JP2002011166A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2002011166A
JP2002011166A JP2000195241A JP2000195241A JP2002011166A JP 2002011166 A JP2002011166 A JP 2002011166A JP 2000195241 A JP2000195241 A JP 2000195241A JP 2000195241 A JP2000195241 A JP 2000195241A JP 2002011166 A JP2002011166 A JP 2002011166A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通過領域を通過した遊技球が方向変更手段に
到達するタイミングによって遊技球の流下方向がどうな
るかを報知できるようにする。 【解決手段】 パチンコ機等の遊技機に関し、遊技球B
が通過可能な通過領域4と、通過領域4を通過した遊技
球Bの流下方向を時系列で変更可能な方向変更手段9a
と、通過領域4を通過した遊技球Bが方向変更手段9a
に流下可能な流下領域6と、遊技球Bが通過領域4を通
過してから方向変更手段9aに到達するのに要する標準
時間Tに基づいて遊技球Bが通過領域4を通過する際に
おいて方向変更手段9aによる遊技球Bの流下方向を予
測して報知する報知手段2とを備える。よって方向変更
手段9aによって影響を受ける遊技球Bの流下方向を予
測して報知するので、特に未熟な遊技者3の遊技意欲を
向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通過領域,方向変
更手段および流下領域を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技機の一つであるパチンコ機の中は、
始動口センサを備えた始動口と、大入賞口の開閉を行う
羽根,大入賞口に入ったパチンコ球を検出する入賞セン
サ,その入賞センサを通過したパチンコ球の流下方向を
変更可能なキャラクタ体,Vセンサを備えたVゾーンを
有する電動役物等とを備えているものがある。この構成
におけるパチンコ機では始動口に入賞したパチンコ球を
始動口センサが検出すると、インターバル期間(例えば
3秒間)を経過した後に大入賞口開放期間(例えば4秒
間)だけ羽根を一回(あるいは断続して複数回)開放す
る。羽根が開くと大入賞口にパチンコ球が入賞可能にな
り、当該大入賞口に入ったパチンコ球を入賞センサが検
出するとVセンサを有効にする。当該Vセンサが有効に
なった後にパチンコ球がVゾーンに入賞すると、「大当
たり」として大当たり遊技を行う。
【0003】キャラクタ体は所定の動作を行うものが多
く、大入賞口に入ったパチンコ球が当該キャラクタ体に
到達する際の姿勢に応じてパチンコ球の流下方向が大き
く変わってしまう。すなわち、キャラクタ体の姿勢によ
って遊技者に有利な流下方向になったり、遊技者に不利
な流下方向になったりする。また、大入賞口からキャラ
クタ体までの通路をパチンコ球が移動するのに時間を要
するので、大入賞口に入ったパチンコ球がキャラクタ体
に到達する際に遊技者に有利な姿勢にあるか否かを予測
するのは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のパチンコ機で
は、大入賞口に入ったパチンコ球がどのような姿勢にな
っているときにキャラクタ体に到達するのかを予測する
には多くの経験を必要としていた。このような予測がで
きない未熟な遊技者は、遊技意欲を向上させることがで
きない。一方、キャラクタ体の姿勢によって遊技者に有
利な流下方向となったりならなかったりするので、遊技
者に有利な姿勢にあるときにパチンコ球がキャラクタ体
に到達するようなタイミングが予め分かれば遊技に面白
味が増す。本発明はこのような点に鑑みてなしたもので
あり、通過領域(入賞センサ等)を通過した遊技球(パ
チンコ球等)が方向変更手段(キャラクタ体等)に到達
するタイミングによって遊技球の流下方向(進路)がど
うなるかを報知可能にした遊技機を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段1】課題を解決するための
手段1は、請求項1に記載した通りである。ここで、請
求項1に記載した用語については以下のように解釈す
る。当該解釈は他の請求項および発明の詳細な説明につ
いても同様である。 (1)「通過領域」は遊技機の遊技盤面に設けた領域で
あって、例えば入賞装置の入口部やゲート,入賞口,入
賞センサ等の検出器などが該当する。当該「通過領域」
は特定の装置等に固定してもよく、期待度や遊技状態等
に応じて装置等を変えてもよい。 (2)「流下領域」は、通過領域を通過した遊技球が方
向変更手段に流下して到達可能な領域を意味する。した
がって、通過領域を通過した遊技球が必ずしも方向変更
手段に到達できるとは限らない。 (3)「方向変更手段」は可動部材を含め、おおよそ遊
技球の流下方向を時系列で変更可能な手段を意味する。
所要の動きをするキャラクタ体の一部分(口,手,腕,
足等)や、流下領域の全部または一部の形状、傾斜等を
変化させる手段、あるいは図1に示すような遊技球を振
り分け可能な可動部材などが該当する。 (4)「報知」は予告を含み、表示体(表示部や他の表
示器,表示灯等)に図柄の大きさを変化させる等の表示
によって視覚的に報知する態様に限らず、音(音楽や効
果音,音声等)を出したり変化させる等の聴覚的に報知
する態様や、ハンドルや椅子等の遊技機に付属する部材
を通じて触覚的に報知する態様を含む。
【0006】図1に模式的に示すように当該手段1によ
れば、遊技球Bが通過可能な通過領域4と、通過領域4
を通過した遊技球Bの流下方向を時系列で変更可能な方
向変更手段9aと、通過領域4を通過した遊技球Bが方
向変更手段9aに流下可能な流下領域6と、遊技球Bが
通過領域4を通過してから方向変更手段9aに到達する
のに要する標準時間Tに基づいて遊技球Bが通過領域4
を通過する際において方向変更手段9aによる遊技球B
の流下方向を予測して報知する報知手段2とを備える。
よって方向変更手段9aによって影響を受ける遊技球B
の流下方向を予測して報知するので、特に未熟な遊技者
3の遊技意欲を向上させることができる。また、遊技者
3に有利/不利となる遊技球Bの流下方向(進路Da,
Db等)を予め報知することも可能であるので、通過領
域4を通過させる遊技球Bのタイミングが分かって遊技
に面白味が増す。
【0007】
【課題を解決するための手段2】課題を解決するための
手段2は、請求項2に記載した通りである。ここで、請
求項2に記載した用語の「可動部材」は全部または一部
の部位が作動可能な部材を意味する。例えば、所定の範
囲で往復移動可能な移動部材や、遊技球を振り分ける振
分部材、遊技球が通過可能な部位を開閉する開閉部材、
一定(または不定)の周期で一方向(または正逆方向)
に回転可能な回転部材等が該当する。当該解釈は他の請
求項および発明の詳細な説明についても同様である。
【0008】当該手段2によれば、方向変更手段9a
は、遊技者3に有利な流下方向(例えば進路Db等)に
変更可能な第1姿勢(例えば実線で示す図面左側に傾け
た姿勢)と、遊技者3に不利な流下方向(例えば進路D
a等)に変更可能な第2姿勢(例えば二点鎖線で示す図
面右側に傾けた姿勢)との間で切り換え可能な可動部材
9bで構成する。通過領域4を通過した遊技球Bが方向
変更手段9aに到達する際に可動部材9bが第1姿勢に
なっているか第2姿勢になっているかを報知手段2によ
って報知できる。よって遊技者3が望む姿勢にあるとき
に通過領域4を通過させる遊技球Bのタイミングが分か
るので、さらに遊技に面白味が増す。
【0009】
【課題を解決するための手段3】課題を解決するための
手段3は、請求項3に記載した通りである。ここで、請
求項3に記載した用語の「第1検出器」は遊技球Bを検
出可能な検出器であって、接触型(例えばスイッチ,ボ
タン,タッチパネル,圧力センサ等)のみならず、非接
触型(例えば近接センサ,光センサ,赤外線センサ等)
を含む。当該解釈は他の請求項および発明の詳細な説明
についても同様である。
【0010】当該手段3によれば、可動部材9bの姿勢
を検出可能な第1検出器8を備えるとともに、報知手段
2は第1検出器8によって検出した可動部材9bの姿勢
に基づいて遊技球Bが通過領域4を通過する際において
方向変更手段9aによる遊技球Bの流下方向を予測して
報知する。規則的に姿勢が変わる可動部材9bに限ら
ず、特に不規則に姿勢が変わる可動部材9bについても
現在の姿勢を第1検出器8によって検出できるので、遊
技球Bの流下方向(進路Da,Db等)をより的確に予
測することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段4】課題を解決するための
手段4は、請求項4に記載した通りである。ここで、請
求項4に記載した用語の「第2検出器」は上述した「第
1検出器8」と同様である。第2検出器と第1検出器と
は一の検出器で構成してもよく、異なる二つの検出器で
構成してもよい。当該解釈は他の請求項および発明の詳
細な説明についても同様である。
【0012】当該手段4によれば、遊技球Bを検出する
と第2検出信号を出力する第2検出器5を通過領域4に
備えるとともに、報知手段2は第2検出信号を受けて方
向変更手段9aによる遊技球Bの流下方向を予測して報
知する。第2検出器5によって通過領域4を通過した遊
技球Bのタイミングが分かるので、当該遊技球Bの流下
方向(進路Da,Db等)をより的確に予測することが
できる。
【0013】
【課題を解決するための手段5】課題を解決するための
手段5は、請求項5に記載した通りである。ここで、請
求項5に記載した用語の「第3検出器」は上述した「第
2検出器」と同様である。第3検出器と第2検出器とは
一の検出器で構成してもよく、異なる二つの検出器で構
成してもよい。当該解釈は他の請求項および発明の詳細
な説明についても同様である。
【0014】当該手段5によれば、方向変更手段9aに
到達する遊技球Bを検出すると第3検出信号を出力する
第3検出器7と、第2検出信号を受けてから第3検出信
号を受けるまでに要した時間に基づいて標準時間Tを設
定する時間設定手段1とを有する。第2検出器5と第3
検出器7とを用いることによって、遊技球Bが通過領域
4を通過してから方向変更手段9aに到達するのに要す
る実際の時間が分かる。よって当該実際の時間に基づい
て標準時間Tを設定することにより、遊技球Bの流下方
向(進路Da,Db等)をより正確に予測して報知する
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
を図面に基づいて説明する。 〔実施の形態1〕実施の形態1は遊技機の一つであるパ
チンコ機に本発明を適用したものであって、遊技球が通
過領域を通過すると当該遊技球の流下方向を予測して報
知する例である。当該実施の形態1は図2〜図7を参照
しながら説明する。
【0016】まず図2には、パチンコ機であるパチンコ
機10の外観を正面図で示す。図2においてパチンコ機
10の遊技盤面12上には、入賞したパチンコ球を検出
する始動口センサ48,52,30をそれぞれ有する始
動口50,26,28、キャラクタ体20や開閉可能な
羽根56,24等を有する電動役物装置14、発射され
たパチンコ球を検出する発射センサ60、アウト球を検
出する排出センサ46、その他に一般の入賞口や風車,
釘などが適宜に配置されている。ここで、パチンコ球が
始動口50,26,28に入賞すると羽根56,24を
作動させて大入賞口を開閉する。当該大入賞口は始動口
50,28に入賞した場合には1回開閉し、同様に始動
口26に入賞した場合には2回開閉するようになってい
る。
【0017】続いて電動役物装置14の構成や作動等に
ついて、図3,図4を参照しながら説明する。図3
(A)には電動役物装置の外観を正面図で示し、図3
(B)には図3(A)に示すA−A線矢視の断面図を示
す。図4には一部を破断した電動役物装置を斜視図で示
す。より詳しくは、キャラクタ体20の口部(具体的に
は停留部78)を閉じた閉口姿勢を図4(A)に示し、
当該口部を開けた開口姿勢を図4(B)にそれぞれ示
す。
【0018】図3(A)に示す電動役物装置14は「セ
ンター役物」とも呼ばれ、入賞すると対応する個数の賞
球を払い出す天入賞口88(いわゆる天穴)や、大当た
り遊技における各ラウンドで入賞したパチンコ球PB
(遊技球B)の個数を表示可能な入賞数表示器84、図
柄等を表示可能な図柄表示器86、大当たり遊技におけ
るラウンド数を表示可能なラウンド表示器66、後述す
る停留部78にパチンコ球PBが停留するタイミングや
停留するか否か等を報知(予告)する予告表示器67,
83、大入賞口68,82の開閉を実現するべく矢印D
2,D4方向のそれぞれに往復運動可能な羽根56,2
4、大入賞口68,82からそれぞれに入ったパチンコ
球PBを検出すると通過信号(第2検出信号)を出力す
る入賞センサ58,22、停留部78が開閉可能であっ
て恐竜を模して形成したキャラクタ体20、入ったパチ
ンコ球PBが流下(落下を含む)してキャラクタ体20
に到達可能な棚板80、停留部78に最も近い位置の棚
板80に備えられパチンコ球PBの到達を検出すると到
達信号(第3検出信号)を出力する到達センサ69、大
当たり遊技における次回のラウンドを継続するための入
賞口であってVセンサ54を備えたVゾーン70、天入
賞口88と同様の機能を有する通常入賞口72,74、
Vゾーン70や通常入賞口72,74へパチンコ球PB
が流下し得る誘導板76、停留部78から誘導板76に
通ずる流下通路90等を有する。
【0019】キャラクタ体20の口部を模した停留部7
8は、所定個数(例えば1個または2個以上)のパチン
コ球PBを停留させ得る。また、棚板80および誘導板
76における少なくとも一方の上面には、パチンコ球P
Bの流下方向を変化(または規制)させ得る凹凸を形成
したり、凹凸部材を設けてもよい。
【0020】図3(B)に示す電動役物装置14には、
上記羽根56,24を往復運動させるソレノイド91、
モータ95(例えばパルスモータやサーボモータ等)で
発生させた回転トルクを所定方向(例えば矢印D10に
示す上下方向)の往復運動に変換してキャラクタ体20
の停留部78にトルク伝達するトルク伝達機構92、モ
ータ95の主軸95aに固定した指標部材94によって
当該モータ95の回転(あるいは基準位置)を検出する
回転センサ93、電動役物装置14の室内を照らすラン
プ類96、所定姿勢(例えば開口姿勢)の状態にある停
留部78を検出すると姿勢信号を出力する姿勢センサ9
7、キャラクタ体20の尻尾を模して形成した障害物9
9を所定方向(例えば矢印D12に示す上下方向)に往
復運動させるソレノイド98b等を有する。なお、ソレ
ノイド98bはロッド98aを矢印D14方向に伸縮さ
せることによって障害物99を往復運動させる。
【0021】上記のように構成された電動役物装置14
によれば、パチンコ球PBは例えば図3(A)に示すよ
うに矢印D4に沿って大入賞口82から入る。そして、
Vゾーン70に入賞するルートの一例として、パチンコ
球PBは例えば図3(B)に示すように矢印D8に沿っ
て棚板80,キャラクタ体20の停留部78,誘導板7
6を流下することになる。
【0022】モータ95の主軸95aを回転させると、
トルク伝達機構92を通じてキャラクタ体20の停留部
78を上下方向(矢印D10方向)に運動させることが
できる。この往復運動はモータ95の回転数に依存し、
例えば閉口姿勢から開口姿勢に至るまで第1回転数(例
えば2回転)を要し、開口姿勢から閉口姿勢に至るまで
第2回転数(例えば3回転)を要し、閉口姿勢の状態を
第3回転数(例えば10回転)だけ維持する。回転数に
依存させる構成では、回転速度の高低によってパチンコ
球PBが停留部78に停留可能な期間も伸縮することに
なる。よって停留部78の姿勢は、モータ95を作動さ
せることによって図4(A)に示すような閉口姿勢と、
図4(B)に示すような開口姿勢との間で切り換えられ
る。
【0023】こうして停留部78が閉口姿勢になると図
4(A)に示すようにパチンコ球PBは矢印D16に沿
って流下し易くなり、通常入賞口72(あるいはVゾー
ン70に対して反対側の通常入賞口74)に入り易くな
る。一方、停留部78が開口姿勢になると図4(B)に
示すようにパチンコ球PBが矢印D18に沿って流下し
易くなってVゾーン70に入り易くなるが、往復運動可
能な障害物99の姿勢によってはVゾーン70に入り難
くなる場合もある。
【0024】また、始動口50,26,28のいずれか
に入賞したパチンコ球PBは、対応する始動口の始動口
センサ48,52,30によってそれぞれ検出される。
パチンコ球PBの検出によって羽根24,56と障害物
99が上述した運動パターンに従って作動する。ここ
で、羽根24,56の開閉タイミングと障害物99の運
動タイミング等に応じて、電動役物装置14に入ったパ
チンコ球PBがVゾーン70に入賞できる確率がほぼ1
0%ぐらいになるように調整する。なお、図柄表示器8
6において変動している図柄が所定図柄で停止する期待
度が高くなるにつれて、電動役物装置14に入ったパチ
ンコ球PBがVゾーン70に入賞できる確率が高まるよ
うに設定するとなおよい。こうして、キャラクタ体20
は停留部78や障害物99が作動してパチンコ球PBを
振り分け得る点で可動部材(振分装置)に相当する。
【0025】なお上述した構成において、予告表示器6
7,83は報知手段2に相当し、入賞センサ58,22
は第2検出器5に相当し、棚板80は流下領域6に相当
し、到達センサ69は第3検出器7に相当し、停留部7
8は方向変更手段9a,可動部材9b,流入口に相当
し、回転センサ93,姿勢センサ97は第1検出器8に
相当する。また、図4(B)に示す停留部78の開口姿
勢は遊技者に有利な流下方向(すなわちVゾーン70)
にパチンコ球PBの流下方向を変更し得る第1姿勢に相
当し、図4(A)に示す停留部78の閉口姿勢は遊技者
に不利な流下方向にパチンコ球PBの流下方向を変更し
得る第2姿勢に相当する。また、上述した入賞センサ2
2,58、到達センサ69、回転センサ93、姿勢セン
サ97、排出センサ46、発射センサ60、始動口セン
サ30,48,52、Vセンサ54等の各種センサに
は、接触センサ(例えばマイクロスイッチを含めたスイ
ッチ,タッチパネル,圧力センサ等)や非接触センサ
(例えば近接センサ,光センサ,赤外線センサ等)のい
ずれかを任意に用いる。
【0026】次に、パチンコ機10によるパチンコ遊技
を実現するメイン制御基板100について、その概略構
成を示した図5を参照しながら説明する。このメイン制
御基板100は、例えばパチンコ機10の背面側に設け
られる。図5に示すメイン制御基板100はCPU(プ
ロセッサ)110を中心に構成し、遊技制御プログラ
ム,所要の開閉パターン等のデータを格納するROM1
02、各種の乱数や信号等のデータを格納するRAM1
04、各種の入力装置から送られた信号を受けてメイン
制御基板100内で処理可能なデータ形式に変換する入
力処理回路106、入賞センサ58を通過したパチンコ
球PBが停留部78に到達するのに要する時間(以下
「流下時間」と呼ぶ。)等を計測するタイマー108、
CPU110から送られた作動データを受けて各種の出
力装置を作動させる出力処理回路112、CPU110
から送られた表示データを受けて適宜に発光体への表示
(点灯,点滅を含む。)を制御する表示制御回路11
4、枠制御基板200等に所要の信号を送る通信制御回
路116等を有する。これらの構成要素は、いずれもバ
ス118に互いに結合している。なお、メイン制御基板
100は時間設定手段1,報知手段2に相当する。
【0027】CPU110はROM102に格納された
遊技制御プログラムを実行してパチンコ機10による遊
技を実現するが、当該遊技制御プログラムには後述する
始動口処理等の手続きを実現するためのプログラムをも
含む。ROM102にはEPROMを用い、RAM10
4にはSRAMを用いるが、他種のメモリを任意に用い
てもよい。他種のメモリとしては、EEPROM,DR
AM,フラッシュメモリ等が該当する。入力処理回路1
06が検出信号等を受ける入力装置としては、例えば入
賞センサ22,58、到達センサ69、回転センサ9
3、姿勢センサ97、排出センサ46、発射センサ6
0、始動口センサ30,48,52、Vセンサ54等が
該当する。出力処理回路112が信号を出力する出力装
置としては、例えばモータ95やソレノイド91,98
b等が該当する。表示制御回路114が表示制御する発
光体としては、例えば予告表示器67,83や、ラウン
ド表示器66、図柄表示器86、入賞数表示器84、ラ
ンプ類16等が該当する。通信制御回路116は、必要
に応じてさらにスピーカから出す音を制御する音制御基
板や、パチンコ機やスロットマシン,貸出機,照明機器
等の装置や機器を総括して制御するホールコンピュータ
等に対しても所要のデータを送ることもできる。
【0028】上記のように構成したパチンコ機10にお
いて、本発明を実現するためにメイン制御基板100で
行う手続きについて図6を参照しながら説明する。ここ
で、図6には流下方向報知処理の手続きをフローチャー
トで示す。この手続きは図5に示すメイン制御基板10
0のROM102に格納されている遊技制御プログラム
をCPU110が適当なタイミング(例えば4ミリ秒ご
との周期)で実行することによって実現される。なお大
入賞口82,68は同等に機能するので、説明を簡単に
するために大入賞口82のみを例にして説明する。同様
に入賞センサ58,22は同等に機能するので、説明を
簡単にするために入賞センサ58のみを例にして説明す
る。また図6に示すステップS18は報知手段2を具体
化した手続きであり、同じくステップS26は時間設定
手段1を具体化した手続きである。実際には2個以上の
パチンコ球PBがほぼ同時期に大入賞口82に入る状態
もあり得るが、説明を簡単にするために大入賞口82に
入るパチンコ球PBの数を1個に限定する。
【0029】図6に示す流下方向報知処理では、まず図
3(A)に示す矢印D4のようにパチンコ球PBが大入
賞口82に入ったか否かを判別する〔ステップS1
0〕。具体的には、入賞センサ58から通過信号を受け
たか否かによって判別する。もしパチンコ球PBが大入
賞口82に入らなかったならば(ステップS10のN
O)、流下方法の予測を行う必要もないので流下方向報
知処理を終了する。
【0030】一方、パチンコ球PBが大入賞口82に入
ったならば(ステップS10のYES)、流下時間を測
るためにタイマー108に計測開始信号を伝達して強制
的に計測を始め〔ステップS12〕、必要に応じて停留
部78の姿勢を取得(決定)する〔ステップS14〕。
当該停留部78の姿勢は、図3(B)に示すように停留
部78はモータ95の回転数に依存して姿勢が変化する
点と、開口姿勢になった停留部78を姿勢センサ97が
検出する点とを考慮して取得する。具体的には、停留部
78の開口姿勢を検出した姿勢センサ97が姿勢信号を
出力するので、当該姿勢信号を受けてから回転センサ9
3で検出するモータ95の回転数に基づいて停留部78
の姿勢(すなわち停留可能または停留不能)を決定す
る。
【0031】続いて、大入賞口82に入って入賞センサ
58を通過する際における当該パチンコ球PBの流下方
向を予測し〔ステップS16〕、予測した流下方向を遊
技者3等に予告表示器67,83で報知する〔ステップ
S18〕。パチンコ球PBの流下方向の予測は、ステッ
プS14で取得した停留部78の姿勢に基づいて、パチ
ンコ球PBが入賞センサ58を通過してから停留部78
に到達するまでに流下するのに要する標準時間Tを考慮
して、当該パチンコ球PBが停留部78に到達すると予
想される時点における当該停留部78の姿勢から予測す
る。すなわち、パチンコ球PBが停留部78に到達する
ときに停留部78が停留可能な姿勢(受け入れ可能な状
態;特に開口姿勢)であれば遊技者3に有利な流下方向
と予測し、同じく停留不能な姿勢(受け入れ不能な状
態;特に閉口姿勢)であれば遊技者3に不利な流下方向
と予測する。
【0032】こうして予測したパチンコ球PBの流下方
向を報知する態様やタイミング等は任意である。報知態
様としては、例えば予告表示器67,83の点灯/消灯
の組み合わせや、赤色,緑色等の発光色、点滅パターン
等によって予測結果を報知する。報知を開始するタイミ
ングは、パチンコ球PBが入賞センサ58を通過した時
が最も望ましいが、当該入賞センサ58を通過した後で
あれば停留部78に到達するまでのいつの時点でもよ
い。報知を終了するタイミングは、パチンコ球PBが入
賞センサ58を通過してから一定の報知期間(例えば2
秒間)経過したときや、後続のパチンコ球PBが入賞セ
ンサ58を通過するとき等としてもよい。
【0033】そして、流下するパチンコ球PBが停留部
78に到達することなくVゾーン70や入賞口72,7
4に入賞するか(ステップS20のYES)、あるいは
停留部78に到達するまで(ステップS22のYE
S)、処理を待機する〔ステップS22,S24〕。パ
チンコ球PBがVゾーン70や入賞口72,74に入賞
したか否かは、Vセンサ54等が出力した入賞信号を受
けたか否かによって判別する。同様に、パチンコ球PB
が停留部78に到達したか否かは、到達センサ69が出
力した到達信号を受けたか否かによって判別する。も
し、パチンコ球PBが停留部78に到達することなくV
ゾーン70や入賞口72,74に入賞したならば(ステ
ップS20のYES)、パチンコ球PBが入賞センサ5
8を通過してから停留部78に到達するまでに要した流
下時間が特定できないので、そのまま流下方向報知処理
を終了する。
【0034】一方、パチンコ球PBが停留部78に到達
したならば(ステップS22のYES)、タイマー10
8に計測終了信号を伝達して計測を終えて流下時間を決
定し〔ステップS24〕、決定した流下時間に基づいて
次回以降に参照する標準時間Tを設定し〔ステップS2
6〕、流下方向報知処理を終了する。流下時間に基づい
て設定する標準時間Tは、例えば最初に標準時間Tとし
て設定する基準時間Ta(実験等によって得た平均的な
流下時間)と、計測した一以上の個数からなる流下時間
Te,Tf,…との平均値である。なお単純な平均値に
限らず、移動平均値や加重平均値等で標準時間Tを設定
してもよい。
【0035】次に、上述した流下方向報知処理を実行し
てパチンコ球PBの流下方向を予測して報知する例につ
いてタイムチャートで示す図7を参照しながら説明す
る。なお停留部78にかかる姿勢の変化パターンにおい
て、閉口姿勢から停留限界までの範囲ではパチンコ球P
Bを停留不能な姿勢であり、停留限界から開口姿勢まで
の範囲ではパチンコ球PBを停留可能な姿勢である。
【0036】まず、大入賞口82に入ったパチンコ球P
Bが時刻t10に入賞センサ58を通過すると(ステッ
プS10のYES)、当該入賞センサ58は通過信号を
パルスとして出力し、流下時間の計測を始める(ステッ
プS12)。停留部78は、時刻t10のときには閉口
姿勢であるが(ステップS14)、当該時刻t10から
基準時間Ta{初期の標準時間T}を経過した時刻t1
4には停留可能な姿勢になっていると予測する(ステッ
プS16)。よって時刻t10に入賞センサ58を通過
したパチンコ球PBについて、遊技者3に有利な流下方
向を予告表示器67,83によって報知期間Tdだけ報
知する(ステップS18)。その後、時刻t10に入賞
センサ58を通過したパチンコ球PBが時刻t12に停
留部78に到達すると(ステップS22のYES)、流
下時間の計測を終えて流下時間Teを決定する(ステッ
プS24)。到達センサ69は停留部78の近傍に備え
ているので、実際の計測時間に到達センサ69から停留
部78に移動する時間(例えば0.1秒)を加えたのが
流下時間Teになる。当該流下時間Teと基準時間Ta
との平均値である基準時間Tbを算出し、次回のパチン
コ球PBに備えて標準時間Tとして設定する(ステップ
S26)。
【0037】次に、時刻t16に入賞センサ58を通過
したパチンコ球PBの場合は、時刻t16および当該時
刻t16から基準時間Tb(標準時間T)を経過した時
刻t18のいずれも停留部78が閉口姿勢にある(ステ
ップS14,S16)。よって、このパチンコ球PBに
ついては、遊技者3に不利な流下方向を予告表示器6
7,83によって報知期間Tdだけ報知する(ステップ
S18)。その後にパチンコ球PBが時刻t20に停留
部78に到達すると、流下時間Tfを決定し(ステップ
S22,S24)、基準時間Taと流下時間Te,Tf
との平均値である基準時間Tcを算出し、標準時間Tと
して設定する(ステップS26)。
【0038】さらに、時刻t22に入賞センサ58を通
過したパチンコ球PBの場合は、時刻t22で開口姿勢
にある停留部78が当該時刻t22から基準時間Tc
(標準時間T)を経過した時刻t26には閉口姿勢にな
る(ステップS14,S16)。よって、このパチンコ
球PBについては、遊技者3に不利な流下方向を予告表
示器67,83によって報知期間Tdだけ報知する(ス
テップS18)。その後にパチンコ球PBが停留部78
に到達せずにVゾーン70や入賞口72,74に入賞す
ると(ステップS20のYES)、標準時間Tは基準時
間Tcのままになる。よって、その後に大入賞口82に
入ったパチンコ球PBについては基準時間Tcに基づき
遊技者3に有利/不利の流下方向を予測することにな
る。
【0039】上述した実施の形態1によれば、以下に示
す効果を得ることができる。 (1)パチンコ球PB(遊技球B)が入賞センサ58
(通過領域4)を通過してから停留部78(方向変更手
段9a)に到達するのに要する標準時間Tに基づいて、
パチンコ球PBが入賞センサ58を通過する際において
停留部78による遊技球Bの流下方向を予測して報知す
る予告表示器67,83(報知手段2)を備えた。よっ
て停留部78によって影響を受けるパチンコ球PBの流
下方向を予測して報知するので、特に未熟な遊技者3の
遊技意欲を向上させることができる。 (2)遊技者3に有利な流下方向(例えば図4(B)の
矢印D18に沿う進路)に変更する停留可能な(第1姿
勢)と、遊技者3に不利な流下方向(例えば図4(A)
の矢印D16に沿う進路)に変更する停留不能な(第2
姿勢)との間で切り換える停留部78(可動部材9b)
で構成した。入賞センサ58を通過したパチンコ球PB
が停留部78に到達する際に停留部78が停留可能な姿
勢になっているか停留不能な姿勢になっているかを予告
表示器67,83で報知できる。
【0040】(3)停留部78の姿勢を検出可能な回転
センサ93および姿勢センサ97(第1検出器8)を備
えた。また、これらのセンサによって決定した停留部7
8の姿勢に基づいてパチンコ球PBの流下方向を予測し
て予告表示器67,83で報知する構成とした。規則的
に姿勢が変わる停留部78に限らず、特に不規則に姿勢
が変わる停留部78についても現在の姿勢を検出できる
ので、パチンコ球PBの流下方向をより的確に予測する
ことができる。 (4)パチンコ球PBを検出すると通過信号(第2検出
信号)を出力する入賞センサ58(第2検出器5)を大
入賞口82(通過領域4)に備えた。また、通過信号を
受けてパチンコ球PBが入賞センサ58を通過する際に
おいて停留部78によるパチンコ球PBの流下方向を予
測して予告表示器67,83で報知した。入賞センサ5
8を通過したパチンコ球PBのタイミングが分かるの
で、当該パチンコ球PBの流下方向をより的確に予測す
ることができる。
【0041】(5)停留部78に到達するパチンコ球P
Bを検出すると到達信号(第3検出信号)を出力する到
達センサ69(第3検出器7)と、通過信号を受けてか
ら到達を受けるまでに要した流下時間に基づいて標準時
間Tを設定した(図6のステップS12,S24,S2
6)。入賞センサ58と到達センサ69とを用いること
によって、パチンコ球PBが入賞センサ58を通過して
から停留部78に到達するのに要する実際の流下時間が
分かる。よって当該実際の流下時間に基づいて標準時間
Tを設定することにより、パチンコ球PBの流下方向を
より正確に予測して報知することができる。
【0042】〔実施の形態2〕実施の形態2は実施の形
態1と同様にパチンコ機10に本発明を適用したもので
あって、遊技球の動向にかかわらず当該遊技球の流下方
向を予測して報知する例である。本実施の形態2は図
8,図9を参照しながら説明する。図8にはタイミング
処理の手続きをフローチャートで示す。この手続きは図
5に示すメイン制御基板100のROM102に格納さ
れている遊技制御プログラムをCPU110が適当なタ
イミングで実行することによって実現される。図9には
パチンコ球の流下方向を予告する例をタイムチャートで
示す。なおパチンコ機10の構成等は実施の形態1と同
様であるので、図示および説明を簡単にするために実施
の形態2では実施の形態1と異なる点について説明す
る。よって、実施の形態1に示す要素と同一の要素には
同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】図8に示すタイミング処理は、遊技者3に
有利な流下方向に変更されるか否かのタイミングを予告
表示器67,83で報知する形態を実現する手続きであ
る。まず、図6のステップS14と同様に停留部78の
姿勢を取得し〔ステップS30〕、取得した停留部78
の姿勢に基づいて入賞センサ58を通過する際における
当該パチンコ球PBの流下方向を予測し〔ステップS3
2〕、図6のステップS18と同様に予測した流下方向
を遊技者3等に予告表示器67,83で報知し〔ステッ
プS34〕、タイミング処理を終了する。ステップS3
2におけるパチンコ球PBの流下方向の予測は、ステッ
プS30で取得した停留部78の姿勢に基づいて標準時
間Tを経過した時点における当該停留部78の姿勢から
予測する。すなわち、標準時間Tを経過した時点で停留
部78が停留可能な姿勢であれば遊技者3に有利な流下
方向と予測し、同じく停留不能な姿勢であれば遊技者3
に不利な流下方向と予測する。
【0044】次に、上述したタイミング処理を実行して
パチンコ球PBの流下方向を予測して報知する例につい
てタイムチャートで示す図9を参照しながら説明する。
なお停留部78にかかる姿勢の変化パターンについては
図7の例と同様である。図9の上段に示す停留部78の
姿勢では、時刻t34から時刻t36までの間と時刻t
44から時刻t46までの間とが停留可能な期間であ
り、図示する他の期間は停留不能な期間である。この変
化パターンよりも標準時間Tだけ前に移動させた予測の
変化パターンを中段に示す。予測の変化パターンでは、
時刻t30から時刻t32までの間と時刻t40から時
刻t42までの間とが停留可能な期間になり、図示する
他の期間は停留不能な期間になる。このように標準時間
Tだけ前に移動させることにより、パチンコ球PBが入
賞センサ58を通過する際における停留部78の姿勢を
予測することができる。よって下段に示すように、時刻
t32までの間と時刻t40から時刻t42までの間と
では遊技者3に有利な流下方向を予告表示器67,83
によって予告し、図示する他の期間では遊技者3に不利
な流下方向を予告表示器67,83によって予告する。
例えば時刻t38の時点では、停留部78の姿勢は予測
の変化パターンによれば閉口姿勢であるので(ステップ
S30)、遊技者3に不利な流下方向と予測し(ステッ
プS32)、その予測結果を予告表示器67,83で報
知する(ステップS34)。よって遊技者3に有利/不
利な流下方向を予告できる。
【0045】上述した実施の形態2によれば、以下に示
す効果を得ることができる。 (1)遊技者3に有利/不利となるパチンコ球PBの流
下方向(図4(A)に矢印D16,図4(B)に示す矢
印D18)を予告する構成とした(図8を参照)。した
がって、大入賞口82や入賞センサ58を通過させるパ
チンコ球PBのタイミングが分かるので、遊技に面白味
が増す。 (2)遊技者3に有利な流下方向(例えば図4(B)の
矢印D18に沿う進路)に変更する停留可能な(第1姿
勢)と、遊技者3に不利な流下方向(例えば図4(A)
の矢印D16に沿う進路)に変更する停留不能な(第2
姿勢)との間で切り換える停留部78(可動部材9b)
で構成した。よって遊技者3が望む姿勢にあるときに大
入賞口82や入賞センサ58を通過させるパチンコ球P
Bのタイミングが分かるので、さらに遊技に面白味が増
す。 (3)回転センサ93および姿勢センサ97によって決
定した停留部78の姿勢を取得し、取得した姿勢に基づ
いてパチンコ球PBの流下方向を予測し、予測結果を予
告表示器67,83で報知する構成とした(図8を参
照)。よって停留部78の変化に追従してパチンコ球P
Bの流下方向を的確に予測できる。
【0046】〔他の実施の形態〕上述したパチンコ機1
0(遊技機)であって、他の部分の構造,形状,大き
さ,材質,配置および動作条件等については、上記実施
の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形
態を応用した次の各形態を実施することもできる。 (1)上記各実施の形態では、パチンコ機10に本発明
を適用した。この形態に代えて、パチンコ機以外の他の
遊技機(例えばスロットマシン,アレンジボール機,雀
球遊技機,テレビゲーム機等)であって通過領域,方向
変更手段および流下領域を備えたものにも同様に本発明
を適用することができる。当該他の遊技機であっても、
通過領域を通過した遊技球が方向変更手段に到達するタ
イミングによって遊技球の流下方向がどうなるかを報知
するように構成し得るので、特に未熟な遊技者の遊技意
欲を向上させることができる。
【0047】(2)上記各実施の形態では、方向変更手
段9a(可動部材9b)としてキャラクタ体20の口部
を模した停留部78の往復運動によってパチンコ球PB
の流下方向を変更させる例について本発明を適用した
{図4(A),図4(B)を参照}。この形態に代え
て、パチンコ球PBの流下方向を変更させる他の手段に
ついても同様に本発明を適用することができる。当該他
の手段としては、例えば所要の動きをするキャラクタ体
の一部分(手,腕,足等)や、図1に示すように遊技球
Bを振り分け得る可動部材、羽根や可動翼片等のような
開閉部材、パチンコ球PBが流下可能な通路の少なくと
も一方側を所定方向(例えば上下方向,左右方向,回転
方向等)に傾斜可能に構成した装置などが該当する。ま
た、メイン制御基板100から制御することによりパチ
ンコ球PBの流下方向を変更させ得る部材や装置等に限
らず、パチンコ球PBが接する(あるいは衝突する)こ
とによって後続のパチンコ球PBについて流下方向を変
更させ得る部材や装置等についても同様に適用すること
が可能である。
【0048】(3)上記各実施の形態では、停留部78
を備えた電動役物装置14について本発明を適用した
{図4(A),図4(B)を参照}。この形態に代え
て、図10に示す電動役物装置300について本発明を
適用することも可能である。図10に示す電動役物装置
300は、入賞すると対応する個数の賞球を払い出す天
入賞口338や、パチンコ球PBの流下方向を予測して
報知するLED等の報知ランプ336,340(報知手
段2)、パチンコ球PBの入口302,334と出口3
12,314,324,326とが離れた位置にあって
途中の通路が隠されるワープ通路308,330(流下
領域6)、ワープ通路308,330内を通るパチンコ
球PBを検出可能な通過センサ304,332(通過領
域4,第2検出器5)、ワープ通路308,330内に
備えてパチンコ球PBの流下通路を時系列的に変更可能
な可動部材310,328(方向変更手段9a,可動部
材9b)、中央部に向けて下り傾斜になっておりワープ
通路308,330の出口312,326から出るパチ
ンコ球PBを誘導する誘導路316、中央部に備えた凹
部322に向けて下り傾斜になっておりワープ通路30
8,330の出口314,324から出るパチンコ球P
Bを誘導する誘導路318、図柄を表示可能な図柄表示
器306(液晶表示器等)などを備える。
【0049】上記誘導路316と誘導路318は階段状
に備えるとともに、電動役物装置300の下方には入賞
口320を設ける。ワープ通路308,330の入口3
02,334から入ったパチンコ球PBは矢印D24,
D20に沿って流下し、矢印D26,D22方向に往復
運動可能な可動部材310,328の姿勢によっては出
口312,326から出たり、あるいは出口314,3
24から出たりする。誘導路318に流下したパチンコ
球PBは凹部322を経て入賞口320に入賞し易くな
るので、誘導路318は遊技者に有利な流下方向に相当
し、誘導路316は遊技者に不利な流下方向に相当す
る。上記のように構成した電動役物装置300によれ
ば、通過センサ304,332を通過したパチンコ球P
Bが可動部材310,328に到達する際に、当該パチ
ンコ球PBが誘導路316に流下する姿勢か、あるいは
誘導路318に流下する姿勢かを予測して報知ランプ3
36,340等で報知することができる。
【0050】(4)上記各実施の形態で用いた各種の部
材や装置等に代えて、以下に示す部材や装置等を用いて
もよい。これらの部材や装置等を用いた場合であって
も、各実施の形態による効果を得ることができる。 (4a)通過領域4として大入賞口68,82(より具
体的には入賞センサ22,58)を適用したが、他のゲ
ート,入賞口,入賞センサ等を適用してもよい。 (4b)流下領域6として棚板80を適用したが、通過
領域4から停留部78までの間に備えることが可能な任
意の通路等の部材を適用してもよい。 (4c)遊技球の流下方向を報知する報知手段2として
予告表示器67,83を適用したが、液晶表示器等のよ
うな図柄が表示可能な表示装置を用いて図柄によって報
知したり、スピーカ等を用いて音(音楽や効果音,音声
等)によって報知したり、振動体を用いて遊技者3が触
れるハンドルや遊技者3が座る椅子などの任意の部材を
振動させることにより報知してもよい。さらには上述し
た報知態様のうち、二以上の態様を任意に組み合わせて
報知してもよい。 (4d)流下時間等を計測する手段としてハードウェア
タイマーによるタイマー108を用いたが、ソフトウェ
アによるカウンタを用いてもよい。
【0051】(5)上記(4c)における音で報知する
態様について、例えば特別遊技中等でBGMを鳴らす場
合には以下のように構成するのが望ましい。なお、報知
音には遊技球の流下方向を報知する際に出す音に限ら
ず、入賞口等に入賞する際に出す音(入賞音)や、ゲー
ト等を通過する際に出す音(通過音)などを含む。ま
た、BGMには音楽に限らず、ビープ音等のような単音
からなる場合も含む。 (5a)メイン制御基板からの指令信号を受けて作動可
能な音制御基板は、従来は音の出力チャネルが少なく、
同時に発生可能な音源の数も制限されていた。よって報
知音を鳴らす際にはBGMを一時的に停止する必要があ
り、そのためにBGMがコマ切れになって聞きづらくな
っていた。一方、コマ切れにならないようにBGMを連
続して鳴らす場合において、当該BGMの音量と報知音
の音量とを同じにしたのでは、遊技者が報知音を聞き逃
し易くなる。報知音は遊技者に現在の遊技状態を伝達す
るために重要な情報源の一つであるので、遊技者に認識
し易く構成する必要があった。
【0052】(5b)BGMよりも報知音を認識し易く
するには、いつもBGMの音量を小さくし、かつ報知音
の音量を大きくする構成が考えられる。ところが、BG
Mの音量を小さくすると、遊技球の発射音や遊技盤面上
で飛び跳ねる音等のようなノイズによってかき消されて
しまい、せっかくのBGMを楽しむことができない。そ
のため、BGMであっても一定量の音量を必要とする。
その他、遊技球を検出したり、所要の遊技状態に達した
とき等に報知音を鳴らすことが多く、こうした事象はラ
ンダムに発生し得る。よってランダムに鳴らす報知音
と、連続的に鳴らすBGMとの調和を図る必要がある。
言い換えれば、BGMの聞き易さを損なうことなく、報
知音を認識し易くする必要がある。 (5c)よって報知音を出すタイミングに達するとBG
Mの音量を一時的に下げ、BGMの音量が小さい間に当
該BGMよりも大きな音量で報知音を鳴らし、報知音を
鳴らした後はBGMの音量を元の音量に上げる構成とす
るのが望ましい。例えば図11に示すように、パチンコ
球の入賞や通過を検出センサが時刻t50に検出する
と、実線で示すBGMの音量を時刻t50から時刻t5
6まで一時的に下げる。この間における時刻t52から
時刻t54までに一点鎖線で示す報知音を鳴らす。そし
て、時刻t56以後は元の音量でBGMを鳴らす。こう
すればBGMの聞き易さを損なうことなく、報知音を容
易に認識することができる。
【0053】(5d)上記構成において、さらに以下の
構成や制限等を付加してもよい。 BGMの音量を急激に変化させると、音揺れのような
違和感がある。この違和感を解消するには、音量の変化
率を一定率(例えば30%)以下に制限する。 BGMがメロディーを奏でている際に、当該メロディ
ーなす音符に基づいて出す音の途中でBGMの音量を変
化させたり報知音を鳴らすのは聞きづらくて違和感があ
る。この違和感を解消するには、休符(音符の切れ目)
のときにBGMの音量を変化させたり報知音を鳴らすよ
うに構成する。 遊技状態や遊技の種類等によっては、報知音よりもB
GMのほうを大きく鳴らすほうが効果的な場合がある。
こうした効果を確実に奏するには、音制御基板側で鳴ら
す音のそれぞれに優先度を持たせ、その優先度に応じて
音量を調整可能に構成する。例えば報知音の優先度が高
いときはBGMの音量を比較的大きく変化させ、逆に報
知音の優先度が低いときはBGMの音量を比較的小さく
変化させる。メイン制御基板側では音の優先度に関わら
ず指令信号を音制御基板に伝達することにより実現でき
るので、プログラム開発等の工数を抑えることができ
る。 特定の遊技(例えば特別遊技)が複数のラウンドから
なる場合において、特定のラウンド(例えば最終ラウン
ド)の全部または一部ではBGMの音量を変化させても
効果が低い場合がある。このような場合にはBGMの音
量の変化率を低くする構成としたり、BGMの音量を変
化させないように構成する。 二以上の音を同時に発生可能な音源を用いてBGMを
鳴らす構成とした場合には、音量を変化させる構成に代
えて発生音の数を変化させる構成としてもよい。例えば
通常時のBGMでは三音以上(例えば和音)で音を出
し、報知音を鳴らす際には単音等で音を出す。この場合
でも報知音が聞き易くなる。
【0054】
【他の発明の態様】以上、本発明の実施の形態について
説明したが、この実施の形態には特許請求の範囲に記載
した発明の態様のみならず他の発明の態様を有するもの
である。この発明の態様を以下に列挙するとともに、必
要に応じて関連説明を行う。
【0055】〔態様1〕 遊技球が通過可能な通過領域
と、その通過領域を通過した前記遊技球が流下可能な流
下領域と、その流下領域に設けられ前記遊技球を受け入
れ可能な状態と受け入れ不能な状態との間で切り換え可
能な流入口とを備えた遊技機であって、前記遊技球が前
記通過領域を通過してから前記流入口に到達するのに要
する標準時間に基づいて、前記遊技球が前記通過領域を
通過する際において前記流入口による前記遊技球の受け
入れ可否を予測して報知する報知手段を有する遊技機。 〔態様1の関連説明〕 本態様によれば、遊技球Bが通
過領域4を通過してから流入口に到達するのに要する標
準時間Tに基づいて遊技球Bが通過領域4を通過する際
において流入口による遊技球Bの受け入れ可否を予測し
て報知する報知手段2を備える。よって遊技球Bの受け
入れ可否を予測して報知するので、特に未熟な遊技者3
の遊技意欲を向上させることができる。
【0056】〔態様2〕 態様1に記載した遊技機であ
って、遊技者に有利な流下通路または前記遊技者に不利
な流下通路を流入口に接続する構成とした遊技機。 〔態様2の関連説明〕 本態様によれば、流入口(停留
部78)から誘導板76に通ずる遊技者に有利な流下通
路90を備えて、Vゾーン70に入賞しやすくした。よ
って遊技者3が望む流入口の状態にあるときに通過領域
4を通過させる遊技球Bのタイミングが分かるので、さ
らに遊技に面白味が増す。
【0057】〔態様3〕 態様1または2に記載した遊
技機であって、遊技球を検出すると第2検出信号を出力
する第2検出器を通過領域に備え、報知手段は前記第2
検出信号を受けて、前記遊技球が前記通過領域を通過す
る際において流入口による前記遊技球の受け入れ可否を
予測して報知する遊技機。 〔態様3の関連説明〕 本態様によれば、規則的に受け
入れ可否の状態が変わる流入口に限らず、特に不規則に
受け入れ可否の状態が変わる流入口についても現在の状
態を第1検出器8によって検出できるので、遊技球Bの
受け入れ可否をより的確に予測して報知できる。
【0058】〔態様4〕 態様3に記載した遊技機であ
って、流入口に到達する遊技球を検出すると第3検出信
号を出力する第3検出器と、第2検出信号を受けてから
前記第3検出信号を受けるまでに要した時間に基づいて
標準時間を設定する時間設定手段とを有する遊技機。 〔態様4の関連説明〕 本態様によれば、第2検出器5
と第3検出器7とを用いることによって、遊技球Bが通
過領域4を通過してから流入口に到達するのに要する実
際の時間が分かる。よって当該実際の時間に基づいて標
準時間Tを設定することにより、遊技球Bの受け入れ可
否をより正確に予測して報知できる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、通過領域を通過した遊
技球が方向変更手段に到達するタイミングによって遊技
球の流下方向がどうなるかを報知するように構成したの
で、特に未熟な遊技者の遊技意欲を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示す模式図である。
【図2】パチンコ機の外観を示す正面図である。
【図3】電動役物装置を示す正面図と断面図である。
【図4】一部を破断した電動役物装置を示す斜視図であ
る。
【図5】メイン制御基板の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図6】流下方向報知処理を示すフローチャートであ
る。
【図7】パチンコ球の流下方向を予測して報知を行うタ
イムチャートである。
【図8】タイミング処理を示すフローチャートである。
【図9】パチンコ球の流下方向を予告するタイムチャー
トである。
【図10】他の電動役物装置を示す正面図である。
【図11】BGMと報知音について音量の変化を示すタ
イムチャートである。
【符号の説明】
1 時間設定手段 2 報知手段 3 遊技者 4 通過領域 5 第2検出器 6 流下領域 7 第3検出器 8 第1検出器 9a 方向変更手段 9b 可動部材 10 パチンコ機(遊技機) 14 電動役物装置 20 キャラクタ体 22,58 入賞センサ(通過領域,第2検出器) 67,83 予告表示器(報知手段) 68,82 大入賞口(通過領域) 69 到達センサ(第3検出器) 78 停留部(方向変更手段,可動部材) 80 棚板(流下領域) 93 回転センサ(第1検出器) 97 姿勢センサ(第1検出器) 100 メイン制御基板(時間設定手段,報知手段) 102 ROM 104 RAM 110 CPU 200 枠制御基板 300 電動役物装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技球が通過可能な通過領域と、前記通
    過領域を通過した前記遊技球の流下方向を時系列的に変
    更可能な方向変更手段と、前記通過領域を通過した前記
    遊技球が前記方向変更手段に流下可能な流下領域とを備
    えた遊技機であって、 前記遊技球が前記通過領域を通過してから前記方向変更
    手段に到達するのに要する標準時間に基づいて、前記遊
    技球が前記通過領域を通過する際において前記方向変更
    手段による前記遊技球の流下方向を予測して報知する報
    知手段を有する遊技機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した遊技機であって、 方向変更手段は、遊技者に有利な流下方向に変更可能な
    第1姿勢と前記遊技者に不利な流下方向に変更可能な第
    2姿勢との間で切り換え可能な可動部材で構成した遊技
    機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した遊技機であって、 可動部材の姿勢を検出可能な第1検出器を備え、 報知手段は前記第1検出器によって検出した前記可動部
    材の姿勢に基づいて、遊技球が通過領域を通過する際に
    おいて前記方向変更手段による前記遊技球の流下方向を
    予測して報知する遊技機。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項に記載し
    た遊技機であって、 遊技球を検出すると第2検出信号を出力する第2検出器
    を通過領域に備え、 報知手段は前記第2検出信号を受けて、方向変更手段に
    よる前記遊技球の流下方向を予測して報知する遊技機。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した遊技機であって、 方向変更手段に到達する遊技球を検出すると第3検出信
    号を出力する第3検出器と、 第2検出信号を受けてから前記第3検出信号を受けるま
    でに要した時間に基づいて標準時間を設定する時間設定
    手段とを有する遊技機。
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