JP4602125B2 - 像担持体の膜厚減少量の予測方法、像担持体の膜厚の設定方法、プロセスカートリッジの製造方法及び画像形成装置の製造方法 - Google Patents

像担持体の膜厚減少量の予測方法、像担持体の膜厚の設定方法、プロセスカートリッジの製造方法及び画像形成装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンタ及びファクシミリ等の像担持体の膜厚減少量の予測方法、像担持体の膜厚の設定方法、プロセスカートリッジの製造方法及び画像形成装置の製造方法に関するものである。
近年、環境への関心の高まりから、帯電手段は、多量のオゾンを発生するコロナ帯電方式から、オゾンの発生を抑えた帯電ローラ方式への移行が進んでいる。帯電ローラ方式には、帯電ローラを像担持体に接触させて配置する「接触型帯電ローラ方式」と帯電ローラを像担持体に接触させないで一定のギャップを設け接近させて配置する「非接触型帯電ローラ方式」がある。
接触型帯電ローラ方式は、コロナ帯電方式に比べて、オゾンなど放電生成物の発生量が極めて少なく、印加電圧を低く設定できるため電源のコストが抑えられ、電気絶縁の設計が行いやすい等の利点がある。しかしながら、帯電の均一性に関しては、コロナ帯電方式に比べて劣っている。また、接触型ローラ帯電方式は像担持体に直接ローラが触れているため、帯電ローラと像担持体との間に異物が巻き込まれると帯電ローラが汚染されて帯電不良が発生し、長期間使用した場合には像担持体が汚染され横筋等の画像不良が発生する等の欠点がある。上記帯電の均一性不良を改善するために、従来技術では、直流電圧印加時における帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電圧を重畳させた例がある(例えば、特許文献1参照。)。
非接触型帯電ローラ方式は、接触帯電による帯電部材の汚れという不具合を改善するために、スペーサ部材を用いて、帯電部材を像担持体表面に対して一定のギャップを設け接触させて配置する方法がある。このような非接触ローラ帯電方式においても直流電圧を印加する方式は、微小なギャップ変動による帯電電位のばらつき、放電の安定性などの問題により、実用化の上で難しい。このため、非接触の場合においても、交流電圧重畳タイプが適した方式だと考えられる。
このように交流電圧重畳タイプのローラ帯電方式を採用することにより、十分な帯電均一性をもち、オゾン、窒素酸化物の生成量が少なく、低電力消費の帯電プロセスを実現することができる。その一方、交流電圧重畳タイプのローラ帯電方式においては、像担持体の膜厚減少量が、他の帯電方式に比べて大きいことがわかっている(例えば、特許文献2参照。)。これは画像形成時に回転するたびにクリーニングブレードが表層を機械的に削ってしまうことに加え、帯電部材への交流電圧の印加による放電により、像担持体の保護層が放電により劣化し、消失してまうからである。
このように像担持体がクリーニングブレードの機械的接触、又は、放電による化学反応により削れ、感光層がある一定レベルの厚み以下になると、画像不良が発生する。このため、このように像担持体が寿命に達した時点で、交換する必要がある。ここで、像担持体を画像形成装置の一部品として成立させるためには、商品として明記される像担持体の寿命を保障できるようその膜厚を設計することが必要である。像担持体の膜厚設計は、その光減衰感度や利得をもとに行われる必要があるが、同時に、膜厚減少も考慮しなければならない。膜厚を厚くすればその寿命は延びるが、必要以上に膜厚を厚くすることは高コストとなる。また、画像の高解像度化を達成する為にも、感光層の厚みは必要以上に厚いことは不適当である。したがって、使用条件に対して発生する膜厚減少量を把握し、その膜厚減少量をもとに膜厚を設計する必要がある。そのためには、膜厚減少量を正確に把握する手段を確立することが重要である。
近年、像担持体の高機能化が進んでおり、表層にハードコート層を設けることにより、その機械的摩耗を低減させる技術が確立されている。また、像担持体に脂肪酸金属塩を始めとする潤滑剤を塗布することにより、機械的な摩耗を低減する技術も既に実施されている。その一方、帯電プロセスによる像担持体の膜厚減少は、ローラ帯電で交流電圧を印加することにより現れた問題であり、近年、クローズアップされたものである。この問題に関しては、表層材料を変えることによって対応することはできず、その根本的な解決方法は見出されていない。すなわち、像担持体の膜厚設計をする上では、機械的な摩耗よりも、帯電プロセスでの放電による膜厚減少の重要性が大きくなっており、放電による膜厚減少量を正確に予測する技術が求められる。
放電による膜厚減少量を正確に予測する為には、発生する放電の強度を定量的に評価する必要がある。放電の強度を評価する方法としては、その「電流値を検知する方法」がある。従来技術では、像担持体の表面電位を制御する為に、帯電部材の放電電流と像担持体流入電流を検知し、これらの電流比から印加電圧を制御する方法を用いた例がある(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この方法では像担持体と帯電部材の間の放電空間を流れる電流を正確に測定できないため、放電の強度の定量化を正確に行うことができない。すなわち、像担持体と帯電部材間に電流計をセットした場合、帯電電位制御に直接関わる帯電部材と像担持体との間を流れる電流値と、帯電電位制御に直接は関わらない帯電部材と像担持体それぞれに蓄積される電荷となるコンデンサ成分となる電流値との和を検知することになり、これらの電流値を分けて測定することはできない。このため、「電流値を検知する方式」は、放電の程度を近似的に評価することはできるが、正確に評価することはできない。
特開昭63−149668号公報 特開平11−305522号公報 特開昭63−80277公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、放電による像担持体の膜厚減少量を正確に予測し、正確な膜厚設計ができるようにした像担持体の膜厚減少量の予測方法、像担持体の膜厚の設定方法、プロセスカートリッジの製造方法及び画像形成装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の特徴を有している。
本発明の像担持体の膜厚減少量の予測方法は、最表面層に有機感光層(以下、「感光層」と記す。)を有する像担持体に接触又は接近して配置される帯電部材を有し、帯電部材に直流電圧と交流電圧を同時に印加して帯電部材と像担持体表面との間のギャップに放電を生じさせて像担持体を一様に帯電する帯電装置を有し、放電による像担持体の膜厚減少量を予測する方法であって、分光器により放電光の光のスペクトルを測定し、放電光の波長と光強度の関係から、相対的な値として放電光の光強度[任意単位]を求め、放電光の光強度の測定条件については、帯電部材へのバイアス条件を、直流電圧=−600[V]、交流ピーク間電圧をVpp=2.2[kV]、周波数f=1.35[kHz]としたときに得られた光強度を基準値としたときに、交流ピーク間電圧をVpp=1.4〜3.0[kV]まで変化させたときの該光強度の推移を測定するものであって、該放電光の光強度の測定条件により得られた交流ピーク間電圧Vppと放電光の光強度との相関関係と、また、像担持体の膜厚減少量と放電光の光強度との間に見られる相関関係から、放電による膜厚減少量を予測することを特徴とする。
本発明の像担持体の膜厚減少量の予測方法は、前記感光層は、少なくともポリカーボネート又はポリアリレートを含有していることを特徴とする。
本発明の像担持体の膜厚減少量の予測方法は、前記感光層は、フィラーを分散していることを特徴とする。
本発明の像担持体の膜厚減少量の予測方法は、前記感光層は、架橋型電荷輸送材料であることを特徴とする。
本発明の像担持体の膜厚の設定方法は、最表面層に有機感光層(以下、「感光層」と記す。)を有する像担持体に接触又は接近して配置される帯電部材を有し、帯電部材に直流電圧と交流電圧を同時に印加して帯電部材と像担持体表面との間のギャップに放電を生じさせて像担持体を一様に帯電する帯電装置を有し、放電による像担持体の感光層の膜厚減少量を予測する像担持体の膜厚減少量の予測方法によって得られた結果に基づいて、像担持体の感光層の膜厚を設定する像担持体の膜厚の設定方法であって、分光器により放電光の光のスペクトルを測定し、放電光の波長と光強度の関係から、相対的な値として放電光の光強度[任意単位]を求め、放電光の光強度の測定条件については、帯電部材へのバイアス条件を、直流電圧=−600[V]、交流ピーク間電圧をVpp=2.2[kV]、周波数f=1.35[kHz]としたときに得られた光強度を基準値としたときに、交流ピーク間電圧をVpp=1.4〜3.0[kV]まで変化させたときの該光強度の推移を測定するものであって、該放電光の光強度の測定条件により得られた交流ピーク間電圧Vppと放電光の光強度との相関関係と、また、像担持体の感光層の膜厚減少量と放電光の光強度との間に見られる相関関係から、放電による感光層の膜厚減少量を予測する像担持体の膜厚減少量の予測方法で得られた結果に基づいて、感光層の膜厚を、D=D1+D2+dのように設定することを特徴とする。
ここで、Dは、設計膜厚量D[μm]、D1は一様な帯電電位を維持できる像担持体感光層の最低膜厚量D1[μm]であって、予め膜厚を数種類設定して所定の一定印加電圧に対する異常画像発生の有無から決定されるものである。D2はクリーニング部で像担持体感光層に残留するトナーを除去する際に生じる機械的磨耗による像担持体感光層の膜厚減少量D2[μm]である。dは予測される帯電による像担持体感光層の膜厚減少に備えて設定される予備膜厚量d[μm]であり、下記のように表される。2.0・h・(1/L)・k・I < d < 2.5・h・(1/L)・k・I。ここで、hはランニング時間h[時]であり、Lは像担持体の周長L[mm]であり、h・(1/L)は任意の単位時間当たりの像担持体と帯電部材とが接触又は接近する位置を像担持体が通過する回数を表している。Iは像担持体と帯電部材とのギャップに発生する放電光の光強度I[任意単位]であり、像担持体感光層の膜厚減少量と相関関係にある。また、2.0と2.5は像担持体感光層の膜厚の設計の余裕度を1割としたときに決定される定数である。さらに、kは光強度Iが光検知器や光検知器の位置により決定される補正係数であり、下記のように表される。k = 1/I’。ただし、I’は帯電部材に印加する交流電圧のピーク間電圧Vppが2.2[kV]、周波数が1.35[kHz]であるときに、像担持体と帯電部材とのギャップに発生する放電光の光強度[任意単位]である。
本発明の像担持体の膜厚の設定方法は、前記感光層は、少なくともポリカーボネート又はポリアリレートを含有していることを特徴とする。
本発明の像担持体の膜厚の設定方法は、前記感光層は、フィラーを分散していることを特徴とする。
本発明の像担持体の膜厚の設定方法は、前記感光層は、架橋型電荷輸送材料であることを特徴とする。
本発明の像担持体の膜厚の設定方法は、前記感光層は、フッ素樹脂粒子が分散されていることを特徴とする。
上記課題を解決するための手段により、本発明は、放電による像担持体の膜厚減少量を精度良く予測できるようにし、寿命に応じた像担持体の膜厚を正確に設定できるようにした。
また、像担持体に接触する部材を全てプロセスカートリッジとして一体化し、画像形成装置に備えることで、安定した帯電を行うことができ、初期の寿命設定通りに像担持体が使用できる。その結果、メンテナンスの頻度を少なくし、利便性を向上させ、像担持体製造に関するコストの低減を図ることができた。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、図1から図21に基づいて説明する。ただし、これらは一実施形態にすぎず本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、画像形成装置の画像形成部の概略図である。
画像形成装置1は、像担持体2、帯電部材3、露光部4、現像部5、転写部6、クリーニング部13、除電部9、及び電圧印加部16などで構成される。帯電部材3は、硬質の導電性ローラである。画像形成は、像担持体2を時計方向に回転させ、帯電部材3により像担持体2表面が一様に帯電されると、露光部4により画像データで変調されたレーザを照射して像担持体2表面に静電潜像が形成され、静電潜像に現像部5のトナーを付着させて現像することにより行われる。像担持体2表面のトナー画像は、転写部6で記録紙Pに転写され、記録紙Pは図示しない定着部に搬送され、記録紙P上のトナー画像を定着させた後、排紙トレー上に排出される。そして、像担持体2をさらに回転させ、クリーニング部13で像担持体2表面に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去した後、除電部9で像担持体2表面を除電する。像担持体2は、帯電部材3により再び一様に帯電され、次の画像形成を行う。なお、クリーニング部13は、クリーニングブレードに限定されず、例えばファーブラシで像担持体2表面の残留トナーを除去するものであってもよい。
図2は、タンデム型のカラー画像形成装置の概略図である。
タンデム型のカラー画像形成装置は、水平方向に像担持体2とカラー現像部5C、5M、5Y、5Kを設置し、中間転写部7、紙転写部8を備えている。像担持体2に形成されたカラーのトナー画像は、中間転写部7で中間転写ベルトに一次転写され、紙転写部8に搬送された記録紙Pに二次転写される。記録紙Pは図示しない定着部に搬送され、記録紙P上のトナー画像を定着させた後、排紙トレー上に排出される。
図3は、リボルバー型のカラー画像形成装置の概略図である。
リボルバー型のカラー画像形成装置は、像担持体2の回転方向にカラー現像部5C、5M、5Y、5Kを設置し、現像部の動作を切り替えることによって1つの像担持体2表面に順次、複数色のトナーを現像していく。像担持体2に形成されたカラーのトナー画像は、中間転写部7で中間転写ベルトに一次転写され、紙転写部8に搬送された記録紙Pに二次転写される。記録紙Pは図示しない定着部に搬送され、記録紙P上のトナー画像を定着させた後、排紙トレー上に排出される。
図4は、帯電部材の構成図である。
帯電部材3は、導電性基体201とその周囲に抵抗層202、及び保護層203を備えている。導電性基体201は、直径が8〜20[mm]、のステンレス鋼の円筒部材であるが、ステンレス鋼に変えてアルミニウムや10Ω・cm以下の導電性樹脂を用いて、軽量化を図ってもよい。抵抗層202は、導電性材料をABS樹脂などに練り込んだ高分子材料からなる。導電性材料には、金属イオン錯体、カーボンブラック、イオン系分子など、その他、均一な帯電を行うことができる材料を用いてもよい。保護層203は、フッ素系樹脂が用いられている。
帯電部材3には、帯電用の電源が接続されている。これにより、像担持体2表面の被帯電面と、帯電部材3表面の帯電面との間のギャップHに放電を生じさせ、被帯電面を均一に帯電する。印加電圧バイアスは、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧波形を用い、交流電圧のピーク間電圧は帯電開始電圧の2倍以上にするのがよい。また、必要に応じて、直流電圧、好ましくは定電流方式の電圧を用いてもよい。
図5は、像担持体と帯電部材との間にギャップを持たせた例である。
帯電部材3は、像担持体2と同じ方向に移動するか、又は静止した状態でもよい。帯電部材3である導電性ローラ軸の長手方向の寸法は、最大画像幅であるA4用紙サイズの長さ297[mm]よりも少し長く設定している。
帯電部材3には、その長手方向両端部にフィルムを巻きつけてスペーサ302を設け、スペーサ302を像担持体2両端部の非画像形成領域に接触させることで、像担持体2表面の被帯電面と帯電部材3表面の帯電面との間にわずかな隙間をギャップHとして保持している。ギャップHの最小値は5〜100[μm]になるように保持しているが、最適なギャップHの値は、30〜65[μm]である。本実施形態では、55[μm]に保持している。さらに、スプリング303などで導電性ローラ軸を加圧することにより、わずかなギャップを精度よく保持することができる。
スペーサ部材は帯電部材3と一体成型にしてもよく、帯電部材3の長手方向全体にテープよりなる2つのスペーサ部材を巻き付けて固定する方法がある。このとき、スペーサ部材のギャップ部分は、少なくともその表面を絶縁体にするのがよい。放電時に発生する窒素酸化物などの反応生成物(以下、「放電生成物」という。)がギャップ部分に堆積されると、像担持体2表面の電気抵抗を低下させ、帯電部材3自体を汚染して絶縁不良や帯電不良の原因となるためである。
また、スペーサ部材には熱収縮チューブを用いてもよく、現時点ではこの方法が最適である。熱収縮チューブを用いると、熱によってチューブが収縮するため、帯電部材3には熱収縮チューブの収縮分を考慮した切削加工が必要となる。熱収縮チューブには、例えば105℃用のスミチューブが用いられる。スミチューブを用いた場合、その厚さは300[μm]で、装着する帯電部材3の直径にもよるが、スミチューブは50〜60%程度の収縮率を示し、熱により0〜200[μm]程度収縮する。例えば、φ12[mm]の帯電部材3にスミチューブを装着する場合には、切削深さを350[μm]とし、内径15[mm]程度のスミチューブを使用すればよい。帯電部材3端部の切削部にスミチューブを装着した後、帯電部材3を回転させ端面より内側に向かって120〜130℃の熱源で加熱しながら均一に熱収縮させることによって、帯電部材3と像担持体2との間のギャップを約50[μm]程度に設定できる。熱収縮し固定されたスミチューブは使用中に外れることはないが、予防のために、端部にシアノアクリレート樹脂などの液体状の接着剤を少量流し込み固定させてもよい。
さらに、スペーサ部材は、後から帯電部材3より径の太いものを差し込んで、コロ部材としてもよい。
図6は、帯電部材の抵抗層の端部に段差を設けた例である。
図7は、帯電部材の抵抗層の端部を一部残して溝を形成した例である。
図8は、帯電部材の抵抗層の端部を一部残して円弧状に溝を形成した例である。
スペーサ部材に熱収縮チューブを用いた場合、熱収縮チューブには厚みがあるため、帯電部材3の端部を切削して、熱収縮チューブを挿入しやすくするのが望ましい。図6は、帯電部材3の端部に段差を設けて、熱収縮チューブを挿入しやすくしている。図7は、帯電部材3の端部に溝を設けて、その溝にエンドレスの伸縮性を有する角形リング状の熱収縮チューブを装着しやすくしている。図8は、帯電部材3の端部に円弧状の溝を設けて、丸形のリング状(通常、Oリングという。)の熱収縮チューブを装着しやすくしている。
スペーサ部材を切削部若しくは溝を形成した部位に装着し固定する場合には、前記シアノアクリレート樹脂のほか、二液性のエポキシ樹脂などの接着剤を用いるのが望ましい。また、帯電部材3の端部を完全にカットして、接着剤で固定することも可能である。
図9は、像担持体と帯電部材3のギャップに発生する放電光の強度を測定するための装置の構成図である。像担持体2と帯電部材3は図示しないモーターで回転している。放電光の強度を測定するための光測定装置31には、放電光の波長に対して感度の高いものを使用する必要があり、フォトダイオードやフォトトランジスタ、CdSセル、光電子増倍管、光電管、CCDイメージセンサ、イメージインテンシファイア、又はこれらを組み合わせたものが挙げられる。像担持体2と帯電部材3とのギャップに発生する放電光は光ファイバ30により、光測定装置31に導入される。光ファイバ30はその受光軸を像担持体2と帯電部材3の接面に合うように設置し、このとき、光ファイバ30の受光面は像担持体2と帯電部材3とのギャップにできる限り近づける必要がある。さらに、光を受光する際には、室内の照明を検知しないために、装置全体を暗幕シートや遮光カーテンなどで取り囲むことが望ましい。
図10は、プロセスカートリッジ内の像担持体と帯電部材とのギャップに発生する放電光の強度を測定するための装置の構成図である。少なくとも像担持体2と帯電部材3を一体に支持したプロセスカートリッジを画像形成装置1本体から着脱可能に設置する場合においても、放電光の強度の測定は十分に可能である。このようにプロセスカートリッジ自体を設置できるようにすることで、像担持体2と帯電部材3とのギャップに発生する放電光の強度を、実際の使用条件に近い状態で測定することができ、より正確に像担持体の膜厚減少量を予測できることができる。
図11は、放電光の光のスペクトルを示したグラフである。
図11は、以下の実験により得られた結果である。実験条件としては、帯電部材3には像担持体2に非接触で硬質タイプの導電性ローラを使用する。光ファイバ30は、像担持体2と帯電部材3とのギャップからおよそ1cmの位置に設置する。光測定装置31には光電子増倍管を検知器とした分光器を使用する。分光器は、放電により発生する電磁波の光のスペクトルを得るための装置であり、日本分光株式会社製FP6500を使用している。帯電部材3への電圧印加条件は、印加バイアスを、交流電圧成分:交流ピーク間電圧Vpp=2.2[kV]、周波数f=1.35[kHz]として、直流電圧成分:直流電圧=−600[V]としている。
帯電部材3に電圧を印加して、前記帯電部材3を像担持体2に接近させて回転させることにより放電を発生させ、像担持体2を帯電する。前記帯電部材3により像担持体2が放電にさらされると、像担持体2と帯電部材3とのギャップに、電磁波である光波が発生する。前記ギャップに発生した放電光は、光ファイバ30により分光器に導入して、放電光のスペクトルを測定する。
図11は、上述の実験から得られた結果であり、放電光の波長と光強度の関係から、光のスペクトルを示したものである。光強度は相対的な値であるため、任意単位(arbitrary.unit)を使用している。このグラフから、放電光は、紫外領域から可視領域にわたる波長であることがわかる。なお、紫外領域は波長がおよそ10〜400[nm]の短い領域であり、可視領域は波長がおよそ400〜700[nm]で肉眼により感知し得る領域である。
図12は、交流電圧のピーク間電圧Vppと、放電光の光強度の関係を示したグラフである。実験条件としては、帯電部材3への電圧印加条件は、印加バイアスを、交流電圧成分:交流ピーク間電圧はVpp=1.4〜3.0[kV]まで印加、周波数f=1.35[kHz]とし、直流電圧成分:直流電圧=−600[V]としている。図12より、Vppを増大させると、放電光の強度が増すことがわかる。このことから、放電光の強度は、電圧印加条件により変化することが知られている。放電光の強度からVppを一義的に決定できるので、放電光の強度とVppの相関関係をもとに、Vppを制御することができると考えられる。
図13は、放電光の光強度と、像担持体の膜厚減少量の関係を示したグラフである。実験条件としては、像担持体を構成する樹脂としてポリカーボネートを用い、像担持体2の径は30[mm]、その感光層の膜厚は30[μm]、比誘電率はおよそ3、膜厚減少量は使用時間100時間における値としている。像担持体2と帯電部材3とのギャップは、およそ50[μm]に設定し、ギャップに発生する放電光を受光する光ファイバ30の受光面を、ギャップから約30mm離れた位置に設定している。図13から、光強度と像担持体2の膜厚減少量は比例関係にあり、強い相関関係があるのがわかる。図13の関係はギャップ一定で、像担持体2の構成材料を同一の材料にすれば常に成立し、又、光強度は帯電部材3に印加する電圧印加条件によって変化する。したがって、一旦、図13の関係を得ることができれば、電圧印加条件を変化させても、容易に放電による膜厚減少量を予測できるようになる。
以下に、詳しく説明する。像担持体2の膜厚減少量d’[μm]は、画像形成装置のランニング時間h[時]、像担持体2の周長L[mm]に対して、下記式(1)のような関係がある。
d’ ∝ h・(1/L) ・・・式(1)
設定すべき像担持体2の予備膜厚量d[μm]は、像担持体2の膜厚減少量が光強度と比例関係にあることも考慮すると、光強度をI[任意単位]とすると、下記式(2)のようになる。
d ∝ h・(1/L)・I ・・・式(2)
さらに、像担持体膜厚の設計の余裕度を1割とすると、設定すべき像担持体2の予備膜厚量d[μm]は、下記式(3)の範囲である。
2.0・h・(1/L)・I < d < 2.5・h・(1/L)・I ・・・
式(3)
一方、光強度Iは、光ファイバ30と、像担持体2と帯電部材3とのギャップからの光ファイバ30の受光面の設定位置とに依存する。したがって、それらの諸条件が変化したときには上記式(3)を、下記式(4)のように補正する必要がある。
2.0・h・(1/L)・k・I < d < 2.5・h・(1/L)・k・I
・・・式(4)
ここで、kは、光強度Iが光ファイバ30の種類と、光ファイバ30の受光面の設定位置により決定される補正係数であり、下記式(5)のように表される。
k = 1/I’ ・・・式(5)
ただし、I’は帯電部材に印加する交流電圧のピーク間電圧Vppが2.2[kV]、周波数が1.35[kHz]であるときに、像担持体2と帯電部材3とのギャップに発生する放電光の光強度である。上記式(5)の補正係数kを用いれば、光ファイバ30の種類と、光ファイバ30の受光面の設定位置が変化した場合でも、像担持体2の予備膜厚量dを正確に設計することができる。
最終的に、設定すべき設計膜厚量D[μm]は、像担持体2の予備膜厚量d[μm]に、一様な帯電電位を維持できる像担持体2の最低膜厚量D1[μm]と、機械的な摩耗など帯電作用以外の要因により減少する膜厚量D2[μm]を考慮すると、下記式(6)のようになる。
D = D1+D2+d ・・・式(6)
表1は、像担持体の膜厚を設計した例である。
Figure 0004602125
表1中には、光強度I、設定寿命から求めた像担持体膜厚と、実際にランニングを行った際の像担持体膜厚減少量(実測値)、ブレードによる像担持体膜厚減少量D2が示されている。このとき異常画像を発生させない最低膜厚量D1は、18[μm]とした。この値は予め膜厚を数種類設定して所定の一定印加電圧に対する異常画像発生の有無から決定したものである。また、D2は、帯電、現像、転写のプロセスを省き、像担持体2とクリーニングブレードのみをセットできる試験機により実測して求めた値である。また、表1における検討条件においては、そのプロセス速度からランニング時間1時間あたりプリント枚数1500枚と換算できる。
本発明を利用して像担持体2の膜厚設定をおこなった条件1、3、4、5は画像不良を起こすことなく、設定寿命まで像担持体2を使用することができた。一方、本発明を利用しなかった条件2においては、使用寿命前に部分的に5[μm]以上の磨耗が発生し、その部位に対応して帯電電位が高すぎることによる白抜けや画像濃度不足といった画像不良を起こすに至った。また、本発明を利用しなかった条件6においては、不具合を起こすことなく、像担持体2を使用できたが、寿命後も膜厚に余裕がありすぎ、非効率的である。これらの結果は、本発明が像担持体2の設計方法として、信頼性の高いものであることを示している。
図14は、本発明の像担持体の断面図である。導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層が設けられている。
図15は、導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが、積層された構成をとっている。
導電性支持体401としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものが用いられる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体401として用いることができる。
このほか、導電性支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体401として用いることができる。導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、又は導電性酸化スズなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けたものも、本発明の導電性支持体401として良好に用いることができる。
本発明における感光層は電荷発生物質を電荷輸送層407に分散させた単層型でも、電荷発生層405と電荷輸送層407を順次積層させた積層型でもよい。
はじめに電荷発生層405と電荷輸送層407を順次積層させた積層型感光体について説明する。
電荷発生層405は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ−樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコンなどが挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層405に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として使用することができる。また、電荷発生層405のバインダー樹脂として、高分子電荷輸送物質を用いることができる。さらに、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
電荷発生層405に併用できる電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがあり、これらはさらに低分子型の電荷輸送物質と高分子型の電荷輸送物質がある。以下、本発明では高分子型の電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質と称する。
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表される電子供与性物質が挙げられ良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、以下に表される高分子電荷輸送物質を用いることができる。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどのカルバゾール環を有する重合体、ヒドラゾン構造を有する重合体、ポリシリレン重合体、トリアリールアミン構造を有する重合体等が挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層405は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層405を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法が代表的な例である。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、キャスティング法によって電荷発生層405を設けるには、上述した無機系又は有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いることができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層405の膜厚は、0.01〜5[μm]程度が適当であり、好ましくは0.05〜2[μm]である。
次に、電荷輸送層407について、説明する。
電荷輸送層407は、電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷輸送層407の膜厚は、10〜100[μm]程度が適当であり、より高い解像度が要求される場合は10〜30[μm]程度が適当である。
本発明において、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送物質として用いることのできる材料は、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、この使用量は高分子化合物100重量部に対して20〜200重量部、好ましくは50〜100重量部程度がよい。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜500重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。
電荷輸送層407は後述のフィラー補強電荷輸送層409を設けない場合、少なくとも電荷輸送層407の表面部位には、耐摩耗性を向上する目的でフィラー材料を添加する必要がある。有機性フィラ−材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらのフィラー材料は単独又は2種類以上を混合して用いられる。これらのフィラーは塗工液及び塗工膜中の分散性向上を目的として、表面処理剤によるフィラー表面の改質が施されてもよい。
これらのフィラ−材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、0.01〜0.8[μm]であることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
また、これらのフィラーを電荷輸送層全体に含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなるような場合があるため、電荷輸送層の最表面側が最もフィラー濃度が高く、支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層407を複数層にし、支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度を順次高くしたりするような構成にすることが好ましい。
電荷輸送層407の表面側に含有される無機フィラー層の膜厚(表面からの深さ)は、0.5[μm]以上であることが好ましく、より好ましくは2[μm]以上がよい。
次にフィラー分散層を設ける場合について、述べる。
図14は、本発明の像担持体の断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層が設けられている。この場合、少なくとも感光層表面にはフィラーが含有されてなる。
図15は、導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層が、積層された構成をとっている。この場合、少なくとも電荷輸送層407の表面にはフィラーが含有されている。
図16は、導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層が設けられ、さらに単層感光層表面にフィラーを含有したフィラー補強電荷輸送層が設けられている。
図17は、導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成をとっており、さらに電荷輸送層上にフィラーを含有したフィラー補強電荷輸送層が設けられている。
フィラー補強電荷輸送層409を設ける場合、電荷輸送層407は、電荷輸送成分とバインダー分を主成分とする混合物あるいは共重合体を適当な溶剤に溶解又は分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷輸送層407の膜厚は、10〜100[μm]程度が適当であり、解像力が要求される場合、10〜30[μm]程度が適当である。
この場合の電荷輸送層407に用いることのできるバインダー成分は、例えば、前述の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送物質として用いることのできる材料も前述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
また、必要に応じ、適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質などの低分子化合物及びレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独又は2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは、0.1〜30重量部、レベリング剤の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
次に、フィラー補強電荷輸送層409について説明する。
本発明におけるフィラー補強電荷輸送層409とは、少なくとも電荷輸送成分とバインダー樹脂成分とフィラーが含まれ、電荷輸送性と機械的耐性を併せ持つ機能層を指す。フィラー補強電荷輸送層は、従来型の電荷輸送層407に匹敵する高い電荷移動度を示すという特徴を有し、これは表面保護層と区別される。また、フィラー補強電荷輸送層409は、積層型感光体における電荷輸送層407を2層以上に機能分離した表面層として用いられる。すなわち、この層はフィラーの含まれない電荷輸送層407との積層で用いられ、単独で用いられることはない。このため、フィラーが添加剤として電荷輸送層中に分散された場合の電荷輸送層407の単一層と区別される。
フィラー補強電荷輸送層409に用いられるフィラー材料としては、電荷輸送層407の説明に挙げたように、無機材料、特にシリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらのフィラ−材料は単独又は2種類以上を混合して用いられる。
これらのフィラーは塗工液及び塗工膜中の分散性向上を目的として、前述と同様、表面処理剤によるフィラー表面の改質が施されてもよい。これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、0.01〜0.8[μm]であることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
フィラー補強電荷輸送層409の膜厚は0.5[μm]以上であることが好まく、より好ましくは2[μm]以上が好ましい。
また、保護層のバインダー構成として、架橋構造からなる保護層も有効に使用される。架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、三次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上記反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効な手段である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、保護層としての機能を十分に発現することが可能となる。
電荷輸送能を有する反応性モノマーとしては、同一分子中に電荷輸送性成分と加水分解性の置換基を有する珪素原子とを少なくとも1つずつ以上含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とヒドロキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とカルボキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とエポキシ基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とイソシアネート基とを含有する化合物等が挙げられる。これら反応性基を有する電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
さらに好ましくは、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動速度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。
これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することができる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
また、本発明においては、熱又は光を用いて正孔輸送性化合物の重合または架橋を行うが、熱により重合反応を行う際には、熱エネルギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要となる場合があるが、より低い温度で効率よく反応を進行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。
光により重合させる場合は、光として紫外線を用いることが好ましいが、光エネルギーのみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光重合開始剤が併用される。
この場合の重合開始剤とは、主には波長400[nm]以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の活性種を生成し、重合を開始させるものである。なお、本発明では、上述した熱及び光重合開始剤を併用することも可能である。
このように形成した網目構造を有する電荷輸送層407は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成してもよい。
次に感光層が単層構成の場合について述べる。
単層感光層403は、電荷発生物質及び電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解又は分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層407で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層405で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も有効に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層403は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層403の膜厚は、5〜25[μm]程度が適当である。
感光層が最表面層になるような構成においては、少なくとも感光層表面にフィラーを含有する必要がある。この場合にも、電荷輸送層の場合と同様に、感光層全体にフィラーを含有することもできるが、フィラー濃度勾配を設けるか、複数層の感光層の構成とし、フィラー濃度を順次変えた構成にすることは有効な手段である。
本発明の像担持体2においては、導電性支持体401と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層のように適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。さらに、本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。このほか、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜20[μm]が適当であり、好ましくは1〜10[μm]である。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とくに、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層405、電荷輸送層407、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質及びレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料には、フェノ−ル系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類が挙げられる。
各層に添加できる可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル誘導体、オキシ酸エステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、二価アルコールエステル系可塑剤、含塩素可塑剤、ポリエステル系可塑剤、スルホン酸誘導体、クエン酸誘導体が挙げられる。
各層に添加できる滑剤としては、例えば、炭化水素系化合物、脂肪酸系化合物、脂肪酸アミド系化合物、エステル系化合物、アルコール系化合物、金属石けん、天然ワックス、が挙げられる。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾフェノン系、サルシレート系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、クエンチャー(金属錯塩系)、HALS(ヒンダードアミン)が挙げられる。
図18は、アモルファスシリコン感光体層を用いた場合の模式的構成図である。図18(a)に示す像担持体2は、導電性支持体401の上にa−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層502が設けられている。図18(b)に示す像担持体2は、導電性支持体401の上に、a−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503とから構成されている。図18(c)に示す像担持体2は、導電性支持体401の上に、a−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層504とから構成されている。図18(d)に示す像担持体2は、導電性支持体401の上に、光導電層502が設けられている。光導電層502はa−Si:H、Xからなる電荷発生層405と電荷輸送層407とからなり、その上にアモルファスシリコン系表面層503が設けられている。
本発明は像担持体2の表層に、フィラーを分散させた樹脂、架橋型樹脂やアモルファスシリコン等を用いた場合においても有効である。すなわち、このような像担持体2においても、ブレードの摩擦による像担持体2の膜厚減少はほぼ抑えることができ、本発明の利用のみで、膜厚減少を考慮した設計をするができる。
次に、像担持体2の製造例によって本発明をさらに詳細に説明する。
φ30[mm]アルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5[μm]の下引き層、0.2[μm]の電荷発生層405、28[μm]の電荷輸送層407を形成した。その上にジルコニアビーズを用いてペイントシェーカーで2時間粉砕し、下記の無機フィラー塗工液を塗工液とした。この液をスプレーで塗工して1.5[μm]のフィラー補強電荷輸送層409を設け本発明の像担持体2を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
6重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
4重量部
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40重量部
メチルエチルケトン 200重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2重量部
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2重量部
テトラヒドロフラン 50重量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、粘度平均分子量;5万、帝人化成社製)
12重量部
図19の化学構造式を持つの低分子電荷輸送物質 10重量部
テトラヒドロフラン 100重量部
1%シリコーンオイル(KF50−100CS信越化学工業社製)テトラヒドロフラ
ン溶液 1重量部
〔フィラー補強電荷輸送層用塗工液〕
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、粘度平均分子量;5万、帝人化成社製)4重量部
図19の化学構造式を持つ低分子電荷輸送物質 3重量部
a−アルミナ(スミコランダムAA−03、住友化学工業社製) 0.7重量部
シクロヘキサノン 280重量部
テトラヒドロフラン 80重量部
図20は、潤滑剤供給装置構成の一例である。回転するファーブラシ602を介し、固形潤滑剤601を像担持体2へ塗布する。ファーブラシ602は固形潤滑剤601と接触して回転し、固形潤滑剤601の一部分を削ぎ取る。削ぎ取られた固形潤滑剤601はファーブラシ602に付着して回転し、像担持体2に塗布される。像担持体に塗布された潤滑剤は、弾性のブレード603によって均一化される。また、このとき、ファーブラシ602はクリーニング用のファーブラシと、ブレード603はクリーニング用ブレードと兼ねることもできる。
固形潤滑剤601としては、例えば、ステアリン酸亜鉛をはじめとした高級脂肪酸金属塩等を用いることができる。ステアリン酸亜鉛は代表的なラメラ結晶紛体であるが、このような物質を潤滑剤として使用することは好適である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、せん断力が加わると層間に沿って結晶が割れて滑りやすい。この作用が低摩擦係数化に効果があり、せん断力を受けて均一に感光体表面を覆っていくラメラ結晶の特性は、少量の潤滑剤によって効果的に感光体表面を覆うことができる。
このステアリン酸亜鉛の塗布状態としては、その膜厚がおよそ10[nm]であるときに、潤滑性を十分に発揮できることを、発明者は明らかにしている。このとき、ステアリン酸亜鉛の分子鎖長がおよそ5[nm]であることを考えると、最適な塗布条件が、潤滑層膜厚がおよそ10[nm]であることは、像担持体2上に分子が2つ配向しているときにその十分な効果があることを示している。すなわち、本検討結果はステアリン酸亜鉛が2つの分子層間のずれにより十分な潤滑性を発揮することを示している。他の脂肪酸金属塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等もステアリン酸亜鉛と同様の性質を示し、その分子鎖長もほぼ同じであるため、常に膜厚10[nm]の範囲でステアリン酸亜鉛膜が形成されるようにすることで、十分な潤滑効果を発揮すると考えられる。
図21は、使用条件に対して発生する像担持体の膜厚減少量の違いを示したグラフである。像担持体2の膜厚減少は、主に放電によるものと、ブレードの摩擦によるものに分けられるが、図21より、潤滑材としてステアリン酸亜鉛を塗布する場合においては、ブレードの摩擦による像担持体の膜厚減少はほぼ抑えられるのがわかる。すなわち、膜厚減少に関しては放電によるものだけを考慮すればよい。したがって、潤滑材塗布装置を備えた画像形成装置1に使用する像担持体2は、本発明の利用のみで、膜厚減少を考慮した設計をすることができる。
画像形成装置の画像形成部の概略図である。 タンデム型のカラー画像形成装置の概略図である。 リボルバー型のカラー画像形成装置の概略図である。 帯電部材の構成図である。 像担持体と帯電部材との間にギャップを持たせた例である。 帯電部材の抵抗層の端部に段差を設けた例である。 帯電部材の抵抗層の端部を一部残して溝を形成した例である。 帯電部材の抵抗層の端部を一部残して円弧状に溝を形成した例である。 像担持体と帯電部材とのギャップに発生する放電光の強度を測定するための装置の構成図である。 プロセスカートリッジ内の像担持体と帯電部材とのギャップに発生する放電光の強度を測定するための装置の構成図である。 放電光の光のスペクトルを示したグラフである。 交流電圧のピーク間電圧Vppと、放電光の光強度の関係を示したグラフである。 放電光の光強度と、像担持体の膜厚減少量の関係を示したグラフである。 導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層が設けられた像担持体の断面図である。 導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが、積層された像担持体の断面図である。 導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層が設けられ、さらに単層感光層表面にフィラーを含有したフィラー補強電荷輸送層が設けられた像担持体の断面図である。 導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層が積層された構成をとっており、さらに電荷輸送層上にフィラーを含有したフィラー補強電荷輸送層が設けられた像担持体の断面図である。 アモルファスシリコン感光体層を用いた場合の模式的構成図である。 低分子電荷輸送物質が持つ化学構造式を示した図である。 潤滑剤供給装置構成の一例である 使用条件に対して発生する像担持体の膜厚減少量の違いを示したグラフである。
符号の説明
1 画像形成装置
2 像担持体
3 帯電部材
4 露光部
5 現像部
5C、5M、5Y、5K カラー現像部
6 転写部
7 中間転写部
8 紙転写部
9 除電部
13 クリーニング部
16 電圧印加部
20 プロセスカートリッジ
30 光ファイバ
31 光測定装置
32 固定冶具
201 導電性基体
202 抵抗層
203 保護層
302 スペーサ
303 スプリング
401 導電性支持体
403 単層感光層
405 電荷発生層
407 電荷輸送層
409 フィラー補強電荷輸送層
502 光導電層
503 アモルファスシリコン系表面層
504 アモルファスシリコン系電荷注入阻止層
600 固形潤滑剤
602 ファーブラシ
603 ブレード

Claims (9)

  1. 最表面層に有機感光層(以下、「感光層」と記す。)を有する像担持体に接触又は接近して配置される帯電部材を有し、帯電部材に直流電圧と交流電圧を同時に印加して帯電部材と像担持体表面との間のギャップに放電を生じさせて像担持体を一様に帯電する帯電装置を有し、放電による像担持体の膜厚減少量を予測する方法であって、
    該像担持体の膜厚減少量を予測する方法は、
    分光器により放電光の光のスペクトルを測定し、放電光の波長と光強度の関係から、相対的な値として放電光の光強度[任意単位]を求め、
    放電光の光強度の測定条件については、帯電部材へのバイアス条件を、直流電圧=−600[V]、交流ピーク間電圧をVpp=2.2[kV]、周波数f=1.35[kHz]としたときに得られた光強度を基準値としたときに、交流ピーク間電圧をVpp=1.4〜3.0[kV]まで変化させたときの該光強度の推移を測定するものであって、
    該放電光の光強度の測定条件により得られた交流ピーク間電圧Vppと放電光の光強度との相関関係と、
    また、像担持体の膜厚減少量と放電光の光強度との間に見られる相関関係から、放電による膜厚減少量を予測する
    ことを特徴とする像担持体の膜厚減少量の予測方法。
  2. 請求項1に記載の像担持体の膜厚減少量の予測方法において、
    前記感光層は、少なくともポリカーボネート又はポリアリレートを含有している
    ことを特徴とする像担持体の膜厚減少量の予測方法。
  3. 請求項1又は2に記載の像担持体の膜厚減少量の予測方法において、
    前記感光層は、フィラーを分散している
    ことを特徴とする像担持体の膜厚減少量の予測方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の像担持体の膜厚減少量の予測方法において、
    前記感光層は、架橋型電荷輸送材料である
    ことを特徴とする像担持体の膜厚減少量の予測方法。
  5. 最表面層に有機感光層(以下、「感光層」と記す。)を有する像担持体に接触又は接近して配置される帯電部材を有し、帯電部材に直流電圧と交流電圧を同時に印加して帯電部材と像担持体表面との間のギャップに放電を生じさせて像担持体を一様に帯電する帯電装置を有し、放電による像担持体の感光層の膜厚減少量を予測する像担持体の膜厚減少量の予測方法によって得られた結果に基づいて、像担持体の感光層の膜厚を設定する像担持体の膜厚の設定方法であって、
    該像担持体の膜厚の設定方法は、
    分光器により放電光の光のスペクトルを測定し、放電光の波長と光強度の関係から、相対的な値として放電光の光強度[任意単位]を求め、
    放電光の光強度の測定条件については、帯電部材へのバイアス条件を、直流電圧=−600[V]、交流ピーク間電圧をVpp=2.2[kV]、周波数f=1.35[kHz]としたときに得られた光強度を基準値としたときに、交流ピーク間電圧をVpp=1.4〜3.0[kV]まで変化させたときの該光強度の推移を測定するものであって、
    該放電光の光強度の測定条件により得られた交流ピーク間電圧Vppと放電光の光強度との相関関係と、
    また、像担持体の感光層の膜厚減少量と放電光の光強度との間に見られる相関関係から、放電による感光層の膜厚減少量を予測する像担持体の膜厚減少量の予測方法で得られた結果に基づいて、感光層の膜厚を、D=D1+D2+dのように設定する
    ことを特徴とする像担持体の膜厚の設定方法。
    ここで、Dは、設計膜厚量D[μm]、
    D1は一様な帯電電位を維持できる像担持体感光層の最低膜厚量D1[μm]であって、予め膜厚を数種類設定して所定の一定印加電圧に対する異常画像発生の有無から決定されるものである。
    D2はクリーニング部で像担持体感光層に残留するトナーを除去する際に生じる機械的磨耗による像担持体感光層の膜厚減少量D2[μm]である。
    dは予測される帯電による像担持体感光層の膜厚減少に備えて設定される予備膜厚量d[μm]であり、下記のように表される。
    2.0・h・(1/L)・k・I < d < 2.5・h・(1/L)・k・I
    ここで、hはランニング時間h[時]であり、Lは像担持体の周長L[mm]であり、h・(1/L)は任意の単位時間当たりの像担持体と帯電部材とが接触又は接近する位置を像担持体が通過する回数を表している。Iは像担持体と帯電部材とのギャップに発生する放電光の光強度I[任意単位]であり、像担持体感光層の膜厚減少量と相関関係にある。また、2.0と2.5は像担持体感光層の膜厚の設計の余裕度を1割としたときに決定される定数である。さらに、kは光強度Iが光検知器や光検知器の位置により決定される補正係数であり、下記のように表される。
    k = 1/I’
    ただし、I’は帯電部材に印加する交流電圧のピーク間電圧Vppが2.2[kV]、周波数が1.35[kHz]であるときに、像担持体と帯電部材とのギャップに発生する放電光の光強度[任意単位]である。
  6. 請求項5に記載の像担持体の膜厚の設定方法において、
    前記感光層は、少なくともポリカーボネート又はポリアリレートを含有している
    ことを特徴とする像担持体の膜厚の設定方法。
  7. 請求項5又は6に記載の像担持体の膜厚の設定方法において、
    前記感光層は、フィラーを分散している
    ことを特徴とする像担持体の膜厚の設定方法。
  8. 請求項5ないし7のいずれかに記載の像担持体の膜厚の設定方法において、
    前記感光層は、架橋型電荷輸送材料である
    ことを特徴とする像担持体の膜厚の設定方法。
  9. 請求項5ないし8のいずれかに記載の像担持体の膜厚の設定方法において、
    前記感光層は、フッ素樹脂粒子が分散されている
    ことを特徴とする像担持体の膜厚の設定方法。
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