JP2010019990A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する感光体を帯電する帯電工程、及び、帯電された感光体に静電潜像を形成し、前記静電潜像に現像剤を転移し可視化する現像工程を有する画像形成方法であって、前記感光体の表面には、感光体の母線方向の単位長さ1000μmあたりに、溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝が20本以上1000本未満存在し、1000μmあたりの各溝幅の総和が200〜800μmであり、前記現像剤は、トナー粒子、並びに、個数平均粒子径80nm以上300nm未満である無機微粉体A及び個数平均粒子径500nm以上2000nm未満である無機微粉体Bを含む現像剤であり、前記無機微粉体AおよびBのトナー粒子からの遊離率(A)および遊離率(B)が特定範囲であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
Description
これらの要望に対して電子写真本体、感光体、現像剤、各種機能部材の各方面からアプローチがなされている。たとえば、感光体においては、硬度の高い表面層を設けることにより飛躍的に削れ量が減少し、長寿命化を図ることが提案されている(特許文献1乃至3)。
従来、この感光体表面の化学的劣化を防止する目的として、感光体表面にステアリン酸亜鉛等の保護膜を塗布する、といった対策が取られてきた(特許文献11乃至12)。
しかし、長寿命化のため上述の高い表面硬度を持ち表面を粗面化された感光体と、この接触帯電装置を組み合わせた場合、粗面化された表面の溝が成長し、やがて傷となって画
像に現れる現象が起きることがある。
感光体の粗面化された表面の溝部分は、溝の深さ分だけ感光層の厚みが薄いため、感光体基台との距離が近く低抵抗となり放電が集中する傾向があり、化学的劣化により溝の部分の樹脂強度が選択的に弱くなり、クリーニングの擦れ等によって摩耗する。
溝でない部分は高硬度であるため、化学的劣化により弱くなった溝部分だけが選択的に摩耗して溝が成長する、成長した溝にさらに放電が集中する、という循環が起き、やがて感光体表面がスジ状に深く削れてしまう。結果、画質が劣化し、画像にスジとなって現れるなど、従来技術では長寿命化の阻害となる問題が解決されてなかった。
前述のように対策として感光体表面に保護膜を塗布する方法を採っても、表面を粗面化された感光体では溝の部分への塗布が不充分となりやすく効果が得られなかった。
即ち、本発明の目的は、長寿命化のため耐摩耗性が高い感光体の表面を粗面化して用い、さらに、装置の小型低電力化が期待できる接触帯電装置をあわせて用いても、感光体表面の粗面化した溝部に対しての選択的な化学的劣化を防止し、さらに弊害がなく耐久性の高い画像形成方法を提供することである。
<1> 導電性支持体上に感光層を有する感光体を帯電する帯電工程、及び、帯電された感光体に静電潜像を形成し、前記静電潜像に現像剤を転移し可視化する現像工程を有する画像形成方法であって、前記感光体の表面には、感光体の母線方向の単位長さ1000μmあたりに、溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝が20本以上1000本未満存在し、前記単位長さ1000μmあたりの各溝幅W1乃至Wiの総和[μm]が下記式(1)を満たし、前記現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子、並びに、個数平均粒子径80nm以上300nm未満である無機微粉体A及び個数平均粒子径500nm以上2000nm未満である無機微粉体Bを含む現像剤であり、前記無機微粉体Aのトナー粒子からの遊離率α(A)が、20.0質量%以上40.0質量%未満であり、前記無機微粉体Bのトナー粒子からの遊離率α(B)が、50.0質量%以上75.0質量%未満であることを特徴とする画像形成方法。
上記ユニバーサル硬さ、及び弾性変形率を満たすことで、本願の効果をより高めることが可能となる。
上記現像剤に用いられるトナー粒子の結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニル系共重合体樹脂、エポキシ樹脂、又はビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有しているハイブリット樹脂が好ましい。
具体的には、例えば、2価アルコールとしては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
9[mol%]が好ましい。
二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが含まれる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが含まれる。
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが含まれる。
具体的には、ハイブリッド樹脂とは、ポリエステルユニットと、(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)である。
(1)ビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造した後にブレンドして得る方法である。ブレンドは有機溶剤(たとえば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。なお、ハイブリッド樹脂成分としては、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いることができる。
(2)ビニル系重合体ユニットを製造した後に、この存在下にポリエステルユニット及
び/又はハイブリッド樹脂成分を反応させて、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂を得る方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステルユニットとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステルユニットを製造した後に、この存在下にビニル系重合体ユニット及び/又はハイブリッド樹脂成分を反応させて、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を得る方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットをそれぞれ製造した後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加し、反応させることによりビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂成分を製造した後に、ビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行なうことによりビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂が製造される。この場合、ハイブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行なうことによりビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)乃至(5)の製造方法において、分子量、架橋度が異なる複数のビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットを用いてハイブリッド樹脂を製造してもよい。
上記顔料の例には、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンイエロー、アリザリンイエロー、ベンガラ、フタロシアニンブルー等が含まれる。顔料の好ましい添加量は結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部乃至20質量部であり、さらに好ましくは0.2質量部乃至10質量部である。
本発明に使用可能な離型剤の例には次のものが含まれる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化
物;脂肪族炭化水素系ワックス、又はその酸化物のブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが含まれる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが含まれる。これら離型剤のうち必要に応じて一種又は二種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させることができる
また、これらの離型剤は、通常、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練時に混合する方法でトナー粒子に含有させることができる。
現像剤を負荷電性に制御する負荷電性制御剤としては、有機金属錯体又はキレート化合物が有効である。負荷電性制御剤の例には、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が含まれる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、又はそのエステル類、又は、ビスフェノールのフェノール誘導体類が含まれる。
現像剤を正荷電性に制御する正荷電性制御剤の例には、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのキレート顔料として、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等)、高級脂肪酸の金属塩として、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキシド等のジオルガノスズオキサイドやジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレートが含まれる。
上記磁性体の例には、リチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、イオウ、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、錫、鉛、亜鉛、カルシウム、バリウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、銅、ニッケル、ガリウム、インジウム、銀、パラジウム、金、白金、タングステン、モリブデン、ニオブ、オスミニウム、ストロンチウム、イットリウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ビスマス等からなる群から選ばれる少なくとも一つ以上の元素を含有する磁性酸化鉄が含まれる。なかでも、リチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、錫、イオウ、カルシウム、バリウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、銅、ニッケル、ストロンチウム、ビスマス及び亜鉛が好ましい。特に好ましくは、異種元素としてマグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン及びジルコニウムから選択される元素を含有する磁性酸化鉄である。これらの元素は酸化鉄結晶格子に取り込まれてもよいし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていてもよいし、表面に酸化物あるいは水酸化物として存在してもよいが、酸化物として酸化鉄に含有されることが好ましい。
これらの磁性体の好ましい個数平均粒径は0.05μm以上1.0μm未満であり、さらに好ましくは0.1μm以上0.5μm未満である。磁性体の好ましい窒素吸着によるBET比表面積は2m2/g乃至40m2/gであり、さらに好ましくは4m2/g乃至20m2/gである。磁性体の好ましい磁気特性は、磁場795.8kA/mで測定した飽和磁化が10Am2/kg乃至200Am2/kgであり、さらに好ましくは70Am2/kg乃至100Am2/kgである。好ましい残留磁化は1Am2/kg乃至100Am2/kgであり、さらに好ましくは2Am2/kg乃至20Am2/kgである。好ましい抗磁力は1kA/m乃至30kA/mであり、さらに好ましくは2kA/m乃至15kA/mである。磁性体の好ましい含有量は結着樹脂100質量部に対して、20質量部乃至200質量部である。
上記結着樹脂及び着色剤、並びに、必要に応じて、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。さらに、当該トナー粒子、後述する無機微粉体Aおよび無機微粉体B、並びに、必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、現像剤が作製される。なお、後述する無機微粉体Aおよび無機微粉体B、並びに、必要に応じた所望の添加剤の混合はトナー粒子の製造後における任意の時点で外添することもできる。たとえばトナー粒子の分級や球形化をおこなう工程で、当該トナー粒子に外添することもできる。
上記粉砕に用いられる粉砕機の例には、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、
イノマイザー(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製)が含まれ、分級機の例には、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が含まれる。
上記現像剤の製造において、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置の例には、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が含まれる。
特に、粗大粒子の形状を制御した現像剤の製造方法に使用される粉砕手段としては機械式粉砕機を用いることが好ましい。上記機械式粉砕機の例には、ホソカワミクロン(株)製粉砕機イノマイザー、川崎重工業(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミルなどが含まれる。これらの装置をそのまま、あるいは適宜改良して使用することが好ましい。
まず、重合性単量体中に、着色剤、及び重合開始剤、並びに、必要に応じて、離型剤、荷電制御剤、及びその他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解または分散し、重合性単量体組成物を調製する。次いで、当該重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモジナイザー、ホモミキサー等により分散せしめる。この際、好ましくは重合性単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズになるように、撹拌速度、時間を調整し造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、かつ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行なえばよい。重合温度は40℃以上、一般的には50℃乃至90℃の温度に設定して行なうのがよい。また、重合反応後半に昇温してもよく、さらに、現像剤定着時の臭いの原因等になる未反応重合性単量体、副生成物等を除去するために、反応後半または反応終了時に一部水系媒体を留去してもよい。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄、濾過により回収し乾燥する。懸濁重合法においては、通常、重合性単量体組成物100質量部に対して、水300質量部乃至3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
害性がなく水系への可溶化物のない荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、負荷電性に制御する荷電制御剤として、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸、それらの誘導体の金属化合物、スルホン酸を側鎖に持つ高分子化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、珪素化合物、カリックスアレーン等が利用できる。一方、正荷電性に制御する荷電制御剤として、4級アンモニウム塩、該4級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部乃至10質量部が好ましい。
これらの分散剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部乃至2.0質量部を使用するのが好ましい。
本発明において、当該遊離率は、電子写真工程、特に現像工程における現像剤へのシェアにより、トナー粒子から脱離する無機微粉体の割合と相関があることが判明した。
また、本発明において、上記特定の無機微粉体の遊離率を特定の値に制御することにより、下記作用効果が得られることも判明した。
すなわち、本発明において、無機微粉体Aが上記粒径および遊離率を有することにより、トナー粒子から遊離した無機微粉体Aが、感光体に適正量供給され得る。さらに、無機微粉体Bが上記粒径および遊離率を有することにより、無機微粉体Bがトナー粒子から脱離してクリーニング部材にせき止められ、無機微粉体Bからすり抜ける無機微粉体Aが感光体の溝部分へ誘導され、均一にならされる。感光体の溝部分に均一にならされて存在する無機微粉体Aが、溝部分の選択的な放電を阻害することにより、溝部分の樹脂の選択的劣化、樹脂の劣化による溝部分の選択的摩耗を防止できる。
上記無機微粉体A及び無機微粉体Bを、それぞれ所定の遊離率に制御するためには、たとえば、上記無機微粉体A及び無機微粉体Bの添加工程での混合時間をそれぞれ適正化するなど、異なった混合条件にしても構わない。
転写材に転写されにくく感光体上に残存しやすい理由から、たとえば、トナー粒子が負帯電性の場合には、弱正帯電の帯電特性を持つ無機微粉体が好ましい。さらに、トナー粒子からの遊離率を制御しやすいこと、好ましい粒径を得られることなどから、上述のなかでも、無機微粉体Aおよび無機微粉体Bとして、チタン酸ストロンチウムがより好ましい。
上記個数平均粒子径が80nmより小さいと、無機微粉体Aが溝でない部分へも供給され、均一に分散されず、画像濃度ムラ、濃度低下の原因となる。一方、個数平均粒子径が
300nm以上の場合は、クリーニング部材にせき止められてしまい、感光体への供給が不足し、溝部分の選択的放電の阻害効果が得られないほか、研磨力に劣るため画像流れが発生しやすい。
当該個数平均粒子径を上記範囲に設定することにより、クリーニング部材で現像剤をせき止める効果と、無機微粒子Aをすり抜けさせて感光体へ供給し、さらに無機微粒子Aを感光体表面の溝部に均一に分散、分布させる効果が、好ましく現れる。
上記個数平均粒子径が500nmより小さいと現像剤のせき止め効果が小さくなり現像剤のすり抜けを起こすほか、無機微粉体B自体もすり抜けやすく、画像濃度低下を起こす。一方、個数平均粒子径が2000nm以上の場合は、無機微粉体Aが溝でない部分へもすり抜けてしまい、濃度低下を起こしやすい。
まず、電子顕微鏡を用い、無機微粉体を5万倍の倍率で撮影し、撮影された無機微粉体の写真から、無作為に100個の無機微粉体を選択する。そして、無機微粉体が球形状の場合はその直径を、楕円形状、または直方体形状の場合は短径と長径の平均値を、当該無機微粉体の粒径とし、選択された100個の無機微粉体の粒径の平均の値を個数平均粒子径とした。
一方、上記無機微粉体Bのトナー粒子からの遊離率α(B)は、50.0質量%以上75.0質量%未満である。なお、当該遊離率α(B)は、55質量%以上70質量%未満であることが好ましい。
上記無機微粉体Aの遊離率α(A)が、40.0質量%以上の場合は、脱離した無機微粉体Aの量が過剰となり、溝でない部分の放電も阻害してしまい、感光体表面を所定の極性、電位に帯電することができず、画像濃度ムラ、濃度低下となる。一方、無機微粉体Aの遊離率α(A)が、20.0質量%より小さいと、感光体への供給量が不足し、溝部分の選択的な化学的劣化を防止する効果が不足する。
一方、上記無機微粉体Bの遊離率α(B)が、75.0質量%以上の場合は、無機微粉体Bまでもが感光体へ供給されてしまい、帯電を阻害し、画像濃度低下の原因となる。また、無機微粉体Bの遊離率α(B)が、50.0質量%より小さいと、無機微粉体Aの感光体への供給が不安定になり、無機微粉体Aを溝部分に均一にならして存在させることができず、クリーニングが不安定となり、トナーのすり抜けを起こしてしまう。
(1)トナー粒子中に磁性体を含み、無機微粒子に磁性体を含まない場合には、以下の方法で測定する。
(1−1) イオン交換水に、ノニオン系界面活性剤、好ましくはコンタミノンN(和光純薬工業社製:商品名)を2質量%加えて調製した溶液を調製する。密閉できる50mlのポリエチレン製サンプルビンに、調製した溶液を40g(20℃)入れ、測定試料(現像剤)1.5gを加えて、マグネットシート上で1時間静置する。
(1−2) 1時間静置したサンプルを、ヤヨイ式振とう機YS−LD(株式会社ヤヨイ製:商品名)により1.67S−1で1分間振とうする。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱
が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定し振とうする。振とうしたサンプルビンを磁石の上に置き、1分間静置する。
(1−3) 磁石上に1分間静置したサンプルの、上澄み液を別のサンプルビンに収集する。現像剤塊が混じっている場合は取り除く。
(1−4) 上澄み液を除いた、現像剤の入ったサンプルビンを、蓋をせずに真空乾燥機(40℃)で10時間以上乾燥させたのち、ペレット化し蛍光X線にて無機微粉体に該当する元素の蛍光X線強度測定を行なう。
(1−5) 上記分離処理をしていないサンプル、および無機微粉体を添加していないトナー粒子のサンプルについても、同じ元素の蛍光X線強度測定を行い、下記式にて無機微粉体の遊離率を求める。
(2−1) イオン交換水200mlに、測定試料(トナー)1.5[g]、及び、2mlのノニオン系界面活性剤、好ましくはコンタミノンN(和光純薬工業社製:商品名)を加え、超音波分散機にて10時間分散し、トナーに添加した外添剤の全量を遊離させる。この際にできた、上澄み液とトナーを、トナー粒子に磁性体を含む場合は上記(1−3)と同様にして分離し、またトナー粒子に磁性体を含まない場合は下記(3−3)と同様にして分離して、上記(1−4)と同様にして蛍光X線強度測定を行い、上記(1−5)の計算式における[分離前のX線強度−分離後のX線強度]からトナーに外添された外添剤全量に該当する元素の蛍光X線強度を算出する。さらに、得られた上澄み液中に遊離した無機微粉体A及びBの粒度分布を下記(2−3)の方法で測定し、無機微粉体A及びBの比率1を算出する。上記トナーに外添された外添剤全量に該当する元素の蛍光X線強度に、この無機微粉体A及びBの比率1を乗じて、トナーに外添された無機微粉体A及びBそれぞれに該当する元素の蛍光X線強度(無機微粉体A全量に該当する元素の蛍光X線強度1、及び無機微粉体B全量に該当する元素の蛍光X線強度1)を算出する。
(2−2) 次に、上記(1−3)の工程にて発生した上澄み液に遊離した無機微粉体A及びBの粒度分布を、下記(2−3)と同様の方法で測定し、無機微粉体A及びBの比率2を算出する。そして、上記(1−4)の方法で求めた無機微粉体に該当する元素の蛍光X線強度に当該無機微粉体A及びBの比率2を乗じて、無機微粉体Aおよび無機微粉体Bそれぞれに該当する元素の蛍光X線強度(無機微粉体Aに該当する元素の蛍光X線強度2、及び無機微粉体Bに該当する元素の蛍光X線強度2)を算出する。[上記無機微粉体Aに該当する元素の蛍光X線強度2/上記無機微粉体A全量に該当する元素の蛍光X線強度1]×100、[上記無機微粉体Bに該当する元素の蛍光X線強度2/上記無機微粉体B全量に該当する元素の蛍光X線強度1]×100を、無機微粉体Aおよび無機微粉体Bそれぞれの遊離率とする。
(2−3) 粒度分布の測定方法としては、水系モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコールを使用する。まず、イソプロピルアルコールで上記レーザー回折型粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10mg乃至25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行する。次に、イソプロピルアルコール50ml中に界面活性剤3滴乃至4滴を加え、さらに測定試料を5mg乃至25mg加え、次いで超音波分散器で1分間乃至3分間分散処理をおこなって試料
溶液とする。測定装置の測定系内に試料溶液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45%乃至55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定をおこなった。この測定値を用い、体積分布から算術した無機微粉体Aおよび無機微粉体Bの粒径に該当する粒子の質量割合を求める。
(3−1) イオン交換水に、ノニオン系界面活性剤、好ましくはコンタミノンN(和光純薬工業社製:商品名)を2質量%加えて調製した溶液を、密閉できる50mlのポリエチレン製サンプルビンに40g(20℃)入れ、測定試料(現像剤)1.5gを加えて、密閉した容器を軽く振って撹拌したのち1時間静置する。
(3−2) 1時間静置したサンプルを、ヤヨイ式振とう機YS−LD(株式会社ヤヨイ製:商品名)により1.67S−1で1分間振とうする。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定し振とうする。振とうしたサンプルを、速やかに遠心分離用の容器に移す。
(3−3) 遠心分離用の容器に移し替えたサンプルを、高速冷却遠心機himac CR20E(日立工機製:商品名)にて、R26Aロータを使用し、設定温度は20℃、加速減速は最短時間、回転数は5.00S−1で回転時間を3分間、の条件で遠心分離したのち、速やかに上澄み液を別のサンプルビンに収集する。現像剤塊が混じっている場合は取り除く。
(3−4) 上澄み液を除いた、現像剤の入ったサンプルビンを、蓋をせずに真空乾燥機(40℃)で10時間以上乾燥させたのち、ペレット化し蛍光X線にて無機微粉体に該当する元素の蛍光X線強度測定を行なう。
(3−5) 上記分離処理をしていないサンプル、および無機微粉体を添加していないトナー粒子のサンプルについても、同じ元素のX線強度測定を行い、上述した(1)の場合と同様に(1−5)に記載の式を用いて計算し、無機微粉体の遊離率を求める。
無機微粉体Aおよび無機微粉体Bの含有量を、上記範囲に設定することにより、本発明で規定する遊離率での、無機微粉体Aおよび無機微粉体Bのトナー粒子から遊離した遊離量が、本発明の効果を発現するための好ましい範囲となる。
無機微粉体Aの含有量が5.0質量部より大きいと、脱離した無機微粉体Aの量が過剰となるほかに、現像剤の流動性が低下する傾向にあり、濃度低下や画像ムラなどの問題が生じ易くなる。無機微粉体Aの含有量が0.01質量部よりも小さいと、脱離した無機微粉体Aの量が過小となり放電阻害効果が現れにくく、また感光体のクリーニング性が低下する傾向にあり、画像流れなどの問題が発生しやすくなる。
一方、無機微粉体Bの含有量が5.0質量部より大きいと、脱離した無機微粉体Bの量が過剰となるほかに、現像剤の帯電のバランスが崩れ易く、濃度低下やカブリなどの問題が生じ易くなる。無機微粉体Bの含有量が0.01質量部よりも小さいと、脱離した無機微粉体Bの量が過小となるほかに、感光体の摩擦を軽減しにくくなる傾向にあり、ブレード捲れなどの問題が発生しやすくなる。
る。
たとえば、全体の混合時間の中で、無機微粉体Aおよび無機微粉体Bの投入時期を変えてもよいし、無機微粉体Aと無機微粉体Bのどちらかを予備混合してもよい。さらに無機微粉体Aおよび無機微粉体Bのどちらかを除いて混合した後、もう一方を異なる条件や異なる装置で追加混合してもよい。
詳しくは、たとえば同時に投入した場合、粒径の小さい無機微粉体Aの遊離率α(A)が低くなってしまう場合には、たとえば、無機微粉体Bの遊離率α(B)が最適になるように全体の混合時間を決定し、無機微粉体Aを除いた、トナー母体及び無機微粉体Bと、必要に応じて所望の添加剤をあわせて混合を開始し、無機微粉体Aの遊離率α(A)が最適になる混合時間を差し引いた時間で停止し、無機微粉体Aを投入して残り時間の混合をしてもよい。
トナー粒子に外添混合され、トナー粒子表面に分散された上記シリカ、アルミナまたは酸化チタンが細かい粒子(微粉体)であると、これら微粉体は現像剤へ高い流動性付与効果を有するので、これら微粉体は細かい粒子であることが好ましい。これら微粉体の好ましい個数平均粒子径は5nm乃至100nmであり、より好ましくは5nm乃至50nmである。
これら無機微粉体の好ましい添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.03質量部乃至5質量部である。該無機微粉体の添加量が0.03質量部未満の場合は、十分な流動性付与効果を得ることができないことが多い。また、5質量部以上の場合は、トナーの圧縮指数が高くなり、トナーが締まり易くなるとともに、過剰な外添剤が遊離し、悪影響を及ぼし易い。
また、好ましい流動性向上剤は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。
流動性向上剤の粒径は、平均の一次粒径として、0.001μm以上2μm未満の範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002μm以上0.2μm未満の範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
ここで、本発明の画像形成方法に用いられる感光体について説明する。
本発明に用いられる感光体は、導電層支持体、および該導電層支持体上に形成された感光層を含む。
上記感光層は、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した構成、又は逆に電荷輸送層、電荷発生層をこの順に積層した構成、さらには電荷発生材料と電荷輸送材料を結着樹脂中に分散した単層とした構成のいずれの構成をとることも可能である。
また、導電性支持体と感光層の間に導電層を有していてもよく、導電層と感光層の間に中間層を有していてもよい。さらに、上記感光層は、感光層上に形成された保護層を有していてもよい。
上記表面層は、
(1)熱可塑性の高硬度樹脂を含む表面層用塗布液を、感光層又は電荷発生層上に塗布し、必要に応じて表面と塗布膜を乾燥させることで形成されてもよく、
(2)熱、光又は放射線照射により、ラジカルなどの活性点を発生させて重合又は硬化することが可能な化合物(以下、「重合又は硬化化合物」とも称する)を含む表面層用塗布液を、感光層又は電荷発生層上に塗布し、形成された塗布膜に熱、光又は放射線照射させることで形成されてもよい。
なお、上記ユニバーサル硬さ値(HU)及び弾性変形率は、保護層を構成する材料の選定と、乾燥、重合、硬化など保護層を形成する際の、温度や照射強度など、また保護層形成装置内の雰囲気などの、表保護形成各条件を適宜調整することで、上記範囲に調整することが可能である。
より具体的には、たとえば後述する感光体A−1の製造例では、たとえば保護層への電子線照射出力を上げる、また電子線照射後の加熱処理時の温度を上げることなどにより、ユニバーサル硬さ値(HU)ならびに弾性変形率は上がる傾向にある。ユニバーサル硬さ値(HU)または弾性変形率の一方のみを変化させたい場合は、保護層を構成する樹脂材料の変更や、樹脂材料に添加剤を加えるなど、公知の方法により調整することができる。
感光体を、23℃/50%RHの環境下に24時間放置後、以下の硬度測定をおこなう。圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより連続的硬さが求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を
用いて測定する。圧子としては対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用することができる。具体的には、最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1secの保持時間で273点)測定する。
本発明において、ユニバーサル硬さ値(以下、HUともいう)は、最終荷重6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式により求めることができる。
0.5μm未満の溝は測定の精度や再現性に問題があり、また本件の機能を有しないので溝としてカウントせず、また感光体表面に存在する溝の最大幅は40μm未満であることが好ましい。
なお、本発明において、上記感光体の表面に存在する、溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝における、溝の最大幅を、最大溝幅ともいう。
当該最大溝幅が40μm以上の場合は、クリーニング手段としてクリーニングブレードを有する画像形成装置において、クリーニングブレードの追従性が不十分となりやすく、クリーニング性がやや低下し、現像剤がクリーニングブレードをすり抜ける傾向にある。さらにクリーニング性に劣るために、前述した無機微粉体の溝部への供給の過不足が起こ
り、溝部への選択的な化学的劣化を防止するという本件の効果が小さくなる。
また、感光体の表面に存在する、感光体の母線方向の単位長さ1000μmあたりの、溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝の溝本数(溝本数密度)が20本より小さいと、クリーニング手段としてクリーニングブレードを有する画像形成装置において、通紙枚数の増加によりクリーニングブレードのエッジ部に欠けが生じクリーニング不良となり、画像上に黒スジ画像が発生し易い、又は現像剤成分の固着による融着を生じ、画像上白点画像となって現れる傾向がある。
一方、クリーニングレスの画像形成装置においては、感光体の圧接部に不具合を生じる可能性がある。具体的には、帯電手段の汚れ、現像手段中の現像剤の帯電性劣化、転写手段の傷発生等が挙げられる。
一方、感光体の表面に存在する、感光体の母線方向の単位長さ1000μmあたりの、溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝の溝本数(溝本数密度)が1000本以上の場合は、文字再現性が劣る傾向にあるほか、特に低湿環境下においては現像剤がクリーニングブレードをすり抜けるというクリーニング不良が発生する傾向にある。
なお、感光体の母線方向の単位長さ1000μmあたりの、溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝の溝本数(溝本数密度)は、120本以上720本未満であることが好ましい。
当該総和が800μmを超えると、クリーニング手段としてクリーニングブレードを有する画像形成装置において、感光体表面や現像剤の構成材料、各種プロセス条件にもよるが、感光体とブレード間の現像剤がすり抜け易く、クリーニング不良が発生し易い。一方、上記総和が200μmより小さいと、感光体とブレード間のトルクが上昇し易く、クリーニング不良が発生し易い。
なお、上記単位長さ1000μmあたりの各溝幅W1乃至Wiの総和は、370μm以上720μm以下であることが好ましい。
上記非接触3次元表面測定機の光学顕微鏡部に5倍の二光束干渉対物レンズを装着し、感光体をレンズ下に固定し、表面形状画像をWaveモードでCCDカメラを用いて干渉像を垂直走査させて3次元画像を得る。得られる画像の範囲は1.6mm×1.2mmである。得られた画像を解析し、データとして感光体の母線方向の単位長さ1000μmあたりの溝の本数、溝幅を得る。
また、溝幅、溝本数に関しては、上記非接触3次元表面測定機以外にも市販のレーザー顕微鏡[超深度形状測定顕微鏡VK−8550、VK−9000(株)キーエンス製]、走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000[オリンパス(株)製]、リアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130[レーザーテック(株)製]、デジタルマイクロスコープVHX−100、VH−8000[(株)キーエンス製]等により、感光体の表面画像を得、それを基に画像処理ソフト[たとえばWinROOF(三谷商事(株)製)]を用い溝幅、溝本数を求めることも可能である。
また、3次元非接触形状測定装置[NewView5032(ザイゴ(株)製)]等を用いれば上記非接触3次元表面測定機と同様に測定することが可能である。
(2)粗面化された支持体上に感光層及び/又は保護層を塗布する工程において、支持体の表面形状を感光体表面まで維持させる。
(3)感光層及び/又は保護層を塗布した後、乾燥前あるいは硬化前の流動性のある状態において粗面化する。
上記感光体の表面の粗面化に用いられる、研磨シートを含む研磨機の一例を図1に示す。研磨シート1は中空の軸αに巻かれており、軸αにシートが送られる方向と逆方向に、研磨シート1に張力が与えられるようモータ(不図示)が配置されている。研磨シート1は矢印方向に送られ、ガイドローラ2−1、2−2を介してバックアップローラ3を通り、研磨後のシートはガイドローラ2−3、2−4を介してモータ(不図示)により巻き取り手段5に巻き取られる。感光体4の表面の粗面化は、基本的に未処理の研磨シートが感光体表面に常時圧接され、研磨シートが感光体表面を研磨することで行われる。研磨シート1は基本的には絶縁性であるので、シートの接する部位はアースに接地されたもの、又は導電性を有するものを用いることが好ましい。
これらの中でも、帯電部材としてはローラ型の接触帯電方式が、帯電装置を小型化できる、オゾンの発生が少ない、消費電力が少ない、といった観点からより好ましい。
ローラ型の接触帯電方式を採用する帯電部材は、一般的に、導電性芯金の回りに、弾性を有する中抵抗層を備えた構造をとる。また、当該中抵抗層の中に抵抗を調整する抵抗制御層や、表面層を積層した構成などを取る。上記弾性を有する中抵抗層の材料としては、たとえば、ウレタン、SBR、EVA、SBS、SEBS、SIS、TPO、EPDM、
EPM、NBR、IR、BR、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の樹脂やゴム類などがあり、必要な抵抗値に応じて、カーボンブラック、カーボン繊維、金属酸化物、金属粉、過塩素酸塩等の固体電解質や界面活性剤等の導電性付与剤が添加される。
上記交流電圧の帯電周波数[f]を感光体の体線速[v]で割った値(f/v)が4以下の場合、感光体の周方向の一定距離間における帯電回数が少なくなる傾向にあり、帯電ムラや帯電不足を生じやすい。また、(f/v)が10以上の場合は、放電回数が多くなる傾向にあり、感光体表面樹脂の化学的劣化が大きくなる傾向にあるほか、放電生成物の発生量が多くクリーニングでの除去が困難になりやすく、画像流れや画像濃度低下などの問題が発生しやすい。
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で濾液の電気伝導度が2200μS/cmになるまで洗浄した。該含水酸化チタンスラリーにNaOHを添加して吸着している硫酸根をSO4として0.24質量%になるまで洗浄した。次に該含水酸化チタンスラリーに塩酸を添加してスラリーのpHを1.0としてチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを6.0として上澄み液の電気伝導度が120μS/cmになるまで純水を用いてデカンテーションによって洗浄した。得られた含水酸化チタンをX線回折により調べたところアナターゼ型TiO2のピークのみを示した。
以上のようにして得られた含水率91%のメタチタン酸533g(0.6モル)をSUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した。Sr(OH)2・8H2O(純度95.5%)183.6g(0.66モル)を加え、さらに蒸留水を加えて0.3モル/リットル(SrTiO3換算)、SrO/TiO2モ
ル比1.10のスラリーを調製した。
窒素雰囲気中で該スラリーを90℃まで18[℃/1時間]で昇温して、沸点で2時間反応を行った。反応後40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液を除去し、2.5リットルの純水を加えてデカンテーションを行なうという操作を2回繰り返して洗浄を行った後、ヌッチェでろ過を行った。得られたケーキを110℃の大気中で4時間乾燥した。
上記のようにして得られた、個数平均粒子径が105nmで、形状が立方体状、直方体状のチタン酸ストロンチウムを無機微粉体A−1とした。
無機微粉体A−1の製造において、チタン酸ストロンチウムの反応温度、当該温度までの昇温速度、反応時間、分散液のpHを調整して、表1に示す個数平均粒子径を有する、形状が立方体状、直方体状のペロブスカイト型無機微粉体A−2、3、4、5を作製した。
炭酸ストロンチウム1500gと酸化チタン800gをボールミルにて、8時間湿式混合した後、ろ過乾燥し、この混合物を5kg/cm2の圧力で成形して1300℃で8時間仮焼した。これを、機械粉砕し、コアンダ効果を利用したエルボージェット分級機により、粗粉及び微粉を同時に除去して、個数平均粒子径1010nmのチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)を得、これを無機微粉末(B−1)とした。また高温での焼成工程を経るため無機微粉体Aに比べ、形状は球状に近い多面体状であった。
分級条件を調整して粒径の異なる形状が球状に近い多面体状のチタン酸ストロンチウムB−2、3、4、5を得た。 得られた無機微粉体Bの粒径を表1に示す。
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)600質量部、酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)150質量部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)430質量部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.15質量部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)36質量部、及び2−メトキシ−1−プロパノール500質量部/メタノール500質量部からなる溶液を、約20時間ボールミルで分散し、導電層用塗料を調製した。このようにして調製した導電層用塗料をアルミニウムシリンダ(外径30mm)上に浸漬法によって塗布し、150℃で50分間加熱して硬化させることにより、膜厚が15μmの導電層を形成した。
感光体A−1の製造において、上記構造式(4)の正孔輸送性化合物450質量部を、上記構造式(4)の正孔輸送性化合物300質量部とアクリルモノマー150質量部とした以外は、感光体A−1の製造と同様にして感光体を作製し、感光体A−2を得た。
感光体A−1の製造において、保護層用塗料のポリテトラフルオロエチレン粒子(ダイキン工業製:ルブロンL2)を0質量部とし、n−プロピルアルコールを750質量部とし、上記構造式(4)の正孔輸送性化合物450質量部を、上記構造式(4)の正孔輸送性化合物400質量部とアクリルモノマーを50質量部とし、線量15KGyを7.5KGyにした以外は、感光体A−1と同様にして感光体を作製し、感光体A−3を得た。
感光体A−1の製造において、保護層用塗料のポリテトラフルオロエチレン粒子(ダイキン工業製:ルブロンL2)を300質量部とし、n−プロピルアルコールを700質量部とした以外は、感光体A−1と同様にして感光体を作製し、感光体A−3を得た。
感光体A−1の製造と同様にして、アルミニウムシリンダ上に導電層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を形成した。次に、平均粒径0.02μmのアンチモン含有酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)100質量部、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(信越化学(株)製)30質量部、および、95%エタノール−5%水溶液300質量部を混合した溶液をミリング装置で1時間分散し、分散後の溶液を濾過し、エタノールで洗浄後乾燥し、120℃で1時間加熱することにより、上記アンチモン含有酸化スズ微粒子の表面を処理した。次に、下記構造式(5)で示される構造を有する硬化系アクリルモノマー(光重合性モノマー)25質量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)5質量部、上記表面処理後のアンチモン含有酸化スズ微粒子50質量部、および、エタノール300質量部を、サンドミル装置で96時間分散した後、これにポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)20質量部を加えて、さらにサンドミル装置で8時間分散することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を、電荷輸送層上に浸漬塗布し、10分間50℃で乾燥後、メタルハライドランプにて800mW/cm2の光強度の紫外線を40秒間照射することによって、膜厚が3μmの保護層を形成し、感光体A−5を得た。
感光体A−4の製造において、電子線の線量を5KGyに変更した以外は、感光体A−4の製造と同様にして感光体を作成し、感光体A−6を得た。
感光体A−5の製造において、紫外線の光強度を1000mW/cm2に変更した以外は、感光体A−5の製造と同様にして感光体を作成し、感光体A−7を得た。
作製した感光体A−1を材料に用い、図1に示した装置において、研磨シート(商品名:C−2000(富士写真フィルム(株)製)、研磨砥粒:Si−C(平均粒径:9μm)、基材:ポリエステルフィルム(厚さ:75μm)を用い、研磨シート送りスピード:150mm/min、感光体回転数:50rpm、押し当て圧:3.0N/m2、シート及び感光体の回転方向はカウンター方向、バックアップローラは外径:直径4cm、アスカーC硬度:40のものを用い、150秒間、粗面化を行い、感光体B−1を作製した。なお、感光体は複数本準備し、表面形状測定用と実機耐久検討用を別とした。当該感光体B−1の表面の溝及び表面粗さを測定したところ、感光体の母線方向の単位長さ1000μmあたりに、溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝は350本、最大溝幅は9.5μm、十点平均面粗さ(Rz)は0.60μm、最大表面粗さ(Rmax)は0.69μmであった。
なお、溝の測定は、非接触3次元表面測定機(商品名:マイクロマップ557N、(株)菱化システム製)を用いて以下のように行った。すなわち、上記非接触3次元表面測定
機の光学顕微鏡部に5倍の二光束干渉対物レンズを装着し、感光体をレンズ下に固定し、表面形状画像をWaveモードでCCDカメラを用いて干渉像を垂直走査させて感光体表面の3次元画像を得た。得られた画像の範囲は1.6[mm]×1.2[mm]である。得られた画像において、溝幅、及び、感光体スラスト(母線)方向の単位長さ1000μmあたりに存在する溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝の本数および最大溝幅を解析した。なお溝幅は0.5μm以上のものをカウントし、データは電子写真感光体のスラスト方向3点、各スラスト方向で円周方向4点の計12点で解析を行い12点の平均値を求めた。
一方、表面粗さは、接触式表面粗さ測定機(商品名:サーフコーダSE3500、(株)小坂研究所製)を用いた。検出器:R2[μm]、0.7mNのダイヤモンド針、フィルター:2CR、カットオフ値:0.8mm、測定長さ:2.5mm、送り速さ:0.1mmとし、JIS規格1982で規定される最大表面粗さ(Rmax)及び十点平均面粗さ(Rz)のデータを求めた。感光体のスラスト方向3点、各スラスト方向で円周方向4点の計12点で測定を行いその平均値を求めた。
感光体B−1の製造において、研磨条件を変更し、表3に示す表面性数値パラメータの感光体B−2乃至9、およびB−16乃至19を作製した。
感光体B−1の製造において、材料に感光体A−1のかわりに感光体A−2を用いた以外は、感光体B−1の製造と同様にして感光体を作製し、感光体B−10を得た。
感光体B−1の製造において、材料に感光体A−1のかわりに感光体A−3を用いた以外は、感光体B−1の製造と同様にして感光体を作製し、電子写真感光体B−11を得た。
感光体B−1の製造において、材料に感光体A−1のかわりに感光体A−4を用いた以外は、感光体B−1の製造と同様にして感光体を作製し、電子写真感光体B−12を得た。
感光体B−1の製造において、材料に感光体A−1のかわりに感光体A−5を用いた以外は、感光体B−1の製造と同様にして感光体を作製し、電子写真感光体B−13を得た。
感光体B−1の製造において、材料に感光体A−1のかわりに感光体A−6を用いた以外は、感光体B−1の製造と同様にして感光体を作製し、電子写真感光体B−14を得た。
感光体B−1の製造において、材料に感光体A−1のかわりに感光体A−7を用いた以外は、感光体B−1の製造と同様にして感光体を作製し、電子写真感光体B−15を得た。
ータを表3に示す。
(ハイブリッド樹脂)
(1)ポリエステル樹脂の製造
・テレフタル酸 :6.2mol
・無水ドデセニルコハク酸 :3.7mol
・無水トリメリット酸 :3.3mol
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(PO−BPA) :7.4mol
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(EO−BPA) :3.0mol
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を付し、窒素ガス雰囲気下で215℃まで加熱しながら縮重合反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。
(2)ハイブリッド樹脂の製造
上記ポリエステル樹脂80質量部をキシレン100質量部に溶解・膨潤した。次に、スチレン15質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル5質量部、エステル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.15質量部を添加してキシレンの還流温度まで加熱してポリエステル樹脂のカルボン酸とアクリル酸2−エチルヘキシルとのエステル交換反応を開始した。さらにラジカル重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド1質量部をキシレン30質量部に溶解したキシレン溶液を約1時間かけて滴下した。その温度で6時間保持してラジカル重合反応を終了した。減圧下200℃まで加熱して脱溶剤することによりポリエステル樹脂の水酸基とビニル系重合体ユニットの共重合モノマーであるアクリル酸2
−エチルヘキシルとのエステル交換反応を行い、これにより、ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットがエステル結合して生成したハイブリッド樹脂1を得た。
得られたハイブリッド樹脂1は、酸価が28.5mgKOH/gであり、ガラス転移温度(Tg)が58℃であり、ピーク分子量(Mn)が7400、重量平均分子量(Mw)が45000、Mw/Mnが8.3であり、THF不溶分を約12質量%含有していた。
・上記ハイブリット樹脂1 100質量部
・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 7質量部
(吸熱メインピーク温度:86℃,発熱メインピーク温度:86.5℃)
・荷電制御剤(アゾ系鉄錯体化合物) 2質量部
(保土ヶ谷化学社製、商品名T−77)
・磁性酸化鉄 90質量部
(平均粒径が0.19μm、保磁力が11.2KA/m、残留磁化が10.8Am2/kg、飽和磁化が82.3Am2/kg)
上記混合物を、130℃に加熱された二軸混練機で溶融混練して、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。さらに粉砕工程は、機械式粉砕機(ターボ工業社製)ターボミルT−250型を用い、回転子と固定子の間隙を1.5mmとし、回転子の先端周速を115m/sec、搬送エアー風量を30m3/h、粗砕品供給量を24kg/hとして運転した。
得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均粒径7.8μm、10.1μm以上の粒子が、6.3体積%であるトナー粒子を得た。
このトナー粒子100質量部に対して、1.0質量部の上記無機微粉体B−1、及び1.0質量部の疎水性乾式シリカ(BET比表面積:300m2/g)を、攪拌羽根回転速度1100rpmのヘンシェルミキサーFM500(三井三池社製)により、2分間回転させて停止した。これらに0.5(質量部)の無機微粉体A−1を、追加投入し、さらに2分間回転し、外添し、トナー1を得た。得られたトナーにおいて、無機微粉体Aのトナー粒子からの遊離率α(A)および無機微粉体Bのトナー粒子からの遊離率α(B)を測定した。結果を表5に示す。
表4に示す無機微粉体A−1乃至5、及び無機微粉体B−1乃至5を表4に示す使用量で使用し、表5に示すように外添の混合時間と外添への投入タイミングを変更する以外はトナーの製造例1と同様にして、トナー2乃至18および20乃至23を得た。得られたトナーにおいて、無機微粉体Aのトナー粒子からの遊離率α(A)および無機微粉体Bのトナー粒子からの遊離率α(B)を測定した。結果を表5に示す。
高速攪拌装置クレアミックス(エムテクニック(株)製)を備えた2L用4つ口フラスコ中に、イオン交換水630質量部と、0.1mol/LのNa3PO4水溶液485質量部とを添加し、クレアミックスの回転数を14,000rpmにし65℃に加温した。ここに、1.0mol/LのCaCl2水溶液65質量部を徐々に添加し、さらに10%塩酸を滴下して微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含むpH=5.8の水系分散媒体を調製した。
・スチレン単量体 180質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 20質量部
・カーボンブラック 25質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 1.3質量部
上記材料を、アトライターを用いて5時間分散させたて混合物を調製した後、混合物に
下記の成分を加えて、さらに2時間分散させて、単量体混合物を調製した。
・飽和ポリエステル樹脂
(モノマー組成 プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとテレフタル酸の重縮合物)
(酸価8.8mgKOH/g、ピーク分子量12,500、重量平均分子量19500)
12質量部
・エステルワックス (組成:ベヘン酸ベヘニル,分子量11500) 20質量部
次に、単量体混合物に重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を添加して重合性単量体組成物を調製した後、水系分散媒体中に投入し、内温70℃の窒素雰囲気下、15,000rpmで15分間造粒した。その後、攪拌機をプロペラ攪拌機に交換し、50rpmで攪拌しながら70℃に保ちつつ5時間重合し、さらに内温を80℃に昇温させ5時間重合した。重合終了後、スラリーを冷却し希塩酸を添加して分散剤を除去した。さらに水洗し、乾燥及び分級をおこない、重量平均粒径6.8μmのトナー粒子を得た。
このトナー粒子100質量部に対して、1.0質量部の上記無機微粉体B−1、及び1.0質量部の疎水性乾式シリカ(BET比表面積:300[m2/g])を、攪拌羽根回転速度1000rpmのヘンシェルミキサーFM500(三井三池社製)により、2分間回転させて停止し、0.5質量部の無機微粉体A−1を、追加投入し、さらに2分間回転し、外添させ、トナー19を得た。得られたトナーにおいて、無機微粉体Aのトナー粒子からの遊離率α(A)および無機微粉体Bのトナー粒子からの遊離率α(B)を測定した。結果を表5に示す。
実施例1では上記感光体B−1、上記トナー1を用いた。また、画像形成装置として、キヤノン製レーザービームプリンターMF7240のプロセススピードを230mm/secに改造し、さらに接触ローラ帯電に可変のバイアス電源を取り付けた装置を用い、帯電部材に印加する帯電バイアスとして、直流電圧−720Vに交流電圧を重畳した。交流電圧の波形は正弦波を用い、周波数は1350Hzとし、絶対放電電流値が70μA/cmになるように交流電圧Vppを設定した。
上記絶対放電電流値の算出方法は、まず上述の条件で帯電バイアスを印加した帯電部材と感光体を流れる総電流を測定する。この結果をグラフ化し、放電の起こる領域以下の電圧で一次近似をおこなう。総電流の曲線からフィッティングした直線を差し引くことで絶対放電電流値を求めた。
上述の条件で、15℃/10%RHの環境下で、印字比率6%のチャートを用いて、A4用紙で50万枚の通紙試験をおこない、画像傷の発生有無の確認、画像におけるクリーニング(CLN)性評価、および画像濃度の評価をおこなった。5段階のランク付けをおこない、ランク3以上で合格とした。通紙耐久はプリント1枚毎に1回停止する間欠モードとした。その他の画像欠陥の有無の確認とあわせて評価結果を表6に示す。
また、33℃/90%RHの環境下で、印字比率6%のチャートを用いて、A4用紙で3万枚の通紙試験をおこない、画像流れの発生有無の確認をおこなった。通紙耐久はプリント1枚毎に1回停止する間欠モードとした。評価結果を表6に示す。
ランク5:傷の発生なし
ランク4:ごく軽微な1乃至2本の傷あり
ランク3:軽微な数本の傷あり
ランク2:数本の傷あり
ランク1:全面に傷あり
ランク5:CLN不良なし
ランク4:ごく軽微なCLN不良あり
ランク3:軽微なCLN不良あり
ランク2:部分的にCLN不良あり
ランク1:全面にCLN不良あり
ランク5:反射濃度 1.40以上
ランク4:反射濃度 1.35乃至39以上
ランク3:反射濃度 1.30乃至34以上
ランク2:反射濃度 1.25乃至1.29
ランク1:反射濃度 1.24以下
なお、上記反射濃度の測定は、反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)を用いて、SPIフィルターを使用して、5mm角のベタ黒画像の反射濃度を測定し、5点平均で算出した。
ランク5:画像流れの発生なし
ランク4:ごく軽微な画像流れあり
ランク3:軽微な画像流れあり
ランク2:部分的に画像流れあり
ランク1:全面に画像流れあり
表6に示す組合せで、上記感光体B−1乃至19、上記トナー1乃至23を用いて、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表6に示す。
上記感光体B−1、上記トナー1を用いて、帯電周波数と絶対放電電流値を表7のように変更した他は実施例1と同様に評価をおこなった。評価結果を表7に示す。
2−1 ガイドローラ
2−2 ガイドローラ
2−3 ガイドローラ
2−4 ガイドローラ
3 バックアップローラ
4 感光体
5 巻き取り手段
α 中空の軸
Claims (3)
- 導電性支持体上に感光層を有する感光体を帯電する帯電工程、及び、帯電された感光体に静電潜像を形成し、前記静電潜像に現像剤を転移し可視化する現像工程を有する画像形成方法であって、
前記感光体の表面には、感光体の母線方向の単位長さ1000μmあたりに、溝幅0.5μm以上40.0μm未満の溝が20本以上1000本未満存在し、前記単位長さ1000μmあたりの各溝幅W1乃至Wiの総和[μm]が下記式(1)を満たし、
前記現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子、並びに、個数平均粒子径80nm以上300nm未満である無機微粉体A及び個数平均粒子径500nm以上2000nm未満である無機微粉体Bを含む現像剤であり、
前記無機微粉体Aのトナー粒子からの遊離率α(A)が、20.0質量%以上40.0質量%未満であり、
前記無機微粉体Bのトナー粒子からの遊離率α(B)が、50.0質量%以上75.0質量%未満であることを特徴とする画像形成方法。
- 前記感光体の表面のユニバーサル硬さ値が、150N/mm2以上240N/mm2未満であり、かつ、前記感光体の表面の弾性変形率が、44%以上65%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
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