JP2003029442A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JP2003029442A
JP2003029442A JP2001217681A JP2001217681A JP2003029442A JP 2003029442 A JP2003029442 A JP 2003029442A JP 2001217681 A JP2001217681 A JP 2001217681A JP 2001217681 A JP2001217681 A JP 2001217681A JP 2003029442 A JP2003029442 A JP 2003029442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electrophotographic
undercoat layer
photoconductor
photosensitive member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001217681A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3874633B2 (ja
Inventor
Hiroshige Kizaki
宏恵 木崎
Mamoru Rin
護 臨
Tetsuo Ozawa
鉄男 尾澤
Kozo Ishio
耕三 石尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001217681A priority Critical patent/JP3874633B2/ja
Priority to EP02015861A priority patent/EP1278105B1/en
Priority to DE60206334T priority patent/DE60206334T2/de
Priority to US10/196,185 priority patent/US6824938B2/en
Publication of JP2003029442A publication Critical patent/JP2003029442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3874633B2 publication Critical patent/JP3874633B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
    • G03G5/0664Dyes
    • G03G5/0696Phthalocyanines
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/142Inert intermediate layers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真特性を損なうことなく干渉縞を防止
し、感光体の赤外反射率を制御することができ、光学式
濃度センサーの検知精度を向上させることができる電子
写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に、少なくとも下引き層
及び感光層を有する電子写真感光体において、該下引き
層が、下記一般式(1)で表されるナフタロシアニン化
合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。 (式(1)中、Mは2個の水素原子、又は金属原子を表
し、金属原子は配位子を有していてもよい。X1、X2
3及びX4はそれぞれ水素原子又は置換基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関する。詳しくは、電子写真特性を損なうことなく干渉
縞を防止して感光体の赤外反射率を制御することができ
る電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体には、セレン、セ
レン−テルル合金、セレン化ヒ素、硫化カドミウム等の
無機系光導電物質が広く用いられてきた。一方、近年で
は低公害であり、製造が容易な有機系の光導電物質を感
光層に用いた研究が盛んになっている。特に、光を吸収
して電荷を発生する機能を持つ電荷発生層及び発生した
電荷を輸送する機能を持つ電荷輸送層からなる機能分離
型積層感光体が主流となっている。これらの感光体は、
複写機、レーザープリンター等の分野に広く用いられて
いる。
【0003】電子写真感光体は、導電性支持体上に感光
層を形成したものが基本構成である。支持体からの電荷
注入や支持体の欠陥による画像欠陥の解消、感光層との
接着性向上や帯電性の改善のために、感光層と支持体の
間に下引き層を設けることが行われている。従来より、
下引き層としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、
アクリル系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、グアナミン樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ゼラチン等の樹脂材料を用いることが知られてい
る。これらの樹脂材料の中でも特に溶剤可溶性ポリアミ
ド樹脂が好ましいとされている(特開昭52−2563
8号、同56−21129号、特開平4−31870号
各公報参照)。
【0004】近年では、デジタル化の流れの中で、電子
写真装置もデジタル方式の装置が主流になってきてい
る。デジタル方式の電子写真装置のうち半導体レーザー
を用いて像形成を行うものについては、干渉模様の画像
欠陥も抑制する必要がある。干渉縞をなくす一つの方法
は、基体(導電性支持体)表面を粗切削、サンドブラス
ティング等により粗すことが知られているが、(例えば
特開昭60−225854号公報、特開平3−6203
9号公報)、これらの方法は基体の粗面化の程度を厳密
に再現することが難しく、生産ロット間で干渉縞低減効
果にばらつきが生じるという問題がある。また、近年の
装置の高解像度化に伴い1200dpiの解像度では基
体の粗面化のみでは十分な干渉縞低減効果が得られない
ケースがある。また、後述するように、得られた感光体
を光学式トナー濃度センサーを用いた電子写真装置にお
いて用いる場合は基体表面粗さがトナー濃度検出に悪影
響を与える場合がある。
【0005】一方、感光層や下引き層に近赤外線吸収色
素を含有させる方法も提案されているが(例えは特開平
2−82263号公報、特開2000−105480号
公報、特開2000−199977号公報)、感光体の
電気特性への悪影響が発生し、特に高感度の感光体を得
ることが困難であったり、光等による劣化の点で十分な
効果が得られていない。
【0006】さらに下引き層へ粗大粒子を混合させるこ
とにより下引き層での散乱光を増大させ干渉縞を減少さ
せる方法も提案されているが、この方法のみで十分な干
渉縞防止効果を得るためには下引き層膜厚を厚くする必
要があり、それに伴い下引き層の硬化工程が必要になる
など製造工程が複雑になり製造コストが高価になるとい
う問題がある。
【0007】さらに、近年、電子写真方式の画像形成装
置の多くは使用する環境の変化、感光体、現像材の劣化
等による諸条件の変動を補正するために感光体上に濃度
検知用トナーパッチを作成しそれらの濃度を光学式濃度
センサーで検知し、その検知結果から露光量、現像バイ
アス等にフィードバックをかける画像濃度制御を行うこ
とで安定した画像を得ている(特開平7−36230号
公報等)。また特にカラー画像形成装置においてはトナ
ーパッチの拡散反射成分を測定することにより測定精度
を向上できることが知られている(特開2000−10
5480号公報)。
【0008】こういった中、前述した干渉縞低減のため
に感光体基体表面を粗面化した感光体では、基体の粗度
の拡散反射度が大きく、感光体基体を粗す工程の振れ、
例えば粗切削時の切削バイト状態、切削送りピッチの再
現性等により得られた基体の反射特性が異なるために、
安定した反射特性を有する感光体を得ることが難しい。
また、感光体素地の拡散反射が高いために、拡散反射濃
度センサーにより画像濃度制御を行う場合は、トナーパ
ッチの拡散反射とのS/N比が十分得られず正確な画像
濃度制御が行えなくなる。また、下引き層へ粗大粒子を
混合させることにより下引き層での散乱光を増大させて
干渉縞を防止している感光体では、トナーパッチで透
過、散乱されたトナー濃度センサーからの照射光がさら
に下引き層で散乱されてトナー濃度検出に悪影響を与え
てしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】感光体基体の素面化の
みでは1200dpi等の高解像度の電子写真では十分
な干渉縞防止効果が得られない。前記の拡散反射成分の
みを測定するトナー濃度センサーにおいては前述した基
体の表面粗さが感光体の赤外光反射率に大きく影響す
る。基体表面を粗すことにより干渉縞を防止している場
合には表面粗さの個体差により感光体の赤外反射率にば
らつきが生じ、正確な画像濃度の制御が行えなくなる。
また感光体素地の拡散反射がもともと高いためにトナー
濃度検出のための十分なS/N比が確保できなくなる。
【0010】また、特に下引き層の散乱により干渉縞を
防止している場合は、トナーパッチで透過、散乱された
センサー照射光がさらに下引き層で散乱されて検出セン
サーで検出されてしまい、実際のトナー濃度よりも高く
検出されるという問題がある。本発明の目的は、電子写
真特性を損なうことなく干渉縞を防止し、感光体の赤外
反射率を制御することができ、光学式濃度センサーの検
知精度を向上させることができる電子写真感光体、及び
この電子写真感光体を用いた電子写真装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記の要求特性を満足できる下引き層材料について鋭意検
討した結果、特定のナフタロシアニン化合物を含有させ
ることにより解決できることを見出した。即ち、本発明
の要旨は、導電性支持体上に、少なくとも下引き層及び
感光層を有する電子写真感光体において、該下引き層
が、下記一般式(1)で表されるナフタロシアニン化合
物を含有することを特徴とする電子写真感光体、に存す
る。
【0012】
【化2】
【0013】(式(1)中、Mは2個の水素原子、又は
金属原子を表し、金属原子は配位子を有していてもよ
い。X1、X2、X3及びX4はそれぞれ水素原子又は置換
基を表す。) また、本発明の別の要旨は、上記電子写真感光体を用
い、該電子写真感光体上に濃度測定用のトナー像を形成
する手段とそのトナー像の濃度を近赤外線領域の発光部
と受光部からなる光学式濃度センサーによって計測する
手段を備えていることを特徴とする電子写真装置、に存
する。
【0014】
【発明の実施の形態】<導電性支持体>導電性支持体と
しては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステ
ンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボ
ン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与し
た樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化イ
ンジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着
又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用され
る。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状など
のものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、
導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適
当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
【0015】導電性支持体としてアルミニウム合金等の
金属材料を用いた場合、陽極酸化処理、苛性皮膜処理等
を施してから用いても良い。陽極酸化処理を施した場
合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。支
持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を
用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化
されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当
な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたも
のでも良い。本発明においては、光学式トナー濃度セン
サーによる検出精度を向上させるために、導電性支持体
の表面粗さは、Ry≦1.0であることが好ましい。特
に拡散反射を測定するトナー濃度センサーとの組み合わ
せで使用する場合には導電性支持体表面は素面化されて
いないことが好ましいため、Ry≦0.5であることが
より好ましい。さらには鏡面切削等により、Ry≦0.
3としたものであることがより好ましい。ここで、Ry
は粗さ曲線の最大高さ(山の最大高さと谷の最大深さの
和)を表している。
【0016】<下引き層>本発明の電子写真感光体は、
導電性支持体と感光層との間に、下記一般式で表される
ナフタロシアニン化合物を含有する下引き層が形成され
たものである。
【0017】
【化3】
【0018】式(1)中Mは2個の水素原子、または金
属原子を表し、金属原子は配位子を有していても良い。
Mで示される中心金属としては例えば、Cu、Co、N
i、Fe、Zn、Ti、V、Al、Ga、In、Si、
Ge、Sn、Pb等が挙げられる。中心金属の配位子と
しては、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、アルキルチオ基等が挙げられる。
1、X2、X3及びX4はそれぞれ水素原子又は置換基を
表し、置換基としては例えばハロゲン原子、炭素数8以
下のアルキル基、炭素数8以下のアルコキシ基、アリー
ルオキシ基等が挙げられる。中でも特に水素原子、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t
−ブチル基等の炭素数8以下のアルキル基、及び塩素、
臭素等のハロゲン原子が好ましい。
【0019】特に好ましいナフタロシアニン化合物とし
ては、ジクロロスズナフタロシアニン(以下、SnCl
2NPcと略す。)等が挙げられる。下引き層における
ナフタロシアニン化合物の含有量は、用いるバインダー
樹脂100重量部に対して、通常、0.001〜100
重量部、好ましくは、0.01〜100重量部、最も好
ましくは0.05〜50重量部である。
【0020】また下引き層は、通常、樹脂に金属酸化物
等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に
用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜
鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、
チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン
酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が
挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の
種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化
物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好
ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子
は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アン
チモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又は
ステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物によ
る処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型
としては、ルチル、アナターゼ、ブルックカイト、アモ
ルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状
態のものが含まれていても良い。
【0021】また、金属酸化物粒子の粒径としては、種
々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性
の面から、平均一次粒径として10〜100nmが好ま
しく、特に好ましくは、10〜50nmである。下引き
層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で
形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダ
ー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアク
リル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレ
タン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤
とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコー
ル可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好
な分散性、塗布性を示し好ましい。
【0022】バインダー樹脂に対する無機粒子の添加比
は任意に選べるが、10〜500wt%の範囲で使用す
ることが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。下
引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、膜厚が薄
すぎると十分なブロッキング性が得られず、画像黒点が
発生しやすくなる。一方、膜厚を厚くすると感光体の残
留電位が上昇する傾向がある。また塗布欠陥、膜厚均一
性不良が発生しやすくなり、それを防ぐためにはバイン
ダーを硬化した形で用いなければならなくなり、製造工
程が煩雑になるとともに、塗布液安定性が悪化する問題
がある。従って感光体特性および生産性の点から下引き
層膜厚は0.1〜20μmが好ましく、0.5〜10μ
m以下であることがより好ましい。
【0023】また、下引き層には干渉縞低減効果および
/または感光体の反射率を制御するために粗大粒子を添
加しても良い。粗大粒子の種類としてはシリカ、シリコ
ーン、テフロン(登録商標)、ポリスチレン等が挙げら
れる。粗大粒子の粒径としては特に制限はなく、干渉縞
低減の面からは粒径は大きい方が効果が高いが、あまり
大きすぎると塗布液中での粗大粒子沈降が生じ塗布液の
安定性が損なわれるために、0.05μm〜1μmが好
ましく、0.1μm〜0.5μmがより好ましい。また
下引き層には、公知の酸化防止剤、レベリング剤等を添
加しても良い。
【0024】<感光層> (1)層構成 感光層の具体的な構成として、 ・導電性支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発
生層、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする
電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光体。 ・導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂
を主成分とする電荷輸送層、電荷発生物質を主成分とす
る電荷発生層をこの順に積層した逆二層型感光体。 ・導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂
を含有する層が積層され、該層中に電荷発生物質を分散
させた単層型(分散型)感光体。 等が基本的な形の例として挙げられる。
【0025】(2)電荷発生物質 電荷発生物質としては例えば、セレニウム及びその合
金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロ
シアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ
顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロ
ン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種
光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシア
ニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
【0026】中でも無金属フタロシアニン、銅、インジ
ウム、カリウム、錫、チタニウム、亜鉛、バナジウム等
の金属もしくはそれらの酸化物、塩化物の配位したフタ
ロシアニン類、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリ
アゾ類等のアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質としてフ
タロシアニン化合物を用いる場合、具体的には、無金属
フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタ
ン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金
属、またはその酸化物、ハロゲン化物等の配位したフタ
ロシアニン類が使用される。3価以上の金属原子への配
位子の例としては、上に示した酸素原子、塩素原子の
他、水酸基、アルコキシ基などがあげられる。特に感度
の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、α型、β型、
Y型等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシア
ニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウ
ムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン
等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシ
アニンの結晶型のうち、α型、β型についてはW.He
llerらによってそれぞれII相、I相として示されて
おり(Zeit.Kristallogr.159(1
982)173)、β型は安定型として知られているも
のである。最も好ましく用いられるY型は、CuKα線
を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2°
が27.3°に明瞭なピークを示すことを特徴とする結
晶型である。フタロシアニン化合物は単一の化合物のも
ののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良
い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に
置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混
合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタ
ロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を
生じせしめたものでも良い。このような処理としては、
酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られてい
る。
【0027】(3)電荷輸送物質 電荷輸送物質としては、2,4,7−トリニトロフルオ
レノンなどの芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジ
メタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン類
などの電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドー
ル誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、
ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリ
ン誘導体、チアジアゾール誘導体などの複素環化合物、
アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導
体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化
合物、これらの化合物が複数結合されたもの、あるいは
これらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する
重合体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの中
でもカルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族ア
ミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体およ
びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましく、芳
香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導
体の複数結合されてなるものが特に好ましい。
【0028】これら電荷輸送物質は単独で用いても良い
し、いくつかを混合して用いてもよい。これらの電荷輸
送物質がバインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形
成される。電荷輸送層は、単一の層から成っていても良
いし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ね
たものでも良い。感光層又は電荷輸送層における電荷輸
送物質の含有量は、耐刷性の点から、該電荷輸送層中4
5重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ま
しくは35重量%以下、特に好ましくは30重量%以下
とすることが好ましい。
【0029】(4)積層型感光層 電荷発生層 積層型感光体の場合、上述した電荷発生物質を例えば、
ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボ
ネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロ
ピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セ
ルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した
形で使用される。この場合の電荷発生物質の使用比率は
バインダー樹脂100重量部に対して通常20〜200
0重量部、好ましくは30〜500重量部、より好まし
くは33〜500重量部の範囲である。また、必要に応
じて、他の有機光導電性化合物、染料色素、電子吸引性
化合物を含有しても良い。電荷発生層の膜厚は通常0.
05〜5μm、好ましくは0.1〜2μm、より好まし
くは0.15〜0.8μmが好適である。
【0030】電荷輸送層 電荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主体
とする。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、
ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、
シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂
などが挙げられる。これらの樹脂のなかでもポリカーボ
ネート樹脂やポリエステル樹脂を用いると、電気特性、
機械特性の面で好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物
質の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対し
て、電荷輸送物質が、通常30〜200重量部用いられ
るが、好ましくは40〜150重量部以下、最も好まし
くは上限を90重量部以下とするのが、機械特性を維持
する上で有利である。また膜厚は一般に10〜60μ
m、好ましくは10〜45μmである。
【0031】電荷輸送層には成膜性、可撓性、塗布性、
耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために周
知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化
合物、レベリング剤、増感剤等の添加物を含有させても
良い。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール
化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
【0032】(5)単層型感光層 単層型感光層の場合には、上述したバインダー樹脂を主
体とする電荷輸送媒体中に、積層型感光体と同様の電荷
発生物質及び上述した電荷輸送物質が分散される。その
場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要で
あり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μ
m以下のものが使用される。感光層内に分散される電荷
発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多
すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、
例えば好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好
ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
【0033】感光層の膜厚は通常5〜50μm、より好
ましくは10〜45μmで使用される。またこの場合に
も成膜性、可撓性、機械的強度等を改良するための公知
の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定
性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレ
ベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイル、フ
ッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても良い。
【0034】(6)その他の添加剤 感光層に場合により添加される染料色素としては、例え
ばメチルバイオレット、ブリリアントグリーン、クリス
タルバイオレット等のトリフェニルメタン染料、メチレ
ンブルーなどのチアジン染料、キニザリン等のキノン染
料及びシアニン染料やビリリウム塩、チアビリリウム
塩、ベンゾビリリウム塩等が挙げられる。また、電子吸
引性化合物としては、例えばクロラニル、2,3−ジク
ロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキノ
ン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−クロ
ロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン
類;4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類;9
−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−
ジニトロベンゾフェノン、2,4,7−トリニトロフル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノ
ン、3,3′,5,5′−テトラニトロベンゾフェノン
等のケトン類;無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無
水物等の酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタラ
ルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマロノニ
トリル、4−ニトロベンザルマロニトリル、4−(p−
ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニトリル等の
シアノ化合物;3−ベンザルフタリド、3−(α−シア
ノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−(α−シアノ
−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7−テトラクロ
ロフタリド等のフタリド類等の電子吸引性化合物が挙げ
られる。
【0035】<その他の保護層>感光層の上に、感光層
の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物
等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を
設けても良い。また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を
軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコー
ン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂から
なる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。さら
に必要に応じて、バリアー層、接着層、プロッキング層
等の中間層、透明絶縁層など、電気特性、機械特性の改
良のための層を有していてもよいことはいうまでもな
い。
【0036】<各層の形成方法>各層の塗布方法として
は、スプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布
法、浸漬塗布法等がある。スプレー塗布法としては、エ
アスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静
電エアレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホット
スプレー、ホットエアレススプレー等があるが、均一な
膜厚を得るための微粒化度、付着効率等を考えると回転
霧化式静電スプレーにおいて、再公表平1−80519
8号公報に開示されている搬送方法、すなわち円筒状ワ
ークを回転させながらその軸方向に間隔を開けることな
く連続して搬送することにより、総合的に高い付着効率
で膜厚の均一性に優れた電子写真感光体を得ることがで
きる。
【0037】スパイラル塗布法としては、特開昭52−
119651号公報に開示されている注液塗布機または
カーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966
号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連
続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報
に開示されているマルチノズル体を用いた方法等があ
る。以下、浸漬塗布法で感光層を形成する例について説
明する。
【0038】電荷輸送物質(好ましくは前述の化合
物)、ポリアリレート樹脂、溶剤等を用いて、全固形分
濃度が通常25〜40%、粘度が通常50〜300セン
チポアーズ、好ましくは100〜200センチポアーズ
の電荷輸送層形成用の塗布液を調整する。ここで実質的
に塗布液の粘度はバインダーポリマーの種類及びその分
子量により決まるが、分子量が低すぎる場合にはポリマ
ー自身の機械的強度が低下するためこれを損わない程度
の分子量を持つバインダーポリマーを使用することが好
ましい。この様にして調整された塗布液を用いて浸漬塗
布法により電荷輸送層が形成される。
【0039】その後塗膜を乾燥させ、必要且つ充分な乾
燥が行われる様に乾燥温度時間を調整すると良い。乾燥
温度は通常100〜250℃好ましくは、110〜17
0℃さらに好ましくは、120〜140℃の範囲であ
る。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外
線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
この様にして得られる電子写真感光体は高感度で、残留
電位が低く帯電性が高く、かつ、繰返しによる変動が小
さく、特に、画像濃度に影響する帯電安定性が良好であ
ることから、高耐久性感光体として用いることかでき
る。また、750〜850nmの領域の感度が高いこと
から、特に半導体レーザープリンター用感光体に適して
いる。
【0040】<電子写真装置>本発明の電子写真感光体
を使用する複写機・プリンター等の電子写真装置は、少
なくとも帯電、露光、現像、転写の各プロセスを含む
が、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用い
ても良い。帯電方法(帯電器)としては、例えばコロナ
放電を利用したコロトロンあるいはスコロトン帯電、導
電性ローラーあるいはブラシ、フィルムなどによる接触
帯電などいずれを用いても良い。このうち、コロナ放電
を利用した帯電方法では暗部電位を一定に保つためにス
コロトロン帯電が用いられることが多い。現像方法とし
ては、磁性あるいは非磁性の一成分現像剤、二成分現像
剤などを接触あるいは非接触させて現像する一般的な方
法が用いられる。転写方法としては、コロナ放電による
もの、転写ローラーあるいは転写ベルトを用いた方法等
いずれでもよい。転写は、紙やOHP用フィルム等に対
して直接行っても良いし、一旦中間転写体(ベルト状あ
るいはドラム状)に転写したのちに、紙やOHP用フィ
ルム上に転写しても良い。
【0041】通常、転写の後、現像材を紙などに定着さ
せる定着プロセスが用いられ、定着手段としては一般的
に用いられる熱定着、圧力定着などを用いることができ
る。これらのプロセスのほかに、通常用いられるクリー
ニング、除電等のプロセスを有しても良い。また環境の
変化、感光体、現像材の劣化等による諸条件の変動を補
正するために感光体上に露光量、現像バイアスを振った
数個のトナーパッチを作成し、それらの濃度を光学式濃
度センサーで検知し、その検知結果から露光量、現像バ
イアス等にフィードバックをかける画像濃度制御機能を
備えていることは、安定した画像を得るのに有効であ
る。
【0042】光学式濃度センサーの測定方式としては光
源を感光体に照射しその正反射光量を測定する形式、ま
た拡散反射光量を測定する形式、いずれも使用可能であ
る。正反射を測定する場合は、感光体面に対してほぼ垂
直に光源を照射し光源に併設して検出器で検出を行うの
が一般的である。拡散反射を測定する場合、拡散光を測
定できれば光源と検出器の位置関係に制限はないが、例
えば感光体面に対して45度の角度で光源を照射し、感
光体面に対して垂直の方向に拡散反射された成分を検出
する方法が挙げられる。特にカラートナーを使用した場
合は拡散反射を測定する方が正確な濃度測定が可能であ
る。また正反射式と拡散反射式両者を組み合わせて使用
すればさらに正確な濃度測定が可能である。光学式濃度
センサーの光源としては、感光体に害を与えない波長で
あり、感光体の膜厚変化、表面の傷等の影響を与えない
事が望ましく、近赤外域光、例えば800〜1000n
m付近のLEDが適している。検出器としてはフォトダ
イオードが適している。
【0043】
【実施例】以下に本発明の具体的態様を実施例により更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例で用いる「部」は断りがない限り、「重量
部」を示す。
【0044】実施例1 酸化チタン(粒径0.03μm)2部とシリカ(粒径
0.3μm)1部とSnCl2NPc0.007部を各
々メタノール/n−プロパノール/トルエン=5/2/
3混合溶媒に分散し、それをナイロン1部の溶解液に
(メタノール/n−プロパノール/トルエン=5/2/
3混合溶媒で溶解)に加え、30分撹拌した後、30分
間超音波処理を行った。この様にして作成した塗布液を
Ry≦0.5となるように鏡面切削された直径60mm
のアルミニウム素管に浸漬塗布後、風乾し、膜厚4μm
の下引き層を作成した。
【0045】次いで、Y型チタニルフタロシアニン化合
物1.4部とポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業
(株)社製#6000C)1.4部を44部のメチルエ
チルケトン及び15部の4−メトキシ−4−メチルペン
タノン−2中で、サンドグラインダーミルにより、分散
微粒子化処理を行った。この様にして得られた分散液を
下引き層の積層して浸漬塗布後、風乾し膜厚0.55μ
mの電荷発生層を作成した。次に、下記構造式で表され
るアリールアミンヒドラゾン化合物を70重量部、
【0046】
【化4】
【0047】ポリカーボネートZ樹脂100重量部をテ
トラヒドロフラン600重量部および1,4−ジオキサ
ン300重量部に溶解させた溶液を浸漬塗布後、120
度で30分乾燥し、乾燥後の膜厚が30μmになるよう
に電荷移動層を設けた。
【0048】<評価方法>反射率は、三菱化学エンジニ
アリング(株)製の反射率測定器で測定した。照射光に
は、890nmのLEDを用い、塗布面に対し50度の
角度で照射し、塗布面に対し直角の方向に反射してきた
成分をフォトダイオードで検出し、拡散反射率を測定し
た。さらに感光体電気特性評価装置で初期表面電位が7
00Vになるように帯電後、波長780nm、露光量
0.1μJ/cm2露光後の表面電位VLを測定した。
また、帯電と露光を1000回繰り返し、同様にVLを
測定した。その結果を表1に示す。
【0049】実施例2 実施例1のSnCl2NPcの部数を0.01部とした
以外は実施例と同様に感光体を作製し、評価した。その
結果を表1に示す。 実施例3 実施例1のSnCl2NPcの部数を0.1部とした以
外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。その
結果を表1に示す。
【0050】実施例4 実施例1のSnCl2NPcの部数を0.001部とし
た以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。
その結果を表1に示す。 実施例5 実施例1の感光体を10本作製し、評価した。その結果
を表2に示す。
【0051】実施例6 実施例1の鏡面切削されたアルミニウム素管の代わりに
表面をRy=0.5μmに粗切削されたアルミニウム素
管を用い、SnCl2NPcの部数を0.03部とした
以外は実施例1と同様の感光体を10本作製し、評価し
た。その結果を表2に示す。
【0052】実施例7 実施例1の鏡面切削されたアルミニウム素管の代わりに
表面をRy=1.2μmに粗切削されたアルミニウム素
管を用い、SnCl2NPcの部数を0.03部とした
以外は実施例1と同様の感光体を10本作製し、評価し
た。その結果を表2に示す。
【0053】比較例1 実施例1のSnCl2NPcの代わりに三井化学(株)
製近赤外吸収剤SIR−130を用いた以外は実施例1
と同様に感光体を作製し、評価した。その結果を表1に
示す。 比較例2 実施例1のSnCl2NPcの代わりに大日本インキ化
学工業(株)製Fastogen Blue 8120
BSを用いた以外は実施例1と同様に感光体を作製し、
評価した。その結果を表1に示す。
【0054】比較例3 実施例1のSnCl2NPcを添加しなかった以外は実
施例1と同様に感光体作製し、評価した。その結果を表
1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】実施例8 表面粗さRy≦0.5となるよう鏡面切削された直径3
0mm、長さ254mm、肉厚0.75mmのアルミニ
ウム素管を用いた以外は実施例1と同様にして感光体を
作成した。得られた感光体をヒューレットパッカード社
製、製品名:レーザープリンターLaser Jet4
plusに組み込み、20%、50%、75%の網点
を画像出力したところ、いずれの画像でも干渉縞の発生
は認められなかった。
【0058】比較例4 実施例8においてSnCl2NPcを添加しなかった以
外は実施例8と同様に感光体を作成し、実施例8と同様
の画像を出力したところ、いずれの画像でも干渉縞の発
生が認められた。
【0059】実施例9 表面粗さRy≦0.5となるよう鏡面切削された直径1
40mm、長さ370mm、肉厚3mmのアルミニウム
素管を用い、電荷発生剤量としてY型チタニルフタロシ
アニンを用いた以外は実施例1と同様にして感光体を作
成した。得られた感光体をXeikon社製タンデムタ
イプカラープリンターDCP32/Dを改造してYMC
K各色の現像直後に実施例1と同様の条件で感光体の反
射を測定できるようにした装置に組み込んだ。感光体素
地での反射センサーの出力を1とした場合に、現像バイ
アスを−580Vに固定し、露光量に相当するLED出
力(LDA)20%(露光量0.1μJ/cm2に相
当)、30%(同0.14μJ/cm2)、40%(同
0.18μJ/cm2)および70%(同0.3μJ/
cm2)で各色のベタを出力した場合の感光体上のトナ
ー像の反射センサー出力値を測定した。この結果を表3
に示す。
【0060】
【表3】
【0061】表3より画像濃度と反射センサー出力に十
分な相関があり反射センサー出力をもとに画像濃度制御
を行うことが可能であることがわかる。
【0062】比較例5 表面粗さRy=1.0となるように粗切削されたアルミ
ニウム素管を用いた以外は実施例9と同様に感光体を作
成した。実施例9での測定と同条件で感光体素地、網
点、ベタを出力した場合の感光体反射を測定した。この
場合、感光体素地の拡散反射強度は実施例9の感光体素
地に対して1.91であった。この結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】表4より画像濃度が高い領域で反射センサ
ー出力値に顕著な差が見られなくなり、反射センサー出
力値をもとに画像濃度制御を行うことが困難であること
がわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明の下引き層を用いた電子写真感光
体は、電子写真特性を損なうことなく干渉縞を防止し、
感光体の赤外反射率を制御することができ、光学式濃度
センサーの検知精度を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 370 G03G 21/00 370 (72)発明者 尾澤 鉄男 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 石尾 耕三 神奈川県小田原市成田1060 三菱化学株式 会社小田原工場内 Fターム(参考) 2H027 DA10 DE02 DE07 DE10 2H035 CA07 CB02 CB03 2H068 AA19 AA21 AA44 AA48 AA59 BA38 BA39 FA17 FA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも下引き層
    及び感光層を有する電子写真感光体において、該下引き
    層が、下記一般式(1)で表されるナフタロシアニン化
    合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式(1)中、Mは2個の水素原子、又は金属原子を表
    し、金属原子は配位子を有していてもよい。X1、X2
    3及びX4はそれぞれ水素原子又は置換基を表す。)
  2. 【請求項2】 感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を
    有するものである請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体の表面粗さがRy≦1.0
    である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 下引き層の膜厚が、10μm以下である
    請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 感光層が、CuKαを線源とするX線回
    折スペクトルにおいて、少なくともブラック角(2θ±
    0.2°)27.3°に回折ピークを示すオキシチタニ
    ウムフタロシアニンを含有するものである請求項1〜4
    のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写
    真感光体を用い、該電子写真感光体上に濃度測定用のト
    ナー像を形成する手段とそのトナー像の濃度を近赤外線
    領域の発光部と受光部からなる光学式濃度センサーによ
    って計測する手段を備えていることを特徴とする電子写
    真装置。
  7. 【請求項7】 光学式濃度センサーが、拡散反射光を計
    測するものである請求項6に記載の電子写真装置。
JP2001217681A 2001-07-18 2001-07-18 電子写真感光体 Expired - Fee Related JP3874633B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001217681A JP3874633B2 (ja) 2001-07-18 2001-07-18 電子写真感光体
EP02015861A EP1278105B1 (en) 2001-07-18 2002-07-16 Electrophotographic photoreceptor
DE60206334T DE60206334T2 (de) 2001-07-18 2002-07-16 Elektrophotographischer Photorezeptor
US10/196,185 US6824938B2 (en) 2001-07-18 2002-07-17 Electrophotographic photoreceptor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001217681A JP3874633B2 (ja) 2001-07-18 2001-07-18 電子写真感光体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003029442A true JP2003029442A (ja) 2003-01-29
JP3874633B2 JP3874633B2 (ja) 2007-01-31

Family

ID=19051962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001217681A Expired - Fee Related JP3874633B2 (ja) 2001-07-18 2001-07-18 電子写真感光体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6824938B2 (ja)
EP (1) EP1278105B1 (ja)
JP (1) JP3874633B2 (ja)
DE (1) DE60206334T2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006030941A (ja) * 2003-10-09 2006-02-02 Fuji Denki Gazo Device Kk 像担持体、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
WO2006109843A1 (ja) * 2005-04-08 2006-10-19 Canon Kabushiki Kaisha 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2009014845A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2009288289A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2010008560A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101587309B (zh) * 2004-11-19 2012-01-25 三菱化学株式会社 底涂层形成用涂布液以及电子照相感光体
US20080057185A1 (en) * 2005-12-30 2008-03-06 Wall Jason S Solar control laminates
US7485399B2 (en) * 2006-02-02 2009-02-03 Xerox Corporation Imaging members having undercoat layer with a polymer resin and near infrared absorbing component
WO2007135987A1 (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Mitsubishi Chemical Corporation 電子写真感光体、画像形成装置及び電子写真カートリッジ
JP4869391B2 (ja) * 2009-10-02 2012-02-08 シャープ株式会社 電子写真感光体及びそれを備えた画像形成装置
WO2018179658A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 電子写真感光体及び画像形成装置

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4106935A (en) * 1970-08-26 1978-08-15 Xerox Corporation Xerographic plate having an phthalocyanine pigment interface barrier layer
JPS5845707B2 (ja) 1975-08-22 1983-10-12 コニカ株式会社 電子写真用感光材料
JPS5621129A (en) 1979-07-30 1981-02-27 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Electrophotographic receptor
JPS60225854A (ja) 1984-04-24 1985-11-11 Canon Inc 光受容部材用の支持体及び光受容部材
JPS61171771A (ja) * 1985-01-25 1986-08-02 Mitsubishi Chem Ind Ltd 電子写真用感光体の製造方法
JPS63165864A (ja) 1986-12-27 1988-07-09 Hitachi Chem Co Ltd 電子写真感光体
JPH0282263A (ja) * 1988-09-20 1990-03-22 Canon Inc 電子写真感光体
JP2922219B2 (ja) 1989-06-30 1999-07-19 コニカ株式会社 電子写真感光体
JP2701231B2 (ja) 1989-07-31 1998-01-21 キヤノン株式会社 電子写真感光体、この電子写真感光体を用いた画像形成方法
JP2841720B2 (ja) 1990-05-28 1998-12-24 三菱化学株式会社 電子写真感光体
US5306586A (en) * 1992-08-06 1994-04-26 Xerox Corporation Dual layer switch photoreceptor structures for digital imaging
JP3371260B2 (ja) * 1992-10-09 2003-01-27 コニカ株式会社 電子写真感光体
JPH0736230A (ja) 1993-07-16 1995-02-07 Mita Ind Co Ltd 画像濃度制御方法
US5403686A (en) 1993-09-27 1995-04-04 Eastman Kodak Company Electrophotographic element and imaging method exhibiting reduced incidence of laser interference patterns
JP3847356B2 (ja) * 1995-01-30 2006-11-22 コニカミノルタホールディングス株式会社 電子写真感光体及び画像形成方法
JP4091205B2 (ja) 1998-07-30 2008-05-28 三菱化学株式会社 電子写真感光体及びその製造方法並びにそれに用いる酸化チタン
JP3990827B2 (ja) 1998-09-29 2007-10-17 キヤノン株式会社 電子写真感光体の近赤外線領域の反射率の制御方法
JP3826586B2 (ja) * 1998-10-15 2006-09-27 三菱化学株式会社 ハロゲン化スズナフタロシアニン誘導体の製造方法
JP4311792B2 (ja) 1999-01-06 2009-08-12 コニカミノルタホールディングス株式会社 電子写真感光体とそれを用いた電子写真装置
JP3935283B2 (ja) * 1999-02-10 2007-06-20 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2002091042A (ja) * 2000-09-14 2002-03-27 Fuji Denki Gazo Device Kk 電子写真用感光体および電子写真装置
JP2002221833A (ja) * 2001-01-24 2002-08-09 Canon Inc 画像形成装置およびカートリッジ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006030941A (ja) * 2003-10-09 2006-02-02 Fuji Denki Gazo Device Kk 像担持体、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
WO2006109843A1 (ja) * 2005-04-08 2006-10-19 Canon Kabushiki Kaisha 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2009014845A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
US8103191B2 (en) 2007-07-02 2012-01-24 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus
JP2009288289A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2010008560A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
US6824938B2 (en) 2004-11-30
US20030096180A1 (en) 2003-05-22
DE60206334D1 (de) 2006-02-09
EP1278105B1 (en) 2005-09-28
JP3874633B2 (ja) 2007-01-31
EP1278105A3 (en) 2003-09-03
DE60206334T2 (de) 2006-07-13
EP1278105A2 (en) 2003-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006284679A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
US20020094487A1 (en) Electrophotographic photoreceptor, method of manufacturing the photoreceptor, and electrophotographic image forming method and apparatus using the photoreceptor
JP2007322518A (ja) 積層型電子写真感光体及び画像形成装置
JP3874633B2 (ja) 電子写真感光体
JP2008276246A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JPH09258466A (ja) 電子写真感光体
JP4466406B2 (ja) 電子写真感光体、および該感光体を用いた画像形成装置
JP2016148766A (ja) 電子写真感光体、その検査方法および電子写真感光体を備えた画像形成装置
JP2006195476A (ja) 電子写真感光体,電子写真カートリッジ及び電子写真画像の形成装置
US8846279B2 (en) Electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor cartridge and image forming apparatus
JP4411232B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP3949365B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置
JP4462123B2 (ja) 電子写真感光体
US9864322B2 (en) Image forming apparatus
JP5932607B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US9298115B2 (en) Electrophotographic photosensitive member, method for manufacturing electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP2010181911A (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置
JP3890276B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカ―トリッジおよび電子写真装置
JP4402610B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3883320B2 (ja) 光導電体、有機顔料分散液およびそれを用いた光導電体の製造方法、電子写真方法、および電子写真装置
JP2003195536A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2000242011A (ja) 光導電体、有機顔料分散液およびそれを用いた光導電体の製造方法、電子写真方法、および電子写真装置
JP6287362B2 (ja) 感光層形成用塗布液の製造方法、該塗布液を用いて製造した電子写真感光体、画像形成装置及び電子写真カートリッジ
JP2016053634A (ja) 電子写真感光体、その製造検査方法および電子写真感光体を備えた画像形成装置
JP2005182006A (ja) 電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置およびカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040819

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3874633

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees