JP5572543B2 - 積層型電子写真感光体、及び画像形成装置 - Google Patents

積層型電子写真感光体、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、積層型電子写真感光体、及び積層型電子写真感光体を備える画像形成装置に関する。
画像形成装置に使用される電子写真感光体としては、基体上にセレン等の無機材料からなる感光層を備える無機感光体と、主に、バインダ樹脂、電荷発生剤、電荷輸送剤等の有機材料からなる感光層を備える有機感光体とがある。そして、これらの感光体の中では、無機感光体と比較して、製造が容易であり、感光層の材料を幅広く選択でき、設計の自由度が高いことから有機感光体が幅広く使用されている。このような有機感光体に使用される電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が広く使用されており、特に電気的特性が向上する電荷発生剤としてY型結晶構造を有するチタニルフタロシアニン結晶が提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、単層型電子写真感光体の感光層に含まれる電荷発生剤として、特定の物性を有するチタニルフタロシアニンを使用した電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献2)。上記感光層に使用されている特定の物性を有するチタニルフタロシアニンは、有機溶媒に対して優れた貯蔵安定性を有する。
また、画像形成が繰り返し行われることによって、発生するトラップサイトの増加に起因する露光電位の変動による露光メモリの発生を抑制し、画像特性の低下を防止するために、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体において、該電荷輸送層が像露光波長に吸収を有する電荷発生物質を含有する電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献3)。
特開平08−176456号公報 特開2007−161992号公報 特開2010−026429号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されたチタニルフタロシアニンを用いた積層型又は単層型の電子写真感光体は、現在広く採用されているが、反転現像デジタル方式を使用した画像形成装置に十分に適合したものとはなっておらず、画像形成が繰り返し行われることによって生じる露光メモリの発生を抑制することができない。すなわち、上記積層型又は単層型の電子写真感光体を備えた画像形成装置を使用して画像形成した場合、画像形成工程の転写工程において、上記電子写真感光体上の露光された部分と露光されなかった部分との間に異なる極性の電位を生じる。かかる電子写真感光体上の露光された部分と露光されなかった部分との間で生じた電位差は、以降の画像形成工程において露光メモリとなり、良好な画像を形成することができない。
また、特許文献3に記載された電子写真感光体は、像露光波長に吸収を有する電荷発生物質を電荷輸送層に含有させることにより、露光電位の変動による露光メモリを抑制しているため、上記画像形成工程の転写工程において逆極性の電荷を印加することに起因する露光メモリを抑制するには十分ではない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、画像形成工程の転写工程において発生する露光メモリを抑制し、良好な画像を形成することができる積層型電子写真感光体を提供することを目的とする。また、本発明は、上記積層型電子写真感光体を像担持体として備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、積層型電子写真感光体の感光層において、所定の光学特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を電荷発生層に含有させ、かつ、電荷輸送層に除電光波長に吸収を有し、所定の光学的特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を含有させることによって、又は上記電荷輸送層に上記チタニルフタロシアニン結晶等を含ませないものとし、さらに上記電荷輸送層上に電荷発生層を設け、当該電荷発生層に所定の光学的特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を含有させることによって、画像形成工程の転写工程に起因して生じる露光メモリを抑制し、良好な画像を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 導電性基体上に感光層が形成された積層型電子写真感光体であって、
上記感光層は、
1)下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤とベース樹脂とを含有する電荷発生層、
電荷輸送剤と、除電光波長に吸収を有し、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤と、バインダ樹脂とを含有する電荷輸送層が順次積層された感光層、又は
2)下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤とベース樹脂とを含有する第一電荷発生層、
電荷輸送剤とバインダ樹脂とを含有する電荷輸送層、
除電光波長に吸収を有し、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤と、ベース樹脂とを含有する第二電荷発生層が順次積層された感光層であることを特徴とする積層型電子写真感光体。
(A):Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有する
(B):示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外に270〜400℃の範囲内に1つのピークを有する
(2) 上記電荷輸送層又は上記第二電荷発生層に含有される上記電荷発生剤の含有量が、
上記バインダ樹脂又は上記ベース樹脂100質量部に対して、0.001〜1.0質量部であることを特徴とする(1)記載の積層型電子写真感光体。
(3) 上記電荷輸送層又は上記第二電荷発生層の吸光度は、上記除電光波長に対して、0.001〜0.85であることを特徴とする(1)又は(2)記載の積層型電子写真感光体。
(4) 上記電荷輸送層は、前記ベース樹脂を含んでいないことを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の積層型電子写真感光体。
(5) 像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電させるための帯電部と、
前記像担持体の表面を露光して静電潜像を形成するための露光部と、
前記静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、
前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、
前記像担持体の表面を除電するための除電部と、を有し、前記像担持体が(1)〜(4)いずれかに記載の積層型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、特定の物性を有するチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を電荷発生層に含有させ、かつ電荷輸送層又は第二電荷発生層に除電光波長に吸収を有し、所定の光学的特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を含有させることによって、画像形成工程の転写工程において発生する露光メモリを抑制し、良好な画像を提供することができる積層型電子写真感光体及び画像形成装置が得られる。
積層型電子写真感光体の構成を示す図である。 積層型電子写真感光体の変形例の構成を示す図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[第一実施形態]
本実施形態の積層型電子写真感光体は、感光層を構成する電荷発生層に、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を使用し、かつ電荷輸送層に除電光波長に吸収を有し、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を含有することを特徴とする。ここで、上記(A)は、「Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有する」であり、上記(B)は、「示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外に270〜400℃の範囲内に1つのピークを有する」である。
なお、一般に、電子写真感光体には、単層型と積層型とがあるが、本発明の電子写真感光体は、積層型電子写真感光体である。
以下、本実施形態の積層型電子写真感光体について説明する。図1に、積層型電子写真感光体の具体的態様の一例である、積層型電子写真感光体10を示した。図1(a)に示すように、積層型電子写真感光体10は、導電性基体11と、この導電性基体11上に、電荷発生層12と、電荷輸送層13とをこの順に備えた感光層とを有する。積層型電子写真感光体10においては、電荷輸送層13が表面層となる。
なお、積層型電子写真感光体10は、電荷輸送剤の種類を適宜選択することにより、正又は負のいずれの帯電方式にも適用可能である。
また、図1(b)に示すように、導電性基体11上に、下引き層14を予め形成し、下引層14上に上記感光層を形成させることも好ましい。下引き層14を設けることにより、導電性基体11側の電荷の感光層への注入を防ぐとともに、上記感光層と導電性基体11との結着を強固にし、導電性基体11の表面上の欠陥を被覆して平滑化することができるためである。
以下、本発明に係る積層型電子写真感光体に関して、導電性基体、及び感光層について順に説明する。
〔導電性基体〕
積層型電子写真感光体において用いる導電性基体は、電子写真感光体の導電性基体として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、導電性を有する材料からなるものであってもよいし、プラスチック材料等の表面を、導電性を有する材料で被覆したものであってもよい。また、導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。また、導電性を有する材料としては、導電性を有する材料を1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて、例えば、合金等として用いてもよい。また、上記導電性基体としては、上記の中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることによって、より好適な画像を形成することができる電子写真感光体を提供することができる。このことは、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることによると考えられる。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができ、例えば、シート状、ドラム状等の基体が好適に使用できる。また、導電性基体の厚みは
上記形状に応じて適宜選択することができる。
〔感光層〕
積層型電子写真感光体の感光層は、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤とベース樹脂とを含む電荷発生層、電荷輸送剤と、除電光波長に吸収を有し、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤と、バインダ樹脂とを含有する電荷輸送層をこの順に積層して形成される。なお、上記(A)は、「Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有する」であり、上記(B)は、「示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外に270〜400℃の範囲内に1つのピークを有する」である。以下、本発明の積層型電子写真感光体の感光層について、表面層である電荷輸送層について説明した後、電荷発生層について説明する。
<電荷輸送層>
積層型電子写真感光体の感光層を構成する電荷輸送層は、電荷輸送剤に加え、画像形成工程の転写工程において発生する露光メモリを抑制するために、所定の電荷発生剤を含有することを特徴とする。すなわち、本発明の積層型電子写真感光体の感光層を構成する電荷輸送層は、電荷輸送剤と電荷発生剤とを含有しているため、電荷発生層で発生した電荷を輸送することができるとともに、上記画像形成工程の転写工程において発生する露光メモリを抑制することができる。
画像形成工程の転写工程において発生する露光メモリについて説明する。一般に、電子写真方式を利用した画像形成工程は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、除電工程等を含む。最初の工程である帯電工程においては、像担持体表面である積層型電子写真感光体の表面は、一様に一定電位まで帯電されることにより、正又は負のいずれかの電荷を有することとなる。次に、露光工程においては、一定電位まで帯電された積層型電子写真感光体の表面は、露光され、露光された部分に静電潜像が形成される。
さらに、現像工程においては、上記露光された部分にトナーが付与されることにより、トナー像が形成され、静電潜像が可視化される。そして、転写工程においては、積層型電子写真感光体の表面に形成されたトナー像は、中間転写体に転写される。ここで、上記トナー像を上記中間転写体に転写する工程では、この中間転写体に積層型電子写真感光体の電荷と逆極性のバイアスが印加される。
上記中間転写体に積層型電子写真感光体の電荷と逆極性のバイアスが印加される際に、上記露光された部分は、その表面にトナー像を構成するトナーを有するため、上記逆極性のバイアスが印加されても帯電時の極性を維持する。しかしながら、露光されなかった部分は、その表面にトナー像を構成するトナーを有しないため、上記逆極性のバイアスにより、帯電電荷と逆極性の電荷を有してしまうこととなる。その結果、積層型電子写真感光体上の露光された部分と露光されなかった部分とは、異なる極性の電位を有することとなり、この電位差が、以降の画像形成時において露光メモリ発生の原因となる。
そこで、本発明においては、露光メモリの原因となっている上記露光されなかった部分の逆極性の電荷を電荷輸送層に含まれる電荷発生剤から発生される電荷を利用して打ち消すことにより、上記電位差を消失させ、転写工程において発生する露光メモリを抑制する。
すなわち、電荷輸送層に含まれている電荷発生剤は、画像形成工程において照射される光のエネルギーを吸収し、電荷を発生する。そして、その発生した電荷は、積層型電子写真感光体表面の露光されなかった部分に存在する逆極性の電荷を打ち消して露光メモリの発生を抑制している。
通常、積層型電子写真感光体の電荷輸送層は、電荷発生層に到達する光の吸収を妨げないことが必要とされているものであるため電荷発生剤を含まないものであるが、本発明の積層型電子写真感光体の電荷輸送層は、露光メモリの発生の原因となっている積層型電子写真感光体表面の電荷を画像形成工程において照射される光のエネルギーを利用して打ち消すために、電荷発生剤を含有させている。
(電荷発生剤)
電荷輸送層に含まれている電荷発生剤は、画像形成工程の除電工程において使用される除電光波長に吸収を有し、上記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤であることが必要である。また、除電光波長に吸収を有し、上記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶は、電荷輸送層形成用の塗布液中で結晶転移を起こさないために露光メモリの発生を防止し、画像特性及び電気的特性の低下を防止することができるからである。
電荷発生剤は、除電工程で照射される光エネルギーを吸収し電荷を発生させ、この発生した電荷が露光メモリの原因となっている露光されなかった部分に存在する逆極性の電荷を打ち消す。電荷発生剤は、除電光波長に吸収を有するものであり、除電光波長に対して、当該電荷発生剤を含有する電荷輸送層の吸光度が0.001〜0.85となるような吸光度を有するものである。電荷発生剤を含有する電荷輸送層の吸光度が0.001以上であると、積層型電子写真感光体表面に存在する露光されなかった部分に存在する逆極性の電荷を打ち消すことのできる十分な電荷を発生させることができるため好ましく、0.85以下であると、電荷発生層の露光に用いる光の吸収を阻害しないため好ましい。すなわち、電荷輸送層に含まれる電荷発生剤は、除電工程で照射される除電光波長に大きな吸収を有し、十分な電荷を発生させることができ、電荷輸送層に含まれる電荷発生剤から発生した電荷が、画像形成工程の転写工程において発生する逆極性の電荷を効果的に打ち消すことができるものとなっている。
電荷輸送層に含まれる上記電荷発生剤の量は、電荷輸送層のバインダ樹脂100質量部に対して、0.001〜1.0質量部であることが好ましい。電荷発生剤の量が0.001質量部以上であると、積層型電子写真感光体表面に存在する露光されなかった部分の電荷を打ち消すことのできる十分な電荷を発生させることができるため好ましく、1.0質量部以下であると、電荷発生層の露光に用いる光の吸収を阻害しないため好ましい。
また、これらの電荷発生剤は、画像形成工程の除電工程において照射される光に対して吸収を有するように単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、除電工程で使用される除電光波長に対して吸収を有し、当該電荷発生剤を含有する電荷輸送層の吸光度が0.001〜0.85となるように、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記電荷発生剤は、電荷輸送層の形成時に使用される電荷輸送層形成用の塗布液に用いる溶剤に対する長期貯蔵性の観点から、除電光波長に対して吸収を有し、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に対して吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶であることが必要である。ここで、上記(A)は、「Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有する」であり、上記(B)は、「示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外に270〜400℃の範囲内に1つのピークを有する」である。なお、(A)の条件におけるブラッグ角の具体的な測定方法、及び(B)の条件における示差走査熱量分析方法は、後述する実施例において詳述する。
除電光波長に対して吸収を有し、上記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に対して吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤は、電荷輸送層を形成する際に使用するバインダ樹脂を含む電荷輸送層形成用の塗布液中でも安定である。従って、電荷発生剤を含有する電荷輸送層の形成時に電荷発生層形成用の塗布液を使用することなく、電荷輸送層にこれらの電荷発生剤を直接含有させることができる。すなわち、電荷輸送層の形成時にベース樹脂が含まないものとすることができる。
(電荷輸送剤)
積層型電子写真感光体を構成する感光層の電荷輸送層には、除電光波長に吸収を有する上記電荷発生剤の他、通常の電荷輸送層と同様に電荷輸送剤とバインダ樹脂とが含まれている。電荷輸送剤は、電子写真感光体の感光層に含まれる電荷輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。一般的に負帯電型の積層型電子写真感光体の場合には、正孔輸送剤が用いられ、正帯電型の積層型電子写真感光体の場合には、電子輸送剤が用いられる。
好適に使用できる正孔輸送剤としては、例えば、ベンジジン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。これらの中でも、トリフェニルアミン系化合物が好ましい。
好適に使用できる電子輸送剤としては、電子写真感光体の感光層に含まれる電子輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体等のキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。これらの中では、キノン誘導体がより好ましい。
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂は、積層型電子写真感光体のバインダ樹脂として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、種々の樹脂を使用することができ、例えば、スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、アイオマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬化型樹脂等、各種の重合体を例示することができる、これらの樹脂は、1種類又は2種類以上を混合して用いることもできる。好適な樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等であり、特にポリカーボネートが好適である。バインダ樹脂の製造方法は特に限定されない。例えば、公知のポリカーボネート樹脂の製造方法に従い製造することができる。
<電荷発生層>
積層型電子写真感光体の電荷発生層は、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を含有することを特徴としている。ここで、(A):「Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有する」であり、(B):「示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外に270〜400℃の範囲内に1つのピークを有する」である。
(電荷発生剤)
本発明の積層型電子写真感光体は、上記(A)及び(B)の条件を満たす所定の光学特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を含有する電荷発生層と、除電光波長に吸収を有し、所定の光学的特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を含有する電荷輸送層とを組み合わせた感光層を備えることによって、画像形成工程の転写工程において発生する露光メモリの発生を抑制し、良好な画像を提供することができるものとなっている。
(ベース樹脂)
電荷発生層には、上記電荷発生剤とベース樹脂とが含まれている。電荷発生層に使用することができるベース樹脂は、通常の積層型電子写真感光体が電荷発生層、電荷輸送層の順に形成されるため、電荷輸送層の塗布溶剤に溶解しないように、バインダ樹脂とは異なるものが選択される。上記ベース樹脂の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタン−アクリレート樹脂等が挙げられる。電荷発生層に用いるベース樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<感光層の作製方法>
積層型電子写真感光体における感光層は、導電性基体上、又は導電性基体上に形成された下引き層の上に、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層して形成される。
電荷発生層の膜厚は、0.1〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、2〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
電荷発生層における電荷発生剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。電荷発生層を塗布液の塗布により形成する場合、電荷発生剤の量は、ベース樹脂100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、30〜200質量部がより好ましい。
電荷輸送層における電荷輸送剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して、30〜200質量部であることが好ましい。電荷輸送剤が30質量部以上であると、電荷輸送剤の機能を十分に発揮することができ、感度が良くなるため好ましく、200質量部以下であると、電荷発生層のバインダ樹脂中で結晶化を引き起こさないため好ましい。また、電荷輸送層に含まれる上記電荷発生剤の量は、電荷輸送層のバインダ樹脂100質量部に対して、0.001〜1.0質量部であることが好ましい。電荷発生剤の量が0.001質量部以上であると、電荷輸送層の表面に十分な電荷を発生させることができるため好ましく、1.0質量部以下であると、電荷発生層の露光に用いる光の吸収を阻害しないため好ましい。
上記電荷発生層の形成方法としては、高価な蒸着装置が不要であり、製膜操作が容易であることから、少なくとも電荷発生剤、ベース樹脂、及び溶剤を含む電荷発生層形成用の塗布液の塗布が好ましい。また、電荷輸送層の形成方法としては、少なくとも電荷輸送剤、バインダ樹脂、電荷発生剤及び溶剤を含む電荷輸送層形成用の塗布液の塗布が挙げられる。
上記電荷発生層形成用の塗布液及び電荷輸送層形成用の塗布液の調製に用いる溶媒としては、電荷発生層形成用又は電荷輸送層形成用の塗布液として、従来用いられている種々の有機溶剤が使用可能であるが、積層して感光層を形成する場合には、先に塗布された層を溶解しない溶剤が選択される。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアルデヒド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。
上記塗布液には、積層型電子写真感光体の特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤を配合することができる。上記塗布液に配合する好適な添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等が挙げられる。また、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
上記塗布液の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いる方法が挙げられる。
上記塗布液を塗布して形成された皮膜は、高温乾燥機や減圧乾燥機等を用いて乾燥することにより溶媒を除去し、それぞれ電荷発生層と電荷輸送層となる。乾燥温度としては40〜150℃が好ましい。かかる温度範囲で、塗布液の皮膜を乾燥することにより、溶媒の除去が速やかに進行し、均一な厚さの電荷発生層及び電荷輸送層を効率よく形成できるためである。乾燥温度が高すぎる場合、感光層に含まれる電荷輸送剤等の成分が熱分解する場合があり好ましくない。
なお、導電性基体上に下引き層を形成する場合は、樹脂と酸化亜鉛や酸化チタン等の無機微粒子と溶媒から、下引き層形成用の塗布液を調製し、これを導電性基体上に塗布した後に乾燥することにより、下引き層を形成することができる。
[変形例]
以上、本発明について一実施形態を示して具体的に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の構成の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
たとえば、上記第一実施形態では、感光層が電荷発生層、電荷輸送剤とバインダ樹脂と電荷発生剤とを含有する電荷輸送層が順次積層された二層構造であったが、電荷輸送層に電荷発生剤を含ませないものとし、感光層を第一電荷発生層、電荷輸送層、さらに第二電荷発生層を含む三層構造とすることもできる。すなわち、変形例の電子写真感光体の感光層は、上記第一実施形態の積層型電子写真感光体の電荷発生層と同一の電荷発生層を第一電荷発生層とし、この第一電荷発生層上に、電荷発生剤を含有しない、電荷輸送剤とバインダ樹脂とを含む電荷輸送層、電荷発生剤とベース樹脂とを含む第二電荷発生層を順次積層した三層構造よりなる。上記電子写真感光体の第二電荷発生層には、上記実施形態の感光層の電荷輸送層に含有されている電荷発生剤と同様の電荷発生剤がベース樹脂100質量部に対して、0.001〜1.0質量部含まれている。また、第二電荷発生層は、除電光波長に対して、0.001〜0.85の吸光度を有するものである。
図2に、積層型電子写真感光体の変形例として、積層型電子写真感光体20を示した。図2(a)に示すように、積層型電子写真感光体20は、導電性基体11上に、第一電荷発生層12、電荷輸送層21、除電光波長に吸収を有し、所定の光学的特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤を含有する第二電荷発生層22をこの順に備えた感光層を積層したものである。上記感光層を備えた積層型電子写真感光体20においても、表面層となっている第二電荷発生層22に除電光波長に吸収を有する電荷発生剤を含有するため、上記第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、図2(b)に示すように、導電性基体11上に、下引き層14を介して第一電荷発生層12を形成することも好ましい。
[第二実施形態]
第二実施形態は、像担持体と、像担持体の表面を帯電させるための帯電部と、像担持体の表面を露光して静電潜像を形成するための露光部と、静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、トナー像を像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング部と、像担持体の表面電荷を除電するための除電部と、を有する画像形成装置に関する。
また、本発明の画像形成装置としては、モノクロ画像形成装置、カラー画像形成装置のいずれにも適用可能であるが、ここでは、複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置について説明する。
なお、本実施形態に係る積層型電子写真感光体を備えた画像形成装置は、各表面上にそれぞれ異なった各色のトナー像を形成させるために、所定方向に並設された、複数の像担持体と、各像担持体に対向して配置され、表面にトナーを担持して搬送し、搬送されたトナーを、各像担持体の表面にそれぞれ供給する、現像ローラを備えた複数の現像部とを備え、像担持体として、第一実施形態にかかる積層型電子写真感光体を用いる。
図3は、本発明の実施形態に係る積層型電子写真感光体を備えた画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、カラープリンタ1を例に挙げて説明する。
このカラープリンタ1は、図3に示すように、箱型の機器本体1aを有しており、この機器本体1a内には、用紙Pを給紙する給紙部2と、この給紙部2から給紙された用紙Pを搬送しながら当該用紙Pに画像データ等に基づくトナー像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3で用紙P上に転写された未定着トナー像を用紙Pに定着する定着処理を施す定着部4とが設けられている。さらに、機器本体1aの上面には、定着部4で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部5が設けられている。
給紙部2は、給紙カセット121、ピックアップローラ122、給紙ローラ123,124,125、及びレジストローラ126を備えている。給紙カセット121は、機器本体1aから挿脱可能に設けられ、各サイズの用紙Pを貯留し、ピックアップローラ122は、給紙カセット121の図3に示す左上方位置に設けられ、給紙カセット121に貯留されている用紙Pを1枚ずつ取り出す。給紙ローラ123,124,125は、ピックアップローラ122によって取り出された用紙Pを用紙搬送路に送り出す。レジストローラ126は、給紙ローラ123,124,125によって用紙搬送路に送り出された用紙Pを一時待機させた後、所定のタイミングで画像形成部3に供給する。
また、給紙部2は、機器本体1aの図3に示す左側面に取り付けられる不図示の手差しトレイとピックアップローラ127とをさらに備えている。このピックアップローラ127は、手差しトレイに載置された用紙Pを取り出す。ピックアップローラ127によって取り出された用紙Pは、給紙ローラ123,125によって用紙搬送路に送り出され、レジストローラ126によって、所定のタイミングで画像形成部3に供給される。
画像形成部3は、画像形成ユニット7と、この画像形成ユニット7によってその表面(接触面)にコンピュータ等から電送された画像データに基づくトナー像が1次転写される中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31上のトナー像を給紙カセット121から送り込まれた用紙Pに2次転写させるための2次転写ローラ32とを備えている。
画像形成ユニット7は、上流側(図3では右側)から下流側に向けて順次配設されたブラック用ユニット7Kと、イエロー用ユニット7Yと、シアン用ユニット7Cと、マゼンタ用ユニット7Mとを備えている。各ユニット7K,7Y,7C及び7Mは、それぞれの中央位置に像担持体であるドラム形状の積層型電子写真感光体37が矢符(時計回り)方向に回転可能に配置されている。そして、各積層型電子写真感光体37の周囲には、帯電部39、露光部38、現像部71、クリーニング部8及び除電部81が回転方向上流側から順に各々配置されている。
帯電部39は、矢符方向に回転されている積層型電子写真感光体37の周面を均一に帯電させる。帯電部39は、積層型電子写真感光体37の周面を均一に帯電させることができれば特に制限されず、非接触方式であっても接触方式であってもよい。非接触方式の具体例としてはコロナ帯電装置、接触方式の具体例としては帯電ローラ、帯電ブラシ等が挙げられる。
帯電部39が接触方式の帯電ローラを備える場合、帯電ローラは、積層型電子写真感光体37と接触したまま、積層型電子写真感光体37の周面(表面)を帯電させることができれば特に限定されない。帯電ローラとしては、例えば、積層型電子写真感光体37と接触したまま、積層型電子写真感光体37の回転に従属して回転するもの等が挙げられる。また、帯電ローラとしては、例えば、少なくとも表面部が樹脂で構成されたローラ等が挙げられる。より具体的には、例えば、回転可能に軸支された芯金と、芯金上に形成された樹脂層と、芯金に電圧を印加する電圧印加部とを備えたもの等が挙げられる。このような帯電ローラを備えた帯電部は、電圧印加部によって、芯金に電圧を印加することによって、樹脂層を介して接触する積層型電子写真感光体37の表面を帯電させることができる。
また、帯電ローラの樹脂層を構成する樹脂は、積層型電子写真感光体37の周面を良好に帯電させることができれば特に限定されない。樹脂層に用いる樹脂の具体例としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン変性樹脂等が挙げられる。また、樹脂層には、無機充填材を含有させていてもよい。
電圧印加部により帯電ローラに印加される電圧は直流電圧のみであることが好ましい。帯電ローラにより積層型電子写真感光体に印加する直流電圧は、600〜4000Vが好ましく、800〜3000Vがより好ましく、900〜2000Vが特に好ましい。交流電圧や直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を帯電ローラに印加する場合より、帯電ローラに直流電圧のみを印加する場合のほうが、好適な画像を形成することができる。
露光部38は、いわゆるレーザ走査ユニットであり、帯電部39によって均一に帯電された積層型電子写真感光体37の周面に、上位装置であるパーソナルコンピュータ(PC)から入力された画像データに基づくレーザ光を照射し、積層型電子写真感光体37上に画像データに基づく静電潜像を形成する。現像部71は、静電潜像が形成された積層型電子写真感光体37の周面にトナーを供給することで、画像データに基づくトナー像を形成させる。そして、このトナー像が中間転写ベルト31に1次転写される。クリーニング部8は、中間転写ベルト31へのトナー像の1次転写が終了した後、積層型電子写真感光体37の周面に残留しているトナーを清掃する。
除電部81は、1次転写が終了した後、積層型電子写真感光体37の周面を除電する。積層型電子写真感光体37の表面層である電荷輸送層又は表面層である第二電荷発生層に含まれている電荷発生剤は、除電部81より照射される光を吸収し、電荷輸送層内に電荷を発生させる。電荷輸送層内に発生した電荷は、積層型電子写真感光体37の表面に存在する電荷を消去する。このように積層型電子写真感光体37に存在する電荷が消去されることにより、露光メモリの発生が抑制される。その後、クリーニング部8によって清浄化処理された積層型電子写真感光体37の周面は、新たな帯電処理のために帯電部へ向かい、新たな帯電処理が行われる。
中間転写ベルト31は、無端状のベルト状回転体であって、表面(接触面)側が各電子写真感光体37の周面にそれぞれ当接するように駆動ローラ33、従動ローラ34、バックアップローラ35、及び1次転写ローラ36等の複数のローラに架け渡されている。また、中間転写ベルト31は、各積層型電子写真感光体37と対向配置された1次転写ローラ36によって積層型電子写真感光体37に押圧された状態で、複数のローラによって無端回転するように構成されている。駆動ローラ33は、ステッピングモータ等の駆動源によって回転駆動し、中間転写ベルト31を無端回転させるための駆動力を与える。従動ローラ34、バックアップローラ35、及び1次転写ローラ36は、回転自在に設けられ、駆動ローラ33による中間転写ベルト31の無端回転に伴って従動回転する。これらのローラ34,35,36は、駆動ローラ33の主動回転に応じて中間転写ベルト31を介して従動回転するとともに、中間転写ベルト31を支持する。
1次転写ローラ36は、1次転写バイアス(トナーの帯電極性とは逆極性)を中間転写ベルト31に印加する。そうすることによって、各積層型電子写真感光体37上に形成されたトナー像は、各積層型電子写真感光体37と1次転写ローラ36との間で、駆動ローラ33の駆動により矢符(反時計回り)方向に周回する中間転写ベルト31に重ねられて順次転写(1次転写)される。
2次転写ローラ32は、トナー像と逆極性の2次転写バイアスを用紙Pに印加する。そうすることによって、中間転写ベルト31上に1次転写されたトナー像は、2次転写ローラ32とバックアップローラ35との間で用紙Pに転写され、これによって、用紙Pにカラーの未定着トナー像が転写される。
定着部4は、画像形成部3で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される加熱ローラ41と、この加熱ローラ41に対向配置され、周面が加熱ローラ41の周面に押圧当接される加圧ローラ42とを備えている。
そして、画像形成部3で2次転写ローラ32により用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、排紙部5へ排紙されるようになっている。また、本実施形態のカラープリンタ1では、定着部4と排紙部5との間の適所に搬送ローラ6が配設されている。
排紙部5は、カラープリンタ1の機器本体1aの頂部が凹没されることによって形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ51が形成されている。
カラープリンタ1は、以上のような画像形成動作によって、用紙P上に画像形成を行う。そして、上記のようなタンデム方式の画像形成装置は、像担持体として、第一実施形態にかかる積層型電子写真感光体を備えているので、転写工程において露光メモリを十分に抑制して、良好な画像を提供することができる画像形成装置が得られる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例によりなんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(下引き層の形成)
アルミナとシリカとで表面処理した後、湿式分散によりメチルハイドロジェンポリシロキサンにより表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製、SMT−A(試作品)、数平均一次粒子径10nm)2.0質量部と、6,12,66,610四元共重合ポリアミド樹脂(東レ株式会社製、アミランCM8000)1.0質量部とを、メタノール10.0質量部、ブタノール1.0質量部、及びトルエン1.0質量部からなる溶媒を用いて、ビーズミルにより5.0時間分散処理して下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を開口5μmのフィルタにてろ過した後、直径30mm、全長246mmのアルミニウム製ドラムからなる導電性基体上にディップコート法により下引き層用塗布液を塗布した。下引き層用塗布液の塗布後、130℃で30分間処理し、導電性基体上に膜厚1.5μmの下引き層を形成した。
(電荷発生層の形成)
下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン(以下、「K型チタニルフタロシアニン」という。)1.5質量部と、ポリビニルブチラール樹脂(ベース樹脂、電気化学工業株式会社製、デンカブチラール#6000C)1.0質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル40質量部及びテトラヒドロフラン40質量部からなる分散媒とを混合し、ビーズミルにより2時間分散処理して電荷発生層形成用の塗布液を調製した。得られた電荷発生層形成用の塗布液を開口3.0μmのフィルタでろ過した後、下引き層上にディップコート法により電荷発生層用の塗布液を塗布した。上記塗布液の塗布後、50℃で5分間処理し、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。なお、上記K型チタニルフタロシアニンは、特開2007−161992号公報に開示された実施例1に従って製造した。
(K型チタニルフタロシアニンの光学特性及び熱的特性)
電荷発生層に含まれる電荷発生剤である上記K型チタニルフタロシアニンについて、(A)の条件である、Cu−Kα特性X線回折スペクトルのブラッグ角の測定を行った。Cu−Kα特性X線回折スペクトルのブラッグ角の測定は、K型チタニルフタロシアニン0.3gをテトラヒドロフラン5.0g中に分散させ、温度23±1℃、相対湿度50〜60RHの条件下、密閉系で7日間、保管した後、X線回折装置(理学電機株式会社製、商品名「RINT 1100」)のサンプルホルダーに充填して測定をした。なお、測定条件は、初期測定、再測定ともに表1に示す通りとした。
Figure 0005572543
また、電荷発生層に含まれる電荷発生剤である上記K型チタニルフタロシアニンについて、(B)の条件である、示差走査熱量分析(DSC)を行った。示差走査熱量分析(DSC)は、示差走査熱量計(理学電機株式会社製、商品名「TAS−200型、DSC8230D」)を用いて、行った。測定条件は、サンプルパンをアルミニウム製のサンプルパンとし、昇温速度を20°/分とした。以下、表2に上記で製造したK型チタニルフタロシアニンについて、光学特性(ブラッグ角測定評価結果)及び熱的特性(ピーク温度、その個数)を示した。
Figure 0005572543
(電荷輸送層の形成)
次いで、電荷輸送剤として、下記の化学式で表される正孔輸送剤(HTM−1)50.0質量部、更に電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニン0.001質量部、バインダ樹脂100質量部を、テトラヒドロフラン500質量部及びトルエン200質量部からなる溶媒に溶解して、電荷輸送層形成用の塗布液を調製した。得られた電荷輸送層形成用の塗布液を電荷発生層と同様の方法によって電荷発生層上に速やかに塗布した後、120℃で40分間熱処理し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。なお、上記X型無金属フタロシアニンは公知の製法によって作製したものを用いた。
一方、上記塗布液を作製後、1.0時間静置し、同様に電荷発生層上に電荷輸送層形成用の塗布液を塗布し、熱処理後、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〔実施例2〜7、及び参考例1〜4
電荷輸送層に含まれる電荷発生剤の含有量及び電荷輸送剤の含有量を表3に記載の含有量に変えた以外は、実施例1と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。なお、上記実施例、参考例、及び比較例において、電荷輸送層に含まれる正孔輸送剤として、下記化学式で表されるHTM−1を使用した。
〔正孔輸送剤〕
Figure 0005572543
〔実施例8〜13、参考例5、及び参考例6
電荷輸送層に含まれる電荷発生剤を上記K型チタニルフタロシアニンとし、その含有量を表3に記載の含有量に変えた以外は実施例1と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。
〔比較例1〜3〕
電荷輸送層に電荷発生剤を含めないものとし、電荷輸送剤の含有量を表3に記載の含有量に変えた以外は、実施例1と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。
〔比較例4〜11〕
電荷輸送層に含まれる電荷発生剤を上記表2に示す光学特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン(以下、「Y型チタニルフタロシアニン」という。)とし、その含有量を表3に記載の含有量に変えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。なお、上記Y型チタニルフタロシアニンは、特開平8−176456号公報に開示された実施例1に従って製造し、上記実施例1と同様に、光学特性及び熱的特性を測定した。Y型チタニルフタロシアニンの光学特性及び熱的特性の測定結果を表2に示した。
〔参考例7〜9
電荷輸送層に含まれる電荷発生剤をそれぞれY型チタニルフタロシアニン、X型無金属フタロシアニン、K型チタニルフタロシアニンとし、その含有量を表3に記載の含有量に変えた以外は、実施例1と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。
〔積層型電子写真感光体の表面層の吸光度の測定〕
実施例1〜13、比較例1〜11及び参考例1〜9で作製した積層型電子写真感光体の電荷輸送層の670nm及び780nm吸光度を測定した。なお、吸光度の測定は、アルミ基板上に上記積層型電子写真感光体の電荷輸送層の塗布膜を形成し、塗布膜をアルミ基板から除去し、分光光度計(HITACHI製分光光度計U−3000)で定法に従って行った。
〔露光メモリの評価〕
上記実施例、参考例、及び比較例で作製した積層型電子写真感光体を、帯電ローラを備えた市販のプリンタ(京セラミタ株式会社製FS−C5300DN)を負帯電現像プロセスに改造した装置に装着し、1.0時間連続通紙を行い、その直後に露光メモリの評価を実施した。
帯電方法は、直流電圧のみを印加したローラ帯電システムを採用した。積層型電子写真感光体の初期表面電位を420Vに設定した。この状態で、3cm四方の黒色ベタ画像を有するA4サイズのコピー用紙(黒ベタ画像以外は白色画像)を形成した次のドラム周囲部分に、均一にグレーとなる画像を評価装置より出力した。
露光メモリの評価は、画像形成後のコピー用紙の露光メモリを目視にて観察するとともに以下の階級によって評価をした。
「◎」露光メモリはまったく観察されない。
「○」若干の露光メモリが観察できるが、実際の使用上問題ない。
「△」うっすらとした露光メモリが確認されるが、はっきりとした画像メモリは確認されない。
「×」はっきりとした露光メモリが確認される。
〔電気特性測定方法〕
電気特性は、イメージドラムユニットを改造し現像部材を除去し、所定の治具にて、電位プローブ(表面電位測定器モンロー社製244型)を用いて表面電位及び感度を測定した。
以下、表3に実施例、参考例、及び比較例で作製した積層型電子写真感光体の表面層の吸光度及び露光メモリの評価結果を示す。
Figure 0005572543

実施例1〜13、及び参考例1〜6によれば、電荷発生層の電荷発生剤として、除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン、又は除電光波長に吸収を有し、所定の光学特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶を使用し、電荷輸送層に電荷発生剤を含有させ、その含有量を電荷輸送層のバインダ樹脂100質量部に対して、0.001〜1.0質量部含有させることにより、画像形成工程の転写工程において発生する露光メモリを良好に抑制できることが分かる。
また、実施例1〜13、及び参考例1〜6で得られた積層型電子写真感光体は、電荷発生層の電荷発生剤として、除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン、又は除電光波長に吸収を有し、所定の光学特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶を使用しているので、電荷輸送層形成用の塗布液を調製した直後に塗布した場合であっても、上記塗布液調製後1.0時間静置した後に塗布した場合であっても、画像形成工程の転写工程において発生する露光メモリを良好に抑制できることが分かる。この結果は、電荷輸送層に含まれる電荷発生剤として使用した除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン、又は除電光波長に吸収を有し、所定の光学特性及び熱的特性を有するチタニルフタロシアニン結晶が電荷輸送層形成用の塗布液中において結晶型の転移を起こさず、安定した結晶型を維持することを示すものである。
一方、比較例1〜3の積層型電子写真感光体は、電荷輸送層に電荷発生剤を含まないため、露光メモリが発生した。比較例4〜11の積層型電子写真感光体は、電荷輸送層形成用の塗布液を調製した後、1時間経過した後の塗布液を使用して感光層を形成した場合には、露光メモリを抑制できないものとなっている。この結果は、比較例4〜11の積層型電子写真感光体の電荷輸送層に含まれる電荷発生剤であるY型チタニルフタロシアニンが、電荷輸送層形成用の塗布液中の溶剤と接触することにより、β型チタニルフタロシアニンへの結晶転移を起こすことにより、画像特性及び電気的特性が低下することを示すものである。
参考例7〜9の積層型電子写真感光体は、電荷輸送層に含まれる所定の電荷発生剤の含有量が1.0質量部を超え、2.0質量部であるために、電荷発生層に十分な露光波長光が届かず、電気的特性における感度が大きく低下し、画像を印字することができなかったものであると理解される。
10 積層型電子写真感光体
10’下引き層を有する積層型電子写真感光体
11 導電性基体
12 第一電荷発生層
13 電荷輸送層(電荷発生剤含有)
14 下引き層
20 積層型電子写真感光体の変形例
20’下引き層を有する積層型電子写真感光体
21 電荷輸送層
22 第二電荷発生層

Claims (4)

  1. 導電性基体上に感光層が形成された積層型電子写真感光体であって、
    前記感光層は、
    記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤とベース樹脂とを含有する電荷発生層、
    電荷輸送剤と、除電光波長に吸収を有し、下記(A)及び(B)の条件を満たすチタニルフタロシアニン結晶、又は除電光波長に吸収を有するX型無金属フタロシアニン結晶を主成分とする電荷発生剤と、バインダ樹脂とを含有する電荷輸送層が順次積層された感光層であり、
    前記電荷輸送層に含有される前記電荷発生剤の含有量が、前記バインダ樹脂100質量部に対して、0.001〜0.1質量部であることを特徴とする積層型電子写真感光体。
    (A):Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有する
    (B):示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外に270〜400℃の範囲内に1つのピークを有する
  2. 前記電荷輸送層の吸光度は、前記除電光波長に対して、0.001〜0.85であることを特徴とする請求項1記載の積層型電子写真感光体。
  3. 前記電荷輸送層は、前記ベース樹脂を含んでいないことを特徴とする請求項1又は2記載の積層型電子写真感光体。
  4. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電させるための帯電部と、
    前記像担持体の表面を露光して静電潜像を形成するための露光部と、
    前記静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、
    前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、
    前記像担持体の表面を除電するための除電部と、を有し、前記像担持体が請求項1〜いずれか1項に記載の積層型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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