以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、外枠2の一側に開閉自在に軸支されてパチンコ遊技機1の主要構成が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面上部には、前面扉枠4が開閉自在に設けられ、前面枠3の前面下部には、上皿開閉枠11が開閉自在に設けられている。前面扉枠4や上皿開閉枠11の他にも、前面枠3には、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30などが設けられている。パチンコ遊技機1の側方には、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置128(図5)が付設されてもよい。
前面扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視できる遊技開口としての円形透視窓5が開設されている。前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が設けられ、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23が設けられ、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24が設けられ、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット25が設けられている。上部装飾ユニット22の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果LED(Light Emitting Diode)13、14a、14cと遊技効果ランプ14b、14dとが設けられている。左装飾ユニット23の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ16a、16bが設けられている。右装飾ユニット24の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ17a、17bが設けられている。遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bは、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて点灯または点滅される。
前面扉枠4の前面下部に設けられた上皿開閉枠11には、例えば複数の合成樹脂製部材を組み合わせた皿部材を固着することにより構成された上皿19が形成されている。上皿19の上流側には、賞球払出口20が形成されている。上皿19の下流側には、球抜き操作部21が設けられている。加えて、上皿19の上縁部や外縁部には、パチンコ遊技機1に隣接して設置されたカードユニット装置128を介して遊技球を借り受ける際に操作する球貸操作部や、カードユニット装置128に挿入されたカードの返却を指示する際に操作する返却操作部、カードユニット装置128に挿入されたカードの残高等を表示する残高表示部などが設けられていてもよい。球貸操作部や返却操作部、残高表示部は、残高表示基板104(図5)に実装されていればよい。上皿19には、賞球払出口20から払い出された遊技球が貯留される。上皿19に貯留された遊技球は、遊技領域41内への発射位置に供給される。また、球抜き操作部21が押圧操作された場合には、上皿19に貯留された遊技球が、所定の球抜き通路や球抜き穴を通じて下皿27に誘導される。上皿19の右側方には、シリンダー錠26が臨んでいる。
前面枠3の下部に設けられた下皿27には、上皿19から溢れた余剰球が貯留される。下皿27の下方には、球抜き操作レバー28がスライド可能に取り付けられている。下皿27の左側には灰皿ユニット29が設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調節するものである。操作ハンドル30には、打球発射装置130(図5)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられている。
前面扉枠4における上部装飾ユニット22の左右には、遊技の進行に応じた効果音(音声を含む)などを発生するスピーカ12a、12bが設けられている。左装飾ユニット23の上部右側方には、賞球LED10が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24の上部左側方には、球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。賞球LED10及び球切れLED9は、パチンコ遊技機1にて行われる遊技演出とは別に遊技に関する情報を報知するために発光する遊技関連情報発光部材であり、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払い出されたことを賞球LED10により報知し、払い出すべき賞球が不足したことを球切れLED9により報知する。また、下部装飾ユニット25の側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
遊技盤40は、ほぼ正方形状の合板により形成され、前面枠3の裏面側に一体的に形成された遊技盤収納枠部に収容固定される。遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a、42bが取り付けられている。そして、打球発射装置130から発射された遊技球は、誘導レール42a、42bにより形成される円形状の遊技領域41内に導かれるように打ち込まれる。
遊技領域41には、第1特別可変入賞球装置66、第2特別可変入賞球装置48、普通可変入賞球装置58、始動入賞装置58b、普通図柄表示装置63などが設けられている。その他にも、遊技領域41には、遊技球を入賞あるいは通過させる各種の入賞口あるいは通過領域、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。
第1特別可変入賞球装置66の左側方には、ゲートスイッチ62を内蔵する通過ゲート61が設けられている。第2特別可変入賞球装置48の左側方には、普通図柄始動記憶LED64が設けられている。例えば、普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート61を通過した有効通過球数としての保留記憶数(普通図保留記憶数)を表示する。
第1特別可変入賞球装置66の下方には、普通可変入賞球装置58と、始動入賞装置58bとが設けられている。普通可変入賞球装置58は、普通電動役物用ソレノイド59によって開閉駆動される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型の可変入賞球装置であり、始動領域としての始動口58aを形成している。普通可変入賞球装置58は、始動口58aに進入した遊技球を検出する始動口スイッチ60を備えている。普通可変入賞球装置58では、可動翼片が垂直位置にあるときに始動口58aを通常開放して、普通電動役物用ソレノイド59によって可動翼片を傾動位置に移動させることで始動口58aを拡大開放する。なお、始動口58aは、通常開放されているときでも、遊技球を受け入れることができる構造になっている。
始動入賞装置58bは、例えば所定の球受部材によって構成され、常に一定の開放状態に保たれて遊技球を受け入れることができる構造になっている。始動入賞装置58bに進入した遊技球は、始動口スイッチ56によって検出される。
第2特別可変入賞球装置48の右側方には、普通図柄表示装置63が設けられている。普通図柄表示装置63は、例えば2個のLEDを含んで構成され、通過ゲート61を通過した遊技球がゲートスイッチ62によって検出されたことを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。具体的な一例として、普通図柄表示装置63は、普通図ゲームにおいて、上下2カ所で「○」と「×」を交互に点灯させることにより普通図柄を変動させ、所定時間が経過した後に上下2カ所でそれぞれ「○」と「×」のいずれか一方を点灯させることにより表示結果を導出する。このとき、「×」が点灯した場合には、普通図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果として「ハズレ」が導出されたことになる。これに対して、「○」が点灯した場合には、普通図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果として「当り」が導出されたことになる。普通図柄表示装置63による普通図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「当り」となった場合には、普通可変入賞球装置58にて普通電動役物用ソレノイド59の駆動力によって始動口58aが拡大開放され、所定時間が経過すると通常開放に戻される。
第1特別可変入賞球装置66は、特別図柄表示装置44aと、特別図柄始動記憶LED46とを含んでいる。特別図柄表示装置44aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する。一例として、特別図柄表示装置44aは、「00」〜「99」を示す数字や「−−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。特図ゲームでは、例えば始動口58aや始動入賞装置58bといった、始動領域のいずれかに遊技球が入賞することにより、特別図柄を可変表示するための実行条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄を可変表示するための開始条件が成立したことに基づいて、特別図柄表示装置44aによる特別図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、特別図柄表示装置44aが「左」及び「右」の特別図柄可変表示部を備え、各特別図柄可変表示部において、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される特別図柄の可変表示を行う。各特別図柄可変表示部において可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されている。
特別図柄始動記憶LED46は、始動口58aと始動入賞装置58bのいずれかに入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する。例えば、特別図柄始動記憶LED46は、4個のLEDを含んで構成されている。
図2(A)及び図4は、第1特別可変入賞球装置66を拡大して示す斜視図である。第1特別可変入賞球装置66の左方には、開閉片(開閉部材)81と、大入賞口(第1大入賞口)となる開口部82とが設けられている。開閉片81は、開口部82を第1の状態である開放状態と第2の状態である閉鎖状態とで変化させるように、回動可能に軸支され、所定のリンク機構などを介して開閉片用ソレノイド105と連結されている。開口部82は、第1特別可変入賞球装置66の内部と外部とを連通させ、開閉片81が開放状態であるときに、遊技球を第1可変入賞球装置66の内部に進入させることができる。
開口部82から第1可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球は、第1カウントスイッチ106によって検出される。第1カウントスイッチ106を通過した遊技球は、進入球誘導通路110により誘導される。進入球誘導通路110の下流側には、振分部材83が設けられている。振分部材83は、所定のリンク機構などを介して振分用ソレノイド108と連結され、進入球誘導通路110により誘導された遊技球の経路を振り分ける。
例えば、振分用ソレノイド108の駆動が停止しているときには、振分部材83がパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動する。このとき、進入球誘導通路110により誘導されてきた遊技球は、第1誘導通路124を通じて第1領域85に振り分けられる。他方、振分用ソレノイド108が駆動したときには、振分部材83がパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動する。このとき、進入球誘導通路110により誘導されてきた遊技球は、第2誘導通路117を通じて第2領域88に振り分けられる。第2誘導通路117を通過する遊技球は、進入球検出器109によって検出される。このように、振分部材83は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態と、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態とに変化する。
第1領域85には、遊技球が転動する転動板上にて遊技球の転道方向を変化させる部材が設けられている。この転動板上をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に転動した遊技球は、転動板上から落下して、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94bのいずれかに進入する。例えば、第1領域85に振り分けられた遊技球は、1/10の確率で特定領域としての第1特定進入口89に進入する。
図2(B)及び(C)は、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94bの付近における第1領域85を拡大して示す図である。図2(B)及び(C)に示すように、第1特定進入口89の上部には、遊技球を貯留するための貯留板118bが進退可能に設けられている。貯留板118bは、貯留駆動部材118aといった所定のリンク機構などを介して貯留用ソレノイド118に連結されている。
例えば、貯留用ソレノイド118が駆動したときには、図2(B)に示すように、パチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に貯留板118bが移動(進出)して貯留状態となる。このとき、転動板上から第1特定進入口89へと落下した遊技球は、貯留板118bによって貯留される。他方、貯留用ソレノイド118の駆動が停止しているときには、図2(C)に示すように、パチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に貯留板118bが移動(退避)して貯留解除状態となる。このとき、転動板上から第1特定進入口89へと落下した遊技球は、第1特定進入口89に進入する。このように、貯留板118bは、貯留状態と、貯留解除状態とに変化する。
第1特定進入口89に進入した遊技球は、第1特定球検出器121aによって検出される。第1特定球検出器121aを通過した遊技球は、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。第1通常入賞口94a、94bに進入した遊技球は、第1特定球検出器121aによって検出されずに、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。
第2領域88には、回動可能に形成された回転体79が設けられている。図3は、第2領域88を拡大して示す図である。回転体79は、モータ127(図5)の駆動力により、順方向または逆方向のいずれかに回転方向を切換可能として回転することができる。第2誘導通路117を通じて第2領域88に誘導された遊技球は、例えば図3に示す矢印A11、A12のように回転体79の周囲を円運動するように転動することができる。回転体79には、遊技球が進入可能な可動進入口79aが形成されている。そして、回転体79の周囲に形成された転動板上には、例えば矢印A15で示す位置にて可動進入口79aに遊技球が進入しやすくなるように、リブや溝などが形成されていればよい。
可動進入口79aに進入した遊技球は、可動進入口79aの内部に保持されたまま、例えば回転体79の下部に設けられた底板上を回転体79の回転に伴って転動した後に、第2特定進入口91、第2通常入賞口94cのいずれかに振り分けられる。例えば、第2領域88に誘導された遊技球は、1/2の確率で特定領域としての第2特定進入口91に振り分けられる。ここで、遊技球は矢印A15で示す位置にて可動進入口79aに進入しやすくなっていることから、回転体79が順方向に回動しているときには、逆方向に回動しているときに比べて高い確率で、遊技球が第2特定進入口91に進入する。例えば、第2領域88に誘導された遊技球は、回転体79が順方向に回動しているときに3/4の確率で第2特定進入口91に進入する一方で、回転体79が逆方向に回動しているときには1/4の確率で第2特定進入口91に進入する。
第2特定進入口91に進入した遊技球は、第2特定球検出器121bによって検出される。第2特定球検出器121bを通過した遊技球は、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。第2通常入賞口94cに進入した遊技球は、第2特定球検出器121bによって検出されずに、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。図4に示すように、排出誘導領域123により誘導される遊技球は、すべて排出球検出器122によって検出された後に、第1特別可変入賞球装置66の外部に排出される。
第1特別可変入賞球装置66の内部において、第2誘導通路117の右上方には、演出表示装置44bが設けられている。演出表示装置44bは、例えば液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。演出表示装置44bには、演出画像を表示する表示領域80が形成されている。表示領域80では、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば2つに分割された飾り図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
例えば、表示領域80には、「左」及び「右」の飾り図柄可変表示部が配置され、特別図柄表示装置44aにより特図ゲームが実行されることに対応して、各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。すなわち、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の可変表示が開始されるときには、表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示(例えば切換表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部は、表示領域80内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい)が、飾り図柄として変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されていればよい。
演出表示装置44bの表示領域80において飾り図柄の可変表示が開始されると、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと切換表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへと切換表示やスクロール表示を行って、図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されてもよい。飾り図柄の可変表示中には、例えば可変表示結果が「大当り」となることを予告する大当り予告演出画像や、可変表示結果が「小当り」となることを予告する小当り予告演出画像などが、表示領域80において表示されるようにしてもよい。
また、演出表示装置44bの表示領域80には、始動口58aや始動入賞装置58bに入賞した有効入賞球数としての特図保留記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。これに対して、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。
第1特別可変入賞球装置66の上端から右側端にわたる部分には、演出表示装置44bの設置位置に遊技球が進入することを防止する規制フランジ部75が延設されている。規制フランジ部75と遊技領域41の右上端から右側端を区画形成する誘導レール42aとの間には、誘導通路76が形成されている。遊技領域41の右上部分には、例えばゴム等を用いて構成された緩衝部材70が設けられている。
普通可変入賞球装置58の下方には、第2特別可変入賞球装置48が設けられている。第2特別可変入賞球装置48は、第2大入賞口扉用ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49によって、大入賞口(第2大入賞口)となる開口部を第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とで変化させる。開放状態となった開口部から第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球は、第3カウントスイッチ52によって検出される。また、第2特別可変入賞球装置48の内部には、遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である第3特定球検出器51が設けられている。第3特定球検出器51の上部には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは遊技球が第3特定球検出器51を通過しないようにするVシャッターが設けられている。Vシャッターは、所定のリンク機構などを介して第2Vシャッター用ソレノイド50と連結されている。
第1特別可変入賞球装置66の左下方には、第3入賞球検出器55aを内蔵した通常入賞口53aが設けられている。また、普通可変入賞球装置58及び第2特別可変入賞球装置48の右側には、第3入賞球検出器55bを内蔵した通常入賞口53bが設けられている。第3入賞球検出器55a、55bからの検出信号に基づいて、所定個数の賞球が払い出される。
普通図柄表示装置63による普通図ゲームにて、普通図柄の可変表示を行った表示結果として「当り」が導出された場合には、普通可変入賞球装置58における始動口58aが通常開放から拡大開放に変化し、その後に所定時間が経過すると通常開放に戻る。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後に所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄及び小当り図柄以外の特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「33」と「77」を示す特別図柄を大当り図柄とし、「11」、「22」、「32」、「44」、「55」、「66」、「76」、「88」を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−−」を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「33」あるいは「77」となる場合には、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」及び「右」の各可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような大当り組合せの確定飾り図柄は、大当り遊技状態に制御されることに対応した特定表示結果に含まれる。大当り遊技状態に制御される場合には、演出表示装置44bの表示領域80において、大当り発生時用の演出画像が表示される。その後、大当り遊技状態では、大当り中用の演出画像が表示される。大当り遊技状態が終了するときには、大当り終了時用の演出画像が表示される。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「11」、「22」、「32」、「44」、「55」、「66」、「76」、「88」のいずれかとなる場合には、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」及び「右」の各可変表示部にて所定の小当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような小当り組合せの確定飾り図柄は、小当り遊技状態に制御されることに対応した所定表示結果に含まれる。小当り遊技状態に制御される場合には、演出表示装置44bの表示領域80において、小当り発生時用の演出画像が表示される。このときには、小当り種別に応じて異なる演出画像が表示されるようにしてもよい。さらに、小当り遊技状態にて進入球検出器109によって遊技球が検出されたときには、遊技球が第2領域88へと誘導されたことを報知する演出画像が表示されるようにしてもよい。
あるいは、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄のいずれかとなる場合に、演出表示装置44bの表示領域80では、飾り図柄の可変表示を行わずに、第1特別可変入賞球装置66において開閉片81により開口部82を開放状態とする始動動作が行われることを報知する演出画像や、その始動動作にて開口部82を開放状態とする回数を報知する演出画像などを、表示するようにしてもよい。このときでも、特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでの特別図柄の可変表示については、実行されるようにする。
特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった後には、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を、所定の始動態様で閉鎖状態から開放状態に変化させ、所定時間(例えば0.4秒)が経過した後に閉鎖状態に戻す。このような小当り遊技状態で行われる開口部82の開閉動作を始動動作という。例えば、小当り遊技状態では、開口部82を2回(複数回)開閉する始動動作を行い、第1特別可変入賞球装置66を遊技者にとって有利な第1の状態としての開放状態に変化させる。なお、小当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を2回(複数回)開閉する始動動作に限らず、開口部82を1回開閉する始動動作をさせてもよい。このように、始動動作は、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域に進入した遊技球が始動口スイッチ56、60によって検出されたことに基づき、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームや演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに応じて、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を所定の始動態様で、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させる。
始動動作にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域としての第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入した場合には、大当り遊技状態となる。ここで、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83によって第1領域85に振り分けられた場合には、1/10の確率で第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出される。これに対して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83によって第2領域88に振り分けられた場合には、1/2の確率で第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出される。この点において、第1領域85に比べて、第2領域88の方が、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態となる確率が高く、遊技者にとって有利な領域である。また、振分部材83の振分状態は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態に比べて、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態の方が、遊技者にとって有利な状態となる。
大当り遊技状態では、始動態様よりも遊技者にとって有利な特定態様で、第1特別可変入賞球装置66や第2特別可変入賞球装置48を第1の状態である開放状態とする。この実施の形態では、大当り遊技状態において、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の遊技が実行可能となる。例えば、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態へと変化させることにより、第1特別可変入賞球装置66を第1の状態とした後、所定時間(例えば1.5秒や5秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば5個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部82を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められていればよい。また、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49が、第2特別可変入賞球装置48における第2大入賞口となる開口部を閉鎖状態から開放状態へと変化させることにより、第2特別可変入賞球装置48を第1の状態とした後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められていればよい。大当り遊技状態では、複数回のラウンド遊技を実行可能であり、ラウンド遊技の実行回数に応じて、上記2つの動作単位のいずれかが、1回のラウンド遊技として定められていてもよい。1回のラウンド遊技として、上記2つの動作単位の両方が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態において、ラウンド遊技が継続可能な最大継続回数(上限回数)を、「10ラウンド」に設定する。最大継続回数に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技では、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって遊技球が検出されたこと、あるいは、第3特定球検出器51によって遊技球が検出されたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件としてもよい。例えば、ラウンド遊技にて第1特別可変入賞球装置66における第1大入賞口(開口部82)が開放状態とされる場合には、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入して第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって検出されることにより、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができればよい。また、ラウンド遊技にて第2特別可変入賞球装置48における第2大入賞口となる開口部が開閉板49により開放状態とされる場合には、第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球が第3特定球検出器51によって検出されることにより、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図5に示すような主基板120や演出制御基板90、音声枠ランプ基板92、ランプドライバ基板93、電源基板97、払出制御基板98、残高表示基板104といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、周辺電源中継基板47、周辺コマンド中継基板57、図柄中継基板84及びスイッチ中継基板95といった中継基板、特別図柄基板850、普通図柄基板86及び普通図柄記憶基板87なども搭載されている。
主基板120には、遊技盤40に設けられた各検出器51、55a、55b、109、121a、121b、122や各スイッチ52、62、l06からの信号が、スイッチ中継基板95を介して入力される。また、主基板120には、始動口スイッチ56、60からの信号も入力される。主基板120には、乱数発生回路60aが接続されており、始動口スイッチ56、60からの検出信号がオン状態になると、その時点におけるカウント値が主基板120に入力される。
主基板120からは、遊技盤40に設けられた各ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127を駆動制御するための駆動制御信号が出力され、スイッチ中継基板95によって各部位へと中継される。また、主基板120からは、遊技状態に応じた電飾信号及び効果音信号等の情報信号が出力され、周辺コマンド中継基板57や演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92へと伝送される。さらに、主基板120からは、演出表示装置44bの表示状態を制御するための演出制御コマンドが出力され、周辺コマンド中継基板57を介して演出制御基板90へと伝送される。加えて、主基板120からは、特別図柄表示装置44a等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力され、図柄中継基板84を介して特別図柄基板850や普通図柄基板86、普通図柄記憶基板87などへと伝送される。主基板120には盤用外部端子板96が接続され、各種の遊技情報が伝送される。
主基板120には、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92及びランプドライバ基板93を介して、各種装飾LED・ランプ32が接続されている。遊技効果LED13、14a、14c、遊技効果ランプ14b、14c、16a、16b、17a、17bは、それぞれプリント配線基板等に実装され、スピーカ12a、12bとともに、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92を介して、主基板120に接続されている。周辺コマンド中継基板57は、主基板120から演出制御基板90へと出力される情報信号を中継する。
主基板120には、電源基板97からの電力が供給され、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17b、各種装飾LED・ランプ32及びスピーカ12a、12b等を駆動させるための電力を、周辺電源中継基板47を介して音声枠ランプ基板92に供給する。電源基板97は、一次電源となるAC24Vの交流電源を、電源コードを介して受け、二次電源としての電力を、主基板120と払出制御基板98とに供給する。電源基板97には、パチンコ遊技機1における全ての動作をクリアするためのクリアスイッチ97aも搭載されている。周辺電源中継基板47は、主基板120からの電力を音声枠ランプ基板92へと中継する。また、主基板120からは、各検出器51、55a、55bや各スイッチ52、56、60、106からの検出信号に基づいて賞球個数信号が出力され、払出制御基板98へと伝送される。
主基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)100と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)111と、プログラムに従って遊技の進行を制御するCPU(Central Processing Unit)112と、演出制御基板90等に制御信号となるコマンドを送信するI/O114とを含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、CPU112がROM100から読み出したプログラムを実行し、RAM111をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
主基板120では、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために、各種の乱数値が用いられる。図6は、主基板120の側において用いられる乱数値の一例を示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、主基板120の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となる制御や処理が行われる。なお、遊技効果を高めるために、主基板120の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR4の全部または一部を示す数値データを示す数値データは、乱数発生回路60aから入力されるカウント値に基づいて生成される。また、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データは、CPU112が乱数発生回路60aとは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果を、「大当り」や「小当り」とするか「ハズレ」とするかの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「299」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果に基づきパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態となるか否かの判定を行うために用いられる。具体的な一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数発生回路60aにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99のクロック制御とは異なるクロック制御に基づいて加算更新される2バイトの数値データである。乱数発生回路60aでは、始動口スイッチ56、60からの入力信号がオン状態となったときに、内蔵カウンタにおけるカウント値が記憶バッファにラッチされ、このラッチされたカウント値が乱数値MR1を示す数値データとして主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、乱数値MR1が所定の範囲内にあるか否かを、例えばCPU112によって判定することにより、可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定や、「小当り」とするか否かの判定が行われる。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とする場合に、複数種類ある大当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。この実施の形態では、複数種類の大当り種別として、第1大当りと第2大当りとがあり、いずれの大当りであるかに応じて、大当り遊技状態において最大継続回数に達するまでの少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を異ならせる。
小当り種別決定用の乱数値MR3は、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする場合に、複数種類ある小当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「199」の範囲の値をとる。この実施の形態では、複数種類の小当り種別として、第1〜第8小当りがあり、いずれの小当りであるかに応じて、小当り遊技状態における振分用ソレノイド108の駆動による振分部材83の動作態様やモータ127の駆動による回転体79の動作態様を異ならせる。また、この実施の形態では、第1〜第8小当りのいずれであるかに応じて、大当り遊技状態において最大継続回数に達するまでの少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を異ならせる。
ラウンド数決定用の乱数値MR4は、始動動作にて開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となる最大継続回数(上限回数)を、複数種類のうちから決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「199」の範囲の値をとる。この実施の形態では、始動動作にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出された場合に、ラウンド数決定用の乱数値MR4を用いて、「1ラウンド」、「3ラウンド」及び「5ラウンド」のいずれかに決定する。これに対して、始動動作にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出された場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4に関わりなく、「10ラウンド」に決定する。この点において、振分部材83の振分状態は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態に比べて、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態の方が、遊技者にとって有利な状態となる。また、第1領域85に比べて、第2領域88の方が、遊技者にとって有利な領域である。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるROM100には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM100には、CPU112が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM100には、CPU112が主基板120から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
ROM100が記憶する判定テーブルには、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを判定するために参照されるテーブルとして、例えば図7に示すような特図表示結果判定テーブル200が含まれている。図7に示す特図表示結果判定テーブル200は、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データ、ハズレ判定値データ及び小当り判定値データのいずれかに対応付ける(割り当てる)設定データ(判定用データ)などから構成されている。
ROM100が記憶する決定テーブルには、例えば図8(A)に示すような大当り種別決定テーブル210と、図8(B)に示すような小当り種別決定テーブル211と、図9に示すようなラウンド数決定テーブル220とが含まれている。
図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210は、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を決定するために参照されるテーブルである。例えば、大当り種別決定テーブル210は、大当り種別決定用の乱数値MR2を、「第1大当り」や「第2大当り」といった大当り種別、「77」や「33」といった大当り図柄、さらにはラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。
図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211は、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする場合に、小当り種別を決定するために参照されるテーブルである。例えば、小当り種別決定テーブル211は、小当り種別決定用の乱数値MR3を、「第1小当り」〜「第8小当り」といった小当り種別、「11」や「55」、「32」、「76」、「22」、「44」、「66」、「88」といった小当り図柄、さらには第2特定進入口91への進入時におけるラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。
図9に示すラウンド数決定テーブル220は、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となる最大継続回数(上限回数)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、ラウンド数決定テーブル220は、ラウンド数決定用の乱数値MR4を、「1」や「3」、「5」といったラウンド最大値や、ラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。
ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図10に示すような小当り制御パターンテーブル230が含まれている。この小当り制御パターンテーブル230には、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態に制御されている期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127による駆動動作の内容を示すデータが、複数種類の小当り種別に対応した小当り制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、小当り制御パターンテーブル230には、「第1小当り」〜「第8小当り」からなる8種類の小当り種別に対応して、8種類の小当り制御パターンKP1〜KP8が格納されている。小当り制御パターンテーブル230に格納される複数種類の小当り制御パターンはそれぞれ、例えば図11に示すように、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データから構成され、時系列的に、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127による駆動動作の内容といった、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等が示されている。なお、小当り制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列的に示すものに限定されず、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、小当り制御パターンは、ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図11に示す小当り制御パターンに示された各判定値(例えば特定入賞有効判定値、大入賞口開放開始判定値、振分駆動判定値#1、モータ駆動開始判定値、貯留駆動開始判定値、振分停止判定値#1、大入賞口開放終了判定値、モータ駆動切換判定値、貯留開放判定値など)は、CPU112によって、遊技制御用データ保持エリア250の遊技制御タイマ設定部163(図15)に設けられた遊技制御プロセスタイマにおけるタイマ値である遊技制御プロセスタイマ値と、比較される。このとき、判定値のいずれかと遊技制御プロセスタイマ値とが合致した場合には、その合致した判定値と対応付けられた設定データや制御データに応じた設定や制御が実行される。
また、ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図12に示すようなラウンド制御パターンテーブル240も含まれている。このラウンド制御パターンテーブル240には、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127による駆動動作の内容を示すデータが、ラウンド制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」である場合に決定可能となる「第1大当り」と「第2大当り」のそれぞれに対応して、10ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1、RP1−2が格納されている。また、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となった後、小当り遊技状態にて遊技球が第2特定進入口91に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンとして、10ラウンド用のラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2が格納されている。さらに、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となった後、小当り遊技状態にて遊技球が第1特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンとして、1ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−1と、3ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−2と、5ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−3とが格納されている。
ラウンド制御パターンテーブル240に格納される複数種類のラウンド制御パターンはそれぞれ、遊技制御用データ保持エリア250の遊技制御カウンタ設定部164に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値を、大入賞口の最大開放時間である大入賞口開放時間や、開放する大入賞口(第1及び第2大入賞口のいずれか)と対応付ける設定データや制御データなどから構成されている。また、各ラウンド制御パターンは、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データを含み、各ラウンド遊技における時系列に沿って、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127による駆動動作の内容といった、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を示していてもよい。あるいは、各ラウンド制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、ラウンド制御パターンは、ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図13(A)は、大当り種別が「第1大当り」となったことに対応して用いられるラウンド制御パターンRP1−1の概要を例示する説明図である。図13(B)は、大当り種別が「第2大当り」となったことに対応して用いられるラウンド制御パターンRP1−2の概要を例示する説明図である。図13(A)に示すラウンド制御パターンRP1−1では、各ラウンド遊技における大入賞口開放時間がいずれも「29秒」であり、開放する大入賞口が第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口を示す「第2」となっている。これに対して、図13(B)に示すラウンド制御パターンRP1−2では、4ラウンド目と8ラウンド目を示すラウンド数カウント値「4」と「8」のときには、大入賞口開放時間が「5秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を示す「第1」となっている。このように、ラウンド制御パターンRP1−1とラウンド制御パターンRP1−2とでは、大当り図柄に対応した大当り種別が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかに応じて、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行回数が最大継続回数(上限回数)である「10ラウンド」に達するまでに実行される少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を、異ならせている。また、大入賞口開放時間が長い「29秒」のラウンド遊技では、開放する大入賞口を第2特別可変入賞球装置48に対応した「第2」すなわち第2大入賞口とする一方で、大入賞口開放時間が短い「5秒」のラウンド遊技では、開放する大入賞口を第1特別可変入賞球装置66に対応した「第1」すなわち第1大入賞口としている。
図14(A)は、小当り種別が「第1小当り」、「第4小当り」、「第5小当り」、「第8小当り」である場合に、小当り遊技状態にて遊技球が第2特定進入口91に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンRP2−1の概要を例示する説明図である。図14(B)は、小当り種別が「第2小当り」、「第3小当り」、「第6小当り」、「第7小当り」である場合に、小当り遊技状態にて遊技球が第2特定進入口91に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンRP2−2の概要を例示する説明図である。図14(A)に示すラウンド制御パターンRP2−1では、1ラウンド目を示すラウンド数カウント値「1」のときには、大入賞口開放時間が「1.5秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」となっている。その他の各ラウンド遊技における大入賞口開放時間はいずれも「29秒」であり、開放する大入賞口が第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口を示す「第2」となっている。これに対して、図14(B)に示すラウンド制御パターンRP2−2では、5ラウンド目と9ラウンド目を示すラウンド数カウント値「5」と「9」のときには、大入賞口開放時間が「5秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」となっている。このように、ラウンド制御パターンRP2−1とラウンド制御パターンRP2−2とでは、小当り図柄に対応した小当り種別に応じて、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行回数が最大継続回数「10ラウンド」に達するまでに実行される少なくとも1回のラウンド遊技を実行可能な時間の上限を、異ならせている。また、大入賞口開放時間が長い「29秒」のラウンド遊技では、開放する大入賞口を第2特別可変入賞球装置48に対応した「第2」とする一方で、大入賞口開放時間が短い「1.5秒」や「5秒」のラウンド遊技では、開放する大入賞口を第1特別可変入賞球装置66に対応した「第1」としている。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるRAM111には、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図15に示すような遊技制御用データ保持エリア250が設けられている。図15に示す遊技制御用データ保持エリア250は、特図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
特図保留記憶部161は、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域のいずれかに遊技球が進入して特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中であるなどの理由により可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部161は、始動口58aや始動入賞装置58bへの入賞順に保留番号と対応付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU112により乱数発生回路60aからのカウント値などに基づき抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するためにセットあるいはクリアされる複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部162は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御フラグ設定部162には、特別図柄プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、第1及び第2特定球検出フラグ、大入賞口開放中フラグ、第1大入賞口開放後フラグ、第1及び第2エラー判定実行フラグが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置44aにおける特図ゲームの進行等を制御するために実行される特別図柄プロセス処理(図17のステップS16及び図19)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける可変表示結果として小当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
第1特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出されたときに、オン状態にセットされる。第2特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出されたときに、オン状態にセットされる。なお、第1特定球検出フラグや第2特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態とは異なる遊技状態であっても、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって遊技球が検出されたことに対応して、オン状態にセットされてもよい。そして、小当り遊技状態や大当り遊技状態とは異なる遊技状態にて第1特定球検出フラグや第2特定球検出フラグがオンであるか否かに対応して、エラーの有無を判定するようにしてもよい。
大入賞口開放中フラグは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)と第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口のいずれかが開放状態に制御されているときに、オン状態にセットされる。第1大入賞口開放後フラグは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を開放状態とした後に閉鎖状態とする制御が行われたことに対応して、オン状態にセットされる。
第1エラー判定実行フラグは、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したことを第1カウントスイッチ106により検出したか否かに対応して異常の有無を判定する第1エラー判定処理を実行する場合に、オン状態にセットされる。その一方で、第1エラー判定処理を実行しない場合には、第1エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。第2エラー判定実行フラグは、第2特別可変入賞球装置48の内部に遊技球が進入したことを第3カウントスイッチ52により検出したか否かに対応して異常の有無を判定する第2エラー判定処理を実行する場合に、オン状態にセットされる。その一方で、第2エラー判定処理を実行しない場合には、第2エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部163には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部163は、各タイマにおけるタイマ値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御タイマ設定部163には、遊技制御プロセスタイマが設けられている。遊技制御プロセスタイマは、例えば特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間や、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板120の側にて計測するためのものである。例えば、遊技制御プロセスタイマは、特図ゲームの進行や大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。
遊技制御カウンタ設定部164には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部164は、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御カウンタ設定部164には、ラウンド数カウンタ、第1及び第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタ、特図保留記憶数カウンタが設けられている。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数をカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
第1大入賞口カウンタは、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第1大入賞口カウンタには、第1カウントスイッチ106によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第1大入賞口カウント値としてセットされる。そして、小当り遊技状態の終了時や、大当り遊技状態にて第1大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技の終了時には、第1大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
第2大入賞口カウンタは、第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第2大入賞口カウンタには、第3カウントスイッチ52によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第2大入賞口カウント値としてセットされる。そして、大当り遊技状態にて第2大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技の終了時には、第2大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
残存球数カウンタは、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、残存球数カウンタには、第1カウントスイッチ106によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、残存球数カウント値としてセットされる。そして、排出球検出器122によって遊技球が検出されるごとに、残存球数カウント値が1減算されて更新される。
特図保留記憶数カウンタは、特図保留記憶部161における保留データの数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタには、特図保留記憶数に対応したカウント値データが、特図保留記憶数カウント値として記憶され、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
遊技制御バッファ設定部165には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
図5に示す演出制御基板90は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、演出表示装置44bの表示動作を主基板120からの演出制御コマンドに応じて制御するとともに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行う。例えば、演出制御基板90には、図16に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ170と、表示制御部171とが搭載されている。
図16に示す演出制御用マイクロコンピュータ170は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU181と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM182と、CPU181のワークエリアを提供するRAM183と、CPU181とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路184と、入出力ポート185とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ170では、CPU181がROM182から読み出したプログラムを実行し、RAM183をワークエリアとして用いることで、演出表示装置44bなどによる演出動作を制御するための処理が実行される。
ROM182には、CPU181による制御動作において各種の決定や判定、設定を行うために読出可能なデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや演出実行決定テーブル、演出制御パターンテーブルといった、各種のテーブルを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。演出実行決定テーブルは、演出制御基板90の側において、所定の演出動作を実行するか否かや、実行する場合における演出動作の態様を示す演出パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。演出制御パターンテーブルは、例えば演出表示装置44aの表示領域80における表示動作といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されたテーブルである。各演出制御パターンは、各種の演出動作について設定や制御を行うための設定データや制御データから構成され、時系列的に各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等を示すものであればよい。
RAM183には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM183には、演出動作状態や演出制御コマンド等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータが記憶される演出制御フラグ設定部や、演出制御に用いられる各種のタイマ値を示すデータが記憶される演出制御タイマ設定部、演出制御に用いられる各種のカウント値を示すデータが記憶される演出制御カウンタ設定部、演出制御に用いられる各種のデータが一時的に記憶される演出制御バッファ設定部といった、各種のデータ設定部となる領域が設けられていればよい。
乱数回路184は、演出制御基板90の側において用いられる各種の乱数値の全てまたは一部を生成する回路である。入出力ポート185は、演出制御用マイクロコンピュータ170に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ170の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、入出力ポート185の出力ポートからは、表示制御部171へと伝送される表示制御信号や、音声枠ランプ基板92へと伝送される情報信号などが出力される。
演出制御基板90に搭載された表示制御部171は、演出制御用マイクロコンピュータ170からの表示制御信号などに基づき、演出表示装置44bの表示領域80における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部171では、演出表示装置44bの表示領域80にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部171には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。
音声枠ランプ基板92では、主基板120から入力される電飾信号に応じて、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bの点灯制御が行われる。また、音声枠ランプ制御基板92では、主基板120から入力される効果音信号に応じて、スピーカ12a、12bによる音声出力動作の制御が行われる。さらに、音声枠ランプ制御基板92では、主基板120から入力される電飾信号に応じて、ランプドライバ基板93を介して各種装飾LED・ランプ32の点灯制御が行われる。ランプドライバ基板93は、音声枠ランプ基板92から各種装飾LED・ランプ32への接続を中継する。
払出制御基板98は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、遊技球の払出動作を主基板120からの賞球個数信号などに応じて制御するとともに、遊技球の発射動作や各種の表示動作を制御する。例えば、払出制御基板98では、満タンスイッチ158からの満タン信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行われる。また、払出制御基板98は、主基板120からの賞球個数信号に応じて払出モータを駆動し、所定個数の賞球を払い出させる。このとき、払出制御基板98では、賞球個数信号に応じて賞球LED10を表示駆動する制御が行われる。
加えて、払出制御基板98では、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行われる。このとき、払出制御基板98では、球切れLED9を表示駆動する制御も行われる。
払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載されたモータ位置センサや払出個数カウントスイッチからの信号も入力される。払出制御基板98では、モータ位置センサからの入力信号に応じて、遊技球の払出動作における払出モータの停止位置を制御するとともに、玉払出部材が正常に動作しているか否かを検出する。また、払出制御基板98では、払出個数カウントスイッチからの入力信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行われる。
払出制御基板98は、カードユニット装置128や残高表示基板104からの信号を中継する遊技球等貸出装置接続端子板103と接続されて、カードユニット装置128からの各種の情報や、残高表示基板104に搭載された球貸操作部や返却操作部からの信号が入力される。払出制御基板98では、カードユニット装置128からの球貸要求信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行われる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板120では、電源基板97からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ99が起動し、CPU112によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU112は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、電源基板97に搭載されたクリアスイッチ97aが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM111をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチ97aが押圧操作されていない場合には、RAM111のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、主基板120の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU112へと送出され、CPU112は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後に、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU112は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図17のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図17に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU112は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行い、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM111をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS12)。このスイッチ処理では、ゲートスイッチ62、始動口スイッチ56、60、第1カウントスイッチ106及び第3カウントスイッチ52といった各スイッチや、第3入賞球検出器55a、55b、第1特定球検出器121a、第2特定球検出器121b、第3特定球検出器51、進入球検出器109及び排出球検出器122といった各検出器の状態を示す検出信号を取り込み、各スイッチや各検出器における検出状態の判定が行われる。例えば、スイッチ処理では、図18のフローチャートに示すような大入賞口エラー判定処理が実行される。
図18に示す大入賞口エラー判定処理を開始すると、CPU112は、まず、遊技制御フラグ設定部162に設けられた第1エラー判定実行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS51)。このとき、第1エラー判定実行フラグがオンであれば(ステップS51;Yes)、第1エラー判定処理を実行する。ここでは、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS52)。
ステップS52にて第1カウントスイッチ106からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS52;No)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた第2エラー判定実行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS53)。このとき、第2エラー判定実行フラグがオンであれば(ステップS53;Yes)、第2エラー判定処理を実行する。ここでは、第3カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS54)。ステップS54にて第3カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS54;No)、大入賞口エラー判定処理を終了する。
ステップS52にて第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS52;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)が閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1カウントスイッチ106によって検出されたことになる。また、ステップS54にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS54;Yes)、第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口が閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球が、第2カウントスイッチ52によって検出されたことになる。そこで、これらの場合には、所定の異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS55)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS55の異常報知処理では、上部装飾ユニット22を全て点灯させることや、演出表示装置44bの表示領域80に所定の報知画像を表示させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS55にて実行される異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS55にて実行される異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入などによりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。
図17に示すステップS12にてスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(ステップS13)。この表示制御処理では、特別図柄表示装置44aや普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号、特別図柄始動記憶LED46や普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号などが、各表示装置やLEDへと出力される。表示制御処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(ステップS14)。この乱数更新処理では、例えば大当り種別決定用の乱数値MR2や小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4といった、各種の乱数値を生成するための数値データを、CPU112がソフトウェアにより更新する。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(ステップS15)。この初期値決定用乱数更新処理では、例えば大当り種別決定用の乱数値MR2や小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4といった、各種の乱数値における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。初期値決定用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置44aにおける表示動作の制御や第1及び第2特別可変入賞球装置66、48における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順でおこなうために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS17)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄の可変表示を行うための表示制御や、普通可変入賞球装置58における可動翼片の位置制御などが行われる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、表示コマンド制御処理が実行される(ステップS18)。この表示コマンド制御処理では、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作といった各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板90に対して送信される。表示コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(ステップS19)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、盤用外部端子板96などを介して遊技場に設置されたホール用管理コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(ステップS20)。この賞球処理では、各スイッチからの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板98に対して出力することなどにより、賞球数の設定が行われる。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(ステップS21)。この試験端子処理では、例えば特別図柄可変表示中の設定や特別図柄当り、第1特別可変入賞球装置66の作動中設定、第2特別可変入賞球装置48の作動中設定、普通可変入賞球装置58の作動中設定、普通図柄可変表示中の設定といった、各種の信号が出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(ステップS22)。この出力処理では、各ソレノイドやモータを駆動あるいは停止させるために、後述するステップS243、S246、S248、S250及びS258(図22)での設定に基づき駆動制御信号が出力される一方で、ステップS254、S256、S260(以上、図22)、S264及びS265(図23)での設定に基づき駆動制御信号の出力が停止される。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(ステップS23)。この記憶処理では、特別図柄始動記憶LED46や普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号が設定される。
記憶処理の後には、特別図柄表示制御処理が実行される(ステップS24)。この特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示装置44aにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(ステップS25)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(ステップS26)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行われる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(ステップS27)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図17に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU112は、まず、始動口スイッチ56、60からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域のいずれかに遊技球が進入したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が始動領域に進入して始動口スイッチ56、60からの検出信号のいずれかがオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS102)。他方、始動口スイッチ56、60からの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(ステップS101;No)、ステップS102の処理をスキップする。
ステップS102にて実行される始動入賞処理では、まず、特図保留記憶部161に記憶されている保留データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、各種の乱数値を示す数値データを抽出する。例えば、CPU112は、乱数発生回路60aから入力されるカウント値に基づいて生成される特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ、小当り種別判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、特図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。また、演出制御基板90に対して特図保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行い、演出表示装置44bの表示領域80に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアにて、特図保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させるようにしてもよい。
以上のような始動入賞処理を実行した後や、ステップS101にて始動口スイッチ56、60からの検出信号がいずれもオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図19に示すようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部161に格納された保留データの有無などに基づいて、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける可変表示結果に対応して、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける停止図柄(大当り図柄、小当り図柄及びハズレ図柄のいずれか)が決定される。そして、特別図柄可通常処理では、特別図柄表示装置44aにて特別図柄の可変表示を開始することに対応して、可変表示の開始を指示する演出制御コマンドである可変表示開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。
ステップS111の特別図柄可変表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理では、特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間が計測され、その経過時間が特別図柄の可変表示時間に達したか否かの判定が行われる。そして、特別図柄の可変表示時間に達したときには、特別図柄表示装置44aにて確定特別図柄を停止表示させる制御を行う。このときには、特別図柄表示装置44aにて特別図柄の可変表示が終了することに対応して、可変表示の終了を指示する演出制御コマンドである可変表示終了コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定を行うことにより、演出表示装置44bの表示領域80にて行われている飾り図柄の可変表示を停止させるようにしてもよい。あるいは、演出制御基板90の側では、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンなどに対応する可変表示時間を特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が特定された可変表示時間に達したときに、主基板120からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を導出表示して飾り図柄の可変表示を停止させるようにしてもよい。このような制御が行われた後、特別図柄プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS112の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定が行われ、大当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“4”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“3”に更新し、大当りフラグと小当りフラグがいずれもオフである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS113の小当り開放時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この小当り開放時処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となったことに対応して、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を実行するための制御が行われる。また、小当り開放時処理では、小当り制御パターンに従って、各種の設定や制御が実行される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となったことに対応して、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われる。
ステップS115の大当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)と第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口のいずれかを開放状態とするための制御が行われる。また、大当り開放中処理では、第1大入賞口と第2大入賞口のいずれかを開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、大当り開放中処理では、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタにおけるカウント値が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、大当り遊技状態にて次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立したか否かの判定を行い、成立した場合には次のラウンド遊技に移行するための設定が行われる。また、大当り開放後処理では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達した場合や、継続権が成立しなかった場合に、次のラウンド遊技には移行せずに、特別図柄プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである大当り終了コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。その他にも、大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了時における各種の設定や制御が行われる。
図20は、図19のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄通常処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部164における特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、特図保留記憶数が「0」であれば(ステップS201;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS201;No)、特図保留記憶部161にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS202)。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、特図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、特図保留記憶部161にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS203)。
ステップS203の処理に続いて、ステップS202にて読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、図7に示す特図表示結果判定テーブル200にて設定された大当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS204)。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行われる。このとき、大当り判定値データと合致すれば(ステップS204;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS205)、大当り種別の決定を行う(ステップS206)。ステップS206の処理では、ステップS202にて読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210を参照することにより、大当り種別を「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに決定する。このときには、大当り種別と対応して、大当り図柄「77」と「33」のいずれかが、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定される。すなわち、図8(A)に示すように、大当り種別が「第1大当り」である場合には大当り図柄「77」が確定特別図柄に決定される一方で、大当り種別が「第2大当り」である場合には大当り図柄「33」が確定特別図柄に決定される。このように、ステップS206の処理では、ステップS204にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致して可変表示結果を特定表示結果としての「大当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その特定表示結果となる特図ゲームでの可変表示結果を、予め定められた複数種類の大当り図柄のうちから決定することができる。
ステップS204にて大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS204;No)、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、図7に示す特図表示結果判定テーブル200にて設定された小当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS207)。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とするか否かの判定が行われる。このとき、小当り判定値データと合致すれば(ステップS207;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた小当りフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS208)、小当り種別の決定を行う(ステップS209)。ステップS209の処理では、ステップS202にて読み出した小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより、小当り種別を「第1小当り」〜「第8小当り」のいずれかに決定する。このときには、小当り種別に対応して、複数種類の小当り図柄のいずれかが、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定される。このように、ステップS209の処理では、ステップS207にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致して可変表示結果を所定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その所定表示結果となる特図ゲームでの可変表示結果を、予め定められた複数種類の小当り図柄のうちから決定することができる。
ステップS207にて小当り判定値データと合致しない場合には(ステップS207;No)、ハズレ図柄「−−」を、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定する(ステップS210)。ステップS206、S209、S210の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様となる可変表示パターンを決定する(ステップS211)。例えば、ステップS211の処理において、CPU112が可変表示パターン決定用の乱数値を示す所定の数値データを抽出し、ROM100に格納された可変表示パターン決定テーブルを参照することにより、複数種類の可変表示パターンのいずれかに決定すればよい。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」であるか「小当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて異なる可変表示パターン決定テーブルを参照して、各可変表示結果に対応した可変表示パターンに決定できるようにしてもよい。
ステップS211の処理に続いて、例えばRAM111の所定領域に確定特別図柄を示すデータを記憶させることなどにより、予定停止図柄をセットする(ステップS212)。その後、主基板120から演出制御基板90に対して可変表示開始用の各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。例えば、ステップS213の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された可変表示開始用コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS213での設定を行った場合には、特別図柄通常処理が終了してから図17に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されるごとに、主基板120から演出制御基板90に対して、可変表示開始コマンドや表示結果通知コマンド、特図保留記憶数通知コマンドなどが、順次に送信されることになる。なお、表示結果通知コマンドは、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となるか「小当り」となるか「ハズレ」となるかを通知するための演出制御コマンドである。また、可変表示開始コマンドが、可変表示パターンとともに特図ゲームにおける可変表示結果を示すデータを含むように構成されてもよい。この場合には、主基板120から演出制御基板90に対して可変表示開始コマンドとは別に表示結果通知コマンドを送信する必要はなく、主基板120から演出制御基板90に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板120における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
ステップS213の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS214)、特別図柄通常処理を終了する。
図21は、図19のステップS112にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄停止処理において、CPU112は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS221;Yes)、大当り種別に対応したラウンド制御パターンをセットする(ステップS222)。ステップS222の処理では、図20に示すステップS206の処理にて図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210を参照することにより決定された大当り種別に対応して、ラウンド制御パターンRP1−1、RP1−2のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「77」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP1−1がセットされる一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「33」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP1−2がセットされることになる。
ステップS222の処理に続いて、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS223)。例えば、ステップS223の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS223での設定を行った場合には、特別図柄停止処理が終了してから図17に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS223における設定に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS224)。例えば、ステップS224の処理ではCPU112が、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた遊技制御プロセスタイマへセットする。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS225)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS226)、特別図柄停止処理を終了する。
また、ステップS221にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS221;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS227)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS227;Yes)、小当り種別に対応した小当り制御パターンをセットする(ステップS228)。ステップS228の処理では、図20に示すステップS209の処理にて図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより決定された小当り種別に対応して、小当り制御パターンKP1〜KP8のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたか対応して、小当り制御パターンKP1〜KP8のいずれかがセットされることになる。
ステップS228の処理に続いて、小当り遊技制御時間の設定を行う(ステップS229)。例えば、ステップS229の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、図19のステップS113にて実行される小当り開放時処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。例えば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態を開始してから、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態において始動動作により開口部82を開放状態とした後に閉鎖状態としてから、第1カウントスイッチ106により遊技球が検出されるまでの猶予期間を示している。加えて、ステップS229の処理では、遊技を停止させるまでの期間に対応した遊技停止判定値の初期設定を行うようにしてもよい。また、CPU112は、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS230)、第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS231)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS232)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS227にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS227;No)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS228)、特別図柄停止処理を終了する。
図22及び図23は、図19のステップS113にて実行される小当り開放時処理の一例を示すフローチャートである。この小当り開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(図22のステップS241)。これにより、遊技制御プロセスタイマ値は、例えば図21のステップS229にて「0」に設定された後、ステップS241の処理が実行される毎に更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。
ステップS241の処理を実行した後には、更新後の遊技制御プロセスタイマ値に対応した各種の設定が行われる。このときには、図21のステップS228にてセットした小当り制御パターンに従って、各種設定の内容が決定されることになる。
例えば、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS242)。ここで、小当り遊技状態にて開口部82を2回開閉する始動動作が行われる場合には、小当り制御パターンにて異なる2つの遊技制御プロセスタイマ値に対応した2つの大入賞口開放開始判定値が設定されている。この場合、ステップS242の処理では、小当り制御パターンに設定された2つの大入賞口開放開始判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放開始判定値と合致するとの判定がなされる。そして、大入賞口開放開始判定値と合致すれば(ステップS242;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を開閉片81により開閉させる動作の開始設定を行う(ステップS243)。ステップS243の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を回動させる動作を2回繰り返す始動動作を開始させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS243の処理を実行したときには、始動動作により第1大入賞口が開放状態となる旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第1演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS244)。例えば、ステップS244の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第1演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS244での設定を行った場合には、小当り開放時処理が終了してから図17に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第1演出開始コマンドが送信されることになる。
ステップS242にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致しない場合には(ステップS242;No)、ステップS243、S244の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS245)。ここで、小当り遊技状態にて振分部材83を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分駆動判定値が設定されている。この場合、ステップS245の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分駆動判定値と合致するとの判定がなされる。そして、振分駆動判定値と合致すれば(ステップS245;Yes)、振分部材83を振分用ソレノイド108の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動させるための設定を行う(ステップS246)。ステップS246の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分駆動制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、振分用ソレノイド108を駆動させる。
ステップS245にて遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(ステップS245;No)、ステップS246の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示されるモータ駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS247)。このとき、モータ駆動開始判定値と合致すれば(ステップS247;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により回動させる動作の開始設定を行う(ステップS248)。ステップS248の処理では、小当り制御パターンに含まれるモータ駆動開始制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動して、回転体79を順方向あるいは逆方向に回動させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS247にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS247;No)、ステップS248の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される貯留駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS249)。このとき、貯留駆動開始判定値と合致すれば(ステップS249;Yes)、貯留板118bを貯留用ソレノイド118の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動(進出)させて貯留状態とするための設定を行う(ステップS250)。ステップS250の処理では、小当り制御パターンに含まれる貯留駆動開始制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、貯留用ソレノイド118を駆動させる。
ステップS250の処理を実行したときには、貯留用ソレノイド118を駆動させてから停止させるまでの駆動時間が経過したか否かを判定するために用いる貯留解除判定値をセットする(ステップS251)。例えば、このときセットされる貯留解除判定値としては、現在の遊技制御プロセスタイマ値に基づき、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83により第2領域88に振り分けられるとした場合に、進入球誘導通路110や振分部材83、第2誘導通路117を通過して進入球検出器109により検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ判定値が設定されればよい。そして、ステップS251にて設定された貯留解除判定値は、進入球検出器109が遊技球を検出したことに基づいて、後述するステップS507(図24)の処理が実行されたときに、再び設定(更新)される。ステップS251での設定を行った後に遊技制御プロセスタイマ値の更新が進み、ステップS251にてセットされた貯留解除判定値と遊技制御プロセスタイマ値とが合致することになれば、たとえ第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したとしても、その遊技球は振分部材83により第2領域88の側には振り分けられなかったと判断することができる。なお、ステップS251の処理による貯留解除判定値のセットは行わずに、小当り制御パターンに示される貯留解除判定値を用いるようにしてもよい。
ステップS249にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS249;No)、ステップS250、S251の処理をスキップする。この後、第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS252)。
ステップS252にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS253)。ここで、小当り遊技状態にて振分部材82を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分停止判定値が設定されている。この場合、ステップS253の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分停止判定値と合致するとの判定がなされる。そして、振分停止判定値と合致すれば(ステップS253;Yes)、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行う(ステップS254)。ステップS254の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分停止制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108の駆動を停止させる。
ステップS253にて遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(ステップS253;No)、ステップS254の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS255)。ここで、小当り遊技状態にて開口部82を2回開閉する始動動作が行われる場合には、小当り制御パターンにて異なる2つの遊技制御プロセスタイマ値に対応した2つの大入賞口開放終了判定値が設定されている。この場合、ステップS255の処理では、小当り制御パターンに設定された2つの大入賞口開放終了判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放開始判定値と合致するとの判定がなされる。そして、大入賞口開放終了判定値と合致すれば(ステップS255;Yes)、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させて開閉片81による第1大入賞口の開閉動作としての始動動作を終了するための設定を行う(ステップS256)。ステップS256の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放終了制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させる。
ステップS255にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致しない場合には(ステップS255;No)、ステップS256の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示されるモータ駆動切換判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS257)。ここで、小当り遊技状態にて回転体79の回動方向を順方向と逆方向とに複数回切り換える場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数のモータ駆動切換判定値が設定されている。この場合、ステップS257の処理では、小当り制御パターンに設定された複数のモータ駆動切換判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、モータ駆動切換判定値と合致するとの判定がなされる。これに対して、小当り遊技状態では回転体79の回動方向を切り換えずに順方向あるいは逆方向のいずれか1方向に継続して回動させる場合には、小当り制御パターンにてモータ駆動切換判定値が設定されておらず、ステップS257の処理でモータ駆動切換判定値と合致するとの判定がなされない。そして、モータ駆動切換判定値と合致すれば(ステップS257;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により駆動させる動作の切換設定を行う(ステップS258)。ステップS258の処理では、小当り制御パターンに含まれるモータ駆動切換制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動することにより、順方向に回動していた回転体79を逆方向に回動させるように、あるいは、逆方向に回動していた回転体79を順方向に回動させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS257にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致しない場合には(ステップS257;No)、ステップS258の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS259)。このとき用いられる貯留解除判定値は、小当り制御パターンに示されるものであってもよいし、ステップS251の処理あるいは後述するステップS507の処理により設定されるものであってもよい。どの貯留解除判定値を用いるかについて、小当り制御パターンにて指定するようにしてもよい。そして、貯留解除判定値と合致すれば(ステップS259;Yes)、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させて貯留板118bをパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動(退避)させて貯留解除状態とするための設定を行う(ステップS260)。ステップS260の処理では、小当り制御パターンに含まれる貯留解除制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させる。
ステップS259にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合には(ステップS259;No)、ステップS260の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値を小当り遊技終了基準値と比較することにより、そのタイマ値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(図23のステップS261)。このとき、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(ステップS261;No)、小当り開放時処理を終了する。
これに対して、ステップS261にて遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(ステップS261;Yes)、残存球数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS262)。なお、残存球数カウント値は、図22に示すステップS252の第1大入賞口進入時処理にて、後述するステップS503、S513(図24)の処理が実行されることにより、更新される。
ステップS262にて残存球数カウント値が「0」である場合には(ステップS262;Yes)、特定入賞判定処理を実行することにより、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否かの判定が行われる(ステップS263)。続いて、例えば駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定と(ステップS264)、回転体79をモータ127の駆動力により駆動させる動作の停止設定とを行う(ステップS265)。このように、ステップS262にて残存球数カウント値が「0」である場合にステップS264、S265の処理を実行することにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、振分部材83の振分動作や回転体79の回転動作といった、可動部材の動作を停止させることができる。
ステップS265の処理に続いて、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値をクリアするとともに(ステップS266)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS267)。その後、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットしてから(ステップS268)、小当り開放時処理を終了する。このように、ステップS262にて残存球数カウント値が「0」」である場合にステップS268の処理を実行することにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が不適切に検出されたか否かの判定(第1エラー判定処理の実行)を開始させることができる。
ステップS262にて残存球数カウント値が「0」ではない場合には(ステップS262;No)、遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達したか否かを判定する(ステップS269)。このとき、遊技停止判定値に達していなければ(ステップS269;No)、小当り開放時処理を終了する。これに対して、ステップS269にて遊技停止判定値に達している場合には(ステップS269;Yes)、異常状態である旨を報知する異常報知処理を繰返し実行する(ステップS270)。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS270の異常報知処理では、上部装飾ユニット22を全て点灯させることや、演出表示装置44bの表示領域80に所定の報知画像を表示させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS270にて実行される異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS270にて実行される異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入などによりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。
図24は、図22のステップS252にて実行される第1大入賞口進入時処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す第1大入賞口進入時処理において、CPU112は、まず、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態であれば(ステップS501;Yes)、第1大入賞口カウント値を1加算するとともに(ステップS502)、残存球数カウント値を1加算する(ステップS503)。また、遊技停止判定値の設定(更新)を行う(ステップS504)。
ステップS501にて第1カウントスイッチ106からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS501;No)、ステップS502〜S504の処理をスキップする。この後、進入球検出器109からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS505)。このとき、進入球検出器109からの検出信号がオン状態であれば(ステップS505;Yes)、遊技球が第2領域88に誘導された旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第2演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS506)。例えば、ステップS506の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第2演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS506での設定を行った場合には、第1大入賞口進入時処理や小当り開放時処理が終了してから図17に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第2演出開始コマンドが送信されることになる。ステップS506の処理を実行したときには、貯留解除判定値の設定(更新)を行う(ステップS507)。例えば、ステップS507の処理では、遊技制御プロセスタイマ値に基づき、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が進入球検出器109により検出されてから、第2領域88に設けられている第2特定進入口91に進入し第2特定球検出器121bにより検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ判定値を設定する。これにより、進入球検出器109により検出された遊技球が第2特定進入口91に進入したか否かを判断できるタイミングまでは貯留用ソレノイド118を駆動させて貯留状態を維持し、遊技者にとって有利な第2領域88に設けられた第2特定進入口91に遊技球が進入するタイミングよりも後に貯留板118bを貯留開放状態に制御することで、第1特定進入口89と第2特定進入口91に遊技球が同時に進入することを防止できるとともに、第2特定進入口91に進入した遊技球の検出を第1特定進入口89に進入した遊技球の検出よりも優先的に行わせることができる。
ステップS505にて進入球検出器109からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS505;No)、ステップS506、S507の処理をスキップする。この後、第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う(ステップS508)。このとき、第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS508;Yes)、第1特定球検出フラグをオン状態にセットする(ステップS509)。
ステップS508にて第1特定球検出器121aからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS508;No)、ステップS509の処理をスキップする。この後、第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS510)。このとき、第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態であれば(ステップS510;Yes)、第2特定球検出フラグをオン状態にセットする(ステップS511)。
ステップS510にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS510;No)、ステップS511の処理をスキップする。この後、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う(ステップS512)。このとき、排出球検出器122からの検出信号がオフ状態であれば(ステップS512;No)、第1大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であれば(ステップS512;Yes)、残存球数カウント値を1減算してから(ステップS513)、第1大入賞口進入時処理を終了する。
図25は、図23のステップS263にて実行される特定入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す特定入賞判定処理において、CPU112は、まず、第1特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、第1特定球検出器121aによって第1特定進入口89に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS521)。このとき、第1特定球検出フラグがオンであれば(ステップS521;Yes)、第1特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS522)、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(ステップS523)。なお、図19に示すステップS102の始動入賞処理にて、乱数値MR1〜MR3とともに乱数値MR4を示す数値データを抽出して特図保留記憶部161に記憶させるようにしてもよい。この場合には、図20のステップS202にて乱数値MR1〜MR3とともに乱数値MR4を読み出して所定のバッファにセットしておき、ステップS523では、そのバッファから乱数値MR4を示す数値データを読み出すようにすればよい。ステップS523の処理を実行した後には、抽出された乱数値MR4に基づき、図9に示すようなラウンド数決定テーブル220を参照することなどにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数となるラウンド数を決定する(ステップS524)。ステップS524の処理に続いて、ラウンド数に対応したラウンド制御パターンをセットする(ステップS525)。ステップS525の処理では、ステップS524の処理にて決定されたラウンド数が「1ラウンド」であるか「3ラウンド」であるか「5ラウンド」であるかに対応して、ラウンド制御パターンRP3−1〜RP3−3のいずれかがセットされる。すなわち、ラウンド数が「1ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP3−1がセットされ、ラウンド数が「3ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP3−2がセットされ、ラウンド数が「5ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP3−3がセットされる。
また、ステップS521にて第1特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS521;No)、第2特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、第2特定球検出器121bによって第2特定進入口91に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS526)。このとき、第2特定球検出フラグがオンであれば(ステップS526;Yes)、第2特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS527)、小当り種別に対応するラウンド制御パターンをセットする(ステップS528)。ステップS528の処理では、図20に示すステップS209の処理にて図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより決定された小当り種別に対応して、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−1のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたかに対応して、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2のいずれかがセットされることになる。
ステップS525、S528の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態が開始される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである大当り開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS529)。例えば、ステップS529の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS529での設定を行った場合には、特定入賞判定処理や小当り開放時処理が終了してから図17に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS529の処理に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS530)。例えば、ステップS530の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められた大当り遊技開始基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた大当り遊技開始基準値は、図19のステップS114にて実行される大当り開放前処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS531)、特定入賞判定処理を終了する。
ステップS526にて第2特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS526;No)、小当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである小当り終了演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS532)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS533)、特定入賞判定処理を終了する。
図26は、図19のステップS114にて実行される大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す大当り開放前処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御プロセスタイマ値を更新するとともに、更新後のタイマ値を図25に示すステップS530の処理にてセットした大当り遊技開始基準値と比較することなどにより、大当り遊技開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS281)。このとき、大当り遊技開始待ち時間が経過していなければ(ステップS281;No)、そのまま大当り開放前処理を終了する。
ステップS281にて大当り遊技開始待ち時間が経過した場合には(ステップS281;Yes)、ラウンド数カウンタにカウント初期値となる「1」をセットした後(ステップS282)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS283)、大当り開放前処理を終了する。
図27は、図19のステップS115にて実行される大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す大当り開放中処理において、CPU112は、まず、大入賞口開放中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、大入賞口開放中フラグは、後述するステップS301の処理が実行されたときにオン状態にセットされる。ステップS291にて大入賞口開放中フラグがオフである場合には(ステップS291;No)、ラウンド制御パターンとラウンド数カウント値に基づいて、開放する大入賞口を特定する(ステップS292)。このときには、各ラウンド遊技で大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限である大入賞口開放時間も特定する(ステップS293)。ステップS293の処理では、特定された大入賞口開放時間に対応して、大入賞口開放終了判定値の設定などを行うようにしてもよい。
ステップS293の処理を実行した後には、ステップS292での処理結果に基づき第1大入賞口を開放するか否かの判定を行う(ステップS294)。このとき、第1大入賞口を開放するのであれば(ステップS294;Yes)、第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS295)、第1大入賞口を開放するための設定を行う(ステップS296)。ステップS296の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第1大入賞口開放制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を回動させる動作を始動動作よりも有利な特定態様で実行させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS296の処理を実行したときには、ラウンド遊技にて第1大入賞口が開放される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである第1大入賞口開放演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS297)。
ステップS294にて第1大入賞口ではなく第2大入賞口を開放すると判定された場合には(ステップS294;No)、第2エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS298)、第2大入賞口を開放するための設定を行う(ステップS299)。ステップS299の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第2大入賞口開放制御データが示す駆動パターンで第2大入賞口扉用ソレノイド65を駆動させることにより、第2特別可変入賞球装置48の開口部を開放状態とする方向へ開閉板49を回動させる動作を特定態様で実行させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS299の処理を実行したときには、ラウンド遊技にて第2大入賞口が開放される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである第2大入賞口開放演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS300)。
ステップS297、S300の処理のいずれかを実行した後には、大入賞口開放中フラグをオン状態にセットする(ステップS301)。ステップS291にて大入賞口開放中フラグがオンである場合や(ステップS291;Yes)、ステップS301の処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(ステップS302)。続いて、第1大入賞口を開放中であるか否かの判定を行う(ステップS303)。このとき、第1大入賞口を開放中であれば(ステップS303;Yes)、第1大入賞口開放時処理を実行してから(ステップS304)、大当り開放中処理を終了する。これに対して、第2大入賞口を開放中であれば(ステップS303;No)、第2大入賞口開放時処理を実行してから(ステップS305)、大当り開放中処理を終了する。
図28は、図27のステップS304にて実行される第1大入賞口開放時処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す第1大入賞口開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS541)。この判定処理は、例えばラウンド制御パターンにて設定された振分駆動判定値を用いて、図22に示すステップS245で実行される処理と同様の判定を行う処理であればよい。このとき、振分駆動判定値と合致すれば(ステップS541;Yes)、振分部材83を振分用ソレノイド108の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動させるための設定を行う(ステップS542)。ステップS542の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる振分駆動制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、振分用ソレノイド108を駆動させる。
ステップS541にて遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(ステップS541;No)、ステップS542の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示されるモータ駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS543)。このとき、モータ駆動開始判定値と合致すれば(ステップS543;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により回動させる動作の開始設定を行う(ステップS544)。ステップS544の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれるモータ駆動開始制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動して、回転体79を順方向あるいは逆方向に回動させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS543にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS543;No)、ステップS544の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示される貯留駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS545)。このとき、貯留駆動開始判定値と合致すれば(ステップS545;Yes)、貯留板118bを貯留用ソレノイド118の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動(進出)させて貯留状態とするための設定を行う(ステップS546)。ステップS546の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる貯留駆動開始制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、貯留用ソレノイド118を駆動させる。
ステップS546の処理を実行したときには、貯留用ソレノイド118を駆動させてから停止させるまでの駆動時間が経過したか否かを判定するために用いる貯留解除判定値をセットする(ステップS547)。なお、ステップS547の処理による貯留解除判定値のセットは行わずに、ラウンド制御パターンなどに示される貯留解除判定値を用いるようにしてもよい。
ステップS545にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS545;No)、ステップS546、S547の処理をスキップする。この後、図24のフローチャートに示すような第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS548)。
ステップS548にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS549)。この判定処理は、例えばラウンド制御パターンにて設定された振分停止判定値を用いて、図22に示すステップS253で実行される処理と同様の判定を行う処理であればよい。このとき、振分停止判定値と合致すれば(ステップS549;Yes)、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行う(ステップS550)。ステップS550の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる振分停止制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108の駆動を停止させる。
ステップS549にて遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(ステップS549;No)、ステップS550の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示されるモータ駆動切換判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS551)。この判定処理は、例えばラウンド制御パターンにて設定されたモータ駆動切換判定値を用いて、図22に示すステップS257で実行される処理と同様の判定を行う処理であればよい。このとき、モータ駆動切換判定値と合致すれば(ステップS551;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により駆動させる動作の切換設定を行う(ステップS552)。ステップS552の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれるモータ駆動切換制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動することにより、順方向に回動していた回転体79を逆方向に回動させるように、あるいは、逆方向に回動していた回転体79を順方向に回動させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS551にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致しない場合には(ステップS551;No)、ステップS552の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS553)。このとき用いられる貯留解除判定値は、ラウンド制御パターンなどに示されるものであってもよいし、ステップS547の処理あるいは図24に示すステップS507の処理により設定されるものであってもよい。どの貯留解除判定値を用いるかについて、小当り制御パターンにて指定するようにしてもよい。そして、貯留解除判定値と合致すれば(ステップS553;Yes)、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させて貯留板118bをパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動(退避)させて貯留解除状態とするための設定を行う(ステップS554)。ステップS554の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる貯留解除制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させる。
ステップS553にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合には(ステップS553;No)、ステップS554の処理をスキップする。この後、第1大入賞口カウント値が所定の開放終了判定値(例えば「5」)に達したか否かの判定を行う(ステップS555)。そして、開放終了判定値に達していない場合には(ステップS555;No)、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達したか否かの判定が行われる(ステップS556)。このとき、大入賞口開放終了判定値に達していなければ(ステップS556;No)、第1大入賞口開放時処理を終了する。
ステップS555にて第1大入賞口カウント値が開放終了判定値に達している場合や(ステップS555;Yes)、ステップS556にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達している場合には(ステップS556;Yes)、第1大入賞口の開放状態を終了して閉鎖状態とするための設定が行われる(ステップS557)。ステップS557の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第1大入賞口開放終了制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させることで、第1大入賞口を閉鎖状態に変化させる。続いて、例えば駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定と(ステップS558)、回転体79をモータ127の駆動力により駆動させる動作の停止設定とを行う(ステップS559)。
ステップS559の処理に続いて、大入賞口開放中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS560)、大入賞口開放後待ち時間の設定を行う(ステップS561)。例えば、ステップS561の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大入賞口開放後待ち時間に対応して予め定められた大入賞口開放後基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた大入賞口開放後基準値は、図19のステップS116にて実行される大当り開放後処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。その後、第1大入賞口開放後フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS562)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS563)、第1大入賞口開放時処理を終了する。
図29は、図27のステップS305にて実行される第2大入賞口開放時処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す第2大入賞口開放時処理において、CPU112は、まず、第3カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS571)。このとき、第3カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態であれば(ステップS571;Yes)、第2大入賞口カウント値を1加算する(ステップS572)。
ステップS571にて第3カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS571;No)、ステップS572の処理をスキップする。この後、第2大入賞口カウント値が所定の開放終了判定値(例えば「10」)に達したか否かの判定を行う(ステップS573)。そして、開放終了判定値に達していない場合には(ステップS573;No)、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達したか否かの判定が行われる(ステップS574)。このとき、大入賞口開放終了判定値に達していなければ(ステップS574;No)、第2大入賞口開放時処理を終了する。
ステップS573にて第2大入賞口カウント値が開放終了判定値に達している場合や(ステップS573;Yes)、ステップS574にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達している場合には(ステップS574;Yes)、第2大入賞口の開放状態を終了して閉鎖状態とするための設定が行われる(ステップS575)。ステップS575の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第2大入賞口開放終了制御データを読み出し、その制御データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動を停止させることで、第2大入賞口を閉鎖状態に変化させる。続いて、大入賞口開放中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS576)、大入賞口開放後待ち時間の設定を行う(ステップS577)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS578)、第2大入賞口開放時処理を終了する。
図30は、図19のステップS116にて実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す大当り開放後処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御プロセスタイマ値を更新するとともに、更新後のタイマ値を図28に示すステップS561の処理や図29に示すステップS577の処理等にてセットした大入賞口開放後基準値と比較することなどにより、大入賞口開放後待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS591)。このとき、大入賞口開放後待ち時間が経過していなければ(ステップS591;No)、そのまま大当り開放後処理を終了する。
ステップS591にて大入賞口開放後待ち時間が経過した場合には(ステップS591;Yes)、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS592)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(ステップS592;Yes)、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットする(ステップS593)。これに対して、第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(ステップS592;No)、第2エラー判定実行フラグをオン状態にセットする。これにより、ラウンド遊技にて第1大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とした場合には大入賞口開放後待ち時間の経過後に第1エラー判定処理の実行を開始させることができ、ラウンド遊技にて第2大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とした場合には大入賞口開放後待ち時間の経過後に第2エラー判定処理の実行を開始させることができる。
ステップS593、S594の処理のいずれかを実行した後には、ラウンド数カウント値がラウンド遊技の最大継続回数に対応したラウンド最大値に達しているか否かの判定を行う(ステップS595)。このとき、ラウンド最大値に達していない場合には(ステップS595;No)、ラウンド継続条件判定処理を実行してから(ステップS596)、大当り開放後処理を終了する。
ステップS595にてラウンド最大値に達している場合には(ステップS595;Yes)、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS597)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(ステップS597;Yes)、第1大入賞口開放後フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS598)、第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS599)。これに対して、ステップS597にて第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(ステップS597;No)、第2大入賞口フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS600)。
ステップS599、S600の処理のいずれかを実行した後には、ラウンド数カウンタを初期化してラウンド数カウント値をクリアするとともに(ステップS601)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS602)、大当り開放後処理を終了する。
図31は、図30のステップS596にて実行されるラウンド継続条件判定処理の一例を示すフローチャートである。図31に示すラウンド継続条件判定処理において、CPU112は、まず、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS611)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(ステップS611;Yes)、第1大入賞口開放後フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS612)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS613)。
ステップS613の処理に続いて、第1特定球検出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS614)。このとき、第1特定球検出フラグがオフであれば(ステップS614;No)、第2特定球検出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS615)。そして、ステップS614にて第1特定球検出フラグがオンである場合や(ステップS614;Yes)、ステップS615にて第2特定球検出フラグがオンである場合には(ステップS615;Yes)、第1及び第2特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS616)、ラウンド数カウント値を1加算するとともに(ステップS617)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS618)、ラウンド継続条件判定処理を終了する。これにより、第1大入賞口に進入した遊技球があった場合には、次のラウンド遊技に移行することができる。
ステップS611にて第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(ステップS611;No)、第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値となっているか否かを判定する(ステップS619)。このとき、第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値であれば(ステップS619;Yes)、第2大入賞口に進入した遊技球があったと判断して、第2大入賞口カウンタを初期化して第2大入賞口カウント値をクリアした後(ステップS620)、ステップS617の処理に進むことで、次のラウンド遊技に移行できるようにする。なお、ステップS619の処理では、第3特定球検出器51による遊技球の検出があったか否かを判定することにより、第2大入賞口に進入した遊技球があったか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS615にて第2特定球検出フラグがオフである場合や(ステップS615;No)、ステップS619にて第2大入賞口カウント値が「0」である場合には(ステップS619;No)、ラウンド遊技にて開放状態となった大入賞口に進入した遊技球がなかったと判断して、次のラウンドには移行せずに、大当り遊技状態を終了させる。すなわち、ラウンド数カウンタを初期化してラウンド数カウント値をクリアするとともに(ステップS621)、特別図柄プロセスフラグを大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから、ラウンド継続条件判定処理を終了する。
次に、演出制御基板90における動作を説明する。演出制御基板90では、電源基板97等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ170が起動し、CPU181が図32のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図32に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU181は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM183のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板90に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値を示す数値データの更新が行われる。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過する毎にオン状態にセットされる。ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99から送信された各種の演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、表示制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この表示制御プロセス処理では、演出表示装置44bの表示領域における演出画像の表示動作について、主基板120から送信された演出制御コマンド等に応じた設定や制御が行われる。例えば、可変表示開始コマンドを受信したときには、飾り図柄の可変表示に対応した演出画像を表示領域80に表示させるための設定や制御が行われる。また、大当り開始コマンドを受信したときには、大当り遊技状態が開始される旨の報知情報を示す演出画像を表示領域80に表示させるための設定や制御が行われる。
ステップS406にて表示制御プロセス処理を実行した後には、音・ランプ制御コマンド処理を実行してから(ステップS407)、ステップS402の処理に戻る。ステップS407にて実行される音・ランプ制御コマンド処理では、主基板120の演出制御用マイクロコンピュータ99から送信された各種の演出制御コマンドなどに対応して、スピーカ12a、12bによる音声の出力動作を制御する音声制御データ、あるいは各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32の点灯動作を制御する点灯制御データといった、各種の演出動作を制御する制御データとなる制御コマンドの設定が行われる。
次に、小当り遊技状態における開閉片用ソレノイド105、振分用ソレノイド108及びモータ127の具体的な駆動制御例について説明する。図33は、小当り種別が「第1小当り」及び「第2小当り」のそれぞれに決定された場合における小当り遊技状態での開閉片用ソレノイド105及び振分用ソレノイド108の制御タイミングを示すタイミングチャートである。図33(A)〜(E)では、横軸が時間の経過を示している。
パチンコ遊技機1では、図33(A)に示すように始動口スイッチ56、60のいずれかにより出力される検出信号がオン状態となったことに基づいて、図33(B)に示すように特別図柄表示装置44aによる特図ゲームが開始され、特別図柄の可変表示が行われる。その後、特図ゲームにおける可変表示結果が第1小当りに対応した小当り図柄「11」となった場合には、その確定特別図柄が導出表示されて特図ゲームにおける可変表示が停止してから所定の待機時間T3(例えば2.0秒)が経過したときに、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。このときには、第1小当り時用の小当り制御パターンKP1で定められた駆動パターンに従って開閉片用ソレノイド105が駆動されることにより、開閉片81が開口部82を2回開放状態とする回動動作を行う。この駆動パターンでは、所定の開放時間T1(例えば0.8秒)にわたり開閉片用ソレノイド105を駆動して開口部82を開放状態とする駆動動作が、所定のインターバル時間T2(例えば1.6秒)にわたり開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉鎖状態とする期間を挟んで、2回繰り返される。また、特図ゲームにおける可変表示結果が第2小当りに対応した小当り図柄「55」となった場合にも、第1小当りの場合と同様の駆動パターンにより、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。このように、第1小当りと第2小当りの場合には、互いに同一の開閉動作態様で第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態と開放状態とに変化させる始動動作が行われるとよい。
特図ゲームにおける可変表示結果が、第1小当りに対応した小当り図柄「11」となった場合と、第2小当りに対応した小当り図柄「55」となった場合には、開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して開口部82が開放状態となることに対応して、第1の振分動作パターンによる振分用ソレノイド108の駆動が開始される。この第1の振分動作パターンでは、所定の第1振分時間(例えば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにした後、所定の第2振分時間(例えば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分けるという駆動動作が、所定期間が経過するまで繰り返される。ここで、第1小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間として時間T10(例えば4.0秒)が経過するまでの期間において、第1の振分動作パターンによる駆動動作が行われる。これに対して、第2小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間として時間T20(例えば2.0秒)が経過するまでの期間において、第1の振分動作パターンによる駆動動作が行われる。
第1の振分動作パターンによる駆動動作が行われる所定期間が経過した後には、振分用ソレノイド108の駆動動作が、第1の振分動作パターンから第2の振分動作パターンに切り換えられる。この第2の振分動作パターンでは、所定の第3振分時間(例えば0.5秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにした後、第2振分時間(例えば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分けるという駆動動作が、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定、すなわち図23のステップS262における「Yes」の判定がなされるまで、繰り返される。
図34(E)は、第1小当りに対応した小当り遊技状態におけるモータ127の駆動動作例を示しており、図35(E)は、第2小当りに対応した小当り遊技状態におけるモータ127の駆動動作例を示している。図34(E)及び図35(E)に示すように、第1小当りと第2小当りに対応する小当り遊技状態ではいずれも、図34(A)や図35(A)に示すように小当り遊技状態の開始に対応して第1エラー判定実行フラグがオン状態からオフ状態へと切り換えられるタイミングTi01やタイミングTi11にて、モータ127が回転体79を順方向に回動させるような駆動動作が開始される。そして、例えばタイミングTi02やタイミングTi12にて図34(B)や図35(B)に示すように第1カウントスイッチ106により第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出された後、図34(C)や図35(C)に示すような排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されるまで、すなわち図23のステップS262にて「Yes」の判定がなされるタイミングTi04やタイミングTi14まで、モータ127が回転体79を順方向に回動させるように駆動される。そのため、第2領域88に振り分けられた遊技球は、3/4の確率で第2特定進入口91に進入することになる。これに対して、第1領域85に振り分けられた遊技球は1/10の確率で第1特定進入口89に進入する。
また、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合には、図25に示すステップS523、S524の処理が実行されることにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数が、「1ラウンド」、「3ラウンド」及び「5ラウンド」のいずれかに決定される。これに対して、第2特定進入口89に遊技球が進入した場合には、図25に示すステップS528にて小当り種別に対応するラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2のいずれかがセットされ、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数は「10ラウンド」に設定される。そのため、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合の方が、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合に比べて、遊技者にとってより有利な遊技状態になる。そして、第1の振分動作パターンは、振分用ソレノイド108の駆動を停止して第1領域85に遊技球を振り分ける期間が、第2の振分動作パターンに比べて短くなっている。そのため、第1の振分動作パターンで振分用ソレノイド108の駆動動作が行われる場合には、第2の振分動作パターンで振分用ソレノイド108の駆動動作が行われる場合に比べて、第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすくなって大当り遊技状態となる確率が高められるとともに、遊技者にとってより有利な第2特定進入口91に遊技球が進入しやすくなる。第1小当りに対応した小当り遊技状態と、第2小当りに対応した小当り遊技状態とでは、特図ゲームでの可変表示結果が小当り図柄「11」に決定されたか小当り図柄「55」に決定されたかに対応して、第1の振分動作パターンによる駆動動作が行われる所定期間を異ならせている。
そして、図34(C)や図35(C)に示すような排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて図23のステップS262にて残存球数カウント値が「0」であると判定され(ステップS262;Yes)、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に基づいて、タイミングTi04やタイミングTi14にてステップS264、S265の処理を実行することにより、振分用ソレノイド108とモータ127の駆動動作を停止させることができる。
図36は、小当り種別が「第3小当り」に決定された場合における小当り遊技状態での振分用ソレノイド108及びモータ127の駆動タイミングを示すタイミングチャートである。図37は、小当り種別が「第4小当り」に決定された場合における小当り遊技状態での振分用ソレノイド108及びモータ127の駆動タイミングを示すタイミングチャートである。なお、特図ゲームにおける可変表示結果が、第3小当りに対応した小当り図柄「32」となった場合と、第4小当りに対応した小当り図柄「76」となった場合の双方において、第1小当りや第2小当りの場合と同様の駆動パターンにより開閉片用ソレノイド105を駆動して、開口部82を2回繰返し開放状態とする始動動作が行われればよい。すなわち、第3小当りと第4小当りの場合には、互いに同一の開閉動作態様で第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態と開放状態とに変化させる始動動作が行われるとよい。
特図ゲームにおける可変表示結果が、第3小当りに対応した小当り図柄「32」となった場合と、第4小当りに対応した小当り図柄「76」となった場合には、開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して開口部82が開放状態となることに対応して、前述した第2の振分動作パターンによる振分用ソレノイド108の駆動が開始される。この第2の振分動作パターンによる振分用ソレノイド108の駆動動作は、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定、すなわち図23のステップS262における「Yes」の判定がなされるまで、繰り返される。
第3小当りと第4小当りに対応する小当り遊技状態ではいずれも、図36(A)や図37(A)に示すように、小当り遊技状態の開始に対応して第1エラー判定実行フラグがオン状態からオフ状態へと切り換えられるタイミングTi01やタイミングTi11にて、モータ127が回転体79を順方向に回動させるような第1の回動パターンによる駆動動作が開始される。この第1の回動パターンでは、モータ127が回転体79を順方向に回動させるという駆動動作が、所定期間が経過するまで継続的に行われる。ここで、第3小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間として時間T10(例えば4.0秒)が経過するタイミングTi03までの期間において、第1の回動パターンによる駆動動作が行われる。これに対して、第4小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間として時間T20(例えば2.0秒間)が経過するタイミングTi13までの期間において、第1の回動パターンによる駆動動作が行われる。
第1の回動パターンによる駆動動作が行われる所定期間が経過した後には、モータ127が回転体79を回動させる駆動動作が、第1の回動パターンから第2の回動パターンに切り換えられる。この第2の回動パターンでは、モータ127が回転体79を逆方向に回動させるという駆動動作が、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定、すなわち図23のステップS262における「Yes」の判定がなされるまで、繰り返される。モータ127が回転体79を順方向に回動させているときには、第2領域88に振り分けられた遊技球が3/4の確率で第2特定進入口91に進入する。これに対して、モータ127が回転体79を逆方向に回動させているときには、第2領域88に振り分けられた遊技球が1/4の確率で第2特定進入口91に進入する。そのため、回転体79を順方向に回動させる第1の回動パターンでモータ127の駆動動作が行われる場合には、回転体79を逆方向に回動させる第2の回動パターンでモータ127の駆動動作が行われる場合に比べて、第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすくなって大当り遊技状態となる確率が高められるとともに、遊技者にとってより有利な第2特定進入口91に遊技球が進入しやすくなる。第3小当りに対応した小当り遊技状態と、第4小当りに対応した小当り遊技状態とでは、特図ゲームでの可変表示結果が小当り図柄「32」に決定されたか小当り図柄「76」に決定されたかに対応して、第1の回動パターンによる駆動動作が行われる所定期間を異ならせている。
そして、図36(C)や図37(C)に示すような排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて図23のステップS262にて残存球数カウント値が「0」であると判定され(ステップS262;Yes)、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に基づいて、タイミングTi04やタイミングTi14にてステップS264、S265の処理を実行することにより、振分用ソレノイド108とモータ127の駆動動作を停止させることができる。
図38は、小当り種別が「第5小当り」及び「第6小当り」のそれぞれに決定された場合における小当り遊技状態での開閉片用ソレノイド105及び振分用ソレノイド108の制御タイミングを示すタイミングチャートである。なお、特図ゲームにおける可変表示結果が、第5小当りに対応した小当り図柄「22」となった場合と、第6小当りに対応した小当り図柄「44」となった場合にはいずれも、第1小当りや第2小当りの場合と同様に、図23のステップS262にて「Yes」の判定がなされるまで、モータ127が回転体79を順方向に回動させるように駆動されればよい。また、図38(C)に示すように、第5小当りと第6小当りに対応する小当り遊技状態ではいずれも、第1小当りや第2小当りの場合と同様の駆動パターンにより開閉片用ソレノイド105を駆動して、開口部82を2回繰返し開放状態とする始動動作が行われる。すなわち、第5小当りと第6小当りの場合には、互いに同一の開閉動作態様で第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態と開放状態とに変化させる始動動作が行われるとよい。
第5小当りに対応した小当り遊技状態では、開閉片用ソレノイド105の駆動により開口部82が1回目の開放状態となるタイミングから第1振分駆動待機時間T30(例えば1.0秒)が経過するまでの期間にて、振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分ける。そして、第1振分駆動待機時間T30が経過すると、第1振分継続時間T31(例えば2.0秒)が経過するまでの期間にて、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分ける。その後、第1振分継続時間T31が経過すると、振分用ソレノイド108の駆動を再び停止して遊技球を第1領域85へと振り分ける。
これに対して、第6小当りに対応した小当り遊技状態では、開閉片用ソレノイド105の駆動により開口部82が1回目に開放状態となるタイミングから第2振分駆動待機時間T40(例えば3.0秒)が経過する間での期間にて、振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分ける。そして、第2振分駆動待機時間T40が経過すると、第2振分継続時間T41(例えば1.0秒)が経過するまでの期間にて、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分ける。その後、第2振分継続時間T41が経過すると、振分用ソレノイド108の駆動を再び停止して遊技球を第1領域85へと振り分ける。
第5小当りと第6小当りに対応する小当り遊技状態ではいずれも、モータ127が回転体79を順方向に回動させていることから、第2領域88へと振り分けられた遊技球は、3/4の確率で第2特定進入口91に進入する。これに対して、第1領域85へと振り分けられた遊技球は、1/10の確率で第1特定進入口89に進入する。そのため、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと遊技球を振り分ける場合には、振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分ける場合に比べて、第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすくなって大当り遊技状態となる確率が高められるとともに、遊技者にとってより有利な第2特定進入口91に遊技球が進入しやすくなる。第5小当りに対応した小当り遊技状態と、第6小当りに対応した小当り遊技状態とでは、特図ゲームでの可変表示結果が小当り図柄「22」に決定されたか小当り図柄「44」に決定されたかに対応して、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分ける期間を異ならせている。
図39は、小当り種別が「第7小当り」及び「第8小当り」のそれぞれに決定された場合における小当り遊技状態での開閉片用ソレノイド105及び振分用ソレノイド108の制御タイミングを示すタイミングチャートである。なお、特図ゲームにおける可変表示結果が、第7小当りに対応した小当り図柄「66」となった場合と、第8小当りに対応した小当り図柄「88」となった場合にはいずれも、第1小当りや第2小当りの場合と同様に、図23のステップS262にて「Yes」の判定がなされるまで、モータ127が回転体79を順方向に回動させるように駆動されればよい。
第7小当りに対応する小当り遊技状態では、第7小当りに対応した小当り図柄「66」が確定特別図柄として導出表示されて特図ゲームにおける可変表示が停止してから所定の第1始動待機時間T4(例えば0.8秒)が経過したときに、所定の駆動パターンによる開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。これに対して、第8小当りに対応する小当り遊技状態では、第8小当りに対応した小当り図柄「88」が確定特別図柄として導出表示されて特図ゲームにおける可変表示が停止してから所定の第2始動待機時間T5(例えば4.0秒)が経過したときに、所定の駆動パターンによる開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。第8小当りに対応した小当り遊技状態にて開閉片用ソレノイド105の駆動動作を行う駆動パターンは、第7小当りの場合と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
第7小当りと第8小当りに対応する小当り遊技状態ではいずれも、図39(E)に示すように、特図ゲームにおける可変表示が停止してから所定の振分待機期間T6(例えば1.0秒)が経過したときに、振分用ソレノイド108の駆動を開始して遊技球を第2領域88へと振り分ける。この場合には、例えば所定の第2振分時間(例えば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動した後、その駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分ける状態に戻す。
第7小当りと第8小当りに対応する小当り遊技状態では、振分用ソレノイド108が駆動される期間、すなわち、振分部材83が遊技球を第2領域88へと振り分ける状態に制御される期間が同一である。そして、第7小当りに対応する小当り遊技状態では、開口部82を1回目に開放状態とする期間内にて振分用ソレノイド108が駆動される。そのため、第7小当りに対応する小当り遊技状態では、開口部82が1回目に開放状態となったときに第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を、第2領域88へと振り分けることができる。これに対して、第8小当りに対応する小当り遊技状態では、開口部82を2回にわたり開放状態とするいずれの期間内でも振分用ソレノイド108が駆動されることはない。そのため、第8小当りに対応する小当り遊技状態では、開口部82が開放状態となったときに第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を、第2領域88へと振り分けることができない。なお、第8小当りに対応する小当り遊技状態にて遊技球を第2領域88へと振り分けることが完全に不可能となる(0%となる)ものに限定されず、第8小当りに対応する小当り遊技状態では、第7小当りに対応する小当り遊技状態に比べて、遊技球が第2領域88へと振り分けられにくくなるものであればよい。これにより、第7小当りに対応する小当り遊技状態と、第8小当りに対応する小当り遊技状態とでは、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入する確率や、第2特定進入口91に遊技球が進入する確率を、異ならせることができる。
大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技では、開放する大入賞口が第1特別可変入賞装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」である場合に、小当り種別が「第1小当り」〜「第8小当り」のいずれかである場合のように、例えば大当り種別やラウンド遊技の実行回数に対応して、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様を異ならせるようにしてもよい。具体的な一例として、第2大当りに対応する大当り遊技状態にてラウンド数カウント値が「4」のときに実行されるラウンド遊技では、第1小当り時用の小当り制御パターンKP1と同様にして、時間T10が経過するまでの期間において第1の振分動作パターンによる振分用ソレノイド108の駆動動作を行い、その後に第1の振分動作パターンから第2の振分動作パターンに切り換えるようにする。これに対して、第2大当りに対応する大当り遊技状態にてラウンド数カウント値が「8」のときに実行されるラウンド遊技では、第2小当り時用の小当り制御パターンKP2と同様にして、時間T20が経過するまでの期間において第1の振分動作パターンによる振分用ソレノイド108の駆動動作を行い、その後に第1の振分動作パターンから第2の振分動作パターンに切り換えるようにする。なお、各ラウンド遊技における振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様は、そのラウンド遊技が開始されるときに、動作態様決定用の乱数値を抽出し、抽出された乱数値に基づいて動作態様決定テーブルを参照することにより決定してもよい。このように、各ラウンド遊技における振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様を変化させることにより、大当り遊技状態においても、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含む特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間とを設けることができ、さらに、複数回のラウンド遊技のうちに遊技球が特定領域に進入しやすく次のラウンド遊技に移行しやすいラウンド遊技と、遊技球が特定領域に進入しにくく次のラウンド遊技に移行しにくいラウンド遊技とを設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別可変入賞球装置66に、遊技球が進入すると大当り遊技状態となる特定領域としての第1特定進入口89と第2特定進入口91が設けられている。ここで、第1特定進入口89は第1領域85に設けられており、第2特定進入口91は第1領域85よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態となりやすい第2領域88に設けられている。第1特別可変入賞球装置66では、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける可変表示結果が小当り図柄となった場合に、開口部82が開放状態に制御されることにより、特別図柄表示装置44aでの可変表示結果に基づいて遊技球の受け入れやすさが変化する。また、第1特別可変入賞球装置66の内部では、振分用ソレノイド108によって駆動される振分部材83により、遊技球が第1領域85と第2領域88のいずれかに振り分けられる。これにより、表示図柄の可変表示による遊技を行いながらも、第1特別可変入賞球装置66の内部における遊技球の挙動に基づいた遊技の面白みを実現することができる。
そして、CPU112が図21に示すステップS228にて、小当り種別が「第1小当り」〜「第8小当り」のいずれかであることに対応して、小当り制御パターンKP1〜KP8をセットする。このときセットされた小当り制御パターンKP1〜KP6に基づき、図22に示すステップS245〜S248の処理や、S253、S254の処理、S257、S258の処理を実行することにより、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動制御を行う。ここで、小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかであることに対応してセットされる小当り制御パターンKP1〜KP4では、所定時間が経過するまで、振分用ソレノイド108やモータ127を、例えば第1の振分動作パターンや第1の回動パターンといった第1の動作パターンで駆動させる。所定期間が経過した後には、第1の動作パターンを、例えば第2の振分動作パターンや第2の回動パターンといった第2の動作パターンに切り換える。第1の動作パターンと第2の動作パターンでは、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入する確率や、第1特定進入口89よりも有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率を異ならせている。
また、小当り種別が「第5小当り」と「第6小当り」のいずれかであることに対応してセットされる小当り制御パターンKP5、KP6では、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分ける期間の開始タイミングや長さを異ならせている。
これにより、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき第1大入賞口を開放状態とする始動動作が行われる場合でも、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入しやすい期間と、進入しにくい期間を設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。
また、排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて図23のステップS262にて残存球数カウント値が「0」であると判定され、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に基づいて、ステップS264、S265の処理を実行することにより、振分用ソレノイド108とモータ127の駆動動作を停止させる。これにより、振分用ソレノイド108やモータ127を常に駆動して振分部材83や回転体79を常に動作させる場合に比べて、消費電力を低減させることができる。
可動部材に含まれる振分部材83は、振分用ソレノイド108によって駆動される。このようにソレノイドを用いて可動部材を駆動する場合には、モータを用いて駆動する場合に比べて、可動部材を短時間で初期位置に戻すことができ、遊技の公平性を保つことができる。
可動部材に含まれる回転体79は、モータ127の駆動力により回動可能に構成されている。そして、第1の回動パターンではモータ127が回転体79を順方向に回動させ、第2の回動パターンではモータ127が回転体79を逆方向に回動させる。これにより、第2領域88に振り分けられた遊技球が第2特定進入口91に進入しやすい動作パターンであるか、進入しにくい動作パターンであるかを、遊技者が容易に認識することができ、遊技球が特定領域となる第2特定進入口91に進入して大当り遊技状態となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
小当り種別が「第1小当り」と「第2小当り」のいずれであるかに応じて、第1の振分動作パターンによる駆動動作が行われる所定期間を異ならせている。また、小当り種別が「第3小当り」と「第4小当り」のいずれであるかに応じて、第1の回動パターンによる駆動動作が行われる所定期間を異ならせている。さらに、小当り種別が「第5小当り」と「第6小当り」のいずれであるかに応じて、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分ける期間の開始タイミングや長さを異ならせている。これにより、第1特別可変入賞球装置66による始動動作が行われた場合における遊技を多様化させて、遊技の興趣を向上させることができる。
図21に示すステップS222の処理では、大当り種別が大当り図柄「77」に対応した「第1大当り」と大当り図柄「33」に対応した「第2大当り」のいずれであるかに応じて、異なるラウンド制御パターンRP1−1、RP1−2のいずれかをセットしている。そして、図13(A)に示すラウンド制御パターンRP1−1と図13(B)に示すラウンド制御パターンRP1−2とでは、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達するまでに実行される少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を、異ならせている。これにより、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技を多様化させて、遊技の興趣を向上させることができる。
図25に示すステップS528の処理では、小当り種別が「第1小当り」〜「第8小当り」のいずれであるかに応じて、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2のいずれかをセットしている。ここで、図8(B)に示すように、各小当り種別では互いに異なる小当り図柄「11」、「55」、「32」、「76」、「22」、「44」、「66」、「88」に決定される。そして、図14(A)に示すラウンド制御パターンRP2−1と図14(B)に示すラウンド制御パターンRP2−2とでは、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達するまでに実行される少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を、異ならせている。これにより、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技を多様化させて、遊技の興趣を向上させることができる。
図13(A)及び(B)や図14(A)及び(B)に示すように、大入賞口開放時間が「29秒」といった大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が長いラウンド遊技では、開放する大入賞口を「第2」として第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により開口部を開放状態とする。これに対して、大入賞口開放時間が「1.5秒」や「5秒」といった大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が短いラウンド遊技では、開放する大入賞口を「第1」として第1特別可変入賞球装置66の開閉片81により開口部82を開放状態とする。これにより、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技に変化をつけて、遊技の興趣を向上させることができる。
始動動作により第1大入賞口となる開口部82を開放状態とした後には、図23のステップS262にて残存球数カウント値が「0」であると判定され、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に基づいて、ステップS268にて第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットする。そして、第1エラー判定実行フラグがオンであるときには、図18に示すステップS52の第1エラー判定処理が実行されることになる。これにより、始動動作により開放状態となった大入賞口に遊技球が入賞した場合でも、異常の有無を適切に判定することができる。
小当り種別が「第7小当り」であることに対応してセットされる小当り制御パターンKP7と、小当り種別が「第8小当り」であることに対応してセットされる小当り制御パターンKP8とでは、振分部材83を移動させるための振分用ソレノイド108の駆動タイミングは同一とし、開閉片用ソレノイド105の駆動により開口部82を開放状態とするタイミングが異なるように制御する。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果が「第7小当り」に対応した小当り図柄「66」となった場合と、「第8小当り」に対応した小当り図柄「88」となった場合とで、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入可能となるタイミングや、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入する確率を異ならせることができ、遊技が単調になることを防止して、遊技の興趣を向上させることができる。
図23に示すステップS262にて残存球数カウント値が「0」とならずに所定時間が経過し、ステップS269にて遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達した場合には、ステップS270の異常報知処理が繰返し実行されることにより、遊技の進行を停止させる。これにより、異常な状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。また、図23に示すステップS262にて残存球数カウント値が「0」となって第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されるまでは、ステップS263の特定入賞判定処理が実行されず、図25に示すステップS531、S533にて特別図柄プロセスフラグの値が更新されることがない。これによっても、異常な状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。図20に示すステップS204、S207では、図7に示すような特図表示結果判定テーブル200を参照して、乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データや小当り判定値データと合致するか否かの判定が行われる。これにより、小当り遊技状態となる割合よりも低い割合で、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否かに関わらず大当り遊技状態として、遊技に意外性を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、小当り種別が「第1小当り」〜「第8小当り」のいずれかに決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、少なくとも、「第1小当り」と「第2小当り」の組合せ、「第3小当り」と「第4小当り」の組合せ、「第5小当り」と「第6小当り」の組合せのうち、いずれか1つの組合せに含まれる小当り種別に決定できるものであればよい。
また、上記実施の形態では、小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかであることに対応して、小当り遊技状態では所定期間が経過するまで、第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすくなるとともに、遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入しやすくなる第1の振分動作パターンや第1の回動パターンにより、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を行い、所定期間が経過した後には、第1の振分動作パターンや第1の回動パターンを第2の振分動作パターンや第2の回動パターンに切り換えるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態では所定期間が経過するまで、特定領域となる第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに遊技球が進入しにくくなるとともに、遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入しにくくなる第2の振分動作パターンや第2の回動パターンにより、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を行い、所定期間が経過した後には、第2の振分動作パターンや第2の回動パターンを第1の振分動作パターンや第1の回動パターンに切り換えるようにしてもよい。
また、第1の振分動作パターンや第2の振分動作パターンは、第1の振分動作パターンの方が第2の振分動作パターンに比べて第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が入賞しやすい任意の動作パターンであればよい。例えば、上記実施の形態では、特図ゲームにおける可変表示結果が第1小当りに対応した小当り図柄「11」となった場合や、第2小当りに対応した小当り図柄「55」となった場合には、第1の振分動作パターンとして、所定の第1振分時間(例えば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにした後、所定の第2振分時間(例えば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分けるという駆動動作が、所定時間が経過するまで繰り返されるものとして説明した。これに対して、第1の振分動作パターンとして、例えば所定時間として時間T10(例えば4.0秒)や時間T20(例えば2.0秒)が経過するまで、振分用ソレノイド108を駆動して、その所定時間内では遊技球を全て第2領域88へと振り分けるようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、第1の振分動作パターンから切り換えられる第2振分動作パターンとして、所定の第3振分時間(例えば0.5秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにした後、第2振分時間(例えば0.2秒間)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分けるものとして説明した。これに対して、第2の振分動作パターンとして、振分用ソレノイド108の駆動を常に停止させて、遊技球を全て第1領域85へと振り分けるようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「1ラウンド」、「3ラウンド」及び「5ラウンド」のいずれかに決定するのに対して、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「10ラウンド」として、第1特定進入口89に比べて第2特定進入口91の方が遊技者にとってより有利な大当り遊技状態となりやすいものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合でも、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合と同じラウンド遊技の最大継続回数に決定できるものとしてもよい。また、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合にも、ラウンド遊技の最大継続回数を複数種類のうちから決定するようにしてもよい。この場合、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合と第2特定進入口91に進入した場合とで、決定されるラウンド遊技の最大継続回数を異ならせるようにしてもよいし、決定可能なラウンド遊技の最大継続回数は同じとして、各最大継続回数に決定される割合を異ならせるようにしてもよい。
例えば、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「2ラウンド」、「5ラウンド」及び「8ラウンド」のいずれかに決定するのに対して、遊技球が第2特定進入口89に進入した場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データあるいは乱数値MR4とは異なる乱数値を示す数値データに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「8ラウンド」及び「14ラウンド」のいずれかに決定するようにしてもよい。この場合、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に比べて、第2特定進入口91に進入した場合の方が、遊技者にとって有利なラウンドとなる割合が高くなる。
上記実施の形態では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行い、また、大当り遊技状態にて行われるラウンド遊技では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態としたり、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を遊技者に有利な特定態様で開放状態としたりするものとして説明した。すなわち、遊技領域41に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、遊技球を受け入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受け入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置48を備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする制御を行い、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づいて、遊技者に有利な大当り遊技状態におけるラウンド遊技では第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態としたり、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を遊技者に有利な特定態様で開放状態としたりするパチンコ遊技機1について説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、2つの大入賞口を開放状態とすることが可能に構成されていなくても、1つの大入賞口を始動態様や特定態様で開放状態とすることが可能に構成されたものであってもよい。
例えば、遊技領域41に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、遊技球を受け入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受け入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66を備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作の制御を行い、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態とし、最大継続回数に達するまでは、ラウンド遊技中に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入したことに基づいて、次のラウンド遊技に移行可能とする遊技機であってもよい。この場合、始動態様として開口部82を第1の時間にわたり開放状態とする制御を第1の回数に達するまで行う一方で、特定態様として開口部82を第1の時間よりも長い第2の時間にわたり開放状態とする制御を行うものでもよく、また、特定態様として開口部82を第1の回数よりも多い第2の回数に達するまで開放状態とする制御を行うものでもよく、さらに、この両者を組み合わせた態様で大入賞口となる開口部82を開放状態に制御するものであってもよい。
このような制御が行われる遊技機では、特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を行わずに、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに対応して、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行われるようにしてもよい。あるいは、特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」となったことに対応して始動動作を行う一方で、「大当り」となったことに対応して大当り遊技状態となり、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入したか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を特定態様で開放状態とするラウンド遊技が行われるようにしてもよい。さらには、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」となったか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行われるようにしてもよい。
そして、始動動作の制御を行う際には、例えば上記実施の形態における小当り種別決定用の乱数値MR3と同様の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値に基づいて上記実施の形態における小当り種別決定テーブル211と同様の決定テーブルを参照することなどにより、上記実施の形態における小当り制御パターンKP1〜KP8と同様の制御パターンを決定する処理を実行し、決定された制御パターンに応じて振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を行うようにしてもよい。これにより、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行われることに対応して、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間を設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。また、排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたときには、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を停止させることにより、消費電力を低減させることができるようにしてもよい。さらに、大当り遊技状態にてラウンド遊技を実行する際には、例えば所定の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値に基づいて所定のラウンド制御決定テーブルを参照することなどにより、大当り遊技状態にて実行される複数回のラウンド遊技のうち、少なくとも1回のラウンド遊技を実行可能な時間の上限を、複数種類のいずれかに決定することで、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技に変化をつけて、遊技の興趣を向上させることができるようにしてもよい。加えて、大当り遊技状態にて実行される各ラウンド遊技では、例えば大当り種別やラウンド遊技の実行回数、あるいは所定の乱数値を示す数値データなどに対応して、上記実施の形態における小当り制御パターンKP1〜KP8と同様の複数種類の制御パターンのうちからいずれかを選定し、選定された制御パターンに応じて振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様を変化させることなどにより、大当り遊技状態においても、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含む特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間とを設け、あるいは、複数回のラウンド遊技のうちに遊技球が特定領域に進入しやすく次のラウンド遊技に移行しやすいラウンド遊技と、遊技球が特定領域に進入しにくく次のラウンド遊技に移行しにくいラウンド遊技とを設けることで、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができるようにしてもよい。
あるいは、大当り遊技状態にて行われるラウンド遊技にて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするか、第2特別可変入賞球装置の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を開放状態とするかを、大当り遊技状態が発生するまでの過程に応じて、異ならせるようにしてもよい。例えば、特図ゲームにおける可変表示結果が特定表示結果としての「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を特定態様で開放状態とする制御を行うようにしてもよい。このときには、第2大入賞口となる開口部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、最大継続回数に達するまで次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。あるいは、ラウンド遊技中に第3特定球検出器51や第3カウントスイッチ52が遊技球を検出したことに基づいて、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。これに対して、特図ゲームにおける可変表示結果が所定表示結果としての「小当り」となった後、始動動作で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を特定態様で開放状態とする制御を行うようにしてもよい。このときには、最大継続回数に達するまでの各ラウンド遊技中にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入したことに基づき、次のラウンド遊技に移行することができればよい。
そして、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作が行われる際には、例えば上記実施の形態における小当り種別決定用の乱数値MR3と同様の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値に基づいて上記実施の形態における小当り種別決定テーブル211と同様の決定テーブルを参照することなどにより、上記実施の形態における小当り制御パターンKP1〜KP8と同様の制御パターンを決定する処理を実行し、決定された制御パターンに応じて振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を行うようにしてもよい。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて第1特別可変入賞球装置66の開口部を始動態様で開放状態とする始動動作が行われることに対応して、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間を設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。また、排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたときには、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を停止させることにより、消費電力を低減させることができるようにしてもよい。さらに、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したこと、あるいは、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態にてラウンド遊技を実行する際には、例えば所定の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値に基づいて所定のラウンド制御決定テーブルを参照することなどにより、大当り遊技状態にて実行される複数回のラウンド遊技のうち、少なくとも1回のラウンド遊技を実行可能な時間の上限を、複数種類のいずれかに決定することで、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技に変化をつけて、遊技の興趣を向上させることができるようにしてもよい。加えて、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態にて実行される各ラウンド遊技では、例えば大当り種別やラウンド遊技の実行回数、あるいは所定の乱数値を示す数値データなどに対応して、上記実施の形態における小当り制御パターンKP1〜KP8と同様の複数種類の制御パターンのうちからいずれかを選定し、選定された制御パターンに応じて振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様を変化させることなどにより、大当り遊技状態においても、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含む特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間とを設け、あるいは、複数回のラウンド遊技のうちに遊技球が特定領域に進入しやすく次のラウンド遊技に移行しやすいラウンド遊技と、遊技球が特定領域に進入しにくく次のラウンド遊技に移行しにくいラウンド遊技とを設けることで、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」となったことに対応して、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」となったか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行うものであってもよい。この場合には、特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示そのものを、行わないようにしてもよい。
上記実施の形態では、図20に示すステップS204にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致して可変表示結果を特定表示結果としての「大当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、ステップS206にて複数種類の大当り図柄のうちから特定表示結果を決定するものとして説明した。また、図20に示すステップS207にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致して可変表示結果を所定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、ステップS209にて複数種類の小当り図柄のうちから所定表示結果を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定と、特定表示結果や所定表示結果の決定とが、同時に行われるものであってもよい。具体的な一例として、「第1大当り」や「第2大当り」といった各大当り種別とともに、「第1小当り」〜「第8小当り」といった各小当り種別に対しても、1種類の乱数値(表示結果決定用の乱数値)を割り当てた設定データ(決定用データ)などから構成される表示結果決定テーブルを用意する。そして、図19に示すステップS102の始動入賞処理では、表示結果決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、特図保留記憶部161に記憶させる。この場合、図20のステップ202では、特図保留記憶部161から表示結果決定用の乱数値を示す数値データを読み出し、ステップS204〜S209の処理に代えて、表示結果決定テーブルを参照することで、特図ゲームでの可変表示結果を複数種類の大当り図柄と小当り図柄のいずれかに決定することができる。
上記実施の形態では、大当り遊技状態における各ラウンド遊技が終了するときに、図31に示すステップS614にて第1特定球検出フラグがオンであること、または、ステップS615にて第2特定球検出フラグがオンであること、あるいは、ステップS619にて第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値であることを条件に、ステップS617、S618の処理を実行して、次のラウンド遊技に移行できるものとして説明した。すなわち、大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数に関わりなく、ラウンド遊技にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したこと、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したことを条件に、次のラウンド遊技に移行することができる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技では、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否か、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。これに対して、大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技では、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したこと、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したことを条件に、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。このように、大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数に応じて、次のラウンド遊技に移行できる条件を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121b、あるいは、第3特定球検出器51などによる遊技球の検出は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数に応じて、無効または有効に切り換えられることになる。
上記実施の形態では、第1エラー判定実行フラグと第2エラー判定実行フラグを設け、図18に示すステップS51にて第1エラー判定実行フラグがオンである場合には、第1エラー判定処理としてステップS52の処理を実行し、ステップS53にて第2エラー判定実行フラグがオンである場合には、第2エラー判定処理としてステップS54の処理を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特別図柄プロセスフラグの値に基づいて遊技状態が小当り遊技状態や大当り遊技状態となっているか否かを判定し、小当り遊技状態や大当り遊技状態以外の遊技状態であるときには、第1カウントスイッチ106や第3カウントスイッチ52によって遊技球が検出されたか否かに対応してエラーの有無を判定するようにしてもよい。この場合、例えば図18のステップS51の処理に代えて、特別図柄プロセスフラグの値が“3”以上となっているか否かを判定する。このとき、特別図柄プロセスフラグの値が“3”未満であれば、ステップS52の処理に進み、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う。そして、ステップS52にて第1カウントスイッチ106からの検出信号がオフ状態であれば、ステップS54の処理に進み、第3カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行うようにすればよい。
このような処理を実行すれば、例えば第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグといった、エラー判定処理を実行するための特別なフラグなどを設ける必要がなくなり、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することや、判定処理の負担を軽減することができる。これに対して、上記実施の形態のように第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグに基づいて第1エラー判定処理や第2エラー判定処理を実行すれば、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて第1大入賞口と第2大入賞口のいずれか一方が開放状態に制御される場合でも、閉鎖状態に保持される他方の大入賞口に対応して、第1エラー判定処理と第2エラー判定処理のいずれかが実行されることになる。これにより、第1大入賞口と第2大入賞口のいずれか一方を開放状態としている期間中に、閉鎖状態としている他方の大入賞口に遊技球を進入させることにより賞球を獲得するという不正行為を、確実に防止することができる。
上記実施の形態では、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタを別個に設け、第1カウントスイッチ106によって検出された遊技球の個数を第1大入賞口カウンタによりカウントする一方で、第3カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を第2大入賞口カウンタによりカウントするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1カウントスイッチ106によって検出された遊技球の個数と、第3カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を、共通の大入賞口カウンタによりカウントするようにしてもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができる。
上記実施の形態では、残存球数カウンタにより第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするものとして説明した。この残存球数カウンタに代えて、排出球検出器122によって検出された遊技球の個数をカウントする排出球カウンタを設け、第1大入賞口に進入した遊技球の個数との差分が「0」となったか否かにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の有無を判定するようにしてもよい。この場合、例えば図24に示すステップS503の処理は実行せず、ステップS512にて排出球検出器122からの検出信号がオン状態である場合に、ステップS513の処理に代えて、排出球カウンタにおけるカウント値である排出球カウント値を1加算する。そして、図23に示すステップS262の処理に代えて、第1大入賞口カウント値と排出球カウント値との差分が「0」となったか否かの判定を行う。このとき、差分が「0」であればステップS263の処理に進み、差分が「0」以外であれば、ステップS269の処理に進めばよい。そして、図23に示すステップS267の処理を実行したときや、図30に示すステップS600の処理を実行したとき、あるいは、図31に示すステップS613の処理を実行したときには、排出球カウンタを初期化して排出球カウント値をクリアするとよい。
また、小当り遊技状態では、残存球数カウント値の更新を行う一方で、第1大入賞口カウント値の更新は行わないようにしてもよい。例えば、図22に示すステップS252にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図24に示すステップS502の処理を実行しないようにするとともに、図23に示すステップS267の処理も実行しないようにしてもよい。これにより、小当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
さらに、大当り遊技状態では、第1大入賞口カウント値の更新を行う一方で、残存球数カウント値の更新は行わないようにしてもよい。例えば、図28に示すステップS548にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図24に示すステップS503、S512及びS513の処理を実行しないようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
あるいは、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタに代えて、共通の遊技球カウンタを設けるようにしてもよい。この場合、例えば小当り遊技状態であるときに図22に示すステップS252にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図24に示すステップS502、S503の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値である遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。また、図24に示すステップS513の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値を1減算する処理が実行される。そして、図23に示すステップS262の処理に代えて、遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する処理が実行され、遊技球カウント値が「0」であればステップS263の処理に進み、「0」以外であればステップS269の処理に進む。加えて、図28に示すステップS548にて実行される第1大入賞口進入時処理でも、図24に示すステップS502、S503の処理に代えて、遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。このときには、ステップS512、S513の処理を実行しないようにすればよい。そして、図28に示すステップS555の処理に代えて、遊技球カウント値が開放終了判定値に達したか否かを判定する処理が実行され、開放終了判定値に達していなければステップS556の処理に進み、達していればステップS557の処理に進む。さらに、図29に示すステップS572の処理に代えて、遊技球カウント値を1加算する処理が実行されるとともに、ステップS573の処理に代えて、遊技球カウント値が開放終了判定値に達したか否かを判定する処理が実行される。このとき、開放終了判定値に達していなければステップS574の処理に進み、達していればステップS575の処理に進むようにすればよい。このように、第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタといった3つのカウンタに代えて、共通する1つのカウンタを用いることで、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができるとともに、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、大入賞口開放時間が「29秒」といった大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が長いラウンド遊技において開放する大入賞口を「第2」として第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により開口部を開放状態とする一方で、大入賞口開放時間が「1.5秒」や「5秒」といった大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が短いラウンド遊技において開放する大入賞口を「第1」として第1特別可変入賞球装置66の開閉片81により開口部82を開放状態とするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が長いラウンド遊技でも開放する大入賞口を「第1」として第1特別可変入賞球装置66の開閉片81により第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするラウンド遊技を設けるようにしてもよい。このように大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が長いラウンド遊技にて第1大入賞口を開放状態に制御する場合には、そのラウンド遊技が終了するまで第1大入賞口を継続的に開放状態とするようにしてもよいし、そのラウンド遊技が終了するまでは所定時間(例えば2.0秒)が経過するごとに第1大入賞口を開放状態と閉鎖状態とに交互に変化させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態とした後に再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位や、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49が第2大入賞口となる開口部を閉鎖状態から開放状態とした後に再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位を、1回のラウンド遊技として、図26に示すステップS282にてカウント初期値「1」にセットされたラウンド数カウント値を、図31に示すステップS617の処理が実行されるごとに1ずつ加算するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする始動動作が実行されることに対応して、ラウンド数カウント値が1加算されるようにしてもよい。例えば、図21に示すステップS227にて小当りフラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタにカウント初期値「1」をセットした後、図25に示すステップS521にて第1特定球検出フラグがオンであることや、ステップS526にて第2特定球検出フラグがオンであることに対応して、ラウンド数カウント値を1加算すればよい。こうして小当り遊技状態となった後に遊技球が特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御されるときには、図26に示すステップS282の処理は実行しないようにすればよい。そして、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態に制御される場合には、上記実施の形態での大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数(上限回数)に1加算したものが、実際の制御におけるラウンド遊技の最大継続回数として取り扱われることになる。
このように、小当り遊技状態において始動動作が行われることに対応してラウンド数カウント値が1加算されるために、大当り遊技状態にて継続可能となるラウンド遊技の実行回数は、最大継続回数として決定された回数よりも1回少なくなる。例えば、最大継続回数が「10ラウンド」に決定された場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「9回」に達したことに対応して、ラウンド数カウント値が「10」となることから、9回目のラウンド遊技が終了したときに、図30に示すステップS595の処理にてラウンド数カウント値がラウンド最大値に達したとの判定がなされ、次のラウンド遊技には移行できずに大当り遊技状態が終了することになる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。