<パチンコ遊技機の構造>
図1及び図2を参照して、本実施形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。なお、以下の説明において、同様の構成には、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。図1は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機の分解斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図1及び図2に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図2参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。ベースドア3には、図2に示すように、四角形状の開口3aを有する。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に亘って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11(音声発生手段)と、遊技盤12と、表示装置13(演出手段、表示手段)と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出装置16と、基板ユニット17とが取り付けられる。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール41(具体的には後述の図3に示す外レール41a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。さらに、遊技領域12aには、複数の遊技釘56(後述の図3参照)が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、後述の図3を参照しながら後で詳述する。
表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。この表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面の全部又は一部の領域を占めるような大きさに設定される。この表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)などの各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施形態では、表示装置13としては、液晶表示装置を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、表示装置13として、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示機器を適用してもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21及び下皿22には、図1に示すように、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口21a及び払出口22aがそれぞれ形成される。所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a及び払出口22aから遊技球が排出されて、それぞれ、上皿21及び下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射され
る。
また、皿ユニット14には、演出操作部500が設けられる。この演出操作部500は、上皿21上に取り付けられる。本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出操作部500が操作された場合に行う所定の演出機能を有し、演出操作部500が適切に操作されると、表示装置13の表示領域13a等に、後述する特別図柄の停止表示の結果が「大当り」になることへの期待感を高める画像が表示される。なお、演出操作部500は、皿ユニット14に限らず、遊技者による操作が可能な位置であれば、パチンコ遊技機1の任意の位置に設けることができる。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25を備え、回動可能に支持される。
なお、図1及び図2には示さないが、発射装置15には遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(駆動装置)が設けられる。また、図1及び図2には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール41(後述の図3参照)に案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図1及び図2には示さないが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止さ
せるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出装置16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出装置16には、貯留ユニットから遊技球が供給される。払出装置16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払い出す。基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路や副制御回路などが設けられる。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、スピーカカバー29が設けられる。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。ガラスドア4の開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられ、これにより、開口4aが塞がれる。したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。
また、ガラスドア4には、開口4aの下方に、遊技に伴う演出表示とは別に、遊技履歴や個人の遊技データを表示させるためのメニュー画面を操作するための選択ボタン31及び選択した内容を確定させる決定ボタン32を備える。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における遊技盤の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図3に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器(ゲート)43と、第1始動口44と、第2始動口45(始動領域)と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51と、第1大入賞口53(可変入賞装置)と、第2大入賞口54(可変入賞装置)と、アウト口55と、複数の遊技釘56とが設けられる。さらに、遊技盤12の前面において、その略中央に配置された表示装置13の表示領域13aの上部には、特別図柄表示装置61(特別図柄表示手段)と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる。
なお、図3には示さないが、遊技盤12の前面には、演出用7セグカウンタも設けられる。演出用7セグカウンタは、二桁の数字や2つの英字を表示可能な表示カウンタで構成される。また、本実施形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LED(LIGHT Emitting Diode)や、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示装置66(図5参照)等を設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画する円弧状に延在した外レール41aと、この外レール41aの内側(内周側)に配置された、円弧状に延在した内レール41bとで構成される。遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15(図1参照)によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へ案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘56、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側端部付近に配置される。球通過検出器43には、球通過検出器43を通過する遊技球を検出するための球通過検出センサ115(図5参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は流入し通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、第1所定数(例えば3個)の遊技球が払い出される。また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44には、第1始動口44に入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ116a(図5参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ116b(図5参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられたアウト口55を通過して遊技球の回収部に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、第2始動口45の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド111(図5参照)とを有する。この普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイドにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2始動口45に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2始動口45に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態の一方の状態を発生させる。なお、本実施形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口51は、遊技領域下部付近に配置される。一般入賞口は遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51に入ること又は流入して通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51に遊技球が入賞すると、第2所定数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
一般入賞口51には、一般入賞口51に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ114(図5参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、且つ、第1始動口44と一般入賞口51との間に配置される。そして、第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a及び54aと、シャッタを駆動させる第1大入賞口ソレノイド112a(図5参照)及び第2大入賞口ソレノイド112b(図5参照)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態)のときには遊技球を受け入れない。以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は流入し通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、第3所定数球(本実施形態では15個)の遊技球が払い出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、第4所定数球(本実施形態では15個)の遊技球が払い出される。
また、第1大入賞口53には、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数するための第1大入賞検出センサ113a(図5参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数するための第2大入賞検出センサ113b(図5参照)が設けられる。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図3に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘56等により遊技球が第2始動口45に誘導される。この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施形態では、後述するように、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な抽選を受け易くなる。それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になる後述の「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性が高まり相対的に有価価値が得やすい状態となる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、図3に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。
特別図柄表示装置61は特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図3に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により特別図柄表示装置61を構成する。なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば28sec)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、図3に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の右側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図3に示すように、普通図柄表示装置62を、上下方向に配列された2つのLED(普通図柄表示LED)により構成する。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、図3に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄保留表示装置63は、普通図柄表示装置62の下方に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置である。本実施形態では、図3に示すように、普通図柄保留表示装置63を、左右方向に配列された4つのLED(普通図柄保留表示LED)により構成する。そして、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄の可変表示の保留個数が1個である場合、遊技者側から見て、最も左側に位置する普通図柄保留表示LED(左から1つ目の普通図柄保留表示LED)が点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が2個の場合には、左から1つ目及び2つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が3個の場合は、左から1つ目〜3つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。そして、普通図柄の可変表示の保留個数が4個の場合には、全ての普通図柄保留表示LEDが点灯する。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、図3に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左側に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、左右方向に配列された4つのLED(第1特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第1特別図柄保留表示装置64の表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。すなわち、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第1特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第1特別図柄保留表示LEDが点灯する。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、図3に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置62の左側に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、左右方向に配列された4つのLED(第2特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第2特別図柄保留表示装置65の表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。すなわち、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第2特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第2特別図柄保留表示LEDが点灯する。
[表示装置]
表示装置13は、上述のように液晶表示装置で構成され、その表示領域13aにおいて各種画像表示演出を行う。
具体的には、本実施形態では、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字などからなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄(後述の大当り図柄等)が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
[パチンコ遊技機1における遊技]
次に、パチンコ遊技機1における遊技について説明する。本実施形態における遊技状態には、シャッタ53a及びシャッタ54aが閉鎖状態であり、第1大入賞口53及び第2大入賞口54に遊技球が受け入れ不可能な通常遊技状態と、シャッタ53a又はシャッタ54aが開放状態であり、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に遊技球が受け入れ可能となり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態と、が含まれる。特別遊技状態には、小当り遊技状態と、小当り遊技状態より多くの遊技価値を付与可能な大当り遊技状態と、が含まれる。また、通常遊技状態には、少なくとも特別遊技状態の終了後に制御される遊技状態であって、特別遊技状態へと移行し易い第1遊技状態と、第1遊技状態よりも特別遊技状態へと移行し難い第2遊技状態と、が含まれる。本実施形態において、第2遊技状態は、特別遊技状態に移行する確率が通常の遊技状態(所謂、非確変状態又は非時短状態)であり、第1遊技状態は、第2遊技状態に比べ特別遊技状態に移行する確率が高い遊技状態(所謂、確変状態又は時短状態)である。
遊技者は、一般的に通常遊技状態から遊技を開始し、発射装置15により遊技球を遊技盤12の遊技領域12aに打ち込む。この打ち込まれた遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、特別図柄表示装置61の特別図柄及び表示装置13に表示された演出用の識別図柄(導出図柄)が変動表示する。また、特別図柄の変動表示中に第1始動口44又は第2始動口45へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示するまで、第1始動口44又は第2始動口45への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示した場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施形態においては、第1始動口44、第2始動口45への入球による特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ4回を上限としている。したがって、最大8回の保留が可能になる。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されているときに特別図柄の始動条件を満たすことである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から特別遊技状態に移行する。この特定の停止表示態様のうち、大当り遊技状態に移行する停止表示態様が大当りであり、小当り遊技状態に移行する停止表示態様が小当りである。また、大当り又は小当り以外の特別図柄の停止表示態様はハズレ図柄であり、ハズレ図柄が停止表示された場合は、特別遊技状態に移行せずに、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
また、表示装置13の表示領域13aには、特別図柄表示装置61において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、特別図柄表示装置61の変動表示中においては、特定の場合を除いて、表示装置13の表示領域13aにおいて、識別図柄の一例である数字からなる導出図柄が変動表示される。また、特別図柄表示装置61が停止表示し特別図柄が表示されるとともに、表示装置13の表示領域13aでも導出図柄が停止表示される。
また、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が表示装置13の表示領域13aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示装置61において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、表示装置13の表示領域13aにおいて表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当りを示す演出画像が表示装置13の表示領域13aにおいて表示される。
そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が特別遊技状態に移行された場合、シャッタ53a又はシャッタ54aは、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、第1大入賞口53又は第2大入賞口54は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
シャッタ53a又はシャッタ54aの背面側(後方)に設けられた第1大入賞口53又は第2大入賞口54には、第1大入賞検出センサ113a又は第2大入賞検出センサ113b(図5参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域に遊技球が所定個数(例えば7個)入賞するか、又は、所定時間(例えば、約30秒)が経過するまでシャッタ53a又はシャッタ54aが開放状態に駆動される。そして、開放状態において第1大入賞口53又は第2大入賞口54への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ53a又はシャッタ54aが駆動し、第1大入賞口53又は第2大入賞口54は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。なお、本実施形態において、特別遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54は、シャッタ53a又はシャッタ54aの駆動により、閉鎖状態から開放状態への移行が15回繰り返されるが、これに限らず、遊技球を受け入れやすい開放状態を1回、2回等の任意の回数としてもよい。
また、特別図柄表示装置61における特定の停止表示態様が大当りであった場合、遊技状態は、特別遊技状態のうち大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が閉鎖状態から開放状態への移行が15回繰り返される遊技を1回のラウンドとし、このラウンドが繰り返されるラウンドゲームが行われる。このようなラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドとも言う。なお、本実施形態において、大当り遊技状態におけるラウンド数は、10ラウンド又は16ラウンドであるが、これに限らず、ラウンド数は任意の回数とすることができる。
また、特別図柄表示装置61における特定の停止表示態様が小当りであった場合、遊技状態は、特別遊技状態のうち小当り遊技状態に移行する。そして、小当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が閉鎖状態から開放状態への移行が15回繰り返される遊技が1回のみ行われる。即ち、小当り遊技状態は、大当り遊技状態のようにラウンドゲームは行われない。そして、大当り遊技状態が終了した場合には、通常遊技状態として、第1遊技状態又は第2遊技状態が制御される場合がある。また、小当り遊技状態が終了した場合には、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態よりも有利な遊技状態とはならない。このため、小当り遊技状態に当選したことを契機としては通常遊技状態における遊技状態の移行はなく、例えば、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態が第1遊技状態であるときは、小当り遊技状態終了後の遊技状態は第1遊技状態であり、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態が第2遊技状態であるときは、小当り遊技状態終了後の遊技状態は第2遊技状態である。また、本実施形態においては、大当り遊技状態終了後に、特別図柄の変動表示の時間が短くなる時短状態に移行する場合がある。このような特別遊技状態は、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態の一例である。
また、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、第1大入賞口53及び第2大入賞口54に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が、払出装置16により上皿21又は下皿22に払い出される。
また、遊技者により、遊技領域12aに打ち込まれた遊技球が球通過検出器43を通過すると、普通図柄表示装置62の表示用ランプが変動表示する。また、普通図柄の変動表示中において球通過検出器43を遊技球が通過した場合には、普通図柄保留表示装置63による表示態様を切り換えて、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該球通過検出器43への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が、当りを示す態様の場合には、第2始動口45に設けられた普通電動役物46の羽根部材が、所定時間だけ開いた状態となる。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって普通電動役物46(図3参照)の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
[演出操作部500]
図4は、演出操作部500の分解斜視図である。演出操作部500は、遊技者のボタン操作によって、表示装置13の表示領域13a等で、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」になることへの期待感を高める画像の表示を開始するために設けられた操作手段として機能し、通称「チャンスボタン」と呼ばれている。
演出操作部500は、中央に位置する第1操作エリア510と、第1操作エリア510の左側に位置する第2操作エリア520Aと、第1操作エリア510の右側に位置する第2操作エリア520Bとに分けられる。以下では、第2操作エリア520Aと、第2操作エリア520Bとをまとめて「第2操作エリア520」ともいう。
そして、演出操作部500は、第1操作エリア510における第1操作部511と、第2操作エリア520における第2操作部521とを有する。
また、第1操作エリア510には、本体2の内部(背面側)から本体2の正面(正面側)に向けて、発光表示を行う第1発光表示部512、所定の条件で演出表示可能な第1透過表示パネル513の順で配置される。
第2操作エリア520についても同様に、本体2の内部(背面側)から本体2の正面(正面側)に向けて、発光表示を行う第2発光表示部522A,522B、所定の条件で演出表示可能な第2透過表示パネル523A,523Bの順で配置される。
以下では、第2発光表示部522Aと、第2発光表示部522Bとをまとめて「第2発光表示部522」ともいう。また、第2透過表示パネル523Aと、第2透過表示パネル523Bとをまとめて「第2透過表示パネル523」ともいう。
〔第1操作部511〕
第1操作部511の形態は、遊技者が操作可能であり、第1操作部511の背面に設けられる第1発光表示部512及び第1透過表示パネル513を視認可能であれば、特に限定されない。第1操作部511の例として、透明な物理ボタンや、透明タッチパネル等が挙げられる。
本実施形態では、所定の条件を満たすまでの間、第1操作部511がチャンスボタンとして機能する。そして、所定の条件を満たすと、チャンスボタンが第1操作部511から第2操作部521に切り換えられる。そのため、所定の条件を満たすまでの間、第1操作部511がチャンスボタンとして機能することを明確にするため、中でも、第1操作部511の形態は、透明な物理ボタンであることが好ましい。
〔第2操作部521〕
第2操作部521の形態は、遊技者が操作可能であり、第2操作部521の背面に設けられる第2発光表示部522及び第2透過表示パネル523を視認可能であれば、特に限定されない。第1操作部511と同様、第2操作部521の例として、透明な物理ボタンや、透明タッチパネル等が挙げられる。
本実施形態では、所定の条件を満たすまでの間、第2操作部521がチャンスボタンとして機能しない。そのことを明確にするため、中でも、第2操作部521の形態は、透明タッチパネルであることが好ましい。
〔第1発光表示部512〕
第1発光表示部512は、第1操作部511がチャンスボタンとして機能する間、第1操作部511がチャンスボタンであることを示す演出手段として機能する。また、第1発光表示部512は、所定の条件を満たし、チャンスボタンが第1操作部511から第2操作部521に切り換えられた際に、第1操作エリア510にて発光表示を行う演出手段としても機能する。第1発光表示部512の形態は、発光可能であれば、特に限定されず、例えば、LED等が挙げられる。
〔第2発光表示部522〕
第2発光表示部522は、所定の条件を満たし、第2操作部521がチャンスボタンとして機能し始めるまでの間、第2操作エリア520にて発光表示による演出手段として機能する。また、第2発光表示部522は、第2操作部521がチャンスボタンとして機能する間、第2操作部521がチャンスボタンであることを示す演出手段としても機能する。第1発光表示部512と同様、第2発光表示部522の形態もまた、発光可能であれば、特に限定されず、例えば、LED等が挙げられる。
なお、本実施形態では、第1発光表示部512、左の第2発光表示部522A、右の第2発光表示部522Bをそれぞれ個別に設けているが、これに限るものではない。第1発光表示部512、左の第2発光表示部522A、右の第2発光表示部522Bを一体に設けてもよい。
〔第1透過表示パネル513〕
第1透過表示パネル513には、遊技者のボタン操作を促す「PUSH」との文字が記載されている。第1操作部511がチャンスボタンとして機能する間、第1透過表示パネル513を照光状態にし、この「PUSH」との文字を視認可能にする。他方、所定の条件を満たし、チャンスボタンが第1操作部511から第2操作部521に切り換えられると、第1透過表示パネル513を消光状態にし、「PUSH」との文字を視認不可能にする。
また、第1透過表示パネル513は、基本的に透明であるため、遊技者は、第1透過表示パネル513の背後に設けられる第1発光表示部512の発光態様を視認することも可能である。
第1透過表示パネル513の形態は、特に限定されないが、例えば、透明導光表示パネル、透過型液晶パネル等が挙げられる。
〔第2透過表示パネル523〕
第2透過表示パネル523には、物理ボタンの絵が描かれている。そして、左の第2透過表示パネル523Aにおける物理ボタンの内部には、第1透過表示パネル513における「PUSH」の文字よりも大きく、「PU」の文字が記載されている。また、右の第2透過表示パネル523Bにおける物理ボタンの内部には、左の第2透過表示パネル523Aにおける「PU」の文字と同じ大きさで「SH」の文字が記載されている。
所定の条件を満たし、第2操作部521がチャンスボタンとして機能し始めるまでの間、第2透過表示パネル523を消光状態にし、「PU」と記載された物理ボタン表示、「SH」と記載された物理ボタン表示をいずれも視認不可能にする。他方、第2操作部521がチャンスボタンとして機能し始めると、第1透過表示パネル513を照光状態にし、「PU」と記載された物理ボタン表示、「SH」と記載された物理ボタン表示をいずれも視認可能にする。
また、第2透過表示パネル523は、基本的に透明であるため、遊技者は、第2透過表示パネル523の背後に設けられる第2発光表示部522の発光態様を視認することも可能である。
第1透過表示パネル513と同様、第2透過表示パネル523の形態もまた、特に限定されず、例えば、透明導光表示パネル、透過型液晶パネル等が挙げられる。
本実施形態によると、遊技機1に設けられる副制御回路200(図5参照)は、所定の条件を満たすと、第2操作エリア520において、第2発光表示部522による発光表示から、第2透過表示パネル523による、第2操作部521の操作を促す演出表示に切り替える制御を行うことが可能である。これにより、演出操作部500に、斬新な操作感覚を付与し、遊技者に対する趣向性を高めることが可能な遊技機1を提供できる。
本実施形態によると、副制御回路200は、上記所定の条件を満たすと、第1操作エリア510において、第1透過表示パネル513による、第1操作部511の操作を促す演出表示から、第1発光表示部512による発光表示に切り替える制御を行うことが可能である。所定の条件を満たすことをきっかけとして、操作エリアを第1操作エリア510から第2操作エリア520に移すことができるため、演出操作部500に、よりいっそう斬新な操作感覚を付与し、遊技者に対する趣向性をよりいっそう高めることが可能な遊技機1を提供できる。
また、第2操作エリア520は、第1操作エリア510の周囲に設けられているため、あたかも、遊技者が操作を行う操作エリアが広がったような感覚を与えることが可能となり、遊技者に対する趣向性をよりいっそう高めることが可能となる。
<遊技機の電気的構成>
本実施形態におけるパチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図を図5に示す。図5に示すように、パチンコ遊技機1は、主に、遊技の制御を行う主制御回路100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
主制御回路100は、メインCPU101、メインROM102(読み出し専用メモリ)、メインRAM103(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU101には、メインROM102、メインRAM103等が接続されており、このメインROM102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM102には、メインCPU101によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラム、メインCPU101に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM103は、メインCPU101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、メインCPU101の一時記憶領域としてメインRAM103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路100は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路104、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路105、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC106を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路104、初期リセット回路105、シリアル通信用IC106は、メインCPU101に接続されている。
リセット用クロックパルス発生回路104は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとにクロックパルスを発生する。
初期リセット回路105は、コンデンサと、ウォッチドッグタイマとを備え、コンデンサに印加された電圧が一定の値に達すると、メインCPU101に対してリセット信号を送信する。また、初期リセット回路105は、メインCPU101から所定の制御信号を受信することによって、コンデンサに印加した電圧を解放するために放電する。
シリアル通信用IC106は、メインCPU101と副制御回路200と払出・発射制御回路300と接続され、副制御基板用バッファと、払出・発射制御回路用バッファとを備える。
また、主制御回路100には、各種の装置が接続されている。例えば、主制御回路100からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置61、ラウンドゲームにおけるラウンド数を表示するラウンド数表示装置66、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置62、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置63、普通電動役物46の羽根部材を開いた状態又は閉じた状態とする普通電動役物ソレノイド111、シャッタ53aを駆動させ、第1大入賞口53を開放状態又は閉鎖状態とする第1大入賞口ソレノイド112a、シャッタ54aを駆動させ、第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態とする第2大入賞口ソレノイド112b等が接続されている。また、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板が接続されている。
また、主制御回路100には、各種のセンサが接続されている。例えば、主制御回路100には、第1大入賞口53(図3参照)に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第1大入賞検出センサ113a、第2大入賞口54(図3参照)に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第2大入賞検出センサ113b、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入賞した遊技球が排出された場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する大入賞口排出センサ113c、各一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する一般入賞球センサ114、球通過検出器43(図3参照)に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する球通過検出センサ115、第1始動口44に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口45に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第2始動口入賞球センサ116b、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ117等が接続されている。なお、本実施形態において、入賞とは、上記各センサが設けられた領域を遊技球が通過することを言う。このような第1大入賞口53、第2大入賞口54及び球通過検出器43は、遊技領域を転動する遊技球の通過を検出可能な複数の通過領域の一例として機能する。
また、主制御回路100には、払出・発射制御回路300が接続されている。この払出・発射制御回路300には、遊技球の払出を行う払出装置16、遊技球の発射を行う発射装置15、カードユニット400が接続されている。カードユニット400は、遊技者の操作によって、カードユニット400に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する貸し出し用操作部401との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路300は、主制御回路100から供給される賞球制御コマンド、カードユニット400から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置16に対して所定の信号を送信することにより、払出装置16に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路300は、発射ハンドル25が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらには、主制御回路100には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに応じて、表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御、演出操作部500における演出の制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路100から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路100に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路100に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、サブCPU201、プログラムROM202、ワークRAM203、RTC204、表示装置13における表示制御を行うための表示制御回路210と、スピーカ11から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路220と、装飾ランプ等を含むランプ15の制御を行うランプ制御回路230と、演出操作部500に設けられるセンサ252、報知装置群(第1発光表示部512、第1透過表示パネル513、第2発光表示部522、第2透過表示パネル523)、演出ボタン(第1操作部511)の制御を行う演出操作部制御回路240とから構成されている。副制御回路200は、主制御回路100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU201は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM102、プログラムROM202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM203等に記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。なお、本実施形態においては、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。RTC204は、現在の時間を計時する。
表示制御回路210は、表示装置13の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
表示制御回路210は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、表示装置13に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路210は、サブCPU201から供給される画像表示命令に応じて、識別図柄を示す識別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、表示装置13に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路210は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を表示装置13に供給することにより、表示装置13に画像が表示される。つまり、表示制御回路210は、表示装置13に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路220は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
この音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ11から音声を発生させる。
ランプ制御回路230は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
演出操作部制御回路240は、センサ252、報知装置群(第1発光表示部512、第1透過表示パネル513、第2発光表示部522、第2透過表示パネル523)、演出ボタン(第1操作部511)における演出の制御を行う。
演出操作部制御回路240は、演出操作部500に設けられたセンサ252から、演出操作部500の状態を示す信号を受信し、受信した操作信号をサブCPU201に送信する。サブCPU201は、操作信号に応じた演出を行うためのデータを、表示制御回路210等に供給する。また、演出操作部制御回路240は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、演出操作部500に設けられた、LEDや透明導光表示パネル等で構成される報知装置群(第1発光表示部512、第1透過表示パネル513、第2発光表示部522、第2透過表示パネル523)を発光させたり、文字や画像を表示する。また、演出操作部制御回路240は、これらの演出操作部に設けられた演出ボタン(第1操作部511)から受信した操作信号をサブCPU201に送信する。サブCPU201は、操作信号に応じた演出を行うためのデータを、表示制御回路210等に供給する。
次に、本実施形態の主制御回路100及び副制御回路200が実行する処理について説明する。まず、主制御回路100のメインCPU101が実行する処理について説明する。メインCPU101は、電源投入に応じて、メインROM102からプログラムを読み込み、主制御メイン処理を実行する。また、メインCPU101は、主制御メイン処理を実行している状態であっても、主制御メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。メインCPU101は、所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとにクロックパルスを発生させ、これに応じて、システムタイマ割込処理を実行する。
[システムタイマ割込処理]
図6、図7及び図8を用いて、メインCPU101のシステムタイマ割込処理を説明する。図6に示すように、ステップS10において、各レジスタを退避する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移す。
ステップS11において、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2msec毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、ステップS12に処理を移す。
ステップS12において、スイッチ入力検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU101は、第1大入賞口53、第2大入賞口54(図3参照)に設けられた第1大入賞検出センサ113a又は第2大入賞検出センサ113b(図5参照)や、一般入賞口51(図3参照)に設けられた一般入賞球センサ114(図5参照)や、球通過検出器43(図3参照)に設けられた球通過検出センサ115(図5参照)や、第1始動口44、第2始動口45(図3参照)に設けられた第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116b(図5参照)からの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU101は、検知したと判定した場合、検知に応じて、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタなどを更新する。スイッチ入力処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、ステップS13に処理を移す。
ステップS13において、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、主制御回路100と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する第1大入賞口53及び第2大入賞口54(図3参照)の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移行する。
ステップS14において、コマンド出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、例えば、表示装置13に導出表示されるデモ表示コマンド、後述する導出図柄指定コマンド、後述する変動演出パターン指定コマンド、後述する大当り種類コマンド、後述する特別図柄当り開始コマンド、後述する特別図柄当り終了コマンド、後述する始動口入賞コマンド、後述する特別図柄演出開始コマンド、後述する特別図柄演出停止コマンド等が含まれる。なお、この処理において、メインCPU101は、各種のコマンドの他に、大当り遊技状態において、後述する第1大入賞検出センサ113aが遊技球を検出したことを示す第1大入賞検知信号、後述する第2大入賞検出センサ113bが遊技球を検出したことを示す第2大入賞検知信号、後述する球通過検出センサ115が遊技球を検出したことを示す球通過検知信号、を副制御回路200に供給する。また、メインCPU101は、第1大入賞口53のシャッタ53aを駆動する第1大入賞口ソレノイド112a(図5参照)、第2大入賞口54のシャッタ54aを駆動する第2大入賞口ソレノイド112b(図5参照)、普通電動役物46の羽根部材の開閉を行う普通電動役物ソレノイド111(図5参照)を駆動するためのソレノイド電源を供給する。また、後述する始動口入賞検出処理(図8参照)にて、表示装置13の表示領域13a(図3参照)に演出表示される演出用の識別図柄(導出図柄)の変動演出パターンが決定された場合には、メインCPU101は、当該決定結果を示す変動演出パターン指定コマンドを生成して副制御回路200に供給する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、遊技情報出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、主制御回路100、副制御回路200、払出・発射制御回路300等で処理される、遊技に関わる情報である遊技情報を、副制御回路200、払出・発射制御回路300、外部機器(例えばホールコンピュータや呼出装置)へ出力する。この処理が終了した場合、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、各レジスタを復帰する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、割込処理前のアドレスに各レジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[スイッチ入力検出処理]
図6のステップS12において実行されるサブルーチン(スイッチ入力検出処理)について図7を用いて説明する。ステップS20において、始動口入賞検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口44、第2始動口45(図3参照)に設けられた第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116b(図5参照)からの検知信号を受信していた場合、大当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、4個を上限とし特別図柄に関する保留個数を1個加算し、払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS21に処理を移す。
ステップS21において、一般入賞口通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、一般入賞口51(図3参照)に設けられた一般入賞球センサ114からの検知信号を受信していた場合、一般入賞口51の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS22に処理を移す。
ステップS22において、大入賞口通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1大入賞口53、第2大入賞口54(図3参照)に設けられた第1大入賞検出センサ113a又は第2大入賞検出センサ113bからの検知信号を受信していた場合、第1大入賞口53、第2大入賞口54の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。また、この処理において、メインCPU101は、第1大入賞検出センサ113a又は第2大入賞検出センサ113bからの検知信号を受信していた場合、第1大入賞検知信号又は第2大入賞検知信号をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS23に処理を移す。
ステップS23において、球通過検出器通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、球通過検出器43(図3参照)に設けられた球通過検出センサ115(図5参照)からの検知信号を受信していた場合、普通図柄に関する抽選結果(乱数値)を取得し、4個を上限とし、メインRAM103に記憶されている普通図柄保留記憶数カウンタ(保留個数)に“1”加算する。また、この処理において、メインCPU101は、球通過検出センサ115からの検知信号を受信していた場合、球通過検知信号をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[始動口入賞検出処理]
図7のステップS20において実行されるサブルーチン(始動口入賞検出処理)について図8を用いて説明する。ステップS30において、第1始動口入賞球センサで検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信したか否かを判定する。第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信していた場合には、ステップS31に処理を移し、第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信していない場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS31において、払出情報セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口44(図3参照)の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS32に処理を移す。
ステップS32において、第1始動口入賞の保留個数が“4”より小さいか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口44(図3参照)の入賞に基づく保留個数が“4”より小さいか否かを判定し、保留個数が“4”より小さい場合には、ステップS33に処理を移し、保留個数が“4”以上の場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS33において、第1始動口入賞の保留個数に“1”加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第1始動口44(図3参照)の入賞に基づく保留個数の値に“1”加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS34に処理を移す。
ステップS34において、乱数取得・記憶処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(所謂、特別図柄抽選)し、さらに、大当り図柄乱数カウンタから図柄乱数値を抽出する。そして、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値及び図柄乱数値を、メインRAM103における、第1始動口44(図3参照)の入賞に基づく乱数値を記憶する第1特別図柄始動記憶領域に記憶する処理を行う。本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に第1始動口44(図3参照)に入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS35に処理を移す。
ステップS35において、特別図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づき、大当り乱数判定テーブル(図23参照)と図柄判定テーブル(図24参照)を参照して、特別図柄表示装置61(図3参照)に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM103の所定領域に記憶する。本実施形態において、特別図柄には、大当りに当選したことを示す大当り図柄と、小当りに当選したことを示す小当り図柄と、大当り又は小当たりのいずれにも当選しなかったことを示すハズレ図柄と、が含まれる。
[大当り乱数判定テーブル]
ここで、大当り乱数判定テーブルについて、図23を用いて説明する。本実施形態において、大当り乱数判定テーブルは、図23(a)に示す、第1始動口44(図3参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り乱数判定テーブル(第1始動口)と、図23(b)に示す、第2始動口45(図3参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り乱数判定テーブル(第2始動口)と、がメインROM102に記憶されている。大当り乱数判定テーブルは、遊技状態が確変状態か非確変状態かを示す確変フラグ毎に、所定の幅が設定された大当り判定用乱数値に、判定値データが対応付けられている。ここで、大当り判定用乱数値は、65536(0〜65535)であり、第1始動口44又は第2始動口45への入賞を契機とした抽選の結果である大当りか否かを判定する乱数値を表し、具体的には、特別図柄の抽選結果を示す乱数値である。また、確変フラグは、メインRAM103に記憶され、大当り遊技状態終了後の遊技状態として、確変状態が選択されるか否かを表すフラグであり、その値が“0”の場合には確変状態でないこと(非確変状態)を示し、その値が“1”の場合には確変状態であることを示す。このように、確変状態か否かは、主制御回路100によってフラグ管理されており、確変状態か否かによって、大当り確率が変動する。また、図23に示す選択率は、該当する判定値データが選択される確率を表す。
具体的には、図23(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、確変フラグ“0”(非確変状態)の場合、大当り判定用乱数値“777−943”(幅167)に大当り判定値データが対応付けられ、大当り判定用乱数値“1−300”(幅300)に小当り判定値データが対応付けられ、これら以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。また、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、確変フラグ“1”(確変状態)の場合、大当り判定用乱数値“777−1277”(幅500)に大当り判定値データが対応付けられ、大当り判定用乱数値“1−300”(幅300)に小当り判定値データが対応付けられ、これら以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。このように、本実施形態では、非確変状態で、第1始動口44に入賞した場合、大当りとなる確率(以下、大当り確率とも言う)は1/392であり、小当りとなる確率(以下、小当り確率とも言う)は1/218である。一方、確変状態で、第1始動口44に入賞した場合、大当り確率は1/131であり、小当り確率は1/218である。
また、図23(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)は、確変フラグ“0”(非確変状態)の場合、大当り判定用乱数値“777−943”(幅167)に大当り判定値データが対応付けられ、これ以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。また、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)は、確変フラグ“1”(確変状態)の場合、大当り判定用乱数値“777−1277”(幅500)に大当り判定値データが対応付けられ、これ以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。このように、本実施形態では、非確変状態で、第2始動口45に入賞した場合、大当りとなる確率(以下、大当り確率とも言う)は1/392であり、小当りに当選することはない。一方、確変状態で、第1始動口44に入賞した場合、大当り確率は1/131であり、小当りに当選することはない。
[図柄判定テーブル]
次に、図柄判定テーブルについて、図24を用いて説明する。本実施形態において、図柄判定テーブルは、図24(a)に示す、第1始動口44(図3参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される図柄判定テーブル(第1始動口)と、図24(b)に示す、第2始動口45(図3参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される図柄判定テーブル(第2始動口)と、がメインROM102に記憶されている。図柄判定テーブルは、判定値データに、所定の幅が設定された図柄乱数値、大当り時選択図柄コマンド、図柄指定コマンドが対応付けられている。ここで、図柄乱数値は、特別図柄の停止図柄を決定する乱数値を表す。また、大当り時選択図柄コマンドは、大当たり当選時の大当たり種類に応じて定められる大当たり図柄を指定するコマンドを表す。また、図柄指定コマンドは、特別図柄の変動停止時に表示される特別図柄を指定するコマンドを表す。
具体的には、図24(a)に示す図柄判定テーブル(第1始動口)は、大当り判定値データに対し、図柄乱数値“0〜19”に大当り時選択図柄コマンド“z0”が対応付けられ、図柄乱数値“20〜39”に大当り時選択図柄コマンド“z1”が対応付けられ、図柄乱数値“40〜59”に大当り時選択図柄コマンド“z2”が対応付けられ、図柄乱数値“60〜79”に大当り時選択図柄コマンド“z3”が対応付けられ、図柄乱数値“80〜99”に大当り時選択図柄コマンド“z4”が対応付けられ、これらの図柄乱数値全体に図柄指定コマンド“zA1”が対応付けられている。このように、本実施形態では、第1始動口44に入賞して大当りに当選した場合、大当り時選択図柄コマンド“z0”〜“z4”が等しく20/100の確率で選択される。また、図柄判定テーブル(第1始動口)は、小当り判定値データに対し、図柄乱数値“0〜99”に図柄指定コマンド“zA2”が対応付けられている。また、図柄判定テーブル(第1始動口)は、ハズレ判定値データに対し、図柄乱数値“0〜99”に図柄指定コマンド“zA3”が対応付けられている。
また、図24(b)に示す図柄判定テーブル(第2始動口)は、大当り判定値データに対し、図柄乱数値“0〜19”に大当り時選択図柄コマンド“z0”が対応付けられ、図柄乱数値“20〜99”に大当り時選択図柄コマンド“z4”が対応付けられ、これらの図柄乱数値全体に図柄指定コマンド“zA1”が対応付けられている。また、図柄判定テーブル(第2始動口)は、ハズレ判定値データに対し、図柄乱数値“0〜99”に図柄指定コマンド“zA3”が対応付けられている。このように、本実施形態では、第2始動口45に入賞して大当りに当選した場合、大当り時選択図柄コマンド“z0”が20/100で選択され、大当り時選択図柄コマンド“z4”が80/100で選択される。即ち、第2始動口45に入賞して大当りに当選した場合、第1始動口44に入賞して大当りに当選した場合に比べ、大当り時選択図柄コマンド“z4”が選択される確率が高い。
図8に戻って、ステップS35において、詳細には、メインCPU101は、図23(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)及び図24(a)に示す図柄判定テーブル(第1始動口)を参照し、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、特別図柄表示装置61に停止表示させる特別図柄に対応付けられた大当り時選択図柄コマンド及び図柄指定コマンドを決定する。具体的には、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)において、大当り判定値データに対応付けられていた場合には、ステップS34で抽出した図柄乱数値に基づき、図柄判定テーブル(第1始動口)を参照し、大当り時選択図柄コマンド“z0”〜“z4”のいずれかを選択する。また、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)において、小当り判定値データに対応付けられていた場合には、図柄指定コマンド“zA2”を選択する。また、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)において、ハズレ判定値データに対応付けられていた場合には、図柄指定コマンド“zA3”を選択する。この処理が終了した場合には、ステップS36に処理を移す。
ステップS36において、大当り判断処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図23(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)を参照し、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられているかを判断する。この処理が終了した場合には、ステップS37に処理を移す。このようなメインCPU101は、複数の通過領域のうちの何れかが遊技球の通過を検知したことに基づいて、遊技者にとって有利な遊技状態である複数種類(大当り時選択図柄コマンド“z0”〜“z4”にそれぞれ対応付けられた大当たり当選時の大当たり種類)の特別遊技状態のうち何れかへ移行するか否かの抽選を行う抽選手段として機能する。
ステップS37において、入賞時演出・変動演出パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS35で決定した大当り時選択図柄コマンド及び図柄指定コマンドに基づき、演出内容の大別を決定するための入賞時演出情報決定テーブル(図25参照)を参照して、入賞時演出情報を決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。また、メインCPU101は、変動演出パターン乱数値を抽出し、この変動演出パターン乱数値と、ステップS35で決定した大当り時選択図柄コマンド及び図柄指定コマンドに基づいて、特別図柄の変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図26参照)を参照して、変動演出パターンを決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、このような変動演出パターンを示すデータに基づいて、特別図柄表示装置61における特別図柄の変動表示態様を決定する。
[入賞時演出情報決定テーブル]
入賞時演出情報決定テーブルについて、図25を用いて説明する。入賞時演出情報決定テーブルは、メインROM102に記憶され、入賞が検知された始動口(図3に示す第1始動口44、第2始動口45)毎の判定値データ(“ハズレ判定値データ”、“小当り判定値データ”、“大当り判定値データ”)、大当り時選択図柄コマンド(“z0”、“z1”、“z2”、“z3”、“z4”)及び図柄指定コマンド(“zA1”、“zA2”、“zA3”)に、入賞時演出情報1(“1A”、“1B”、“1C”、“1D”)及び入賞時演出情報2(“2A”、“2B”、“2C”、“2D”)が対応づけられている。ここで、判定値データは、大当り乱数判定テーブル(図23参照)の判定値データに対応する。また、大当り時選択図柄コマンドは、図柄判定テーブル(図24参照)の大当り時選択図柄コマンドに対応する。また、図柄指定コマンドは、図柄判定テーブル(図24参照)の図柄指定コマンドに対応する。また、入賞時演出情報1は、主に保留球に関する演出を、副制御回路200が決定する際に使用される。入賞時演出情報2は、主に保留球の先読み演出(先読み連続演出)に関する演出を、副制御回路200が決定する際に使用される。
[変動演出パターン決定テーブル]
次に、変動演出パターン決定テーブルについて、図26を用いて説明する。変動演出パターン決定テーブルは、メインROM102に記憶され、図柄指定コマンド(“zA1”、“zA2”、“zA3”)及び大当り時選択図柄コマンド(“z0”、“z1”、“z2”、“z3”、“z4”)に、特別図柄の変動時間を示すデータ及び変動演出パターン(上位“A”〜“C”と、下位“0”〜“F”との組み合わせで示されるデータ)が対応づけられている。ここで、図柄指定コマンドは、図柄判定テーブル(図24参照)の図柄指定コマンドに対応する。また、大当り時選択図柄コマンドは、図柄判定テーブル(図24参照)の大当り時選択図柄コマンドに対応する。また、変動演出パターンは、特別図柄の変動中に実行する演出を、副制御回路200が決定する際に使用される。
図8に戻って、ステップS37において、メインCPU101は、決定した変動演出パターンを示すデータを、特別図柄表示装置61に供給する。特別図柄表示装置61は、この変動演出パターンを示すデータに基づき、特別図柄を、変動演出パターン決定テーブル(図26参照)に規定された変動時間で変動表示し、図柄指定コマンドに対応付けられた態様で停止表示する。また、入賞時演出情報1、入賞時演出情報2及び変動演出パターンを示すデータは、特別図柄演出開始コマンドとして、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に供給される。副制御回路200は、特別図柄演出開始コマンドを受信すると、当該特別図柄演出開始コマンドが示す入賞時演出情報1、入賞時演出情報2及び変動演出パターンの分類に含まれる演出から一つの演出パターンを選択し実行する。この処理が終了した場合には、ステップS38に処理を移す。
ステップS38において、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS33における保留個数の値に“1”加算する処理に応じて、第1特別図柄保留表示装置64(図3参照)を駆動するための保留個数増加コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、この保留個数増加コマンドを第1特別図柄保留表示装置64に供給する。第1特別図柄保留表示装置64は、供給された保留個数増加コマンドに基づき、表示用ランプを点灯する。この処理が終了した場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS39において、第2始動口入賞球センサで検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信したか否かを判定する。第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信していた場合には、ステップS40に処理を移し、第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信していない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS40において、払出情報セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口45(図3参照)の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS41に処理を移す。
ステップS41において、第2始動口入賞の保留個数が“4”より小さいか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口45(図3参照)の入賞に基づく保留個数が“4”より小さいか否かを判定し、保留個数が“4”より小さい場合には、ステップS42に処理を移し、保留個数が“4”以上の場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS42において、第2始動口入賞の保留個数に“1”加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第2始動口45(図3参照)の入賞に基づく保留個数の値に“1”加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS43に処理を移す。
ステップS43において、乱数取得・記憶処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(所謂、特別図柄抽選)し、さらに、大当り図柄乱数カウンタから図柄乱数値を抽出する。そして、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値及び図柄乱数値を、メインRAM103における、第2始動口45(図3参照)の入賞に基づく乱数値を記憶する第2特別図柄始動記憶領域に記憶する処理を行う。本実施形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に第2始動口45(図3参照)に入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS44に処理を移す。
ステップS44において、特別図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS43で抽出した大当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づき、大当り乱数判定テーブル(図23参照)と図柄判定テーブル(図24参照)を参照して、特別図柄表示装置61(図3参照)に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM103の所定領域に記憶する。
詳細には、メインCPU101は、図23(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)及び図24(b)に示す図柄判定テーブル(第2始動口)を参照し、ステップS43で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、特別図柄表示装置61に停止表示させる特別図柄に対応付けられたた大当り時選択図柄コマンド及び図柄指定コマンドを決定する。具体的には、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)において、大当り判定値データに対応付けられていた場合には、ステップS43で抽出した図柄乱数値に基づき、図柄判定テーブル(第2始動口)を参照し、た大当り時選択図柄コマンド“z0”又は“z4”のいずれかを選択する。また、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)において、ハズレ判定値データに対応付けられていた場合には、図柄指定コマンド“zA3”を選択する。この処理が終了した場合には、ステップS45に処理を移す。
ステップS45において、大当り判断処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図23(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)を参照し、ステップS43で抽出した大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられているかを判断する。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移す。
ステップS46において、入賞時演出・変動演出パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS44で決定した大当り時選択図柄コマンド及び図柄指定コマンドに基づき、演出内容の大別を決定するための入賞時演出情報決定テーブル(図25参照)を参照して、入賞時演出情報を決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。また、メインCPU101は、変動演出パターン乱数値を抽出し、この変動演出パターン乱数値と、ステップS44で決定した大当り時選択図柄コマンド及び図柄指定コマンドに基づいて、特別図柄の変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図26参照)を参照して、変動演出パターンを決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、このような変動演出パターンを示すデータに基づいて、特別図柄表示装置61における特別図柄の変動表示態様を決定する。
また、メインCPU101は、決定した変動演出パターンを示すデータを、特別図柄表示装置61に供給する。特別図柄表示装置61は、この変動演出パターンを示すデータに基づき、特別図柄を、変動演出パターン決定テーブル(図26参照)に規定された変動時間で変動表示し、図柄指定コマンドに対応付けられた態様で停止表示する。また、入賞時演出情報1、入賞時演出情報2及び変動演出パターンを示すデータは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に供給される。副制御回路200は、入賞時演出情報1、入賞時演出情報2及び変動演出パターンを受信すると、当該入賞時演出情報1、入賞時演出情報2及び変動演出パターンの分類に含まれる演出から一つの演出パターンを選択し実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47において、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS42における保留個数の値に“1”加算する処理に応じて、第2特別図柄保留表示装置65(図3参照)を駆動するための保留個数増加コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、この保留個数増加コマンドを第2特別図柄保留表示装置65に供給する。第2特別図柄保留表示装置65は、供給された保留個数増加コマンドに基づき、表示用ランプを点灯する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上説明したとおり、メインCPU101は、第1始動口44又は第2始動口45(図3参照)への入賞毎に、特別図柄及び変動演出パターンを決定する。また、メインCPU101は、保留個数が“0”かつ特別図柄が変動表示されていないときに、第1始動口44又は第2始動口45に入賞した場合でも、一度保留として第1特別図柄保留表示装置64又は第2特別図柄保留表示装置65を点灯し、その後直ぐに消灯し、特別図柄の変動表示を開始する。なお、メインCPU101は、一度保留として第1特別図柄保留表示装置64又は第2特別図柄保留表示装置65を点灯せずに、内部的な処理として保留個数が“0”でないと判定してから特別図柄を変動表示してもよい。
[主制御メイン処理]
次に、図9、図10、図11、図12、図13、図14及び図15を用いて、メインCPU101が実行する主制御メイン処理を説明する。図9に示すように、ステップS50において、初期設定を行う。この処理において、メインCPU101は、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグ等を初期化し又は電源遮断前の状態に復帰する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS51に処理を移す。
ステップS51において、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS52に処理を移す。
ステップS52において、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU101は、ステップS34又はステップS43で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、図23(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)又は図23(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)を参照し、特別図柄抽選(大当り又は小当り)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS53に処理を移す。
ステップS53において、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU101は、球通過検出センサ115(図5参照)からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM102に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。普通図柄抽選に当選した場合、普通電動役物46(図3参照)の羽根部材が開いた状態となって、第2始動口45(図3参照)に遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、ステップS54に処理を移す。
ステップS54において、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS52、ステップS53でメインRAM103に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示装置61と、普通図柄表示装置62とを駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、特別図柄表示装置61又は普通図柄表示装置62に、この制御信号を送信する。特別図柄表示装置61は受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示装置62は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、ステップS55に処理を移す。
ステップS55において、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU101は、副制御回路200、払出・発射制御回路300、ホールコンピュータ等に送信する遊技情報データを生成し、メインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS56に処理を移す。
ステップS56において、記憶・遊技状態データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU101は、確変フラグ、時短フラグに応じて副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、メインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS51に処理を移す。
[特別図柄制御処理]
図9のステップS52において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図10を用いて説明する。なお、図10において、ステップS61からステップS69の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM103における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップを実行し、特別図柄ゲームを進行する。
ステップS60において、制御状態フラグをロードする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS61に処理を移す。
なお、後述するステップS61からステップS69において、メインCPU101は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS61からステップS69における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU101は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。
ステップS61において、特別図柄記憶チェック処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、特別図柄の保留個数のチェック等を行う。この処理が終了した場合には、ステップS62に処理を移す。
ステップS62において、特別図柄変動時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば、1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS63の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS63に処理を移す。
ステップS63において、特別図柄表示時間管理処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当り又は小当り)か否かを判定する。メインCPU101は、当りである場合に、大当り・小当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り・小当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り・小当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS64の処理を実行するように設定する。一方、メインCPU101は、当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS69の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS64又はステップS69に処理を移す。
ステップS64において、大当り・小当り開始インターバル管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り・小当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り・小当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS65の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
ステップS65において、大入賞口開放中処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、第1大入賞口53(図3参照)又は第2大入賞口54(図3参照)の開放上限時間(例えば、約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットし、メインROM102から読み出された第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるためのデータをメインRAM103に記憶する。そして、メインCPU101は、図6のステップS14の処理において、メインRAM103に記憶された第1大入賞口53(図3参照)又は第2大入賞口54(図3参照)を開放させるためのデータを読み出し、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるためのソレノイド電源を、第1大入賞口53のシャッタ53aを駆動する第1大入賞口ソレノイド112a又は第2大入賞口54のシャッタ54aを駆動する第2大入賞口ソレノイド112bに供給する。そして、メインCPU101は、開放上限時間が経過した後、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS66の処理を実行するように設定する。また、この処理において、メインCPU101は、特別図柄当り開始コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。この特別図柄当り開始コマンドは、主制御回路100から副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が大当り・小当り演出の開始を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS66に処理を移す。
ステップS66において、大入賞口内残留球監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であるという条件、大入賞口開放回数カウンタが所定数以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU101は、いずれかの条件を満たした場合に、大当たり遊技終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットする。一方、メインCPU101は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS67又はステップS68に処理を移す。
ステップS67において、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU101は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS65の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
ステップS68において、大当り・小当り終了インターバル処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り・小当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り・小当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS69の処理を実行するように設定するのである。また、この処理において、メインCPU101は、特別図柄当り終了コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。この特別図柄当り終了コマンドは、主制御回路100から副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が大当り・小当り演出の終了を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS69に処理を移す。
ステップS69において、特別図柄ゲーム終了処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS61の処理を実行するように設定する。また、この処理において、メインCPU101は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路100から副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、メインCPU101は、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームを実行する。具体的には、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを(00)、(01)、(02)、(08)と順にセットすることにより、図10に示すステップS61、ステップS62、ステップS63、ステップS69の処理を所定のタイミングで実行する。また、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを(00)、(01)、(02)、(03)と順にセットすることにより、図10に示すステップS61、ステップS62、ステップS63、ステップS64の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行する。さらには、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを(04)、(05)、(06)と順にセットすることにより、図10に示すステップS65、ステップS66、ステップS67の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を実行する。なお、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、(07)、(08)と順にセットすることにより、図10に示すステップS68、ステップS69の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図10のステップS61において実行されるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について図11を用いて説明する。ステップS70において、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であると判別した場合には、ステップS71に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS71において、第2始動口入賞の保留個数が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判定する。メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が“0”である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS77に処理を移す。一方、メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が“0”でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS72に処理を移す。
ステップS72において、第2始動記憶数から“1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(0)のデータをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73において、第2始動口入賞に基づく特別図柄記憶領域転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74において、第1始動口入賞の保留個数が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判定する。メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS80に処理を移す。一方、メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS75に処理を移す。一方、メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS77に処理を移す。なお、メインCPU101は、ステップS71の処理の後に、ステップS74の処理を行う。すなわち、メインCPU101は、第2始動口入賞を優先消化する。
ステップS75において、第1始動記憶数から“1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)のデータをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76において、第1始動口入賞に基づく特別図柄記憶領域転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS77において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103にデモ表示許可値をセットする処理を行う。また、メインCPU101は、特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU101は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドをセットし、副制御回路200に供給する。副制御回路200は、このデモ表示コマンドに基づき、表示装置13においてデモ表示を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS78において、時短状態変動回数カウンタが“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタが“0”か否かを判定する。メインCPU101は、時短状態変動回数カウンタが“0”でないと判定した場合には、ステップS79に処理を移す。一方、メインCPU101は、時短状態変動回数カウンタが“0”であると判定した場合には、ステップS82に処理を移す。
ステップS79において、時短状態変動回数カウンタから“1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタから“1”減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80において、時短状態変動回数カウンタが“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタが“0”か否かを判定する。メインCPU101は、時短状態変動回数カウンタが“0”でないと判定した場合には、ステップS82に処理を移す。一方、メインCPU101は、時短状態変動回数カウンタが“0”であると判定した場合には、ステップS81に処理を移す。
ステップS81において、時短フラグに“0”(非時短であることを示す値)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短フラグに“0”をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS82に処理を移す。
ステップS82において、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS83に処理を移す。また、メインCPU101は、後述するサブCPU201が、特別図柄表示装置61に停止表示する特別図柄に対応する導出図柄(演出用の識別図柄)を決定するための導出図柄指定コマンドを生成してメインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、この導出図柄指定コマンドを、図6に示すステップS14で副制御回路200に出力する。副制御回路200のサブCPU201は、受信した導出図柄指定コマンドに基づいて、導出図柄の変動表示を開始することとなる。
ステップS83において、前回の変動に用いられた記憶領域をクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、前回の変動表示に用いられたメインRAM103の記憶領域をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS84に処理を移す。
ステップS84において、待ち時間セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図8に示すステップS37又はステップS46で決定した特別図柄の変動演出パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図10のステップS63において実行されるサブルーチン(特別図柄表示時間管理処理)について図12を用いて説明する。図12に示すように、ステップS90において、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であると判定した場合には、ステップS91に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS91において、待ち時間が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”であると判定した場合にはステップS92に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でないと判定した場合には本サブルーチンを終了する。
ステップS92において、大当り・小当りか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された確変フラグと、図23(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)又は図23(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)とを参照し、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられた値か否か(大当りか否か)を判定する。メインCPU101は、大当りであると判定した場合には、ステップS94に処理を移し、大当りでないと判定した場合には、ステップS93に処理を移す。また、この処理において、メインCPU101は、小当りか否かを判定する処理も行う。詳細には、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された確変フラグと、図23(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)を参照し、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数値が、小当り判定値データに対応付けられた値か否か(小当り)を判定する。メインCPU101は、小当りであると判定した場合には、ステップS94に処理を移し、小当りでないと判定した場合には、ステップS93に処理を移す。メインCPU101は、小当りであると判定し、第1大入賞口53や第2大入賞口54を一定期間開放後、閉鎖した場合(小当りとしての大入賞口開放時間が経過した場合)には、小当り遊技状態終了後の遊技状態が小当り当選時の遊技状態よりも有利な遊技状態とはならないように制御する。なお、小当りとしての大入賞口開放時間とは、断続的に第1大入賞口53や第2大入賞口54の開閉が繰り返される場合には開放時間の合計である総開放時間である。
ステップS93において、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS94において、大当り・小当りフラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に大当りフラグ又は小当りフラグをセットする。この処理が終了した場合には、ステップS95に処理を移す。
ステップS95において、時短状態変動回数カウンタクリア処理、時短フラグクリア処理及び確変フラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された時短状態変動回数カウンタをクリアする。また、メインCPU101は、時短フラグの値を当選時時短フラグとしてメインRAM103に記憶してから、時短フラグに“0”をセットする処理を行う。また、メインCPU101は、確変フラグの値を当選時確変フラグとしてメインRAM103に記憶してから、確変フラグに“0”をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS96に処理を移す。
ステップS96において、制御状態フラグに大当り・小当り開始インターバル管理を示す値(03)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに大当り・小当り開始インターバル管理を示す値(03)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS97に処理を移す。
ステップS97において、大当り・小当り開始インターバル時間として待ち時間(5000ms)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図12に示すステップS92の処理で大当り又は小当りであると判定した場合には、大当り・小当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値(5000ms)をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS98に処理を移す。
ステップS98において、大当り・小当り開始コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り・小当り開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS99に処理を移す。ここで、本ステップの処理でセットされる大当り・小当り開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に供給されることにより、副制御回路200が大当り又は小当り開始を認識する。
ステップS99において、ラウンド数表示LEDパターンフラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ラウンド数表示装置66の表示制御を行うためのラウンド数表示LEDパターンフラグをメインRAM103にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口開放中処理]
図10のステップS65において実行されるサブルーチン(大入賞口開放中処理)について図13を用いて説明する。図13に示すように、ステップS100において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04)であると判定した場合には、ステップS101に処理を移し、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04)でないと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS101において、大入賞口入賞カウンタが上限値に達したか(例えば“9”以上であるか)否かの判定を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口入賞カウンタが“9”以上であると判定した場合には、ステップS103に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“9”以上でないと判定した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102において、大入賞口開放時間タイマとしての待ち時間タイマが“0”か否かの判定を行う。メインCPU101は、メインRAM103における大入賞口開放時間タイマとして機能する所定領域の待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS103に処理を移し、待ち時間タイマが“0”でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS103において、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口を閉鎖させるために、メインROM102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM103に記憶された変数を更新する。このように記憶された変数に基づいて、第1大入賞口ソレノイド112aや第2大入賞口ソレノイド112bを閉鎖状態とすることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS104において、大入賞口開放回数カウンタ値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大入賞口開放回数カウンタ値と大入賞口開放回数上限値とを比較して、大入賞口開放回数カウンタ値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かを判定する。メインCPU101は、大入賞口開放回数上限値以上であると判定した場合には、ステップS107に処理を移し、大入賞口開放回数上限値以上でないと判定した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105において、メインCPU101は、開放間インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106において、制御状態フラグに大入賞口内残留球監視を示す値(05)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに大入賞口内残留球監視を示す値(05)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS107において、メインCPU101は、大当り・小当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS108において、制御状態フラグに大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大当り・小当り終了インターバル処理]
図10のステップS68において実行されるサブルーチン(大当り・小当り終了インターバル処理)について図14を用いて説明する。ステップS110において、制御状態フラグが大当り・小当り終了インターバルを示す値(07)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが大当り・小当り終了インターバル処理を示す値(07)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが大当り・小当り終了インターバル処理を示す値(07)であると判定した場合には、ステップS111に処理を移し、制御状態フラグが大当り・小当り終了インターバル処理を示す値(07)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS111において、待ち時間が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り・小当り終了インターバル処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”であると判定した場合には、ステップS112に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS112において、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS113に処理を移す。
ステップS113において、ラウンド数振り分けフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されたラウンド数振り分けフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS114に処理を移す。
ステップS114において、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS115に処理を移す。
ステップS115において、大当りフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図11に示すステップS99の処理で大当りフラグをセットした場合には、メインRAM103に記憶された大当りフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS116に処理を移す。
ステップS116において、確変フラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図8に示すステップS35又はステップS44で決定した大当り時選択図柄コマンドと、メインRAM103に記憶された当選時時短フラグ及び当選時確変フラグとに基づき、図27に示す大当り種類決定テーブルを参照し、メインRAM103に確変フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS117に処理を移す。
[大当り種類決定テーブル]
ここで、大当り種類決定テーブルについて、図27を用いて説明する。大当り種類決定テーブルは、図柄判定テーブル(図24参照)により決定された大当り時選択図柄コマンドに応じて、大当りの種類を決定するためのテーブルであり、メインROM102に記憶され、大当り時選択図柄コマンド(“z0”、“z1”、“z2”、“z3”、“z4”)に、時短フラグ、時短回数、確変フラグ、確変回数及びラウンド数が対応付けられている。
大当り種類決定テーブルにおける大当り時選択図柄コマンドは、図柄判定テーブル(図24参照)の大当り時選択図柄コマンドに対応する値である。また、大当り種類決定テーブルにおける時短回数は、大当り遊技状態終了後に開始される時短状態における特別図柄の変動回数の上限値を示す。なお、本実施形態において、時短状態は、大当りに当選した場合又は大当り種類決定テーブルに示された時短回数分の特別図柄の変動があった場合には終了する。すなわち、時短状態から非時短状態に移行する。また、大当り種類決定テーブルにおける確変回数は、大当り遊技状態終了後に開始される確変状態における特別図柄の変動回数の上限値を示す。なお、本実施形態において、確変状態は、大当りに当選した場合又は大当り種類決定テーブルに示された確変回数分の特別図柄の変動があった場合には終了する。すなわち、確変状態から非確変状態に移行する。また、大当り種類決定テーブルにおけるラウンド数は、大当り遊技状態において、メインCPU101によって制御されるラウンドゲーム数を示し、大当たり当選時の大当たり種類を示す大当り時選択図柄コマンド“z0”〜“z4”にそれぞれ所定の値が対応付けられている。即ち、複数種類の特別遊技状態は、遊技状態制御手段によって特別遊技状態が制御される期聞が各々規定されている。
また、大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグの値に応じた4つのテーブルが、メインROM102に記憶されている。具体的には、図27(a)に示す大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグの値が“0”で、当選時確変フラグの値の値が“0”である場合、すなわち、非時短状態及び非確変状態の時に大当りとなった場合に、メインCPU101に参照される。また、図27(b)に示す大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグの値が“1”で、当選時確変フラグの値の値が“0”である場合、すなわち、時短状態及び非確変状態の時に大当りとなった場合に、メインCPU101に参照される。また、図27(c)に示す大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグの値が“0”で、当選時確変フラグの値の値が“1”である場合、すなわち、非時短状態及び確変状態の時に大当りとなった場合に、メインCPU101に参照される。また、図27(d)に示す大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグの値が“1”で、当選時確変フラグの値が“1”である場合、すなわち、時短状態及び確変状態の時に大当りとなった場合に、メインCPU101に参照される。
図14に戻って、具体的には、ステップS116において、メインCPU101は、図27(a)〜(d)に示す大当り種類決定テーブルのうち、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグに応じた大当り種類決定テーブルを参照し、大当り時選択図柄コマンドに対応付けられた確変フラグの値を読み出しメインRAM103に記憶する処理を行う。
ステップS117において、時短フラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図8に示すステップS35又はステップS44で決定した大当り時選択図柄コマンドと、メインRAM103に記憶された当選時時短フラグ及び当選時確変フラグとに基づき、図27に示す大当り種類決定テーブルを参照し、メインRAM103に時短フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS118に処理を移す。具体的には、メインCPU101は、図27(a)〜(d)に示す大当り種類決定テーブルのうち、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグに応じた大当り種類決定テーブルを参照し、大当り時選択図柄コマンドに対応付けられた時短フラグの値を読み出しメインRAM103に記憶する処理を行う。このようなメインCPU101は、特別遊技状態と、少なくとも特別遊技状態の終了後に制御される遊技状態であって、特別遊技状態へと移行し易い第1遊技状態又は第1遊技状態よりも特別遊技状態へと移行し難い第2遊技状態の何れかの遊技状態と、を制御する遊技状態制御手段として機能する。
ステップS118において、時短フラグが“1”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短フラグの値が“1”か否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、時短フラグの値が“1”であると判定した場合には、ステップS119に処理を移し、時短フラグの値が“1”でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS119において、時短状態変動回数カウンタに時短回数をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図8に示すステップS35又はステップS44で決定した大当り時選択図柄コマンドと、メインRAM103に記憶された当選時時短フラグ及び当選時確変フラグとに基づき、図27に示す大当り種類決定テーブルを参照し、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタに時短回数をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。具体的には、メインCPU101は、図27(a)〜(d)に示す大当り種類決定テーブルのうち、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグに応じた大当り種類決定テーブルを参照し、大当り時選択図柄コマンドに対応付けられた時短回数の値を読み出しメインRAM103に記憶する処理を行う。
[普通図柄制御処理]
図9のステップS53において実行されるサブルーチン(普通図柄制御処理)について図15を用いて説明する。なお、図15において、ステップS131からステップS135の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、メインRAM103における普通図柄制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することになる。
ステップS130において、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている普通図柄制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS131に処理を移す。
なお、後述するステップS131からステップS135において、メインCPU101は、後述するように、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS131からステップS135における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU101は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。
ステップS131において、普通図柄記憶チェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、メインRAM103に記憶されている普通図柄保留記憶数カウンタ(保留個数)の値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、普通図柄保留記憶数カウンタの値が“0”である場合には、普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。一方、メインCPU101は、普通図柄保留記憶数カウンタの値が“0”でない場合には、普通図柄変動時間監視処理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、普通図柄の所定の変動時間を待ち時間タイマにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS135又はステップS132に処理を移す。
ステップS132において、普通図柄変動時間監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS133の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS133に処理を移す。
ステップS133において、普通図柄表示時間監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、乱数値を抽出し、メインROM102に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定する。メインCPU101は、普通図柄抽選に当選した場合には普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットし、普通図柄抽選に当選しなかった場合には普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS134又はステップS135に処理を移す。
ステップS134において、普通電動役物開放処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物開放フラグをセットし、羽根部材を開放させる時間である普通役物開放時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、普通役物開放時間が経過した後、ステップS135の処理を実行するように設定する。なお、メインCPU101は、普通電動役物開放フラグがセットされた場合、第2始動口45の普通電動役物46(図3参照)の羽根部材を開いた状態とする普通電動役物ソレノイド111(図5参照)にソレノイド電源を供給する。また、メインCPU101は、普通電動役物46の羽根部材を開いた状態において、第2始動口45に所定数の入賞があった場合又は普通役物開放時間がセットされた待ち時間タイマが“0”になった場合には、普通電動役物ソレノイド111にソレノイド電源を供給し、普通電動役物46の羽根部材を閉じた状態とする。
ステップS135において、普通図柄ゲーム終了処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)である場合に、メインRAM103に記憶された普通図柄保留記憶数カウンタの値から1を減算し、普通図柄記憶チェック処理を示す値(00)を普通図柄制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御メイン処理]
図16を用いて、副制御メイン処理を説明する。副制御回路200は、主制御回路100からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
ステップS200においては、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU201は、電源投入に応じて、初期化設定する処理を行う。例えば、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された演出モードに基づき、演出モードを設定する。
ステップS201においては、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202においては、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から受信し、ワークRAM203の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203においては、演出制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、演出操作部500における演出の演出制御を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、表示装置13において表示を行うためのデータを表示制御回路210に送信する。表示制御回路210において、VDP(図示せず)は、サブCPU201からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、表示装置13の表示領域13a上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS205に処理を移す。このように、サブCPU201は、表示手段(表示装置13)を制御する表示制御手段の一例である。
ステップS205においては、音・ランプ等制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、スピーカ11から発生させる音の制御を行う音声制御処理、ランプ15の発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理(ステップS201)に処理を移す。
[タイマ割り込み処理]
図16に示す副制御メインを実行している状態であっても、副制御メインを中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。図17を用いて、タイマ割り込み処理について以下に説明する。
ステップS210においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS211に処理を移す。
ステップS211においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されるタイマを更新する処理を行う。具体的には、ラウンド演出等のタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS212に処理を移す。
ステップS212においては、スイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU201は、センサ252からの入力信号の有無を検出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS213に処理を移す。なお、このスイッチ入力検出処理をタイマ割り込み処理において実行しているが、他の割り込みでもよい。
ステップS213においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS210で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド割り込み処理]
図16に示す副制御メイン処理を実行している状態であっても、副制御メイン処理を中断させ、コマンド割り込み処理を実行する場合がある。図18を用いて、コマンド割り込み処理について以下に説明する。
ステップS220においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS221に処理を移す。
ステップS221において、サブCPU201は、受信コマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS222に処理を移す。
ステップS222においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS220で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図16のステップS202において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図19を用いて説明する。
ステップS230において、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合には、ステップS231に処理を移し、受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS231において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンドであると判定した場合には、ステップS232に処理を移し、特別図柄演出開始コマンドであると判定しない場合には、ステップS233に処理を移す。
ステップS232において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を行う。特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動パターン、特別図柄、残り時短回数のデータが含まれる。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS233において、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄演出停止コマンドであるか否かを判定する。サブCPU201は、特別図柄演出停止コマンドであると判定した場合には、ステップS234に処理を移し、特別図柄演出停止コマンドであると判定しない場合には、ステップS235に処理を移す。
ステップS234において、サブCPU201は、特別図柄演出停止コマンド受信時処理を行う。この処理において、サブCPU201は、特別図柄演出を終了する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS235において、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄当り開始コマンドか否かを判定する処理を行う。サブCPU201は、特別図柄当り開始コマンドであると判定した場合には、ステップS236に処理を移し、特別図柄当り開始コマンドであると判定しない場合には、ステップS237に処理を移す。
ステップS236において、サブCPU201は、特別図柄当り開始コマンド受信時処理を行う。特別図柄当り開始コマンドには、遊技状態、当りの種類のデータが含まれる。この処理において、サブCPU201は、特別図柄当り演出を開始する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS237において、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄当り終了コマンドか否かを判定する処理を行う。サブCPU201は、特別図柄当り終了コマンドであると判定した場合には、ステップS238に処理を移し、特別図柄当り終了コマンドであると判定しない場合には、ステップS239に処理を移す。
ステップS238において、サブCPU201は、特別図柄当り終了コマンド受信時処理を行う。この処理において、サブCPU201は、特別図柄当り演出を終了する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS239において、サブCPU201は、その他受信したコマンドに対応する受信時処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄演出開始コマンド受信時処理]
図19のステップS232において実行されるサブルーチン(特別図柄演出開始コマンド受信時処理)について図20を用いて説明する。
ステップS240において、サブCPU201は、操作部演出実行フラグがオンか否かを判定する処理を行う。サブCPU201は、ワークRAMに記憶された操作部演出実行フラグがオンか否かを判定し、操作部演出実行フラグがオンであると判定した場合には、ステップS246に処理を移し、操作部演出実行フラグがオンであると判定しない場合には、ステップS241に処理を移す。
ステップS241において、サブCPU201は、演出操作部実行抽選処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信した特別図柄演出開始コマンドと、演出操作部実行抽選により決定した乱数値に基づき、プログラムROM202に記憶された操作部演出実行抽選テーブル(図28参照)を参照して、演出操作部500による演出の実行の有無を決定する。この処理が終了した場合には、ステップS242に処理を移す。
[操作部演出実行抽選テーブル]
図28は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における操作部演出実行抽選テーブルの一例を示す図である。
操作部演出実行抽選テーブルは、プログラムROM202に記憶され、表示装置13の表示領域13a等で、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」になることへの期待感を高める演出を開始するための操作部の種別(チャンスボタンとして機能させる操作部の種別)を示すデータ(図28に示す例では、「第1操作部511」、「第2操作部521」)に、ハズレの場合における操作部演出実行抽選による乱数値の範囲と、大当りの場合における操作部演出実行抽選による乱数値の範囲と、が対応付けられている。例えば、特別図柄演出開始コマンドが大当りを示し、操作部演出実行抽選によって得られる乱数値が“60”である場合、サブCPU201は、第2操作部521を、上記演出を開始するための操作部として決定する。この場合、第2操作部521がチャンスボタンとして機能する。
操作部演出実行抽選テーブルは、ハズレの場合には第1操作部511が選択され易く、大当りの場合には第2操作部521が選択され易いように構成されている。そうすることで、第2操作部521が、「大当り」になることへの期待感を高める操作部として位置づけられる。
なお、上記演出を開始するための操作部として「演出なし」が決定される場合、第1操作部511、第2操作部521のいずれも、チャンスボタンとして機能しない。
図20に戻って、ステップS242において、サブCPU201は、操作部演出の実行を決定したか否かを判定する処理を行う。サブCPU201は、ステップS241の処理で、操作部演出の実行を決定したか否かを判定し、操作部演出の実行を決定したと判定した場合には、ステップS243に処理を移し、操作部演出の実行を決定したと判定しない場合には、ステップS246に処理を移す。例えば、図28に示す例において、サブCPU201は、ステップS241の処理で、「演出なし」を決定した場合には、操作部演出の実行を決定したと判定せず、「演出なし」以外を決定した場合には、操作部演出の実行を決定したと判定する。
ステップS243において、サブCPU201は、操作部演出抽選処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信した特別図柄演出開始コマンドと、操作部演出抽選により決定した乱数値に基づき、プログラムROM202に記憶された操作部演出抽選テーブル(図29参照)を参照して、演出操作部による演出の種別を決定する。この処理が終了した場合には、ステップS244に処理を移す。
[操作部演出抽選テーブル]
図29は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における操作部演出抽選テーブルの一例を示す図である。図29(a)は第1操作部511用の操作部演出抽選テーブルであり、図29(b)は第2操作部521用の操作部演出抽選テーブルである。このように、操作部演出抽選テーブルは、演出操作部500の種別毎に、プログラムROM202に記憶されている。
操作部演出抽選テーブルは、プログラムROM202に記憶され、演出の種別を示すデータ(図29に示す例では、「操作部演出A」、「演出ステップ4」等)に、ハズレの場合における操作部演出抽選による乱数値の範囲と、大当りの場合における操作部演出抽選による乱数値の範囲と、が対応付けられている。例えば、サブCPU201は、第2操作部521による演出の種別を決定する場合、特別図柄演出開始コマンドが大当りを示し、操作部演出抽選結果の乱数値が“50”であれば、演出の種別として「演出ステップ4」を決定する。
第1操作部511用の操作部演出抽選テーブルは、ハズレの場合には操作部演出C、B2、B1、Aの順で選択され易く、大当りの場合には操作部演出A、B1、B2、Cの順で選択され易いように構成されている。そうすることで、操作部演出A、B1、B2、Cの順で、「大当り」になることへの期待感を高める演出として位置づけられる。
第2操作部521用の操作部演出抽選テーブルは、ハズレの場合には演出ステップ1、2、3、4の順で選択され易く、大当りの場合には演出ステップ4、3、2、1の順で選択され易いように構成されている。そうすることで、演出ステップ4、3、2、1の順で、「大当り」になることへの期待感を高める演出として位置づけられる。
図20に戻って、ステップS244において、サブCPU201は、操作部演出パラメータ設定処理を行う。サブCPU201は、ステップS243で決定した演出の種別に基づき、プログラムROM202に記憶された操作部演出パラメータテーブル(図30及び図31参照)を参照して、操作部演出パラメータを設定する。この処理が終了した場合には、ステップS245に処理を移す。
[操作部演出パラメータテーブル]
図30及び図31は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における操作部演出パラメータテーブルの一例を示す図である。
図30は、第1操作部511用の操作部演出パラメータテーブルである。図30に示す操作部演出パラメータテーブルは、プログラムROM202に記憶され、演出の種別を示すデータ(図30に示す例では、「操作部演出A」等)に、演出操作部500での演出とともに行われる表示装置13における画像演出の表示態様が少なくとも対応付けられている。
表示態様の「見た目」とは、表示装置13に最初に表示する画像の内容を示している。また、表示態様の「中身」とは、「見た目」の「箱」の画像を、遊技者による操作部520の移動操作に応じて、「箱」を割る画像に遷移させたときに表示する「箱」の中に入っていた物の画像の内容を示す。また、表示態様の「中身」の内容は、大当りに当選している確率を示す「大当り期待度」に対応付けられている。
ここで、図32は、第1操作部511をチャンスボタンにする場合の演出操作部500における演出態様の一例を示す図である。チャンスボタンとして機能させる操作部として第1操作部511が決定されると、演出操作部500での演出として、第1透過表示パネル513は、照光状態にセットされる。そのため、第1透過表示パネル513に記載されている「PUSH」との文字が視認可能である。なお、第1発光表示部512は、第1操作部511がチャンスボタンであることを示す演出手段として、適宜のタイミングで発光する。
他方、第2透過表示パネル523は、消光状態にセットされ、第2透過表示パネル523に描かれている物理ボタン及び文字は、いずれも視認不可能な状態である。そして、第2透過表示パネル523が透明であるため、第2発光表示部522における発光表示が視認可能である。
図33及び図34は、第1操作部511をチャンスボタンにする場合の表示装置13における演出態様の一例を示す図である。サブCPU201は、ステップS244(図20参照)の処理で、図30に示す操作部演出パラメータテーブルを参照して、表示装置13の表示態様「リンゴ→切断失敗」を設定した場合、表示制御回路210により表示装置13に図33の(A)に示す画像を表示させ、時間の経過にともない、図33の(A)、図33の(B)、図34の(A)、図34の(B)の順に、画像を順次遷移させる表示制御を行う。
図31に戻る。図31は、第2操作部521用の操作部演出パラメータテーブルである。図31に示す操作部演出パラメータテーブルは、プログラムROM202に記憶され、演出の種別を示すデータ(図31に示す例では、「演出ステップ1」等)に、演出操作部500での演出とともに行われる表示装置13における画像演出の表示態様が少なくとも対応付けられている。
表示装置13における表示態様は、大当りに当選している確率を示す「大当り期待度」に対応付けられている。
ここで、図35は、第2操作部521をチャンスボタンにする場合の演出操作部500における演出態様の一例を示す図である。チャンスボタンとして機能させる操作部として第2操作部521が決定されると、演出操作部500での演出として、第2透過表示パネル523は、照光状態にセットされる。そのため、第2透過表示パネル523に描かれている物理ボタン及び文字が視認可能である。なお、第2発光表示部522は、第2操作部521がチャンスボタンであることを示す演出手段として、適宜のタイミングで発光する。
他方、第1透過表示パネル513は、消光状態にセットされ、第1透過表示パネル513に記載されている文字は、視認不可能な状態である。そして、第1透過表示パネル513が透明であるため、第1発光表示部512における発光表示が視認可能である。
図36及び図37は、第2操作部521をチャンスボタンにする場合の表示装置13における演出態様の一例を示す図である。サブCPU201は、ステップS244(図20参照)の処理で、図31に示す操作部演出パラメータテーブルを参照して、表示装置13の表示態様「アジト発見→攻撃準備→攻撃→成功」を設定した場合、表示制御回路210により表示装置13に図36の(A)に示す画像を表示させ、時間の経過にともない、図36の(A)、図36の(B)、図37の(A)、図37の(B)の順に、画像を順次遷移させる表示制御を行う。
図20に戻って、ステップS245において、サブCPU201は、操作部演出実行フラグをオンにする処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAMに記憶された操作部演出実行フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS246に処理を移す。
ステップS246において、サブCPU201は、その他の制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンドを受信した場合に行う、その他の制御処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[演出制御処理]
図16のステップS203において実行されるサブルーチン(演出制御処理)について図21を用いて説明する。
ステップS250において、サブCPU201は、操作部演出設定処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS251に処理を移す。
ステップS251において、サブCPU201は、その他演出設定処理を行う。この処理において、サブCPU201は、演出制御におけるその他の制御処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[操作部演出設定処理]
図21のステップS250において実行されるサブルーチン(操作部演出設定処理)について図22を用いて説明する。
ステップS260において、サブCPU201は、操作部演出実行フラグがオンか否かを判定する処理を行う。サブCPU201は、ワークRAMに記憶された操作部演出実行フラグがオンか否かを判定し、操作部演出実行フラグがオンであると判定した場合には、ステップS261に処理を移し、操作部演出実行フラグがオンであると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS261において、サブCPU201は、操作部演出パラメータ更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、センサ252や演出ボタン511から受信した信号に基づき、操作部演出パラメータテーブル(図30及び図31参照)を参照して、操作部演出における演出のパラメータを更新する。
ステップS262において、サブCPU201は、演出終了か否かを判定する処理を行う。サブCPU201は、演出操作部500における操作部演出が終了したか否かを判定し、操作部演出が終了したと判定した場合には、ステップS263に処理を移し、操作部演出が終了したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS263において、サブCPU201は、初期位置復帰処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS264に処理を移す。
ステップS264において、サブCPU201は、操作部演出実行フラグをオフにする処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAMに記憶された操作部演出実行フラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上、説明したように構成された本実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、所定の条件を満たすと、それまで、第2発光表示部522による発光表示を行う演出表示エリアであった第2操作エリア520が、第2操作部521の操作を行う操作エリアに切り替わる。これにより、斬新な操作感覚を付与可能な操作手段を有し、遊技者に対する趣向性を高めることが可能な遊技機1を提供できる。
また、上記所定の条件を満たすことをきっかけとして、操作エリアを第1操作エリア510から第2操作エリア520に移すことができる。これにより、斬新な操作感覚を付与可能な演出操作部500を有し、遊技者に対する趣向性を高めることが可能な遊技機1を提供できる。
また、第2操作エリア520は、第1操作エリア510の周囲に設けられているため、遊技者に対し、あたかも、操作を行う操作エリアが広がったような感覚を与えることが可能となり、遊技者に対する趣向性をよりいっそう高めることが可能となる。
<変形例>
以上、本実施形態を用いて、本発明に係るパチンコ遊技機1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各手段の具体的構成については任意に変更することができる。
[保留個数の大きさによる操作エリアの切り替え]
例えば、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、大当りへの期待度に応じて操作エリアの切り替えが行われるものとして説明したが、これに限られるものではない。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。そして、本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)が、最大4回(個)に規定されている。
そこで、図28で説明した操作部演出実行抽選テーブルを図38のようにし、上記保留個数が多くなるにつれて、操作エリアが第1操作エリア510から第2操作エリアに切り替えられ易くするとともに、図29で説明した操作部演出抽選テーブルを図39のようにし、上記保留個数が多くなるにつれて、操作部演出A、B1、B2、C、あるいは演出ステップ4、3、2、1の順で選択され易いようにしてもよい。
なお、図示は省略するが、この場合、図30及び図31で説明した操作部演出パラメータテーブルの「大当り期待度」は、「保留個数が大きいことへの期待度」となる。
[第1発光表示部512、第2発光表示部522を用いた予兆演出]
本実施形態では、操作エリアの切り替え、及びそれに伴う表示装置13での演出によって大当りへの期待度等を予測可能にしているが、これに限られるものではない。
例えば、図28で説明した操作部演出実行抽選テーブルを図40のようにし、表示装置13での演出に先立ち、第1発光表示部512、第2発光表示部522での発光態様から、大当りへの期待度等を大まかに予測可能にしても良い。遊技者は、第1発光表示部512、第2発光表示部522での発光態様から、第1操作部511、第2操作部521を操作するか否かを選択することができ、これにより、実際は、大当りでないにも関わらず、第1操作部511、第2操作部521を操作し、表示装置13での演出を見ることを回避できる。そのため、遊技者のストレスを軽減した遊技機1を提供できる。
[パチスロ機への応用]
本実施形態では、演出操作部500をパチンコ機1に設けたものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、図41に示すように、演出操作部500をパチスロ機1000に設けてもよい。
演出操作部500をパチンコ機1に設ける場合、大当りへの期待度に応じて操作エリアの切り替えが行われる。それに対し、演出操作部500をパチスロ機1に設ける場合、ボーナス内部当選の有無、リプレイタイム(RT)の有無、アシストリプレイタイム(ART)の有無等、一般遊技状態に比べて有利な状態にあることへの期待度に応じて操作エリアの切り替えを行うようにすればよい。
また、図41に示すように、演出操作部500がストップボタン1017L,1017C,1017Rと別体であってもよいし、演出操作部500がストップボタン1017L,1017C,1017Rと一体であってもよい。一体とする場合、中央のストップボタン1017Cが第1操作部511に対応し、左のストップボタン1017L、右のストップボタン1017Rがそれぞれ第2操作部521A,521Bに対応する。そして、第1操作部511の背後には、奥から第1発光表示部512、第1透過表示パネル513が設けられ、第2操作部521の背後には、奥から第2発光表示部522、第2透過表示パネル523が設けられる。