JP4824383B2 - 帯電装置の調整方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献2、特許文献3においても、前述のように、帯電(放電)がどのように生じているか、正確に見ることは難しいため、感光体の帯電電位を測定することしか、帯電工程の良否を推定することはできなかった。また、感光体の帯電電位の測定は、通常、面積にして直径約1cmの範囲での帯電電位の平均でしか測定はできず、高解像度の書き込みを行う場合に影響される局所的な帯電電位のばらつきを検知することができなかった。また、感光体の帯電電位の測定も、数箇所の限られた場所でしか測定していないのが現状であり、そのため、帯電電位が一定になりやすいように帯電条件は高めに設定することが多く、感光体や帯電ローラの寿命は短くなってしまっていた。
また、感光体や帯電ローラ表面が酸化劣化すると、トナー成分が感光体や帯電ローラに付着しやすくなり、その付着したものは放電により酸化され、イオン性となるため、高湿度環境で異常画像を生じやすくなり、感光体ではボケが、帯電ローラではスジ状の異常画像が生じやすくなる。そのため、帯電条件を緩やかにすることはこれらの異常画像を抑制するためにも重要なことである。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の帯電装置の調整方法において、前記2本のスジの間の隙間の幅をws(mm)とするとき、wsは2×w0の1%以上、33%以下であることを特徴とする。
2本の放電痕の間の隙間の幅の範囲を定めることにより、感光体および帯電ローラの交換頻度が少なくなるような、画像形成条件を設定することができる。
交流周波数の設計上の値fsの範囲を定めることにより、感光体および帯電ローラの交換頻度が少なくなるような、画像形成条件を設定することができる。
放電がどのような形態で生じているときに、穏やかな帯電で感光体と帯電ローラの酸化劣化の速度を抑えながら、均一な帯電電位を感光体に付与できるか検討した結果、帯電ローラと感光体との間で起こる放電は、放電限界距離以上であれば、帯電ローラと感光体とのギャップが小さいほど低いエネルギーで、効率良く起こすことができ、オゾンやNOx等の酸化性ガスの発生も低く抑えることができることが分かった。
本発明の画像形成装置における、感光体を回転させずに、一定時間、前記直流電圧を重畳した交流電圧を印加し、感光体に生じる画像形成域の放電痕の求め方としては、実際の画像形成装置および、感光体と帯電ローラのみのユニットを用いてもどちらでも良いが、帯電ローラと感光体とに印加する電圧は、実際の画像形成装置に用いているものを用いなければならない。通常、実際の画像形成装置においては、環境変動による帯電ローラや感光体の電気特性を考慮し、帯電工程で流れる電流を一定にする制御が行われ、帯電ローラに印加する交流電圧は変化させていることが多い。
この場合には、画像形成装置が主に用いられる環境(例えば、温度23℃、湿度55%)での印加条件にしていることが好ましい。
同図において符号w1、w2は放電痕の幅、wsは2本の放電痕の間の隙間をそれぞれ示す。
本発明の画像形成装置において、感光体に生じる放電痕を同図に模式的に示した。放電痕は5倍〜50倍程度の倍率で、光学顕微鏡、電子顕微鏡等により観察することができる。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に生じる放電痕は感光体の長手方向に長く延び、実質的に2本発生するように放電領域のギャップや電圧値などの諸条件を設定する。すなわち、2本の放電痕の間には、放電が生じていない領域(無放電領域)が存在するようにする。無放電領域と呼んではいるが、帯電ローラや感光体の僅かな凹凸により、放電が生じている領域が島状に存在している場合もある。2本の放電痕はそれぞれ、連続して感光体が劣化している領域である。
当然のことではあるが、放電痕が1本になるように条件を設定することもできる。前述のように、ギャップが十分大きければ無放電領域は生じないが、その場合はギャップが必要最小限になっているかどうかが分からない。本発明で、故意に無放電領域を生じさせるのは、ギャップを必要最小限になるように、感光体と帯電ローラの距離をできるだけ近づけるためである。したがって、無放電領域は、それと認識できる程度でさえあればなるべく小さくなるように設定しておくのがよい。
2本のスジの幅の合計w1+w2=2×w0( mm)は、0.7mm以上、好ましくは0.8〜2.0mm、さらに好ましくは0.9〜1.8mmである。w0が0.7mm以下では、放電できる領域が狭すぎるため、帯電ムラを起こしやすく、そのため帯電ローラに印加する交流の周波数を高く設定しなければならず、感光体の劣化の速度が速くなり好ましくない。w0は大きいほど均一な帯電電位が得られやすいため好ましく、感光体および帯電ローラの少なくとも一方の径が大きくなれば、放電を生じることができる感光体と帯電ローラの距離が一定範囲となる領域は広くなるため、w0を大きくすることができる。しかし、帯電ローラおよび感光体の少なくとも一方の径を大きくしすぎると、装置が大きくなり、組み付けの精度を高くしなければ、放電が生じる幅が場所により変わりやすく、放電痕の幅のバラツキが大きくなってしまう。そのため、帯電ローラの外径としては9〜25mm、好ましくは10〜20mmが好適に用いられる。
本発明の画像形成装置において、感光体に生じる放電痕から測定できる帯電領域全幅をwとすると、
w=w1+w2+ws=2×w0+ws
となる。
2本のスジの間の隙間、すなわち無放電領域の幅(wsmm)は、wの1%以上、33%以下、好ましくは3〜20%、さらに好ましくは5〜10%である。wsがwの33%を超えると、帯電電位ムラを生じやすく好ましくない。1%未満では無放電領域の幅wsの測定が難しくなるとともに、帯電に必要な交流電圧を大きくしなければ帯電むらが生じやすくなり、感光体や帯電ローラの寿命が短くなるため好ましくない。
図3は不均一な帯電分布による帯電状態を示す概念図である。
両図において符号1〜12は感光体表面を交流の半周期単位に便宜上区分した仮想的なブロック、pは感光体移動面に対する固定位置、tは時刻、Tは交流の周期、Vsは帯電電位をそれぞれ示す。
帯電電位を均一にするためには帯電ローラに印加する交流電圧の周波数を高めに設定することは有効であるが、周波数を高い値に設定しすぎると、感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードが早くなり、早期に感光体および帯電ローラを交換しなければならなくなるため好ましくない。
本発明の画像形成装置においては、放電痕により放電の起こっている場所を特定することができるため、帯電電位に印加する交流の周波数を適切な値に設定することが可能となり、感光体および帯電ローラを交換する間隔を大幅に伸ばすことが可能となる。
本発明の画像形成装置において、感光体の線速がv(mm/秒)のとき、理想的には
f≧v/w0
であれば、感光体の帯電電位は一定となる。理想的とは、交流の1周期における放電でw1、w2の放電領域が均等に帯電されると仮定した場合のことである。実際には逆放電も生ずるが、ここでは逆放電は生じないものとして考える。
実際の帯電はマイナス帯電であるが、分かりやすく帯電電位は上に向けて表示する。また、交流電位も直流電位に重畳するので、電位の絶対値が大きくなる側を+で表示した。
モデル的に考えて、交流の電位が図の+側の最大値になった時刻をわずかに過ぎた瞬間に帯電が行わる。ここでは便宜上、その時間帯で電位が最大になる位置に、その区間で感光体が帯電される帯電電位を示した。符号1〜12で示した感光体の各ブロックの帯電電位は、放電領域を抜け出るときまでに帯電される大きさを、それぞれの放電領域の位置に表示した。実際には、感光体が移動しながら帯電を受けるので、交流の半周期の間に1つの帯電領域から帯電を受ける感光体の領域は2つのブロック分になる。これを図に従って詳しく述べる。
時刻t0で放電が開始されたとき初期位置p0に在った感光体面は、交流の半周期(T/2)の間に位置p1まで進む。同様に初期位置p1に在った感光体面は位置p2まで進み、p2に在った感光体面はp3まで進む。したがって、この間に、帯電領域1に1度でも存在したことのある領域は位置p0から位置p2までの2つのブロック分になる。
ただし、場所によって、帯電領域に存在する時間が異なり、上記2つのブロック分の端に行くほどその時間は短くなる。そこで中央を含む1ブロック分に帯電が集中するものとして、表示を簡略化した。
図2は帯電領域を通過した各ブロックが、ブロック内すべて均一に帯電されるものとした例を示している。これに対して、図3はブロック内の帯電分布が山形をしており、最大値が両端以外のどこかに在るものとした例を示している。同図はピークがほぼ中央に在る場合で示したが、放電痕の深さの実測では、ピーク位置はそれぞれ隙間の在る側に寄っていると推定されている。
図2の均一帯電の場合は、2つの帯電領域を通過した感光体面はすべて均一に帯電されることが分かる。同一ブロックが2回に分けて帯電されたとき、その帯電電位は単純な加算になるわけではないが、簡略化して示した。
図3の不均一帯電の場合は、各帯電領域を通過したブロックの帯電電位が不均一であるため、2つの帯電領域を通過したブロックも不均一帯電となる。この問題を解決する方法の一つとして、同図から推測できるように、隙間の幅wsをw0の半分にす方法が考えられる。すなわち、wsをこのようにすると、帯電領域1で帯電された各ブロックの境界部分が、次の帯電領域2の中央部に位置して帯電されるので、各ブロックの両端と中央がほぼ同じ帯電レベルになり、均一帯電に近くなる。ただし、この場合にはまだかなり帯電ムラが大きくなることが予想される。
前記問題を解決する他の手段として、交流の周波数を大きくする方法がある。すなわち、感光体面の或る1点が帯電領域を通過する間に、1回だけではなく、複数回の帯電を受けるようにすることである。
周波数が2.2×f0より小さいと、感光体の帯電電位の均一性が得られず、特に1000dpi、好ましくは1200dpi以上の解像度の画像形成装置において、高品質の画像を得るために必要な、帯電むらの30V以下、好ましくは20V以下、さらに好ましくは10V以下を確保することが難しく、高品質の画像を得ることができず好ましくない。周波数が13×f0より大きいと、感光体および帯電ローラの酸化劣化のスピードが速く、早期に感光体および帯電ローラを交換しなければならなくなるため好ましくない。
感光体の導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm 以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。ドラム状の支持体としては、直径が20〜150mm、好ましくは、24〜100mm、さらに好ましくは28〜70mmのものを用いることができる。ドラム状の支持体の直径が20mm以下では、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に難しく、ドラム状の支持体の直径が150mm以上では画像形成装置が大きくなってしまい好ましくない。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下、好ましくは60mm以下であることが好ましい。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
モノフェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
ビスフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
感光体を作製する際に用いる溶媒としては、ジクロロメタン等の塩素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
本発明の帯電工程の評価方法について、図面をもってさらに詳細に説明する。
同図において符号1は感光体、2は導電性ベース、3は感光層、4は除電ランプ、5は帯電装置、6はレーザ書き込みユニット、7は現像装置、8は転写装置、9は定着装置、10は定着ローラ、11は加圧ロ―ラ、12はクリーニング装置、13は帯電ローラ、14は電源、Gは微小ギャップ、Lは露光光束、Pは転写材をそれぞれ示す。
ここに示した画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される。図示していない本体筐体内には、被帯電体の一例である感光体1が配置され、この感光体1は、ドラム上の導電性ベース2の外周面に感光層3が積層された感光体より成る。複数のローラに巻きかけられて走行駆動されるベルト状の感光体より成る感光体や、誘電体より成るドラム状またはベルト状の感光体を用いることもできる。
画像形成動作時に、感光体1は同図における時計方向に回転駆動され、その表面が矢印A方向に移動する。このとき感光体表面に除電ランプ4からの光が照射され、その表面が初期化され、次いで帯電装置5によって感光体表面3が所定の極性に帯電される。帯電装置5については後に詳しく説明する。
帯電装置5によって帯電された感光体表面には、露光装置の一例であるレーザ書き込みユニット6から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって感光体表面に静電潜像が形成される。次いで、この静電潜像は、現像装置7を通るとき、所定の極性に帯電されたトナーによって、トナー像として可視像化される。
帯電装置5は、移動する被帯電体面、図示した例では感光体1の表面に対向配置された帯電ローラ13と、その帯電ローラ13に電圧を印加する電源14とを有している。この電源14により、帯電ローラ13に電圧が印加され、帯電ローラ13と感光体表面3との間に放電を生じさせて感光体表面3を所定の極性に帯電する。
帯電ローラ13の層構成は、導電性支持体上に、高分子層と、表面層から構成されることが好ましい。
導電性ベース(支持体)2は、帯電ロールの電極および支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金、クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄、導電剤の樹脂などの導電性の材質で構成される。
これらの中では、トナーとの離型性等の観点から、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミドが好ましく用いられる。上記高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、当該高分子材料の数平均分子量は、1,000〜100,000の範囲であることが好ましく、10,000〜50,000の範囲であることがより好ましい。
表面層は、上記高分子材料に前記導電性弾性層に用いた導電剤や各種微粒子を混合して組成物として形成される。上記微粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物および複合金属酸化物、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等の高分子微粉体を単独または混合して用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
同図において符号20はスペーサ、Gはギャップをそれぞれ示す。
帯電ローラ13には、その長手方向両端部領域にスペーサ20としてテープが貼り付けられる。テープは、ベースポリマーとしてポリエステル、ポリイミド、フッ素樹脂に粘着剤を積層したものが用いる。これらのテープが感光体表面に当接することによって、帯電ローラ13が感光体表面に対して微小ギャップGを保っている。また、テープの代わりにフランジ等を用いて、微小ギャップGを確保することもできる。
本発明の画像形成装置においては、感光体と帯電ローラ、現像、クリーニング装置を一体にし、交換部品として扱う、所謂プロセスカートリッジの形態にしておくと、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
直径30mmのアルミニウムドラム(導電性支持体)上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を、その順に塗布して後、乾燥し、3.9μmの下引き層、0.15μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層、約4.5μmの保護層からなる感光体を作製した。このとき、保護層の塗工はスプレー法により、それ以外は浸漬塗工法により行った。保護層には、平均粒径0.21μmのアルミナを22.5質量%添加した。
imagio Neo C385(タンデム型カラー画像形成装置、感光体の線速:205mm/秒に改造、書き込み光の解像度600dpi、リコー製)のブラック用感光体ユニットの帯電ローラとして、帯電ローラメーカーより納入された3種類の帯電ローラ試作品を評価した。帯電ローラは、ステンレスの円柱にエピクロロヒドリンゴムと導電性カーボンを主成分とする導電性ゴムを貼り付けて作製されたもので、ゴム硬度(タイプA)が73であった。帯電ローラの直径は、11.5mmであった。帯電ローラの外側のステンレスの円柱部分に、13mmの位置に、幅10mm、厚さ45μmのギャップテープ(ベースポリマーはポリエステル)を貼り付けた。感光体の真上に帯電ローラを配置し、スプリングで帯電ローラを感光体に押付け、感光体と帯電ローラを回転させない条件で、感光体と帯電ローラの間に、−600Vの直流電圧に周波数1280Hz、振幅1050Vの交流電圧を重畳し10分間印加した。帯電ローラおよび感光体上には2本の白スジの放電痕が生じていた。2本のスジの幅の平均は、それぞれ0.51mm、0.47mmであった。2本のスジの間隔の平均は0.35mmであった。
ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの各感光ユニットの帯電ローラ、感光体を新品に交換し、各感光体ユニットの帯電ローラと感光体の間に、−600Vの直流電圧に周波数1600Hz、振幅1050Vの交流電圧を重畳して印加する帯電条件で図4に示すようなブラック、シアン、マゼンタのハーフトーン画像を出力したところ、全ての色の画像は高品質の画像が得られた。
ギャップテープが40μmの帯電ローラを用いた感光体ユニットをマゼンタステーション、ギャップテープが26μmの帯電ローラを用いた感光体ユニットをブラックステーションにセットし、図4のようなA4の画像を2枚づつ、計50000枚出力した。このとき、ブラック用感光体ユニット、マゼンタ用感光体ユニットの帯電ローラに印加する交流の周波数は1450Hzとし、他の色の感光体ユニットの帯電ローラに印加する交流の周波数は1600Hzとした。
50000枚画像形成後、図4に示すようなブラック、シアン、マゼンタのハーフトーン画像を出力した。
シアン、マゼンタの画像は高品質の画像が得られるものの、ブラックの画像にはスジ状の異常画像が見られた。ブラック用感光体ユニットの帯電ローラを観察したところ、スジ状の異常画像に相当する場所に、付着物がスジ状に付着していることが分かった。
実施例1と同様に感光体と帯電ローラを回転させない条件で、感光体と帯電ローラの間に、−600Vの直流電圧に周波数1350Hz、振幅1000Vの交流電圧を重畳し10分間印加した。帯電ローラおよび感光体上には2本の白スジの放電痕が生じていた。2本のスジの幅の平均は、はそれぞれ0.58mm、0.60mmであり、2本のスジの間隔の平均は0.34mmであった。
全ての感光体ユニットに新しい帯電ローラと感光体をセットし、感光体と帯電ローラの間に、−600Vの直流電圧に周波数1350Hz、振幅1000Vの交流電圧を重畳して印加し、感光体の線速を185mm/秒として各色のハーフトーン画像を形成したところ、全ての色の画像とも、高画質の画像が得られた。
5 帯電装置
7 現像装置
13 帯電ローラ
14 電源
G 微小ギャップ
w1 帯電領域1の幅
w2 帯電領域2の幅
ws 無放電領域の幅
Claims (3)
- 感光体に対し非接触に配置された帯電ローラに、直流電圧を重畳した交流電圧を印加して帯電を行う帯電装置の調整方法であって、
感光体と帯電ローラの双方を回転させずに、一定時間、前記直流電圧を重畳した交流電圧を印加する工程と、
該感光体に生じる放電痕を観測する工程と、
前記放電痕が2本のスジとなるように前記感光体と前記帯電ローラの間隔、前記直流電圧の電圧値、前記交流電圧の電圧値を調整する工程と、を有し、
前記感光体の画像形成時の線速v(mm/秒)を、前記2本の放電痕の幅の平均値w0(mm)で除算した値をf0(Hz)とした場合に、
前記交流電圧の周波数f(Hz)を、該f0(Hz)の2.2倍以上、13倍以下の周波数とすることを特徴とする帯電装置の調整方法。 - 請求項1に記載の帯電装置の調整方法において、前記2本のスジの間の隙間の幅をws(mm)とするとき、wsは2×w0の1%以上、33%以下であることを特徴とする帯電装置の調整方法。
- 請求項1または2に記載の帯電装置の調整方法において、前記一定時間は、設計上の交流周波数をfsとして、(fs/1000〜fs/10)分としたことを特徴とする帯電装置の調整方法。
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