JP5481952B2 - 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
特に、電荷キャリアの発生や移動といった機能を別々の有機系の光導電性物質に分担させた電子写真感光体(いわゆる機能分離型の電子写真感光体)が高感度化に有効であることから、近年開発の主流となっている。このような機能分離型の電子写真感光体の感光層には、いくつかの層構成が考案されている。中でも、電荷発生層と電荷輸送層とを積層し、電荷発生と電荷輸送の機能を分離した、いわゆる積層型感光層、及び、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有した、いわゆる単層型感光層(例えば、特許文献1〜5参照)が、一般に用いられている。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段6によって転写残りトナー等の付着物の除去を受けて清浄面化される。近年、クリーナレスシステムも研究され、転写残りトナーを直接、現像器等で回収する構成等とされる場合もある。
一方、この単層型感光層を使用した場合は、繰り返し画像形成に用いた際の画像メモリーの発生、並びに、かぶり及び黒点の発生が問題となっていた。特に、この画像メモリーの発生を抑制するためには、繰り返し使用後における暗減衰増大による表面電位の低下を抑えることが重要である。しかしながら、従来技術においては、上記課題の克服という点では、必ずしも満足できるものではなく、更なる改良が必要とされていた。
<1> 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷輸送物質を同一層内に含有する感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の上に保護層を設け、該保護層の体積抵抗率が該感光層の体積抵抗率より小さいことを特徴とする電子写真感光体。
<2> 前記保護層の体積抵抗率が1010〜1015(Ω・cm)であることを特徴とする<1>に記載の電子写真感光体。
<3> <1>または<2>に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする電子写真カートリッジ。
<4> <1>または<2>に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、電荷発生物質及び電荷輸送物質を同一層内に含有する感光層、所謂単層型の感光層を有し、該感光層の上に所定の体積抵抗率を有する保護層を有することを特徴としている。
本発明によれば、感光層の上に所定の保護層を設けることで、帯電能力に優れ、繰り返し画像形成に用いた際の表面電圧の低下を抑制し、目的とするパターン状に高精細に画像形成を行うことが可能な電子写真感光体とすることができる。
以下、本発明の電子写真感光体を構成する各部(導電性支持体、下引き層、感光層、保護層)について説明する。
まず、本発明の感光体に用いられる導電性支持体について説明する。
導電性支持体としては、後述する感光層、保護層を支持し、導電性を示すものであれば、特に限定されない。導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を共存させて導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙等を主として使用する。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでもよい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、金属材料を陽極酸化処理することにより、金属材料表面に陽極酸化被膜が形成される。特に、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は通常100g/l以上、300g/l以下、溶存アルミニウム濃度は通常2g/l以上、15g/l以下、液温は通常15℃以上、30℃以下、電解電圧は通常10V以上、20V以下、電流密度は通常0.5A/dm2以上、2A/dm2以下の範囲内に設定されるのが好ましいが、上記条件に限定されるものではない。
処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり通常1分以上、3分以内で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するために、フッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、または界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に共存させておいてもよい。次いで、水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。
なお、上記導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のために、後述する下引き層を設けてもよい。
次に、本発明の電子写真感光体に用いられる感光層について、以下詳しく説明する。
まず、感光層に用いられる材料について説明する。本発明に用いられる感光層は、電荷輸送物質及び電荷発生物質を含有する単一の層から構成されることが好ましいが、構成成分または組成比の異なる複数の層を重ねたものであってよい。後者の場合でも、感光層中の材料の働きから、単層型感光層という。この際、感光層を構成する層のうちの1以上の層において、電荷輸送物質及び電荷発生物質を同一層内に含有していればよい。
以下、上記感光層に用いられる材料(電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂など)について説明する。
感光層に用いる電荷発生物質としては、例えば、セレン及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料;フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料;などの各種光導電材料が使用できる。中でも、特に有機顔料が好ましく、更に、フタロシアニン顔料、アゾ顔料がより好ましい。
さらに、感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などが生じる場合がある。よって、感光層内の電荷発生物質の量は、通常0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常50重量%以下が好ましく、より好ましくは20重量%以下とする。
本発明の電子写真感光体における感光層には、電荷輸送物質として、任意の公知の電荷輸送物質を1種、または2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物などの電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質などが挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
次に、上記感光層に用いるバインダー樹脂について説明する。上記感光層に用いるバインダー樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体またはその共重合体;ブタジエン樹脂;スチレン樹脂;酢酸ビニル樹脂;塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂;メタクリル酸エステル樹脂;ビニルアルコール樹脂;エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体;ポリビニルブチラール樹脂;ポリビニルホルマール樹脂;部分変性ポリビニルアセタール樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリアミド樹脂;ポリウレタン樹脂;セルロースエステル樹脂;シリコーン−アルキッド樹脂;ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;フェノキシ樹脂;エポキシ樹脂;シリコーン樹脂;及びこれらの部分的架橋硬化物が挙げられる。また上記樹脂は珪素試薬等で修飾されていてもよい。またこれらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることもできる。
本例示は、趣旨を明確にするために行うものであり、本発明の趣旨に反しない限り、例示される構造に限定されるものではない。
上記材料以外にも、感光層中には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。また、感光層には必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や、酸化防止剤、増感剤、染料、顔料、界面活性剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。また、染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物などが挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイルなどが挙げられる。本発明では、これらを適宜、1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
また電子写真感光体表面の摩擦抵抗や摩耗を軽減する目的で、感光層の表面の層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでもよく、これらの樹脂からなる粒子や酸化アルミニウム等の無機化合物の粒子を含有させてもよい。
ここで、本発明においては特に下記の酸化防止剤及び電子吸引性化合物が含有されていることが好ましい。
酸化防止剤は、本発明の電子写真感光体の酸化を防止するために用いられる安定剤の一種である。
酸化防止剤は、ラジカル補足剤としての機能があるものであればよく、具体的には、フェノール誘導体、アミン化合物、ホスホン酸エステル、硫黄化合物、ビタミン、ビタミン誘導体等が挙げられる。
この中でも、フェノール誘導体、アミン化合物、ビタミン等が好ましい。また、嵩高い置換基を、ヒドロキシ基近辺に有する、ヒンダードフェノール、またはトリアルキルアミン誘導体等がより好ましい。
またさらに、ヒドロキシ基のo位にt−ブチル基を有するアリール化合物誘導体、及びヒドロキシ基のo位にt−ブチル基を2つ有するアリール化合物誘導体が特に好ましい。
これらの化合物はゴム、プラスチック、油脂類等の酸化防止剤として知られており、市販品として手に入るものもある。
また、本発明の電子写真感光体中には電子吸引性の化合物を有してもよく、特に感光層に含有することが好ましい。
電子吸引性化合物の例として具体的には、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、有機シアノ化合物、ニトロ化合物、芳香族ハロゲン誘導体等が挙げられ、好ましくは、スルホン酸エステル化合物、有機シアノ化合物であり、特に好ましくはスルホン酸エステル化合物である。上記電子吸引性化合物は1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
次に、感光層の形成方法について説明する。上記感光層の形成方法は特に限定されないが、例えば、電荷輸送物質、バインダー樹脂、及びその他の物質を溶媒(または分散媒)に溶解(または分散)した塗布液中に上記電荷発生物質を分散させ、導電性支持体上(後述する下引き層等の中間層を設ける場合は、これらの中間層上)に塗布することにより形成することができる。
以下、感光層の形成に用いられる溶媒または分散媒、及び塗布方法を説明する。
感光層の形成に用いられる溶媒または分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類;アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意の比率及び組み合わせで併用して用いてもよい。
感光層を形成するための塗布液の塗布方法としては、例えば、スプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等が挙げられる。
また、塗布液または分散液の粘度を好ましくは50mPa・s以上、より好ましくは100mPa・s以上とする。また、好ましくは700mPa・s以下、より好ましくは500mPa・s以下とする。これにより膜厚の均一性に優れた感光層とすることができる。
なお、体積抵抗率の測定方法としては、後述する実施例欄に記載するように、公知の装置(例えば、株式会社ダイヤインスツルメンツのハイレスタ−UP(MCP−450))を用い、温度25℃、相対湿度50%の環境下、印加電圧100V(1分間)で測定することにより求めることができる。
次に、本発明の感光体に用いられる保護層について説明する。本発明で使用される保護層は、上記の感光層上に形成され、その体積抵抗率は感光層の体積抵抗率より小さく、1010〜1015(Ω・cm)であることが好ましい。
保護層に使用される材料としては、保護層が感光層との間で所定の体積抵抗率を示せば、特に限定されない。なかでも、機械的強度に優れ、体積抵抗率を制御しやすく、かつ、膜形成が容易な点で、バインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含む保護層であることが好ましい。
以下、上記保護層に用いられる好適な材料(バインダー樹脂、金属酸化物粒子)について説明する。
本発明の保護層に用いられるバインダー樹脂としては、特に限定されず、水又は有機溶剤に可溶であれば好ましい。
このようなバインダー樹脂としては、例えば、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独または硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド樹脂が好ましい。
ポリアミド樹脂としては、例えば、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等を共重合させた、いわゆる共重合ナイロンや、N−アルコキシメチル変性ナイロンのようにナイロンを化学的に変性させたタイプなどのアルコール可溶性ナイロン樹脂が挙げられる。具体的な商品名としては、例えば「CM4000」「CM8000」(以上、東レ製)、「F−30K」「MF−30」「EF−30T」(以上、ナガセケムテック製)等があげられる。
これらのポリアミド樹脂の中でも、下記式(3)で表されるジアミンを構成成分として含む共重合ポリアミド樹脂が、環境安定性が良好であるため特に好ましく用いられる。
R4〜R7で表される有機置換基としては、炭素数20以下の、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基が好ましく、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等のアリール基があげられ、更に好ましくはアルキル基、またはアルコキシ基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基である。
共重合ポリアミドの製造方法には特に制限はなく、通常のポリアミドの重縮合方法が適宜適用され、溶融重合法、溶液重合法、界面重合法等が用いられる。また重合に際して、酢酸や安息香酸等の一塩基酸、あるいは、ヘキシルアミン、アニリン等の一酸塩基を、分子量調節剤として加えてもよい。
また、亜リン酸ソーダ、次亜リン酸ソーダ、亜リン酸、次亜リン酸やヒンダードフェノールに代表される熱安定剤やその他の重合添加剤を加えることも可能である。
本発明の保護層には金属酸化物粒子が含まれていてもよい。
金属酸化物粒子としては、通常、電子写真感光体に使用可能な如何なる金属酸化物粒子も使用することができる。金属酸化物粒子として、より具体的には、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。これらの中でもバンドギャップが2〜4eVの金属酸化物粒子が好ましい。金属酸化物粒子は、一種類の粒子のみを用いてもよいし、複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中でも、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、および酸化亜鉛が好ましく、より好ましくは酸化チタンおよび酸化アルミニウムである、特には酸化チタンが好ましい。
また、酸化珪素粒子の具体的な商品名としては、「200CF」、「R972」(日本アエロジル社製)、「KEP−30」(日本触媒株式会社製)等が挙げられる。
また、酸化スズ粒子の具体的な商品名としては、「SN−100P」(石原産業株式会社製)等が挙げられる。
酸化亜鉛粒子の具体的な商品名としては「MZ−305S」(テイカ株式会社製)が挙げられるが、本発明において使用可能な金属酸化物粒子は、これらに限定されるものではない。
次に、保護層の形成方法について説明する。上記保護層の形成方法は特に限定されないが、例えば、バインダー樹脂、金属酸化物粒子、及びその他の物質を溶媒(または分散媒)に溶解(または分散)した塗布液を、感光層上に塗布することにより形成することができる。
以下、保護層の形成に用いられる溶媒または分散媒、及び塗布方法を説明する。
本発明の保護層形成用塗布液に用いる有機溶媒としては、本発明に係る保護層用のバインダー樹脂を溶解することができる有機溶媒で、且つ、感光層を侵さないものであれば、どのようなものでも使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールまたはノルマルプロピルアルコール等の炭素数5以下のアルコール類;クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド等の含窒素有機溶媒類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらの中から任意の組み合わせ及び任意の割合の混合溶媒を用いることもできる。また、単独では本発明に係る保護層用のバインダー樹脂を溶解しない有機溶媒であっても、例えば、上記の有機溶媒との混合溶媒とすることで該バインダー樹脂を溶解可能であれば、使用することができる。一般に、混合溶媒を用いた方が塗布ムラを少なくすることができる。
本発明の保護層形成用塗布液に用いる有機溶媒と、バインダー樹脂、金属酸化物粒子などの固形分の量比は、保護層形成用塗布液の塗布方法により異なり、適用する塗布方法において均一な塗膜が形成されるように適宜変更して用いればよい。
保護層を形成するための塗布液の塗布方法は特に限定されず、例えば、スプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等が挙げられる。感光層を侵さない方法であれば、塗布方法は問わない。
また、保護層と感光層との体積低効率の対数の差(log(感光層の体積低効率)−log(保護層の体積低効率))は、画像メモリーの発生、ならびに、かぶりおよび黒点の発生が抑制される点で、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。一方で上記の差が大きすぎると電荷保持量力が低下するため、上限としては、7以下が好ましく、5以下がより好ましく、特にかぶり・黒点の発生抑制の点から3以下がさらに好ましい。
なお、体積抵抗率の測定方法としては、後述する実施例欄に記載するように、公知の装置(例えば、株式会社ダイヤインスツルメンツのハイレスタ−UP(MCP−450))を用い、温度25℃、相対湿度50%の環境で、印加電圧100V(1分間)で測定することにより求めることができる。
本発明の電子写真感光体は、上記感光層と導電性支持体との間に下引き層を有していてもよい。
下引き層としては、例えば、樹脂、樹脂に有機顔料や金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。下引き層に用いる有機顔料の例としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などが挙げられる。中でも、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、具体的には、前述した電荷発生物質として用いる場合のフタロシアニン顔料やアゾ顔料が挙げられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。下引き層には、上記1種類の粒子のみを用いてもよく、複数の種類の粒子を任意の比率及び組み合わせで混合して用いてもよい。
また本発明の電子写真感光体は、上述した導電性支持体、感光層、保護層及び下引き層以外に必要に応じて適宜他の層を有していてもよい。
本発明の電子写真感光体が用いられる画像形成装置の種類等は特に限定されず、公知の画像形成装置に適用することが可能である。感光層の露光波長は特に限定されず通常、波長700nm以上、800nm以下の単色光や、波長600nm以上、700nm以下のやや短波長よりの単色光、波長380nm以上、600nm以下の短波長の単色光とすることができる。これらの中でも特に、露光光の口径を小さくする場合には、波長380nm以上、600nm以下の短波長とすることが好ましく、より好ましくは波長500nm以下とすることが好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体が用いられる画像形成装置について説明する。本発明における画像形成装置は、上述した電子写真感光体を備えるものであれば、その構成は特に限定されない。
上記電子写真感光体を備えた画像形成装置は、電子写真感光体を繰り返し画像形成に用いた場合であっても、表面電位の低下が少なく、目的とするパターン状に高精細に画像形成を行なうことが可能である。
図1に示すように、画像形成装置100は、電子写真感光体1、帯電手段2、像露光手段3、現像手段4、及び転写手段5を備え、必要に応じてクリーニング手段6及び定着手段7が設けられる。
以下、画像形成装置の各構成について説明する。
上記画像形成装置における電子写真感光体としては、上述した「電子写真感光体」で説明したものとすることができる。図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電手段2、像露光手段3、現像手段4、転写手段5、及びクリーニング手段6がそれぞれ配置されている。
帯電手段2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させることが可能なものであれば特に限定されない。図1では帯電手段2の一例としてローラ型の帯電手段(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電手段、帯電ブラシ等の接触型帯電手段などがよく用いられる。接触型帯電手段の材料としては、導電性を付与した弾性体が一般的である。
像露光手段3は、電子写真感光体1に、例えば波長700nm以上、800nm以下の単色光や、波長600nm以上、700nm以下のやや短波長よりの単色光、波長380nm以上、600nm以下の短波長の単色光を照射して像露光を行ない、電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようなものであってよい。
現像手段4は、上記電子写真感光体1上に形成された前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成することが可能なものであれば、その種類に特に制限はない。例えば、カスケード現像、磁性一成分接触現像、磁性一成分非接触現像、非磁性一成分接触現像、非磁性一成分非接触現像、磁性二成分接触現像、磁性二成分非接触現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の手段を用いることができる。また導電性トナーを用いてもよい。図1では、現像手段4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。
また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像手段4に付帯させる構成としてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能となるように構成される。
転写手段5は、上記電子写真感光体1上に形成されたトナー像を被転写体に転写することが可能なものであれば、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた手段とすることができる。例えば、転写手段5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとすることができる。この転写手段5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を被転写体(記録紙)Pに転写する。
クリーニング手段6は、電子写真感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。その種類に特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング手段を用いることができる。但し、クリーニング手段6、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング手段6は無くても構わない。
定着手段7は、例えば、上部定着部材(加圧ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成されるもの等とすることができ、通常、定着部材71または72の内部には加熱装置73が通常備えられる。図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71、72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71、72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着手段についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着手段を設けることができる。
除電手段としては、上記電子写真感光体の除電を行うことが可能な手段であれば特に限定されるものではない。除電方法としては、通常、蛍光灯、LED等を用いて電子写真感光体にエネルギーを照射する方法が挙げられる。なお上記除電工程で用いる光は、強度としては像露光の際の露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
次に、上記電子写真感光体を用いた電子写真カートリッジについて説明する。電子写真カートリッジは、上述した電子写真感光体を備えるものであれば、その構成等は特に限定されるものではない。例えば、上記電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段、電子写真感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段、電子写真感光体上のトナー像を被転写体に転写する転写手段、トナー像の転写後に電子写真感光体上に残留する電荷を除去する除電手段、及び、トナー像の転写後に電子写真感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段のうちの少なくとも一つとを備えるものとすることができる。
上記画像形成装置に用いられるトナーは、どのような方法で製造されるものであっても構わないが、水系媒体中で製造されたトナー粒子、いわゆる重合法トナーが好ましい。重合法トナーとしては、懸濁重合法トナー、乳化重合凝集法トナーが挙げられる。特に、乳化重合凝集法は、液状媒体中でポリマー樹脂微粒子と着色剤とを凝集させてトナーを製造する方法であり、凝集条件を制御することによってトナーの粒径および円形度を調整することができるので好ましい。また、離型性、低温定着性、高温オフセット性、耐フィルミング性などを改良するためにトナーに低軟化点物質(いわゆるワックス)を含有させる方法が提案されている。溶融混練粉砕法では、トナーに含まれるワックスの量を増やすのは難しく、バインダー樹脂に対して5%程度が限界とされている。それに対して、重合トナーでは、例えば特開昭59−194393号公報や、特開平03−194560号公報に記載のごとく、低軟化点物質を多量(5〜30重量%)に含有することを特徴としている。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、通常、重合工程、凝集工程、融合工程、洗浄・乾燥工程を有する。すなわち、一般的には乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、必要に応じ、着色剤、ワックス、帯電制御剤等の分散液を混合し、この分散液中に凝集剤を加えて一次粒子を凝集させて粒子凝集体とし、必要に応じて微粒子等を付着する操作を行い、その後に融合させて得られた粒子を洗浄、乾燥することにより母粒子が得られる。
乳化重合凝集法で実施される各工程で使用される材料について詳述する。
乳化重合凝集法で使用されるバインダー樹脂の微粒子(重合体一次粒子)としては、特に限定されないが、液状媒体中で重合性単量体を、懸濁重合法、乳化重合法等により重合させて得られる微粒子が好ましく、重合法、特に乳化重合法、なかでも乳化重合におけるシードとしてワックスを用いたものが好ましい。なお、バインダー樹脂を粉砕することによって得られる微粒子を、重合体一次粒子として使用してもよい。
乳化重合におけるシードとしてワックスを用いると、バインダー樹脂がワックスを包み込んだ形状の微粒子を製造することができる。この方法によればワックスをトナーの表面に露出させずに含有させることができるので、ワックス粒子による顔料粒子の付着阻害がない。また、トナーの帯電性を損なうこともなく、かつトナーの低温定着性や高温オフセット性、耐フィルミング性、離型性等を向上させることができる。
乳化重合法としては、従来より知られている方法に従って行えばよい。通常は、ワックスを乳化剤の存在下で液状媒体に分散してワックス微粒子とし、これに重合開始剤、重合によりバインダー樹脂を与える重合性単量体、すなわち重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物、及び、必要に応じて連鎖移動剤、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤、保護コロイド、内添剤等を共存させて、攪拌して重合を行うことにより、重合体がワックスを包み込んだ形状をもつバインダー樹脂微粒子が液状媒体に分散したエマルジョンを得ることができる。重合体がワックスを包み込んだ形状としては、コアシェル型、相分離型、オクルージョン型などが挙げられるが、コアシェル型が好ましい。
ワックスとしては、この用途に用い得ることが知られている任意のものを用いることができる。具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;アルキル基を有するシリコーンワックス;低分子量ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系ワックス;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン類;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸より得られるエステル類または部分エステル類;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が挙げられる。なかでも、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークを50〜100℃に少なくとも1つ有するものが好ましい。
重合性単量体としては、特に限定されないが、スチレン類、(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド類、ブレンステッド酸性基を有する単量体(以下、単に「酸性モノマー」と略記することがある)、ブレンステッド塩基性基を有する単量体(以下、単に「塩基性モノマー」と略記することがある)等の単官能性モノマーが主として用いられる。また、単官能性のモノマーに多官能性のモノマーを併用することもできる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
アクリルアミド類としては、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等が挙げられる。
これらの重合性単量体は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
塩基性モノマーとしては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の含窒素複素環含有モノマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。酸性モノマー及び塩基性モノマーは、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。
使用される重合開始剤としては、特に限定されないが、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物類、過酸化水素等の無機過酸化物類等が挙げられる。中でも無機過酸化物類が好ましい。これらは1種でも、2種以上を併用してもよい。
これらは、重合性単量体100重量部に対して、通常0.05〜2重量部の割合で用いられる。
使用される乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性のいずれの界面活性剤も用いることができる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン等のアルキルベタイン類等が挙げられる。
これらの中でも、非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤が好ましい。乳化剤は1種でも、2種以上を併用してもよい。
乳化剤は、重合性モノマー100重量部に対して、通常1〜10重量部の割合で用いられる。
連鎖移動剤としては、公知の任意のものを使用することができる。具体的には、t―ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等が挙げられる。これらは1種でも、2種類以上を併用してもよい。連鎖移動剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常5重量部以下の割合で用いられる。
保護コロイドとしては、この用途に用い得ることが知られている任意のものを使用することができ、具体的には、部分または完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等などが挙げられる。
内添剤としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワニス、フッ素系オイル等のトナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等を改質するためのものが挙げられる。
バインダー樹脂の微粒子としては、1種類を用いても、異なる原料や反応条件で製造した2種以上を併用してもよい。
上記方法で得られたバインダー樹脂(重合体一次粒子)としては、体積平均粒径が通常0.02μm以上のものを用いることが好ましい。体積平均粒径が0.05μm以上、更には0.1μm以上のものを用いるのがより好ましい。また、その上限は通常3μm以下であることが好ましく、2μm以下、更には1μm以下のものがより好ましい。体積平均粒径が小さすぎると、凝集速度の制御が困難となる場合がある。また、体積平均粒径が大きすぎると、凝集して得られるトナーの粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。なお、体積平均粒径は、後述する動的光散乱法を用いた粒度分析計で測定することができる。
数平均分子量、重量平均分子量の少なくとも一方、好ましくは双方が上記範囲のスチレン系樹脂を用いたトナーは、耐久性、保存性、定着性が良好である。さらに分子量分布において、メインピークが2つあるものでもよい。なお、スチレン系樹脂とは、好ましくはスチレン類が50重量%以上、さらに好ましくは65重量%以上を占めるものを指す。
凝集工程は、主に、上記工程で作製したバインダー樹脂の微粒子が分散したエマルジョンに、顔料粒子のなどの着色剤粒子の水系分散体を加えて凝集させ、バインダー樹脂、顔料を含む凝集体のエマルジョンを得る工程である。その際には、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、内添剤等を共存させてもよい。顔料粒子分散体の安定性を保持するために、上記乳化剤を加えてもよい。
まず、以下に凝集工程で使用される材料(着色剤粒子、帯電制御剤など)について詳述する。
着色剤粒子は、乳化重合凝集法における重合体一次粒子(樹脂粒子として約1.1〜1.3g/cm3)との密度差が小さい方が均一な凝集状態が得られ、結果として得られるトナーの性能が向上する。よって、JIS K 5101−11−1:2004に規定されるピクノメーター法で測定される着色剤粒子の真密度が2.0g/cm3未満であるのが好ましく、1.2〜1.9g/cm3であるのがより好ましく、1.3〜1.8g/cm3であるのが特に好ましい。真密度が大きすぎる場合は、特に水系媒体中での沈降性が悪化する傾向にある。加えて、保存性、昇華性等も考慮すると、着色剤はカーボンブラックあるいは有機顔料であるのが好ましい。
このうち、黒色顔料としてカーボンブラックは、非常に微細な一次粒子の凝集体として存在し、顔料分散体として分散させたときに、再凝集による粒子の粗大化が発生しやすい。本発明者らの検討によると、カーボンブラック粒子の再凝集の程度は、カーボンブラック中に含まれる不純物量(未分解有機物量の残留程度)の大小と相関が見られ、不純物が多いと分散後の再凝集による粗大化が激しい傾向を示した。そして、不純物量の定量的な評価として、以下の方法で測定されるカーボンブラックのトルエン抽出物の紫外線吸光度が0.05以下であるのが好ましく、0.03以下であるのが一層好ましい。一般に、チャンネル法のカーボンブラックは不純物が多い傾向を示すので、本発明におけるカーボンブラックとしては、ファーネス法で製造されたものが好ましい。
着色剤分散液に占める着色剤の割合は、通常10〜50重量%である。
・アトライター:湿式分散媒、被粉砕物をタンクに入れ、3〜15mm程度のメディアビーズを入れアルミナ製などのアジテータアームで強制的に撹拌して摩砕する方式。
・サンドミル:湿式分散媒と被粉砕物をプレミックスしたものに1〜5mm程度のメデイアビーズを加えた後、サンドディスクを浸漬して規定速度で回転・機動させる方式。
・ビーズミル(アニュラー型):容器のロータとステータの間に1〜3mm程度のメディアビーズを充填し、ロータを高速回転させることでビーズ間に流動速度差を与えることで発生するずり応力、剪断力、摩擦などによって粉砕分散を行う方式。
測定上限 :6.54μm
測定下限 :0.0008μm
チャンネル数:52
測定時間 :100sec.
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 :N/A(適用しない)
粒子形状 :非球形
密度(g/cm3):1
分散媒種類 :WATER
分散媒屈折率:1.333
なお、ワックス分散液、重合体分散液についても上記と同様の方法で粒度分布を測定することができる。
また、バインダー樹脂に対する顔料の量の割合は、通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上であり、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。
帯電制御剤は、必要に応じて使用され、この用途に用いられ得ることが知られている任意のものを使用できる。正荷電性帯電制御剤としては、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などが挙げられる。負荷電性帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、Fe、B等の原子を含有するアゾ錯化合物染料、サリチル酸若しくはアルキルサリチル酸の金属塩または金属錯体、カーリックスアレン化合物、ベンジル酸の金属塩または金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物等などが挙げられる。中でも、トナーとしての色調障害を回避するため無色ないしは淡色のものを選択することが好ましく、特に正荷電性帯電制御剤としては4級アンモニウム塩、イミダゾール系化合物が好ましく、負荷電性帯電制御剤としてはCr、Co、Al、Fe、B等の原子を含有するアルキルサリチル酸錯化合物、カーリックスアレン化合物が好ましい。帯電制御剤は1種でも2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤の割合は、バインダー樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、また好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
なお、本発明における乳化重合凝集法においては、帯電制御剤も水系媒体に乳化した状態として、凝集時に加えることが好ましい。
本発明におけるエマルジョンの凝集方法としては、加熱処理を施す、電解質を混合する、pHを調整する等の方法が挙げられる。なかでも、電解質を混合する方法が好ましい。
電解質をエルマジョンに添加・混合して、凝集を行う場合の電解質としては、NaCl、KCl、LiCl、MgCl2、CaCl2等の塩化物、Na2SO4、K2SO4、Li2SO4、MgSO4、CaSO4、ZnSO4、Al2(SO4)3、Fe2(SO4)3等の硫酸塩などの無機塩、CH3COONa、C6H5SO3Na等の有機塩が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
得られた凝集粒子は、そのまま次工程の樹脂被覆層を形成する工程(カプセル化工程とも称する)に進んでもよいし、引き続き液状媒体中で加熱による融合処理を行った後に、カプセル化工程に進んでもよい。好ましくは、上記の凝集工程の後に、カプセル化工程を行い、その後凝集一次粒子とカプセル化樹脂微粒子を合わせて、カプセル化樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度で加熱して融合工程を行うのが、工程を簡略化でき、トナーの性能劣化(熱劣化など)を生じないので好ましい。
樹脂被覆層を形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、スプレードライ法、機械式粒子複合法、in−situ重合法、液中粒子被覆法等が挙げられる。
上記スプレードライ法により樹脂被覆層を形成する方法は、例えば、内層を形成する凝集粒子と樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子とを水媒体中に分散して分散液を作製し、分散液をスプレー噴出し、乾燥することによって、凝集粒子表面に樹脂被覆層を形成する方法である。
機械式粒子複合法により樹脂被覆層を形成する方法は、例えば、内層を形成する凝集粒子と樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子とを気相中に分散させ、狭い間隙で機械的な力を加えて凝集粒子表面に樹脂微粒子を成膜化する方法である。例えば、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)などの装置が使用できる。
上記液中粒子被覆法は、内層を形成する凝集粒子と外層を形成する樹脂微粒子とを、水媒体中で反応または結合させ、内層を形成する凝集粒子の表面に樹脂被覆層を形成する方法である。
樹脂微粒子の使用量としては、トナー粒子に対して通常1重量%以上が好ましく、より好ましくは5重量%以上であり、通常50重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以下である。樹脂微粒子とは、トナー粒子よりも粒径が小さく樹脂成分を主体とする粒子を意味し、固着または融合を効果的に行うために、粒径0.04〜1μm程度のものが好ましく用いられる。
上記樹脂被覆層形成の後の融合工程では、樹脂被覆層を形成する重合体成分のガラス転移点以上の温度で加熱処理することにより、凝集体を構成するバインダー樹脂及びその表面の樹脂被覆層の融合一体化がなされ、球形に近いトナー粒子を得ることができる。これにより、顔料粒子は実質的に表面に露出しない形態が得られる。
本発明に用いられるトナー粒子において、水性媒体中で凝集粒子の表面に樹脂被覆層を形成させて製造する場合には、該カプセル化トナー粒子の水性分散液を脱水し、乾燥して粉体状の樹脂被覆トナー粒子を得て、本発明に用いられるトナーとすることができる。
本発明に用いられるトナー粒子の体積平均粒径Dvは、好ましくは4μm以上、より好ましくは5μm以上であり、また好ましくは10μm以下、より好ましくは8μmである。また、得られるトナーの体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値(Dv/Dn)が、1.0以上であることが好ましい。また1.25以下が好ましく、より好ましくは1.20以下、特に1.15以下であれば更に好ましい。Dv/Dnの値は、粒度分布の状態を表し、この値が1.0に近い方ほど粒度分布がシャープであることを表し、トナーの帯電性が均一となるので望ましい。
粒径25μm以上のトナーの体積分率は1%以下が好ましく、特に0.5%以下であるのがより好ましい。この値は小さいほど好ましく、0.1%以下、更には0.05%以下であるのが好ましい。これは、トナーに含まれる粗粉の割合が少ないことを意味しており、粗粉が少ないと、連続現像の際のトナーの消費量が少なく、画質が安定するので好ましい。粒径25μm以上の粗粉は全く存在しないのが好ましいが、実際の製造上は困難であり、通常は0.005%以下にする必要はない。
また、粒径5μm以下のトナーの個数分率は15%以下が好ましく、特に10%以下であることが、画像カブリの改善に効果があるのでより好ましい。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理した時の粒子像の周囲長を示す。〕
具体的な測定方法としては、予め容器中の不純物を除去した水20ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加え、更に測定試料を0.05g程度加える。試料を分散した懸濁液に超音波を30秒照射し、分散液濃度を3.0〜8.0千個/μlとして、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上160μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
トナーの軟化点、ガラス転移点の測定は、上述のバインダー樹脂の測定方法に準ずる。
トナーの流動性、帯電安定性、高温下での耐ブロッキング性などを向上させるために、トナー粒子表面に外添微粒子を添着させてもよい。
外添微粒子としては、この用途に用い得ることが知られている公知のものが使用でき、具体的には、無機微粒子、有機微粒子などが挙げられる。
これら外添微粒子の中では、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、カーボンブラック等が好適に使用される。外添微粒子は1種でも、2種以上を併用してもよい。
外添微粒子の数平均粒径は、通常0.001μm以上、好ましくは0.005μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。異なる平均粒径のものを複数配合してもよい。外添微粒子の平均粒径は電子顕微鏡観察やBET比表面積の値からの換算等により求めることができる。
トナーに占める外添微粒子の割合は、0.1重量%以上が好ましい。0.3重量%以上、更には0.5重量%以上であればより好ましい。また上限は、10重量%以下であるのが好ましく、6重量%以下、更には4重量%以下であればなお好ましい。
トナーは、一成分現像剤として用いることも、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることも可能である。
電子写真方式によるフルカラー画像の形成は、マゼンタ、シアン、イエローの各カラートナーおよび必要に応じてブラックトナーを用いて常法により実施することができる。
下引き層分散液Aは、次のようにして製造した。CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すことを特徴とする、オキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部を混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行った。続いて、この微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部の混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び、230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して下引き層形成用分散液Aを調製した。
保護層形成用分散液は次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入した。回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、特開平4−31870号公報の実施例に記載された、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットを、加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた。その後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水化処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の保護層形成用分散液を作製した。
・顔料分散液
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すことを特徴とする、オキシチタニウムフタロシアニン7部、下記構造式で表されるペリレン化合物10.5部、及びトルエン227部をサンドグラインドミル中で1時間分散し、得られた分散液をトルエンで希釈して固形分濃度5重量%の顔料分散液を調整した。
下記繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量、約4万)105部、下記構造式で表されるヒドラゾン化合物63部、下記構造式で表されるアミン化合物1部、下記構造式で表されるフェノール化合物17部、シリコーンオイル(信越化学株式会社製シリコーンオイルKF96)0.03部、およびトルエン494部を混合し、電荷輸送物質溶液を調製した。
[実施例1]
アルミニウム製押出管をしごき形成して作製した、外径30mm、長さ244mm、厚さ0.75mmのアルミニウム製しごき管を、下引き層用分散液Aに浸漬塗布し、その乾燥膜厚が1.25μmとなるように下引き層を設けた。
次に、先に下引き層を設けたアルミニウム製シリンダーを、感光層形成用塗布液に浸漬塗布し、その乾燥膜厚が25μmとなるように感光層を設けた。さらに、該感光層の上に保護層として上記保護層形成用分散液を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が0.5μmとなるように保護層を設け、電子写真感光体1を作製した。
実施例1において保護層の膜厚を1.0μmとした以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体2を作製した。
実施例1において保護層形成用塗布液の組成を疎水化処理酸化チタンと共重合ナイロンの重量比を4/1とした以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体3を作製した。
実施例1において用いた感光層に保護層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体4を作製した。
実施例1〜3および比較例で用いた感光層形成用塗布液及び保護層形成用塗布液をそれぞれアルミシートに約15μm塗布、乾燥させたものについて、株式会社ダイヤインスツルメンツのハイレスタ−UP(MCP−450)を用い、温度25℃、相対湿度50%の環境で電圧100Vを1分間印加し体積抵抗率を測定した。結果を以下の表1に示す。
電子写真感光体1〜4を、電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に搭載して電気特性試験を行なった。電子写真感光体を30rpmの一定速度で回転させ、帯電にはスコロトロン帯電手段を用いて、感光体の初期表面電位が+700Vになるようにグリッド電圧を調整し、除電光として660nmの単色光を9.0μJ/cm2で露光した。この条件下で帯電と除電とを3000回繰り返し、その後に同条件のままで再度帯電させて電子写真感光体の表面電位を測定して、繰り返し後の初期表面電位(V0)とした。また、繰り返し後の初期表面電位を帯電させた後、暗所で5秒間放置した後の表面電位(V1)を測定し、その電位の初期表面電位に対する比率を百分率で表したものを電荷保持率(V1/V0)とした。測定は、温度25℃、相対湿度50%の環境で行なった。結果を下記表1に示す。
(画像メモリー評価)
電子写真感光体1〜4をそれぞれブラザー工業株式会社製モノクロレーザープリンター(製品名:HL−5040)に搭載し、トナー(商品名:TN−36J)を用いて非磁性一成分現像にて画像特性試験を行なった。画像特性試験は、A4用紙の紙送り方向に対して、先頭側三分の一のエリア中央に6cm×3cmのベタ黒画像を、後方側三分の二のエリア全面にハーフトーン画像を印字するテスト画像を1000枚印刷することで行なった。A4用紙の紙送り方向に対して後方側三分の二のエリアに印字したハーフトーン画像内に、黒ベタ画像に由来する画像メモリーが観察されるかを目視で判別した。
(かぶり・黒点評価)
上記評価後に白地画像を印字するテスト画像を印刷し、目視でかぶり・黒点がないかを観察した。
“画像メモリー”、並びに、“かぶり及び黒点”に関する評価基準は以下の通りである。
A:画像内にかぶり及び黒点が見られない。
B:画像内にかぶり又は黒点がわずかに見られるが、実用上問題ない。
C:画像内にかぶり又は黒点がはっきり見られ、実用上問題がある。
上記「耐刷後の画像(画像メモリー)」評価は以下のような基準で行った。
A:画像内に画像メモリーが見られない。
B:画像内に画像メモリーがわずかに見られるが、実用上問題ない。
C:画像内に画像メモリーがはっきり見られ、実用上問題がある。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
100 画像形成装置
T トナー
P 被転写体
Claims (4)
- 導電性支持体上に電荷発生物質、電子吸引性物質及び電子供与性物質を同一層内に含有する感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂を含有し、該感光層の上に保護層を設け、該保護層の体積抵抗率が該感光層の体積抵抗率より小さいことを特徴とする電子写真感光体。
- 前記保護層の体積抵抗率が1010〜1015(Ω・cm)であり、前記保護層の膜厚が0.5μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1または2に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする電子写真カートリッジ。
- 請求項1または2に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
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JP2009141056A JP5481952B2 (ja) | 2009-06-12 | 2009-06-12 | 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 |
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JP2009141056A JP5481952B2 (ja) | 2009-06-12 | 2009-06-12 | 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 |
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-
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