JP2005242390A - 帯電方式及び帯電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電時に働く放電電流を低減させることで発生するNOx量を低減させ、像流れの発生を防止して安定した画像を提供でき、さらに感光体の寿命を維持しつつ画像出力装置としての耐久性を向上させることが可能な帯電装置を提供する。
【解決手段】 直流電圧と重畳する交流電圧とを帯電部材22に印加し、帯電部材22と被帯電体1表面との間に放電を生じさせて被帯電体1の帯電を行う帯電方式において、帯電部材22の長手方向における放電可能な領域の単位長さ当たりの絶対値放電電流量を50μA/cm以下とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、近接帯電方式の帯電方法及びこれを用いた装置に関し、より詳しくは被帯電体に電圧を印加した帯電部材を近接させて被帯電体表面を帯電させる近接方式の帯電装置、及び該帯電装置を像担持体への帯電手段として使用した複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。
従来、電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において、電子写真感光体あるいは静電記録誘電体等の像担持体(被帯電体)を所要の極性及び電位に一様に帯電処理する帯電装置として、コロナ放電によるコロナ帯電器がよく使用されている。このコロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、例えばワイヤ電極等の放電電極とこの放電電極を囲むシールド電極とを備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に対向させて非接触状態で配置し、放電電極とシールド電極とに高圧を印加することにより生じる放電電流に像担持体面を晒すことで像担持体面を所定ぼ電位に帯電させるものである。
しかし、最近ではコロナ帯電器に比べて低オゾンかつ低電力等の利点があることから、被帯電体に電圧を印加する帯電部材を被帯電体に対して接触状態または非接触状態である近接状態として被帯電体を帯電する近接方式の帯電装置が実用化されてきている。この近接帯電装置は、像担持体等の被帯電体にローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材を接触させ、この帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器、以下、接触帯電部材と記す)に所定の帯電バイアスを印加して被帯電体表面を所定の極性及び電位に帯電させるものである。
近接帯電方式における帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、遠隔帯電系と直接注入帯電系の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現れる。遠隔帯電系は、接触帯電部材と被帯電体との空隙に生じる、遠隔帯電であるコロナ放電などの放電現象による放電生成物で被帯電体表面が帯電する系である。コロナ帯電は接触帯電部材と被帯電体とに一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を帯電部材に印加する必要がある。また、近接帯電装置ではコロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないが、放電生成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど活性イオンによる弊害を避けることが困難である。例えば、接触帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式は帯電の安定性という点で好ましく広く用いられている。このローラ帯電の帯電機構はコロナ帯電系が支配的である。
帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム材あるいは発泡体を用いて作成される。さらにこれらを積層して所望の特性を得たものもある。帯電ローラは被帯電体との一定の接触状態を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、被帯電体に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従って、絶対的帯電能力の低下や接触性の不足やローラ上のムラや被帯電体の付着物による帯電ムラは避けられないため、従来のローラ帯電ではその帯電機構はコロナ帯電系が支配的である。
帯電性能としては、帯電体と被帯電体とが接触している必要はなく、これら2者が非接触で近接していてもバイアスの印加条件を制御することで接触帯電と変わらず帯電を行うことが可能である。接触、非接触に関わらず、以下にこれらを近接帯電方式と総称する。
この近接帯電方式は、帯電手段を被帯電手段に直接当接あるいは近接させて配設し、帯電部材に電圧を印加することにより、被帯電体である像担持体としての感光体の表面を帯電処理(除電処理を含む)する方式である。ローラ状、鋸歯状、ブレード状、ブラシ状等といった近接帯電方式でよく用いられている帯電部材へのバイアス印加方式は、直流電圧のみを印加するDCバイアス方式と、交流電圧あるいは交流電圧に直流電圧を重畳させた振動電圧を印加するACバイアス方式とがある。後者のACバイアス方式は、DCバイアス方式よりも、帯電均一性にすぐれているため、好まれて使用されている。
放電による発生物質のうち、窒素酸化物(以下、NOxとする)は感光体に堆積し、結果として「像流れ」という画質劣化を引き起こすことが発明者の鋭意研究によって明らかになってきた。この像流れを解消するためには、「特許文献1」等に示されているような、有機感光体(以下、OPCと記載)の様な軟質の感光体の場合は、クリーニングブレードや現像位置におけるトナー層との摺擦により表面が削れ、常に感光層の表面を新しい状態にすることで窒素酸化物等の除去が行われ、上記不具合を解消することができる。この像流れによる感光体の不具合は、コロナ帯電方式で顕著に表れると考えられていた。その理由は、感光体への帯電のために大きなバイアスを必要とするため、結果としてNOx量が増えるためであると予測される。
「特許文献2」では、コロナ帯電方式ではなく、近接帯電部材で印加するACバイアスの印加波形を変えることによって帯電部材からの放電に際して発生する物質を低減させ、結果として、オゾン、NOx発生量の低いバイアス印加方式を選定することにより、感光体の膜削れ量を軽減することで感光体の耐久性を向上させることを提案している。
特開昭61−112153号公報 特開平10−186807号公報
しかしながら、OPCといった表層が軟質な感光体では、前述のように印加するACバイアスの波形を変えることで削り量を低減させつつ常に新しい表層が作像に使われるため、像流れを起こさない画像を提供しつつ耐久性を向上させてきたが、被帯電体としてアモルファスシリコン系感光体を用いた場合には、OPCを用いた場合に比して像流れが悪化することが発明者の鋭意研究により分かってきた。
この理由としては、アモルファスシリコン系はOPCよりも感光層表面が硬質であるためにトナー層やクリーニングブレードで表面を削り取る事が困難であり、結果として、NOxが感光層の表面に吸着したまま次の作像工程が繰り返されるため、像流れが悪化すると考えられている。アモルファスシリコン系は、一般的に表層を強化したOPCに比してもさらに削れ量が低いため、像流れの程度がさらに悪くなる傾向があったが、感光体の耐久性という面ではアモルファスシリコン系がOPCよりも遥かに高いため、最近では電子写真装置としてはトータルの耐久性を考慮してよく使われている。そのため、耐久性と画像の安定性との両立が問題であった。特に、帯電ローラといった部材を用いる近接帯電方式では、帯電の均一化を狙いACバイアスをDCバイアスに重畳することが必要であるが、振動電圧であるACバイアスはさらに感光体の像流れを助長するという問題点があった。
本発明の目的は、表層が硬質のアモルファスシリコン系感光体を使用した近接帯電方式であってACバイアスを印加する帯電方式において、放電時に働く放電電流を低減させることで発生するNOx量を低減させ、像流れの発生を防止して安定した画像を提供でき、さらに感光体の寿命を維持しつつ画像出力装置としての耐久性を向上させることが可能な帯電装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、直流電圧と重畳する交流電圧とを帯電部材に印加し、該帯電部材と被帯電体表面との間に放電を生じさせて該被帯電体の帯電を行う帯電方式において、前記帯電部材の長手方向における放電可能な領域の単位長さ当たりの絶対値放電電流量が50μA/cm以下であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに前記被帯電体として表層がアモルファスシリコン系の感光体が用いられることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに前記帯電部材と前記被帯電体とが有効画像領域内において非接触状態で対向することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに前記帯電部材と前記被帯電体表面との間での放電回数を低減させるべく、放電可能な領域において前記交流電圧がその周波数をf、被帯電体線速をvとして、7>f/v>4の範囲で印加されることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の帯電方式において、さらに前記帯電部材と前記被帯電体とが非接触で放電が行われ、空隙距離が20μm以上100μm以内で前記帯電部材と前記被帯電体とが配置されることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに前記帯電部材としてその放電可能領域の前後に放電規制板を有するものが用いられることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに印加する交流波形はデューティ比50%の波形であって形状が三角形であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに印加する交流波形は電位の変化が非連続的なパルス波であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7記載の帯電方式において、さらにパルス波のデューティ比が5%より大きいパルス幅をもって印加されることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の帯電方式において、さらにパルス波の形状が正弦波を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項9記載の帯電方式において、さらにパルス波の形状が矩形波を有することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項9記載の帯電方式において、さらにパルス波の形状が三角波を有することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに印加する交流波形の電位変位幅が800V以上2000V以下であることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに前記帯電部材としてローラ形状のものが用いられること特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の帯電方式において、さらに前記帯電部材として前記被帯電体の径よりも小さい径のものが用いられることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項1記載の帯電方式において、さらに前記帯電部材として鋸歯状形状を有するものが用いられることを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項1記載の帯電方式を搭載した帯電装置であることを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の帯電装置を搭載した画像形成装置であることを特徴とする。
請求項19記載の発明は、請求項18記載の画像形成装置に用いられる現像剤であって、重量平均径が4〜15μmであることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、放電電流を低減させることでNOx発生量を低減させ、画質の安定性を維持することができる。
請求項2記載の発明によれば、感光膜の膜削れが少ないために生じていた像流れの発生を低減し、画質の安定性を維持することができる。
請求項3記載の発明によれば、放電可能な領域を狭めることによって放電回数が減少し、NOx量を低減させて画質の安定性を維持することができる。
請求項4記載の発明によれば、印加するACバイアスの周波数が出力される画像を乱すことを防止でき、良好な画像を提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、帯電部材と被帯電体との空隙距離を20〜100μmに設定することにより、帯電部材及び被帯電体の表面状態の変化によって発生する異常放電の画像への影響を最も少なくすることができ、良好な画像を出力することができる。
請求項6記載の発明によれば、放電が可能な領域を物理的に狭めることで、帯電部材と被帯電体との位置的な関係を変えることなく放電回数を低減させることができる。
請求項7記載の発明によれば、デューティ比50%で形状が三角形の波形とすることにより、放電電流を低減させることができる。
請求項8記載の発明によれば、引火する交流波形を非連続的なパルス波とすることにより、デューティ比50%時の波形よりも放電電流を低く抑えることができる。
請求項9記載の発明によれば、高い仕様の電源を用いることなく、比較的安価に放電電流を低減させるACバイアス方式を提供することができる。
請求項10記載の発明によれば、パルス波の形状を正弦波とすることにより、パルス波を必要とするACバイアスを印加するには最もコストを抑えることができる。
請求項11記載の発明によれば、パルス波の波形を矩形波とすることにより、高速線速で最も電位の立ち上がりが早くかつ放電電流を低く抑えつつ、電位を有効に利用することができる。
請求項12記載の発明によれば、パルス波の波形を三角波とすることにより、最も放電電流を低く抑えることができ、放電電流を低減することができる。
請求項13記載の発明によれば、印加するACバイアスを800〜2000Vの間に設定することで、放電電流を低減でき像流れを起こさない画像を提供することができる。
請求項14記載の発明によれば、帯電部材が容易に回転できるため清掃部材の当接によりが安定した放電状態を作ることができる。
請求項15記載の発明によれば、放電電流を低減させながら帯電ローラのへの加圧量を変える必要がなく厚みの異なるギャップ材を用意する必要がないため、コストダウンを図ることができる。
請求項16記載の発明によれば、帯電部材を鋸歯状とすることにより帯電部材に可動部分を持たせなくても所望の帯電特性を得ることができ、帯電部材をローラ状としたときよりもコストダウンを図ることができる
請求項17記載の発明によれば、放電電流を低減させることで像流れの発生を防止しかつ耐久性を向上させることができる。
請求項18記載の発明によれば、放電電流を低減させることで像流れの発生を防止しかつ耐久性を向上させた画像形成装置を提供することができる。
請求項19記載の発明によれば、現像剤の重量平均径を4〜15μmとすることにより、得られる画像の解像度を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態を採用した画像形成装置の一例の概略構成図である。図1において、符号1は像担持体である被帯電体としての感光体ドラムを示している。本実施形態における感光体ドラム1は直径100mmの正極性アモルファスシリコン感光体であり、矢印で示す方向に300mm/secの周速度で回転駆動される。
ここで、アモルファスシリコン感光体ついて説明する。
本実施形態に用いられる感光体ドラム1としては、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、この支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により、アモルファスシリコンからなる光導電層を形成することで得られる。中でもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波またはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にアモルファスシリコン堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられている。
アモルファスシリコン感光体の層構成は例えば以下のようなものである。図2は、層構成を説明するための模式的構成図である。図2(a)に示すアモルファスシリコン感光体500Aは、支持体501の上にa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層502が設けられている。図2(b)に示す電子写真用感光体500Bは、支持体501の上に光導電層502とアモルファスシリコン系の表面層503とが設けられている。図2(c)に示す電子写真用感光体500Cは、支持体501の上に光導電層502とアモルファスシリコン系の表面層503とアモルファスシリコン系の電荷注入阻止層504とが設けられている。図2(d)に示す電子写真用感光体500Dは、支持体501の上に、a−Si:H,Xからなる電荷発生層505と電荷輸送層506とを有する光導電層502Aが設けられ、その上にアモルファスシリコン系表面層503が設けられている。
感光体ドラム1の支持体は、導電性であっても電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
支持体の形状は、平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状、無端ベルト状でもよく、その厚さは所望の感光体を形成し得るように適宜決定されるが、感光体としての可撓性が要求される場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることが可能である。しかしながら、支持体は製造上及び取り扱い上における機械的強度等の点から、通常は10μm以上のものが好ましい。
本発明に使用可能なアモルファスシリコン感光体には、必要に応じて導電性の支持体501と光導電層502との間に支持体501側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層504を設けることが一層効果的である(図2(c))。すなわち電荷注入阻止層504は、感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際に、支持体側より光導電層502側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能が発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。このような機能を付与するために、電荷注入阻止層504には伝導性を制御する原子を光導電層502に比べ比較的多く含有させる。電荷注入阻止層504の層厚は、所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
光導電層502は必要に応じて下引き層上に形成され、その層厚は、所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜に決定され、好ましくは1〜100μm、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μmとされるのが望ましい。
電荷発生層505は、光導電層502Aを機能分離した場合の電荷を発生する機能を主として奏する層である。この電荷発生層505は、構成要素として少なくともシリコン原子を含み、実質的に炭素原子を含まず、必要であれば水素原子を含むa−Si:Hからなり、所望の光導電特性、特に電荷発生特性,電荷輸送特性を有する。電荷発生層505の層厚は、所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜に決定され、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μm、最適には1〜5μmとされる。
電荷輸送層506は、光導電層502Aを機能分離した場合の電荷を輸送する機能を主として奏する層である。この電荷輸送層506は、その構成要素として少なくともシリコン原子と炭素原子と弗素原子とを含み、必要であれば水素原子、酸素原子を含むa−Si(H,F,O)からなり、所望の光導電特性、特に電荷保持特性、電荷発生特性及び電荷輸送特性を有する。本発明においては酸素原子を含有することが特に好ましい。電荷輸送層506の層厚は、所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜に決定され、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、最適には20〜30μmとされるのが望ましい。
本発明に使用可能なアモルファスシリコン感光体には、必要に応じて上述のように支持体501上に形成された光導電層502の上に、さらに表面層503を設けることができ、この表面層503としてはアモルファスシリコン系のものを形成することが好ましい。表面層503は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。本発明における表面層503の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましい。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層503が失われてしまい、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性低下がみられるためである。
次に帯電装置2について説明する。
図1において、符号22は近接帯電部材としての中抵抗の帯電ローラを示している。本例の帯電ローラ22は、芯金21上に硬度JIS−A50度のゴム層を設け、軸−ローラ表面間の抵抗が10Ω・cmのものを使用している。ローラ表面にはフッ素コートが施されており、放電により発生した生成物がローラ表面に付着しにくくなるように表層処理されている。一般的にローラ形状の帯電部材では、感光体と連れ回りさせたり回転駆動させてローラ表面にクリーニング部材を当接できるため、帯電部材の清掃が容易なことから安定した放電状態を作ることができるという利点がある。
帯電ローラ22の両端部には、厚さ60umの絶縁性であるテフロン(登録商標)製のテープ23(以下、ギャップ材23という)がそれぞれ巻かれており、帯電ローラ22はその両端部に付与されたそれぞれ4N(両側合わせて8N)の下向き荷重により、その両端部を感光体ドラム1の表面に圧接されている。帯電ローラ22は、図3に示すように、各ギャップ材23間の部位と感光体ドラム1の表面との間隔が50μmとなるように、感光体ドラム1に対してその中央部が非接触状態で対向配置されている。
ギャップ材23として用いられるテープは、絶縁性であればその材質は特に問わない。ただし、帯電ローラ22の軸方向に対するギャップ材23間の距離は、感光体ドラム1上の有効画像領域よりも長くする必要がある。その理由は、ギャップ材23が絶縁性であるため、ギャップ材23が存在する部位では感光体ドラム1への帯電ができないからである。なお、帯電ローラ22へのバイアスの印加方法については後述する。
帯電ローラ22の周囲には、一部が切りかかれた箱24が配設されている。箱24にはチューブ26の一端が接続されており、チューブ26の他端には窒素酸化物濃度測定装置25(ホリバ製;窒素酸化物濃度測定装置APNA−360)が取り付けられている。窒素酸化物濃度測定装置25は帯電ローラ22の近傍で放電時に発生したNOx濃度を測定する。また箱24には外気を取り込むための図示しないファンが取り付けられており、このファンを回転させることにより、実験終了後において箱24内に残留したNOxを取り除くことが可能である。
感光体ドラム1の周囲には図示しないレーザービームスキャナが配設されており、このレーザービームスキャナから出力されるレーザービームにより感光体ドラム1の帯電処理面に対して走査露光L1がなされる。図示しないレーザービームスキャナから出力されるレーザービームは、目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたものであり、このレーザービームによる走査露光L1によって感光体ドラム1の外周面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
図1において符号3は反転現像装置を示しており、感光体ドラム1の外周面に形成された上記静電潜像は、現像装置3により現像剤像(トナー像)として反転現像される。
ここで現像剤について説明する。本実施形態で使用する現像剤は、以下の特性を有している。
(1成分現像剤)
重量平均径の測定方法は、以下の手順にて行う。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここに、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いてトナー粒子またはトナーの体積、個数を測定し、体積分布と個数分布とを算出する。得られた分布からトナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満、2.52〜3.17μm未満、3.17〜4.00μm未満、4.00〜5.04μm未満、5.04〜6.35μm未満、6.35〜8.00μm未満、8.00〜10.08μm未満、10.08〜12.70μm未満、12.70〜16.00μm未満、16.00〜20.20μm未満、20.20〜25.40μm未満、25.40〜32.00μm未満、32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上ないし40.30μm未満の粒子を対象とする。
以下にトナーを構成する結着樹脂や着色剤等の材料を挙げる。これらがトナー全体に占める割合は、結着樹脂が75%〜93%、着色剤が3%〜10%、離型剤が3%〜8%、その他の成分は1%〜7%である。
結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトンなどが挙げられる。
着色剤としては、従来知られている無機又は有機の染料/顔料が使用可能であり、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダムンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーが挙げられる。
また、必要に応じて着色剤として磁性材料を用いることも可能である。
磁性材料としては、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト鉄、過剰型フェライトのごとき酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのごとき磁性金属;酸化鉄又は磁性金属と、コバルト、スズ、チタン、銅、鉛、亜鉛、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素のごとき金属との複合金属酸化物合金または、混合物が挙げられる。これら磁性粒子は、平均粒径が0.05〜1.0μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.6μmの範囲内、さらに好ましくは、0.1〜0.4μmの範囲内であることが良い。
これらの磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは1〜20m /gの範囲内、特に2.5〜12m /gの範囲内であることがよく、さらにモース硬度が5〜7の範囲内であることがよい。磁性粒子の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状があるが、8面体、6面体、球形の、異方性の少ないものが好ましい。
磁性トナーとして用いる場合、磁性材料を含有する磁性トナー粒子は、結着樹脂100質量部に対し10〜150質量部、好ましくは20〜120質量部の磁性材料を含有するものがよい。
本発明のトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で添加剤を少量用いることができる。この添加剤としては、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末のごとき滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末のごとき研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末のごとき流動性付与剤又はケーキング防止剤;例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末のごとき導電性付与剤;及び逆極性の有機微粒子又は無機微粒子が挙げられる。
また、定着性などを改善するために離型剤を添加することもできる。離型剤としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。誘導体は、酸化物、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、ビニル系モノマーのグラフト変性物を含む。また、その他のものとして、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムも利用できる。
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸系金属錯体、芳香族ダイカルボン酸系金属錯体があげられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、そのエステル類、ビスフェノールのごときフェノール誘導体類がある。
トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのごとき四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩のごときオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)等が挙げられる。この微粒子状の荷電制御剤の個数平均粒径は、好ましくは4μm以下、より好ましくは3μm以下が良い。
これらの荷電制御剤をトナー粒子中に内添する場合には、トナー粒子は結着樹脂100質量部に対して好ましくは、0.1〜20質量部、より好ましくは、0.2〜10質量部含有することが良い。
本発明にて製造されるトナーは、必要に応じて、一般に広く使用されているトナー用の添加剤、例えばコロイダルシリカのような流動化剤、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、炭化ケイ素等の研磨剤、脂肪酸金属塩等の滑剤等を含有させてもよい。
無機微粉体はトナーに対して0.1〜2重量%使用されるのが好ましい。これは、0.1重量%未満ではトナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2重量%を超える場合は細線間のトナー飛び散り,機内の汚染,感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向があるためである。
添加剤をトナーに混合する方法は従来公知の方法でよく、ヘンシェルミキサー、スピードニーダー等の装置により混合することができる。
トナー混練・冷却後のトナー粉の製造方法も従来公知の方法でよく、例えば混練・冷却した後、これをジェットミルで粉砕し、分級することで得られる。
本発明にて製造される静電荷像現像用トナーは、乾式一成分現像剤及び乾式二成分現像剤として使用できる。
二成分現像剤として用いる場合、トナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー0.5〜6.0重量部程度が適当である。
乾式二成分現像剤として使用する場合、キャリア並びに本発明のトナーの使用量としては、トナー粒子がキャリア粒子のキャリア表面に付着して、その表面積の30〜90%を占める程度に両粒子を混合するのが好ましい。
本発明において、現像剤を構成するキャリアの核体粒子としては従来公知のものでよく、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の合金や化合物;前記強磁性体微粒子と樹脂との複合体等が挙げられる。
これら本発明で用いられるキャリアは、より耐久性を長くする目的で表面を樹脂で被覆することが好ましい。被覆層を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
中でもトナースペントを防止する点で好ましいのは、シリコーン樹脂またはその変成品あるいはフッ素樹脂であり、特に好ましいのはシリコーン樹脂またはその変成品である。
被覆層の形成法としては、従来と同様にキャリア核体粒子の表面に被覆層形成液を噴霧法、浸漬法等の手段で塗布すればよい。このときの被覆層の厚さは0.1〜20μmが好ましい。
(2成分現像剤)
次に現像剤の実施形態として、2成分系の現像剤について説明する。
二成分現像剤としての製造例
製造実施例
ポリエステル樹脂(重量平均粒径300μm、軟化温度80.2℃) 100重量部
カーボンブラック 10重量部
ポリプロピレン(重量平均粒径180μm) 5重量部
四級アンモニウム塩 2重量部
上記組成の混合物を溶融混練し、その後、粉砕、分級した。
さらに、母体着色粒子100重量部に対して疎水性シリカ0.3重量部を混合し、平均粒径9.0μmのトナーを得た。
また、湿式法により作成したマグネタイト100重量部に対してポリビニルアルコール2重量部、水60重量部をボールミルに入れ12時間混合してマグネタイトのスラリーを調整した。そして、このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒して球形粒子とし、この粒子を窒素雰囲気中で1000℃の温度で3時間焼成後冷却し核体粒子1を得た。
シリコーン樹脂溶液 100重量部
トルエン 100重量部
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 15重量部
カーボンブラック 20重量部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液1を調整し、この被覆層形成液を流動床型コーティング装置を用いて核体粒子1を1000重量部の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。
そして、上記磁性キャリア97.5重量部に対し上記トナー2.5重量部の割合で混合し、二成分現像剤を作成した。
次に、現像バイアスの印加方法について説明する。
現像装置3の内部に配設された現像スリーブ33には、現像時において電源V2により現像バイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。非画像部電位及び画像部電位は、振動バイアス電圧の最大値と最小値との間に位置しており、これにより現像部bには、向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアとが激しく振動し、トナーが現像スリーブ33及びキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体ドラム1に向けて飛翔し、感光体ドラム1の潜像に対応してトナーが付着して現像が行われる。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5〜5kVが好ましく、周波数は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、上述したように背景部電位と画像部電位との間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域への被りトナーの付着を防止する上で好ましい。
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合には、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが感光体ドラム1に向かおうとする時間の割合である。このような構成とすることにより、トナーが感光体ドラム1に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるのでトナーの運動がさらに活発化し、トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。また、トナーとは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体ドラム1に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化して潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
図1において、符号4は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラを示している。転写ローラ4は感光体ドラム1に所定の圧接力で圧接配置され、転写ニップ部cを形成している。この転写ニップ部cに不図示の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ4に転写バイアス電源V3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光体ドラム1側の現像剤像が転写ニップ部cに給紙された転写材Pの表面に順次に転写される。
本実施形態で使用する転写ローラ4は、芯金41に中抵抗発泡層42を形成した、ローラ抵抗値5×10Ωのものであり、−2.0kVの直流電圧を芯金41に印加して転写を行なった。転写ニップ部cに導入された転写材Pは、転写ニップ部cを挟持搬送されることで、その表面に感光体ドラム1の表面に形成担持された現像剤像が順次、静電気力と押圧力によって転写される。
図1において、符号5は熱定着方式等の定着装置を示している。転写ニップ部cに給送されて感光体ドラム1側から現像剤像の転写を受けた転写材Pは、感光体ドラム1の面から分離されて定着装置5に導入され、現像剤像の定着を受けた後、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
図1において、符号7は感光体ドラム1のクリーニング装置を示している。転写材Pに対する現像剤像転写後の感光体ドラム1は、その感光体面に残留した転写残トナー等の付着汚染物をクリーニング装置7のクリーニング部材71(本形態では感光体ドラム1表面に当接させたウレタンゴム製のクリーニングブレード)によって掻き落されて清掃され、繰り返して作像に供される。感光体ドラム1の表面からクリーニング部材71により掻き落された転写残トナー等は、クリーニング装置7のクリーナ容器72の内部に回収される。
次に、帯電ローラ22へのバイアス(帯電バイアス)の印加方法について説明する。
図1において、符号V1は帯電ローラ22にバイアスを印加する帯電バイアス用の電源であり、本形態においては電源V1が帯電ローラ22の芯金21に接続されている。電源V1は外部からの信号を増幅させるアンプとしても使用ことができ、その信号は波形作成装置F1に入力される。電源V1は波形作成装置F1から送られた信号線を1000倍にして出力することが可能に構成されている。
実際の数値は後述するが、例えば、波形作成装置F1でDCバイアス成分(Vdc)を0.5Vとし、それにACバイアス成分(Vpp)を2Vの正弦波を重畳して出力すると、帯電ローラ22への出力がDCバイアス成分500V、ACバイアス成分2000Vの正弦波となって印加される。
また、電源V1には帯電ローラ22へ印加される電流及び電圧をモニタする端子が付設されており、放電時に帯電ローラへ実際に印加されている電流量及び電圧を逐次モニタすることが可能に構成されている。
ここで、一般的な放電の物理現象に対し成立する関係式について説明する。
本実施形態で説明する近接帯電方式以外(例えばコロナ帯電方式)においても、放電減少はパッシェン(Paschen)則に従うように放電が行われることが公知である。
上述したように、帯電ローラ22の端部にギャップ材23を設置することで、感光体ドラム1と非接触で対向する帯電ローラ22との空隙は50μm程度である。これを図4に示すパッシェン則(パッシェンの関係式)に当てはめると、放電開始電圧が約600Vとなることが分かる。ACバイアス方式は、DCバイアスにACバイアスを重畳することで画像の均一性を得ることができるが、そのためには直流成分の約2倍の電位をAC成分として印加することが必要である。その理由は、ACバイアス成分を増加させると、本来の放電方向とは逆の方向への放電(逆放電と呼ばれる)を起こすことによって感光体ドラム1の表面上の帯電状態を均一化するため、結果として画像にも均一性が現れるためである。DCバイアスを印加した場合には、帯電ローラ22と感光体ドラム1との間での放電が1回しか行われないため、結果として部材の表面状態の影響を大きく受けてしまい、帯電均一性という点でACバイアス重畳方式に比べて劣ることになる。この帯電均一性の低下は特に、帯電ローラ22と感光体ドラム1とが微小な空隙を有する非接触状態で放電動作が行われる、本実施形態において顕著な現象として現れる。
一方、像流れを引き起こすNOxは、帯電部材が放電する時に発生することが最近になって発明者の鋭意研究によって明らかになった。帯電ローラ22にバイアスを印加し、ACバイアス成分Vppの変化に対する放電時に流れる電流とNOx発生量との実験結果に基づく相関図を図5に示す。この時、ACバイアスの波形を正弦波と固定し、DCバイアス成分Vdcを800V、ACバイアス周波数fを2kHzと固定して、ACバイアス成分Vppのみを0〜3000Vまで振った。
ここで、図5に示した実験結果を考察する。Vppを増加させることで総電流も増加しているが、Vppが1400VまではVppと総電流とは略比例関係で上昇している。しかし、Vppが1400Vを超えると、総電流の変化が指数的な上昇を示している。これは先に説明したように、ギャップ材23によって形成された50μmの空隙では放電開始電圧が約1200Vになるため、1200V以上では逆放電が起こり帯電均一性への寄与分として余計に放電が起こるために総電流量が増加したと考えられる。NOx発生濃度の変化は、Vppが1400Vまでは0.04ppm程度の値を示した。この0.04ppmは、本実施形態での実験室環境下(温度25℃、湿度50%)における空気のNOx濃度と略同じ値であるため、実際の放電によってNOxが放電開始電圧以上で生成することが分かった。図5に示した実験結果から、放電電流の増加に伴ってNOxの生成量も比例して増加することが分かる。
このように、放電時に発生するNOx量は帯電ローラ22からの放電電流量と比例関係にあることが発明者の鋭意研究により明らかになった。よって、像流れの原因となるNOx量を低減させるには、帯電ローラ22を含めた帯電装置2からの放電電流量を低減すればよいことが分かる。
図6に、図5で示した放電開始電圧までの総電流の比例増加分を差し引いた電流(放電電流)とVppとの関係を示す。
図1に示す画像形成装置において、放電電流量が1.5mA以上となるVppを持つ正弦波形では、5000枚の耐久試験において像流れが確認された。帯電部材である帯電ローラ22のギャップ材23間の長さは30cmであり、単位長さの放電電流に直すと50μA/cmとなる。このことから近接帯電方式において感光体上の像流れの発生を防止するためには、50μA/cm以下の放電電流となるようにACバイアスを印加する必要がある。この結果は、ACバイアスの波形が矩形波、三角波でも成立することが分かった。
帯電ローラ22から感光体ドラム1への放電電流を減少させる方法としては、放電が可能な領域(以下、帯電ニップとする)行われる総放電電流量を減らせばよい。そのためには、
1.帯電ニップ内での放電回数を減らす
2.放電1回分の放電電流量を減らす
の2つの方法が考えられる。以下に、上記1,2の点から放電電流量を減らすために帯電ローラ22に印加するACバイアスの波形の形状及び振幅、周波数を変えた種々の実施例について説明する。
(放電回数を減らす実施例)
図1に示した画像形成装置において、ACバイアスに正弦波を印加し、Vdc:800V、Vpp:2000Vとし、周波数を0.3〜3kHzまで振った条件で5000枚の耐久試験を行った時の画質と耐久性評価の結果を下表に示す。
Figure 2005242390
上表の結果において、低周波数で横スジが発生するため画質が悪くなる傾向があるが、この原因は主に印加するACの周波数が低いためにACの電位の変化が感光体ドラム1上の電位の変化となって横スジが発生するためである。特開平5−150564号公報記載の技術では、接触帯電ローラの線速をv(mm/sec)、ACバイアスの周波数をf(Hz)としたとき、4<f/v<7の条件での均一帯電を考案しているが、本実施例でもf/vの値が5以上のときに横スジの発生による画質劣化が認められなかった。図1に示す画像形成装置は線速300mm/secであり均一帯電のためにAC周波数は1.5kHz以上とすることが画像維持のためには必要である。
本実施例において、線速300mm/secで3kHzの条件では、f/v=10となる。この条件では、ACバイアスの振幅による振動音も高周波になるため、不快音として検出される。それだけでなく、特開平5−150564公報記載の技術では、f/v>7の条件では帯電ニップ内での放電が増加するため、画質劣化を引き起こすことが分かった。この理由としては、接触帯電である特開平5−150564号公報記載の技術と同じ原因であると思われるが、その原因については明らかとなっていない。本実施例の帯電ローラ22でも同じ帯電機構であるため同じ結果となったといえる。
本実施例において、近接帯電方式のうち、帯電ローラ22と感光体ドラム1とが非接触の状態で放電する場合でもACバイアスの周波数は4<f/v<7の範囲内で行われることが、良好な画質を得るための条件であることが判明した。この範囲内において、放電電流量はいずれも課題である放電電流の値以下であり、先に行った5000枚の耐久試験においても像流れが確認されなかった。
帯電ニップにおいて、ACバイアスを印加することで、放電、逆放電が繰り返しおこなわれ、感光体上の電位が均一化されることを先に記述した。放電、逆放電の回数が増せば、画像の均一性が向上するが、放電が繰り返し行われるため、伴う電流の変化も多く、NOxの発生量もそれに伴い、増加することが図5の結果から推測される。
感光体ドラム1と帯電ローラ22との間で起こる放電が可能な領域は以下のように考えることができる。
図7に示すように、感光体ドラム1と帯電ローラ22とで構成される空間のうち、帯電ローラ22から放電が可能な領域dはパッシェン則に基づいて次のように考えられる。
感光体ドラム1が必要とする帯電電位をVpcとすると、帯電ローラ22に印加するDC成分はVpcだけ必要である。AC成分は均一性という面には効果があり、Vpcの値自体には大きな影響を及ぼさない。感光体ドラム1は通常アースされており、帯電前は0Vである。帯電時の帯電ローラ22−感光体ドラム1間の電位差はVpcということになる。パッシェン則では、空隙をz(μm)とすると、図4に示したようにVpc=312+6.2zとなる。
本実施例においては、正常な作像プロセスが行われるVpcは800Vであるため、放電が開始する空隙距離は約90μmとなる。同じく、パッシェン則により印加する電位を等しくして空隙を狭めると、20μm以下では放電が行われない。
図7に示すように、帯電ローラ22と感光体ドラム1との幾何学的な配置から、実際の空隙距離L1,L2(本実施例ではL1=90μm、L2=20μmとなる)の間にある感光体表面領域dが放電可能な領域であると考えられる。同じように、感光体ドラム1の回転方向下流側にあるd‘の領域も放電可能となる。
ACバイアスを印加することで、感光体表面の帯電均一性を持たせることが可能であることは先に説明したが、上記の放電可能な領域d、d‘において、放電が1回しか行われない状態では放電電流は少ないが、帯電むらが悪化する。この理由としては、1回の放電ではDCバイアス方式の放電と同じでACバイアスが持つ効果、逆放電が起こらないためである。画質向上のためには、放電が2回以上起こることが必要であるが、逆に放電回数が多ければそれだけ放電電流も増加し、結果として像流れが起きやすい状態になる。
そこで、放電回数を減らすための実施例を以下に説明する。
図8(a)に示すように、帯電ローラ22に代えて小径ローラ22Aを使用することで、ローラの曲率が小さいことから帯電ニップ幅が狭くなるため、結果として放電回数は低減する。この方式では、帯電ローラのへの加圧量を変える必要がないことや、厚みの異なるギャップ材を用意する必要がないため、コストの面から有利である。
また、図8(b)に示すように、非接触状態の帯電ローラ22では空隙距離gをg1と広げることで帯電ニップ幅が狭まり、結果として放電回数が低減する。この方法では、より厚みのあるギャップ材23を用意する必要があるが、帯電ローラ22として同一径のものを使用することができる。
さらに、図8(c)に示すように、放電が可能な領域l1の前後に絶縁性の材質の放電規制板10を設け、帯電ニップ幅を物理的に狭めることで放電回数を低減させることも可能である。この場合、感光体ドラム1と帯電ローラ22との位置的な関係を変える必要がないという優れた利点がある。
上述したいずれの方法においてもそれぞれで有利な点があり、放電回数を低減させることで放電電流量を減らすことが可能となった。
(放電1回分の電流を減らす実施例)
次に、放電回数を同一とし、1回の放電電流を低減させることでトータルの放電電流を低減させる実施例を以下に説明する。
帯電ローラ22に印加することのできるACバイアスの波形としては、上述したように正弦波以外にも矩形波、三角波、1周期の間に振幅がない領域が存在するパルス波といった波形が考えられる。
デューティ比50%の正弦波、矩形波、三角波で印加するACバイアスの大きさVppを変化させたときに、各AC波形において、帯電ローラ22からの放電電流値の測定結果を図9に示す。なお、本実施例では、直流成分Vdcは800Vとし、AC成分の周波数は2kHzとした。
図9に示すように、各AC波形において放電電流値は異なることが分かる。各波形バイアス印加条件を先の図9と同一とし、図1に示す画像形成装置で各波形での10000枚に相当する耐久試験を行った。各波形において、耐久試験後の像流れの程度は、三角波、正弦波、矩形波の順番で悪かった。特に、三角波にはこれまで確認された像流れが全く確認されなかった(図1の画像形成装置は1分間に60枚印刷することが可能な装置である)。
耐久試験の結果及び図8に示したように、三角波は最も放電電流が低く、そのため他の波形に比べて像流れが起きるまでに長い時間を必要とする、換言すれば耐久性が高く、感光体の寿命を延命することが分かる。その次に放電電流が大きいのは正弦波であるが、像流れの程度が矩形波よりも良好であったのは放電電流量の差であると考えられる。
一般的な電源では、デューティ比50%の波形を出力することは高度な動作シーケンスを必要としないため、コスト的に見ても安価に作ることが可能である。電源によっては、パルス波といった複雑な波形を出力することが不可能なものもあるので、デューティが50%の波形しか出力することのできない電源を採用し、かつ放電電流を低減させ、画質を維持しながら感光体の耐久性を持たせるためには、三角波がもっとも良好である。
(AC波形を変えた実施例(パルス波))
パルス波のようなACバイアスの振幅に0の領域がある交流波形では(実際には重畳されるDC成分があり電位としては0Vではない)、デューティ比50%の波形に比べて常に電位が変化するわけではないため、放電電流としては少なくなることが予想される。矩形のパルス波において、デューティ比5〜50%の範囲でVppを変化させた時の放電電流の変化を図10に示す(デューティ比50%の矩形パルス波は先の矩形波と同じ)。どのデューティ比でもVdc=800V、f=2kHzとした。
図10に示すように、Vppが同一条件で1周期におけるパルスの長さが短くなれば放電電流が低減する。しかし、パルスが短くなれば必要な放電量を得ることができず、結果としてVpp電位不足となり、局部的な異常放電が起こることが分かった。図10の結果を得た時と同じ条件で画質を比較したところ下表のようになった。デューティ比5%で出力された画像は、電位不足による局部放電のため鱗状の異常放電画像である。
Figure 2005242390
上表の結果、同一のVppにおいて、5%幅のパルスでは画質が落ちることが分かった。これはVppを上げた状態でも同じ結果である。この理由として、帯電ローラ22のバイアスの印加に使用する電源の問題であることが分かった。本実施例で使用した電源V1(Trek社製:高圧電源10/10B)の電位の立ち上がり時間(スルーレートと呼ばれる)は250V/μsecである。2kHzのACバイアスで5%のパルス幅であると、0.5msec(1パルス分)×0.05=0.025msec(25μsec)と非常に短い時間であり、立ち上がりの段階で瞬時に片側1000Vまで出力し、かつ振幅0に戻ることが不可能である。結果的にVppが不足して画質劣化につながったと思われる。本来Vpp不足の画質劣化が確認されるならば、Vppの値自体を上げて印加すれば画質劣化は解消されるはずであるが、パルスが短すぎるためVppを増加させてもその効果が有効になっていないためである。
画像形成装置の線速v(mm/sec)に応じて、横スジが目立たなくなるACバイアスの周波数fの下限が決まるが、出力に使用する電源のスルーレートとの関係で、パルス幅で5%より大きい幅のパルスを使用することでデューティ50%の波形に比べ更に放電電流量を低減することが可能となる。
本実施例で使用したスルーレート250V/μsecを出力することが可能な電源は、あらゆる用途に対して高圧電源を出力することを考慮しており、多機能のため高価である。一般的に電子写真装置に使用される電源は、機械自体のコストを下げるためにスルーレートが低い電源が使用されるか、もしくは低い仕様でも正常に動作が行われるように設計がなされる。このため、放電電流を低減させるために5%のパルス波で正常な帯電動作を行わせるには、より高価で高特性の電源が必要となり現実的ではなく、パルス波を使用して所望の機能を出力するためには5%より大きい幅のパルスを印加する方が望ましい。
上述したように、パルス波形によってACバイアスを印加すると、デューティ50%の波形に比べ放電電流を低減させることが可能である。しかしながら、これも先に説明したように波形としては複雑になり、電源自体のコストという面では高くなってしまうため好ましくないが、感光体によっては放電電流量に敏感で像流れが起きやすいものもある。そういった場合には、多少コストが掛ったとしても、機械の安定性からパルス波を出力することのできる電源を搭載し、これを帯電バイアスとして使用する方が望ましい。
パルス波を印加する場合には、パルス幅が1周期の5%より大きいことが必要であることは先に示したが、矩形状以外の幅25%のパルス波におけるVppに対する放電電流量は図11のようになった。
図11に示すように、いずれの波形でも像流れが発生していたデューティ比50%の矩形波よりも放電電流を低減させることができた。
矩形パルス波は、パルス幅のデューティ比を5%より大きくすることで電源の立ち上がりの追従性もあるため、出力には問題がない。他の2つの波形に比べると、放電電流は多いが電位の立ち上がりが早いため、線速が高速である場合には最適である。矩形パルス波とすることによって放電電流は目的の電流量以内に抑えることが可能であるため、像流れ防止に効果がある。
一般的な波形作成装置は、正弦波を元に組み合わせて他の波形を作成してる。正弦パルス波は、元々波形作成装置が持つ最も単純な正弦波形と振幅0の領域とを足しあわせているので、電源としては他の2つに比べて最もコストを低く抑えることができる。
三角パルス波は、図11に示すように、最も放電電流を低く抑えることができる。一般的に三角波は振幅を増減させた正弦波を足しあわせたものであり、波形作成のコストとしては最も高い、しかし、像流れに関してはもっとも発生しにくく、画質安定性といった面で利点がある。
放電電流を減らす方法としては、他にACバイアスのVpp自体を低く設定することによって実現することが可能である。図6に示したように、例えば正弦波で画質を維持しVppを下げる時には、上述したように感光体ドラム1と帯電ローラ22との空隙距離gを考慮しなければならない。本実施例では、この空隙距離gが50μmであり、パッシェン則によれば、帯電開始電圧は約1200Vであることは前に記載した。帯電均一性のために印加するACバイアスは、これも先に記載したように逆放電によって均一化させているため、逆放電が起こる帯電開始電圧の2倍のバイアスを印加する必要がある。よって空隙が50μmではVppが1200V以上必要である。実際、図5、図6、図9、図10において、Vppが1200〜1500Vの間で立ち上がっており、それ以後増加する放電電流は、逆放電を含めた放電に寄与している。
本実施例において、帯電ローラ22と感光体ドラム1とは空気層の空隙を介して非接触の状態にあるが、空隙が100μm以上では本実施例の系では、帯電開始電圧が1000V程度となり、本来感光体ドラム1が正常な現像を行うための感光体表面電位の値の上限値となっている。100μm以上の空隙距離では印加する電位も高いため、帯電ローラ22から感光体ドラム1への異常放電が起きやすい状態になる。異常放電が原因で画像上にも白ポチ、黒ポチといった画質劣化につながるため、空隙距離は100μm以内に設定することが必要である。
近接帯電方式において、感光体ドラム1と帯電ローラ22との空隙距離gは画質向上のために20〜100μmの間で設定しなければならない。パッシェン則から逆算すると、帯電開始電圧は400〜1000Vである。このことから、ACバイアスを印加する場合には2倍して800〜2000Vと設定することで帯電均一性を得ることが可能であり、画質向上のためには必要である。
近接帯電方式において、Vppを減少させて放電電流を低減させ、かつ異常放電が起こらずに画質維持し、印加するACバイアスを800〜2000Vの間に設定することで放電電流を低減させ、結果として、像流れを起こさない画像を提供することが可能となる。
(鋸歯状帯電部材の実施例)
近接帯電部材として、図12に鋸歯状部材の実施例を示す。一般的に鋸歯状の帯電部材22Bは、可動部分を持たせなくても所望の帯電特性を得るという画像形成装置製作上のコストダウンを図る点で帯電ローラ22よりも利点がある。この場合でも放電電流を絶対値で50μA/cmとすることによって像流れを起こさず画質の安定性を維持することが可能となった。
本発明の一実施形態を採用した画像形成装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に用いられるアモルファスシリコン感光体の概略構成図である。 本発明の一実施形態における帯電ローラと感光体ドラムとの位置関係を説明する図である。 本発明の一実施形態に用いられるパッシェン則を説明するための線図である。 本発明の一実施形態における正弦波印加時のVppの変化に対する帯電ローラへ流れた総電流及びNOx濃度の変化を説明する線図である。 本発明の一実施形態における正弦波印加時のVppの変化に対する放電電流量の変化を説明する線図である。 本発明の一実施形態における帯電ニップ幅を説明する概略図である。 本発明の一実施形態における帯電ニップ幅を狭めた実施例の概略図である。 本発明の一実施形態におけるデューティ比50%時の波形での放電電流量を比較説明する線図である。 本発明の一実施形態における矩形波を有するデューティ比を変化させた場合の放電電流量を比較説明する線図である。 本発明の一実施形態における形状の異なるパルス波での放電電流量を比較説明する線図である。 本発明の一実施形態に用いられる鋸刃状帯電装置の概略図である。
符号の説明
1 被帯電体(感光体ドラム)
10 放電規制板
22 帯電部材(帯電ローラ)
22A 帯電部材(小径の帯電ローラ)
22B 帯電部材(鋸刃状の帯電部材)

Claims (19)

  1. 直流電圧と重畳する交流電圧とを帯電部材に印加し、該帯電部材と被帯電体表面との間に放電を生じさせて該被帯電体の帯電を行う帯電方式において、
    前記帯電部材の長手方向における放電可能な領域の単位長さ当たりの絶対値放電電流量が50μA/cm以下であることを特徴とする帯電方式。
  2. 請求項1記載の帯電方式において、
    前記被帯電体として表層がアモルファスシリコン系の感光体が用いられることを特徴とする帯電方式。
  3. 請求項1記載の帯電方式において、
    前記帯電部材と前記被帯電体とが有効画像領域内において非接触状態で対向することを特徴とする帯電方式。
  4. 請求項1記載の帯電方式において、
    前記帯電部材と前記被帯電体表面との間での放電回数を低減させるべく、放電可能な領域において前記交流電圧がその周波数をf、被帯電体線速をvとして、
    7>f/v>4
    の範囲で印加されることを特徴とする帯電方式。
  5. 請求項3記載の帯電方式において、
    前記帯電部材と前記被帯電体とが非接触で放電が行われ、空隙距離が20μm以上100μm以内で前記帯電部材と前記被帯電体とが配置されることを特徴とする帯電方式。
  6. 請求項1記載の帯電方式において、
    前記帯電部材としてその放電可能領域の前後に放電規制板を有するものが用いられることを特徴とする帯電方式。
  7. 請求項1記載の帯電方式において、
    印加する交流波形はデューティ比50%の波形であって形状が三角形であることを特徴とする帯電方式。
  8. 請求項1記載の帯電方式において、
    印加する交流波形は電位の変化が非連続的なパルス波であることを特徴とする帯電方式。
  9. 請求項7記載の帯電方式において、
    パルス波のデューティ比が5%より大きいパルス幅をもって印加されることを特徴とする帯電方式。
  10. 請求項9記載の帯電方式において、
    パルス波の形状が正弦波を有することを特徴とする帯電方式。
  11. 請求項9記載の帯電方式において、
    パルス波の形状が矩形波を有することを特徴とする帯電方式。
  12. 請求項9記載の帯電方式において、
    パルス波の形状が三角波を有することを特徴とする帯電方式。
  13. 請求項1記載の帯電方式において、
    印加する交流波形の電位変位幅が800V以上2000V以下であることを特徴とする帯電方式。
  14. 請求項1記載の帯電方式において、
    前記帯電部材としてローラ形状のものが用いられること特徴とする帯電方式。
  15. 請求項14記載の帯電方式において、
    前記帯電部材として前記被帯電体の径よりも小さい径のものが用いられることを特徴とする帯電方式。
  16. 請求項1記載の帯電方式において、
    前記帯電部材として鋸歯状形状を有するものが用いられることを特徴とする帯電方式。
  17. 請求項1記載の帯電方式を搭載したことを特徴とする帯電装置。
  18. 請求項17記載の帯電装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項18記載の画像形成装置に用いられる現像剤であって、
    重量平均径が4〜15μmであることを特徴とする現像剤。
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