザから要求されたジョブCを、フィニシングの種類の総数と同じ数の2個のジョブC−1とC−2とに分割する。但し、それらを、互いに関連づけて、印刷待ち行列にセットする。且つ該制御部205は、これらのジョブが、印刷待ち状態である場合、これらのジョブの処理順序を、ユーザからの優先処理実行要求に応じて、変更可能に、制御する。
以上に例示が如くの制御を実行可能にする事で例えば以下に例示の効果が図れる。
例えば、指定部数毎に互いに異なる複数種類のフィニシングの実行要求を処理対象のジョブに対して設定したうえで該ジョブを投入したものの、そのうちの特定種類のフィニシングの実行及びそのフィニシングの為の印刷動作は時間がかかりそうなので、そのジョブにて要する別の種類のフィニシング及びその為の印刷を優先して実行させたいとユーザが望んだとする。このような場合にでも、対処可能となる。
具体例で換言すると、上記例が如く、合計10部の印刷セットのうち9部セット分の印刷束には夫々くるみ製本で処理させ且つ残り1セット分の印刷束は多穴パンチで処理させるようにジョブCに対してユーザ要求がなされたとする。その後、ユーザが、1部数分の印刷及び多穴パンチについては、キャンセルしたいと望んだとする。このような状況が発生した場合でも、9部セット分の印刷及びくるみ製本処理の実行よりも、早く処理が完了するので、これらの処理順序を変更したいと考えたとする。
このような場合でも、受付け順序に依らずに対応可能となる。これにより、指定部数の印刷ボリュームやフィニシングに要する時間などを加味して、オペレータが自分の意志で、柔軟に、上記ジョブにて要する複数の動作の処理順序を変更可能となる。即ち、本形態の効果が更に一層向上可能となるという効果が図れる。
しかも、上記例が如く、制御部205が、フィニシングの種類の総数に応じて、ジョブCから互いに関連性のあるジョブとして分割した、ジョブC−1とC−2との処理順序が、ユーザからの優先実行要求により変更されたとする。この場合、ジョブ状況画面の表示欄2301におけるジョブの処理状況を示す表示内容も、当該変更後の内容になるよう、表示部401を制御する。
例えば、図23Bの表示示が如く、表示欄2301にてジョブC−2に相当する受付け番号0003のジョブの項目がユーザにより選択されたうえで、キー2302がユーザにより押下されたとする。この場合、上記例示が如く、制御部205は、現在印刷中の受付け番号0001のジョブの処理は、そのまま続行させる。且つ制御部205は該ジョブの処理が完了したら、受付け番号0003のジョブに相当するジョブC−2の処理を実行させる。且つ、このジョブの処理が完了したら、制御部205は、最後に、受付け番号0002のジョブに相当するジョブC−1の処理を開始実行させる。
このような処理順序で、これら3つのジョブ処理が実行される事を、各ジョブの現状と共に、ユーザにより通知可能にするよう表示部401を制御する。この1例として例えば制御部205は、上記図23Bに例示が如くの優先処理の実行要求に応じて、表示欄2301の表示を、図23Bに例示の表示内容から図23Dに例示の表示内容に変更するように、表示部401を、制御する。
制御部205は、ジョブの受付順序(印刷実行順序)どおりに、受付け番号0001のジョブ→受付け番号0002のジョブ(即ち、ジョブC−1)→受付け番号0003のジョブ(即ち、ジョブC−2)という順序で処理するように、これら複数のジョブのスケジューリングしていた。且つ、その処理順序をユーザにより確認可能にする表示として、図23Aが如くの表示を表示部401により実行させた。しかし、図23Bに例示が如く、受付け番号0003のジョブが選択され、且つ、該ジョブの優先実行要求を受付けた事に応じ、制御部205は、上記例示が如く、処理順序を変更した。制御部205は、当該ジョブの処理順序の変更結果を、図23Dの表示欄2301に例示するが如く、反映表示させる。
即ち、図23Dの表示欄2301の表示例が如く、受付け番号0001のジョブ→受付け番号0003のジョブ(即ち、ジョブC−2)→受付け番号0002のジョブ(即ち、ジョブC−1)という順序で処理される事をユーザにより確認可能にした表示を実行させるよう表示部401を制御する。
以上のようにジョブの処理順序を変更する制御に連動した表示制御を実行可能に構成することで、上記が如くの処理順序の変更に関るユーザの意思を尊重するのみならず、そのユーザからの要求に応じて処理順序を変更した結果自体を高い視認性でもって、該ユーザにフィードバック可能となる。即ち、本形態の効果が更に一層向上可能となるという効果が図れる。
上記図23A〜図23D等を用いて例示した制御例が如く、本形態の制御部は、「ユーザから指定された指定部数毎にユーザから指定された特定種類のフィニシングの実行を要するジョブ」を「該ユーザにより指定されたフィニシングの種類の総数に相当する数の複数のジョブ」に分割する。且つ、そのフィニシングの種類の数に応じた分割した該複数のジョブを、処理対象となるジョブとして、且つ、互いに関連性のあるジョブとして、HDD209に設けている印刷待ち行列に、同時且つ連続的にセットする。且つ、それらの互いに関連性を持たせた分割ジョブを、ユーザからの各種要求の応じて個別に処理可能に制御する。
例えば、上記例の如く、ジョブC−1とジョブC−2に関し、UI部を介してユーザから受けた詳細情報表示要求に応じて、夫々個別に、詳細なジョブ情報の表示を、該UI部により、実行させる。又例えば上記例の如く、ジョブC−1とジョブC−2に関し、UI部を介してユーザから受けたジョブキャンセル実行要求に応じて、夫々個別に、ジョブのキャンセル処理を印刷装置100により実行させる。又例えば上記例の如く、ジョブC−1とジョブC−2に関し、UI部を介してユーザから受けた優先プリント実行要求に応じて、夫々個別に、ジョブの優先処理を印刷装置100により実行させる。
しかも、上記例が如くの「特定部数毎の特定種類のフィニシングを要するジョブ」を印刷装置100が受付ける毎に、上記と同様の処理を実行可能に制御する。換言すると、このようなジョブが複数存在する場合は、それらの各ジョブ毎に、それぞれ、同様の処理を実行可能にする。
例えば、図22Bに例示のシート処理条件が設定されたうえで印刷実行要求をユーザから受付けた上記ジョブDを印刷装置100にて処理するとする。この場合、制御部205は、図22Bに例示が如くのユーザ要求がなされたジョブDを、3つのジョブに分割する。なぜなら、該ジョブDは、互いに異なる3種類のフィニシング(ステイプル、くるみ製本、多穴パンチ)の実行要求がユーザからなされたジョブであるからである。故に例えば制御部205は、このジョブDの一連の印刷処理条件データの解析結果情報に基き、以下に例示が如くのジョブ分割処理を行う。
制御部205は上記情報に基き、ジョブDからの1個目の分割ジョブとして、「ジョブDの一連の印刷データを2セット分印刷させ、且つ、2セットの印刷束の各束毎にステイプル処理を実行させる為のジョブD−1」を生成する。且つ制御部205は、該情報に基き、ジョブDからの2個目の分割ジョブとして、「ジョブDの一連の印刷データを4セット分印刷させ、且つ、4セットの印刷束の各束毎にくるみ製本処理を実行させる為のジョブD−2」を生成する。且つ制御部205は、該情報に基き、ジョブDからの3個目の分割ジョブとして、「ジョブDの一連の印刷データを4セット分印刷させ、且つ、4セットの印刷束の各束毎に多穴パンチを実行させる為のジョブD−3」を生成する。且つ、これらジョブDに対して実行されたユーザ要求に基いて分割した互いに関連性のある3つの分割ジョブを、図23Aで例示が如くのジョブ状況画面の表示欄2301の表示に、並べて一覧表示させる。勿論、ジョブグループ番号はこらら3つのジョブ全て同じ番号に統一するよう制御する。
これにより、該3つのジョブは、指定部数毎に特定種類のフィニシングを要するジョブに該当するジョブ同士である事をユーザにより確認可能にする。且つ、制御部205は、該ジョブD−1からD−3の3個の分割ジョブのうちの、ユーザが選択したジョブに対し、ジョブ情報表示処理及びジョブキャンセル処理及びジョブ優先処理のうちの、ユーザから要求されたジョブ処理を、独立的に且つ非選択の分割ジョブとは区別して、実行可能に、制御する。
尚、図23A〜図23Dに例示のキー2305は、操作部204にて認証処理をユーザにより実行させたうえで印刷を開始すべきジョブ(本例ではセキュアプリントジョブと称す)が選択された場合に利用するキーである。例えば、該ジョブが表示欄2301を介してユーザにより選択された場合、制御部205は、表示部401にパスワード入力要求画面を表示させる。且つ、そのパスワード入力要求画面を介して該ジョブの印刷を許可するパスワードに一致するパスワードが入力された場合に、該ジョブの印刷を実行可能にする。換言すると、制御部205は、当該認証処理を実行する事無く該ジョブの印刷処理をプリンタ部203により開始させることは禁止する。このような制御も制御部205により実行される。
又、本形態ではPC104等の外部装置からも処理対象のジョブを受付け可能に構成している。故に、該外部装置の表示部に図23A〜図23Dに例示の表示と同等の表示を実行可能に構成する。且つ、図23A〜図23Dで例示が如くのジョブ状況画面の表示を介してユーザにより受付け可能にした各種処理要求(ジョブの詳細表示処理、ジョブの中止処理、ジョブの優先処理等に関る各種ユーザ要求)と同等の要求を、該外部装置の表示部を介して、該外部装置のユーザから受付け可能にする。但し、この際の制御は、該外部装置の制御部が実行する。且つ、該外部装置の表示部を介して選択されたジョブに対して該外部装置のユーザにより要求された処理を実行するよう制御する。このように外部装置からでも印刷装置100の操作部204を介して提供可能な機能と同等機能を提供可能にする。これにより、本形態の効果が更に向上可能となるという効果が得られる。
以上のように本システム1000により享受可能な効果を最大限に発揮可能にする為のユースケースやユーザニーズを念頭に入れた様々な仕組みを盛り込んでいる点についても、本形態の特徴点の1例の1つである。
又上述例の如く本形態にて、複数部数分の印刷を要し且つユーザにより指定された特定部数毎にユーザにより指定された特定種類のフィニシングを要するジョブを印刷装置100が受付けたとする。この場合、制御部205は、そのユーザにより指定されたフィニシングの種類の総数に相当する分、そのジョブを、複数のジョブに分割し、個別にジョブ処理を可能に制御している。この点は、図23A〜図23Dの例示のとおりである。
即ち、先の例示にて、2種類のフィニシングの実行をユーザから要求された上記ジョブCを印刷装置100が受付けた。これに応答し、制御部205は、該ジョブCを、ジョブC−1とジョブC−2との互いに独立した2個のジョブに分割し、これらを印刷待ち行列にセットした。且つ制御部205は、これらジョブC−1とジョブC−2とを、互いに関連性があるジョブ同士である事は認識した状態のままで、それぞれ、個別にユーザからの要求に応じた処理を実行可能に、制御している。この「ユーザからの要求に応じた処理」の1例として、先の例示にて、ジョブの詳細情報の表示処理や、ジョブのキャンセル処理や、ジョブの優先プリント処理を、説明した。
本形態の印刷システム1000は、上記例示が如く、複数部数分の印刷を要し且つ特定部数毎に特定種類のフィニシングを要するジョブを、複数個のジョブとして区別する。且つ、1つのジョブから分割したこれらの複数個のジョブを、夫々、個別に、ハンドリング可能に制御する。このような構成を具備している。ここで、特筆すべき特徴点の1つとして、本形態のシステム1000は、この構成を更に発展させた仕組みとして、以下に例示の制御をもシステム1000にて実行可能に構成している。
例えば、上記ジョブCを例にとる。このジョブCは、トータルの印刷部数として10部が要求されたジョブである。換言すると、ジョブCはトータルで10セット分の印刷を要するジョブである。又、このジョブCは、40頁分の一連の印刷データの印刷が1セット分の印刷となるジョブである。このジョブCは、トータル10セット分の印刷のうち、9セット分の印刷束については、くるみ製本をシステム1000のインラインフィニッシャにより実行させる為のユーザ要求がなされたジョブである。
且つ、残り1セット分の印刷束については、多穴パンチをシステム1000のインラインフィニッシャにより実行させる為のユーザ要求がなされたジョブである。制御部205は、このジョブCを、ジョブC−1とジョブC−2の2つのジョブに分割し、これらを、図23Aの例示の如く、受付け番号0002のジョブ及び受付け番号0003のジョブとして、印刷待ち行列に同時にセットする。且つ、これら互いに関連性のある2つのジョブの処理を、順次、システム1000にて、実行可能にする。
ここで例えば、図23Aの表示で一覧リスト表示対象の受付番号0001のジョブ(該ジョブは複数種類のフィニシングを要するジョブには該当しないジョブに相当)の印刷動作がプリンタ部203により完了したとする。
この受付番号0001のジョブの処理完了に応じ、制御部205は、図23Aの表示で示す処理順序どおり、受付番号0002のジョブに相当するジョブC−1の処理をシステム1000で開始させる。これにより、例えば、該ジョブC−1にて要する9セット分の印刷動作の全てをプリンタ部203により実行させたとする。且つ、該ジョブC−1にて要する9セット分の印刷束の為の9セット分のくるみ製本動作も図8A、8Bのシート処理装置200bにより完了させたとする。
このジョブC−1の処理完了に応じ、制御部205は、図23Aの表示で示す処理順序どおり、受付番号0003のジョブに相当するジョブC−2の処理をシステム1000で開始させる。これにより、該ジョブC−2にて要する一連の動作がシステム1000にて開始される。このジョブC−2の一連の動作として、制御部205は、まず、ジョブCの一連の印刷データの1セット分の印刷動作をプリンタ部203により実行させる。そのうえで、該ジョブCの印刷データが印刷済の1セット分の印刷束に対する多穴パンチ処理を図8A、8Bのシート処理装置200cにより実行させる。
上記一連の動作を要するジョブC−2の処理をシステム1000で開始させ該一連の動作が完了しないうちに、該ジョブC−2の処理を完了するうえで必要な処理が中断されるような中断要因がシステム1000で発生したとする。換言すると、ジョブCの1セット分の印刷束に対する多穴パンチ処理が図8A、8Bのシート処理装置200cにより完了する前に、該ジョブC−2にて要する多穴パンチ処理が実行不可能となる中断要因がシステム1000で発生したとする。
この中断要因としては、例えば、以下に例示する複数種類の中断要因のうちの、少なくとも何れかの中断要因が、これに、該当する。
(1) ジョブCの40頁分の印刷をプリンタ部203により実行させている最中に、印刷用紙及びトナーの少なくとも何れかを含む、ジョブC−2にて必要な印刷資源がプリンタ部203にて無くなった。
(2) ジョブCの40頁分の印刷をプリンタ部203により実行させている最中に、印刷用紙ジャムがプリンタ部203内部で発生した。
(3) 図8Bで示す印刷システム1000のA点からC点を結ぶシート搬送路上にて、ジョブCの印刷データが印刷済のシートの用紙ジャムが発生した。
(4) ジョブCの印刷データが印刷済のシートの用紙ジャムが、図8Bのシート処理装置200c内部で発生した。
(5) 図8Bのシート処理装置200cのパンチユニットに関するエラー(パンチ屑づまり、パンチユニット自体の故障等)が発生した。
上記(1)〜(5)のうちの少なくとも何れかを含む、ジョブC−2の処理の中断要因が、発生した場合、その情報は、中断要因が発生したユニットから、図2の装置内部の信号線を介して、全て、制御部205に対して通知される。この場合、当該通知を受けた制御部205は、当該ジョブC−2の処理をシステム1000にて中断させ、且つ、その中断要因が解除されるを待つ。
この中断要因の解除に該当するイベントは、例えば、以下に例示する何れかが、これに、該当する。
(1) 印刷用紙及びトナーの少なくとも何れかを含むジョブC−2にて必要な印刷資源の補給作業がプリンタ部203にてユーザによりなされた。
(2) プリンタ部203内部で発生したジョブCの印刷データが印刷済の印刷用紙のジャムが、ユーザにより除去された。
(3) 図8Bで示す印刷システム1000のA点からC点を結ぶシート搬送路上で発生したジョブCの印刷データが印刷済のシートの用紙ジャムが、ユーザにより除去された。
(4) 図8Bのシート処理装置200c内部で発生したジョブCの印刷データが印刷済のシートの用紙ジャムが、ユーザにより除去された。
(5) 図8Bのシート処理装置200cのパンチユニットに関するエラーが、ユーザにより除去された。
上記(1)〜(5)のうちの少なくとも何れかを含む、ジョブC−2の中断要因の解除に該当するイベントが発生した場合、その情報は、中断要因が解除されたユニットから、図2の装置内部の信号線を介して、全て、制御部205に対して通知される。この場合、当該通知を受けた制御部205は、システム1000にてこのジョブの処理を再開させるよう制御する。
ここで特筆すべき特徴点の1例を述べる。本来、ジョブC−2は、ジョブCの1部分を構成するものである。しかし、本形態は、ジョブCを、該ジョブCに対してユーザが要求したフィニシングの種類の総数に応じて、ジョブC−1とジョブC−2との2つのジョブに分割し、これらを個別にハンドリング可能にした構成を提供している。もし仮に、本形態の構成とは異なる構成として、例えば、フィニシングの種類毎にジョブを分割しないような構成のものがあると想定する。この構成の場合、ジョブCは、ジョブCという1つのジョブのままで、システムにて、処理される構成となりうる。
故に、このように本形態の構成を具備しない構成ものでは、上記中断要因解除に応答し、単純に、ジョブCの処理の最初からやり直してしまう構成となりうる。具体例で換言すると、本形態の構成要件を具備しない構成のものでは、上記中断要因解除に応じて、以下のような動作が実行されてしまう可能性がある。
例えば、くるみ製本用の印刷束を作成し直すべく、ジョブCの9セット分の印刷動作から再びやり直してしまう。更に、その9セット分の印刷束の為に、再び、くるみ製本動作を実行してしまう。
本形態は、上記例示が如くの、本形態の構成を具備しない構成のものにてやり直し動作の対象となる動作自体は、上記中断要因が解除されても、システム1000でやり直す事は禁止するよう制御している。
即ち、ジョブC−1にて要する一連の動作が完了した後にジョブC−2にて要する一連の動作の実行中に、該ジョブC−2の処理の中断要因がシステム1000で発生した。且つ、その後、このジョブC−2の処理の中断要因がシステム1000から解除された。この場合、制御部205は、ジョブC−2にて要する一連の動作における処理をシステム1000にてやり直す事は許可する。しかし、制御部205は、ジョブC−1にて要する一連の動作における処理自体は、システム1000にてやり直す事を禁止する。
具体例で換言すると、上記(1)〜(5)の中断要因の解除に該当するイベントがシステム1000でなされた事を制御部205が確認したとする。
この場合、制御部205は、多穴パンチ処理に要するジョブCの一連の印刷データの1セット分の印刷束を作成する為の印刷動作を、プリンタ部203により実行させる事は、許可する。或いは、ジョブCの一連の印刷データが印刷済の1セット分の印刷束に対する多穴パンチ処理を図8A、8Bのシート処理装置200cにより実行させる事は、許可する。制御部205は、このような動作を、ジョブCの最終成果物を完成させるうえで必要なやり直し処理(リカバリ処理)として、システム1000にて、実行可能に制御する。
しかし、当該ケースにおいて、制御部205は、くるみ製本処理に要するジョブCの一連の印刷データの9セット分の印刷束を作成する為の印刷動作を、プリンタ部203により、実行させる事は、禁止する。且つ、ジョブCの一連の印刷データが印刷済の9セット分の印刷束の為のくるみ製本処理を図8A、8Bのシート処理装置200bにより実行させる事自体も、禁止する。制御部205は、ジョブCの最終成果物を完成させるうえで必要なやり直し処理(リカバリ処理)として、これらに例示の動作はシステム1000にて実行させる事を禁止する。
以上の例示のように、本形態では、複数部数分の印刷を要し且つユーザにより指定された特定部数毎にユーザにより指定された特定種類のフィニシングを要するジョブを印刷装置100により受付け可能に構成する。且つ、当該ジョブに該当するジョブを受付けた場合、制御部205は、そのユーザにより指定されたフィニシングの種類の総数に相当する分、そのジョブを、複数のジョブに分割する。且つ、その複数のジョブに分割した複数個の分割ジョブの何れかにて中断要因が発生したとする。この場合、制御部205は、その中断要因の発生対象の分割ジョブのリカバリ処理を、該中断要因の解除後に、システム1000にて実行する事は許可する。
しかし、該中断要因発生前に、既に、該複数個の分割ジョブのうちの何れかの分割ジョブの処理がシステム1000にて完了済みであるとする。この場合、制御部205は、該中断要因がシステム1000で解除された場合であっても、該中断要因発生前に処理済の分割ジョブの処理をシステム1000でやり直してしまうようなリカバリ処理を実行する事は、禁止するように、制御する。
以上の例示が如くの制御を具備することで、高い生産性を維持しつつも、無駄な動作を極力抑える事ができ、且つ、資源の無駄使いを極力抑える事が可能となる。即ち、本形態で上述した効果が更に一層向上可能となるという効果が図れる。
又更に本形態では、システム1000で享受可能な効果を最大限に発揮すべく、図19以降の説明を述べる前に説明した制御を実行している。
この1例として上述した如く本形態は、システム1000にて「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンスによる制御」を実行可能にするのみならず「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンスによる制御」も実行可能に構成している。且つ、これら2つの制御を本形態の制御部により選択的に実行可能に構成している。
本形態では1例として、これら2つのシーケンスのうちのどちらのシーケンスでシステム1000を動作させるかを特定ユーザ(例えば管理者)により予め決定可能にする表示を、本形態の制御部が、本形態のUI部により、実行させる。このUI部は、例えば操作部204でも良いしPC104等の外部装置の操作部でも良い。且つ、該ユーザ選択が完了した場合、その選択されたシーケンスの制御でもってシステム1000を動作させるよう、本形態の制御部の一例に該当する制御部205が制御している。この点については、図19以降の説明に先立ち前もって上述したとおりである。ここで、これらのシーケンスによるシステム1000におけるジョブ処理制御例を、図30A及び図30Bを用いて、対比的に例示する。
[図30Aの説明]
図30Aは、本システム1000にて実行可能な「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」による制御例の1例を説明する為の図である。この制御も、本例では、制御部205が主体となり実行するものとする。故に、このシーケンスを実行する為のコンピュータ読取可能なプログラムデータはHDD209に登録されている。且つ、該シーケンスが選択された場合、制御部205は、該プログラムデータをHDD209から読出し実行する。且つ、制御部205は当該プログラムデータに従って、該制御を、システム1000にて実行する。
図30Aで例示する制御例により処理対象となるジョブ(以下、ジョブXと称す)は、50頁からなる一連の文書データの印刷を要するジョブとする。且つ、当該ジョブの処理条件は、少なくとも以下の2つ処理条件を具備するものとする。
(条件1) 複数部数分の印刷として印刷部数が2部数分の印刷(2セット分のシート束の為の印刷)を要する。
(条件2) トータルの印刷部数合計「2部」のうち、1部数分(1セット分)のシート束に対してはくるみ製本処理の実行を要し、且つ、残りの印刷部数分のシートに対してはパンチ処理の実行を要する。
このような処理条件を満足する最終成果物を本システム1000にて作成して欲しいと、ユーザが希望しているとする。換言すると、システム1000にてジョブXの全ての印刷結果を得る為に、合計2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束にはくるみ製本、2セット目の印刷束にはパンチ処理の実行を要する。尚、説明上、このパンチ処理は2穴パンチ処理とする。
もし、制御部205が、本形態の印刷システム1000を「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」による制御でもって動作させているとする。この場合、上記ジョブXの処理条件を満足する為に、制御部205は、以下に例示するタイミング及び処理手順で、該ジョブXの為の処理をシステム1000にて実行するよう制御する。ここでは、図30Aを用いながら説明する。図30Aの横軸は時間軸を示し、図30Aは、タイミングT0〜タイミングT8の各タイミングを含む一連の動作期間中におけるシステム1000における各動作を示す。換言すると図30Aは、本形態の制御部が、如何なるタイミングで、如何なる処理を、システム1000で実行させるかを明示的に示したものの1例である。
尚、図30A〜図30Cで例示の制御例では、本形態のUI部からのユーザ要求に応じた各種動作、及びその為の制御が存在する。本形態では、UI部として、印刷装置100の操作部204及びPC104等の外部装置の操作部等、如何なるデバイスのUIからでも、印刷システム1000に対する処理要求を受付け可能に構成する事を想定している。この点は上述したとおりである。故に、図30A〜図30C等で例示の構成は、これら如何なるデバイスのUIからのユーザ要求に対しても、適用可能な構成である事を意味する。換言すると、以下に例示する図30A〜図30CにおけるUI部は、例えば、印刷装置100自身が具備するUI部として解釈しても良いし、PC104の外部装置等のUI部として解釈しても良い。
但し、このような図30A〜図30Cで例示の各種ユーザ要求を受け付けるUI部を具備するデバイスが、該要求に応じた処理が実行される対象となるジョブの印刷データの発生源である事が望ましい。例えば、印刷装置100のUI部を介して図30A〜図30Cに例示の各種ユーザ要求を受付ける場合には、印刷データの発生源は印刷装置100とする事が望ましい。何故なら、印刷装置100のスキャナ部201から入力させる印刷データが該要求により印刷されるべきデータの1例に該当するからである。又、ボックスモードのジョブ等、既に、HDD209に記憶済みの印刷データが、該要求により印刷されるべきデータの1例に該当するからである。
このような前提的な構成を踏まえたうえで、図30Aの制御例を説明する。
まず図30AのタイミングT0の時点にて、制御部205は、該ジョブXの処理条件を本形態のUI部を介してユーザから受付ける。
但し、図30AのT0の時点では、「くるみ製本処理」と「2穴パンチ処理」のうちの何れか一方の種類のフィニシングの実行要求のみを、本形態のUI部を介して、ユーザから受付けるよう、制御部205により、制御する。この1例として図30Aでは、T0の時点にて、制御部205は、「2穴パンチ処理の実行要求は含まれず且つくるみ製本処理の実行要求は含まれた該ジョブXの為の処理条件」を、本形態のUI部を介して、ユーザから受付ける。且つ、図30AのT0の時点にて、制御部205が、ユーザから受付けるジョブXの為の印刷部数は「1」である。即ち、制御部205は、1セット分の印刷束に対してくるみ製本処理を実行させる為の要求を受付ける。
なぜ、図30Aでは、上述例が如く、異なる種類のフィニシングの実行要求を択一的に受付けるのか(換言すると、異なる複数種類のフィニシングの実行要求をなぜ同時に受付け可能に構成していないか)、その理由を説明する。
この主な理由は、図30Aの制御例は、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」がシステム1000にて実行すべき制御として選択されている場合の動作であるからである。換言すると、図30Bの制御例が如く「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」が選択されていない場合の動作であるからである。
図30AのT0におけるジョブXの為の処理条件の設定が上記UI部を介してユーザによりなされたうえで該UI部を介して該ジョブXの為の一連の印刷データの印刷実行要求を該ユーザから制御部205が受付けたとする。この時点が、図30AのT1に相当する。
尚、制御部205が、図30AのT1にて、上記UI部を介してユーザから受付けたジョブXの印刷データ(50頁からなる一連の文書データ)を印刷させる為の印刷実行要求を、「ジョブXの為の1回目の印刷実行要求」と称す。且つ、該T1にて制御部205が受付けた該ジョブXの為のフィニシングの設定を含む該ジョブXの為の処理条件の設定を、「ジョブXの為の1回目の処理条件の設定」と称す。
以上のジョブXの為の1回目の処理条件の設定の受付け及び該ジョブXの1回目の印刷実行要求の受付けを、制御部205が実行する動作が、図30AのT0の時点から開始される(動作1)の動作に該当する。
図30AのT0におけるジョブXの為の1回の印刷実行要求を受付けた事に応じて、制御部205は、該ジョブXの一連の印刷データを全ページHDD209に記憶させる。この動作が、図30AのT1の時点から開始される(動作2)の動作に該当する。
尚、図30Aの(動作2)では、該ジョブXの一連の印刷データを、先頭頁(1頁目の印刷データ)から最終頁(50ページ目の印刷データ)まで、順次、HDD209に記憶させる。換言すると、動作2は、該ジョブXの最終頁の印刷データがHDD209に記憶されるまで実行する動作に該当する。
又、ジョブXの為の1回目の印刷実行要求をユーザから受付けた時点(即ち、図30AのT1の時点)で、該ジョブXとは異なる他の処理対象となるジョブがHDD209の印刷待ち行列に存在しないとする。この場合、制御部205は、該ジョブXの1頁目の印刷データがHDD209に記憶された直後に、直ちに、該ジョブXの印刷データの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。この動作が、図30AのT2の時点から開始される(動作3)の動作に該当する。
尚、図30Aの(動作3)では、該ジョブXの一連の印刷データの印刷処理として、該ジョブXの先頭頁(1頁目の印刷データ)から順番にHDD209から読み出して、該ジョブXの最終頁(50ページ目の印刷データ)をHDD209から読み出して、印刷するまで、続行させる動作である。換言すると、動作3は、該ジョブXの最終頁の印刷データがHDD209から読み出されてプリンタ部203により印刷されるまで実行する動作に該当する。
但し、この先頭頁から最終頁の各ページの印刷データを1回分印刷する一連の印刷処理は、1セット分の印刷である。T0にて受付けた処理条件は、「くるみ製本処理で1セット分の印刷を実行する」要求である。故に、図30Aの(動作3)では、ジョブXの印刷動作として、1セット分の印刷(1部数分の印刷)のみ実行させる。
又、上述の如く、本形態は極力生産性を向上させる仕組みを多数設けている。この1例としての構成要件が、図30Aの動作においても存在する。例えば、上記例が如く、図30AのT1の時点にて、ジョブX以外に、処理すべきジョブが存在しないとする。この場合、制御部205は、ジョブXの全頁の印刷データ(合計50ページ分の印刷データ)をHDD209に記憶させる一連の動作(図30Aの動作2に該当)に並行して、該ジョブXの全頁の印刷データをHDD209を介してプリンタ部203で印刷させる一連の動作(図30Aの動作3)を実行するよう制御する。
制御部205は、このような図30Aの(動作2)と図30A(動作3)との同期的な並行動作を、ジョブXの1頁目の印刷データがHDD209に記憶された事に応じて(換言すると)、実行するよう制御する。換言すると、当該並行動作は、図30AのT2の時点(ジョブXの1頁目がHDD209に記憶された時点)から、開始させる動作の1例に該当する。
このように「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」においても、極力、システム1000の生産性を極力向上可能となるようような構成要件を具備している点も、本形態の特徴点の1つでもある。
図30Aの(動作3)でジョブXの1セット目の印刷が完了した事に応じ、制御部205は、該1セット目の印刷束に対するシート処理として、くるみ製本処理を、システム1000のインラインフィニッシャにより、実行させる。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合、制御部205は、当該処理を、くるみ製本処理が実行可能な図8A、8Bの2番目のシート処理装置200bにより、実行させる。この動作が、図30AのT3の時点から開始される(動作4)の動作に該当する。
尚、この図30Aの(動作4)の処理は、ジョブXの為の設定として「くるみ製本処理の実行要求」を、制御部205が、図30AのT0にて、ユーザから受付けた事に応じて、実行させる処理である。
システム1000が「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」で動作する設定の場合、図30Aの(動作1)〜(動作4)が済んだ後のタイミング等において、ジョブXのユーザ等により、以下に例示のユーザ操作が要求する。換言すると、本形態では、該シーケンスが選択された場合、少なくとも図30Aの(動作1)の実行後の時点にて、以下に例示のユーザ介入操作を、システム1000にて、要するよう構成している。
例えば1例として、図30AのT4の時点にて、制御部205は、上記UI部を介して、「くるみ製本処理の実行要求は含まれず且つ2穴パンチ処理の実行要求は含まれた該ジョブXの為の処理条件」を、ユーザから、受付ける。且つ、この時点にて、制御部205が、ユーザから受付けるジョブXの為の印刷部数は「1」である。即ち、制御部205は、1セット分の印刷束に対して2穴パンチ処理を実行させる為の要求を図30AのT4にて受付ける。
図30AのT4におけるジョブXの為の処理条件の設定が上記UI部を介してユーザによりなされたうえで該UI部を介して該ジョブXの為の一連の印刷データの印刷実行要求を該ユーザから制御部205が受付けたとする。この時点が、図30AのT5に相当する。
制御部205が、図30AのT5にて、上記UI部を介してユーザから受付けたジョブXの印刷データ(50頁からなる一連の文書データ)を印刷させる為の印刷実行要求を、「ジョブXの為の2回目の印刷実行要求」と称す。且つ、該T4にて制御部205が受付けた該ジョブXの為のフィニシングの設定を含む該ジョブXの為の処理条件の設定を、「ジョブXの為の2回目の処理条件の設定」と称す。
以上のジョブXの為の2回目の処理条件の設定の受付け及び該ジョブXの2回目の印刷実行要求の受付けを、制御部205が実行する動作が、図30AのT4から開始される(動作5)に該当する。
図30AのT5におけるジョブXの為の2回の印刷実行要求を受付けた事に応じて、制御部205は、該ジョブXの一連の印刷データを全ページHDD209に記憶させる。この動作が、図30AのT5の時点から開始される(動作6)の動作に該当する。
この図30Aの(動作6)では、該ジョブXの一連の印刷データを、先頭頁(1頁目の印刷データ)から最終頁(50ページ目の印刷データ)まで、順次、HDD209に記憶させる。換言すると、動作6は、該ジョブXの最終頁の印刷データがHDD209に記憶されるまで実行する動作に該当する。
ここで、この(動作6)でHDD209に記憶する一連の印刷データは、(動作2)でHDD209に記憶されら一連の印刷データと同一である。換言すると制御部205は、図30Aの(動作2)でHDD209に記憶された該ジョブXの一連の印刷データ(50ページ分の印刷データ)を、図30Aの(動作6)にて、HDD209に、再度、記憶させる。該例示が如く、図30Aの制御例では、同じデータを、複数回、HDD209に記憶させる。
なぜ当該動作を実行するかの理由の1例は、図30Aに例示の制御例は、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」が選択されている場合において制御部205が実行する制御であるからである。
図30Aに例示が如く、システム1000の動作シーケンス(動作モード)が当該スタンダードシーケンス(モード)であるとする。尚且つ、処理すべきジョブが、印刷対象のデータが同一コンテンツのデータであっても、異なる複数種類のフィニシングを要するジョブであるとする。この条件の場合、ユーザが要求するフィニシングの種類毎に、処理対象となるジョブの印刷データのHDD209の記憶動作を繰り返し実行するようシステム1000を制御する。
換言すると、制御部205は、ユーザが所望の複数種類のフィニシングのうちの1種類のフィニシングを実行させる毎に、該処理対象のジョブの印刷データをHDD209から消去するよう制御している。
例えば、図30Aの(動作4)でジョブXの1セット目の印刷束に対するくるみ製本処理が完了した事に応じ、制御部205は、図30Aの(動作2)で既にHDD209に記憶済の該ジョブXの印刷データの全頁をHDD209から全て消去させる。尚、図30Aは、合計2セット分の印刷束のうちの1セット分の印刷束に対してのみくるみ製本処理の実行が要求された例である。故に、このタイミングでもって、図30Aの(動作2)で記憶済の該ジョブXのデータをHDD209から消去している。
換言すると、もし、該ジョブXが、4セット分の印刷束のうち2セット分の印刷束の各束にくるみ製本処理が要求されていたジョブであるとする。この場合、2セット分の印刷束の各束に対するくるみ製本処理が完了した時点で、図30Aの(動作2)で記憶済のジョブXのデータをHDD209から消去するよう制御部205により制御する。
このように、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」が選択された場合において、システム1000により処理すべきジョブが、「互いに同一内容のデータが印刷対象となる複数部数分の印刷を要し、且つ、複数種類のフィニシングを要する、ジョブ」であるとする。この場合、その要求される複数種類のフィニシングの1種類のフィニシング単位で、ユーザによる介入動作と該ジョブの一連の印刷データのHDD209への記憶動作とを要する。
例えば、図30Aで例示が如く、ジョブXの為に2種類のフィニシングが必要の場合、UI部におけるユーザによるフィニシングの設定操作や印刷実行要求を、図30Aの(動作1)と(動作5)にて、合計2回要する。該ジョブXの一連の印刷データのHDD209への記憶動作を、図30Aの(動作2)と(動作6)にて、合計2回要する。
当該例示が「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」では、複数種類のフィニシングの1種類のフィニシングを実行させる度に、ユーザによる介入動作とHDD209へのデータ記憶動作とを要する。このような動作を実行する事無しに、ユーザが希望する最終成果物を作成可能にする制御が、図19〜図29及び図30B等で例示の「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」である。当該相違点が、これら2つのシーケンスの大きな相違点の1例に相当する。
本形態では、それぞれのシーケンスを具備し且つ選択的に実行可能にする構成しているが、この仕組み自体も本形態の効果を向上させる構成の1例に該当する。当該構成により以下に例示の効果が図れる。
例えば、本システム1000の納品先の印刷環境では、処理対象となるジョブを、1種類のフィシング単位で、それぞれ、独立して、管理したい等の要求がなされているとする。このような要求を想定している事は、例えば、各フィニシングの種類毎に顧客に要求する印刷料金が異なる等の、POD環境等にて発生しうるユースケースやユーザニーズに対して、本形態が着目している証拠でもある。又、例えば、あるPOD業者では、上記ジョブXに関し、今日はくるみ製本印刷束を作成し、明日に2穴パンチ処理済み印刷束を作成するといった要求があるとする。
このように、1種類のフィニシング単位毎に、時間をずらして、処理したい等のニーズがあるとする。このようなユーザケースやユーザニーズを想定し、本形態の「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」をシステム1000にて実行可能に構成する。これにより、当該例示が如くの要求に対して適正に対処可能となる。
一方、例えば、システム1000の納品先の印刷環境では、可能な限り生産性を向上させたいというニーズがなされているとする。具体例で換言すると図19〜図29で例示した制御にて得られる上記本形態の各種効果を享受したいと考えるPOD業者が存在するとする。このようなユーザケースやユーザニーズを想定し、本形態の「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」をシステム1000にて実行可能に構成する。これにより、当該例示が如くの要求に対して適正に対処可能となる。
上記2つのシーケンスを選択的にシステム1000にて実行可能に構成することで、上記例示が如くの効果が図れ、システム1000の導入先における印刷環境のユースケースやユーザニーズに即した印刷環境が柔軟に構築可能となる。換言すると、本形態の効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
但し、これらの制御は、本形態の効果を更に一層向上させる為の仕組みの1例でもあるが故に、必須の構成要件としなくても良い。なぜなら、本形態の「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」をシステム1000にて実行可能に構成するだけでも、技術背景で想定した課題にも対処でき上述例が如くの格別効果が享受できる。換言すると、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」に関る構成は具備しないが、「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」に関る構成を具備するものは、全て、本形態の適用範囲内である。
以上の例示が如くの理由により、図30Aで例示の構成となっている。図30Aの説明に戻る。
ジョブXの為の2回目の印刷実行要求をユーザから受付けた時点(即ち、図30AのT5の時点)で、該ジョブXとは異なる他の処理対象となるジョブがHDD209の印刷待ち行列に存在しないとする。この場合、制御部205は、図30Aの(動作6)にてジョブXの1頁目の印刷データがHDD209に記憶された直後に直ちに該ジョブXの印刷データの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。この動作が、図30AのT6の時点から開始される(動作7)の動作に該当する。換言すると先程と同様に、制御部205は、ジョブX以外に印刷すべきジョブが存在しない事に応じて、図30Aの(動作6)と図30A(動作7)とを、同期的に、システム1000にて、並行動作させる。
図30Aの(動作7)では、該ジョブXの一連の印刷データの印刷処理として、該ジョブXの先頭頁(1頁目の印刷データ)から順番にHDD209から読み出して、該ジョブXの最終頁(50ページ目の印刷データ)をHDD209から読み出して、印刷するまで、続行させる動作である。換言すると、動作7は、該ジョブXの最終頁の印刷データがHDD209から読み出されてプリンタ部203により印刷されるまで実行する動作に該当する。
但し、この先頭頁から最終頁の各ページの印刷データを1回分印刷する一連の印刷処理は、1セット分の印刷である。T4にて受付けた処理条件は、「2穴パンチ処理で1セット分の印刷を実行する」要求である。故に、図30Aの(動作7)では、ジョブXの印刷動作として、1セット分の印刷(1部数分の印刷)のみ実行させる。
図30Aの(動作7)でジョブXの2セット目の印刷が完了した事に応じ、制御部205は、該2セット目の印刷束に対するシート処理として、2穴パンチ処理を、システム1000のインラインフィニッシャにより、実行させる。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合、制御部205は、当該処理を、2穴パンチ処理が実行可能な図8A、8Bの3番目のシート処理装置200Cにより、実行させる。この動作が、図30AのT7の時点から開始される(動作8)の動作に該当する。
尚、この図30Aの(動作8)の処理は、ジョブXの為の設定として「2穴パンチ処理の実行要求」を、制御部205が、図30AのT4にて、ユーザから受付けた事に応じて、実行させる処理である。この図30Aの(動作8)が完了した時点が、図30AのT8の時点である。
以上の図30AのT0〜T8の各タイミングにて上記図30Aの(動作1)〜(動作8)の全ての動作を実行することで、ジョブXとしてユーザが要求した最終成果物の作成が全て完了する。即ち、ジョブXの印刷データの全頁が印刷済みで且つくるみ製本処理済の1セット分の印刷束と、ジョブXの印刷データの全頁が印刷済みで且つパンチ処理済の1セット分の印刷束の、合計2セット分の印刷束の作成が完了する。
尚、「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」による制御に関し付言しておく。当該制御は、図24のS1204の判断結果やS1206の判断結果に基いて実行するものではない。同様に、当該制御は、図25のS1704の判断結果やS1706の判断結果に基いて実行するものでもない。具体例で換言すると、図24のS1204でNO又はS1206でNO又は図25のS1704でNO又はS1706でNOであるから、当該制御を実行しているわけではない。
更に具体例で換言すると、システム1000が異なる複数種類のフィニシングが実行可能なシステム構成である場合でも、制御部205は、当該制御を実行する。この制御は、上記例示が如く、本形態のUI部を介して特定ユーザ(例えば管理者)により当該制御を実行させる為の明示的な要求が入力された事に応じて、制御部205が実行する制御である。この理由は、例えば上述が如く、ユーザからの要求に応じた柔軟な印刷環境を構築可能にする等の効果を図るが為である。
該制御の実行要求がシステム1000にて設定登録された場合、制御部205は、図24のS1203の処理やS1204の処理やS1207の処理やS1208の処理やS1212の処理やS1214の処理を実行する事無しに、上記制御を、実行する。この構成は、換言すると、図24のS1208で例示の特定のユーザ要求を受付けない設定を例えば管理者が予め行ったにも拘らず、該特定のユーザ要求に応じた動作を実行可能にする為の制御や処理をシステム1000で実行してしまう等の、必要最低限以上の動作を極力減らす為の仕組みでもある。即ち、このような構成自体も本形態の効果を更に向上させる為の仕組みでもある。
次に、「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御の1例を、図30Bを用いて以下に例示する。当該制御は、上記図30Aで例示の「複数部数印刷におけるスタンダードフィニッシングシーケンス」による制御とは独立的且つ区別して、システム1000の為に、本形態にて実行可能に構成している構成要件である。この点は既に上述したとおりである。
[図30Bの説明]
図30Bは、システム1000にて実行可能な「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御例の1例を説明する為の図である。この制御も、本例では、制御部205が主体となり実行するものとする。故に、このシーケンスを実行する為のコンピュータ読取可能なプログラムデータはHDD209に登録されている。且つ、該シーケンスが選択された場合、制御部205は、該プログラムデータをHDD209から読出し実行する。且つ、制御部205は当該プログラムデータに従って、該制御を、システム1000にて実行する。
図30Bで例示の制御により処理対象となるジョブの処理条件は、図30Aと同一の処理条件を具備する。即ち、図30Bで処理対象となるジョブの処理条件も、少なくとも図30Aで例示の(条件1)及び(条件2)を具備する。但し、本例では、図30Aによる制御例と区別して説明すべく、図30Bで処理対象となるジョブは、ジョブYと称す。尚、このジョブYも、50頁からなる一連の文書データの印刷を要するジョブとする。
システム1000が「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御で動作する場合、このジョブYの最終成果物を、システム1000にて、如何様に作成するのかを以下に例示する。
まず図30BのタイミングT0の時点にて、制御部205は、該ジョブYの処理条件を本形態のUI部を介してユーザから受付ける。
この図30BのT0の時点では、「くるみ製本処理」と「パンチ処理」のうちの両方の実行要求を、本形態のUI部を介して、ユーザから受付けるよう、制御部205により、制御する。尚、説明をより分かりやすくする為に、当該パンチ処理は「2穴パンチ」とする。
これを踏まえ、例えば、印刷装置100のUI部を介してジョブYの為の上記ユーザ要求を受付けるとする。この場合、以下に例示の制御を実行する。
例えば制御部205は、表示部401により実行させた図19の表示を介して、ジョブYのトータルの印刷部数として「2」部をユーザのテンキー506操作に応答して受付ける。その後、図19の表示のキー609がユーザにより押下された事に応答し、制御部205は、図20の表示を、表示部401により、実行させる。その後、図20の表示のキー2007がユーザにより押下された事に応答し、制御部205は、図21の表示を、表示部401により、実行させる。
ここで、制御部205は、図21の表示のキー2104Aを介して「くるみ製本処理」の実行要求を該ユーザから受け付ける。且つ制御部205は、図21の表示のキー2104Bを介し、該くるみ製本処理の為の特定印刷部数として「1」部をユーザから受付ける。且つ制御部205は、図21の表示のキー2106Aを介して「2穴パンチ処理」の実行要求を該ユーザから受け付ける。且つ制御部205は、図21の表示のキー2106Bを介し、該2穴パンチ処理の為の特定印刷部数として「1」部をユーザから受付ける。且つ、キー2110がユーザにより押下された事に応じて、制御部205は、該ジョブYの為のシート処理の設定が完了と判断する。
以上に例示が如くのシート処理の設定を含むジョブYの為の処理条件の設定がなされたうえでキー503がユーザにより押下された事に応答し、制御部205は、該ジョブYの印刷実行要求を受付けたと判断する。尚、この場合、ジョブYの印刷データの発生源はスキャナ部201或いはHDD209等の印刷装置100自体である。
尚、外部装置等のUI部を介してジョブYの為の上記ユーザ要求を受付ける場合は、以下に例示の制御を実行する。ここでは上述で例示のPC104で説明する。
例えばPC104の制御部は、PC104の表示部により実行させた図26の表示の指定欄1406を介して、ジョブYのトータルの印刷部数として「2」部をPC104のユーザのマウス操作に応答し受付ける。その後、図26の表示のタブ1403がユーザによるマウス操作で押下された事に応答し、PC104の制御部205は、図27の表示を、PC104の表示部により、実行させる。
ここで、PC104の制御部は、図27の表示の指定欄1508を介して、「くるみ製本処理」の実行要求を該ユーザから受け付ける。且つPC104の制御部は、図27の表示の指定欄1509を介し、該くるみ製本処理の為の特定印刷部数として「1」部をユーザから受付ける。且つPC104の制御部は、図27の表示の指定欄1512を介して「2穴パンチ処理」の実行要求を該ユーザから受け付ける。
且つPC104の制御部は、図27の表示の指定欄1513を介し、該2穴パンチ処理の為の特定印刷部数として「1」部をユーザから受付ける。且つ、キー1514がユーザのマウス操作により押下された事に応じて、PC104の制御部は、該ジョブYの為のシート処理の設定が完了と判断する。
以上に例示が如くのシート処理の設定を含むジョブYの為の処理条件の設定がPC104のUIを介してなされたうえでPC104の不図示の画面の印刷実行要求キーがユーザにより押下されたとする。すると、該ジョブYの印刷実行要求を、PC104から印刷装置100の制御部205に送信される。これにより、制御部205は、該ジョブYの印刷実行要求を受付けたと判断する。尚、この場合、ジョブYの印刷データの発生源はPC104である。
以上に例示の一連の動作が、図30BのT0から開始される図30Bの(動作1)の動作に該当する。このような方法で、制御部205は、くるみ製本処理の設定とパンチ処理の設定の両方を含む「指定部数毎に特定種類のシート処理を実行させる設定」を含んだ、ジョブYの為の処理条件の受付けを行う。
尚、図30Bの制御例では、ジョブYの最終成果物の全てをシステム1000にて作成するうえで、ユーザに要求する介入動作は、図30Bの(動作1)における動作のみである。即ち、ジョブYの為の一連のシート処理の設定と印刷実行要求は、ユーザにより、複数回繰り返し実行させる事無く、1回分だけ、実行すれば良いように、構成している。
図30BのT0における上記ジョブYの為の1回分の印刷実行要求を受付けた事に応じて、制御部205は、該ジョブYの一連の印刷データを全ページHDD209に記憶させる。この動作が、図30BのT1の時点から開始される(動作2)の動作に該当する。
図30Bの(動作2)では、該ジョブYの一連の印刷データを、先頭頁(1頁目の印刷データ)から最終頁(50ページ目の印刷データ)まで、順次、HDD209に記憶させる。換言すると、図30Bの(動作2)は、該ジョブXの最終頁の印刷データがHDD209に記憶されるまで実行する動作に該当する。
又、ジョブYの為の1回分の印刷実行要求をユーザから受付けた時点(即ち、図30BのT1の時点)で、該ジョブYとは異なる他の処理対象となるジョブがHDD209の印刷待ち行列に存在しないとする。この場合、制御部205は、該ジョブYの1頁目の印刷データがHDD209に記憶された直後に、直ちに、該ジョブYの印刷データの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。この動作が、図30BのT2の時点から開始される(動作3)の動作に該当する。
又、図30Bの(動作3)では、該ジョブYの一連の印刷データの印刷処理として、該ジョブYの先頭頁(1頁目の印刷データ)から順番にHDD209から読み出して、該ジョブYの最終頁(50ページ目の印刷データ)をHDD209から読み出して、印刷するまで、続行させる動作である。換言すると、図30Bの(動作3)は、該ジョブYの最終頁の印刷データがHDD209から読み出されてプリンタ部203により印刷されるまで実行する動作に該当する。
又、ジョブY以外に処理すべき他のジョブが存在しない場合、制御部205は、図30Bで例示のシーケンスの場合でも、図30Bの(動作2)と(動作3)を、同期的に、並行動作可能に、システム1000を制御する。
但し図30Bの制御例では、図30Bの(動作3)でくるみ製本処理の為の1セット目の印刷をプリンタ部203により完了させても、制御部205は、HDD209からジョブYの一連の印刷データをHDD209から消去する事を禁止する。且つ制御部205は、該ジョブYの一連の印刷データを、後述する図30Bの(動作5)にてHDD209から再度読出可能にHDD209を制御する。
図30Bの(動作3)でジョブYの1セット目の印刷が完了した事に応じ、制御部205は、該1セット目の印刷束に対するシート処理として、くるみ製本処理を、システム1000のインラインフィニッシャにより、実行させる。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合、制御部205は、当該処理を、くるみ製本処理が実行可能な図8A,8Bの2番目のシート処理装置200bにより、実行させる。この動作が、図30BのT3の時点から開始される(動作4)の動作に該当する。
この図30Bの(動作4)の処理は、ジョブYの為の設定として、「トータル2セット分の印刷のうち1セット分の印刷束にはくるみ製本処理を実行させ、且つ残り1セット分の印刷束には2穴パンチを実行させる為の、特定部数毎に特定種類のフィニシングを実行させる要求」を、制御部205が、図30BのT0にて、ユーザから受付けた事に応じて、実行させる処理である。
図30Bの(動作4)が完了した事に応じて、換言すると、少なくとも図30Bの(動作3)が実行された後に、制御部205は、自動的に、図30Bの(動作5)を実行するよう制御する。換言すると制御部205は、図30Bの(動作1)の期間以外の期間に該当する、図30Bの(動作2)の開始時点から図30Bの(動作4)の終了時点を含む期間中にて、ユーザによる介入操作無しに、自動的に、図30Bの(動作5)以降の動作をシステム1000にて実行させるよう制御する。
図30Bの(動作5)の動作として、以下に例示の動作を実行させるよう制御する。
例えば図30Bの(動作5)にて制御部205は、該ジョブYの2セット目の印刷として、図30Bの(動作2)で既にHDD209に記憶済のジョブYの印刷データ(50頁からなる一連のデータ)を再び用いた、印刷処理をプリンタ部203により、実行させる。換言すると、図30Bの(動作3)で印刷対象となるデータと、図30Bの(動作5)で印刷対象となるデータは、互いに同一内容である。且つ、図30Bの(動作3)で利用する印刷データと、図30Bの(動作5)で利用する印刷データは、両方共に、図30Bの(動作2)で獲得したHDD209に記憶対象となるジョブYの一連の印刷データである。即ち、制御部205は、図30Bの(動作3)における印刷処理にて印刷装置100により利用対象のデータを再度利用する印刷処理を、図30Bの(動作5)においても印刷装置100により実行させる。
この図30Bの(動作5)では、該ジョブYの一連の印刷データの印刷処理として、該ジョブXの先頭頁(1頁目の印刷データ)から順番にHDD209から読み出して、該ジョブYの最終頁(50ページ目の印刷データ)をHDD209から読み出して、印刷するまで、続行させる動作である。換言すると、図30Bの(動作5)は、該ジョブYの最終頁の印刷データがHDD209から読み出されてプリンタ部203により印刷されるまで実行する動作に該当する。但し、この先頭頁から最終頁の各ページの印刷データを1回分印刷する一連の印刷処理は、1セット分の印刷である。
この理由は、ジョブYの為の設定として「トータル2セット分の印刷のうち1セット分の印刷束にはくるみ製本処理を実行させ、且つ残り1セット分の印刷束には2穴パンチを実行させる為の、特定部数毎に特定種類のフィニシングを実行させる要求」を、制御部205が、図30BのT0にて、ユーザから受付けたからである。この要求に基いた一連の動作に要する動作として、制御部205は、図30Bの(動作5)を、図30Bの(動作3)が実行されたうえで自動的に実行させるよう、システム1000を制御している。
図30Bの(動作5)でジョブYの2セット目の印刷が完了した事に応じ、制御部205は、該2セット目の印刷束に対するシート処理として、2穴パンチ処理を、システム1000のインラインフィニッシャにより、実行させる。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合、制御部205は、当該処理を、2穴パンチ処理が実行可能な図8A、8Bの3番目のシート処理装置200Cにより、実行させる。この動作が、図30BのT5の時点から開始される(動作6)の動作に該当する。図30BのT6は、この図30Bの(動作6)の2穴パンチ処理が完了した時点である。
制御部205は、この図30Bの(動作6)も、図30Bの(動作5)が実行されたうえで自動的に実行させるようシステム1000を制御する。
換言すると、図30BのT1〜T5の期間中にてユーザが本形態のUI部を介してジョブYの最終成果物を作成させる為の処理条件の設定等を行う事無しに、図30Bの(動作5)の実行後に、図30Bの(動作6)を自動的に実行するよう制御部205によりシステム1000を制御する。
以上の図30BのT0〜T6の各タイミングにて上記図30Bの(動作1)〜(動作6)の全ての動作を実行することで、ジョブYとしてユーザが要求した最終成果物の作成が全て完了する。即ち、ジョブYの印刷データの全頁が印刷済みで且つくるみ製本処理済の1セット分の印刷束と、ジョブYの印刷データの全頁が印刷済みで且つ2穴パンチ処理済の1セット分の印刷束の、合計2セット分の印刷束の作成が完了する。
このように、図30Bの(動作1)で例示の上記ユーザ要求を本形態のUI部を介して受付けた場合に、制御部205は、当該要求に基いた上述が如くの一連の動作をシステム1000にて実行させるよう制御する。
換言すると、制御部205は、該ユーザ要求に応じた一連の動作として、図30Bの(動作2)〜(動作6)をシステム1000で実行させるよう、HDD209やプリンタ部203やシート処理装置200等の各種ユニットを制御する。
しかも、制御部205は、図30Bの(動作1)でジョブYの為の処理条件と印刷実行要求とを上記UI部を介しユーザから1回分受付けただけで、図30BのT1〜T6の期間中にてユーザが該UI部を介しジョブYの最終成果物を作成させる為の処理条件の設定等を行う事無しに、図30Bの(動作2)〜(動作6)の一連の動作を全て自動的且つ連続的に実行出来るように、システム1000を制御する。
上述の図30Aで例示の本形態の制御によりシステム1000で作成させたジョブXの最終成果物と、図30Bで例示の本形態の制御によりシステム1000で作成させたジョブYの最終成果物は、同じである。
しかし、図30Aで例示の制御をシステム1000で実行する場合における最終成果物の作成完了に要するトータルの時間よりも、図30Bで例示の制御をシステム1000で実行する場合における最終成果物の作成完了に要するトータルの時間の方が圧倒的に短い。具体例で換言すると図30AのT0からT8迄の所要期間よりも、図30BのT0からT6迄の所要期間の方が、短い。この理由は、具体例で例示すると、図30Aで例示の一連の動作における(動作5)及び(動作6)に該当する動作が、図30Bで例示の一連の動作では不要である点からも明らかである。
図30Aと図30Bによる上記対比的例示が如く、本形態にて、システム1000の為に「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御を実行可能に構成することで、以下に例示が如くの効果が得られる。
例えば、技術背景で想定したユースケースやユーザニーズに対しても、処理対象のジョブを高い生産性でもってシステム1000にて処理可能となる。且つ、システム1000が具備する必要最低限以上のリソースを極力利用しないようにする事が可能となる。且つ、ユーザに必要最低限以上の操作を極力要求しないようにする事が可能となる。換言すると、図19〜図29の説明で例示したが如くの上述の効果が図れる。
しかも、本形態の印刷システム1000は、可能な限り上記効果を向上可能にする更なる構成要件も具備している。この一例を、図30C等を用いて以下に例示する。
[図30Cの説明]
図30Cは、図30Bで例示の制御例よりもシステム1000のジョブの生産性を更に向上可能にする為の制御例の1例を説明する為の図である。
この図30Cで例示の制御も本例では1例として制御部205が実行するものとする。故に、このシーケンスを実行する為のコンピュータ読取可能なプログラムデータはHDD209に登録されている。且つ、該シーケンスが選択された場合、制御部205は、該プログラムデータをHDD209から読出し実行する。且つ、制御部205は当該プログラムデータに従って、該制御を、システム1000にて実行する。
図30Cで例示の制御を、図30Aで例示の制御よりも生産性が高く且つ図30Bで例示の制御よりも生産性が高い事を分りやすく説明する。その為に、図30Cの例示で制御対象となるジョブの処理条件を、図30Aで例示のジョブXや図30Bで例示のジョブYと同様の処理条件とする。即ち、図30Cで処理対象となるジョブの処理条件も、少なくとも図30Aや図30Bで例示の(条件1)及び(条件2)を具備する。但し、本例では、図30Aや図30Bの各制御例と区別して説明すべく、図30Cで処理対象となるジョブは、ジョブZと称す。尚、このジョブZも、50頁からなる一連の文書データの印刷を要するジョブとする。
この図30Cで例示の制御は、図30Bで例示の制御と同様に、「複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御の1例に該当する。但し、図30Bで例示の制御よりも更に生産性を高めた制御に相当する。そこで、1例として例えば、図30Bで例示の制御を「第1の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」と定義し、図30Cで例示の制御を、「第2の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」と定義しても良い。或いはこれを換言し、図30Bの制御を「PODモード」と称し、図30Cの制御を「PODプロフェッショナルモード」と称しても良い。
本形態では、図30Bで例示の制御と図30Cで例示の制御のどちらの制御でシステム1000を動作させるかを、本形態が提供するUI部を介して、ユーザにより選択可能に構成している。該UI部の一例としては、例えば操作部204、やPC104等の外部装置の操作部がこれに該当する。但し、これらのシーケンスの選択及び決定を行う事を許可するユーザは制限するよう制御する。例えば上記選択操作は特定ユーザ(例えば管理者)のみ実行許可となるよう、認証処理を要求するよう構成する。この認証処理として、例えばパスワード認証、ICカード認証、指紋認証等の何れかを採用可能に構成する。且つ、その認証処理により特定ユーザである事を制御部205が確認した上で、該特定ユーザによる選択を上記UI部を介して実行可能にする。
且つ、図30B及び図30Cの制御のうちの該特定ユーザからの指示に応じて選択対象となった制御でもって、印刷システム1000を動作可能に制御する。このような構成要件を具備する事が望ましい。但し、図30Bの制御と図30Cの制御のうちの何れか一方のみを実行可能にしたシステム構成でも、勿論、良い。
この図30Cで例示の制御を説明する前に、当該制御を実行するうえでの前提条件を付言しておく。この図30Cで例示の制御は、印刷システム1000のシステム構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である事を制御部205が確認したうえで、制御部205が、システム1000にて実行させる制御である。換言すると、システム1000のシステム構成が図9A、9Bや図10A、10Bに例示するが如くのシステム構成であるとする。この条件の場合、制御部205は、図30Cで例示の制御を実行する事は禁止する。且つ、制御部205は、そのシステム構成に応じたルールに基いた制御を、図30Cの制御と独立して、実行する。
又、このように制御部205がシステム1000のシステム構成を把握する為にも、当該制御においても、制御部205は、HDD209に登録済のシステム構成情報を確認する。図30Cの制御例では、制御部205は、該システム構成情報の確認結果として、システム1000の構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である事を確認する。制御部205は、該確認した事を条件に、図30Cで例示の制御を実行する。尚且つ該制御部205は、図30Cで例示の制御を実行する場合に、図31Aで例示の特定ルールを規定した規則管理テーブルのルール情報も参照する。
このルール情報はシステム1000のシステム構成情報と関連づけてHDD209に予め登録させておく情報である。制御部205は、このルール情報に則った制御として、図30Cで例示の制御を実行する。この図31Aの詳細は後で述べる。
又、図8A〜図10B及び図18A〜18Dで例示したように、本形態のシステム1000は、特定の制限の範囲内にて、任意台数のインラインフィニッシャを、任意の接続順で、印刷装置100に対してカスケード接続可能に構成している。このようにシステムの柔軟性を向上させるべく、多種多様なシステム構成を構築可能に構成している。これを具体例で換言すると、システム1000のシステム構成は、納品先となるPOD業者毎に異なる場合もあるし、設置されてから変更される可能性もある。このようにシステム1000のシステム構成となる候補は複数存在する。
例えば、図8A〜図10Bを用いた説明では、3種類のシステム構成を紹介した。そこで、本形態では、図31Aと同等の目的を果たす為のルール情報を、複数のシステム構成の各システム構成毎に区別して、HDD209に管理保持させるよう構成している。このルール情報は、制御部205が、システム構成情報に基いて動的且つ自動的に作成する構成でも良いし、予めHDD209にプログラムデータとして保持させておく構成でも良い。この点についても図31Aの説明と共に後述する。
以上の前提条件を踏まえて図30Cの制御例について説明する。
まず図30CのタイミングT0の時点にて、制御部205は、ジョブZの処理条件を本形態のUI部を介してユーザから受付ける。
この図30CのT0の時点では、「くるみ製本処理」と「パンチ処理」のうちの両方の実行要求を、本形態のUI部を介して、ユーザから受付けるよう、制御部205により、制御する。尚、説明をより分かりやすくする為に、当該パンチ処理は「2穴パンチ」とする。
これを踏まえ、例えば、印刷装置100のUI部を介してジョブZの為の上記ユーザ要求を受付けるとする。この場合、以下に例示の制御を実行する。
例えば制御部205は、表示部401により実行させた図19の表示を介して、ジョブZのトータルの印刷部数として「2」部をユーザのテンキー506操作に応答して受付ける。その後、図19の表示のキー609がユーザにより押下された事に応答し、制御部205は、図20の表示を、表示部401により、実行させる。その後、図20の表示のキー2007がユーザにより押下された事に応答し、制御部205は、図21の表示を、表示部401により、実行させる。
ここで、制御部205は、図21の表示のキー2104Aを介して「くるみ製本処理」の実行要求を該ユーザから受付ける。且つ制御部205は、図21の表示のキー2104Bを介し、該くるみ製本処理の為の特定印刷部数として「1」部をユーザから受付ける。且つ制御部205は、図21の表示のキー2106Aを介して「2穴パンチ処理」の実行要求を該ユーザから受付ける。且つ制御部205は、図21の表示のキー2106Bを介し、該2穴パンチ処理の為の特定印刷部数として「1」部をユーザから受付ける。且つ、キー2110がユーザにより押下された事に応じて、制御部205は、該ジョブZの為のシート処理の設定が完了と判断する。
以上に例示が如くのシート処理の設定を含むジョブZの為の処理条件の設定がなされたうえでキー503がユーザにより押下された事に応答し、制御部205は、該ジョブZの印刷実行要求を受付けたと判断する。尚、この場合、ジョブZの印刷データの発生源はスキャナ部201或いはHDD209等の印刷装置100自体である。
尚、外部装置等のUI部を介してジョブZの為の上記ユーザ要求を受付ける場合は、以下に例示の制御を実行する。ここでは上述で例示のPC104で説明する。
例えばPC104の制御部は、PC104の表示部により実行させた図26の表示の指定欄1406を介して、ジョブZのトータルの印刷部数として「2」部をPC104のユーザのマウス操作に応答し受付ける。その後、図26の表示のタブ1403がユーザによるマウス操作で押下された事に応答し、PC104の制御部205は、図27の表示を、PC104の表示部により、実行させる。
ここで、PC104の制御部は、図27の表示の指定欄1508を介して、「くるみ製本処理」の実行要求を該ユーザから受付ける。且つPC104の制御部は、図27の表示の指定欄1509を介し、該くるみ製本処理の為の特定印刷部数として「1」部をユーザから受付ける。且つPC104の制御部は、図27の表示の指定欄1512を介して「2穴パンチ処理」の実行要求を該ユーザから受付ける。
且つPC104の制御部は、図27の表示の指定欄1513を介し、該2穴パンチ処理の為の特定印刷部数として「1」部をユーザから受付ける。且つ、キー1514がユーザのマウス操作により押下された事に応じて、PC104の制御部は、該ジョブZの為のシート処理の設定が完了と判断する。
以上に例示が如くのシート処理の設定を含むジョブZの為の処理条件の設定がPC104のUIを介してなされたうえでPC104の不図示の画面の印刷実行要求キーがユーザにより押下されたとする。すると、該ジョブZの印刷実行要求を、PC104から印刷装置100の制御部205に送信される。これにより、制御部205は、該ジョブZの印刷実行要求を受付けたと判断する。尚、この場合、ジョブZの印刷データの発生源はPC104である。
以上に例示の一連の動作が、図30CのT0から開始される図30Cの(動作1)の動作に該当する。このような方法で、制御部205は、くるみ製本処理の設定とパンチ処理の設定の両方を含む「指定部数毎に特定種類のシート処理を実行させる設定」を含んだ、ジョブZの為の処理条件の受付けを、行う。
尚、図30Cの制御例では、ジョブZの最終成果物の全てをシステム1000にて作成するうえで、ユーザに要求する介入動作は、図30Cの(動作1)における動作のみである。即ち、ジョブZの為の一連のシート処理の設定と印刷実行要求は、ユーザにより、複数回繰り返し実行させる事無く、1回分だけ、実行すれば良いように、構成している。この点については図30Bで例示した制御と同様である。
図30CのT0における上記ジョブZの為の1回分の印刷実行要求を受付けた事に応じて、制御部205は、該ジョブZの一連の印刷データを全ページHDD209に記憶させる。この動作が、図30CのT1の時点から開始される(動作2)の動作に該当する。
図30Cの(動作2)では、該ジョブZの一連の印刷データを、先頭頁(1頁目の印刷データ)から最終頁(50ページ目の印刷データ)まで、順次、HDD209に記憶させる。換言すると、図30Cの(動作2)は、該ジョブZの最終頁の印刷データがHDD209に記憶されるまで実行する動作に該当する。
又、ジョブZの為の1回分の印刷実行要求をユーザから受付けた時点(即ち、図30CのT1の時点)で、該ジョブZとは異なる他の処理対象となるジョブがHDD209の印刷待ち行列に存在しないとする。この場合、制御部205は、該ジョブZの1頁目の印刷データがHDD209に記憶された直後に、直ちに、該ジョブZの印刷データの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。この動作が、図30CのT2の時点から開始される(動作3)の動作に該当する。
図30Cの(動作3)では、該ジョブZの一連の印刷データの印刷処理として、該ジョブZの先頭頁(1頁目の印刷データ)から順番にHDD209から読み出して、該ジョブZの最終頁(50ページ目の印刷データ)をHDD209から読み出して、印刷するまで、続行させる動作である。換言すると、図30Cの(動作3)は、該ジョブZの最終頁の印刷データがHDD209から読み出されてプリンタ部203により印刷されるまで実行する動作に該当する。
又、ジョブZ以外に処理すべき他のジョブが存在しない場合、制御部205は、図30Cで例示のシーケンスにおいても、図30Cの(動作2)と(動作3)を、同期的に、並行動作可能に、システム1000を制御する。
又、図30Cの制御例でも、図30Cの(動作3)で1セット目の印刷をプリンタ部203により完了させても、制御部205は、HDD209からジョブZの一連の印刷データをHDD209から消去する事を禁止する。且つ制御部205は、該ジョブZの一連の印刷データを、後述する図30Cの(動作5)にてHDD209から再度読出可能にHDD209を制御する。
図30Cの(動作3)でジョブZの1セット目の印刷が完了した事に応じ、制御部205は、該1セット目の印刷束に対するシート処理として、2穴パンチ処理を、システム1000のインラインフィニッシャにより、実行させる。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合、制御部205は、当該処理を、2穴パンチ処理が実行可能な図8A、8Bの3番目のシート処理装置200Cにより、実行させる。この動作が、図30CのT3の時点から開始される(動作4)の動作に該当する。
この図30Cの(動作4)の処理も、ジョブZの為の設定として、「トータル2セット分の印刷のうち1セット分の印刷束にはくるみ製本処理を実行させ、且つ残り1セット分の印刷束には2穴パンチを実行させる為の、特定部数毎に特定種類のフィニシングを実行させる要求」を、制御部205が、図30CのT0にて、ユーザから受付けた事に応じて、実行させる処理である。
但し、ここで特筆すべきは、図30Bに例示の制御により制御対象となるジョブYと、この図30Cに例示の制御により制御対象となるジョブZは、互いに、同一の処理条件のジョブではある。換言すると、最終成果物の完成に要する一連の動作に含まれるこれら各動作は、ジョブYでもジョブZでも、同じである。この点は、図30Bの(動作1)〜(動作6)と図30C(動作1)〜(動作6)の各動作の内容自体は、同じである点からも理解される。しかし、図30Cに例示の制御を実行する場合、制御部205は、ジョブZの為に必要な該複数の動作を、図30Bの制御を実行する場合とは異なる順序で且つ異なるタイミングで、実行させるよう、システム1000を制御する。
具体例で換言すると、例えば、図30Bに例示の制御にて、制御部205は、ジョブYの為に、図30Bの(動作4)として、くるみ製本処理を、図8A、8Bのシート処理装置200bにより、実行させた。しかし、図30Cの制御では、制御部205は、ジョブZの為に、図30Cの(動作4)として、2穴パンチ処理を、図8A、8Bのシート処理装置200cにより、実行させるよう制御する。
この図30Cに例示の制御は、システム1000のシステム構成に応じた制御である。換言すると、ジョブYやジョブZの如く、「複数部数分の印刷を要し且つ特定部数毎に特定種類のフィニッシングを要するジョブ」を印刷装置100が受付けた場合に、システム1000にて実行させる制御である。且つ、この図30Cに例示の制御は、以下に例示する複数の判断材料情報に基いて、制御部205により、実行される制御である。
(情報1) 複数部数分の印刷を要し且つ特定部数毎に特定種類のフィニッシングを要するジョブにて要するフィニシングの種類に関する情報。
(情報2) システム1000のシステム構成に関する情報。
(情報3) システム1000のシステム構成に対応したルール情報(例えば、図31Aに例示のルール情報3102Aの情報)。
制御部205は、複数部数分の印刷を要し且つ特定部数毎に特定種類のフィニッシングを要するジョブの為に上記各判断材料情報をチェックする。且つ、その確認結果に基いて、制御部205は、該ジョブにて必要な複数種類のフィニシングのシステム1000における実行順番を動的に決定するよう制御する。
具体例で換言すると、図30Bの制御を実行する場合では、(動作4)として、「くるみ製本」を実行させる。しかし、図30Cの制御を実行する場合には、(動作4)として、「2穴パンチ」を実行させる。このように、上記ジョブにて要する複数種類のフィニシングの各動作の実行順序を印刷システム1000のシステム構成に応じて動的に変更可能に制御する。
尚、複数部数分の印刷を要し且つ特定印刷部数毎に特定種類のフィニシングを要するジョブにて必要な複数種類のフィニシングのシステム1000における実行順番は、どのように、決定するのか、以下に例示する。
例えば、制御部205は、そのジョブにて要求されるフィニシングの種類は如何なる種類であるかを、本形態のUI部から受付けたユーザからの処理条件データに基き、確認する。且つ、その要求されるフィニシングを、システム1000の如何なるインラインフィニッシャで実行させるのかを、HDD209のシステム構成情報に基き、確認する。且つ、そのフィニッシャはシステム1000にて何番目に位置するインラインフィニッシャであるのかを、HDD209のシステム構成情報に基き、確認する。
上記確認の結果、そのジョブにて必要な複数種類のフィニシングの全てを実行する為に必要なフィニッシャが、印刷装置100に対する接続順序が1番目のインラインフィニッシャ(図8A、8Bの例でシート処理装置200a)と、印刷装置100に対する接続順序が2番目のインラインフィニッシャ(図8A、8Bの例でシート処理装置200b)であるとする。この場合、制御部205は、該1番目のインラインフィニッシャによるフィニッシング動作の実行に先行して、該2番目のインラインフィニッシャによるフィニシング動作を開始実行させるよう制御する。
上記制御を図30Cで例示の制御により制御対象のジョブZの説明として換言すると、以下に例示の制御を制御部205が実行する。
例えば、制御部205は、ジョブZにて要求されるフィニシングの種類は「くるみ製本と2穴パンチの2種類」である事を、本形態のUI部から受付けたユーザからの処理条件データに基き、確認する。且つ、そのうちの「くるみ製本」は、印刷装置100に対する接続順序が2番目のインラインフィニッシャ(図8A、8Bにてシート処理装置200bに相当)により実行させる事を、HDD209のシステム構成情報に基き、確認する。且つ、「2穴パンチ」は、印刷装置100に対する接続順序が3番目のインラインフィニッシャ(図8A、8Bにてシート処理装置200cに相当)により実行させる事を、HDD209のシステム構成情報に基き、確認する。
以上の、システム1000が図8A、8Bに例示のシステム構成の場合における上記判断結果を基き、制御部205は、ジョブZの為の一連の動作にて、上記2番目のインラインフィニッシャ(図8A、8Bにてシート処理装置200b)によるくるみ製本動作の実行に先行して、上記3番目のインラインフィニッシャ(図8A、8Bにてシート処理装置200c)による2穴パンチ動作を開始実行させるように、制御する。
上記例示が如くの制御を実行するが故に、図30Cに例示の制御にて制御部205は、ジョブZの為に、図30Cの(動作4)として、「くるみ製本」ではなく「2穴パンチ」を、図8A、8Bのシート処理装置200cにより、実行させる。
このように、複数部数分の印刷を要し且つ特定部数毎の特定種類のフィニッシングを要するジョブを、印刷装置100が受付け、システム1000で処理すべき状況が生じたとする。この場合、制御部205は、該ジョブで必要な一連の動作において、システム1000が具備する複数台のシート処理装置のうちの、シート搬送方向下流側(接続順序が最後尾側)のシート処理装置から順番に利用するよう、各シート処理装置による各シート処理動作の実行順序とタイミングとを、制御する。
以上に例示の制御が、図30Cに例示の制御に含まれる制御の1つに該当する。
尚且つ、図30Cに例示の制御に関する特筆すべき点は、上記例示が如く、「複数部数分の印刷を要し且つ特定印刷部数毎に特定種類のフィニシングを要するジョブの一連の動作にて、フィニシングの実行順序とタイミングとを制御する」のみではない事である。図30Cに例示の制御では、この制御を実行するのみならず、以下に例示の制御をも実行する。この点も、図30Cに例示の制御における特徴点の1つである。
例えば、図30Cの(動作4)を開始させた事に応じて、制御部205は、自動的に、図30Cの(動作5)を開始実行するよう制御する。換言すると、制御部205は、図30Cの(動作3)の完了直後に、図30Cの(動作4)の実行中に図30Cの(動作5)を開始実行させるよう制御する。尚且つ、制御部205は、図30Cに例示が如く、図30Cの(動作4)と図30Cの(動作5)のこれら2つの動作を、システム1000にて、並行動作させるよう、システム1000を制御する。これを図30Cで制御対象となるジョブZで換言すると、制御部205は、ジョブZの為に以下に例示の並行動作を実行させる。
制御部205は、図30CのT3時点から(動作4)として、図30Cの(動作3)によりジョブZの一連の印刷データが印刷済の1セット目の印刷束に対する2穴パンチ処理を、図8A、8Bのシート処理装置200cにより、実行させる。この図30Cの(動作4)における該ジョブZの1セット目の印刷束に対する2穴パンチ処理の実行中に、制御部205は、図30Cの(動作5)として、該ジョブZの2セット目の印刷束の為の印刷処理をプリンタ部203により実行させる。
この図30Cの(動作5)は、図30CのT0の時点にてジョブZの為に「2穴パンチ」と共にユーザから要求されたシート処理に該当する「くるみ製本」が実行対象となる印刷束の為の印刷動作に該当する。
尚、ジョブZの1セット目の印刷束の全てが図8A、8Bのシート処理装置200c内部に供給された事を、図2の装置内部の信号線を介して受信対象となるシート処理装置200cからのセンサ情報に基き、制御部205が確認したとする。この時点が、図30CのT4の時点に該当する。制御部205は、当該確認をした事に応じて、図30CのT4の時点から、図30Cの(動作5)をプリンタ部203により開始させる。且つ、制御部205は、このプリンタ部203による図30Cの(動作5)と、図8A、8Bのシート処理装置200Cによる図30C(動作4)とを、並行動作させる。
尚、この図30Cの(動作5)も、図30Cの(動作3)が実行された後に自動的に実行させるよう、制御部205により制御する。即ち、制御部205は、図30Cの(動作1)の期間以外の期間に該当する、図30Cの(動作2)の開始時点から図30Cの(動作4)の終了時点を含む期間中にて、ユーザによる介入操作無しに、自動的に、図30Cの(動作5)以降の動作をシステム1000にて実行させるよう制御している。この点自体は図30Bに例示の制御と同様である。しかし、図30Cに例示の制御により図30Cの(動作4)と図30Cの(動作5)とを並行動作可能に制御する点が、図30Bに例示の制御例との主なる相違点の1つである。
又、図30Cの(動作5)の動作としては、以下に例示の動作を実行させるよう制御する。
例えば図30Cの(動作5)にて制御部205は、該ジョブZの2セット目の印刷として、図30Cの(動作2)で既にHDD209に記憶済のジョブZの印刷データ(50頁からなる一連のデータ)を再び用いた、印刷処理をプリンタ部203により、実行させる。換言すると、図30Cの(動作3)で印刷対象となるデータと、図30Cの(動作5)で印刷対象となるデータは、互いに同一内容である。
且つ、図30Cの(動作3)で利用する印刷データと、図30Cの(動作5)で利用する印刷データは、両方共に、図30Cの(動作2)で獲得したHDD209に記憶対象となるジョブZの一連の印刷データである。このように、制御部205は、図30Cの(動作3)における印刷処理にて印刷装置100により利用対象のデータを再度利用した印刷処理を、図30Cの(動作5)においても印刷装置100により実行させる。
この図30Cの(動作5)では、該ジョブZの一連の印刷データの印刷処理として、該ジョブZの先頭頁(1頁目の印刷データ)から順番にHDD209から読み出して、該ジョブZの最終頁(50ページ目の印刷データ)をHDD209から読み出して、印刷するまで、続行させる動作である。換言すると、図30Cの(動作5)は、該ジョブZの最終頁の印刷データがHDD209から読み出されてプリンタ部203により印刷されるまで実行する動作に該当する。
但し、この先頭頁から最終頁の各ページの印刷データを1回分印刷する一連の印刷処理は、1セット分の印刷である。この理由は、ジョブZの為の設定として「トータル2セット分の印刷のうち1セット分の印刷束にはくるみ製本処理を実行させ、且つ残り1セット分の印刷束には2穴パンチを実行させる為の、特定部数毎に特定種類のフィニシングを実行させる要求」を、制御部205が、図30CのT0にて、ユーザから受付けたからである。この要求に基いた一連の動作に要する動作として、制御部205は、図30Cの(動作5)を、図30Cの(動作3)が実行されたうえで自動的に実行させるよう、システム1000を制御している。
この点自体も図30Bに例示の制御と同様である。しかし、図30Cに例示の制御により図30Cの(動作4)と図30Cの(動作5)とを並行動作可能に制御する点が、図30Bに例示の制御例との主なる相違点の1つである。尚且つ、制御部205は、図30Cに例示の制御にて、以下に例示の制御も実行する。
例えば、図30Cの(動作5)でジョブZの2セット目の印刷が完了した事に応じ、制御部205は、該2セット目の印刷束に対するシート処理として、くるみ製本処理を、システム1000のインラインフィニッシャにより、実行させる。例えば、当該制御は図8A、8Bのシステム構成例の場合の制御であるが故に、制御部205は、当該処理を、くるみ製本処理が実行可能な図8A、8Bの2番目のシート処理装置200bにより、実行させる。
この動作が、図30CのT5の時点から開始される(動作6)の動作に該当する。図30CのT6は、この図30Cの(動作6)のくるみ製本処理が図8A、8Bのシート処理装置200cで完了した時点を意味する。
制御部205は、この図30Cの(動作6)も、図30Cの(動作5)が実行されたうえで自動的に実行させるようシステム1000を制御する。即ち、図30CのT1〜T5の期間中にユーザが本形態のUI部を介してジョブZの最終成果物を作成させる為の処理条件の設定等を行う事無しに、図30Cの(動作5)の実行後に、図30Cの(動作6)を自動的に実行するよう制御部205によりシステム1000を制御する。この点自体も図30Bに例示の制御と同様である。
しかし、図30Cに例示の制御にて、制御部205は、図30Cの(動作4)と図30Cの(動作6)のこれら2つの動作も、並行動作可能にシステム1000を制御している。この構成も図30Bに例示の制御との相違点の1つである。
即ち、図30Cに例示の制御を実行する場合、異なる複数種類のフィニシングを要する同一ジョブ(本例ではジョブZ)の一連の動作において、複数種類のフィニシングを、同時に、実行可能に構成している。これを、図30Cで例示の制御により処理対象のジョブZで換言して具体的に説明すると、以下に例示の動作を実行可能にシステム1000を制御している。
例えば、システム1000の現在の処理状況として、図30Cの(動作4)にて要する「ジョブZの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bのシート処理装置200cによる2穴パンチ処理」が該シート処理装置200cにて実行中であるとする。この状況の1例としては、例えば、図8A、8Bのシート処理装置200b内部にて、ジョブZの1セット目の印刷束に該当するシートの搬送動作中である場合が、これに該当する。
又は、シート処理装置200c内部のパンチユニットにてパンチ処理を実行する為に必要なジョブZの1セット分のシート束を、該装置内部のシート保持部にてスタックさせている最中である場合が、これに該当する。又は、そのシート保持部にてジョブZのシート束の整合動作中である場合がこれに該当する。
このような状況が想定されるがこの内容自体は特に言及しなくても良い。システム1000の現在の状況が当該状況である場合において、図30Cの(動作5)にて要する「ジョブZのくるみ製本用の2セット目の印刷束のプリンタ部203による印刷処理」が、完了したとする。
上記例示が如く、システム1000にて、ジョブZの1セット目の印刷束に対する2穴パンチ動作の実行中に、ジョブZの2セット目の印刷動作が、完了したとする。本形態では、このようなシステム1000における現在の状況を、システム1000における現在のジョブの処理状況情報として、制御部205により、逐次、確認可能に構成している。尚、この際、制御部205は、図2の装置内部の信号線を介して、ジョブZのシート処理動作の実行状況を示す情報をシート処理装置200cから獲得する。
且つ、図2の装置内部の信号線を介して、制御部205は、ジョブZの印刷動作の実行状況を示す情報をプリンタ部203から獲得する。制御部205は、これらの獲得情報を基に上記確認を実行する。
上記例示が如く、図30Cの(動作5)が完了した時点(図30CのT5の時点)におけるシステム1000のジョブZに関る処理状況が上記ケースに該当するとする。この場合、図30Cで例示するが如く、制御部205は、図8A、8Bのシート処理装置200cによる図30Cの(動作4)と、図8A、8Bのシート処理装置200bによる図30Cの(動作6)とを、並行動作させるよう制御する。
即ち、図8A、8Bのシート処理装置200cによる図30Cの(動作4)に並行して、図30CのT5の時点から、図30Cの(動作6)を図8A、8Bのシート処理装置200bにより開始実行させる。これを、ジョブZを用いて具体的に換言すると、以下に例示が如くの制御を実行する事を意味する。
ジョブZの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bのシート処理装置200cによる2穴パンチ動作の実行中に、くるみ製本用の2セット目の印刷束に要する印刷動作がプリンタ部203により完了した。この場合、当該状況を確認した制御部205は、該ジョブZの2穴パンチ動作を図8A、8Bのシート処理装置200cにより継続実行させたままの状態で、該ジョブZの2セット目の印刷束に対する図8A、8Bのシート処理装置200bによるくるみ製本動作を開始させる。
且つ、制御部205は、これらジョブZの為の2種類のフィニッシング動作を、図30CのT5の時点から、並行動作させるように、図8A、8Bのシート処理装置200b及び図8A、8Bのシート処理装置200cを制御する。
以上の図30CのT0〜T6の各タイミングにて上記図30Cの(動作1)〜(動作6)の全ての動作を実行することで、ジョブZとしてユーザが要求した最終成果物の作成が全て完了する。即ち、ジョブZの印刷データの全頁が印刷済みで且つくるみ製本処理済の1セット分の印刷束と、ジョブZの印刷データの全頁が印刷済みで且つ2穴パンチ処理済の1セット分の印刷束の、合計2セット分の印刷束の作成が完了する。
このように、図30Cの(動作1)で例示の上記ユーザ要求を本形態のUI部を介して受付けた場合に、制御部205は、当該要求に基いた上述が如くの一連の動作をシステム1000にて実行させるよう制御する。即ち、制御部205は、該ユーザ要求に応じた一連の動作として、図30Cの(動作2)〜(動作6)をシステム1000で実行させるよう、HDD209やプリンタ部203やシート処理装置200等の各種ユニットを制御する。
しかも、制御部205は、図30Cの(動作1)でジョブZの為の処理条件と印刷実行要求とを上記UI部を介しユーザから1回分受付けただけで、図30CのT1〜T6の期間中にてユーザが該UI部を介しジョブZの最終成果物を作成させる為の処理条件の設定等を行う事無しに、図30Cの(動作2)〜(動作6)の一連の動作を全て自動的且つ連続的に実行出来るように、システム1000を制御する。この点は、図30Bに例示の制御を実行する場合と同様である。
しかし、図30Cに例示の制御を実行する場合、「複数部数分の印刷を要し且つ特定印刷部数毎に異なる複数種類のフィニシングを要するジョブ」にて必要な該複数種類のフィニシングの実行順序と実行タイミングを、HDD209内のシステム1000のシステム構成情報に基いて、制御部205が、自動的に決定する。
即ち、図30Cで例示の「第2の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御を実行する場合でも、図30Bで例示の「第1の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御を実行する場合でも、互いに処理条件が同一のジョブが処理対象となりうる。しかし、システム1000の構成及び該ジョブに対するユーザからの処理条件次第では、「第1の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御を実行する場合とは、異なる処理順序及びタイミングでもって、処理対象となるジョブにて要する複数の動作を、実行させるようシステム1000を制御する。
尚且つ、制御部205は、図30Cで例示の「第2の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御を実行する場合、上述が如くの方法で処理対象となるジョブの為にユーザから要求されたフィニシングの種類、及び、システム構成情報、並びに、該ジョブのシステムにおける現在の処理状況等に、基き、以下に例示の複数種類の並行動作を実行可能に、システム1000を制御する。
例えば、制御部205は、そのジョブにて要するユーザにより指定された特定部数分の印刷束の為の特定種類のフィニシング動作に並行して、該ジョブにて更に要する別の種類のフィニシングの為の印刷動作を開始実行させる。この制御により、制御部205は、図30Cの例示が如く、ジョブZの為の図30Cの(動作4)と(動作5)との並行動作を、図30CのT4の時点から、システム1000にて、実行可能にする。
尚且つ例えば制御部205は、そのジョブにて要するユーザにより指定された上記特定種類のフィニシング動作に並行して、該ジョブにて更に要する別の種類のフィニシング動作を、システム1000にて、開始実行させる。この制御により、制御部205は、図30Cの例示が如く、ジョブZの為の図30Cの(動作4)と(動作6)との並行動作を、図30CのT5の時点から、システム1000にて、実行可能にする。
以上の例示が如く、図30Bで例示の「第1の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」の制御をシステム1000で実行させる場合でも、図30Cで例示の「第2の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」の制御をシステム1000で実行させる場合でも、同様の最終成果物を作成可能に構成している。しかし、後者の制御では、「複数部数分の印刷を要し且つ特定印刷部数毎に異なる複数種類のフィニシングを要するジョブ」にて必要な複数の動作に含まれる特定の複数の動作を、同時並行動作可能に構成している。
これにより、図30Bで例示の「第1の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御をシステム1000で実行する場合における最終成果物の作成完了に要するトータルの時間よりも、図30Cで例示の「第2の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」による制御をシステム1000で実行する場合における最終成果物の作成完了に要するトータルの時間を短縮可能となる。具体例で換言すると図30BのT0からT6迄の所要期間よりも、図30CのT0からT6迄の所要期間の方が、短い結果となる。
即ち、図30Cに例示の制御を実行可能に構成することで、本形態にて上述した各種効果のうちの生産性に関する効果が更に向上可能となる。即ち、本形態の効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
上述にて、図30Cで例示の制御は、システム1000のシステム構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合に、制御部205が実行する構成を述べた。本形態では、この制御を実行するにあたり、制御部205により、図31Aの管理情報3100Aの情報に基いた制御を実行可能に構成している。
この図31Aに例示の管理情報3100Aは、HDD209に予め登録対象となるデータ群である。且つ、この情報3100Aは、システム1000が図8A、8Bに例示のシステム構成である場合に制御部205が利用するデータ群に該当する。換言すると、システム1000が、図9A、9Bで例示のシステム構成である場合や図10A、10Bで例示のシステム構成である場合等、図8A、8Bに例示のシステム構成とは異なるシステム構成であるとする。このケースに該当する場合、図31Aの管理情報3100Aは制御部205により利用されないように構成している。
ここで、図31Aの管理情報3100Aの説明、及び、この管理情報3100Aを用いて制御部205が実行する制御の1例に関し、以下に例示する。
管理情報としてHDD209にテーブル形式で記憶管理対象となる図31Aの管理情報3100Aには、システム構成情報3101Aと、ルール情報3102Aとが含まれている。且つ、図31Aのシステム構成情報3101には、システム1000のシステム構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である事を制御部205が確認可能にする情報に該当する情報群が含まれている。
このシステム構成情報3101Aに包含された(情報1)〜(情報5)が、図24のS1203の確認処理にて制御部205が利用する情報に該当する。且つ、これらの情報が、図25のS1703の確認処理にてPC104等の印刷装置100とデータ通信可能な外部装置の制御部により利用する情報に該当する。
システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合、システム構成情報3101Aとして、以下に例示の(1)〜(5)がHDD209に保持され、これが制御部205により利用対象となる。
(1) 図8A、8Bに例示の印刷システム1000はインラインシート処理装置(インラインフィニッシャと同義)を有している事を制御部205が特定可能にする為の、インラインフィニッシャの接続有無情報。これが図31Aのシステム構成情報3101Aの(情報1)に相当する。
(2) 図8A、8Bに例示の印刷システム1000はインラインフィニッシャを3台具備している事を制御部205が特定可能にする為の、インラインフィニッシャの接続台数情報。これが図31Aのシステム構成情報3101Aの(情報2)に相当する。
(3) 図8A、8Bに例示の印刷システム1000が具備するインラインフィニッシャの種類は大容量スタッカと糊付け製本機と中綴じ製本機である事を制御部205が特定可能にする為の、インラインフィニッシャの種類情報。これが図31Aのシステム構成情報3101Aの(情報3)に相当する。
(4) 図8A、8Bに例示の印刷システム1000にて実行可能なシート処理(フィニシングと同義)の種類が9種類(ステイプル、パンチ、断裁、シフト排紙、中綴じ製本、折り、くるみ製本、天糊製本、大量積載)である事を制御部205が特定可能にする為の、フィニシングの種類情報。これが図31Aのシステム構成情報3101Aの(情報4)に相当する。
(5) 図8A、8Bに例示の印刷システム1000にて、印刷装置100に対して、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機という接続順序で、これらの装置が接続されている事を制御部205が特定可能にする為の、インラインフィニッシャの接続順序情報。これが図31Aのシステム構成情報3101Aの(情報5)に相当する。
以上の(情報1)〜(情報5)が、図31Aのシステム構成情報3101Aに管理情報として含まれている。
一方、図31Aのルール情報3102Aには、図31Aのシステム構成情報3101Aに基いた規定条項(ルール)に該当する規則定義情報が含まれている。この情報3102Aには、印刷システム1000が図8A、8Bに例示のシステム構成である事に応じて策定された9個のルール情報が登録されている。この情報3102Aは、上記情報3101Aと同様に、制御部205により読出し参照可能となるようにプログラムコード化された情報群である。
HDD209に登録対象となる、図31Aの3101Aで例示されるシステム構成情報は、図18A〜図18Dで例示したが如く、本形態のUI部を介してユーザにより実行されたシステム構成の登録設定情報に基いて作成するよう構成する。或いは、図2で例示の装置内部の信号線を介して、印刷装置100に接続されるインラインフィニッシャから直接取得する情報を基いて、制御部205が当該情報を自動生成する構成でも良い。
HDD209に登録対象となる、図31Aの3102Aで例示されるルール情報は、HDD209にシステム構成情報が登録された時点で制御部205が、該情報を基に作成する構成でも良い。或いは、予めプログラムデータとして、HDD209に登録されている構成でも良い。
以上の説明はあくまでも例示的な説明である故、必ずしも、このような構成ではなくても良い。換言すると、システム1000が如く構成のものにて、システム構成情報やルール情報が如くの情報に基いて、以下に例示の制御を実行可能にした構成であるならば、如何なる構成でも構わない。以下に、図31Aのルール情報3102Aを用いて如何なる制御を実行するのか例示する。
図31Aの情報3102Aで例示のルール情報は、「複数部数分の印刷を要し、且つ、ユーザが指定する特定印刷部数毎にユーザが指定する特定種類のフィニシングの実行を要する、ジョブ」を、システム1000にて処理する場合に、該ジョブの為に適用するルールである。制御部205は、これに該当するジョブに対して当該ルール情報に規定する決定事項を適用し、且つ該決定事項の内容に即した制御を該ジョブの為に実行する。上述した制御例で換言すると、このルール情報で規定されている決定事項が適用対象となるジョブは、上述のジョブC、ジョブD、ジョブE、ジョブY、ジョブZ等である。
換言すると、制御部205は、このルール情報の決定事項に基いた制御を、上述のジョブAやジョブBやジョブF等に対しては、実行しない。このように上記ジョブCややジョブDやジョブEやジョブYやジョブZ等のジョブは当該ルール情報の適用対象内のジョブとして取り扱う。一方、上記ジョブAやジョブBやジョブF等のジョブは当該ルール情報の適用対象外のジョブとして取り扱う。
尚、図30Cで例示の「第2の複数部数印刷におけるハイプロダクティビィティフィニッシングシーケンス」の制御を行うにあたり、制御部205は、この図31Aで例示のルール情報3102Aの情報を利用している。換言すると、例えば、印刷システム1000の動作モードが「PODプロフェッショナルモード」に該当する動作モードである場合において、図31Aの管理情報3100Aの情報を利用する。但し、これは例示的なものである。
換言すると、例えば、このようなモードの選択自体又はモードの概念自体が存在しない構成であっても、図31Aで例示の制御を実行可能に本形態のシステムは構成されている。即ち、少なくとも以下に例示が如くの動作を印刷システムにて実行可能な構成のものであるならば、如何なる構成のものでも本発明に包含される。
上述の如く、ジョブC、ジョブD、ジョブE、ジョブY、ジョブZは、夫々、ユーザが望む最終成果物を印刷システム1000にて完成させるうえで、複数種類のフィニシングを要するジョブである。例えば図22Aに例示の設定がユーザからなされたジョブCは、10セットのシート束のうち9セット分のシート束の為にくるみ製本を要し、1セット分のシート束の為に多穴パンチを要し、トータル2種類のフィニシングを要する。
図27に例示の設定がユーザからなされたジョブEも、同様である。又、図22Bに例示の設定がユーザからなされたジョブDは、4セット分の印刷束の為に「くるみ製本」を、4セット分の印刷束の為に「多穴パンチ」を、2セット分の印刷束の為に「ステイプル」を要し、合計3種類のフィニシングを要する。
ここで、上記ジョブC、D、E、Y、Z等は、少なくとも、複数セットの印刷を要するジョブである。換言すると、一連の印刷データの全頁を1回分印刷する一連の印刷処理を、複数回繰り返し実行するジョブである。ここで、この1セット分の印刷に要するシート束の事を、1束分のシート束と称す。これを踏まえて、上記例示が如くのジョブは、複数セットの印刷に複数のシート束を要す。ジョブCやジョブDやジョブEは10個のシート束を要す。ジョブYやジョブZはトータルで2セット分の印刷を要すジョブであるが故に、2個のシート束を要す。
図31Aで例示のルール情報に基いた制御は、上述例が如くのトータルで複数のシート束を要するジョブにて要する一連の動作において、1セット分の印刷、即ち、1束分のシート束単位で、実行する制御である。これを、図30Cで例示のジョブZで当てはめて説明するならば、当該制御は、ジョブZにて要する図30Cの(動作1)〜(動作6)のうちの(動作3)や(動作5)の1セット分の印刷単位で実行する制御である。
そして、図31Aのルール情報3102Aにおける合計9個のルールの各ルール毎に規定した合計9個の決定事項は、以下に例示の条件に基いて、夫々、決定された内容となっている。
(条件1) 上記例示が如く、複数部数分の印刷を要し且つ複数種類のフィニシングの実行を要するジョブにて必要なシステム1000にて実行すべき一連の動作に含まれる、ある1セット分の印刷束の為に要するフィニッシングの種類。
(条件2) 上記ジョブの上記一連の動作における、上記条件1にて確認対象となる上記1セット分の印刷束の直後の印刷束に該当する1セット分の印刷束の為に要するフィニシングの種類。
図31Aのルール情報3102Aでは、上記(条件1)にて確認対象となる1セット分の印刷束を「先行のシート束」と定義している。且つ、上記(条件2)にて確認対象となる1セット分の印刷束は、上記先行のシート束に後続するシート束であるが故に、「後続のシート束」と定義している。
例えば、上記定義を、図30Bで例示のジョブYに当てはめて説明する。図30Bの(動作3)にてジョブYの複数頁からなる一連の印刷データが印刷対象となるの1セット目の印刷束が、「ジョブYの一連の動作における先行のシート束」に該当する。且つ、図30Bの(動作5)にてジョブYの複数頁からなる一連の印刷データが印刷対象となるの2セット目の印刷束が、「ジョブYの一連の動作における後続のシート束」に該当する。
又、例えば、上記定義を、図30Cで例示のジョブZに当てはめて説明する。図30Cの(動作3)にてジョブZの複数頁からなる一連の印刷データが印刷対象となるの1セット目の印刷束が、「ジョブZの一連の動作における先行のシート束」に該当する。且つ、図30Cの(動作5)にてジョブZの複数頁からなる一連の印刷データが印刷対象となるの2セット目の印刷束が、「ジョブZの一連の動作における後続のシート束」に該当する。
制御部205は、上記(条件1)と(条件2)とに基いて、複数部数分の印刷を要し且つ特定部数分の印刷毎に特定種類のシート処理(フィニシングと同義)を要するジョブの動作を制御する。図31Aの例では、このようなジョブ(上述例ではジョブC、ジョブD、ジョブE、ジョブY、ジョブZ等)の事を「特定ジョブ」と定義している。
以下の説明では、この定義に該当するジョブの事を特定ジョブと称している。制御部205は、上記(条件1)と(条件2)とに基いて、上記特定のジョブに対して、如何なる動作を制御するのか、その動作の具体例を以下に例示する。
例えば制御部205は、上記特定ジョブにて「先行のシート束」にて要するシート処理動作に並行して「後続のシート束」にて要する印刷動作を実行させる事を許可するか、禁止するかを、決定する。換言すると、制御部205は、該特定ジョブにて先行のシート束の為のインラインフィニッシャによるフィニシング動作の実行中に、後続のシート束の為の印刷動作をプリンタ部203により開始実行させる事を、許可するか、禁止するかを、決定する。
尚、ここで述べている「先行のシート束の為のインラインフィニッシャによるフィニシング動作」と「後続のシート束の為の印刷動作」とは、両方とも、特定ジョブにて必要なシステム1000にて実行すべき一連の動作に含まれる動作である。且つ、「後続のシート束」とは、該特定ジョブにて「先行のシート束」の直後の印刷束の事を意味する。又、「先行のシート束の為のインラインフィニッシャによるフィニシング動作」とは、図31Aのルール情報3102Aにて、「先行のシート束の為のシート処理動作」と定義している。且つ、「後続のシート束の為の印刷動作」とは、図31Aのルール情報3102Aでも、同様に、「後続のシート束の為の印刷動作」と定義している。
以下に、この図31Aの情報を用いて制御部が実行する制御を具体例でもって説明する。
例えば、制御部205は、システム1000のシステム構成が図8A、8Bに例示のシステム構成である事を、HDD209に登録済の図31Aのシステム構成情報3101Aの情報に基いて、確認する。この場合、制御部205は、該情報3101Aと関連付けてHDD209に登録済の図31Aのルール情報3102AをHDD209から読出参照する。且つ、制御部205は、このルール情報3102Aに基いて、以下に例示の[制御1]〜[制御9]をシステム1000にて実行する。
尚、以下に例示の制御例では、図8A、8Bのシート処理装置200aが図31Aで例示の「大容量スタッカ」に相当し、この大容量スタッカにて実行可能なシート処理の種類は「(1)シートの積載処理」の1種類とする。且つ、図8A、8Bのシート処理装置200bが図31Aで例示の「糊付け製本機」に相当し、この糊付け製本機にて実行可能なシート処理の種類は「(1)くるみ製本処理、(2)天糊製本処理」の2種類とする。
且つ、図8A、8Bのシート処理装置200cが図31Aで例示の「中綴じ製本機」に該当し、この中綴じ製本機にて実行可能なシート処理の種類は「(1)ステイプル、(2)パンチ処理(2穴パンチ及び多穴パンチを含む)、(3)断裁処理、(4)シフト排紙、(5)中綴じ製本処理、(6)折り処理」の6種類とする。
以上を踏まえて図31Aの(ルール1)〜(ルール9)による制御を以下に例示する。
[制御1・・・図31Aのルール1に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて先行のシート束にて要するシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの中綴じ製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて後続のシート束にて要するシート処理の種類も、図8A、8Bの中綴じ製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。この場合、制御部205は、システム1000にて、該特定のジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を禁止する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を禁止する。
この状況に該当する具体例を以下に2つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、「トータル2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束にはパンチ処理を要し、2セット目の印刷束には中綴じ製本を要する、ジョブ」である。図8A、8Bのシステム構成の場合、パンチ処理も中綴じ製本処理も図8A、8Bのシート処理装置200cに相当する中綴じ製本機が実行する。このような確認判断を制御部205が行う。
制御部205は、このケースに該当する場合に、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機によるパンチ処理の実行中に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。
又、このケースの場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機によるパンチ処理が完了した後に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行可能にする。そのうえで、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による中綴じ製本を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目のパンチ処理済み印刷束は、図8Bの排紙先Zに該当する積載部に保持させる。このジョブの2セット目の中綴じ製本済み印刷束も、図8Bの排紙先Zに該当する積載部に保持させる。
該ケースは、上記で定義した上記特定ジョブにて先行のシート束と後続のシート束とで異なる種類のフィニシングを実行するが、それらのフィニシングを実行する装置が同一のインラインフィニッシャである場合の1例に該当する。
(ケース2) 印刷装置100が印刷実行要求を処理対象のジョブが、「トータル3セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束及び2セット目の印刷束には中綴じ製本を要し、3セット目の印刷束にはパンチ処理を要する、ジョブ」である。このような確認判断を制御部205が行う。
このケースに該当する場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による中綴じ製本の実行中に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。且つ、制御部205は、該ジョブの2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による中綴じ製本処理の実行中に、該ジョブの3セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。
又、このケースの場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による中綴じ製本処理が完了した後に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行可能にする。そのうえで、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による中綴じ製本を実行させる。且つ、該ジョブの2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による中綴じ製本処理が完了した後に、該ジョブの3セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行させる。
そのうえで、該3セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機によるパンチ処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目と2セット目の中綴じ製本済み印刷束を、図8Bの排紙先Zに該当する積載部に保持させる。このジョブの3セット目のパンチ処理済み印刷束も、図8Bの排紙先Zに該当する積載部に保持させる。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール1)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
[制御2・・・図31Aのルール2に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて先行のシート束にて要するシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの中綴じ製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて後続のシート束にて要するシート処理の種類は、図8A、8Bの糊付け製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。このケースに該当する場合、制御部205は、システム1000にて、該特定のジョブにて先行のシート束にて要するシート処理動作に並行し、該ジョブの後続のシート束にて要する印刷動作を実行させる事を許可する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブの先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブの後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を許可する。
更に換言すると、制御部205は、該特定ジョブの先行のシート束の図8A、8Bの中綴じ製本機によるシート処理動作は継続させつつ、図8A、8Bの糊付け製本機によるシート処理動作が実行対象となる該特定ジョブの後続のシート束の為の印刷動作をプリンタ部203により実行させる。更に、制御部205は、該ケースにて、該ジョブにて要する先行のシート束のシート処理動作が実行中に該ジョブにて要する後続のシート束の印刷動作が完了した場合、該先行のシート束の図8A、8Bの中綴じ製本機によるシート処理動作を継続させつつ、該後続のシート束のシート処理動作を図8A、8Bの糊付け製本機により実行可能にする。
この状況に該当する具体的な制御例を以下に1つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、「トータル2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束には2穴パンチ処理を要し、2セット目の印刷束にはくるみ製本処理を要する、ジョブ」である。図8A、8Bのシステム構成の場合、パンチ処理(2穴パンチ、多穴パンチ含む)は図8A、8Bのシート処理装置200cに相当する中綴じ製本機により実行対象となるシート処理である。且つ、くるみ製本処理は、図8A、8Bのシート処理装置200bに相当する糊付け製本機により実行対象となるシート処理である。このような確認判断を制御部205が行う。
制御部205は、このケースに該当する場合に、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による2穴パンチ処理の実行中に、図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理が実行対象となる該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を許可する。
又、このケースの場合に、制御部205は、図8A、8Bのシステム1000にて、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による2穴パンチ処理を継続動作させたままの状態で、該ジョブの2セット目の印刷束の為の印刷動作をプリンタ部203による実行させる。且つ、該ケースにて、該ジョブの1セット目の印刷束の2穴パンチ動作が実行中に該ジョブの2セット目の印刷束の為の印刷動作が完了したとする。
この場合、更に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による2穴パンチ処理を継続動作させたままの状態で、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目の多穴パンチ済み印刷束を、図8Bの排紙先Zに該当する積載部に保持させる。且つ、このジョブの2セット目のくるみ製本済み印刷束は、図8Bの排紙先Yに該当する積載部に保持させる。
該ケースは、上記で定義した上記特定ジョブにて先行のシート束と後続のシート束とで異なる種類のフィニシングを実行し、且つ、それらのフィニシングを実行する装置が異なるインラインフィニッシャである場合の1例に該当する。
ちなみに、図30Cで例示のジョブZに対する制御は、このケースにおける制御を応用したものである。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール2)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
[制御3・・・図31Aのルール3に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて先行のシート束にて要するシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの中綴じ製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて後続のシート束にて要するシート処理の種類は、図8A、8Bの大容量スタッカにより実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。このケースに該当する場合、制御部205は、システム1000にて、該特定ジョブにて要する先行のシート束のシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を許可する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を許可する。
更に換言すると、制御部205は、該特定ジョブにて要する先行のシート束の図8A、8Bの中綴じ製本機によるシート処理動作は継続させつつ、図8A、8Bの大容量スタッカによるシート処理動作が実行対象となる該特定ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作をプリンタ部203により実行させる。更に、該ケースにて、該ジョブにて要する先行のシート束のシート処理動作が実行中に該ジョブにて要する該後続のシート束の印刷動作が完了したとする。
この場合、制御部205は、該ジョブにて要する先行のシート束の図8A、8Bの中綴じ製本機によるシート処理動作を継続させつつ、該ジョブにて要する後続のシート束のシート処理動作を図8A、8Bの大容量スタッカにより実行可能にする。
この状況に該当する具体的な制御例を以下に1つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、「トータル2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束には多穴パンチ処理を要し、2セット目の印刷束には大量積載処理を要する、ジョブ」である。図8A、8Bのシステム構成の場合、パンチ処理(2穴パンチ、多穴パンチ含む)は図8A、8Bのシート処理装置200cに相当する中綴じ製本機により実行対象となるシート処理である。且つ、大量積載処理は、図8A、8Bのシート処理装置200aに相当する大容量スタッカにより実行対象となるシート処理である。このような確認判断を制御部205が行う。
制御部205は、このケースに該当する場合に、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による多穴パンチ処理の実行中に、図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理が実行対象となる該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を許可する。
又、このケースの場合に、制御部205は、図8A、8Bのシステム1000にて、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による多穴パンチ処理を継続動作させたままの状態で、該ジョブの2セット目の印刷束の為の印刷動作をプリンタ部203による実行させる。且つ、該ケースにて、該ジョブの1セット目の印刷束の多穴パンチ動作が実行中に該ジョブの2セット目の印刷束の為の印刷動作が完了したとする。
この場合、更に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による多穴パンチ処理を継続動作させたままの状態で、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目の多穴パンチ済み印刷束を、図8Bの排紙先Zに該当する積載部に保持させる。且つ、このジョブの2セット目の大量積載済み印刷束は、図8Bの排紙先Xに該当する積載部に保持させる。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール3)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
[制御4・・・図31Aのルール4に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて先行のシート束にて要するシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの糊付け製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて後続のシート束にて要するシート処理の種類が、図8A、8Bの中綴じ製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。この場合、制御部205は、システム1000にて、該特定のジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を禁止する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を禁止する。
この状況に該当する具体例を以下に1つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、「トータル2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束にはくるみ製本処理を要し、2セット目の印刷束には2穴パンチ処理を要する、ジョブ」である。図8A、8Bのシステム構成の場合、くるみ製本は図8A、8Bのシート処理装置200bに相当する糊付け製本機が実行し、2穴パンチ処理は図8A、8Bのシート処理装置200cに相当する中綴じ製本機が実行する。このような確認判断を制御部205が行う。
制御部205は、このケースに該当する場合に、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理の実行中に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。
又、このケースの場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理が完了した後に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行可能にする。そのうえで、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による2穴パンチ処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目のくるみ製本済み印刷束は、図8Bの排紙先Yに該当する積載部に保持させる。このジョブの2セット目の2穴パンチ済み印刷束は、図8Bの排紙先Zに該当する積載部に保持させる。
ちなみに、図30Bで例示のジョブYに対する制御は、このケースにおける制御に即した制御でもある。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール4)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
[制御5・・・図31Aのルール5に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて先行のシート束にて要するシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの糊付け製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて後続のシート束にて要するシート処理の種類も、図8A、8Bの糊付け製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。この場合、制御部205は、システム1000にて、該特定のジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を禁止する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を禁止する。
この状況に該当する具体例を以下に1つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、「トータル2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束にはくるみ製本処理を要し、2セット目の印刷束には天糊製本処理を要する、ジョブ」である。図8A、8Bのシステム構成の場合、くるみ製本も天糊製本処理も図8A、8Bのシート処理装置200bに相当する糊付け製本機が実行する。このような確認判断を制御部205が行う。
制御部205は、このケースに該当する場合に、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理の実行中に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。
又、このケースの場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理が完了した後に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行可能にする。そのうえで、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機による天糊製本処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目のくるみ製本済み印刷束は、図8Bの排紙先Yに該当する積載部に保持させる。このジョブの2セット目の天糊製本済み印刷束も、図8Bの排紙先Yに該当する積載部に保持させる。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール5)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
[制御6・・・図31Aのルール6に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて先行のシート束にて要するシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの糊付け製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて後続のシート束にて要するシート処理の種類は、図8A、8Bの大容量スタッカにより実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。このケースに該当する場合、制御部205は、システム1000にて、該特定のジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を許可する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を許可する。
更に換言すると、制御部205は、該特定ジョブにて要する先行のシート束の図8A、8Bの糊付け製本機によるシート処理動作は継続させつつ、図8A、8Bの大容量スタッカによるシート処理動作が実行対象となる該特定ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作をプリンタ部203により実行させる。
更に、該ケースにて、該ジョブにて要する先行のシート束のシート処理動作が実行中に該ジョブにて要する後続のシート束の印刷動作が完了したとする。この場合、制御部205は、該ジョブにて要する先行のシート束の図8A、8Bの糊付け製本機によるシート処理動作を継続させつつ、該ジョブにて要する後続のシート束のシート処理動作を図8A、8Bの大容量スタッカにより実行可能にする。
この状況に該当する具体的な制御例を以下に1つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、「トータル2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束にはくるみ製本処理を要し、2セット目の印刷束には大量積載処理を要する、ジョブ」である。図8A、8Bのシステム構成の場合、くるみ製本処理は図8A、8Bのシート処理装置200bに相当する糊付け製本機により実行対象となるシート処理である。且つ、大量積載処理は、図8A、8Bのシート処理装置200aに相当する大容量スタッカにより実行対象となるシート処理である。このような確認判断を制御部205が行う。
制御部205は、このケースに該当する場合に、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理の実行中に、図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理が実行対象となる該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を許可する。
又、このケースの場合に、制御部205は、図8A、8Bのシステム1000にて、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理を継続動作させたままの状態で、該ジョブの2セット目の印刷束の為の印刷動作をプリンタ部203による実行させる。且つ、該ケースにて、該ジョブの1セット目の印刷束のくるみ製本動作が実行中に該ジョブの2セット目の印刷束の為の印刷動作が完了したとする。
この場合、更に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機による糊付け製本処理を継続動作させたままの状態で、該ジョブの該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目のくるみ製本済み印刷束を、図8Bの排紙先Yに該当する積載部に保持させる。且つ、このジョブの2セット目の大量積載済み印刷束は、図8Bの排紙先Xに該当する積載部に保持させる。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール6)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
[制御7・・・図31Aのルール7に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの大容量スタッカにより実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束の為のシート処理の種類は、図8A、8Bの中綴じ製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。この場合、制御部205は、システム1000にて、該特定のジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を禁止する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を禁止する。
この状況に該当する具体例を以下に1つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、「トータル2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束には大量積載処理を要し、2セット目の印刷束には断裁処理を要する、ジョブ」である。図8A、8Bのシステム構成の場合、大量積載処理は図8A、8Bのシート処理装置200aに相当する大容量スタッカにより実行し、断裁処理は図8A、8Bのシート処理装置200cに相当する中綴じ製本機が実行する。このような確認判断を制御部205が行う。
制御部205は、このケースに該当する場合に、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理の実行中に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。
又、このケースの場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理が完了した後に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行可能にする。そのうえで、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの中綴じ製本機による断裁処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目の大量積載処理済み印刷束は、図8Bの排紙先Xに該当する積載部に保持させる。このジョブの2セット目の断裁処理済み印刷束は、図8Bの排紙先Zに該当する積載部に保持させる。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール7)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
[制御8・・・図31Aのルール8に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて先行のシート束にて要するシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの大容量スタッカにより実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて後続のシート束にて要するシート処理の種類は、図8A、8Bの糊付け製本機により実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。この場合、制御部205は、システム1000にて、該特定のジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を禁止する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を禁止する。
この状況に該当する具体例を以下に1つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、「トータル2セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束には大量積載処理を要し、2セット目の印刷束にはくるみ製本処理を要する、ジョブ」である。図8A、8Bのシステム構成の場合、大量積載処理は図8A、8Bのシート処理装置200aに相当する大容量スタッカにより実行し、くるみ製本処理は図8A、8Bのシート処理装置200bに相当する糊付け製本機が実行する。このような確認判断を制御部205が行う。
制御部205は、このケースに該当する場合に、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理の実行中に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。
又、このケースの場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理が完了した後に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行可能にする。そのうえで、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目の大量積載処理済み印刷束は、図8Bの排紙先Xに該当する積載部に保持させる。このジョブの2セット目のくるみ製本処理済み印刷束は、図8Bの排紙先Yに該当する積載部に保持させる。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール8)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
[制御9・・・図31Aのルール9に則った制御]
上述で定義した特定ジョブにて先行のシート束にて要するシート処理(システム1000のインラインフィニッシャによるフィニシング処理と同義)の種類が、図8A、8Bの大容量スタッカにより実行対象のシート処理に該当する(条件1)。且つ、その特定ジョブにて後続のシート束にて要するシート処理の種類も、図8A、8Bの大容量スタッカにより実行対象のシート処理に該当する(条件2)。
処理対象のジョブが上記特定ジョブであり、且つ、その特定ジョブの処理にてこれら2つの条件を満たしたとする。この場合、制御部205は、システム1000にて、該特定のジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を禁止する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束の為のシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を該システム1000で開始させる事を禁止する。
この状況に該当する具体例を以下に1つ例示する。
(ケース1) 印刷装置100が印刷実行要求を処理対象のジョブが、「トータル3セット分の印刷を要し、且つ、1セット目の印刷束及び2セット目の印刷束には大量積載処理を要し、3セット目の印刷束にはくるみ製本処理を要する、ジョブ」である。このような確認判断を制御部205が行う。
このケースに該当する場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによる大量積載処理の実行中に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。
ちなみに、上記制御の実行後、制御部205は、このジョブの為に図31Aの(ルール8)を適用する。換言すると、制御部205は、該ジョブの2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによる積載処理の実行中に、図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理が実行対象となる該ジョブの3セット目の印刷束に該当するシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行させる事を禁止する。
又、このケースの場合に、制御部205は、該ジョブの1セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによるシートの積載処理が完了した後に、該ジョブの2セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行可能にする。そのうえで、該2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによるシートの積載処理を実行させる。且つ、該ジョブの2セット目の印刷束に対する図8A、8Bの大容量スタッカによるシートの積載処理が完了した後に、該ジョブの3セット目の印刷束に該当するシートに対するプリンタ部203による印刷処理を実行させる。
そのうえで、該3セット目の印刷束に対する図8A、8Bの糊付け製本機によるくるみ製本処理を実行させる。又、制御部205は、このジョブの1セット目と2セット目の大量積載処理済み印刷束は、図8Bの排紙先Xに該当する積載部に保持させる。このジョブの3セット目のくるみ製本処理済み印刷束は、図8Bの排紙先Yに該当する積載部に保持させる。
以上の例示が如くの制御を、制御部205により、図31Aのルール情報3102Aの(ルール9)の決定事項に則った制御として、実行可能に構成されている。
以上の[制御1]〜[制御9]で例示した各種制御を、印刷システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合において、図31Aの管理情報3100Aの情報に基いて、制御部205により、実行可能に構成されている。
尚、上述の図31Aを用いて例示した[制御1]〜[制御9]にて、制御部205は、上記定義した特定ジョブに関する確認を行う。この際、制御部205は、システム構成情報3101Aを参照する。且つ、処理対象となるジョブに対してユーザがUI部を介して設定した一連の印刷処理条件データも参照する。この一連の処理条件データは、上述の如く、該ジョブの一連の印刷データと共に関連付けられてHDD209に記憶させている。制御部205は、これらの情報に基き、図31Aの(ルール1)〜(ルール9)のどのルールを適用するかを特定し、そのルールの決定事項に即した動作をシステム1000にて実行するよう制御する。これにより、上記(制御1)〜(制御9)の例示が如く、制御を実行可能に構成している。
尚、図30Bで例示の制御は、上記定義した特定ジョブにて必要な複数種類のフィニッシング動作の実行順序を制御部205が自動的に変更する事無しに、図31Aのルール情報3102Aの(ルール4)に従い、制御部205が、システム1000を動作させた場合の制御例の1例に相当する。換言すると、図30Cで例示の制御は、図31Aのルール情報3102Aの(ルール4)は適用する事無く、図31Aのルール情報3102Aの(ルール2)を適用できるように、上記定義した特定ジョブにて必要な複数種類のフィニッシング動作の実行順序を、制御部205が、自動的に変更或いは決定した場合の制御例の1例に相当する。
以上の図31Aで例示した説明が如く、本形態の上述の効果が更に向上可能となる仕組みを多数盛り込んでいる。
但し、本形態では、1例として、図31Aの(ルール1)〜(ルール9)を説明したが、これらの制御を全て実行可能にした構成ではない構成でも良い。例えば、図31Aの(ルール2)及び(ルール3)並びに(ルール6)の少なくとも何れか1つのルールに相当する制御が実行可能な構成でも良い。何故なら、当該制御の1つでも実行可能に構成する事自体が上述の効果を更に向上させる効果が図れる仕組みの1例に包含されるからである。このように本形態の構成は様々なユースケースやユーザニーズに柔軟に対応可能に構成されている。
尚、上述の図31Aで例示した制御は、システム1000が図8A、8Bのシステム構成である事を条件に実行する制御とも定義できる。換言すると、システム1000の構成が図8A、8Bとは異なる構成であるならば、制御部205は、図31Aの(ルール1)〜(ル−ル9)とは異なるルールを適用する。且つ、そのルールに従った動作をシステム1000にて実行可能に制御する。この1例として、図31Bと、図31Cを用いて、2つ説明する。
[図31Bの説明]
図31Bの管理情報3100Bは、図9A、9Bのシステム構成の場合に制御部205により利用する情報群である。この図31Bの管理情報3100Bのシステム構成情報3101Bに基いて作成されたルール情報3102Bで規定したルールと該ルールに従った制御は、上記図31Aで例示の説明を参照すれば明白なので、この詳細の説明は割愛する。少なくとも以下に例示の制御を、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である事を条件に、制御部205が、HDD209に保持した管理情報3100Bの情報に基いて、実行できれば良い。
例えば、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブ(複数部数分の印刷を要し、且つ、ユーザが指定した特定印刷部数毎に、ユーザが指定した特定種類のフィニシングを要する、ジョブに相当)に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。
且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類も「図9A、9Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール1)で定義するケースに相当する。
或いは、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの糊付け製本機によるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール4)で定義するケースに相当する。
或いは、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの糊付け製本機によるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理も「図9A、9Bの糊付け製本機によるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール5)で定義するケースに相当する。
或いは、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの糊付け製本機によるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール6)で定義するケースに該当する。
或いは、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール7)で定義するケースに該当する。
或いは、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類も「図9A、9Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール9)で定義するケースに該当する。
以上の図31Bのルール1、4、5、6、7、9の何れかのケースに該当するとする。この場合、制御部205は、処理対象の上記特定ジョブにて要する先行のシート束に対するシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を禁止する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの為の一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束に対するインラインフィニッシャによるシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作をプリンタ部203により開始させる事を禁止する。
一方、上記ルールの何れにも該当しないケースとして、例えば、以下の状況であるとする。
例えば、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの糊付け製本機によるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール2)で定義するケースに相当する。
或いは、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール3)で定義するケースに相当する。
或いは、図9A、9Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図9A、9Bの糊付け製本機によるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Bの(ルール8)で定義するケースに相当する。
以上の図31Bのルール2、3、8の何れかのケースに該当するとする。この場合、制御部205は、上記特定ジョブにて要する先行のシート束に対するシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を許可する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの為の一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束に対するインラインフィニッシャによるシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作をプリンタ部203により開始させる事を許可する。更に、該ケースにて、該特定ジョブにて要する先行のシート束に対するシート処理動作が実行中に該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作が完了したとする。
この場合、制御部205は、該特定ジョブにて要する先行のシート束に対するシート処理動作を継続させた状態のままで、該特定ジョブにて要する後続のシート束に対するシート処理動作を実行できるように、システム1000を、制御する。例えば、システム1000の互いに異なる種類のシート処理が実行対象の複数台のインラインフィニッシャを、制御する。
以上に例示が如くの制御を、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合において実行可能に構成している。但し、本形態では、1例として、図31Bの(ルール1)〜(ルール9)を説明したが、これらの制御を全て実行可能にした構成ではない構成でも良い。例えば、図31Bの(ルール2)及び(ルール3)並びに(ルール8)の少なくとも何れか1つのルールに相当する制御のみが実行可能な構成でも良い。
[図31Cの説明]
図31Cの管理情報3100Cは、図10A、10Bのシステム構成の場合に制御部205により利用する情報群である。この図31Cの管理情報3100Cのシステム構成情報3101Cに基いて作成されたルール情報3102Cで規定したルールと該ルールに従った制御は、上記図31Aで例示の説明を参照すれば明白なので、この詳細の説明は割愛する。少なくとも以下に例示の制御を、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である事を条件に、制御部205が、HDD209に保持した管理情報3100Cの情報に基いて、実行できれば良い。
例えば、図10A、10Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブ(複数部数分の印刷を要し、且つ、ユーザが指定した特定印刷部数毎に、ユーザが指定した特定種類のフィニシングを要する、ジョブに相当)に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図10A、10Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類も「図10A、10Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Cの(ルール1)で定義するケースに相当する。
或いは、図10A、10Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図10A、10Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図10A、10Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Cの(ルール3)で定義するケースに該当する。
或いは、図10A、10Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図10A、10Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類も「図10A、10Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Cの(ルール4)で定義するケースに該当する。
以上の図31Cのルール1、3、4の何れかのケースに該当するとする。この場合、制御部205は、上記特定ジョブにて要する先行のシート束に対するシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を禁止する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの為の一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束に対するインラインフィニッシャによるシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作をプリンタ部203により開始させる事を禁止する。
一方、上記ルールの何れにも該当しないケースとして、例えば、以下の状況であるとする。
例えば、図10A、10Bのシステム構成からなる印刷システム1000にて受付たジョブは、上述が如くの特定ジョブに該当する。且つ、その特定ジョブにて要する先行のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図10A、10Bの中綴じ製本機によるシート処理」に該当する。且つ、その特定ジョブにて要する後続のシート束に対して実行対象となるシート処理の種類は「図10A、10Bの大容量スタッカによるシート処理」に該当する。このような3つの確認を制御部205が実行したとする。このケースが、図31Cの(ルール2)で定義するケースに相当する。
上記図31Cのルール2のケースに該当するとする。この場合、制御部205は、上記特定ジョブにて要する先行のシート束に対するシート処理動作に並行し、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作を実行させる事を許可する。換言すると、システム1000における該特定ジョブの為の一連の動作において、該ジョブにて要する先行のシート束に対するインラインフィニッシャによるシート処理動作の実行中に、該ジョブにて要する後続のシート束の為の印刷動作をプリンタ部203により開始させる事を許可する。更に、該ケースにて、該特定ジョブにて要する先行のシート束に対するシート処理動作が実行中に該ジョブにて要する後続のシート束の印刷動作が完了したとする。
この場合、制御部205は、該特定ジョブにて要する先行のシート束に対するシート処理動作を継続させた状態のままで、該特定ジョブにて要する後続のシート束に対するシート処理動作を実行できるように、システム1000を、制御する。例えば、図10A、10Bの中綴じ製本機と図10A、10Bの大容量スタッカとで、上記特定ジョブの為に、互いに異なる種類のフィニシングを同時並行動作させるように、制御する。
以上に例示が如くの制御を、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合において実行可能に構成している。但し、本形態では、1例として、図31Cの(ルール1)〜(ルール4)を説明したが、これらの制御を全て実行可能にした構成ではない構成でも良い。例えば、図31Cの(ルール2)に相当する制御のみが実行可能な構成でも良い。
以上の図31A〜図31Cで例示した制御例が如く、印刷システム1000のシステム構成状況が変化する毎に、複数部数分の印刷を要し且つ指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブの為の制御を切換可能に構成する。
尚、図31A〜図31C等で定義した上記特定ジョブに対する制御を、「先行のシート束」と「後続のシート束」なる定義でもって説明した。これに関する留意点として付言しておく。この制御は、上述で定義した特定ジョブが、「トータルで2部数分の印刷を要するジョブ」に対してのみ実行する事を意味するものではない。例えば、上述で定義した特定ジョブが、トータルで3部数分の印刷を要するジョブであるとする。このジョブの動作では、1セット目の印刷束の為の印刷動作と、2セット目の印刷束の為の印刷動作と、3セット目の印刷束の為の印刷動作を要する。
ここで、該ジョブの1セット目の印刷束と2セット目の印刷束との関係で着目する。例えば、該ジョブの1セット目の印刷束と2セット目の印刷束に係わる動作が、システム1000にて実行中又は実行直前の状態であるとする。この状況の場合、該1セット目の印刷束は、2セット目の印刷束に先行して処理対象となるシート束であるが故に、「先行のシート束」に該当する。一方、2セット目の印刷束は、1セット目の印刷束に直後に処理対象となるシート束であるが故に、「後続のシート束」に該当する。このような前後関係となる。次に、該ジョブの2セット目の印刷束と3セット目の印刷束との関係で着目する。例えば、該ジョブの1セット目の印刷束の処理が実行されたうえで、該ジョブの2セット目の印刷束と3セット目の印刷束に関する動作が、システム1000にて、実行中又は実行直前の状態であるとする。
この状況の場合、該ジョブの2セット目の印刷束は、3セット目の印刷束に先行して処理対象となるシート束であるが故に、「先行のシート束」に該当する。一方、該ジョブの3セット目の印刷束は、2セット目の印刷束に直後に処理対象となるシート束であるが故に、「後続のシート束」に該当する。このような前後関係となる。このように、特定ジョブにて「先行のシート束」と「後続のシート束」として取り扱っている対象物は、時間と共に(該ジョブの処理が進むと共に)、ずれていく。換言すると、1束分の印刷束の処理が済む毎に、図31A〜図31Cで例示の制御が、逐次、実行されるような構成となっている。
このように、上述の制御は、トータルの印刷部数が3部以上の複数部数分の印刷と要し、且つ、該複数部数分の印刷のうちの特定部数分の印刷毎に異なる複数種類のフィニシングの実行を要する、ジョブに対しても、実行する制御である。即ち、図19〜図29の例示の制御にて処理対象となるジョブ等も当然、当該制御対象のジョブである。
以上の図31A〜図31Cで例示の制御も実行可能に構成することで、例えば、複数部数分の印刷を要し且つ指定部数毎に異なる種類のフィニシングを要するジョブをシステム1000で処理させる際の、図19〜図30C等で例示の生産性に関する効果が、更に向上可能となるという効果が図れる。但し、これらもあくまでも例示的なものとして扱っても良い。換言すると、図31A〜図31Cで例示の制御は実行不可でも、図30B等で例示の制御に該当する構成のみを具備する構成ならば、如何なる構成でも本発明に包含される。
又、図19〜図31Cで例示の各種制御のうちの少なくも何れかの制御を実行可能な構成要件に該当する構成を具備する事を前提とし、以下のような構成要件を具備するように構成しても良い。換言すると、以下に例示の制御は、図19〜図31Cで例示のどの制御に対しても更なる構成要件として具備可能な構成の1例に該当する。
例えば、複数部数分の印刷を要し且つ指定部数毎に互いに異なる種類の複数種類のフィニシング動作を要する上記例示が如くの特定ジョブに該当する、ジョブの、実行要求を、制御部205が、本形態が提供するUI部を介してユーザから受付けたとする。この実行要求に応答し、制御部205が、システム1000のシステム構成情報やシステム1000の動作状況や状態等を確認する。その結果、制御部205が、印刷システム1000では、互いに異なる種類の複数種類のフィニシング動作が実行不可であると判断したとする。尚、このケースに該当するものとしては、例えば、以下の例示のうちの、少なくとも何れかが、これに該当する。但し、これらは例示的な説明とし、これに限定されるものでもない。
(1) システムの構成が、1種類のフィニッシングのみ実行可能な場合。
(2) 複数種類のフィニシングが実行可能なシステム構成であるが、該構成は、上記ユーザが要求する複数種類のフィニシングが実行可能なシステム構成ではない場合。
(3) 上記ユーザが要求する複数種類のフィニシングが実行可能なシステム構成ではあるが、そのフィニシングを実行するインラインフィニッシャが故障している場合。
(4) 上記ユーザが要求する複数種類のフィニシングが実行可能なシステム構成ではあるが、上記ユーザが要求する種類のフィニシングに要する消耗部材(ステイプルや中綴じ製本用のステイプル針、くるみ製本や天糊製本用の糊等)が、インラインフィニッシャに無い場合(残量0の場合)。
(5) 上記ユーザが要求する複数種類のフィニシングが実行可能なシステム構成ではあるが、システム1000にて大量の印刷ジョブが印刷待ち状態となっており、上記ユーザが要求する特定ジョブの処理を直ぐには実行出来ない場合。
上記例示が如くのケースに該当する要因により上記判断を下した制御部205は、上記特定ジョブにて要求されたフィニシング動作をシステム1000で実行する事を禁止する。しかも、制御部205は、該特定ジョブにて要するフィニシング動作の実行自体を禁止するのみならず、その特定ジョブにて要する印刷動作を印刷装置100により実行させる事自体をも禁止するよう、システム1000を、制御する。
この際、例えば、該特定ジョブの一連の印刷データの全ページの印刷データをHDD209に保持済みであっても、制御部205は、該ジョブの印刷データを1ページも印刷させないように、プリンタ部203を、制御する。又例えば、該特定ジョブの印刷データが不要ならば、上記判断を下した際に、該特定ジョブの一連の印刷データをHDD209から自動的に消去させるよう、制御部205により、HDD209を制御する。これらの制御例が如く、上記判断結果に相当するような状況である場合に、制御部205は、上記特定ジョブにて要するフィニシング動作の実行自体をキャンセルするのみならず、該ジョブにて実行対象の印刷動作の実行自体も全てキャンセルするように、制御する。このような構成を本形態の印刷システム1000の為の構成要件として具備しても良い。
上記例示が如くの構成を本形態にて具備することで、例えばPOD環境等の印刷環境で更に本形態の効果が発揮可能となる。というのも、例えば、本形態の印刷システム1000の納品先が、POD業者であるとする。この場合、その業者の作業者が印刷システム1000に要求するジョブは、顧客からの印刷発注要求に応じたジョブである可能性が高い。このような状況で、例えば、指定部数毎に互いに異なる種類の複数種類のフィニシング動作が実行不可能であるにも拘らず、印刷自体は実行を許可してしまったら、何の意味も持たない。換言すると、例えば、顧客自体が望んでいるものとは異なる印刷物(最終成果物)が作成される可能性がある。このような顧客が満足するアウトプットが得られない状況となりうる。
もし、このような状況が発生してしまったら、システムに不必要な負担を与えるのみならず、印刷資源の無駄遣い等、様々な問題が発生しうる。且つ、無駄な処理を実行した分、その他のジョブの処理が遅延され、これに起因して、他の顧客に納品すべきジョブの納期も遅延する可能性がある等の問題も懸念される。このような問題自体が発生する事を自体をも極力抑えるべく、上記構成を採用しても良い。
但し、上述の制御も、ユーザメリットを考慮したうえでの仕組みなので、必ずしも具備していなくても良い。但し、好ましくは、本明細の実施例及び図面に開示の本実施形態の印刷システム1000の各種特徴有る構成により得られる以下に例示の各種効果(1)〜(9)が得られるようにすることが望ましい。
(1)背景技術で想定したような課題やユースケースやユーザニーズにも対処できる。(2)又、例えば、オフィス環境に留まらずPOD環境にも適応可能な使い勝手の良い便利な印刷環境が構築可能となる。(3)又、例えば、印刷装置の仕様に起因するPOD環境にて発生しうるオペレータの介入作業を、極力、減らす仕組みが提供可能となる。そして、作業者の作業負荷を低減し、効率的な作業の実現が可能となる。(4)そして、このように様々な状況や利用環境を想定し、様々なユーザからの様々なニーズにも、極力、柔軟に対応可能な仕組みが提供可能となる。(5)そして、従来で想定したようなPOD環境で想定されるユースケースやニーズに対処可能な便利で且つ柔軟な印刷環境を構築するにあたり、例えば、印刷データ自体は同一コンテンツではあるものフィニッシングが異なる処理を実行してほしい等の要求がなされても、同じような作業を繰り返し何度も行う事無く、当該要求に応じる事が可能となる。(6)又、例えば、POD環境等の如何に複数のジョブを処理するかが重要視される事が予想される印刷環境下でも、効率よく、高い生産性で、多種多様なユーザニーズに対処可能となる。(7)このように、印刷システムにて処理すべき複数のジョブの生産性に影響を及ぼすような要因を極力減らし、高い生産性を維持させる仕組みが提供可能となる。例えば、オフィス環境とはユースケースもニーズも全く異なるPOD環境等にも適した、印刷対象のデータの内容自体は同じだが特定部数単位で様々な種類のフィニッシングを行いたい等の多種多様なニーズに対しても、高い生産性を維持して対処可能な、デジタルプリンティングシステムが提供可能となる。
(8)特に、例えば、オフィス環境等とはユースケースもユーザニーズも全く異なる、1つのジョブの生産性のみならず、複数のジョブの全体の生産性向上や品質やコストパフォーマンス等といった観点がより重要視されうるPOD環境等の印刷環境にて今後要求されうる、以下のユーザニーズ(1)と(2)の少なくとも何れかを含む多種多様なニーズに対しても、可能な限り高い生産性でもって対処可能にしたデジタルプリンティングシステムの製品実用化に貢献出来る。
例えば、ユーザニーズ(1)としては、「印刷対象のデータの内容自体は同じだが指定部数単位で様々な種類のフィニッシングを行いたい」といった要望に対して、可能な限り高生産性で且つ高操作性でもって、対処可能にして欲しいといったユーザニーズである。
又、例えばユーザニーズ(2)としては、「互いに利用する印刷データは同じではあるものの、第1の特定部数分の印刷処理にて要する印刷物に対しては実行を希望する特定の処理を、第2の特定部数分の印刷処理にて要する印刷物に対しては、行いたくない」といった要望に対して、可能な限り高生産性で且つ高操作性でもって、対処可能にして欲しいといったユーザニーズである。尚、本実施形態に記載の印刷物とは、例えば、システム1000のインラインフィニッシャにより後処理が実行対象となる印刷物(即ち、プリンタ部203により印刷処理済みの印刷媒体)を意味する。又、例えば、プリンタ部203により印刷処理が実行対象となる印刷物(即ち、プリンタ部203により印刷処理が実行される前の印刷媒体)も、後述の制御例を参照しても分るように、本実施形態では、印刷物と呼んでいる。このように、本願発明は、例えば、印刷物なる記載でもって、限定解釈されるものではない。
このような、POD環境等の印刷環境にて今後要求されうる上記ユーザニーズ(1)や(2)といったユーザニーズに対して、本形態の印刷システム1000や印刷装置100といった1台の印刷システム又は1台の印刷装置でもって、可能な限り、高生産性で且つ高操作性で、柔軟に対処可能となる。
(9)このようにオフィス環境のみならずPOD環境等にも適用できる製品実用化に向けての様々な仕組みが提供可能となる。
このように、本実施形態に開示の印刷システム1000により享受可能な上記効果(1)〜(9)の各種効果が得られるような構成のものは全て本発明に包含されるものではある。しかし、これら全ての効果を満足するもの以外の構成のものでも、当然、本発明に包含される。例えば、上記効果(6)〜(8)の少なくとも何れか1つの効果に相当する効果のみしか得られないような構成のものでも、本発明に包含されるものの1つの代表例である。
このように、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、本実施形態に開示の効果が享受可能な構成ならば、本発明の趣旨と範囲に包含可能であり、例えば、以下に例示の構成に該当する構成も本発明の実施形態の1つに包含される。
例えば、上述の如く、本形態に開示の印刷システム1000は、複数のジョブのデータを記憶可能なHD209のデータの印刷処理を実行可能なプリンタ部203を具備する印刷装置100から、該プリンタ部203で印刷処理がなされたジョブの印刷物に対する後処理を実行可能な本形態に開示のインラインフィニッシャへ、該プリンタ部203による印刷処理がなされたジョブの印刷物を供給可能に構成された印刷システムである。
且つ、このシステム1000を制御する制御部205に代表される本形態に開示の制御部は、図21に示す画面2100の表示や図27に示す表示欄2701の表示等に代表される本形態に開示の特定の表示を、本形態に開示のUI部により実行させる。
且つ、この制御部205に代表される本形態に開示の制御部は、この特定の表示を介して、本システム1000により本形態に開示の特定動作を実行させるユーザ要求をユーザから受付可能に制御する。
この本形態に開示の特定動作とは、図1〜図31Cやそれらの説明等の本実施形態にて既述済みの開示内容からも明白な如く、例えば、第1の特定部数分の印刷処理をプリンタ部203により実行させる第1特定動作を要し、且つ、この第1の特定部数分の印刷処理にて印刷対象のデータと同じ内容のデータを用いた第2特定部数分の印刷処理を該プリンタ部203により実行させる第2特定動作を要する、特定動作である。
又、この本形態に開示の第1の特定部数とは、例えば、この本形態に開示の特定の表示を介して当該本形態に開示の制御部がユーザから受付る、第1の特定種類の後処理の実行回数に相当する、第1ユーザ指示に基づいた、印刷部数である。本形態では、この本形態に開示の特定の表示を介して、この第1ユーザ指示とは区別して第2ユーザ指示を入力可能に構成している。この本形態に開示の第2の特定部数は、この特定の表示を介して、当該本形態に開示の制御部がユーザから受付る、第2の特定種類の後処理の実行回数に相当する、この第2ユーザ指示に基づいた、印刷部数である。
以上の構成を前提に、図1〜図31Cやそれらの説明等の本実施形態にて既述済みの開示内容からも明白な如く、この本形態に開示の制御部は、この特定の表示を介して当該特定動作を処理対象のジョブのためにシステム1000により実行させるユーザ要求を受付けたことに応答し、この特定動作を該処理対象のジョブのために本システム1000により実行可能に制御する。
且つ、この本形態に開示の制御部は、この特定の動作を処理対象のジョブのためにシステム1000にて実行させる場合に、当該第1特定動作を要し且つ当該第2特定動作を要する当該特定動作にて要する該第1特定動作にて、上記第1の特定種類の処理を実行させるようシステム1000を制御する。且つ、この本形態に開示の制御部は、この特定の動作を処理対象のジョブのためにシステム1000にて実行させる場合に、この第1特定動作にて実行させるユーザ要求に基いた第1の特定種類の処理とは異なる種類の処理に相当する第2の特定種類の処理を、この特定動作にて該第1特定動作と共に実行を要する当該第2特定動作にて実行するように本システム1000を制御する。
この制御の代表例の1例として、上述済みのとおり、制御部205が、トータルで複数部数分の印刷処理を要するジョブを指定部数毎に異なるフィニッシングを要するジョブとしてシステム1000により処理可能に制御する構成を開示した。且つ、上述済みのとおり、図21の表示を介してユーザから受付けた図22Aに示す設定内容に基づいて、トータルで10部数分の印刷処理を要するジョブのうちの9部数部数分の印刷処理にてプリンタ部203による印刷処理がなされた9セット分の印刷物に対して各セット毎にくるみ製本処理を実行するよう本システム1000のインラインフィニッシャを制御部205が制御する構成を開示した。且つ、このトータルで10部数分の印刷処理を要するジョブの残り1部数分の印刷処理にてプリンタ部203による印刷処理がなされた1セット分の印刷物に対してはくるみ製本処理ではなくパンチ処理を実行するように本システム1000のインラインフィニッシャを制御部205が制御する構成を開示した。
この構成は、例えば、トータルで10セット分の印刷物のうちの9セット分の印刷物に対してはくるみ製本処理を施し、1セット分の印刷物に対してはパンチ処理を施したいといった要望に対して、可能な限り高い生産性で且つ高い操作性で本形態の印刷システム1000の1台で対処可能にして欲しいといったユーザニーズに対処可能にした効果を図る仕組みである。これは換言すると、トータルで10セット分の印刷物のうちの9セット分の印刷物に対してはくるみ製本処理を施し、1セット分の印刷物に対しては少なくともくすみ製本処理は施したくないといった要望に対して、可能な限り高い生産性で且つ高い操作性で本形態の印刷システム1000の1台で対処可能にして欲しいといったユーザニーズに対処可能にした効果を図る仕組みでもある。
このように、当該第1特定動作を要し且つ当該第2特定動作を要する当該特定動作がシステム1000により実行させる場合に、本形態に開示の制御部は、当該第1特定動作にてシステム1000に実行させる本形態のUI部を介して受付けたユーザ要求に基いた第1の特定種類の処理とは異なる種類の処理に相当する第2の特定種類の処理を、該第2特定動作にて実行可能にシステム1000を制御する。この制御は、当該特定動作をシステム1000に実行させる場合に、該第1特定動作にてシステム1000にて実行させる特定のユーザ要求に基いた特定の処理と同じ処理を、該システム1000による当該第2特定動作にて実行することは、禁止するように、本形態に開示の制御部がシステム1000を制御する構成の1例に包含される構成に該当する。この構成の具体例を、上述の代表例でもって以下に詳述する。
例えば、先に既述の制御例では、図22Aの設定内容に基づいた処理を要する合計10部数分の印刷処理を要するジョブの、9部数部数分の印刷処理にてプリンタ部203による印刷処理がなされた9セット分の印刷物に対しては各セット毎にユーザ要求に基いた後処理に相当するくるみ製本処理をインラインフィニッシャにより実行させるように、制御部205がシステム1000を制御する構成を開示した。且つ、この合計10部数分の印刷処理を要するジョブの残り1部数分の印刷処理にてプリンタ部203による印刷処理がなされた1セット分の印刷物に対しては、この9セット分の印刷物の各セット毎に実行対象のくるみ製本処理を実行することは禁止するように、制御部205がシステム1000を制御する構成を開示した。そして、この1セット分の印刷物に対してくるみ製本処理の実行は禁止した制御部205が、この1セット分の印刷物に対して該くるみ製本処理とは異なる種類の更なるユーザ要求に基いた後処理に該当するパンチ処理をインラインフィニッシャに実行させるようシステム1000を制御する構成を開示した。
以上のように、上記特定動作をシステム1000に実行させる場合に、ユーザ要求に基いた上記第1の特定種類の処理と同じ種類の処理を該システム1000による上記第2特定動作にて実行することは禁止するように本形態に開示の制御部はシステム1000を制御する構成を本形態で開示している。図1〜図31Cやそれらの説明等の本実施形態にて既述済みの開示内容からも理解される、この、本形態にて開示の当該構成は、当然、以下の代表例に開示の構成をも包含していることを意味する。
例えば、図1のPOD環境10000に設置されている本システム1000のシステム構成が図8A、図8Bに示すシステム構成である場合にて、複数部数分の印刷処理を要するジョブとして、合計で15部数分の印刷処理を要するジョブ(以下、ジョブXXと呼ぶ)の処理を印刷装置100により受付けるとする。且つ、このケースにて、このジョブXXは、合計15部数分の印刷処理のうち、上記第1の特定部数に該当する5部数分の印刷処理にて作成対象となる5セット分の印刷物に対しては、各セット毎に、第1のユーザ要求に基いた後処理に相当する、くるみ製本処理の実行を要し、上記第2の特定部数に該当する10部数分の印刷処理にて作成対象となる10セット分の印刷物に対しては、各セット毎に、上記第1のユーザ要求とは異なる第2のユーザ要求に基いた後処理に相当する、パンチ処理の実行を要する、ジョブであるとする。このジョブXXの処理をPOD環境1000にて行うケースを想定する。
ここで、システム1000のオペレータが当該ジョブXXの処理の実行要求を本形態のUI部を介して入力しようと操作しようとした際に、図8Bに示す中綴じ製本機のパンチャ部(図13の内部構成参照)の故障等が原因で、システム1000のインラインフィニッシャによるパンチ処理が実行不可のケースが発生したとする。本形態では、このようなケースの場合でも、以下のように該ジョブXXのためにシステム1000を用いて対処することで、本形態に開示の効果を極力享受可能に構成している。
まず、例えば、当該例における該ジョブXXの合計の印刷部数に相当する「15」部を、図19の表示の入力欄610を介して、制御部205が受付ける。そのうえで、図20に示すキー2007のオペレータ押下に応答し、制御部205は、図21の表示を操作部204により実行させる。次いで、制御部205は、この図21の表示のキー2104Aと2104Bを用いたオペレータ指示により、該ジョブXXのうちの上記第1の特定部数に該当する5部数分の印刷処理にて作成対象となる5セット分の印刷物に対しては、各セット毎に、キー2104Aからのユーザ要求に基いた後処理に相当する、くるみ製本処理をインラインフィニッシャに該当する図8Bのシステム1000の糊付け製本機により実行させる要求を受付ける。但し、この説明例は、システム1000におけるインラインフィニッシャによるパンチ処理は実行不可の状況に該当する。故に、制御部205は、図21の表示のキー2105A〜2106Bの各表示構成要素は全て無効表示状態とし、これらのキーからのオペレータ要求の受付は禁止する。しかし、この状況でも、もし、本システム1000が設置されているPOD環境10000にて、例えば、図1に示す後処理装置107、108、109、110といった、本形態にて定義しているインラインフィニッシャには該当しない、非インラインタイプの後処理装置により、パンチ処理が実行可能であるとする。
この場合、制御部205は、上述のとおり、合計15部数分の印刷を要する当該ジョブXXで必要な動作の1つとして上記5セット分の印刷物のためのくるみ製本処理の実行を図21の表示のキー2104A、2104Bを介してユーザ入力可能にするのみならず、該図21の表示を介して次の指示も入力可能に制御する。例えば、このケースの場合に、制御部205は、この図21の表示のキー2101Aと2101B等を用いたオペレータ指示により、該ジョブXXの上記第2の特定部数に該当する10部数分の印刷処理にて作成対象となる10セット分の印刷物に対しては、各セット毎に糊やステイプル針といった後処理消耗部材を用いた後処理を実行すること無しに、そのまま、インラインフィニッシャにより排紙(或いはソート処理といった印刷物の仕分け処理のみ)させる要求を受付可能にする。そして、これらシステム1000にて実行すべき全ての指示がオペレータ入力されたうえで、制御部205は、この、本形態のUI部を介して受付たオペレータ指示に従い、このジョブXXを以下のように処理するようにシステム1000を制御する。
まず、このジョブXXにおける特定動作にて要する第1特定動作に包含される動作として、制御部205は、該ジョブXXの5セット分の印刷処理をプリンタ部203により実行させる。且つ、このジョブXXの印刷処理がなされた5セット分の印刷物に対して、各セット毎に、システム1000にて実行可能な後処理に該当するくるみ製本処理を、図8Bの糊付け製本機(2番目のインラインフィニッシャ)により実行させるよう制御部205はシステム1000を制御する。更に、制御部205は、このジョブXXにおける第2特定動作に包含される動作として、制御部205は、先程の第1特定動作における印刷処理にて利用対象のデータと同じ内容のデータに相当する該ジョブXXの印刷データをHD209から読み出して、10セット分、プリンタ部203により印刷させる。但し、このジョブXXの印刷処理がなされた10セット分の印刷物に対しては、先程の第1特定動作にて要する印刷物に対する後処理と同じ種類の後処理に該当するくるみ製本処理を図8Bの糊付け製本機(2番目のインラインフィニッシャ)により実行させることは禁止するよう制御部205はシステム1000を制御する。且つ、このジョブXXの印刷処理がなされた10セット分の印刷物は、ステイプル針や糊といった後処理消耗材を用いた後処理をインラインフィニッシャにより実行させること無しに、そのまま、インラインフィニッシャの特定の排出先(例えば、図8Bの中綴じ製本機の排紙先Zの1例に相当する図13に示すスタックトレイ、又は、図8Bの大容量スタッカの排紙先Zに相当する図11に示すスタックトレイ)に排出させるよう制御部205がシステム1000を制御する。尚、このように、ステイプル針や糊といった後処理消耗材を用いた後処理をインラインフィニッシャにより実行させない場合、キー2101A等からのユーザ指示に基づき、制御部205は、少なくとも、該ジョブXXのために、これら10セット分の印刷物を各部セット毎にずらしてトレイにスタックさせるシフト排紙等のソート処理は実行可能にシステム1000を制御する。
その後、この、本形態のインラインフィニッシャによる後処理消耗部材を用いた後処理は未実行の状態でシステム1000の排紙先にスタックされている、当該第2特定動作にて印刷処理済みの10セット分のジョブXXの印刷物をオペレータが取出す。そして、この印刷システム1000が設置されている図1のPOD環境10000と同じ作業現場に設置されている、該ジョブXXにて本来希望するパンチ処理が実行可能な非インラインタイプの後処理装置に対して、このジョブXXの印刷物をオペレータがセットする。そして、この10セット分のジョブXXの印刷物に対して、各セット毎に、この非インラインタイプの後処理装置によるパンチ処理を該装置により実行させる。
以上で、このジョブXXにて本来希望する最終成果物に相当する、本ケースでは、本システム1000にて実行可能な後処理に相当するインラインタイプの後処理装置によるくるみ製本処理が実行済みの5セット分の印刷物と、本システム1000にて実行不可の後処理に相当する非インラインタイプの後処理装置によるパンチ処理が実行済みの10セット分の印刷物との、合計15セット分の印刷物の全ての作成作業が該作業現場にて完了する。
尚、該ジョブの印刷依頼主に該当する顧客に承諾を得た結果、この10セット分のジョブXXの印刷物に対して非インラインタイプの後処理装置による後処理も実行せずに、そのまま、上記5セット分のジョブXXの印刷物と共に納品しても良いとする。このケースの場合には、例えば、上記第2特定動作におけるプリンタ部203による5セット分のジョブXの印刷処理が完了した時点で、本作業現場における該ジョブXXの処理を全て完了させたとみなしても良い。
このジョブXXの制御例からもより理解できるように、本形態に開示の構成によれば、例えば、複数部数分の印刷処理を要するジョブが本システム1000にて実行対象外の後処理の実行を要するジョブであるといったケースが発生したとしても、可能な限りシステム1000にて対処可能となるという効果が図れる。しかも、例えば、「複数部数分の印刷処理を要するジョブの一部分の印刷物に対しては希望する特定種類の後処理を実行させたいが、残りの印刷物に対しては、その希望する特定種類の後処理を含む如何なる後処理自体も実行せたくない」といった要望が、ユーザからなされたケースが発生したとしても、可能な限りシステム1000にて対処可能となる。このようなユースケースやユーザニーズが発生した場合であっても、本形態の構成により、可能な限り本形態の1台の印刷システム1000にて処理させることができ、且つ、本形態に記載の各種効果を可能な限り適用享受可能となるといった効果が図れる。即ち、本形態に記載の各種効果が更に向上可能となるという更なる効果が本形態の1台のシステム1000を介して提供可能となる。
又、上記した各種の制御例のように、制御部205は、第1特定動作と第2特定動作の両動作の実行を要するジョブの特定動作をシステム1000にて実行させる場合に、この第1特定動作における第1の特定部数分の印刷処理においてプリンタ部203により利用対象となる印刷データと同じ内容のデータを用いて、この第2特定動作における第2の特定部数分の印刷処理をプリンタ部203により印刷物(印刷媒体と同義)に対して実行させる。尚且つ、この、第1特定動作と第2特定動作の両動作の実行を要するジョブの特定動作をシステム1000にて実行させる場合に、制御部205は、この第1特定動作にてプリンタ部203により印刷処理が行われた印刷物に対して実行されるユーザ要求に基づいた第1の特定種類の後処理を本システム1000のインラインタイプの後処理装置により実行させることは、許可する。しかし、この、第1特定動作と第2特定動作の両動作の実行を要するジョブの特定動作をシステム1000にて実行させる場合に、制御部205は、この第1特定動作にて印刷処理済の印刷物に対して実行させる上記ユーザ要求に基いた第1の特定種類の後処理と同じ種類の後処理を、この第2特定動作にてプリンタ部203により印刷処理済の印刷物に対して本システム1000のインラインタイプの後処理装置により実行させることは、禁止する。本形態のシステム1000は、このような特定動作における各種処理の実行の許可や禁止を本システム1000にて実行可能に構成されている。
このように、制御部205で代表される本形態に開示の制御部は、上記代表例の如く、本形態に開示の特定動作がシステム1000により行われる場合に、システム1000による当該特定動作にて要する上記第1特定動作にて実行される第1の特定のユーザ要求に基づいた第1の処理と同じ種類の処理を該システム1000による当該特定動作にて要する上記第2の特定動作にて実行することを、禁止する。且つ、本形態に開示の制御部は、この、本形態に開示の特定動作がシステム1000により行われる場合に、この第1の処理と異なる種類の処理に相当する第2の処理を、上記第1の特定のユーザ要求とは異なる種類の第2の特定のユーザ要求に基づいて当該第2特定動作にて実行可能にシステム1000を制御する。この本形態に開示の印刷システム1000の構成要件として、本形態にて既述済みの各種構成要件に加えて、本形態に記載の効果を更に向上させるべく、更に以下のような構成要件も具備するように構成しても良い。
尚、本形態では上述したように、複数部数分の印刷処理を要するジョブの為に上記例示が如くの特定動作をシステム1000により実行させる場合に、制御部205が、該特定動作にて要する上記第1特定動作にて実行されるユーザ要求に基いた特定の処理と同じ処理を本システム1000による前記第2の特定動作にて実行することを禁止する構成を、開示している。且つ、本形態では、この特定動作をシステム1000により実行させる場合に、制御部205が、この特定の処理に相当する第1の処理と同じ種類の処理を、本システム1000による当該特定動作にて要する当該第2の特定動作にて実行させることを禁止する。且つ、本形態では、この特定動作をシステム1000により実行させる場合に、制御部205が、この第1の処理とは異なる種類の処理に相当する第2の処理を本システム1000による当該特定動作にて要する当該第2の特定動作にて実行させる構成を、開示している。以下に例示する本形態に開示の構成は、この構成の下位概念の構成として包含される構成の代表例でもある。
例えば、操作部204やPC103の操作部といった本形態に開示のUI部を介して印刷装置100による印刷実行要求がユーザにより実行されたジョブが、本形態の既述の代表例の如く、プリンタ部203による複数部数分の印刷処理を要するジョブの1例に該当する合計で5部数分の印刷処理を要するジョブ(以下、このジョブを、ジョブYYと呼ぶ)であるとする。且つ、このジョブYYに対して実行すべき処理としてユーザが希望する処理として、例えば、合計5部数分の印刷物のうちの、2セット分の印刷物に対しては、第1特定種類の印刷形式の印刷処理を本システム1000の印刷装置100により実行させる。且つ、残り3セット分の印刷物に対しては、この第1特定種類の印刷形式とは異なる種類の印刷形式に該当する第2特定種類の印刷形式の印刷処理を本システム1000の印刷装置100により実行させる。このような、指定部数毎に異なる種類の印刷形式による印刷処理をプリンタ部203により実行させたい希望を、該ユーザが抱いているとする。このような、ケースの場合、本形態に開示の制御部は、以下の代表例のように、システム1000を制御する。
例えば、まず、当該例における該ジョブYYの合計の印刷部数に相当する「5」部を、図19の表示の入力欄610を介して、ユーザから制御部205が受付ける。この、ジョブYYの合計の印刷部数のユーザ入力が該操作部204を介してユーザによりなされたことを条件に、制御部205は、指定部数毎に異なる印刷形式の印刷処理を印刷装置100により実行させる要求をユーザにより入力可能に構成した特定種類の表示キー(不図示)を、操作部204により表示させる。尚、この不図示の表示キー(以下、キーYY)は、キー2007に係る本形態に開示の構成要件に基づいた構成例に相当する。
その後、このキーYYが操作部204を介してユーザ入力されたことを条件に、制御部205は、ユーザ入力に基づいた指定部数毎に互いに異なる種類の印刷形式の印刷処理を印刷装置100により実行させる指示をオペレータ入力可能に構成された設定画面(不図示)の表示を、操作部204により実行させる。尚、この設定画面(以下、画面YY)は、画面2100に係る本形態に開示の構成要件に基づいた構成例に相当する。
その後、この操作部204に表示させた画面YYの表示を介して、制御部205は、この合計5部部数分の印刷処理を要するジョブYYの2セット分の印刷物に対しては上記第1特定種類の印刷形式の印刷処理を印刷装置100により実行させる第1のユーザ指示を受付ける。且つ、この第1のユーザ指示と共に、この画面YYの表示を介して、制御部205は、この合計5部部数分の印刷処理を要するジョブYYの残り3セット分の印刷物に対しては上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理を印刷装置100により実行させる第2のユーザ指示も、受付ける。
以上の一連のジョブYYに対する必要なユーザによる一連の印刷処理条件の設定が全て完了した後に、当該ジョブYYの印刷実行要求がキー503を介してユーザ入力されたことを条件に、制御部205は、当該ジョブYYの特定動作として以下の複数の動作からなる一連の動作を本システム1000にて実行させる。
まず、制御部205は、例えばスキャナ部201といった印刷データ入力源から、該ジョブYYの印刷データをHD209への記憶処理を実行させる。そのうえで、制御部205は、該ジョブYYの2部数分の印刷処理に要する2セット分の印刷物に対して、各セット毎に、上記画面YYを介してユーザ入力された第1のユーザ指示に基づいた上記第1特定種類の印刷形式の印刷処理をプリンタ部203により実行させるように本システム1000を制御する。このジョブYYの2部数分の印刷処理は、このトータルで5部数分の印刷処理を要するジョブYYの為の本形態が開示する特定動作にて要する第1特定動作の1例に該当する。尚且つ、このジョブYYの特定動作として更に要する第2特定動作に包含される動作として、制御部205は、この、ジョブYYの先の第1特定動作における印刷処理にて利用対象のデータと同じ内容のデータに相当する該ジョブYYの印刷データ(オリジナルドキュメントデータ)をHD209から読み出して、3セット分、プリンタ部203により印刷させる。
但し、このジョブYYの第2特定動作にて要する3セット分の印刷物の各セット単位に実行する印刷処理として、先程のジョブYYの第1特定動作にて要する印刷物に対する第1特定種類の印刷形式と同じ種類の印刷形式に相当する印刷処理をプリンタ部203により実行させることは禁止するように、制御部205はシステム1000を制御する。且つ、このケースの場合、このジョブYYの3部数分の印刷処理に要する3セット分の印刷物に対しては、各セット毎に、上記画面YYを介してユーザ入力された第2のユーザ指示に基づいた上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理をプリンタ部203により実行させるように、制御部205は本システム1000を制御する。このジョブYYの3部数分の印刷処理は、このトータルで5部数分の印刷処理を要するジョブYYの為の本形態が開示する特定動作にて要する第2特定動作の1例に該当する。
以上で、このジョブYYにてユーザが希望する最終成果物に相当する、互いに上記第1特定種類の印刷形式の印刷処理がプリンタ部203により施された2セット分のジョブYYの印刷物と、互いに上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理がプリンタ部203により施された3セット分のジョブYYの印刷物との、ジョブYYにて必要な合計5セット分の印刷物の作成作業が、本システム1000にて全て完了する。
尚、ジョブYYの制御例にて記載の「印刷形式」として、例えば、片面印刷か両面印刷かに係る印刷形式、および、ページレイアウト処理に係る印刷形式、及び、印刷濃度に係る印刷形式、及び、印刷倍率に係る印刷形式、及び、印刷処理に要する印刷媒体のサイズに係る印刷形式、及び、印刷処理に要する印刷媒体の種類に係る印刷形式、印字色に係る印刷形式、の少なくとも何れか1つが包含されるように本印刷システム1000を構成すれば良い。
例えば、上記ジョブYYの印刷形式が「片面印刷か両面印刷かに係る印刷形式」であるとする。この場合、上記ジョブYYの第1特定種類の印刷形式の印刷処理は「ジョブYYの印刷データを片面印刷で印刷する形式の印刷処理」であり、且つ、上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理は「ジョブYYの印刷データを両面印刷で印刷する形式の印刷処理」である、といったケースが、上記ジョブYYの制御例の1例に包含される。
又、例えば、上記ジョブYYの印刷形式が「ページレイアウト処理に係る印刷形式」であるとする。この場合、上記ジョブYYの第1特定種類の印刷形式の印刷処理は「1枚の印刷媒体の同一面上に2ページ分のジョブYYの印刷データを配置させる2UPレイアウト形式の印刷処理」であり、且つ、上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理は「1枚の印刷媒体の同一面上に4ページ分のジョブYYの印刷データを配置させる4UPレイアウト形式の印刷処理」である、といったケースが、上記ジョブYYの制御例の1例に包含される。
又、例えば、上記ジョブYYの印刷形式が「印刷濃度に係る印刷形式」であるとする。この場合、上記ジョブYYの第1特定種類の印刷形式の印刷処理とは「薄い印刷濃度でジョブYYの印刷データを印刷する形式の印刷処理」であり、且つ上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理とは「濃い印刷濃度でジョブYYの印刷データを印刷する形式の印刷処理」であるといったケースが、上記ジョブYYの制御例の1例に包含される。
又、例えば、上記ジョブYYの印刷形式が「印刷倍率に係る印刷形式」であるとする。この場合、上記ジョブYYの第1特定種類の印刷形式の印刷処理とは「ジョブYYの印刷データを100%の印刷倍率で印刷する形式の印刷処理」であり、且つ、上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理とは「ジョブYYの印刷データを75%の印刷倍率で印刷する形式の印刷処理」であるといったケースが、上記ジョブYYの制御例の1例に包含される。
又、例えば、上記ジョブYYの印刷形式が「印刷処理に要する印刷媒体のサイズに係る印刷形式」であるとする。この場合、上記ジョブYYの第1特定種類の印刷形式の印刷処理とは「ジョブYYの印刷データを用紙のサイズがA4サイズの印刷媒体に印刷する形式の印刷処理」であり、且つ、上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理とは「ジョブYYの印刷データを用紙のサイズがA3サイズの印刷媒体に印刷する形式の印刷処理」である、といったケースが、上記ジョブYYの制御例の1例に包含される。
又、例えば、上記ジョブYYの印刷形式が「印刷処理に要する印刷媒体の種類に係る印刷形式」であるとする。この場合、上記ジョブYYの第1特定種類の印刷形式の印刷処理とは「ジョブYYの印刷データを用紙の種類が普通紙の印刷媒体に印刷する形式の印刷処理」であり上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理とは「ジョブYYの印刷データを用紙の種類が光沢紙の印刷媒体に印刷する形式の印刷処理」であるといったケースが、上記ジョブYYの制御例の1例に包含される。
又、例えば、上記ジョブYYの印刷形式が「印字色に係る印刷形式」であるとする。この場合、上記ジョブYYの第1特定種類の印刷形式の印刷処理とは「ジョブYYの印刷データをモノクロ印刷する形式の印刷処理」であり上記第2特定種類の印刷形式の印刷処理とは「ジョブYYの印刷データをフルカラー印刷する形式の印刷処理」であるといったケースが、上記ジョブYYの制御例の1例に包含される。
尚、これらに記載の各ケースは1例として代表して説明するものであり、例えば、矛盾の生じない限りこれらは組み合わせ可能に構成するものでも本発明の実施形態に包含可能であるのみならず、発明の趣旨や範囲の限定要因にはならないものである。又、図1〜図31Cを用いて先に説明した本実施形態における各種構成は、例えば、上述のジョブXXの制御例に係る構成や上記ジョブYYの制御例に係る構成の、下位概念的な構成や従属する構成が包含されている。
以上のように構成することで、本実施形態に記載の効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
特に、1つのジョブのみならず複数のジョブの全体の生産性向上や品質やコストパフォーマンス等がより今後重要視されうる、オフィス環境等とはユースケースもユーザニーズも全く異なる、POD環境等の印刷環境にて要求されうる、「互いに利用する印刷データは同じであるものの、第1の特定部数分の印刷処理にて作成させる印刷物に要するユーザ要求に基いた特定の処理と同じ処理を、少なくとも、第2の特定部数分の印刷処理にて作成させる印刷物に対しては、実行させたくない」といったユーザニーズに対して、可能な限り、高操作性で且つ高生産性で、1台の印刷システム1000を用いて柔軟に対処可能となる、といった本形態の効果が、更に向上可能となる。このように、本形態に開示の印刷システム1000の構成要件により享受可能な本実施形態にて既に上述済の効果が更に向上可能となるという効果に享受可能となる。
又、上記図1〜31Cを用いて説明した本形態の各種制御を実行する制御部205は、本形態では印刷装置100内部に内蔵されている点も1つの特徴的な構成例である。しかし、この制御部205が実行する本形態に開示する制御の全ての制御又は一部の制御を、印刷装置100以外の装置(例えば、インラインフィニッシャやサーバPC103)に内蔵される制御ユニットが実行し、その制御に本形態に開示の印刷システム1000が対応するように構成しても良い。
[その他のしくみ]
本実施形態における図に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータ(例えば、PC103やPC104)により遂行されていてもよい。尚、この場合に、各操作画面を含む本形態で述べた操作画面と同様の操作画面を表示させる為のデータを外部からインストールし、該ホストコンピュータの表示部に上記各種のユーザインターフェース画面を提供可能に構成する。この一例として、本例では、図17A、17BのUI画面による構成でもって、これを説明している。このような構成の場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。
つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。例えば、本形態では、印刷装置100内部の制御部205が上記各種制御の主体となっていたが、印刷装置100と別筐体の外付けコントローラ等によって、上記各種制御の1部又は全部を実行可能に構成しても良い。
以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。