JPH07157681A - 有機顔料の製造方法及び有機顔料を含有する電子写真感光体 - Google Patents

有機顔料の製造方法及び有機顔料を含有する電子写真感光体

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JPH07157681A
JPH07157681A JP5308232A JP30823293A JPH07157681A JP H07157681 A JPH07157681 A JP H07157681A JP 5308232 A JP5308232 A JP 5308232A JP 30823293 A JP30823293 A JP 30823293A JP H07157681 A JPH07157681 A JP H07157681A
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pigment
formula
aromatic
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友男 ▲崎▼村
Tomoo Sakimura
Akira Kinoshita
昭 木下
Tomoko Suzuki
友子 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高性能な縮合イミダゾール顔料を製造し高感
度な電子写真感光体を提供する。 【構成】 一般式〔1〕で表される芳香族カルボン酸無
水物と一般式〔2〕で表される芳香族ジアミノ化合物の
脱水縮合反応によって、一般式〔3〕の縮合イミダゾー
ル顔料を製造する際に、反応溶媒として一般式〔4〕で
表される化合物を用いることを特徴とする有機顔料の製
造方法及び該有機顔料を用いた電子写真感光体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は縮合イミダゾール顔料の
製造方法と電子写真感光体への適用に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、電子写真方式を用いて出力を行う
複写機、プリンター、ファクシミリ等の普及はめざまし
いものがあり、より速く、より美しく出力する事が出
来、そして環境に対するインパクトがより小さいものが
求められている。
【0003】従来、電子写真感光体にはSeAs、CdSなど
の無機系の材料が用いられてきたが、材料選択の多様
性、低コスト、低公害性や取扱いの容易さといった点に
おいてより大きな可能性を有する有機系の材料が盛んに
検討され、無機系の材料にとって代わりつつある。
【0004】有機系の電子写真感光体における課題とし
ては感度や耐久性の向上等が挙げられるが、これらに対
する方策として、感光層に含有するキャリア発生物質と
して縮合イミダゾール顔料を用いる事が提案されてい
る。
【0005】例えば、米国特許3972717号及び特開昭59-
59686号にはビスベンズイミダゾールペリレン化合物、
米国特許4792508号にはビスナフトイミダゾールペリレ
ン化合物、特開昭57-192958号にはハロゲン化ビスベン
ズイミダゾールペリレン化合物、特開平3-42670号には
ビスベンズイミダゾールイオウ化ペリレン化合物、米国
特許4714666号には非対称のペリレン化合物を用いる技
術が公開されている。
【0006】これらの縮合イミダゾール顔料の製造にお
いては従来から、相当する芳香族カルボン酸無水物と芳
香族ジアミノ化合物を原料とした脱水縮合反応が行われ
てきた。そのような製造法においては、一般に反応溶媒
としてはキノリン、α-クロルナフタレン、O-ジクロロ
ベンゼン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムア
ミド、エチレングリコール、テトラリン、ニトロベンゼ
ン、1,2,4-トリクロロベンゼン、氷酢酸、水等が用いら
れる。
【0007】しかし、この反応はかなりの高温条件下に
おいてのみ反応が進行するので、一般に200℃以上に加
熱する必要がある。また反応溶媒によっては脱水縮合反
応がほとんど進行せず、そのような場合脱水触媒が用い
られる。脱水触媒としては塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜
鉛、酢酸、塩酸、p-トルエンスルホン酸等が有効であ
る。しかし脱水触媒が用いられた場合においてさえも、
190〜200℃以上に加熱することが必要である。
【0008】例えば、特開昭59-59686号にはN-メチルピ
ロリドンを反応溶媒とした205℃での反応、米国特許479
2508号にはα-クロルナフタレンを反応溶媒とした250℃
での反応、特開昭61-275848号には酢酸を反応溶媒とし
た210℃での反応、特開昭63-291061号にはN,N-ジメチル
ホルムアミドを反応溶媒とした200〜300℃での反応、特
開平3-42670号にはN-メチルピロリドンを反応溶媒とし
酢酸亜鉛二水和物を脱水触媒とした195〜202℃での反応
の例が報告されている。
【0009】これらはいずれも200℃以上の加熱が必要
であり、これより低温では事実上反応は進行しなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように縮合イミダ
ゾール顔料の製造には高温での反応が必要であるため、
副反応や分解反応によって生じる不純物が混入しやす
く、結果として反応生成物の電子写真感度の低下が避け
られなかった。
【0011】また、200℃以上の高温反応を行うために
は耐熱性の材質からなる反応釜が必要であり、かつ加熱
オイルの循環等の高価な加熱設備が必要となる。加え
て、反応性の高い溶媒であるα-クロルナフタレンやキ
ノリンなどは臭気及び有害性の面から作業環境上の設備
投資が必要となる。
【0012】本発明は以上のような事情に基づいてなさ
れたものであり、その目的は、縮合イミダゾール顔料の
低温反応による新規な製造方法を提供する事にある。
【0013】また本発明の目的は高性能な縮合イミダゾ
ール顔料を製造し高感度な電子写真感光体を提供するも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
下記構成によって達成することができる。
【0015】(1)一般式〔1〕で表される芳香族カル
ボン酸無水物と一般式〔2〕で表される芳香族ジアミノ
化合物の脱水縮合反応によって、一般式〔3〕の縮合イ
ミダゾール顔料を製造する際に、反応溶媒として一般式
〔4〕で表される化合物を用いることを特徴とする有機
顔料の製造方法。
【0016】
【化3】
【0017】式中Z1,Z2は置換、未置換の芳香族環を
表し、mは1もしくは2を表す。また、R1〜R8は水素
原子、アルキル及びアリール基を表し、nは0もしくは
1を表す。
【0018】(2)一般式〔1〕におけるZ1がペリレ
ン環もしくは(N-アルキル)ペリレン-3,4,-ジカルボキ
シイミド環であるところの上記記載の有機顔料の製造方
法。
【0019】(3)一般式〔1〕で表される芳香族カル
ボン酸無水物と一般式〔2〕で表される芳香族ジアミノ
化合物の脱水縮合反応によって、一般式〔3〕の縮合イ
ミダゾール顔料を製造する際に、反応溶媒として一般式
〔4〕で表される化合物を用いることを特徴とする有機
顔料を含有してなる電子写真感光体。
【0020】特に脱水触媒として酢酸亜鉛もしくは塩化
亜鉛を用いることが好ましく、反応温度は150℃以下に
することができる。このため、反応釜を耐熱性材質にす
る必要がなく、また水蒸気加熱で充分な温度であるため
高価な加熱設備を導入する必要がない。また一般式
〔4〕で表される化合物は一般に臭気が少ないため作業
環境も良好となる。このように本発明の製造法において
は低温での反応が可能となることによって設備費及びそ
の運転費用を著しく軽減できる他に、副反応や分解反応
が起こりにくくなり、得られた顔料を用いて作製した電
子写真感光体の感度性能が向上するものである。
【0021】本発明の脱水縮合反応は、反応式(1)に
よって表すことができる。
【0022】
【化4】
【0023】式中、Z1、Z2は置換、未置換の芳香族環
を表しており、Z1の好ましいものはベンゼン環、ナフ
タレン環、ピレン環、ペリレン環、コロネン環、硫黄化
ペリレン環、及びこれらのジカルボキシイミド誘導体で
ある。なかでも特に好ましいのはピレン環、ペリレン
環、(N-アルキル)ピレン-2,3-ジカルボキシイミド
環、(N-アルキル)ペリレン-3,4-ジカルボキシイミド
環である。
【0024】Z2の好ましいものはベンゼン環、ナフタ
レン環である。これらの置換基としてはアルキル、アリ
ール、アルコキシ、アラルキル、ニトロ、シアノ基及び
ハロゲン等を挙げることができ、好ましくはアルキル、
アリール、アラルキルである。
【0025】mは1または2を表す。
【0026】また式中、R1〜R8は水素原子、アルキル
及びアリール基を表しており、好ましくは水素原子及び
炭素数4以下のアルキル基である。nは0または1を表
す。特に好ましい化合物として、R1とR2がメチル基、
3〜R6が水素原子でかつnが0である1,3-ジメチル-2
-イミダゾリジノンを挙げる事が出来る。
【0027】この反応において芳香族カルボン酸無水物
に対する芳香族ジアミノ化合物の量は、目的に応じて任
意で良いが、好ましくは0.1から100当量の範囲となり、
特には1から10当量の範囲が好ましい。
【0028】脱水触媒としては、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、
酸化亜鉛、酢酸、塩酸、p-トルエンスルホン酸等を用い
る事が出来るが、中でも酢酸亜鉛、塩化亜鉛が好まし
く、特に酢酸亜鉛が好ましい。酸無水物に対する脱水触
媒の仕込量は、0.1から100当量が好ましく、特には1か
ら6当量が好ましい。
【0029】又、反応温度は80〜180℃の範囲が好まし
い。
【0030】
【作用】本発明において有用な一般式〔1〕で表される
芳香族カルボン酸無水物の代表的具体例を上げる。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】本発明において有用な一般式〔2〕で表さ
れる芳香族ジアミン化合物の代表的具体例を上げる。
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】次に、一般式〔3〕の縮合イミダゾール顔
料は、一般式〔1〕と一般式〔2〕の化合物の任意の組
み合わせにおいて脱水縮合されたものであるが、その代
表例を幾つか示す。
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
【化16】
【0045】次に一般式〔4〕で表される化合物の具体
例を示す。
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】合成反応の進行状況は、反応系の可視吸収
スペクトルを測定することによって確認することができ
る。本発明の反応における原料化合物及び生成物顔料は
一般に濃硫酸に溶解するため、反応系からサンプリング
した試料を硫酸に溶かして吸収スペクトルを測定するの
が有用である。原料化合物の吸収極大は生成物の吸収極
大よりも短波長側にあり、両者の極大ピークを比較追跡
することによって反応の進行具合が確認される。
【0049】本発明で得られる有機顔料を電子写真感光
体のキャリア発生物質として用いる場合、感光体の構成
は種々の形態が知られている。本発明の顔料はそのいず
れの場合にも用いる事ができるが、積層型もしくは分散
型の機能分離型感光体とするのが好ましい。この場合、
通常は図1(a)〜(f)の様な層構成になる。図1(a)に示
す層構成は、導電性支持体1上にキャリア発生層2を形
成し、これにキャリア輸送層3を積層して感光層4を形
成したものであり、同図(b)はこれらのキャリア発生層
2とキャリア輸送層3を逆にした感光層4’を形成した
ものである。同図(c)は(a)の層構成の感光層4と導電性
支持体1の間に中間層5を設け、同図(d)は(b)の層構成
の感光層4’と導電性支持体1の間に中間層5を設けた
ものである。同図(e)の層構成はキャリア発生物質6と
キャリア輸送物質7を含有する感光層4”を形成したも
のであり、同図(f)はこのような感光層4”と導電性支
持体1との間に中間層5を設けたものである。図1(a)
〜(f)の構成において、最表層には更に保護層を設ける
事ができる。
【0050】感光層の形成においては、キャリア発生物
質或いはキャリア輸送物質を単独で、もしくはバインダ
や添加剤と共に溶解させた溶液を塗布する方法が有効で
ある。
【0051】しかし本発明の顔料の溶解度は一般に低い
ため、このような場合顔料を超音波分散機、ボールミ
ル、サンドミル、ホモミキサ等の分散装置を用いて適当
な分散媒中に微粒子分散させた液を塗布する方法、或い
は減圧下で蒸着してキャリア発生層を形成させる方法が
有効となる。
【0052】感光層の形成に使用される溶剤或いは分散
媒としては、広く任意のものを用いる事ができる。
【0053】例えば、メチルエチルケトン、メチルイソ
プロピルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラ
ン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジクロルメタ
ン、ジクロルエタン、トリクロルエタン、クロロホル
ム、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソル
ブ、エチルセルソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン等が挙げ
られる。
【0054】また、感光層の形成において、バインダを
用いる場合には、バインダとして任意のものを選ぶ事が
できるが、特に疎水性で且つフィルム形成能を有する高
分子重合体が望ましい。このような重合体としては例え
ば次のものを挙げる事が出来るが、これらに限定される
ものではない。
【0055】ポリカーボネート ポリカーボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン-ブタジエン重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルブチラール ポリビニルカルバゾール スチレン-アルキッド樹脂 シリコーン樹脂 シリコーン-アルキッド樹脂 シリコーン-アルキッド樹脂 ポリエステル フェノール樹脂 ポリウレタン エポキシ樹脂 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 バインダとキャリア発生物質の割合はバインダ100重量
部に対してキャリア発生物質10〜1000重量部が望まし
く、更に50から400重量部が特に好ましい。またバイン
ダとキャリア輸送物質の割合はバインダ100重量部に対
してキャリア輸送物質10〜500重量部とするのが望まし
い。
【0056】中間層、保護層に用いる物質としては、任
意のものを選ぶ事ができる。上記のキャリア発生層、キ
ャリア輸送層用に挙げたバインダ以外にも、次の例を挙
げる事が出来るが、これらに限定されるものではない。
【0057】ポリアミド樹脂 ナイロン樹脂 エチレン-酢酸ビニル共重合体 エチレン-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 エチレン-酢酸ビニル-メタクリル酸共重合体 ポリビニルアルコール セルロース誘導体 メラミン樹脂 エポキシ樹脂 シリコーン樹脂 キャリア輸送物質としては種々のものが使用できるが、
代表的なものとしては、例えばオキサゾール、オキサジ
アゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール
等に代表される含窒素複素環核及びその縮合環核を有す
る化合物、ポリアリールアルカン系の化合物、ピラゾリ
ン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールアミン
化合物、スチリル系化合物、スチリルトリフェニルアミ
ン系化合物、β-フェニルスチリルトリフェニルアミン
系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキサトリエン系化合
物、カルバゾール系化合物、縮合多環系化合物等が挙げ
られる。
【0058】キャリア発生層の厚さは0.01〜20μmとさ
れるが、さらには0.05〜5μmが好ましい。キャリア輸送
層の厚さは1〜100μmとされるが、さらには5〜50μmが
好ましい。
【0059】導電性支持体としては、金属板、金属ドラ
ムが用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等
の導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等
の金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手法により
紙やプラスチック等の基体の上に設けてなるものを用い
る事が出来る。
【0060】本発明の顔料を用いた感光体は以上のよう
な構成とすることができる。
【0061】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0062】実施例1 反応式(2)に従って、ペリレン-3,4,9,10-テトラカル
ボン酸二無水物6.0g、O-フェニレンジアミン6.61g、
脱水触媒として酢酸亜鉛(無水)5.60g、反応溶媒とし
て1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン118mlを混合し、15
0℃で7時間反応させた。放冷後、析出した結晶を濾取
し、希塩酸で洗浄した後、N,N-ジメチルホルムアミドと
水で洗浄した。加熱乾燥して結晶7.92g(収率97%)を
得た。これを試料1とする。
【0063】
【化19】
【0064】実施例2 脱水触媒を酢酸亜鉛(無水)から塩化亜鉛(無水)に変
えた他は、実施例1と同様に反応を行ったところ、反応
終了まで10時間を要した。実施例1と同様に洗浄操作を
行い、7.76g(収率95%)を得た。これを試料2とす
る。
【0065】比較例1 反応溶媒をN,N-ジメチルホルムアミドに変えた他は、実
施例1と同様に150℃で反応を行った。しかし、反応の
進行は遅く、可視吸収スペクトルによる評価では20時間
の反応でも目的物の吸収スペクトルに完全には到達しな
かった。
【0066】比較例2 反応溶媒をN,N-ジメチルホルムアミドとし、脱水触媒を
塩化亜鉛(無水)とした他は、実施例1と同様に150℃
で反応を行った。比較例2と同じく反応は遅くて、20時
間の反応でも目的物は得られなかった。
【0067】比較例3 反応溶媒をN-メチルピロリドンに変えた他は、実施例1
と同様に150℃で反応を行った。20時間の反応でも目的
物の生成は僅かであった。
【0068】比較例4 反応溶媒をα-クロルナフタレンに変えた他は、実施例
1と同様に150℃で反応を行った。20時間の反応でも目
的物はほとんど生成しなかった。
【0069】比較例5 反応溶媒をα-クロルナフタレンに変え、脱水触媒を用
いなかった他は、実施例1と同様に150℃で反応を行っ
た。全く反応は進まず、反応温度を200℃としたが反応
は極めて遅く、20時間では終了しなかった。そこで反応
温度を250℃としたところ4時間で反応が終了した。放
冷して析出晶を濾取し、α-クロルナフタレンとメタノ
ールで洗浄して、目的物7.68g(収率94%)を得た。こ
れを比較試料(1)とする。
【0070】比較例6 反応溶媒をキノリンに変えた他は、実施例1と同様に15
0℃で反応を行った。しかし、反応は殆ど進行しなかっ
た。そこで230℃で反応させたところ4.5時間で終了し
た。放冷して析出した結晶をキノリン、クロロホルム、
メタノールで繰り返し洗浄して、目的物7.5g(収率92
%)を得た。これを比較試料(2)とする。
【0071】以上のように本発明の1,3-ジメチル-2-イ
ミダゾリジノンを反応溶媒に用いた場合のみ、反応温度
を150℃とすることができ、従来知られている反応溶媒
においては少なくとも200℃以上でないと反応が速やか
に進行しない。
【0072】得られた本発明の試料1、試料2と比較の
ための比較試料(1)、比較試料(2)を用い、次の応
用例にしたがって電子写真感光体を作製して評価した。
【0073】応用例1 実施例1で得られた本発明の試料1を1重量部、ポリビ
ニルブチラール「エスレックBL-S」(積水化学工業社
製)を0.2重量部、メチルエチルケトン30重量部を用い
てサンドミルで分散し、得られた分散液をアルミニウム
を蒸着したポリエステルベース上にワイヤーバーで塗布
して0.4μmのキャリア発生層を形成した。その上に下記
構造式(T−1)のキャリア輸送物質1部とポリカーボ
ネート樹脂「Z-200」(三菱瓦素化学社製)1.3部をジク
ロロエタン8部に溶解した液をブレード塗布機を用いて
塗布して30μmのキャリア輸送層を形成して感光体を得
た。これを感光体1とする。
【0074】
【化20】
【0075】応用例2 試料1を実施例2で得られた試料2に代えた他は応用例
1と同様にして感光体を得た。これを感光体2とする。
【0076】比較応用例1〜2 試料1を比較試料(1)、比較試料(2)に代えた他
は、応用例1と同様にして比較の感光体を得た。これを
それぞれ比較感光体(1)、比較感光体(2)とする。
【0077】これらの感光体は、ペーパーアナライザEP
A-8100(川口電機社製)を用いて、以下のような評価を
行った。まず、−6KVの条件で5秒間のコロナ帯電を行
い、帯電直後の表面電位Va及び、5秒間放置後の表面電
位Viを求め、続いて表面照度が2(lux)となるような
露光を行い、表面電位を−600Vから−100Vまで低下さ
せるのに必要な露光量E600/100を求めた。また、D=100
(Va-Vi)/Va(%)の式より暗減衰率Dを求めた。
【0078】結果は表1に示した。
【0079】
【表1】
【0080】実施例3〜10 反応式(1)に従って、芳香族カルボン酸無水物〔1〕
の0.01モルに対し芳香族ジアミノ化合物〔2〕の2当
量、脱水触媒として酢酸亜鉛(無水)3当量を1,3-ジメ
チル-2-イミダゾリジノン 100ml中で、150℃,8時間で
反応させた。放冷後、析出した結晶を濾取し、希塩酸で
洗浄した後、N,N-ジメチルホルムアミドと水で洗浄し
て、加熱乾燥の後に縮合イミダゾール顔料〔3〕を得
た。
【0081】結果を表2にまとめた。
【0082】
【表2】
【0083】以上のように本発明の製造法においては従
来は200℃以上の温度が必要であった反応が150℃以下と
いう低温で収率よく進行させることができる。またその
ような穏やかな条件で製造された縮合イミダゾール顔料
は電子写真感光体のキャリア発生物質として優れた感度
性能を示すものである。
【0084】
【発明の効果】従来、縮合イミダゾール顔料の製造には
高温での反応が必要であるため、副反応や分解反応によ
って生じる不純物が混入しやすく、結果として反応生成
物の電子写真感度の低下が避けられなかった。
【0085】また、200℃以上の高温反応を行うために
は耐熱性の材質からなる反応釜が必要であり、かつ加熱
オイルの循環等の高価な加熱設備が必要となる。加え
て、反応性の高い溶媒であるα-クロルナフタレンやキ
ノリンなどは臭気及び有害性の面から作業環境上の設備
投資が必要となる。
【0086】本発明により、縮合イミダゾール顔料の低
温反応による新規な製造方法を提供する事が出来る。
【0087】また高性能な縮合イミダゾール顔料を製造
し高感度な電子写真感光体を提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様例の感光体断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4 感光層 5 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 57/00 V // G03G 5/06 380

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕で表される芳香族カルボン
    酸無水物と一般式〔2〕で表される芳香族ジアミノ化合
    物の脱水縮合反応によって、一般式〔3〕の縮合イミダ
    ゾール顔料を製造する際に、反応溶媒として一般式
    〔4〕で表される化合物を用いることを特徴とする有機
    顔料の製造方法。 【化1】 式中Z,Z2は置換、未置換の芳香族環を表し、mは
    1もしくは2を表す。また、R1〜R8は水素原子、アル
    キル及びアリール基を表し、nは0もしくは1を表す。
  2. 【請求項2】 一般式〔1〕におけるZ1がペリレン環
    もしくは(N-アルキル)ペリレン-3,4,-ジカルボキシイ
    ミド環であるところの請求項1に記載の有機顔料の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 一般式〔1〕で表される芳香族カルボン
    酸無水物と一般式〔2〕で表される芳香族ジアミノ化合
    物の脱水縮合反応によって、一般式〔3〕の縮合イミダ
    ゾール顔料を製造する際に、反応溶媒として一般式
    〔4〕で表される化合物を用いることを特徴とする有機
    顔料を含有してなる電子写真感光体。 【化2】 式中Z,Z2は置換、未置換の芳香族環を表し、mは
    1もしくは2を表す。また、R1〜R8は水素原子、アル
    キル及びアリール基を表し、nは0もしくは1を表す。
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