JP3528288B2 - チタニルフタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents

チタニルフタロシアニン結晶の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導電性材料として有
用なチタニルフタロシアニン結晶の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体には、セレン等の
無機光導電性物質が用いられていたが、熱安定性、毒性
等の点で問題があるため、無毒、易加工性等の特徴を有
する有機光導電性物質が主流になっている。
【0003】また近年では、半導体レーザーの発振波長
領域に感度を有する有機感光体の開発が盛んであり、例
えばフタロシアニン系化合物、ビスアゾ及びトリスアゾ
系化合物、チアピリリウム系化合物、スクアリリウム系
化合物、アズレニウム系化合物、チオピロロピロール系
化合物等が検討されている。なかでもフタロシアニン系
化合物は、合成が容易であり、耐候性、耐光性に優れて
いるため幅広く検討されており、特にチタニルフタロシ
アニンは、数多く検討されている。
【0004】チタニルフタロシアニンは、例えば、特開
昭59−49544号公報、特開昭59−166959
号公報、特開昭61−239248号公報、特開昭62
−67094号公報、特開昭63−366号公報、特開
昭63−116158号公報、特開昭63−19806
7号公報、特開平1−17066号公報、特開平2−8
256号公報等に開示されているように、製造条件の違
いによって種々の結晶型のものが得られる。
【0005】これらの中でも、特開平2−8256号公
報に開示されている、X線回折スペクトルにおいて、C
u−Kα線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)2
7.3゜に最大回折ピークを有することを特徴とするチ
タニルフタロシアニンは、光感度が高いことが知られて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−8256号公報に記載のチタニルフタロシアニン
は、酸処理して非晶質になったチタニルフタロシアニン
を有機溶剤で処理するか、又は有機溶剤と共に機械的磨
砕して製造されており、極めて煩雑であった。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、Cu−
Kα線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3
゜に最大回折ピークを有し、光感度が高いチタニルフタ
ロシアニン結晶を簡便に製造する方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明者らは検討を重ねた結果、フタロシアニン環
を形成し得る有機化合物とチタンアルコキシドを、ジア
ルキルアミノアルコール中で反応させることにより、C
u−Kα線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)が2
7.3゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシア
ニンの結晶が直接的に製造でき、結晶変換操作を必要と
せず、しかも光導電性材料として優れた性能を持つこ
と、該チタニルフタロシアニンを用いると高感度の電子
写真感光体が得られることを見い出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0009】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、フタロシアニン環を形成し得る有機化合物とチタン
化合物をジアルキルアミノアルコール中で反応させるこ
とを特徴とする、X線回折スペクトルにおいてCu−K
α線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜
に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンの製
造方法を提供する。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明の製造方法で使用するフタロシアニ
ン環を形成し得る有機化合物としては、例えば、フタロ
ニトリル、1,3−ジイミノイソインドリン、これらの
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、
スルファモイル基等による置換誘導体を挙げることがで
きる。
【0012】本発明の製造方法で使用するチタン化合物
としては、例えば、チタンアルコキシドを挙げることが
でき、特にチタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n
−プロポキシド、チタンテトラ−イソプロポキシド、チ
タンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−イソブト
キシド等、炭素原子数2〜4のアルコキシル基よりなる
チタンアルコキシドが好ましい。
【0013】本発明の製造方法で使用するジアルキルア
ミノアルコールとしては、例えば、ジアルキルアミノエ
タノール又はジアルキルアミノプロパノールを挙げるこ
とができ、特にアルキル基がメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基等、炭素数1〜3のジアルキル
アミノエタノール又はジアルキルアミノプロパノールが
好ましい。
【0014】反応に際して、尿素又はアンモニアを併用
してもよい。
【0015】本発明の製造方法で得たチタニルフタロシ
アニン結晶を結晶型が変化しない範囲で摩砕してもよ
い。機械的磨砕法としては、例えば、ペイントシェーカ
ー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ア
トライター、ニーダー、振動ミル、コロイドミル等を用
いることができる。磨砕は乾式でおこなってもよいし、
液状物質を用いて湿式で行ってもよい。食塩、芒硝等の
磨砕助剤を用いることもできる。
【0016】本発明の製造方法で得たチタニルフタロシ
アニン結晶は、電子写真感光体の光導電材料として使用
される。
【0017】電子写真感光体は、積層型、単層型のどち
らの構成も用いることができる。積層型感光体では、電
荷発生層の上に電荷輸送層が積層された構成でも、逆の
構成でもよい。導電性支持体上に絶縁性の下引き層を設
け、また最上部に表面保護層を設けることもできる。
【0018】電荷発生層は、本発明の製造方法で得たチ
タニルフタロシアニン結晶の単体で構成してもよいし、
又は光導電性物質や電荷発生物質(光導電性物質等)と
して、その他の既に公知の、種々の電荷発生物質等を本
発明の低結晶性チタニルフタロシアニンと併用すること
もできる。併用できる光導電性物質等としては、例え
ば、α型、β型、γ型、Y型のチタニルフタロシアニ
ン、特開平1−17066号公報記載のチタニルフタロ
シアニン、特開平2−267563号公報記載のチタニ
ルフタロシアニン、特開平3−269064号公報記載
のチタニルフタロシアニン、特開平5−257307号
公報記載のチタニルフタロシアニン、特開平5−273
775号公報記載のチタニルフタロシアニン、α型、β
型、γ型、τ型、τ’型、π型、η型、η’型、K型の
無金属フタロシアニン、米国特許第3357989号明
細書記載のX型無金属フタロシアニン、特開昭60−2
43089号公報に記載の無金属フタロシアニン、特開
平2−233769号公報に記載の無金属フタロシアニ
ン、銅、インジウム、マンガン、アルミニウム、マグネ
シウム、スズ、ケイ素等の中心金属を有するフタロシア
ニン系化合物、無金属又は中心金属を有するナフタロシ
アニン系化合物、ビスアゾ及びトリスアゾ系化合物、ア
ントラキノン系化合物、ペリレン系化合物、ペリノン系
化合物、多環式キノン系化合物、ジオキサジン系化合
物、キナクリドン系化合物、アズレニウム系化合物、ス
クアリリウム塩系化合物、ピリリウム塩系化合物、ピロ
ロピロール系化合物等を挙げることができる。
【0019】導電性支持体としては、例えば、アルミニ
ウム、ステンレス、銅等の金属ドラム、シートあるいは
これらの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙げられる。
更に、金属粉末、カーボンブラッグ、高分子電解質等の
導電性物質をバインダーとともに塗布して導電化処理し
たプラスチックフィルム、プラスチックドラム、プラス
チックベルト等が挙げられる。
【0020】電子写真感光体の感光層は、これらの導電
性支持体上に、少なくとも本発明のチタニルフタロシア
ニン結晶をバインダーを含む塗布液を塗布した後、乾燥
して得られる。
【0021】バインダーとしては、例えば、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、アクリ
ル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、メタクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン−アルキッド
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マ
レイン酸共重合体等が挙げられる。
【0022】チタニルフタロシアニン結晶とバインダー
との重量比は、20:1〜1:10の範囲が好ましく、
特に10:1〜1:5の範囲が好ましい。チタニルフタ
ロシアニン結晶の比率が10:1よりも多い場合には、
塗布液の分散安定性が低下する傾向にあり、チタニルフ
タロシアニン結晶の比率が10:1よりも少ない場合に
は、感度が低下する傾向にあるので好ましくない。
【0023】塗布液を調製するために使用できる有機溶
剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン等のアミド類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、アニソー
ル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロ
ソルブアセテート等のエステル類;クロロホルム、塩化
メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエ
チレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、リ
グロイン等の炭化水素等を挙げることができ、さらにこ
れらの溶剤2種以上の混合物も用いることができる。
【0024】塗布液は、本発明のチタニルフタロシアニ
ン、バインダー及び溶剤を、ボールミル、ビーズミル、
ペイントシェーカー、サンドグラインダー、アトライタ
ー、ディスパーザー、ホモミキサー等の分散手段により
分散することにより調製できる。
【0025】塗布液の塗布には、例えば、ディッピング
コーティング法、スプレーコーティング法、ビードコー
ティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコ
ーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコー
ティング法等の塗布方法を用いることができる。塗膜
は、20〜200℃の範囲、好ましくは60〜120℃
の範囲で加熱乾燥させる。乾燥後の膜厚は、積層型感光
体の場合、電荷発生層が0.1〜3.0μmの範囲が好
ましく、単層型感光体の場合は、10〜20μmの範囲
が好ましい。
【0026】機能分離型感光体に用いられる電荷輸送物
質としては、例えば、ヒドラゾン系化合物、オキサゾー
ル系化合物、オキサジアゾール系化合物、オキサチアゾ
ール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系
化合物、トリアゾール系化合物、スチリル・スチルベン
系化合物、ピラゾリン系化合物、トリアリールアミン系
化合物、ジベンジルアミン系化合物、トリアリールメタ
ン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、アジン系化
合物、イミダゾール系化合物、イミダゾリジン系化合
物、ジシアノメチレン系化合物、ベンジジン系化合物等
を挙げることができる。これらの化合物のうち、芳香族
環を有するものは、当該部分がベンゾ類縁体等の縮合多
環構造をしていてもよい。積層型感光体の場合の電荷輸
送層は、上記電荷輸送物質及びバインダーを有機溶剤中
に分散した後、塗布、乾燥して形成することができる。
電荷輸送物質とバインダーとの重量比は、5:1〜1:
5の範囲が好ましい。電荷輸送層の乾燥後の膜厚は、5
〜50μmの範囲が好ましい。
【0027】また、導電性支持体と感光層との間に下引
き層を設けることもできる。下引き層は、導電性支持体
からの不必要な電荷の注入を阻止するために有効であ
り、感光層の帯電性を高めることができる。さらに感光
層と導電性支持体との密着性を高める作用もある。下引
き層を形成する材料としては、例えば、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルポリジン、
セルロースエーテル類、ポリアミド、ポリウレタン等が
挙げられる。下引き層の膜厚は、0.05〜1μmの範
囲が好ましい。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具
体的に説明する。以下の実施例及び比較例において、
「部」は『重量部』を表わす。
【0029】(実施例1)反応装置に、フタロニトリル
192部、チタンテトラ−n−ブトキシド127.6
部、尿素90部及び2−ジメチルアミノエタノール50
0部を加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら昇温し、13
0℃で4時間反応させた。室温まで冷却し、濾過した。
得られた粗製物をメタノール630部に加え、室温にて
1時間攪拌した後、濾過した。この操作を3回繰り返し
行った後、乾燥させてチタニルフタロシアニン結晶14
0部を得た。(収率65%)
【0030】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図1に示した。
【0031】(実施例2)実施例1において、尿素の代
えて、アンモニアを液中に150ml/分で導入した以外
は、実施例1と同様にして、チタニルフタロシアニン結
晶150部を得た。(収率69.5%)
【0032】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図2に示した。
【0033】(実施例3)実施例1において、尿素を添
加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、チタ
ニルフタロシアニン97部を得た。(収率45%)
【0034】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図3に示した。
【0035】(実施例4)実施例1において、フタロニ
トリル192部に代えて、1,3−ジイミノイソインド
リン217.7部を使用した以外は、実施例1と同様に
して、チタニルフタロシアニン結晶65部を得た。(収
率30%)
【0036】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図4に示した。
【0037】(実施例5)実施例1において、チタンテ
トラ−n−ブトキシド127.6部に代えて、チタンテ
トラ−n−プロポキシド106.6部を使用した以外
は、実施例1と同様にして、チタニルフタロシアニン結
晶135部を得た。(収率62.6%)
【0038】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図5に示した。
【0039】(実施例6)実施例1において、2−ジメ
チルアミノエタノール500部に代えて、3−ジメチル
アミノプロパノール500部を使用した以外は、実施例
1と同様にして、チタニルフタロシアニン結晶130部
を得た。(収率60%)
【0040】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図6に示した。
【0041】(実施例7)ポットに直径6mmのSUS3
04製ボール240部と実施例1で得たチタニルフタロ
アニン4部を仕込み、室温で24時間磨砕した。
【0042】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図7に示した。
【0043】(比較例1)実施例1において、2−ジメ
チルアミノエタノール500部に代えて、n−オクタノ
ール500部を使用した以外は、実施例1と同様にし
て、チタニルフタロシアニン結晶164部を得た。(収
率76%)
【0044】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図8に示した。
【0045】(比較例2)実施例1において、2−ジメ
チルアミノエタノール500部に代えて、n−ブタノー
ル500部を使用した以外は、実施例1と同様にして、
チタニルフタロシアニン結晶138部を得た。(収率6
4%)
【0046】このようにして得たチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図を図9に示した。
【0047】<応用例1>以下の方法により、図10に
示した層構造を有する電子写真感光体を製造した。図1
0において、1はアルミニウム基板であり、2はアルミ
ニウム基板1上に形成された電荷発生層であり、3は電
荷発生層2上に形成された電荷移動層である。
【0048】ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業
(株)製の「エスレックBH−3」)0.18部を、塩化
メチレン及び1,1,2−トリクロロエタンの4:6の
混合溶剤14.82部に溶解し、実施例1で得たチタニ
ルフタロシアニン結晶0.18部と十分に混合して得た
分散液を、バーコーターを用いてアルミニウム基板の上
に塗布し、次いで100℃で乾燥させて、厚さ1μmの
電荷発生層を形成した。
【0049】次に、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化
学(株)製の「ユーピロンZ−200」)1部を塩化メチ
レン及びクロロベンゼンの8:2の混合溶剤5.25部
に溶解した溶液と、下記構造式〔1〕
【0050】
【化1】
【0051】(式中、Etは、エチル基を表わす。)で
表わされる電荷輸送物質1部とを十分攪拌混合して得た
電荷輸送層形成用塗料を、上記電荷発生層上に塗布し、
次いで110℃で乾燥して、厚さ20μmの電荷輸送層
を形成した。
【0052】(応用例2〜7)応用例1において、実施
例1で得たチタニルフタロシアニンに代えて、実施例2
〜7で得たチタニルフタロシアニン結晶を各々用いた以
外は、応用例1と同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0053】(比較応用例1〜2)応用例1において、
実施例1で得たチタニルフタロシアニンに代えて、比較
例1〜2で得たチタニルフタロシアニン結晶を各々用い
た以外は、応用例1と同様にして電子写真感光体を作成
した。
【0054】(応用例8)応用例1において、電荷輸送
物質として、下記構造式〔2〕
【0055】
【化2】
【0056】で表わされる物質を用いた以外は、応用例
1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0057】(応用例9〜14)応用例8において、実
施例1で得たチタニルフタロシアニンに代えて、実施例
2〜7で得たチタニルフタロシアニン結晶を各々用いた
以外は、応用例8と同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0058】(比較応用例3〜4)応用例8において、
実施例1で得たチタニルフタロシアニンに代えて、比較
例1〜2で得たチタニルフタロシアニン結晶を各々用い
た以外は、応用例8と同様にして電子写真感光体を作成
した。
【0059】<評価>応用例1〜14及び比較応用例1
〜4で得た各電子写真感光体について、川口電機製EP
A−8100型エレクトロスタティックペーパーアナラ
イザーを用いて、暗所で−6.0KVのコロナ放電を行
って負帯電させた表面電位(V0) を測定し、次に10
秒間暗所に放置し10秒後の表面電位保持率(V10/V
0) を測定した。さらに水銀−キセノンランプの光をモ
ノクロメーターを通して得た780nmの単色光を照射
し、表面電位が1/2及び1/5に減少する時間を測定
し、それぞれの時間に照射した光エネルギーを以て光感
度E1/2及びE1/5として表1及び表2にまとめて示し
た。
【0060】また同様に、光照射後15秒後の表面電位
(Vr15)も測定し、その結果を表1及び表2にまとめ
て示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、Cu−Kα
線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜に
最大回折ピークを有し、光感度が高いチタニルフタロシ
アニン結晶を簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図2】実施例2で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図3】実施例3で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図4】実施例4で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図5】実施例5で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図6】実施例6で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図7】実施例7で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図8】比較例1で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図9】比較例2で得たチタニルフタロシアニン結晶の
X線回折スペクトルである。
【図10】応用例で作製した積層型電子写真感光体の模
式断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム基板 2 電荷発生層 3 電荷移動層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 67/50 C07D 487/22 C09B 47/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フタロシアニン環を形成し得る有機化合
    物とチタン化合物をジアルキルアミノアルコール中で反
    応させることを特徴とする、X線回折スペクトルにおい
    てCu−Kα線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)
    27.3゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシ
    アニンの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応系に尿素又はアンモニアを添加する
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 フタロシアニン環を形成し得る有機化合
    物として、フタロニトリル又は1,3−ジイミノイソイ
    ンドリンを使用する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 チタン化合物として、チタンアルコキシ
    ドを使用する請求項1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 チタン化合物として、炭素原子数2〜4
    のアルコキシル基よりなるチタンアルコキシドを使用す
    る請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ジアルキルアミノアルコールとして、炭
    素原子数1〜3のアルキル基を有するジアルキルアミノ
    エタノール及びジアルキルアミノプロパノールから成る
    群から選ばれる化合物を使用する請求項1、2、3、4
    又は5記載の製造方法。
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