JPH07168381A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07168381A
JPH07168381A JP25494892A JP25494892A JPH07168381A JP H07168381 A JPH07168381 A JP H07168381A JP 25494892 A JP25494892 A JP 25494892A JP 25494892 A JP25494892 A JP 25494892A JP H07168381 A JPH07168381 A JP H07168381A
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titanyl phthalocyanine
carrier
compounds
layer
weight
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JP25494892A
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English (en)
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Tomomi Oshiba
知美 大柴
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Yoshihide Fujimaki
義英 藤巻
Kazumasa Watanabe
一雅 渡邊
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Cu−Kα線に対するX線回折スペクトルに
おいてブラッグ角2θの27.2°±0.2°に最大ピークを
有する結晶型のチタニルフタロシアニンをキャリア発生
物質として用いた電子写真感光体において、分散液中も
しくは感光層中、好ましくはチタニルフタロシアニンと
同一層に下記5種の置換基、-OH 、-COOH、-NHR、-NH2、-SH
(但しRは置換若しくは未置換のアルキル基を表す)の
うち少なくとも1種以上の置換基を有する化合物、ある
いは少なくとも3つ以上の-OHを有し、(-OH数)<(炭
素数)であるアルキル化合物をチタニルフタロシアニン
100重量部に対して0.1〜1000重量部の範囲、更に好まし
くは1〜500重量部の範囲で含有させることによって達
成。 【効果】 高感度で、湿度変動に対する感度特性の変化
が少なく、かつ繰り返し使用時における特性変動の少な
い電子写真感光体の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
特に光導電性材料として特定の結晶型を有するチタニル
フタロシアニンを用い、プリンタ、複写機等に有効であ
って、かつ露光手段として半導体レーザ光及びLED光
等を用いて像形成を行うときにも好適な電子写真感光体
に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、光導電性材料の研究が盛んに行わ
れており、電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イ
メージセンサなどの光電変換素子として応用されてい
る。従来、これらの光導電性材料としては主として無機
系の材料が用いられ、例えば電子写真感光体においては
セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性材
料を主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使用
されてきた。
【0003】しかしながら、このような無機感光体は複
写機、プリンター等の電子写真感光体として要求される
光感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性において必
ずしも満足できるものではなかった。例えばセレンは熱
や指紋の汚れ等により結晶化するために電子写真感光体
としての特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを
用いた電子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、
酸化亜鉛を用いた電子写真感光体も耐久性に問題があ
る。
【0004】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
【0005】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために種々の有機光導電性材料が注目されるように
なり、電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られるなど近年活発に研究が行われている。例えば特公
昭50-10496号にはポリビニルカルバゾールとトリニトロ
フルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が記
載されている。しかしながらこの感光体は感度及び耐久
性において十分なものではない。そのためキャリア発生
機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担させ
た機能分離型の電子写真感光体が開発された。このよう
な電子写真感光体においては、材料を広い範囲で選択で
きるので任意の特性を得やすく、そのため高感度、高耐
久の優れた有機感光体が得られることが期待されてい
る。
【0006】このような機能分離型の電子写真感光体の
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロモア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
【0007】なかでも特定の結晶型を有するチタニルフ
タロシアニンは特に優れた特性を示すことが知られてい
る。チタニルフタロシアニンは数多くの結晶型を有し、
結晶型の違いによってまったく異なった性質を示すが、
なかでもCu−Kα線に対するX線回折スペクトルにお
いてブラッグ角2θの27.2°±0.2°に最大ピークを有
するチタニルフタロシアニンは著しく光量子効率が高い
ため、このようなチタニルフタロシアニンをキャリア発
生物質として用いた電子写真感光体は高速のプリンタや
高速のデジタル複写機及び高速のファクシミリ等の設計
にきわめて有用なものとなっている。
【0008】本発明者は、X線回折スペクトルにおいて
9.5°と27.2°に特徴的なピークを示し、また極めて高
い光量子効率を有することが知られているY型チタニル
フタロシアニンが加熱または乾燥した不活性ガス中での
脱水処理によって光量子効率が低下することを見いだし
た。これは常温常湿環境におかれ水を再吸収すると再び
光量子効率が回復することから、Y型結晶は水を吸収し
た結晶であり、水分子が光によって生成した励起子のホ
ールとエレクトロンの解離を促進し、これが高い光量子
効率を示す原因の一つではないかと考察している。(
Y.Fujimaki: IS&T's 7th International Congress on A
dvance in non-impact Printing Technologies, Paper
Summaries, 269, (1991))このような素材をキャリア発
生物質として用いた場合、環境、特に湿度変動により感
度特性が変化することがあり、実用上問題を生じ改善を
要する。
【0009】一方、感光層を形成させるためには通常目
的とするチタニルフタロシアニンを有機溶媒中で必要に
応じてバインダポリマーを加え、各種の分散装置を用い
て微分散させ、得られる分散液を導電性の基体上に塗布
することが行われる。
【0010】一般に結晶多型を有する化合物は環境条件
によって結晶安定化が異なるため、分散液中では溶媒や
バインダの影響を受けて結晶状態の変化を生じることが
しばしばである。特に本発明で用いるチタニルフタロシ
アニン結晶は非常に高い光量子効率を示しており、結晶
状態の僅かな変化が感光体特性に対して重要な影響を与
えることが予想される。したがって分散液中においてそ
のような変化を抑制することが重要であり、さらには感
光層中において環境条件に対して長期にわたる結晶安定
性を確保することが重要である。
【0011】
【発明の目的】上記のような問題に対し本発明の目的
は、高感度で、高速プリンタや高速デジタル複写機或い
は高速ファクシミリに用いるのに有用な電子写真感光体
を提供することにある。
【0012】本発明の目的はまた湿度変動に対する感度
特性の変化の少ない電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0013】本発明の目的はまた繰り返し使用時におけ
る特性の安定した電子写真感光体を得ることにある。
【0014】本発明の更なる目的は生産安定性に優れ特
性変動の少ない電子写真感光体を得ることにある。
【0015】
【発明の構成】本発明の上記の目的は、Cu−Kα線に
対するX線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θの2
7.2°±0.2°に最大ピークを有する結晶型のチタニルフ
タロシアニンをキャリア発生物質として用いた電子写真
感光体において、分散液中もしくは感光層中、好ましく
はチタニルフタロシアニンと同一層に下記5種の置換
基、-OH 、-COOH、-NHR、-NH2、-SH(但しRは置換若しくは
未置換のアルキル基を表す)のうち少なくとも1種以上
の置換基を有する化合物、あるいは少なくとも3つ以上
の-OHを有し、(-OH数)<(炭素数)であるアルキル化
合物をチタニルフタロシアニン100重量部に対して0.1〜
1000重量部の範囲、更に好ましくは1〜500重量部の範
囲で含有させることによって達成される。
【0016】本発明者らは耐環境特性、特に湿度に対す
る安定性を改善すべく検討を重ねた結果、本発明に用い
る特定結晶型のチタニルフタロシアニンをキャリア発生
物質として用いる場合には、キャリア発生層に特定物質
を共存させることにより湿度変動に対する感度特性の変
化を著しく低減できることを見いだした。しかも上記の
感光体では繰り返し使用時の帯電特性及び感度特性の変
化も同時に低減できることが判った。
【0017】更に、長期にわたる結晶安定性について鋭
意検討し、本発明に用いる特定結晶のチタニルフタロシ
アニンに対しては先に述べた特性の物質を共存させるこ
とによって安定性も著しく向上することを見いだし、こ
れらの知見に基づいて本発明を構成した。
【0018】本発明で用いられるチタニルフタロシアニ
ンはつぎの一般式〔I〕で表される。
【0019】
【化1】
【0020】〔式中、X1、X2、X3、X4は水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、或いはアルコキシ基、アリ
ールオキシ基を表し、k、l、m、nは0〜4の整数を
表す。〕X線回折スペクトルは次の条件で測定され、こ
こでいうピークとはノイズとは異なった明瞭な鋭角の突
出部のことである。
【0021】X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.0 deg. ストップ角度 35.0 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 deg. 本発明に用いられるチタニルフタロシアニンの合成には
種々の方法を用いることができるが、代表的には次の反
応式(1)或いは(2)に従って合成することができ
る。
【0022】
【化2】
【0023】〔式中、R1〜R4は脱離基を表す。〕上記
のようにして得られたチタニルフタロシアニンは次に示
すような処理を行うことにより本発明の結晶型に変換す
ることができる。
【0024】例えば任意の結晶型のチタニルフタロシア
ニンを濃硫酸に溶解し、その硫酸溶液を水にあけて析出
した結晶を濾取する。この操作によりチタニルフタロシ
アニンはアモルファス状態に変換される。
【0025】次にこのアモルファスのチタニルフタロシ
アニンを水分の存在下、特定の有機溶媒で処理すること
によって本発明に用いられる結晶型を得ることができ
る。このような方法の具体例としては例えば特開平3-35
245号記載の例を挙げることができる。
【0026】これらのチタニルフタロシアニンと共存さ
せて用いられるアルキル化合物は、下記5種の置換基、
-OH、-COOH、-NHR、-NH2、-SH(Rは置換若しくは無置換の
アルキル基を表す)のうち少なくとも1種以上の置換基
を有するもの、あるいは少なくとも3つ以上の-OHを有
し(-OH数)<(炭素数)であるものであることを特徴
とする。
【0027】この様な化合物の具体例としては例えば次
のような化合物を挙げることができる。
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】これらのアルキル化合物はチタニルフタロ
シアニン100重量部に対して0.1〜1000重量部の範囲で用
いられる。これより少ないと効果が不十分であり、また
多すぎると感光体の感度特性を低下させる。本発明の電
子写真感光体は上記のチタニルフタロシアニンの他に他
の光導電性物質を併用してもよい。他の光導電性物質と
しては本発明に用いられる結晶型と異なる結晶型のA、
B、C、アモルファスおよびこれらの混合型チタニルフ
タロシアニンをはじめチタニルフタロシアニンと他のフ
タロシアニンの混晶、更には無金属フタロシアニンの各
結晶型、銅フタロシアニン等に代表される各種の金属フ
タロシアニン、ナフタロシアニン、その他ポルフィリン
誘導体、アゾ化合物、ジブロモアンスアンスロンに代表
される多環キノン化合物、ピリリウム化合物及びピリリ
ウム化合物の共晶錯体、スクエアリウム化合物などが挙
げられる。
【0032】次に、本発明の電子写真感光体はキャリア
輸送物質を併用してもよい。キャリア輸送物質としては
種々のものが使用できるが、代表的なものとして例えば
オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジ
アゾール、イミダゾール等に代表される含窒素複素環
核、及びその縮合環核を有する化合物、ポリアリールア
ルカン系の化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系
化合物、トリアリールアミン系化合物、スチリル系化合
物、ポリス(ビス)スチリル系化合物、スチリルトリフ
ェニルアミン系化合物、β−フェニルスチリルトリフェ
ニルアミン系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキサトリ
エン系化合物、カルバゾール系化合物、縮合多環系化合
物等が挙げられる。このキャリア輸送物質の具体例とし
ては例えば特開昭61-107356に記載のキャリア輸送物質
を挙げることができるが、特に代表的なものの構造を次
に示す。
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】感光体の構成は種々の形態が知られてい
る。本発明の感光体はそれらのいずれの形態もとりうる
が、積層型もしくは分散型の機能分離型感光体とするの
が望ましい。図1は電子写真感光体の層構成を示す断面
図である。この場合、通常は図1(1)〜(6)のよう
な構成となる。図1(1)に示す層構成は、導電性支持
体1上にキャリア発生層2を形成し、これにキャリア輸
送層3を積層して感光層4を形成したものであり、図1
(2)はこれらのキャリア発生層2とキャリア輸送層3
を逆にした感光層4’を形成したものである。図1
(3)は図1(4)の層構成の感光層4と導電性支持体
1の間に中間層5を設けたものである。図1(5)の層
構成はキャリア発生物質6とキャリア輸送物質7を含有
する感光層4”を形成したものであり、図1(6)はこ
のような感光層4”と導電性支持体1との間に中間層5
を設けたものである。図1(1)〜(6)の構成におい
て、最表層にはさらに保護層を設けることができる。
【0040】感光層の形成においてはキャリア発生物質
或はキャリア輸送物質を単独で、もしくはバインダや添
加剤とともに溶解させた溶液を塗布する方法が有効であ
る。しかし、一般にキャリア発生物質の溶解度は低いた
め、そのような場合キャリア発生物質を超音波分散機、
ボールミル、サンドミル、ホモミキサー等の分散装置を
用いて適当な分散媒中に微粒子分散させた液を塗布する
方法が有効となる。この場合、バインダや添加剤は分散
液中に添加して用いられるのが通常である。
【0041】感光層の形成に使用される溶剤或は分散媒
としては広く任意のものを用いることができる。例え
ば、n-ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチル
ホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸n-ブチ
ル、酢酸t-ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロ
エタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。
【0042】キャリア発生層もしくはキャリア輸送層の
形成にバインダを用いる場合に、バインダとして任意の
ものを選ぶことができるが、特に疎水性でかつフィルム
形成能を有する高分子重合体が望ましい。このような重
合体としては例えば次のものをあげることができるが、
これらに限定されるものではない。
【0043】ポリカーボネート ポリカーボ
ネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン−ブタジエン共
重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン−アルキッド樹
脂 シリコン樹脂 シリコン−アルキッド樹
脂 シリコン−ブチラール樹脂 ポリエステル ポリウレタン ポリアミド エポキシ樹脂 フェノール樹脂 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体 バインダに対するキャリア発生物質の割合は10〜600重
量%が望ましく、さらには50〜400重量%とするのが望
ましい。バインダに対するキャリア輸送物質の割合は10
〜500重量%とするのが望ましい。キャリア発生層の厚
さは0.01〜20μmとされるが、さらには0.05〜5μmが好
ましい。キャリア輸送層の厚みは1〜100μmであるが、
さらには5〜30μmが好ましい。
【0044】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、或は反復使用時の疲労の低減を目的として電子受容
性物質を含有させることができる。このような電子受容
性物質としては例えば、無水コハク酸、無水マレイン
酸、ジブロモ無水コハク酸、無水フタル酸、テトラクロ
ロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、3-ニトロ
無水フタル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロ
ベンゼン、1,3,5-トリニトロベンゼン、p-ニトロベンゾ
ニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、
クロラニル、ブロマニル、ジクロロジシアノ-p-ベンゾ
キノン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、9-
フルオレニリデンマロノニトリル、ポリニトロ-9-フル
オレニリデンマロノニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ安
息香酸、p-ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、ペ
ンタフルオロ安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジ
ニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電
子親和力の大きい化合物を挙げることができる。電子受
容性物質の添加割合はキャリア発生物質の重量100に対
して0.01〜200が望ましく、さらには0.1〜100が好まし
い。
【0045】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
耐環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては例えばトコフェロール
等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物もし
くはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、
ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル化化
合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜リン
酸エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノール化
合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合
物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが
有効である。特に有効な化合物の具体例としては「IRGA
NOX 1010」、「IRGANOX 565」(チバ・ガイギー社製)、
「スミライザーBHT」「スミライザーMDP」(住友化学工
業社製)等のヒンダードフェノール化合物「サノールLS
-2626」、「サノール LS-622LD」(三共社製)等のヒン
ダードアミン化合物が挙げられる。
【0046】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記のキャリア発生層及びキャリア輸送層用に
挙げたものを用いることができるが、そのほかにナイロ
ン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−メタクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリ
ビニルアルコール、セルロース誘導体等が有効である。
また、メラミン、エポキシ、イソシアネート等の熱硬化
或は化学的硬化を利用した硬化型のバインダを用いるこ
とができる。
【0047】導電性支持体としては金属板、金属ドラム
が用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の
導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の
金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙
やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなるも
のを用いることができる。
【0048】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。
【0049】実施例1 図2のブラッグ角2θの9.5°、24.1°、27.2°にピーク
を有するチタニルフタロシアニン粉末1重量部にメチル
エチルケトン100重量部、さらに本発明中のアルキル化
合物(13)0.5重量部を加え、サンドミルを用いて分散
した。得られた分散液の一部を蒸発乾固の後、X線回折
スペクトルを測定すると図3のようであった。一方、ア
ルミニウムを蒸着したポリエステルベース上にワイヤー
バー塗布法によってポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社
製)からなる厚さ0.3μmの下引き層を設けた後、得られ
た分散液をワイヤーバー塗布して厚さ0.2μmのキャリア
発生層とした。次いでキャリア輸送物質(21)1重量部
とポリカーボネート樹脂「ユーピロン Z-200」(三菱
瓦斯化学社製)1.5重量部および微量のシリコーンオイ
ル「KF−54」(信越化学社製)を1,2-ジクロロエタン
8重量部に溶解した液をブレード塗布して厚さ20μmの
キャリア輸送層を形成させた。このようにして得られた
感光体をサンプル1とする。
【0050】実施例2〜10 実施例1において、本発明中のアルキル化合物(13)の
代わりに、アルキル化合物(2)、(4)、(7)、
(8)、(10)、(15)、(18)、(20)、(27)を用
いた他は実施例1と同様にして本発明の感光体を得た。
これをサンプル2〜10とする。分散後に測定したX線回
折スペクトルは実施例1と同様であり、結晶状態の変化
はみられなかった。
【0051】比較例1 実施例1において、本発明中のアルキル化合物(13)を
除いた他は実施例1と同様にして比較の感光体を得た。
これを比較サンプル1とする。また、得られた分散液の
一部を蒸発乾固して測定したX線回折スペクトルを図4
に示す。ブラッグ角2θの26.2゜に僅かなピークがみら
れ、結晶状態に変化が生じていることがわかる。
【0052】比較例2〜6 実施例1において本発明のアルキル化合物(13)の代わ
りに以下に示すアルキル化合物1〜5を用いた他は実施
例1と同様にして比較の感光体を得た。これをそれぞれ
比較サンプル2〜6とする。
【0053】
【化12】
【0054】比較例7 実施例1において、本発明のアルキル化合物(13)の量
を12重量部とした他は実施例1と同様にして比較の感光
体を得た。これを比較サンプル7とする。
【0055】比較例8 実施例1において本発明のアルキル化合物(13)の量を
0.0005重量部とした他は実施例1と同様にして比較の感
光体を得た。これを比較サンプル8とする。
【0056】実施例 11 図2のブラッグ角2θの27.2°、24.1°、9.5°にピーク
を有するX線回折スペクトルを有するチタニルフタロシ
アニン粉末1重量部にメチルエチルケトン100重量部、
ポリビニルブチラール樹脂1重量部、さらに本発明のア
ルキル化合物(14)0.5重量部を加え、サンドミルを用
いて分散した。一方、アルミニウムを蒸着したポリエス
テルベース上にワイヤーバー塗布法によって、ポリアミ
ド樹脂「CM-8000」(東レ社製)からなる厚さ0.3μmの下
引き層を設けた後、得られた分散液をワイヤーバー塗布
して厚さ0.2μmのキャリア発生層とした。次いでキャリ
ア輸送物質(21)1重量部とポリカーボネート樹脂「ユ
ーピロンZ-200」(三菱瓦斯化学社製)1.5重量部および
微量のシリコーンオイル「KF-54」(信越化学社製)
を1,2ージクロロエタン8重量部に溶解した液をブレード
塗布して厚さ20μmのキャリア輸送層を形成させた。こ
のようにして得られたサンプルをサンプル11とする。
【0057】実施例12 実施例11においてポリビニルブチラール樹脂の代わりに
シリコーン樹脂を用いた他は実施例11と同様にして本発
明の感光体を得た。これをサンプル12とする。 実施例13 実施例11においてポリビニルブチラール樹脂の代わりに
シリコーン‐ブチラール樹脂を用いた他は実施例11と同
様にして本発明の感光体を得た。これをサンプル13とす
る。
【0058】実施例14 実施例11においてメチルエチルケトンの代わりにシクロ
ヘキサノンを、ポリビニルブチラール樹脂の代わりにポ
リカーボネートZ樹脂を用いた他は実施例11と同様にし
て本発明の感光体を得た。これをサンプル14とする。
【0059】比較例9〜12 実施例11〜14において本発明の例示化合物を除いた他は
実施例11〜14と同様にして比較の感光体を得た。これら
を比較サンプル9〜12とする。
【0060】以上のサンプルについて次ぎのような評価
を行った。
【0061】(評価1)得られたサンプルを20℃、50%
RHの環境下にて「KONICA 9028」(コニカ社製、半導体
レーザ光源使用)改造機に搭載し、グリッド電圧VGを
−750Vに調節し、未露光部電位VH及び0.7mWの光照射
時の露光部の電位VLを測定した。次にサンプルを10
℃、20%RHの環境に移し十分環境に順応させた後、前述
の条件でVH、VLを測定した。また、10℃、20%RHの環
境下において1万プリントの繰り返し使用を行った後の
VH、VLも合わせて測定した。
【0062】(評価2)サンプルはまた55℃、80%RHの
雰囲気下に一週間放置した後、20℃、50%RHの環境下で
「KONICA 9028」の改造機に搭載し、VH、VLを測定し
た。
【0063】以上の評価結果を表1、2に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】本発明のアルキル化合物は湿度変動、繰り
返し使用による感光体特性の変化の低減、分散液及び感
光体の安定化に著しい効果を示すことがわかる。
【0067】実施例15 実施例1におけるチタニルフタロシアニンを図5のブラ
ッグ角2θの27.2゜、24.1゜、9.0゜にピークを有するX線回
折スペクトルを示すチタニルフタロシアニンに代えた他
は実施例1と同様にして本発明の感光体を得た。これを
サンプル15とする。
【0068】比較例13 実施例15において、本発明中のアルキル化合物(14)を
除いた他は実施例15と同様にして比較の感光体を得た。
これを比較サンプル13とする。
【0069】サンプル15及び比較サンプル13は評価1お
よび2の方法に従って評価した。結果は表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】表3の結果から本発明の系が優れた特性を
示すことが確認される。
【0072】
【発明の効果】本発明により、高感度で、湿度変動に対
する感度特性の変化が少なく、かつ繰り返し使用時にお
ける特性変動の少ない電子写真感光体を提供することが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体の層構成を示す断面図
【図2】本発明に用いるチタニルフタロシアニンのX線
回折スペクトル図
【図3】実施例1で得られるチタニルフタロシアニンの
X線回折スペクトル図
【図4】比較例1で得られるチタニルフタロシアニンの
X線回折スペクトル図
【図5】実施例15に用いられるチタニルフタロシアニン
のX線回折スペクトル図
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4 感光層 5 中間層 6 キャリア発生物質 7 キャリア輸送物質
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】
【発明の効果】本発明により、高感度で、湿度変動に対
する感度特性の変化が少なく、かつ繰り返し使用時にお
ける特性変動の少ない電子写真感光体を提供することが
できた
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体の層構成を示す断面図
【図2】本発明に用いるチタニルフタロシアニンのX線
回折スペクトル図
【図3】実施例1で得られるチタニルフタロシアニンの
X線回折スペクトル図
【図4】比較例1で得られるチタニルフタロシアニンの
X線回折スペクトル図
【図5】実施例15に用いられるチタニルフタロシアニン
のX線回折スペクトル図
【符号の説明】 1 導電性支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4 感光層 5 中間層 6 キャリア発生物質 7 キャリア輸送物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤巻 義英 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 渡邊 一雅 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKα特性X線(波長1.541Å)に対
    するブラッグ角2θの27.2°±0.2°に最大ピークを有
    するチタニルフタロシアニンを含有し、かつ続記5種の
    置換基、-OH、-COOH、-NHR、-NH2、-SH(ただしRは置換若
    しくは未置換のアルキル基を表す)のうち少なくとも1
    種以上の置換基を有するアルキル化合物をチタニルフタ
    ロシアニン100重量部に対して0.1〜1000重量部の範囲で
    含有してなることを特徴とする電子写真感光体。ただ
    し、置換基がすべて-OHの場合を除く。
  2. 【請求項2】 CuKα特性X線(波長1.541Å)に対
    するブラッグ角2θの27.2°±0.2°に最大ピークを有
    するチタニルフタロシアニンを含有し、かつ置換基-OH
    を少なくとも3つ以上有し(-OH数)<(炭素数)であ
    るアルキル化合物をチタニルフタロシアニン100重量部
    に対して0.1〜1000重量部の範囲で含有してなることを
    特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 チタニルフタロシアニンがCuKα特性
    X線(波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの9.5°±
    0.2°、24.1°±0.2°、27.2°±0.2°にピークを有する
    結晶である請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 チタニルフタロシアニンがCuKα特性
    X線(波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの9.0°±
    0.2°、24.1°±0.2°、27.2°±0.2°にピークを有する
    結晶である請求項1または2記載の電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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