JP2001133996A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2001133996A JP31484199A JP31484199A JP2001133996A JP 2001133996 A JP2001133996 A JP 2001133996A JP 31484199 A JP31484199 A JP 31484199A JP 31484199 A JP31484199 A JP 31484199A JP 2001133996 A JP2001133996 A JP 2001133996A
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光幸 三森
Chiyoko Sato
ちよ子 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に残留電位の少ない高感度有機電子写真感
光体を得る。 【解決手段】 下記一般式[I]で表されるアリールア
ミン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体。 【化1】 (式中、Ar1 、Ar4 はアリーレン基等、Ar2 、A
3 、Ar5 、Ar6 はアルキル基、アリール基または
複素環基等、X1 、X2 は置換ブタジエン基等、Yはエ
ーテル基等)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関するものである。さらに詳しくは有機系の光導電性物
質を含有する感光層を有する非常に高感度でかつ高性能
の電子写真用感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体として電荷キャリ
ヤーの発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる、
いわゆる機能分離型の感光体が開発の主流となってお
り、このタイプによる有機系感光体の実用化も行なわれ
ている。電荷キャリヤー輸送媒体としては、ポリビニル
カルバゾールなどの高分子電荷輸送性化合物を用いる場
合と低分子電荷輸送性化合物をバインダーポリマー中に
分散溶解する場合とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特に、有機系の低分子
電荷輸送性化合物は、バインダーとして皮膜性、可とう
性、接着性などのすぐれたポリマーを選択することがで
きるので容易に機械的特性の優れた感光体を得ることが
できる(例えば、特開昭60−196767号公報、特
開昭60−218652号公報、特開昭60−2331
56号公報、特開昭63−48552号公報、特開平1
−267552号公報、特公平3−39306号公報、
特開平3−113459号公報、特開平3−12335
8号公報、特開平3−149560号公報、特開平6−
273950号公報、特開昭62−36674号公報、
特開平7−036203号公報、特開平6−1185
4、特開昭63−48553号公報、等参照)。しかし
ながら、更に高感度な感光体を作るのに適した化合物が
望まれていた。
【0004】更に、絶え間ない高感度化の要請の中で、
電気特性的には残留電位が不十分、光応答性が悪い、繰
り返し使用した場合帯電性が低下し、残留電位が蓄積す
る等種々の問題を抱えており、こうした問題に対し、例
えば特定の2種類のヒドラゾン化合物を併用し、感光体
の他の特性をあまり損わずに残留電位上昇を防止する技
術(特開昭61−134767号公報)等が報告されて
いる。しかしながら、特性のバランスの点では必ずしも
十分ではなく、感光体全体としての特性をバランスよく
向上させる技術が求められていた。
【0005】一方、光源として半導体レーザーがプリン
ター分野において積極的に応用されてきており、この場
合該光源の波長は800nm前後である事から800n
m前後の長波長光に対しても高感度な特性を有する感光
体の開発が強く望まれている。この目的に合致する材料
として特開昭59−49544号公報、特開昭59−2
14034号公報、特開昭61−109056号公報、
特開昭61−171771号公報、特開昭61−217
050号公報、特開昭61−239248号公報、特開
昭62−67094号公報、特開昭62−134651
号公報、特開昭62−275272号公報、特開昭63
−198067号公報、特開昭63−198068号公
報、特開昭63−210942号公報、特開昭63−2
18768、特開平6−273950、特開平8−36
268、特開平9−244278号公報等に記載された
材料が挙げられ、それぞれ電荷発生剤として好適な結晶
型を有するオキシチタニウムフタロシアニン類が種々知
られている。そこで、このような電荷発生剤と相性のよ
い電荷輸送剤が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題点
を解決するためになされたものであり、その目的は、高
感度および高耐久性で残留電位が充分低い電子写真用感
光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を満足しえる有機系の低分子電荷輸送性化合物について
鋭意研究したところ、ブタジエン骨格を分子内に有し、
かつエーテル基等で架橋して二量化した特定のアリール
アミン系化合物が好適であることを見い出し、本発明に
いたった。即ち、本発明の要旨は、導電性支持体上に、
下記一般式[I]
【0008】
【化4】
【0009】ここで、一般式[I]中、Ar1,Ar3,Ar4
びAr6 は、置換基を有しても良いアリーレン基、縮合多
環基もしくは複素環基を表し、Ar2 及びAr5 は、置換基
を有しても良いアルキル基、アリール基、縮合多環基も
しくは複素環基を表し、Ar1ないしAr3 又は、Ar4 ない
しAr6 は、お互いに結合して炭素環、複素環基を形成し
てもよい。また、一般式[I]中、X1 は下記一般式
[II]を表し、X2 は、下記一般式[III ]を表す。
【0010】
【化5】
【0011】(一般式[II]および[III ]中、sは1
ないし4の整数を表し;tは0ないし4の整数を表し、
1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R
9 およびR10はそれぞれ、水素原子、置換基を有してい
てもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリー
ル基、または、置換基を有していてもよい複素環基を表
し、これらは互いに同一でも異なっていてもよく、s=
2ないし4の場合、それぞれのR1 とR 2 は同一でも異
なっていてもよく、t=2ないし4の場合、それぞれの
6 とR 7 は同一でも異なっていてもよい。また、一般
式[I]中、Yは、下記一般式[IV]または一般式
[V]を表し
【0012】
【化6】−O−A1 −O− [IV] −A2 −O−A3 − [V]
【0013】(一般式[IV]および一般式[V]中、A
1 、A2 およびA3 は、それぞれ、置換基を有していて
もよいアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン
基、または置換基を有していてもよいアルキレン基と置
換基を有していてもよいアリーレン基が結合した基を表
し、A2 とA3 は互いに同一でも異なっていてもよ
い。)
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体は,感光層中に前記一般式
[I]で表わされるアリールアミン系化合物を少なくと
も一種類含有する。前記一般式[I]中、Ar1,Ar3,Ar4
及びAr6 はフェニレン基、ナフチレン基、等のアリーレ
ン基;ピリジレン基、チエニレン基等の複素環基;テト
ラヒドロナフチレン基等の縮合多環基を表し、Ar2及びA
r5 は、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアル
キル基、フェニル基,ナフチル基,ピレニル基等のアリ
ール基;ピリジル基、チエニル基等の複素環基;テトラ
ヒドロナフチル基等の縮合多環基を表わし、Ar1 ないし
Ar3 又は、Ar4 ないしAr6 は、お互いに、結合して炭素
環,複素環基を形成してもよい。
【0015】Ar1 ないしAr5 で表わされるアルキル基、
アリール基もしくはアリーレン基、複素環基、縮合多環
基は置換基を有していてもよく、その置換基としては、
水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、
などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル基等のアルキ
ル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等の
アルコキシ基;アリル基、ベンジル基、ナフチルメチル
基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、ト
リロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、
フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニ
ル基、ナフチル基等のアリール基;スチリル基,ナフチ
ルビニル基等のアリールビニル基;アセチル基、ベンゾ
イル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジ
ナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジル
アミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミ
ノ基;ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ
複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、又、上記のアミノ
基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等の置換アミ
ノ基等があげられ電気特性の点から、好ましくはメチル
基、フェニル基である。また、これらの置換基はお互い
に縮合して、単結合、メチレン基、エチレン基、カルボ
ニル基、ビニリデン基、エチレニレン基等を介した炭素
環基あるいは酸素原子、硫黄原子、窒素原子等を含む、
複素環基を形成してもよい。また、電気特性、合成の点
から、Ar1,Ar3,Ar4 及びAr6 は置換基を有しても良いフ
ェニレン基であることが好ましく、Ar2 及びAr5 は置換
基を有しても良いフェニル基であることが好ましい。
【0016】また、一般式[I]中、X1 は下記一般式
[II]を表し、X2 は、下記一般式[III ]を表す。
【0017】
【化7】
【0018】前記一般式[II]及び[III ]中、sは1
ないし4の整数を表し、tは0ないし4の整数を表す。
このうち、合成の容易さから、s、tは1が好ましい。
ここで、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 およびR10は、それぞれ、水素原子;メチル
基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基;フェニ
ル基、ナフチル基、ピレニル基等のアリール基;又は、
ピリジル基、チエニル基等の複素環基;を表し、好まし
くは、水素原子、メチル基、アリール基である。また、
4 及びR5 なる組、R9 及びR10なる組は、好ましく
は少なくとも一方は水素原子でない。また、s=2ない
し4の場合、それぞれのR1 とR2 は同一でも異なって
いてもよく、t=2ないし4の場合、それぞれのR6
7 は同一でも異なっていてもよい。すなわち、例えば
s=2の場合、
【0019】
【化8】
【0020】のR1 とR′1 、R2 とR′2 は異なって
いてもよい。また、R1 〜R10はさらに置換基を有して
いてもよく、置換基としては、Ar 1 〜Ar6 のアルキ
ル基等への置換基と同様なものが挙げられる。一般式
[I]中、Yは、下記一般式[IV]または一般式[V]
を表す。
【0021】
【化9】−O−A1 −O− [IV] −A2 −O−A3 − [V]
【0022】一般式[IV]および一般式[V]中、
1 、A2 およびA3 は、それぞれ、メチレン基、エチ
レン基、シクロヘキシリデン基等のアルキレン基;フェ
ニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基;又はアルキ
レン基とアリーレン基が結合した基を表し、好ましく
は、メチレン基、フェニレン基、キシレニレン基であ
る。これらは、さらに置換基を有しても良く、A2 とA
3 は互いに同一でも異なっていてもよい。A1 〜A3
の置換基としては上記のAr1 〜Ar6 のアルキル基等
への置換基と同様である。一般式[I]で表わされるア
リールアミン化合物は左右対称でも非対称でもよいが、
対称の方が合成しやすい。以下に,一般式[I]で表わ
される、アリールアミン系化合物についてその代表例を
挙げるが、これら代表例は例示の為にしめされるのであ
って本発明に用いるアリールアミン系化合物はこれら代
表例に限定されるものではない。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】
【表11】
【0034】
【表12】
【0035】
【表13】
【0036】
【表14】
【0037】
【表15】
【0038】
【表16】
【0039】
【表17】
【0040】
【表18】
【0041】前記一般式[I]で表わされるアリールア
ミン系化合物は、公知の方法を用いて、製造できる。例
えば、公知のアリールアミン系化合物を原料として用い
て、公知のカルボニル導入反応を行い、Wittig反
応を行うことにより,目的の化合物を得る方法である。
この方法を詳しく説明するとまず、下記のようにしてア
ルデヒド体又はケトン体を合成する。
【0042】
【化10】
【0043】1)R1 、R6 が水素原子の場合 (以下Ar1 〜Ar6 、R1 〜R10、X1 、X2 、s、t
は、一般式[I]におけるものと同一の意義を有す
る。) 一般式[2]で表わされるアリールアミン系化合物をオ
キシ塩化リンの存在下に、N,Nージメチルホルムアミ
ド、N,Nーメチルホルムアニリド等のホルミル化剤と
反応させると一般式[3]で示されるアルデヒド体が得
られる。ホルミル化剤を大過剰に用いて、反応溶媒を兼
ねることもできるが、O−ジクロロベンゼン、ベンゼン
等の反応に不活性な溶媒を用いることもできる。
【0044】2)R1 、R6 が水素原子ではない場合 一般式[2]で表わされるアリールアミン系化合物を塩
化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛等のルイス酸存在
下、ニトロベンゼン、ジクロルメタン、四塩化炭素等の
溶媒中、一般式Cl−CO−R1 又はCl−CO−R6
で表わされる酸塩化物と反応させることにより一般式
[3]で表わされるケトン体が得られる。s、t=1の
場合、次いで得られた,一般式[3]で表わされるアル
デヒド体又はケトン体と、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン等の反応に不活性
な公知の有機溶媒中、一般式[4]、一般式[5]
【0045】
【化11】 CHQR2 ―CR3 =CR4 5 [4] CHQR7 ―CR8 =CR9 10 [5]
【0046】(式中Qはハロゲン原子を表わす。)で表
わされるハロゲン化合物とトリフェニルホスフィンとを
作用させるかまたは、上記ハロゲン化合物とトリアルコ
キシリン化合物(R11O)3 P(R11はメチル基、メチ
ル基等のアルキル基をあらわす。)とを作用させて得ら
れるウィテッヒ試薬とを、10〜200℃好ましくは、
20〜100℃の温度で、ブチルリチウム、フェニルリ
チウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムt−ブトキシド等の公知な塩基性触媒の存
在下反応させることにより一般式[I]で表わされる化
合物が得られる。
【0047】この時,シス体,トランス体およびシス体
とトランス体の混合物のいずれかが得られる。(以上の
式において、一般式[I]はシス体、トランス体および
シス体とトランス体の混合物のいずれかを表わす。) これらの反応において場合によっては、各行程終了後、
あるいは、全行程終了後、再結晶精製、再沈精製、昇華
精製、カラム精製等の公知な精製手段により、高純度体
を得ることも可能である。
【0048】本発明の電子写真感光体は、感光層中に上
記一般式[I]で表わされる、アリールアミン系化合物
を1種、または、2種以上含有する。一般式[I]で表
わされるアリールアミン系化合物を電荷輸送媒体として
用いた場合には高感度で耐久性に優れた感光体を与え
る。電子写真感光体の感光層の形態としては、種々のも
のが知られているが、本発明の電子写真感光体の感光層
としてはそのいずれであっても良い。感光層(光伝導
層)は、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層したも
の、あるいは、逆に積層したものである積層型、さらに
は電荷輸送媒体中に電荷発生材料(電荷発生物質)の粒
子を分散したいわゆる分散型など、いずれの構成も用い
ることができる。
【0049】たとえばバインダー中にアリールアミン系
化合物と必要に応じ、増感剤となる色素や、電子吸引性
化合物を添加した感光層、光を吸収すると極めて高い効
率で電荷キャリヤーを発生する電荷発生材料(光伝導性
粒子)と、アリールアミン系化合物をバインダー中に添
加した感光層、アリールアミン系化合物とバインダーか
らなる電荷発生層と光を吸収すると極めて高い効率で電
荷キャリヤーを発生する電荷発生材料からなるあるいは
これとバインダーからなる電荷発生層を積層した感光層
等があげられる。
【0050】これらの感光層には、一般式[I]で表わ
されるアリールアミン化合物とともに電荷輸送剤として
優れた性能を有する公知の他のアリールアミン化合物、
ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物を混合してもよ
い。本発明においては、上記一般式[I]で表わされ
る、アリールアミン系化合物を電荷発生層と電荷輸送層
(電荷移動層)の2層からなる感光層の電荷輸送層中に
用いる場合に、特に感度が高く、残留電位が小さく、か
つ、繰り返し使用した場合に、表面電位の変動や感度の
低下、残留電位の蓄積等が少なく、耐久性に優れた感光
体を得ることができる。
【0051】具体的には通常、電荷発生材料を直接蒸着
あるいはバインダーとの分散液として塗布して電荷発生
層を作成し、その上に、前記アリールアミン化合物を含
む有機溶剤溶液をキャストするか、あるいは前記アリー
ルアミン系化合物をバインダー等とともに溶解し、その
分散液を塗布することにより、前記一般式[I]で表わ
される、アリールアミン系化合物を含む電荷輸送材料を
含有する電荷輸送層を作成してなる積層型感光体である
が、電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆の構成でも
良い。
【0052】また電荷発生材料と電荷輸送材料とが、バ
インダー中に分散、溶解した状態で伝導性支持体上に塗
布した一層型感光体であってもよい。電荷発生材料とし
ては、セレン、セレンーテルル合金、セレンーヒ素合
金、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光
伝導性粒子;無金属フタロシアニン、金属含有フタロシ
アニン、ペリノン系顔料、チオインジゴ、キナクリド
ン、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔
料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキス系
アゾ顔料、シアニン系顔料等の有機光伝導性粒子、ある
いは、多環キノン、ピリリウム塩、チオピリリウム塩、
インジゴ、アントアントロン、ピラントロン等の各種有
機顔料、染料が挙げられる。中でも無金属フタロシアニ
ン、銅、塩化インジウム、塩化ガリウム、錫、オキシチ
タニウム、亜鉛、バナジウム等の金属又は、その酸化
物、塩化物の配位したフタロシアニン類、モノアゾ、ビ
スアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類等のアゾ顔料が好まし
い。
【0053】これらのうち、特に、金属含有及び無金属
フタロシアニンと前記一般式[I]で示されるアリール
アミン誘導体とを組合せるとレーザー光に対する感度が
向上した感光体が得られ、CuKα線によるX線回折図
のブラック角2θ(±0.2°)27.3°に回折ピー
クを示すオキシチタニウムフタロシアニン、2θ(±
0.2°)9.3°、13.2°、26.2°、および
27.1°に回折ピークを示すオキシチタニウムフタロ
シアニン、2θ(±0.2°)9.2°、14.1°、
15.3°、19.7°、27.1°に回折ピークを有
するジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物2θ
(±0.2°)8.5°、12.2°、13.8°、1
6.9°、22.4°、28.4°および30.1°に
回折ピークを示すジクロロスズフタロシアニンが特に好
ましい。
【0054】この様にして得られる電子写真用感光体は
高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、繰返し
による変動が小さく、特に、画像濃度に影響する帯電安
定性が良好であることから、高耐久性感光体として用い
ることができる。また、750〜850nmの領域の感
度が高いことから、特に半導体レーザープリンター用感
光体に適している。前記のフタロシアニン粒子はバイン
ダーポリマーおよび必要に応じ他の有機光導電性化合
物、色素、電子吸引性化合物等と共に溶剤に溶解あるい
は分散し、こうして得られる塗布液を塗布乾燥して電荷
発生層を得る。
【0055】上記の場合により添加される染料色素とし
ては、例えばメチルバイオレット、ブリリアントグリー
ン、クリスタルバイオレット等のトリフェニルメタン染
料、メチレンブルーなどのチアジン染料、キニザリン等
のキノン染料及びシアニン染料やビリリウム塩、チアビ
リリウム塩、ベンゾビリリウム塩等が挙げられる。ま
た、アリールアミン系化合物と電荷移動錯体を形成する
電子吸引性化合物としては、例えばクロラニル、2,3
−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアント
ラキノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2
−クロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキ
ノン類;4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド
類;9−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、
3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,4,7−トリニ
トロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフル
オレノン、3,3′,5,5′−テトラニトロベンゾフ
ェノン等のケトン類;無水フタル酸、4−クロロナフタ
ル酸無水物等の酸無水物;テトラシアノエチレン、テレ
フタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマ
ロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、4
−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニト
リル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリド、3−
(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−
(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4、5、6、7
−テトラクロロフタリド等のフタリド類等の電子吸引性
化合物が挙げられる。
【0056】積層型感光層における電荷発生層はこれら
の物質の微粒子を、例えばポリエステル樹脂、ポリビニ
ルアセテート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、
ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエ
ーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形の分散層
で使用してもよい。更に、バインダー樹脂としては、ス
チレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチル
ビニルエーテル等のビニル化合物の重合体および共重合
体、ポリアミド、けい素樹脂等が挙げられる。この場合
の電荷発生材料(電荷発生物質)の使用比率はバインダ
ー樹脂100重量部に対して通常20から2000重量
部、好ましくは30から500重量部、より好ましくは
33から500重量部の範囲より使用され、電荷発生層
の膜厚は通常0.05〜5μm、好ましくは0.1μm
〜2μm、より好ましくは0.15μm〜0.8μmが
好適である。また電荷発生層は必要に応じて塗布性を改
善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各
種添加剤を含んでいてもよい。更にまた電荷発生層は上
記電荷発生材料の蒸着膜であってもよい。
【0057】分散型感光層の場合の電荷発生材料の粒子
径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以
下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光
層内に分散される電荷発生材料の量は例えば0.5〜5
0重量%の範囲であるが少なすぎると充分な感度が得ら
れず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害
があり、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用さ
れる。分散型感光層の膜厚は通常5〜50μm、より好
ましくは10〜45μmで使用される。またこの場合に
も成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公
知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤分散安定
性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレ
ベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイル、フ
ッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても良い。
【0058】更に、本発明の電子写真用感光体の感光層
は成膜性、可撓性、機械的強度を向上させるために周知
の可塑剤を含有していてもよい。そのために上記塗布液
中に添加する可塑剤としては、フタル酸エステル、りん
酸エステル、エポキシ化合物、塩素化パラフィン、塩素
化脂肪酸エステル、メチルナフタレンなどの芳香族化合
物などが挙げられる。アリールアミン系化合物を電荷輸
送層中の電荷輸送材料として用いる場合の塗布液は、前
記組成のものでもよいが、光導電性粒子、染料色素、電
子吸引性化合物等は除くか、少量の添加でよい。この場
合の電荷発生層としては上記光導電性粒子と必要に応じ
バインダーポリマーや他の有機光導電性物質、染料色
素、電子吸引性化合物等の溶媒に溶解乃至分散させて得
られる塗布液を塗布乾燥した薄層、あるいは前記光導電
性粒子を蒸着等の手段により製膜とした層が挙げられ
る。
【0059】このようにして形成される感光体にはま
た、必要に応じ、バリアー層、接着層、ブロッキング層
等の中間層、透明絶縁層、あるいは保護層など、電気特
性、機械特性の改良のための層を有していてもよいこと
はいうまでもない。導電性支持体としては周知の電子写
真感光体に採用されているものがいずれも使用できる。
具体的には例えばアルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニ
ッケル等の金属材料からなるドラム、シート;これらの
金属箔のラミネート物、蒸着物;ポリエステルフィル
ム、紙等の絶縁性支持体表面にアルミニウム、銅、パラ
ジウム、酸化すず、酸化インジウム等の導電性層を設け
たものが挙げられる。他に、金属粉末、カーボンブラッ
ク、ヨウ化銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバ
インダーとともに塗布して導電処理したプラスチックフ
ィルム、プラスチックドラム、紙、紙管等が挙げられ
る。なかでもアルミニウム等の金属のエンドレスパイプ
が好ましい支持体である。
【0060】バリアー層、中間層としては、例えばアル
ミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロー
ス類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミ
ド、ポリアミド、等の有機層が使用される。本発明の電
子写真用感光体は常法に従って上記一般式[I]で表わ
されるアリールアミン誘導体をバインダーと共に適当な
溶剤中に溶解し、必要に応じ、適当な電荷発生材料、増
感染料、電子吸引性化合物、他の電荷輸送材料、あるい
は、可塑剤、顔料等との周知の添加剤を添加して得られ
る塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、通常、数μ
m〜数10μm、好ましくは10〜45μm、特に好ま
しくは20μm以上の膜厚の感光層を形成させることに
より製造することができる。電荷発生層と電荷輸送層の
二層からなる感光層の場合は、電荷発生層の上に上記塗
布液を塗布するか、上記塗布液を塗布して得られる電荷
輸送層の上に電荷発生層を形成させることにより、製造
することができる。
【0061】塗布液調製用の溶剤としてはテトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;酢酸
エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等の
エステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化
炭化水素などのアリールアミン系化合物を溶解させる溶
剤が挙げられる。勿論これらの中からバインダーを溶解
するものを選択する必要がある。
【0062】積層型感光層の場合の電荷輸送層に使用さ
れるバインダー樹脂、あるいは分散型感光層の場合のマ
トリックスとして使用されるバインダー樹脂としては、
電荷輸送材料との相溶性が良く、塗膜形成後に電荷輸送
材料が結晶化したり、相分離することのないポリマーが
好ましく、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ブタ
ジエン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビ
ニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、
ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース
エステル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、けい
素樹脂、エポキシ樹脂等の各種ポリマーが挙げられ、ま
たこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。バインダー
の使用量は通常アリールアミン系化合物に対し、0.5
〜30重量倍、好ましくは0.7〜10重量倍の範囲で
ある。
【0063】積層型感光層の場合の電荷輸送層には、必
要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤並びに他
の電荷輸送材料を含んでいてもよい。最表面層として従
来公知の例えば熱可塑性或いは熱硬化性ポリマーを主体
とするオーバーコート層を設けても良い。通常は、電荷
発生層の上に電荷移動層を形成するが、逆も可能であ
る。各層の成形方法としては、層に含有させる物質を溶
剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を順次塗布する
などの公知の方法が適用できる。電荷輸送層にはこの他
に、塗膜の機械的強度や、耐久性向上のための種々の添
加剤を用いることができる。
【0064】この様な添加剤としては、周知の可塑剤
や、種々の安定剤、流動性付与剤、架橋剤等が挙げられ
る。感光層の塗布方法としては、スプレー塗布法、スパ
イラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等がある。ス
プレー塗布法としては、エアスプレー、エアレススプレ
ー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧
化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレスス
プレー等があるが、均一な膜厚を得るための微粒化度、
付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレーにおい
て、再公表平1−805198号公報に開示されている
搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させながらその
軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送することに
より、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた電
子写真感光体を得ることができる。
【0065】スパイラル塗布法としては、特開昭52−
119651号公報に開示されている注液塗布機または
カーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966
号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連
続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報
に開示されているマルチノズル体を用いた方法等があ
る。
【0066】以下、浸漬塗布法について説明する。前述
した一般式[I]で示されるアリールアミン誘導体、バ
インダー、溶剤等を用いて好適な全固形分濃度が25%
以上であってより好ましくは40%以下の、かつ粘度が
通常50センチポアーズ〜300センチポアーズ以下、
好ましくは100センチポアーズ〜200センチポアー
ズ以下の電荷輸送層形成用の塗布液を調整する。ここで
実質的に塗布液の粘度はバインダーポリマーの種類及び
その分子量により決まるが、あまり分子量が低い場合に
はポリマー自身の機械的強度が低下するためこれを損わ
ない程度の分子量を持つバインダーポリマーを使用する
ことが好ましい。この様にして調整された塗布液を用い
て浸漬塗布法により電荷輸送層が形成される。
【0067】その後塗膜を乾燥させ、必要且つ充分な乾
燥が行われる様に乾燥温度時間を調整すると良い。乾燥
温度は通常100〜250℃好ましくは、110〜17
0℃さらに好ましくは、120〜140℃の範囲であ
る。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外
線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
【0068】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の製
造例、実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中「部」とあるは「重量部」を示す。 (製造例1)
【0069】
【化12】
【0070】上記式で表される化合物100.0gを
N,N−ジメチルホルムアミド400mlに懸濁させ5
0℃まで昇温し、オキシ塩化リン81.5gを少しずつ
60℃以下で滴下した。60〜67℃にて3時間攪拌し
た後、室温まで放冷し反応液を水酸化ナトリウム水溶液
(水酸化ナトリウム31.4g、水1.3l、氷0.6
5kg)中に放出した。さらに水酸化ナトリウム水溶液
(水酸化ナトリウム92g、水0.4l)を添加した
後、減圧ろ過した。濾取した固体を水にて3回、さらに
メタノール、メタノール−水にて懸洗をおこなった。こ
れをDMFに溶解し、攪拌下、メタノール−水に滴下し
た。析出した黄色固体を濾取して下記構造式で表される
ビスホルミル化合物101.3g(収率92%)を得
た。
【0071】
【化13】
【0072】得られたビスホルミル化合物20.0gを
THF200mlに溶解し、シンナミルトリフェニルホ
スホニウムブロミド35.3gを添加した。ここにナト
リウムメトキシド(28%メタノール溶液)16.4g
を40℃以下で滴下した。3.5時間、室温にて攪拌
後、メタノール−水(800ml−100ml)中に放
出した。析出した固体を濾取し、常法により精製処理を
行って、黄色固体13.1g(収率49%)を得た。こ
の化合物は下記質量分析測定結果より、前記化合物N
o.1 の構造式で表されるアリールアミン系化合物で
あることが判明した。(質量分析測定結果)C5746
2 2 として Mw=790 M+=790
【0073】(製造例2)
【0074】
【化14】
【0075】上記式で表される化合物56.3gをN、
N−ジメチルホルムアミド400mlに懸濁させ50℃
まで昇温し、オキシ塩化リン40gを少しずつ60℃以
下で滴下した。60〜67℃にて3時間攪拌した後、室
温まで放冷し反応液を氷冷下、水酸化ナトリウム水溶液
中に放出した。さらに水酸化ナトリウム水溶液を添加し
た後、減圧ろ過した。濾取した固体を水にて3回、さら
にメタノール、メタノール−水にて懸洗をおこなった。
これをDMFに溶解し、攪拌下、メタノール−水に滴下
した。析出した黄色固体を濾取して下記構造式で表され
るビスホルミル化合物61.9g(収率100%)を得
た。
【0076】
【化15】
【0077】得られたビスホルミル化合物20.0gを
THF200mlに溶解し、シンナミルトリフェニルホ
スホニウムブロミド36.0gを添加した。ここにナト
リウムメトキシド(28%メタノール溶液)17.0g
を40℃以下で滴下した。3.5時間、室温にて攪拌
後、メタノール−水(800ml−100ml)中に放
出した。析出した固体を濾取し、常法により精製処理を
行って、黄色固体15gを得た。この化合物は下記質量
分析測定結果より、前記化合物No.14 の構造式で
表されるアリールアミン系化合物であることが判明し
た。(質量分析測定結果)C59502 2 として Mw=818 M+=818
【0078】(実施例1)CuKα線よるX線回折図に
おいて、ブラック角2θ(±0.2°)9.3°、1
0.6°、13.2°、15.1°、15.7°、1
6.1°、20.8°、23.3°、26.2°、2
7.1°に強い回折ピークを示すチタニウムオキシフタ
ロシアニン顔料1.0部をジメトキシエタン14部に加
え、サンドグラインダーで分散処理をした後、ジメトキ
シエタン14部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペン
タノン(三菱化学(株)社製)14部を加え希釈し、さ
らに、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)社
製、商品名デンカブチラール#6000−C)0.5部
と、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド(株)社製、
商品名UCAR(商標登録)PKHH)0.5部をジメ
トキシエタン6部、4−メトキシ−4−メチル−2ペン
タノン 6部の混合溶媒に溶解した液と混合し、分散液
を得た。この分散液を75μmに膜厚のポリエステルフ
ィルムに蒸着されたアミノ蒸着層の上に乾燥後の重量が
0.4g/m2 になる様にワイヤーバーで塗布した後、
乾燥して電荷発生層を形成させた。この上に製造例1で
合成した、前記表1の化合物No.1 70部と下記に
示すポリカーボネート樹脂
【0079】
【化16】
【0080】100部をテトラヒドロフラン900部と
の混合溶媒に溶解した塗布液を塗布、乾燥し、膜厚20
μmの電荷輸送層を形成させた。このようにして得た2
層からなる感光層を有する電子写真感光体によって感度
すなわち半減露光量を測定したところ0.37 μJ/
cm2 であった。半減露光量はまず、感光体を暗所で5
0μAのコロナ電流により負帯電させ、次いで20ルッ
クスの白色光を干渉フィルターに通して得られた780
nmの光(露光エネルギー10μW/cm2 )で露光
し、表面電位が−550Vから−275Vまで減衰する
のに要する露光量を測定することにより求めた。さらに
露光時間を9.9秒とした時の表面電位を残留電位とし
て測定したところ、−18Vであった。この操作を20
00回繰り返したが、残留電位の上昇は、ほとんどみら
れなかった。
【0081】(実施例2)実施例1で用いたアリールア
ミン系化合物の代わりに、製造例2で合成した前記表1
の化合物No.14、70部を用いる以外は実施例1と
同様にして電子写真感光体を得た。次いで実施例1と同
様にして感度、残留電位を測定したところ、それぞれ、
0.45μJ/cm2 、−3Vであった。
【0082】(比較例1)実施例1で用いたアリールア
ミン系化合物の代わりに、下記に示す比較化合物1を用
いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得
た。 比較化合物1
【0083】
【化17】
【0084】次いで実施例1と同様にして感度、残留電
位を測定した。この結果を実施例1の感光体についての
測定結果と共に第16表に示す。(比較例2) 実施例1で用いたアリールアミン系化合物の代わりに、
下記に示す比較化合物2を用いる以外は実施例1と同様
にして電子写真感光体を得た。 比較化合物2
【0085】
【化18】
【0086】次いで実施例1と同様にして感度、残留電
位を測定した。この結果を実施例1の感光体についての
測定結果と共に第16表に示す。
【0087】(比較例3)実施例1で用いたアリールア
ミン系化合物の代わりに、下記に示す比較化合物3を用
いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得よ
うとしたが、ポリマー液に溶解したところ、若干溶け残
りが生じた。そこで、50℃程度の熱をかけたところ、
溶解したが、冷却したところ、固体が再び析出し、塗布
溶液安定性に問題があることがわかった。 比較化合物3
【0088】
【化19】
【0089】(比較例4)実施例1で用いたアリールア
ミン系化合物の代わりに、下記に示す比較化合物4を用
いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得
た。 比較化合物4
【0090】
【化20】
【0091】次いで実施例1と同様にして感度、残留電
位を測定した。この結果を実施例1の感光体についての
測定結果と共に第16表に示す。
【0092】(比較例5)実施例1で用いたアリールア
ミン系化合物の代わりに、下記に示す比較化合物5を用
いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得
た。 比較化合物5
【0093】
【化21】
【0094】次いで実施例1と同様にして感度、残留電
位を測定した。この結果を実施例1の感光体についての
測定結果と共に第16表に示す。 (比較例6)実施例1で用いたアリールアミン系化合物
の代わりに、下記に示す比較化合物3を用いる以外は実
施例1と同様にして電子写真感光体を得ようとしたが、
ポリマー液に完全に溶解せず、電気特性が測れなかっ
た。 比較化合物6
【0095】
【化22】
【0096】
【表19】
【0097】第1表より、明らかに実施例1、2の化合
物は比較例1、2の化合物に比べ、特に残留電位にすぐ
れている。又、感度においても、優れていることがわか
る。又、比較化合物3、6の化合物に比べ、本件発明の
化合物は、塗布溶液の溶解性、ポリカとの相溶性に優れ
ており、本発明の化合物による塗布液は安定性の高いこ
とが分かる。
【0098】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、かぶりの
原因となる残留電位が小さく、とくに光疲労が少ないた
めに繰返し使用による残留電位の蓄積や、表面電位およ
び感度の変動が小さく耐久性に優れるという特徴を有す
る。又、現代の高速化の要求に見合った、高感度、高移
動度においても、特に優れている。又、本発明に用いる
化合物を利用すると、塗布溶液に対する溶解性、バイン
ダーとの相溶性に優れ、安定して感光体を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で得られたアリールアミン誘導体の赤
外吸収スペクトル図。
【図2】製造例2で得られたアリールアミン誘導体の赤
外吸収スペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臨 護 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2H068 AA20 BA12 BA13 BA14 BA16 FA01 FA13 FA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、下記一般式[I]で
    表されるアリールアミン系化合物を含有する感光層を有
    することを特徴とする電子写真用感光体。 【化1】 (一般式[I]中、Ar1,Ar3,Ar4 及びAr6 は、置換基を
    有しても良い、アリーレン基、縮合多環基もしくは複素
    環基を表し、Ar2 及びAr5 は、置換基を有しても良い、
    アルキル基、アリール基、縮合多環基もしくは複素環基
    を表し、(Ar1 ないしAr3 又は、Ar4 ないしAr6 は、お
    互いに、結合して炭素環、複素環基を形成してもよい)
    1 は下記一般式[II]を表し、X2 は下記一般式[II
    I ]を表す。) 【化2】 (一般式[II]および[III ]中、sは1ないし4の整
    数を表し;tは0ないし4の整数を表し;R1 、R2
    3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 およびR10
    はそれぞれ、水素原子、置換基を有していてもよいアル
    キル基、置換基を有していてもよいアリール基、また
    は、置換基を有していてもよい複素環基を表し、これら
    は互いに同一でも異なっていてもよく;s=2ないし4
    の場合、それぞれのR1 とR 2 は同一でも異なっていて
    もよく;t=2ないし4の場合、それぞれのR6 とR 7
    は同一でも異なっていてもよい。また、一般式[I]
    中、Yは、下記一般式[IV]または一般式[V]を表
    す。 【化3】−O−A1 −O− [IV] −A2 −O−A3 − [V] (一般式[IV]および一般式[V]中、A1 、A2 およ
    びA3 は、それぞれ、置換基を有していてもよいアルキ
    レン基、置換基を有してもよいアリーレン基、または置
    換基を有していてもよいアルキレン基と置換基を有して
    いてもよいアリーレン基とが結合した基を表し、A2
    3 は互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 前記一般式[I]式において、Ar2 及び
    Ar5 は、置換基を有しても良いフェニル基であり、Ar1,
    Ar3,Ar4 及びAr6 は置換基を有しても良いフェニレン基
    であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に,電荷輸送材料として
    前記一般式[I]アリールアミン系化合物を含有し、電
    荷発生材料として、フタロシアニン類を含有する感光層
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子
    写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    層と電荷輸送層とをこの順で設けてなる感光体であっ
    て、前記一般式[I]で表わされる化合物が電荷輸送層
    に含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003195534A (ja) * 2001-12-26 2003-07-09 Konica Corp 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2003215820A (ja) * 2002-01-23 2003-07-30 Konica Corp 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2006321794A (ja) * 2005-04-19 2006-11-30 Mitsubishi Chemicals Corp 芳香族アルデヒド化合物の精製方法、精製された芳香族アルデヒド化合物、それを用いた電子材料、電子写真感光体及び電子デバイス

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