(第1の実施形態)
以下、本発明をその一種である第2種に分類されるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した第1の実施形態を図1〜図14に基づき説明する。第2種に分類されるパチンコ機は、遊技球が始動入賞口へ入賞すると、開閉羽根(開閉翼)が開動作して入賞装置を開放する補助遊技が生起され、当該補助遊技中に入賞装置に流入した遊技球が特別入賞口へ入賞すると特別遊技が生起されるパチンコ機であり、「羽根モノ」,「ヒコーキタイプ」とも言われている。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく発光演出を行う装飾ランプ16が配設されている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく音声演出を行う報知手段としてのスピーカ(音声装置)17が配設されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
また、遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、入賞装置20が配設されている。また、入賞装置20の下方には、始動入賞口21,22,23が配設されている。前記各始動入賞口21〜23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動入賞口スイッチSW1,SW2,SW3(図5に示す)が設けられている。そして、前記各始動入賞口21〜23は、入賞した遊技球の検知を契機に入賞装置20を開放する前記補助遊技の始動条件を付与し得る。本実施形態では、始動入賞口21と始動入賞口スイッチSW1、始動入賞口22と始動入賞口スイッチSW2、及び始動入賞口23と始動入賞口スイッチSW3によって夫々始動検知手段を構成している。
次に、入賞装置20の構成について図2〜図4に基づき詳しく説明する。
前記入賞装置20は、当該入賞装置20を遊技盤13に取り付けるための取付基板24を備えている。取付基板24には、入賞装置20の入賞空間25を形成する筐体26が取着されている。筐体26には、上球受板27、中球受板28及び下球受板29が設けられている。また、筐体26には、入賞装置20内に配設された各種の可動装置の駆動源となる各種のアクチュエータ(ソレノイドSL1,SL2,SL3、モータMT1,MT2)が装着されている。
上球受板27の左右両側には、左右一対の開閉羽根(開閉部材)30,31が取り付けられている。開閉羽根30,31にはソレノイドSL1,SL2(図3、図5に示す)が連結されており、開閉羽根30,31はソレノイドSL1,SL2の励磁及び消磁によって開閉動作(開動作と閉動作)するようになっている。開閉羽根30,31の開動作は、閉状態(図2に二点鎖線で示す)から開状態(図2に実線で示す)を取り得る動作であり、開閉羽根30,31の開動作によって入賞装置20が開放されると、遊技盤13に発射された遊技球Bが入賞装置20に流入可能な状態となる。一方、開閉羽根30,31の閉動作は、開状態から閉状態を取り得る動作であり、開閉羽根30,31の閉動作によって入賞装置20が閉鎖されるようになっている。従って、開閉羽根30,31は、閉状態→開状態→閉状態を取り得るように動作すると、1回の開閉動作を行ったことになる。また、上球受板27には、開閉羽根30,31の近傍にカウントスイッチ(遊技球検知手段)SW4,SW5が配設されており、該カウントスイッチSW4,SW5は入賞装置20に流入した遊技球Bを検知する。そして、このカウントスイッチSW4,SW5で遊技球Bが検知されると、所定個数(例えば10個)の賞球が払出されるようになっている。また、カウントスイッチSW4,SW5で遊技球Bが検知されると、所定の検知音(報知音)がスピーカ17から出力(報知)されるようになっている。また、上球受板27の上方には、所定の表示演出を行う表示装置32が設けられている。
また、中球受板28は、カウントスイッチSW4,SW5で通過検知されて落下した遊技球Bを受け入れ、当該遊技球Bを入賞装置20の後方に向かって案内するようになっている。そして、中球受板28の後方であって、左右両側には、前記中球受板28で案内された遊技球Bを受け入れ、当該遊技球Bを入賞装置20の後方に向かってさらに案内する球通路33,34が設けられている(図3)。また、筐体26には、球通路33,34で案内された遊技球Bを受け入れ、当該遊技球Bを下球受板29の中央に向かって案内する球通路35,36が設けられている(図3、図4)。
また、中球受板28の後方であって、球通路33,34の間には、左右一対の翼部材(可動部材)37,38を有するキャラクタ体39が設けられている。前記翼部材37,38にはソレノイドSL3(図3、図5)が連結されており、翼部材37,38はソレノイドSL3の励磁及び消磁によって開閉動作(開動作と閉動作)するようになっている。翼部材37,38の開動作は、閉状態(図3(b))から開状態(図3(a))を取り得る動作であり、この動作によって翼部材37,38が広げられるようになっている。翼部材37,38が広げられると、翼部材37は中球受板28の後側であって球通路33の右側に位置すると共に翼部材38は中球受板28の後側であって球通路34の左側に位置し、中球受板28を後方に向かって直線的に転動する遊技球Bを球通路33,34側に導くようになっている。即ち、翼部材37,38は、壁の役割を果たし、当該翼部材37,38によって転動方向が変化した遊技球Bが球通路33,34側へ導かれるようになっている。一方、翼部材37,38の閉動作は、開状態から閉状態を取り得る動作であり、この動作によって翼部材37,38が閉じられるようになっている。翼部材37,38が閉じられると、中球受板28を後方に向かって直線的に転動した遊技球Bの転動方向が変化することなく、遊技球Bは中球受板28の後方から下球受板29に向かって落下するようになっている。以下、遊技球Bを中球受板28→球通路33→球通路35、又は中球受板28→球通路34→球通路36の順に案内する経路を第1経路と示し、遊技球Bが中球受板28から直接下球受板29に落下する経路を第2経路と示す。そして、キャラクタ体39は、翼部材37,38の動作によって、中球受板28で案内された遊技球Bを、第1経路及び第2経路の何れかの経路に振分ける振分け部材として機能する。なお、本実施形態では、カウントスイッチSW4,SW5で検知された遊技球Bが翼部材37,38付近(中球受板28の後方)に到達する迄のタイムラグを短くするように、カウントスイッチSW4,SW5と翼部材37,38が近傍(近い所)に配設されている。
また、下球受板29は、前記第1経路又は第2経路で案内された遊技球Bを受け入れ、当該遊技球Bを入賞装置20の前方に向かって案内するようになっている。下球受板29の前方には、特別入賞口(V入賞口)40と、当該特別入賞口40の両サイドに普通入賞口41が設けられている。特別入賞口40は、入賞した遊技球Bを入賞装置20の後方に案内し得るように通路状をなす揺動部材40aに設けられている。そして、揺動部材40aの奥方には、入賞した遊技球Bを検知する特別入賞口スイッチSW6が設けられている(図5)。また、揺動部材40aにはモータMT1(図5)が連結されており、当該モータMT1の回転によって、揺動部材40aが左右方向に揺動動作すると、当該動作に連動して特別入賞口40も左右方向に揺動動作するようになっている。本実施形態では、特別入賞口40と特別入賞口スイッチSW6によって特別検知手段を構成している。
また、下球受板29には、球通路35,36で案内された遊技球Bを受け入れ可能な凹溝42が設けられている(図4)。また、下球受板29には、凹溝42から受け入れた遊技球Bを入賞装置20の前方(特別入賞口40)に向かって案内する案内部材43が設けられている。案内部材43は、下球受板29に形成された収納溝44内に配置されている。そして、案内部材43にはモータMT2(図5)が連結されており、当該モータMT2の回転によって、案内部材43は案内方向上流側を基点として上下動作(上動作と下動作)するようになっている。案内部材43が上動作すると(図4(a))、当該案内部材43は後傾状態を取り得るように収納溝44の上端部よりも上方に配置される。一方、案内部材43が下動作すると(図4(b))、当該案内部材43は前傾状態を取り得るように収納溝44の底部側に配置される。
また、凹溝42と案内部材43との間には、凹溝42に入り込んだ遊技球Bを当該凹溝42で停留させるための停留部材45が出没可能に設けられている。停留部材45は突起状に形成されている。停留部材45にはモータMT2(図5に示す)が連結されており、当該モータMT2の回転によって、停留部材45は出没動作(出動作と没動作)するようになっている。なお、凹溝42は、1個の遊技球Bを停留できるように形成されている。
このように構成されたパチンコ機10では、始動入賞口21〜23への遊技球Bの入賞を契機に、開閉羽根30,31が所定の回数だけ開閉動作し、入賞装置20を開放する補助遊技が生起されるようになっている。補助遊技では、入賞装置20を開放し、当該入賞装置20に遊技球Bを流入し易くして特別遊技(大当り)を生起させるチャンスを遊技者に付与するようになっている。本実施形態では、始動入賞口21,22に遊技球Bが入賞すると、開閉羽根30,31を第1の開パターン(本実施形態では、1回の開閉動作)に基づいて開閉動作させるようになっている。また、始動入賞口23に遊技球Bが入賞すると、開閉羽根30,31を前記第1の開パターンよりも有利な第2の開パターン(本実施形態では、間欠的に2回の開閉動作)に基づいて開閉動作させるようになっている。
そして、補助遊技中に入賞装置20に流入した遊技球Bが特別入賞口40に入賞して検知されると、特別遊技(大当り)が生起されるようになっている。特別遊技は、所定回数(例えば、15回(最高継続回数))のサイクル遊技(ラウンド遊技)からなり、多数の賞球を獲得できるチャンスを遊技者に付与するようになっている。サイクル遊技では、第1の開パターン及び第2の開パターンよりも有利な第3の開パターンに基づいて、所定の回数だけ開閉羽根30,31が開閉動作するまでの間、又は所定個数の遊技球Bが入賞装置20に流入するまでの間、開閉羽根30,31が繰り返し開閉動作するようになっている。本実施形態では、前記所定の回数として18回が設定されており、前記所定個数として10個が設定されている。そして、サイクル遊技中に所定の継続条件(特別入賞口40に遊技球Bが入賞)が成立すると、次のサイクル遊技が継続して行われるようになっている。即ち、特別遊技では、サイクル遊技中に継続条件が成立する毎に、予め定めた最高継続回数の範囲内でサイクル遊技が継続し、繰り返し行われるようになっている。なお、サイクル遊技中に前記継続条件が成立しなかった場合には、次のサイクル遊技が開始することなく特別遊技が終了する。また、サイクル遊技中に前記継続条件が成立した場合には、当該サイクル遊技が終了し、次のサイクル遊技が行われるようになっている。従って、特別遊技では、継続して行われるサイクル遊技の回数が多くなる程、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
本実施形態において、特別入賞口40(揺動部材40a)は、特別遊技中以外(補助遊技中、当該補助遊技も生起されていない通常遊技中)、常に、揺動動作するように制御されている。この揺動動作において特別入賞口40(揺動部材40a)は、当該特別入賞口40と案内部材43が直線状に配列された位置で一旦停止するようになっている。そのため、翼部材37,38によって前記第1経路に振分けられ、当該第1経路から案内部材43に受け入れられて真っ直ぐに転動案内された遊技球Bは、特別入賞口40に入賞する割合が高くなっている。従って、翼部材37,38は、開状態の場合に第1経路に遊技球Bを振分け、特別入賞口40に遊技球Bを導き易い動作状態を取り得ていることになる。一方で、翼部材37,38は、閉状態の場合に第2経路に遊技球Bを振分け、特別入賞口40に遊技球Bを導き難い動作状態を取り得ていることになる。
そして、本実施形態のパチンコ機10は、補助遊技が生起され、入賞装置20に流入した遊技球BがカウントスイッチSW4,SW5で検知された際、翼部材37,38の動作状態に応じて異なる検知音を出力するように構成されている。具体的に言えば、翼部材37,38が、特別入賞口40に遊技球Bを導き易い動作状態(開状態)を取り得ている場合と、特別入賞口40に遊技球Bを導き難い動作状態(閉状態)を取り得ている場合とで異なる検知音を出力するように構成されている。
以下、本実施形態におけるパチンコ機10の制御構成を図5〜図14に基づき詳しく説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板50が装着されている。主制御基板50は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、表示装置32を制御する表示制御基板51、装飾ランプ16を制御するランプ制御基板52、及びスピーカ17を制御する音声制御基板53が装着されている。前記各制御基板51〜53は、主制御基板50が出力した各種の制御信号(制御コマンド)を入力し、該制御信号(制御コマンド)に基づいて所定の制御を実行する。
以下、主制御基板50と音声制御基板53の構成及び処理を中心に説明する。
主制御基板50は、メインCPU50aを備えており、該メインCPU50aにはROM50b及びRAM50cが接続されている。ROM50bには、パチンコ機10を制御するための各種制御プログラム及び各種演出パターン等が記憶されている。また、RAM50cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されている。また、主制御基板50(メインCPU50a)には、前記各スイッチSW1〜SW6、各ソレノイドSL1〜SL3、及び各モータMT1、MT2が接続されている。そして、メインCPU50aは、前記各スイッチSW1〜SW6からの検知信号を入力し、補助遊技及び特別遊技(各サイクル遊技)を制御する。また、メインCPU50aは、開閉羽根30,31、キャラクタ体39の翼部材37,38、特別入賞口40(揺動部材40a)、案内部材43、及び停留部材45が所定の動作状態を取り得るように前記各ソレノイドSL1〜SL3及び各モータMT1,MT2を制御する。
また、音声制御基板53は、サブCPU53aを備えており、該サブCPU53aにはROM53b及びRAM53cが接続されている。ROM53bには、前記各種演出パターンに応じた音声演出を行うための制御プログラム及び制御データが記憶されている。また、RAM53cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、主制御基板50のメインCPU50aが実行する処理について、図6に示すタイミングチャート及び図7〜図11に示すフローチャートに基づき説明する。図7には補助遊技を生起させるための始動口入賞処理が、図8には入賞装置20に流入した遊技球Bを検知するためのカウントスイッチ処理(以下、「カウントSW処理」と示す)が示されている。また、図9には始動入賞口21,22への遊技球Bの入賞により生起された補助遊技を制御するための開放パターン1処理が、図10には始動入賞口23への遊技球Bの入賞により生起された補助遊技を制御するための開放パターン2処理が、図11には、補助遊技中に特別入賞口40へ入賞した遊技球Bを検知するための特別入賞処理が示されている。また、主制御基板50のRAM50cには、特別遊技中であるか否かを示す大当フラグBF、始動入賞口21〜23への入賞を無効とするか否かを示す始動口無効フラグUSFが設定される。また、RAM50cには、始動入賞口21,22への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起されたか否かを示す開放パターン1フラグP1F、及び始動入賞口23への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起されたか否かを示す開放パターン2フラグP2Fが設定される。
最初に、始動口入賞処理について図7に基づき説明する。
メインCPU50aは、大当フラグBFが「OFF」であるか否か(遊技状態が特別遊技状態でないか否か)を判定する(ステップS10)。この判定結果が否定(ON)の場合、特別遊技中であることから、メインCPU50aは始動口入賞処理を終了する。一方、ステップS10の判定結果が肯定(OFF)の場合、特別遊技中ではないことから、始動口無効フラグUSFが「OFF」であるか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果が否定(ON)の場合、遊技球Bの始動入賞口21〜23への入賞は無効であることから、メインCPU50aは始動口入賞処理を終了する。
また、ステップS11の判定結果が肯定(OFF)の場合、遊技球Bの始動入賞口21〜23への入賞は有効であることから、メインCPU50aは、始動入賞口スイッチSW1又は始動入賞口スイッチSW2の検知信号を入力したか(ON)否か(OFF)を判定する(ステップS12)。即ち、メインCPU50aは、始動入賞口21又は始動入賞口22に遊技球Bが入賞したか否かを判定する。そして、ステップS12の判定結果が肯定(ON)の場合、メインCPU50aは、第1の開パターンに基づき開閉羽根30,31が開閉動作する補助遊技を生起させることから開放パターン1フラグP1Fを「ON」に設定し、有効時間Yの計測を開始する(ステップS13)。前記有効時間Yとは、カウントスイッチSW4,SW5及び特別入賞口スイッチSW6の遊技球Bの検知が有効となる時間であり、前記有効時間Yが計測されている間、前記各スイッチSW4〜SW6における遊技球Bの検知が有効となる。なお、始動入賞口21,22へ遊技球Bが入賞して補助遊技が生起された場合と始動入賞口23へ遊技球Bが入賞して補助遊技が生起された場合では、異なる時間が計測されるようになっている。続いて、メインCPU50aは、開放パターン1フラグP1Fを「ON」に設定したことから、始動入賞口21,22への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起されることを示す始動口1コマンドS1Cを各制御基板51〜53に出力する(ステップS14)。また、メインCPU50aは、補助遊技が生起されることから、始動入賞口21〜23への遊技球Bの入賞を無効とするように始動口無効フラグUSFを「ON」に設定する(ステップS15)。その後、メインCPU50aは始動口入賞処理を終了する。
一方、ステップS12の判定結果が否定(OFF)の場合、メインCPU50aは、始動入賞口スイッチSW3の検知信号を入力したか(ON)否か(OFF)を判定する(ステップS16)。即ち、メインCPU50aは、始動入賞口23に遊技球Bが入賞したか否かを判定する。そして、ステップS16の判定結果が否定(OFF)の場合、メインCPU50aは始動口入賞処理を終了する。また、ステップS16の判定結果が肯定(ON)の場合、メインCPU50aは、第2の開パターンに基づき開閉羽根30,31が開閉動作する補助遊技を生起させることから開放パターン2フラグP2Fを「ON」に設定し、有効時間Yの計測を開始する(ステップS17)。続いて、メインCPU50aは、開放パターン2フラグP2Fを「ON」に設定したことから、始動入賞口23への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起されることを示す始動口2コマンドS2Cを各制御基板51〜53に出力し(ステップS18)、ステップS15に移行する。その後、メインCPU50aは始動口入賞処理を終了する。
前記ステップS13において開放パターン1フラグP1Fを「ON」に設定したメインCPU50aは、開閉羽根30,31及びキャラクタ体39の翼部材37,38の動作を図6(a)に示すように制御する。即ち、メインCPU50aは、始動入賞口スイッチSW1又は始動入賞口スイッチSW2が遊技球Bを検知してから時間T1Aの経過後にソレノイドSL1,SL2を励磁し、開閉羽根30,31を開動作させる。そして、メインCPU50aは、時間T1Bの経過後にソレノイドSL1,SL2を消磁し、開閉羽根30,31を閉動作させる。また、メインCPU50aは、始動入賞口スイッチSW1又は始動入賞口スイッチSW2が遊技球Bを検知してから時間T11(<時間T1A)の経過後にソレノイドSL3を励磁し、翼部材37,38を開動作させる。そして、メインCPU50aは、時間T12の経過後にソレノイドSL3を消磁し、翼部材37,38を閉動作させる。なお、本実施形態では、図6(a)に示すように、開閉羽根30,31が閉動作した後、翼部材37,38が閉動作するように設定されている。
従って、このように開閉羽根30,31及び翼部材37,38の動作が制御された場合、入賞装置20が開放された時点において翼部材37,38が開状態を取り得ていることになる。なお、始動入賞口21,22への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起された場合、図6(a)に示す時間T1A、時間T1Bと時間T1Cを加算した時間(補助遊技時間TS12)が経過する迄の間、前記各スイッチSW4〜SW6における遊技球Bの検知が有効となる。また、図6(a)に示す時間T1Aと時間T1Bを加算した時間(入賞無効時間TS11)が経過する迄の間、始動入賞口21〜23への遊技球Bの入賞が無効となる。
一方、ステップS17において開放パターン2フラグP2Fを「ON」に設定したメインCPU50aは、開閉羽根30,31及びキャラクタ体39の翼部材37,38の動作を図6(b)に示すように制御する。即ち、メインCPU50aは、始動入賞口スイッチSW3が遊技球Bを検知してから時間T2Aの経過後にソレノイドSL1,SL2を励磁し、開閉羽根30,31を開動作させる。そして、メインCPU50aは、時間T2Bの経過後にソレノイドSL1,SL2を消磁し、開閉羽根30,31を閉動作させる。さらに、メインCPU50aは、時間T2Cの経過後にソレノイドSL1,SL2を再び励磁し、開閉羽根30,31を開動作させる。そして、メインCPU50aは、時間T2D(=時間T2B)の経過後にソレノイドSL1,SL2を再び消磁し、開閉羽根30,31を閉動作させる。
また、メインCPU50aは、始動入賞口スイッチSW3が遊技球Bを検知してから時間T21(<時間T2A)の経過後にソレノイドSL3を励磁し、翼部材37,38を開動作させる。そして、メインCPU50aは、時間T22の経過後にソレノイドSL3を消磁し、翼部材37,38を閉動作させる。さらに、メインCPU50aは、時間T23の経過後にソレノイドSL3を再び励磁し、翼部材37,38を開動作させる。そして、メインCPU50aは、時間T24の経過後にソレノイドSL3を再び消磁し、翼部材37,38を閉動作させる。なお、本実施形態では、図6(b)に示すように、開閉羽根30,31が閉動作した後、翼部材37,38が閉動作するように設定されている。
従って、このように開閉羽根30,31及び翼部材37,38の動作が制御された場合、入賞装置20が開放された時点において翼部材37,38が開状態を取り得ていることになる。なお、始動入賞口23への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起された場合、図6(b)に示す時間T2A、時間T2B、時間T2C、時間T2Dと時間T2Eを加算した時間(補助遊技時間TS22(>補助遊技時間TS12))が経過する迄の間、前記各スイッチSW4〜SW6における遊技球Bの検知が有効となる。また、図6(b)に示す時間T2A、時間T2B、時間T2Cと時間T2Dを加算した時間(入賞無効時間TS21(>入賞無効時間TS11))が経過する迄の間、始動入賞口21〜23への遊技球Bの入賞が無効となる。
次に、カウントSW処理について図8に基づき説明する。
メインCPU50aは、カウントスイッチSW4又はカウントスイッチSW5の検知信号を入力したか(ON)否か(OFF)を判定する(ステップS20)。この判定結果が否定(OFF)の場合、メインCPU50aはカウントSW処理を終了する。一方、ステップS20の判定結果が肯定(ON)の場合、メインCPU50aは、有効時間Yが計測されているか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果が否定(有効時間Y=0)の場合、メインCPU50aはカウントSW処理を終了する。また、ステップS21の判定結果が肯定(有効時間Y>0)の場合、メインCPU50aは、音声制御基板53(サブCPU53a)に対してカウントスイッチコマンドSWCを出力し(ステップS22)、カウントSW処理を終了する。
次に、開放パターン1処理について図9に基づき説明する。
メインCPU50aは、開放パターン1フラグP1Fが「ON」であるか否か(設定されているか否か)を判定する(ステップS30)。この判定結果が否定(OFF)の場合、メインCPU50aは開放パターン1処理を終了する。一方、ステップS30の判定結果が肯定(ON)の場合、メインCPU50aは、計測している有効時間Yが入賞無効時間TS11に達していないか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果が肯定(有効時間Y<入賞無効時間TS11)の場合、メインCPU50aは開放パターン1処理を終了する。
また、ステップS31の判定結果が否定(有効時間Y≧入賞無効時間TS11)の場合、メインCPU50aは、計測している有効時間Yが補助遊技時間TS12に達していないか否かを判定する(ステップS32)。この判定結果が肯定(有効時間Y<補助遊技時間TS12)の場合、メインCPU50aは、始動入賞口21〜23への遊技球Bの入賞を無効とする期間が経過したことから、始動口無効フラグUSFを「OFF」に設定する(ステップS33)。そして、メインCPU50aは開放パターン1処理を終了する。前記ステップS33の処理において始動口無効フラグUSFが「OFF」に設定されると、始動入賞口21〜23への遊技球Bの入賞が有効となる。そのため、前記始動入賞口21〜23に遊技球Bが入賞し、前記各スイッチSW1〜SW3で遊技球Bが検知されると、当該検知に基づく補助遊技が生起される。
一方、ステップS32の判定結果が否定(有効時間Y≧補助遊技時間TS12)の場合、メインCPU50aは、補助遊技を終了させることから、開放パターン1フラグP1Fを「OFF」に設定すると共に(ステップS34)、計測している有効時間Yを初期設定(Y=0)する(ステップS35)。そして、メインCPU50aは補助遊技の終了を示す終了コマンドを各制御基板51〜53に出力し(ステップS36)、開放パターン1処理を終了する。
次に、開放パターン2処理について図10に基づき説明する。
メインCPU50aは、開放パターン2フラグP2Fが「ON」であるか否か(設定されているか否か)を判定する(ステップS40)。この判定結果が否定(OFF)の場合、メインCPU50aは開放パターン2処理を終了する。一方、ステップS40の判定結果が肯定(ON)の場合、メインCPU50aは、計測している有効時間Yが入賞無効時間TS21に達していないか否かを判定する(ステップS41)。この判定結果が肯定(有効時間Y<入賞無効時間TS21)の場合、メインCPU50aは開放パターン2処理を終了する。
また、ステップS41の判定結果が否定(有効時間Y≧入賞無効時間TS21)の場合、メインCPU50aは、計測している有効時間Yが補助遊技時間TS22に達していないか否かを判定する(ステップS42)。この判定結果が肯定(有効時間Y<補助遊技時間TS22)の場合、メインCPU50aは、始動入賞口21〜23への遊技球Bの入賞を無効とする期間が経過したことから、始動口無効フラグUSFを「OFF」に設定する(ステップS43)。そして、メインCPU50aは開放パターン2処理を終了する。前記ステップS43処理において始動口無効フラグUSFが「OFF」に設定されると、始動入賞口21〜23への遊技球Bの入賞が有効となる。そのため、前記始動入賞口21〜23に遊技球Bが入賞し、前記各スイッチSW1〜SW3で遊技球Bが検知されると、当該検知に基づく補助遊技が生起される。
一方、ステップS42の判定結果が否定(有効時間Y≧補助遊技時間TS22)の場合、メインCPU50aは、補助遊技を終了させることから、開放パターン2フラグP2Fを「OFF」に設定すると共に(ステップS44)、計測している有効時間Yを初期設定(Y=0)する(ステップS45)。そして、メインCPU50aは終了コマンドを各制御基板51〜53に出力し(ステップS46)、開放パターン2処理を終了する。
次に、特別入賞処理について図11に基づき説明する。
メインCPU50aは、特別入賞口スイッチSW6の検知信号を入力したか(ON)否か(OFF)を判定する(ステップS50)。即ち、メインCPU50aは、補助遊技中において遊技球Bが特別入賞口40に入賞したか否かを判定する。そして、ステップS50の判定結果が否定(OFF)の場合、メインCPU50aは特別入賞処理を終了する。また、ステップS50の判定結果が肯定(ON)の場合、メインCPU50aは、特別遊技の処理に移行することから、開放パターン1フラグP1F及び開放パターン2フラグP2Fを「OFF」に設定すると共に、計測している有効時間Yを初期設定(Y=0)する(ステップS51)。続いて、メインCPU50aは、大当フラグBFを「ON」に設定し(ステップS52)、終了コマンドを各制御基板51〜53に出力する(ステップS53)。前記ステップS51〜S53の処理によって補助遊技は終了する。従って、メインCPU50aは、開閉羽根30,31及び翼部材37,38の各制御も終了する。
次に、音声制御基板53のサブCPU53aが、主制御基板50(メインCPU50a)から入力した各コマンドに基づき実行する処理について、図6に示すタイミングチャート及び図12〜図14に示すフローチャートに基づき説明する。図12には始動口1コマンドS1C又は始動口2コマンドS2Cの入力に基づく始動口コマンド処理が、図13には終了コマンドの入力に基づく終了コマンド処理が、図14にはカウントスイッチコマンドSWCの入力に基づく検知コマンド処理が夫々示されている。また、音声制御基板53のRAM53cには、始動入賞口21,22への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起されたか否か示す始動口1フラグSP1F、及び始動入賞口23への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起されたか否かを示す始動口2フラグSP2Fが設定される。
最初に、始動口コマンド処理について図12に基づき説明する。
サブCPU53aは、始動口1コマンドS1Cを入力したか否かを判定する(ステップS60)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU53aは、始動口1フラグSP1Fを「ON」に設定する(ステップS61)。続いて、サブCPU53aは、有効時間Sの計測を開始する(ステップS62)。この有効時間Sは、メインCPU50aが計測する有効時間Yと同一時間を取り得るように計測される。そして、サブCPU53aは、始動入賞口21,22への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起されることから、当該補助遊技中の効果音(音楽)として入賞音楽1をスピーカ17から出力させるように制御する(ステップS63)。その後、サブCPU53aは始動口コマンド処理を終了する。
一方、ステップS60の判定結果が否定の場合、サブCPU53aは、始動口2コマンドS2Cを入力したか否かを判定する(ステップS64)。この判定結果が否定の場合、補助遊技が生起されないことから、サブCPU53aは始動口コマンド処理を終了する。また、ステップS64の判定結果が肯定の場合、サブCPU53aは、始動口2フラグSP2Fを「ON」に設定する(ステップS65)。続いて、サブCPU53aは、有効時間Sの計測を開始する(ステップS66)。そして、サブCPU53aは、始動入賞口23への遊技球Bの入賞によって補助遊技が生起されることから、当該補助遊技中の効果音(音楽)として入賞音楽2をスピーカ17から出力させるように制御する(ステップS67)。なお、前記入賞音楽1と入賞音楽2は異なる効果音とされている。その後、サブCPU53aは始動口コマンド処理を終了する。
次に、検知コマンド処理について図14に基づき説明する。
サブCPU53aは、カウントスイッチコマンドSWCを入力したか否かを判定する(ステップS70)。この判定結果が否定の場合、サブCPU53aは検知コマンド処理を終了する。一方、ステップS70の判定結果が肯定の場合、サブCPU53aは、始動口1フラグSP1Fが「ON」であるか否かを判定する(ステップS71)。この判定結果が肯定(ON)の場合、始動入賞口21又は始動入賞口22への入賞に基づき生起された補助遊技中に入賞装置20に流入した遊技球BがカウントスイッチSW4,SW5で検知されたことになる。そのため、サブCPU53aは、ステップS72において、前記遊技球Bが検知されたタイミングでそのタイミング時点における翼部材37,38の動作状態に応じてスピーカ17から出力する検知音を選択する。
本実施形態では、図6(a),(b)に示すように、翼部材37,38の動作状態が前記導き易い動作状態を取り得ている場合に出力する検知音VAと、前記導き難い動作状態を取り得ている場合に出力する検知音VBの2種類が用意されている。そして、補助遊技が生起されてから(始動入賞口スイッチSW1,SW2が遊技球Bを検知してから)の経過時間が予め定めた入賞容易時間(所定時間)T1に達するまでの間を前記導き易い動作状態としている。その一方で、前記経過時間が前記入賞容易時間T1に達した以降を前記導き難い動作状態としている。本実施形態において入賞容易時間T1は、補助遊技が生起されてから翼部材37,38が開動作を開始するまでの時間T11と、補助遊技が生起されてから翼部材37,38が開状態を取り得ている時間T12を2分の1した時間T13とを加算した時間と定めている。このように入賞容易時間T1を定めた理由は、カウントスイッチSW4,SW5で検知された遊技球Bが翼部材37,38付近に到達するまでのタイムラグを考慮したためである。即ち、遊技球BがカウントスイッチSW4,SW5で検知されたタイミング(時間)が時間T12に近づく程、翼部材37,38付近に前記遊技球Bが到達した時点では、タイムラグにより既に翼部材37,38が閉動作中又は閉状態となっている可能性が高い。
図14に戻り、サブCPU53aは、ステップS72において、計測している有効時間S(即ち、補助遊技が生起されてからの経過時間)が、入賞容易時間T1に達していないか否かを判定する。この判定結果が肯定(有効時間S<入賞容易時間T1)の場合、サブCPU53aは、翼部材37,38が前記導き易い動作状態を取り得ていることから、検知音VAを選択し、当該検知音VAをスピーカ17から出力させるように制御する(ステップS73)。一方、ステップS72の判定結果が否定(有効時間S≧入賞容易時間T1)の場合、サブCPU53aは、翼部材37,38が前記導き難い動作状態を取り得ていることから、検知音VBを選択し、当該検知音VBをスピーカ17から出力させるように制御する(ステップS74)。前記ステップS73又はステップS74の処理により、前記遊技球Bが検知されたタイミングでそのタイミング時点における翼部材37,38の動作状態に応じてスピーカ17から検知音VA又は検知音VBの何れかが出力される。この出力された検知音によって遊技者は、特別遊技が生起される可能性があるか否かを認識することができる。
一方、ステップS71の判定結果が否定(OFF)の場合、サブCPU53aは、始動口2フラグSP2Fが「ON」であるか否かを判定する(ステップS75)。この判定結果が肯定(ON)の場合、始動入賞口23への入賞に基づき生起された補助遊技中に入賞装置20に流入した遊技球BがカウントスイッチSW4,SW5で検知されたことになる。そのため、サブCPU53aは、ステップS76において、計測している有効時間S(即ち、補助遊技が生起されてからの経過時間)が、入賞容易時間T2に達していないか否かを判定する。
前記入賞容易時間T2は、前記入賞容易時間T1と同様に、補助遊技が生起されてから翼部材37,38が開動作を開始するまでの時間T21と、前記翼部材37,38が開状態を取り得ている時間T22を2分の1した時間T25とを加算した時間と定めている(図6(b)参照)。また、本実施形態では、始動入賞口23への入賞に基づき生起された補助遊技の場合、開閉羽根30,31の1回目の開閉動作時を対象として前記入賞容易時間T2を定めている。即ち、補助遊技が生起されてから(始動入賞口スイッチSW3が遊技球Bを検知してから)の経過時間が予め定めた入賞容易時間(所定時間)T2に達するまでの間を前記導き易い動作状態とし、前記経過時間が前記入賞容易時間T2に達した以降を前記導き難い動作状態としている。
図14に戻り、サブCPU53aは、ステップS76の判定結果が肯定(有効時間S<入賞容易時間T2)の場合、翼部材37,38が前記導き易い動作状態を取り得ていることから、検知音VAを選択し、当該検知音VAをスピーカ17から出力させるように制御する(ステップS77)。一方、ステップS76の判定結果が否定(有効時間S≧入賞容易時間T2)の場合、サブCPU53aは、翼部材37,38が前記導き難い動作状態を取り得ていることから、検知音VBを選択し、当該検知音VBをスピーカ17から出力させるように制御する(ステップS78)。なお、ステップS75の処理が否定(OFF)の場合、サブCPU53aは、検知コマンド処理を終了する。
次に、終了コマンド処理について図13に基づき説明する。
サブCPU53aは、終了コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS80)。この判定結果が否定の場合、補助遊技の終了ではないから、サブCPU53aは終了コマンド処理を終了する。一方、ステップS80の判定結果が肯定の場合、補助遊技を終了させることから、サブCPU53aは、始動口1フラグSP1F及び始動口2フラグSP2Fを「OFF」に設定すると共に(ステップS81)、計測している有効時間Sを初期設定(S=0)する(ステップS82)。そして、サブCPU53aは終了コマンド処理を終了する。
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)入賞装置20に流入した遊技球BがカウントスイッチSW4,SW5で検知された際に、キャラクタ体39の翼部材37,38の動作状態(遊技球Bを特別入賞口40に導き易い動作状態,又は導き難い動作状態)に応じて報知を行うようにした。この報知により、特別遊技が生起される可能性があるかを遊技者に認識させることができ、興趣の向上と図ることができる。即ち、前記導き易い動作状態である場合に検知音VAによって報知を行うことで、入賞装置20に遊技球Bが流入したタイミングで特別遊技が生起される可能性が高いことを遊技者に認識させることができる。また、前記導き難い動作状態である場合に検知音VBによって報知を行うことで、当該報知がなされなかったときに特別遊技が生起される可能性が高いことを遊技者に認識させることができると共に、前記報知によって次の遊技球Bを入賞装置20に流入させることへ意識を向けさせることができる。
(2)カウントスイッチSW4,SW5と、翼部材37,38が近傍に設けられているため、カウントスイッチSW4、SW5を通過してから翼部材37,38に到達するまでのタイムラグを短くすることができる。そのため、既に翼部材37,38が前記導き難い動作状態となっている場合に検知音VAを出力してしまうことを抑制することができる。従って、入賞装置20に遊技球Bが流入した際、そのタイミングで流入した遊技球Bが特別入賞口40に導かれ易いか否かを正確に報知することができる。
(3)また、前記翼部材37,38の動作状態に応じて異なる検知音(検知音VAと検知音VB)で報知を行うようにした。そのため、遊技球Bが入賞装置20に流入する毎に、特別遊技を生起させる可能性が高いか否かを遊技者に認識させることができ、興趣の向上を図ることができる。また、検知音VA,VBを異ならせる(報知態様を異ならせる)ことで、遊技球Bが入賞装置20に流入する毎に、検知音VA又は検知音VBの何れによる報知が行われるのかに興味を持たせることができる。
(4)また、前記導き易い動作状態である場合と導き難い動作状態である場合とで共に検知音VA,VBを出力するようにした。そのため、どのタイミングで遊技球Bが入賞装置20に流入すると特別入賞口40に導き易く、どのタイミングで遊技球Bが入賞装置20に流入すると特別入賞口40に導き難いかを、遊技者に容易に認識させることができる。
(5)カウントスイッチSW4,SW5を開閉羽根30,31の近傍に夫々配設することで、入賞装置20に流入した遊技球Bを直ぐに検知することができる。従って、入賞装置20に遊技球Bが流入した際、そのタイミングで流入した遊技球Bが特別入賞口40に導かれ易いか否かを、迅速に、且つ、正確に報知することができる。
(6)前記入賞容易時間T1,T2を定めて報知を行うことで、入賞装置20に遊技球Bが流入した際に翼部材37,38が如何なる動作状態であれば、遊技球Bが特別入賞口40に導かれ易いかを遊技者に把握させることができる。従って、翼部材37,38の動作状態に合わせて遊技を行う楽しみを遊技者に与えることができる。
(7)翼部材37,38の動作状態に応じた報知を音声(検知音VA,VB)によって行うようにした。従って、遊技者は、入賞装置20に遊技球Bが流入すると、遊技球Bの動きに注目する。そのため、検知音VA又は検知音VBを出力することで、遊技球Bの動きに注目している遊技者にも報知がなされていることを気付かせることができる。
(8)始動入賞口21〜23へ入賞した遊技球Bが検知されたことを契機に、翼部材37,38が動作を開始する場合に、前記遊技球Bが検知されてからの時間(有効時間Y)に基づき報知を行うようにした。また、遊技球Bの検知を契機に動作を開始した翼部材37,38の動作状態に応じた正確な報知を行うことができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という。)に具体化した第2の実施形態を図15〜図17に基づき説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成(又は同一制御内容)には同一符号を付す等して、その重複した説明を省略又は簡略する。
本実施形態において主制御基板50のメインCPU50aは、特別遊技中以外(補助遊技中、当該補助遊技中も生起されていない通常遊技中)、キャラクタ体39の翼部材37,38が予め定めた所定周期(一定周期)毎に開閉動作(所定の動作)を繰り返すように制御している。具体的に言えば、メインCPU50aは、図15に示すように、閉鎖時間TAの間、閉状態とするように翼部材37,38を制御する。続いて、メインCPU50aは、閉鎖時間TAの経過後、開動作させ、開放時間TBの間、開状態とするように翼部材37,38を制御する。そして、メインCPU50aは、開放時間TBの経過後、閉動作させ、閉状態となるように翼部材37,38を制御する。前記閉鎖時間TAと開放時間TBを加算した時間が、翼部材37,38の開閉動作に係る一周期となる。従って、メインCPU50aは、前記一周期中に開状態と閉状態を交互に取り得るように翼部材37,38を制御し、前記一周期の開閉動作を繰り返し行わせるように翼部材37,38を制御する。
以下、補助遊技が生起され、入賞装置20に流入した遊技球BがカウントスイッチSW4,SW5で検知された際、翼部材37,38の動作状態に応じて異なる検知音を出力するためにメインCPU50aが実行する処理を、図15に示すタイミングチャート及び図16、図17に示すフローチャートに基づき説明する。本実施形態においてメインCPU50aは、前述した始動入賞口処理(図7)、開放パターン1処理(図9)、開放パターン2処理(図10)及び特別入賞処理(図11)に加えて、図16に示す可動部材動作処理(翼部材37,38の動作を制御する処理)と図17に示す検知音処理(検知音VA又は検知音VBを選択する処理)を実行する。また、主制御基板50のRAM50cには、翼部材37,38が開状態となっているか否かを示す可動部材開放フラグMFが設定される。
最初に、可動部材動作処理について図16に基づき説明する。
メインCPU50aは、可動部材開放フラグMFが「OFF」であるか否かを判定する(ステップS100)。この判定結果が肯定(OFF)の場合、翼部材37,38が閉状態となっていることから、メインCPU50aは閉鎖タイマTFの計測時間が閉鎖時間TAに達したか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が否定(閉鎖タイマTF<閉鎖時間TA)の場合、メインCPU50aは、可動部材動作処理を終了する。一方、ステップS101の判定結果が肯定(閉鎖タイマTF≧閉鎖時間TA)の場合、メインCPU50aは、開放タイマTOを初期設定(TO=0)し(ステップS102)、翼部材37,38が開状態になってからの時間の計測を開始する。また、メインCPU50aは、可動部材開放フラグMFを「ON」に設定する(ステップS103)。即ち、メインCPU50aは、ステップS101の判定結果が肯定になると、ソレノイドSL3を励磁し、翼部材37,38を開動作させて開状態にする。
また、ステップS100の判定結果が否定(ON)の場合、翼部材37,38は開状態となっていることから、メインCPU50aは開放タイマTOの計測時間が開放時間TBに達したか否かを判定する(ステップS104)。この判定結果が否定(開放タイマTO<開放時間TB)の場合、メインCPU50aは、可動部材動作処理を終了する。一方、ステップS104の判定結果が肯定(開放タイマTO≧開放時間TB)の場合、メインCPU50aは、閉鎖タイマTFを初期設定(TF=0)し(ステップS105)、翼部材37,38が閉状態になってからの時間の計測を開始する。また、メインCPU50aは、可動部材開放フラグMFを「OFF」に設定する(ステップS106)。即ち、メインCPU50aは、ステップS104の判定結果が肯定になると、ソレノイドSL3を消磁し、翼部材37,38を閉動作させて閉状態にする。
次に、検知音処理について図17に基づき説明する。
メインCPU50aは、カウントスイッチSW4又はカウントスイッチSW5の検知信号を入力したか(ON)否か(OFF)を判定する(ステップS110)。この判定結果が否定(OFF)の場合、メインCPU50aは検知音処理を終了する。一方、ステップS110の判定結果が肯定(ON)の場合、メインCPU50aは、有効時間Yが計測されているか否かを判定する(ステップS111)。この判定結果が否定(有効時間Y=0)の場合、メインCPU50aは、検知音処理を終了する。
一方、ステップS111の判定結果が肯定(有効時間Y>0)の場合、メインCPU50aは、可動部材開放フラグMFが「ON」であるか否か(設定されているか否か)を判定する(ステップS112)。この判定結果が肯定(ON)の場合、補助遊技中に入賞装置20に流入した遊技球BがカウントスイッチSW4,SW5で検知された際、翼部材37,38が開状態になっている。そのため、メインCPU50aは、ステップS113において、前記遊技球Bが検知されたタイミングとそのタイミング時点における翼部材37,38の動作状態に応じてスピーカ17から出力する検知音を選択する。
本実施形態では、図15に示すように、翼部材37,38の動作状態が前記導き易い動作状態を取り得ている場合に出力する検知音VAと、前記導き難い動作状態を取り得ている場合に出力する検知音VBの2種類が用意されている。そして、翼部材37,38が開状態になってからの経過時間が予め定めた入賞容易時間TB1に達するまでの間を前記導き易い動作状態としている。その一方で、前述した以外の時間、即ち、前記経過時間が入賞容易時間TB1に達した以降の時間(時間TB−時間TB1)及び翼部材37,38が閉状態となっている時間TAを前記導き難い動作状態としている。なお、本実施形態においては、翼部材37,38が開状態になってから所定時間の間を入賞容易時間TB1と定めている。このように入賞容易時間TB1を定めた理由は、カウントスイッチSW4,SW5で検知された遊技球Bが翼部材37,38付近に到達するまでのタイムラグを考慮したためである。即ち、遊技球BがカウントスイッチSW4,SW5に検知されたタイミング(時間)が時間TBに近づく程、翼部材37,38付近に前記遊技球Bが到達した時点では、タイムラグにより既に翼部材37,38が閉動作中又は閉状態になっている可能性が高い。
図17に戻り、メインCPU50aは、ステップS113において、開放タイマTOの計測時間が入賞容易時間TB1に達していないか否かを判定する。この判定結果が肯定(開放タイマTO<入賞容易時間TB1)の場合、翼部材37,38が前記導き易い動作状態を取り得ていることになる。そのため、メインCPU50aは、検知音VAを選択し、当該検知音VAの出力を指示する検知音コマンドVACを音声制御基板53のサブCPU53aに対して出力し(ステップS114)、検知音処理を終了する。例えば、図15に示すように、時間CS1においてカウントスイッチSW4,SW5の検知信号を入力した場合、ステップS112とステップS113の判定結果が共に肯定となり、メインCPU50aは検知音VAを選択する。
一方、前記ステップS112の判定結果が否定(可動部材開放フラグMF=OFF)の場合、又はステップS113の判定結果が否定(開放タイマTO≧入賞容易時間TB1)の場合、翼部材37,38が前記導き難い動作状態を取り得ていることになる。そのため、メインCPU50aは、検知音VBを選択し、当該検知音VBの出力を指示する検知音コマンドVBCを音声制御基板53のサブCPU53aに対して出力し(ステップS115)、検知音処理を終了する。例えば、図15に示すように、時間CS2又は時間CS3においてカウントスイッチSW4,SW5の検知信号を入力した場合、ステップS112又はステップS113の判定結果が否定となり、メインCPU50aは検知音VBを選択する。
そして、ステップS114で出力された検知音コマンドVAC、又はステップS115で出力された検知音コマンドVBCを入力した音声制御基板53のサブCPU53aは、指示された検知音(検知音VA又は検知音VB)をスピーカ17から出力させるように制御する。即ち、サブCPU53aは、検知音コマンドVACを入力した場合、検知音VAをスピーカ17から出力させるように制御する。一方、サブCPU53aは、検知音コマンドVBCを入力した場合、検知音VBをスピーカ17から出力させるように制御する。この出力された検知音によって遊技者は、特別遊技が生起される可能性があるか否かを認識することができる。
また、サブCPU53aは、前述した始動口コマンド処理(図12)及び終了コマンド処理(図13)を実行する。なお、本実施形態においてサブCPU53aは有効時間Sを計測しないため、始動口コマンド処理のステップS62、ステップS66の処理、及び終了コマンド処理のステップS82の処理を実行しない。
従って、第2の実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果(1)〜(7)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(9)翼部材37,38が予め定めた周期で常に動作している場合、特別遊技を生起させるためには、翼部材37,38の動作態様に応じて入賞装置20を開放させ、遊技球Bを入賞装置20に流入させる必要がある。従って、翼部材37,38の動作状態に応じて入賞装置20を開放させるタイミングに遊技者の注目をより一層集めさせることができる。また、翼部材37,38が常に動作している場合、カウントスイッチSW4,SW5が遊技球Bを検知した時点の翼部材37,38の動作状態(開状態なのか、又は閉状態なのか)に応じて報知を行うことで、正確な報知を行うことができる。
なお、前記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記各実施形態では、音声演出(検知音VA及び検知音VB)による報知をスピーカ17で行っているが、該スピーカ17以外の報知手段を用いて報知を行っても良い。例えば、装飾ランプ16での発光演出による報知、表示装置32での表示演出による報知でも良い。また、これらの音声演出、発光演出及び表示演出を任意に組み合わせて報知を行っても良い。
・前記各実施形態では、カウントスイッチSW4,SW5は開閉羽根30,31の近傍、即ち、図2において上球受板27の左右両端に配設されているが、このカウントスイッチSW4,SW5を上球受板27の中央付近に配設しても良い。また、2つのカウントスイッチSW4,SW5が配設されているが、1つのみ配設するようにしても良い。
・前記各実施形態において、図6(a),図6(b)及び図15に示すタイミングで開閉羽根30,31を動作(開動作及び閉動作)させなくても良い。即ち、主制御基板(ROM50b)に設定された時間T1A〜T1C及び時間T2A〜T2Eの設定を任意に変更しても良い。また、翼部材37,38の動作(開動作及び閉動作)するタイミングである時間T11,T12,時間T21〜T24及び時間TA,TBの設定を任意に変更しても良い。
・前記各実施形態では、翼部材37,38が遊技球Bを特別入賞口40に導き易い状態の場合は検知音VAを、導き難い状態の場合は検知音VBを出力するように構成されているが、前記導き易い状態の場合のみ報知するように構成しても良い。また、前記導き難い状態の場合のみ報知するように構成しても良い。
・前記各実施形態では、補助遊技中に遊技球Bが入賞装置20に流入した場合のみ報知を行っているが、特別遊技中に遊技球Bが入賞装置20に流入した場合についても報知しても良い。
・前記各実施形態では、3つの始動入賞口21〜23が配設されているが、当該始動入賞口の配設数を任意に変更しても良い。例えば、始動入賞口を1つや4つにしても良い。
・前記各実施形態では、遊技球Bが始動入賞口21,22に入賞した場合には第1の開パターン、又は遊技球Bが始動入賞口23に入賞した場合には第2の開パターンで開閉羽根30,31が動作するように設定されているが、前記開パターンを第1の開パターンのみにしても良い。また、新たな開パターンを設定し、遊技球Bが始動入賞口22に入賞した際に、開閉羽根30,31が前記新たな開パターンで動作するようにしても良い。
・前記各実施形態では、入賞装置20にキャラクタ体39を設け、当該キャラクタ体39の翼部材37,38を可動部材として機能させているが、前記可動部材は遊技球Bを特別入賞口40に導き易い動作状態と導き難い動作状態を取り得ることができれば、その具体的な構成は任意に変更しても良い。例えば、回転動作によって遊技球Bの経路を変化させる回転体や円盤、又は出没動作によって遊技球Bの経路を変化させる突起等でも良い。また、キャラクタ体39の口やお腹を開閉動作させて遊技球Bの経路を変化させるようにしても良い。
・前記各実施形態は、第2種に分類されるパチンコ機に適用しているが、第1種(デジパチ)や第3種(権利モノ)に分類されるパチンコ機に具体化しても良い。例えば、第1種に分類されるパチンコ機の場合には、大入賞口に遊技球Bを検知するセンサ(遊技球検知手段)を設け、大入賞口に配設された可動部材(シーソー、シャッター等)の動作状態に応じて検知音を出力するようにしても良い。また、可動部材(回転体等)を有する入賞装置を備えた第3種に分類されるパチンコ機の場合には、入賞装置に遊技球Bを検知するセンサ(遊技球検知手段)を設け、可動部材(回転体、円盤等)の動作状態に応じて検知音を出力するようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)前記遊技球検知手段は、前記開閉部材の近傍に配設されている請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記報知手段は、音声を出力して報知を行う音声装置である請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の遊技機。
(ハ)前記報知手段は、前記可動部材が動作を開始してからの経過時間が予め定められた所定時間に達する前に前記遊技球検知手段が前記遊技球を検知した場合に、前記可動部材の動作状態が導き易い動作状態であることを報知するように構成された請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ニ)前記可動部材は、予め定めた周期毎に所定の動作を繰り返し行うようになっており、前記報知手段は、前記遊技球検知手段が前記遊技球を検知した際の前記可動部材の動作状態に応じて前記報知を行うように構成された請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ホ)開閉動作を行う開閉部材を有する入賞装置と、当該入賞装置に流入した遊技球をカウントするために前記遊技球を検知する遊技球検知手段とを備え、前記入賞装置は始動検知手段による遊技球の検知を契機に前記開閉部材の開動作によって開放され、その開放中に前記入賞装置に流入した遊技球が特別検知手段で検知されたことに基づき特別遊技が生起される遊技機において、前記入賞装置内には、所定の動作を行う可動部材が配設され、当該可動部材は、前記入賞装置に流入して前記遊技球検知手段で検知された前記遊技球を前記特別検知手段に導き易い動作状態と導き難い動作状態とを取り得るように構成されており、前記遊技球検知手段が前記遊技球を検知する毎に所定の検知音を出力し、報知を行う報知手段を備え、前記報知手段は、前記遊技球検知手段が前記遊技球を検知した際に、前記可動部材の動作状態が前記導き易い動作状態である場合と前記導き難い動作状態である場合とで異なる検知音を出力するように構成された遊技機。
10…パチンコ遊技機(遊技機)、17…スピーカ(報知手段,音声装置)、20…入賞装置、21〜23…始動入賞口(始動検知手段)、30,31…開閉羽根(開閉部材)、37,38…翼部材(可動部材)、40…特別入賞口(特別検知手段)、B…遊技球、SW1〜SW3…始動入賞口スイッチ(始動検知手段)、SW4,SW5…カウントスイッチ(遊技球検知手段)、SW6…特別入賞口スイッチ(特別検知手段)。