JP4927465B2 - 画像形成装置の帯電条件設定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やプリンタやファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に用いられる帯電ローラ方式の帯電工程における帯電条件設定方法に関する。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、感光体を帯電し、露光、現像、転写、定着することにより画像形成が行われる。帯電工程では、従来からスコロトロン帯電器が用いられてきたが、環境問題からオゾン、NOx等の有害ガスの発生が少なく、装置を小型にすることができる帯電ローラが帯電器として用いられている。帯電ローラと感光体が接触した状態で、画像形成を行うと、転写後の残トナーが完全にクリーニングできない場合があり、帯電ローラに残トナーが付着して帯電ローラの抵抗にバラツキが生ずる。その結果、感光体の帯電電位のバラツキとなり、画像濃度ムラを引き起こす原因になっていた。そのため、感光体と帯電ローラの間にギャップを設けて感光体を帯電させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、2、3 参照。)。この帯電工程においては、感光体の目標の電圧に相当する直流電圧に、交流電圧を重畳して感光体に印加することにより、感光体の帯電電位を目標の電圧とすることができる。このときの帯電のパラメータとしては、印加する交流の電圧と周波数、帯電ローラの抵抗ムラ、感光体の抵抗ムラ、感光体と帯電ローラのギャップの大きさとそのギャップのバラツキがある。
印加する交流の電圧によって、放電を起こすことのできる感光体と帯電ローラの距離が決まる。印加する交流の電圧が大きいほど、感光体と帯電ローラの距離が大きくなっても放電を起こすことができる。そのため、印加する交流の電圧が大きいほど、帯電ローラの広い場所で放電が起きるため、感光体の帯電ムラを小さくすることができる。しかしながら、放電はイオンや電子等の荷電粒子を感光体および帯電ローラに浴びせることであるので、感光体および帯電ローラの酸化劣化が生じる。印加する交流の電圧が大きいと、荷電粒子の発生量とそのエネルギーは、特に感光体と帯電ローラの間隔が小さいところに特に多くなるため、感光体および帯電ローラの酸化劣化が激しくなり、感光体および帯電ローラを早期に交換しなければならなくなる。印加する交流の周波数は、単位時間当たりに放電を起こすことができる回数を決めるため、印加する交流の周波数が大きいほど感光体の帯電ムラを小さくすることができるが、前述と同じように、交流の周波数が大きいと感光体および帯電ローラの酸化劣化が激しくなり、感光体および帯電ローラを早期に交換しなければならなくなる。
また、感光体と帯電ローラとの間隔が近すぎると放電は生じなくなり、パッシェン則によれば、約7μm以下では放電は起こらない。しかし、現実には感光体の電気容量や、帯電ローラの抵抗のため、放電が起りはじめる感光体と帯電ローラの距離は大凡20μm以上といわれている。このため、感光体と帯電ローラとの間隔のμm単位での制御は非常に重要となるのであるが、現実には帯電ローラはμm単位の表面粗さを持っているため、感光体の帯電ムラがなくなるように、印加する交流の電圧と周波数の値は高めに設定されることが多い。感光体と帯電ローラの間の放電は、放電が起こり始める感光体と帯電ローラの距離が大凡20μm付近が、電界強度が高いため、荷電粒子のエネルギーが高く、感光体および帯電ローラの酸化劣化を激しくしてしまう。そのため、感光体と帯電ローラの距離を十分大きくしておけば、感光体および帯電ローラの酸化劣化が抑えられるのであるが、あまり大きくすると放電にバラツキが生じてしまい、逆に、印加する交流の電圧と周波数が低いと、感光体の帯電電位が均一にならなくなるため、異常画像となってしまう。通常は、画像品質を優先することが多いため、どうしても印加する交流の電圧と周波数は高めに設定してしまう傾向にある。
これらの帯電条件は新規に画像形成装置を開発する際の初期に決められることが多く、そのため、画像形成装置の振動防止や組み付け精度が万全ではない状態で決められることが多く、したがって、感光体の帯電電位を均一にするため、帯電ローラに印加する交流電圧と周波数は大き目の値を設定することが多く、感光体および帯電ローラの酸化劣化を早めてしまっていた。感光体や帯電ローラの寿命を低めに設定し、短い周期で感光体や帯電ローラを交換していくのであれば良いのであるが、メンテナンス費用や、交換費用の低減から、できるだけ穏やかな帯電条件を設定する必要がある。
しかしながら、前述のように、帯電(放電)がどのように生じているか、正確に見ることは難しいため、感光体の帯電電位を測定することしか、帯電工程の良否を推定することはできなかった。また、感光体の帯電電位の測定は、通常、面積にして直径約1cmの範囲での帯電電位の平均でしか測定はできず、高解像度の書き込みを行う場合に影響される局所的な帯電電位のばらつきを検知することができなかった。また、感光体の帯電電位の測定も、数箇所の限られた場所でしか測定していないのが現状であり、そのため、帯電電位が一定になりやすいように帯電条件は高めに設定することが多く、感光体や帯電ローラの寿命は短くなってしまっていた。
また、感光体や帯電ローラ表面が酸化劣化すると、トナー成分が感光体や帯電ローラに付着しやすくなり、その付着したものは放電により酸化され、イオン性となるため、高湿度環境で異常画像を生じやすくなり、感光体ではボケが、帯電ローラではスジ状の異常画像が生じやすくなる。そのため、帯電条件を緩やかにすることはこれらの異常画像を抑制するためにも重要なことである。
特開2004−264792号公報 特開2002−108059号公報 特開2005−004000号公報
効率的な帯電を行うことにより、均一な帯電電位を得ると共に、感光体および帯電ローラの酸化劣化の速度を低減させ、感光体や帯電ローラの寿命の長い画像形成装置の帯電条件設定方法を提供する。
請求項1に記載の発明では、画像作成時に線速v(mm/秒)で回転する感光体と、該感光体表面に対し8μm〜50μmのギャップをあけて対置されて電気的に非接触の帯電ローラと、該帯電ローラに−350V〜−900Vの範囲の直流電圧を重畳したピーク間電圧値が1500V〜3000V、周波数300Hz〜4000Hzの範囲の交流電圧を印加して前記感光体表面を帯電する電源と、を少なくとも有する画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記直流電圧の電圧値、前記交流電圧のピーク間電圧値、前記交流電圧の周波数を含む帯電条件を設定するステップであって、前記感光体、および前記帯電ローラの双方を回転させずに、常温常湿で前記交流電圧の周波数×1/1000〜1/10分間、前記電源から前記直流電圧を重畳した前記交流電圧を印加し、前記感光体表面に生じる画像形成域の放電痕として連続した2本のスジを生じさせるステップと、前記感光体の感光層表面に生じる該2本のスジ幅の合計と該2本のスジの間隔を測定するステップと、前記感光体の感光層表面に生じる該2本のスジの幅の合計w12(mm)が0.9〜2.2mmであり、該2本のスジの間隔ws(mm)が、前記2本のスジの幅の合計w12(mm)の15〜50%であり、前記2本のスジの間には、該2本のスジの間の総面積に対して、15〜85%の面積に不定形の島状に分布した放電痕が存在するように前記帯電条件を調整するステップを有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記帯電ローラの表面には、高さ2μm〜30μmの段差蛇行して複数存在させることを特徴とする画像形成装置の帯電条件設定方法。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記段差、前記感光体の周方向1mm当たり、5〜30本存在させることを特徴とする画像形成装置の帯電条件設定方法。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記交流電圧の周波数をf(Hz)とするとき、
20×v/w12≧f≧4.5×v/w12
なる関係式を満足させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記線速vは、280〜800mm/秒であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記帯電ローラはその外径が9mm以上25mm以下とすることを特徴とする。
本発明によれば、帯電ローラと感光体との近接部でも効率良く放電が生じるため、ムラのない高画質な画像形成が可能で、感光体及び帯電ローラの交換頻度の少ない画像形成装置の帯電条件設定方法を提供することができる。
本発明者らは、帯電工程が良好に作動しているかどうかを、正確に判定する簡易な方法はないか、鋭意検討を重ねた結果、感光体と感光体に電気的に非接触で配置された帯電ローラに、直流電圧を重畳した交流電圧を印加することにより感光体を帯電する帯電工程では、放電による一部のエネルギーは帯電ローラや感光体の有機物のC−C結合を切断するほど高いことに着目した。そこで、感光体と帯電ローラを回転させずに、直流電圧を重畳した交流電圧を長時間印加すれば、放電が生じた帯電ローラや感光体には、スジ状の欠陥部(放電痕と呼ぶ)が発生することを見出し、そのスジ状の放電痕は、感光体と帯電ローラとの距離のバラツキや、それぞれの電気的特性のバラツキにより生じる放電のムラを可視化できることを見出した。
放電がどのような形態で生じているときに、穏やかな帯電で感光体と帯電ローラの酸化劣化の速度を抑えながら、均一な帯電電位を感光体に付与できるか鋭意検討した結果、帯電ローラと感光体との間で起こる放電は、パッシェン則に従う放電限界距離以上であれば、帯電ローラと感光体とのギャップが小さいほど低いエネルギーで、効率良く起こすことができ、オゾンやNOx等の酸化性ガスの発生も低く抑えることができることが分かった。
しかし、帯電ローラと感光体を近づけすぎると、感光体と帯電ローラの近接部では前述のように放電が生じないため、放電が生じる領域が分断されてしまう。その放電が生じない領域にも帯電を行う分、感光体と帯電ローラの間に印加する交流電圧の周波数を高くする必要があった。本発明者らは放電の効率を高め、できるだけマイルドな帯電条件で帯電が行えないか鋭意検討を重ねた結果、感光体と帯電ローラのギャップを小さくしていっても、近接部でも部分的に放電が生じていれば、帯電ローラに印加する交流電圧の周波数をそれほど高くしなくても、帯電が行えることを見出し、本発明に到った。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法における、感光体、帯電ローラの双方を回転させずに、一定時間、前記直流電圧を重畳した交流電圧を印加し、感光体あるいは帯電ローラに生じる画像形成域の放電痕の求め方としては、実際の画像形成装置および、感光体と帯電ローラのみのユニットを用いてもどちらでも良いが、帯電ローラと感光体とに印加する電圧は、実際の画像形成装置に用いているものを用いなければならない。通常、実際の画像形成装置においては、環境変動による帯電ローラや感光体の電気特性を考慮し、帯電工程で流れる電流を一定にする制御が行われ、帯電ローラに印加する交流電圧は変化させていることが多い。この場合には、画像形成装置が主に用いられる環境(例えば、温度23℃、湿度55%)での印加条件にしていることが好ましい。
通常帯電ローラに印加する電圧は、直流電圧で300〜900(−V)、好ましくは400〜800(−V)、さらに好ましくは450〜700(−V)である。帯電ローラに印加する電圧が300(−V)以下では、感光体の帯電電位が低く、十分な感光体の光減衰曲線が得られず、高品質の画像形成を行うことが難しいため好ましくない。帯電ローラに印加する電圧が900(−V)以上では、感光体の膜厚が薄くなったときに、現像剤中のキャリアが感光体に付着してポチの異常画像を発生させたり、地汚れの異常画像を発生しやすいため好ましくない。帯電ローラに印加する交流の電圧としては、peak to peakとして1500V〜3000V、好ましくは1600V〜2700V、さらに好ましくは1700V〜2500Vである。帯電ローラに印加する交流の電圧が1600V以下では、感光体の帯電電位ムラが生じやすく、3000V以上では、感光体と帯電ローラが最も近い場所で、放電による感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードが極めて速くなり、感光体および帯電ローラの寿命が短くなり好ましくない。
帯電ローラに印加する交流電圧の周波数としては、感光体の線速、画像形成する画像の解像度により適宜決定されるものであるが、300Hz〜4000Hz、好ましくは500Hz〜3000Hz、さらに好ましくは600Hz〜2500Hzである。帯電ローラに印加する交流電圧の周波数が300Hz以下では感光体の帯電ムラが生じやすく、横スジの異常画像が発生しやすいため好ましくない。帯電ローラに印加する交流電圧の周波数が4000Hz以上では、感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードが極めて速くなり、感光体および帯電ローラの寿命が短くなり好ましくない。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法において、感光体に生じる放電痕を観測するために、帯電ローラに印加する時間は、放電痕が観察できるのであれば良いのであるが、放電痕は印加する交流の周波数f(Hz)が大きくなるほど早期に出現するため、f/1000〜f/10(分)、好ましくはf/500〜f/20(分)、さらに好ましくはf/250〜f/25(分)とすることが好ましい。印加する時間がf/1000(分)未満では、放電痕が不明瞭であるため、放電痕の幅を正確に求めることが難しく、f/10(分)より長いと感光体および帯電ローラの破損が生じる場合があり、特に表面層を有する感光体や帯電ローラでは帯電により表面層が消失した場合には、表面層より下の酸化劣化の速度が速くなることが多く、危険なため好ましくない。
図1は放電痕の顕微鏡写真である。
同図において符号w1、w2はスジ状の放電痕の幅、wsは2本の放電痕の間隔をそれぞれ示す。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法において、感光体に生じる放電痕を電子顕微鏡で観察したときの写真を図1に示した。放電痕は図中白く見ることができる。放電痕は連続した二本のスジとそれら二本のスジの間に不定形の島状で構成されている。二本のスジの幅w1、w2はそれぞれ0.50、0.55mmであり、これらの和、w12は1.05mmであった。二本のスジの間の幅wsは0.51mmであり、この幅wsの範囲(以下隙間と呼ぶ)の放電痕の面積の合計は、隙間の面積の34%であった。
同図では電子顕微鏡を用いて放電痕を観察したが、放電痕は5倍〜50倍程度の倍率の光学顕微鏡でも観察することができる。
この観察は破壊検査になるので、観察に使用した感光体は、画像形成装置として実使用することはできない。帯電ローラも放電痕が残ることがあり、同様である。ただし、感光体と帯電ローラは静止状態で電圧印加をしているので、同じ感光体、および帯電ローラを用い、両者の対向する位置を変えることで繰り返し別の放電痕を形成して観察することができる。
このような観察は、原則として設計段階で実験装置を作って行うことによって、最良の画像を形成するための各種パラメータを設定することができるが、完成した画像形成装置を用いて行って、同一ロットの感光体の線速や、感光体と帯電ローラの接触圧、印加する直流の電圧値等を修正することもできる。また、使用中の画像形成装置に問題が生じたときなどに同様の観察を行って問題点の洗い出しを行うこともできる。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法においては、感光体上に生じる放電痕は、連続した2本の放電痕と、両者の間の幅wsの範囲(隙間)に、その隙間の総面積の15〜85%、好ましくは20〜75%、さらに好ましくは25〜60%の面積に放電痕が存在している。隙間の放電痕の面積比が20%以下では、より低い周波数で放電を行うと帯電ムラが生じやすく、85%以上では放電の生じる2本の連続した放電痕のそれぞれの幅が狭くなり、より低い周波数で放電を行うとやはり帯電ムラが生じやすくなるため好ましくない。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法において、2本の放電痕の隙間に、島状の放電痕を隙間総面積の20〜95%となるように設ける方法としては、帯電ローラの表面に凹凸を設けることにより、帯電ローラと感光体とのギャップがパッシェン則以下となっても、帯電ローラの凹部で放電を生じさせることができる。帯電ローラ表面の凹凸は上記のようにパッシェン則を解消できるような高低差があれば良いが、ランダムで大きな凹凸は帯電ローラ表面に欠陥を生じさせやすく、その欠陥部が帯電ムラとなってしまうため、帯電ローラ表面には高低差が2〜30μm、好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは4〜15μmの連続した段差を複数存在させていることが、帯電ローラの機械的強度を低下させることなく、帯電効率を高くすることができ好ましい。段差の高低差が2μm以下では感光体と帯電ローラ近接部で放電効率を高める効果が小さいため好ましくなく、段差の高低差が30μm以上では帯電ローラに欠陥が生じやすくなるため好ましくない。
図2は本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法における帯電ローラの一例の電子顕微鏡写真である。
図3は一例の帯電ローラの表面に存在する段差の分布を示す図である。
本発明の画像形成装置に用いる段差は、急激に高低差を持つ幅が10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは0.1〜3μmの幅で高低差が2〜30μmを構成していることが帯電効率を高める上で好ましい。図2はその一例である。
同図中、示した段差の高低差は、2μm以上あることが、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(キーエンス製)で、確認されている。図2に示した帯電ローラの表面に存在する、段差の分布を図3に示した。
これらの段差は、帯電ローラの周方向に0.5mm当たり、5〜30本、好ましくは7〜25本、さらに好ましくは10〜20本存在していることが好ましい。この帯電ローラ表面の段差は、直線的であると、周期的な帯電ムラになりやすいため、蛇行していることが好ましい。この段差はそれぞれの長さが段差が帯電ローラの周方向に0.5mm当たり5本以下では、帯電効率をあげる効果が少なく、30本以上では、帯電ローラに欠陥を生じさせやすくなるため好ましくない。
このような帯電ローラの段差の作製方法としては、機械的研磨、あるいは引き抜きによる方法、帯電ローラ樹脂の重合時の体積変化を利用する方法、成型加工における金型内部に予め段差を形成しておく方法、段差を形成した金属を加熱して、帯電ローラ表面に押付けて段差を形成する方法等が例示することができるが、特に成型加工における金型内部に予め段差を形成しておく方法が生産性、再現性が高く好ましい。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法において、感光体に生じる放電痕は前述のように2本のスジとなる。2本のスジの幅の合計(w12mm)は、0.8mm以上、好ましくは0.9〜2.2mm、さらに好ましくは1.0〜2.0mmである。w12が0.8mm以下(未満)では、放電できる領域が狭すぎるため、帯電ムラを起こしやすく、そのため帯電ローラに印加する交流の周波数を高く設定しないとならず、感光体の劣化の速度が速くなり好ましくない。w12は大きいほど均一な帯電電位が得られやすいため好ましく、感光体および帯電ローラの少なくともどちらか一方の径が大きくなれば、放電を生じることができる感光体と帯電ローラの距離が一定範囲となる領域は広くなるため、w12を大きくすることができる。しかし、帯電ローラおよび感光体のいずれかでも径を大きくしすぎると、装置が大きくなり、組み付けの精度を高くしなければ、放電が生じる幅が場所により変わりやすく、放電痕の幅のバラツキが大きくなってしまう。そのため、帯電ローラの外径としては9〜25mm、好ましくは10〜20mmが好適に用いられる
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法において、感光体に生じる放電痕の二本のスジのそれぞれで放電が生じているため、二本のスジの幅の合計が大事であって、それぞれのスジの幅は必ずしも同じである必要はない。しかし、二本のスジのそれぞれの幅が異なる場合は、感光体あるいは帯電ローラの形状や、組み付け精度に問題がある場合が多いため、同じであることが好ましい。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法において、感光体に生じる放電痕の二本のスジの間隔ws(mm)はw12の33%以下、好ましくは1〜30%、さらに好ましくは5〜27%である。wsがw12の33%以上であると、帯電電位ムラを生じやすく好ましくない。
帯電電位を均一にするためには帯電ローラに印加する交流電圧の周波数を高めに設定することは有効であるが、周波数を高い値に設定しすぎると、感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードが早くなり、早期に感光体および帯電ローラを交換しないといけなくなるため好ましくない。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法においては、放電痕により放電の起こっている場所を特定することができるため、帯電電位に印加する交流の周波数を適切な値に設定することが可能となり、感光体および帯電ローラの交換の間隔を大幅に伸ばすことが可能となる。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法において、感光体の線速をv(mm/秒)とするとき、理想的には、
f≧v/(w12/2)=2×v/w12
であれば、感光体の帯電電位は一定となる。実際には帯電ローラに印加する交流電圧の1周期の放電では、放電痕の幅の帯電電位にバラツキがあり、2本の放電痕の間は放電が生じていない場所があるため、周波数は20×v/w12≧f≧4.5×v/w12、好ましくは18×v/w12≧f≧5×v/w12、さらに好ましくは16×v/w12≧f≧5.5×v/w12、を満たすことが好ましい。周波数が4.5×v/w12より小さいと、感光体の帯電電位の均一性が得られず、特に1000dpi、好ましくは1200dpi以上の解像度の画像形成装置において、高品質の画像を得ることができず好ましくない。周波数が20×v/w12より大きいと、感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードが速く、早期に感光体および帯電ローラを交換しないといけなくなるため好ましくない。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法における感光体の線速はどのような線速であっても高画質で信頼性の高い画像形成装置を提供することができるが、特に線速が150mm/秒以上、好ましくは220mm/秒以上、より好ましくは280mm/秒〜800mm/秒のときに、感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードを遅くすることができ、感光体および帯電ローラの寿命を長くすることができるため好ましい。これは、本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法により効率的な帯電を行っているためである。従来の帯電工程では、放電が強く起こっている場所と弱く起こっている場所が混在していたため、感光体の帯電電位を均一にするためには、放電が弱く起こっている場所を基準に、帯電条件を決めていた。従来の帯電工程においても、感光体の線速が遅いときには、それほど影響は大きくなかったが、感光体の線速が早くなると、感光体の帯電電位のバラツキが大きくなるため、帯電条件を強めてしまい、感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードが速くなり、早期に感光体および帯電ローラを交換しなければならなかった。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法に用いる感光体は、導電性支持体の上に感光層が設けられている。感光層の構成は電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、あるいは電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、あるいは電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、感光層の上に保護層を設けることもできる。感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また各層には必要により可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
感光体の導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。ドラム状の支持体としては、直径が20〜150mm、好ましくは、24〜100mm、さらに好ましくは28〜70mmのものを用いることができる。ドラム状の支持体の直径が20mm以下では、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に難しく、ドラム状の支持体の直径が150mm以上では画像形成装置が大きくなってしまい好ましくない。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下、好ましくは60mm以下であることが好ましい。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法に用いる感光体の下引層としては樹脂、あるいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、および導電性基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ましい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、これらの中の一種あるいは多種の混合物を例示することができる。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法に用いる感光体の電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料および染料や、セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料を使用することができ、電荷発生物質は一種あるいは多種混合して使用することができる。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法に用いる感光体の電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等の一種あるいは多種を混合して使用することができる。
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(RおよびRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar、Arは置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。Ar、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。
上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂および光導電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは多種の結着樹脂の混合物を挙げることができるが、特にこれらのものに限定されるものではない。
酸化防止剤としては、例えば以下のものが使用される。
<モノフェノール系化合物>
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
<ビスフェノール系化合物>
2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
<高分子フェノール系化合物>
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
<パラフェニレンジアミン類>
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
<ハイドロキノン類>
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
<有機硫黄化合物類>
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
<有機燐化合物類>
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
保護層は、感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため設けられる。保護層としては、感光層よりも機械的強度の高い高分子、高分子に無機フィラーを分散させたものが例示できる。保護層に用いる高分子は、熱可塑性高分子、熱硬化性高分子、何れの高分子であっても良いが、熱硬化性高分子は機械的強度が高く、クリーニングブレードとの摩擦による磨耗を抑える能力が極めて高いためたいへん好ましい。保護層は薄い膜厚であれば、電荷輸送能力を有していなくても支障はないが、電荷輸送能力を有しない保護層を厚く形成すると、感光体の感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇を引き起こしやすいため、保護層中に前述の電荷輸送物質を含有させたり、保護層に用いる高分子として電荷輸送能力を有するものを用いることが好ましい。感光層と保護層との機械的強度は一般に大きく異なるため、クリーニングブレードとの摩擦により保護層が磨耗し、消失すると、すぐに感光層は磨耗していってしまうため、保護層を設ける場合には、保護層は十分な膜厚とすることが重要であり、0.01〜12μm、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜8μmとすることが好ましい。保護層の膜厚が0.1μm以下では、薄すぎてクリーニングブレードとの摩擦により部分的に消失しやすくなり、消失した部分から感光層の磨耗が進んでしまうため好ましくない。保護層の膜厚が12μm以上では、感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇が生じやすく、特に電荷輸送能力を有する高分子を用いる場合には、電荷輸送能力を有する高分子のコストが高くなってしまうため好ましくない。
保護層に用いる高分子としては、画像形成時の書き込み光に対して透明で、絶縁性、機械的強度、接着性に優れた物が望ましく、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの高分子は熱可塑性高分子であっても良いが、高分子の機械的強度を高めるため、多官能のアクリロイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等を持つ架橋剤により架橋し、熱硬化性高分子とすることで、保護層の機械的強度は増大し、クリーニングブレードとの摩擦による磨耗を大幅に減少させることができる。
前述のように、保護層には電荷輸送能力を有していることが好ましく、保護層に電荷輸送能力を持たせるためには、保護層に用いる高分子と前述の電荷輸送物質を混合して用いる方法、電荷輸送能力を有する高分子を保護層に用いる方法が考えられ、後者の方法が、高感度で露光後電位上昇、残留電位上昇が少ない感光体を得ることができ好ましい。
電荷輸送層能力を有する高分子としては、高分子中に電荷輸送能力を有する基を付加したものが用いられる。電荷輸送能力を有する基として化学式(1)を例示することができる。
Ar

−Ar−N 化学式(1)

Ar
Arは置換もしくは未置換のアリーレン基を表わす。Ar、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。
この電荷輸送能力を有する基は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の機械的強度の高い高分子の側鎖に付加することが好ましく、モノマーの製造が容易で、塗工性、硬化性にも優れるアクリル樹脂を用いることが好ましい。
電荷輸送能力を有するアクリル樹脂は、化学式(1)の基を有する不飽和カルボン酸を重合させることにより機械的強度が高く、透明性にも優れ、電荷輸送能力も高い保護層を形成することができ、単官能の化学式(1)の基を有する不飽和カルボン酸に多官能の不飽和カルボン酸、好ましくは3官能以上の不飽和カルボン酸を混合することで、アクリル樹脂は架橋構造を形成し、熱硬化性高分子となり、保護層の機械的強度は極めて高いものとなる。多官能の不飽和カルボン酸に、化学式(1)の基を付加しても良いが、モノマーの製造コストが高くなってしまうため、多官能の不飽和カルボン酸には、化学式(1)の基を付加せず、通常光硬化性多官能モノマーを用いることが好ましい。
化学式(1)の基を有する単官能不飽和カルボン酸をしては、化学式(2)、化学式(3)を例示することができる。
Figure 0004927465
Figure 0004927465
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(RおよびRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar、Arは置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。Ar、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。
多官能の不飽和カルボン酸の割合は保護層全体の、5〜75重量%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは、20〜60重量%である。多官能不飽和カルボン酸の割合が5重量%以下では、保護層の機械的強度が不十分であり、75重量%以上では、保護層に強い力が加わったときにクラックが発生しやすく、感度劣化も生じやすいため好ましくない。
保護層にアクリル樹脂を用いる場合には、上記不飽和カルボン酸を感光体に塗工後、電子線照射あるいは、紫外線等の活性光線を照射してラジカル重合を生じさせ、保護層を形成することができる。活性光線によるラジカル重合を行う場合には、不飽和カルボン酸に光重合開始剤を溶解したものを用いる。光重合開始剤は通常、光硬化性塗料に用いられる材料を用いることができる。
保護層中には保護層の機械的強度を高めるために金属、または金属酸化物の微粒子を分散させることができる。金属酸化物としては酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。その他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、およびこれらの樹脂に無機材料を分散したもの等を添加することができる。
ドラム状の導電性支持体上に感光層を設けた感光体の両端には通常、感光体を支持し、本体駆動装置からの回転を伝達するためのフランジが設けてある。フランジは機械的強度に優れるポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のエンジニアリングプラスチックが用いられ、機械的強度、剛性、導電性等を制御するために、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維、カーボン、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ等の充填剤や、各種添加剤を混合して用いられる。これらのフランジは、ドラム状の導電性支持体に圧入し、接着剤等で固定される。
本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法においては、モノクロ画像形成、カラー画像形成どちらにおいても高品質の画像形成が可能であるが、特に高品質の画像形成を要求されるカラー画像形成において効果が高く、高品質の画像形成を行いながら、感光体および帯電ローラの寿命を大幅に伸ばすことができる。本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法がカラー画像形成可能の場合には1本の感光体を用い、その感光体上に各色のトナーを現像後、中間転写体あるいは像担持体へ順次、感光体上の各色のトナー像を転写して画像形成を行う方法、感光体をトナーの色の数用い、各色のトナーを別個の感光体上に現像し、中間転写体あるいは像担持体へ転写して画像形成を行うタンデム型画像形成装置のどちらにおいても、優れた性能を有する。タンデム画像形成装置においては、帯電に伴うオゾン等の酸化性ガスの発生を抑えるためには、帯電ローラによる帯電工程を採る必要があり、本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法に用いる帯電工程は、帯電条件が緩やかであるため、酸化性ガスの発生量は特に少ない。そのため本発明の画像形成装置の帯電条件設定方法は、高画質で高信頼性の画像形成が可能なだけでなく、環境にも優しい優れた画像形成装置の帯電条件設定方法である。
本発明の帯電工程の評価方法について、図面をもってさらに詳細に説明する。
図4は本発明を適用する画像形成装置を示す概念図である。
同図において符号1は感光体、2は導電性ベース、3は感光層、4は除電ランプ、5は帯電装置、6はレーザ書き込みユニット、7は現像装置、8は転写装置、9は定着装置、10は定着ローラ、11は加圧ローラ、12はクリーニング装置、13は帯電ローラ、14は電源、Gは微小ギャップ、Lは露光光束、Pは転写材をそれぞれ示す。
ここに示した画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される。図示していない本体筐体内には、被帯電体の一例である感光体1が配置され、この感光体1は、ドラム上の導電性ベース2の外周面に感光層3が積層された感光体より成る。複数のローラに巻きかけられて走行駆動されるベルト状の感光体より成る感光体や、誘電体より成るドラム状またはベルト状の感光体を用いることもできる。
画像形成動作時に、感光体1は同図における時計方向に回転駆動され、その表面が矢印A方向に移動する。このとき感光体表面に除電ランプ4からの光が照射され、その表面が初期化され、次いで帯電装置5によって感光体表面3が所定の極性に帯電される。帯電装置5については後に詳しく説明する。
帯電装置5によって帯電された感光体表面には、露光装置の一例であるレーザ書き込みユニット6から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって感光体表面に静電潜像が形成される。次いで、この静電潜像は、現像装置7を通るとき、所定の極性に帯電されたトナーによって、トナー像として可視像化される。
一方、感光体1に対置された転写装置8と感光体1との間に、所定のタイミングで、例えば転写紙より成る転写材Pが給送され、このとき感光体上に形成されたトナー像が転写材P上に静電的に転写される。トナー像を転写された転写材Pは、引き続き定着装置9の定着ローラ10と加圧ローラ11の間を通り、このとき熱と圧力の作用によってトナー像が転写材上に定着される。転写材に転写されずに感光体表面に残された転写残トナーは、クリーニング装置12によって除去される。
帯電装置5は、移動する被帯電体面、図示した例では感光体1の表面に対向配置された帯電ローラ13と、その帯電ローラ13に電圧を印加する電源14とを有している。この電源14により、帯電ローラ13に電圧が印加され、帯電ローラ13と感光体表面3との間に放電を生じさせて感光体表面3を所定の極性に帯電する。
帯電ローラ13の層構成は、導電性支持体上に、高分子層と、表面層から構成されることが好ましい。
導電性ベース(支持体)2は、帯電ローラの電極および支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金、クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄、導電剤の樹脂などの導電性の材質で構成される。
高分子層としては、10〜10Ω・cmの体積抵抗を有する導電性層であることが好ましく、高分子材料に導電材を混合して抵抗を調整したものが用いられる。本発明の画像形成装置に用いる帯電ロールの高分子層の高分子としては、ポリエステル系、オレフィン系の熱可塑性エラストマー、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系熱可塑性樹脂、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム等、およびこれらのブレンドしたゴム材料が挙げられる。ゴム材料は中でも、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムおよびこれらのブレンドゴムが好ましく用いられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、高分子100重量部に対して、1〜30重量部の範囲であることが好ましく、15〜25重量部の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、高分子100重量部に対して、0.1〜5.0重量部の範囲であることが好ましく、0.5〜3.0重量部の範囲であることがより好ましい。
前記表面層を構成する高分子材料としては、既述の如く、帯電ローラ13表面のダイナミック超微小硬度が0.04以上0.5以下であれば特に制限されないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
これらの中では、トナーとの離型性等の観点から、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミドが好ましく用いられる。上記高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、当該高分子材料の数平均分子量は、1,000〜100,000の範囲であることが好ましく、10,000〜50,000の範囲であることがより好ましい。
表面層は、上記高分子材料に前記導電性弾性層に用いた導電剤や各種微粒子を混合して組成物として形成される。上記微粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物および複合金属酸化物、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等の高分子微粉体を単独または混合して用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
同図に示した帯電ローラ13は、感光体表面に対して、例えば8〜50μm、好ましくは10〜45μm、さらに好ましくは10〜40μmの微小ギャップGをあけて対置されている。微小ギャップGが8μm以下では、クリーニング工程でクリーニングできなかったトナーの添加剤や小粒径のトナーが帯電ローラに引っかかりやすく、引っかかった部分の帯電ローラの抵抗が高くなってしまい、スジ画像を生じてしまいやすいため好ましくない。微小ギャップGが50μmより大きい場合は、帯電ローラに印加する交流の電圧を大きくする必要があり、感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードが速くなるため好ましくない。
図5は帯電ローラと感光体表面の間に微小ギャップをあけるための一構成例を示す図である。
同図において符号20はスペーサ、Gはギャップをそれぞれ示す。
帯電ローラ13には、その長手方向両端部領域にスペーサ20としてテープが貼り付けられる。これらのテープが感光体表面に当接することによって、帯電ローラ13が感光体表面に対して微小ギャップGを保っている。また、テープの代わりにフランジ等を用いて、微小ギャップGを確保することもできる。
本発明の画像形成装置においては、感光体と帯電ローラ、現像、クリーニング装置を一体にし、交換部品として扱う、所謂プロセスカートリッジの形態にしておくと、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
直径30mmのアルミニウムドラム(導電性支持体)上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を、その順に塗布して後、乾燥し、3.6μmの下引き層、0.15μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層、約3.5μmの保護層からなる感光体を作製した。このとき、保護層の塗工はスプレー法により、それ以外は浸漬塗工法により行った。保護層には、平均粒径0.17μmのアルミナを24.2重量%添加した。
imagio Neo C385(タンデム型カラー画像形成装置、感光体の線速:205mm/秒に改造、書き込み光の解像度1200dpi、リコー製)のブラック用感光体ユニットの帯電ローラとして、帯電ローラメーカーより納入された3種類の帯電ローラ試作品を評価した。帯電ローラは、ステンレスの円柱にエピクロロヒドリンゴムと導電性カーボンを主成分とする導電性ゴムを貼り付けて作製されたもので、ゴム硬度(タイプA)が71であり、帯電ローラの直径は、11.5mmであった。帯電ローラ表面には高低差5〜20μmの段差が、帯電ローラ長手方向に蛇行して存在しており、段差の数は帯電ローラ周方向0.5mm当たり、11〜18本存在していた。
帯電ローラの両端より13mmの位置に、幅10mm、厚さ42μmのギャップテープを貼り付けた。感光体の真上に帯電ローラを配置し、スプリングで帯電ローラを感光体に押付け、感光体と帯電ローラを回転させない条件で、感光体と帯電ローラの間に、−600Vの直流電圧に周波数1150Hz、片側振幅1000Vの交流電圧を重畳し10分間印加した。帯電ローラおよび感光体上には二本の白スジの放電痕が生じていた。感光体上の二本のスジの幅の平均は、それぞれ0.51mm、0.48mmであった。二本のスジの間隔は0.46mmであった。二本のスジの隙間には放電痕が島状に存在しており、島状の放電痕の面積は、隙間の面積の42%であった。
ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの各感光ユニットの帯電ローラ、感光体を新品に交換し、各感光体ユニットの帯電ローラと感光体の間に、−600Vの直流電圧に周波数1150Hz、片側振幅1000Vの交流電圧を重畳して印加する帯電条件でブラック、シアン、マゼンタのハーフトーン画像を出力したところ、全ての色の画像は高品質の画像が得られた。
実施例1において、帯電ローラ表面には高低差4〜18μmの段差が、帯電ローラ長手方向に蛇行して存在しており、段差の数が帯電ローラ周方向0.5mm当たり、14〜21本存在している帯電ローラを用いる以外は実施例1と同様に画像形成装置を作製した。実施例1と同様に感光体と帯電ローラを回転させない条件で、感光体と帯電ローラの間に、−600Vの直流電圧に周波数1150Hz、片側振幅1000Vの交流電圧を重畳し10分間印加した。感光体上には二本の白スジの放電痕が生じていた。二本のスジの幅の平均は、それぞれ0.54mm、0.51mmであった。二本のスジの間隔は0.50mmであった。二本のスジの隙間には放電痕が島状に存在しており、島状の放電痕の面積は、隙間の面積の35%であった。
ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの各感光ユニットの帯電ローラ、感光体を新品に交換し、各感光体ユニットの帯電ローラと感光体の間に、−600Vの直流電圧に周波数1150Hz、片側振幅1000Vの交流電圧を重畳して印加する帯電条件でブラック、シアン、マゼンタのハーフトーン画像を出力したところ、全ての色の画像は高品質の画像が得られた。
[比較例1]
実施例2において、ABS樹脂、イオン導電性物質、カーボンブラックから構成される樹脂層を有する帯電ローラを用いて画像形成装置を作製した。
この帯電ローラの外形は11.2mmであり、帯電ローラ表面は平滑であり、帯電ローラ長手方向の十点表面粗さは4.7μmであった。帯電ローラの両端より13mmの位置に、幅10mm、厚さ18μmのギャップテープを貼り付けた。
実施例1と同様に感光体と帯電ローラを回転させない条件で、感光体と帯電ローラの間に、−600Vの直流電圧に周波数1150Hz、片側振幅1000Vの交流電圧を重畳し10分間印加した。感光体上には二本の白スジの放電痕が生じていた。二本のスジの幅の平均は、それぞれ0.49mm、0.47mmであった。二本のスジの間隔は0.28mmであった。二本のスジの隙間には放電痕が少なく、その面積は隙間の面積の4%であった。
ブラック、の感光ユニットの帯電ローラ、感光体を新品に交換し、各感光体ユニットの帯電ローラと感光体の間に、−600Vの直流電圧に周波数1150Hz、片側振幅1000Vの交流電圧を重畳して印加する帯電条件でブラックのハーフトーン画像を出力したところ、画像中央付近に僅かな濃度ムラが見られた。
実施例2において、帯電ローラに貼り付けるギャップテープを48μmとする以外は実施例2と同様の帯電ローラを作成した。実施例2と同様に感光体と帯電ローラを停止し、−600Vの直流電圧に周波数1350Hz、片側振幅950Vの交流電圧をそれぞれ10分印加した。
感光体上には二本の白スジの放電痕が生じていた。二本のスジの幅の平均は、それぞれ0.57mm、0.58mmであった。二本のスジの間隔は0.53mmであった。二本のスジの隙間には放電痕は島状に存在し、その面積は隙間の面積の73%であった。
ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの各感光ユニットの帯電ローラ、感光体を新品に交換し、各感光体ユニットの帯電ローラと感光体の間に、−600Vの直流電圧に周波数1350Hz、片側振幅950Vの交流電圧を重畳して印加する帯電条件でブラック、シアン、マゼンタのハーフトーン画像を出力したところ、全ての色の画像は高品質の画像が得られた。
実施例2において、帯電ローラに貼り付けるギャップテープを48μmとする以外は実施例2と同様の帯電ローラを作成した。実施例2と同様に感光体と帯電ローラを停止し、−600Vの直流電圧に周波数1450Hz、片側振幅970Vの交流電圧をそれぞれ10分印加した。
感光体上には二本の白スジの放電痕が生じていた。二本のスジの幅の平均は、それぞれ0.56mm、0.57mmであった。二本のスジの間隔は0.52mmであった。二本のスジの隙間には放電痕が島状に存在し、その面積は隙間の面積の68%であった。ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの各感光ユニットの帯電ローラ、感光体を新品に交換し、各感光体ユニットの帯電ローラと感光体の間に、−600Vの直流電圧に周波数1450Hz、片側振幅970Vの交流電圧を重畳して印加する帯電条件でブラック、シアン、マゼンタのハーフトーン画像を出力したところ、全ての色の画像は高品質の画像が得られた。
この画像形成装置で画像面積5%のブラックハーフトーン画像を100000枚形成したところ、100000枚目においても高画質のブラックハーフトーン画像が得られた。
放電痕の顕微鏡写真である。 本発明を適用する画像形成装置における帯電ローラの一例の電子顕微鏡写真である。 一例の帯電ローラの表面に存在する段差の分布を示す図である。 本発明を適用する画像形成装置を示す概念図である。 帯電ローラと感光体表面の間に微小ギャップをあけるための一構成例を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 導電性ベース
3 感光層
5 帯電装置
13 帯電ローラ
14 電源
20 スペーサ

Claims (6)

  1. 画像作成時に線速v(mm/秒)で回転する感光体と、該感光体表面に対し8μm〜50μmのギャップをあけて対置されて電気的に非接触の帯電ローラと、該帯電ローラに−350V〜−900Vの範囲の直流電圧を重畳したピーク間電圧値が1500V〜3000V、周波数300Hz〜4000Hzの範囲の交流電圧を印加して前記感光体表面を帯電する電源と、を少なくとも有する画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記直流電圧の電圧値、前記交流電圧のピーク間電圧値、前記交流電圧の周波数を含む帯電条件を設定するステップであって、前記感光体、および前記帯電ローラの双方を回転させずに、常温常湿で前記交流電圧の周波数×1/1000〜1/10分間、前記電源から前記直流電圧を重畳した前記交流電圧を印加し、前記感光体表面に生じる画像形成域の放電痕として連続した2本のスジを生じさせるステップと、前記感光体の感光層表面に生じる該2本のスジ幅の合計と該2本のスジの間隔を測定するステップと、前記感光体の感光層表面に生じる該2本のスジの幅の合計w12(mm)が0.9〜2.2mmであり、該2本のスジの間隔ws(mm)が、前記2本のスジの幅の合計w12(mm)の15〜50%であり、前記2本のスジの間には、該2本のスジの間の総面積に対して、15〜85%の面積に不定形の島状に分布した放電痕が存在するように前記帯電条件を調整するステップを有することを特徴とする画像形成装置の帯電条件設定方法。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記帯電ローラの表面には、高さ2μm〜30μmの段差を蛇行して複数存在させることを特徴とする画像形成装置の帯電条件設定方法。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記段差を、前記感光体の周方向1mm当たり、5〜30本存在させることを特徴とする画像形成装置の帯電条件設定方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記交流電圧の周波数をf(Hz)とするとき、
    20×v/w12≧f≧4.5×v/w12
    なる関係式を満足させることを特徴とする画像形成装置の帯電条件設定方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記線速vは、280〜800mm/秒であることを特徴とする画像形成装置の帯電条件設定方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置の帯電条件設定方法において、前記帯電ローラはその外径が9mm以上25mm以下とすることを特徴とする画像形成装置の帯電条件設定方法。
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