JP2003533245A - 高適合性カテーテルアンカリングシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 アンカリングシステムが、望ましくは、テープまたは針および縫合を使用せずに、カテーテルチューブまたは同様の医療用物品の一部を患者に簡単に固定することができるようにする単純構造デバイスを含む。単体保持具が、望ましくは、可撓性ヒンジによってカバーアセンブリに接続されたベースを含む。保持具は、粘着底面を含む可撓性アンカーパッドに取り付けられ、粘着底面を患者の皮膚に貼付することができる。カテーテルは、保持具のポスト間に形成されたチャネル内部に固定される。カバーアセンブリは、可撓性ヒンジを曲げることによってベースの上方に再現可能に位置決めされ、ベースにラッチされる。ポストが高適合性機構を提供し、それによりアンカリングシステムは、少なくとも１つの他のポストに対して可動な少なくとも１つのポストを提供することによって、様々なカテーテルおよびカテーテル固定具に適合し、それらを受け入れることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の分野） 本発明は、一般に、患者に医療用物品を固定するための高適合性アンカリング
システムに関し、より詳細には、患者に対するカテーテルの動きまたは移行を妨
げるように患者にカテーテルを固定する高適合性アンカリングシステムに関する
。

【０００２】 （関連技術の説明） 患者の治療時、患者に流体および薬物を直接導入するため、または患者から流
体を引き出すためにカテーテルを利用することが一般的である。典型的なカテー
テルの一例は、中心静脈を介して流体を導入するために使用される中心静脈カテ
ーテル、すなわちＣＶＣである。

【０００３】 ほとんどの場合に、カテーテルは何日間も定位のままとする。挿入部位でカテ
ーテルを定位に固定するために、医療従事者はしばしば、テープを使用して患者
にカテーテルを固定する。すなわち、医療従事者は一般に、挿入部位付近で、カ
テーテルの一部分にわたって長いテープ片を十字形に配置して、患者の皮膚にカ
テーテルを固定する。この固定は、カテーテルと挿入部位の分離を妨げ、また、
カテーテルがベッドレールまたは他の物体に引っかからないようにする。

【０００４】 しかし、テープはしばしば、汚れおよび他の汚染物質を集める。したがって通
常のプロトコルは、固定部位でのバクテリアおよび微生物の成長を妨げるために
定期的な（例えば毎日の）テープ交換を必要とする。この頻繁なテープ交換は、
しばしば患者の皮膚を傷つける。さらに、医療従事者がテープを貼付し、剥がす
ことで貴重な時間が費やされる。多くの医療従事者にとって、テーピング処置は
煩雑であり、手袋をはめているときには困難であるので、しばしばテーピング時
に手袋を外す。これは、テーピング処置に費やされる時間量を増すだけでなく、
医療従事者を高い感染の危険性にさらすことにもなる。さらに、医療従事者が手
袋をはめていたとしても、テープの粘着面とラテックス手袋との接触により手袋
に微小孔が開く可能性があり、医療従事者が感染する可能性がある。

【０００５】 患者にカテーテルを固定するために頻繁にテープを貼付する必要をなくするた
めに、様々なカテーテル固定デバイスが開発されている。１つのそのような固定
デバイスは、患者の皮膚に縫合されるウィング状延在部を可撓性クランプに提供
する。いくつかの適用例では、ウィング状延在部はカテーテルと一体形成される
。他の適用例では、可撓性クランプが剛性取付具によってカバーされ、この取付
用部品が、摩擦嵌め式にカテーテル／クランプの組合せを受け取る。剛性取付具
および可撓性クランプに横方向位置合わせ孔が、設けられて、この組合せを患者
の皮膚に縫合することができるようにする。これらの縫合デバイスは、患者にカ
テーテルを固定して取り付けるが、明らかに、患者は痛みを伴い、不快である。
これらのデバイスはまた、固定に時間がかかり不便であり、医療提供者に針が刺
さる危険、および患者に縫合部位から感染が生じる危険がある。

【０００６】 さらに、縫合材料は、医療用チューブで把持しにくい傾向があり、剛性クラン
プを使用しない場合には可撓性クランプのウィング状延在部によって切断される
場合がある。しかし、剛性取付具の使用は、フロアに落ちて滅菌状態でなくなる
可能性がある別の構成要素を追加することで固定処置を複雑にする。さらに、可
撓性クランプおよび／または剛性取付アセンブリの縫合固定では、包帯交換およ
び挿入部位洗浄の際に、患者からカテーテルを簡単に解放することができない。
また、縫合の取外しには通常、取外し器具（例えば滅菌鋏）が必要である。

【０００７】 他のカテーテル固定デバイスは、横方向位置合わせ孔を患者の皮膚に縫合する
のではなく、可撓性クランプと患者の皮膚との間に挿入された粘着層または弾性
バンドを提供する。例えば米国特許第５３４２３１７号、５１９２２７４号、５
０８４０２６号、４４４９９７５号、および４２５０８８０号を参照されたい。
しかし、これらの固定デバイスの多くは、以下の欠点の１つまたは複数をもつ。
固定に時間がかかり不便である。落として滅菌状態でなくなる可能性がある複数
の部品を有する。固定デバイスからカテーテルを係合解除するのに取外し器具（
例えば止血鉗子または鋏）を必要とする。

【０００８】 さらに、カテーテルおよびカテーテル取付具の横方向孔の間隔に関する基準が
存在しない。各製造業者が常に、異なる幾何形状および離間距離を有する孔を備
えるカテーテルおよびカテーテル取付具を製造している。したがって、従来の固
定デバイスは、特定のカテーテルのみを嵌合して固定する専用のものとなってい
る。

【０００９】 （発明の概要） 本発明は、固定位置にカテーテルを固定し、しかし包帯交換または他の作業の
ためにカテーテルを容易に解放する単純構造アンカリングシステムを提供する。
本発明はまた、従来技術のカテーテルアンカリングシステムが、特定のカテーテ
ル、カテーテル取付具、またはカテーテル製造業者に専用のものであることを認
識している。したがって、本発明のアンカリングシステムは、多くの異なるカテ
ーテルおよびカテーテル取付具設計の縫合または取付孔と協働することもできる
。特に、本発明のアンカリングシステムは、カテーテルおよび／または取付具の
縫合または取付孔間で様々な距離を有する様々なカテーテルおよび／またはカテ
ーテル取付具と共に使用されるように調節することができる。

【００１０】 本発明の一態様は、患者の身体に医療用物品を固定するためのアンカリングシ
ステムに関わる。アンカリングシステムは、上面および下面を有するアンカーパ
ッドを備える。下面の少なくとも一部分が、患者の身体にアンカーパッドを貼付
するために粘着面を有する。保持具が、アンカーパッドの上面に取り付けられ、
医療用物品の一部を受け取ることができる。保持具は、ベース、カバー、および
ポストを含む。ベースは、アンカーパッドの上面に配置され、カバーは、開放位
置と閉鎖位置の間で移動するようにベースに可動に接続される。カバーは、閉鎖
位置にあるときにベースの少なくとも一部の上方に位置する。ポストは、ベース
とカバーの一方に可動に結合され、カバーが閉鎖位置にあるときにカバーとベー
スの間に少なくとも部分的に位置するように保持具に配置される。

【００１１】 本発明の別の態様によれば、アンカリングシステムが、患者の身体に医療用器
具を固定するために提供される。アンカリングシステムは、上面および下面を有
するアンカーパッドを備える。下面の少なくとも一部が、患者の身体にアンカー
パッドを貼付するために粘着面を有する。保持具が、アンカーパッドの上面に取
り付けられ、医療用物品の一部分を受け取ることができる。保持具は、ベース、
ポスト、およびカバーアセンブリを含む。カバーアセンブリは、少なくとも２つ
のカバーを含み、各カバーが、ヒンジ機構によってベースに接続されている。各
カバーが、少なくとも２つの位置、開放位置と閉鎖位置の間で可動である。ポス
トは、ベースとカバーの一方に結合され、カバーが閉鎖位置にあるときにベース
とカバーの少なくとも１つとの間に少なくとも部分的に位置するように保持具に
配置される。

【００１２】 したがって、本発明の一態様は、患者の身体に医療用物品を固定するためのア
ンカリングシステムに関わる。アンカリングシステムは、アンカーパッド、保持
具、およびポストサブアセンブリを備える。保持具は、アンカーパッドの上面に
取り付けられ、ベース、カバーアセンブリ、およびラッチ機構を含む。ベースは
、固定すべき医療用物品を受け取り、カバーアセンブリを開放位置と閉鎖位置の
間で移動させることができる。開放位置において、医療用物品を保持具に挿入す
る、または保持具から取り外すことができる。閉鎖位置においては、チャネルが
形成され、内部に医療用物品が固定保持される。ラッチ機構は、カバーアセンブ
リを閉鎖位置で保持するように、ベースとカバーアセンブリとの間で動作する。
ポストサブアセンブリは、保持具のチャネル内に突出し、医療用物品と相互作用
するいくつかのポストを含み、意図的でない動きを防止する。

【００１３】 １つの好ましいモードでは、ポストサブアセンブリが、保持具のベースに対し
て、かつ互いに対して可動なポストを含み、それにより様々な距離の取付または
縫合孔間隔に適応する。別のモードでは、ポストサブアセンブリが、ベースに対
して固定されたポストを含む。

【００１４】 好ましいモードでは、保持具のカバーアセンブリが、ベースに別々にラッチさ
れ、開放位置と閉鎖位置の間で別々に調節することができる２つの個別カバーに
分割される。

【００１５】 上で要約した本発明の各態様によれば、アンカリングシステムはまた、取付具
を含むことができる。取付具は、メディカルライン自体の一部であってよく、ま
たはメディカルラインに取り付けることができる個別構成要素であってもよい。
例えば、１つのモードでは、医療用物品は、一体型取付具を有するカテーテルで
あってよい。取付具はまた、カテーテルに解放可能に取り付けられる取外し可能
な取付具（例えば可動ウィングクランプ）にすることもできる。したがって、こ
れらの構成要素は、アンカリングシステムキットを備えることができ、異なるサ
イズのカテーテルに適応するように１つまたは複数のサイズの取付具がキット内
に含まれている。

【００１６】 本発明のさらなる態様、特徴、および利点は、以下の好ましい実施形態の詳細
な説明から明らかになる。

【００１７】 次に、本発明の上述およびその他の特徴を、本発明のアンカリングシステムの
好ましい実施形態の図面を参照しながら説明する。アンカリングシステムについ
て説明する実施形態は、本発明を説明するものであるが、本発明を限定するもの
ではない。図面は以下の図を含む。

【００１８】 （好ましい実施形態の詳細な説明） 参照番号１０によって全体を示すカテーテルアンカリングシステムの好ましい
実施形態を、例示的なＣＶＣ（図３に示され、参照番号１２によって示される）
と共に利用する文脈で開示する。ただし、本発明の原理はカテーテルに限定され
ない。本開示に鑑みて、本明細書で開示されるアンカリングシステムおよび／ま
たは保持具を、他のタイプのカテーテル、流体排出および送達チューブ、および
電気ワイヤを含めた、しかしそれらに限定されない他のタイプの医療用器具に関
連してうまく利用することができることも当業者には理解されたい。例えば、限
定はしないが、本明細書で開示する保持具を、末梢カテーテル、末梢から挿入す
る中心カテーテル、血液透析カテーテル、外科用ドレナージチューブ、栄養チュ
ーブ、胸腔チューブ、鼻腔栄養チューブ、検査鏡、および外部または埋込型電子
デバイスまたはセンサに接続される電気ワイヤまたはケーブルを受け取り、固定
するように構成することもできる。当業者はまた、本明細書で開示したデバイス
およびシステムの追加の適用例も見出すことができる。したがって、ＣＶＣに関
連するアンカリングシステムの例示および説明は、単にアンカリングシステムの
１つの可能な適用例の例示にすぎない。

【００１９】 本明細書で説明する各実施形態が、このアンカリングシステムを特徴付けるい
くつかの基本的な概念、すなわち患者へのカテーテルの解放可能な係合を利用す
る。解放可能な係合は、ベースと、少なくとも１つのカバーと、少なくとも１つ
のポスト要素との協働によって達成される。この協働により、様々な既知の目的
のいずれ目的のためにも、アンカリングシステムおよび患者からカテーテルの接
続を断つことができる。例えば、医療従事者が、挿入点からカテーテルの接続を
断つことを容易にするため、または患者を清潔にするために、アンカリングシス
テムからカテーテルを取り外すことを望む場合がある。しかし、アンカリングシ
ステムからのカテーテルの係合解除は、患者からアンカリングシステムを取り外
さずに達成することができる。

【００２０】 説明する各実施形態に共通で、このアンカリングシステムは、アンカリングシ
ステムに関する従って患者の挿入部位に関するカテーテルの軸方向の動きを妨げ
る。横断方向および横断方向への動きは通常、ベースおよびカバーアセンブリに
よって提供される保持効果によって、かつ少なくとも１つのポスト部材と、カテ
ーテルおよび／またはカテーテル取付具の開口部との間の協働相互作用によって
阻止される。すなわち、ベースおよびカバーアセンブリが、カテーテルを取り囲
み、（１つまたは複数の）ポストが、カテーテルおよび／またはカテーテール取
付具に形成された（１つまたは複数の）対応する縫合または取付用開口部の中を
延びる。同様に、縦方向の動きは、（１つまたは複数の）ポストと（１つまたは
複数の）開口部との相互作用によって阻止される。

【００２１】 一形態では、本発明のアンカリングシステムはまた、少なくともいくつかの異
なる種類または形のカテーテルおよび／またはカテーテル取付具を受け取るよう
に適合されている。特に、ポスト間の間隔、および／または、ポストと、カバー
アセンブリまたはベースのいずれかとの間の間隔を変えて、縫合孔間において異
なる間隔を伴ってカテーテルおよび／またはカテーテル取付具を収容することが
できる。この機構はまた、異なるサイズおよび／または形状を有するカテーテル
および／またはカテーテル取付具を収容するために利用することができる。以下
に説明する実施形態の１つにおいて、保持具は、２つのポストを含み、各ポスト
は、もう一方に対して可動であり、かつ、カバーアセンブリおよび保持具のベー
スに対して可動である。別の実施形態では、ポストの一方が固定され、他方が可
動である。ポスト間の間隔、および可動ポストと隣接ベース／カバー構造体との
間の間隔を、１つのポストを移動させることによって変えることができる。他の
変形形態では、（１つまたは複数の）ポストは、保持具上における（１つまたは
複数の）ポストの位置を変更するために保持具の別の部分に対して移動可能なカ
バーまたはベース部分に取り付け可能である。そのように構成すると、ポスト間
の横方向幅を、様々なカテーテルおよび／またはカテーテル取付具を受け取り、
固定するように調節することができる。ただし、以下の実施形態の考察から明ら
かなように、本発明の様々な他の態様を、この「高適合性（universal）」とい
う特徴とは別に利用することもできる。

【００２２】 アンカリングシステム１０（図３参照）のこれらの構成要素の説明を助けるた
めに、以下の座標用語を使用する。「縦方向軸線」は、アンカリングシステム１
０によって保持されるカテーテル１２の部分に概ね平行である。「横方向軸線」
は、縦方向軸線に垂直であり、アンカーパッド１４の平面に概ね平行である。「
横断方向軸線」は、縦方向軸線および横方向軸線に垂直に延びる。さらに、本明
細書で使用する場合、「縦方向」は、縦方向軸線に実質的に平行な方向を指し、
「横方向」は、横方向軸線に実質的に平行な方向を指す。「横断方向」は、横断
方向軸線に実質的に平行な方向を指す。また、このアンカリングシステム１０を
説明する際に使用される用語「近位」および「遠位」は、典型的な適用例につい
ての説明と一貫性を持って使用される。したがって、近位および遠位は、患者の
身体の中心に関して使用される。このアンカリングシステム１０を説明するため
にやはり使用される用語「上側」、「下側」、「上部」、「底部」などは、実施
形態の例に関して使用される。以下、アンカリングシステム１０の詳細な説明、
およびそれに関連する使用法を述べる。 デュアルカバー保持具システム 図１および図２を参照すると、本発明の好ましい一実施形態に係るアンカリン
グシステム１０が、構成されている。本システムは、アンカーパッド１４と、保
持具ベース１８、カバーアセンブリ１９、及び、少なくとも１つのポストを含ん
だ保持具１６とを備えている。図示した実施形態では、このポストは、保持具１
６が組み立てられるときに、保持具ベース１８に取り付けられるポストプラット
フォームの一部分となる。以下に示すように、ポストは、保持具ベース１８およ
び／またはカバーアセンブリの一部、あるいは個別の個々の要素とすることがで
きる。保持具１６は、アンカリングシステム１０内でカテーテル１２（図３に示
す）の部分を保持し固定するように構成されている。或いは、以下に示すように
、同じ構成を用いて、保持されるカテーテルに取り付けられる、取り外し可能な
カテーテル取付具を固定可能である。

【００２３】 図３および図４に示すように、カテーテル１２または取付具は、保持具１６の
保持具ベース１８に挿入されており、その間、図３に示すようにカバーアセンブ
リ１９は、開放位置にある。図示のように、本実施形態内のカバーアセンブリ１
９は、２つの個別のカバー２０および２２を備え、それぞれは独立して保持具ベ
ース１８に取り付けられている。一旦、カテーテル１２または取付具がベースに
位置決めされると、カバー２０および２２は、カテーテル１２の横断方向への動
きを妨げるように保持具ベース１８およびカテーテル１２上の閉鎖位置に移動さ
れる。これは、図４に示している。カテーテル１２または取付具はまた、保持具
１６の１つまたはそれ以上のポストとの相互作用によって、かつ、保持具ベース
１８および／またはカバー２０、２２の周囲部分との相互作用によって、横断方
向にかつ縦方向に保持される。

【００２４】 保持具１６は、アンカーパッド１４の上面に配置されている。アンカーパッド
１４の下部側面２３は、患者に対して保持具１６の従ってカテーテル１２の位置
を維持するように、患者の皮膚に接着する粘着面を含んでいる。

【００２５】 図１に示すように、アンカーパッド１４は、横断方向に反対向きの側面を有し
実質的に平坦な材料片である。このパッドの近接または下部側面２３は、患者の
皮膚に面しており、患者の皮膚にアンカーパッド１４を取り付けるのに適した粘
着面で被覆されているのが好ましい。パッドの上部または遠位側面２４は患者の
皮膚に向いておらず、保持具１６を支持する。

【００２６】 アンカーパッド１４は、上部フォーム層（例えば、独立気泡ポリエチレンフォ
ーム）および下部粘着層を有する積層構造を含むのが好ましい。下部粘着層は、
アンカーパッド１４の下面２３を構成している。この下面２３は、好適にはメデ
ィカルグレードの接着剤であり、特定の用途に応じて発汗性または非発汗性であ
ってよい。粘着層を有するこのようなフォームは、マサチューセッツ州Ｎｏｒｗ
ｏｏｄのＴｙｃｏ Ａｄｈｅｓｉｖｅｓ社から入手可能である。

【００２７】 上部フォーム層の表面は、アンカーパッド１４の上面２４を構成している。上
面２４は、フォームを化学的にプライミングするか低電荷によりコロナ処理する
ことによって粗面にすることができる。粗面または多孔性の上面２４は、保持具
ベース１８とアンカーパッド１４との間の接着接合部（以下に記載）の品質を向
上させ得る。或いは、可撓性のあるアンカーパッド１４は、メディカルグレード
の粘着層、内部フォーム層および上部紙層、または他の織布層あるいは不織布層
を含むことができる。

【００２８】 取外し可能な紙またはプラスチック製の剥離ライナ２６が、望ましくは使用前
に接着剤の下面を被覆する。この剥離ライナ２６は、破れにくいことが好ましく
、患者の皮膚へのパッドの取付を簡単にするために複数の断片に分割されるのが
望ましい。図示した実施形態では、この剥離ライナは、粘着下面の半分だけを同
時に露出するように、可撓性のあるアンカーパッド１４の中心線２８に沿って分
割されている。

【００２９】 各ライナ片の長さは、横方向に測定すると、アンカーパッド１４の中心線２８
を越えて延在し、ライナ上に折り重ねられているかまたはライナの上へ折り曲げ
られている。この折り重ねられた部分は、粘着下面からのライナ片２６の取り外
しを容易にするようにプルタブ３０を画定する。医療従事者は、プルタブ３０を
用いてプルタブ３０を掴むかまたはその上を引っ張ることによって、ライナ片２
６を下面から離す。このプルタブのおかげで、粘着層からライナを分離するため
にライナの角端部または他の部分を引っ張る必要がない。当然、プルタブ３０は
種々の構成で設計することができる。例えば、プルタブをアンカーパッド１４の
中心線に沿って設ける必要はなく、むしろ、患者の皮膚の特定の部位にアンカー
パッド１４を適用するのを容易にするためにアンカーパッド１４の任意の線に沿
ってプルタブを設けることができる。例えば、関節におけるような、急な湾曲を
伴った患者の皮膚の領域では、プルタブは、中心線に沿わせるよりもアンカーパ
ッド１４の横方向端部の１つに向かって位置を調節しなくてはならない場合があ
る。

【００３０】 アンカーパッド１４はまた、保持具１６に近接するアンカーパッド１４の中央
部分を狭くする凹部３２を含んでいるのが好ましい。図２に図示した実施形態で
は、アンカーパッド１４は、概ね三日月状に形成されており、保持具の一方に凹
部３２を含みかつ他方に凸部３４を含んでいる。この形状によって、三日月のア
ーム部が挿入部位から遠ざかる方に延びるようにアンカーパッド１４を患者に配
置することができる。

【００３１】 保持具は、三日月形状を分岐させる軸線周囲においてアンカーパッド１４の中
心に位置しているのが好ましい。この結果、アンカーパッド１４の横方向側部は
、縦方向における保持具１６の前方および後方より大きな接触面積を有し、保持
具１６を挿入部位の近くになお配置可能なまま、患者に対してより高い安定性お
よび接着性を提供する。図示していないが、アンカーパッド１４はまた、保持具
１６の側面への縫合糸用および／または通気用の孔を含むこともできる。

【００３２】 ここで図５〜図８を参照すると、保持具ベース１８およびカバーアセンブリ１
９は、主として保持具１６を画定する。上記のように、図示した実施形態のカバ
ーアセンブリ１９は、カバー２０および２２を含んでおり、各カバーは、折り曲
げヒンジ３６のベース部に結合されている。この構成によって、保持具ベース１
８およびカバー２０および２２を一体に形成することが可能である。これは当業
者にはよく知られた種々の方法によって達成できる。例えば、製造コストを抑え
るために、保持具ベース１８およびカバーアセンブリは、射出成形することがで
きる。図５に示すように、一方のカバー２０は、閉鎖位置にあるが、他方のカバ
ー２２は、開放位置にある。

【００３３】 以下に明白になるように、カバーアセンブリおよび保持具ベース１８のいくつ
かの特徴は、望ましくは可撓性があることである。十分に強力であると同時に可
撓性のある適切な材料には、プラスチック、ポリマー、またはポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン、スチレン−ブタジエン、ナイロン、オレフィン、アクリル、ポ
リエステル、成形可能なシリコン、熱可塑性ウレタン、熱可塑性エラストマー、
熱硬化性プラスチック等の合成材料を含むが、これらに限定するものではない。
保持具１６は、テキサス州ヒューストンのＰｈｉｌｌｉｐｓ Ｐｅｔｒｏｌｅｕ
ｍから販売されているＫＲ０３樹脂のようなスチレン−ブタジエンポリマーを用
いて射出成形によって形成されるのが好ましい。しかし、他の材料を使用してよ
く、同じく保持具は、マルチピースベースまたはカバーを含み得る。

【００３４】 図５に示した実施形態では、保持具ベース１８は概ね中空で、概ね平行六面体
形の細長いボディを含んでいる。しかし、この保持具ベース１８は、特定の用途
に適合するように、円形、正方形または台形等の種々の形状に構成することがで
きる。例えば、保持具ベース１８は、アンカーパッド１４の形状（図１に示す）
またはウイングの付いたカテーテル取付具（図示せず）の形状と概ね適合するよ
うに構成されてよい。図示した実施形態では、保持具ベース１８とカバー２０お
よび２２とが一体に形成されかつ幾分長方形状のカテーテル取付ウイング（図１
２を参照）を捕らえることができるように、平行六面体形を用いることが好まし
い。

【００３５】 図５〜図７から分かるように、保持具ベース１８の下部壁３７は、上方に広が
る凹所４０を除き実質的に平坦な底面３８を含んでいる。凹所４０は保持具ベー
ス１８の底面３８に沿って、保持具ベース１８の一方の横方向から他方の横方向
に向かって横断方向に延在しており、以下に述べるようにポストおよび／または
ポストプラットフォームを受け取るのに十分な縦方向の幅および横断方向の深さ
を有している。

【００３６】 保持具ベース１８はまた、ポスト（以下に示す）と保持具ベース１８との結合
を容易にするために１つまたはそれ以上の開口部を含んでいる。このような開口
部は、保持具ベース１８の下部壁３７を延びており、保持具１６内に画定される
中空の受け入れ空間４２に向かって開かれている。図示した実施形態では、中央
円形開口部４４が、凹所４０の中央に形成されている。しかし、この開口部は、
保持具ベース１８の他の位置に設けることができる。

【００３７】 以下に詳細に説明するように、保持具１６は、少なくとも１つのポストを含み
、このポストは、本発明のいくつかの形態で保持具ベース１８に対して可動であ
る。したがって、保持具ベース１８は、ポストを受け取るために少なくとも１つ
の追加の開口部を含んでいる。この開口部は、ポストの形状に対して相補的な形
状を有することができるか、またはポストの形状に比例して大きくすることがで
きるか、あるいはポストの形状とは異なる形状を有することができる。ポストが
可動である本発明の形態では、この開口部は、望ましくは、ポストが少なくとも
１つの方向に可動となるようにその方向に細長くなる形状を有する。

【００３８】 図１〜図１２に示した実施形態では、保持具ベース１８は、２つのポストを受
け入れるために追加の２つの開口部４６を含んでいる。単一のポスト従って単一
の開口部が必要であるが、図示した実施形態は２つのポストおよび２つの開口部
を用いている。各ポスト開口部４６は、保持具１６が組み立てられるときに保持
具ベース１８の下部壁３７を通って対応するポストが突出するように対応するポ
ストに設けられている。しかし、当業者には理解されるように、保持具１６は、
本発明のアンカリングシステムの種々の用途においては３つ以上のポスト開口部
の対を含んでよい。

【００３９】 図５および図８を参照すれば最もよく理解できるように、図示した実施形態の
各ポスト開口部４６は、実質的に円形の領域４８およびこの実質的に円形の領域
４８から延びる細長スロット５０を含んでいる。実質的に円形の領域４８の直径
は、細長スロット５０の幅よりも大きく、細長スロット５０の幅は、対応するポ
ストの直径よりも広い。

【００４０】 本実施形態は、スロット５０は、異なるカテーテルまたはカテーテル取付具間
において取付孔の間の異なる横方向間隔を適応させるように、横方向に円形領域
４８から延びた状態で構成されている。しかし上記のように、このようなスロッ
トはまた、特定の用途に適合するように、縦方向にあるいは、縦軸線または横軸
線に対して傾斜した方向に延びていてもよい。また、図示した実施形態のスロッ
ト５０は、実質的に円形の領域４８から保持具ベース１８の中心に対して外側に
延びているが、この円形領域４８は、対応するスロット５０に沿った他の位置（
例えば、スロット外側の横方向端）に設けることも可能である。さらに、２つ以
上のスロットが円形領域４８から延びていてもよい。

【００４１】 図８から最もよく分かるように、スロットの一方の端部の形状は、スカラップ
形になっている。各スカラップ形の半径は、スロット５０を滑動する対応のポス
トの半径に概ね適合する曲率半径になっている。各スカラップ形の側方突端部５
２とこれに対向するスロット５０の端部との間の距離Ｄは、以下に示すように、
スロット５０内のポストが意図せず動くのを妨げるように対応のポストの直径よ
りも小さいのが好ましい。

【００４２】 図５〜図７に示すように、保持具ベース１８は、縦方向に中央開口部４４から
離間されかつ保持具ベース１８の下部壁３７から上方に延びる直立した前壁５４
および後壁５６を含んでいる。各開口部５８および６０が、各壁５４および５６
をそれぞれ２つに分けて、カテーテルが、一方の壁５４を通り次に受け取り空間
４２を通って保持具ベース１８の下部壁３７の上を通り続いて反対側の壁５６の
外に通り抜けることが可能となる。

【００４３】 保持具ベース１８の側壁６２および６４は、中央開口部４４から横方向に離間
されており、保持具ベース１８の下部壁から上方に延びている。これらの側壁６
２および６４は、保持具ベースの前壁５４および後壁５６とつながっている。側
壁６２および６４と前壁５４および後壁５６との間の角は、好適には丸くなって
る。

【００４４】 ベース１８は、壁５４、５６、６２および６４の上端によって概ね画定され開
いた上端部を有している。このため、保持具１６の形状は、実際には平行六面体
ではないが、概ね長方形の箱のような形状であり、上部壁がなくかつ中心開口部
５８および６０が前壁５４および後壁５６に形成されている。

【００４５】 ベース１８はまた、保持具ベース１８の前壁５４および後壁５６の部分が縦方
向に容易に曲がることを可能にする孔６６を含んでいる。以下に示すように、こ
の特徴はラッチ機構の操作に有利である。

【００４６】 保持具１６の縦方向、横方向および横断方向のサイズは、望ましくは、できる
だけ小さいものであると同時に、なおウイングを含んでカテーテル１２を受け取
りかつ固定させるものである。特に、前壁５４と後壁５６との間に画定される保
持具ベース１８の縦方向のサイズは、保持されたカテーテル１２の長さを固定さ
せるのに十分長いものである。すなわち、保持具１６内に固定されるカテーテル
１２の長さは、保持具１６に対してカテーテル１２が振動するのを妨げるように
十分なものである。保持具ベース１８の縦方向のサイズはまた、保持具１６の設
計を行うためにカテーテルのウイングの最大の長さを受け取るのに十分なもので
ある。

【００４７】 同様に、側壁６２と側壁６４との間に画定される保持具ベース１８の横方向サ
イズは、保持具１６の設計を行うためにカテーテルのウイングの最大の幅を収容
するのに十分な大きさである。また、横方向サイズは、カバー２０および２２お
よび／または保持具１６のポストを操作する間保持具１６のベース１８の便利か
つ自然な握りを提供することが好ましい。この横方向サイズはまた、以下に示す
ように本実施形態の取付ヒンジおよびラッチ機構に十分な幅を提供することが好
ましい。

【００４８】 ベース１８の横断方向の高さは、保持具１６の設計を行うためにカテーテルの
ウイングの最大の厚さに相当することが好ましい。カテーテル本体の大きさは、
そのウイングの厚さよりも大きくてよく、ベース１８は、これをカバー２０と２
２との間の開いた中央領域を介して収容する。したがって、保持具ベース１８の
横断方向の高さは、カテーテル１２よりも高いものである必要がなく、結果的に
保持具１６の外形は最小化される。

【００４９】 受取り空間４２は、ベース１８の横方向壁６２と６４との間の保持具ベース１
８上に形成されている。この受取り空間４２は、望ましくは、カテーテルの管腔
を塞ぐことなくカテーテルまたはカテーテル取付具の一部分を、特にそのウイン
グを受け取りかつ保持するように形成される。

【００５０】 図５および図７に示すように、カバー２０および２２の大きさおよび形状は、
ベース１８の縦方向のサイズと同一の広がりを持つことが望ましい。各カバー２
０および２２は、ベースが縦方向に延びているのと少なくとも同じだけ延びてい
るのが好ましいが、カバー２０および２２は、ベースの縦方向のサイズ全体に及
んでいる必要はない。これについては以下で考察する。いくつかの形態では、カ
バー２０および２２は、ベース１８に比して縦方向に大きいことが望ましい。カ
バー２０および２２はまた、ベース１８の縦方向のサイズを超えて突出すること
によって、カバーのラッチ機構の操作に有用なフランジ６８を含むことができる
。これについては以下で考察する。他の形態では、カバーはフランジ６８を含む
必要がない。

【００５１】 各カバー２０および２２は、各カバー２０および２２に少なくとも２つの位置
を提供するように少なくとも１つのヒンジ３６によって結合されているのが好ま
しい。この２つの位置のうち１つは開放位置であって、ベース１８の受取り領域
４２が露出されかつカテーテルまたは取付具がそこに挿入することができる。も
う１つの位置は閉鎖位置であって、カバー２０および２２は、ベース１８の上方
に配置されかつ受取り領域４２の少なくとも一部分を被覆している。閉鎖位置で
は、以下に示すようにカバー２０および２２は、ラッチ機構によって所定位置に
保持されて、保持具ベース１８の受取り領域４２からカテーテルまたはカテーテ
ル取付具が意図せず動くことが妨げられる。このカバーは、閉鎖位置にあるとき
に必要なラッチ機構構成要素を適応させるようにかつポスト７０の少なくとも一
部分を越えて延びるかまたはその周囲に延びるように（おそらくはポストの上端
を受取るように）十分な大きさになっているのが望ましい。以下に詳細に説明す
るように、ポスト７０の上部部分とカバー２０および２２との間の相互作用は、
カバー２０および２２に対するポスト上端の動きまたは遊びを妨げる。この結果
、この相互作用は、ポスト７０とカテーテル１２との間の確実な結合を維持する
ためにカテーテルが強く引っ張られるときに、ポスト７０が少なくとも縦方向に
歪んだりまたは曲がったりするのを妨げる。

【００５２】 図５〜図７に示した実施形態では、カバーアセンブリ１９の各カバー２０およ
び２２は、ヒンジ３６およびラッチ機構を備えているため、各カバーは、独立し
て開放位置または閉鎖位置に配置することができる。この実施形態では、図２お
よび４に示したように、カバー２０および２２は、両方が閉鎖位置にあるときに
は互いに接触することはない。両方のカバーは、保持具ベース１８の側方部６２
および６４から保持具１６の中心に向かって延びるが、閉じたときにはその構成
要素が接触しないようにカバー２０および２２の横方向サイズを縮小することに
よって、仮にカバーが接触する場合にはカバーの下に収容され得ることになるだ
ろう高さを越えて横断方向に延びるカテーテルまたは取付具を有効に固定するこ
とが可能となる。このような「中央が分厚い」カテーテルまたは取付具の受け入
れを可能にすることによって、アンカリングシステム１０は、より適合性が高く
なり、上記のようにより低い外形になる。保持具１６およびポストがどのように
カテーテル１２を保持するかを、図４に示している。

【００５３】 各カバー２０および２２上には凹所７２が形成されており、該凹所７２は、カ
バーが閉鎖位置にあるときにベース１８の対応する半分の上においてポスト開口
部４６上方に位置することになる。この凹所７２は、ポスト開口部４２の実質的
に円形の領域４８の真上の地点から、対応するポスト開口部の細長スロット５０
の長さに沿って延びるのが好ましい。この凹所７２は、対応するポスト開口部４
６を通って突出する対応するポスト７０の上端を自由に受け取るように十分深く
かつ十分幅が広いために、ポスト７０は、カバー２０および２２が閉鎖位置に移
動するのに妨げないことが望ましい。この凹所７２はまた、ポスト７０が縦方向
に曲がるのを妨げるようにカバー２０および２２が閉じたときにポスト７０の上
端を受け取る。当然ながら、いくつかの用途においては、ポスト７０は、カバー
の動きを妨げることなく、かつ、縦方向にポストが延びるのを妨げるようにカバ
ーがポストの一部分を捕えて、カバー２０および２２を通って延びる。

【００５４】 図７から分かるように、カバー２０および２２は、可撓性のある継手またはヒ
ンジ３６によってベース１８に結合される。各ヒンジ３６は、好ましくは、種々
の数の形状を取ってベース１８にカバー２０および２２を物理的に結合可能であ
る可撓性のあるバンドを備え、また、以下に示すようにこれらの部品の係合また
は取外しが可能になるようにベース１８に対するカバー２０および２２の枢動を
可能にする。

【００５５】 図示した実施形態では、バンドは、可撓性材料、望ましくはベース１８とカバ
ー２０および２２とが構成されるのと同じ材料で形成される。有利には、ヒンジ
３６は、上記のように一体の部材を形成するようにベース１８とカバー２０およ
び２２と一体になって成形される。ヒンジ３６は、ベース１８およびカバーアセ
ンブリ１９の外端部に設けられている。しかし、ヒンジ３６は、保持具ベース１
８またはカバーアセンブリ１９の横方向の先端に設ける必要はない。図示した実
施形態は、ヒンジ３６が、製造を容易にするためにベース１８の上端と同じ面に
近接して配置されることを示している。

【００５６】 図５から最もよく分かるように、ヒンジ３６の幅は、縦方向に測定すると、ベ
ース１８にカバー２０および２２を係合させるかまたは係合を解くときにある程
度のゆとりまたは遊びができるように、ベース１８または、カバー２０および２
２のいずれかの幅より小さいことが望ましい。すなわち、この形状によって、ヒ
ンジ３６が、ある程度ねじれて製造上の公差を補償することができる。しかし、
このヒンジは、ベース１８および／またはカバー２０および２２の縦方向のサイ
ズと少なくとも同じぐらいの大きさにすることができる。

【００５７】 このヒンジ３６は、カバー２０および２２ならびにベース１８の共通の対応す
る外面に沿って一体に形成されることが望ましい。各ヒンジ３６は、カバーを閉
じたときには概ねＵ字状７４になり、ベース１８とカバー２０および２２との両
方から保持具１６の側部に対して横方向に延びる。ヒンジ３６の横断方向の高さ
に対応する間隙が、保持具ベース１８とカバー２０および２２との間に存在して
いる。しかし、いくつかの用途に対しては異なるヒンジ設計を用いることによっ
て、この間隙は縮小できるかまたは保持具から除去することができる。

【００５８】 ヒンジ３６は、各カバー２０および２２が開放位置と閉鎖位置との間を動くの
を可能にする。図５および図７のカバー２２によって示した開放位置の特徴は、
対応するポストを横断方向に露出することである。図３に示すように両方のカバ
ーが開放位置にある場合、保持具１６は、カテーテル１２を受け取ることができ
る。図４、図５および図７に示した閉鎖位置の特徴は、カバー２０が、カバー２
０の凹所７２内にポストを配置するようにベース１８と接触してまたはベース１
８と近接して位置することにある。図４に示すように、両方のカバー２０および
２２が閉鎖位置にある場合、保持具１６は、カテーテル１２の受取り位置を包囲
する。 ヒンジ３６は、閉鎖位置および完全な開放位置を確立するように、ベース１８
に対してカバー２０および２２に１８０°の動きを提供する必要はない。例えば
、ヒンジ３６は、カバー２０および２２が開くと保持具１６内にカテーテル１２
を横断方向に挿入できるように十分な間隔をなお提供しつつ、ベース１８とカバ
ー２０および２２との間をより小さな角度（例えば、９０°）で動くことができ
る。

【００５９】 ベース１８にカバー２０および２２を保持しかつ保持具１６にカテーテル１２
または取付具を有効に保持するために、ベースおよびカバーは、カバーが閉鎖位
置にあるときに相互係合する構造を含んでいる。図６において分かるように、ラ
ッチ機構８０が、ベース１８に対して閉鎖位置にカバー２０および２２を固定す
るように設けられている。このラッチ機構８０は、少なくとも１つの可動キーパ
８２および少なくとも１つのラッチ８４を備えている。図６の図示した実施形態
では、キーパ８２は、カバー２０上に配置され、ラッチ８４は、ベース１８上に
配置されている。しかし、当業者であればキーパを保持具ベース上に配置し、ラ
ッチをカバー上に配置できることが理解されよう。

【００６０】 各キーパ８２は、カバー２０から保持具１６の保持具ベース１８に向かって、
カバー２０の下側（図６におけるようにカバーが閉鎖位置にあるときに見いださ
れる「下」）から延びる。各キーパ８２は、カバー２０から延びるとともに、カ
バーから最も遠い端部に、対応のラッチ８４の方向に延びるタング８６を有する
。このタング８６は、図６に示したように丸いが、このタングは横断方向軸線に
対して概ね垂直に（例えば垂直から±１５°）広がる表面を有することができる
。

【００６１】 ラッチ８４は、カバー２０が閉鎖位置にあるときにキーパ８２のタング８６と
相互に作用する位置においてベース１８上に形成される突出部８８を含んでいる
。これは図６に示している。図示した実施形態では、突出部８８は、ベース１８
の前壁５４および後壁５６上に形成されている。ラッチ８４は、ベース１８の孔
６６に近接する位置で、保持具ベースの前壁５４および後壁５６に沿って設けら
れている。ラッチ８４をこのような位置に設けることによって、縦方向により曲
がり易くなる。これは、孔６６が、その領域のベース１８の抵抗を低減して変形
させるためである。

【００６２】 カバー２０が閉鎖位置に移動するにつれて、キーパ８２は、タング８６がラッ
チ８４の突出部８８を過ぎるにしたがって曲がり、次に、一旦タング８６が突出
部８８を過ぎると緩むかまたははね返り元の状態に戻る。この動きは、カバー２
０が閉鎖位置から意図せず外れるのを妨げる。突出部８８の下側は、カバーが閉
じたときにそれらの間の係合を容易にするためにタング８６の形状に対して相補
的であることが好ましい。図示した実施形態では、突出部８８は、キーパ８２の
タング８６と同様に丸くなっていることが好ましい。別の変形例では、この突出
部は、下部壁３７の平面に対して上方に約１０°の状態で含まれる概ね平坦な下
面を有しており、タング８６の上面は、下方に１０°傾斜した同様の表面を有し
ている。

【００６３】 ラッチ機構８０の取外しを可能にするためには、キーパ８２が、タング６８が
ラッチ８４の突出部８８を過ぎるときに撓む必要がある。操作の１つのモードで
は、これは、フランジ６８またはカバー２０の他の延長部を押すことによって達
成される。フランジ６８を押すことによって、カバー２０は、撓んでラッチ８４
の突出部８８から離れるようにキーパ８２のタング８６を動かし、これによって
カバーに過剰な力を及ぼすことなくカバー２０は閉鎖位置から外れ得る。このよ
うなフランジ６８は、保持具１６のカバー２０と一体に形成されることが望まし
い。凹所７２によって生じる、その中心部に沿ってカバー２０の厚さが薄くなる
ことにより、カバーは、そのように曲がることが可能となる。

【００６４】 図７から最もよく分かるように、各カバー２０および２２はまた、その内側端
部（例えば、中央開口部４４に最も近い端部）に形成されたオーバーハング部９
０を含んでいる。このオーバーハング部９０は、カバーを開ける別の形態では、
医療従事者が指先または爪をオーバーハング部の下面に滑り込ませてカバー２０
および２２を引き上げることができるような大きさであるのが好ましい。加えら
れる上方への力によって、タング８６は、突出部８８上を滑動してラッチ機構８
０を解除する。結果として、オーバーハング部９０は、カバー２０および２２を
開く別の方法を提供する。

【００６５】 図示した実施形態では、各カバー２０および２２は、２つのキーパ８２を備え
、ベース上に２つのラッチ８４を必要とする。各カバー上のラッチ機構８０は、
相互の鏡像のように形成されている。

【００６６】 保持具の製造および組立を支援するために、ポストプラットフォーム９２の一
部分としてポストを形成してもよい。複数の可動ポスト７０を含んだポストプラ
ットフォーム９２の一実施形態を、図９、図１０および図１１に示す。このポス
トプラットフォーム９２は、ベース１８にポストプラットフォーム９２を結合す
る取付ボタン９４と、ベース１８内のポスト開口部４６を通って延びるように構
成されたポスト７０と、取付ボタン９４に対してポスト７０を少なくとも最初に
保持するコネクタ９６とを含んでいる。図示した実施形態では、ポストプラット
フォーム９２は、ベース１８内の開口部４４に取付ボタン９４を合わせ、ポスト
開口部４６を通してポスト７０を挿入し、かつベース１８の下側にある凹所４０
に向けてポストプラットフォーム９２を上方に押しつけることによって、下方か
ら保持具ベース１８に取り付けられる。ポストが完全に挿入されると、取付ボタ
ン９４の上部のより大きな半径は中央円形開口部４４内の所定位置にカチッと納
まる。一変形例では、取付ボタン９４の上部は、下部壁３７の上部に形成された
皿穴内に配置することができる。次に、ポスト７０の対は、ベースのポスト開口
部４６を通って突出し、ベース１８内の各ポスト開口部４６の横方向範囲内で横
方向に動き得る。

【００６７】 本実施形態は、取付ボタン９４および相互に結合されたポスト７０を示してい
るが、この配置は、保持具の有利な操作に必ずしも必要というわけではない。当
業者であれば、ポストプラットフォーム９２上の結合されたポスト７０の配置は
、主として保持具の製造および構成を容易にするためのものであることが理解さ
れよう。

【００６８】 取付ボタン９４は、下側または近位側からベース１８の中央円形開口部４４を
通して取付ボタン９４を挿入可能な直径の円筒形ペグを含んでいる。この円筒形
ペグの遠位部分の半径は、取付ボタンの近位部分に比してより大きい。この上部
の半径はまた、ベース１８内の中央円形開口部４４に比してわずかに大きくなっ
ている。取付ボタン９４の上端は、保持具ベースの中央円形開口部４４を通して
ボタンが容易に挿入できるように面取りされているのが好ましい。一旦ボタンが
中央円形開口部に挿入されると、取付ボタン９４の遠位部分にあるより大きな半
径によって、ボタンが近位方向に保持具ベース１８から引き抜かれるのを妨げら
れる。

【００６９】 図１１に示したコネクタ９６は、取付ボタン９４の最も低い部分からの延長部
を含んでおり、この延長部は、そこから横方向に延びかつポスト７０の最も低い
部分と結合している。このようなコネクタ９６によって、ポスト７０が配置され
る取付ボタン９４からの距離を、保持具を組み立て後に変動させることができる
のが望ましい。

【００７０】 これを達成する１つの方法を、図９、図１０および図１１の実施形態に示して
いる。各コネクタ９６は、横方向にある角度で取付ボタン９４から遠ざかるよう
に保持具ベース１８対して平行に延びるリーシュを含んでいる。このリーシュは
、完全に延びたときには直線状になるか、または半ループ状となったあるいは湾
曲した経路に従うことができる。この経路はまた、ジグザグ形または同様の形状
を取ることができる。このリーシュの形状によって、リーシュを曲がるようにす
ることによりリーシュの横方向延長部を調節可能となっている。図示した実施形
態では、各コネクタ９６は、ポスト開口部４６内における最も遠い横方向位置か
らポスト開口部内における円形部分４８により画定される最も近い横方向距離ま
での範囲の距離に渡ると同時に無傷の状態を保つのに十分な可撓性を有する。図
示した実施形態では、これは、リーシュが曲がるかまたはリーシュ自体の上に折
り重なることを可能にすることによって達成される。一変形例では、ポスト７０
を内側または外側に偏らせるようにリーシュを構成してよい。しかし、別の変形
例では、一旦ポスト７０がベースの中に組み立てられると、ポストは、共にリー
シュで拘束されている必要がなくなるので、リーシュを組み立て後に切れるよう
に設計することができる。

【００７１】 ポスト７０の１つは、各コネクタ９６の横方向端部に配置されている。ポスト
７０は、ポストプラットフォーム９２の対応するコネクタ９６に取り付けられて
いる最も低い部分から遠位方向に横断方向に延びる実質的に円筒形の部材を含ん
でいる。ポスト７０はまた、円筒形の長さに沿って遠位に設けられたフランジ９
８を含み、該フランジ９８は、ポストプラットフォーム９２がベース１８の保持
具内に挿入されるとベース１８の下部壁３７上に位置する。フランジ９８の半径
は、ポスト開口部４６の細長スロット５０の半径よりも大きいが、ポスト開口部
４６の円形断面４８より小さいことが好ましい。このような方法で、フランジ９
８は、ポスト７０と共にポスト開口部４６の円形断面４８に挿入することができ
、次にポスト７０を細長スロット５０の長さに沿ってある位置に動かす際に保持
具のベース１８の上方に位置したままにすることが可能である。フランジ９８は
、ポスト７０を固定し、かつベース１８に対してその適切な位置を維持する。す
なわち、フランジ９８は、横断方向に直立した位置にポスト７０を維持し、ポス
トが著しく揺動するのを妨げる。

【００７２】 ポスト開口部４６の円形領域４８は、ポスト７０が配置されることが望ましい
最も内側の横方向部分に配置され、トラック５０は、ポスト７０が配置されるこ
とが望ましい最も外側の横方向部分まで延びている。ポストを横方向に動かすこ
とによって、スロット５０の長さに沿った任意の位置で所望するようにポスト７
０を位置決めすることができる。上記のように、スロット５０の長さに沿って、
一連の突出部またはスカラップ形終端部５２が、配置され、該突出部５２は、ス
ロット５０内に延びかつ各突出部５２の位置にあるスロットの幅を効果的に狭く
する。突出部５２の位置では、スロット５０の幅はポスト開口部４６を通って延
びるポスト７０の幅に匹敵するか、またはその幅よりもわずかに狭くなっている
。この配置は、ポスト７０を所望の位置に位置決めしかつ次にポストをその位置
に保持するラチェッティング動作を提供する。

【００７３】 保持具ベース１８およびポスト７０の材料は、わずかに弾性があるため、突出
部のスロットの幅がポスト７０の直径よりも狭い場合であっても、スロット５０
に沿って突出部５２を過ぎて、突出部間で幅が広くなっているスロット部分に対
してポストを押すことができる。しかし、一旦ポストがスロット５０の長さに沿
って所望の位置になれば、突出部５２は、ポスト７０が所望の位置から意図せず
に横方向に動くのを妨げる。このラチェッティング配置によって、一旦位置決め
されたポストが望ましくない不意の動きをすることなく突出部５２の間にある所
望の横方向位置にポスト７０を効果的に位置決めすることが可能になる。

【００７４】 本実施形態に示したポスト７０の数は２本であるが、任意の数のポストを用い
て特定の目的物を収容してよい。例えば、特定のカテーテル取付具が４つの孔を
含んでいる場合、その取付具を保持するように設計された保持具は、保持具のベ
ース内の４つのポスト開口部を通して延びる４本のポストを有しているのが望ま
しい。同様に、「Ｙ」字型カテーテルまたは取付具が保持される場合、３本のポ
ストを用いて所望の安定性を提供することができる。

【００７５】 ポスト７０および／またはポストプラットフォーム９２は、既知の種々の製造
方法を用いて種々の材料から形成することができる。例えば、ポスト７０および
／またはポストプラットフォーム９２は、射出成形することができる。このよう
な適切な材料には、プラスチック、ポリマー、またはポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン、スチレン−ブタジエン、ナイロン、オレフィン、アクリル、ポリエステ
ル、成形可能なシリコン、熱可塑性ウレタン、熱可塑性エラストマー、熱硬化性
プラスチック等の合成材料を含むが、これらに限定するものではない。ポストお
よびポストプラットフォーム９２は、デラウェア州ＷｉｌｍｉｎｇｔｏｎのＥ．
Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ Ｃｏｍｐａｎｙから市販されているＺｙｔｅｌ １０１Ｌ
のようなナイロンを用いて射出成形によって形成することが好ましい。しかし、
他の材料を用いてよく、ポストプラットフォームは、マルチピースアセンブリを
含み得る。

【００７６】 保持具ベース１８にポストプラットフォーム９２を取り付けた後、次にアンカ
ーパッド１４の上面２４に保持具１６を取り付ける。このベース１８は、溶剤接
着性のシアノアクリレートまたは他の接着材料によって上面２４に固定すること
が望ましい。このような接着剤の１つは、Ｐａｒｔ第４６９３号としてＭｉｎｎ
ｅｓｏｔａ Ｍｉｎｉｎｇ ａｎｄ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ Ｃｏｍｐａ
ｎｙ（３Ｍ）から市販されている。特定の種類のポリマー（例えば、スチレン−
ブタジエンポリマー）に関しては、当業者には知られているように、紫外線硬化
接着剤を用いてもよい、アンカーパッド１４に保持具ベース１８を取り付ける際
には、同様にアンカーパッドにポストプラットフォーム９２を固定しないことが
重要である。このモードにおけるポスト７０は、ポスト７０が種々の望ましい位
置の間を適切に動くことができるように、ベース１８の下側の凹所４０の内側お
よびポスト開口部４６の内側を自由に滑動するようになっていなければならない
。

【００７７】 アンカリングシステム１０は、保持具１６にカテーテルを取り付ける取付具を
選択的に含むことができる。取付具を使用する場合、従来のボックスクランプお
よびソフトウイングクランプの形式を取ってよい。ボックスクランプおよびソフ
トウイングクランプは、そのＣＶＣと共に使用するようにＡｒｒｏｗ（登録商標
）社から市販されている。現在、Ｑｕｉｎｔｏｎ（登録商標）血液透析カテーテ
ル、Ｃｏｏｋ（登録商標） ＰＩＣＣ’ｓ，Ｂａｘｔｅｒ（登録商標） ＣＶＣ
およびＢ．Ｂｒａｕｎ（登録商標） ＣＶＣと共に使用する縫合糸ウイング延長
部を有する他のクランプが市販されている。上記または他のクランプ構成のいず
れかを用いた本発明の適用例を当業者なら見つけられよう。以下の考察から明白
になるように、取付具はまた、供給ライン、送出ラインまたは排出ラインを結合
するために使用されるような相互ラインコネクタまたはアダプタと置き換えるこ
とができる。

【００７８】 アンカリングシステム１０が上記のように組み立てられると、それらが閉鎖位
置にある場合に保持具ベース１８とカバー２０および２２との間に形成される受
取り空間４２は、チャネルを画定する。このチャネルは、カテーテルの一部分ま
たはある長さを受け入れることができ、作用を受けたカテーテル部分を収容し掴
み固定するように概ね構成されている。図示した実施形態では、このチャネルの
形状は、概ね対称である。しかし、Ｙ部位のカテーテルを支持するような特定の
用途には他の断面形状を使用することができる。

【００７９】 チャネルの形状は、その用途に応じて（すなわち、保持具が使用されるように
設計された、保持される医療用物品の部分の形状に応じて）変化させてよいが、
上記のようにチャネルの長さは、前述のようにカテーテルの支持台として機能す
るのではなく、カテーテルを安定させるように縦方向に十分なものであることが
望ましい。すなわち、保持具１６は、十分な長さのカテーテルを受け取って、カ
テーテルをねじらせることなく、横方向、縦方向および横断方向にカテーテルが
動くのを妨げる（すなわち、カテーテルが、揺動したり、傾いたり、または軸方
向に動いたりするのを妨げる）。

【００８０】 チャネルの内部幅は、ポスト７０の位置を調節することによって変えることが
できる。ポスト間の距離は、スロット５０に沿ってポストを動かすかまたはスラ
イドさせることによって調節することができる。これは、アンカリングシステム
１０を、同様の接合構成または縫合孔用の間隔を持たなくてよい多様なカテーテ
ルまたはカテーテル取付具と共に用いるときに特に重要となる。

【００８１】 カバー２０および２２が閉鎖位置にある場合、カテーテル１２の一部分は、保
持具１６内に取り込まれる。このため、保持具は、カテーテルの保持された部分
が横断方向および横方向に動くのを、妨げなくても、少なくともその動きを制限
する。横断方向の動きはまた、カバー２０および２２がポスト７０の高さだけ開
いている場合にも制限され、これによりカテーテル１２および／またはカテーテ
ル取付具の上方への移動が妨げられる。カテーテル１２が保持具１６内に固定さ
れているときにカテーテルが縦方向に動くのを妨げることは、ポスト７０および
孔によって達成されるのが望ましい。 操作 図３、図４および図１２から最もよく分かるように、操作中に、カバー２０お
よび２２は、閉鎖位置に向かって動かされる。ヒンジ３６を形成する材料からな
る比較的薄いストリップによって、指で加えた力がカバーに及んだときにヒンジ
が曲がってカバーを閉じることができる。キーパ８２端部にあるタング８６は、
カバー２０および２２が閉鎖位置に接近したときに保持具ベース１８上のラッチ
８４の突出部８８と接触する。連続的に圧力が加えられると、キーパ８２は、タ
ング８６が突出部８８を越えて通過できるように内側に（相互に向き合う方に）
動かされる。カバー２０および２２が保持具ベース１８の上に位置すると歪むキ
ーパ８２によって提供されるバネ力が加わると、タング８６は、突出部８８上方
にカチッと嵌まる。タング８６とラッチ８４の対応する面との間の相互作用は、
カバーをこの位置で保持する。

【００８２】 ラッチ機構８０を解除するには、上記のように、医療従事者は、カバー２０お
よび２２の突出しているフランジ６８を内側に押し込むか、またはカバー２０お
よび２２を持ち上げる。結果的に内側に向けられる力が、ラッチ８４の突出部８
８を離れるように、キーパ８２を曲げかつタング８６を内側に移動させる。次に
、医療従事者は、カバーを開けてポスト７０および保持具ベース１８を露出させ
る。

【００８３】 カバー２０および２２と保持具ベース１８との間のこの解除可能な係合によっ
て、より長い時間同じ保持具１６を使用することができると同時に、アンカリン
グシステム１０にカテーテル１２または取付具を繰り返して取り付けたりまたは
取り外したりすることが可能となる。さらに、保持具ベース１８にカバー２０お
よび２２を結合するヒンジ３６は、確実に、カテーテル１２がアンカリングシス
テム１０から取り外されたときに失われたりまたは間違った場所に置かれないよ
うにする。医療従事者は、置き場所が間違われたカバーを探したり、またはラッ
チを行うのに先立ってカバーを正しい方向に向けたりするのに時間を浪費しなく
て済み、また医療従事者は、アンカリングシステムからカテーテルを取り外すた
めに別の器具を運ぶ必要はない。

【００８４】 医療従事者は、上記のアンカリングシステム（または容易に明らかなアンカリ
ングシステムの変形）を用いて、患者にカテーテル（または他の医療用物品）を
固定することができる。医療従事者は、まず保持具１６を開けてポスト７０を露
出させる。一旦開けられると、カテーテル１２は、図３および図１２に示すよう
にポスト７０上方において横断方向に位置調整することができる。次に、カテー
テル１２を、ポスト７０間に形成されたチャネルに位置決めすることができる。
任意選択で、カテーテル１２または取付具のいずれかに形成された開口部を、ポ
スト上で滑動させて、保持具１６にカテーテルをさらに固定することができる。
一旦カテーテルがポストによってそのように固定されると、図４に示したように
、カバー２０および２２は閉じて、上記のような方法でラッチされる。

【００８５】 カテーテル１２が縦方向に引っ張られると、ポスト７０および孔の保持効果に
よって、カテーテルが保持具１６を通して引き抜かれることが妨げられる。この
ため、保持具は、カテーテルが保持具に対して縦方向に動くのを妨げる。ベース
１８、カバー２０および２２、ポスト７０および孔の間の相互作用は、横断方向
および横方向のカテーテル１２の動きを制限する。ポスト７０とカバー２０、２
２の間の相互作用はまた、ポスト上端が、仮にそうなれば、カテーテルがポスト
から滑り落ち得る縦方向に著しく曲がるのを妨げる。

【００８６】 重要なことは、カテーテルがチャネルおよびポスト周囲に挿入されたときに、
保持具ベース１８およびカバー２０および２２が、カテーテル本体を曲げたり、
またはねじれさせたりしないことである。さらに、ポストは確かにカテーテル本
体を圧迫はするが、圧力が制限されていることにより、対応するカテーテル内腔
は、著しく塞がれない。 固定位置のポストプラットフォーム 上述したものの変形は、同じアンカーパッド１４と、保持具ベース１８と、カ
バー２０および２２とを用いるが、上述したものの代わりに異なるポストプラッ
トフォーム１００を用いることによって行われる。具体的には、この代替実施形
態のポストプラットフォームは、可動ポストを提供しない。つまり、ポストは、
ポストプラットフォーム上の固定位置にあるので、ユーザは、ポストの間隔を調
節することができない。

【００８７】 本実施形態と一致するポストプラットフォーム１００の一実施例を、図１３〜
図１６に示す。ポストプラットフォーム１００はなお、コネクタ１０２と、取付
ボタン１０４と、ポスト１０６とから構成されている。コネクタ１０２は、ポス
ト１０６と取付ボタン１０４との間の距離を調節可能であり可撓性のあるリーシ
ュであるコネクタの代わりに、各ポスト１０６の最も低い部分としても機能し取
付ボタン１０４の最も低い部分の横方向延長部を含んでいる。可撓性を有する必
要がないので、コネクタの形状は単純化される。この固定されたポスト配置はま
た、位置が可動であるポストプラットフォーム９２に比してより大きな安定性を
ポスト１０６に提供する。このような実施形態においては、上記の図９および図
１０に関して記載したフランジ９８を使用する必要がないことに注目することが
、最も重要である。このフランジは、ポスト１０６が保持具ベース１８を通って
延びるときにポスト１０６に縦方向および横方向の安定性を提供する必要がない
だけでなく、もしこのようなフランジが存在すれば、ポスト１０６がポスト開口
部４６の円形領域４８の真下に直接配置されないいかなる場合においても、ポス
トプラットフォーム１００が保持具ベース１８に挿入されるのを実際に妨げるこ
とになる。このフランジ９８を取り除くことによって、ポストの位置が保持具１
６のベース１８内のポスト開口部４６の長さに沿ったどこかの位置にありさえす
れば、固定位置のポストプラットフォーム１００は、ポスト１０６間に所望の間
隔で製造されてよい。

【００８８】 固定位置のポストプラットフォーム１００を製造することによって提供される
より高い剛性および安定性によって、保持具１６を容易に組み立てることが可能
となる。これはまた、ポスト１０６の位置を調節して異なるサイズのカテーテル
またはカテーテル取付具を収納する可能性をなくすが、ポストの位置が予め固定
位置にあることが分かっているときにより単純な設計を用いることが可能となる
。

【００８９】 さらに、固定位置のポストプラットフォーム１００を使用すれば、アンカーパ
ッド１４にポストプラットフォーム１００の下側を取り付けないようにする必要
がないために、アンカーパッド１４に保持具ベース１８を接着剤で取り付ける工
程が単純化される。図１７および図１８を比較すること。図１７に示した可動ポ
スト配置では、ポストプラットフォーム９２および、特にコネクタ９６は、ポス
ト７０を動くようにするために自由に撓みかつ延びるようになっていなければな
らない。しかし固定位置のポストプラットフォーム１００（図１８に示す）では
、ポストが動くのは不可能である。したがって、ポストプラットフォーム１００
は、保持具のベース１８がアンカーパッド１４に取り付けられるのと同じ方法で
アンカーパッド１４に接合されることが、許容可能でありかつさらに望ましい。

【００９０】 固定位置のポストプラットフォーム１００は、可動ポストプラットフォーム９
２と関連して上記のいずれの材料からも形成することができる。好ましい一実施
形態における固定位置のポストプラットフォーム１００は、Ｐａｒｔ第１４４Ｒ
号としてＧｅｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ Ｃｏｍｐａｎｙから市販されてい
るＬｅｘａｎポリカーボネートから射出成形される。 単一可動ポスト保持システム 本発明のその他の好ましい実施形態を、図１９および図２０に見ることができ
る。図示されているアンカリングシステム２１０は、保持具２２０とアンカーパ
ッド２９４とを含んでいる。保持具２２０は、カテーテル２１２（図２８）の一
部分を直接または取付具２１４を介してアンカリングシステム２１０内に収容し
かつ保持するようなサイズであり、かつ、１本のまた好適には２本以上のポスト
２３０、２５０を伴って構成されている。保持具２２０は、ベース２２２とカバ
ー２２４とを備えている。カバー２２４は、ベース２２２に取り外し可能に取り
付けられ、また開放位置と閉鎖位置との間を可動である。アンカーパッド２９４
は、患者の皮膚に保持具２２０を固定する。アンカーパッド２９４は、本発明の
先の実施形態で使用するために前述したアンカーパッドと概ね同類である。

【００９１】 前述の実施形態とは異なり、本発明のこの実施形態は、複数のポストを含むポ
ストプラットフォームを使用していない。むしろ、この実施形態では、一方のポ
ストが、保持具のベースと一体に形成され、他方のポストは、ベースの底部に沿
って延びるトラック内に横向きに挿入される。この実施形態では、可撓性と強度
の特性が同じであり、形成が簡単であるので、この実施形態を構成するには、先
の実施形態を構成するのに好適であった材料と同じ材料が最も好適である。

【００９２】 以下に記載する実施形態は、様々な構成部品向けの特定範囲のサイズを用いて
説明されるが、記載のサイズは単なる例にすぎない。ここに記載する本発明のど
の実施形態の構成部品も、カテーテルまたは取り付けられる他の器具に適してい
さえすればどのサイズにしても良く、またはそうではなく器具が使用される環境
に応じて必要なサイズにしてもよいことが当業者には理解されよう。

【００９３】 図示した実施形態は、第１の面と第２の面２２６、２２８を含むベース２２２
を示している。第１の面２２６は、基本的にベース２２２の一方の横方向端部の
間にあり、第２の面２２８はベース２２２の反対側の横方向端部にある。

【００９４】 図２１は、ベース２２２の第１の面２２６と一体に形成され、そこから上方に
延在形成された固定ポスト２３０を示している。ベース２２２は、一対のポスト
（第２の可動ポストは後述する）を含んでいることが望ましい。しかし、ベース
２２２は、特定の用途に適応するように追加のポストを含むことができる。例え
ば、保持具２２０が比較的大きい取付具を固定するように設計されている場合は
、ベース２２２は、安定性をより高めるために矩形の角に配置された４本のポス
トを含むことができる。同様に、Ｙ字形の取付具をしっかりと固定するため、３
本のポストを使用することができる。

【００９５】 図２２に示すように、固定ポスト２３０は、ベース２２２に取り付けられ、か
つそこから上方に延在するシャンク、もしくはシャフト２３２を含んでいる。特
定の用途、およびカテーテル２１２を取り付けるために相互に作用する特定の取
付具に応じて、ポスト２３０を様々な長さにすることができる。カテーテルおよ
び医療用チューブを固定するため、固定ポスト２３０の長さは約２０ｍｍ、また
はそれ未満、特に約７ｍｍであることが望ましい。しかし、それ以上の長さ、ま
たはそれよりも短い長さも可能である。固定ポスト２３０のシャフト２３２は、
以下により詳細に記載するように構造的な機能を実施するのに充分な直径を有し
ており、これはベースとポスト用に選択される材料に左右される。図示したポス
ト２３０は、直径が０．５ｍｍと３．０ｍｍとの間、特に約１．５ｍｍのやや弾
性のある材料からなる。しかし、図示した実施形態は、ウィング付きのカテーテ
ルまたはカテーテル取付具の場合に最も一般に使用される円形の孔に最良に適合
するように概ね円筒形に構成されているシャフト２３２を示している。しかし、
シャフトは、様々な他のカテーテルまたはカテーテル取付具の孔の構造に適合す
るように、正方形、三角形、楕円形、多角形などのような他の多くの形状で構成
することができる。

【００９６】 図２３は、ベース２２２内に形成されたトラック２４２を示している。トラッ
ク２４２は、横方向軸線に沿って概ね直線状に配置され、かつ固定ポスト２３０
に近接して、ベース２２２の第２の面２２８へと延在形成されている。トラック
２４２は、可動部材を収容するのに十分な幅を有している。トラック２４２のエ
ッジは、可動部材がトラック２４２の一部に引っ掛からずに滑らかにトラック２
４２内を移動、または慴動できるように、比較的平滑でかつ連続した構造である
。

【００９７】 トラック２４２は、図２４に見られるように、第１の溝２４６と第２の溝２４
８とを有する概ね逆Ｔ字形の構造である。第２の溝２４８の幅は、第１の幅２４
６の幅よりも広い。第１の溝２４６の部分は、ベース２２４の表面と同一平面上
にあることが望ましく、アンカーパッド２９４の方向に延在している。第１の溝
２４６の横幅は、０．５ｍｍから３．０ｍｍ、特に約１．６５ｍｍであることが
望ましい。第１の溝２４６は、望ましくは、横断方向の高さが、０．１ｍｍから
０．８ｍｍ、特に約０．６４ｍｍであり、第２の溝２４８と連通している。第２
の溝２４８は、さらにアンカーパッド２９４の方向に延在している。第２の溝２
４８の幅は約０．５ｍｍから８．０ｍｍ、特に約３．０ｍｍであることが望まし
い。第２の溝２４８の横断方向の高さは、０．０５ｍｍから１．０ｍｍ、特に約
０．６４ｍｍであることが望ましい。

【００９８】 第１の溝と第２の溝２４６、２４８との関係によって実現されるトラック２４
２のＴ字形の構造は、可動部材の揺れを防止し、これを溝内に保持する（後述す
る）。望ましくは、Ｔ形部材によって押出成形されるＴ字形トラック成形物は、
本来、蟻溝形のような他のＩビーム構造よりも強固であるので、この構造によっ
てさらに製造が容易かつ安価になる。このようにトラック成形物は、成形工程中
に発生する熱および圧力の影響をより受けにくい。これとは対照的に、蟻溝形を
採用した場合は、細くなったエッジは、溶融またはその他の変形を受けやすい。
Ｔ形のトラック構造が好適ではあるが、蟻溝形のようなその他のトラック構造を
アンカリングシステムに採用してもよい。

【００９９】 図２５は、固定ポスト２３０と同様のサイズと構造であり、ベース２２２に沿
って配置されているシャフト２３２を含む可動ポストを示している。可動ポスト
２５０のシャフト２３２は、トラック２４２の第１の溝２４６内に受け入れられ
るようなサイズと構造である。シャフト２３２の直径は、第１の溝２４６の横幅
と同じであることが望ましいが、アンカリングシステムの特定の用途、およびア
ンカリングシステムの様々な部材を形成するために使用される材料に応じて、第
１の溝２４６の横幅よりもかなり大きく、または小さい直径を有することもでき
る。望ましくは、シャフト２３２の直径は、第１の溝２４６の横幅とほぼ同じ直
径、ないし横幅より１ｍｍ短い直径、特に約０．１３ｍｍ短い直径のいずれでも
よい。このような締まりばめ構造は、シャフト２３２の部分と第１の溝２４２と
の間に摩擦力を生じ、かつ、ポスト２５０は、横断方向軸線の周りにおいて実質
的に直立した状態を保ちつつトラック２４２の第１の溝２４６内を抵抗を受けた
状態で慴動し得る。

【０１００】 可動ポスト２５０は望ましくは、ポスト２５０がそこから延びるプラットフォ
ーム２５２をさらに含んでいる。プラットフォーム２５２は、縦方向軸線と横方
向軸線によって画定される平面に沿って延在し、トラック２４２の第２のチャネ
ル２４８内に受け入れられるようなサイズと構造である。望ましくは、プラット
フォーム２５２と第２の溝２４８との間を同様の締まりばめ構造にするために、
プラットフォーム２５２の横幅と第２チャネル２４８の横幅との関係は、可動ポ
スト２５０と第１の溝２４２の横幅の関係と同様である。このように、プラット
フォーム２５２は、横方向軸線の周りにおいて実質的に直立した状態を保ちつつ
、トラック２４２の第２の溝２４８内を抵抗を受けた状態で慴動可能である。

【０１０１】 このプラットフォームの設計によって、ポスト２５０とプラットフォーム２５
２とは、Ｔ字形トラック２４２に収容可能な概ねＴ字形の構造になる。あるいは
、蟻溝形のような別のトラック構造が採用される場合は、当業者には理解される
ようにポスト−プラットフォーム設計を修正して、同様にトラックと締まりばね
関係になるようにする。

【０１０２】 前述のように、トラック２４２の平滑な第１と第２の溝２４６、２４８にそれ
ぞれ締まりばめされる実質的に直立したポスト２５０とプラットフォーム２５２
は協働して、可動構造であって、トラック２４２に沿って抵抗を受けた状態で慴
動可能であるが、ポスト２５０に軸方向の力、または回転力が加わった場合に、
直立状態のままで軸方向の揺れに抵抗しトラック２４２から脱落することを防止
できる可動構造を提供する。抵抗を受けた状態の慴動とは、医療担当者の指（単
数または複数）によって加えられ力によって、ポスト２５０とプラットフォーム
２５２とをトラック２４２に沿って慴動が可能となるような慴動である。このよ
うな力が加えられない限りは、ポスト２５０とプラットフォーム２５２の不意の
移動は防げられる。ポスト２５０とプラットフォーム２５２とはさらに、トラッ
ク２４２内に再現可能に案内され、そこから戻すことができる（図２１）。すな
わち、ポストとプラットフォームは、ベース２２２の第２の面２２８と同様に延
びるトラック２４２の終端部に沿ってトラック２４２内に入ることができ、かつ
同様にこの終端部からトラック２４２を出ることができる。

【０１０３】 プラットフォーム２５２は、望ましくは、ポスト２５０に永続的に固定され、
かつこれと一体に形成される。しかし、ポスト２５０とプラットフォーム２５２
を別個に形成してから、当業者には公知である様々な適宜の取付手段のいずれか
を使用して連結してもよい。例えば、ポストは、プラットフォームのねじ山部分
にねじ込まれるねじ部分を有することができ、またはポストは、プラットフォー
ム内の溝にスナップ式に嵌め込まれるノッチを有することができる。ポストをプ
ラットフォーム上の着座領域に対して案内し、位置決めするために面取り部を用
いることもできる。

【０１０４】 図２２および図２３において最もよく分かるように、カバー２２４は、望まし
くは、ベース２２２の平面サイズと形状と同様に延びる細長い形状を有している
（すなわち、カバーは、望ましくは、ベース２２２と同じ幾何学的な形状とサイ
ズを有している）。しかし、カバー２２４はベース２２２と同じサイズまたは形
状である必要はない。例えば、カバー２２４のサイズは、ベース２２２の横方向
、横断方向、または縦方向のエッジのいずれかを越えて延びるようなサイズとす
ることができ、またはベース２２２の横方向、横断方向、または縦方向のエッジ
のいずれかまで延びないようなサイズとすることもできる。カバーは、さらにベ
ース２２２またはそのいずれかの部分を越えて、かつ／またはその周囲に延びる
スカート部もしくはフランジ部（図示せず）を含むこともできる。

【０１０５】 カバー２２４は、望ましくは、ベース２２２内のポスト２３０、２５０を被覆
し、かつ、後述するようにベース２２２とカバー２２４との間で動作するラッチ
機構２７０及びヒンジ２６４の部分を収容するのに十分なサイズを有している。
さらにカバー２２４は、望ましくは、操作し易いようなサイズのものである。例
えば、カバーのサイズは、医療担当者が握り易いサイズであり、手術用の手袋を
はめていても機器を操作できるようなサイズである。

【０１０６】 カバー２２４は、基本的に、カバー２２４の一方の横方向端部の間にある第１
の面２５４を含む。したがって、カバーの第１の面２５４は、ベース２２２の第
１の面２２６とほぼ対応している。カバー２２４は、さらに第２の面２５６を有
している。第２の面２５６は、基本的に、第１の端部とは反対側のカバー２２４
の一方の横方向端部の間にあり、したがってベース２２２の第２の面２２８とほ
ぼ対応している。

【０１０７】 依然として図２２および図２３を参照すると、カバー２２４の第１の面２５４
と第２の面２５６との間には、ドーム状部２５７が、形成されている。ドーム状
部２５７によって、より大きく嵩張るカテーテルの中央部、およびカテーテル取
付具を収容できる横断方向の拡張部が得られる。カテーテルおよびカテーテル取
付具の多くは「中心が嵩張る」ように製造されているので、ドーム状部２５７に
よって、閉鎖位置にある場合の保持具２２０内にこれらのカテーテルおよびカテ
ーテル取付具を受け入れることができ、本発明の高適合性の側面の一助になる。

【０１０８】 凹所２５８が、カバー２２４上の細長いボディとして形成され、カバーが閉鎖
位置にある場合はトラック２４２とほぼ平行に延在している。凹所２５８は、カ
バー２２４が閉鎖位置にある場合にポスト２３０、２５０の末端を受け入れるよ
うに配置されている。凹所２５８によって、カバー２２４を閉鎖位置に動かした
場合に（ポスト２３０、２５０の頂部がカバー２２４の底部よりも横断方向の高
さが高くなることがある）、ポスト２３０、２５０がカバー２２４と接触したり
またはその他の妨害することを回避することができ、さらにポストが縦方向に動
くことが抑止される。ドーム状部２５７はさらに、凹所２５８を、各々の領域が
ポストを収容するサイズである第１と第２の領域へ分離する仕切りとしての役割
を果たし得る。

【０１０９】 凹所２５８は、望ましくは、第１の溝２４６の幅よりもやや広い幅を有してい
る。このように幅が広いことによって、ベース２２２に対して垂直よりもやや大
きいか、または小さいいずれかの角度（一般に７５°から１１５°）となり得る
ほぼ直立した可動ポスト２５０において傾斜および「遊び」を補償する。この遊
びは概ね、望ましくは対応するトラック２４６、２４８よりもサイズが小さく構
成されているポスト２５０およびプラットフォーム２５２の締まりばめ構造によ
り生ずるものである。凹所２５８の横断方向の高さは、望ましくは約１．０ｍｍ
と２ｍｍとの間であり、特に約１．２７ｍｍである。凹所２５８は、ポスト２３
０を凹所２５８内に横断方向に案内するために単数または複数の面取りされたエ
ッジ（図示せず）を有していてもよい。

【０１１０】 カバーが閉鎖位置にある場合、凹所２５８は、望ましくは、トラック２４２と
ほぼ平行に延びる細長いボディを形成するが、多様なその他の構成を使用しても
よい。例えば、第２の領域が第１の領域よりも縦の長さが長くなるように凹所２
５８の第１と第２の領域を修正することができる。このように構成すると、第２
の領域の長さは、トラック２４２の長さとほぼ一致させることができ、一方、第
１の領域の長さは、固定ポスト２３０の直径とほぼ対応させることができる（図
２６）。他の例では、製造を簡単にするため、凹所は、カバー２２４の第１と第
２の面２５４、２５６の終端まで延在していてもよい。凹所２５８に要求される
ことは、ポスト２３０、２５０を受け入れ、かつカバー２２４を完全な閉鎖位置
に動かせることだけである。

【０１１１】 カバー２２４をベース２２２に連結するために使用できる可撓性の継手は概ね
先の実施形態と同様である。相違点は、本実施形態では、カバー２２４は、単体
だけからなり、したがって単一のヒンジ２６４しか必要ないことである。

【０１１２】 このアンカリングシステムの場合、作動手段も先のシステムと概ね同じである
。あり得る利点は、製造および設計の簡略化である。

【０１１３】 ラッチ機構２７０は、前述の実施形態と同様に作動するものの、本実施例では
構造がやや異なっている。図３０に最も明解に示されるように、各々のキーパ２
７２は、カバー２２４の第２の面２５６からベース２２２の方向に延びている。
キーパ２７２の下端部２７８には、タング２７６が形成されている。望ましくは
、キーパ２７２の下端部２７８は、これが医療担当者の手袋または皮膚を刺し、
または他の材料に引っ掛かることを防止するために比較的鈍角で平滑である。操
作レバー２８０は、キーパ２７２の側面へと延在し、レバー２８０に加えられる
横断方向の力の成分によってキーパ２７２が内側に撓むように、外端部にプラッ
トフォーム延長部、もしくは耳状突起部２８２を含んでいる。キーパ２７２の全
体は、望ましくは、カバー２２４と一体の部材として形成される。

【０１１４】 ラッチ機構２７０は、さらにタング２７６、およびキーパ２７２の少なくとも
一部とを受け入れるリセプタクル２８４をも含んでいる。ラッチのリセプタクル
２８４は、カバー２２４が閉鎖位置にある場合にタング２７６がスナップ式に嵌
め込まれる内側ノッチ２８６を含んでいる。しかし、同じ効果を得るために、タ
ング２７６をリセプタクル２８４内に配置し、ノッチ２８６をキーパ２７２上に
設けることもできる。ラッチ２７４は、望ましくはベース２２２と一体に形成さ
れる。

【０１１５】 図示した実施形態では、カバー２２４は、互いに鏡像である２つのキーパ２７
２を含んでいる。また、ラッチ２７４は、２つのノッチ２８６を含み、その各々
は、カバー２２４の閉鎖時にキーパのタング２７６を受け入れるように配置され
ている。

【０１１６】 リセプタクル２８４の入口は、面取りされたエッジ２８８を含んでいる。面取
りされたエッジ２８８は、リセプタクル２８４の中心方向内側に傾斜していて、
ラッチのリセプタクル２８４内に挿入されるとキーパ２７２が内側に曲がるよう
にされている。

【０１１７】 このように、本発明に基づく前述のアンカリングシステムの様々な実施形態に
よって、患者に医療用物品を固定するための無菌の、しっかりと把持される、針
もテープも不要な方法が得られる。このようにして保持具によりテープを使用す
る必要がなくなり、従前のプロトコルで縫合が必要な場合でも、事故で針が刺さ
ったり、縫合創傷部位感染、および傷痕が生じることはない。加えて、この保持
具は、多様なカテーテル、取付具、チューブ、ワイヤ、およびその他の医療用物
品のいずれとも使用できるように構成できる。本アンカリングシステムを使用す
ることで患者の快適さも向上し、適用時間も短縮される。

【０１１８】 勿論、本発明の特定の実施形態のいずれかに基づいてこのような目的または利
点の全てが必ずしも達成されるわけではないことを理解されたい。このように、
例えば、本発明は、ここで教示され、または示唆されているその他の目的、また
は利点を必ずしも達成することなく、ここに教示されている１つの利点、または
一連の利点を達成し、または最適化するように実施し、または実行できることが
当業者には理解されよう。

【０１１９】 さらに、当業者は、異なる実施形態からの様々な機構の互換性を理解しよう。
例えば、図１から図７を参照して説明した複数カバー構造を、図２１に示したよ
うな固定ポストおよび可動ポストを使用するベースと共に使用するように適応さ
せることができる。同様に、この分野における当業者によって、ここに開示した
様々なベース、カバー、ポスト、スロット、ヒンジ、アンカーパッド、ポストプ
ラットフォーム、およびラッチ機構、並びにこのような各々の機構の均等物を複
合し、適合して、本発明の原理に基づくアンカリングシステムを構成することが
可能である。

【０１２０】 したがって、本発明をある好ましい実施形態と実施例の文脈で開示してきたが
、本発明は特定の開示された実施形態を越えて、代替実施例、および／または本
発明の利用、およびその明確な修正、および均等物に拡張できることが当業者に
は理解されよう。このように、ここに開示した発明の範囲は前述の特定の開示さ
れた実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を適正に読むことによ
ってのみ限定されることを意図するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 開放位置で例示された一対の可動ポストおよび一対の個別カバーを含む本発明
の好ましい実施形態によるアンカリングシステムの斜視図であって、下面を例示
できるようにアンカーパッドの隅がめくられている図である。

【図２】 カバーが閉鎖位置にある状態で示された図１のアンカリングシステムの斜視図
である。

【図３】 カバーが開放位置にある状態で例示された図１のアンカリングシステムと、保
持具内部で挿入位置に仮想線によって例示された例示カテーテルとの斜視図であ
る。

【図４】 カバーが閉鎖位置にある状態で示された図３のアンカリングシステムと、保持
具内に位置決めされ保持具によって保持される例示カテーテル（これも仮想線で
示される）との斜視図である。

【図５】 １つのカバーが開放位置にある状態で示され、１つのカバーが閉鎖位置にある
状態で示された図１の保持具のベースおよびカバーの上面図である。

【図６】 ６−６線に沿って取られた図５の保持具の側方断面図である。

【図７】 図５の保持具の前面図である。

【図８】 図５の８−８線によって囲まれた領域の拡大図であって、保持具のベース内部
でのポスト開口部の構造を例示する図である。

【図９】 図１の保持具のポストプラットフォームの前面図である。

【図１０】 図９のポストプラットフォームの側面図である。

【図１１】 図９のポストプラットフォームの上面図である。

【図１２】 ベース、カバー、およびポストプラットフォームを含み、典型的なカテーテル
が保持具のチャネル内にあり、カバーが開放位置にある状態で示された、組立て
後の図１の保持具の上面図である。

【図１３】 図１のベースおよびカバーと共に使用するのに適した、固定位置ポストを使用
する別のポストプラットフォームの前面図である。

【図１４】 図１３の固定ポストプラットフォームの側面図である。

【図１５】 図１３の固定ポストプラットフォームの上面図である。

【図１６】 １６−１６線に沿って取られた図１５の固定ポストプラットフォームの断面図
である。

【図１７】 保持具ベースの溝内部での図９の可動ポストプラットフォームの配置を示す組
み立て後の図１の保持具の底面図である。

【図１８】 保持具ベースの溝内部での図１３の固定ポストプラットフォームを使用する組
立て後の保持具の底面図である。

【図１９】 カバーが閉鎖位置にある状態での、固定ポストおよび可動ポストを含む本発明
の追加の好ましい実施形態によるアンカリングシステムの斜視図である。

【図２０】 カバーが開放位置にある状態で示された図１９のアンカリングシステムの斜視
図である。

【図２１】 保持具から取り外された可動ポストを例示する図１９の保持具の分解斜視図で
ある。

【図２２】 カバーが完全に開いた位置で示された図１９の保持具の前面図である。

【図２３】 カバーが完全に開いた状態での図２２の保持具の上面図である。

【図２４】 保持具のトラック内部の可動ポストを示す図１９の２４−２４線に沿って取ら
れた保持具の断面図である。

【図２５】 図２１の可動ポストの斜視図である。

【図２６】 カバーが閉鎖位置で示された、組立て後の図１９の保持具の前面図である。

【図２７】 開いた保持具のチャネル内に典型的なカテーテルが挿入された状態を示し、完
全に開いた位置で示された図１９の保持具の上面図である。

【図２８】 カバーが部分的に開いた位置にある状態で示し、典型的なカテーテルが、保持
具のチャネル内部に仮想線で示された図１９のアンカリングシステムの斜視図で
ある。

【図２９】 カバーが閉じた位置にある状態で示した図２８のアンカリングシステムの斜視
図である。

【図３０】 部分的に開いた位置で示した図１９の保持具のラッチ機構の部分斜視図である
。

【図３１】 解放ライナを示すアンカーパッドの底面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 プルース リチャード エイ． アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア サン ディエゴ グレンストーン ウェ イ 5643 Ｆターム(参考） 4C167 AA33 BB18 BB19 BB20 BB26 BB31 BB32 BB40 CC07 CC08 HH01 HH06

Claims (41)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 患者の身体に医療用物品を固定するためのアンカリングシス
   テムであって、 上面および下面を有するアンカーパッドであって、下面の少なくとも一部分が
   、患者の身体にアンカーパッドを貼付するために粘着面を有するアンカーパッド
   と、 アンカーパッドの上面に取り付けられた保持具とを備え、 前記保持具は医療用物品の一部分を受け取ることができ、前記保持具はベース
   、カバー、およびポストを含み、前記ベースはアンカーパッドの上面に配置され
   、前記カバーは、開放位置と閉鎖位置の間を動くようにベースに可動に接続され
   、閉鎖位置にあるときにベースの少なくとも一部の上方に位置し、前記ポストは
   、前記ベースと前記カバーの一方に可動に結合され、カバーが閉鎖位置にあると
   きに前記カバーと前記ベースの間に少なくとも部分的に位置するように前記保持
   具に配置される、アンカリングシステム。
2. 【請求項２】 前記ベースは、前記保持具に受取空間を画定し、カバーは、
   閉鎖位置にあるときに受取空間の少なくとも一部分をカバーするように前記ベー
   ス上に配置される請求項１に記載のアンカリングシステム。
3. 【請求項３】 前記カバーは、開放位置において概ね前記ベースの少なくと
   も１つの側部の方に位置し、それにより前記カバーが開放位置にあるときに受取
   空間を露出する請求項２に記載のアンカリングシステム。
4. 【請求項４】 追加として、閉鎖位置にあるときに前記カバーを前記ベース
   に開放可能に固定するために、前記ベースと前記カバーの間で作動可能なラッチ
   機構を備える請求項１に記載のアンカリングシステム。
5. 【請求項５】 前記ポストは、前記ベースに取り付けられるポストプラット
   フォームの一部をなす請求項１に記載のアンカリングシステム。
6. 【請求項６】 前記ポストプラットフォームは、前記ベースの下面に取り付
   けられ、前記ポストは前記ベースを介して挿入される請求項５に記載のアンカリ
   ングシステム。
7. 【請求項７】 前記ポストは、ポストプラットフォームから延びるシャフト
   を備える請求項１に記載のアンカリングシステム。
8. 【請求項８】 前記保持具のベースはさらに、前記ポストプラットフォーム
   が挿入されるトラックを備え、前記トラックは、前記トラック内に挿入されると
   きに前記ポストのシャフトがそこを通り突出する狭い部分と、前記トラック内に
   挿入されるときに前記ポストプラットフォームを支持する下側のより広い部分と
   を備える請求項７に記載のアンカリングシステム。
9. 【請求項９】 前記保持具のベースはさらに、前記ベースから突出する追加
   の永久固定ポストを備える請求項１に記載のアンカリングシステム。
10. 【請求項１０】 追加として、前記ベースとカバーの一方に可動に結合され
    た少なくとも１つの第２のポストを備える請求項１に記載のアンカリングシステ
    ム。
11. 【請求項１１】 前記第１のポストと第２のポストは、互いに関して可動で
    ある請求項１０に記載のアンカリングシステム。
12. 【請求項１２】 前記第１のポストと第２のポストは、いずれも前記ベース
    に可動に取り付けられている請求項１０に記載のアンカリングシステム。
13. 【請求項１３】 前記第１のポストと第２のポストは共に、取付ボタンと、
    該取付ボタンに前記ポストをリンクさせるコネクタとをさらに備えるポストプラ
    ットフォームを備える請求項１２に記載のアンカリングシステム。
14. 【請求項１４】 前記保持具のベースはさらに、前記ポストプラットフォー
    ムのコネクタおよび取付ボタンに対応するベースの底部に溝を備え、それにより
    前記ポストプラットフォームが前記保持具のベースに取り付けられたときに、前
    記コネクタまたは取付ボタンがベースの底部の下方に延在しない請求項１３に記
    載のアンカリングシステム。
15. 【請求項１５】 前記ポストプラットフォームのコネクタは、可撓性をもつ
    請求項１３に記載のアンカリングシステム。
16. 【請求項１６】 前記保持具のベースはさらに、前記ベースの下面に設けら
    れた複数のポスト開口部を備え、それにより各ポストが前記ベースの１つのポス
    ト開口部を介して突出する請求項１２に記載のアンカリングシステム。
17. 【請求項１７】 各ポスト開口部が、片側から細長いトラック内に延在する
    一連の突出部を有する前記細長いトラックを備える請求項１６に記載のアンカリ
    ングシステム。
18. 【請求項１８】 追加として、開放位置と閉鎖位置の間を動くように前記ベ
    ースに可動に接続された第２のカバーを備え、前記カバーは、閉鎖位置にあると
    きに前記第２のポストの少なくとも一部の上方に位置する請求項１０に記載のア
    ンカリングシステム。
19. 【請求項１９】 前記カバーは、前記保持具の縦方向軸線に関して前記ベー
    スの両側に位置する請求項１８に記載のアンカリングシステム。
20. 【請求項２０】 前記カバーは、閉鎖位置にあるときに両ポストの少なくと
    も一部の上方に延在する請求項１０に記載のアンカリングシステム。
21. 【請求項２１】 前記保持具のベースとカバーは、単体部材として形成され
    る請求項１に記載のアンカリングシステム。
22. 【請求項２２】 前記ベースとカバーの間のヒンジ機構が、ベースおよびカ
    バーと一体形成され、かつ、カバーが開放位置にあるときにフラットな形状を取
    りカバーが閉鎖位置にあるときに湾曲形状を取る可撓性材料のバンドを備える請
    求項２１に記載のアンカリングシステム。
23. 【請求項２３】 前記カバーは、複数の部分に分割され、各部分は、ヒンジ
    機構およびラッチ機構を有し、閉鎖位置と開放位置の間において個別に調節可能
    である請求項１に記載のアンカリングシステム。
24. 【請求項２４】 前記ラッチ機構は、キーパおよびラッチを備え、前記キー
    パとラッチの一方が前記カバーに配設され、他方が前記ベースに配設される請求
    項１に記載のアンカリングシステム。
25. 【請求項２５】 前記キーパは、前記カバーに配設され、さらに前記ラッチ
    に向けて延在するタングを備え、前記ラッチは、前記ベースに配設され、さらに
    、前記カバーが閉鎖位置にあるときに前記キーパタングと相互作用するように構
    成された突出部を備える請求項２４に記載のアンカリングシステム。
26. 【請求項２６】 前記アンカーパッドは、さらに三日月形状を備え、前記保
    持具は、アンカーパッドの中央の、前記三日月形状を２つに分ける軸線の周りに
    配置される請求項１に記載のアンカリングシステム。
27. 【請求項２７】 患者の身体に医療用物品を固定するためのアンカリングシ
    ステムであって、 上面および下面を有するアンカーパッドであって、下面の少なくとも一部分が
    、患者の身体にアンカーパッドを貼付するために粘着面を有するアンカーパッド
    と、 アンカーパッドの上面に取り付けられた保持具とを備え、 前記保持具は、医療用物品の一部分を受け取ることができ、前記保持具はベー
    ス、少なくとも１つのポスト、およびカバーアセンブリを含み、前記カバーアセ
    ンブリは、少なくとも２つのカバーを含み、各カバーは、ヒンジ機構によって前
    記ベースに接続され、少なくとも２つの位置、開放位置と閉鎖位置を有し、前記
    少なくとも１つのポストは、前記ベースとカバーの一方に結合され、前記ポスト
    は、前記カバーが閉鎖位置にあるときに前記ベースと、カバーの少なくとも１つ
    との間に少なくとも部分的に位置するように前記保持具に配置される、アンカリ
    ングシステム。
28. 【請求項２８】 追加として、前記ベースと、前記カバーの少なくとも１つ
    との間において作動するラッチ機構を備える請求項２７に記載のアンカリングシ
    ステム。
29. 【請求項２９】 各カバーは、概ね前記ベースの上方において、医療用物品
    の少なくとも一部分を覆って位置して、閉鎖位置に固定される請求項２７に記載
    のアンカリングシステム。
30. 【請求項３０】 各カバーは、前記カバーアセンブリの両カバーが開放位置
    にあるときに医療用物品の挿入を可能にするように、開放位置で概ね前記ベース
    の側部の方に位置し、前記保持具のベースを露出する請求項２９に記載のアンカ
    リングシステム。
31. 【請求項３１】 前記ポストは、前記ベースとカバーの一方に可動に結合さ
    れる請求項２７に記載のアンカリングシステム。
32. 【請求項３２】 少なくとも１つの追加のポストをさらに備える請求項２７
    に記載のアンカリングシステム。
33. 【請求項３３】 各ポストは、前記ベースに可動に結合される請求項３２に
    記載のアンカリングシステム。
34. 【請求項３４】 各ポストは、前記ベースに固定結合される請求項３２に記
    載のアンカリングシステム。
35. 【請求項３５】 前記ポストの少なくとも１つは、前記ベースに可動に結合
    される請求項３２に記載のアンカリングシステム。
36. 【請求項３６】 前記ポストは共に接続される請求項３２に記載のアンカリ
    ングシステム。
37. 【請求項３７】 前記ポストは、互いに関して可動である請求項３６に記載
    のアンカリングシステム。
38. 【請求項３８】 各カバーは、閉鎖位置にあるときに前記ポストの一方をカ
    バーする請求項３２に記載のアンカリングシステム。
39. 【請求項３９】 患者に細長い医療用物品を固定するためのアンカリングシ
    ステムであって、 上面および下面を有するアンカーパッドと、 アンカーパッドの上面に取り付けられ、医療用物品の一部を受け取ることがで
    きる保持具とを備え、前記保持具は、 第１および第２の側面と、１つのポストが少なくとも１つの他のポストに関し
    て可動である少なくとも２つのポストとを有するベースと、 第１の側面および第２の側面を有するカバーであって、前記カバーの第１の側
    面が前記ベースの第１の側面に結合され、前記カバーの第２の側面が、概ね前記
    ベースの第２の側面の上方に位置する閉鎖位置と前記ベースの第２の側面から離
    隔されて前記ベースを露出する開放位置との間において可動であり、前記カバー
    が閉鎖位置にあるときに前記ベースとカバーとがチャネルを画定するカバーと、 前記カバーの第２の側面を前記ベースの第２の側面に開放可能に固定するため
    に、前記ベースとカバーの間において作動可能なラッチ機構と、 を含むアンカリングシステム。
40. 【請求項４０】 前記ポストが、前記ベースの第１の側面の近傍に永久的に
    配置され、前記ベースの縦方向軸線に概ね垂直に延在する請求項３９に記載のア
    ンカリングシステム。
41. 【請求項４１】 前記カバーは、前記カバーの第１の側面と第２の側面の間
    に配置されたドーム状部を有し、前記ドーム状部は、医療用物品の構造部を収容
    するようなサイズとされかつそのように形成される請求項３９に記載のアンカリ
    ングシステム。