JP3245750B2 - 新規なキナゾリドン系化合物を含む電子写真感光体 - Google Patents

新規なキナゾリドン系化合物を含む電子写真感光体

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JP3245750B2
JP3245750B2 JP17995392A JP17995392A JP3245750B2 JP 3245750 B2 JP3245750 B2 JP 3245750B2 JP 17995392 A JP17995392 A JP 17995392A JP 17995392 A JP17995392 A JP 17995392A JP 3245750 B2 JP3245750 B2 JP 3245750B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なキナゾリドン系
化合物、その製造法及び該化合物を含む電子写真感光体
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光導電性材料の研究が盛んに行わ
れており電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イメ
ージセンサーなどの光電変換素子として応用されてい
る。従来、これらの光導電性材料には主として無機系の
材料が用いられてきた。例えば、電子写真感光体におい
てはセレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電
材料を主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使
用されてきた。しかしながら、このような無機感光体は
複写機等の電子写真感光体として要求される光感度、熱
安定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ずしも満足
できるものではなかった。例えば、セレンは熱や指紋の
汚れ等によって結晶化するために電子写真感光体として
の特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用いた
電子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸化亜
鉛を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。更に
近年、環境問題が特に重要視されているがセレン、硫化
カドミウムの電子写真感光体は毒性の点で製造上、取扱
上の制約が大きいという欠点を有している。
【0003】このような無機光導電性物質の欠点を改善
するために、種々の有機導電性物質が注目されるように
なり電子写真感光体の感光層等に使用することが試みら
れ、近年、活発に研究が行われている。例えば、特公昭
50‐10496号公報には、ポリビニルカルバゾールとトリ
ニトロフルオレノンを含有した感光層を有する有機感光
体が記載されている。しかし、この感光体は感度及び耐
久性において十分なものではない。そのため、キャリア
発生機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担
させた機能分離型の電子写真感光体が開発された。この
ような電子写真感光体においては、それぞれの材料を広
い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、高感
度、高耐久の優れた有機感光体が得られることが期待さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような機能分離型
の電子写真感光体のキャリア発生物質及びキャリア輸送
物質として種々の有機化合物が提案されており、キャリ
ア発生物質としてはこれまでジブロモアンスアンスロン
に代表される多環キノン化合物、ピリリウム化合物及び
ピリリウム化合物の共晶錯体、スクエアリウム化合物、
フタロシアニン化合物、アゾ化合物などの光導電性物質
が実用化されている。しかしながら、この種の感光体に
おいても多くの長所をもっていると同時に、様々な欠点
をもっていることも事実である。たとえば、ビスアゾ化
合物を感光層に含有する電子写真感光体として、特開昭
54‐22834号、同55-73057号、同55-117151号、同56-462
37号等が既に公知である。しかしこれらのビスアゾ化合
物は、特性において、キャリア輸送物質の選択範囲が限
定されるなど、電子写真プロセスの幅広い要求を充分満
足させるものではない。
【0005】従って、本発明の目的は、有機光導電性化
合物として特に有用なキナゾリドン系化合物及びその製
造法並びに該化合物を含む電子写真感光体を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
ついて鋭意検討の結果、本発明の目的は以下により達成
されることを見い出した。
【0007】(1)導電性支持体もしくは導電層上に感
光層を有する電子写真感光体において、感光層が下記一
般式〔1〕で表されるキナゾリドン系化合物を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体。
【0008】
【化5】
【0009】式中、Aはオルト縮合した2-ピロリドン環
を形成する置換されていてもよいベンゼン環、アントラ
セン環、ピレン環、ペリレン環、ベンゾペリレン環、コ
ロネン環で表される芳香族二価基又は四価基を表し、Z
は置換されていてもよいベンゼン環、ナフタレン環、ア
ントラセン環、フェナンスレン環、ピリジン環で表され
芳香族二価基を表し、nはAが置換されていてもよい
ベンゼン環、アントラセン環のとき2であり、それ以外
のもののときは1又は2を表す。Aの置換基は、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及び
アリールオキシ基のいずれかを表し、Zの置換基は、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、
アリールオキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ
基、カルバモイル基、ニトロ基、及びシアノ基のいずれ
かを表す。
【0010】(2)導電性支持体もしくは導電層上にキ
ナゾリドン系化合物を含有する感光層を有する(1)に
記載の電子写真感光体であって、該電子写真感光体は、
該構造式中のA、Z及びnが下記構造式で表されるキナ
ゾリドン系化合物のいずれか1つを含有することを特徴
とする電子写真感光体。
【0011】
【化6】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】以下本発明を詳細に説明する。
【0022】一般式〔1〕において、Aはオルト縮合し
た2-ピロリドンを形成する置換されていてもよい芳香族
二価基又は四価基を表し、好ましいものとしては、ベン
ゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、ペ
リレン環、ベンゾペリレン環、コロネン環などが挙げら
れ、特に好ましいものはアントラセン環、ピレン環、ベ
ンゾペリレン環である。
【0023】またAの置換基としては、ハロゲン原子、
アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、な
どの各基が挙げられる。
【0024】一般式〔1〕において、Zは置換されてい
てもよい芳香族二価基を表し、好ましいものとしては、
ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナン
スレン環、ピリジン環などが挙げられ、特に好ましいも
のはベンゼン環、ナフタレン環である。
【0025】Zの置換基としては、ハロゲン原子、アル
キル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシ
ル、アシロキシ、アミノ、カルバモイル、ニトロ、シア
ノなどの各基が挙げられる。nは1又は2である。
【0026】一般式〔2〕において、Bはペリ縮合した
2-ピリドン環を形成する置換されていてもよい芳香族四
価基を表し、好ましいものとしては、ナフタレン環、ア
ントラセン環、ピレン環、ペリレン環、コロネン環など
が挙げられ、特に好ましいものはナフタレン環、ピレン
環、ペリレン環である。
【0027】Bの置換基としては、ハロゲン原子、アル
キル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、などの
各基が挙げられる。
【0028】一般式〔2〕において、Zは置換されてい
てもよい芳香族二価基を表し、好ましいものとしてはベ
ンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンス
レン環、ピリジン環などが挙げられ、特に好ましいもの
はベンゼン環、ナフタレン環である。
【0029】Zの置換基としては、ハロゲン原子、アル
キル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシ
ル、アシロキシ、アミノ、カルバモイル、ニトロ、シア
ノなどの各基が挙げられる。
【0030】一般式〔1〕で表されるキナゾリドン系化
合物は、反応式(1)に示すように一般式〔3〕で表さ
れるカルボン酸無水物と一般式〔4〕で表されるo-アミ
ノベンズアミド化合物の脱水縮合反応を行うことにより
製造される。
【0031】
【化9】
【0032】一般式〔3〕においてAは一般式〔1〕中
におけるものと同一である。また、一般式〔4〕におい
て、Zは一般式〔1〕中におけるものと同一である。
【0033】又、一般式〔2〕で表されるキナゾリドン
系化合物は、反応式(2)に示すように一般式〔5〕で
表されるカルボン酸無水物と一般式〔4〕で表されるo-
アミノベンズアミド化合物の脱水縮合反応を行うことに
より製造される。
【0034】
【化10】
【0035】一般式〔5〕において、Bは一般式〔2〕
中におけるものと同一である。また、一般式〔4〕にお
いて、Zは一般式〔2〕中におけるものと同一である。
【0036】各種カルボン酸無水物とo-アミノベンズア
ミド化合物との脱水縮合反応は、非反応性の高沸点溶
媒、好ましくはN-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホル
ムアミド、キノリン、α-クロロナフタレン溶媒中、180
〜250℃の温度条件下行われる。また、無水塩化亜鉛、
無水酢酸亜鉛、酢酸のような脱水触媒を使用して、反応
速度を増加させることもできる。
【0037】一般式〔1〕で表されるキナゾリドン系化
合物を以下に例示するが、本発明はこれら例示化合物の
みに限定されるものではない。但し、構造式中のPhは
フェニル基を表す。
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】
【化20】
【0048】
【化21】
【0049】
【化22】
【0050】
【化23】
【0051】次に、一般式〔2〕で表されるキナゾリド
ン系化合物を以下に例示するが、本発明はこれら例示化
合物のみに限定されるものではない。但し、構造式中の
Phはフェニル基を表す。
【0052】
【化24】
【0053】
【化25】
【0054】
【化26】
【0055】
【化27】
【0056】
【化28】
【0057】本発明のキナゾリドン化合物を電子写真感
光体に用いる場合について、以下に説明する。
【0058】感光体の構成は種々の形態が知られてい
る。本発明の感光体はそれらのいずれの形態をもとりう
るが、積層型もしくは分散型の機能分離型感光体とする
のが望ましい。この場合、通常は図1(1)から図1(6)
のような構成となる。図1(1)に示す層構成は、導電性
支持体l上にキャリア発生層2を形成し、これにキャリ
ア輸送層3を積層して感光層4を形成したものであり、
同図(2)はこれらのキャリア発生層2とキャリア輸送層
3を逆にした感光層4′を形成したものである。同図
(3)は(1)の層構成の感光層4と導電性支持体1の間に
中間層5を設け、同図(4)は(2)の層構成の感光層4′
と導電性支持体lとの間に中間層5を設けたものであ
る。同図(5)の層構成はキャリア発生物質6とキャリア
輸送物質7を含有する感光層4″を形成したものであ
り、同図(6)はこのような感光層4″と導電性支持体1
との間に中間層5を設けたものである。
【0059】本発明では上記のキナゾリドン系化合物の
他に他のキャリア発生物質を併用してもよい。そのよう
なキャリア発生物質としてはフタロシアニン顔料、アゾ
顔料、アントラキノン顔料、ペリレン顔料、多環キノン
顔料、スクエアリウム顔料等が挙げられる。
【0060】本発明の感光体におけるキャリア輸送物質
としては、種々のものが使用できるが、代表的なものと
しては例えば、オキサゾール、オキサジアゾール、チア
ゾール、チアジアゾール、イミダゾール等に代表される
含窒素複素環核及びその縮合環核を有する化合物、ポリ
アリールアルカン系の化合物、ピラゾリン系化合物、ヒ
ドラゾン系化合物、トリアリールアミン系化合物、スチ
リル系化合物、スチリルトリフェニルアミン系化合物、
ヘキサトリエン系化合物、カルバゾール系化合物、縮合
多環系化合物等が挙げられる。
【0061】これらのキャリア輸送物質の具体例として
は例えば特開昭61-107356号に記載のキャリア輸送物質
を挙げることができるが、特に代表的なものの構造を次
に示す。
【0062】
【化29】
【0063】
【化30】
【0064】
【化31】
【0065】
【化32】
【0066】
【化33】
【0067】キャリア発生層は、キャリア発生物質を単
独もしくはバインダや添加剤ともに適当な分散媒中に微
粒子分散させた液を塗布するか、あるいはキャリア発生
物質を真空蒸着することにより形成する。前者の場合、
分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンド
ミル、ホモミキサー等の分散装置が使用できる。また、
キャリア輸送層は、キャリア輸送物質を単独で、もしく
はバインダや添加剤とともに溶解させた溶液を塗布する
方法が有効である。
【0068】感光層の形成に使用される溶剤或は分散媒
としては広く任意のものを用いることができる。例え
ば、n-ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチル
ホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサシ、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソル
ブ、エチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、
キシレン、アセトフェノン、クロロホルム、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールなどが挙げられる。
【0069】キャリア発生層もしくはキャリア輸送層の
形成にバインダを用いる場合に、バインダとして任意の
ものを選ぶことができるが、特に疎水性でかつフィルム
形成能を有する高分子重合体が望ましい。このような重
合体としては例えば次のものを挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。
【0070】ポリカーボネート ポリカー
ボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン−ブタジエン
共重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン−アルキッド
樹脂 シリコーン樹脂 シリコーン−アルキッ
ド樹脂 ポリエステル フエノール樹脂 ポリウレタン エポキシ樹脂 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体 バインダに対するキャリア発生物質の割合は10〜600Wt
%が望ましく、さらには50〜400Wt%が好ましい。バイ
ンダに対するキャリア輸送物質の割合は10〜500Wt%と
するのが望ましい。キャリア発生層の厚さは、0.Ol〜20
μmとされるが、さらにはO.O5〜5μmが好ましい。キャ
リア輸送層の厚みはl〜100μmであるが、さらには5〜
30μmが好ましい。
【0071】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、或は反復使用時の疲労の低減を目的として、電子受
容性物質を含有させることができる。このような電子受
容性物質としては例えば、無水琥珀酸、無水マレイン
酸、ジブロム無水琥珀酸、無水フタル酸、テトラクロル
無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、3-ニトロ無
水フタル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット
酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベ
ンゼン、l,3,5-トリニトロベンゼン、p-ニトロベンゾニ
トリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、ク
ロラニル、ブロマニル、ジクロロジシアノ-p-ベンゾキ
ノン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、9-フ
ルオレニリデンマロノジニトリル、ポリニトロ-9-フル
オレニリデンマロノジニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ
安息香酸、p-ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、
ペンタフルオロ安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジ
ニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電
子親和力の大きい化合物を挙げることができる。電子受
容性物質の添加割合はキャリア発生物質の重量lOOに対
して0.Ol〜200が望ましく、さらにはO.l〜100が好まし
い。
【0072】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
対環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては例えば、トコフェロー
ル等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物も
しくはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合
物、ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル
化化合物、べンゾフェノン誘導体、ペンゾトリアゾール
誘導体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜
リン酸エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノー
ル化合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化
合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、な
どが有効である。特に有効な化合物の具体例としては、
「IRGANOX lOlO」,「IRGANOX 565」
(チバ・ガイギー社製),「スミライザーBHT」,
「スミライザーMDP」(住友化学工業社製)等のヒン
ダードフェノール化合物、「サノールLS−2626」,
「サノールLS−622LD」(三共社製)等のヒンダー
ドアミン化合物が挙げられる。
【0073】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記のキャリア発生層及びキャリア輸送層用に
挙げたものを用いることができるが、その他にポリアミ
ド樹脂、ナイロン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、
エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体等のエチ
レン系樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体
等が有効である。
【0074】導電性支持体としては、金属板、金属ドラ
ムが用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等
の導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等
の金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により
紙やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなる
ものを用いることができる。
【0075】
【実施例】本発明のキナゾリドン化合物は光導電性化合
物として特に有用であり、以下に実施例を示すが、本発
明はこれにより限定されるものではない。
【0076】実施例1 例示化合物No.61の合成 3,8-ジフェニルピレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無
水物2.5g(0.005モル)、o-アミノベンズアミド1.9g
(0.015モル)、無水塩化亜鉛0.1g(0.001モル)を、
キノリン50cc中2時間加熱還流し、析出した結晶を濾取
した。アセトン、メタノールで洗浄した後乾燥し、下に
示す3種の化合物の混合物(化合物例No.61)3.3g(9
5%)を得た。これを昇華精製した。この生成物の赤外
線吸収スペクトルを図2に示す。原料の酸無水物のν=
1840、1770cm-1の赤外吸収が消え、ν=1780cm-1に新た
な赤外吸収が現れたこと、及びFD−マススペクトルの
分子イオンピーク(m/e=694)によって、例示化合物N
o.61が合成されたことが確認された。
【0077】
【化34】
【0078】実施例2〜6 実施例1において3,8-ジフェニルピレン-1,2,6,7-テト
ラカルボン酸二無水物とo-アミノベンズアミドを表1中
のカルボン酸無水物とo-アミノベンズアミド化合物に変
えた他は実施例1と同様にして各種のピレン化合物を製
造した。結果を表1に示す。また、これらのピレン化合
物の赤外線吸収スペクトルを図2〜7に示す。
【0079】
【表1】
【0080】実施例7 実施例1で得られた化合物No.61のキナゾリドン化合物
を、アルミニウムを蒸着したポリエステルフィルム上に
0.5μmの厚さに真空蒸着し、キャリア発生層とした。そ
の上に、キャリア輸送物質として前記例示化合物(T−
10)で表されるスチリル化合物1部とポリカーボネート
樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱瓦斯化学社製)を1.3
部、及び微量のシリコーンオイル「KF−54」(信越化
学社製)を、1,2-ジクロロエタン10部に溶解した液をブ
レード塗布機を用いて塗布し乾燥の後、膜厚25μmのキ
ャリア輸送層を形成した。このようにして得られた感光
体は、ペーパーアナライザーEPA−8100(川口電気社
製)を用いて以下のようにして評価した。まず、−6k
Vで5秒間のコロナ帯電を行い、帯電直後の表面電位V
a及び5秒間放置後の表面電位Viを求め、続いて表面照
度が8.2luxとなるような露光を行った。表面電位を1/2
Viとするのに必要な露光量E1/2を求めた。さらにD=
100(Va−Vi)/Vaの式より、暗減衰率Dを求めた。
【0081】実施例8〜10 実施例7において化合物No.61のキナゾリドン化合物を
表2中のキナゾリドン化合物に変えた他は実施例7と同
様にして感光体を作製した。これを実施例7と同様にし
て評価した。
【0082】比較例1、2 実施例7において化合物No.61のキナゾリドン化合物を
下記のG−1及びG−2で表されるナフトピリミジン化
合物に変えた他は実施例7と同様にして感光体を作製し
た。これを実施例7と同様にして評価した。
【0083】
【化35】
【0084】実施例7〜10及び比較例1、2の感光体
評価結果をまとめて表2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】表2より、本発明のキナゾリドン化合物を
含有した感光層を有する感光体は、比較化合物を含有す
る感光体に比べ、優れた電子写真特性を有することが明
らかである。
【0087】
【発明の効果】以上のように、本発明のキナゾリドン化
合物は、容易に製造できる上、実施例からも明らかなよ
うに光導電性化合物としてきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構成例を示す断面図
【図2】化合物No.61の赤外線吸収スペクトル図
【図3】化合物No.65の赤外線吸収スペクトル図
【図4】化合物No.87の赤外線吸収スペクトル図
【図5】化合物No.89の赤外線吸収スペクトル図
【図6】化合物No.101の赤外線吸収スペクトル図
【図7】化合物No.111の赤外線吸収スペクトル図
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4 感光層 4′ 感光層 4″ 感光層 5 中間層 6 キャリア発生物質 7 キャリア輸送物質

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体もしくは導電層上に感光層
    を有する電子写真感光体において、感光層が下記一般式
    〔1〕で表されるキナゾリドン系化合物を含有すること
    を特徴とする電子写真感光体。 【化1】 〔式中、Aはオルト縮合した2-ピロリドン環を形成する
    置換されていてもよいベンゼン環、アントラセン環、ピ
    レン環、ペリレン環、ベンゾペリレン環、コロネン環で
    表される芳香族二価基又は四価基を表し、Zは置換され
    ていてもよいベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
    環、フェナンスレン環、ピリジン環で表される芳香族二
    価基を表し、nはAが置換されていてもよいベンゼン
    環、アントラセン環のとき2であり、それ以外のものの
    ときは1又は2を表す。Aの置換基は、ハロゲン原子、
    アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及びアリール
    オキシ基のいずれかを表し、Zの置換基は、ハロゲン原
    子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
    オキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、カルバ
    モイル基、ニトロ基、及びシアノ基のいずれかを表
    す。〕
  2. 【請求項2】 導電性支持体もしくは導電層上にキナゾ
    リドン系化合物を含有する感光層を有する請求項1に記
    載の電子写真感光体であって、該電子写真感光体は、該
    構造式中のA、Z及びnが下記構造式で表されるキナゾ
    リドン系化合物のいずれか1つを含有することを特徴と
    する電子写真感光体。 【化2】
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