JP3005838B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3005838B2
JP3005838B2 JP4286234A JP28623492A JP3005838B2 JP 3005838 B2 JP3005838 B2 JP 3005838B2 JP 4286234 A JP4286234 A JP 4286234A JP 28623492 A JP28623492 A JP 28623492A JP 3005838 B2 JP3005838 B2 JP 3005838B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
プリンタ、複写機等に有用であって、かつ露光手段とし
て半導体レーザ光等を用いて像形成を行うときにも好適
な電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、光導電性材料の研究が盛んに行われ
ており、電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イメ
ージセンサなどの光電変換素子として応用されている。
従来、これらの光導電性材料には主として無機系の材料
が用いられ、例えば電子写真感光体においては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電材料を主
成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使用されて
きた。
【0003】しかしながら、このような無機感光体は複
写機、プリンタ等の電子写真感光体として要求される光
感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ず
しも満足できるものではなかった。例えばセレンは熱や
指紋の汚れ等により結晶化するために電子写真感光体と
しての特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用
いた電子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸
化亜鉛を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。
【0004】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
【0005】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために種々の有機光導電性材料が注目されるように
なり、電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られるなど近年活発に研究が行われている。例えば特公
昭50‐10496号にはポリビニルカルバゾールとトリニト
ロフルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が
記載されている。しかしながらこの感光体は感度及び耐
久性において十分なものではない。そのためキャリア発
生機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担さ
せた機能分離型の電子写真感光体が開発された。
【0006】このような電子写真感光体においては、材
料を広い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、
そのため高感度、高耐久性である有機感光体が得られる
ことが期待されている。
【0007】このような機能分離型の電子写真感光体の
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロモア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
【0008】なかでも特定の結晶型を有するチタニルフ
タロシアニンは特に優れた特性を示すことが知られてい
る。チタニルフタロシアニンは数多くの結晶を有し、結
晶型の違いによってまったく異なった性能を示すが、な
かでもCu-Kαに対するX線回折スペクトルにおいて
ブラッグ角2θの27.2°±0.2°に最大ピークを有する
結晶型のチタニルフタロシアニンは著しく光量子効率が
高いため、このようなチタニルフタロシアニンは著しく
光量子効率が高いため、このようなチタニルフタロシア
ニンをキャリア発生物質として用いた電子写真感光体は
高速のプリンタや高速のデジタル複写機及び高速のファ
クシミリ等の設計にきわめて有用なものとなっている。
【0009】更に近年、画質の改善、変換、編集等が容
易で高品質の画像形成が可能なデジタル方式を採用した
画像形成方法の研究開発が盛んになされているが、この
画像形成方法においては、高γ型光減衰特性の感光体は
極めて有用できる。例えばレーザ、LEDアレイ、液晶
シャタ、好ましくは半導体レーザのビームをコンピュー
タ又は複写原稿からのデジタル画像信号により変調し、
一様に帯電された感光体上にドット露光してドット状の
静電潜像を形成し、これをトナーにより、好ましくは反
転現像してドット状の画像を形成する際、通常輝度1〜
5mWで50〜100μmという極めて狭いパルス幅でドット
露光される。このようなパルス幅の露光に対し、高γ型
の感光体はドット状の静電潜像の電位分布及びドット状
の画像濃度分布において裾が短くて鮮鋭であり、デジタ
ル方式の画像の形成に好都合である。
【0010】しかしながらこのようなデジタル方式の画
像形成に高い量子効率を有する化合物をキャリア発生物
質として用いた場合には、わずかな光量にも反応し、使
用環境においてわずかの光の漏れなども影響するので注
意が必要である。したがって画像形成プロセスにより感
光体の光減衰特性を任意に調節することが望まれている
が、従来の技術ではキャリア発生物質等を換えない限
り、光減衰特性の所望の特性にすることは不可能であっ
た。これらの点から繰返し等の電子写真感光体に要求さ
れる諸特性を損わずに単一の電子写真感光体を種々の画
像形成プロセスに適応させるための技術が望まれてい
る。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、上記問題点を克服し
た、高感度で、高速プリンタや高速デジタル複写機或い
は高速ファクシミリに用いるのに有用な電子写真感光体
を提供することにある。
【0012】本発明の目的はまた、繰返し使用時におけ
る特性の安定した電子写真感光体を得ることにある。
【0013】本発明のさらなる目的は、生産安定性に優
れ、特性変動の少なく画像特性に優れた電子写真感光体
を得ることにある。
【0014】
【発明の構成及び効果】本発明の上記の目的は、バイン
ダ中にキャリア発生物質を分散させてなる層を有する単
層感光体において、前記キャリア発生物質としてフタロ
シアニンを含有し、該キャリア発生物質100重量部に
対して赤外吸収色素を0.001〜10重量部の範囲で
分子分散状態で含有させ、且つ前記赤外吸収色素がナフ
タロシアニンであることを特徴とする電子写真感光体に
より達成される。
【0015】また、本発明の感光体はデジタル方式の画
像形成に好適な高γ型感光体である事が望ましいが、具
体的には光減衰曲線の微分係数−光量特性が極大値を有
するような感光体が適している。ここで、光減衰曲線と
は、感光体にある光量の光を照射した場合の感光体の表
面電位と光量の関係を指し、縦軸に感光体の表面電位、
横軸に感光体表面に照射された光量をとる。この曲線に
対して微分係数とは、光減衰曲線の接線の勾配を言う。
近似的にはある光量IからΔIだけ光量が増した時の感
光体の表面電位がV+ΔVに変化した時、ΔV/ΔIの
値を上記微分係数と定義する(この時、ΔVはマイナス
の値をとる)。
【0016】本発明に用いられる赤外吸収色素としては
780nm付近に吸収を有する色素が望ましいが、特にナフ
タロシアニン化合物は780nm付近にシャープな吸収を示
し、また繰返し使用時の電位安定性に優れているので好
ましい。
【0017】ナフタロシアニンについては既に種々の中
心金属のナフタロシアニンが知られており、例えば特開
昭63-55556号には積層感光体においてナフタロシアニン
がキャリア発生物質として使用されている。しかしなが
ら本発明の感光体では実施例にも見られるようにナフタ
ロシアニンはキャリアの発生物質として感度へ寄与して
おらず、逆に減感の役割を果たしている。更に感光層中
に微粒子分散ではなく、バインダに溶解した、つまり分
子分散状で存在している点で前記開示技術とは異なるも
のである。図5は本発明の分子分散状に感光層に用いら
れるバインダ中に含有されたナフタロシアニンの吸収ス
ペクトルである感光層中では780nmに吸収を示している
ことが判る。これに対して特開昭63-55556号の第2図に
よるとキャリア発生層の吸収は800nmであり、第1図の
溶解系の分子分散状態とは異なり、長波シフトしてい
る。一般にキャリア発生にはキャリア発生物質の凝集体
形成による長波シフトが感度の向上に寄与することは古
くから知られており、この点分子分散状態とは異なった
状態にあることを示している。
【0018】本発明に用いられるナフタロシアニンは次
の一般式〔2〕で表される。
【0019】
【化2】
【0020】式中、Mは水素原子或いは金属原子を表
し、好ましくはSi,Ge,Sn,Cu,Zn,Mg,Ti,
V,Al,Inなどが挙げられる。またYは置換もしくは
無置換のアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、ハロゲン原子、酸素原子、シロキシ基、或いは水酸
基を表し、X1,X2,X3,X4は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、或いはアルコキシ基、アリールオキシ
基を表す。
【0021】更に、本発明に使用されるナフタロシアニ
ン化合物は、キャリア輸送層中でバインダに溶解させた
形で使用するには有機溶媒や種々のバインダへの溶解性
の高いナフタロシアニンが好ましく、例えば炭素数の大
きいアルキル基を分子内に有するものは溶解性が高く、
炭素数が6以上のアルキル基を有することが好ましい。
【0022】従って、一般式〔2〕で表されるナフタロ
シアニン中、M,Y,Xを特定し、前記〔化1〕に示し
た一般式〔1〕で表されるシリコンナフタロシアニンが
特に好ましい。
【0023】また、これらのシリコンナフタロシアニン
はJ.Am,Chem.Soc.,106,7404(1984)に記載されてあ
る方法にしたがって合成することができる。
【0024】以下に本発明に用いられるシリコンナフタ
ロシアニンの具体例を示す。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】本発明に用いられるキャリア発生物質とし
てはLD光に対して感度を有するものであればかまわな
いが、具体的にはα,β,τ,X等の結晶型の無金属フ
タロシアニン、A,B,Cの各型結晶、アモルファス及
びブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有するチタニ
ルフタロシアニン、チタニルフタロシアニンとバナジル
フタロシアニンの混晶に代表される複数のフタロシアニ
ンの混晶、銅フタロシアニン等に代表される各種の金属
フタロシアニン、ナフタロシアニン、その他ポルフィリ
ン誘導体、アゾ化合物、ジブロモアンスアンスロンに代
表される多環キノン化合物、ピリリウム化合物及びピリ
リウム化合物の共晶錯体、スクエアリウム化合物などが
挙げられ、なかでもブラッグ角2θの27.2°±0.2に最
大ピークを有するチタニルフタロシアニンが好ましく、
更にブラッグ角2θ(±0.2°)の9.5°、24.1°、27.2
°にピークを有するチタニルフタロシアニンが最も好ま
しい。
【0030】X線回折スペクトルは次の条件で測定さ
れ、ここでいうピークとは、ノイズとは異なった明瞭な
鋭角の突出部のことである。
【0031】 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.0 deg. ストップ角度 35.0 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明の電子写真感光体は上記キャリア発生物質を併用
してもよい。
【0032】感光体の構成は種々の形態が知られてい
る。本発明の単層感光体は通常図1に示すような構成と
なる。1は導電性支持体、2は必要に応じて設けられる
中間層、3は感光層である。最表層にはさらに保護層を
設けることができる。
【0033】感光層の形成においてはキャリア発生物質
を単独でもしくはバインダや添加剤とともに溶解された
溶液を塗布する方法が有効である。しかし、一般にキャ
リア発生物質の溶解度は低いため、そのような場合キャ
リア発生物質を超音波分散機、ボールミル、サンドミ
ル、ホモミキサ等の分散装置を用いて適当な分散媒中に
微粒子分散させた液を塗布する方法が有効となる。この
場合、バインダや添加剤は分散液中に添加して用いられ
るのが通常である。
【0034】感光層の形成に使用される溶剤或は分散媒
としては広く任意のものを用いることができる。例え
ば、ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸-t-ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン、クロロ
ホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、トリクロル
エタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。
【0035】感光層の形成にバインダを用いる場合に、
バインダとして任意のものを選ぶことができるが、特に
疎水性でかつフィルム形成能を有する高分子重合体が望
ましい。なかでも熱硬化性樹脂は安定であって、結着力
が強く、感光層の耐久性を保持するのに有利なので最も
望ましい。このような高分子重合体としては例えば次の
ものをあげることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0036】ポリカーボネート ポリカーボ
ネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン-ブタジエン共
重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン-アルキッド樹
脂 シリコーン樹脂 シリコーン-アルキッド
樹脂 シリコーン-ブチラール樹脂 ポリエステル ポリウレタン ポリアミド エポキシ樹脂 フェノール樹脂 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 これらは単独でも混合して用いても良く、更に共重合体
でも使用可能である。好ましい組合せ(併用)の例とし
ては、シリコーンメラミン系、ポリエステル-メラミン
系、アクリル-メラミン系などが挙げられる。
【0037】バインダに対するキャリア発生物質の割合
は10〜600重量%が望ましく、さらには、50〜400重量%
とするのが望ましい。バインダに対するキャリア輸送物
質の割合は10〜500重量%とするのが望ましい。また、
バインダに対する赤外吸収色素の割合は、0.0001〜10重
量%であり、特に望ましくは0.001%〜1重量%であ
る。キャリア発生層の厚さは0.01〜20μmとされるが、
さらには0.05〜5μmが好ましい。キャリア輸送層の厚み
は1〜100μmであるが、さらには5〜30μmが好まし
い。
【0038】本発明の電子写真感光体はキャリア輸送物
質を含有していてもよく、種々のものが使用できる。代
表的なものとして例えばオキサゾール、オキサジアゾー
ル、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール等に代
表される含窒素複素環核、及びその縮合環核を有する化
合物、ポリアリールアルカン系の化合物、ピラゾリン系
化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールアミン系化
合物、スチリル系化合物、ポリス(ビス)スチリル系化
合物、スチリルトリフェニルアミン系化合物、β-フェ
ニルスチリルトリフェニルアミン系化合物、ブタジエン
系化合物、ヘキサトリエン系化合物、カルバゾール系化
合物、縮合多環系化合物等が挙げられる。このキャリア
輸送物質の具体例としては例えば特開昭61-107356号に
記載のキャリア輸送物質を挙げることができる。感光層
におけるキャリア輸送物質の割合は特に制限されない
が、バインダ樹脂100重量部に対して20重量部以下とす
るのが望ましい。
【0039】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、或は反復使用時の疲労の低減を目的として電子受容
物質を含有させることができる。このような電子受容性
物質としては例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジ
ブロム無水琥珀酸、無水フタル酸、テトラクロル無水フ
タル酸、テトラブロム無水フタル酸、3-ニトロ無水フタ
ル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキ
ノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼ
ン、1,3,5-トリニトロベンゼン、p-ニトロベンゾニトリ
ル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラ
ニル、ブロマニル、ジクロルジシアノ-p-ベンゾキノ
ン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、9-フル
オレニリデンマロノニトリル、ポリニトロ-9-フルオレ
ニリデンマロノニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ安息香
酸、p-ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、ペンタ
フルオロ安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電子親和
力の大きい化合物を挙げることができる。電子受容性物
質の添加割合はキャリア発生物質の重量100に対して0.0
1〜200が望ましく、さらには0.1〜100が好ましい。
【0040】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
耐環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては例えばトコフェロール
等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物もし
くはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、
ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル化化
合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜燐酸
エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノール化合
物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、
環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが有効
である。特に有効な化合物の具体例としては「IRGANOX
1010」,「IRGANOX 565」(チバ・ガイギー社製)、「スミラ
イザー BHT」,「スミライザーMDP」(住友化学工業社製)
等のヒンダードフェノール化合物、「サノール LS-262
6」,「サノール LS-622LD」(三共社製)等のヒンダード
アミン化合物が挙げられる。
【0041】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記のキャリア発生層及びキャリア輸送層用に
挙げたものを用いることができるが、そのほかにナイロ
ン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−メタクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリ
ビニルアルコール、セルロース誘導体等が有効である。
また、メラミン、エポキシ、イソシアネート等の熱硬化
或は化学的硬化を利用した硬化型のバインダを用いるこ
とができる。
【0042】導電性支持体としては金属板、金属ドラム
が用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の
導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の
金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙
やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなるも
のを用いることができる。
【0043】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。
【0044】実施例1〜4 図2のブラッグ角2θの9.5°、24.1°、27.2°にピー
クを有するチタニルフタロシアニン4重量部、バインダ
樹脂としてポリエステル樹脂(「アルマテックスP−6
45」三井東圧化学社製)8重量部及びメラミン樹脂
(ユーバン21R」三井東圧化学社製)2重量部、分散媒
としてシクロヘキサノン90重量部、及びシリコンナフタ
ロシアニン(2)を加え、サンドミルを用いて分散し
た。
【0045】次に得られた分散液をアルミニウムを蒸着
したポリエステルベース上にブレード塗布して厚さ15μ
mの感光層を形成した後、120℃で1時間乾燥した。
【0046】実施例5 実施例1においてシリコンナフタシアニン(2)を用い
る代りにシリコンナフタロシアニン(1)を用いた他は
実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0047】実施例6 実施例1において図2のブラッグ角2θの9.5゜、24.1
゜、27.2゜にピークを有するチタニルフタロシアニンの
代りに図3のブラッグ角2θの9.0゜、24.1゜、27.2゜
にピークを有するチタニルフタロシアニンを用いた他は
実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0048】実施例7 実施例1において図2のブラッグ角2θ9.5゜、24.1
゜、27.2゜にピークを有するチタニルフタロシアニンの
代りにX型無金属フタロシアニン(「Fastogen blue 81
20」大日本インキ社製)を用いた他は実施例1と同様に
して感光体を作製した。
【0049】実施例8 実施例1において図2のブラッグ角9.5゜、24.1゜、27.
2゜にピークを有するチタニルフタロシアニンの代りに
β型銅フタロシアニンを用いた他は実施例1と同様にし
て感光体を作製した。
【0050】実施例9 実施例1において図2のブラッグ角9.5゜、24.1゜、27.
2゜にピークを有するチタニルフタロシアニンの代りに
ブラッグ角2θの7.4゜、25.2゜、28.6゜にピークを有
するB型チタニルフタロシアニンに代えた他は実施例1
と同様にして本発明の感光体を得た。
【0051】比較例(1) 実施例においてシリコンナフタロシアニンを除いた他は
実施例1と同様にして比較の感光体を得た。
【0052】比較例(2)〜(4) 実施例7〜9においてシリコンナフタロシアニンを除い
た他は実施例7〜9と同様にして比較の感光体を得た。
【0053】評価1 得られたサンプルを20℃、50%RHの環境下にて「KONICA
8010」(コニカ社製、半導体レーザ光源使用)改造機
に搭載し、黒現像部でのレーザオン電位VL、レーザオ
フ状態VHの測定をスタート1サイクル目と100サイクル
目で各各測定した。
【0054】評価の結果を表1に示した。本発明の感光
体は繰返し使用による感光体特性の変化の低減、分散及
び感光体の安定化に著しい効果を示す。
【0055】評価2 サンプル1〜4はまたは20℃、50%RHの環境下で「KONI
CA 9028」の改造機に搭載し、光量を変化させて表面電
位の測定を行った。結果を図4に示す。
【0056】本発明の系においては用いた赤外吸収色素
の添加量に応じて所望の光量で光減衰を制御することが
できる。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明の構成によってキャリア発生物質
を換えることなく、また電子写真感光体に要求される諸
特性を損わずに光減衰特性を所望の特性に調整すること
が可能となった。更に本発明の電子写真感光体は安定で
かつ繰返し使用時の電位安定性を大幅に向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の断面図。
【図2】実施例1で用いられるチタニルフタロシアニン
のX線回折図。
【図3】実施例6に用いられるチタニルフタロシアニン
のX線回折図。
【図4】実施例1〜4で得られた感光体を評価2に示し
たように光量を変化させて光照射した場合の表面電位を
示した図。
【図5】感光層に用いられるバインダにおけるシリコン
ナフタロシアニン(1)の吸収スペクトル。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 中間層 3 感光層 4 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−184449(JP,A) 特開 平3−65961(JP,A) 特開 平3−9962(JP,A) 特開 平2−70764(JP,A) 特開 昭60−233655(JP,A) 特開 昭63−55556(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダ中にキャリア発生物質を分散さ
    せてなる層を有する単層感光体において、前記キャリア
    発生物質としてフタロシアニンを含有し、該キャリア発
    生物質100重量部に対して赤外吸収色素を0.001
    〜10重量部の範囲で分子分散状態で含有させ、且つ前
    記赤外吸収色素がナフタロシアニンであることを特徴と
    する電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記キャリア発生物質としてCu−Kα
    線(波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの2
    7.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン
    を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感
    光体。
  3. 【請求項3】 前記ナフタロシアニンが下記一般式
    〔1〕で表されるシリコンナフタロシアニンであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。 【化1】
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