JP6213819B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、表面電位差又はトナー付着量差を検出してハーフトーン画像中のゴースト画像の発生を検知する検知手段と、その検知結果に基づいて作像条件(帯電電流や転写電流)を補正する補正手段とを有する画像形成装置が開示されている。
また、特許文献2には、感光体表面に当接してバイアスを印加することによって前画像の残留電位を消す帯電補助ブラシを有する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、帯電補助ブラシの感光体表面移動方向上流側で感光体表面上の残留電位を検知し、その検知結果に応じて帯電補助ブラシへのバイアス印加条件を制御することにより、感光体表面上の残留電位を消す。
また、特許文献3には、転写性能の向上のために感光体表面に転写前露光を行って地肌部の帯電電位を減衰させる画像形成装置において、その転写前露光の副作用である残像を解消すべく、帯電前バイアス手段を設けた画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、帯電前バイアス手段によって、クリーニング手段によるクリーニング処理の後であって帯電手段による帯電処理の直前で、帯電手段の帯電極性と同極性で帯電開始電圧より大きい帯電前バイアス電位を感光体表面に印加する。これにより、転写前露光による残留電位を消す。
なお、供給電荷量Qは、帯電処理時に潜像担持体を流れる電流量I[A]と、潜像担持体の回転軸方向における帯電領域の長さW[m]と、潜像担持体の表面移動速度V[m/s]とを用いて、下記の式(4)より算出したものである。
Q = A / (W×V) ・・・(4)
すなわち、供給電荷量Qを飽和範囲Aに設定する場合、潜像担持体の帯電電位は、潜像担持体の特性(電子写真感光体であれば感光層の膜厚等)に依存した値となる。そのため、潜像担持体の特性(感光層の膜厚等)が経時的に変化すると、潜像担持体の帯電電位の絶対値が低下し、露光部電位が変化して単位面積当たりのトナー付着量が増大する。その結果、画像の光沢等の画質が変化してしまうという問題が生じる。
C×V0 < Q ≦ 1.5×C×V0 ・・・(1)
T1/2 − Tfb ≦ 24.0 ・・・(2)
Tend − T1/2 ≧ 7.0 ・・・(3)
なお、本明細書において、「記録材」とは、例えば、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの材料からなり、表面に画像が形成されるものを意味する。
また、「画像形成」とは、文字や図形、パターンなどの画像を記録材に付与すること、着色または非着色のトナーにより潜像を可視像化し、必要により中間転写体を介して、これを記録材に転写して定着することを意味する。
また、「トナー」とは、単一の樹脂粉末、複合粉末、単一または複数の色材、樹脂と色材の複合物やこれにワックス成分や無機材料を加えた粉末、これらを高次に形態制御した機能粉末など、画像形成を行うことができる全ての粉体の総称として用い、例えば、光沢抑制粉体、光沢付与粉体、焼付け粉体、発泡性粉体なども含まれる。
また、「プロセスカートリッジ」とは、画像形成を行うために必要な構成要素の全部または一部を一体化したものであり、少なくとも、潜像担持体としての電子写真感光体(以下、単に「感光体」という。)を含む。また、感光体を所定の電位するための帯電処理、静電潜像を形成するための書き込み処理、感光体上の静電潜像をトナー像にするための現像処理、感光体上のトナー像を最終的に記録材へ移すための転写処理、感光体上のトナー像残分を除去するためのクリーニング処理、を行うために必要な構成部材の全部または一部を含んでもよい。また、これらの処理のうち、必要な処理が実施できるように各部材を配設可能な形態で構成する。
図2は、画像形成装置100に着脱可能に設けられる4つのプロセスカートリッジ300のうちの1つを示す模式図である。
本画像形成装置100の画像形成部は、ドラム状の感光体1Y,1C,1M,1Kを含む。感光体1Y,1C,1M,1Kは、中間転写体としての中間転写ベルト5の表面移動方向に沿って並べて設けられている。感光体1Y,1C,1M,1Kは、各色のトナー(本実施形態では、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)による潜像を担持可能なものであり、光導電層を有する。この潜像は、書き込み装置3により書き込まれる。各感光体1Y,1C,1M,1Kの周囲には、それぞれ、帯電装置2、現像装置4及びクリーニング装置6などが配置されている。
C×V0 < Q ≦ 1.5×C×V0 ・・・(1)
現像スリーブ40は、現像剤を担持するとともに、感光体との対向位置まで搬送する。感光体1と現像スリーブ40との間には現像ギャップが形成される。現像ギャップは、現像剤の汲み上げ量や、現像剤を現像スリーブ上へ保持するための磁界の強さ、現像剤中のキャリアの磁化、現像スリーブ回転速度等を考慮の上、略均等の間隙に調整して形成されるため、必ずしも特定できるものではないが、概ね、平均値として0.2〜0.4mm程度であることが好ましい。
T1/2 − Tfb ≦ 24.0 ・・・(2)
Tend − T1/2 ≧ 7.0 ・・・(3)
例えば、下記の式(5)に示す円形度SRの平均値である平均円形度が0.93〜1.00のトナーが好ましく、0.95〜0.99がより好ましい。この平均円形度は、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合には1.00を示し、表面形状が複雑になるほど平均円形度が小さな値となる。
SR = (トナー粒子の投影面積と等しい面積を持つ円の周長)/(トナー粒子の周長) ・・・(5)
本実施形態の感光体1は、支持体10と、下引き層11と、感光層12とを含む。感光層12は、電荷発生層120と電荷移動層121とから構成されている。
例えば、電荷発生物質と電荷輸送物質を混在させた単層型、電荷発生物質を含有する電荷発生層の上に電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する順層型、又は電荷輸送層の上に電荷発生層を有する逆層型が挙げられる。また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
光導電層を有する感光体1は、帯電装置2の帯電処理によって一様にマイナス極性に帯電される。帯電装置2による感光体1の帯電が行われる際には、電圧印加装置から帯電ローラ20に、感光体1を最大帯電電位V0まで帯電させるように供給電化量Qが前記関係式(1)を満たすような適当な大きさの帯電電圧が印加される。このとき、帯電ローラ20から感光体1に電荷が供給されるが、感光体1が保持できる電荷を超える過剰な電荷については、感光体1を通過してリーク電流となって最終的には接地電極に流れる。これにより感光体1の表面電位は最大帯電電位V0で一定となる。
本実施形態では、画像形成装置として、中間転写ベルト5を用いて二次転写する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、記録材を搬送ベルトで搬送しながら複数の感光体1のトナー像を順次記録材上に重ね転写する構成としてもよい。
図4は、本評価試験に用いた実施例1〜9と比較例1〜4における条件と評価結果をまとめた表である。
本評価試験において、感光体1の帯電電位Vは、試験機(リコー製、imagio MP C4500の作像ユニットを接触ローラ帯電方式に改造したもの。)に配設されている帯電装置に直流電圧を印加し、これにより電荷が供給されて帯電した感光体の表面電位を、表面電位計(トレック社製 MODEL 344)を用いて測定したものである。
また、感光体1の露光部電位VLは、このようにして帯電した感光体の表面を試験機に配設されている書き込み装置により全面露光した後の表面電位を、表面電位計(トレック社製 MODEL 344)を用いて測定したものである。
また、供給電荷量Qは、感光体1と接地点との間で測定した電流値を、感光体1の回転軸方向における帯電領域の長さと感光体1の線速とから算出される通過面積で除することにより算出したものである。
また、感光体の静電容量は、特許文献4に記載されている感光体の静電容量算出工程で用いている方法で測定した。
画像の品質については、記録材搬送方向に対して直交する方向(記録材幅方向)20[mm]ごとに画素密度が100%である部分と0%である部分とを繰り返し形成し、記録材搬送方向150[mm]の長さとした帯状画像の直後に、画素密度が25[%]の2×2全面トーン画像を形成した画像パターンを用い、全面トーン部のゴースト像発生の有無、帯状画像部の光沢ムラの有無およびその他の不具合の有無を目視で評価したものである。また、50000枚後画像品質は、画素密度5[%]のテキストチャートを50000枚通紙後に、上記画像の品質評価を再度行い、経時使用後の安定性を確認した画像の品質である。
○:極めて優れている(全面にわたってゴースト画像が感知できないレベル)
△:実用上問題ないレベル(○と並べて見るとわずかにゴースト画像が感知できるレベル)
×:使用不可(単独で明らかにゴースト画像が感知できるレベル)
本評価試験における光沢ムラの評価は、以下のとおりである。
○:極めて優れている(全面にわたって画像部の光沢ムラが感知できないレベル)
△:実用上問題ないレベル(○と並べて見るとわずかに画像部の光沢ムラが感知できるレベル)
×:使用不可(単独で明らかに画像部の光沢ムラが感知できるレベル)
<電子写真感光体Aの作成>
導電性円筒状支持体として、外径40[mm]、肉厚0.8[mm]のアルミニウムシリンダーを用いた。このアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、浸漬塗布、乾燥を繰り返すことにより、15[μm]の下引き層、0.2[μm]の電荷発生層、約30[μm]の電荷輸送層を形成して、電子写真感光体Aを得た。
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
N型半導体 アルミニウムドープ酸化亜鉛 25部
(Pazet CK、ハクスイテック社製)
電荷受容材料 1,2−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン 0.6部
酸化チタン 15部
(CR−EL、石原産業社製)
メチルエチルケトン 200部
下記構造式(D−1)で表される電荷輸送物質 9部
(パンライトTS−2050:帝人化成社製)
シリコーンオイル 0.002部
(KF−50、信越化学工業社製)
テトラヒドロフラン 100部
この電子写真感光体Aの静電容量は、前記特許文献4の方法によって測定したところ、118[pF/cm2]であった。この電子写真感光体Aの両端にフランジを設けた。
まず、下記組成の混合物を、二本ロール混練機にて30分間混練後、機械式粉砕機・気流式分級機により粉砕・分級条件を調整し、トナー母体を得た。
部分架橋ポリエステル樹脂 79.5部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加アルコール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加アルコール、テレフタル酸、トリメリット酸の縮合重合物、 Mw=15000、ガラス転移点=61[℃])
カーボンブラック 15部
ジ−tert−ブチルサリチル酸のジルコニウム塩 0.6部
カルナウバワックス;野田ワックス社製 5部
更に、トナー母体100部に対して、疎水性シリカ微粒子1部及び疎水性酸化チタン微粒子1部を加えて、ヘンシェルミキサーでトータル2分間混合しトナー1を得た。
まず、下記処方をホモミキサーで30分間分散してコート層形成用の塗工液を調整した。
アクリル樹脂溶液(固形分=50重量%) 60部
グアナミン溶液(固形分=70重量%) 15部
ストレートシリコーン樹脂(固形分=20%) 150部
ジブチルチンジアセテート 1.5部
アルミナ粒子(個数平均粒径=0.3[μm]) 100部
カーボンブラック 4部
アミノシラン 2.0部
トルエン 1500部
そして、これを平均粒径35[μm]のマンガンフェライトコア材5000部の表面へ流動床型スプレーコート装置によりコート後、150[℃]の雰囲気温度下で、1時間加熱してキャリア1を得た。
キャリアの920部とトナーの80部を、ターブラ−ミキサーにて1分間混合し、二成分現像剤を得た。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電装置から電子写真感光体Aに印加する帯電電圧すなわち帯電ローラの表面電位が−400[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Aの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
<電子写真感光体Bの作成>
電子写真感光体Aから塗工条件を変更し、下引き層の厚みを12[μm]、電荷輸送層の厚みを40[μm]とした以外は、電子写真感光体Aと同様にして、電子写真感光体Bを作成した。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Bをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−500[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Bの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
<電子写真感光体Cの作成>
電子写真感光体Aから塗工条件を変更し、下引き層の厚みを20[μm]、電荷輸送層の厚みを20[μm]とした以外は、電子写真感光体Aと同様にして、電子写真感光体Cを作成した。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Cをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−250[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
<電子写真感光体Dの作成>
電子写真感光体Aから塗工条件を変更し、下引き層の厚みを8[μm]、電荷輸送層の厚みを45[μm]とした以外は、電子写真感光体Aと同様にして、電子写真感光体Dを作成した。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Dをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−500[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
<電子写真感光体Eの作成>
電子写真感光体Aから塗工条件を変更し、下引き層の厚みを22[μm]、電荷輸送層の厚みを15[μm]とした以外は、電子写真感光体Aと同様にして、電子写真感光体Eを作成した。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Eをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−250[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
実施例6では、感光体の静電容量及び表面電位に対する供給電荷量Qの好適な上限を確認するため、本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−450[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
比較例1では、感光体の静電容量及び表面電位に対する供給電荷量Qが好適な上限を上回るときの影響を確認するため、本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−500[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
実施例7では、感光体の静電容量及び表面電位に対する供給電荷量Qの好適な下限を確認するため、本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−310[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
比較例2では、感光体の静電容量及び表面電位に対する供給電荷量Qが好適な下限を下回るときの影響を確認するため、本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー1を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−200[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
<トナー2の作成>
トナー母体処方の部分架橋ポリエステル樹脂を、分子量Mw=16500の樹脂と分子量Mw=12000の樹脂とを重量比で90/10で予備混合した部分架橋ポリエステル樹脂とした以外は、前記トナー1と同様にしてトナー2を得た。
トナー2をフローテスター(島津製作所社製 CFT−500、荷重10[kg]、昇温速度3.0[℃/min])で測定したところ、流出開始温度Tfbは95.5[℃]であり、1/2流出温度T1/2は119.5[℃]であり、流出終了温度Tendは127.1[℃]であった。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー2を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−400[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
<トナー3の作成>
トナー母体処方の部分架橋ポリエステル樹脂を、分子量Mw=15500の樹脂と分子量Mw=11000の樹脂とを重量比で85/15で予備混合した部分架橋ポリエステル樹脂とした以外は、前記トナー1と同様にしてトナー3を得た。
トナー3をフローテスター(島津製作所社製 CFT−500、荷重10[kg]、昇温速度3.0[℃/min])で測定したところ、流出開始温度Tfbは94.2[℃]であり、1/2流出温度T1/2は115.8[℃]であり、流出終了温度Tendは122.8[℃]であった。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー3を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−400[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
<トナー4の作成>
トナー母体処方の部分架橋ポリエステル樹脂を、分子量Mw=17000の樹脂と分子量Mw=12000の樹脂とを重量比で90/10で予備混合した部分架橋ポリエステル樹脂とした以外は、前記トナー1と同様にしてトナー4を得た。
トナー4をフローテスター(島津製作所社製 CFT−500、荷重10[kg]、昇温速度3.0[℃/min])で測定したところ、流出開始温度Tfbは95.9[℃]であり、1/2流出温度T1/2は120.8[℃]であり、流出終了温度Tendは128.9[℃]であった。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー4を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−400[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
<トナー5の作成>
トナー母体処方の部分架橋ポリエステル樹脂を、分子量Mw=14500の樹脂と分子量Mw=16000の樹脂とを重量比で80/20で予備混合した部分架橋ポリエステル樹脂とした以外は、前記トナー1と同様にしてトナー5を得た。
トナー5をフローテスター(島津製作所社製 CFT−500、荷重10[kg]、昇温速度3.0[℃/min])で測定したところ、流出開始温度Tfbは95.5[℃]であり、1/2流出温度T1/2は119.5[℃]であり、流出終了温度Tendは127.1[℃]であった。
本試験機における黒用のプロセスカートリッジに電子写真感光体Aをセットし、トナーとしてトナー5を用いた二成分現像剤を用い、帯電ローラの表面電位が−400[V]となるよう直流電圧を調整し、現像バイアス電圧を適宜調整して、上記の手順により画像評価を行った。また、このとき、電子写真感光体Cの転写後の表面電位の除電は行わなかった。
前記関係式(1)〜(3)の少なくとも1つを満たさない比較例1〜4は、感光体の残像電位によるゴースト画像または経時使用後の光沢ムラの発生が認められ、画像品質の悪化が顕著となった。これに対し、前記関係式(1)〜(3)を満たす実施例1〜9は、このような画像品質の悪化は認められなかった。
本評価試験の結果から、少なくとも前記関係式(1)〜(3)を満たすことにより、ゴースト画像を抑制しつつ、経時使用後の光沢ムラの発生も抑制できることが確認された。
(態様A)
潜像を担持して表面移動する感光体1等の潜像担持体と、前記潜像担持体の表面を一様に帯電させるための帯電処理を行う帯電装置2等の帯電手段と、前記帯電手段により帯電された潜像担持体の表面電位の絶対値を低下させることで画像情報に応じた潜像を形成する書き込み装置3等の潜像形成手段と、前記潜像担持体の表面に形成された潜像にトナーを付着させる現像処理を行う現像装置4等の現像手段と、前記現像手段の現像処理によって潜像担持体表面に形成されたトナー像を最終的に記録材上に転写する中間転写ベルト5等の転写手段と、前記転写手段により記録材上に転写されたトナー像を熱と圧力の作用で該記録材に定着させる定着処理を行う定着装置7等の定着手段とを有する画像形成装置において、前記潜像担持体の静電容量をCとし、前記帯電手段の帯電処理後に該潜像担持体の表面電位が取り得る最大電位の絶対値をV0とし、該帯電手段の帯電処理によって該潜像担持体へ供給される単位面積当たりの供給電荷量の絶対値をQとしたときに、下記の関係式(1)を満たし、荷重が10[kg]で昇温速度が3.0[℃/分]である測定条件で高架式フローテスターにより測定した、前記現像手段が現像処理に用いるトナーの流出開始温度をTfbとし、1/2流出温度をT1/2とし、流出終了温度をTendとしたときに、下記の関係式(2)及び(3)を満たすことを特徴とする。
C×V0 < Q ≦ 1.5×C×V0 ・・・(1)
T1/2 − Tfb ≦ 24.0 ・・・(2)
Tend − T1/2 ≧ 7.0 ・・・(3)
ここで、帯電後の潜像担持体の表面電位が最大帯電電位をとるような帯電処理を行うため、上述したように、潜像担持体の特性変化に起因して、潜像担持体の帯電電位の絶対値の低下が発生する。潜像担持体の帯電電位の絶対値の低下が発生すると、潜像形成手段により帯電後の潜像担持体の表面電位の絶対値を低下させて潜像を形成する場合には、その潜像に付着する単位面積当たりのトナー付着量が増大する結果を招き、画像の光沢などの画質の変化が生じてしまう。
そこで、本態様においては、前記関係式(2)及び(3)を満たすような特性をもつトナーを用いることにより、潜像担持体の特性変化に起因して潜像担持体の帯電電位の絶対値の低下が発生し、潜像に付着する単位面積当たりのトナー付着量が増大しても、画質変化に与える影響を少なくしている。
詳しくは、記録材上に転写されたトナーは、定着処理時に、熱によって溶融しつつ圧力を受けることで、その一部を記録材内に存在する隙間(微小空間)に充填されて記録材に定着される。このとき、単位面積当たりのトナー付着量が多くなるほど、個々のトナーが受ける熱量が少なくなるため、個々のトナーが溶融しにくくなる。トナーの溶融度合いの違いは、主に画像の光沢の違いとなって画質に現れる。よって、潜像担持体の特性変化に起因して単位面積当たりのトナー付着量が増大した場合、定着処理時におけるトナーの溶融度合いの違いが大きいほど、画像の光沢等の画質に変化が顕著になる。本態様によれば、前記関係式(2)を満たすような特性をもつトナーを用いることで、トナーが定着処理中の早期のうちに溶融しやすくなるので、上述したように、単位面積当たりのトナー付着量が多くなってもトナーの溶融度合いの違いが少なくなる。よって、このような特性のトナーを用いることで、潜像担持体の特性変化に起因して単位面積当たりのトナー付着量が増大した場合でも、画像の光沢等の画質の変化が少なくなる。
一方、前記関係式(2)を満たすことで、定着処理中に更に熱量を受けてトナーが更に温度上昇して溶融が進んだときに、トナーが記録材の内部へと流動、拡散し易くなる。トナーの多くが記録材の内部へ流動、拡散してしまうと、記録材の表面に留まるトナーが少なくなってしまい、記録材の表面性状に起因するボソツキなどの画質劣化が生じやすくなる。そこで、本態様では、更に前記関係式(3)を満たすようにすることで、このようなボソツキ等の画質劣化を生じにくくしている。すなわち、前記関係式(3)を満たすことで、上述したように、定着処理の際に溶融したトナーが記録材の表面に留まりやすくなり、記録材内部への移動を抑制できる結果、ボソツキ等の画質劣化を実用上十分な程度に抑制できる。
前記態様Aにおいて、前記潜像担持体は、前記帯電手段の帯電処理後に当該潜像担持体の表面電位が取り得る最大電位の絶対値V0が200[V]以上400[V]以下の範囲内となるものであることを特徴とする。
これによれば、潜像担持体に対して過剰なストレスをかけることがなく、経時的な帯電電位の変化も小さいため、また、潜像担持体の消耗も小さいため、更に維持コストが安価となる。
前記態様A又はBにおいて、前記帯電手段は、前記潜像担持体の表面に接触又は近接するように設けられる帯電ローラ20等のローラ状帯電部材と、該ローラ状帯電部材に直流電圧を印加する電圧印加手段とを含む構成であることを特徴とする。
これによれば、ローラ状帯電部材に帯電電圧を印加する電源コストを低減することができる。
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記潜像形成手段は、前記潜像担持体の表面電位の絶対値を低下させるか否かの二値制御により画像情報に応じた潜像を形成するものであることを特徴とする。
これによれば、潜像部電位が中間的な値を取ることがないため、潜像担持体の帯電電位が最大帯電電位V0で一定とする本態様において、潜像部電位の値を複数段階で制御する多値制御の場合と比較して、安定した品質の画像を得ることができる。
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記潜像担持体からトナー像を転写した後であって前記帯電手段の帯電処理を受ける前の該潜像担持体の表面部分の電位を変更する電位変更手段を備えていないことを特徴とする。
これによれば、更にコストおよび消費電力を抑制でき、また、潜像担持体に掛かるストレスも低減することができる。
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、少なくとも前記潜像担持体と前記帯電手段とを一体的に支持し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを有することを特徴とする。
これによれば、部材の再生や再利用が容易となるため、環境負荷を低減することができる。
2 帯電装置
3 書き込み装置
4 現像装置
5 中間転写ベルト
6 クリーニング装置
7 定着装置
10 支持体
11 下引き層
12 感光層
20 帯電ローラ
40 現像スリーブ
41,42 現像剤攪拌搬送機構
52 一次転写ローラ
53 二次転写ローラ
60 クリーニングブレード
100 画像形成装置
120 電荷発生層
121 電荷移動層
200 給紙装置
300 プロセスカートリッジ
Claims (6)
- 潜像を担持して表面移動する潜像担持体と、
前記潜像担持体の表面を一様に帯電させるための帯電処理を行う帯電手段と、
前記帯電手段により帯電された潜像担持体の表面電位の絶対値を低下させることで画像情報に応じた潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像担持体の表面に形成された潜像にトナーを付着させる現像処理を行う現像手段と、
前記現像手段の現像処理によって潜像担持体表面に形成されたトナー像を最終的に記録材上に転写する転写手段と、
前記転写手段により記録材上に転写されたトナー像を熱と圧力の作用で該記録材に定着させる定着処理を行う定着手段とを有する画像形成装置において、
前記潜像担持体の静電容量をCとし、前記帯電手段の帯電処理後に該潜像担持体の表面電位が取り得る最大電位の絶対値をV0とし、該帯電手段の帯電処理によって該潜像担持体へ供給される単位面積当たりの供給電荷量の絶対値をQとしたときに、下記の関係式(1)を満たし、
荷重が10[kg]で昇温速度が3.0[℃/分]である測定条件で高架式フローテスターにより測定した、前記現像手段が現像処理に用いるトナーの流出開始温度をTfbとし、1/2流出温度をT1/2とし、流出終了温度をTendとしたときに、下記の関係式(2)及び(3)を満たすことを特徴とする画像形成装置。
C×V0 < Q ≦ 1.5×C×V0 ・・・(1)
T1/2 − Tfb ≦ 24.0 ・・・(2)
Tend − T1/2 ≧ 7.0 ・・・(3) - 請求項1の画像形成装置において、
前記潜像担持体は、前記帯電手段の帯電処理後に当該潜像担持体の表面電位が取り得る最大電位の絶対値V0が200[V]以上400[V]以下の範囲内となるものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
前記帯電手段は、前記潜像担持体の表面に接触又は近接するように設けられるローラ状帯電部材と、該ローラ状帯電部材に直流電圧を印加する電圧印加手段とを含む構成であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記潜像形成手段は、前記潜像担持体の表面電位の絶対値を低下させるか否かの二値制御により画像情報に応じた潜像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記潜像担持体からトナー像を転写した後であって前記帯電手段の帯電処理を受ける前の該潜像担持体の表面部分の電位を変更する電位変更手段を備えていないことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
少なくとも前記潜像担持体と前記帯電手段とを一体的に支持し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
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