JP7445321B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
遊技機としては例えば、遊技球(パチンコ球)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。このパチンコ遊技機は、機内部に配置されている遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、遊技領域には複数種類の入球口が設けられている。そして、パチンコ遊技では、遊技者の操作に応じて遊技領域に導かれた遊技球が入球口に入球することに基づいて、遊技者に所定の特典(賞球や有利な遊技状態等)が付与されるようになっている(例えば、特許文献1)。
特開2022-46000号公報
パチンコ遊技機の遊技領域には一般的に、開閉部材で開閉される可変式の入球口が配置されている。この入球口について、遊技球の入球が生じ易い状態と入球が生じ難い状態とを設けることで、遊技にメリハリを付けることができる。可変式の入球口に遊技球が入球し易い状態を生起させる場合は、例えば、複数の遊技球が入球口に入球可能となるように開閉部材を充分長く作動させるようにすればよい。これに対し、遊技球が可変式の入球口に入球し難い状態を生起させる場合は、例えば、開閉部材を作動させないようにするか、短時間のみ作動させるようにする。
可変式の入球口への入球が生じ難い状態について、遊技者にとっては、開閉部材が全く作動しないよりも、短時間でも作動する方が、その可変式の入球口への入球に対する興味を維持し易いと考えられる。しかしながら、入球口を短時間でも開放するようにすれば、遊技球が入球口に入球してしまう可能性が生じる。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、入球口を開閉する開閉部材を作動させつつその入球口への遊技球の入球を防止することが可能な遊技機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技球が流下可能な遊技領域と、前記遊技領域に向けて遊技球を打ち出す発射装置と、前記遊技領域内で上方に向けて開口し、該遊技領域を流下する遊技球を受け入れ可能な入球口と、前記入球口を開閉する開閉部を有する開閉部材と、前記開閉部材を閉鎖位置及び開放位置の間で前後方向に水平移動させる駆動手段と、前記駆動手段を制御することで前記開閉部材に開放を行わせる開閉制御手段とを備えた遊技機であって、前記開閉制御手段は、前記開閉部材に短開放を行わせるように前記駆動手段を制御可能であり、前記開閉部材は、前記開閉部に対し上方に離間して対向する庇部を有し、前記閉鎖位置において前記開閉部及び前記庇部が前記遊技領域に位置して、該閉鎖位置から前記開放位置に移動する場合に前記開閉部及び前記庇部が後方に退避するようになっており、かつ、前記開閉部及び前記庇部は何れも、遊技球を横方向に転動させ得るように下方傾斜した上面を有し、前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態では、遊技球を前記開閉部の上から横方向に流下させる下側経路と、遊技球を前記庇部の上から横方向に流下させる上側経路とが形成され、かつ、前記下側経路への遊技球の流入が前記庇部によって防止され、前記開閉制御手段による制御に基づく前記開閉部材の1回の短開放により、前記庇部上の遊技球の下方への移動が許容された場合、その遊技球が前記入球口に至る前に前記開閉部に受け止められ前記下側経路を流下するように構成されていることを特徴とする。
これによれば、開閉部材が閉鎖位置にあるとき、庇部によって下側経路への遊技球の流入が防止され、開閉部材が短開放を行った際に、庇部上の遊技球は落下するが開閉部に受け止められ下側経路を流下することになる。すなわち、開閉部材の1回の短開放では入球口に入球しない構成を実現できる。
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、入球口を開閉する開閉部材を作動させつつその入球口への遊技球の入球を防止することができる。
パチンコ遊技機の正面図である。 遊技領域の要部拡大図であり、第2大入賞装置の内部構造を示してある。 主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 大当たり判定テーブルの説明図である。 第1特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。 第2特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。非時短状態で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図である。 図柄aに関する小当たり種別判定テーブルの説明図である。 図柄bに関する小当たり種別判定テーブルの説明図である。 リーチ判定テーブルの説明図である。 特図変動パターン選択テーブルの説明図である。 メイン側主制御処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図大当たり判定処理のフローチャートである。 特図変動パターン選択処理のフローチャートである。 図18の続きのフローチャートである。 特別図柄関連処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(1種大当たり、V当たり)のフローチャートである。 特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。 サブ側主制御処理のフローチャートである。 1msタイマ割込処理のフローチャートである。 10msタイマ割込処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 第2入賞装置が第2始動口を閉鎖した状態の遊技盤を図2のA-A線で切断して右方から見た縦断側面図であり、遊技盤の他の構成は省略してある。 第2入賞装置が第2始動口を開放した状態の遊技盤を図2のA-A線で切断して右方から見た縦断側面図であり、遊技盤の他の構成は省略してある。 右遊技領域の要部拡大図である。 (a)は、右遊技領域を流下する遊技球が第2入賞装置の庇部の上に到達するのと同時に普通開閉部材が非時短用開放パターンによる作動を開始した場合の遊技球の挙動を表す模式図・タイムチャートであり、(b)は、右遊技領域を流下する遊技球が第2入賞装置の庇部の上に到達して転導している状態で普通開閉部材が非時短用開放パターンによる作動を開始する場合の遊技球の挙動を表す模式図・タイムチャートである。 (a)は、右遊技領域を流下する遊技球が第2入賞装置の庇部の上に到達するのと同時に普通開閉部材が時短用開放パターンによる短開放を開始した場合の遊技球の挙動を表す模式図・タイムチャートであり、(b)は、右遊技領域を流下する遊技球が普通開閉部材の時短用開放パターンによる短開放の終了と同時に第2入賞装置の庇部の上に到達し、次の短開放がその後に生じる場合の遊技球の挙動を表す模式図・タイムチャートである。 別の実施形態における第2入賞装置の構造に関する説明図である。
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機として、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機を例に挙げる。なお、パチンコ遊技機の各部について方向や位置関係を説明する場合は、このパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た状態での「左」「右」及び「上」「下」を基準とする。また、遊技者から見て近い側(手前側)を「前」とし、遠い側(奥側)を「後」とする。
[パチンコ遊技機1の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠を備える。遊技機枠は、後述する遊技盤2を保持する内枠16と、この内枠16の前面を覆う扉状の前面枠18とを少なくとも含むように構成され、矩形枠状の外枠Wを介して遊技店内の設置島(図示せず)に設置される。前面枠18は、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、トップランプ23cとを備え、これらで囲まれる内側に窓18aが形成されている。この窓18aは、遊技盤2の盤面(前面)に形成される遊技領域3を視認可能とする開口であり、この窓18aを塞ぐように透明なガラス板が設けられるが、図1では省略している。また、前面枠18の左右の上端部(トップランプ23cを挟む左右両側)に、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する音出力手段としてのスピーカ8が夫々設けられている。
前面枠18は、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを構成する両側部が透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
また、トップランプ23cは、内部(図示せず)にLED及び回転リフレクタを有する回転灯を構成している。LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容や報知内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。回転リフレクタは、可動体モータ23d(図4)の駆動に応じてLEDの周囲で回転し、LEDの光の反射方向を変化させる。
また、前面枠18の下部には、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とが設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、発射装置90(打撃槌)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち打球供給皿24の上面に、演出ボタン5が設けられている。この演出ボタン5は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で押下操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。また、演出ボタン5は、遊技者が片手のみで後述する演出レバー6と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。演出ボタン5にはバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン5に対する押下操作状態が解除された際に、この弾性部材の復元力によって演出ボタン5が押下操作前の状態に復帰するようになっている。この演出ボタン5には、演出ボタン5に対する押下操作を検出する演出ボタン検出スイッチ5a(図4)と、演出ボタン5を振動させる演出ボタン振動モータ5b(図4)と、演出ボタン5を発光させる演出ボタンランプ5c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ5bは、例えば演出ボタン5の押下操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタン振動モータ5bの作動によって演出ボタン5を振動させたり、演出ボタンランプ5c(本実施形態ではLED)の発光によって透光性材料からなる演出ボタン5の表面を点灯または点滅させたりすることで、例えば演出ボタン5の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。
演出ボタン5の押下操作が有効な期間に遊技者が演出ボタン5を押下操作すると、その操作が演出ボタン検出スイッチ5aによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出ボタン5の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方(下側の左端寄り)に、演出レバー6が設けられている。この演出レバー6は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で把持して操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4や演出ボタン5と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。具体的には、演出レバー6は、把持した手で奥側へ押し込むように操作(押込操作)できる他、左右に回転させるように操作(回転操作)することも可能に構成されている。また、演出レバー6には、演出レバー6の押込操作を検出する演出レバー押込検出スイッチ6a(図4)と、演出レバー6の右回転操作や左回転操作を検出する演出レバー回転検出スイッチ6b(図4)と、演出レバー6を振動させる演出レバー振動モータ6c(図4)とが設けられている。本実施形態では、演出レバー振動モータ6cの作動によって演出レバー6を振動させることで、例えば演出レバー6の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。演出レバー6の操作が有効な期間に遊技者が演出レバー6を押込操作または回転操作すると、その操作が演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
[遊技盤2の構成]
遊技盤2は、その盤面(前面)が遊技者の顔と略正対する位置となるように内枠16に保持されている。この遊技盤2は、前面枠18の前述したガラス板により前方から覆われているが、その盤面は、ガラス板(窓18a)を介して遊技者側(前方)から透視可能となっている。なお、図1では、遊技盤2の盤面の外周側(正面視で窓18aよりも外側にある範囲)が確認できないが、遊技球が流下(転動)する領域である遊技領域3を内周側に区画形成する環状の遊技領域形成手段(レール部材17等)が配置されている。なお、遊技盤2の盤面左側部ではレール部材17が左右2列となっており、その内側を発射装置90(図3)による発射球が上昇移動して遊技領域3に至るようになっている。この場合に発射球は、レール部材17の前述した左右2列の部分のうち図1で確認できない左側の部分に案内されて遊技領域3の上部領域に到達する。
また、図示省略するが、遊技盤2の盤面のうち遊技領域3の範囲には複数の遊技釘が打ち込まれている。このため、遊技領域3を流下する遊技球は遊技釘に接触してその挙動が変化する。遊技球は、遊技領域3を流下する過程で後述する入球口10a,11a,12a,14a,15aに入球するか、または入球せず遊技領域3を下端まで流下してアウト口19から遊技領域3外(内枠16側)へと排出される。なお、アウト口19は、遊技領域3に一つまたは複数設けられており、そのうち少なくとも一つが遊技領域3の下端に位置している。
ここで、遊技盤2の盤面の中央側に、大型のセンター装飾体20が配置されて、レール部材17等の遊技領域形成手段から内側に離間している。このセンター装飾体20は環状あるいは枠状であり、遊技盤2の略中央に形成されている大型の開口(図示せず)の縁に沿って取り付けられている。そして、遊技盤2の背後に位置する演出表示装置7(液晶パネル等)の画面(前面)の略全体が、センター装飾体20の内側開口を通じて盤面前側に露出し、パチンコ遊技機1の正面視では、センター装飾体20が演出表示装置7の画面の周囲を装飾するように位置している。センター装飾体20は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
なお、遊技盤2には、前述したセンター装飾体20内を含む複数箇所に発光手段(LED)が設けられており、その発光により遊技盤2を装飾するように構成されている。このように遊技盤2に設けられる装飾用の発光手段のことを、以下では「盤ランプ2a」と称することとする(図4)。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
センター装飾体20は、遊技盤2の盤面より前側に環状(枠状)に突出しているので、遊技領域3を流下する遊技球がセンター装飾体20の内周側(画面の前方空間)に移動することが防止される。そしてこのセンター装飾体20により、遊技領域3がその上部で左右に分岐するように区画されている。すなわち、遊技領域3は、センター装飾体20の左側を流下する遊技球の経路である左遊技領域(第1の球流下領域)3Lと、センター装飾体20の右側を流下する遊技球の経路である右遊技領域(第2の球流下領域)3Rとを含む領域である。
遊技盤2は、遊技領域3の内側に、第1入賞装置10と、一般入賞部材11と、第2入賞装置(普通電動役物)12と、ゲート13と、第1大入賞装置(特別電動役物)14と、第2大入賞装置(特別電動役物)15とが設けられ、これらは、遊技球が入球可能な入球口10a,11a,12a,13,14a,15aを有している。なお、盤面のうち遊技領域3の外側(右下方)に、遊技に関する各種の情報を表示するための表示器類50が設けられているが、この表示器類50については後述する。
前述したようにパチンコ遊技機1は、ハンドル4の操作に応じて遊技球の発射強度を調節することが可能であるので、発射強度の調節によって遊技球を左遊技領域3Lと右遊技領域3Rとに打ち分けることができる。左遊技領域3Lに向かって遊技球を発射(以下「左打ち」という)したときには、遊技球は、左遊技領域3Lに設けられる入球口(後述する第1始動口10a、一般入賞口11a)に入球し得る。一方、右遊技領域3Rに向かって遊技球を発射(以下「右打ち」という)したときには、遊技球は、右遊技領域3Rに設けられる入球口(後述する第2始動口12a、第1大入賞口14a、第2大入賞口15a、ゲート13)に入球し得る。
なお、以下の説明では、遊技領域3を移動する遊技球が入球可能な入球口のうち、遊技球の入球に対して賞球を付与するものを「入賞口」と称し、入賞口への遊技球の入球のことを「入賞」と表現する場合がある。また、入賞口のうち、遊技球の入球(入賞)が後述する特別図柄の変動表示の契機となるものを「始動口」(または「契機口」)と称し、始動口への遊技球の入球(入賞)のことを「始動入賞」と表現する場合がある。
遊技領域3には、センター装飾体20の下側に第1入賞装置10が設けられており、その左方に離間して一般入賞部材11が設けられている。ここで、遊技領域3は、遊技釘の配置等により、センター装飾体20の左側を流下した遊技球(左打ちした遊技球)が第1入賞装置10及び一般入賞部材11に設けられる入賞口10a,11aに入賞可能に構成されている。すなわち、第1入賞装置10及び一般入賞部材11は、遊技領域3のうち左遊技領域3Lに設けられている。
遊技領域3には、センター装飾体20の右下方に、ゲート13、第2入賞装置12、第1大入賞装置14が設けられており、センター装飾体20の右下部に第2大入賞装置15が設けられている。ここで、遊技領域3は、遊技釘の配置等により、センター装飾体20の右側を流下した遊技球(右打ちした遊技球)が第2入賞装置12、第1大入賞装置14及び第2大入賞装置15に設けられる入賞口12a,14a,15aに入賞可能に構成されていると共に、センター装飾体20の右側を流下した遊技球(右打ちした遊技球)がゲート13を通過(ゲート13に入球)可能に構成されている。すなわち、ゲート13、第2入賞装置12、第1大入賞装置14及び第2大入賞装置15は、遊技領域3のうち右遊技領域3Rに設けられている。
第1入賞装置10は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、左遊技領域3Lを流下する遊技球が入賞可能な第1始動口10aが上端部に形成されていると共に、第1始動口10aに入賞した遊技球を遊技盤2の後面側に排出する排出通路(図示せず)が形成されている。第1始動口10aは、その開口寸法が変動しない(常に遊技球が入賞可能な)入賞口である。この第1入賞装置10の排出通路には、第1始動口10aに入賞した遊技球を検出する第1始動口センサ10b(図3)が配置されている。
一般入賞部材11は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、その上端部に、左遊技領域3Lを流下する遊技球が入賞可能な一般入賞口11aが形成されていると共に、一般入賞口11aに入賞した遊技球を遊技盤2の後面側に排出する排出通路(図示せず)が形成されている。一般入賞口11aは、その開口寸法が変動しない(常に遊技球が入賞可能な)入賞口である。この一般入賞部材11の排出通路には、一般入賞口11aに入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ11b(図3)が配置されている。
第2入賞装置12は、図2に示すように、右遊技領域3Rのうちゲート13を通過した遊技球の流下先側に配置されている。第2入賞装置12は、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第2始動口12aが形成されていると共に、第2始動口12aを開閉する普通開閉部材12b(開閉部材)と、第2始動口12aに入賞した遊技球を検出する第2始動口センサ12c(図3)と、普通開閉部材12bに接続された第2始動口ソレノイド12d(図3、駆動手段)とを備えている。そして、第2始動口ソレノイド12dの作動により普通開閉部材12bを開作動させることで、第2始動口12aが開放し、遊技球を第2始動口12aに入賞させることが可能な状態になる。また、第2始動口ソレノイド12dの作動終了により普通開閉部材12bを閉作動させることで、第2始動口12aが閉鎖し、遊技球が第2始動口12aに入賞不可能な状態になる。すなわち、第2始動口12aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口)である。
なお、本実施形態では、第2入賞装置12の構造に特徴があるので、この第2入賞装置12の具体的な構成について後段で詳述する。
ゲート13は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、右遊技領域3Rを流下する遊技球が上下方向(上から下)に通過(入球)可能に構成されている。このゲート13には、通過する遊技球を検出するゲートセンサ13a(図3)が配置されている。
なお、このゲート13の具体的な構成に関して、前述した第2入賞装置12との関係で後述する。
第1大入賞装置14は、右遊技領域3Rのうち第2入賞装置12の上面を転動する遊技球の流下先側(図1)であって、遊技球がその前方(窓18aのガラス板との間)を通過できる程度にガラス板から後方に離間して設けられている。第1大入賞装置14は、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第1大入賞口14aが、前方を向いて開口するように形成されていると共に、第1大入賞口14aを開閉する第1特別開閉部材14bと、第1大入賞口14aに入賞した遊技球を検出する第1大入賞口センサ14c(図3)と、第1特別開閉部材14bの下縁部に接続された第1大入賞口ソレノイド14d(図3)とを備えている。第1大入賞口14aは、左右に幅広で、複数の遊技球が同時に入賞可能な大きさに形成されている。第1特別開閉部材14bは、第1大入賞口14aに対応して左右方向に長い板状に形成され、かつ下縁を回動軸にして、起立姿勢と前側への傾倒姿勢との間で前後に回動(揺動)可能に構成されている。そして、第1大入賞口ソレノイド14dの作動により第1特別開閉部材14bを前側に回動(開作動)させることで、第1大入賞口14aが開放し、第1特別開閉部材14bで受け止めた遊技球を第1大入賞口14aに入賞させることが可能な状態になる。また、第1大入賞口ソレノイド14dの作動終了により第1特別開閉部材14bを後側に回動(閉作動)させることで、第1大入賞口14aが閉鎖し、遊技球が第1大入賞口14aに入賞不可能な状態になる。すなわち、第1大入賞口14aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口)である。
第2大入賞装置15は、本実施形態ではセンター装飾体20の右側部に設けられ、右遊技領域3Rの中間領域に位置している。第2大入賞装置15は、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第2大入賞口15aが形成されていると共に、第2大入賞口15aを開閉する第2特別開閉部材15bと、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を検出する第2大入賞口センサ15c(図3)と、第2特別開閉部材15bの下縁部に接続された第2大入賞口ソレノイド15d(図3)とを備えている。第2特別開閉部材15bは、下縁を回動軸にして、起立姿勢と右側への傾倒姿勢との間で左右に回動(揺動)可能に構成されている。そして、第2大入賞口ソレノイド15dの作動により第2特別開閉部材15bを右側に回動(開作動)させることで、第2大入賞口15aが開放し、遊技球が第2大入賞口15aに入賞可能な状態になる。また、第2大入賞口ソレノイド15dの作動終了により第2特別開閉部材15bを左側に回動(閉作動)させることで、第2大入賞口15aが閉鎖し、遊技球が第2大入賞口15aに入賞不可能な状態になる。すなわち、第2大入賞口15aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口)である。
第2大入賞装置15の内部には、第2大入賞口15aに入賞した遊技球が通過(入球)可能な特定領域及び非特定領域が形成されていると共に、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を特定領域又は非特定領域に振り分ける振分部材56と、この振分部材56を駆動する振分部材ソレノイド55c(図3)と、特定領域における遊技球の通過(入球)を検出する特定領域センサ55a(図3)と、非特定領域における遊技球の通過(入球)を検出する非特定領域センサ55b(図3)が設けられている。尚、本実施形態のパチンコ遊技機1では、後述の小当たり遊技状態中の特定領域への遊技球の通過が後述のV当たり状態への移行(後述の2種大当たり状態への発展)の契機となっている。
[表示器類50の構成]
図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図または特図1ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図または特図2ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。更に、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特図及び第2特図に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄または特図という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED及び消灯したLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート13(ゲートセンサ13a)を通過すると、所定の入球口(本実施形態では第2始動口12a)を開放するか否かの判定(普図当たり判定)が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普図当たり判定の結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、第2入賞装置12が作動して普通開閉部材12b(第2始動口12a)が開閉し、普図当たり状態(後述する補助遊技)が発生する。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯しているLED及び消灯しているLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯するLED及び消灯しているLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
遊技球が第1始動口10aに入賞すると、当たり(大当たり)か否かを判定する特図当たり判定(大当たり判定、又は第1特図当たり判定ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特図の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特図を確定表示する。ここで、確定表示された第1特図が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たり遊技状態が発生する。第1特別図柄表示器51での新たな第1特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第1始動口10aに入賞した場合は、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口12aに入賞すると、当たり(大当たり)か否かを判定する特図当たり判定(大当たり判定、又は第2特図当たり判定ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特図の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特図を確定表示する。ここで、確定表示された第2特図が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たり遊技状態が発生する。第2特別図柄表示器52での新たな第2特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第2始動口12aに入賞した場合は、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを1回の特図変動(または特別図柄の1回の変動)という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。パチンコ遊技機1では、特別図柄表示器の作動保留がその発生タイミングの時系列順に特別図柄の変動表示に用いられ、特図保留数が消化される。但し、第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される(第2特図の変動表示が第1特図の変動表示よりも優先的に実行される)。なお、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示が終了してから特図保留数の消化によって次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に、所定の変動インターバル(特別図柄の停止時間)が設けられている。
[演出表示装置7の表示領域]
次に、演出表示装置7について説明する。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、パチンコ遊技機1の前方からそれらの画像を見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される(図1)。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の変動態様としては例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する態様、つまり、縦方向にスクロールする態様がある。なお、他の変動態様として、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される切替方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、前述した特別図柄表示器51,52での特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、特図当たり判定の結果を演出的に表示する。ここで、左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rは、同じ演出図柄が上下や左右に揺れながら停止位置に存在する表示状態(仮停止表示)となった後に、完全に停止した表示状態(確定表示)となってその変動表示が終了する。なお、全ての演出図柄7L,7C,7Rが同時に確定表示される。
以下、特図当たり判定(大当たり判定)の結果が大当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を大当たり演出図柄といい、特図当たり判定(小当たり判定)の結果が小当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を小当たり演出図柄といい、特図当たり判定の結果がハズレ(小当たり以外)であったことを表す組み合わせの演出図柄をハズレ演出図柄という。大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。これに対し、小当たり演出図柄は、大当たり演出図柄(そろ目)以外の特定の組み合わせであり、例えば、左右の演出図柄の同じ数字を表す演出図柄で揃い、かつ中演出図柄がチャンス図柄となった状態等である。また、ハズレ演出図柄は、大当たり演出図柄・小当たり演出図柄以外の演出図柄の組み合わせである。以下、演出表示装置7が特別図柄表示器での特別図柄の変動表示(特図変動)と同期させて行う演出図柄の変動表示を「変動演出」という。また、変動演出での演出図柄の背後に表示される画像を「背景画像」という。なお、変動演出以外の演出や報知等についても、演出表示装置7に表示する主たる表示画像に対してその背後に表示する画像のことを「背景画像」ということがある。背景画像は、静止画像または動画像である。
演出図柄の変動演出は、特図の変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。なお、特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、図1に示すように、保留画像によって演出表示装置7の予め定められた表示領域(以下「演出保留表示領域7Ba,7Bb」という)に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7(演出保留表示領域7Ba,7Bb)に表示される保留画像の数を数えることにより、特別図柄の変動表示の作動保留数(第1特図保留数や第2特図保留数)を知ることができる。本実施形態では、遊技状態毎に、入賞が生じ易い側の始動口(第1始動口10aまたは第2始動口12a)に対応する一方の特別図柄(第1特図または第2特図)の作動保留数を、左側のメイン演出保留表示領域7Baで表示し、他方の特別図柄の作動保留数を、右側のサブ演出保留表示領域7Bbで表示する。また、演出表示装置7の画面において、演出保留表示領域7Ba,7Bbの左側に、実行中の変動演出の存在を示すための当該変動用表示領域7Bcが設けられている。なお、演出保留表示領域7Ba,7Bbや当該変動用表示領域7Bcは、演出表示装置7の画面に設けられる必要はなく、別の表示装置の画面上に設けるようにしてもよいし、LED等を用いたランプ(発光手段)により構成するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1では、変動演出の結果(演出図柄の停止表示)による特図当たり判定の結果の報知に加えて、その変動演出の結果を示唆したりその結果表示までの過程を盛り上げたりする演出等を行う。このような演出は、演出表示装置7に表示される画像、スピーカ8から出力される音、遊技盤2や前面枠18のランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23c)の点灯等を複合的に用いて行われる。すなわち、パチンコ遊技機1に設けられる演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、演出を実行する演出実行手段として機能する。
なお、演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、パチンコ遊技機1に生じた異常状態を報知するための異常報知手段としても機能する。
[パチンコ遊技機1の主な電気的構成]
次に、図3及び図4に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60と、電源基板70と、払出制御基板73と、発射制御回路75と、音声制御基板78と、ランプ制御基板79と、貸球払出装置80と、発射装置90と、サブ制御基板100と、画像制御基板200とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、特図当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルT1、大当たり種別判定テーブルT2,T3、小当たり種別判定テーブルT4,T5,T6,T7、リーチ判定テーブルT8、特図変動パターン選択テーブルT9等の各種のテーブルが記憶されている。RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。
また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口10aに入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入賞情報)が記憶される。例えば第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入賞すると、その入賞に起因する第1特図の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口12aに入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入賞情報)が記憶される。例えば第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入賞すると、その入賞に起因する第2特図の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等の始動入賞情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、始動入賞情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている始動入賞情報は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示の開始タイミングが到来した際(変動表示の始動条件が成立した際)に実行される。
なお、パチンコ遊技機1では、前述したように第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される。つまり、第1特図保留数と第2特図保留数とが何れも複数存在する場合、先ず第2特図保留数が順に消化され、次に第1特図保留数が順に消化される。例えば、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域と、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域とに始動入賞情報が記憶されている状態で、特図の変動表示の開始タイミングが到来した場合は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が実行エリア(実行対象領域)にシフトし、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。一方でこの時、第2特図保留記憶部64bでは第1記憶領域の始動入賞情報はシフトされず、その後に第2特図保留数が0の状態での特図の変動表示の開始タイミング到来時になると実行エリア(実行対象領域)にシフトして、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。
普図保留記憶部64cは、遊技球がゲート13を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)等の作動入球情報が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート13を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。普通当たり乱数等の作動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に普図保留記憶部64cの第1記憶領域から順番に記憶される。このため、作動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も古い情報である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。すなわち、RAMクリアスイッチ66は、パチンコ遊技機1の後側から押下可能となっている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120を初期化する。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。更に、主制御基板60には、中継基板74を介して、第1始動口センサ10bと、一般入賞口センサ11bと、第2始動口センサ12cと、第1大入賞口センサ14cと、第2大入賞口センサ15cと、ゲートセンサ13aと、特定領域センサ55aと、非特定領域センサ55bと、が電気的に接続されている。
第1始動口センサ10bは、第1始動口10aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ11bは、一般入賞口11aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に入球した(通過している)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。遊技球が前述の各センサ10b,11b,12c,14c,15c,13aのうちゲートセンサ13a以外のセンサによって検出されると、センサ毎に予め定めた個数の賞球の払出条件がそれぞれ成立する。
また、特定領域センサ55aは、第2大入賞装置15内部の特定領域を通過する(特定領域に入球する)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。更に、非特定領域センサ55bは、第2大入賞装置15内部の非特定領域を通過する(非特定領域に入球する)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。
また、主制御基板60(開閉制御手段、振分制御手段)には、中継基板74を介して、第2始動口ソレノイド12dと、第1大入賞口ソレノイド14dと、第2大入賞口ソレノイド15dと、振分部材ソレノイド55cとが電気的に接続されている。第2始動口ソレノイド12dは、主制御基板60の制御に基づいて第2入賞装置12の普通開閉部材12bを開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド14dは、主制御基板60の制御に基づいて第1大入賞装置14の第1特別開閉部材14bを開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド15dは、主制御基板60の制御に基づいて第2大入賞装置15の第2特別開閉部材15bを開閉駆動する。振分部材ソレノイド55cは、主制御基板60の制御に基づいて第2入賞装置12の内部の振分部材56を駆動する。
主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて、打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100(図4)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第1始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現在(現時点)の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときには、その電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときや、RAM120の記憶内容がクリアされたときでも、現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。パチンコ遊技機1では、RTC124による計時の結果に基づいて特別な演出を実行することが可能となっている。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ5c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23c及び可動体モータ23dが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて、トップランプ23c内の回転リフレクタの動作態様を決める回転動作パターンデータを作成し、その回転動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した回転動作パターンデータに従って可動体モータ23dの駆動制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ5aと、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ5bと、演出レバー振動モータ6cとが電気的に接続されている。
演出ボタン検出スイッチ5aは、演出ボタン5が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ5aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させる部材であり、演出ボタン5の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ5bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン5を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ5bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
(大当たり遊技状態、小当たり遊技状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1は、従来において1種パチンコ機及び2種パチンコ機と呼ばれていた各遊技機の遊技性を組み合わせた、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。ここで、1種パチンコ機の遊技性とは、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定(大当たり抽選)で当選となった場合に大当たり遊技状態を生じさせるものであり、2種パチンコ機の遊技性は、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定の小当たり判定(小当たり抽選)で当選となった場合に大入賞口を開放し、その開放中に入賞した遊技球が当該大入賞口内部の特定領域を通過したことを契機として大当たり遊技状態へと発展させるものである。1種2種混合機である本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定において大当りに当選した場合に大当たり遊技状態(以下「1種大当たり状態」ということがある)を生じさせる。また、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定(大当たり判定)がハズレとなり、かつ小当たり判定において当選した場合には、第2大入賞口15aを開放する小当たり遊技状態を生じさせ、この小当たり遊技状態中に第2大入賞口15aに入賞した遊技球が特定領域に入球した場合に限り、大当たり遊技状態(以下「2種大当たり状態」ということがある)へと発展させる。なお、2種大当たり状態は、前述の如く小当たり遊技状態から発展するものであるので、小当たり遊技状態を1ラウンドとみなし、特定領域への入球後に生じる開放(V当たり状態)については2ラウンド以降のラウンドとして計数する。すなわち、小当たり遊技状態とその後のV当たり状態とによって2種大当たり状態が構成される。これに対し、V当たり状態のみを大当り遊技状態と捉えることも可能である。
なお、大当たり遊技状態は、大入賞口への遊技球の入賞を狙うことのできる遊技期間(ラウンド)を含む遊技状態であり、本実施形態においては、オープニング期間、複数回のラウンドが生じる連続作動期間、エンディング期間の順に状態が変化する。ラウンド中は、第1大入賞口ソレノイド14dまたは第2大入賞口ソレノイド15dを駆動することにより第1特別開閉部材14bまたは第2特別開閉部材15bを作動させて、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを少なくとも1回開放する。ここで、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり遊技状態)を除いた大当たり遊技状態の各ラウンドは、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するかの何れか早い方のラウンド終了条件が成立することに応じて終了する。一方で、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり遊技状態)は、それ以外のラウンドよりも短い開放時間(例えば1.8秒)が経過するか、第2大入賞口15aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(10球以下の所定個数)に達するかの何れか早い方のラウンド終了条件(基本的には開放時間の経過)が成立することに応じて終了する。なお、ラウンドとラウンドの間にインターバル時間(ラウンドインターバル)が設定されており、少なくともこのインターバル時間には大入賞口が閉鎖状態を維持するように設定(第1大入賞口ソレノイド14dまたは第2大入賞口ソレノイド15dが非作動に制御)される。
(時短状態、非時短状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1には、普通図柄表示器53での表示(普通図柄の表示)について、確率変動機能(普図当たり判定の当たり確率を向上させる機能)と変動時間短縮機能とが備わっている一方で、特別図柄表示器での表示(特別図柄や普通図柄の表示)については変動時間短縮機能のみが備わっており、確率変動機能(特図当たり判定の大当たり確率を向上させる機能)は備わっていない。すなわち、パチンコ遊技機1では、特図当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
普通図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。また、普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動時間が短くなる。例えば、普通図柄の変動時間は、変動時間短縮機能が作動していない状態では10秒であるが、変動時間短縮機能が作動している状態では1秒である。またこの普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、前述した特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態では、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能も作動するようになっている。
更に、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能に同期して、第2入賞装置12の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動する。ここで、普通図柄が予め定めた特定の普通図柄で確定表示された場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12aを開閉させる補助遊技が行われる。この補助遊技における第2入賞装置12(第2始動口12a)の開放時間が、第2入賞装置12の開放時間延長機能によって長くなる。また、この補助遊技における第2入賞装置12(第2始動口12a)の開放回数が、第2入賞装置12の開放回数増加機能によって多くなる。従って、開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動する状況下では、第2始動口12aへの遊技球の入賞頻度が高められる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。このように、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能と、第2入賞装置12についての開放時間延長機能及び開放回数増加機能とは、第2始動口12aへの遊技球の入賞頻度を高めるためのサポート機能である。このため、これらのうち少なくとも1つの機能を作動させる制御のことを電サポ制御ということがある。
すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機1における遊技状態として、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、第2入賞装置12の開放時間延長機能及び開放回数増加機能、の全機能が作動しない第1の遊技状態と、全機能が作動する第2の遊技状態とが生じ得るようになっている。以下の説明では、前述した第1の遊技状態を「非時短状態」と称し、前述した第2の遊技状態を「時短状態」と称する。但し「時短状態」は、前述した機能の全てを作動させる必要はなく、少なくとも1つの機能を作動する遊技状態であればよい。
なお、本実施形態における「時短状態」は、電サポ制御がなされる状態であり、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、「高ベース状態(有利遊技状態)」と言い換えることができる。一方で「非時短状態」は、前述した高ベース状態に対して「低ベース状態(通常遊技状態)」と言い換えることができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技が終了した後の遊技状態は時短状態である。本実施形態における時短状態の終了条件は、特別図柄の変動表示が予め定められた回数実行されるか、その予め定められた所定回数以内の特別図柄の変動表示の結果として大当たり遊技状態(1種大当たり状態または2種大当たり状態)が実行されるか、あるいは、特定の小当たり種別に所定回数当選することにより終了する。
[主な判定テーブル]
次に、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン61が参照する主な判定テーブルについて説明する。
(大当たり判定テーブルT1)
図5に示す大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルは、抽選の種類(第1特図・第2特図のどちらに対応する特図当たり判定であるか)と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値(大当たり判定値)は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
大当たり判定テーブルT1には、第1特図の当たり判定用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は「ハズレ」と判定する。
また、大当たり判定テーブルT1には、第2特図の当たり判定用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は、小当たりと判定される。すなわち、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、大当たりではないと判定された場合、第2特図の判定では小当たりと判定されることがあり、その当選確率は大当たりに比べて非常に高い。また、本実施形態では、第1特図の当たり判定で小当たりと判定されることがないため、第2特図の判定では、第1特図の当たり判定に比して小当たりと判定される確率が非常に高い。
ちなみに、第1特図の当たり判定でも小当たりを設定してもよいが、その確率は第2特図の判定における小当たり確率よりも低くすることが望ましい。さらに、第1特図の抽選で小当たりを設定する場合、特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで、第2大入賞装置15や振分部材56を作動させることが望ましい。また、大当たり乱数とは別に小当たり乱数を設け、大当たりに当選しなかった場合に小当たり判定を行うようにしてもよい。また、取得した大当たり乱数が「大当たり」とは判定されないが「小当たり」と判定される範囲内の値であった場合には、「ハズレ」と判定されることなく、「小当たり」と判定されてもよい。また、第2特図の当たり判定において、小当たりの当選確率を遊技性に応じて適宜変更してもよい。また、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定で小当たりの当選確率を同一確率としてもよいが、第1特図の判定で小当たりに当選した場合には、特定領域への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで第2大入賞装置15や振分部材56を作動させることが望ましい。
(大当たり種別判定テーブルT2, T3)
図6及び図7に示す大当たり種別判定テーブルT2, T3は、特図当たり判定において大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数を発生する。
パチンコ遊技機1では、大当たり図柄として「大当たり図柄A」及び「大当たり図柄B」が設定されている。「大当たり図柄A」で特定される大当たり種別は、「3R(ラウンド)大当たり(時短1回)」である。「大当たり図柄B」で特定される大当たり種別は、「7R大当たり(時短1回)」である。また、大当たり種別「3R大当たり(時短1回)」には、時短状態の上限回数として「1回」が対応付けられている。大当たり種別「7R大当たり(時短1回)」には、時短状態の上限回数として「1回」が対応付けられている。時短状態の上限回数は、時短状態で実行する図柄変動の上限回数であって、大当たり遊技状態の終了後に時短状態が維持される上限を示す。なお、大当たり図柄A又は大当たり図柄Bに基づく大当たり遊技状態では、前述したラウンド遊技の終了条件の成立により、各ラウンド遊技が終了する。詳しくは、第1大入賞口14aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立することである。
図6に示す大当たり種別判定テーブルT2は、遊技状態にかかわらず、第1特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
第1特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄A」に当選したと判定される。
図7に示す大当たり種別判定テーブルT3は、遊技状態にかかわらず、第2特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
第2特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄B」に当選したと判定される。
このように、大当たり抽選で大当たりに当選した場合、大当たり遊技状態の終了後に時短状態が特図変動表示1回分の期間のみ生起される。このため遊技者は、その短い時短状態の間で、第2特図保留数(第2特図保留記憶部64bの始動入賞情報の記憶数)を保留上限の範囲でなるべく増やすように遊技を行う。
(小当たり種別判定テーブル)
図8、図9に示す小当たり種別判定テーブルT4,T5は、小当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が小当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT4,T5は、小当たり種別(小当たり図柄種別)毎に所定個数の小当たり種別乱数値(小当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する小当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数が発生する。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の小当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の小当たり種別乱数を発生する。本実施形態では、小当たり図柄として「小当たり図柄a」及び「小当たり図柄b」が設定されている。
「小当たり図柄a」および「小当たり図柄b」で特定される小当たり種別では、特定領域を遊技球が通過可能とされており、2種大当たり状態(V当たり状態)終了後に時短状態を生起させるものである。なお、詳細は後述するが、2種大当たり状態(V当たり状態)終了後に生起される時短状態の上限回数は、小当たり抽選で小当たりに当選したときの遊技状態及び特定領域を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に応じて異なる。
なお、小当たり図柄a又は小当たり図柄bに当選した場合、第2大入賞口15aが開放されるが、その開放時間は大当たり遊技状態における第1大入賞口14aの開放時間(30秒)よりも短い(1.8秒)。ただし、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合には、1種大当たりと同じラウンドの終了条件で第2大入賞口15aを開放する大当たり遊技状態(V当たり状態)が行われる。また、図8、図9に示す「開放時間」は、何れも最大開放時間を示す。
図8に示す小当たり種別判定テーブルT4は、非時短状態における第2特図の抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。前述したように、非時短状態中は第2始動口12aが開放し難いため、左打ちを行って第1始動口10aを狙った方がスムーズに遊技が進行し易い。なお、第2特図保留が残存している状態で時短状態が終了した場合には、非時短状態において第2特図の抽選が実行される。パチンコ遊技機1では、第2特図保留の消化が第1特図保留の消化に優先して実行されるため、非時短状態への移行直後においては、時短終了時に残っていた第2特図保留(第2特図の残保留)の消化が第1特図保留の消化に先立って行われる。ここで、非時短状態において第2特図の残保留に基づく大当たり抽選で小当たりに当選した場合は、取得した小当たり種別乱数の値にかかわらず、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。非時短状態において「小当たり図柄a」に当選した場合、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう、振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「3」とするとともに、時短状態の上限回数を「1回」とする2種大当たり状態を生起させることが対応付けられている。
図9に示す小当たり種別判定テーブルT5は、時短状態における第2特図の抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。この小当たり種別判定テーブルT5においては、取得した小当たり種別乱数の値にかかわらず、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。そして、第1ラッシュ期間の最終変動で「小当たりb」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう、振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とする2種大当たり状態を生起させるとともに、その後の時短状態の上限回数を「1回」とすることが対応付けられている。つまり、小当たり遊技状態中に遊技球がほぼ確実に特定領域に入球して2種大当たり状態(V当たり状態)が実行される。そしてその後に、上限回数を「1回」とする時短状態に制御される。
(リーチ判定テーブル)
図10に示すリーチ判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が停止表示(仮停止表示、停留表示)されていると共に、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が停止表示(仮停止表示、停留表示)されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、前述した「停止表示(仮停止表示、停留表示)」の概念には、演出図柄がスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
リーチ乱数は、特図当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルT8は、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値(リーチ判定値)は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、図10のテーブルは、基本的に第1特図に対応するリーチ判定テーブルを示す。第2特図に対応するリーチ判定テーブルは、第1特図のテーブルと同一内容にしてもよいし、異なるテーブルとしてもよい。
(特図変動パターン選択テーブル)
図11に示す特図変動パターン選択テーブルT9は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT9は、始動口への入賞を契機とする判定の結果及びその判定時の遊技状態や特図保留数と、変動パターン乱数値との関係から、特図変動パターンを決定するためのテーブルである。ここで、判定の結果とは、大当たり判定、小当たり判定及びリーチ判定の結果(大当たり、小当たり、リーチ有りハズレ、リーチ無しハズレ)のことである。また、特図変動パターンは、特図変動表示の変動時間や、変動演出の内容(変動演出パターン)等の情報を含んでいる。なお、大当たり種別について対応付けてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT9に示す変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7で行われる演出内容を特定する変動演出パターンを指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
非時短状態における特図当たり判定で大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、リーチ状態から発展したSP(スーパー)リーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ小当たり判定で小当たりと判定された場合、特図変動パターンP3が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70,000msである。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、小当たり当選時の専用演出を表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく特図変動パターンP4が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。特図変動パターンP4の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP5の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP5に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP6の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP7の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP6,P7に対応する変動演出パターンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定で大当たりと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値及び特図保留数に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP8の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP8に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ小当たり判定で小当たりと判定された場合、特図変動パターンP9が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP9に対応する変動演出パターンには、小当たり当選時の専用演出を表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値及び特図保留数に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP10の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP10に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP11が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP12が選択される。特図変動パターンP11の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP12の変動時間は2,500msである。特図変動パターンP11,P12に対応する変動演出パターンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
なお、この特図変動パターン選択テーブルは、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。また、時短状態の上限回数の違いに合わせて異なる遊技演出が実行可能となるよう、大当たり遊技状態の終了後に制御される時短状態の上限回数の違いに合わせてテーブルを設定してもよい。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図12に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図13に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図変動開始コマンド(普図用の変動開始コマンド)、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図変動開始コマンド(特図用の変動開始コマンド)についても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14c、第2大入賞口センサ15c、特定領域センサ55a、非特定領域センサ55b、一般入賞口センサ11b等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図12のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄関連処理(S18)を順に実行し、次にその他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S19)は、パチンコ遊技機1に異常状態が生じているかを判定する異常判定処理等である。例えば異常判定処理としては、不正入賞を検出する不正入賞検出処理、不正な磁気を検出する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検出する扉開放処理、不正な電波を検出する電波検出処理、衝撃(振動)を検出する衝撃検出処理等がある。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(図柄用センサ検出処理)
次に、図14に従って、図柄用センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート13を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート13を通過したことはゲートセンサ13aによって検出される。遊技球がゲート13を通過したと判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための普図当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S31の終了後、又は遊技球がゲート13を通過していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口12aに入賞したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口12aに入賞したことは第2始動口センサ12cによって検出される。遊技球が第2始動口12aに入賞していない場合(S32:No)、S38に進むが、遊技球が第2始動口12aに入賞したと判定した場合(S32:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合(S33:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口10aに入賞したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口10aに入賞したことは第1始動口センサ10bによって検出される。遊技球が第1始動口10aに入賞していない場合(S38:No)、センサ検出処理を終了するが、第1始動口10aに入賞したと判定した場合(S38:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:Yes)、センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
(普通動作処理)
次に、図15に従って、普通動作処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、補助遊技中(第2入賞装置12の作動中、普通開閉部材12bの開放中)であるか否かを判定し(S50)、作動中ではないと判定した場合は(S50:No)普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S51)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の停止表示中ではないと判定した場合は(S51:No)、普通図柄の変動表示中か否かを判定し(S52)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合は(S52:No)、普通図柄の保留数Vが「0」であるか否かを判定する(S53)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の保留数Vが「0」であると判定した場合は(S53:Yes)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S53において普通図柄の保留数Vが「0」ではないと判定した場合は(S53:No)、普図当たり判定処理を行う(S54-1)。この普図当たり判定処理(S54-1)では、普図保留記憶部64c(図3)に格納されている普通当たり乱数値を読み出し、普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM64の所定の記憶領域にセットする普図決定処理を行う(S54-2)。つまり、普図決定処理(S54-2)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動時間決定処理を行う(S54-3)。普図変動時間決定処理(S54-3)では、普通図柄変動パターン選択テーブル(図示せず)を参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒であって普通図柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10.0秒であって普通図柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄保留数Vを1減算し(S54-4)、普図保留記憶部64cにおける各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部64cにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S54-5)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン61は、S54-3において選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S54-6)。なお、これに伴い、サブ制御基板100に普通図柄の変動開始を知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。この普図変動開始コマンドには、S54-1における普図当たり判定の結果及びS54-3において決定した普図変動時間が含まれている。
また、遊技制御用マイコン61は、S52において、普通図柄の変動表示中であると判定した場合は(S52:Yes)、普通図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S55-1)、終了していないと判定した場合は(S55-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了したと判定した場合は(S55-1:Yes)、普通図柄の変動表示を、普通当たり乱数値の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄または普通ハズレ図柄)で停止させる(S55-2)。そして、サブ制御基板100に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンド(普図用の変動停止コマンド)をセットするとともに(S55-3)、普通図柄の停止時間をセットし(S55-4)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S51において、普通図柄の停止表示中であると判定した場合は(S51:Yes)、S56-1において普通図柄の停止時間が終了したか否か判定し、終了していないと判定した場合は(S56-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了していると判定した場合は(S56-1:Yes)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否か、つまり、当たりか否かを判定し(S56-2)、当たりではないと判定した場合は(S56-2:No)、普通動作処理を終える。一方、当たりと判定した場合は(S56-2:Yes)、時短状態であるか否かを判定し(S56-3)、時短状態であると判定した場合は(S56-3:Yes)、普通開閉部材12bの開放パターンとして時短用開放パターンOPyをセットし(S57-1)、補助遊技を開始させる(S57-3)。
また、遊技制御用マイコン61は、S56-3において、時短状態ではない(非時短状態である)と判定した場合は(S56-3:No)、普通開閉部材12bの開放パターンとして非時短用開放パターンOPxをセットし(S57-2)、補助遊技を開始させる(S57-3)。
また、遊技制御用マイコン61は、S50において、補助遊技中であると判定した場合は(S50:Yes)、普通開閉部材12bの作動終了条件が満足されたか否かを判定する(S58)。ここで、作動終了条件とは、S57-1またはS57-2においてセットされた開放パターン毎の開放時間が終了したという開放時間終了条件、あるいは、第2始動口12aへの入賞数が規定の入賞数に達したという規定入賞数条件である。また、規定入賞数条件は、第2始動口12aへの入賞数が10個と定められている。
遊技制御用マイコン61は、作動終了条件が満足されていないと判定した場合は(S58:No)、普通動作処理を終える。一方、満足されたと判定した場合は(S58:Yes)、普通開閉部材12bの作動を終了させる(S59)。
(特別図柄待機処理)
次に、図16に従って、特別図柄待機処理(S17)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間及び停止時間の何れかを計測中であるか否かを判定し(S60)、計測中であれば(S60:Yes)、特別図柄待機処理を終了する。一方で、特別図柄の変動時間及び停止時間の何れも計測していなければ(S60:No)、S61に進む。遊技制御用マイコン61は、S61において、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」ではないと判定した場合(S61:No)、すなわち、第2特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図当たり判定処理(S62)及び第2特図変動パターン選択処理(S63)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S64)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S65)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S66)。この第2特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。S66の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS61において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S61:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S67)。「0」ではないと判定した場合(S67:No)、すなわち、第1特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図当たり判定処理(S68)及び第1特図変動パターン選択処理(S69)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S70)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S71)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S72)。この第1特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第1特別図柄表示器51において第1特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第1特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。S72の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S67:Yes)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S73)。待機状態は、大当たり遊技状態中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S73:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S73:No)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S74)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間を計測し、この待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S61:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(第2特図当たり判定処理(第1特図当たり判定処理))
次に、図17に従って、第2特図当たり判定処理(S61)及び第1特図当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図当たり判定処理と第1特図当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、大当たり判定テーブル(この例では大当たり判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの大当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
大当たりと判定した場合(S82:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S83)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2,T3)を参照し、大当たりの種別を判定する(S84)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短状態の上限回数についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S84で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S85)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりと判定した場合(S85:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S86)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブル(この例では小当たり種別判定テーブルT4~T7)を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域の通過による大当たり遊技状態の有無、時短状態の継続、時短状態の終了等についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、小当たりと判定しなかった場合(S85:No)、すなわちハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
第1特図当たり判定処理におけるS82の処理が本発明の第1特図の当たり判定の一例である。第2特図当たり判定処理におけるS82及びS85の処理が本発明の第2特図の当たり判定の一例である。第1特図当たり判定処理においてS82の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり判定手段の一例である。同様に、第2特図当たり判定処理においてS82及びS85の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり判定手段の一例である。また、第2特図大当たり判定処理においてS87の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり種別決定手段の一例である。また、小当たり種別を決定する際に参照される小当たり種別判定テーブルも、本発明の当たり種別決定手段の一例ということができる。
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、図18及び図19に従って、第2特図変動パターン選択処理(S62)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と第1特図変動パターン選択処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短状態であることを示す時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S90)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S91に移行する。時短フラグがOFFではないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、S99に移行する。
S91,S99に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグがONであると判定した場合(S91,S99:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92,S100)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP1を選択する(S92)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP8を選択する(S100)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
また、大当たりフラグがONではないと判定した場合(S91,S99:No)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S93,S101)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりフラグがONであると判定した場合(S93,S101:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S94,S102)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、非時短状態であれば特図変動パターンP3を選択し(S94)、時短状態であれば特図変動パターンP9を選択する(S102)。その後、遊技制御用マイコン61は、S98に移行する。
一方、小当たりフラグがOFFであると判定した場合(S93,S101:No)、遊技制御用マイコン61は、ハズレと判定したことになる。この場合、遊技制御用マイコン61は、S95,S103に移行する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S95,S103)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT8のうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S95:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT8のうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S103:Yes)。
その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S96,S104)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP5を選択する(S96)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP10を選択する(S104)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
一方、取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S95,S103:No)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S97,S105)。例えば、非時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図保留数が0~2の場合は特図変動パターンP6を選択し、特図保留数が3~4の場合は特図変動パターンP7を選択する(S97)。特図変動パターンP7の変動時間は特図変動パターンP6よりも短くなっており、特図保留数が3~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。また、時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図保留数が0~1の場合は特図変動パターンP11を選択し、特図保留数が2~4の場合は特図変動パターンP12を選択する(S105)。特図変動パターンP12の変動時間は特図変動パターンP11よりも短くなっており、特図保留数が2~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
S92,S94,S96,S97,S100,S102,S104,S105の終了後、S98に移行した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし、特図変動パターン選択処理を終了する。S98で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS65,S71でセットされる特図変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(特別図柄関連処理)
次に、図20に従って、特別図柄関連処理(S18)について説明する。
遊技制御用マイコン61は先ず、特別図柄(第1特図、第2特図)の変動時間(S98でセットした特図変動パターンに応じた時間)の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S110)。そして、変動時間の終了タイミングであると判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S88でセットした特図停止図柄データに応じた特別図柄の停止図柄を表示(特別図柄の変動表示を確定表示)する(S111-1)と共に、特図変動停止コマンド(特図用の変動停止コマンド)をRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111-2)。また、特別図柄の停止時間の計測を開始する(S111-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、S111-3の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS110において特別図柄の変動時間の終了タイミングではないと判定した場合(S110:No)、前述したS111-3において開始した特別図柄の停止時間の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S112)。停止時間の終了タイミングであると判定した場合(S112:Yes)、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114-1)、ONであると判定した場合(S114-1:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S114-2)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技状態の実行中は非時短状態に制御される。
遊技制御用マイコン61は、前述したS112において特別図柄の停止時間の終了タイミングではないと判定した場合(S112:No)、遊技状態が大当たり遊技状態(1種大当たり状態またはV当たり状態)であるか否かを判定する(S115-1)。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、大当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間及び停止時間の何れも計測していない場合に、大当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS115-1において大当たり遊技状態であると判定した場合には(S115-1:Yes)、1種大当たり状態またはV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S115-2)。そして、S115-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS115-1において大当たり遊技状態ではないと判定した場合(S115-1:No)、前述したS115-2を経由することなくS116-1に進み、遊技状態が小当たり遊技状態であるか否かを判定する。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、小当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間及び停止時間の何れも計測していない場合に、小当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS116-1において小当たり遊技状態であると判定した場合には(S116-1:Yes)、小当たり遊技状態に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S116-2)。そして、S116-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(遊技状態管理処理)
次に、図21に従って、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S113-1)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S113-1:No)、遊技制御用マイコン61は、後述するS113-7に移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S113-1:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値を1減算する(S113-2)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S113-3)。そして、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S113-3:Yes)に、時短フラグをOFFにし(S113-5)、S113-6に移行する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS113-3において1減算後の時短カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S113-3:No)、遊技制御用マイコン61は、時短状態の終了条件のうち、当該時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時であるか否かを判定する(S113-4)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、S113-4において、第1ラッシュ期間中における小当たり図柄bに基づく7回目の小当たり遊技状態の終了タイミングである場合と、第2ラッシュ期間中における小当たり図柄bに基づく1回目の小当たり遊技状態の終了タイミングである場合とに、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件が成立したと判定し(S113-4:Yes)、それ以外では、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件が成立していないと判定する(S113-4:No)。そして、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時であると判定した場合(S113-4:Yes)、時短フラグをOFFにし(S113-5)、S113-6に移行する。これに対し、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時ではない判定した場合は(S113-4:No)、S113-5を経由することなく(時短フラグをOFFにせず)、S113-6に移行する。
S113-6において遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、その後、遊技状態管理処理を終了する。なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短状態、時短状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり遊技状態、の何れかを含んでいる。S113-6(特別図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは、非時短状態、時短状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)、小当たり遊技状態の何れかである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。時短カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、時短カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短状態が終了し、非通常状態に移行する。
(特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態))
次に、図22に従って、1種大当たり状態またはV当たり状態に関する特別電動役物処理(S117)の内容について説明する。遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示中及び停止表示中の何れでもなく、かつ大当たりフラグがONとなっている期間に、図22に示す特別電動役物処理を実行する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)において、大当たりオープニング設定(S117-1)、大当たりラウンド設定(S117-2)、大当たりエンディング設定(S117-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニング設定(S117-1)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)のオープニング期間(大当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(大当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりラウンド設定(S117-2)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のラウンド期間(ラウンド演出)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(ラウンド開始コマンド(開放コマンド)、ラウンド終了コマンド(閉鎖コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディング設定(S117-3)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のエンディング期間(大当たりエンディング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(エンディングコマンド、エンディング終了コマンド(大当たり終了コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
なお、遊技制御用マイコン61は、前述した大当たりオープニング設定や大当たりエンディング設定において、大当たりオープニングや大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。また、前述の大当たりラウンド設定において遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを開閉させる。そして、ラウンド遊技中、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種別毎に定められたラウンド回数分、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aの開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合のラウンド遊技の終了後に、大当たりエンディング設定においてエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットし、出力する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の終了タイミング(大当たりエンディングの終了タイミング)であるか否かを判定する(S117-4)。そして、大当たり遊技状態の終了タイミングではないと判定した場合(S117-4:No)、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、S117-4において大当たり遊技状態の終了タイミングであると判定した場合(S117-4:Yes)、S117-5~S117-8の処理を実行する。ここで、遊技制御用マイコン61は、S117-5において大当たりフラグをOFFにし、続くS117-6において時短フラグをONにして、更にS117-7において時短カウンタをセットする。そしてS117-8において、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。遊技制御用マイコン61は、この特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(特別電動役物処理(小当たり遊技状態))
次に、図23に従って、小当たり遊技状態に関する特別電動役物処理(S121)について説明する。遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて第2大入賞口15aを開放させるために、図23に示す特別電動役物処理(小当たり)を実行する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり遊技状態)は第2特図に関連して実行されるため、第2特図を前提として説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)において、小当たりオープニング設定(S119-1)、小当たり開放設定(S119-2)、振分部材作動フラグ設定(S119-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定(S119-1)において、小当たり遊技状態のオープニング期間(小当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(小当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
また、遊技制御用マイコン61は、小当たり開放設定(S119-2)において、小当たり遊技状態における第2大入賞口15aの開放期間の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(開放コマンド、閉鎖コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグ設定(S119-3)において、当選した小当たりの種別に従って振分部材作動フラグを設定する。振分部材作動フラグは、振分部材56を作動させる期間であることを示すフラグである。具体的に説明すると、本実施形態において遊技制御用マイコン61は、小当たり図柄aを決定した場合に振分部材作動フラグをONにし、小当たり図柄bを決定した場合には振分部材作動フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグがONになっている期間中、振分部材ソレノイド55cを通電状態とし、特定領域が開状態となるよう振分部材56を制御する。なお、振分部材作動フラグがONになっている期間中、常に特定領域が開状態となるように振分部材56を制御する必要はなく、振分部材ソレノイド55cがOFFにされる時間帯があってもよい。
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域を通過したか否かを判定する(S119-4)。特定領域を遊技球が通過したことは、特定領域センサ55aによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S119-4:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S119-5)。そして次に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドとして、V当たり状態とすることを示す情報を含む遊技状態指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S119-6)。なお、この遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。これにより、パチンコ遊技機1では、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合も、特図当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように小当たり遊技状態を2種大当たり状態に発展させる(V当たり状態を開始させる)ための制御が実行可能となる。ただし、本実施形態において、特図当たり判定で大当たりと判定されたことによって実行される大当たり遊技状態である1種大当たり状態は、第1大入賞装置14で実行される一方、特定領域の通過によって実行される大当たり遊技状態である2種大当たり状態は、第2大入賞装置15で実行される。
S119-4が否定判定の場合(S119-4:No)またはS119-6の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-7に移行する。このS119-7において遊技制御用マイコン61は、振分部材56の作動終了条件が成立したか否かを判定する。そして、振分部材56の作動終了条件が成立したと判定した場合には(S119-7:Yes)、振分部材作動フラグをOFFすることで振分部材56の作動を終了させ(S119-8)、その後にS119-9に移行する。一方、振分部材56の作動終了条件が成立していないと判定した場合は(S119-7:No)、S119-8を経由することなく、S119-9に移行する。
S119-7が否定判定の場合またはS119-8の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-9に移行する。このS119-9において遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件は、第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは当選した小当たりに応じた開放パターンに定められた開放時間が経過することである。そして、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立したと判定した場合(S119-9:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S119-10)、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。一方、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S119-9:No)、S119-10を経由することなく、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。
[演出制御用マイコン101の主な処理]
次に、演出制御用マイコン101(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(サブ側主制御処理)
先ず、図24に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S160)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S161)、否定判定した場合(S161:No)、RAM120を初期化し(S162)、S163に進む。また、S161において肯定判定した場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS163に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S161:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S161:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS160~S162は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S163)、乱数更新処理を実行する(S164)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S165)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S166)。以降、S163~S166を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S167)、1msタイマ割込処理(S168)及び10msタイマ割込処理(S169)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S167)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S168,S169)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図25に従って、1msタイマ割込処理(S168)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S170)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ5aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S171)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S183)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体モータ23dを駆動させるために、駆動データ(可動体モータ23dを駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体モータ23dを所定の動作パターンで駆動させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S184)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S172)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされ、S171において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S172:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S174)。S174の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図26に従って、10msタイマ割込処理(S169)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図27)を実行し(S180)、スイッチ状態取得処理を実行する(S181)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S170)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S182)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S183)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S184)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S185)、本処理を終了する。その他の処理(S185)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。また、その他の処理(S185)では、遊技者に対して右打ちを促す右打ち演出を行うための右打ち演出処理等を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図27に従って、受信コマンド解析処理(S330)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S190-1)、受信したと判定した場合(S190-1:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S190-2)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(非時短状態、時短状態、1種大当たり状態、小当たり状態、V当たり状態の何れであるか)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、現時点で設定されている遊技状態を特定し、その遊技状態を示す遊技状態フラグを「1」にセットし、それ以外の遊技状態フラグを「0」にセットする。また、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出終了処理(S196-2、特図変動停止コマンドの受信時)において計測を開始した(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの)停止時間の計測を終了する。
演出制御用マイコン101は、S190-2の処理の終了後、または、S190-1において遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S190-1:No)、S191-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S191-1)、受信したと判定した場合は(S191-1:Yes)、先読み演出判定処理を実行する(S191-2)。先読み演出判定処理(S191-2)では、第1特図保留演出記憶部121(または第2特図保留演出記憶部122)に記憶した始動入賞コマンドに含まれている始動入賞情報(大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値等)を判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が特別図柄の変動表示を開始する時点よりも前(始動入賞時)に、特図当たり判定や大当たり種別判定やリーチ判定を行う(事前判定)。そして、事前判定の結果に応じた抽選により、示唆演出を行うか否かを決定する。
演出制御用マイコン101は、S191-2の処理の終了後、または、S191-1において始動入賞コマンドを受信していないと判定した場合に(S191-1:No)、S192-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S192-1)、受信したと判定した場合は(S192-1:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S192-2)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のオープニングで実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S192-2の処理の終了後、または、S192-1においてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合に(S192-1:No)、S193-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S193-1)。この処理においてラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合は(S193-1:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S193-2)。ラウンド演出選択処理では、大当たり遊技状態の各ラウンドにおいて実行するラウンド演出の種類を選択すると共に、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S193-2の処理の終了後、または、S193-1においてラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S193-1:No)、S194-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S194-1)、受信したと判定した場合は(S194-1:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S194-2)。このエンディング演出選択処理では、エンディングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のエンディングで実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出パターンが対応付けて設定されたエンディング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出パターンを選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S194-2の処理の終了後、または、S194-1においてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合に(S194-1:No)、S195-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S195-1)、受信したと判定した場合は(S195-1:Yes)、後述する変動演出開始処理(図28)を実行する(195-2)。この変動演出開始処理では、主制御基板60から受信した特図変動開始コマンドに応じて、変動演出のより具体的な演出内容(変動演出パターン)を決定し、その変動演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン101は、変動演出開始処理(S195-2)において、受信した特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンに応じて特図変動表示の変動時間を特定し、特定した変動時間を変動演出の実行時間(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの変動時間)としてその計測を開始する。
この変動演出開始処理(S195-2)の実行後、演出制御用マイコン101は、後述する示唆演出選択処理を実行する(S195-3)。示唆演出選択処理では、変動演出中に示唆演出を実行するか否か及び実行する示唆演出の種類を決定する。そして、示唆演出を実行することを決定した場合には、その示唆演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S195-3の処理の終了後、または、S195-1において変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S195-1:No)、S196-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S196-1)、受信したと判定した場合は(S196-1:Yes)、変動演出終了処理を実行する(S196-2)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(図25のS165)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において停止状態(滞留状態)となっている左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを確定表示する。また、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理(S196-2)において、前述した変動演出開始処理(S195-2)で計測開始した変動時間の計測を終了し、変動演出後の演出図柄7L,7C,7Rの停止時間(特図変動表示の停止時間と同じ時間)の計測を開始する。
演出制御用マイコン101は、S197-2の処理の終了後、または、S196-1において変動停止コマンドを受信していないと判定した場合に(S196-1:No)、S197へ進む。
続いて、演出制御用マイコン101は、上記のコマンド以外のコマンドの受信に関する処理を行って(S197)、受信コマンド解析処理を終える。
(変動演出開始処理)
次に、図28に従って、変動演出開始処理(S195-2)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図変動開始コマンドを解析する(S210)。特図変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S210において解析した特図変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S211)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S212)。次に、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S213)。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S214)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S214において選択した演出内容(変動演出パターン)の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S215)。変動演出開始コマンドには、演出内容(変動演出パターン)の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S171)において演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。また、画像制御基板200は、演出制御用マイコン101からの変動演出開始コマンドを受信したことに基づき、演出表示装置7の表示上において当該変動表示領域7Bcに表示される画像(当該変動画像)を消去すると共に、メイン演出保留表示領域7Baやサブ演出保留表示領域7Bbに表示される画像(保留画像)をシフトする。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
[第2入賞装置12の具体的な構成]
ここで、パチンコ遊技機1における第2入賞装置12の具体的な構成について説明する。先ず、第2入賞装置1の役割について触れる。本実施形態のパチンコ遊技機1は所謂1種2種混合機であり、第1特図の抽選よりも第2特図の抽選に対して小当たりの結果が多く振り分けられている。そして、普通開閉部材12bにより開閉可能な第2始動口12aへの入賞を基本的には時短状態中に生じさせ、これを契機に高確率で小当たり遊技状態を生起させて、V当たり状態へと移行させることで遊技者に有利な状態が付与される。しかしながら、非時短状態中に故意に右打ちを行って第2始動口12aへの入賞から小当たり遊技状態を発生させようとする遊技者も存在している。そこで、本実施形態では、第2入賞装置12の構造と制御タイミングとを工夫することで、非時短状態中の普通開閉部材12bの作動によって短時間開放される第2始動口12aに対して遊技球が入賞しないようにしている。
この他、本実施形態では、時短状態が短期間(特図変動表示が1回実行される期間)だけ付与されるようになっているので、遊技者はその短い時短期間中にできるだけ遊技球を第2始動口12aに入賞させて第2特図の作動保留数を上限に到達させるようにする。従って時短状態が生じたにも関わらず第2始動口12aへの入賞が生じないと遊技者の不満を招く結果となり得る。そこで、本実施形態では、第2入賞装置12の構造と制御タイミングとを工夫することで、前述の如く非時短状態中は遊技球を第2始動口12aに入賞させないようにしながら、時短状態中については遊技球を第2始動口12aに入賞容易または入賞可能な状態としている。
(第2入賞装置12の駆動構造について)
先ず、第2入賞装置12の大まかな構造について説明する。図29及び図30に示すように、第2入賞装置12は、遊技盤2の前面に固定される台板31と、この台板31の前面に設けられて前方に突出する箱状の入球室32と、台板31の後面側で第2始動口ソレノイド12d及び普通開閉部材12bを連繋するリンク33(第1~第3リンク33a,33b,33c)とを備えている。そして、第2始動口ソレノイド12dの励磁・消磁の切り替えにより、普通開閉部材12bを前側の開放位置と後側の閉鎖位置との間で前後方向にスライド(水平移動)させ、第2始動口12aを開閉するように構成されている。
入球室32の内側に、遊技球を収容可能な大きさの入球空間32aが形成されている。第2始動口12aは、この入球室32から上方に向けて開口し、入球空間32aを上方空間と連通しているが、常には普通開閉部材12bによって閉鎖されている(図29)。普通開閉部材12bが作動すると、第2始動口12aが開放されて遊技球の入球が可能となり、その間に第2始動口12aに入球した遊技球は入球空間32aにおいて入球室32の傾斜した内底面を転動して台板31に形成されている排出口31b(図31)に導かれ、遊技盤2の後面側(台板31の後面側)で排出通路(図示せず)から下方に排出される。
台板31の後面には、前方に向けて開口する箱状の案内部材34が取り付けられ、その案内部材34の内側に普通開閉部材12bが配設されている。図29及び図30における符号28,29は、この普通開閉部材12bが有する上下2つの可動板(後述する開閉部及び庇部)であり、台板31にはこれらの可動板が前後方向に通過可能なスリット31aが夫々形成されている。
また、台板31の後面側かつ案内部材34の下方には、普通開閉部材12bの駆動源としての第2始動口ソレノイド13dが取り付けられている。第2始動口ソレノイド12dは後ろ向きで配置されており、弾性部材36の弾性力により常にはプランジャ(可動鉄芯)35が後方に向けて突出した状態となっている(図29)。この状態では、普通開閉部材12bがスライド範囲の前端側に位置し、第2始動口12aが閉鎖されている。遊技制御用マイコン61の制御により第2始動口ソレノイド12dが励磁されると、図30に示すように、弾性部材36の弾性力に抗してプランジャ35が本体側に(前方に)退避する。この際に、プランジャ35の先端側に取り付けられている第1リンク33aが前方に移動し、これにより、案内部材34に揺動自在に支持されている第2リンク33bの下端部が前方に移動して(図29や図30を正面に見た状態で右回転方向に回動して)、普通開閉部材12bの後面から後方に向けて延出する第3リンク33cを後方へと引き付ける。これにより、普通開閉部材12bがスライド範囲の後端側に移動し、第2始動口12aが開放される。
第2始動口ソレノイド12dが励磁状態から消磁状態に復帰すると、リンク33(第1~第3リンク33a,33b,33c)が、第2始動口ソレノイド12dを励磁した時とは逆向きに作動することによって、普通開閉部材12bが前方に押し出されるようにスライドし、図29に示すように第2始動口12aが閉鎖される。
なお、普通開閉部材12bを進退させる構造は、上記のリンク33(第1~第3リンク33a,33b,33c)を用いた構造に限られず、例えば普通開閉部材12bの後方に第2始動口ソレノイド12dを前向きで配置してプランジャ35を普通開閉部材12bと固定的に接続したり、或いはリンク33としてギア等を用いたりしてもよい。
(普通開閉部材12bの構造について)
図29、図30及び図31に示すように、普通開閉部材12bは、前述した第3リンク33cが後面側に一体的に設けられている平板部分(普通開閉部材本体)が台板31の後面に沿うように配置されており、その上縁及び下縁から前方に延出する2つの可動板28,29を有している。下側の可動板28は、第2始動口12aと同じ高さ位置で前後に進退可能に設けられて第2始動口12aを開閉する部位である(以下「開閉部28」と称する)。これに対し、上側の可動板29として、開閉部28(下側の可動板)の上方位置で遊技球の流下を遮る可動板が設けられている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機1は、普通開閉部材12bに上側の可動板29を有している点に特徴がある。この上側の可動板は、開閉部28に対する上方位置に庇状に設けられているので、以下の説明では「庇部29」と称する。普通開閉部材12bは、全体が前後方向にスライドすることで、第2始動口ソレノイド12dを駆動(励磁)すると開閉部28及び庇部29が同時に遊技領域3より後側まで退避し、第2始動口ソレノイド12dを駆動終了(消磁)すると開閉部28及び庇部29が同時に遊技領域3に進出するように構成されている。
庇部29及び開閉部28は、互いに上下方向に離間して対向し、正面視(図31)で左下がりに傾斜している。すなわち、庇部29及び開閉部28は何れも、上面に乗った遊技球を左側(第1大入賞装置14側)に流下させる構成となっている。
(第2入賞装置12周辺での遊技球の挙動について)
第2入賞装置12の上方に配置されているゲート13は、図2及び図31に示すように、遊技球が1個ずつ通過可能な通路幅の球通路13bを上下方向に向けて形成しており、その途中に遊技球を検出するゲートセンサ13aが配置されている。この球通路13bを通過した遊技球の進行方向(下方)に、庇部29の右端部が臨んでいる。すなわち、普通開閉部材12bが閉じている状態でゲート13に入球した遊技球は、当該ゲート13の球通路13bを通過し、庇部29の上面のうち右端部で受け止められる。
ゲート13と庇部29との間は、遊技球が通過可能な寸法分離間している。すなわち、球通路13bから庇部29上に導かれた遊技球は、庇部29の上面を左側へと転動可能であり、当該左側への転動がゲート13によって妨げられることはない。このように庇部29の上面に沿う(ゲート13・庇部29間の)遊技球の移動経路を、以下「上側経路R1」と称する。また、庇部29と開閉部28との間も同様に、遊技球が通過可能な寸法分離間している。すなわち、開閉部28上に導かれた遊技球は、開閉部28の上面を左側へと転動可能であり、当該左側への転動が庇部29によって妨げられることはない。このように開閉部28の上面に沿う(庇部29・開閉部28間の)遊技球の移動経路を、以下「下側経路R2」と称する。
なお、ゲート13は、前述した球通路13bを形成する左右の側壁13c,13dを備えており、各側壁13c,13dの外面(右側壁13cの右面、左側壁13dの左面)が、下方に向かうにつれて球通路13bから離間するように設けられている。すなわち、ゲート13の左側壁13d及び右側壁13cは、球通路13bを通過する遊技球を下方に進行させる一方、球通路13bの外側を流下する遊技球を開閉部28や庇部29から左右方向に離間する側に案内する。ここで、庇部29及び開閉部28の間の下側経路R2は、その右端側が右上方に向けて開口しているが、ゲート13の右側壁13cが遊技球を下側経路R2の右端側に対して右方に離間する側へと案内するため、普通開閉部材12bが閉じている状態(下側経路R2が区画形成されている状態)では、下側経路R2に対して遊技球が右端側から進入することはない。すなわち、ゲート13の右側壁13cは、下側経路R2に遊技球が進入するのを規制する規制手段として機能している。
(普通開閉部材12bの開放制御について)
次に、普通開閉部材12bの開放動作の態様について説明する。遊技制御用マイコン61は、普図当たり判定処理(図15のS54-1)において当たりの判定結果となった場合に、「普通当たり図柄」に応じたデータをRAM64の所定の記憶領域にセットする(図15のS54-2)。そして普図変動表示後の停止時間の終了時に、予め定められた開放パターンに基づいて補助遊技を実行する(普通開閉部材12bに開放動作を行わせる)。すなわち、遊技制御用マイコン61は、開放パターンにより定められたタイミングに合わせて第2始動口ソレノイド12dを励磁・消磁(駆動)することで、普通開閉部材12bに予め定められた動作(開放・閉鎖)を行わせる開閉制御手段として機能している。
本実施形態では、普通開閉部材12bの開放パターンが2種類(非時短用開放パターンOPx及び時短用開放パターンOPy)設けられており、遊技状態に対応する一方の開放パターンが選択される。遊技制御用マイコン61は、非時短状態中に普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合には、遊技制御用マイコン61が非時短用開放パターンOPxを決定し、時短状態中に普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合には、遊技制御用マイコン61が時短用開放パターンOPyを決定するようになっている。
非時短状態中の普通開閉部材12bの開放パターンである非時短用開放パターンOPxは、普通開閉部材12bに短開放(例えば、遊技球の発射間隔である0.6秒よりも短い開放)を行わせる開放パターンとなっている。具体的には、非時短用開放パターンOPxは、図32(a)及び図32(b)に示すように、普通開閉部材12bを0.1秒間(時点t1から時点t2までの間)開放するように設定されている。
しかしながら、普通開閉部材12bを0.1秒間だけ開放したとしても、普通開閉部材12bの短開放する際に遊技球の到達タイミングが合えば(本実施形態の場合、開閉部20に遊技球が乗っていれば)、第2始動口12aへの入球が発生し得る。すなわち、従来構造の普通開閉部材12bでは、短開放であったとしても第2始動口12aを一時的に開放すれば第2始動口12aへの遊技球の入球を完全に防止することはできず、第2特図に関する抽選が行われる。
これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機1は、前述の如く普通開閉部材12bに庇部29を設けている。また、庇部29上面に位置している遊技球が開閉部28上面の位置まで落下するのにかかる移動時間が、非時短用開放パターンOPxに基づく普通開閉部材12bの開放時間(0.1秒)よりも長くなるように、庇部29を開閉部28の上方に離間配置している。具体的には、庇部29の上から開閉部28の上面の位置まで遊技球が落下するのに0.2秒から0.3秒程度の時間がかかる構成となっている。これにより、普通開閉部材12bが非時短用開放パターンOPxに基づいて作動する場合、庇部29及び開閉部28が同時に0.1秒間、進出位置から後退位置に移動するが、この間に遊技球が庇部29よりも上方から第2始動口12aまで落下することができない。
この他、普通開閉部材12bの左右寸法について、庇部29は、球通路13bから落下して庇部29の上面の右端部に到達した遊技球が上側経路R1の出口を通過する(庇部29を転動し終える)までにかかる時間が、普通開閉部材12bの短開放の時間(0.1秒)よりも長くなるように(具体的には、0.5秒程度かかるように)設定されている。また、開閉部28は、庇部29の上面の右端部から落下して庇部29の上面に到達した遊技球が下側経路R2の出口を通過する(開閉部28を転動し終える)までにかかる時間が、普通開閉部材12bの短開放の時間(0.1秒)よりも長くなるように(具体的には、0.5秒程度かかるように)設定されている。
ここで、普通開閉部材12bを非時短用開放パターンOPxに基づいて作動させる場合の遊技球の挙動の一例について、図32を参照しながら説明する。
図32(a)は、右遊技領域3Rを流下する遊技球がゲート13の球通路13bを通過して庇部29の上に到達し、これと同時に普通開閉部材12bが非時短用開放パターンOPxによる作動を開始した場合の遊技球の挙動を表す説明図であり、右側に、球流れの軌道を矢印で表した盤面要部の図、左側に、タイムチャートを示してある。庇部29の上面に到達した遊技球は、庇部29が進出位置にあればその上面を左側に転動(上側経路R1に沿って移動)することとなる。しかし、球通路13bからの遊技球が庇部29の上面の右端側に到達して直ぐに、非時短用開放パターンOPxに基づく普通開閉部材12bの短開放が開始され、庇部29及び開閉部28が同時に進出位置(図29の位置)から後退位置(図30)に移動すると(t1)、庇部29の上面にあった遊技球が落下する。この遊技球が開閉部28の上面の高さ位置に到達するまでには0.2秒以上の時間がかかるので、普通開閉部材12bの短開放が終了する時点(t2)では、遊技球が開閉部28の高さ位置に到達しておらず落下中である。従ってその遊技球は、進出位置に復帰した開閉部28により受け止められ、第2始動口12aに入球することなく開閉部28の上面を左側に転動(下側経路R2を通過)する。そして、開閉部28の上面の左側の縁部(下側経路R2の出口)から左方へと流下し、第2始動口12aに入球しないことが確定する(t3)。なお、ゲート13の右側壁13cの存在により、下側経路R2に対して右端側から遊技球が進入することはない(下側経路R2は右上方に向け開口しているが、その開口は遊技球の入口としては機能していない)。
図32(b)は、庇部29の上面を遊技球が転導している状態で普通開閉部材12bが非時短用開放パターンOPxによる作動を開始する場合の遊技球の挙動を表す説明図であり、右側に、球流れの軌道を矢印で表した盤面要部の図、左側に、タイムチャートを示してある。非時短用開放パターンOPxに基づく普通開閉部材12bの開放が開始され、庇部29及び開閉部28が同時に進出位置(図29の位置)から後退位置(図30)に移動すると(t11)、その遊技球は庇部29の後退によって下方に落下する。この遊技球が開閉部28の上面の高さ位置に到達するまでには0.2秒以上の時間がかかるので、非時短用開放パターンOPxに基づく普通開閉部材12bの開放が終了する時点(t12)では、遊技球が開閉部28の高さ位置に到達しておらず落下中である。従ってその遊技球は、進出位置に復帰した開閉部28により受け止められ、第2始動口12aに入球することなく開閉部28の上面を左側に転動(下側経路R2を通過)する。そして、開閉部28の上面の左側の縁部(下側経路R2の出口)から左方へと流下し、第2始動口12aに入球しないことが確定する(t13)。
以上のように、庇部29を有する普通開閉部材12bと、この普通開閉部材12bの非時短用開放パターンOPxに基づく作動時間との関係により、非時短状態において普通開閉部材12bの作動中に第2始動口12aへの遊技球の入球が全く生じないように構成されている。
ここで、普通開閉部材12bは、前述の如く特殊な構成をしており、非時短状態において第2始動口12aへの入賞を防ぐように機能する。これに対し、時短状態では、その短い期間中に第2特図の作動保留数が上限に達するように第2始動口12aへの入賞を効率的に発生させることが好ましい。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、時短状態中の普通開閉部材12bの開放パターンとして、短時間の開放を繰り返す時短用開放パターンOPyを設定し、遊技球を開閉部28で受け止めてから第2始動口12aに入球させるようにしている。
この他、本実施形態の第2入賞装置12は、普通開閉部材12bに庇部29を設けたことで上下寸法が大きくなっている。従って、ゲート13の球通路13bに対して入球室32の底面が大きく下方に離間している。従って、第2始動口12aに入球した遊技球が入球室32の底面で大きく跳ね返って第2始動口12aの外に飛び出たり、入球室32の底面を遊技球との衝突で破損したりする問題が生じ得る。このような問題も解決することが好ましい。
ここで、時短状態中の普通開閉部材12bの開放パターンである時短用開放パターンOPyは、第2始動口12aの所定の合計開放時間(例えば1.8秒)を複数の短時間に分割し、その短時間に対応する普通開閉部材12bの短開放(第2始動口ソレノイド12dの励磁)を、短いインターバル(開放インターバル、駆動インターバル)を挟んで連続させる開放パターンとなっている。具体的には、時短用開放パターンOPyは、図33(a)及び図33(b)に示すように、普通開閉部材12bを0.1秒間(時点t21から時点t22まで、時点t23から時点t24まで、時点25から時点26まで等)ずつ短開放させると共に、各短開放を、0.2秒のインターバル(時点t22から時点t23まで、時点t24から時点t25まで等)を挟んで連続させ、これを5.2秒が経過するまで継続するように設定されている。すなわち、遊技制御用マイコン61が時短用開放パターンOPyに基づいて普通開閉部材12bの動作を制御する5.2秒のうち1.8秒が、第2始動口12aの合計開放時間(0.1秒の短開放は18回)となる。
以下、普通開閉部材12bを時短用開放パターンOPyに基づいて作動させる場合の遊技球の挙動の一例について、図33を参照しながら説明する。
図33(a)は、右遊技領域3Rを流下する遊技球がゲート13の球通路13bを通過して庇部29の上に到達し、これと同時に普通開閉部材12bが時短用開放パターンOPyによる短開放を開始した場合の遊技球の挙動を表す説明図であり、右側に、球流れの軌道を矢印で表した盤面要部の図、左側に、タイムチャートを示してある。庇部29の上面に到達した遊技球は、庇部29が進出位置にあればその上面を左側に転動(上側経路R1に沿って移動)することとなる。しかし、球通路13bからの遊技球が庇部29の上面の右端側に到達して直ぐに、時短用開放パターンOPyに基づく普通開閉部材12bの短開放が開始され、庇部29及び開閉部28が同時に進出位置(図29の位置)から後退位置(図30)に移動すると(t21)、庇部29の上面にあった遊技球が落下する。この遊技球が開閉部28の上面の高さ位置に到達するまでには0.2秒以上の時間がかかるので、普通開閉部材12bの短開放が終了する時点(t22)では、遊技球が開閉部28の高さ位置に到達しておらず落下中である。従ってその遊技球は、進出位置に復帰した開閉部28により受け止められ、第2始動口12aに入球することなく開閉部28の上面を左側に転動(下側経路R2を通過)する。ここで、遊技球が開閉部28の上面の左側の縁部まで転動するには0.5秒程度の時間がかかるので、その間にインターバルの0.2秒が経過して普通開閉部材12bの新たな短開放が開始される(t23)。この場合にも、庇部29及び開閉部28が後退位置に移動するので、開閉部28の上面を転動していた遊技球が落下して、当該タイミング(t23)で第2始動口12aに入球する。
図33(b)は、ゲート13の球通路13bを通過した遊技球が、時短用開放パターンOPyによる普通開閉部材12bの1回の短開放を開始する時点(t31)では庇部29に到達しておらず、この短開放が終了(t32)するのと同時に庇部29の上に到達した場合の遊技球の挙動を表す説明図であり、右側に、球流れの軌道を矢印で表した盤面要部の図、左側に、タイムチャートを示してある。庇部29の上面に到達した遊技球は、庇部29が進出位置にあるためその上面を左側に転動(上側経路R1に沿って移動)する。しかし、この遊技球が上側経路R1の出口に到達するまでには0.5秒程度の時間がかかるので、その間にインターバルの0.2秒が経過して普通開閉部材12bの新たな短開放が開始される(t33)。この場合にも、庇部29及び開閉部28が後退位置に移動するので、開閉部28の上面を転動していた遊技球が落下する。この時に庇部29から落下した遊技球は、開閉部28の上面の高さ位置に到達するまでには0.2秒以上の時間がかかるので、進出位置に復帰(t34)した開閉部28により受け止められ、開閉部28の上面を左側に転動(下側経路R2を通過)する。ここで、遊技球が開閉部28の上面の左側の縁部まで転動するには0.5秒程度の時間がかかるので、その間にインターバルの0.2秒が経過して普通開閉部材12bの新たな短開放が開始される(t35)。この場合にも、庇部29及び開閉部28が後退位置に移動するので、開閉部28の上面を転動していた遊技球が落下して、当該タイミング(t35)で第2始動口12aに入球する。
以上のように、庇部29を有する普通開閉部材12bと、この普通開閉部材12bの時短用開放パターンOPyに基づく作動時間との関係により、時短状態において普通開閉部材12bが短開放を複数回、インターバルを挟んで行い、1回の短開放で庇部29の高さ位置を通過するように落下した遊技球が先ず開閉部28に受け止められ、この開閉部28の上を転動しているときに発生する次の短開放で第2始動口12aに確実に入球するように構成されている。
ここで、前述のように遊技制御用マイコン61は、時短用開放パターンOPyに基づく普通開閉部材12bの作動を5.2秒間にわたって制御し、その間に普通開閉部材12bを0.1秒ずつ、合計1.8秒間開放する。このように、合計1.8秒の開放時間を細かく分けて短時間ずつ開放すると共に、各短開放の間のインターバルを、庇部29の上から落下して開閉部28に受け止められた遊技球が下側経路R2の出口を通過するまでの時間(0.5秒)よりも短く設定することで、インターバルの間に開閉部28で受け止めた遊技球を次の短開放で第2始動口12aに入球させることができる。すなわち、短開放毎に遊技球を効率的に第2始動口12aに入球させることができ、例えば、普通開閉部材12bの1.8秒間の長開放を1回行う場合と比較して、多くの遊技球を第2始動口12aに入球させることが可能となる。
[実施形態の効果]
上述した実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)パチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3と、遊技領域3に向けて遊技球を打ち出す発射装置90と、遊技領域3内で上方に向けて開口し、遊技領域3を流下する遊技球を受け入れ可能な第2始動口12a(入球口)と、第2始動口12aを開閉する開閉部28を有する普通開閉部材12b(開閉部材)と、普通開閉部材12bを閉鎖位置及び開放位置の間で前後方向に水平移動させる第2始動口ソレノイド12d(駆動手段)とを備えており、遊技制御用マイコン61(開閉制御手段)が、第2始動口ソレノイド12dを制御することで普通開閉部材12bに開放を行わせる。遊技制御用マイコン61は、普通開閉部材12bに0.1秒の短開放を行わせるように第2始動口ソレノイド12dを制御可能であり、普通開閉部材12bは、開閉部28に対し上方に離間して対向する庇部29を有し、閉鎖位置において開閉部28及び庇部29が遊技領域3に位置して、閉鎖位置から開放位置に移動する場合に開閉部28及び庇部29が後方に退避するようになっており、かつ、開閉部28及び庇部29は何れも、遊技球を横方向に転動させ得るように下方傾斜した上面を有している。普通開閉部材12bが閉鎖位置にある状態では、遊技球を開閉部28の上から横方向に流下させる下側経路R2と、遊技球を庇部の上から横方向に流下させる上側経路R1とが形成され、かつ、下側経路R2への遊技球の流入が庇部29によって防止されている。遊技制御用マイコン61は、非時短用開放パターンOPxに基づく普通開閉部材12bの1回の短開放により、庇部29上の遊技球の下方への移動が許容された場合、その遊技球が第2始動口12aに至る前に開閉部28に受け止められ下側経路R2を流下する。このように、普通開閉部材12bが閉鎖位置にあるとき、庇部29によって下側経路R2への遊技球の流入が防止され、普通開閉部材12bが短開放を行った際に、庇部29上の遊技球は落下するが開閉部28に受け止められ下側経路R2を流下することになる。すなわち、普通開閉部材12bの1回の短開放で第2始動口12aに入球しない構成を実現できる。
(2)また、遊技領域3が、遊技球が流下可能な左遊技領域3L(第1の球流下領域)及び右遊技領域3R(第2の球流下領域)を有しており、遊技制御用マイコン61(生起手段)が、左遊技領域3Lを狙った遊技球の打ち出しにより遊技が行われる非時短状態(第1状態)及び右遊技領域3R(第2の球流下領域)を狙った遊技球の打ち出しにより遊技が行われる時短状態(第2状態)を生じさせる。第2始動口12aは、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入球可能な位置に設けられており、普通開閉部材12bは、右遊技領域3Rに設けられるゲート13への遊技球の入球に基づいて第2始動口12aを開閉する。遊技制御用マイコン61(開閉制御手段)は、普通開閉部材12bに短開放を行わせるように第2始動口ソレノイド12dを駆動する非時短用開放パターンOPxに基づく開放制御(第1開放制御)と、この非時短用開放パターンOPxに基づく開放制御よりも普通開閉部材12bの開放時間の合計が長くなるように第2始動口ソレノイド12dを駆動する時短用開放パターンOPyに基づく開放制御(第2開放制御)とを実行可能であり、非時短状態中のゲート13への入球に基づいて、遊技制御用マイコン61による非時短用開放パターンOPxに基づく開放制御が実行され、時短状態中のゲート13への入球に基づいて、遊技制御用マイコン61による時短用開放パターンOPyに基づく開放制御が実行される。すなわち、左遊技領域3Lを狙った遊技球の打ち出しにより遊技が行われる非時短状態(第1状態)において、ゲート13への入球が生じた場合に、非時短用開放パターンOPxに基づく開放制御を行って第2始動口12aへの入球を防止できる。
(3)また、遊技制御用マイコン61(開閉制御手段)は、非時短用開放パターンOPxに基づく開放制御(第1開放制御)において、普通開閉部材12bに短開放を1回行わせるように第2始動口ソレノイド12dを駆動し、時短用開放パターンOPyに基づく開放制御(第2開放制御)において、普通開閉部材12bに連続的な短開放を行わせるように第2始動口ソレノイド12dを駆動する。時短用開放パターンOPyに基づく開放制御(第2開放制御)における短開放間のインターバル(第2始動口ソレノイド12dの駆動インターバル)が、0.2秒間、すなわち、開閉部28に受け止められた遊技球が開閉部28の下流側の縁部まで転動するのにかかる時間(0.5秒)よりも短い時間に設定されている。このように、普通開閉部材12bの短開放によって庇部29上から落下して開閉部28に受け止められた遊技球が、その開閉部28上を転動してその下流側の縁部に至るまでに、次の短開放が生じ得るので、1回の短開放で第2始動口ソレノイド12dに入球し得ない構成であっても、普通開閉部材12bに連続的な短開放を行わせる第2開放制御によって第2始動口12aに入球可能な構成を実現することができる。また、遊技球が庇部29及び開閉部28によって受け止められた後に第2始動口12aへと入球するので、遊技球の落下距離を短くでき、第2始動口12aを形成する部材の損傷を防ぐことができる。
(4)また、遊技制御用マイコン61(判定手段)は、小当たり遊技状態(遊技者に有利な遊技状態)を生起させるか否かの特図当たり判定(当否判定)を、第2始動口12a(入球口)への遊技球の入球を契機として実行し得ると共に、第1始動口10a(別の入球口)への遊技球の入球を契機として実行し得る。そして、第1始動口10aへの入球を契機とする特図当たり判定よりも、第2始動口12aへの入球を契機とする特図当たり判定の方が、小当たり遊技状態を生起させる結果(遊技者にとって有利な判定結果)となり易い。すなわち、第2始動口12aは、普通開閉部材12bの短開放が行われる場合にも遊技球の入球対象として狙われる可能性がある。このような第2始動口12aを開閉する構造として開閉部28及び庇部29を有する普通開閉部材12bを備えることにより、遊技者による不適切な遊技操作を効果的に防止することができる。
<他の実施形態>
・前述した実施形態では、図29及び図30に示す如く、開閉部材(普通開閉部材)において庇部及び開閉部を、互いに前端及び後端の位置が揃う(前後寸法が一致する)形状で形成した。また、庇部の上面に沿う上側経路と、開閉部の上面に沿う下側経路とを、上下に並ぶように形成した。これに対し、庇部及び開閉部の前後位置(前後寸法)を異ならせてもよいし、上側経路及び下側経路の前後位置(前後寸法)を異ならせてもよい。
この場合には、例えば図34に示すように、庇部の前端が開閉部の前端より後方に位置するように開閉部材を設けることで、開閉部の移動範囲よりも庇部の移動範囲を後側にずらすようにし、これにより上側経路が下側経路より後側に形成されるようにする。図34は、開閉部材が閉鎖位置にある状態であり、上側経路(庇部の上側の空間)が、遊技盤の厚み寸法内に位置するように形成されている。また、庇部の下側に、台板によって段部(符号39)が形成されており、庇部および段部の間と、開閉部の上方とが、下側経路として機能している。すなわち、開閉部材の短開放によって庇部が進出位置から後退位置に移動した場合に、庇部の上にあった遊技球は段部を介して開閉部の上に移動するので、遊技球が庇部の上から開閉部の上に移動するまでの時間を稼ぐことができる。従って、遊技球が入球口に入球するのを確実に防ぐことができる開閉部材の短開放時間の幅を広げることができ、開閉部材の動作に無理が生じない(限界まで素早く開閉動作させる必要がない)ようにすることができる。
また、上流側からの遊技球を受ける庇部(進出位置)と、図示しない前枠の窓(ガラス板)との間に離間スペース(符号40)を確保することで、開閉部材(庇部)が開放位置から閉鎖位置に移動する際の球噛みを防止することができる。
・前述した実施形態では、入球口としての第2始動口を遊技領域内で上方に向けて開口するように設け、開閉部材としての普通開閉部材を、駆動手段としての第2始動口ソレノイドによって、閉鎖位置及び開放位置の間で前後方向に水平移動させるように構成して、普通開閉部材に開閉部及び庇部を設けるようにした。これに対し、開閉部及び庇部を第1特別開閉部材または第2特別開閉部材に設けるようにしてもよい。すなわち、入球口としての大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)を遊技領域内で上方に向けて開口するように設け、開閉部材としての特別開閉部材(第1特別開閉部材または第2特別開閉部材)を、駆動手段として大入賞口ソレノイド(第1大入賞口ソレノイドまたは第2大入賞口ソレノイド)によって、閉鎖位置及び開放位置の間で前後方向に水平移動させるように構成する。そして、特別開閉部材に庇部及び開閉部を設け、開閉制御手段(遊技制御用マイコン)による制御に基づく特別開閉部材の1回の短開放により、庇部上の遊技球の下方への移動が許容された場合、その遊技球が大入賞口に至る前に開閉部に受け止められて庇部及び開閉部の間の下側経路を流下するように構成することができる。
1…パチンコ遊技機、3L…左遊技領域(第1の球流下領域)、3R…右遊技領域(第2の球流下領域)、12a…第2始動口(入球口)、12b…普通開閉部材(開閉部材)、12d…第2始動口ソレノイド(駆動手段)、13…ゲート、28…開閉部、29…庇部、90…発射装置、61…遊技制御用マイコン(開閉制御手段、生起手段)、R1…上側経路、R2…下側経路。

Claims (4)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域と、前記遊技領域に向けて遊技球を打ち出す発射装置と、前記遊技領域内で上方に向けて開口し、該遊技領域を流下する遊技球を受け入れ可能な入球口と、前記入球口を開閉する開閉部を有する開閉部材と、前記開閉部材を閉鎖位置及び開放位置の間で前後方向に水平移動させる駆動手段と、前記駆動手段を制御することで前記開閉部材に開放を行わせる開閉制御手段とを備えた遊技機であって、
    前記開閉制御手段は、前記開閉部材に短開放を行わせるように前記駆動手段を制御可能であり、
    前記開閉部材は、前記開閉部に対し上方に離間して対向する庇部を有し、前記閉鎖位置において前記開閉部及び前記庇部が前記遊技領域に位置して、該閉鎖位置から前記開放位置に移動する場合に前記開閉部及び前記庇部が後方に退避するようになっており、かつ、前記開閉部及び前記庇部は何れも、遊技球を横方向に転動させ得るように下方傾斜した上面を有し、
    前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態では、遊技球を前記開閉部の上から横方向に流下させる下側経路と、遊技球を前記庇部の上から横方向に流下させる上側経路とが形成され、かつ、前記下側経路への遊技球の流入が前記庇部によって防止され、
    前記開閉制御手段による制御に基づく前記開閉部材の1回の短開放により、前記庇部上の遊技球の下方への移動が許容された場合、その遊技球が前記入球口に至る前に前記開閉部に受け止められ前記下側経路を流下するように構成されている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技球が流下可能な第1の球流下領域及び第2の球流下領域を有する遊技領域と、
    前記第1の球流下領域を狙った遊技球の打ち出しにより遊技が行われる第1状態及び前記第2の球流下領域を狙った遊技球の打ち出しにより遊技が行われる第2状態を生じさせる生起手段とを備え、
    前記入球口は、前記第2の球流下領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、
    前記開閉部材は、前記第2の球流下領域に設けられる作動口への遊技球の入球に基づいて前記入球口を開閉するように構成され、
    前記開閉制御手段は、前記開閉部材に短開放を行わせるように前記駆動手段を駆動する第1開放制御と、該第1開放制御よりも前記開閉部材の開放時間の合計が長くなるように前記駆動手段を駆動する第2開放制御とを実行可能であり、
    前記第1状態中の前記作動口への入球に基づいて前記開閉制御手段による前記第1開放制御が実行され得ると共に、前記第2状態中の前記作動口への入球に基づいて前記開閉制御手段による前記第2開放制御が実行され得る請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記開閉制御手段は、前記開閉部材に短開放を1回行わせるように前記駆動手段を駆動する第1開放制御と、前記開閉部材に連続的な短開放を行わせるように前記駆動手段を駆動する第2開放制御とを実行可能であり、
    前記第2開放制御中における前記駆動手段の駆動インターバルが、前記開閉部に受け止められた遊技球が当該開閉部の下流側の縁部まで転動するのにかかる時間よりも短い時間に設定されている請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 遊技者に有利な遊技状態を生起させるか否かの当否判定を実行する判定手段を備え、
    前記判定手段は、前記入球口への遊技球の入球を契機として前記当否判定を実行し得ると共に、別の入球口への遊技球の入球を契機として前記当否判定を実行し得るように構成され、前記別の入球口への入球を契機とする前記当否判定よりも、前記入球口への入球を契機とする前記当否判定の方が、遊技者にとって有利な判定結果となり易い請求項1または2に記載の遊技機。
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