JP2010008560A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract


【課題】画像濃度制御用のトナー像を構成するトナー量を精度良く検出し、画像濃度制御を精度良く行うことができる画像形成装置及びそれに用いるプロセスカートリッジを提供することである。
【解決手段】ハロゲン光に対する正反射率が8%以上14%以下である像保持体と、帯電手段と、前記帯電された像保持体に潜像形成光を露光することにより該像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、現像手段と、前記トナー像が形成された像保持体に対して検出光を照射し、該像保持体からの反射光に基づいて前記トナー像の光学濃度を検出する光学濃度検出手段と、前記光学濃度の検出結果に基づいて、前記像保持体上に形成されるトナー像の光学濃度が目標濃度となるように、前記帯電手段による像保持体の帯電電位、前記潜像形成光の露光量及び前記現像手段の現像電位のうちの少なくとも1つを制御する制御手段と、を有する画像形成装置である。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
従来、カラーや白黒の画像を形成する複写機やプリンタなどの画像形成装置として、電子写真方式を用いた画像形成装置が知られている。
上記画像形成装置において、環境の変化、経時変化、及び使用状況の変化等により、画像濃度に変動やばらつきが生じる場合がある。そこで、画像濃度の変動を調整するために、画像形成装置に濃度センサを設けて濃度調整を行う技術が知られており、この濃度センサによる濃度検知の精度低下を抑制する技術が知られている。
例えば、導電性支持体上に結着樹脂と粒子とからなる下引層と、感光層とを有する電子写真感光体を用い、この電子写真感光体の表面の、特定波長領域(800nm乃至1300nm)のいずれかの波長の光に対する乱反射率を50%乃至65%に調整する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これによって、濃度センサによって検知される、濃度制御の基準となる電子写真感光体表面の濃度を中間濃度とし、この中間濃度を基準として濃度センサの校正を行うことで、濃度センサによる濃度検知の精度低下を抑制している。
また、電子写真感光体を構成する少なくとも1つの層が、光赤外線領域に光吸収域を有する光感応性色素を含んだ構成とし、濃度センサから照射される光の反射光を中間階調の濃度として、この中間階調の濃度を基準として濃度センサの校正を行うことで、濃度センサによる濃度検知の精度低下を抑制する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、転写ローラに転写された濃度検知用パターンの濃度を濃度検出装置によって検出し、この転写ローラの色を記録媒体の色に近い白色とするとともに、この転写ローラ上の濃度検知パターンの濃度を検知することによって、高精度な濃度制御を可能とした画像形成装置や(例えば、特許文献3参照)、装置に使用する複数の像保持体の導電性基体表面をサンドブラスト処理することにより、各像保持体間における基体表面のバラツキを低減して、所望の均一な基体表面性を有する複数の像保持体を備えたタンデム方式のカラー画像形成装置(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
特開2003−021919号公報 特開2003−322985号公報 特開平8−44122号公報 特開2006−030941号公報
像保持体上に形成された画像濃度制御用のトナー像の濃度は、該トナー像が形成された像保持体からの反射光成分を検出するか、または、トナー像が形成された像保持体からの散乱光成分を検出することによって測定する光学濃度検出手段が用いられるが、この場合、前記トナー像の濃度に制度良く対応した検出結果を得るためには、トナー像を構成するトナーの量に応じて変化する像保持体からの反射光成分や散乱光成分をいかに精度良く検出できるかが重要となる。
しかしながら、像保持体は所定の波長に感度を有しており、光学濃度検知手段の波長によっては像保持体による吸収の影響を大きく受けるため、像保持体上に付着したトナー像を構成するトナーの量に応じて変化する前記反射光成分や散乱光成分を精度良く検出することができない場合があった。また、光学濃度検知手段の光を像保持体が感度を有さない波長光としても、感光層を透過した光が下引層の表面状態や分光吸収特性等によって、さらに基材表面状態によっては、前記反射光成分や散乱光成分の検出精度を向上させることはできない場合があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、画像濃度制御用のトナー像を構成するトナー量を精度良く検出し、画像濃度制御を精度良く行うことができる画像形成装置及びそれに用いるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、基体上に下引き層及び感光層を有し、ハロゲン光に対する正反射率が8%以上14%以下である像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
前記帯電された像保持体に潜像形成光を露光することにより該像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーによって現像し、前記像保持体上にトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像が形成された像保持体に対して検出光を照射し、該像保持体からの反射光に基づいて前記トナー像の光学濃度を検出する光学濃度検出手段と、
前記光学濃度の検出結果に基づいて、前記像保持体上に形成されるトナー像の光学濃度が目標濃度となるように、前記帯電手段による像保持体の帯電電位、前記潜像形成光の露光量及び前記現像手段の現像電位のうちの少なくとも1つを制御する制御手段と、
を有する画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、前記像保持体の基体における、ハロゲン光に対する正反射率が40%以上80%以下である請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、前記光学濃度検知手段における検出光の波長が700nm以上1000nm以下である請求項1または2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、さらに前記像保持体の基体部分に対して検出光を照射し、該基体部分からの反射光に基づいて基体の反射率を検出する反射率検出手段を有し、
前記制御手段が、前記光学濃度の検出結果及び前記反射率の検出結果に基づいて、前記像保持体上に形成されるトナー像の濃度が目標濃度となるように、前記帯電手段による像保持体の帯電電位、前記潜像形成光の露光量及び前記現像手段の現像電位のうちの少なくとも1つを制御する制御手段である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、前記反射率検出手段における検出光の波長が700nm以上1000nm以下である請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、基体上に下引き層及び感光層を有し、ハロゲン光に対する正反射率が8%以上14%以下である像保持体と、
前記像保持体上に形成されたトナー像の光学濃度を検知する光学濃度検知手段と、
を有するプロセスカートリッジである。
本発明の請求項1に係る発明によれば、画像濃度制御用のトナー像を構成するトナー量を精度良く検出し、画像濃度制御を精度良く行うことができる画像形成装置が提供される。
請求項2に係る発明によれば、像保持体におけるハロゲン光に対する正反射率の制御性が高まり、画像濃度制御をより精度良く行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、トナー像の光学濃度検出時の感光層の吸収による影響を少なくでき、画像濃度制御をより精度良く行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、導電性基体や感光層に特別な処理をすることなく、画像濃度制御をより精度良く行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、さらに基材反射率のばらつきの影響を受けることなく、画像濃度制御をより精度良く行うことができる。
請求項6に係る発明によれば、画像濃度制御用のトナー像を構成するトナー量の検出を容易とし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
本実施形態の画像形成装置は、基材上に下引き層及び感光層を有し、ハロゲン光に対する正反射率が8%以上14%以下である像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、前記帯電された像保持体に潜像形成光を露光することにより該像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーによって現像し、前記像保持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像が形成された像保持体に対して検出光を照射し、該像保持体からの反射光に基づいて前記トナー像の光学濃度を検出する光学濃度検出手段と、前記光学濃度の検出結果に基づいて、前記像保持体上に形成されるトナー像の濃度が目標濃度となるように、前記帯電手段による像保持体の帯電電位、前記潜像形成光の露光量及び前記現像手段の現像電位のうちの少なくとも1つを制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
図1は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、画像形成装置10は感光体(像保持体)12を備えている。感光体12は、所定方向(図1中、矢印A方向)に回転可能に設けられている。この感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電装置(帯電手段)14、露光装置(潜像形成手段)18、現像装置(現像手段)20、濃度測定装置(光学濃度検出手段)22、転写装置24、クリーニング装置26、及び除電器28が順に配置されている。
感光体12は、図3の模式的断面図に示すように、導電性基体(基体)7上に下引層2と、感光層3と、を少なくとも積層して構成されている。感光体12の構成については、詳細は後述するが、感光体12は、ハロゲン光に対する正反射率が8%以上14%以下の範囲内となるように構成されている。
なお、本実施形態において「導電性」とは、20℃における体積抵抗率が1×10−6Ωcm以下であることをいう。
画像形成装置10における画像濃度制御は、前記のように、光学濃度検知手段である濃度測定装置22から感光体12上の画像濃度制御用のトナー像に対して検出光を照射することによって行うが、濃度測定装置22から照射される検出光はすべてが感光体面に対し垂直に入射するわけではなく、一部は感光体面に対し斜めに入射することとなる。このため、検出光に対して感光体12から反射される光には、反射光成分及び散乱光成分が含まれることとなる。
また、濃度測定時は感光体12は回転しているため感光体表面は常に移動しており、感光体表面の状態も刻々変動していく。このため、入射光に対する前記反射光成分及び散乱光成分の比率や各光の状態も変動しやすくなる。
したがって、感光体12に対して照射する検出光に対して、トナー像の光学濃度検出に有効な安定した反射光が得られない場合があった。
上記問題に対し、本発明者等が主として感光体の光反射特性に着目して検討した結果、理由は明らかでないが、ハロゲン光に対する正反射率が一定範囲である感光体12を用いることにより、前記入射光に対する感光体12からの反射光のばらつきが抑えられ、光学濃度の検出精度が大きく向上することが見出された。
具体的には、用いる感光体12のハロゲン光に対する正反射率は8%以上14%以下とする必要があり、8%以上13%以下とすることがより望ましく、10%以上12%以下とすることがさらに好適である。
ハロゲン光に対する正反射率が8%未満となると、光学濃度検知手段へ濃度検知可能な程度の強度の反射光が入射されないため、トナー像の光学濃度の測定精度の低下が生じる。一方、ハロゲン光の正反射率が14%を超えると、光学濃度検知手段へ濃度検知不可能な程度の強い強度の反射光が入射されるため、トナー像の光学濃度の測定精度の低下が生じる。
なお、本実施形態において、感光体12のハロゲン光に対する正反射率は、図6に概略構成を示した光学系を用いて求めた。すなわち、図中の点線の矢印で示すように、ハロゲンランプから測定対象の矢印Q方向に回転する感光体(ドラム)に対して顕微鏡を矢印P方向に移動させながらハロゲン光を照射して、その反射光量をフォトマルであるMCPD−2000(大塚電子(株)製)によって測定した値を、鏡面加工したAl管で同様の測定をしたときの値を100%としたときの比率で表した値を正反射率(%)とした。また、ここでいう鏡面とは、Al管表面を高精度に切削するか、バフ仕上げなどの研磨加工により、RHOPINT製NOVO−SHADE DUOなどの反射率計を用いたときに反射率が95%乃至98%の範囲となるように加工したものをいう。以下の正反射率の測定もこれに準ずる。
なお、本実施形態で用いられるハロゲン光は、400nm乃至1015nmの波長幅を有するものである。
さらに画像形成装置10について説明する。帯電装置14は、感光体12の表面を所定の帯電電位に帯電させる。帯電装置14は、帯電器14B及び電源14Aを含んで構成されている。帯電器14Bは、電源14Aに電気的に接続されており、電源14Aから供給された電力に応じた帯電電位に感光体12表面を帯電させる。
帯電器14Bとしては、公知の帯電器を使用することができる。接触方式である場合には、ロール、ブラシ、磁気ブラシ、ブレード等が使用でき、非接触の場合には、コロトロン、スコロトロン等が使用できる。
接触帯電方式は、感光体12表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより感光体表面を帯電させるものである。導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、あるいはローラー状等何れでもよいが、特にローラー状部材が好ましい。通常、ローラー状部材は外側から抵抗層とそれらを支持する弾性層と芯材から構成される。さらに必要に応じて抵抗層の外側に保護層を設けることができる。
導電性部材を用いて感光体12を帯電させる方法としては、導電性部材に電圧を印加するが、印加電圧は直流電圧、あるいは直流電圧に交流電圧を重畳したものが好ましい。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される感光体帯電電位に応じて正または負の50V以上2000V以下が好ましく、特に100V以上1500V以下が好ましい。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧が400V以上1800V以下、望ましくは800V以上1600V以下、さらに望ましくは1200V以上1600V以下が好ましい。交流電圧の周波数は50Hz以上20,000Hz以下、望ましくは100Hz以上5,000Hz以下である。
露光装置18は、帯電装置14によって帯電された感光体12へ、この感光体12の感光層が吸収を有する波長の光(潜像形成光)を露光する。これによって、感光体12上に、画像形成装置10で形成する対象となる画像の画像データに応じた静電潜像が形成される。
露光装置18としては、感光体12における感光層3が吸収可能な波長の光を感光体12へ露光することができれば、公知の露光装置を使用することができる。光源としては、感光体12の感光層3の構成等によって選択されるが、例えば、半導体レーザーや、マルチビーム出力の可能な面発光型のレーザー光源、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。これらの中でも、非干渉光を露光可能な露光装置18を用いると、感光体12の導電性基体7及び感光層3間での干渉縞を防止することができる。
現像装置20は、静電潜像をトナー(詳細後述)により現像して、感光体12上に静電潜像に応じたトナー像を形成するものである。
この現像装置20は、貯留されたトナーを保持すると共に、該保持したトナーを感光体12表面へ供給するための現像ロール20Bと、この現像ロール20Bに現像バイアス電圧を印加するための現像バイアス電圧印加部20Aと、を含んで構成されている。
現像装置20としては、公知の現像装置20を使用することができる。現像法としては、キャリアとトナーからなる二成分現像法、またはトナーのみからなる一成分現像法、またこれらの現像法においてさらに現像その他の特性改善のために別の構成物質が添加される場合もある全ての現像方法が使用できる。
濃度測定装置22は、感光体12上に形成されたトナー像の光学濃度を検知する。
この「トナー像の光学濃度」は、単位面積あたりのトナーの現像量(感光体12上に形成されている単位面積あたりのトナーの量)に対応している。すなわち、単位面積あたりのトナー量が多くなるほど、トナー像の光学濃度は高い値として検知される。
この濃度測定装置22は、図1に示すように、現像装置20の設けられている位置より、感光体12の回転方向(図1中、矢印A方向)下流側で、且つ転写装置24の設けられている位置より感光体12の回転方向上流側に設けられ、感光体12上に形成されたトナー像の光学濃度を検知可能な位置に設けられている。
図2に、濃度測定装置22が感光体12上のトナー像の光学濃度を検出している状態を模式的に示す。濃度測定装置22は、図2に示すように、感光体12上に光(検出光)を照射するための発光素子22Aと、発光素子22Aから照射された光の反射光の強度を検出するための受光素子22Bと、演算部22Cと、を含んで構成されている。
発光素子22Aは、感光体12の感光層3が吸収を有さない波長の光を感光体12へと照射可能な構成であることが望ましく、公知の光源や、該光源に指向性をあげるためのレンズを組み合わせたもの等を使用することができる。
なお、上記「吸収を有さない」とは、特定の波長の光が照射された時の吸光度が最大吸収波長の吸光度の1/10未満であることを意味する。
具体的には、本実施形態における発光素子22Aの検出光の波長は、700nm以上1000nm以下であることが望ましく、750nm以上960nm以下であることがより望ましい。
検出光の波長が700nmに満たないと、感光体12における感光層の吸収領域と重なり検出感度が低下する場合がある。波長が1000nmを超えると、トナー像の光学濃度が検出困難となる場合がある
受光素子22Bとしては、前記発光素子22Aから照射される波長の光に吸収を有し、かつ十分な光電流を発生させることが可能な構成であればよく、公知の光電素子、例えば、フォトダイオードあるいはフォトトランジスタ等を使用することができる。
演算部22Cは、受光素子22Bに信号授受可能に接続されており、受光素子22Bによって検出された反射光の強度に基づいてトナー像の光学濃度を演算する。
ここで、発光素子22Aから照射された光の、感光体12上に形成されたトナー像40による反射光の強度と、感光体12上のトナー像40が形成されていない領域による反射光の強度とは、異なる値を示す。また、感光体12上に形成されているトナー像の単位面積あたりのトナー量が異なると、この保持されている単位面積あたりのトナー量に応じて、発光素子22Aから照射された光の反射光の強度は異なる値を示す。
このため、演算部22Cでは、受光素子22Bによる感光体12上のトナー像40の形成されていない領域における反射光強度の測定結果を、基準反射強度として予め記憶しておき、この基準反射強度と、感光体12上にトナー像が形成されたときに受光素子22Bによって検出された反射光の強度との差に基づいて、トナー像の光学濃度を演算する。
また、帯電手段による像保持体の帯電電位、前記潜像形成光の露光量及び前記現像手段の現像電位のうち少なくとも1つを変化させて、2つ以上の条件で感光体12上に形成されたトナー像の反射光強度の測定結果を用いてもトナー像の光学濃度を演算することも可能である。
このトナー像の光学濃度の演算は、例えば、予め記憶した基準反射強度と、受光素子22Bによって検出された反射光の強度の単位面積あたりの強度と、の差を示す差分情報に対応づけてトナー像の光学濃度を示す濃度情報を予め記憶しておいて、受光素子22Bによって検出された反射光の強度の単位面積あたりの強度と基準反射強度との差の差分情報に対応する濃度情報を読み取ることによって、トナー像の光学濃度を求めればよい。なお、トナー像の光学濃度の演算方法はこのようは方法に限られず、予め基準反射強度と、基準反射強度との差分情報と、に基づいてトナー像の光学濃度を算出するための算出式を記憶しておいて、この算出式に基づいて演算するようにしてもよい。
転写装置24は、感光体12上のトナー像を記録媒体27に転写するものである。
転写装置24は、感光体12とともに記録媒体27を挟持搬送すると共に、感光体12上のトナー像を記録媒体27側へ移行(転写)させるための電界を形成する転写ロール24Bと、該転写ロール24Bに転写バイアス電圧を印加するための転写バイアス電圧印加部24Aと、を含んで構成されている。
転写装置24としては、公知の転写装置を使用することができる。例えば、接触方式である場合は、ロール、ブラシ、ブレード等が使用でき、非接触方式の場合は、コロトロン、スコロトロン、ピンコロトロン等が使用できる。また、圧力、若しくは圧力及び熱による転写も可能である。
この工程では、図示を省略する記録媒体供給部に貯留された記録媒体27が、図示を省略する搬送ロール等によって搬送されることで、感光体12と転写装置24との向かい合う領域に搬送され、この感光体12と転写装置24とによって挟持搬送されることで、感光体12上のトナー像は記録媒体27へ転写される。
なお、本実施形態では、感光体12及び転写装置24間に記録媒体27を挟持搬送することによってトナー像を記録媒体27へ転写する場合を説明するが、画像形成装置10は前記形態に限られず、感光体12に形成されたトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体(図示省略)へ転写した後に、この中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体27に転写するようにしてもよい。
この中間転写体としては、従来公知の半導電性樹脂を用いたベルトやドラムを用いることができる。半導電性樹脂としては、例えば、導電剤含有のポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等の半導電性熱可塑性樹脂が挙げられる。この中でも、機械強度に優れる点で、導電剤を分散させたポリイミド樹脂を用いるのが好ましい。導電剤としては、カーボンブラック、金属酸化物、ポリアニリン等の導電性ポリマーを用いることができる。また、中間転写体は表面層を有していても良い。
クリーニング装置26は、トナー像を記録媒体27へ転写した後の感光体12上に残存するトナーや紙粉等の異物を除去するものである。クリーニング装置26は、クリーニング部材として磁気ブラシ、導電性ファイバーブラシ、ブレードなどを有することが好ましい。
また除電器(イレーズ装置)28は、感光体12の残存電荷を消去するものである。
トナー像が転写装置24によって記録媒体27へ転写され、さらにクリーニング装置26によって表面の異物を除去された感光体12は、矢印A方向の回転によって除電器28により残存電荷を消去された後に、再び、帯電装置14によって帯電される。
一方、画像形成装置10は、記録媒体27に転写されたトナー像を記録媒体27上に定着する定着装置30を備えている。この定着装置30としては公知の定着手段が使用できる。
転写装置24によってトナー像を転写された記録媒体27は、図示を省略する搬送ロール等によって定着装置30まで搬送されると、定着装置30によって記録媒体27上のトナー像を定着されて、記録媒体27上に画像の形成された状態となる。この画像の形成された記録媒体27は、図示を省略する搬送ロール等によって画像形成装置10の外部へと搬送される。
次に、本実施形態用いる感光体(像保持体)12について、より詳細に説明する。
感光体12は、前記説明したように、導電性基体(基体)7上に、下引層2、感光層3が積層された構成であり、例えば、図3に示すように、導電性基体7上に下引層2、中間層4、感光層3及び保護層5が順次積層された構造を有している。なお、図3に示す感光層3は、電荷発生層31と電荷輸送層32とから構成される機能分離型の感光層であるが、感光層は単層型のものでもよい。
導電性基体7としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上に、アルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅、インジウム等の金属や酸化インジウム、酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着したもの;前記基材に金属箔をラミネートしたもの;前記基材にカーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等を結着樹脂に分散し、それを塗布することによって導電処理したもの;等が用いられる。
また、導電性基体7の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。尚、導電性基体7を金属パイプとした場合、最終仕上げする前の表面は素管のままであってもよいし、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウェットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
前記のように、本実施形態における感光体12のハロゲン光に対する正反射率を一定範囲とする必要があるが、このためには導電性基体7のハロゲン光に対する正反射率を40%以上80%以下とすることが望ましく、55%以上65%以下とすることがより好適である。
基体の正反射率が40%に満たないと、濃度測定装置22の受光素子22Bへ濃度検知可能な程度の強度の反射光が入射されないため、トナー濃度の測定精度の低下が生じる場合がある。正反射率が80%を超えると、濃度測定装置22の受光素子22Bへ濃度検知不可能な程度の強い強度の反射光が入射されるため、トナー濃度の測定精度の低下が生じる場合がある。
導電性基体7のハロゲン光に対する正反射率を上記範囲とする方法としては、精密切削処理、ホーニング処理、サンドブラスト処理、化学処理など特に制限されないが、特に基材の反射率を随時調整しながら加工できる点で精密切削処理を行うことが望ましい。
具体的には、前記切削加工に用いられる装置は、通常に使用される精密旋盤であればいずれでもかまわない。但し、使用するバイトは、切れ味良好な多結晶ダイヤモンドであることが好適である。そして、最終的な仕上げ面とする鏡面研削では、前記正反射率はこのバイトをたてたりねかせたりすることによりコントロールされる。これは、一般的な精密旋盤においては、目盛もないため「たてる」「ねかす」といった表記を行うものである。なお、基材面とバイトとの刃先角度を「たてる」と前記正反射率は減少し、「ねかす」と前記正反射率は増加する傾向がある。
下引層2は、電気特性向上、画質向上(干渉縞抑制など)、画質維持性向上、感光層接着性向上、リーク防止性向上などのために設けられる。
前記リーク防止性獲得などを目的とした3μm以上の厚膜の下引き層は適切な抵抗を有していることが好ましい。そのために下引き層に金属酸化物粒子などのフィラーを含有させ、抵抗を制御することが好ましい。
本実施形態では、濃度測定装置22における発光素子22Aの検出光に対して、下引層2の光透過率を20%以上50%以下とすることが望ましく、25%以上40%以下とすることがより好適である。具体的には、感光体12のハロゲン光に対する正反射率を前述の範囲とするために、下引層2の検出光に対する光透過率を上記範囲とすることが好適な条件となる。
下引層2の、検出光に対する光透過率が20%未満であると、濃度測定装置22の受光素子22Bへ濃度検知可能な程度の強度の反射光が入射されないため、トナー像の光学濃度の測定精度の低下という問題が生じる場合があり、50%を超えると、濃度測定装置22の受光素子22Bへ濃度検知不可能な程度の強い強度の反射光が入射されるため、トナー像の光学濃度の測定精度の低下という問題が生じる場合がある。
なお、本実施形態において、前記光透過率とは、厚み方向(積層方向)における光の透過率を示し、日立ハイテクノロジーズ社製の分光光度計(商品名:U−4000)にて測定することができる。以下の光透過率の測定についてもこれに準ずる。
下引層2に含有される樹脂としては、良好な膜を形成できるもので、かつ所望の特性が得られるものであれば公知のいかなるものでも使用可能である。例えば、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等を用いることができる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
さらに下引層2には、前記のようにフィラーを含有させることが望ましい。フィラーとしては所望の特性が得られるものであれば、公知のいかなる材料も用いることができるが、下引層の抵抗制御から金属酸化物粒子が好ましく用いられる。
本実施形態に好ましく用いられる金属酸化物粒子としては、10Ωcm乃至1011Ωcm程度の粉体抵抗が必要である。これは、下引層2はリーク耐性獲得のために適切な抵抗を得ることが必要なためである。中でも上記抵抗値を有する酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物粒子を用いるのが好ましい。特に酸化亜鉛は好ましく用いられる。
なお、上記範囲の下限よりも金属酸化物粒子の抵抗値が低いと十分なリーク耐性が得られず、この範囲の上限よりも高いと残留電位上昇を引き起こしてしまう懸念がある。また、金属酸化物粒子は表面処理の異なるものあるいは粒子径の異なるものなど2種以上混合して用いることもできる。また、金属酸化物粒子としては、比表面積が10m/g以上のものが好ましく用いられる。比表面積値が10m/g以下のものは帯電性低下を招きやすく、良好な電子写真特性が得られにくい場合がある。
また、金属酸化物粒子の体積平均粒径は30nm以上200nm以下の範囲であることが好ましい。
上記金属酸化物粒子には表面処理を施すことができる。表面処理剤としてはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤など所望の特性が得られるものであれば公知の材料から選択することができる。特にシランカップリング剤は良好な電子写真特性を与えるため好ましく用いられる。さらにアミノ基を有するシランカップリング剤は下引層2に良好なブロッキング性を与えるため好ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、所望の感光体特性を得られるものであればいかなる物でも用いることができるが、具体的例としてはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用することもできる。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いることができるシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、不飽和基を持つシランカップリング剤としてはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でも使用可能であるが、乾式法あるいは湿式法を用いることができる。
乾式法にて表面処理を施す場合には、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒まに溶解させたシランカップリング剤を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に処理される。添加あるいは噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが好ましい。溶剤の沸点以上の温度で噴霧すると、均一に攪拌される前に溶剤が蒸発し、シランカップリング剤が局部的に固まってしまい均一な処理ができにくい欠点があり、好ましくない。添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。
前記湿式法としては、金属酸化物粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミルなどを用いて分散し、シランカップリング剤溶液を添加し攪拌あるいは分散したのち、溶剤除去することで均一に処理される。溶剤除去方法はろ過あるいは蒸留により留去される。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。湿式法においては表面処理剤を添加する前に金属酸化物粒子含有水分を除去することもでき、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いることもできる。
下引層2中の金属酸化物粒子に対するシランカップリング剤の量は所望の特性が得られる量であれば任意に設定できる。
また下引層2には、前記金属酸化物粒子と反応可能な基を有するアクセプター性化合物を含有させることもできる。
アクセプター性化合物としては、所望の特性が得られる金属酸化物粒子と反応可能な基を有するものならばいかなるものでも使用可能であるが、特に水酸基を有する化合物が好ましく用いられる。さらに水酸基を有するアントラキノン構造を有しするアクセプター性化合物が好ましく用いられる。水酸基を有するアントラキノン構造を有する化合物としては、ヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物などがあげられ、いずれも好ましく用いることができる。さらに具体的にはアリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリンなどが特に好ましく用いられる。
前記アクセプター性化合物の含有量は、所望の特性が得られる範囲であれば任意に設定できるが、望ましく金属酸化物粒子100質量部に対して0.01質量部乃至20質量部の範囲で用いられる。さらに好適には金属酸化物粒子100質量部に対して0.05質量部乃至10質量部の範囲で用いられる。0.01質量部未満では下引層内の電荷蓄積改善に寄与するだけの十分なアクセプター性を付与できないため、繰り返し使用時に残留電位の上昇など維持性の悪化を招く場合がある。また20質量部を超えると金属酸化物同士の凝集を引き起こしやすく、下引層形成時に下引層内で金属酸化物が良好な導電路を形成することができず、繰り返し使用時に残留電位の上昇など維持性の悪化を招きやすくなるだけでなく、黒点などの画質欠陥も引き起こしやすくなる場合がある。
金属酸化物粒子へのアクセプター化合物の付与方法としては、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、有機溶媒に溶解させたアクセプター化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に付与される。
アクセプター化合物を添加あるいは噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが好ましく、溶剤の沸点以上の温度で噴霧すると、均一に攪拌される前に溶剤が蒸発し、アクセプター化合物が局部的にかたまってしまい均一な処理ができにくい欠点があるため好ましくない。添加あるいは噴霧した後、さらに溶剤の沸点温度以上で乾燥を行うことができる。また、金属酸化物粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミルなどを用いて分散し、アクセプター化合物の有機溶剤溶液を添加し、還流あるいは有機溶剤の沸点以下で攪拌あるいは分散したのち、溶剤除去することで均一に付与される。また、溶剤除去方法はろ過あるいは蒸留、加熱乾燥により留去される。
下引層形成用塗布液中の金属酸化物粒子と前記バインダー樹脂との比率は、所望する感光体12特性を得られる範囲で任意に設定できるが、照射される光に対する下引層2のダメージをより少なくするという観点から、金属酸化物粒子とバインダー樹脂との体積比(金属酸化物粒子/バインダー樹脂)を10/90以上90/10以下の範囲とすることが好ましく、15/85以上60/40以下の範囲とすることがより好ましい。
下引層形成用塗布液には電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いることができる。
上記添加物としては、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。
前記シランカップリング剤は酸化亜鉛の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いることもできる。ここで用いられるシランカップリング剤の具体例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等である。
前記ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
前記チタニウムキレート化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
前記アルミニウムキレート化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
下引層形成用塗布液を調製するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かすことができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
金属酸化物粒子を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法を用いることができる。
さらに、このようにして調製した塗布液を用いて下引層2を設けるための塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。
このようにして導電性基体6上に形成された下引層2は、ビッカース強度が35以上であることが好ましい。
また、下引層2の体積抵抗率は106Ωcm以上1013Ωcm以下の範囲であることが好ましく、108Ωcm以上1012Ωcm以下の範囲であることがより好ましい。体積抵抗率が106Ωcm未満では、帯電電位が十分のらなかったりリークが発生することがある。また、1013Ωcmを超えると繰り返し使用で安定した電位特性を得ることができない場合がある。
さらに下引層2は、厚さが15μm以上50μm以下であることが好ましく、20μm以上50μm以下とすることがより好ましい。
下引層2の厚さが15μm未満であると、充分な耐リーク性能を得ることができない場合があり、また50μmを超えると、長期使用時に残留電位が残りやすくなるため画像濃度異常を招きやすい場合がある。
また下引層2の表面粗さは、モアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)乃至1/2λに調整される。表面粗さ調整のために下引層中に樹脂等の粒子を添加することもできる。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等を用いることができる。
さらに、表面粗さ調整のために下引層2を研磨することもできる。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウェットホーニング、研削処理等を用いることもできる。
下引層2の光透過率が、前述の範囲を満たすように構成するためには、前記のように上記フィラーの配合比や下引層2の厚みを制御すればよく、さらにフィラーの分散状態も制御することが望ましい。
上記フィラーの分散状態を制御するためには、例えばフィラー濃度の調整、フィラー径の調整、互いに径の異なる複数種のフィラーの混合、高分散処理を行えばよい。例えば、フィラー濃度を増やすと、透過率が低下する傾向があり、フィラー径を大きくすると、透過率が低下する傾向がある。また、2種以上の異なる径を有するフィラーを混合する場合、大きな径のフィラーが多くなれば透過率は低下し、 小さな径のフィラーが多くなれば透過率は上昇させられる傾向があるので混合割合を調整することで透過率をコントロールすることができる。また、分散処理が進むと透過率は高くなる傾向がある。
本実施形態では、下引層2及び感光層3間に、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために中間層4を設けてもよい。
中間層4には、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子等を含有する有機金属化合物等を用いることができる。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。中でも、ジルコニウムもしくはもしくはシリコン化合物を含有する有機金属化合物は残留電位が低く、環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
なお、前記中間層4に含まれ得るシリコン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物としては、前記下引層形成用塗布液び含まれる添加剤として例示したシランカップリング剤、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物を用いることができる。
中間層4は、上層の塗布性改善の他に、電気的なブロキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす場合がある。したがって、中間層を形成する場合には、膜厚は0.1μm乃至5μmの範囲に設定される。
次に、感光層3の構成について説明する。
感光層3を構成する電荷発生層31は、電荷発生物質を真空蒸着により形成するか、有機溶剤及び結着樹脂とともに分散し塗布することにより形成される。分散塗布により電荷発生層を形成する場合、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹脂、添加剤等とともに分散し、得られた分散液を塗布することにより電荷発生層31は形成される。
前述のように感光体12のハロゲン光に対する正反射率8%以上14%以下とする必要があるが、本実施形態では、このために、濃度測定装置22における発光素子22Aの検出光に対して、下引層2及び感光層3の積層膜の光透過率を10%以上60%以下とすることが望ましい。
下引層2及び感光層3の積層膜の、検出光に対する光透過率が10%未満であると、濃度測定装置22の受光素子22Bへ濃度検知可能な程度の強度の反射光が入射されないため、トナー像の光学濃度の測定精度の低下という問題が生じる場合があり、60%を超えると、濃度測定装置22の受光素子22Bへ濃度検知不可能な程度の強い強度の反射光が入射されるため、トナー像の光学濃度の測定精度の低下という問題が生じる場合がある。
下引層2の検出光に対する光透過率の好適な範囲、及びそのため範囲とするための好適な構成等については既に説明したが、これと感光層3との積層膜の光透過率に関しては、感光層3における光透過性は主として電荷発生層31に用いられる電荷発生材料種やその分散状態等により左右されるため、電荷発生層31を以下に説明するように構成することが好適である。
前記電荷発生材料としては、公知の電荷発生物質なら何でも使用できる。赤外光用ではフタロシアニン系顔料、スクアリリウム、ビスアゾ、トリスアゾ、ペリレン、ジチオケトピロロピロール、可視光用としては縮合多環顔料、ビスアゾ、ペリレン、トリゴナルセレン、色素増感した酸化亜鉛粒子等を用いる。これらの中で、特に優れた性能が得られ、好ましく使用される電荷発生物質として、フタロシアニン系顔料が用いられる。フタロシアニン系顔料を用いることにより、特に高感度で、繰り返し安定性の優れる感光体121を得ることができる。
フタロシアニン系顔料は一般に数種の結晶型を有しており、目的にあった感度が得られる結晶型であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。特に好ましく用いられるフタロシアニン系顔料としては、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロススフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、オキシチタニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン等が挙げられる。
フタロシアニン顔料結晶は、公知の方法で製造されるフタロシアニン顔料を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
上記の処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系があげられる。使用される溶剤は、顔料結晶に対して、1質量部乃至200質量部、望ましくは10質量部乃至100質量部の範囲で用いる。処理温度は、−20℃乃至溶剤の沸点以下、望ましくは−10℃乃至60℃の範囲で行う。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5倍乃至20倍、望ましくは1倍乃至10倍用いればよい。
また、公知の方法で製造されるフタロシアニン系顔料結晶は、アシッドペースティングあるいはアシッドペースティングと前述した乾式粉砕あるいは湿式粉砕を組み合わせることにより、結晶制御することもできる。アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ましく、濃度70%乃至100%の範囲、望ましくは95%乃至100%の範囲のものが使用され、溶解温度は−20℃乃至100℃、望ましくは−10℃乃至60℃の範囲に設定される。濃硫酸の量は、フタロシアニン顔料結晶の質量に対して、1倍乃至100倍、望ましくは3倍乃至50倍の範囲に設定される。析出させる溶剤としては、水あるいは、水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用いられる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
なかでも好ましく用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に回折ピークを有するものである。また、このヒドロキシガリウムフタロシアニンの原料として使用されるI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、従来より公知の方法によって得ることができる。以下にその一例を示す。
先ず、o−フタロジニトリルまたは1,3−ジイミノイソインドリンと三塩化ガリウムとを所定の溶媒中で反応させる方法(I型クロロガリウムフタロシアニン法);o−フタロジニトリル、アルコキシガリウムおよびエチレングリコールを所定の溶媒中で加熱し反応させてフタロシアニン二量体(フタロシアニン・ダイマー)を合成する方法(フタロシアニン・ダイマー法)等により粗ガリウムフタロシアニンを製造する。上記の反応における溶媒としては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジメチルアミノエタノール、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミドなどの不活性且つ高沸点の溶剤を用いることが好ましい。
次に、上記の工程で得られた粗ガリウムフタロシアニンについてアシッドペースティング処理を行うことによって、粗ガリウムフタロシアニンを粒子化するとともに、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に変換する。ここで、アシッドペースティング処理とは、具体的には、粗ガリウムフタロシアニンを硫酸などの酸に溶解させたものあるいは硫酸塩などの酸塩としたものを、アルカリ水溶液、水または氷水中に注ぎ、再結晶させることをいう。前記アシッドペースティング処理に用いる酸としては硫酸が好ましく、中でも濃度70%乃至100%(特に95%乃至100%が好適)の硫酸がより好ましい。
前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、上記のアシッドペースティング処理によって得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を溶剤とともに湿式粉砕処理して結晶変換することによって得られるが、該湿式粉砕処理が、外径0.1mm乃至3.0mmの球形状メディアを使用した粉砕装置が好ましく、外径0.2mm乃至2.5mmの球形状メディアを用いることが特に好ましい。メディアの外形が3.0mmより大きいと、粉砕効率が低下するため粒子径が小さくならずに凝集体が生成し易い場合がある。また、0.1mmより小さいと、メディアとヒドロキシガリウムフタロシアニンを分離し難くなる場合がある。さらに、メディアが球形状でなく、円柱状や不定形状等、他の形状の場合、粉砕効率が低下するとともに、粉砕によってメディアが磨耗し易く、磨耗粉が不純物となりヒドロキシガリウムフタロシアニンの特性を劣化させ易くなる。
メディアの材質は、いかなるものでも使用できるが、顔料中に混入した場合にも画質欠陥を発生しにくいものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、めのうなどを好ましく使用できる。
容器材質もいかなるものでも使用できるが、顔料中に混入した場合にも画質欠陥を発生しにくいものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、めのう、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンサルファイドなどを好ましく使用できる。また、鉄、ステンレスなどの金属容器の内面にガラス、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンサルファイドなどをライニングしても良い。
メディアの使用量は、使用する装置によっても異なるが、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に対して50質量部以上、望ましくは55質量部乃至100質量部の範囲が選択される。また、メディアの外径が小さくなると同じ質量でも装置内に占めるメディア密度が高まり、混合溶液の粘度が上昇して粉砕効率が変化するため、メディア外径を小さくするに従い、メディア使用量と溶剤使用量をコントロールすることによって最適な混合比で湿式処理を行うことが望ましい。
また、前記湿式粉砕処理の温度は、0℃乃至100℃、望ましくは5℃乃至80℃、より望ましくは10℃乃至50℃の範囲で行う。温度が低い場合には、結晶転移の速度が遅くなり、また、温度が高すぎる場合にはヒドロキシガリウムフタロシアニンの溶解性が高くなり結晶成長しやすく微粒化が困難となってしまう場合がある。
上記湿式粉砕処理に使用される溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−アミルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトンなどのケトン類の他に、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶剤の使用量はヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に対して通常1質量部乃至00質量部、望ましくは1質量部乃至100質量部の範囲が選択される。
また、湿式粉砕処理に用いられる装置としては、振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、ダイノーミル、コボールミル、アトライター、遊星ボールミル、ボールミルなどのメデイアを分散媒体として使用する装置を用いることができる。
結晶変換の進行スピードは、湿式粉砕処理工程のスケール、攪拌スピード、メディア材質などによって大きく影響されるが、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの分光吸収スペクトルの600nm乃至900nmの範囲における最大ピークが810nm乃至839nmの範囲内に吸収を有するように、結晶変換状態を湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターしながら、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンに変換されるまで継続する。一般的には、湿式粉砕処理の処理時間は5時間乃至500時間の範囲、望ましくは7時間乃至300時間の範囲で行われる。処理時間が5時間より少ないと、結晶変換が完結せず、電子写真特性の低下、特に感度不足の問題が生じやすい場合がある。また、処理時間が500時間より増えると、粉砕ストレスの影響により感度低下を生じたり、生産性低下、メディアの摩滅粉の混入などの問題が生じる場合がある。湿式粉砕処理時間をこのように決定することにより、ヒドロキシガリウムフタロシアニン粒子が均一に粒子化した状態で湿式粉砕処理を完了することが可能となる。
電荷発生層31に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂(体積抵抗率が1016Ωcm以上)から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸との重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。これらの中で特にポリビニルアセタール樹脂が好ましく用いられる。
電荷発生層形成用塗布液において、電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1乃至〜1:10の範囲が好ましい。塗布液を調製するための溶媒としては、公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かすことができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の方法を用いることができる。さらにこの電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。
さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、望ましくは0.3μm以下、さらに好適には0.15μm以下の粒子サイズにすることが、高感度・高安定性に対して有効である。
また、電荷発生材料は電気特性の安定性向上、画質欠陥防止などのために表面処理を施すことができる。かかる表面処理によって電荷発生材料の分散性や電荷発生層用塗布液の塗布性が向上し、滑らかで分散均一性の高い電荷発生層を容易に且つ確実に成膜することができ、その結果、カブリやゴースト等の画質欠陥が防止され、画質維持性を向上させることができる。また、電荷発生層用塗布液の保存性も著しく向上するので、ポットライフ(pot life)の延長の点でも効果的であり、感光体のコストダウンも可能となる。
表面処理剤としては、加水分解性基を有機金属化合物又はシランカップリング剤を用いることができる。上記加水分解性基を有する有機金属化合物またはシランカップリング剤は、下記一般式(A)で表される化合物を用いることが好ましい。
Rp−M−Yq : 一般式(A)
(式中、Rは有機基を表し、Mはアルカリ金属以外の金属原子又はケイ素原子を表し、Yは加水分解性基を表し、p及びqはそれぞれ1乃至4の整数であり、pとqとの和はMの原子価に相当する。)
一般式(A)中、Rで表される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トリル基等のアルカリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアリールアルキル基;スチリル基等のアリールアルケニル基;フリル基;チエニル基;ピロリジニル基;ピリジル基;イミダゾリル基;等の複素環残基等が挙げられる。これらの有機基は1または2種以上の各種の置換基を有していてもよい。
また、一般式(A)中、Yで表される加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、ベンジロキシ基等のエーテル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ベンゾイルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ベンジロキシカルボニル基等のエステル基;塩素原子等のハロゲン原子;などが挙げられる。
また、一般式(A)中、Mはアルカリ金属以外であれば特に制限されるものではないが、望ましくはチタン原子、アルミニウム原子、ジルコニウム原子またはケイ素原子である。すなわち、本実施形態においては、上記の有機基や加水分解性の官能基を置換した有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、さらにはシランカップリング剤が好ましく用いられる。
なお、前記シランカップリング剤、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物としては、前記下引層形成用塗布液び含まれる添加剤として例示したシランカップリング剤、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物を用いることができる。
また、上記の有機金属化合物及びシランカップリング剤の加水分解生成物も使用することができる。この加水分解生成物としては、前記一般式(A)で示される有機金属化合物のM(アルカリ金属以外の金属原子またはケイ素原子)に結合するY(加水分解性基)やR(有機基)に置換する加水分解性基が加水分解したものが挙げられる。なお、有機金属化合物及びシランカップリング剤が加水分解基を複数含有する場合は、必ずしも全ての官能基を加水分解する必要はなく部分的に加水分解された生成物であってもよい。また、これらの有機金属化合物及びシランカップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
加水分解性基を有する有機金属化合物及びシランカップリング剤のうちの少なくともいずれか(以下、単に「有機金属化合物」という)を用いてフタロシアニン顔料を被覆処理する方法としては、フタロシアニン顔料の結晶を整える過程で該フタロシアニン顔料を被覆処理する方法、フタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散時に有機金属化合物を混合処理する方法、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散後に有機金属化合物で更に分散処理する方法等が挙げられる。
より具体的には、顔料の結晶を整える過程で予め被覆処理する方法としては、有機金属化合物と結晶が整う前のフタロシアニン顔料とを混合した後加熱する方法、有機金属化合物を結晶が整う前のフタロシアニン顔料に混合し機械的に乾式粉砕する方法、有機金属化合物の水または有機溶剤中の混合液を結晶が整う前のフタロシアニン顔料に混合し湿式粉砕処理方法等が挙げられる。
また、フタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法としては、有機金属化合物、水又は水と有機溶剤との混合液、並びにフタロシアニン顔料を混合して加熱する方法、有機金属化合物をフタロシアニン顔料に直接噴霧する方法、有機金属化合物をフタロシアニン顔料と混合しミリングする方法等がある。
また、分散時に混合処理する方法としては、分散溶剤に有機金属化合物、フタロシアニン顔料、結着樹脂を順次添加しながら混合する方法、これらの電荷発生層形成成分を同時に添加し混合する方法等が挙げられる。
さらに、前記電荷発生層用塗布液には、電気特性向上、画質向上などのために種々の添加剤を添加することもできる。
上記添加物としては、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質;多環縮合系;アゾ系等の電子輸送性顔料;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤;等の公知の材料を用いることができる。
なお、前記シランカップリング剤、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物としては、前記下引層形成用塗布液び含まれる添加ざいとして例示したシランカップリング剤、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物を用いることができる。
また、これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
さらに、電荷発生層31を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。
また、塗布液には塗膜面を滑らかとするためのレベリング剤としてシリコーンオイルを添加することもできる。このようにして得られる電荷発生層31の膜厚は、望ましくは0.05μm以上5μm以下、より好適には0.1μm以上2.0μm以下である。
電荷輸送層32としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。それらの電荷輸送層32は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送層32に含有される電荷輸送物質としては、公知のものならいかなるものでも使用可能であるが、下記に示すものを例示することができる。
例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物;3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体;等の正孔輸送物質。
クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送物質。あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
中でも、キャリアの移動度を好適は範囲とする観点から、以下の構造式(B−1)乃至(B−3)に示すものが好ましい。
Figure 2010008560
構造式(B−1)中、RB1は水素原子またはメチル基を表し、n’は1または2を表す。また、ArB1及びArB2は置換又は未置換のアリール基を表し、置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1乃至5のアルキル基、炭素数が1乃至5のアルコキシ基、又は炭素数が1乃至3のアルキル基で置換された置換アミノ基を表す。
Figure 2010008560
構造式(B−2)中RB2、RB2' は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルコキシ基を表わす。RB3、RB3’、RB4、RB4’ は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルコキシ基、炭素数1乃至2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、−C(RB5)=C(RB6)(RB7)を表わし、RB5、RB6、RB7は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表す。またm’及びn”は0乃至2の整数である。
Figure 2010008560
構造式(B−3)中、RB8は水素原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルコキシ基、置換あるいは未置換のアリール基、または、−CH=CH−CH=C(ArB3)2を表す。ArB3は、置換又は未置換のアリール基を表す。RB9、RB10は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルコキシ基、炭素数1乃至2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。
電荷輸送層32の結着樹脂は、公知のものであればいかなるものでも使用することができるが、電気絶縁性のフィルム形成可能な樹脂が好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂。シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリアクリルアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材等の有機光導電性ポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混合して用いられるが、特にポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が電荷輸送材との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れ好ましく用いられる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合比(質量比)はいずれの場合も任意に設定することができるが、電気特性低下、膜強度低下に注意しなくてはならない。
また、電荷輸送層32は、電荷輸送層32が感光体の表面層(感光層の導電性基体から最も遠い側に配置される層)である場合、潤滑性を付与させ、表面層を磨耗しにくくしたり、傷がつきにくくするため、また感光体表面に付着した現像剤のクリーニング性を高めるために、潤滑性粒子(例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子)を含有させることもできる。これらの潤滑性粒子は、2種以上を混合して用いることもできる。特に、フッ素系樹脂粒子は好ましく用いられる。
フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
前記フッ素系樹脂の一次粒径は0.05μm乃至1μmの範囲が良く、更に望ましくは0.1μm乃至0.5μmの範囲が好ましい。一次粒径が0.05μmを下回ると分散時の凝集が進みやすくなる場合がある。また、1μmを上回ると画質欠陥が発生し易くなる場合がある。
フッ素系樹脂を含有する電荷輸送層におけるフッ素系樹脂の電荷輸送層中の含有量は、電荷輸送層全量に対し、0.1質量%以上40質量%以下が適当であり、特に1質量%以上30質量%以下が好ましい。含有量が0.1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、40質量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる場合がある。
電荷輸送層32は、電荷輸送物質及び結着樹脂、並びにその他の材料を適当な溶媒に溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を塗布して乾燥することによって形成することができる。
電荷輸送層32の形成に使用される溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル系溶剤、或いはこれらの混合溶剤等を用いることができる。なお、電荷輸送物質と上記結着樹脂との配合比は10:1乃至1:5の範囲が好ましい。
また、電荷輸送層形成用塗布液には塗膜面を滑らかとするためのレベリング剤としてシリコーンオイルを添加することもできる。
電荷輸送層32を形成する塗布液の分散例としては、溶媒に溶解した結着樹脂、電荷輸送材料などの溶液中にフッ素系樹脂粒子を分散する方法が挙げられる。電荷輸送層中にフッ素系樹脂を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コロイドミル、衝突式メディアレス分散機、貫通式メディアレス分散機等の方法を用いることができる。
電荷輸送層32を形成する塗工液を製造する工程では、塗工液の温度を0℃乃至50℃の範囲に制御することが好ましい。
塗工液製造工程での塗工液の温度を0℃乃至50℃に制御する方法として、水で冷やす、風で冷やす、冷媒で冷やす、製造工程の環境温度を調節する、温水で暖める、熱風で温める、ヒーターで暖める、発熱しにくい材料で塗工液製造設備を作る、放熱しやすい材料で塗工液製造設備を作る、蓄熱しやすい材料で塗工液製造設備を作るなどの方法が利用できる。塗工液前混合方法として、スターラー、攪拌羽による攪拌、ロールミル、サンドミル、アトライター、ボールミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、等の方法が利用できる。分散方法として、サンドミル、アトライター、ボールミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、ロールミル等の方法が利用できる。また、分散液の分散安定性を向上させるため、及び塗膜形成時の凝集を防止するために分散助剤を少量添加することも有効である。分散助剤として、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。
電荷輸送層32を設けるときに用いられる塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、スプレー塗布法、ロールコータ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビアコータ塗布法、ビード塗布法、カーテン塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法等を用いることができる。
電荷輸送層32の膜厚は、5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上40μm以下がより好ましい。
さらに、感光体12には電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光 ・ 熱による感光体12の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤・光安定剤などの添加剤を添加することができる。
例えば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。
酸化防止剤の具体的な化合物例として、フェノール系酸化防止剤では、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル 4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル 6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチル エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物では、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
また有機燐系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィート等が挙げられる。
さらに、有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われフェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系光安定剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル5’−メチルフェニル−)−5−クロロ ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロ ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
その他の化合物として、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート等がある。
また感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることができる。
電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等を挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
保護層5は、積層構造からなる感光体12では帯電時の電荷輸送層の化学的変化を防止したり、感光層3の機械的強度をさらに改善する為に用いられる。
保護層5は、結着樹脂(硬化性樹脂を含む)、電荷輸送性化合物を含んで構成されることが望ましい。保護層5の形態としては、硬化性樹脂や電荷輸送性化合物を含む樹脂硬化膜、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成された膜等がある。硬化性樹脂としては公知の樹脂であれば何でも使用できるが、例えばフェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シロキサン樹脂等が挙げられる。
前記保護層5には、塗布を容易にするため、必要に応じて溶剤を添加して用いることができる。具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルエーテル、ジブチルエーテル、等の通常の有機溶剤が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
前記保護層5の形成において、塗布方法としては、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。
前記保護層5の膜厚は0.5μm以上20μm以下、特に2μm以上10μm以下であることが望ましい。
本実施形態における感光体12は、高解像度を得るための電荷発生層より上層の機能層の膜厚は50μm以下、望ましくは40μm以下が好ましく用いられる。機能層が薄膜の場合は、金属酸化物粒子とアクセプター性化合物とを含む下引層2と高強度な保護層5との組み合わせが特に有効に用いられる。
なお、感光体12は、上記構成に限定されるものではない。例えば、感光体12において、上記中間層及び上記保護層5の何れか一方または双方が存在しない構成のものでもよい。すなわち、導電性基体7に下引層2及び感光層3が積層された構成のもの、導電性基体7上に下引層2、中間層4、及び感光層3が順次形成された構成のもの、導電性基体7上に下引層2、感光層3、及び保護層5が順次形成された構成のものでもよい。
また、電荷発生層31と電荷輸送層32とは、その積層順序が逆であってもよい。また、感光層が単層構造であってもよい。その場合、感光層上に保護層を備えるものであってもよく、下引層と保護層を共に有するものであってもよい。さらに、下引層上には、上述したように中間層を設けてもよい。
次に、本実施形態で用いられる現像剤について説明する。本実施形態の画像形成装置には、トナーのみからなる一成分系、トナーとキャリアとからなる二成分系の現像剤を用いることができる。
使用されうるトナーとしては、トナーの形状は特に限定されるものではないが、高画質化、エコロジーの観点から球形トナーが好ましい。球形トナーとは、高転写効率を達成するために、平均形状係数(SF1)100以上150以下、望ましくは100以上140以下の範囲で表される球形状を有するトナーである。この平均形状係数SF1が140より大きくなると転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が目視で確認できてしまう。
球形トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる。この球形トナーは、望ましくは2μm以上12μm以下の粒子、より好適には3μm以上9μm以下の粒子を用いることができる。
結着樹脂としては、スチレン類、モノオレフィン類、ビニルエステル類、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げられる。
球形トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。
他の無機粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒径が40nm以下の小径無機粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機あるいは有機粒子を併用してもよい。これらの他の無機粒子は公知のものを使用できる。
また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
球形トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。具体的には、例えば混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等が挙げられる。また上記方法で得られた球形トナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、球形トナー及び外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、球形トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
画像形成装置10には、さらに、画像形成装置10全体を制御するためのシステム制御部38と、画像形成装置10で記録する画像の画像データを取得する取得部42が設けられている。
システム制御部38は、上記帯電装置14の電源14A、露光装置18、現像装置20の現像バイアス電圧印加部20A、濃度測定装置22の上記発光素子22A、濃度測定装置22の演算部22C、転写バイアス電圧印加部24A、及び取得部42にデータや信号授受可能に接続されると共に、画像形成装置10に設けられた図示を省略する各種機器に信号授受可能に接続されている。
取得部42は、無線通信網や有線通信網等を介して画像形成装置10の外部装置(パーソナルコンピュータ等)からデータを受信する。
システム制御部38は、図示を省略するCPU、ROM、及びRAMを含むマイクロコンピュータとして構成されており、画像形成装置10に含まれる装置各部を制御するとともに、濃度測定装置22によって測定されたトナー像の光学濃度の測定結果に基づいて、画像形成条件を制御する。
なお、このシステム制御部38が、本実施形態の画像形成装置の制御手段に相当する。
システム制御部38は、画像形成装置10に含まれる装置各部を制御し、濃度測定装置22によって測定されたトナー像の光学濃度の測定結果に基づいて、画像形成条件を制御する。
上記画像形成装置10においては、システム制御部38による電源14Aの制御によって、帯電装置14により感光体12表面が所定の帯電電位に帯電される。また、システム制御部38の露光装置18の制御によって、露光装置18は、画像形成装置10で形成する対象となる画像データに基づいて変調した露光光(潜像形成光)を感光体12へ照射する。これにより、感光体12上に画像データに応じた静電潜像が形成される。
感光体12の回転によって、感光体12上の静電潜像の形成された領域が、現像装置20の設けられている領域に達すると、この静電潜像がトナーによって現像されて、感光体12上に静電潜像に応じたトナー像が形成される。この現像装置20による現像は、システム制御部38の制御に応じた現像バイアス電圧が現像バイアス電圧印加部20Aから現像ロール20Bへ印加されることによって行われる。
さらに、感光体12の回転によってトナー像の形成された領域が、濃度測定装置22の設置された領域に到ると、濃度測定装置22によってトナー像の光学濃度が測定される。
システム制御部38では、濃度測定装置22によって測定されたトナー像の光学濃度が、露光装置18によって形成した静電潜像の画像の該画像データの光学濃度(目的濃度)と一致するか否かを判別し、不一致である場合には、画像形成条件を制御する。
この画像形成条件とは、帯電装置14の帯電電位、露光装置18による露光量、現像装置20の現像バイアス電圧、転写装置24の転写バイアス電圧の内の少なくとも1つである。すなわち、システム制御部38では、画像形成条件として、帯電装置14の帯電電位、露光装置18による露光量、現像装置20の現像バイアス電圧、転写装置24の転写バイアス電圧の内の少なくとも1つを調整するように、帯電装置14、露光装置18、現像装置20、及び転写装置24の少なくとも1つを制御する。
ここで、電子写真方式の画像形成装置10では、図4に示すように、感光体12においては、まず帯電装置14によって感光体12が帯電電位Vhとなるように帯電され、露光装置18によって露光されると、この露光された露光領域が露光電位V1となる。そして、この露光領域の露光電位V1と、現像装置20による現像バイアス電圧Vdeveとの電位差に応じて、電位差が大きくなるほど多くのトナーが感光体12表面に保持される。すなわち、露光電位V1と現像バイアス電圧Vdeveとの差が大きくなるほど、感光体12上に保持されるトナー量が増え、形成されたときのトナー像の光学濃度が高くなる。
このため、濃度測定装置22検出されたトナー像の光学濃度が形成する対象となる画像データの画像の光学濃度より高い場合には、システム制御部38における、濃度測定装置22で検出されるトナー像の光学濃度が画像データの画像の光学濃度となるように制御する処理では、例えば、この露光電位V1と現像バイアス電圧Vdeveとの電位差が、該高光学濃度のトナー像を形成したときの露光電位V1と現像バイアス電圧Vdeveとの電位差(以下、基準電位差と称する)より小さくなるように、露光装置18による露光量を調整すればよい。
ここで、上述のように、濃度測定装置22により測定されたトナー像の光学濃度に基づいて、画像形成条件を調整すれば、画像形成装置10における濃度変動を抑制することができ、画質劣化を抑制することはできるが、濃度測定装置22による測定結果の精度が低下すると、結果的に得られる画像の画質劣化につながることが懸念される。
しかしながら、本実施形態の画像形成装置10では、前記説明したように、用いられる感光体12が、ハロゲン光に対する表面の正反射率が、8%以上14%以下の範囲内(より好適には、導電性基体7のハロゲン光に対する正反射率が40%以上80%の範囲内)となるように構成されている。
このため、濃度測定装置22により、感光体12上に形成されトナー像の濃度を精度良く測定することができるとともに、画像形成装置10において、濃度変動の少ない画像が形成され、画像形成装置10における画質劣化が抑制される。
次に、本実施形態の画像形成装置の他の構成について説明する。
この画像形成装置は、全体としては図示しないが、図1に示した画像形成装置10における濃度測定装置22に加えて、さらに前記像保持体の基体部分に対して検出光を照射し、該基体部分からの反射光に基づいて基体の反射率を検出する反射率測定装置(反射率検出手段)を有し、前記システム制御部(制御手段)38が、前記トナー像の光学濃度の検出結果及び前記反射率の検出結果に基づいて、前記像保持体上に形成されるトナー像の濃度が目標濃度となるように、前記帯電手段による像保持体の帯電電位、前記潜像形成光の露光量及び前記現像手段の現像電位のうちの少なくとも1つを制御する構成となっている。
図5に、濃度測定装置42及び反射率測定装置52が、感光体44上のトナー像の光学濃度及び基体の反射率を検出している状態を模式的に示す。濃度測定装置42は、図2に示したものに準じて、感光体44の感光層48領域に光(検出光)を照射するための発光素子42Aと、発光素子42Aから照射された光の反射光の強度を検出するための受光素子42Bと、を含んで構成されている。また、反射率測定装置52は、感光体44の導電性基体46領域(感光層48がない領域)に光(検出光)を照射するための発光素子52Aと、発光素子52Aから照射された光の反射光の強度を検出するための受光素子52Bと、を含んで構成されている。なお、両測定装置においては、図2に示した演算部を省略している。
この構成では、要するに一対の発光素子及び受光素子の組合せを2つ用意し、一方を感光層48上に形成されたトナー像50の光学濃度検出用に用い、他方を感光層48がない部分(感光体44の端部)の導電性基体46の反射率検出用に用いる。
光学濃度センサーによる濃度制御を行う場合、濃度検出用のトナー像形成前の基準となる感光体からの反射率をある範囲に押さえ込む必要があるが、感光体からの反射率は必ずしも適正な値とならない場合があり、図2に示した濃度測定装置22の構成では精密なトナー像の光学濃度制御ができない場合があった。
本発明者等が上記問題に対し鋭意検討を行った結果、導電性基体表面の反射率を検出する反射率測定装置(光学濃度センサー)とトナー像の光学濃度を測定する濃度測定装置(光学濃度センサー)との2つを用い、濃度測定装置で検出されたトナー像の光学濃度の値を反射率測定装置で検出した導電性基体の反射率の値を用いて補整することにより、導電性基体表面や感光層に特別な処置をすることなく、精密な画像濃度制御が可能となることを見出した。
具体的には、図2に示した濃度測定装置22では、演算部22Cにおいて、受光素子22Bによる感光体12上のトナー像40の形成されていない領域における反射光強度の測定結果を、基準反射強度として予め記憶しておき、この基準反射強度と、感光体12上にトナー像が形成されたときに受光素子22Bによって検出された反射光の強度との差に基づいて、トナー像の光学濃度を演算するが、この方式では、トナー像40の形成されていない領域における反射光強度の測定結果がばらつく場合がある。
そこで、図5に示す方式では、前記トナー像40の形成されていない領域における反射光強度の測定データの代わりに、受光素子52Bで受光した感光層のない導電性基体そのものの反射光強度データを用いる。そして、上記受光素子52Bで検出された基体の反射光強度及び受光素子42Bで検出されたトナー像50からの反射光強度との差に基づいて、前記の演算によりトナー像の光学濃度が求められる。次いで、その光学濃度データは、図1に示したシステム制御部38に準じた構成のシステム制御部に送られる。その後の該システム制御部におけるデータ判別、画像形成条件の制御は前述の通りである。
上記受光素子52Bが検出する反射光強度は、導電性基体そのものの反射光であるため、感光層等による変動を受けないため安定している。よって、演算されるトナー像の光学濃度の精度も向上し、精密な画像濃度制御が可能となる。
発光素子42A、52A及び受光素子42B、52Bの構成は、前記発光素子22A、受光素子22Bの構成に準ずる。
またこの場合、発光素子52Aの検出光の波長も、700nm以上1000nm以下であることが望ましく、750nm以上960nm以下であることがより望ましい。
検出光の波長が700nmに満たないと、感光体12における感光層の吸収領域と重なり検出感度が低下する場合がある。波長が1000nmを超えると、トナー像の光学濃度が検出困難となる場合がある。
以上、本実施形態の画像形成装置について説明したが、本実施形態の画像形成装置は、図1に示したモノクロの画像を形成する画像形成装置にかぎられず、例えば、タンデム型のカラー画像形成装置等の複数の画像形成ユニットを備えた装置、あるいはロータリー型現像装置(回転現像機ともいう)であってもよい。ここで、ロータリー型現像装置とは、複数の現像装置を回転移動させ、必要な現像装置のみを感光体に対向させ、目的とする色のトナーを感光体上に順次形成する方式の現像装置を意味する。
更に、感光体と、帯電装置、現像装置、転写装置及びクリーニング装置から選ばれる少なくとも1種とを一体化し、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジとしてもよい。ここで、本実施形態のプロセスカートリッジについて簡単に説明する。
本実施形態のプロセスカートリッジは、前述の感光体を用いたものである。そして、本実施形態のプロセスカートリッジでは、これに加えて光学濃度検知手段が備えられている。すなわちカートリッジの構成としては、図1に示す感光体12及び濃度測定装置22がともに備えられている。なお、本実施形態の画像形成装置においては、プロセスカートリッジとして光学濃度検知手段を備えていないものを用いてもよい。
また、本実施形態のプロセスカートリッジの構成としては、前記感光体12及び濃度測定装置22以外に、必要に応じて、帯電装置14、現像装置20、転写装置24及びクリーニング装置26などの少なくともいずれかを備えたものでもよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<電子写真感光体の作製>
(導電性基体)
まず、導電性基体として、直径84.5mm、長さ360mm、肉厚1mmのアルミニウムパイプを用意し、この外面を切削加工した。切削加工した条件は下記のとおりである。
・使用旋盤:感光ドラム外径仕上用CNC旋盤(RL−550EX、株式会社エグロ製)
・仕上がり外形:直径84.0mm
・仕様バイト(粗加工用):多結晶ダイヤモンド(特注品)
(仕上げ加工用):多結晶ダイヤモンド(特注品)
・加工速度(粗加工):主軸回転数=3000rpm/送り速度=0.3mm/rev (仕上げ加工):主軸回転数=3000rpm/送り速度=0.2mm/rev
上記条件で、表面粗度をコントロールしながら、バイトを立てる方向からねかす方向に変更して加工し、ハロゲン光に対する正反射率が以下の5水準のアルミニウム基体を作製した。
・アルミニウム基体(1):ハロゲン光に対する正反射率が35%
・アルミニウム基体(2):ハロゲン光に対する正反射率が50%
・アルミニウム基体(3):ハロゲン光に対する正反射率が60%
・アルミニウム基体(4):ハロゲン光に対する正反射率が70%
・アルミニウム基体(5):ハロゲン光に対する正反射率が85%
(下引層)
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛顔料を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛顔料60質量部、アリザリン0.6質量部、硬化剤ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部、及びブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部を添加し、下引層塗布用液を得た。
上記塗布液を用いて浸漬塗布法にてガラスプレート上に塗布し、透過率測定用サンプルを得た。この透過率測定用サンプルの波長950nmの光に対する透過率が40%となる下引層膜厚は23μmであった。この結果から、この下引層用塗布液を前記アルミニウム基体(3)上に浸漬塗布方法にて塗布し、乾燥後の膜厚が23μmとなるように塗布速度を調節して塗布し、170℃で40分の乾燥硬化を行い下引層を形成した。
(感光層)
まず、電荷発生物質としてのCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が、少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10部、及びn−酢酸ブチル200部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部、及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6質量部を、テトラヒドロフラン23質量部及びトルエン10質量部に混合溶解した後、これに2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布して、135℃で40分間乾燥し、膜厚28μmの電荷輸送層を形成し、感光体を得た。
なお、別途透明フィルム上に、前記下引層、電荷発生層及び電荷輸送層を前記各々の膜厚で積層した膜の波長950nmの光に対する透過率を測定したところ、98%であった。
前記各アルミニウム基体(3)上に、前記感光層を形成した感光体(1)のハロゲン光に対する正反射率は11.3%であった。
次いで、前記各アルミニウム基体(1)乃至(5)を用い、下引層の波長950nmの光に対する透過率を変えながら、各々以下のハロゲン光に対する正反射率を有する感光体(1)乃至(5)を得た。これらの構成を表1にまとめて示す。
Figure 2010008560
<実施例A1乃至A3>
得られた感光体(1)乃至(3)を、富士ゼロックス社製レーザープリンターDocu Centre f1100改造機(濃度センサー:(株)東芝製、S7F94、検出光波長:940nm)を用いてプリント試験を行った。
プリント試験は、24℃、40%RH環境下において、出力目標濃度1.3が達成されるように画像情報のインプットを行ない、感光体(1)乃至(3)についてそれぞれのアウトプット濃度について評価した。これらの結果を表2に示す。
なお、アウトプット濃度は1.20から1.40が合格値とした。
<実施例A4>
実施例A1において、濃度センサーをニチコン(株)製、ZHPA1319、検出光波長:632nm)に変更した以外は、実施例A1に準じて評価を行った。
結果を表2に示す。
<比較例A1、A2>
実施例A1において、感光体(1)を各々感光体(4)、感光体(5)に変更した以外は、実施例A1に準じて評価を行った。
結果を表2に示す。
<実施例B1乃至B3>
濃度センサーとして、(株)東芝製、S7F94、検出光波長:940nmをセンサーAおよびセンサーB用として用意し、富士ゼロックス社製レーザープリンターDocu Centre f1100に対して以下の改造を行った。すなわち、センサーAの照射光位置が濃度検出用のパッチ(トナー像)部分となるようにし、センサーBの照射光位置が感光体端部の感光層がない部分(アルミニウム基体表面)となるように配置した。
上記評価装置に対し、感光体(1)乃至感光体(3)を各々装填して、実施例A1に準じた評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例B1、B2>
実施例B1において、感光体(1)を各々感光体(4)、感光体(5)に変更した以外は、実施例B1に準じて評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 2010008560
表2の結果に示すように、ハロゲン光に対する正反射率が本実施形態で規定する範囲である感光体を用いた実施例では、安定した画像濃度制御ができることがわかる。また、基体の正反射率が変動した場合でも、基体の反射光を基準として光学濃度を検出する方式とすれば、目標濃度に対して安定したアウトプット濃度が得られる。
実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 実施形態の画像形成装置に設けられている濃度測定装置の一例を示す模式図である。 実施形態の画像形成装置における感光体の一例を示す模式断面図である。 感光体における帯電電位、露光電位、及び現像電位を示す模式図である。 実施形態の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 実施形態に用いた光学系の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
2 下引層
3、48 感光層
4 中間層
5 保護層
7、46 導電性基体
10 画像形成装置
12、44 感光体
14 帯電装置
18 露光装置
20 現像装置
22C 演算部
22A、42A、52A 発光素子
22B、42B、52B 受光素子
22 濃度測定装置
24 転写装置
28 除電器
38 システム制御部
40、50 トナー像

Claims (6)

  1. 基体上に下引き層及び感光層を有し、ハロゲン光に対する正反射率が8%以上14%以下である像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電手段と、
    前記帯電された像保持体に潜像形成光を露光することにより該像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記静電潜像をトナーによって現像し、前記像保持体上にトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像が形成された像保持体に対して検出光を照射し、該像保持体からの反射光に基づいて前記トナー像の光学濃度を検出する光学濃度検出手段と、
    前記光学濃度の検出結果に基づいて、前記像保持体上に形成されるトナー像の光学濃度が目標濃度となるように、前記帯電手段による像保持体の帯電電位、前記潜像形成光の露光量及び前記現像手段の現像電位のうちの少なくとも1つを制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像保持体の基体における、ハロゲン光に対する正反射率が40%以上80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記光学濃度検知手段における検出光の波長が700nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. さらに前記像保持体の基体部分に対して検出光を照射し、該基体部分からの反射光に基づいて基体の反射率を検出する反射率検出手段を有し、
    前記制御手段が、前記光学濃度の検出結果及び前記反射率の検出結果に基づいて、前記像保持体上に形成されるトナー像の濃度が目標濃度となるように、前記帯電手段による像保持体の帯電電位、前記潜像形成光の露光量及び前記現像手段の現像電位のうちの少なくとも1つを制御する制御手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記反射率検出手段における検出光の波長が700nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 基体上に下引き層及び感光層を有し、ハロゲン光に対する正反射率が8%以上14%以下である像保持体と、
    前記像保持体上に形成されたトナー像の光学濃度を検知する光学濃度検知手段と、
    を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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