JPH05333578A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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Publication number
JPH05333578A
JPH05333578A JP14049292A JP14049292A JPH05333578A JP H05333578 A JPH05333578 A JP H05333578A JP 14049292 A JP14049292 A JP 14049292A JP 14049292 A JP14049292 A JP 14049292A JP H05333578 A JPH05333578 A JP H05333578A
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JP
Japan
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compounds
sensitive body
carrier
electrophotographic sensitive
phthalocyanine
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Application number
JP14049292A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomomi Oshiba
知美 大柴
Fumitaka Mochizuki
文貴 望月
Hajime Tadokoro
肇 田所
Akira Kinoshita
昭 木下
Kazumasa Watanabe
一雅 渡邉
Yoshihide Fujimaki
義英 藤巻
Kiyoshi Tamaki
喜代志 玉城
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感度特性に優れ、高速プリンタや高速デジタ
ル複写機或は高速ファクシミリに有用な電子写真感光
体、また湿度変動に対する感度特性の変化の少ない電子
写真感光体、また繰返し使用時における特性の安定した
電子写真感光体、さらに生産安定性に優れ特性変動の少
ない電子写真感光体を提供する。 【構成】 Cu−Kα線に対するX線回折スペクトルに
おいてブラッグ角2θの27.2±0.2°に最大ピークを有
する結晶型のチタニルフタロシアニン/バナジルフタロ
シアニンを含有し、かつ分子量が110〜2000の範囲のポ
リアルキレングリコールをチタニルフタロシアニン100
重量部に対して0.1〜500重量部の範囲で含有してなるこ
とを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
特に光導電性材料として特定の結晶型を有するチタニル
フタロシアニンを用い、プリンタ、複写機等に有効であ
って、かつ露光手段として半導体レーザ光及びLED光
等を用いて像形成を行うときにも好適な電子写真感光体
に関する。
【0002】
【従来技術】近年、光導電性の材料の研究が盛んに行わ
れており、電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イ
メージセンサなどの光電変換素子として応用されてい
る。従来、これらの光導電性材料には主として無機系の
材料が用いられ、例えば電子写真感光体においては、セ
レン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電材料を
主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使用され
てきた。
【0003】しかしながら、このような無機感光体は複
写機、プリンタ等の電子写真感光体として要求される光
感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ず
しも満足できるものではなかった。例えばセレンは熱や
指紋の汚れ等により結晶化するために電子写真感光体と
しての特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用
いた電子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸
化亜鉛を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。
【0004】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
【0005】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために種々の有機光導電性材料が注目されるように
なり、電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られるなど近年活発に研究が行われている。例えば特公
昭50‐10496号にはポリビニルカルバゾールとトリニト
ロフルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が
記載されている。しかしながらこの感光体は感度及び耐
久性において十分なものではない。そのためキャリア発
生機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担さ
せた機能分離型の電子写真感光体が開発された。
【0006】このような電子写真感光体においては、材
料を広い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、
そのため高感度、高耐久の優れた有機感光体が得られる
ことが期待されている。
【0007】このような機能分離型の電子写真感光体の
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロモア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
【0008】なかでも特定の結晶型を有するチタニルフ
タロシアニン/バナジルフタロシアニン混晶は優れた特
性を示すことが知られている。チタニルフタロシアニン
/バナジルフタロシアニン混晶は結晶型の違いによって
性能が異なるが、Cu−Kαに対するX線回折スペクト
ルにおいてブラッグ角2θの27.2±0.2°に最大ピーク
を有する結晶型のチタニルフタロシアニンは光量子効率
が高いため、キャリア発生物質として用いた電子写真感
光体は高速のプリンタや高速のデジタルコピア及び高速
のファクシミリ等の設計に有用なものとなっている。
【0009】感光層を形成させるためには、通常目的と
するチタニルフタロシアニン/バナジルフタロシアニン
混晶を有機溶媒中で必要に応じてバインダポリマーを加
え、各種の分散装置を用いて微分散させ、得られる分散
液を導電性の基体上に塗布することが行われる。一般に
結晶多形を有する化合物は環境条件によって結晶安定性
が異なるため、分散液では溶媒やバインダの影響を受け
て結晶状態の変化を生じることがしばしばであるが、特
に本発明に用いるチタニルフタロシアニン/バナジルフ
タロシアニン混晶は非常に高い光量子効率の故に、結晶
状態のそのような僅かな変化が感光体特性に対して重要
な影響を及ぼすものである。したがって分散液中におい
てそのような変化を抑制することが重要であり、さらに
は感光層中において環境条件等に対して長期に亘る結晶
安定性を確保することが重要である。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は感度特性に優れ、高速プ
リンタや高速デジタル複写機或は高速ファクシミリに用
いるのに有用な電子写真感光体を提供することにある。
【0011】本発明の目的はまた湿度変動に対する感度
特性の変化の少ない電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0012】本発明の目的はまた繰返し使用時における
特性の安定した電子写真感光体を提供することにある。
【0013】本発明のさらなる目的は生産安定性に優れ
特性変動の少ない電子写真感光体を得ることにある。
【0014】
【発明の構成及び効果】本発明の上記の目的に沿い鋭意
検討を行い、本発明に用いる特定結晶型のチタニルフタ
ロシアニン/バナジルフタロシアニンに対しては特定の
物質を存在させることによって安定性が著しく向上する
ことを見いだした。即ちCu−Kα線に対するX線回折
スペクトルにおいてブラッグ角2θの27.2±0.2°に最
大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン/バ
ナジルフタロシアニン混晶をキャリア発生物質として用
いた電子写真感光体において、分散液中もしくは感光層
中好ましくはチタニルフタロシアニン/バナジルフタロ
シアニンと同一層に分子量が110〜2000の範囲のポリア
ルキレングリコールを、チタニルフタロシアニン/バナ
ジルフタロシアニン混晶100重量部に対して0.1〜500重
量部の範囲で含有させることによって達成される。
【0015】X線回折スペクトルは次の条件で測定さ
れ、ここでいうピークとはノイズとは異なった明瞭な鋭
角の突出部のことである。
【0016】 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.0 deg. ストップ角度 35.0 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明の混晶作製に用いられるチタニルフタロシアニン
の合成には種々の方法を用いることができるが、代表的
には次の反応式(1)或いは(2)に従って合成するこ
とができる。
【0017】
【化1】
【0018】式中、R1〜R4は脱離基を表す。
【0019】また、バナジルフタロシアニンはチタニル
フタロシアニンと同様にo-フタロニトリルや1,3-ジイミ
ノイソインドリンと五酸化バナジウム、アセチルアセト
ンバナジウムに代表されるバナジウム試薬を1-クロルナ
フタレン等の不活性溶媒中で反応させることにより得る
ことができる。
【0020】上記のようにして得られたチタニルフタロ
シアニンとバナジルフタロシアニンの混晶の形成には、
例えば通常のアシッドペースト処理により任意の結晶型
のチタニルフタロシアニン及びバナジルフタロシアニン
を濃硫酸に溶解し、その硫酸溶液を水にあけて析出した
結晶を濾取する方法、或は任意の結晶型のチタニルフタ
ロシアニンとバナジルフタロシアニンを混合し、その混
合物をミリング等の機械的な力により粉砕する方法など
によってチタニルフタロシアニン−バナジルフタロシア
ニンより構成されるアモルファス結晶が得られる。ここ
でアシッドペースト処理によりアモルファス化を行う場
合は一般的な条件にて達成され、フタロシアニンに対す
る濃硫酸の重量比は特に限定されないが、5倍から200
倍程度が望ましい。また、濃硫酸に対する水あけに用い
る水の量は重量比で通常、5倍から100倍程度が望まし
い。更に、フタロシアニンを濃硫酸に溶解する温度は5
℃以下、水あけ温度は通常0℃以上50℃以下が望まし
い。
【0021】次いでこのアモルファス結晶を特定の有機
溶媒で処理することによって本発明に用いられる結晶型
を得ることができる。用いられる有機溶媒としては炭化
水素系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコー
ル、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、有機酸、有機ア
ミン類、複素環化合物などが挙げられるが、必要に応じ
てスルホン酸やトリクロル酢酸等の酸を添加してもよ
い。一方、アモルファス結晶の状態は水分を含んだウエ
ットペーストの状態或は水分を含んでいない乾燥状態の
もののどちらも用いることができるが、これは処理する
有機溶媒の種類や目的によって選択する事ができる。さ
らにこの溶媒処理においては必要に応じて加熱あるいは
ミリング処理等の操作を行うことができる。また合成例
6に示したように一旦これらの方法にて本発明の結晶型
に変換された結晶に対して更に上述の有機溶媒で処理す
るなどの必要に応じた結晶処理を行うことができる。し
かしながら結晶変換の方法は必ずしもこのような方法に
限定されるものではない。
【0022】これらのチタニルフタロシアニン/バナジ
ルフタロシアニン混晶と共存させて用いられるポリアル
キレングリコールはポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールであり、分子量が110〜2000のも
のが用いられる。なかでも分子量が100〜500のものが好
ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコールが好ましい。
【0023】ポリエチレングリコールはチタニルフタロ
シアニン/バナジルフタロシアニン混晶100重量部に対
して0.1〜500重量部の範囲で用いられる。これより少な
いと効果が不十分であり、またこれより多すぎると感光
体の感度特性を低下させてしまうからである。
【0024】本発明の電子写真感光体は上記のフタロシ
アニンのほかに他の光導電性物質を併用してもよい。他
の光導電性物質としては本発明に用いられるチタニルフ
タロシアニンとは結晶型において異なるA、B、C、ア
モルファスおよびAB混合型などのチタニルフタロシア
ニンをはじめ、他のフタロシアニン化合物、ナフタロシ
アニン化合物、その他ポルフィリン誘導体、アゾ化合
物、ジブロモアンスアンスロンに代表される多環キノン
化合物、ピリリウム化合物、及びピリリウム化合物の共
晶錯体、スクエアリウム化合物等が挙げられる。
【0025】本発明の電子写真感光体はキャリア輸送物
質を併用してもよい。キャリア輸送物質としては種々の
ものが使用できるが、代表的なものとして例えばオキサ
ゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾー
ル、イミダゾール等に代表される含窒素複素環核及びそ
の縮合環核を有する化合物、ポリアリールアルカン系の
化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ト
リアリールアミン系化合物、スチリル系化合物、ポリス
(ビス)スチリル系化合物、スチリルトリフェニルアミ
ン系化合物、β-フェニルスチリルトリフェニルアミン
系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキサトリエン系化合
物、カルバゾール系化合物、縮合多環系化合物等が挙げ
られる。これらのキャリア輸送物質の具体例としては例
えば特開昭61-107356号に記載のキャリア輸送物質を挙
げることができるが、特に代表的なものの構造を次に示
す。
【0026】
【化2】
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】感光体の構成は種々の形態が知られてい
る。本発明の感光体はそれらのいずれの形態もとりうる
が、積層型もしくは分散型の機能分離型感光体とするの
が望ましい。この場合、通常は図1(1)から(6)の
ような構成となる。図1(1)に示す層構成は、導電性
支持体1上にキャリア発生層2を形成し、これにキャリ
ア輸送層3を積層して感光層4を形成したものであり、
同図(2)はこれらのキャリア発生層2とキャリア輸送
層3を逆にした感光層4′を形成したものである。同図
(3)は(1)の層構成の感光層4と導電性支持体1の
間に中間層5を設けたものである。同図(5)の層構成
はキャリア発生物質6とキャリア輸送物質7を含有する
感光層4″を形成したものであり、同図(6)はこのよ
うな感光層4″と導電性支持体1との間に中間層5を設
けたものである。図1(1)から(6)の構成におい
て、最表層にはさらに保護層を設けることができる。
【0033】感光層の形成においてはキャリア発生物質
或はキャリア輸送物質を単独でもしくはバインダや添加
剤とともに溶解させた溶液を塗布する方法が有効であ
る。しかし、一般にキャリア発生物質の溶解度は低いた
め、そのような場合キャリア発生物質を超音波分散機、
ボールミル、サンドミル、ホモミキサ等の分散装置を用
いて適当な分散媒中に微粒子分散させた液を塗布する方
法が有効となる。この場合、バインダや添加剤は分散液
中に添加して用いられるのが通常である。
【0034】感光層の形成に使用される溶剤或は分散媒
としては広く任意のものを用いることができる。例え
ば、ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸-t-ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン、クロロ
ホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、トリクロル
エタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。
【0035】キャリア発生層もしくはキャリア輸送層の
形成にバインダを用いる場合に、バインダとして任意の
ものを選ぶことができるが、特に疎水性でかつフィルム
形成能を有する高分子重合体が望ましい。このような重
合体としては例えば次のものをあげることができるが、
これらに限定されるものではない。 ポリカーボネート ポリカーボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン-ブタジエン共重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン-アルキッド樹脂 シリコーン樹脂 シリコーン-アルキッド樹脂 シリコーン-ブチラール樹脂 ポリエステル ポリウレタン ポリアミド エポキシ樹脂 フェノール樹脂 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 バインダに対するキャリア発生物質の割合は10〜600重
量%が望ましく、さらには、50〜400重量%とするのが
望ましい。バインダに対するキャリア輸送物質の割合は
10〜500重量%とするのが望ましい。キャリア発生層の
厚さは0.01〜20μmとされるが、さらには0.05〜5μmが
好ましい。キャリア輸送層の厚みは1〜100μmである
が、さらには5〜30μmが好ましい。
【0036】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、或は反復使用時の疲労の低減を目的として電子受容
物質を含有させることができる。このような電子受容性
物質としては例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジ
ブロモ無水琥珀酸、無水フタル酸、テトラクロル無水フ
タル酸、テトラブロム無水フタル酸、3-ニトロ無水フタ
ル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキ
ノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼ
ン、1,3,5-トリニトロベンゼン、p-ニトロベンゾニトリ
ル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラ
ニル、ブロマニル、ジクロルジシアノ-p-ベンゾキノ
ン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、9-フル
オレニリデンマロノニトリル、ポリニトロ-9-フルオレ
ニリデンマロノニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ安息香
酸、p-ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、ペンタ
フルオロ安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電子親和
力の大きい化合物を挙げることができる。電子受容性物
質の添加割合はキャリア発生物質の重量100に対して0.0
1〜200が望ましく、さらには0.1〜100が好ましい。
【0037】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
耐環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては例えばトコフェロール
等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物もし
くはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、
ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル化化
合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜燐酸
エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノール化合
物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、
環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが有効
である。特に有効な化合物の具体例としては「IRGANOX
1010」、「IRGANOX 565」(チバ・ガイギー社製)、「スミラ
イザー BHT」「スミライザーMDP」(住友化学工業社製)等
のヒンダードフェノール化合物「サノール LS-2626」、
「サノール LS-622LD」(三共社製)等のヒンダードアミ
ン化合物が挙げられる。
【0038】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記のキャリア発生層及びキャリア輸送層用に
挙げたものを用いることができるが、そのほかにナイロ
ン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−メタクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリ
ビニルアルコール、セルロース誘導体等が有効である。
また、メラミン、エポキシ、イソシアネート等の熱硬化
或は化学的硬化を利用した硬化型のバインダを用いるこ
とができる。
【0039】導電性支持体としては金属板、金属ドラム
が用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の
導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の
金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙
やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなるも
のを用いることができる。
【0040】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0041】実施例1 図2のX線回折スペクトルを有するチタニルフタロシア
ニン/バナジルフタロシアニン混晶の粉末1重量部に、
メチルエチルケトン100重量部、さらにトリエチレング
リコール(分子量150)0.25重量部を加え、サンドミル
を用いて分散した。得られた分散液の一部を蒸発乾固の
後、X線回折スペクトルを測定すると図3のようであっ
た。一方、アルミニウムを蒸着したポリエステルベース
上にワイヤーバー塗布法によって、ポリアミド樹脂「C
M−8000」(東レ社製)からなる厚さ0.2μmの下引き層
を設けた後、得られた分散液をワイヤーバー塗布して厚
さ0.3μmのキャリア発生層とした。次いでキャリア輸送
物質(1)1重量部とポリカーボネート樹脂「ユーピロ
ン Z−200」(三菱瓦斯化学社製)1.5重量部及び微量
のシリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製)を1,
2-ジクロルエタン8重量部に溶解した液をブレード塗布
して厚さ22μmのキャリア輸送層を形成させた。このよ
うにして得られた感光体をサンプル1とする。
【0042】実施例2〜4 実施例1においてトリエチレングリコールの代りにテト
ラエチレングリコール(分子量194)、分子量500のポリ
エチレングリコール、トリプロピレングリコール(分子
量192)を用いた他は実施例1と同様にして本発明の感
光体を得た。これをサンプル2〜4とする。分散後に測
定したX線回折スペクトルは実施例1と同様であり、結
晶状態の変化はみられなかった。
【0043】比較例(1) 実施例1においてトリエチレングリコールを除いた他は
実施例1と同様にして比較の感光体を得た。これを比較
サンプル(1)とする。また得られた分散液の一部を蒸
発乾固して測定したX線回折スペクトルを図4に示す。
結晶状態に変化が生じていることがわかる。
【0044】比較例(2)〜(4) 実施例1においてトリエチレングリコールの代りにジエ
チレングリコール(分子量106)、分子量2500のポリエ
チレングリコール、分子量3000のポリプロピレングリコ
ールを用いた他は実施例1と同様にして比較の感光体を
得た。これをそれぞれ比較サンプル(2)〜(4)とす
る。
【0045】比較例(5) 実施例1においてトリエチレングリコールの量を6重量
部とした他は実施例1と同様にして比較の感光体を得
た。これを比較サンプル(5)とする。
【0046】比較例(6) 実施例1においてトリエチレングリコールの量を0.0005
重量部とした他は実施例1と同様にして比較の感光体を
得た。これを比較サンプル(6)とする。
【0047】(評価1)得られたサンプルを20℃、50%
RHの環境下にて「Konica 9028」(コニカ社製、半
導体レーザ光源使用)改造機に搭載し、グリッド電圧V
Gを−750Vに調節し、未露光部電位VH及び0.7mWの光
照射時の露光部の電位VLを測定した。次にサンプルを1
0℃、20%RHの環境に移し十分環境に順応させた後、
前述の条件でVH、VLを測定した。また、10℃、20%R
Hの環境下において1万プリントの繰り返し使用を行っ
た後のVH、VLも合わせて測定した。
【0048】(評価2)サンプルはまた55℃、80%RH
の雰囲気下に1週間放置した後、20℃、50%RHの環境
下で「Konica 9028」改造機に搭載し、VH、VLを測定
した。
【0049】評価の結果は表1に示した。本発明のアル
キルジオールは湿度変動、繰り返し使用による感光体特
性の変化の低減、分散液及び感光体の安定化に著しい効
果を示すことがわかる。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の構成によって、感度に湿度変動
性の少い、耐用性の高い、高速のプリンタ、デジタル複
写機、ファクシミリ用の感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の断面図。
【図2】本発明に用いるチタニルフタロシアニン/バナ
ジルフタロシアニンのX線回折スペクトル図。
【図3】実施例1で得られるチタニルフタロシアニン/
バナジルフタロシアニンのX線回折スペクトル図。
【図4】比較例(1)で得られるチタニルフタロシアニ
ン/バナジルフタロシアニンのX線回折スペクトル図。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4 感光層 5 中間層 6 キャリア発生物質 7 キャリア輸送物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 昭 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 渡邉 一雅 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 藤巻 義英 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 玉城 喜代志 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu−Kα線に対するX線回折スペクト
    ルにおいてブラッグ角2θの27.2±0.2°に最大ピーク
    を有するチタニルフタロシアニン/バナジルフタロシア
    ニン混晶を含有し、かつ分子量が110〜2000の範囲のポ
    リアルキレングリコールを、チタニルフタロシアニン10
    0重量部に対して0.1〜500重量部の範囲で含有してなる
    ことを特徴する電子写真感光体。
  2. 【請求項2】チタニルフタロシアニン/バナジルフタロ
    シアニン混晶がCu−Kα線に対するX線回折スペクト
    ルにおいてブラッグ角2θの27.2±0.2°,24.1±0.2
    °,9.5±0.2°にピークを有する結晶である請求項1に
    記載の電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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