JP4863691B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体用材料及びその製造方法、並びに電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明の電荷輸送物質は、トリアリールアミン化合物からなる材料であって、アミン化合物及びアリールハライドを原料とし、特定の触媒(トリシクロアルキルホスフィン化合物とパラジウム化合物を5/1〜15/1の割合で混合した触媒)を用いて合成されたものである。
トリシクロアルキルホスフィン化合物は、リン原子に3つのシクロアルキル基が結合した構造の化合物である。
また、これらのシクロアルキル基のうち任意の2つ、又は3つ全てが、任意の連結基を介して互いに連結されていてもよい。
パラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキサクロルパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロルパラジウム(IV)酸カリウム四水和物等の四価パラジウム化合物類;塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)等の二価パラジウム化合物類;トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム化合物類などが挙げられる。中でも、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)が好ましく、触媒活性を鑑みた場合、酢酸パラジウム(II)が特に好ましい。なお、パラジウム化合物は、何れか一種を単独で用いても良く、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いても良い。
上述の触媒(トリシクロアルキルホスフィン化合物及びパラジウム化合物)を用いて合成するトリアリールアミン化合物としては、電子写真感光体の電荷輸送物質として使用可能なものであれば、その種類は特に制限されない。但し、上述の触媒を使って合成した場合に本発明の効果が顕著に得られるという点から、トリフェニルアミン構造を有するものであることが好ましく、中でも、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表わされる化合物であることが特に好ましい。
本発明では、上述のトリアリールアミン化合物を合成するための原料として、アリールハライド及びアミン化合物を用いる。アリールハライド及びアミン化合物の種類は、所望のトリアリールアミン化合物の構造に対応した組み合わせであれば良く、特に限定されるものではない。具体的に、アリールハライドとしては、ハライドの種類の違いに応じて、アリールクロライド、アリールブロマイド、またはアリールアイオダイドが挙げられる。なかでも、製造コストの観点から、比較的安価、かつ反応活性も優れたブロモ体がより好ましい。ハライドの数の違いに応じて、アリールモノハライド、アリールジハライド等が挙げられるが、これらの何れであってもよい。また、アミン化合物としては、アリール基の数に応じて、アリールアミン、ジアリールアミン等が挙げられるが、やはりこれらの何れであってもよい。中でも、アリールモノハライドとジアリールアミンの組み合わせ、アリールジハライドとジアリールアミンの組み合わせ、アリールモノハライドとアリールアミンの組み合わせなどが好ましい。なお、アリールハライドとアミン化合物は、それぞれ一種を単独で用いても良く、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
原料であるアリールハライドとアミン化合物との割合は、使用するアリールハライドとアミン化合物との組み合わせや、目的とするトリアリールアミン化合物の種類に応じて、適切な当量比となるように選択する。原料の割合が適切な当量比を満たさないと、過剰な原料が反応に関与せずに残ってしまい、コスト面や反応効率の面で好ましくない上に、意図しない副反応等が生じる場合もある。
トリアリールアミン化合物の合成反応は、通常は溶媒の存在下に実施される。反応用の溶媒としては、ハロゲン溶媒以外の一般的な不活性な有機溶媒であれば良く、特に限定されるものではないが、原料(アリールハライド及びアミン化合物)に対する溶解性の点で、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素溶媒や、モノグライム等のエーテル系溶媒が好ましく、中でもキシレンが特に好ましい。
トリアリールアミン化合物の合成反応の手順は特に制限されないが、通常は反応容器中で、触媒成分であるトリシクロアルキルホスフィン化合物及びパラジウム化合物の共存下、原料であるアリールハライドとアミン化合物とを接触させて反応させればよい。個々の触媒や原料を加える順序は特に制限されないが、通常は、原料であるアリールハライドとアミン化合物とを溶媒の存在下で混合して反応系溶液を作製し、この反応系溶液に触媒成分であるトリシクロアルキルホスフィン化合物及びパラジウム化合物を加えて反応を開始させる。個々の触媒成分であるトリシクロアルキルホスフィン化合物及びパラジウム化合物は、それぞれ単独で反応系溶液に加えてもよいが、予めこれらの触媒成分を溶媒の存在下で混合して錯体形成させてから、これを反応系溶液に加えてもよい。
反応後(及び後処理後)の反応系溶液から溶媒を除去することにより、粗生成物を得る。溶媒を除去する手法は特に制限されないが、常温又は加熱条件下、また、常圧又は減圧条件下で、必要に応じて反応系溶液に攪拌を加えながら、溶媒を蒸発させればよい。
得られた粗生成物を、濾過やフラッシュカラムクロマトグラフィー等の手法で精製することにより、目的とするトリアリールアミン化合物を得ることができる。
本発明において、上述の合成反応により得られるトリアリールアミン化合物の収率及び純度は特に限定されるものではないが、収率は通常70%以上、好ましくは80%以上、また、純度は通常98%以上、好ましくは99%以上の範囲である。収率は原料と得られた生成物の重量比から、また、純度は得られた生成物を高速液体クロマトグラフィー等により分析し、そのピーク面積値から、それぞれ算出することができる。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有するとともに、上に説明した本発明の電荷輸送物質を感光層中に含有するものである。
電性支持体について特に制限は無いが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、その形態としては、例えばドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。さらに、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
感光層は、上述した本発明のアリールアミン系化合物を電荷輸送物質として含有する層であり、上述の導電性支持体上(下引き層を設ける場合には下引き層上)に形成される。感光層の型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダ樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダ樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダ樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる積層型とが挙げられるが、何れであってもよい。一般に、電荷輸送物質は、単層型でも積層型でも、電荷移動機能としては、同等の性能を示すことが知られている。
積層型感光層の場合、電荷発生層は、結着樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、電荷発生物質を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に塗布し、電荷発生物質を各種バインダ樹脂で結着することにより形成される。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダ樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダ樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、塗布、乾燥して得ることができる。
単層型感光体の感光層は、電荷発生物質及び電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダ樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダ樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により順次塗布して形成される。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
(製造例1:例示化合物CT−5の製造)
室温下において、攪拌装置、温度計、精密蒸留装置を装着した500mlの四つ口フラスコに、4,4’−ジヨードビフェニル40.60g(0.1mol)、p,p’−ジトリルアミン40.45g(0.205mol)、ナトリウムtert−ブトキシド22.10g(0.23mol)、充分に脱酸素したキシレン200mlを順次に加え、系内を窒素により置換した後、10分間程攪拌した。一方、酢酸パラジウム5.6mgを5mlの脱酸素したキシレンに加え、更に、トリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液234mgを加え、2、3分間程超音波処理を加えて、触媒の錯形成をさせた。その後、窒素フローを加えながら、得られた触媒溶液を手早く反応器に加え、140℃まで加熱し、その温度に保ちながら加熱還流を続け、反応を実施した。反応の間、反応系溶液を高速液体クロマトグラフィー(カラム:ジーエルサイエンス(株)社製イナートシルODS−3V、溶媒:アセトニトリル)で一定時間毎に分析することにより反応を追跡し、反応系溶液中の4,4’−ジブロモビフェニルが検出されなくなるまで(約2時間)反応を行なった。反応終了後、70℃まで冷却し、水50ml、キシレン250mlを加え、分液した。得られた有機層を、70℃の脱塩水を用いてpHが中性になるまで洗浄した後、硫酸マグネシウム10gを加えて水分を除去し、硫酸マグネシウムを濾別・除去して有機層を取り出した。得られた有機相(溶液)を、キシレン溶媒量の半分になるまで減圧濃縮した。室温で30分程攪拌し、結晶の析出を確認してから、更にメタノール200mlをゆっくり注ぎ、生成物粗体を完全に結晶化させた。析出した結晶を濾別し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル300g、展開溶媒:トルエン/ヘキサン=1/2)に通し、さらにメタノールによる再沈で精製した。真空乾燥した後、上記の例示化合物CT−5を白い微結晶として得た(収量50.05g、収率92%、純度99.5%)。なお、生成物が目的の例示化合物であることは、1H−NMR分析により確認した。また、純度は、高速液体クロマトグラフィーのチャートの単純面積比率値から算出した。
4,4’−ジブロモビフェニル31.20g(0.1mol)を原料として使用し、酢酸パラジウム11.24mgとトリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液562mgからなる錯形成物を触媒として使用し、反応時間が3時間であった以外は、上述の製造例1と同様の製造法で、例示化合物CT−5を白い結晶として得た(収量50.66g、収率93%、純度99.4%)。
p−ヨードトルエン44.70g(0.205mol)、p,p’−ジトリルアミン40.45g(0.2mol)を原料として使用し、酢酸パラジウム11.51mgとトリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液479mgからなる錯形成物を触媒として使用し、反応時間が2時間であった以外は、上述の製造例1(例示化合物CT−5の製造)と同様の製造法で、例示化合物CT−8を白い結晶として得た(収量51.15g、収率89%、純度99.4%)。
p−ブロモトルエン35.06g(0.205mol)、p,p’−ジトリルアミン40.45g(0.2mol)を原料として使用し、酢酸パラジウム23.01mgとトリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液1.15gからなる錯形成物を触媒として使用し、反応時間が3時間であった以外は、上述の製造例1(例示化合物CT−5の製造)と同様の製造法で、例示化合物CT−8を白い結晶として得た(収量50.58g、収率88%、純度99.7%)。
p−クロロトルエン27.85g(0.22mol)、p,p’−ジトリルアミン40.45g(0.2mol)を原料として使用し、酢酸パラジウム44.45mgとトリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液2.59gからなる錯形成物を触媒として使用し、反応時間が7時間であった以外は、上述の製造例1(例示化合物CT−5の製造)と同様の製造法で、例示化合物CT−8を白い結晶として得た(収量47.14g、収率82%、純度99.6%)。
p−ヨードトルエン47.97g(0.22mol)、p−トルイジン10.72g(0.10mol)を原料として使用し、酢酸パラジウム12.35mgとトリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液823mgからなる錯形成物を触媒として使用し、反応時間が2時間であった以外は、上述の製造例1(例示化合物CT−5の製造)と同様の製造法で、例示化合物CT−8を白い結晶として得た(収量25.00g、収率87%、純度99.3%)。
p−ブロモトルエン37.63g(0.22mol)、p−トルイジン10.72g(0.10mol)を原料として使用し、酢酸パラジウム24.70mgとトリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液1.85gからなる錯形成物を触媒として使用し、反応時間が3時間であった以外は、上述の製造例1(例示化合物CT−5の製造)と同様の製造法で、例示化合物CT−8を白い結晶として得た(収量25.01g、収率87%、純度99.4%)。
p−クロロトルエン27.85g(0.22mol)、p−トルイジン10.72g(0.10mol)を原料として使用し、酢酸パラジウム44.45mgとトリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液3.70gからなる錯形成物を触媒として使用し、反応時間が6時間であった以外は、上述の製造例1(例示化合物CT−5の製造)と同様の製造法で、例示化合物CT−8を白い結晶として得た(収量23.27g、収率81%、純度99.3%)。
下記構造式を有する化合物73.65g(0.205mol)、p,p’−ジトリルアミン40.45g(0.2mol)を原料として使用し、酢酸パラジウム23.01mgとトリシクロヘキシルホスフィンの15%トルエン溶液1.15gからなる錯形成物を触媒として使用し、反応時間が4時間であった以外は、上述の製造例1(例示化合物CT−5の製造)と同様の製造法で、例示化合物CT−9を薄黄色の結晶として得た(収量88.46g、収率93%、純度99.2%)。
トリシクロヘキシルホスフィン/酢酸パラジウムのモル比が16/1および17/1の錯形成物を触媒成分として用いた以外は、上述の各製造例1〜2と同様の原料、仕込み量、及び精製手順により、電荷輸送物質CT−5の合成及び精製を行なった。収率及び純度は、下記表2に示す通りであった。なお、生成物の純度は、生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析し、得られたピークの単純面積値から算出した。
上述の各製造例1〜9に使用したトリシクロヘキシルホスフィンに代えて、特許文献3に記載された下記構造を有するホスフィン化合物を用いた以外は、上述の各製造例1〜9と同様の原料、仕込み量、及び精製手順により、電荷輸送物質の合成及び精製を行なった。収率及び純度は、下記表3に示す通りであった。なお、生成物の純度は、生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析し、得られたピークの単純面積値から算出した。
製造例5に使われた本願のトリシクロヘキシルホスフィンに代えて、特許文献3に記載されたホスフィン化合物であるトリフェニルホスフィンを用いた以外は、製造例5と同様にして、電荷輸送物質の合成を行おうとしたが、反応が非常に進行し難く、一日反応させた後、反応混合物を分離できず、電荷輸送物質を作製することが出来なかった。
製造例6に使われた本願のトリシクロヘキシルホスフィンに代えて、特許文献3に記載されたホスフィン化合物であるトリフェニルホスフィンを用いた以外は、製造例6と同様にして、電荷輸送物質の合成を行おうとしたが、2日反応しても反応が全く進行せず、電荷輸送材を作成する事が出来なかった。
反応触媒として、トリシクロヘキシルホスフィンと酢酸パラジウムからなるモル比4/1の錯形成体(特許文献4に記載)を用いた以外は、製造例1〜9と同様の原料、精製手順により、電荷輸送物質の合成及び精製を行なった。収率及び純度は、下記表4に示す通りであった。なお、反応時間は、反応開始後、30分毎に高速液体クロマトグラフィーにより反応追跡し、反応系の変化が認められなくなるまでの経過時間を意味し、生成物の純度は、生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析し、得られたピークの単純面積値から算出した。
(実施例1〜9:電子写真感光体A1〜A9)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(厚み75μm)の表面にアルミニウム蒸着層(厚み70nm)を形成した導電性支持体を用い、その導電性支持体のアルミニウム蒸着層上に、以下の下引き層用分散液をバーコーターにより、乾燥後の膜厚が1.25μmとなるように塗布し、乾燥させ下引き層を形成した。
トリシクロヘキシルホスフィン/パラジウムのモル比が16/1および17/1の錯形成物を触媒成分として用いて製造した、比較製造例1〜4の電荷輸送物質CT−5を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従い、比較例1〜4としての電子写真感光体P1〜P4を得た。
特許文献3に記載されたホスフィン化合物を用いて製造した比較製造例5〜13の電荷輸送物質を使用した以外は、実施例1〜9と同様の手順に従い、比較例5〜13としての電子写真感光体P5〜P13を得た。
特許文献4に記載された酢酸パラジウムとトリシクロヘキシルホスフィンからなるモル比1/4の錯形成体を触媒として用いて製造した比較製造例16〜24の電荷輸送物質を使用した以外は、実施例1〜9と同様の手順に従い、比較例14〜22としての電子写真感光体P14〜P22を得た。
得られた電子写真感光体A1〜A9、P1〜P22の電子写真特性を、感光体評価装置(シンシアー55、ジェンテック社製)を用いて、スタティック方式でそれぞれ以下のようにして測定した。
各電子写真感光体A1〜A9、P1〜P22の評価結果を表5及び表6に示す。
(実施例10)
表面を陽極酸化し、封孔処理を施した直径3cm、長さ25.4cmのアルミニウムチューブ上に、電子写真感光体A1と同様に作製した電荷発生層及び電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥して、膜厚が電荷発生層0.3μm、電荷輸送層20μmの電子写真感光体ドラムを作製した。この電子写真感光体ドラムを、ヒューレットパッカード社製レーザープリンタ、レーザージェット4(LJ4)改造機に搭載し画像試験を行ったところ、画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。次いで、1万枚連続プリントを行ったが、ゴースト、カブリ、黒ポチ等の画像劣化は見られず、安定していた。
製造例1で製造した材料(CT−5)を使用する代わりに、比較製造例5で製造した材料を使用した以外は、実施例10と同様の手順に従って電子写真感光体を作製し、画像形成試験及び感光体の安定性・耐久性試験を行なった。初期から画像の濃度が薄く、かつ繰返しにおいて、カブリが認められた。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (6)
- 導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む感光層が少なくとも設けられてなる電子写真感光体であって、
該電荷輸送物質が、アリールアミン化合物、ジアリールアミン化合物の少なくとも一種、及びアリールハライドを原料とし、トリシクロアルキルホスフィンとパラジウム化合物とを5/1〜15/1のモル比で混合した触媒を用いて合成されたトリアリールアミン化合物である
ことを特徴とする、電子写真感光体。 - 該トリアリールアミン化合物が、塩基の存在下で合成されたものである
ことを特徴とする、請求項1記載の電子写真感光体。 - 該トリアリールアミン化合物が、窒素流通下で合成されたものである
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真感光体と、
該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部のうち、少なくとも一つとを備えた
ことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部と、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えた
ことを特徴とする、画像形成装置。
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