JP2006321794A - 芳香族アルデヒド化合物の精製方法、精製された芳香族アルデヒド化合物、それを用いた電子材料、電子写真感光体及び電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】電子材料に利用される芳香族アルデヒド化合物を効率良く、安価に精製でき、かつ電気特性に悪影響を及ぼす不純物を少なくする精製方法を提供する。
【解決手段】精製前の芳香族アルデヒド化合物をアルコールと水の混合溶媒に接触させる。このとき、芳香族アルデヒド化合物は、求電子置換反応により製造された後12時間以内のものであることが好ましい。また、アルコールと水の混合溶媒が、−30℃以上15℃以下の範囲内に保持されていることが好ましい。この精製方法により得られた芳香族アルデヒド化合物を原料として用いて電荷輸送物質等を得、かつ、その電荷輸送物質を使用して電子写真感光体、カートリッジ、画像形成装置等の電子デバイスを得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族アルデヒド化合物の精製方法、精製された芳香族アルデヒド化合物、それを用いた電子材料、電子写真感光体及び電子デバイスに関する。
芳香族アルデヒド化合物は、一般に、活性が高く、酸化還元、不均化、アセタール化等を起こし易く、精製が難しい。特に、電子デバイス等に使用される代表的な電子材料である電荷輸送物質の原料となる芳香族アルデヒド化合物は、高純度であることが要求されるが、電子供与性基等を有するために、酸化に対する活性が非常に高く、純度の高いアルデヒド化合物を得ることが難しいことが多い。また、アルデヒド化合物の純度を上げるための再結晶溶媒としては、一般的に、ヘキサン、ペンタン、石油エーテル等の飽和炭化水素系溶媒が用いられるが、電荷輸送物質の原料とするための精製方法としては、十分な純度が得られないことが多い。
ところで、電子デバイスのなかでも電子写真感光体においては、その特性が、電荷輸送物質の化学構造だけでなく、電荷輸送物質の製造方法にも影響されることが知られている。特に残留電位や画像特性の変動に関しては、電荷輸送物質の製造方法の影響が強く現れることがわかっている。しかし、そうした製造方法の影響については、製造方法に由来する電荷発生物質の純度や含有不純物等のみでは説明できない点もあり、電子写真特性に優れた電荷輸送物質の製造方法が切に求められている。また、電子写真感光体に限らず、有機EL素子等の電子デバイスに用いる電子材料としても、発光特性に優れた電荷輸送物質の製造方法が切に求められている。
一般的に、電子材料の原料となる芳香族アルデヒド化合物は、対応するアリール化合物の酸化反応、還元反応、求電子置換反応、又は求核的ホルミル化反応等で合成される。例えば、対応するアリールアミン類とオキシ塩化リンから、ジメチルフォルムアミド(DMF)を用いて合成する方法が知られている(例えば非特許文献1を参照)。また、対応するグリニャール試薬とDMFを用いる方法等も知られている(例えば非特許文献2を参照)。
日本化学会編、「新実験化学講座」、vol.21, p.110-111(1991) 日本化学会編、「新実験化学講座」、vol.21, p.30-35(1991)
しかしながら、上記非特許文献1,2に記載のいずれの方法も、製造現場での実生産に移行した場合には、アルデヒド化合物の不安定さから、高純度のアルデヒド化合物を得ることが難しいという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電子材料に利用される芳香族アルデヒド化合物を効率良く、安価に精製でき、かつ電気特性に悪影響を及ぼす不純物を少なくする精製方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、精製された芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた、電子写真特性に優れた電子材料、電子写真感光体及び電子デバイスを提供することにある。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討を行った結果、水とアルコールの混合溶媒を芳香族アルデヒド化合物の精製溶媒として用いることにより、電子材料用途として良好な、高純度の芳香族アルデヒド化合物を比較的効率よく安価に得ることができることを発見した。また、この手法により得られた芳香族アルデヒド化合物を中間体として用いることにより、電荷輸送特性に優れた電荷輸送物質等を得ることができ、かつ、その電荷輸送物質を利用して、電子写真特性に優れた電子写真感光体、カートリッジ、画像形成装置、有機EL素子等の電子デバイスを得ることができた。
すなわち、本発明の芳香族アルデヒド化合物の精製方法は、精製前の芳香族アルデヒド化合物をアルコールと水の混合溶媒に接触させることを特徴とする。
上記本発明の芳香族アルデヒド化合物の精製方法において、前記芳香族アルデヒド化合物は求電子置換反応により製造されたものであることを特徴とする。
本発明の芳香族アルデヒド化合物は、上述した本発明の精製方法で精製されたことを特徴とする。
また、本発明の電子材料は、上記方法で精製された芳香族アルデヒド化合物を原料として用いたことを特徴とする。また、本発明の電子写真感光体は、上記方法で精製された芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた電荷輸送物質を含有する層を有することを特徴とする。また、本発明の電子デバイスは、こうした電子材料を使用して製造されたことを特徴とする。
本発明の芳香族アルデヒド化合物の精製方法によれば、電子材料、特に電荷輸送物質の原料として用いられる芳香族アルデヒド化合物を効率よく安価に精製することができる。これにより、電気特性に悪影響を及ぼす不純物が少なく、電気特性の高い電子写真感光体、カートリッジ、画像形成装置、有機EL素子等を提供することができる。
以下、本発明の芳香族アルデヒド化合物の精製方法、精製された芳香族アルデヒド化合物、それを用いた電子材料及び電子デバイスについて詳しく説明する。本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜実施することができる。
(芳香族アルデヒド化合物の精製方法及び精製後の芳香族アルデヒド化合物)
本発明の芳香族アルデヒド化合物の精製方法は、精製前の芳香族アルデヒド化合物をアルコールと水の混合溶媒に接触させることを特徴とする。
本発明の精製方法に供する精製前の芳香族アルデヒド化合物は、特に限定するものではないが、精製後のものが電子材料の原料として好ましく使用される芳香族アルデヒド化合物であることが望ましい。具体的には、芳香族性を示す環にアルデヒド基が置換している化合物、又は、芳香族性を示す環とアルデヒド基が共役基等を介して結ばれている化合物を挙げることができる。芳香族性を示す環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピレン環、ペリレン環等の芳香族炭化水素、芳香族縮合多環、又は、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、カルバゾール環、インドール環等の芳香族複素環等が挙げられる。芳香族性を示す環とアルデヒド基を結ぶ連結基である共役基としては、オレフィン、ジオレフィン等の脂肪族系又はその一部がフェニル基等の芳香環で置換したものが挙げられ、その共役基の長さ(炭素鎖の長さ)は、炭素数2〜10が好ましく、6以下が更に好ましい。
特に、電子材料の原料として使用される芳香族アルデヒド化合物が好ましく、特に窒素を含有する芳香族アルデヒド化合物には電気特性改善の効果が強く現われるので好ましい。なお、窒素を含有する芳香族アルデヒド化合物としては、アリールアミン誘導体を挙げることができ、特にトリアリールアミン誘導体を好ましく挙げることができる。
芳香族アルデヒド化合物の分子量は100以上、1000以下であることが好ましい。特に、精製による純度向上の効果を得るためには、芳香族アルデヒド化合物の分子量が200以上であることが好ましく、250以上であることが特に好ましい。分子量の上限としては、化合物安定性の観点から、大きすぎる芳香族アルデヒド化合物は、余り好ましくなく、800以下の分子量を有する化合物は好ましく、更には、700以下が好ましい。また、アルデヒド基を分子内に2つ以上有するものは、本発明の効果が大きく発現する。
また、精製による純度向上の効果が有効に現れる芳香族アルデヒド化合物の例として、一般式(1)ないし(6)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2006321794
式中、ArないしAr18は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、RないしRは、芳香族炭化水素基又はアルキル基を表している。これら芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、アルキル基としては、炭素数1〜5のものが好ましい。また、これら芳香族炭化水素残基に置換していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ビニル基、ブタジエニル基等が挙げられ、これら置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基等をさらに置換していても構わない。好ましい置換基は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基である。また、置換基は、互いに連結基を介して、又は直接結合して、環構造を作製していても構わない。また、上記式中、アルデヒド基(−CHO)が直接結合している例が示されているが、連結基として共役基を介したものであっても構わない。
本発明の精製方法は、上述した芳香族アルデヒド化合物が求電子置換反応により製造されたものである場合に、精製による純度向上の効果が非常に強く発揮され、Vilsmieier法で製造された芳香族アルデヒド化合物である場合に特に効果が高い。
本発明では、上記芳香族アルデヒド化合物を精製するための混合溶媒として、アルコールと水の混合溶媒が用いられる。この混合溶媒は、合成後の芳香族アルデヒド化合物の結晶化溶媒として用いるものであり、芳香族アルデヒド化合物のホルミル体を高純度の固体として析出させることができる溶媒である。
アルコールについては、精製すべき芳香族アルデヒド化合物に応じて最適なものが選ばれ、必ずしも一律に論ずることはできないが、脂肪族アルコールが好ましく用いられ、また、炭素数5以下のアルコールが好ましく用いられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が好ましく用いられ、この中でも、特に収率向上の点からメタノールが好ましく用いられる。
アルコールの含有重量(AL)と水の含有重量(W)の割合は、収率、及び精製後の芳香族アルデヒド化合物を使用した電子材料の電気特性を満たすためには、アルコールの含有重量(AL)と水の含有重量(W)との割合(W/AL)が、0.01以上、0.40以下の範囲内であることが好ましい。W/ALの下限としては、特性の点から鑑みて好ましくは0.02であり、更に好ましくは0.04である。また、W/ALの上限としては、好ましくは0.25であり、更に好ましくは0.15である。
精製に供する芳香族アルデヒド化合物と混合溶媒との量比は特に問わないが、混合溶媒が重量比で2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、5倍以上であることが特に好ましい。混合溶媒の重量比が大きいほど、高純度の芳香族アルデヒド化合物を安定して精製することができる、という利点がある。
芳香族アルデヒド化合物が求電子置換反応により製造されたものである場合には、求電子置換反応により製造された後12時間以内に混合溶媒で精製することが好ましい。こうした条件下で精製を行うことにより、不純物が少ない高純度のアルデヒド化合物を得ることができる。なお、求電子置換反応により製造された後12時間を超えて長く放置した芳香族アルデヒド化合物は、分解が進行する恐れがある。
混合溶媒を芳香族アルデヒド化合物を固体として析出させるための再沈溶媒として使用することは、高純度の芳香族アルデヒド化合物を得るために好ましい。因みに、求電子置換反応により製造された後12時間以内に混合溶媒で精製せず、アルコールのみに芳香族アルデヒド化合物を接触させた場合(特にオキシ塩化リン等を利用した場合)には、未反応のオキシ塩化リンが作用して、アセタール生成を助長することが認められることがある。この場合、得られた芳香族アルデヒド化合物のホルミル体は純度が低く、たとえ生成物をカラムに通して精製したとしても、精製後の芳香族アルデヒド化合物から導かれる電子材料の電気特性は低い。
アルコールと水の混合溶媒は、−30℃以上15℃以下の範囲内に保持されていることが好ましい。この温度範囲内に保持された混合溶媒に精製前の芳香族アルデヒド化合物を接触させることは、副反応を制御することができるという観点から好ましい。混合溶媒の温度の上限は5℃が好ましく、下限は、装置の簡略化の観点から−15℃が好ましい。なお、制御される副反応としては、アルデヒドの分解やアセタール化の進行等が挙げられる。
以上説明したように、本発明の精製方法によって、上記精製前の芳香族アルデヒド化合物を高純度にすることができる。こうした高純度化の達成は、電子材料、特に電荷輸送物質の原料として用いられる芳香族アルデヒド化合物を効率よく安価に精製することができる点で有効である。なお、精製後の芳香族アルデヒド化合物は、化学構造上は、上記精製前の芳香族アルデヒド化合物と同じである。
(電子材料及び電子デバイス)
本発明の電子材料は、上記本発明の精製方法で精製された後の芳香族アルデヒド化合物を原料として用いたものである。下記化学式は、電子材料用途に好ましく適用できる精製後の芳香族アルデヒド化合物(T-0〜T-20)の具体例である。なお、本発明の電子材料に好ましく適用可能な芳香族アルデヒド化合物は、以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2006321794
Figure 2006321794
本発明の電子材料を使用して製造される電子デバイスとしては、電子写真感光体や有機EL素子等を好ましく挙げることができる。以下の電子写真感光体の形態例は、特に限定されるものではないが、例えば特開2004−126560号公報、特開平6−175383号公報、特開2004−206109号公報等に例示されているもの等を挙げることができる。
電子写真感光体は、導電性支持体と、その導電性支持体上に形成される感光層とを少なくとも備えている。本発明においては、感光層が、上述した本発明の精製方法により得られた芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた電荷輸送物質を含有することに特徴がある。
感光層の型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とがバインダー樹脂中に分散した同一層からなる単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散した電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散した電荷輸送層の二層からなる積層型とが挙げられるが、そのいずれの形態であってもよい。また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した順積層型感光層と、逆に、電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。なお、以下においては、特に断りのない限り、積層型感光体の場合を例にして説明する。
電荷発生物質としては、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。フタロシアニン顔料は、波長600〜900nmの比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で優れており、また、アゾ顔料は、白色光及び波長300〜500nmの比較的短波長のレーザー光に対して十分な感度を持つ点で優れている。電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属若しくはその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、又はアルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型又はτ型の無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)又はD型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型,I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、又は、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好ましく用いられる。
なお、フタロシアニン類の中でも、CuKα特性X線に対するX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)が、27.3°に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン、9.3°,13.2°,26.2°及び27.1°に主たる回折ピークを示すチタニルフタロシアニン(オキシチタニウムフタロシアニン)、9.2°,14.1°,15.3°,19.7°及び27.1°に主たる回折ピークを有するジヒドロキシシリコンフタロシアニン、8.5°,12.2°,13.8°,16.9°,22.4°,28.4°及び30.1°に主たる回折ピークを示すジクロロスズフタロシアニン、7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°及び28.3°に主たる回折ピークを示すヒドロキシカリウムフタロシアニン、並びに、7.4°,16.6°,25.5°及び28.3°に回折ピークを示すクロロガリウムフタロシアニンが好ましい。これらの中でも、27.3°に主たる回折ピークを示すチタニルフタロシアニン(オキシチタニウムフタロシアニン)が特に好ましく、この場合、9.5°,24.1°及び27.3°に主たる回折ピークを示すチタニルフタロシアニン(オキシチタニウムフタロシアニン)がとりわけ好ましい。
一方、電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、各種公知のビスアゾ顔料又はトリスアゾ顔料が好適に用いられる。電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、各種公知のビスアゾ顔料又はトリスアゾ顔料が好適に用いられる。好ましいアゾ顔料の例を下記に示す。
Figure 2006321794
Figure 2006321794
Figure 2006321794
電荷輸送物質としては、上述した本発明の精製方法により得られた芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた本発明に係る電荷輸送物質を少なくとも含有しているものであればよく、本発明に係る電荷輸送物質を単独で用いてもよいし、他の1種又は2種以上の電荷輸送物質と組み合わせて及び所定の比率で用いてもよい。また、公知の他の電荷輸送物質を併用してもよい。他の電荷輸送物質を併用する場合、その種類は特に制限されないが、例えばカルバゾール誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましい。更に具体的には、特開平2−230255号公報、特開昭63−225660号公報、特開昭58−198043号公報、特公昭58−32372号公報、及び特公平7−21646号公報の各公報に記載の化合物を好ましく使用できる。
複数の電荷輸送物質を用いる場合、少なくとも全電荷輸送物質に対して50重量%以上が本発明の精製方法により得られた芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた電荷輸送物質であることが好ましい。なお、電荷輸送物質の全量が本発明の精製方法により得られた芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた電荷輸送物質であることがより好ましい。
なお、電子写真感光体を構成する導電性支持体は、導電性を有する任意の材料で形成することができる。導電性支持体の構成材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料;金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を混合して導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(インジウム錫酸化物)等の導電性材料をその表面に蒸着若しくは塗布した樹脂、ガラス又は紙、等が主なものとして挙げられる。また、金属材料で形成された導電性支持体の表面に、導電性・表面性等の制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。
これらの中でも、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いることは、電気特性、画像特性、材料調達、コスト等の点から好ましい。なお、導電性支持体の材料は、1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、導電性支持体の形態も任意であり、例えば、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。
さらに、導電性支持体には、陽極酸化処理及び封孔処理を施すことが、リークを防ぐ意味から好ましい。これによって、電子写真感光体を用いて画像形成を行なう際、画像特性の改良や電気特性の安定化を図ることができる。
陽極酸化処理は、任意の方法により行なうことができるが、通常は、導電性支持体を電極として酸性浴中で通電することにより行なう。酸性浴については特に制限はないが、例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴が挙げられる。この中でも、硫酸中での陽極酸化を行なうことが最も良好な結果を与える。
例えば、硫酸中で、アルミニウム製の導電性支持体に対して陽極酸化処理を行なう場合について処理条件を挙げると、硫酸濃度は100g/L〜300g/L、溶存アルミニウム濃度は2g/L〜15g/L、液温は15℃〜30℃、電解電圧は10V〜20V、電流密度は0.5A/dm〜2A/dmの範囲内に設定されるのが好ましい。ただし、陽極酸化処理時の処理条件は、これに限られるものではない。
このように形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を行うことが好ましい。封孔処理は、任意の方法により行なうことができるが、通常は、封孔剤を含有した封孔剤水溶液(封孔液)中に導電性支持体を浸漬させることにより行なう。その代表的なものとしては、低温下で導電性支持体を封孔剤水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、又は高温下で導電性支持体を封孔剤水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が挙げられる。
また、導電性支持体とこの導電性支持体上に形成される感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、あるいは樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子や、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。なお、一種類の金属酸化物粒子を単独で用いてもよいし、複数の種類の金属酸化物粒子を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
また、積層型感光体及び単層型感光体ともに、感光層を最上層、すなわち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減したりする目的で、保護層を設けてもよい。また、電子写真感光体表面の摩擦抵抗や摩耗を軽減する目的で、フッ素系樹脂やシリコーン樹脂等の樹脂、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させてもよい。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成してもよい。
こうして構成された電子デバイスである電子写真感光体は、本発明の精製方法で処理された高純度の芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた電荷輸送物質を含むので、電気特性に及ぼす悪影響を極力抑制でき、電気特性の高い電子写真感光体となる。こうした電子写真感光体は、カートリッジや、画像形成装置に好ましく適用可能である。
以下、芳香族アルデヒド化合物の実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。以下において、実施例1〜10及び比較例1〜4は芳香族アルデヒド化合物の精製方法に関するものであり、実施例11〜13及び比較例5〜7は精製された芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた電子材料に関するものである。なお、以下の実施例及び比較例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
4つ口フラスコ(1L)中で、下記化合物(A)100gをDMF400mLに懸濁させた。
Figure 2006321794
フラスコ内の温度を60℃に保ち、懸濁液にオキシ塩化リン45mLを添加し、3時間攪拌して反応させた。反応液に、トルエン500mLと水500mLを添加して反応を停止させた後、有機層を水500mLで3回洗った。有機層の溶媒を減圧下留去した後、残査をメタノール(300mL)/水(30mL)の混合溶液(−5℃)に添加して精製し、固体を析出させた。反応系内に水とトルエンを添加して反応を停止させてから本発明に係る精製方法で固体を析出させるまでに2時間が経過していた。析出した固体をメタノール200mLで2回懸洗して、前記の例示化合物T−19を得た。収率は87%(LC純度95%)であった。なお、LC純度は、分離カラムにジーエルサイエンス株式会社製のInertsil ODS-3Vを用い、テトラヒドロフラン/水=7/3の溶離液を用いて、検出波長254nmで得られた高速液体クロマトグラムの単純面積比率の値から算出した。
(実施例2)
メタノール(300mL)/水(30mL)の混合溶液の代わりに、イソプロパノール(300mL)/水(90mL)の混合溶媒を使用した以外は、実施例1と同様にして、前記の例示化合物T−19を得た。収率は88%(LC純度96%)であった。
(実施例3)
反応液にトルエンと水と添加して反応を停止させてから固体を析出させるまでの経過時間を30時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、前記の例示化合物T−19を得た。収率は88%(LC純度92%)であった。
(実施例4)
4つ口フラスコ(1L)中で、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン12gをDMF200mLに溶解させた。この後、フラスコ内の温度を70℃に保ち、オキシ塩化リン15gを添加し、4時間攪拌して反応させた。その後、トルエン200mLと水200mLを添加して反応を停止させた後、有機層を水200mLで3回洗った。有機層の溶媒を減圧下留去した後、残査をメタノール(300mL)/水(10mL)の混合溶液(−5℃)に添加して精製し、固体を析出させた。反応系内に水とトルエンを添加して反応を停止させてから本発明に係る精製方法で固体を析出させるまでに1時間が経過していた。析出した固体をメタノール200mLで2回懸洗して、前記の例示化合物T−5を得た。収率は90%(LC純度94%)であった。
(実施例5)
N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンの代わりにメチルカルバゾールを使用した以外は、実施例4と同様にして、前記の例示化合物T−12を得た。収率は83%(LC純度94%)であった。
(実施例6)
N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンの代わりにピレンを使用した以外は、実施例4と同様にして、前記の例示化合物T−10を得た。収率は83%(LC純度92%)であった。
(実施例7)
N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンの代わりに1,1−ビス(4−メトキシフェニル)エテンを使用した以外は、実施例4と同様にして、前記の例示化合物T−11を得た。収率は89%(LC純度95%)であった。
(実施例8)
化合物(A)の代わりにトリフェニルアミン50gを使用し、フラスコ内の温度60℃に代えて80℃とし、オキシ塩化リン45mLの代わりに100mLを添加し、さらにその懸濁液に塩化亜鉛5gを添加し、反応時間を40時間とし、精製にフラッシュカラムクロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、移動相:トルエン)を使用した以外は、実施例1と同様にして、前記の化合物T−16を製造した。収率は70%(LC純度90%)であった。
(実施例9)
混合溶媒の温度を−5℃に保持しつつ精製して固体を析出させた代わりに、混合溶媒の温度を−40℃に保持しつつ精製して固体を析出させた以外は、実施例1と同様にして例示化合物T−19を得たところ、蝋状化した固体が回収された。収率は82%(LC純度95%)であった。
(実施例10)
混合溶媒の温度を−5℃に保持しつつ精製して固体を析出させた代わりに、混合溶媒の温度を30℃に保持しつつ精製して固体を析出させた以外は、実施例1と同様にして例示化合物T−19を得たところ、蝋状化した固体が回収された。収率は80%(LC純度92%)であった。
(比較例1)
実施例1で精製に用いたメタノール(300mL)/水(30mL)の混合溶液の代わりに、メタノール300mLを使用した以外は、実施例1と同様にして、例示化合物T−19を得た。収率は75%(LC純度87%)であった。
(比較例2)
実施例1で精製に用いたメタノール(300mL)/水(30mL)の混合溶液の代わりに、エタノール(300mL)/ヘキサン(20mL)の混合溶媒を使用した以外は、実施例1と同様にして、例示化合物T−19を得た。収率は80%(LC純度89%)であった。
(比較例3)
実施例1において、精製に用いたメタノール(300mL)/水(30mL)の混合溶液の代わりに、ヘキサン(300mL)の−5℃溶媒を使用し、実施例1での添加に要した時間の2倍の時間をかけて添加したが、析出した固体の一部が壁に固着し、ハルツ化した。反応系内に水とトルエンを添加して反応を停止させてから固体を析出させるまでに2時間が経過していた。析出した固体をヘキサン200mLで2回懸洗して、前記の例示化合物T−19を得た。収率は73%(LC純度89%)であった。これら以外は、実施例1と同様にした。
(比較例4)
実施例4で精製に用いたメタノール(300mL)/水(10mL)の混合溶液の代わりに、メタノール(300mL)を使用した以外は、実施例3と同様にして、前記の例示化合物T−5を得た。収率は78%(LC純度87%)であった。
(実施例11)
ベンジルフォスフォニックアシッドジエチルエステル5g、及び実施例1で得られた例示化合物T−19 5.9gをテトラヒドロフラン30mL中に懸濁させた。そこに、ナトリウム−t−ブトキシド3gを添加して2時間攪拌して反応させた。反応液を、メタノール60mLに添加し、析出した暗黄色固体を濾別した。得られた固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、移動相:トルエン)にて精製した後、メタノールにて再結晶し、黄色固体(下記化合物(B))を得た。収率は83%(LC純度98%)であった。
Figure 2006321794
(実施例12)
実施例1で得られた例示化合物T−19の代わりに、実施例2で得られた例示化合物T−19を使用した以外は、実施例11と同様にして、上記化合物(B)を得た。収率は85%(LC純度97%)であった。
(実施例13)
例示化合物T−19の代わりに実施例4で得られた例示化合物T−5を使用し、ベンジルフォスフォニックアシッドジエチルエステルの代わりにシンナミルトリフェニルホスフィンクロライドを使用した以外は、実施例11と同様にして、下記化合物(C)を得た。収率は81%(LC純度94%)であった。
Figure 2006321794
(比較例5)
実施例1で得られた例示化合物T−19の代わりに、比較例1で得られた例示化合物T−19を使用した以外は、実施例11と同様にして、前記の化合物(B)を得た。収率は80%(LC純度94%)であった。
(比較例6)
実施例1で得られた例示化合物T−19の代わりに、比較例2で得られた例示化合物T−19を使用した以外は、実施例11と同様にして、前記の化合物(B)を得た。収率は80%(LC純度94%)であった。
(比較例7)
実施例4で得られた例示化合物T−5の代わりに、比較例4で得られた例示化合物T−5を使用する以外は、実施例13と同様にして前記の化合物(C)を得た。収率は73%(LC純度90%)であった。
<電子写真感光体の作製>
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(厚さ75μm)の表面にアルミニウム蒸着層(厚さ70nm)を形成した導電性支持体を用い、その導電性支持体のアルミニウム蒸着層上に、以下の下引き層用分散液をバーコーターにより、乾燥後の膜厚が1.25μmとなるように塗布、乾燥させ、下引き層を形成した。
下引き層用分散液は、次のようにして作製した。すなわち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、その酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機(株式会社カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。その分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(i)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(ii)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(iii)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(iv)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(v)で表される化合物]の組成モル比が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
Figure 2006321794
別に、A型オキシチタニウムフタロシアニン10重量部を、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて1時間粉砕分散処理を行なった。その後、バインダー樹脂としてのポリビニルブチラール(電気化学工業社製「デンカブチラール #6000C」)の5重量%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部、及び、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製「PKHH」)の5重量%、1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を加えて、電荷発生層用塗布液を調整した。この電荷発生層用塗布液を、上記の導電性支持体の下引き層上に、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるようにバーコーターにより塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成した。
また、別に、電荷輸送物質として実施例11で得られた化合物Bを50重量部、バインダー樹脂100重量部、及び、レベリング剤としてシリコーンオイル0.03重量部をテトラヒドロフラン/トルエン(重量比8/2)の混合溶媒640重量部に溶解させて電荷輸送層用塗布液を調整した。なお、バインダー樹脂としては、以下に示す1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを芳香族ジオール成分とする繰り返し単位49モル%と、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンを芳香族ジオール成分とする繰り返し単位51モル%とからなり、p−tert−ブチルフェノールに由来する末端構造を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30000)を用いた。
Figure 2006321794
Figure 2006321794
電荷輸送層用塗布液を、前記電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるようにフィルムアプリケーターにより塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有する電子写真感光体E−1を製造した。
なお、実施例12,13及び比較例5〜7で得られた化合物についても、上記実施例11で得られた化合物を用いた場合と同様にして、電子写真感光体E−2,E−3及びP−1〜P−3を製造した。以下、これらについて表1にまとめる。
Figure 2006321794
<電子写真感光体の電気特性評価>
得られた電子写真感光体E−1〜E−3及びP−1〜P−3の電子写真特性を、感光体評価装置(シンシア−55、ジェンテック社製)を用いて、スタティック方式でそれぞれ以下のようにして測定した。
先ず、暗所でスコロトロン帯電器により、電子写真感光体を表面電位が、約−700Vになるよう放電を行ない、一定速度(125mm/sec)で電子写真感光体を通過させて帯電させ、その帯電圧を測定し、初期帯電圧V0(−V)を求めた。その後、2.5秒間放置したときの電位低下(DD)を測定した。次に、強度1.0μW/cmの780nm単色光を照射し、感光体表面電位が−550Vから−275Vになるまでに要した半減露光エネルギーE1/2(μJ/cm)と、照射10秒後の残留電位Vr(−V)を求めた。各電子写真感光体E1〜E3及びP1〜P3の評価結果を表2に示す。
Figure 2006321794
本発明の精製方法で精製された芳香族アルデヒド化合物は、純度が高く、かつ収率も高い。また、精製後の芳香族アルデヒド化合物を原料として用いて作製された電子材料は、電子写真感光体等の電子デバイスにおいて、高い電気的特性を示していた。
本発明は、芳香族アルデヒド化合物を必要とする任意の分野で実施することができる。例えば電子デバイス、特に複写機、プリンター、印刷機等に用いることができる、電子写真感光体用の電子材料の原料として用いる芳香族アルデヒド化合物の精製法として好適である。

Claims (6)

  1. 精製前の芳香族アルデヒド化合物をアルコールと水の混合溶媒に接触させることを特徴とする芳香族アルデヒド化合物の精製方法。
  2. 前記芳香族アルデヒド化合物が、求電子置換反応により製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族アルデヒド化合物の精製方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法で精製されたことを特徴とする芳香族アルデヒド化合物。
  4. 請求項3に記載の芳香族アルデヒド化合物を原料として用いたことを特徴とする電子材料。
  5. 請求項3に記載の芳香族アルデヒド化合物を原料として用いた電荷輸送物質を含有する層を有することを特徴とする電子写真感光体。
  6. 請求項4に記載の電子材料を使用して製造されたことを特徴とする電子デバイス。
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