JP2008122999A - 電子写真感光体および該電子写真感光体に起因する干渉縞有無の判定方法 - Google Patents

電子写真感光体および該電子写真感光体に起因する干渉縞有無の判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粗面化された基体表面に、金属酸化物を有し、一定の膜厚偏差を有する塗布形成下引き層と感光層を備える感光体について、画像出しをしなくても、より正確に干渉縞の有無が確認できる電子写真感光体の干渉縞有無の判定方法(良否判定方法)の提供。
【解決手段】可干渉性露光光源を備える電子写真装置に搭載され、金属酸化物含有の下引き層と感光層とが粗面化された導電性基体表面に塗布形成されてなる電子写真感光体に起因する干渉縞有無の判定方法であって、感光体の表面反射率を所定波長を有する可干渉光により所定波長間隔ごとに測定し、得られた表面反射率を導電性鏡面基体を基準として補正して感光体の反射率を得、反射率を離散フーリエ変換した結果からパワースペクトルの値を算出し、パワースペクトルの所定周波数範囲における明瞭な最大ピークのピーク値を用いて干渉縞発生の有無を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光光源がレーザービーム方式である電子写真方式のプリンタ、ファックス等に搭載される電子写真感光体に関し、詳しくは干渉縞発生の有無、さらに電子写真特性をも改善された電子写真感光体に関する。
本発明にかかる露光光源がレーザービーム方式である電子写真方式のプリンタ、ファックスなどは、搭載される電子写真感光体に、それぞれ、表面帯電を行ない、露光により静電潜像を形成し、現像ステップにおいて現像器から搬送されるトナーをバイアス電圧印加により静電気的に付着させた後に、転写ステップで紙にトナーを付着して画像を得るカールソン(C.F.Carlson)方式の電子写真プロセスを備えた乾式電子写真装置である。
このような乾式電子写真装置は、露光光源に可干渉性(単色光)のレーザービームを使用しているため、光学的干渉が起きやすい。モアレ模様やゼブラ模様といった、いわゆる干渉縞模様が出力印字画像上に発生すると、画像品質上問題となる。
前記干渉縞模様は、単色光による感光層の表面反射光と、基体表面を含む内部各層の界面からの反射光とが、不均一な層厚に起因して光学的干渉を起こし、反射光強度に強弱が発生することにより生じる。電子写真感光体では、通常、導電性基体表面で反射したレーザービームと感光層最表面で反射するレーザービームとの干渉の影響が最も大きい。
前記干渉縞問題を解決する目的で種々の発明が既になされている。たとえば、導電性基体表面をサンドブラスト処理により微細な凹凸を形成し、乱反射させることにより特定方向への反射光を減らすと干渉縞を抑制または防止できることはよく知られている(特許文献1、2、3、4)。
さらに、粗面化基体について一定区間の表面粗さデータをサンプリングして、フーリエ変換を行い、パワースペクトルを求め、複数ピークを有するように粗面化された導電性基体を用いてその上に感光層を形成して感光体と成すことにより、スジ画像のない感光体とする発明に関する記載がある(特許文献5、6)。
さらにまた、導電性基体の表面粗さを所定の平均表面粗さ、最大表面粗さにした感光体に関する発明の記載がある(特許文献7)。
特開2001−75299号公報 特開2001−249477号公報 特開2000−66428号公報 特開2000−75528号公報 特開2002−296822号公報 特開2002−296824号公報 特開2002−174921号公報
しかしながら、前述した従来の導電性基体表面に微細な凹凸を形成することによる干渉縞発生の防止方法はいずれにおいても、次に述べるような問題がある。本発明者による検討結果では、前記サンドブラスト処理された導電性基体上に塗布形成された下引き層、感光層の層構造が、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層してなる有機感光体(以下、「積層型有機感光体」ともいう。)の場合、単に前記各特許文献記載の干渉縞発生の防止効果はそれなりにあるものの、導電性基体の表面粗さを所定の値にすることのみの対策では干渉縞を十分には防ぐことができない場合があった。
たとえば、干渉縞が発生しないように適切にサンドブラスト処理された導電性基体であっても、この基体上に塗布形成される下引き層の膜厚を増加させていくと、次第に再度画像上の干渉縞が明確になってくるという関係がある。しかし、この場合も下引き層の膜厚に応じてサンドブラスト処理を強く施し、凹凸の程度をより粗くなるように粗面化を対応させた導電性基体を用いると、厚膜化した下引き層の場合でさえも、ある程度までは干渉縞の発生を防止できるようになることは知られている。しかし、干渉縞の有無を確認するには、下引き層の上に感光層を塗布形成して感光体ドラムとし、さらにドラムの両端にフランジ等の部品を取り付けてから、画像形成装置(実機)に感光体を搭載し、画像出しをして確認する必要があったので、結果が直ちには分からず、時間と手間がかかるという問題があった。ところが、下引き層上に形成された感光層によっても干渉縞の発生条件が変化するので、導電性基体の表面粗さのみを規定しても、必ずしも干渉縞を防止できないという問題があった。
このことから、干渉縞の発生する要因を解析したところ、以下のように考察されるに至った。すなわち、下引き層を備える導電性基体に、感光層として電荷発生層、電荷輸送層を順次積層してなる有機感光体に単色光としてレーザービームを照射する場合、電荷発生層は、その機能面から必要な、前記レーザービームの干渉性波長光を吸収する電荷発生材料として有機顔料微粒子を用いることが多い。この有機顔料微粒子は一般的には有機溶剤に不溶性なので、樹脂バインダ中に均一に分散させることにより良好な電荷発生機能を有する電荷発生層として使用される。このような前記感光体の感光層に入射したレーザービームは、上層の電荷輸送層を通過した後、電荷発生層に到達すると、電荷発生材料で吸収されるだけでなく、有機顔料と有機顔料の微粒子間を通過して下引き層に照射される。下引き層への照射光は下引き層内に侵入する光と下引き層表面で反射する光に分かれ、下引き層表面で反射する光は、感光層最表面に到達し、ここでさらに最表面から出て行く成分と最表面で内部反射し電荷発生層に再度向かう成分に分かれる。
一方、下引き層内に侵入した光は導電性基体にて反射されると、電荷発生層に再侵入し、電荷発生層中の有機顔料で吸収される成分と有機顔料と有機顔料の間を通過して感光層最表面に到達し、ここでさらに最表面から出て行く成分と最表面で内部反射し電荷発生層に再度向かう成分に分かれる。
このように、感光層中では、入射したレーザービームはある層に侵入するだけでなく、その層表面で反射する成分を有する。この反射成分が光学的干渉に大きく影響する。詳細に考察した結果、干渉縞の発生要因となる反射には、複数面からの反射のあることがわかった。その一は下引き層表面で反射したレーザービームが感光層最表面に到達し、外方に向かう成分と感光層最表面に入射されるレーザービームの最表面での反射成分とが重なることにより光強度が強くなり、重ならないところは弱くなって光強度に強弱が生じることにより画像上に干渉縞が発生する反射要因である。その他の反射要因には、導電性基体表面で反射された光と、入射光が感光層最表面で反射される成分との干渉がある。このように、干渉縞の発生モードには、主として、導電性基体表面からの反射と下引き層表面からの反射の場合による二つの要因がある。
干渉縞の発生に関する以上の説明から、サンドブラスト処理により粗面化された導電性基体上に下引き層を介して感光層が形成される有機感光体の場合、導電性基体表面からの特定方向への反射強度を、基体の粗面化による乱反射によって小さくしても、下引き層表面からの反射光の影響を無視できない場合(たとえば、厚膜下引き層を形成した場合)、下引き層表面もまた新たに粗面化しなければ、干渉縞の完全な防止は困難であると言うことである。
ただし、多くの場合にそうであるように、従来は、下引き層が塗布形成による薄膜の場合は、薄膜であるが故に、特に前記薄膜の表面に新たな粗面化処理をしなくても、自然と下引き層表面は導電性基体表面のサンドブラスト処理による凹凸に追随した凹凸を有する粗面化された面となるので、下引き層表面の粗面化をあまり考慮する必要がなかったのである。
しかし、低膜厚(薄膜)の下引き層では感光層形成後の全膜厚が小さくなるために、全膜厚を通した電気抵抗が低抵抗化されている。この場合、特に、プリンタ等の接触帯電プロセスを有する画像形成装置では、帯電プロセスにおいて、感光層にリークが発生しやすくなるという問題が発生する。前記リークが発生すると、結果的に得られる画像上にリーク痕跡またはドラム周期をもつ帯状の画像不良が発生するので、プリンタ等では厚膜の下引き層を備えた電子写真感光体が求められるようになったのである。
また、前記リークを防ぐために厚膜の下引き層を塗布形成する場合は、前述したように、厚膜でも下引き層表面に基体表面の粗面状態が対応して現れるように粗さの凹凸を大きく(平均粗さRaと最大表面粗さRmaxを大きく)した表面粗さを有する導電性基体を用いるか、または下引き層表面を再度粗面化する必要がある。前者では厚膜の程度に限界があり、それほど厚くはできない。後者では前記下引き層表面を再度粗面化すると、前記下引き層表面の凸部に対応する白紙地上に黒ポチカブリやリークが発生し易くなり、また、ハーフトーン画像上で凹凸に起因した濃度ムラが生じる現象が起きやすくなるという新たな問題が発生するようになる。
さらに、干渉縞の発生要因としては、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層の各層の膜厚偏差がある。この中でも感光層最表面である電荷輸送層の膜厚偏差の影響が感光層中で最も大きい。これは電荷輸送層の膜厚が通常最も厚いことから、前記膜厚偏差の形成に最も影響が大きいのである。電荷輸送層の膜厚偏差に関しては、波長780nmの半導体レーザーの場合、理論的に膜厚偏差が0でなくとも、膜厚偏差が0.3μm以下であれば、実用的に問題となる干渉縞は発生しない。
膜厚偏差と干渉縞発生との関連性を見るための実験として、サンドブラスト処理されていない導電性鏡面基体(素管)を用いて、塗布液として、電荷輸送層塗布形成用粘度を有する塗布液、塗布方法として干渉縞を故意に発生させるために膜厚偏差の出易いシールコート法により1〜5μm程度の膜厚偏差を有する電荷輸送層塗布膜を形成した感光体ドラムについて干渉縞を確認したところ、膜厚偏差に応じて異なる干渉縞模様を得た。このような鏡面素管を用いて干渉縞を防止するためには、最低でも膜厚偏差の小さい塗布膜形成が可能な浸漬塗布方法による塗布を行い、塗布されたドラム軸方向、周方向の印字領域内の電荷輸送層膜厚偏差を前述のように0.3μm以下に抑えなければならないが、実際には、浸漬塗布では、通常、膜厚偏差は0.5〜3μm/軸方向あり、注意を払っても0.5〜1.5μm/軸方向あるので、膜厚偏差0.3μm以下は、実験的には可能であっても効率的な量産工程においては困難である。そこで、従来は前記特許文献にも記載のように導電性基体として、前記のような鏡面基体ではなく、サンドブラスト処理による所定の粗さに粗面化された基体(素管)を用いることにより、干渉縞の発生を防止しているのである。
量産的に安定した、干渉縞の発生しない電子写真感光体の製造方法としては、極めて厳しい製造上の条件である膜厚偏差を小さくすることよりも、膜厚偏差は多少大きくても、干渉縞の発生しない製造方法とすることが望ましい。
また、前記特許文献5、6に記載されるように、粗面化基体について一定区間の表面粗さデータをサンプリングして、フーリエ変換を行い、パワースペクトルを求めて干渉縞発生との関係を求めることも知られているが、前記関係は基体の表面粗さとの関係のみである。しかし、干渉縞の発生は後述するように、基体上に形成される下引き層と感光層の形成条件により変わってくる。
本発明は、以上述べた点に鑑みてなされたものであり、その目的は、粗面化された基体表面に、金属酸化物を有し、一定の膜厚偏差を有する塗布形成下引き層と感光層を備える感光体について、画像出しをしなくても、より正確に干渉縞の有無が確認できる電子写真感光体の干渉縞有無の判定方法(良否判定方法)の提供および実質的に干渉縞の発生がない電子写真感光体の提供および干渉縞がなく、白紙地上の黒ポチカブリ、リークによる画像上の黒ポチや帯状の画像不良、濃度ムラをも抑制できる電子写真感光体を提供することである。
請求項1記載の発明によれば、前記目的は、可干渉性露光光源を備える電子写真装置に搭載され、金属酸化物含有の塗布形成下引き層と有機感光層とが粗面化された導電性基体表面に順次塗布形成されてなる電子写真感光体に起因する干渉縞有無の判定方法であって、電子写真感光体の表面反射率を、波長範囲750nm≦λ≦812nmにおける所定の波長を有する可干渉光により所定の波長間隔Δλごとに測定し(表面反射率の測定)、得られた表面反射率を導電性鏡面基体を基準として補正して、前記電子写真感光体の反射率Iopcを得(鏡面基体による補正反射率の算出)、該反射率を下記数式(1)を用いて離散フーリエ変換した結果から、下記数式(2)で示されるパワースペクトル|S(n/(N・Δλ))|2の値を算出し(パワースペクトルの算出)、該パワースペクトルの、周波数範囲0<n/(N・Δλ)(Hz)≦2.5×108における明瞭な最大ピークのピーク値をSpとするとき、
Sp≦10の場合に干渉縞発生がない、
Sp>10の場合に干渉縞発生がある、
と判定する(判定)、電子写真感光体の干渉縞判定方法とすることにより、達成される。
Figure 2008122999
ここで反射率Iopcは後述する方法により求められるものである。また、パワースペクトルは、波長を横軸にとったときの反射率Iopcスペクトルと干渉縞を関係づけるものであって、感光体の層構成(導電性基体の反射率と表面粗さ、下引き層の膜厚と反射率、電荷発生層及び電荷輸送層の膜厚や膜厚偏差の組み合せ)を反映するものである。そして、この最大ピーク値Spは、画像上の干渉縞の有無により変化する。具体的には画像上の干渉縞発生強度が強くなると、Sp値は増加する傾向がある。
請求項2記載の発明によれば、前記感光層が、電荷発生材料と樹脂バインダを含む電荷発生層と、電荷輸送材料と樹脂バインダを含む電荷輸送層とを順次積層してなる特許請求の範囲の請求項1記載の干渉縞有無の判定方法とすることが好ましい。
請求項3記載の発明によれば、前記基体表面がサンドブラスト処理により粗面化されてなる特許請求の範囲の請求項1または2記載の干渉縞有無の判定方法とすることが好ましい。
また、特許請求の範囲の請求項1に記載した判定方法を電子写真感光体の製造工程に組み込むことで、すなわち、可干渉性露光光源を備える電子写真装置に搭載され、金属酸化物含有の塗布形成下引き層と有機感光層とを粗面化された導電性基体表面に順次塗布形成する電子写真感光体の製造方法において、請求項1に記載した判定方法を採用し、Sp≦10の場合に干渉縞発生がなく良品であると判定する製造方法により、干渉縞等の画像欠陥のない感光体を提供することができる。
本発明によれば、可干渉性露光光源を備える電子写真装置に搭載され、金属酸化物含有の塗布形成下引き層と有機感光層とが粗面化された導電性基体表面に順次塗布形成されてなる電子写真感光体に起因する干渉縞有無の判定方法であって、電子写真感光体の表面反射率を、波長範囲750nm≦λ≦812nmにおける所定の波長を有する可干渉光により所定の波長間隔Δλごとに測定し、得られた表面反射率を導電性鏡面基体を基準として補正して、前記電子写真感光体の反射率Iopcを得、該反射率を前記数式(1)を用いて離散フーリエ変換した結果から、前記数式(2)で示されるパワースペクトル|S(n/(N・Δλ))|2の値を算出し、該パワースペクトルの、周波数範囲0<n/(N・Δλ)(Hz)≦2.5×108における明瞭な最大ピークのピーク値をSpとするとき、Sp≦10の場合に干渉縞発生がない、Sp>10の場合に干渉縞発生がある、と判定する電子写真感光体の干渉縞判定方法、および、前記パワースペクトルのピーク値SpがSp≦10の条件を満たすように前記導電性基体の表面が粗面化され、また、前記下引き層と有機感光層とが形成されている電子写真感光体としたので、粗面化された基体表面に、金属酸化物を有し、一定の膜厚偏差を有する塗布形成下引き層と感光層を備える感光体について、画像出しをしなくても干渉縞の有無が確認できる電子写真感光体の干渉縞有無の判定方法の提供および実質的に干渉縞の発生がなく、白紙地上の黒ポチカブリ、リークによる画像上の黒ポチや帯状の画像不良、濃度ムラをも抑制できる電子写真感光体を提供することができる。
以下、本発明の電子写真感光体とその評価方法に関し、図を用いて詳細に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実験例に限定されるものではない。
図1は、本発明に関わる感光体の一構成例を示す模式的断面図であり、粗面化された導電性基体1の上に、下引き層2を介して、電荷発生層4、電荷輸送層5が順次積層されてなる感光層3が設けられた構成の負帯電型の機能分離積層型有機感光体である。
導電性基体1は、感光体の一電極としての役目と同時に感光体を構成する各層の支持体となっており、円筒状、板状、フィルム状などいずれの形状でもよく、材質的には、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属類である。該導電性基体は、干渉縞防止目的に、表面がサンドブラストなどにより粗面化処理される。サンドブラスト処理に用いられるメディアは、アルミナ、ジルコニア、ガラスビーズなどが用いられる。
下引き層2は、有機系樹脂バインダと、光散乱材として機能層の導電性を調整して、ある程度の厚膜としても感光層と基体間での電荷の移動を制御する機能を有する金属酸化物とを主成分とする層から構成され、さらに基体表面に存在する欠陥の被覆、感光層と基体との接着性の向上などの目的で必要に応じて設けられる。下引き層に用いられる樹脂材料としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、メラミン、セルロースなどの絶縁性高分子、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子が挙げられ、これらの樹脂は単独で、あるいは適宜組み合わせて混合して用いることができる。また、これらの樹脂に光散乱材等として分散含有される金属酸化物は、主として二酸化チタン、酸化亜鉛などが好ましい。
電荷発生層4は、電荷発生材料の粒子を樹脂バインダ中に溶剤と共に分散させた塗布液を塗布乾燥して形成され、光を受容して電荷を発生する。またその電荷発生効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層5への注入性が重要であり、電場依存性が少なく低電場でも注入の良いことが望ましい。電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン等よく知られた各種フタロシアニン化合物およびその誘導体を用いることができる。樹脂バインダとしては、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどを適宜組み合わせて使用することが可能である。
樹脂バインダと電荷発生材料との比率は、樹脂バインダ10重量部に対し電荷発生材料は5から500重量部、好ましくは10から100重量部である。さらに電荷発生層4は、その上部に電荷輸送層5が積層されるので、その膜厚は電荷発生物質の光吸収係数によって決まり、一般的には5μm以下であり、好適には1μm以下である。
電荷輸送材料としては、ヒドラゾン化合物、ブタジエン化合物、ジアミン化合物、インドール化合物、インドリン化合物、スチルベン化合物、ジスチルベン化合物などがそれぞれ単独で、あるいは適宜組み合わせで混合して用いられる。具体的には、特開2000−131938号公報記載の化合物である。樹脂バインダとしては、ビスフェノールA型、ビスフェノールZ型、ビスフェノールA型ービフェニル共重合体などのポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレン樹脂などがそれぞれ単独で、あるいは適宜組み合わせで混合して用いられる。具体的には、特開2000−131938号公報記載の化合物である。かかる化合物の使用量は、樹脂バインダ10重量部に対し、電荷輸送材料2から50重量部、好適には3から30重量部である。電荷輸送層の膜厚としては、実用上有効な表面電位を維持するためには3から50μmの範囲が好ましく、より好適には15から40μmである。
さらに、下引き層、電荷輸送層には耐環境性や有害な光に対する安定性の向上などを目的として必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤などを添加することができる。
上述した酸化防止剤、光安定剤は通常、電荷輸送材料100重量部に対して0.05〜10重量部、好適には0.2〜5重量部である。
さらに、感光層中には、形成した膜のレベリング性の向上や、さらなる潤滑性の付与を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイルなどのレベリング剤を含有させることもできる。
(反射率の測定)
以降の説明では、反射率とは鏡面基体(基準対象)の表面反射率を基準反射率として、この基準反射率に対する測定対象の表面反射率の比率を百分率(%)で表した値を意味する。
図16は、この反射率の測定に用いる反射率測定装置16であり、その概要について以下説明する。電源101を備えたハロゲンランプ102から出た光が入射光用ファイバー管103を通って測定基体104と表面に被覆された薄膜105からなる測定対象に照射される。ここで、入射光と基体表面からの反射光との間で光干渉が起きる。その可干渉光は反射光用ファイバー管106を通って、点線で囲まれた装置本体100に戻る。装置本体100内では、前記反射光がスリット107を通って回折格子付きミラー108で反射される。ここで分光された光は検出器109で検出される。検出された光は電気信号に変換されて増幅器(以下図示せず)を介してパソコンに送られ、データ処理されて出力される。前記測定対象として、本発明にかかる実験では、基準鏡面素管または以下に説明する感光体試料が置かれる。
前記反射率測定装置16により測定される反射率の測定手順を以下に示す。すなわち、1.光源電源101のOFFおよびスリットを閉じた状態で測定する。その結果をIdarkとする。2.波長λについて基準対象に関する表面反射率Iref(基準反射率)を測定する。3.波長λについて測定対象に関する表面反射率I0を測定する。
前記装置16により測定された測定対象の表面反射率I0にはIrefおよびIdarkが含まれているため、これらを除去した測定対象の反射率I1は以下の計算式(3)によって得られる。以下、各反射率(Iopc、Isb、Iucl)の算出にはこの式を用いる。
Figure 2008122999
ここで、上記手順2にて測定する基準対象は鏡面処理素管を使用している。この基準の鏡面処理素管には、JIS規定の平均粗さが0.01〜0.03μm、最大粗さRmaxが0.1〜0.3μmに表面処理されたものを用いた。
(干渉縞有無判定実験および画像評価と電子写真特性評価実験用電子写真感光体の作製)
下記実験例1〜54、比較例1〜54に示す層構成にて、実験用電子写真感光体試料を作製した。その主要な作製条件を下記表1〜3に分割して示す。実験例、比較例の名称は単に発明の詳細な説明のため、便宜上付けただけで、特に他意はない。
請求項1記載の発明にかかる干渉縞判定方法に関連する実験としては前記実験例1〜54、比較例1〜54のすべてが関連し、表1〜表3に実験例、比較例で作製した感光体の層構成を示し、表4〜表6にパワースペクトルの最大ピークのピーク値Spのしきい値(10)による干渉縞の発生有無の判定結果と電子写真特性を示し、表7〜表9に目視による干渉縞ランクとその他の画像評価結果をそれぞれ示す。
請求項3記載の発明にかかる感光体は干渉縞の発生の無い感光体であり、実験例4〜18、22〜36、40〜54、比較例1〜18、比較例22〜36が属する。
実験例1〜54のうち、前記実験例4〜18、22〜36、40〜54にかかる感光体は請求項3記載の発明にかかる電子写真感光体に属するが、比較例1〜54記載の感光体は請求項3、4記載のいずれの発明にかかる電子写真感光体にも属しない仕様で作製したものである。この意味において、比較例という語を用いただけである。実験例1〜54記載の感光体のうち、実験例1〜3、16〜18、実験例19〜21、34〜36、実験例37〜39、52〜54を除く感光体、すなわち、実験例4〜15、22〜33、40〜51で作製した感光体が請求項4記載の発明に含まれる。
前述の干渉縞有無判定実験および画像評価と電子写真特性評価実験用電子写真感光体試料の実験例1〜54と比較例1〜54について、以下説明する。
(実験例1)
(基体の粗面化)
導電性基体としての円筒状アルミニウム導電性基体の表面にサンドブラスト処理を施し、反射率Isb、平均表面粗さRa(JIS)、最大表面粗さRmax(JIS)がそれぞれIsb=13.6%、Ra=0.35μm、Rmax=2.7μmとなるように粗面化した。前記反射率Isbは粗面化した基体の表面反射率と鏡面処理素管の表面反射率との比率(%)であり、上記の方法により図16の概略図に示す株式会社ユニオン技研製 反射率測定装置 「MCPD−200」16により測定した。また、表面粗さは(株)東京精密製サーフコム(SURFCOM、登録商標)により測定した。このとき基準長さは0.8mm、測定長さは4mmとした。
(下引き層の形成)
次にサンドブラスト処理により粗面化した前記導電性基体表面上に下引き層として、フェノール樹脂(丸善石油化学製マルカリンカMH−2(登録商標))1.8重量部、メラミン樹脂(三井東圧化学 ユーバン20HS(登録商標))1.2重量部、アミノシラン処理された酸化チタン微粒子7重量部を、テトラヒドロフラン80重量部、ブタノール20重量部に分散させて調製した塗布液を浸積塗工し、温度145℃で30分間乾燥して、膜厚4.0μm、反射率Iucl=16.0%の下引き層を形成した。
ここで反射率Iuclは、上記の方法により求められるものであり、サンドブラスト処理による粗面化導電性基体上に塗布形成した下引き層の表面反射率と鏡面処理素管の表面反射率との比率(%)である。ここで反射率Iuclを評価する目的を以下に記載する。前述したように、サンドブラスト処理導電性基体上に塗布した下引き層膜厚を厚膜化すると、サンドブラスト表面の凹凸を次第に追随できなくなり、UCL(塗布形成による有機系樹脂を樹脂バインダとする下引き層)表面は膜厚の増加につれて平滑化し、結果として干渉縞が発生し易くなる。つまり、干渉縞発生要因は、下引き層表面平滑化による特定方向への入射光反射強度が高くなることによると考えられる。このことから、サンドブラストによる粗面化導電性基体の(表面)反射率Isbだけでなく、サンドブラストによる粗面化基体の表面に塗布した下引き層表面の反射率Iuclが必要となるため、評価パラメータとして使用することとした。
(電荷発生層の形成)
次に、前記下引き層上に電荷発生材料として下記化学式(I)で示される無金属フタロシアニン1重量部と、樹脂バインダとしてポリビニルブチラール樹脂(積水化学製「エスレックBM−1」(登録商標))1重量部をジクロロメタン98重量部に溶解、分散させて調製した塗布液を浸積塗工し、温度80℃で30分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
Figure 2008122999
(電荷輸送層の形成)
前記電荷発生層上に、電荷輸送材料として下記化学式(II)で示されるスチルベン化合物9重量部、樹脂バインダとして下記化学式(III)で示されるポリカーボネート樹脂11重量部、ジクロロメタン110重量部に溶解した塗布液を塗布成膜し、温度90℃で60分間乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、実験例1にかかる積層型有機感光体を作製した。
Figure 2008122999
(実験例2)
実験例1で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例3)
実施例1で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実施例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例4)
実験例1で使用した下引き層膜厚3.5μm、下引き層反射率Iucl=15.9%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例5)
実験例4で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例4と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例6)
実験例4で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例4と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例7)
実験例1で使用した下引き層膜厚を3.0μm、下引き層反射率Iucl=15.7%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例8)
実験例7で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例7と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例9)
実験例7で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例7と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例10)
実験例1で使用した下引き層膜厚を2.5μm、下引き層反射率Iucl=14.9%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例11)
実験例10で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例10と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例12)
実験例10で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例10と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例13)
実験例1で使用した下引き層膜厚を2.0μm、下引き層反射率Iucl=14.7%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例14)
実験例13で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例13と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例15)
実験例13で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例13と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例16)
実験例1で使用した下引き層膜厚を1.5μm、下引き層反射率Iucl=14.3%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例17)
実験例16で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例16と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例18)
実験例16で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例16と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例19)
実験例1で使用したサンドブラスト処理された導電性基体表面の反射率Isb=14.5%、サンドブラスト凹凸表面粗さRa=0.26μm、Rmax=2.5μm、下引き層反射率Iucl=16.5%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例20)
実験例19で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例21)
実験例19で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例22)
実験例19で使用した下引き層膜厚3.5μm、下引き層反射率Iucl=16.0%とした以外は実験例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例23)
実験例22で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例22と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例24)
実験例22で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例22と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例25)
実験例19で使用した下引き層膜厚を3.0μm、下引き層反射率Iucl=15.9%とした以外は実験例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例26)
実験例25で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例25と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例27)
実験例25で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例25と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例28)
実験例19で使用した下引き層膜厚を2.5μm、下引き層反射率Iucl=15.7%とした以外は実験例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例29)
実験例28で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例28と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例30)
実験例28で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例28と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例31)
実験例19で使用した下引き層膜厚を2.0μm、下引き層反射率Iucl=15.5%とした以外は実験例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例32)
実験例31で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例31と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例33)
実験例31で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例31と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例34)
実験例19で使用した下引き層膜厚を1.5μm、下引き層反射率Iucl=15.0%とした以外は実験例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例35)
実験例34で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例34と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例36)
実験例34で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例34と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例37)
実験例1で使用したサンドブラスト処理された導電性基体表面の反射率Isb=15%、サンドブラスト凹凸表面粗さRa=0.23μm、Rmax=2.4μm、下引き層反射率Iucl=16.8%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例38)
実験例37で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例39)
実験例37で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例40)
実験例37で使用した下引き層膜厚3.5μm、下引き層反射率Iucl=16.5%とした以外は実験例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例41)
実験例40で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例40と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例42)
実験例40で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例40と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例43)
実験例37で使用した下引き層膜厚を3.0μm、下引き層反射率Iucl=16.2%とした以外は実験例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例44)
実験例43で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例43と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例45)
実験例43で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例43と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例46)
実験例37で使用した下引き層膜厚を2.5μm、下引き層反射率Iucl=15.4%とした以外は実験例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例47)
実験例46で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例46と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例48)
実験例46で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例46と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例49)
実験例37で使用した下引き層膜厚を2.0μm、下引き層反射率Iucl=14.9%とした以外は実験例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例50)
実験例49で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例49と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例51)
実験例49で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例49と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例52)
実験例37で使用した下引き層膜厚を1.5μm、下引き層反射率Iucl=14.6%とした以外は実験例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例53)
実験例52で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は実験例52と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(実験例54)
実験例52で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例52と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
実験例1で使用したサンドブラスト処理条件を変更することによりサンドブラスト処理された導電性基体表面の反射率Isb=10.4%、サンドブラスト凹凸表面粗さRa=0.57μm、Rmax=4.5μm、下引き層反射率Iucl=12.5%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例2)
比較例1で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例3)
比較例1で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例4)
比較例1で使用した下引き層膜厚3.5μm、下引き層反射率Iucl=12.3%とした以外は比較例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例5)
比較例4で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例4と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例6)
比較例4で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例4と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例7)
比較例1で使用した下引き層膜厚を3.0μm、下引き層反射率Iucl=12.1%とした以外は比較例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例8)
比較例7で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例7と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例9)
比較例7で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例7と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例10)
比較例1で使用した下引き層膜厚を2.5μm、下引き層反射率Iucl=11.9%とした以外は比較例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例11)
比較例10で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例10と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例12)
比較例10で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例10と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例13)
比較例1で使用した下引き層膜厚を2.0μm、下引き層反射率Iucl=11.6%とした以外は比較例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例14)
比較例13で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例13と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例15)
比較例13で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例13と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例16)
比較例1で使用した下引き層膜厚を1.5μm、下引き層反射率Iucl=11.3%とした以外は比較例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例17)
比較例16で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例16と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例18)
比較例16で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例16と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例19)
実験例1で使用したサンドブラスト処理条件を変更することによりサンドブラスト処理された導電性基体表面の反射率Isb=12.9%、サンドブラスト凹凸表面粗さRa=0.39μm、Rmax=3.4μm、下引き層反射率Iucl=14.9%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例20)
比較例19で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例21)
比較例19で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例22)
比較例19で使用した下引き層膜厚3.5μm、下引き層反射率Iucl=14.6%とした以外は比較例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例23)
比較例22で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例22と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例24)
比較例22で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例22と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例25)
比較例19で使用した下引き層膜厚を3.0μm、下引き層反射率Iucl=14.3%とした以外は比較例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例26)
比較例25で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例25と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例27)
比較例25で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例25と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例28)
比較例19で使用した下引き層膜厚を2.5μm、下引き層反射率Iucl=14.0%とした以外は比較例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例29)
比較例28で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例28と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例30)
比較例28で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例28と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例31)
比較例19で使用した下引き層膜厚を2.0μm、下引き層反射率Iucl=13.3%とした以外は比較例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例32)
比較例31で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例31と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例33)
比較例31で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例31と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例34)
比較例19で使用した下引き層膜厚を1.5μm、下引き層反射率Iucl=12.9%とした以外は比較例19と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例35)
比較例34で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例34と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例36)
比較例34で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例34と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例37)
実験例1で使用したサンドブラスト処理条件を変更することによりサンドブラスト処理された導電性基体表面の反射率Isb=17%、サンドブラスト凹凸表面粗さRa=0.18μm、Rmax=2.2μm、下引き層反射率Iucl=17.9%とした以外は実験例1と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例38)
比較例37で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例39)
比較例37で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例40)
比較例37で使用した下引き層膜厚3.5μm、下引き層反射率Iucl=17.5%とした以外は比較例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例41)
比較例40で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例40と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例42)
比較例40で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例40と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例43)
比較例37で使用した下引き層膜厚を3.0μm、下引き層反射率Iucl=16.8%とした以外は比較例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例44)
比較例43で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例43と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例45)
比較例43で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例43と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例46)
比較例37で使用した下引き層膜厚を2.5μm、下引き層反射率Iucl=16.0%とした以外は比較例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例47)
比較例46で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例46と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例48)
比較例46で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は実験例46と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例49)
比較例37で使用した下引き層膜厚を2.0μm、下引き層反射率Iucl=15.4%とした以外は比較例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例50)
比較例49で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例49と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例51)
比較例49で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例49と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例52)
比較例37で使用した下引き層膜厚を1.5μm、下引き層反射率Iucl=15.0%とした以外は比較例37と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例53)
比較例52で使用した電荷輸送層膜厚を18μmとした以外は比較例52と同様に有機電子写真感光体を作製した。
(比較例54)
比較例52で使用した電荷輸送層膜厚を14μmとした以外は比較例52と同様に有機電子写真感光体を作製した。
以上、説明した実験例1〜54と比較例1〜54の各感光体の作製条件について、下記表1〜3にまとめた。
(感光体試料の実験例1〜54および比較例1〜54の評価)
上述した実験例1〜54と比較例1〜54で作製した感光体の電子写真特性(下記表4〜表6)を下記の方法で評価した。
感光体を暗所で−800Vに帯電した後、回転を停止させたドラムの表面電位の1秒後の表面電位の保持率Vk1を求めた。続いて、感光体表面に露光光を照射し続け、帯電電位が−800Vから−400Vに到達するのに必要な露光量を感度E1/2、−800Vから−100Vに到達するのに必要な露光量として感度E100を求めた。また、上記感度測定においてトータル光量5.0μJ/cm2の露光光を照射した直後の感光体表面電位を残留電位Vr5.0と呼び、残留電位を求めた。
次に、下記表7〜表9に示す実機による解像度評価(1dot再現性、白細線解像度)、干渉縞、サンドブラスト表面微細凹凸に起因した濃度ムラ(以下、「SB凹凸濃度ムラ」)、OPC(有機系感光層)リーク痕跡、帯状ムラに関する評価を行った。
評価に用いた実機は、市販のプリンタであり、直流電圧1.2kVをブラシ帯電器に印加することにより、ブラシに接触されている感光体表面が負に帯電された後、レーザーユニットから照射されるレーザービームにより600dpi相当の静電潜像が形成され、現像、転写プロセスを経て紙上に印字される。ただし、除電光およびクリーニングブレード装着されていない。
解像度評価に関して、1dot再現性は600dpiの1dotパターンの印字画像を目視評価し、白細線解像度は、黒画像上に600dpiの線幅をもつ白抜け細線画像を目視評価した。
干渉縞に関しては、ハーフトーン画像上の干渉縞模様を目視により0.5刻みの5段階評価(0:干渉縞なし、5:干渉縞が明確に強く発生)した。
サンドブラスト(以下、「SB」と略)凹凸濃度ムラに関しては、ハーフトーン画像上にサンドブラストの微細凹凸に起因する斑点状のムラを目視により0.5刻みの5段階評価(0:SB凹凸濃度ムラなし、5:SB凹凸濃度ムラが明確に強く発生)した。
帯状ムラに関しては、ハーフトーン画像上にドラム周期で軸方向に5mm程度の幅をもつハーフトーン濃度よりも高濃度な帯状ムラ発生有無を目視により「有」「無」で評価した。この評価と同時に、OPCドラムをカートリッジから取り出し、目視により感光層リーク痕跡有無を「有」「無」により評価した。
上述した帯状ムラとOPC(有機系感光層)リーク痕跡の評価環境は、温度/湿度=24℃/43%および35℃/85%の2環境でそれぞれ行った。それ以外の評価は、温度/湿度=24℃/43%の1環境のみで評価を行った。
以上説明した感光体の作製条件、電子写真特性および画像評価結果について、下記表1〜表9に示す。
Figure 2008122999
Figure 2008122999
Figure 2008122999
Figure 2008122999
Figure 2008122999
Figure 2008122999
Figure 2008122999
Figure 2008122999
Figure 2008122999
実験例1〜54、比較例1〜54に用いたすべての感光体試料の反射率Iopcを実施例1に記載した方法によりレーザービームの波長範囲750≦λ≦812nmで測定し、その離散フーリエ変換を下記数式(1)により求めた。ここで、離散フーリエ変換のアルゴリズム上、変換に用いるデータ個数Nは2のベキ乗数、すなわち、N=2S(s=1,2,…,u)が条件であることから、前記波長λの範囲から波長間隔2nm(=Δλ)毎の反射率Iopcを前記反射率測定装置(図16)で測定してサンプリングデータとし、合計N=32(=25)個に関して離散フーリエ変換を行っている。また、得られたデータのs=0時の周波数におけるデータは意味が無いため、s=1からのデータを使用する。また、サンプリングデータを採るための測定範囲として前記波長範囲に定めた理由は、上市されているプリンタに搭載されている露光用レーザー光源が中心波長780nm、半値幅±30〜50nm程度であるためである。
フーリエ変換結果であるS(n/(N・Δλ))は複素数表示されているため、下記数式(2)を使って、大きさ|S(n/(N・Δλ))|2を求めることにより実数化し、これを縦軸に取り、周波数n/(N・Δλ)成分を横軸にとりプロットすることによりパワースペクトルを得ることができる。前記実験例、比較例で作製した感光体試料のうちの代表例について、前記波長範囲における2nm毎に測定した反射率Iopcの測定データをプロットしたスペクトルを図2〜図8(△、□、◆は各測定データ)に示す。代表例以外の各実験例および比較例についての反射率測定値およびその測定値に基づくパワースペクトルおよびそのピーク値Spの値は表には示さないが、そのピーク値Sp値が10以上のものについては干渉縞有り、ピークなしまたはピーク値Sp値が10未満のものについては干渉縞無しと表4、5、6に記入した。これらの図2〜図8に対応する反射率Iopcの測定データを下記数式(1)、(2)に従ってフーリエ変換し、パワースペクトルを求め、周波数にかかる成分の値を横軸に、前記パワースペクトル値を縦軸にとったパワースペクトルを図9〜図15に示す。下記に図2〜図8および図9〜図15に対応する実験例および比較例の番号を示す。図9〜図15の横軸の周波数成分として、5.0E+07Hz、1.0E+08Hzなどの記載は5.0×107Hz、1.0×108Hzをそれぞれ表す。他の記載についてもこれに準じる。同図縦軸にFFT Powerとある記載はパワースペクトルの値である。
実験例7、10、13により代表される感光体の反射率のスペクトル図を図2に示し、それらのパワースペクトル図を図9に示す。同様に、実験例25、28、31には図3と図10とがそれぞれ対応する。同様にして、実験例43、46、49には図4と図11が、比較例7、10、13には図5と図12が、比較例25、28、31には図6と図13が、比較例43、46、49には図7と図14がそれぞれ対応する。前記各図において代表例としてあげられた3例づつの実験例および比較例はそれぞれグループ内の3例間では下引き層の厚さを2μm、2.5μm、3μmに変化させ、グループ間では導電性基体の表面粗さおよびその反射率を変化させた。別途、比較的明確な干渉縞が見られる感光体を代表するものとして、比較例43、44、45の感光体により、感光体の反射率にかかる図8とパワースペクトルにかかる図15を示す。
Figure 2008122999
表1〜表2と表7〜表8より、実験例1〜54に関して、1dot再現性および白細線解像度は下引き層膜厚1.5〜3.5μmで良好であるが、4.0μmでは1dot周囲のエッジがかすれており、白細線解像度は細線のエッジがかすれ、幅が広くなっている。干渉縞は、下引き層膜厚1.5〜3.5μmで未発生となったが、4.0μmではわずかに発生していることを目視確認した。SB凹凸濃度ムラはすべての下引き層膜厚1.5〜4.0μmにおいて未発生となった。OPC(有機系感光層)リーク痕跡およびこれに伴う帯状ムラは温度/湿度=24℃/43%環境内ですべての下引き層膜厚1.5〜4.0μmにおいて未発生となったが、温度/湿度=35℃/85%環境内では、表面粗さRa=0.23、0.26μm、下引き層膜厚1.5μmでリーク痕跡および帯状ムラを目視確認した。同様にRa=0.35μm、下引き層膜厚2.0μmにおいてリーク痕跡および帯状ムラを目視確認した。
比較例1〜18に関して、表2と表8から、1dot再現性および白細線解像度は下引き層膜厚1.5〜3.0μmで良好であるが、3.5μm以上では1dot周囲のエッジがかすれており、白細線解像度は細線のエッジがかすれ、幅が広くなっている。干渉縞は、すべての下引き層膜厚1.5〜4.0μmで未発生を目視確認した。SB凹凸濃度ムラはすべての下引き層膜厚1.5〜4.0μmにおいて発生した。OPC(有機系感光層)リーク痕跡およびこれに伴う帯状ムラは温度/湿度=24℃/43%環境内ですべての下引き層膜厚1.5〜4.0μmにおいて未発生であったが、温度/湿度=35℃/85%環境内では、下引き層膜厚1.5および2.0μmすべてに関して発生しただけでなく、下引き層膜厚3.0μmとしても発生したことを確認した。
比較例19〜36に関して、表3と表9から、1dot再現性および白細線解像度は下引き層膜厚1.5〜3.0μmで良好であるが、3.5μm以上では1dot周囲のエッジがかすれており、白細線解像度は細線のエッジがかすれ、幅が広くなっている。干渉縞は、下引き層膜厚1.5〜3.5μmで未発生となったが、下引き層膜厚4.0μmではわずかであるが干渉縞が発生したことを目視確認した。SB凹凸濃度ムラは比較例1〜18と比較すると程度は良くなっているものの発生している。すべての下引き層膜厚1.5〜4.0μmにおいて発生した。OPC(有機系感光層)リーク痕跡およびこれに伴う帯状ムラは温度/湿度=24℃/43%環境内ですべての下引き層膜厚1.5〜4.0μmにおいて未発生であったが、温度/湿度=35℃/85%環境内では、下引き層膜厚1.5および2.0μmすべてに関して発生しただけでなく、下引き層膜厚3.0μmとしても発生したことを確認した。
比較例37〜54に関して、表3と表9から、1dot再現性および白細線解像度は下引き層膜厚1.5〜3.5μmで良好であるが、4.0μmにおいて、1dot周囲のエッジがかすれており、白細線解像度は細線のエッジがかすれ、幅が広くなっている。干渉縞は、すべての下引き層膜厚1.5〜4.0μm発生したことを確認した。SB凹凸濃度ムラは比較例1〜18および19〜36と比較すると、下引き層膜厚2.0〜4.0μmで未発生となり良好な結果であるが、1.5μmではわずかにSB凹凸濃度ムラを確認した。OPC(有機系感光層)リーク痕跡およびこれに伴う帯状ムラは温度/湿度=24℃/43%および35℃/85%環境内では、すべての下引き層膜厚1.5〜4.0μmに関して未発生であったことを確認した。
以上見てきたように、実機画像の評価結果には平均表面粗さRaのみでなく、下引き層や電荷輸送層の膜厚も影響することが分る。
図2〜図4および図5〜図7は代表的な実験例および比較例に用いた有機感光体に関して、入射光波長λ(波長間隔Δλ=2nm毎)に対する反射率Iopcの測定値をプロットしてスペクトル図としたものである。図2は実施例7、10、13に関し、表1に示すように基体の反射率Isbが13.6%であって、下引き層膜厚がそれぞれ3.0、2.5、2.0μmに対応し、電荷輸送層膜厚がそれぞれ20μm時の各感光体の反射率Iopcのスペクトル図である。図3と図4はそれぞれ実施例25、28、31と実施例43、46、49に関し、基体の反射率Isbを前記図2の13.6%から14.5%と15.0%に変えた場合の各感光体のスペクトル図である。図2、3、4の順に、ある周期と振幅とが次第に目立ちはじめる反射率スペクトルとなっているので、スペクトル図からは光学的干渉が起き始めていると考えられるが、表7、表8の前記対応実施例に示す実機による評価結果では干渉縞ランクはいずれも0であり、画像上では未発生であることが分かる。前記反射率Iopcスペクトルにおける振幅の増加は、図2、3、4の順でサンドブラスト導電性基体の反射率Isbの増加に伴う下引き層表面の平滑化による、増加した反射光(Iuclの増加)と入射光との干渉強度増加によるものと考えられる。
図5、6(比較例7、10、13と比較例25、28、31の場合)に関する反射率Iopcスペクトルは図2、3と同様のスペクトル形状となり、実機による干渉縞評価の結果、干渉縞は未発生であったが、図7(比較例43、46、49の場合)に関しては、大きい周期と振幅をもつ反射率スペクトルとなった。実機による干渉縞評価の結果でも、表9に示すように干渉縞ランクは1.5となり、画像上でも干渉縞が発生していた。
図8は、基体の反射率Isbが17.0%であって、下引き層膜厚3.0μmに固定した場合に、電荷輸送層の膜厚を20、18、14μmにそれぞれ変えた場合の感光体(比較例43、44、45)の反射率Iopcのスペクトル図である。この場合はいずれもある周期と大きい振幅が見られる。表9に示す実機による評価結果では干渉縞ランクはいずれも1.5と明確に干渉縞が見られることを示している。
上記図2〜8に示す反射率Iopcスペクトルから見た光学的干渉評価結果と表7〜9に示す実機によるハーフトーン画像上の干渉縞評価の結果に相関があると考えられる。すなわち、反射率Iopcスペクトルがある一定以上の周期と振幅をもつスペクトル形状である場合、実機の画像上にて干渉縞が発生するということである。しかしながら、前記図4(実験例43、46、49の場合)では見た目にもある周期と振幅をもつスペクトルにもかかわらず実機において画像上の干渉縞は未発生となっている。そこで、画像上の干渉縞の発生と反射率Iopcスペクトルとを関係づけるためには、反射率Iopcスペクトルの特徴量として、離散フーリエ変換によるパワースペクトル値による評価が必要と考えた。
図9〜11(実験例7、10、13と実験例25、28、31と実験例43、46、49の場合)および図12〜14(比較例7、10、13と比較例25、28、31と比較例43、46、49の場合、)は、前記反射率スペクトル図を作成した実験例および比較例に関して、それらの反射率データを離散フーリエ変換して得られるパワースペクトル|S(n/(N・Δλ))|2の代表例を示したものである。これら代表例は、前記反射率スペクトル図の場合と同様に、下引き層膜厚3.0、2.5、2.0μm、電荷輸送層膜厚20μm時のデータである。図9〜11のパワースペクトルに関して、図9、10はパワースペクトルの明瞭な最大ピークのピーク値が10以上のものが無いだけでなく、ピークらしきものも見当たらないが、図11には9.38×107(Hz)においてSp=4.8程度のピークが存在する。しかし、図9〜11の実験例に関する画像上の干渉縞評価の結果は表7と表8から干渉縞ランクは0であり、すべて未発生である。また、図12〜14のパワースペクトルに関して、図12、13はパワースペクトルの明瞭な最大ピークと言えるようなピークは前記図9、10と同様に見当たらないが、図14において、ピーク強度の小さい順にSp=11.4、14.6、21.5程度の明瞭なピークが存在し、いずれのピーク値Sp値も10以上であり、特に最大ピークは21.5と極めて大きい値である。この図14に対応する比較例43、46と49の感光体のみ実際に干渉縞が発生しており、ピーク値10以上の場合に干渉縞が発生することとの対応が成り立ち、干渉縞発生の有無を画像ではなく、反射率の測定により判定できることが分かる。
図15は、基体の反射率Isbが17.0%であって、下引き層膜厚3.0μmに固定した場合に、電荷輸送層の膜厚を20、18、14μmにそれぞれ変えた場合の感光体の反射率Iopcの測定データ(図8)から求めた離散フーリエ変換パワースペクトル|S(n/(N・Δλ))|2の代表例である。この感光体試料は画像から干渉縞の発生することが確かめられれている。この図15のピーク値Spはいずれも20以上であるので、感光体の反射率測定から、図15のようなパワースペクトル図を作成すれば、画像を見なくても干渉縞の発生することが判別できる。
これらの結果より、パワースペクトルの明瞭な最大ピークが存在していても、干渉縞が発生する、しないを判別する閾値が存在すると考えられる。目視による実機画像上の干渉縞発生との比較から、実使用上干渉縞が発生しないSpの範囲はSp≦10であることがわかった。また、前記図15は、反射率スペクトルの図8に対応し、下引き層膜厚3.0μm、電荷輸送層膜厚20、18、14μm時のパワースペクトル図である。この図15において、電荷輸送層膜厚低下によりパワースペクトルが増大していることがわかる。電荷輸送層膜厚に対する干渉縞ランクの変動は0.5程度であり電荷輸送層の膜厚が干渉縞の発生程度とパワースペクトルの形状に影響することが分る(表9)。一方、表9中比較例37〜54干渉縞ランク評価結果のように下引き層膜厚1.5〜4.0μm範囲での干渉縞ランクの変動は3となっており、電荷輸送層膜厚よりも下引き層膜厚の方が干渉縞への影響の大きいことがわかる。これは、実機による電荷輸送層の干渉縞への影響度はその膜厚にではなく、円筒形導電性基体の軸方向ならびに周方向に関する電荷輸送層の膜厚偏差にあることによると考えられる。たとえば、少なくとも膜厚偏差0.5μm程度で、円筒形導電性基体表面粗さRa=0.13μm程度であれば干渉縞は発生するのに対し、実験例1〜54および比較例1〜54に関する電荷輸送層の膜厚偏差は0.7〜2μm(軸方向偏差は平均1.5μm、周方向膜厚偏差は平均1.4μm程度)である。このことから、膜厚偏差が高い(2μm程度の)電荷輸送層であっても、干渉縞は導電性基体表面の平均表面粗さRa≧0.23μmで、最大表面粗さRmax≧2.4μm、下引き層膜厚dは1.5μm≦d≦3.5μmとすれば、抑制可能であることがわかる。
ところが、上記表面粗さ範囲であっても上述した実機評価結果である解像度、SB凹凸濃度ムラ、OPC(有機系感光層)リーク痕跡によるハーフトーン画像上での帯状ムラなど、画質面に影響を及ぼす場合がある(比較例1〜36)。
さらに、実験例および比較例にて使用した膜厚1.5μm以上の厚膜下引き層は、樹脂バインダと導電性金属酸化物が含まれているが、金属酸化物が含まれず樹脂バインダのみの厚膜(1.5μm以上)下引き層の場合、干渉縞は抑制されるものの、電子写真特性ならびに画像品質に悪影響を及ぼした。具体的には、電子写真特性に関しては、感度低下、残留電位上昇となり、この結果を反映して、画像品質面では、黒べた濃度低下、1dot再現性劣化などが確認された。電子写真特性が低下する要因としては、導電性金属酸化物が含まれていない厚膜下引き層では、露光により発生した電子が基板側に流れ込まないため電荷発生層中および電荷発生層と下引き層界面において電荷蓄積されるため感度低下を引き起こし、これに伴い残留電位上昇となると考えられる。このことから、厚膜下引き層には樹脂バインダだけでなく、電荷蓄積されないように樹脂バインダ中に導電性金属酸化物が必要とされる。
以上の内容より、干渉縞を抑制するだけでなく、良好な電子写真特性を得ることと、画質に関する悪影響を回避するためには、導電性基体の表面粗さと反射率について、平均表面粗さ(Ra)範囲が0.23μm≦Ra≦0.35μmかつ最大表面粗さ(Rmax)範囲が2.4μm≦Rmax≦2.7μmであり、波長λ=780nmの単色光による導電性鏡面基体の表面反射率を基準反射率とするこの導電性基体の反射率をIsbとするとき、Isb≦15%を満足することが好ましく(実験例1〜54)、さらに、この粗面化導電性基体表面上に塗布形成された下引き層の膜厚dは2μm≦d≦3.5μmであり、波長λ=780nmの単色光による導電性鏡面基体の表面反射率を基準反射率とするこの下引き層の反射率をIuclとするとき、Iucl<17%を満足することにより達成することが望ましい(実施例4〜15、22〜33、40〜51)。
本発明にかかる電子写真感光体の模式的断面図 干渉縞のない電子写真感光体の反射率スペクトル図 干渉縞のない異なる電子写真感光体の反射率スペクトル図 干渉縞のない異なる電子写真感光体の反射率スペクトル図 干渉縞のない異なる電子写真感光体の反射率スペクトル図 干渉縞のない異なる電子写真感光体の反射率スペクトル図 干渉縞のある異なる電子写真感光体の反射率スペクトル図 干渉縞のある異なる電子写真感光体の反射率スペクトル図 干渉縞のない電子写真感光体のパワースペクトル図 干渉縞のない異なる電子写真感光体のパワースペクトル図 干渉縞のない異なる電子写真感光体のパワースペクトル図 干渉縞のない異なる電子写真感光体のパワースペクトル図 干渉縞のない異なる電子写真感光体のパワースペクトル図 干渉縞のある電子写真感光体のパワースペクトル図 干渉縞のある異なる電子写真感光体のパワースペクトル図 電子写真感光体の反射率測定装置の概略図
符号の説明
1 導電性基体
2 下引き層
3 感光層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
16 反射率測定装置
100 装置本体
101 電源
102 ハロゲンランプ
103 入射光用ファイバー管
104 測定基体
105 薄膜
106 反射光用ファイバー管
107 スリット
108 回転格子付きミラー
109 検出器

Claims (3)

  1. 可干渉性露光光源を備える電子写真装置に搭載され、金属酸化物含有の塗布形成下引き層と有機感光層とが粗面化された導電性基体表面に順次塗布形成されてなる電子写真感光体に起因する干渉縞有無の判定方法であって、
    電子写真感光体の表面反射率を、波長範囲750nm≦λ≦812nmにおける所定の波長を有する可干渉光により所定の波長間隔Δλごとに測定し、得られた表面反射率を導電性鏡面基体を基準として補正して、前記電子写真感光体の反射率Iopcを得、該反射率を下記数式(1)を用いて離散フーリエ変換した結果から、下記数式(2)で示されるパワースペクトル|S(n/(N・Δλ))|2の値を算出し、該パワースペクトルの、周波数範囲0<n/(N・Δλ)(Hz)≦2.5×108における明瞭な最大ピークのピーク値をSpとするとき、
    Sp≦10の場合に干渉縞発生がない、
    Sp>10の場合に干渉縞発生がある、
    と判定することを特徴とする電子写真感光体に起因する干渉縞有無の判定方法。
    Figure 2008122999
  2. 前記感光層が、電荷発生材料と樹脂バインダを含む電荷発生層と、電荷輸送材料と樹脂バインダを含む電荷輸送層とを順次積層してなることを特徴とする請求項1記載の干渉縞有無の判定方法。
  3. 前記基体表面がサンドブラスト処理により粗面化されてなることを特徴とする請求項1または2記載の干渉縞有無の判定方法。
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