JP2004091016A - 自動バンド掛け梱包機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バンド引戻し手段84によりバンドの後端側を引戻す場合に、この引戻し量を検出手段により検出し、その検出結果が予め設定された長さよりも長い場合で、スライドテーブルに巻きついたときに、バンドの空結束が行なわれることを判断し、この信号に基いて、カムシャフト41の回転を一時的に停止し、これにより、前記ヒータ36によるバンド重合部の溶融後に行なわれる前記中押えによるプレスを、所定時間遅らせるようにした。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動バンド掛け梱包機に関し、詳しくは、スライドテーブルに被梱包物が置かれていない状態での、いわゆる空結束が行なわれてしまった場合に、スライドテーブルに直接巻きついてしまうバンドを容易に取り除くことができる自動バンド掛け梱包機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、全自動タイプの自動バンド掛け梱包機20では、図7および図8に示したように、梱包機本体21の上部にバンド案内アーチ22が付設されている。さらに、多量のバンドが巻回されたバンドリール25が梱包機本体21の側面に配置され、このバンドリール25からプールボックス24内に移されたバンドの一部が、例えば、一対のローラなどからなるバンド供給手段30の回転駆動力によりバンド案内アーチ22内に供給され、その後、バンド引戻し手段31によりバンドが引戻され、さらに、バンド引締め手段32によりバンドBが引締められ、しかる後、バンドBの重ね合わせ部に、出し入れ自在にヒータ33が挿入されることにより、バンドBの表面が溶融され、このヒータ33がスライドテーブル34の近傍から待避された後、下方に位置している上下動可能な中押え35が上方に移動され、これにより、中押え35とスライドテーブル34との間でバンドがプレスされることにより、バンドの重ね合わせ部が圧着されている。
【0003】
ところで、被梱包物Mが梱包機本体21の上面、すなわちスライドテーブル34に置かれていない状態で上記のバンド掛け作業が行われてしまうと、バンドBが小さな輪を作って、スライドテーブル34に直接巻きついてしまうことになる。
このような、いわゆる空結束は、被梱包物Mが無い状態あるいは誤って始動スイッチを押してしまった場合にも行なわれてしまうが、その場合は、スライドテーブル34からバンドの輪を切り取らなければならない。
【0004】
ところが、このようなバンドBは、スライドテーブル34に緊密に巻きついているため、はさみの用意が必要であることに加えて、はさみの先が入りにくく、手間であるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、従来は、空結束を検知したら、バンド引戻し後のバンドの引き締めを行なわないまま梱包作業を終了し、その後に、バンドの輪を取り除くことが行われている(特開2000−142611号公報参照)。
【0005】
一方、特開平10−305812号公報に開示されているように、空結束である場合に、溶着防止用バーを突出させて、ヒータの進行を阻止することも行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開2000−142611号公報に記載のバンドの除去方法では、バンドの輪がバンド案内アーチの内部に残ってしまうことがあり、取り出し作業に手間がかかり、改善が求められている。
また、特開平10−305812号公報の場合は、バンドの除去のために溶着防止用のバーを新たに設けるなど、別部材が必要であるため、コスト高になるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑み、空結束が行なわれた場合に、バンドの輪を容易に取り除くことを可能にし、かつ安易な構造でそれを行うことができる自動バンド掛け梱包機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る自動バンド掛け梱包機は、
バンド供給手段によりバンドの先端部がバンド案内アーチに供給された後、スライドテーブルの下方に直線状に並べられた右押え部材、左押え部材および中押え部材を、カムシャフトの回転により所定のタイミングで前記スライドテーブルに向かって接近あるいは離反させる工程の中で、前記右押え部材によりバンド先端部をクランプし、この状態からバンド引戻し手段によりバンドの後端側を引戻し、さらにバンド引締め手段によりバンドを引き締めし、中押え部材によりバンドを持ち上げてカッターによりバンドをカットし、前記バンドの重ね合わせ部の間にヒータを出没自在に挿入することにより、前記バンドの重ね合わせ部の表面を溶融し、さらにバンドの後端側を前記中押え部材によりプレスする自動バンド掛け梱包機において、
前記バンド引戻し手段によりバンドの後端側を引戻す場合に、この引戻し量を検出手段により検出し、その検出結果が予め設定された長さよりも長い場合で前記スライドテーブルに巻きついた場合に、バンドの空結束が行なわれることを判断し、この信号に基いて、前記カムシャフトの回転を一時的に停止し、これにより、前記ヒータによるバンド重合部の溶融後に行なわれる前記中押えによるプレスを、所定時間遅らせるようにしたことを特徴としている。
【0009】
係る構成による本発明によれば、バンドの空結束を検知したら、これまで通り、ヒータでバンドの表面を加熱するとともに、その後、カムシャフトの回転を一時的に停止するだけの構成で、加熱により溶融されたバンドの表面を冷やす時間が確保される。これにより、これまで通りの構造のまま、何ら別部材を設けることもなく、バンドの加熱後に中押え部材でプレスしても、バンドの溶着が行われることはない。よって、空結束によりスライドテーブルに巻きついたバンドを容易に拡開し、バンドのバンドの弾力によりバンドを飛び出させる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の一実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例による自動バンド掛け梱包機を示したものである。
この自動バンド掛け梱包機70では、梱包機本体72の上部に略コ字状のバンド案内アーチ74が備えられており、このバンド案内アーチ74内には、梱包機本体72上にループを描く一連のバンド通路76が形成されている。
【0011】
一方、梱包機本体72内の図1において左半部には、バンドリール78が出し入れ可能に収納されている。
なお、本実施例では、バンドリール78を梱包機本体72内に収容したが、本発明は、これに限定されず、バンドリール78を、梱包機本体72の外側に設置することもできる。
【0012】
梱包機本体72の右半部には、仕切り板75によりバックプールボックス80が区画形成されている。
このバックプールボックス80は、一回のバンド掛けを行うときにバンド案内アーチ74から、引き戻されたバンドBを一時的に収容するためのものである。さらに、バックプールボックス80とスライドテーブル34までの間に、コントロール部83が構成されている。このコントロール部83では、図2に示したように、ガイドローラ90を介して、バンド案内アーチ74側にバンドを供給するバンド供給手段82と、バンド案内アーチ74側からバンドを引き戻すバンド引戻し手段84と、さらに引き戻されたバンドを引き締めるバンド引締手段86とが配置されている。
【0013】
なお、バンド引戻し手段84とバンド引締め手段86とは兼用であり、一対のローラ94,88が2つの手段を構成している。すなわち、バンド引戻し手段84とバンド引締め手段86とは、駆動側の逆転ローラ94と従動側のタッチローラ88とから構成されている。なお、タッチローラ88は、正転側のバンド供給手段82と逆転側の引戻し引締め手段84,86とに選択的に圧接されることにより兼用されている。
【0014】
すなわち、バンド供給手段82は、駆動側の正転ローラ92と従動側のタッチローラ88とから構成され、バンド引戻し手段84ならびにバンド引締め手段86は、駆動側の逆転ローラ94と従動側のタッチローラ88とから構成されている。
タッチローラ88は、リンク96もしくは偏芯軸により支持されており、このリンク96を回動させれば、タッチローラ88を正転ローラ92あるいは逆転ローラ94のいずれかに圧接させることができる。そして、図2に示したように、タッチローラ88が正転ローラ92に圧接している場合は、このタッチローラ88は、逆転ローラ94からは離反している。逆に、タッチローラ88が逆転ローラ94に圧接している場合には、正転ローラ92からは離反している。
【0015】
また、タッチローラ88を逆転ローラ94に圧接させれば、バンドの引戻しとバンドの引締めを行うことができる。
図3は、バンド先端部のクランプ、溶着、切断などの動作をカムの働きにより行う右押え部材2、左押え部材4および中押え部材6の組み付け構造を示したもので、これらの3部材は、スライドテーブル34の下方に直線的に並べられている。
【0016】
すなわち、右押え部材2,左押え部材4,中押え部材6は、支持ブロック8内に収容され、この支持ブロック8は、ネジ部材10などにより一対の定盤12,14間に支持されている。
一方、定盤12,14に形成された軸挿通孔11,13には、図4に示したように、カムシャフト41が回転自在に支持されている。このカムシャフト41は、図示しないモータなどの駆動源の力を受けて回転駆動される。そして、これら右押え部材2,左押え部材4,中押え部材6の下部には、それぞれカムフォロアー16,18,48が取り付けられ、これらのカムフォロアー16,18,48は、カムシャフト41に設置されたカム27,26,28の周面に当接されている。そして、カムシャフト41には、タイミングプレート45が一体に固設されている。
【0017】
タイミングプレート45は、カムシャフト41に支持されたカム27,26,28が回転している場合に、これらのカムまたはこれらのカムに基づいて動作する部材が一連の動きの中でどの状態にあるか、などを確認するためのもので、例えば、図5に示したように、3つの孔42,44,46が所定間隔離間して形成されている。そして、これらの孔42,44,46を検出することは、各工程の例えば始まりを検出することであり、この孔を検出したときにカムシャフト41の回転を待機させれば、次の工程が始まるときの各部材の位置関係を識別することが可能にされている。
【0018】
さらに、本実施例の自動バンド掛け梱包機では、バンド供給手段82によりバンドがバンド案内アーチ74に供給された後、どれだけの長さが引き戻されたかが、検出手段により検知されている。
このように、バンド供給後に、バンド引戻し手段84によりどれほどの長さのバンドが引戻されたかを検出するには、例えば、バンドの先端部が図2に示したように、バンド案内アーチ74をループ状に周回した後、バンド走行路に対して出没自在なバンドガイド60のストッパ61に当接して、リミットスイッチをONにしてから、バンド引戻し手段84の逆転ローラ84に圧接されたタッチローラ88がどれだけ回転したかを検知すれば良い。
【0019】
このようにタッチローラ88の回転数を検知して長さに換算すれば、バンドの引戻し量を確認することができ、これにより、バンド掛けを行なうに際し、通常の引戻しが行なわれたか、あるいは空結束が行なわれたかを判断することができる。
そして、本実施例では、空結束が行なわれたことが、このような検出手段により検出された場合には、その信号がコントロール部83を制御している制御装置に出力される。そして、この信号に基いて、図2に示した右押え部材2、左押え部材4および中押え部材6を上下動させるカムシャフト41が回転する。通常であれば、図6に示したように、バンド引戻し後にさらに、バンド引締め手段86により、二次引締めが行なわれ、左押え4が上昇してバンドBを押え、バンドの引締め状態を保持した後、下方の中押え部材6が上昇してバンドをカットし、ヒータ36がバンドの重ね合わせ部の間に挿入され、ヒータ36でバンドの表面が溶かされ、ヒータ36が後退した後、さらに、中押え部材6がバンドBをプレスして圧着するのであるが、本実施例では、空結束の信号が検出手段で検出されることにより、引締めをキャンセルするか、あるいは一定量の引締めをした後、ヒータ36でバンドBが所定時間加熱されてから、カムシャフト41が一時的に停止されるので、中押え部材6がさらに上昇するまでに所定の時間が確保される。したがって、この中押え部材6が上昇するまでに、ヒータ36により溶融されたバンドBの表面が冷却されることになる。その後、中押え部材6が通常通り、上方に移動することになる。
【0020】
このように、本実施例では、空結束が検出された場合に、カムシャフト41の回転駆動が一時的に停止されるので、これによりバンドが加熱されても、バンドの表面が冷却されることになる。したがって、プレスの前にバンド表面が冷却されることになる。このような状態からバンドの加熱溶融部分を中押え部材6でプレスするとしても、バンドが接着されることはない。
【0021】
したがって、バンドがスライドテーブル34に巻きついて剥がれなくなることはない。
このように本実施例では、空結束を起こした場合に、スライドテーブル34の周りのバンドを容易に取り除くことができる。実際には、バンドの弾力で飛び出る。しかも、このような機構を具備させる場合に、カムシャフト41の回転に時間的な遅れを設けるだけで良いので、別部材が全く不用で、構造も極めて容易である。したがって、コスト的にも安価である。また、タッチローラ88の設定すべき回転数は一定であるため、繰り返し動作を行なったとしても、安定した動作を行なうことができる。
【0022】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されない。
例えば、上記実施例では、正転ローラ92あるいは逆転ローラ94に対して、タッチローラ88を共通に構成したが、別々のタッチローラを設けることもできる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る自動バンド掛け梱包機では、空結束が行なわれた場合に、カムシャフトの回転を一時的に停止するだけで良く、その他の動き動作は、既存の動作と全く変わらないので、そのための別部材が必要でない。したがって、安価に形成できるとともに、構造がコンパクトである。
【0024】
また、空結束が行なわれたとしても、バンドの重ね合わせ部が接着されていないので、バンドの弾力で上部に跳ねて飛び出る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例による自動バンド掛け梱包機の概略正面図である。
【図2】図2は同実施例による自動バンド掛け梱包機のコントロール部の概略図である。
【図3】図3は同実施例による自動バンド掛け梱包機のバンドの把持、引戻し、切断、溶着などを行なう右押え部材、左押え部材、中押え部材などの分解組み立て斜視図である。
【図4】図4は、図3に示した右押え部材、左押え部材、中押え部材を組み立てた状態を示す正面図である。
【図5】図5は図4に示したカムシャフトに固設されたタイミングプレートの斜視図である。
【図6】図6は本実施例によるコントロール部によりバンド掛けを行うときの作動断面図である。
【図7】図7は従来の自動バンド掛け梱包機の斜視図である。
【図8】図8は従来のバンド掛け梱包機のコントロール部を示す概略図である。
【符号の説明】
2 右押え部材
4 左押え部材
6 中押え部材
20 自動バンド掛け梱包機
34 スライドテーブル
36 ヒータ
40 カッター
41 カムシャフト
74 バンド案内アーチ
82 バンド供給手段
86 バンド引締手段
B バンド
Claims (1)
- バンド供給手段によりバンドの先端部がバンド案内アーチに供給された後、スライドテーブルの下方に直線状に並べられた右押え部材、左押え部材および中押え部材を、カムシャフトの回転により所定のタイミングで前記スライドテーブルに向かって接近あるいは離反させる工程の中で、前記右押え部材によりバンド先端部をクランプし、この状態からバンド引戻し手段によりバンドの後端側を引戻し、さらにバンド引締め手段によりバンドを引き締めし、中押え部材によりバンドを持ち上げてカッターによりバンドをカットし、前記バンドの重ね合わせ部の間にヒータを出没自在に挿入することにより、前記バンドの重ね合わせ部の表面を溶融し、さらにバンドの後端側を前記中押え部材によりプレスする自動バンド掛け梱包機において、
前記バンド引戻し手段によりバンドの後端側を引戻す場合に、この引戻し量を検出手段により検出し、その検出結果が予め設定された長さよりも長い場合で前記スライドテーブルに巻きついた場合に、バンドの空結束が行なわれることを判断し、この信号に基いて、前記カムシャフトの回転を一時的に停止し、これにより、前記ヒータによるバンド重合部の溶融後に行なわれる前記中押えによるプレスを、所定時間遅らせるようにしたことを特徴とする自動バンド掛け梱包機。
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