JP2005300604A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御を可能とした画像形成装置を提供すること。また、従来では必要であった電圧制御機構を不要にすること。
【解決手段】プロセス速度を切り替えることが可能で、感光体1に接触または近接して配置した帯電ローラ2により感光体1を帯電させる方式の画像形成装置において、帯電ローラ2を次のような構成とした。帯電ローラ2は、導電性支持体2a上に被覆層として弾性層2b・抵抗層2cが形成されるとともに、この帯電ローラ2の電流の時定数τは、0.01秒以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、帯電部材を感光体に接触または近接させて、その表面を帯電させるようにした画像形成装置に関する。
従来、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式の画像形成装置の帯電器には、ワイヤーとケースを用いたコロトロン帯電器や、ワイヤーとケースさらにグリッド電極を用いて感光体の表面電位を安定させるスコロトロン帯電器が多く用いられてきた。特に、スコロトロン帯電器は、ワイヤーと感光体表面の間に配置されたグリッドを用いることによって、感光体の表面電位を安定して制御できるという利点があり、帯電器として幅広く用いられてきた。
しかし、これらの帯電器には、高電圧を印加する必要があり、オゾン発生量が多いという欠点がある。このような欠点を解消すべく、近年、帯電部材を感光体に接触もしくは近接させる帯電器が開発されてきた。接触ローラ帯電器、非接触ローラ帯電器、ブラシ帯電器、磁気ブラシ帯電器等がそれである。これらの帯電器は、一部の注入帯電方式のものを除いて、微小空隙放電による帯電方式を利用している。そして、これらの帯電器は、スコロトロン帯電器の欠点であった高圧電源の問題、オゾンの問題を解決可能な帯電器として現在の主流の帯電器となってきている。ところが、従来のスコロトロン帯電器と比較すると、帯電の均一性についてやや劣り、感光体リークが起こりやすいという欠点があった。
感光体リークは、感光体の光導電層の欠陥、あるいは、感光体の基体表面の異物の付着、汚れ、微細な穴等の欠陥があると、その部分に帯電部材から電流が集中して流れることによって起こる。この感光体リークが要因となって、黒点または白点状のスポット欠陥が引き起こされ、著しい場合には、帯電器自体の帯電能の低減や、感光体の軸方向全体に及ぶ帯電不良をきたしていた。このような感光体リークを防止するためには、感光体の下引き層をなるべく厚膜化して、基体表面の凹凸の隠蔽性が高めることが有効である。
ところが、感光体の下引き層を厚くしすぎると、残留電位が著しく上昇し、使用に耐え得ないようになってしまうという問題があった。そこで、接触帯電器を用いた画像形成装置において、感光体の下引き層を厚膜化せずに感光体リークを防止する技術として、感光体の導電性基体の表面を陽極酸化処理することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、蒸着重合により形成されるポリイミド、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタンよりなる下引き層を感光体に設けることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、電荷発生材料として特定の結晶型のチタニルフタロシアニンを含有する電子写真感光体において、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂よりなる下引き層を設けることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。このように、現在では、接触帯電器を用いた画像形成装置において、導電性基体処理を施した感光体が多く使用されている。
一方、上述の帯電の不均一が要因となって起こる斑点状の帯電ムラを改善する技術として、所望の感光体の表面電位に相当する直流電圧に、帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する交流帯電方式を用いた接触帯電方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、交流電圧を重畳するタイプの帯電器では、交流電流を多量に消費することにより、感光体の膜減りが多く、帯電部材の耐久性が低くなる。また、高速機のプロセスにおいて、帯電部材に印加する交流の高周波成分により不快な帯電音が発生する。さらに、直流電圧印加時における帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧である高圧の交流電圧を重畳させるため、直流電源とは別に交流電源が必要となり、装置自体のコストアップを招く等の多くの問題点があった。これらの問題点は、帯電部材の性能を向上させ、抵抗のばらつきを非常に小さくして、直流電圧のみの電圧印加により、安定帯電できるようになってきたため、解消されつつある。
ところが、帯電部材に直流電圧のみを印加した場合には、感光体表面に所望の帯電電位以上に過剰に帯電された電位ムラが発生する。このような電位ムラは、特に、一次帯電前に感光体上の電位を消去するための工程である前露光のない電子写真プロセスにおいて、ハーフトーン画像領域の電位部に発生し易い。このハーフトーン画像領域の電位部の感光体表面電位を表面電位計で測定すると、感光体の2周目以降の位置に相当する場所で電位差が数十ボルト程度過剰に帯電された電位ムラが観測されることが分かる。そして、このような不具合のある従来の帯電部材を用いて、例えば、反転現像方式を用いた電子写真装置によりハーフトーン画像を出力すると、上記の電位ムラは画像上、部分的な白抜けや、がさついたハーフトーン画像面となって現れ、画像品質が低下するという問題があった。このような電位ムラによる問題は、低温低湿環境において、特に顕著に現れる傾向があった。
そこで、帯電部材に直流電圧のみを印加して帯電の均一性を得る技術として、帯電部材の電流の時定数を0.1秒以下した画像形成装置が提案されている。このような画像形成装置によれば、上述のような過剰帯電した電位ムラを防止することが可能になった。また、帯電部材の汚れに起因した帯電不良が発生しにくく、長期にわたって良好な帯電特性を維持することが可能になった(例えば、特許文献5参照)。
また、近年、環境問題への関心の高まりから、クリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置が注目されている。クリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置では、転写後に感光体上に残留したトナーをブレードやブラシ等によりクリーニングする従来のクリーニング装置を廃して、感光体上の残留トナーを現像器もしくは帯電器に回収するようにしている。このクリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置によれば、廃棄トナーの減少、装置の小型化が可能となる。
特開平5−34964号公報 特開昭64−6962号公報 特開平3−33856号公報 特開昭63−149668号公報 特開2001−117324号公報
しかしながら、上述のような帯電部材の電流の時定数を0.1秒以下とした画像形成装置においては、時定数が0.01〜0.1秒であると、帯電部材に印加する電圧を一定にしたままでプロセス速度を変更した場合には、感光体の表面電位が変化してしまう。これは、時定数が0.01秒よりも大きいと、更なる電圧の印加なしにプロセス速度を上げた場合には、静電分極のスピードが十分ではなく、感光体表面電位を維持するだけの放電が得られなくなり、このため、プロセス速度の増加に伴い感光体の表面電位が低下していくことによると考える。
このような感光体表面電位の変化により、かぶりトナーの増加、キャリア上がり等の不具合を発生していた。また、上記クリーナーレスシステムをカラー機に搭載し、このカラー機により同じ原稿を大量に印刷した場合には、かぶりトナーが記録紙または中間転写体上に落ち、下流側の他色の画像形成部に入り込む、いわゆる混色という現象が見られる等の問題が発生していた。なお、従来では、各プロセス速度における適正な印加電圧を記憶した記憶手段を有し、各プロセス速度に対応する印加電圧を印加するための電圧制御機構を設けることによって、かぶりやその他の問題を防止するようにしていたが、このような電圧制御機構が必要となるため、装置の大型化や、コストアップを招いていた。
また、帯電部材の電流の時定数を0.1秒以下とした画像形成装置においても、感光体リークを防止するため、上述したような導電性基体処理、例えば、感光体の導電性基体にアルマイト処理や、熱硬化性樹脂のコート等の処理を施した感光体を使用しなければならかった。このような処理による感光体の下引き層の形成には、蒸着あるいは高温加熱を必要とするため、製造性の面から好ましくなかった。特に、有機溶剤に不溶あるいは難溶であるポリイミド樹脂を下引き層に用いる場合には、塗布適性に乏しいという問題があった。このため、蒸着重合によるか、ポリアミック酸溶液を塗布し、加熱して重合させる方法等が使用されていたが、250℃以上の高温に加熱する必要があり、製造性が悪く、装置のコストアップを招いていた。
ここで、感光体リークは、電圧を印加した直後、および感光体を長期使用して感光体膜厚がある一定値を超えたときに起こり易いことが知られている。後者の場合は、感光体膜の耐圧が不足することによる感光体リークであるが、前者の場合は、電圧を印加した直後における不安定状態が影響しているものと考えられる。詳しく言うと、帯電部材から流れる電流は、上記特許文献5で示されているように、図10に示すような減衰曲線となる。感光体をより均一に帯電するためには、図10に示すような一定値に落ち着いた定常状態における放電電流により感光体を帯電するのが最も好ましいと考えられている。この安定した定常状態に比べ、電圧が印加された初期の段階では、帯電部材から多量の電流が流れているため、抵抗の低い状態であると考えられる。このように、電圧が印加された直後には、帯電部材の抵抗が下がった不安定状態となり、感光体のある一点に電流が集中し、感光体リークが起こり易くなっている。したがって、感光体リークを起こりにくくするには、このような不安定状態の期間を短くする、すなわち帯電部材の電流の時定数を小さくすることが有効となる。この場合、帯電部材の電流の時定数が0.01秒以下の場合には、静電分極のスピードに十分余裕があり、更なる電圧を印加しなくても、プロセス速度の増加に追従して感光体の表面電位を維持できるものと考えられる。
本発明は、上述した従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、感光体に接触または近接して配置した帯電部材により当該感光体を帯電させ、プロセス速度を切り替え可能な画像形成装置において、プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御を可能とし、また、従来では必要であった電圧制御機構を不要にすることを目的とする。加えて、クリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置において、長期にわたって良好な画質を維持できるようにすることを目的とする。さらに、感光体の導電性基体にアルマイト処理や熱硬化性樹脂をコートした高価な感光体を使用することなく、長期にわたって、感光体リークによる黒点または白点状のスポット欠陥や、残留電位の上昇による画像劣化を防止できるようにすることを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明の画像形成装置は、プロセス速度を切り替えることが可能で、感光体に接触または近接して配置した帯電部材により当該感光体を帯電させる方式の画像形成装置であって、前記帯電部材は導電性支持体上に被覆層が形成されているとともに、当該帯電部材の電流の時定数が、0.01秒以下であることを特徴とする。
時定数τが0.01秒よりも大きい帯電部材を使用した場合には、プロセス速度を切り替える際、感光体の表面電位が変化してしまい、この感光体の表面電位変動により、かぶりトナーが増加し、コピーCPCの増加、廃トナーボックスの大型化等のデメリットが生じる。上述のような構成の画像形成装置によれば、静電分極のスピードに十分余裕があり、更なる電圧を印加しなくても、プロセス速度の増加に追従して感光体の表面電位を維持できるため、プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御が可能となり、上記デメリットを解消できる。また、従来では必要であった電圧制御機構が不要になることによるコストメリットがある。
本発明の画像形成装置において、前記帯電部材の形状がローラ状であることを特徴とする。
このような構成の画像形成装置によれば、帯電部材(帯電ローラ)のクリーニングが容易となり、帯電部材の高耐久化が図れる。
本発明の画像形成装置において、前記帯電部材表面の表面粗さRz(十点平均粗さ)を、15μm以下としたことを特徴とする。
このような構成の画像形成装置によれば、常に安定した帯電電位を確保することができる。また、問題のないレベルのトナークリーニング性を確保することができる。
本発明の画像形成装置において、前記帯電部材のアスカーC硬度を、50以下としたことを特徴とする。
交流を重畳するタイプの帯電器を用いる場合には、プロセス速度の切り替えにもかかわらず表面電位を一定にするためには、高速プロセスでの条件に適合させなければならない。この場合、帯電部材として高硬度の帯電ローラ使用すると、帯電ローラに高周波の交流が重畳されることによって不快な帯電音が発生する。上述のような構成の画像形成装置によれば、このような不快な帯電音を防止または軽減することができる。
本発明の画像形成装置において、前記感光体は、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層がこの順で形成されており、その電荷輸送層の厚さが、12〜40μmであることを特徴とする。
このように、電荷輸送層の厚さを、12μm以上とすることで、画像欠陥を生じさせず、長期にわたって安定して良好な画質を得ることができる。また、電荷輸送層の厚さを、40μm以下とすることで、キャリア拡散による画質劣化を防ぐことができる。
本発明の画像形成装置において、現像兼クリーニング装置を設けたことを特徴とする。また、帯電兼クリーニング装置に加えて現像兼クリーニング装置を設けたことを特徴とする。
現像兼クリーニング方式を採用したクリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置において、時定数τが0.01秒よりも大きい帯電部材を使用した場合には、プロセス速度を切り替える際、感光体の表面電位が変化する。この感光体の表面電位変動により、かぶりトナーが増加し、帯電部材が汚れる。また、現像兼クリーニング部材のクリーニング能力を超えることによる画像劣化が発生する。さらに、キャリア上がりが発生し、帯電ニップに入り込むことで、帯電ムラが発生し、画像劣化が起こる。上述のような構成の画像形成装置によれば、クリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置において、プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御が可能となり、上記問題点を解消できる。また、従来では必要であった電圧制御機構が不要になることによるコストメリットがある。
本発明の画像形成装置において、前記帯電部材の上流側にトナー攪乱部材が配置されていることを特徴とする。
このような構成の画像形成装置によれば、トナー攪乱効果を確保することができ、長期にわたって安定した画質を得ることができる。
本発明の画像形成装置において、複数の画像形成部が並べて配置されていることを特徴とする。
複数の画像形成部を有するカラー機において、現像兼クリーニング方式を採用し、時定数τが0.01秒よりも大きい帯電部材を使用した場合には、プロセス速度を切り替える際、感光体の表面電位が変化してしまう。この感光体の表面電位変動により、かぶりトナーが増加し、帯電部材が汚れる。また、同じ画像を大量に印刷すると、白地部分に付着したかぶりトナーがたまっていき、あるところでかぶりトナーが記録紙上もしくは中間転写体上に落下する。そして、このかぶりトナーが下流側の他色の画像形成部に入り込むと、その電位極性により他色の感光体に付着し、混色を起こす不具合が発生する。さらに、現像兼クリーニング部材のクリーニング能力を超えることによる画像劣化が発生する。またさらに、キャリア上がりが発生し、帯電ニップに入り込むことで、帯電ムラが発生し、画像劣化が起こる。上述のような構成の画像形成装置によれば、プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御が可能となり、上記問題点を解消できる。また、混色の発生を防止することができる。
また、本発明の画像形成装置は、プロセス速度を切り替えることが可能で、感光体に接触または近接して配置した帯電部材に直流電圧を印加することにより当該感光体を帯電させる方式の画像形成装置であって、前記帯電部材は導電性支持体上に被覆層が形成されているとともに、当該帯電部材の電流の時定数が、0.01秒以下であることを特徴とする。
時定数τが0.01秒よりも大きい帯電部材を使用した場合には、プロセス速度を切り替える際、感光体の表面電位が変化してしまい、この感光体の表面電位変動により、かぶりトナーが増加し、コピーCPCの増加、廃トナーボックスの大型化等のデメリットが生じる。そのため、上述のような本発明の画像形成装置によれば、静電分極のスピードに十分余裕があり、更なる電圧を印加しなくても、プロセス速度の増加に追従して感光体の表面電位を維持できるため、プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御が可能となり、上記デメリットを解消できる。また、従来では必要であった電圧制御機構が不要になることによるコストメリットがある。
本発明の画像形成装置において、前記帯電部材の形状がローラ状であることを特徴とする。
このような構成の画像形成装置によれば、帯電部材(帯電ローラ)のクリーニングが容易となり、帯電部材の高耐久化が図れる。
本発明の画像形成装置において、前記帯電部材表面の表面粗さRz(十点平均粗さ)を、15μm以下としたことを特徴とする。
このような構成の画像形成装置によれば、帯電部材に直流電圧のみを印加する場合には、帯電部材表面の凸部が適度な放電ポイントとなり、常に安定した帯電電位を確保することができる。また、クリーニング性にも問題を生じないレベルであるので、トナーが帯電部材に付着することによる悪影響が発生しなくなる。
本発明の画像形成装置において、前記感光体は、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層がこの順で形成されており、その電荷輸送層の厚さが、12〜40μmであることを特徴とする。
このように、電荷輸送層の厚さを、12μm以上とすることで、画像欠陥を生じさせず、長期にわたって安定して良好な画質を得ることができる。また、電荷輸送層の厚さを、40μm以下とすることで、キャリア拡散による画質劣化を防ぐことができる。
本発明の画像形成装置において、前記感光体は、熱可塑性樹脂をコートした導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層がこの順で形成されており、その電荷輸送層の厚さが、12〜40μmであることを特徴とする。ここで、より好ましくは、導電性支持体上の熱可塑性樹脂のコート層(下引き層)の厚さを、1〜5μmとする。
このように、熱可塑性樹脂のコート層上に形成される電荷輸送層の厚さを、12μm以上とすることで、感光体の導電性支持体にアルマイト処理や熱硬化性樹脂をコートした高価な感光体を使用することなく、感光体リークによる黒点または白点状のスポット欠陥のような画像欠陥を生じさせず、長期にわたって安定して良好な画質を得ることができる。また、電荷輸送層の厚さを、40μm以下とすることで、キャリア拡散による画質劣化を防ぐことができる。さらに、導電性支持体上の熱可塑性樹脂のコート層の厚さを1〜5μmとすることによって、残留電位の上昇による画質劣化を防止することができる。
本発明の画像形成装置において、現像兼クリーニング装置を設けたことを特徴とする。また、帯電兼クリーニング装置に加えて現像兼クリーニング装置を設けたことを特徴とする。
現像兼クリーニング方式を採用したクリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置において、時定数τが0.01秒よりも大きい帯電部材を使用した場合には、プロセス速度を切り替える際、感光体の表面電位が変化する。この感光体の表面電位変動により、かぶりトナーが増加し、帯電部材が汚れる。また、現像兼クリーニング部材のクリーニング能力を超えることによる画像劣化が発生する。さらに、キャリア上がりが発生し、帯電ニップに入り込むことで、帯電ムラが発生し、画像劣化が起こる。上述のような構成の画像形成装置によれば、クリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置において、プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御が可能となり、上記問題点を解消できる。また、従来では必要であった電圧制御機構が不要になることによるコストメリットがある。
本発明の画像形成装置において、前記帯電部材の上流側にトナー攪乱部材が配置されていることを特徴とする。
このような構成の画像形成装置によれば、トナー攪乱効果を確保することができ、長期にわたって安定した画質を得ることができる。
本発明の画像形成装置において、複数の画像形成部が並べて配置されていることを特徴とする。
複数の画像形成部を有するカラー機において、現像兼クリーニング方式を採用し、時定数τが0.01秒よりも大きい帯電部材を使用した場合には、プロセス速度を切り替える際、感光体の表面電位が変化してしまう。この感光体の表面電位変動により、かぶりトナーが増加し、帯電部材が汚れる。また、同じ画像を大量に印刷すると、白地部分に付着したかぶりトナーがたまっていき、あるところでかぶりトナーが記録紙上もしくは中間転写体上に落下する。そして、このかぶりトナーが下流側の他色の画像形成部に入り込むと、その電位極性により他色の感光体に付着し、混色を起こす不具合が発生する。さらに、現像兼クリーニング部材のクリーニング能力を超えることによる画像劣化が発生する。またさらに、キャリア上がりが発生し、帯電ニップに入り込むことで、帯電ムラが発生し、画像劣化が起こる。上述のような構成の画像形成装置によれば、プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御が可能となり、上記問題点を解消できる。また、混色の発生を防止することができる。
本発明は、上述のような構成であるから、プロセス速度変更の際に安定した感光体の表面電位制御が可能となり、しかも、従来では必要であった電圧制御機構が不要となる。また、長期にわたって良好な画質を維持できる。さらに、感光体の導電性支持体にアルマイト処理や熱硬化性樹脂をコートした高価な感光体を使用することなく、従来の熱可塑性樹脂によるコートを施した導電性支持体を有する感光体を使用した場合であっても、長期にわたって、感光体リークによる黒点または白点状のスポット欠陥等を防止することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明を適用する画像形成装置は、デジタル方式の画像形成装置である。そして、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、定着、および除電の各工程を有する電子写真プロセスによって、感光体上にトナー像を形成して記録紙(シート)に転写する機能を有しており、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等の電子写真装置に適用される。また、モノクロ機にも、カラー機にも適用可能である。
まず、本発明を適用したモノクロ印字方式の画像形成装置について、図1を用いて説明する。モノクロ印字方式の画像形成装置10(モノクロ機)は、外部から入力される画像データに応じて、所定の記録紙に対して単色の画像を形成するものである。そして、図1に示すように、感光体1、帯電器20、露光部30、現像部40、転写部50、定着部60、およびクリーニング部70を備えている。
感光体1と帯電器20とは、接触または近接して配置されている。そして、帯電器20は、電源から供給される電力により感光体1の表面を均一に帯電させる。感光体1および帯電器20については、詳しくは後述する。
露光部30には、発光素子をアレイ状に並べた、例えば、ELやLED書込みヘッドや、レーザー照射部および反射ミラーを備えたレーザースキャニングユニット(LSU)が用いられる。そして、帯電器20により帯電された感光体1を入力される画像データに応じて露光することによって、感光体1の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像部40は、感光体1にトナーを供給するための現像ローラ4を備え、トナーにより感光体1に形成された静電潜像を現像する。これにより、感光体1の表面に画像データに応じたトナー像が形成される。この例では、現像に用いる現像剤として、非磁性トナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いている。なお、二成分現像剤に限られず、一成分現像剤を用いてもよい。
転写部50は、図示しない給紙装置から供給され、Y方向に搬送される記録紙Pにトナー像を転写させる。転写方式としては、チャージャー方式やローラ方式がある。トナー像の転写後、定着部60にて記録紙P上のトナー像を熱融解によって定着させる。
クリーニング部70は、転写部50によるトナー像の転写後、感光体1に残留したトナーを掻きとって回収する。なお、クリーニング部70を設ける替わりに、後述するように、帯電兼クリーニング装置や現像兼クリーニング装置を設ける構成としてもよい(図7参照)。
また、画像形成装置10は、プロセス速度を2種類以上切り替え可能となっている。プロセス速度の切り替えとは、感光体1の周速を変更することを言う。プロセス速度が切り替え可能な画像形成装置には、例えば、高速モード、高画質モードを切り替えることが可能な画像形成装置や、厚紙対応の画像形成装置等がある。感光体1の表面電位は、このようなプロセス速度の切り替えにかかわらず、一定であることが好ましい。ただし、プロセス速度と画像濃度の兼ね合いで表面電位を変更することも可能である。
次に、感光体1について詳しく説明する。図2は、感光体1の層断面図である。感光体1は、導電性支持体1a(例えば、アルミニウム等の金属ドラム)を基体としてその外周面上に下引き層1bが形成され、この下引き層1b上に感光受容層1eが塗布されて形成されている。感光受容層1eは、電荷発生層1cと電荷輸送層1dとにより形成されている。このように、感光体1は、導電性支持体1a上に、下引き層1b、電荷発生層1c、および電荷輸送層1dがこの順で形成されている。
導電性支持体1aは、感光体1の電極としての役目と同時に、下引き層1bおよび感光受容層1eの支持体としての役目を果たしており、その形状は、円筒状、板状、フィルム状、ベルト状のいずれでもよい。導電性支持体1aの材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料、あるいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化錫、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、フェノール樹脂パイプ、紙管等の絶縁性物質が挙げられる。体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性を示すものが好ましく、体積抵抗を調整するために表面に酸化処理を施してもよい。
下引き層(コート層)1bは、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アルミニウム陽極酸化被膜、ゼラチン、でんぷん、カゼイン、N−メトキシメチル化ナイロン等から形成される。さらに、これらに酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウムの粒子を分散させてもよい。この下引き層1bは、膜厚が約0.1〜10μmで、導電性支持体1aと感光受容層1eとの接着層としての役割を果たす。加えて、導電性支持体1aから電荷が感光受容層1eへ流れ込むのを抑制するバリア層としての役割をも果たしている。このようにして下引き層1bは感光体1の帯電特性を維持するので、感光体1自身の寿命を延ばすことができる。
導電性支持体1a上の熱可塑性樹脂の下引き層1bの膜厚を、1〜5μmとした具体例を、後述する実施例11、実施例12に示している。このように、下引き層1bの膜厚を、1〜5μmとすることによって、残留電位の上昇による画質劣化を防止することができる。
電荷発生層1cは、公知の電荷発生物質を含んで形成される。電荷発生層1cの電荷発生物質としては、可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、無機顔料、有機顔料、有機染料のいずれをも用いることができる。無機顔料としては、セレンおよびその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、その他の無機光導電体が挙げられる。有機顔料としては、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、多環キノン系化合物、ペリレン系化合物等が挙げられる。有機染料としては、チアピリリウム塩、スクアリリウム塩等が挙げられる。中でも好適なキノン系発生物質は、フタロシアニン系化合物であり、特に、チタニルフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。特に良好な感度特性、帯電特性、および繰返し特性が得られる。
また、列挙した上述の顔料および染料の他に化学増感剤として電子受容性物質、例えば、テトラシアノエチレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、アントラキノン、p−ベンゾキノン等のキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等のニトロ化合物、または、光学増感剤として、キサンテン系色素、チアジン色素トリフェニルメタン系色素等の色素を電荷発生層1cに添加してもよい。好ましくは、有機顔料、有機染料等、上記の有機光導電性化合物を用いる。電荷発生層1cは、電荷発生物質をバインダ樹脂とともに適当な溶剤中に分散させ、導電性支持体1aに塗布して、乾燥あるいは硬化させて成膜して形成する。電荷発生層1cの膜厚は、約0.05〜5μm、好ましくは、約0.1〜1μmである。電荷発生層1cの形成方法としては、一般に、真空蒸着法、スパッタリング、CVD等の気相堆積法、あるいは電荷発生物質をボールミル、サンドグラインダ、ペイントシェーカー、超音波分散機等により粉砕し、溶剤中に分散させ、必要に応じてバインダ樹脂を加え、導電性支持体1aがシートの場合にはベーカアプリケータ、バーコータ、キャスティング、スピンコート等、導電性支持体1aが円筒体の場合にはスプレー法、垂直型リング法、浸漬塗布法等によって形成する方法が知られている。
上記の電荷発生層1cに用いられるバインダ樹脂としては、具体的には、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フェノキシ、エポキシ、シリコーン、ポリアクリレート等の樹脂が挙げられる。溶媒としては、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロルベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。なお、ここで挙げたもの以外でもよく、アルコール系、ケトン系、アミド系、エステル系、エーテル系、炭化水素系、塩素化炭化水素系または芳香族系溶媒の単独あるいはブレンドしたものであってもよい。ただし、中でも電荷発生物質の粉砕およびミリング時の結晶転移に基づく感度低下、ポットライフによる特性低下を考慮した場合、そのような結晶転移を起こしにくいシクロヘキサノン、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルケトン、テトラヒドロキノンのいずれかを用いることが好ましい。
電荷輸送層1dは、公知の電荷輸送物質を含んで形成される。電荷輸送物質としては、電荷発生層1cで発生した電荷を輸送できる有機光導電性化合物であればよい。ヒドラゾン誘導体、ピレン誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、アントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ポリシラン化合物、ポリゲルマン化合物等が挙げられるが、電荷輸送物質はこれらに限定されるものではない。
また、電荷輸送層1dは、電子輸送物質を含有していてもよい。具体的には、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、ジフェニル誘導体、ベンゾキノン誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、電荷輸送層1dには、必要に応じて酸化防止剤等の安定剤、レベリング剤、可塑剤を添加することもできる。酸化防止剤としては、一般に、樹脂等に添加して利用される酸化防止剤をそのまま使用することができる。例えば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等を配合して用いてもよい。レベリング剤としては、シリコンオイル類や側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用でき、使用量はバインダ樹脂100重量部に対して、1重量部またはそれ以下が適当である。
電荷輸送層1dは、上述した電荷発生層1cと同様の手法および装置を用いて形成される。電荷輸送層1dは、電荷輸送物質をバインダ樹脂とともに、適当な溶媒中に溶解あるいは分散させ、電荷発生層1cが形成された導電性支持体1aに塗布し、乾燥あるいは硬化させて成膜して形成する。電荷輸送層1d用の塗布液は、1種または数種の電荷輸送物質、バインダ樹脂および添加剤を計量し、所定量の有機溶媒に溶解させる。この際、同時に溶解させて作製する方法でもよいが、好ましくは、まず、バインダ樹脂を溶媒中に溶解させた後に電荷輸送物質を投入、溶解させて作製する方法がよい。この方法によれば、バインダ樹脂への電荷輸送物質の分子分散性が向上され、膜中での潜在的かつ局所的な電荷輸送物質の結晶化が抑制されることにより、初期感度の向上、繰返し使用時の電位安定性、良好な画像特性等が付与される。そして、電荷輸送層1dの形成方法としては、導電性支持体1aがシート状の場合にはベーカアプリケータ、バーコータ、キャスティング、スピンコート等、導電性支持体1aがドラム状の場合にはスプレー法、垂直型リング法、浸漬塗布法等が用いられる。特に、生産性やコストの観点からは、浸漬塗布法が好ましい。
上記の電荷輸送層1dに用いられるバインダ樹脂としては、例えば、上述した電荷発生層1cに用いられるバインダ樹脂と同様のものが挙げられ、特に制限はない。例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂あるいはこれらの部分的架橋硬化物等の公知のバインダ樹脂が使用される。
ここで、電荷輸送物質とバインダ樹脂との配合割合を、重量比(電荷輸送物質/バインダ樹脂)を、10/15〜10/24の範囲にすることが重要である。この配合割合において、感光体1の解像度と実用特性が顕著に向上することが明らかになった。すなわち、電荷輸送物質とバインダ樹脂との重量比が、10/15を超えると、低露光エネルギー感度が高くなり解像度が低下する傾向がある。一方、重量比が、10/24以下になると、トータル感度が低下し、低露光エネルギー感度が低下することによる見かけ上の解像度は向上するものの、絶対感度の低下が反映されて画像濃度が不十分になる。
また、電荷輸送層1dの初期膜厚を12〜40μmに設定することが重要である。膜厚が12μm未満では、電荷輸送層1d中の走行電荷の拡散が少なくなることにより高解像度が得られるものの、感光受容層1eに高電界がかかることにより絶縁破壊が起こり、画像欠陥が多発しやすくなる傾向がある。また、使用時のクリーニング工程による膜削れに対するマージンが少なく、設計上、感光体寿命が比較的短いものになってしまう。また、一般的に接触帯電器に使用する感光体は、スコロトロン帯電に用いる感光体よりも、膜厚が厚く形成される。しかし、膜厚が40μmを超えると、感光体寿命を長くできるものの、電荷発生層1cから注入された電荷が電荷輸送層1d中を走行する過程において、電界方向から逸脱する電荷拡散の関与が大きくなり解像度が低下する傾向がある。なお、電荷輸送層1dには、成膜性、可とう性、塗布性等を向上させるために、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等の添加剤を含有させてもよい。
電荷輸送層1dの初期膜厚を12〜40μmに設定した具体例を、後述する実施例9、実施例10に示している。このように、電荷輸送層1dの厚さを、12μm以上とすることで、感光体の導電性支持体にアルマイト処理や熱硬化性樹脂をコートした高価な感光体を使用することなく、感光体リークによる黒点または白点状のスポット欠陥のような画像欠陥を生じさせず、長期にわたって安定して良好な画質を得ることができる。また、電荷輸送層1dの厚さを、40μm以下とすることで、キャリア拡散による画質劣化を防ぐことができる。
次に、帯電器20について詳しく説明する。帯電器20は、電源から供給される電力により感光体1の表面を均一に帯電させるために設けられる。帯電器20としては、接触ローラ帯電器、非接触ローラ帯電器、ブラシ帯電器等の微小空隙放電を利用した帯電器や、注入帯電方式を利用した帯電器を利用できる。なお、帯電ローラ等の帯電部材に、直流電圧のみを印加するタイプの帯電器であってもよく、あるいは、交流電圧を重畳するタイプの帯電器であってもよい。
以下では、帯電器20として接触ローラ帯電器を用いた例について説明する。帯電器20は、帯電部材としての帯電ローラ2の電流の時定数τが、0.01秒以下であることが重要である。このため、帯電ローラ2を形成する材料、用いる材料の量比、用いる材料の混合状態等の要因に特に限定されない。帯電ローラ2は、導電性支持体2aを基体としてその外周面上に弾性層2bが形成され、この弾性層2b上に抵抗層2cが形成されている。このように、帯電ローラ2は、弾性層2b・抵抗層2cのような被覆層を導電性支持体2a上に有している。
帯電ローラ2(帯電部材)の電流の時定数τを、0.01秒以下とした具体例を、後述する実施例1〜実施例6に示している。帯電ローラ2の電流の時定数τを、0.01秒以下とすることによって、帯電ローラ2への印加電圧を一定としたままでプロセス速度を切り替えても、感光体1の表面電位が変化しないという結果を得た。これは、時定数τが0.01秒よりも大きいと、更なる電圧の印加なしにプロセス速度を増加した場合には、静電分極のスピードが十分ではなく、感光体1の表面電位を維持するだけの放電が得られなくなり、プロセス速度の増加に伴い感光体1の表面電位が低下していく。これに対して、時定数τが0.01秒以下であると、静電分極のスピードに十分余裕があり、更なる電圧を印加しなくても、プロセス速度の増加に追従して感光体1の表面電位を維持できるためと考えられる。これにより、プロセス速度変更の際に安定した感光体1の表面電位制御が可能となり、感光体1の表面電位変動によるかぶりトナーが増加や、コピーCPCの増加や、廃トナーボックスの大型化等の問題を解消することができる。しかも、従来では必要であった電圧制御機構が不要になることによるコストメリットがある。
また、帯電ローラ2の時定数τを0.01秒以下とすることによって、感光体1の導電性支持体1aにアルマイト処理や熱硬化性樹脂をコートした高価な感光体を使用することなく、従来の熱可塑性樹脂によるコートを施した導電性支持体を有する感光体を使用した場合であっても、感光体リークの発生を防止することができ、良好な画像を得ることができる。さらに、帯電部材として帯電ローラ2を用いることによって、帯電部材のクリーニングが容易となり、帯電部材の高耐久化が図れる。
導電性支持体2aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。さらに、防錆や耐傷性付与のために、これらの金属表面にメッキ処理を施してもよい。ただし、導電性を損なわないことが必要である。
弾性層2bは、被帯電体としての感光体1に対する給電や、帯電ローラ2の感光体1に対する良好な均一密着性を確保するために、適当な導電性と弾性を有している。帯電ローラ2と感光体1の均一密着性を確保するためには、弾性層2bを研磨して、その中央部が一番太く、中央部から両端部に行くにつれて細くなる形状(いわゆるクラウン形状)に形成することが好ましい。一般的に、帯電ローラ2は、導電性支持体2aの両端部に所定の押圧力を与えることによって感光体1と当接される。このため、押圧力が中央部では小さく、両端部ほど大きくなっている。したがって、帯電ローラ2の真直度が十分である場合には問題ないが、十分ではない場合には中央部と両端部に対応する画像に濃度ムラが生じてしまうという問題がある。また、A3ノビ対応機種の増加やカラー機の増加により帯電領域が拡大してきているため、導電性支持体2aの両端部のみへの押圧力によって帯電ローラ2自体がたわみ易くなっており、中央部にギャップができるといった問題が起きている。このような理由により弾性層2bをクラウン形状とすることが好ましい。
弾性層2bは、ゴム等の弾性材料中に、カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物等の電子電導機構を有する導電剤、あるいはアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン電導機構を有する導電剤を適宜添加することによって形成される。そして、体積抵抗が1010Ωcm未満の導電性を示すように調整されるのがよい。弾性層2bの弾性材料としては、例えば、天然ゴムや、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、さらには、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等も挙げられる。
抵抗層2cは、弾性層2bに接して形成され、弾性層2b中に含有される軟化油や可塑剤等の帯電ローラ2表面へのブリードアウトを防止するとともに、帯電ローラ2全体の電気抵抗を調整するために設けられる。
抵抗層2cを形成する材料としては、例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの材料は、単独で用いても、2種類以上の混合であっても、あるいは共重合体であってもよい。
抵抗層2cは、導電性または半導電性を有している必要がある。このため、上述した材料に、電子電導機構を有する導電剤(導電性カーボン、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉等)、あるいはイオン電導機構を有する導電剤(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)を適宜添加することによって形成される。この場合、所望の電気抵抗を得るために、上記各種導電剤を2種以上併用してもよい。ただし、環境変動や感光体1の汚染を考慮すると、電子電導機構を有する導電剤を用いることが好ましい。
そして、帯電ローラ2表面の表面粗さRz(十点平均粗さ)を15μm以下とした具体例を、後述する実施例1〜実施例6に示している。このように、帯電ローラ2の表面粗さRzを15μm以下とすることによって、常に安定した帯電電位を確保することができ、また、問題のないレベルのトナークリーニング性を確保することができる。これにより、初期画質が良好な画像を得ることができる。特に帯電ローラ2に直流電圧のみを印加する場合には、帯電ローラ2表面の凸部が適度な放電ポイントとなり、常に安定した帯電電位を確保することができる。
また、帯電ローラ2のアスカーC硬度を50以下とした具体例を、後述する実施例7、実施例8に示している。このように、帯電ローラ2のアスカーC硬度を50以下とすることによって、交流を重畳するタイプの帯電器における不快な帯電音を防止または軽減することができる。
次に、本発明を適用したカラー印字方式の画像形成装置について、図4を用いて説明する。図4には、カラー印字方式(カラータンデム方式)の画像形成装置を示している。カラー印字方式の画像形成装置100(カラー機)は、外部から入力される画像データに応じて、所定の記録紙(シート)に対して多色および単色の画像を形成するものである。そして、図4に示すように、感光体101、帯電器120、露光部130、現像部140、定着部160、クリーニング部170、転写搬送ベルト部150等を備えている。また、給紙トレイ180、排紙トレイ190・191等を備えており、給紙トレイ180と排紙トレイ190との間には、略Sの字形状の用紙搬送路Sが設けられている。
なお、画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。したがって、感光体101(101a,101b,101c,101d)、帯電器120(120a,120b,120c,120d)、露光部130(130a,130b,130c,130d)、現像部140(140a,140b,140c,140d)、クリーニング部170(170a,170b,170c,170d)は、各色に応じた4種類の潜像を形成するように、それぞれ4個ずつ設けられ、それぞれaがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに設定され、4つの画像ステーション(画像形成部)が用紙搬送路Sに沿って並べて配置されている。
それぞれの感光体101a〜101dは、画像形成装置100の略中心部に略水平に並べて配置されている。感光体101a〜101dは、上述したモノクロ機の感光体1と同様にして形成される。
それぞれの帯電器120a〜120dは、該帯電器120a〜120dと接触または近接して配置される感光体101a〜101dの表面を均一に帯電させる帯電手段として設けられている。それぞれの帯電器120a〜120dの帯電部材(帯電ローラ102a〜102d)は、上述したモノクロ機の帯電器20の帯電部材(帯電ローラ2)と同様にして形成される。なお、帯電器120a〜120dとしては、図4、図5に示すように帯電部材として帯電ローラ102a〜102dを備えた接触ローラ帯電器の他、非接触ローラ帯電器、ブラシ帯電器等の微小空隙放電を利用した帯電器や、注入帯電方式を利用した帯電器を利用できる。また、帯電部材に、直流電圧のみを印加するタイプの帯電器であってもよく、あるいは、交流電圧重畳タイプの帯電器であってもよい。
それぞれの露光部130a〜130dには、発光素子をアレイ状に並べた、例えば、ELやLED書込みヘッドや、レーザー照射部および反射ミラーを備えたレーザースキャニングユニット(LSU)を用いる。そして、帯電部材により帯電された感光体101a〜101dを入力される画像データに応じて露光することによって、感光体101a〜101dの表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。
それぞれの現像部140a〜140dは、感光体101a〜101dにトナーを供給するための現像ローラを備え、感光体101a〜101dに形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより現像して顕像化する。これにより、感光体101a〜101dの表面に画像データに応じたトナー像が形成される。
それぞれのクリーニング部170a〜170dは、現像・転写後における感光体101a〜101dの表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。なお、クリーニング部170a〜170dを設ける替わりに、後述するように、帯電兼クリーニング装置や現像兼クリーニング装置を設ける構成としてもよい(図5、図6参照)。
また、画像形成装置100は、プロセス速度を2種類以上切り替え可能となっている。プロセス速度の変更とは、感光体101a〜101dの周速を変更することを言う。プロセス速度が切り替え可能な画像形成装置には、例えば、高速モード、高画質モードを切り替えることが可能な画像形成装置や、厚紙対応の画像形成装置等がある。感光体101a〜101dの表面電位は、このようなプロセス速度にかかわらず、一定であることが好ましい。ただし、プロセス速度と画像濃度の兼ね合いで表面電位を変更することも可能である。
感光体101a〜101dの下方に配置される転写搬送ベルト部150について説明する。転写搬送ベルト部150は、転写ベルト155、転写ベルト駆動ローラ151、転写ベルトテンションローラ153、転写ベルト従動ローラ152・154、転写ローラ105(105a,105b,105c,105d)、転写ベルトクリーニング部157等を備えている。
転写ベルト駆動ローラ151、転写ベルトテンションローラ153、転写ローラ105a〜105d、転写ベルト従動ローラ152・154等は、転写ベルト155を張架し、この転写ベルト155を矢印B方向に回転駆動させるものである。
それぞれの転写ローラ105a〜105dは、転写搬送ベルト部150のハウジングの転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。そして、それぞれの感光体101a〜101dのトナー像を、転写ベルト155上に吸着されて搬送される記録紙に転写するための転写バイアスを与える。
転写ベルト155は、それぞれの感光体101a〜101dに接触するように設けられている。つまり、転写ベルト155を挟んで、感光体101a〜101dと転写ローラ105a〜105dとが対向して配置されている。そして、感光体101a〜101dに形成された各色のトナー像を記録紙に順次的に重ねて転写することによって、カラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。転写ベルト155は、厚さ100〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
それぞれの感光体101a〜101dから記録紙へのトナー像の転写は、無端状の転写ベルト155の内側に接触している転写ローラ105a〜105dによって行われる。転写ローラ105a〜105dには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。転写ローラ105a〜105dは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、記録紙に対して均一に高電圧を印加することができる。なお、転写電極として転写ローラ105a〜105dを用いているが、ブラシ等であってもよい。
また、感光体101a〜101dとの接触により転写ベルト155に付着したトナーは、記録紙の裏面を汚す原因となる。このため、転写ベルトクリーニング部157によって除去・回収するようにしている。転写ベルトクリーニング部157には、転写ベルト155に接触するクリーニング部材として、例えばクリーニングブレード157aが設けられており、このクリーニングブレード157aは、転写ベルト155を挟んで転写ベルト従動ローラ154と対向して配置されている。
定着部160は、ヒートローラ161、加圧ローラ162等を備えており、ヒートローラ161および加圧ローラ162は、記録紙を挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ161は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部110により所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ162とともに記録紙を熱圧着することにより、記録紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、記録紙に対して熱定着させる機能を有している。なお、多色トナー像の定着後、記録紙は、搬送ローラ185によって用紙搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態で(多色トナー像を下側に向けて)、排紙トレイ190上にフェイスダウンで排出されるようになっている。
給紙トレイ180は、画像形成に使用する記録紙を蓄積しておくためのトレイであり、画像形成装置100の4つの画像ステーションの下方に設けられている。排紙トレイ190は、画像形成済みの記録紙をフェイスダウンで載置するためのトレイであり、画像形成装置100の上部に設けられている。これに対し、排紙トレイ191は、画像形成済みの記録紙をフェイスアップで載置するためのトレイであり、画像形成装置100の側部に設けられている。
略Sの字形状の用紙搬送路Sは、記録紙を、給紙トレイ180から転写搬送ベルト部150や定着部160を経由させて排紙トレイ190に送るために設けられている。この用紙搬送路Sに沿って、ピックアップローラ181、レジストローラ182、定着部160、搬送方向切換えガイド184、搬送ローラ185等が配されている。
搬送ローラ185は、記録紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ181は、給紙トレイ180の端部に備えられ、給紙トレイ180から、記録紙を1枚毎に用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
また、レジストローラ182は、用紙搬送路Sを搬送されている記録紙を一旦保持するために設けられている。そして、感光体101a〜101d上のトナー像を記録紙に良好に多重転写できるように、感光体101a〜101dの回転にあわせて、記録紙をタイミングよく搬送する機能を有している。具体的には、レジストローラ182は、図示しないレジスト前検知スイッチの出力した検知信号に基づいて、それぞれの感光体101a〜101d上のトナー像の先端を、記録紙における画像形成範囲の先端に合わせるように、記録紙を搬送するように設定されている。
搬送方向切換えガイド184は、側面カバー186に回動可能に設けられている。この搬送方向切換えガイド184を回動させて実線で示す状態から破線で示す状態にすることによって、用紙搬送路Sの途中から記録紙を分離し、排紙トレイ191に記録紙を排出できるようになっている。実線で示す状態の場合には、記録紙は、定着部160と側面カバー186、搬送方向切換えガイド184の間に形成される搬送部S´(用紙搬送路Sの一部)を通り、上部の排紙トレイ190に排出される。
以上のような構成のカラー機においても、帯電ローラ102a〜102dの電流の時定数τを、0.01秒以下とすることによって、帯電ローラ102a〜102dへの印加電圧を一定としたままでプロセス速度を切り替えても、安定した感光体101a〜101dの表面電位制御が可能となり、感光体101a〜101dの表面電位変動によるかぶりトナーが増加や、コピーCPCの増加や、廃トナーボックスの大型化等の問題を解消することができる。また、従来では必要であった電圧制御機構が不要になることによるコストメリットがある。
また、帯電ローラ102a〜102dの時定数τを0.01秒以下とすることによって、感光体101a〜101dの導電性支持体にアルマイト処理や熱硬化性樹脂をコートした高価な感光体を使用することなく、従来の熱可塑性樹脂によるコートを施した導電性支持体を有する感光体を使用した場合であっても、感光体リークの発生を防止することができ、良好な画像を得ることができる。
次に、本発明を適用し、クリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置(帯電兼クリーニング方式並びに現像兼クリーニング方式を採用した画像形成装置)について説明する。クリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置では、転写後に感光体上に残留したトナーをブレードやブラシ等によりクリーニングする従来のクリーニング装置を省略して、感光体上の残留トナーを現像器もしくは帯電器に回収するようにしており、廃棄トナーの減少、装置の小型化を図ることができる。この画像形成装置は、モノクロ機にもカラー機にも適用可能である。以下では、カラー機に適用した例について、図5、図6を用いて詳しく説明する。
図5は、帯電兼クリーニング方式並びに現像兼クリーニング方式を採用したカラー印字方式の画像形成装置を示している。この図5に示す画像形成装置200と、図4に示す画像形成装置100とは、略同様の構成であり、画像形成装置200では、画像形成装置100におけるクリーニング部170a〜170dの替わりに、帯電調整部材としての異物攪乱装置280(280a,280b,280c,28d)が設けられている。また、異物攪乱装置280a〜280dを設けたことに伴い、帯電器220a〜220dと現像部240a〜240dの構成が若干変更されている。このため、異物攪乱装置280a〜280dと、この異物攪乱装置280a〜280dに関係する帯電器220a〜220dおよび現像部240a〜240dについて、図6を用いて説明することとし、その他の説明は省略する。なお、以下の説明、および図6では、各色に対応するa、b、c、dの符号を省略している。
まず、帯電調整部材としての異物攪乱装置280について説明する。異物攪乱装置280は、感光体101上の異物の凝集塊を攪乱(攪拌)してほぐすことによって、帯電器220(帯電ローラ202)および現像部240(現像ローラ241)による異物の吸着効率を高めるために設けられている。ここで、感光体101上の異物とは、例えば、転写工程後に記録紙に転写されずに感光体101上に残留したトナー(残留トナー;負残留トナーおよび正残留トナー)や、感光体101の表面に付着した紙粉等の残留異物のことである。
図6に示すように、異物攪乱装置280は、導電性ブラシ(トナー攪乱部材)281および攪乱電圧電源282を備えている。そして、転写ローラ105よりも下流側であって帯電器220よりも上流側に配置されている。導電性ブラシ281は、その先端を感光体101の表面と接触するように配設されたブラシであり、感光体101上の異物の凝集塊を攪乱する。攪乱電圧電源282は、導電性ブラシ281に対し、転写バイアスと同極性(+)の直流の攪乱電圧を印加する。このような異物攪乱装置280により、感光体101上の異物の電荷を調節するようにしている。
具体的には、画像形成装置200では、帯電器220によりマイナス帯電された感光体101表面を露光して静電潜像を形成し、この潜像の電荷消失部分に、現像部240によりマイナス帯電されたトナーを吸着させる反転現像を行うようにしている。このため、トナーは、転写領域(感光体101と転写ローラ105の対向部位)までは、略全てがマイナス帯電している。ところが、転写領域を越えて感光体101上にトナーが残留した場合、転写領域では高電圧の転写バイアス(例えば+2kV)が印加されるため、残留トナーの帯電量は幅広い分布となっており、全体としてはプラス帯電となっている。つまり、転写領域を越えた直後の残留トナーは、若干の負残留トナー(マイナス帯電している残留トナー)と、大半を占める正残留トナー(プラス帯電している残留トナー)とが混在した状態となっている。
そして、異物攪乱装置280では、導電性ブラシ281にプラスの攪乱電圧を印加することによって、残留トナーをより正帯電側にシフトさせ感光体101上の正残留トナーを増加させて、後述する帯電ローラ202による異物吸着効率を向上させるようにしている。また、この導電性ブラシ281における直流の攪乱電圧により、トナー以外の異物(例えば紙粉)も、プラスに帯電させる。なお、攪乱電圧電源282によって、導電性ブラシ281に交流電圧(交番電圧)を印加するようにしてもよい。
次に、帯電器220について説明する。帯電器220は、感光体101を一様にマイナス帯電する機能に加えて、転写後に感光体101上に残留している異物のうち、プラス帯電しているものを感光体101から除去する機能を有している。ここで、プラス帯電している異物とは、正残留トナーおよびプラス帯電した紙粉等である。つまり、帯電器220は、プラス帯電している異物(およびその凝集魂)を、帯電ローラ202の表面に吸着することによって、感光体101の表面から除去する、帯電兼クリーニング装置である。
帯電ローラ202は、感光体101に押圧されることによって帯電ニップが形成され、感光体101と連れ周りで回転する。ただし、帯電ニップにトナーが混入するのを防止するために駆動系によって、感光体101の回転方向と同方向に回転(アゲンスト回転)するようにしてもよい。
そして、帯電ローラ202は、帯電バイアス電源(図示せず)によって印加される帯電バイアスにより、感光体101表面をマイナス帯電させるとともに、感光体101上に残留しているプラス帯電している異物を電気的に吸着する。
クリーニング部材(回収部材)221は、帯電ローラ202に吸着された異物を掻き取って帯電ローラ202の表面を清掃するために、帯電ローラ202に当接するように設けられている。クリーニング部材221の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを用いることができる。なお、画像形成装置200は、クリーニング部材221により掻き取られた異物を現像部240の現像槽内に搬送(回収)する機能も有しており、クリーニングブレードやトナー搬送スクリューを含んでいる。
次に、現像部240について説明する。現像部240は、感光体101上の静電潜像を現像してトナー像を形成する機能に加えて、転写後に感光体101上に残留している異物のうち、マイナス帯電しているものを感光体1から除去・回収する機能を有している。ここで、マイナス帯電している異物とは、例えば、負残留トナーや紙粉等である。つまり、現像部240は、マイナス帯電している異物(およびその凝集魂)を、現像ローラ241の表面に吸着することによって、感光体101の表面から除去する、現像兼クリーニング装置である。
現像ローラ241は、現像領域(感光体101と現像ローラ241の対向部位)において感光体101にトナーを供給して静電潜像を現像する一方、現像領域よりも上流側において感光体101上に残留しているマイナス帯電している異物を静電的に除去するようにしている。なお、現像ローラ241に吸着されたマイナス帯電している異物(特に負残留トナー)は、現像ローラ241の回転に伴って、現像ローラ241よりも奥に備えられているトナー供給ローラ242により掻き落とされ、攪拌されることによって十分に帯電される。
なお、図7に、モノクロ機に適用した例について示している。図7に示す画像形成装置10´では、帯電器20´として、非接触型の帯電ローラ2´を採用している。そして、帯電ローラ2´両端部にギャップテープを巻きつけることによってギャップを形成するようにしている。また、画像形成装置10´において、帯電調整部材としての異物攪乱装置80には、導電性ブラシ(トナー攪乱部材)81および攪乱電圧電源82が設けられ、帯電器20´には、クリーニング部材(回収部材)21が設けられている。
上述のようなクリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置の具体例を、後述する実施例13、実施例14に示している。現像兼クリーニング方式(並びに帯電兼クリーニング方式)を採用したクリーナーレスシステムを搭載した画像形成装置において、帯電部材の電流の時定数τを、0.01秒以下とすることによって、帯電部材への印加電圧を一定としたままでプロセス速度を切り替えても、安定した感光体の表面電位制御が可能となり、感光体の表面電位変動によるかぶりトナーが増加や、帯電部材の汚れを抑制して、クリーニング装置のクリーニング能力を超えることによる画像劣化等を防止することができる。また、従来では必要であった電圧制御機構が不要になることによるコストメリットがある。また、複数の画像形成部を有するカラー機において、いわゆる混色の発生を防止することができる。
また、導電性ブラシ281を転写ローラ105よりも下流側であって帯電器220よりも上流側に配置、つまり、転写領域と帯電ニップとの間に配置することによって、トナー攪乱効果を確保することができ、長期にわたって安定した画質を得ることができる。
以下、実施例1〜実施例14、および比較例1〜比較例11を示し、帯電部材の作製、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体の作製、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験等についての結果を示す。
〔実施例1〕
<帯電部材の作製>
φ9(mm、以下において同様)の導電性支持体上にイオン材料とカーボンを分散させて半導電性としたNBR層を弾性層として形成し、その上にカーボンを分散させて半導電性としたNBR層を抵抗層として形成することで、φ14の帯電部材を作製した。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
図8に示すような測定装置300で、上述のように作製した帯電部材(帯電ローラ302)の電流測定を、温度15℃、湿度10%の環境において行った。図8に示す測定装置300は、図4(図1、図5、図7も同様)に示す画像形成装置100において、円筒状の感光体101を同一形状の導電性の円筒電極(ステンレス製)303に替えた以外は、帯電ローラ302の円筒電極303への押圧力(10.3gf/cm)等は全て図4に示す画像形成装置100と同様にしている。そして、外部電源304より直流電圧(−1000V)を印加し、このとき流れる電流値をレコーダー305にて読み取り、その波形データを次の近似式(式1)にて近似した。
I=I0exp(−t/τ) ・・・ (式1)
このような近似よって帯電ローラ302の電流の時定数τを求めた。この結果、帯電ローラ302の電流の時定数は、τ=0.0029[秒]、であった。したがって、この実施例1の時定数τは、τ≦0.01[秒]を満たしている。
<感光体の作製>
感光体は、直径30mm、全長362mmのアルミニウム製の円筒状の導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成することによって作製する。
酸化チタン(石原産業(株)製:TT055A)7重量部と、共重合ナイロン(東レ(株)製:CM8000)13重量部とを、メチルアルコール159重量部と、1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理し下引き層用塗液を調整した。この下引き層用塗液を塗布槽に満たし、この塗布槽に、上記導電性支持体を浸漬し引き上げ、さらに自然乾燥して膜厚1μmの下引き層を形成した。
そして、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)が27.3°に回折ピークを示す結晶型オキソチタニルフタロシアニン1重量部と、ブチラール樹脂(電気化学工業(株)製:#6000−C)1重量部とを、メチルエチルケトン98重量部に混合しペイントシェーカーにて分散処理し電荷発生層用塗液を調整した。この電荷発生層用塗液を上記下引き層上に塗布、自然乾燥して膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
続いて、ブタジエン化合物((株)高砂ケミカル製:T405)100重量部と、ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製:Z300)150重量部と、添加剤として2,6−ビス−tert−ブチル−4−メチルフェノール(住友化学工業(株)製:スミライザーBHT)5重量部とを混合し、テトラヒドロフランを溶剤として固形分21重量%の電荷輸送層用塗液を調整した。この電荷輸送層用塗液を上記電荷発生層上に塗布し、110℃にて1時間乾燥して膜厚21μmの電荷輸送層を形成した。
<感光体の表面電位の測定>
図9に示す測定装置310で、上述のように作製した感光体301の表面電位の測定を行った。図9に示す測定装置310は、図4(図1、図5、図7も同様)に示す画像形成装置100において、円筒状の感光体101を感光体301に替えた以外は、帯電ローラ302の感光体301への押圧力等は全て図4に示す画像形成装置100と同様にしている。図9に示す測定装置310は、プロセス速度を切り替えるための速度切替器311、および感光体301の表面電位を測定するための表面電位計(Trek社製)312を備えている。また、表面電位計312は帯電ニップより90°下流側に設置されている。帯電ニップの下流側315°には除電ランプ313を配置し、感光体301を除電した。
まず、プロセス速度を125mm/秒とし、感光体301の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。上記帯電ローラ302を用いた場合、印加電圧は−1220Vとなった。
印加電圧を−1220Vに固定し、プロセス速度を速度切替器311により、65mm/秒、125mm/秒、300mm/秒、400mm/秒と変化させたときの感光体301の表面電位を表面電位計312により測定した。この結果、プロセス速度を変化させても、感光体301の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。
<帯電部材の硬度測定>
上記のように作製した帯電部材(帯電ローラ302)のゴム硬度を、アスカーC硬度計を用いて測定した。この結果、帯電部材のアスカーC硬度は、80であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
上記のように作製した帯電部材(帯電ローラ302)の表面粗さRzを、表面粗さ計((株)小坂研究所製:SE−30H)を用いて測定した。この結果、帯電部材の表面粗さRzは、7.3μmであった。
<画質確認>
図4に示す感光体101および帯電ローラ102を用いた画像形成装置100として、上述のように作製した感光体301および帯電ローラ302を用いた画像形成装置(シャープ(株)製:AR−C260)を使用して、画質確認の試験を行った。そして、次に示すバイアス等のプロセス条件を除いては、AR−C260の基本条件で試験を行った。帯電ローラ302の感光体301への押圧力を、線圧10.3gf/cmとし、帯電ローラ302を感光体301に連れ周りで回転させた。帯電ローラ302のシャフト部に−1220Vの直流電圧を印加し、感光体301表面電位を−620Vとした。
そして、このような画像形成装置において、白、黒、ハーフトーンの3種類が印字されたA3サイズのものを原稿として、連続100枚ごとにプロセス速度を、117mm/秒(MIDDLE SPEEDモード)と、58.5mm/秒(LOW SPEEDモード)との2種類に切り替えながらエージングを行った。この結果、30000枚印字時点においても初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔実施例2〕
<帯電部材の作製>
φ9の導電性支持体上にカーボンを分散させて半導電性としたEPDM層を弾性層として形成し、その上にカーボンを分散させて半導電性としたウレタン層を抵抗層として形成することで、φ14の帯電部材を作製した。
感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。そして、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験については、上記実施例1の場合と同様に行った。それぞれの測定結果、試験結果を以下に示す。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
この例の帯電部材の電流の時定数は、τ=0.0016[秒]であった。したがって、τ≦0.01[秒]を満たしている。
<感光体の表面電位の測定>
プロセス速度を125mm/秒とし、感光体の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。この例の帯電部材を用いた場合、印加電圧は−1250Vとなった。そして、プロセス速度を変化させても感光体の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。
<帯電部材の硬度測定>
この例の帯電部材のアスカーC硬度は、65であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
この例の帯電部材の表面粗さRzは、4.1μmであった。
<画質確認>
この例の帯電部材を使用した場合、30000枚印字時点においても初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔実施例3〕
<帯電部材の作製>
φ9の導電性支持体上にカーボンを分散させて半導電性としたウレタンフォーム層を弾性層として形成し、その上にカーボンを分散させて半導電性としたナイロン12のチューブを被せて抵抗層とすることで、φ14の帯電部材を作製した。
感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。そして、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験については、上記実施例1の場合と同様に行った。それぞれの測定結果、試験結果を以下に示す。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
この例の帯電部材の電流の時定数は、τ=0.0014[秒]であった。したがって、τ≦0.01[秒]を満たしている。
<感光体の表面電位の測定>
プロセス速度を125mm/秒とし、感光体の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。この例の帯電部材を用いた場合、印加電圧は−1220Vとなった。そして、プロセス速度を変化させても感光体の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。
<帯電部材の硬度測定>
この例の帯電部材のアスカーC硬度は、37であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
この例の帯電部材の表面粗さRzは、1.5μmであった。
<画質確認>
この例の帯電部材を使用した場合、30000枚印字時点においても初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔実施例4〕
<帯電部材の作製>
φ9の導電性支持体上にイオン導電性のエピクロルヒドリンゴム層を弾性層として形成し、その上にフッ素を含有したイオン導電性のエピクロルヒドリンゴム層を抵抗層として形成することで、φ14の帯電部材を作製した。
感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。そして、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験については、上記実施例1の場合と同様に行った。それぞれの測定結果、試験結果を以下に示す。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
この例の帯電部材の電流の時定数は、τ=0.0014[秒]であった。したがって、τ≦0.01[秒]を満たしている。
<感光体の表面電位の測定>
プロセス速度を125mm/秒とし、感光体の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。この例の帯電部材を用いた場合、印加電圧は−1210Vとなった。そして、プロセス速度を変化させても感光体の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。
<帯電部材の硬度測定>
この例の帯電部材のアスカーC硬度は、73であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
この例の帯電部材の表面粗さRzは、13.1μmであった。
<画質確認>
この例の帯電部材を使用した場合、30000枚印字時点においても初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔実施例5〕
<帯電部材の作製>
φ9の導電性支持体上にカーボンを分散させて半導電性としたEPDMフォーム層を弾性層として形成し、その上にカーボンを分散させて半導電性としたポリアミドのチューブを被せて抵抗層とすることで、φ14の帯電部材を作製した。
感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。そして、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験については、上記実施例1の場合と同様に行った。それぞれの測定結果、試験結果を以下に示す。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
この例の帯電部材の電流の時定数は、τ=0.0052[秒]であった。したがって、τ≦0.01[秒]を満たしている。
<感光体の表面電位の測定>
プロセス速度を125mm/秒とし、感光体の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。この例の帯電部材を用いた場合、印加電圧は−1230Vとなった。そして、プロセス速度を変化させても感光体の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。
<帯電部材の硬度測定>
この例の帯電部材のアスカーC硬度は、44であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
この例の帯電部材の表面粗さRzは、1.3μmであった。
<画質確認>
この例の帯電部材を使用した場合、30000枚印字時点においても初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔実施例6〕
<帯電部材の作製>
φ9の導電性支持体上にカーボンを分散させて半導電性としたシリコーンゴム層を弾性層として形成し、その上にカーボンを分散させて半導電性としたウレタン層を抵抗層として形成することで、φ14の帯電部材を作製した。
感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。そして、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験については、上記実施例1の場合と同様に行った。それぞれの測定結果、試験結果を以下に示す。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
この例の帯電部材の電流の時定数は、τ=0.0083[秒]であった。したがって、τ≦0.01[秒]を満たしている。
<感光体の表面電位の測定>
プロセス速度を125mm/秒とし、感光体の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。この例の帯電部材を用いた場合、印加電圧は−1250Vとなった。そして、プロセス速度を変化させても感光体の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。
<帯電部材の硬度測定>
この例の帯電部材のアスカーC硬度は、49であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
この例の帯電部材の表面粗さRzは、14.5μmであった。
<画質確認>
この例の帯電部材を使用した場合、30000枚印字時点においても初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔比較例1〕
<帯電部材の作製>
φ9の導電性支持体上にカーボンを分散させて半導電性としたシリコーンゴム層を弾性層として形成し、その上にカーボンを分散させて半導電性としたウレタン層を抵抗層として形成することで、φ14の帯電部材を作製した。本比較例の帯電部材は、実施例6のものとはカーボン種、配合を変更している。
感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。そして、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験については、上記実施例1の場合と同様に行った。それぞれの測定結果、試験結果を以下に示す。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
この例の帯電部材の電流の時定数は、τ=0.0125[秒]であった。したがって、τ≦0.01[秒]を満たさない。
<感光体の表面電位の測定>
プロセス速度を125mm/秒とし、感光体の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。この例の帯電部材を用いた場合、印加電圧は−1360Vとなった。そして、プロセス速度を変化させた場合、感光体の表面電位が100V以上変化し、良好な結果が得られなかった。
<帯電部材の硬度測定>
この例の帯電部材のアスカーC硬度は、82であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
この例の帯電部材の表面粗さRzは、16.0μmであった。
<画質確認>
この例の帯電部材を使用した場合、初期の時点において良好な画像を得られず、原稿の白地部分、ハーフトーン部分に帯電ローラ周期でトナーが乗る現象が見られた。
〔比較例2〕
<帯電部材の作製>
φ9の導電性支持体上にカーボンを分散させて半導電性としたシリコーンゴム層を弾性層として形成し、その上にカーボンを分散させて半導電性としたウレタン層を抵抗層として形成することで、φ14の帯電部材を作製した。本比較例の帯電部材は、実施例6のものとはカーボンの配合、含有する金属酸化物の種類を変更している。
感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。そして、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験については、上記実施例1の場合と同様に行った。それぞれの測定結果、試験結果を以下に示す。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
この例の帯電部材の電流の時定数は、τ=0.028[秒]であった。したがって、τ≦0.01[秒]を満たさない。
<感光体の表面電位の測定>
プロセス速度を125mm/秒とし、感光体の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。この例の帯電部材を用いた場合、印加電圧は−1450Vとなった。そして、プロセス速度を変化させた場合、感光体の表面電位が100V以上変化し、良好な結果が得られなかった。
<帯電部材の硬度測定>
この例の帯電部材のアスカーC硬度は、80であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
この例の帯電部材の表面粗さRzは、6.9μmであった。
<画質確認>
この例の帯電部材を使用した場合、17000枚印字時点において帯電ローラの汚れが目立ち始め、21000枚印字時点では、原稿の白地部分、ハーフトーン部分に帯電ローラ周期でトナーが乗る現象が見え始めた。
〔比較例3〕
<帯電部材の作製>
φ9の導電性支持体上にカーボンを分散させて半導電性としたEPDM層を弾性層として形成し、その上にカーボンを分散させて半導電性としたウレタン層を抵抗層として形成することで、φ14の帯電部材を作製した。本比較例の帯電部材は、実施例2のものとはカーボンの配合を変更している。
感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。そして、帯電部材の電流測定と時定数の算出、感光体電位表面の測定、帯電部材の硬度測定、帯電部材の表面粗さ測定、画質確認の試験については、上記実施例1の場合と同様に行った。それぞれの測定結果、試験結果を以下に示す。
<帯電部材の電流測定と時定数の算出>
この例の帯電部材の電流の時定数は、τ=0.0018[秒]であった。したがって、τ≦0.01[秒]を満たしている。
<感光体の表面電位の測定>
プロセス速度を125mm/秒とし、感光体の表面電位が−620Vになるように印加電圧を調整した。この例の帯電部材を用いた場合、印加電圧は−1250Vとなった。そして、プロセス速度を変化させても感光体の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。
<帯電部材の硬度測定>
この例の帯電部材のアスカーC硬度は、65であった。
<帯電部材の表面粗さ測定>
この例の帯電部材の表面粗さRzは、22.0μmであった。
<画質確認>
この例の帯電部材を使用した場合、初期の時点において良好な画像を得られず、原稿の白地部分、ハーフトーン部分に帯電ローラ周期でトナーが乗る現象が見られた。
以上の実施例1〜実施例6、および比較例1〜比較例3の結果を、次の表1、表2にまとめた。
Figure 2005300604
表1の結果から、電流の時定数τが0.01秒以下の帯電部材を使用した場合には(比較例3を除く)、帯電部材への印加電圧を一定としたままでプロセス速度を切り替えても、感光体の表面電位がほとんど変化せず、また、初期および30000枚印字時点において良好な画像を得られることが分かる。
Figure 2005300604
表2の結果から、表面粗さRzが15μm以内の帯電部材を使用した場合には、初期画質が良好な画像を得られることが分かる。
次に交流電圧を印加した場合についての検討を行った。
〔実施例7〕
帯電部材は、上記実施例3で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。
<感光体の表面電位の測定>
図9に示す測定装置310において、感光体301に上記実施例1で使用した感光体を用い、帯電ローラ302に上記実施例3で使用した帯電ローラを用いて、感光体301表面電位の測定を行った。まず、プロセス速度を400mm/秒とし、感光体301の表面電位が−620Vになるように電位条件を調整した。−1100Vの直流電圧(DC)を印加し、ピーク間電圧(Vpp)0.6kV、周波数3.5kHzの交流電圧を重畳した。
その印加電圧を固定し、プロセス速度を65mm/秒、125mm/秒、300mm/秒、400mm/秒と変化させたときの感光体301表面電位を表面電位計312により測定した。この結果、プロセス速度を変化させても、感光体301の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。また、帯電音もほとんどせず、良好であった。
〔実施例8〕
帯電部材は、上記実施例6で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。
<感光体の表面電位の測定>
帯電部材として上記実施例6で使用したものを使用した以外は、上記実施例7と同じ条件で感光体301表面電位の測定を行った。−1100Vの直流電圧(DC)を印加し、ピーク間電圧(Vpp)0.6kV、周波数3.0kHzの交流電圧を重畳した。この結果、プロセス速度を変化させても、感光体301の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。また、帯電音もほとんどせず、良好であった。
〔比較例4〕
帯電部材は、上記比較例2で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。
<感光体の表面電位の測定>
帯電部材として上記比較例2で使用したものを使用した以外は、上記実施例7と同じ条件で感光体301表面電位の測定を行った。−1160Vの直流電圧(DC)を印加し、ピーク間電圧(Vpp)0.6kV、周波数3.5kHzの交流電圧を重畳した。この結果、プロセス速度を変化させた場合、感光体301の表面電位が100V以上変化し、良好な結果が得られなかった。また、帯電音がひどく、不快なものであった。
〔比較例5〕
帯電部材は、上記比較例3で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体は、上記実施例1で使用したものと同じ感光体を使用した。
<感光体の表面電位の測定>
帯電部材として上記比較例3で使用したものを使用した以外は、上記実施例7と同じ条件で感光体301表面電位の測定を行った。−1100Vの直流電圧(DC)を印加し、ピーク間電圧(Vpp)0.6kV、周波数3.0kHzの交流電圧を重畳した。この結果、プロセス速度を変化させても、感光体301の表面電位は、20V以内の変化であり、ほとんど変化がないことが分かった。しかし、帯電音がひどく、不快なものであった。
以上の実施例7、実施例8、および比較例4、比較例5の結果を、次の表3にまとめた。
Figure 2005300604
表3の結果から、アスカーC硬度が50以下の帯電部材を使用した場合には、帯電部材に交流電圧を印加しても、不快な帯電音が発生しないことが分かる。
次に感光体の電荷輸送層の膜厚についての検討を行った。
〔実施例9〕
帯電部材は、上記実施例1で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体については、上記実施例1で使用したものと、電荷輸送層の膜厚以外は同じ感光体を使用した。この例の感光体の電荷輸送層の膜厚は、15.0μmに形成してある。
<画質確認>
この例では、電荷輸送層の膜厚を変更した感光体以外は、上記実施例1と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、膜厚15.0μmの感光体の電荷輸送層の膜厚が膜減りにより12.0μmの膜厚になるまでは良好な画像を得ることができたが、膜厚がそれより小さくなると、感光体リークが起こり、感光体が使用不能となった。
〔実施例10〕
帯電部材は、上記実施例1で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体については、上記実施例1で使用したものと、電荷輸送層の膜厚以外は同じ感光体を使用した。この例の感光体の電荷輸送層の膜厚は、38.0μmに形成してある。
<画質確認>
この例では、電荷輸送層の膜厚を変更した感光体以外は、上記実施例1と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、30000枚印字時点においても初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔比較例6〕
帯電部材は、上記実施例1で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体については、上記実施例1で使用したものと、電荷輸送層の膜厚以外は同じ感光体を使用した。この例の感光体の電荷輸送層の膜厚は、10.0μmに形成してある。
<画質確認>
この例では、電荷輸送層の膜厚を変更した感光体以外は、上記実施例1と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、1000枚程度で感光体リークが起こり、感光体が使用不能となった。
〔比較例7〕
帯電部材は、上記実施例1で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体については、上記実施例1で使用したものと、電荷輸送層の膜厚以外は同じ感光体を使用した。この例の感光体の電荷輸送層の膜厚は、41.0μmに形成してある。
<画質確認>
この例では、電荷輸送層の膜厚を変更した感光体以外は、上記実施例1と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、原稿の白地部分、ハーフトーン部分に帯電ローラ周期でトナーが乗る現象が見られた。
以上の実施例1、実施例9、実施例10、および比較例6、比較例7の結果を、次の表4にまとめた。
Figure 2005300604
表4の結果から、電荷輸送層の膜厚が、12〜40μmの感光体を使用した場合には、感光体リークが起こることもなく、30000枚印字時点において良好な画像を得られることが分かる。
次に感光体の下引き層の膜厚についての検討を行った。
〔実施例11〕
帯電部材は、上記実施例1で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体については、上記実施例1で使用したものと、下引き層の膜厚以外は同じ感光体を使用した。この例の感光体の下引き層の膜厚は、3.0μmに形成してある。
<画質確認>
この例では、下引き層の膜厚を変更した感光体以外は、上記実施例1と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、30000枚印字のエージングで良好な画像を得ることができた。
〔実施例12〕
帯電部材は、上記実施例1で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体については、上記実施例1で使用したものと、下引き層の膜厚以外は同じ感光体を使用した。この例の感光体の下引き層の膜厚は、5.0μmに形成してある。
<画質確認>
この例では、下引き層の膜厚を変更した感光体以外は、上記実施例1と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、30000枚印字のエージングで良好な画像を得ることができた。
〔比較例8〕
帯電部材は、上記実施例1で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体については、上記実施例1で使用したものと、下引き層の膜厚以外は同じ感光体を使用した。この例の感光体の下引き層の膜厚は、0.5μmに形成してある。
<画質確認>
この例では、下引き層の膜厚を変更した感光体以外は、上記実施例1と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、5000枚印字時点で感光体リークが起こり、感光体が使用不能となった。
〔比較例9〕
帯電部材は、上記実施例1で使用したものと同じ帯電部材を使用した。また、感光体については、上記実施例1で使用したものと、下引き層の膜厚以外は同じ感光体を使用した。この例の感光体の下引き層の膜厚は、7.0μmに形成してある。
<画質確認>
この例では、下引き層の膜厚を変更した感光体以外は、上記実施例1と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、帯電ローラ周期での汚れが見られた。
以上の実施例1、実施例11、実施例12、および比較例8、比較例9の結果を、次の表5にまとめた。
Figure 2005300604
表5の結果から、下引き層の膜厚が、1〜5μmの感光体を使用した場合には、感光体リークが起こることもなく、30000枚印字時点において良好な画像を得られることが分かる。
次にクリーナーレスシステムを搭載したモノクロ機における検討を行った。
〔実施例13〕
この例では、図7に示す感光体1および帯電ローラ2´を用いた画像形成装置10´として、上記実施例1で使用したものと同じ感光体および帯電ローラ(τ=0.0029[秒])を用いた画像形成装置((シャープ(株)製:DM−2515)をクリーナーレス仕様に改造したもの)を使用して、画質確認の試験を行った。そして、次に示すバイアス等のプロセス条件を除いては、DM−2515の基本条件で行った。なお、外径φ14の帯電ローラ2´両端部に幅4mm、厚さ40μmのギャップテープを巻きつけることによってギャップを形成した。
帯電ローラ2´両端部のギャップテープを感光体1へ線圧8.9gf/cmの押圧し、帯電ローラ2´をモータ(図示せず)により駆動させ、感光体1に対して同方向に回転させた。また、バイアスについては、−600Vの直流電圧(DC)を印加し、ピーク間電圧(Vpp)1.8kV、周波数900Hzの交流電圧を重畳した。このときの感光体1の表面電位は、−600Vであった。また、導電性ブラシ81には、+500Vを印加した。
そして、このような画像形成装置10´において、プロセス速度を、61mm/秒と、122mm/秒との2種類に切り替えながらエージングを行った。この結果、30000枚印字時点においても初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔比較例10〕
この例では、帯電ローラとして上記比較例実施例2で使用したものと同じ帯電部材(τ=0.028[秒])を使用した以外は、上記実施例13と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、15000枚印字時点において帯電ローラ周期の画像ムラが目立ち始めた。
以上の結果、電流の時定数τが0.01秒以下の帯電部材を使用した場合には、初期および30000枚印字時点において良好な画像を得られることが分かる。
次にクリーナーレスシステムを搭載したカラー機における検討を行った。
〔実施例14〕
この例では、図5に示す感光体101および帯電ローラ202を用いた画像形成装置200として、上記実施例1で使用したものと同じ感光体および帯電ローラ(τ=0.0029[秒])を用いた画像形成装置((シャープ(株)製:AR−C260)をクリーナーレス仕様に改造したもの)を使用して、画質確認の試験を行った。そして、次に示すバイアス等のプロセス条件を除いては、AR−C260の基本条件で行った。帯電ローラ202の感光体101への押圧力を、線圧10.3gf/cmとし、帯電ローラ202を感光体101に連れ周りで回転させた。バイアスについては、−1230Vの直流電圧を印加し、感光体101表面電位を−620Vとした。また、導電性ブラシ281には、ピーク間電圧(Vpp)1kV、周波数250Hzの交流電圧を印加した。
そして、このような画像形成装置200において、連続100枚ごとにプロセス速度を、117mm/秒(MIDDLE SPEEDモード)と、58.5mm/秒(LOW SPEEDモード)との2種類に切り替えながらエージングを行った。この結果、30000枚印字時点においても感光体リークが発生せず、初期と変わらぬ良好な画像を得ることができた。
〔比較例11〕
この例では、帯電ローラとして上記比較例実施例2で使用したものと同じ帯電部材(τ=0.028[秒])を使用した以外は、上記実施例14と同じ条件で画質確認の試験を行った。この結果、10000枚を超えたあたりから、白字部分に汚れが現れ、15000枚印字時点では、ひどい汚れになった。このときの現像兼クリーニング装置の中は、上流側に配置されたプロセスの他色トナーが数多く見られた。
以上の結果、電流の時定数τが0.01秒以下の帯電部材を使用した場合には、初期および30000枚印字時点において良好な画像を得られることが分かる。
本発明を適用するモノクロ印字方式の画像形成装置の主要部を示す図である。 感光体の層断面を示す図である。 帯電部材を示す図である。 本発明を適用するカラー印字方式の画像形成装置を示す図である。 クリーナーレスシステムを搭載したカラー印字方式の画像形成装置を示す図である。 図5の画像形成装置の主要部を示す拡大図である。 クリーナーレスシステムを搭載したモノクロ印字方式の画像形成装置の主要部を示す図である。 帯電部材の電流測定を行う測定装置を示す図である。 感光体の表面電位の測定を行う測定装置を示す図である。 帯電部材の電流の減衰曲線を示す図である。
符号の説明
1 感光体
1a 導電性支持体
1b 下引き層
1c 電荷発生層
1d 電荷輸送層
2 帯電ローラ
2a 導電性支持体
2b 弾性層
2c 抵抗層
10 画像形成装置
20 帯電器

Claims (19)

  1. プロセス速度を切り替えることが可能で、感光体に接触または近接して配置した帯電部材により当該感光体を帯電させる方式の画像形成装置であって、
    前記帯電部材は導電性支持体上に被覆層が形成されているとともに、当該帯電部材の電流の時定数が、0.01秒以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記帯電部材の形状がローラ状であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記帯電部材表面の表面粗さRzを、15μm以下としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記帯電部材のアスカーC硬度を、50以下としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体は、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層がこの順で形成されており、その電荷輸送層の厚さが、12〜40μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 当該画像形成装置に、現像兼クリーニング装置が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 当該画像形成装置に、帯電兼クリーニング装置および現像兼クリーニング装置が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の画像形成装置において、前記帯電部材の上流側にトナー攪乱部材が配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置において、複数の画像形成部が並べて配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  10. プロセス速度を切り替えることが可能で、感光体に接触または近接して配置した帯電部材に直流電圧を印加することにより当該感光体を帯電させる方式の画像形成装置であって、
    前記帯電部材は導電性支持体上に被覆層が形成されているとともに、当該帯電部材の電流の時定数が、0.01秒以下であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記帯電部材の形状がローラ状であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記帯電部材表面の表面粗さRzを、15μm以下としたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記感光体は、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層がこの順で形成されており、その電荷輸送層の厚さが、12〜40μmであることを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 前記感光体は、熱可塑性樹脂をコートした導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層がこの順で形成されており、その電荷輸送層の厚さが、12〜40μmであることを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 前記導電性支持体上の熱可塑性樹脂のコート層の厚さが、1〜5μmであることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 当該画像形成装置に、現像兼クリーニング装置が設けられていることを特徴とする請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 当該画像形成装置に、帯電兼クリーニング装置および現像兼クリーニング装置が設けられていることを特徴とする請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 請求項16または請求項17に記載の画像形成装置において、前記帯電部材の上流側にトナー攪乱部材が配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項16ないし請求項18のいずれかに記載の画像形成装置において、複数の画像形成部が並べて配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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