JP3371260B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3371260B2
JP3371260B2 JP27188592A JP27188592A JP3371260B2 JP 3371260 B2 JP3371260 B2 JP 3371260B2 JP 27188592 A JP27188592 A JP 27188592A JP 27188592 A JP27188592 A JP 27188592A JP 3371260 B2 JP3371260 B2 JP 3371260B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
プリンタ、複写機等に有用であって、かつ露光手段とし
て半導体レーザ光等を用いて像形成を行うときにも好適
な電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、光導電性材料の研究が盛んに行われ
ており、電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イメ
ージセンサなどの光電変換素子として応用されている。
従来、これらの光導電性材料には主として無機系の材料
が用いられ、例えば電子写真感光体においては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電材料を主
成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使用されて
きた。
【0003】しかしながら、このような無機感光体は複
写機、プリンタ等の電子写真感光体として要求される光
感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ず
しも満足できるものではなかった。例えばセレンは熱や
指紋の汚れ等により結晶化するために電子写真感光体と
しての特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用
いた電子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸
化亜鉛を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。
【0004】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
【0005】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために種々の有機光導電性材料が注目されるように
なり、電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られるなど近年活発に研究が行われている。例えば特公
昭50‐10496号にはポリビニルカルバゾールとトリニト
ロフルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が
記載されている。しかしながらこの感光体は感度及び耐
久性において十分なものではない。そのためキャリア発
生機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担さ
せた機能分離型の電子写真感光体が開発された。
【0006】このような電子写真感光体においては、材
料を広い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、
そのため高感度、高耐久性である有機感光体が得られる
ことが期待されている。
【0007】このような機能分離型の電子写真感光体の
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロモア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
【0008】なかでも特定の結晶型を有するチタニルフ
タロシアニンは特に優れた特性を示すことが知られてい
る。チタニルフタロシアニンは数多くの結晶を有し、結
晶型の違いによってまったく異なった性能を示すが、な
かでもCu-Kαに対するX線回折スペクトルにおいて
ブラッグ角2θの27.2°±0.2°に最大ピークを有する
結晶型のチタニルフタロシアニンは著しく光量子効率が
高いため、このようなチタニルフタロシアニンは著しく
光量子効率が高いため、このようなチタニルフタロシア
ニンをキャリア発生物質として用いた電子写真感光体は
高速のプリンタや高速のデジタル複写機及び高速のファ
クシミリ等の設計にきわめて有用なものとなっている。
【0009】しかしながら、このような高い量子効率を
有する化合物をキャリア発生物質として用いた場合、高
い感度を有しているため僅かな光量にも反応する。この
場合使用環境において僅かの光の漏れなどもすべて画像
として拾われ欠陥となる場合がある。また、例えば露光
手段として半導体レーザを用いた場合、照射光強度のば
らつきにより感光体上に多くの光量が照射された場合に
は細線の再現性などに影響を与えることも予想される。
また、用いる画像形成プロセスにより感光体の光減衰特
性を任意に調節することが望まれているが、従来の技術
ではキャリア発生物質及びキャリア輸送物質を換えない
限り、光減衰特性を所望の特性にすることは不可能であ
った。更に、キャリア発生物質とキャリア輸送物質の組
合せ等を換えることによりコスト面の上昇だけでなくイ
オン化ポテンシャルの差異などの要因による繰返し使用
時の感光体の安定性などに問題が生じることも考えられ
る。これらの点から繰返し特性等の電子写真感光体に要
求される諸特性を損なわずに一種の感光層を用いて電子
写真感光体を種々の画像形成プロセスに適応させるため
の技術が望まれている。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、上記問題点を克服し
た、高感度で、高速プリンタや高速デジタル複写機或い
は高速ファクシミリに用いるのに有用な電子写真感光体
を提供することにある。
【0011】本発明の目的はまた繰返し使用時における
特性の安定した電子写真感光体を得ることにある。
【0012】本発明のさらなる目的は生産安定性に優
れ、特性変動の少なく画像特性に優れた電子写真感光体
を得ることにある。
【0013】
【発明の構成及び効果】本発明の上記の目的は、導電性
支持体上にキャリア発生層、キャリア輸送層を積層して
なる電子写真感光体において、前記キャリア輸送層は、
下記一般式〔1〕で表されるシリコンナフタロシアニン
化合物を赤外吸収色素として含有し、かつ、780nm
の単色光に対して6%以上、90%以下の透過率を有す
るものであり、この範囲外の透過率の電子写真感光体で
は本発明に見られるような効果が得られない。
【化A】
〔式中、Yは(Rn) 3 SiO−基(Rnはアルキル基
又はアリール基を表し、Rnのうち少なくとも1つは炭
素数6以上のアルキル基)を表し、X 1 ,X 2 ,X 3 ,X 4
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、或いはアルコ
キシ基、アリールオキシ基を表す。〕
【0014】透過率を制限する手段としては種々考えら
れるが、一般的にはキャリア輸送層の780nmの吸光
度を上げることにより透過率を90%以下にすることがで
き、例えば赤外域に吸収をもつ色素を含有させることに
よって目的を達成することができる。
【0015】本発明に用いられる赤外吸収色素としては
780nmに吸収を有する色素であればよいが、特にナフタ
ロシアニン化合物は780nm付近にシャープな吸収を示
し、また繰返し使用時の電位安定性に優れているので好
ましい。
【0016】ナフタロシアニンについては既に種々の中
心金属のナフタロシアニンがキャリア発生物質として使
用されている。しかしながら本発明の感光体では赤外吸
収ナフタロシアニンはキャリア発生による感度への寄与
の機能は持たず、更にキャリア発生層ではなくキャリア
輸送層においてその機能を発現する点で全く異なるもの
である。
【0017】本発明に用いられるナフタロシアニンは次
の一般式〔2〕で表される。
【0018】
【化2】
【0019】〔式中、Mは水素原子或いは金属原子を表
し、好ましくはSi,Ge,Sn,Cu,Zn,Mg,Ti,
V,Al,Inなどが挙げられる。またYは置換もしくは
未置換のアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、ハロゲン原子、酸素原子、シロキシ基、或いは水酸
基を表し、X1,X2,X3,X4は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、或いはアルコキシ基、アリールオキシ
基を表す。またk,l,m,nは0〜4の整数を表す。
【0020】更に、本発明に使用されるナフタロシアニ
ン化合物は、キャリア輸送層中でバインダに溶解させた
形で使用するには有機溶媒や種々のバインダへの溶解性
の高いナフタロシアニンが好ましく、例えば炭素数の大
きいアルキル基を分子内に有するものは溶解性が高く、
炭素数が6以上のアルキル基を有することが好ましい。
【0021】従って、一般式〔2〕で表されるナフタロ
シアニン中、M,Y,Xを特定し、前記〔化1〕に示し
た一般式〔1〕で表されるシリコンナフタロシアニンが
特に好ましい。
【0022】また、これらのシリコンナフタロシアニン
はJ.Am,Chem.Soc.,106,7404(1984)に記載されてあ
る方法にしたがって合成することができる。
【0023】以下に本発明に用いられるシリコンナフタ
ロシアニンの具体例を次に示す。
【0024】
【化3】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】本発明に用いられるキャリア発生物質とし
てはLD光に対して感度を有するものであればかまわな
いが、具体的にはα,β,τ,X等の結晶型の無金属フ
タロシアニン、A,B,Cの各型結晶、アモルファス及
びブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有するチタニ
ルフタロシアニン、チタニルフタロシアニンとバナジル
フタロシアニンの混晶に代表される複数のフタロシアニ
ンの混晶、銅フタロシアニン等に代表される各種の金属
フタロシアニン、ナフタロシアニン、その他ポルフィリ
ン誘導体、アゾ化合物、ジブロモアンスアンスロンに代
表される多環キノン化合物、ピリリウム化合物及びピリ
リウム化合物の共晶錯体、スクエアリウム化合物などが
挙げられ、なかでもブラッグ角2θの27.2°±0.2に最
大ピークを有するチタニルフタロシアニンが好ましく、
更にブラッグ角2θ(±0.2°)の9.5°、24.1°、27.2
°にピークを有するチタニルフタロシアニンが最も好ま
しい。
【0029】X線回折スペクトルは次の条件で測定さ
れ、ここでいうピークとは、ノイズとは異なった明瞭な
鋭角の突出部のことである。
【0030】 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.0 deg. ストップ角度 35.0 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明の電子写真感光体は上記キャリア発生物質を併用
してもよい。
【0031】次に、本発明の電子写真感光体に用いられ
るキャリア輸送物質としては種々のものが使用できる
が、代表的なものとして例えばオキサゾール、オキサジ
アゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダソール
等に代表される含窒素複素環核及びその縮合環核を有す
る化合物、ポリアリールアルカン系の化合物、ピラゾリ
ン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールアミン
化合物、スチリル系化合物、ポリス(ビス)スチリル系
化合物、スチリルトリフェニルアミン系化合物、β-フ
ェニルスチリルフェニルアミン系化合物、ブタジエン系
化合物、ヘキサトリエン系化合物、カルバゾール系化合
物、縮合多環系化合物等が挙げられる。これらのキャリ
ア輸送物質の具体例としては例えば特開昭61-107356号
に記載のキャリア輸送物質を挙げることができるが、特
に代表的なものの構造を次に示す。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】感光体の構成は種々の形態が知られてい
る。本発明の感光体は積層型機能分離型感光体とするの
が望ましい。この場合、通常は図1(1)〜(4)よう
な構成となる。(1)に示す層構成は、導電性支持体1
上にキャリア発生層2を形成し、これにキャリア輸送層
3を積層して感光層4を形成したものであり、(2)は
半透明の導電性支持体1′上でキャリア発生層2とキャ
リア輸送層3を逆にした感光層4′を形成したものであ
る。これは導電性支持体側から光照射する場合の層構成
である。(3)は(1)の層構成の感光層4と導電性支
持体1の間に中間層5を設けたものである。(1)から
(4)の構成において、最表層にはさらに保護層を設け
ることができる。
【0038】感光層の形成においてはキャリア発生物質
或はキャリア輸送物質を単独でもしくはバインダや添加
剤とともに溶解させた溶液を塗布する方法が有効であ
る。しかし、一般にキャリア発生物質の溶解度は低いた
め、そのような場合キャリア発生物質を超音波分散機、
ボールミル、サンドミル、ホモミキサ等の分散装置を用
いて適当な分散媒中に微粒子分散させた液を塗布する方
法が有効となる。この場合、バインダや添加剤は分散液
中に添加して用いられるのが通常である。
【0039】感光層の形成に使用される溶剤或は分散媒
としては広く任意のものを用いることができる。例え
ば、ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸-t-ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン、クロロ
ホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、トリクロル
エタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。
【0040】キャリア発生層もしくはキャリア輸送層の
形成にバインダを用いる場合に、バインダとして任意の
ものを選ぶことができるが、特に疎水性でかつフィルム
形成能を有する高分子重合体が望ましい。このような重
合体としては例えば次のものをあげることができるが、
これらに限定されるものではない。 ポリカーボネート ポリカーボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン-ブタジエン共
重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン-アルキッド樹
脂 シリコーン樹脂 シリコーン-アルキッド
樹脂 シリコーン-ブチラール樹脂 ポリエステル ポリウレタン ポリアミド エポキシ樹脂 フェノール樹脂 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 バインダに対するキャリア発生物質の割合は10〜600重
量%が望ましく、さらには、50〜400重量%とするのが
望ましい。バインダに対するキャリア輸送物質の割合は
10〜500重量%とするのが望ましい。また、バインダに
対する赤外吸収色素の割合は、0.0001〜10重量%であ
り、特に望ましくは0.001%〜1重量%である。キャリ
ア発生層の厚さは0.01〜20μmとされるが、さらには0.0
5〜5μmが好ましい。キャリア輸送層の厚みは1〜100μ
mであるが、さらには5〜30μmが好ましい。
【0041】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、或は反復使用時の疲労の低減を目的として電子受容
物質を含有させることができる。このような電子受容性
物質としては例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジ
ブロム無水琥珀酸、無水フタル酸、テトラクロル無水フ
タル酸、テトラブロム無水フタル酸、3-ニトロ無水フタ
ル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキ
ノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼ
ン、1,3,5-トリニトロベンゼン、p-ニトロベンゾニトリ
ル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラ
ニル、ブロマニル、ジクロルジシアノ-p-ベンゾキノ
ン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、9-フル
オレニリデンマロノニトリル、ポリニトロ-9-フルオレ
ニリデンマロノニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ安息香
酸、p-ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、ペンタ
フルオロ安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電子親和
力の大きい化合物を挙げることができる。電子受容性物
質の添加割合はキャリア発生物質の重量100に対して0.0
1〜200が望ましく、さらには0.1〜100が好ましい。
【0042】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
耐環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては例えばトコフェロール
等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物もし
くはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、
ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル化化
合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜燐酸
エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノール化合
物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、
環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが有効
である。特に有効な化合物の具体例としては「IRGANOX
1010」,「IRGANOX 565」(チバ・ガイギー社製)、「スミラ
イザー BHT」,「スミライザーMDP」(住友化学工業社製)
等のヒンダードフェノール化合物、「サノール LS-262
6」,「サノール LS-622LD」(三共社製)等のヒンダード
アミン化合物が挙げられる。
【0043】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記のキャリア発生層及びキャリア輸送層用に
挙げたものを用いることができるが、そのほかにナイロ
ン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−メタクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリ
ビニルアルコール、セルロース誘導体等が有効である。
また、メラミン、エポキシ、イソシアネート等の熱硬化
或は化学的硬化を利用した硬化型のバインダを用いるこ
とができる。
【0044】導電性支持体としては金属板、金属ドラム
が用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の
導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の
金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙
やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなるも
のを用いることができる。
【0045】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。
【0046】実施例1〜7 図2のブラッグ角2θの9.5°、24.1°、27.2°にピー
クを有するチタニルフタロシアニン1重量部にメチルエ
チルケトン100重量部、ポリビニルブチラール樹脂1重
量部を加え、ボールミルを用いて分散した。得られた分
散液の一部を蒸発乾固の後、X線回折スペクトルを測定
すると図3のようであった。
【0047】一方、アルミニウムを蒸着したポリエステ
ルベース上にワイヤバー塗布法によって、ポリアミド樹
脂「CM-8000」(東レ社製)からなる厚さ0.3μmの下
引層を設けた後、得られた分散液をワイヤバー塗布して
厚さ0.2μmのキャリア発生層とした。次いでキャリア
輸送物質(21)1重量部とポリカーボネート樹脂「ユー
ピロン Z-200」(三菱瓦斯化学社製)1.33重量部シリ
コンナフタロシアニン(2)及び微量のシリコーンオイ
ル「KF-54」(信越化学社製)を1,2-ジクロルエタン
8重量部に溶解させた液をブレード塗布して厚さ20μm
のキャリア輸送層を形成させた。このようにして得られ
た感光体をサンプル1〜7とする。
【0048】実施例8 実施例6において、シリコンナフタロシアニン(2)を
用いる代りにシリコンナフタロシアニン(1)を用いた
他は実施例6と同様にして感光体を作製した。これをサ
ンプル8とする。
【0049】実施例9 実施例6においてポリビニルブチラール樹脂の代りにシ
リコーン樹脂を用いた他は実施例6と同様にして本発明
の感光体を得た。これをサンプル9とする。
【0050】実施例10 実施例6においてポリビニルブチラール樹脂の代りにシ
リコーン-ブチラール樹脂を用いた他は実施例6と同様
にして本発明の感光体を得た。これをサンプル10とす
る。
【0051】実施例11 実施例6において得られた分散液1,4-ブタンジオール1
重量部を添加した他は実施例6と同様にして感光体を作
製した。これをサンプル11とする。
【0052】実施例12 実施例6においてメチルエチルケトンの代りにシクロヘ
キサノンを、ポリビニルブチラール樹脂の代りにポリカ
ーボネートZ樹脂を用いた他は実施例11と同様にして本
発明の感光体を得た。これをサンプル12とする。
【0053】比較例(1) 実施例6においてシリコンナフタロシアニンを除いた他
は実施例6と同様にして比較の感光体を得た。これらを
比較サンプル(1)とする。
【0054】比較例(2)〜(5) 実施例9〜12においてシリコンナフタロシアニンを除い
た他は実施例9〜12と同様にして比較の感光体を得た。
これらを比較サンプル(2)〜(5)とする。 評価1 得られたサンプルの20μmのキャリア輸送層の780nm光
に対する透過率T(%)を測定した。
【0055】評価2 得られたサンプルを20℃、50%RHの環境下にて「KONI
CA 9028」(コニカ社製、半導体レーザ光源使用)改造
機に搭載し、グリッド電圧VGを600Vに調節し、未露光
部電位VH及び0.7mWの光照射時の露光部の電位VL
測定した。次にサンプルを10℃、20%RHの環境に移し
十分環境に順応させた後、前述の条件でVH、VLを測定
した。また、10℃、20%RHの環境下において1万プリ
ントの繰返し使用を行った後のVH、VLも併せて測定し
た。
【0056】評価3 サンプルはまた55℃、80%RHの雰囲気下に1週間放置
した後、20℃、50%RHの環境下で「KONIKA 9028」改
造機に搭載し、VH、VLを測定した。
【0057】評価の結果は表1に示した。本発明の感光
体は湿度変動、繰返し使用による感光体特性の変化の低
減、分散液及び感光体の安定化に著しい効果を示すとと
もに用いた赤外吸収色素の添加量に応じて用途にあった
感度を有する感光体を得ることができる。
【0058】
【表1】
【0059】実施例13 実施例6におけるにおけるチタニルフタロシアニンをブ
ラッグ角2θの27.2°、24.1°、9.0°にピークを有す
るX線回折スペクトルを示すチタニルフタロシアニンに
代えた他は実施例1と同様にして本発明の感光体を得
た。これをサンプル13とする。
【0060】比較例(6) 実施例13において、本発明中のシリコンナフタロシアニ
ンを除いた他は実施例13と同様にして本発明の感光体を
得た。これを比較サンプル(6)とする。
【0061】サンプル13及び比較サンプル(6)は評価
1及び2の方法に従って評価した。結果は表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】本発明の系が優れた特性を示すことが確認
される。
【0064】
【発明の効果】本発明の構成によって、キャリア発生物
質及びキャリア輸送物質を換えることなく、また電子写
真感光体に要求される諸特性を損なわずに光減衰特性を
所望の特性に調整することが可能となった。更に本発明
の電子写真感光体は種々の環境下においても安定でかつ
繰返し使用時の電位安定性を大幅に向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の断面図。
【図2】実施例1で用いられるチタニルフタロシアニン
のX線回折スペクトル図。
【図3】実施例1において分散液を蒸発乾固した後のX
線回折スペクトル図。
【図4】実施例13に用いられるチタニルフタロシアニン
のX線回折スペクトル図。
【符号の説明】
1,1’導電性支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4,4’ 感光層 5 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤巻 義英 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−14848(JP,A) 特開 昭63−77063(JP,A) 特開 昭60−233655(JP,A) 特開 昭61−215663(JP,A) 特開 昭63−55556(JP,A) 特開 昭63−141070(JP,A) 特開 平4−101154(JP,A) 電子写真学会編「電子写真技術の基礎 と応用」pp.440〜PP.441「(3) 光プリンタ用感光体」の欄及び図5. 45、1988年6月15日初版第1刷発行 の 第3刷 森 靖樹 他「レーザプリンタ用長波 長有機感光体材料」、電子写真学会誌第 25巻第3号pp.77〜pp.82、昭和61 年9月10日発行

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上にキャリア発生層、キャ
    リア輸送層を積層してなる電子写真感光体において、 前記キャリア輸送層は、下記一般式〔1〕で表されるシ
    リコンナフタロシアニン化合物を赤外吸収色素として含
    有し、かつ、780nmの単色光に対して6%以上、9
    0%以下の透過率を有するものであり、 前記電子写真感光体は半導体レーザにより潜像形成され
    るものであることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 〔式中、Yは(Rn) 3 SiO−基(Rnはアルキル基
    又はアリール基を表し、Rnのうち少なくとも1つは炭
    素数6以上のアルキル基)を表し、X 1 ,X 2 ,X 3 ,X 4
    は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、或いはアルコ
    キシ基、アリールオキシ基を表す。〕
  2. 【請求項2】 キャリア発生層に含有されるキャリア発
    生物質として、フタロシアニン化合物を含有することを
    特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 キャリア発生層に含有されるキャリア発
    生物質として、Cu−Kα線(1.541Å)に対する
    ブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有するチタ
    ニルフタロシアニン化合物を含有することを特徴とする
    請求項1、2のいずれかに記載の電子写真感光体。
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電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」pp.440〜PP.441「(3)光プリンタ用感光体」の欄及び図5.45、1988年6月15日初版第1刷発行 の 第3刷

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