JP4493831B2 - バンド掛け梱包機におけるコントロール装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はバンド掛け梱包機に関し、詳しくは、バンドを結束するための切断、溶着などを所定のタイミングで行うように制御するバンド掛け梱包機におけるコントロール装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
自動あるいは半自動のバンド掛け梱包機では、バンドリールから引き出されたバンドが、被梱包物に巻き掛けられた後、クランプされ、引き続いてバンド供給側に引き戻され、引き締めされ、しかる後、切断と略同時にヒータで溶かされた結束部分がプレスで接着されている。これらの動作は、１サイクルの中で連続的に、かつ瞬時に行われている。
【０００３】
このようなバンド掛け梱包機では、これらの動作を正しく行うために、カムを利用したコントロール部が備えられており、このコントロール部により、タイミングの制御が行われている。すなわち、このコントロール部では、一本のカム軸に複数のカムが配設され、それらのカムがカム軸とともに回動されることにより、それらのカムに対応するカムフォロアーが上下動し、それに伴って複数の部材が所定の動作を行うことにより、クランプ、引き戻し、引き締めなどが行われるように設定されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように短時間の中で多くの動作を連続的に行う場合、カムとカムフォロアーなどの作動時の位置関係のずれ、あるいはローラとタッチローラの作動時の位置関係にずれなどがあると、バンドの把持が不十分となり、またバンドの引き戻し不良などの不具合が生じてしまう。
【０００５】
このように各部品間の作動不良が生じると、従来のバンド掛け機では、一旦、全ての駆動を停止した後、手動操作によりカム軸を回転させて、バンド掛けを行う際の基本工程、すなわち、カム軸上における原点位置、逆転開始位置、引き締め開始位置、正転開始位置等にカム軸を回動させてから、関連する部材間が正しい状態にあるかどうかを判断しなければならない。
【０００６】
しかしながら、このようにその都度カム軸を手で回動させてから、正しい位置関係となるように微調整することは、作業が手間であり、また手で回動させて停止した位置が正規の位置であるか判定が困難であるという問題があった。
本発明はこのような実情に鑑み、バンドのクランプ、引き戻し、引き締めなどを行うバンド掛け機におけるコントロール装置が所定のタイミングからずれている場合に、リンク動作等で動作距離の微調整等をするときに利用する動作等で動作距離の微調整を行い、正しい状態に簡単に修正することができるバンド掛け梱包機におけるコントロール装置を提供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るバンド掛け梱包機におけるコントロール装置は、
駆動源からの力を受けて回動するカム軸と、このカム軸に配設された複数のカムと、前記カム軸に配設され、前記カム軸の回転位置を検出できるように予め定められた位置に対応する孔が形成されたタイミングプレートと、前記タイミングプレートに形成された孔が所定位置に到達したことを検出する検出手段と、を備えたバンド掛け梱包機におけるコントロール装置において、
前記タイミングプレートに形成された孔は、少なくとも前記カム軸が原点位置に到達したことを検知する位置、バンドを繰り出す位置、バンドを引き戻す位置にそれぞれ形成されており、
通常のバンド掛けを行なう場合には、前記カム軸を回動させて、
バンドの供給、バンドのクランプ、バンドの引き戻し、バンドの引き締め、バンドの切断と略同時に行なわれるヒータによるバンドの溶着および結束部分のプレスなど、バンド掛けを行なう際の基本工程を連続的に行なう運動モードとし、この運動モードでは、通常のバンド掛けが行なわれるとともに、
バンド掛け作動にある種の不良が生じて、その不具合が何に起因して生じているかを検知する場合には、前記カム軸の通常の回転駆動を停止してバンド掛けのコントロールを寸動モードとし、この寸動モードでは、通常のバンド掛けが行なわれずに前記検出手段により、前記タイミングプレートに予め形成された孔を一つずつ検出し、カム軸を停止させ、その検出位置においてバンド掛けの不具合に関連する部材が正規の位置関係にあるか否かを順次調査できるようにし、
前記寸動モードと前記運転モードとを、切り替え可能に構成したことを特徴としている。
【０００８】
係る構成による本発明によれば、寸動モードに設定することで、タイミングプレートに形成された孔が所定位置に到達したときに、関連する部材が所定の位置にあるかどうかを調べることができる。そして、関連する部材が所定の位置関係にないことが識別された場合は、そのまま一旦電源を切って位置を調整すれば良い。
【０００９】
このように寸動モードと運転モードとを切り替え可能に設ければ、最初の運転を行う前は寸動モードに設定し、この寸動モードで正しい状態にあるかどうかを確認し、正しい場合には、そのまま運転モードに切り替えて連続運転を実行することもできる。一方、誤った位置関係にあると判断された場合には、正しく調整し直した後に運転モードに切り替えれば良い。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
図１はバンド先端部のクランプ、溶着、切断などの動作を行うバンド掛け梱包機におけるコントロール部を示したものである。
このコントロール部では、カム機構の動作で上下動する、右押さえ部材２，左押さえ部材４，中押さえ部材６が支持ブロック８内に収容され、この支持ブロック８は、ネジ部材１０などにより一対の定盤１２，１４間に支持されている。
【００１１】
一方、定盤１２，１４に形成された軸挿通孔１１，１３には、図２に示したように、カム軸２２が回転自在に支持されている。このカム軸２２は、図示しないモータなどの駆動源の力を受けて回転駆動される。これら右押さえ部材２，左押さえ部材４，中押さえ部材６の下部には、それぞれカムフォロアー１６，１８，２０が取付けられ、これらのカムフォロアー１６，１８，２０は、カム軸２２に設置されたカム２４，２６，２８の周面に当接されている。そして、カム軸２２には、タイミングプレート４５が一体に固設されている。
【００１２】
タイミングプレート４５は、カム軸２２に支持されたカム２４，２６，２８が回転している場合に、これらのカムまたはこれらのカムに基づいて動作する部材が一連の動きの中でどの状態にあるか、などを確認するためのもので、例えば、図３に示したように、３つの孔４２，４４，４６が所定間隔離間して形成されている。そして、これらの孔４２，４４，４６を検出することは、各工程の例えば始まりを検出することであり、この孔を検出したときにカム軸２２の回転を待機させれば、次の工程が始まるときの各部材の位置関係を識別することができる。
【００１３】
よって、孔４２を検出したときが、例えばカム軸２２の原点位置であれば、この原点位置において、例えば、右押さえ部材２，左押さえ部材４，中押さえ部材６が正しい状態にあるかどうかを調べることができる。
したがって、その時の位置が正しければ、この原点位置に起因する出力信号を正しいタイミングで出力することができる。また仮に、孔４４が検出されたときが図４に示したヒータ３６を側方から突出させるときであれば、この孔４４が検出されたときに、ヒータ３６が突出していなければ調整し直す必要がある。本実施例の場合は、寸動モードの設定により、検出手段５０が孔４４を検出したときに、カム軸２２の回転が停止するので、ヒータ３６が正しく突出しているか否かを容易に識別することができる。
【００１４】
通常、バンド掛け梱包機では、電源を投入すると、通常運転になり、バンドのクランプ、引き戻し、引き締め、ヒータによる圧着などが順番に行われるため、仮に原点位置でヒータ３６が突出しないとしても、本実施例とは異なり、カム軸２２はその位置を素通りして回転してしまう。本実施例では、孔４２，４４，４６を通るたびに一旦カム軸２２が回転を停止するので、各部材が正しい位置にあるかどうかを確認することができる。
【００１５】
本実施例によるコントロール部では、このように、各部材の位置関係を調整するための寸動モードが設けられているので、その停止時に、位置関係がずれているかどうかを識別することができる。
また、正しい状態にあるときは、そのまま運転モードに切り替えて連続運転を行わせれば良い。
【００１６】
また、このような寸動モードと運転モードとを切り替え可能にすれば、正しい位置にある場合には、直ぐに、運転モードにし、バンド掛け機を作動させることができるので、生産性が劣ることもない。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されない。
【００１７】
例えば、タイミングプレートに形成される孔の数は、実施例では3個としたが、これは便宜的なもので、孔はいくつ形成されていても良い。また、カム軸２２に配設されるカムの数も3個に限定されるものではない。さらに、寸動モードへの切り替えなどは、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンとすることで運転モードから切り換えるようにしても良い。また、リセットスイッチに限定されず、他のスイッチでも代用することができる。さらに、寸動モードにした場合に、各タイミングで停止させ、リセットスイッチを押すことにより、次のステップに進ませるようにしても良い。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるバンド掛け機におけるコントロール装置によれば、寸動モードに設定した状態で各部材の位置関係が正しい状態にあるか、どうかをその都度判断することができる。
したがって、各部材間の位置関係を簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の一実施例によるバンド掛け梱包機におけるコントロール部の分解斜視図である。
【図２】図２は、同実施例によるコントロール部の組み立てた状態を示す正面図である。
【図３】図３はカム軸に固設されたタイミングプレートの斜視図である。
【図４】図４は本実施例によるコントロール部によりバンド掛けを行うときの作動断面図である。
【符号の説明】
２２ カム軸
２４，２６，２８ カム
４５ タイミングプレート
４２，４４，４６ 孔
５０ 検出手段

Claims (1)

1. 駆動源からの力を受けて回動するカム軸と、このカム軸に配設された複数のカムと、前記カム軸に配設され、前記カム軸の回転位置を検出できるように予め定められた位置に対応する孔が形成されたタイミングプレートと、前記タイミングプレートに形成された孔が所定位置に到達したことを検出する検出手段と、を備えたバンド掛け梱包機におけるコントロール装置において、
   前記タイミングプレートに形成された孔は、少なくとも前記カム軸が原点位置に到達したことを検知する位置、バンドを繰り出す位置、バンドを引き戻す位置にそれぞれ形成されており、
   通常のバンド掛けを行なう場合には、前記カム軸を回動させて、
   バンドの供給、バンドのクランプ、バンドの引き戻し、バンドの引き締め、バンドの切断と略同時に行なわれるヒータによるバンドの溶着および結束部分のプレスなど、バンド掛けを行なう際の基本工程を連続的に行なう運動モードとし、この運動モードでは、通常のバンド掛けが行なわれるとともに、
   バンド掛け作動にある種の不良が生じて、その不具合が何に起因して生じているかを検知する場合には、前記カム軸の通常の回転駆動を停止してバンド掛けのコントロールを寸動モードとし、この寸動モードでは、通常のバンド掛けが行なわれずに前記検出手段により、前記タイミングプレートに予め形成された孔を一つずつ検出し、カム軸を停止させ、その検出位置においてバンド掛けの不具合に関連する部材が正規の位置関係にあるか否かを順次調査できるようにし、
   前記寸動モードと前記運転モードとを、切り替え可能に構成したことを特徴とするバンド掛け梱包機におけるコントロール装置。

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