JP2023173130A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成によって複数の始動口の夫々への入球頻度を変化させることができる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3に、ゲート13、第2始動口12a及び右側始動口33aと、普通作動部材12bとを備える。遊技制御用マイコン61は、複数種類の作動パターンの夫々に基づいて普通作動部材12bの姿勢を切替可能であり、その作動パターンとして、ゲート13を通過した遊技球を受けて第2始動口12aまで誘導可能な長時間作動パターンFS3と、ゲート13を通過した遊技球を受けて第2始動口12aが位置しない側に放出可能な中時間作動パターンFS2とが設定されている。そして、中時間作動パターンFS2に基づく普通作動部材12bの作動に応じて放出された遊技球が入球可能な位置に、右側始動口33aが設けられている。【選択図】図33

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
遊技機としては例えば、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。このパチンコ遊技機は、機内部に配置されている遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、その遊技領域を機前方から視認できるように構成されている。遊技領域には複数種類の入球口が点在している。このため、遊技者のハンドル操作等によって遊技領域に打ち出された遊技球が当該遊技領域を流下する過程で、複数のうち何れかの入球口に入球したり、或いは入球せず遊技領域の下端まで流下してアウト口から排出されたりする。そして、遊技球が入球口に入球した場合、その入球口の種類に応じた賞球が遊技者に向けて付与される。すなわち、パチンコ遊技機で遊技を行う場合、遊技球が入球口に入球することに応じて利益を得ることができる(例えば、特許文献1)。
一般的なパチンコ遊技機は、遊技領域の入球口として、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な状態と入球不可能な状態とに変化する可変式の入球口を備えている。この可変式の入球口としては例えば、可変始動口や特別入賞口がある。可変始動口は、別に設けられている入球口(例えばゲート等、以下「作動口」と称する)への遊技球の入球(通過)を契機として普通作動部材を作動させることで、遊技球の入球が可能な状態とされ、また、特別入賞口は、始動口(可変始動口もその一種である)への遊技球の入球を契機として特別作動部材を作動させることで、遊技球の入球が可能な状態とされる。
特開2014-236936号公報
近年では、複数の始動口の夫々についての入球頻度を変化させる構成等が検討されているが、複数の始動口の夫々に電動式の普通作動部材を設けることは、遊技制御の複雑化を防止する観点から禁止されている。このため、他の方法として、遊技球の荷重により開閉する非電動式の作動部材や、電動式であるが常に一定の動作を行う作動部材を用いることで、複数の始動口の夫々への入球頻度を変化させ得る構成を実現している。しかし、非電動式の作動部材を用いると、連動機構等が必要となり遊技盤の構造が複雑となるし、電動式で一定動作を行う作動部材は、常に動作させておく必要があることから耐久性の問題が生じ得る。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成によって複数の始動口の夫々への入球頻度を変化させ得る遊技機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技球が流下可能な遊技領域に、作動口、可変始動口及び別の始動口と、前記可変始動口への遊技球の入球を阻止する第1姿勢及び許容する第2姿勢に変位可能な普通作動部材とを備えると共に、前記作動口への遊技球の通過を契機として前記普通作動部材に対応する駆動手段を制御して該普通作動部材を第1姿勢から第2姿勢に変位させる制御手段を備え、前記可変始動口への遊技球の入球を契機とする内部判定が当たりの判定結果となった場合に遊技者に有利な遊技状態を生起させる遊技機であって、前記制御手段は、複数種類の作動パターンの夫々に基づいて前記普通作動部材の姿勢を切替可能に構成され、前記普通作動部材の前記作動パターンとして、前記作動口を通過した遊技球を受けて前記可変始動口まで誘導可能な第1の作動パターンと、前記作動口を通過した遊技球を受けて前記可変始動口が位置しない側に放出可能な第2の作動パターンとが設定され、前記第2の作動パターンに基づく前記普通作動部材の作動に応じて放出された遊技球が入球可能な位置に、前記別の始動口が設けられていることを特徴とする。
これによれば、普通作動部材の作動パターンとして、作動口を通過した遊技球を可変始動口まで誘導せずに別の始動口の側に放出する作動パターンを設けることで、簡単な構成で遊技球を可変始動口に入球させたり別の始動口が位置する側に誘導したりすることができる。
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、簡単な構成によって複数の始動口の夫々への入球頻度を変化させることができる。
第1実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 第1実施形態における遊技領域の要部拡大図である。 主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 当否判定テーブルの説明図である。 (a)は、第1実施形態における第1特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図であり、(b)は、第1実施形態における第2特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。 第1実施形態における小当たり種別判定テーブルの説明図である。 (a)は、第1特図用のリーチ判定テーブルの説明図、(b)は、第2特図用のリーチ判定テーブルの説明図である。 (a)は、第1特図用の特図変動パターン選択テーブルの説明図、(b)は、第2特図用の特図変動パターン選択テーブルの説明図である。 普通図柄当否判定テーブルの説明図である。 第1実施形態における普図当たり種別判定テーブルの説明図である。 メイン側主制御処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。 図柄用センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図大当たり判定処理のフローチャートである。 特図変動パターン選択処理のフローチャートである。 図18の続きのフローチャートである。 特別図柄関連処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(1種大当たり、V当たり)のフローチャートである。 特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。 サブ側主制御処理のフローチャートである。 1msタイマ割込処理のフローチャートである。 10msタイマ割込処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 遊技状態及び演出モードに関する説明図である。 (a)は、特図変動回数による時短遊技状態の終了条件が成立する場合の状態変化に関するタイムチャートであり、(b)は、小当たり回数による時短遊技状態の終了条件が成立する場合の状態変化に関するタイムチャートである。 (a)は、時短遊技状態中の普通作動部材の作動と遊技球の挙動との関係に関するタイムチャートであり、(b)は、(a)の場合における遊技領域での遊技球の具体的な流れを示す説明図である。 (a)は、非時短遊技状態中の普通作動部材の作動と遊技球の挙動との関係に関するタイムチャートであり、(b)は、(a)の場合における遊技領域での遊技球の具体的な流れを示す説明図である。 第2実施形態における遊技領域の要部拡大図である。 第2実施形態における普図当たり種別判定テーブルの説明図である。 (a)は、第2実施形態における第1特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図であり、(b)は、第2実施形態における第2特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。 第2実施形態における小当たり種別判定テーブルの説明図である。
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機として、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機を例に挙げる。なお、パチンコ遊技機の各部について方向や位置関係を説明する場合は、このパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た状態での「左」「右」及び「上」「下」を基準とする。また、遊技者から見て近い側(手前側)を「前」とし、遠い側(奥側)を「後」とする。
<第1実施形態>
[パチンコ遊技機1の主要構成]
第1実施形態のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技機枠を備える。遊技機枠は、後述する遊技盤2を保持する内枠16と、この内枠16の前面を覆う扉状の前面枠18とを少なくとも含むように構成され、矩形枠状の外枠Wを介して遊技店内の設置島(図示せず)に設置される。前面枠18は、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、トップランプ23cとを備え、これらで囲まれる内側に窓18aが形成されている。この窓18aは、遊技盤2の盤面(前面)に形成される遊技領域3を視認可能とする開口であり、この窓18aを塞ぐように透明なガラス板が設けられるが、図1では省略している。また、前面枠18の左右の上端部(トップランプ23cを挟む左右両側)に、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する音出力手段としてのスピーカ8が夫々設けられている。
前面枠18は、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを構成する両側部が透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
また、トップランプ23cは、内部(図示せず)にLEDおよび回転リフレクタを有する回転灯を構成している。LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容や報知内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。回転リフレクタは、可動体モータ23d(図4)の駆動に応じてLEDの周囲で回転し、LEDの光の反射方向を変化させる。
また、前面枠18の下部には、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とが設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、発射装置90(打撃槌)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち打球供給皿24の上面に、演出ボタン5が設けられている。この演出ボタン5は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で押下操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。また、演出ボタン5は、遊技者が片手のみで後述する演出レバー6と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。演出ボタン5にはバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン5に対する押下操作状態が解除された際に、この弾性部材の復元力によって演出ボタン5が押下操作前の状態に復帰するようになっている。この演出ボタン5には、演出ボタン5に対する押下操作を検出する演出ボタン検出スイッチ5a(図4)と、演出ボタン5を振動させる演出ボタン振動モータ5b(図4)と、演出ボタン5を発光させる演出ボタンランプ5c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ5bは、例えば演出ボタン5の押下操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタン振動モータ5bの作動によって演出ボタン5を振動させたり、演出ボタンランプ5c(本実施形態ではLED)の発光によって透光性材料からなる演出ボタン5の表面を点灯または点滅させたりすることで、例えば演出ボタン5の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。
演出ボタン5の押下操作が有効な期間に遊技者が演出ボタン5を押下操作すると、その操作が演出ボタン検出スイッチ5aによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出ボタン5の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方(下側の左端寄り)に、演出レバー6が設けられている。この演出レバー6は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で把持して操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4や演出ボタン5と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。具体的には、演出レバー6は、把持した手で奥側へ押し込むように操作(押込操作)できる他、左右に回転させるように操作(回転操作)することも可能に構成されている。また、演出レバー6には、演出レバー6の押込操作を検出する演出レバー押込検出スイッチ6a(図4)と、演出レバー6の右回転操作や左回転操作を検出する演出レバー回転検出スイッチ6b(図4)と、演出レバー6を振動させる演出レバー振動モータ6c(図4)とが設けられている。本実施形態では、演出レバー振動モータ6cの作動によって演出レバー6を振動させることで、例えば演出レバー6の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。演出レバー6の操作が有効な期間に遊技者が演出レバー6を押込操作または回転操作すると、その操作が演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
[遊技盤2の構成]
遊技盤2は、その盤面(前面)が遊技者の顔と略正対する位置となるように内枠16に保持されている。この遊技盤2は、前面枠18の前述したガラス板により前方から覆われているが、その盤面は、ガラス板(窓18a)を介して遊技者側(前方)から透視可能となっている。なお、図1では、遊技盤2の盤面の外周側(正面視で窓18aよりも外側にある範囲)が確認できないが、遊技球が流下(転動)する領域である遊技領域3を内周側に区画形成する環状の遊技領域形成手段(レール部材17等)が配置されている。なお、遊技盤2の盤面左側部ではレール部材17が左右2列となっており、その内側を発射装置90(図3)による発射球が上昇移動して遊技領域3に至るようになっている。この場合に発射球は、レール部材17の前述した左右2列の部分のうち図1で確認できない左側の部分に案内されて遊技領域3の上部領域に到達する。
また、図示省略するが、遊技盤2の盤面のうち遊技領域3の範囲には複数の遊技釘が打ち込まれている。このため、遊技領域3を流下する遊技球は遊技釘に接触してその挙動が変化する。遊技球は、遊技領域3を流下する過程で後述する入球口10a,11a,12a,15aに入球するか、または入球せず遊技領域3を下端まで流下してアウト口19から遊技領域3外(内枠16側)へと排出される。アウト口19は遊技領域3に少なくとも一つ設けられており、複数ある場合はその一つが遊技領域3の下端に位置している。
ここで、遊技盤2の盤面の中央側に、大型のセンター装飾体20が配置されて、レール部材17等の遊技領域形成手段から内側に離間している。このセンター装飾体20は環状あるいは枠状であり、遊技盤2の略中央に形成されている大型の開口(図示せず)の縁に沿って取り付けられている。そして、遊技盤2の背後に位置する演出表示装置7(液晶パネル等)の画面(前面)の略全体が、センター装飾体20の内側開口を通じて盤面前側に露出し、パチンコ遊技機1の正面視では、センター装飾体20が演出表示装置7の画面の周囲を装飾するように位置している。センター装飾体20は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
なお、遊技盤2には、前述したセンター装飾体20内を含む複数箇所に発光手段(LED)が設けられており、その発光により遊技盤2を装飾するように構成されている。このように遊技盤2に設けられる装飾用の発光手段のことを、以下では「盤ランプ2a」と称することとする(図4)。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
センター装飾体20は、遊技盤2の盤面より前側に環状(枠状)に突出しているので、遊技領域3を流下する遊技球がセンター装飾体20の内周側(画面の前方空間)に移動することが防止される。そしてこのセンター装飾体20により、遊技領域3がその上部で左右に分岐するように区画されている。すなわち、遊技領域3は、センター装飾体20の左側を流下する遊技球の経路である左遊技領域(第1の球流下領域)3Lと、センター装飾体20の右側を流下する遊技球の経路である右遊技領域(第2の球流下領域)3Rとを含む領域である。
遊技盤2には、その厚み方向に貫通する装着口(図示せず)が複数形成されており、その各装着口に対応して、第1始動入賞装置10と、一般入賞部材11と、第2始動入賞装置12と、ゲート13と、大入賞装置15とが配置されている。これらの構成は、遊技領域3を流下する遊技球が入球可能な入球口10a,11a,12a,13,15aを有している。以下の説明では、遊技球の入球に対して賞球を付与可能な入球口として定められているものを「入賞口」と称することがある。なお、入賞口への遊技球の入球のことを「入賞」と表現してもよい。また、入球口(入賞口)の一種である「始動口」(または「契機口」)とは、遊技球の入球が後述する特別図柄の変動表示の契機となる入賞口のことである。この始動口への遊技球の入球のことを「始動入球(始動入賞)」と表現することができる。
第1始動入賞装置10は、センター装飾体20の下方領域の中央部に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第1始動入賞装置10は、第1始動口10a及び第1始動口センサ10bを有する入賞装置(入賞部)である。第1始動口10aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第1始動口センサ10b(図3)は、第1始動口10aに入球(始動入球)した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第1始動口10aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。第1始動入賞装置10は、第1始動口10aを常に入球可能な状態に維持するように構成されており、第1始動口10aへの入球し易さや開口寸法を変化させるような部材は備えていない。
一般入賞部材11は、センター装飾体20の下方領域のうち左寄りの位置に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この一般入賞部材11は、一般入賞口11a及び一般入賞口センサ11bを有する入賞装置(入賞部)である。一般入賞口11aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。一般入賞口センサ11b(図3)は、一般入賞口11aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、一般入賞口11aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。一般入賞部材11は、一般入賞口11aを常に入球可能な状態に維持するように構成されており、一般入賞口11aへの入球し易さや開口寸法を変化させるような部材は備えていない。
図2には、遊技領域3の右下部(右遊技領域3Rの下半部)を拡大して示してある。なお、符号30は、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられた壁であり、当該壁30によって遊技球の経路が区画形成されて、遊技球の流下方向が制限されている。
この図2に示すように、ゲート13(作動口)は、センター装飾体20の右方領域に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。このゲート13には、通過する遊技球を検出するゲートセンサ13a(図3)が配置されている。なお、ゲート13は、遊技球が上下方向(上から下)に通過(入球)可能に構成されており、遊技球を遊技領域3外(遊技盤2の後面側)に導くような通路構造を有していない。
第2始動入賞装置12は、図1及び図2に示すように、センター装飾体20の右下方に配置されている。この第2始動入賞装置12は、第2始動口12a、普通作動部材12b、第2始動口センサ12c(図3)及び第2始動口ソレノイド12d(図3)を有する入賞装置(入賞部)であり、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。第2始動口12aは、遊技領域3内で左上方に向けて開口している。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入球(始動入球)した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第2始動口12aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。普通作動部材12bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、後側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と前側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。第2始動口ソレノイド12dは、普通作動部材12bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において普通作動部材12bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において普通作動部材12bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の普通作動部材12bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して上方(ゲート13側)からの遊技球を受けることなく下方へ通過させることで第2始動口12aへの遊技球の入球(始動入球)を阻止する。一方で、入球許容姿勢の普通作動部材12bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して上方(ゲート13側)からの遊技球を受け、上面を傾斜に沿って転動させる状態となることで第2始動口12aへの入球(始動入球)を許容する。すなわち、第2始動入賞装置12に設けられる第2始動口12aは、遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する入賞口(可変入球口、可変始動口)である。
この第2始動口12aについて、実際には開口寸法が変化しているわけではないが、以下の説明では便宜上、普通作動部材12bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、普通作動部材12bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
大入賞装置15は、図1及び図2に示すように、センター装飾体20の下方領域のうち右寄りの位置に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この大入賞装置15は、大入賞口15a(特別入賞口、特別入球口)、特別作動部材15b、大入賞口センサ15c(図3)及び大入賞口ソレノイド15d(図3)を有する入賞装置(入賞部)である。大入賞口15aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。大入賞口センサ15cは、大入賞口15aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、大入賞口15aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。特別作動部材15bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、前側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と後側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。大入賞口ソレノイド15dは、特別作動部材15bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において特別作動部材15bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において特別作動部材15bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の特別作動部材15bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して大入賞口15aを閉鎖することで大入賞口15aへの遊技球の入球を阻止し、遊技球を傾斜上の上面によって下流側(左下方)へと流下させる。一方で、入球許容姿勢の特別作動部材15bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して大入賞口15aを開放し、大入賞口15aへの遊技球の入球を許容する。すなわち、大入賞装置15に設けられる大入賞口15aは、その開口寸法が変動する(遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する)入賞口(可変入球口)である。
この大入賞口15aについて、以下の説明では、特別作動部材15bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、特別作動部材15bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
また、大入賞装置15の内部には、大入賞口15aに入球した遊技球が通過(入球)可能な特定領域が形成されており、大入賞口15aに入球した遊技球は特定領域を介して遊技盤2の後面側に排出されるようになっている。そして、大入賞装置15には、特定領域を通過(入球)する遊技球を検出する特定領域センサ55a(図3)が設けられている。本実施形態のパチンコ遊技機1では、大入賞口15aに入球した遊技球が必ず特定領域を通過して特定領域センサ55aにより検出される構造となっている。そして、後述の小当たり状態中の特定領域への遊技球の通過が、後述のV当たり状態への移行(後述の2種大当たり状態への発展)の契機となっている。
ここで、右遊技領域3Rには、前述した壁30や大入賞装置15により、ゲート13を通過して下方に流下する遊技球を大入賞装置15の上面に沿って左下方へ流下させる第1経路R1(所定経路)が形成されている。また、第1経路R1の右側に、遊技球を大入賞装置15とは異なる側に流下させる第2経路R2(別の経路)が形成されている。そして、ゲート13を通過して第1経路R1を通過した遊技球のみが大入賞装置15(大入賞口15a)に到達し得るように構成されている。
ところで、パチンコ遊技機1は、前述したハンドル4の操作に応じて遊技球の発射強度を調節することが可能であるので、発射強度の調節によって遊技球を左遊技領域3Lと右遊技領域3Rとに打ち分けることができる。本実施形態では、前述の盤面構成により、左遊技領域3Lに向かって発射(以下「左打ち」という)した遊技球が、左遊技領域3Lに設けられる入球口(第1始動口10a、一般入賞口11a)に入球する可能性がある。一方、右遊技領域3Rに向かって発射(以下「右打ち」という)した遊技球は、右遊技領域3Rに設けられる入球口(ゲート13、第2始動口12a、大入賞口15a)に入球する可能性がある。
[表示器類50の構成]
図1に示すように、遊技盤2の右下端部(遊技領域3の右下方)に、各種の遊技情報を表示する遊技情報表示手段である表示器類50が設けられている。この表示器類50は、図3に示すように、第1特別図柄(第1特図または特図1ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図または特図2ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。更に、表示器類50は、第1特別図柄表示器51での第1特図の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52での第2特図の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aとを備える。なお、本実施形態では、普通図柄表示器53での普通図柄の作動保留を記憶する記憶部が設けられていない(普図変動表示が行われていない状態に限り、ゲート13への遊技球の通過を契機として作動入球情報を取得し、普図当たり判定用に記憶する)ため、当該普通図柄の作動保留の記憶数を表示する表示器も備えていない。これに対し、普通図柄の作動保留を記憶する記憶部(普図保留記憶部)と、その記憶数を表示する表示器(普図保留表示器)とを備えるようにしてもよい。
以下、第1特図及び第2特図に共通の事項を説明する際に、単に特別図柄または特図という場合がある。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という場合がある。
普通図柄表示器53は、例えば2個のLEDから構成されている。点灯したLED及び消灯したLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート13(ゲートセンサ13a)を通過すると、所定の入球口(本実施形態では第2始動口12a)を開放するか否かの判定(普図当たり判定)が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普図当たり判定の結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、第2始動入賞装置12の普通作動部材12bが入球許容姿勢となることで、第2始動口12aが開放して普図当たり状態(後述する補助遊技)が発生する。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯しているLED及び消灯しているLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯するLED及び消灯しているLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
遊技球が第1始動口10aに入球すると、当たり(大当たり)か否かを判定する特図当たり判定(内部判定、大当たり判定、小当たり判定等と称することもある)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特図の変動表示を開始してから所定の変動時間の経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第1特図を確定表示する。第1特別図柄表示器51での新たな第1特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第1始動口10aに入球した場合は、その入球を契機とする第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示が保留(作動保留)され、その作動保留の数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口12aに入球すると、当たり(大当たり)か否かを判定する特図当たり判定(内部判定、大当たり判定、小当たり判定等と称することもある)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特図の変動表示を開始してから所定の変動時間の経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第2特図を確定表示する。第2特別図柄表示器52での新たな第2特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第2始動口12aに入球した場合は、その入球を契機とする第2特別図柄表示器52での第2特図の変動表示が保留(作動保留)され、その作動保留の数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを1回の特図変動(または特別図柄の1回の変動)という。また、特図変動の実行によって特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留の消化という。パチンコ遊技機1では、特別図柄表示器の作動保留がその発生タイミングの時系列順に特別図柄の変動表示に用いられ、特図保留数が消化される。但し、第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される(第2特図の変動表示が第1特図の変動表示よりも優先的に実行される)。なお、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示が終了してから特図保留数の消化によって次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に、所定の変動インターバル(特別図柄の停止時間)が設けられている。
[演出表示装置7の表示領域]
次に、演出表示装置7について説明する。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、パチンコ遊技機1の前方からそれらの画像を見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される(図1)。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の変動態様としては例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する態様、つまり、縦方向にスクロールする態様がある。なお、他の変動態様として、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される切替方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、前述した特別図柄表示器51,52での特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、特図当たり判定の結果を演出的に表示する。ここで、左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rは、同じ演出図柄が上下や左右に揺れながら停止位置に存在する表示状態(仮停止表示)となった後に、完全に停止した表示状態(確定表示)となってその変動表示が終了する。なお、全ての演出図柄7L,7C,7Rが同時に確定表示される。
以下、特図当たり判定(大当たり判定)の結果が大当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を「大当たり演出図柄」といい、特図当たり判定(小当たり判定)の結果が小当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を「小当たり演出図柄」といい、特図当たり判定の結果がハズレ(小当たり以外)であったことを表す組み合わせの演出図柄を「ハズレ演出図柄」という。大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。これに対し、小当たり演出図柄は、大当たり演出図柄(そろ目)以外の特定の組み合わせであり、例えば、左右の演出図柄の同じ数字を表す演出図柄で揃い、かつ中演出図柄がチャンス図柄となった状態等である。また、ハズレ演出図柄は、大当たり演出図柄・小当たり演出図柄以外の演出図柄の組み合わせである。以下、演出表示装置7が特別図柄表示器での特別図柄の変動表示(特図変動)と同期させて行う演出図柄の変動表示を「変動演出」という。また、変動演出での演出図柄の背後に表示される画像を「背景画像」という。なお、変動演出以外の演出や報知等についても、演出表示装置7に表示する主たる表示画像に対してその背後に表示する画像のことを「背景画像」ということがある。背景画像は、静止画像または動画像である。
演出図柄の変動演出は、特図の変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。なお、特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、図1に示すように、保留画像によって演出表示装置7の予め定められた表示領域(以下「演出保留表示領域7Ba,7Bb」という)に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7(演出保留表示領域7Ba,7Bb)に表示される保留画像の数を数えることにより、特別図柄の変動表示の作動保留数(第1特図保留数や第2特図保留数)を知ることができる。本実施形態では、遊技状態毎に、入球が生じ易い側の始動口(第1始動口10aまたは第2始動口12a)に対応する一方の特別図柄(第1特図または第2特図)の作動保留数を、左側のメイン演出保留表示領域7Baで表示し、他方の特別図柄の作動保留数を、右側のサブ演出保留表示領域7Bbで表示する。また、演出表示装置7の画面において、演出保留表示領域7Ba,7Bbの左側に、実行中の変動演出の存在を示すための当該変動用表示領域7Bcが設けられている。なお、演出保留表示領域7Ba,7Bbや当該変動用表示領域7Bcは、演出表示装置7の画面に設けられる必要はなく、別の表示装置の画面上に設けるようにしてもよいし、LED等を用いたランプ(発光手段)により構成するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1では、変動演出の結果(演出図柄の停止表示)による特図当たり判定の結果の報知に加えて、その変動演出の結果を示唆したりその結果表示までの過程を盛り上げたりする演出等を行う。このような演出は、演出表示装置7に表示される画像、スピーカ8から出力される音、遊技盤2や前面枠18のランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23c)の点灯等を複合的に用いて行われる。すなわち、パチンコ遊技機1に設けられる演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、演出を実行する演出実行手段として機能する。
なお、演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、パチンコ遊技機1に生じた異常状態を報知するための異常報知手段としても機能する。
[パチンコ遊技機1の主な電気的構成]
次に、図3及び図4を参照し、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60と、電源基板70と、払出制御基板73と、発射制御回路75と、音声制御基板78と、ランプ制御基板79と、貸球払出装置80と、発射装置90と、サブ制御基板100と、画像制御基板200とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図当たり種別乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入球の検出、特図当たり判定、普図当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、当否判定テーブルT1、大当たり種別判定テーブルT2,T3、小当たり種別判定テーブルT4、リーチ判定テーブルT5,T6、特図変動パターン選択テーブルT7,T8、普図当たり種別判定テーブルT10等の各種のテーブルが記憶されている。RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。
また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口10aに入球したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入賞情報)が記憶される。例えば第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入球すると、その入球に基づく第1特図の変動表示の実行はその時点では待機状態とされる。この場合、当該入球を契機として取得された始動入賞情報が第1特図保留記憶部64aに記憶され、その後に変動開始が可能となった時に、その始動入賞情報に基づく第1特図の変動表示が開始される。すなわち、第1始動口10aへの入球を契機として始動入賞情報が取得されたタイミングで特図変動表示を開始できない場合、その始動入賞情報に基づく第1特図の変動表示の実行は、変動開始条件(始動条件)が成立するまで保留(作動保留)される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口12aに入球したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入賞情報)が記憶される。例えば第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入球すると、その入球に基づく第2特図の変動表示の実行はその時点では待機状態とされる。この場合、当該入球を契機として取得された始動入賞情報が第2特図保留記憶部64bに記憶され、その後に変動開始が可能となった時に、その始動入賞情報に基づく第2特図の変動表示が開始される。すなわち、第2始動口12aへの入球を契機として始動入賞情報が取得されたタイミングで特図変動表示を開始できない場合、その始動入賞情報に基づく第2特図の変動表示の実行は、変動開始条件(始動条件)が成立するまで保留(作動保留)される。
大当たり乱数等の始動入賞情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、始動入賞情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている始動入賞情報は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示の開始タイミングが到来した際(変動表示の始動条件が成立した際)に実行される。
なお、パチンコ遊技機1では、前述したように第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される。つまり、第1特図保留数と第2特図保留数とが何れも複数存在する場合、先ず第2特図保留数が順に消化され、次に第1特図保留数が順に消化される。例えば、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域と、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域とに始動入賞情報が記憶されている状態で、特図の変動表示の開始タイミングが到来した場合は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が実行エリア(実行対象領域)にシフトし、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。一方でこの時、第1特図保留記憶部64aでは第1記憶領域の始動入賞情報はシフトされず、その後に第2特図保留数が0の状態での特図の変動表示の開始タイミング到来時になると実行エリア(実行対象領域)にシフトして、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1は、普通図柄表示器53での普図変動表示中に遊技球がゲート13を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した情報(作動入球情報)を記憶するための記憶部(記憶領域)を備えていない。すなわち、普通図柄表示器53で普通図柄を変動表示しておらず、かつ補助遊技をしていない(普通作動部材12bを作動していない)状態で(後述するゲート入球フラグがOFFの時に)遊技球がゲート13を通過した場合にのみ、普図当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)や普図当たり種別乱数(普図当たりの種類を決定するための乱数)等の値(作動入球情報)が取得され、その取得された乱数値(作動入球情報)を契機とする普図当たり判定が実行されて、その普図当たり判定の結果に基づく内容の普図変動表示が普通図柄表示器53で実行される。
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。すなわち、RAMクリアスイッチ66は、パチンコ遊技機1の後側から押下可能となっている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120を初期化する。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。更に、主制御基板60には、中継基板74を介して、第1始動口センサ10bと、一般入賞口センサ11bと、第2始動口センサ12cと、大入賞口センサ15cと、ゲートセンサ13aと、特定領域センサ55aとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ10bは、第1始動口10aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ11bは、一般入賞口11aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ15cは、大入賞口15aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に入球した(通過している)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。遊技球が前述の各センサ10b,11b,12c,15c,13aのうちゲートセンサ13a以外のセンサによって検出されると、センサ毎に予め定めた個数の賞球の払出条件がそれぞれ成立する。
また、特定領域センサ55aは、大入賞装置15内部の特定領域を通過する遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。
また、主制御基板60には、中継基板74を介して、第2始動口ソレノイド12dと、大入賞口ソレノイド15dとが電気的に接続されている。第2始動口ソレノイド12dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、普通作動部材12bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。大入賞口ソレノイド15dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、特別作動部材15bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。
主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて、打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100(図4)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第1始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入球したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した始動入賞情報(大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数等の値)を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入球したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した始動入賞情報(大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数等の値)を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現在(現時点)の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときには、その電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときや、RAM120の記憶内容がクリアされたときでも、現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。パチンコ遊技機1では、RTC124による計時の結果に基づいて特別な演出を実行することが可能となっている。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ5c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23cおよび可動体モータ23dが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて、トップランプ23c内の回転リフレクタの動作態様を決める回転動作パターンデータを作成し、その回転動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した回転動作パターンデータに従って可動体モータ23dの駆動制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ5aと、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ5bと、演出レバー振動モータ6cとが電気的に接続されている。
演出ボタン検出スイッチ5aは、演出ボタン5が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。また、演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。更に、演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。これに対し、演出制御用マイコン101は、演出の一種であるボタン演出の期間中、演出ボタン検出スイッチ5aから入力した信号に基づいて、ボタン演出の演出内容に変化を付与する。また、演出制御用マイコン101は、演出の一種であるレバー演出(遊技者に押込操作や回転操作を促すレバー演出)の期間中、演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、レバー演出の演出内容に変化を付与する。
演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させる部材であり、演出ボタン5の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ5bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン5を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ5bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
(大当たり遊技状態、小当たり状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1は、従来において1種パチンコ機および2種パチンコ機と呼ばれていた各遊技機の遊技性を組み合わせた、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。ここで、1種パチンコ機の遊技性とは、始動口への入球を契機とする特図当たり判定の大当たり判定(大当たり抽選)で当選となった場合に大当たり遊技状態を生じさせるものであり、2種パチンコ機の遊技性は、始動口への入球を契機とする特図当たり判定の小当たり判定(小当たり抽選)で当選となった場合に大入賞口を開放し、その開放中に入球した遊技球が当該大入賞口内部の特定領域を通過したことを契機として大当たり遊技状態へと発展させるものである。1種2種混合機である本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への入球を契機とする特図当たり判定において大当りに当選した場合に大当たり遊技状態(以下「1種大当たり状態」ということがある)を生じさせる。また、始動口への入球を契機とする特図当たり判定において、大当たり判定がハズレかつ小当たり判定が当たりの結果となった場合(小当たりに当選した場合)には、大入賞口を開放する小当たり状態を生じさせ、この小当たり状態中に大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球した場合に限り、大当たり遊技状態(以下「2種大当たり状態」ということがある)へと発展させる。なお、2種大当たり状態は、前述の如く小当たり状態から発展するものであるので、小当たり状態を1ラウンドとみなし、特定領域への入球後に生じる開放(V当たり状態)については2ラウンド以降のラウンドとして計数する。すなわち、小当たり状態とその後のV当たり状態とによって2種大当たり状態が構成される。これに対し、V当たり状態のみを大当り遊技状態と捉えることも可能である。
本実施形態において大当たり遊技状態及び小当たり状態は、同一の大入賞口(大入賞口15a)への遊技球の入球を狙うことのできる期間を含む遊技状態である。大当たり遊技状態は、オープニング期間、複数回のラウンド(遊技球の入球を狙うことのできる期間)が生じる連続作動期間、エンディング期間の順に状態が変化する。ラウンド中は、大入賞口ソレノイド15dを駆動することにより特別作動部材15bを作動させて、大入賞口15aを開放する。ここで、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり状態)を除いた大当たり遊技状態の各ラウンドは、大入賞口15aに入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するかの何れか早い方のラウンド終了条件が成立することに応じて終了する。一方で2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり状態)は、それ以外のラウンドよりも短い開放時間(例えば1.8秒)が経過するか、大入賞口15aに入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数(10球以下の所定個数)に達するかの何れか早い方のラウンド終了条件(基本的には開放時間の経過)が成立することに応じて終了する。なお、ラウンドとラウンドの間にインターバル時間(ラウンドインターバル)が設定されており、少なくともこのインターバル時間には大入賞口15aが閉鎖状態を維持するように設定(大入賞口ソレノイド15dが非作動に制御)される。
(時短遊技状態、非時短遊技状態)
以下、一般的な時短遊技状態の各機能(特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の変動短縮機能、第2始動口12aの開放時間延長機能、第2始動口12aの開放回数増加機能)について説明する。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1は、以下に説明する機能のうち、特別図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能とを有し、これらの機能を作動させることによって時短遊技状態を生起させる。
普通図柄表示器53での表示(普通図柄)の確率変動機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。この普通図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して普図当たり判定の当たり確率が向上する。その結果、普通図柄の確率変動機能が作動する状態では、普通作動部材12bが作動して第2始動口12aが開放する頻度を高めることが可能である。
但し、本実施形態のパチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、普通図柄の確率変動機能を有しない。これに対し、当該機能を有することとしてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52での各表示(特別図柄)についての確率変動機能(特図当たり判定の当たり確率を向上させる機能)も備わっておらず、通常(低確率状態)よりも大当たり確率が高い遊技状態(所謂「確変遊技状態」)は存在しない。これに対し、特別図柄の確率変動機能を作動させる確変遊技状態を生起可能としてもよい。なおこの場合、確変遊技状態は時短遊技状態と同時に生起させてもよい。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態では、例えば特図変動表示の結果が導出される頻度を高めることができ、大当たり遊技状態等が生起するまでの遊技時間を短縮することが可能である。また、特図保留の消化ペースが早いことで始動口への有効な入球(特図保留)が発生し易くなるため、スムーズな遊技進行を実現可能である。
また、普通図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動時間が短くなる。本実施形態のパチンコ遊技機1は当該機能を有しておらず、普通図柄の変動時間は常に0.1秒(100ms)となるように設定されている。これに対し、普通図柄の変動時間短縮機能を有するようにしてもよい。当該機能を有する場合、普通図柄の変動時間は、変動時間短縮機能が作動していない状態では例えば30秒(30000ms)とし、変動時間短縮機能が作動している状態では0.1秒(100ms)とすること等が可能である。
更に、第2始動口12aについての開放時間延長機能及び開放回数増加機能の少なくとも何れかが作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。普通図柄が予め定めた普通図柄で確定表示された場合に、現在の遊技状態に応じた作動パターンにて第2始動口12aを開閉させる補助遊技が行われる。この補助遊技における第2始動口12aの開放時間が、開放時間延長機能によって非時短遊技状態の場合よりも長くなる。また、この補助遊技における第2始動口12aの開放回数が、開放回数増加機能によって非時短遊技状態の場合よりも多くなる。従って、開放時間延長機能や開放回数増加機能が作動する状況下では、第2始動口12aへの遊技球の入球頻度が高められる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。
このように、特別図柄や普通図柄についての変動時間短縮機能と、第2始動口12aについての開放時間延長機能及び開放回数増加機能とは、第2始動口12aへの遊技球の入球頻度を高めるためのサポート機能である。これらのうち特に、普通作動部材12bの動作(第2始動口ソレノイド12dの駆動)に関する開放時間延長機能及び開放回数増加機能について、その少なくとも1つの機能を作動させる制御のことを、「電サポ制御」ということがある。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、上記機能のうち、特別図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能とを作動可能であり、遊技状態として、これら2つの機能が共に作動しない非時短遊技状態と、これら2つの機能が共に作動する時短遊技状態とを生起させ得るようになっている。但し、時短遊技状態は、少なくとも1つの機能を作動させる状態であればよく、例えば、上記2つの機能に加えてまたは少なくとも1つの機能に替えて、普通図柄の確率変動機能を作動する遊技状態としてもよい。
なお、本実施形態における「時短遊技状態」は、(開放時間延長機能による)電サポ制御がなされる状態であり、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、「高ベース状態(有利遊技状態)」と言い換えることができる。一方で「非時短遊技状態」は、前述した高ベース状態に対して「低ベース状態(通常遊技状態)」と言い換えることができる。
ここで、パチンコ遊技機1における時短遊技状態の付与条件としては例えば、予め定められた大当たり図柄(特別図柄)を決定したことに基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態)が終了すること、予め定められた小当たり図柄(特別図柄)を決定した場合の小当たり状態で遊技球が特定領域を通過したことに基づく大当たり遊技状態(2種大当たり状態)が終了すること、予め定められた時短図柄(特別図柄)を決定した際の特図当たり判定の結果に基づく特図変動表示が終了すること、等を設定することができる。
また、パチンコ遊技機1における時短遊技状態の終了条件としては例えば、予め定められた回数の特図変動表示が実行されること、予め定められた回数の普図変動表示が実行されること、予め定められた回数の特図変動表示(または予め定められた回数の普図変動表示)が実行されるまでの間に大当たりが決定されて対応する特図変動表示が終了(大当たり遊技状態が開始)すること、予め定められた回数の特図変動表示(または予め定められた回数の普図変動表示)が実行されるまでの間に予め定められた回数目の小当たりが決定されて対応する特図変動表示が終了(小当たり状態が開始)すること、予め定められた回数の特図変動表示(普図変動表示)が実行されるまでの間に予め定められた小当たり図柄(特別図柄)が決定されて対応する特図変動表示が終了(小当たり状態が開始)すること、等を設定することができる。
なお、本実施形態における時短遊技状態の付与条件及び終了条件については後述する(図6及び図7の判定テーブル参照)。
[主な判定テーブル]
次に、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン61が参照する主な判定テーブルについて説明する。
(当否判定テーブルT1)
図5に示す当否判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)を実行する際に参照するテーブルである。当否判定テーブルT1は、特図当たり判定の種類(第1特図・第2特図のどちらに対応するか)と、大当たり乱数値とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生させる値である。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数値が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の値をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数値を発生させ得る。
当否判定テーブルT1には、第1特図の特図当たり判定用の大当たり乱数値として、0~327の計328個の値が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数値が0~327の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~327以外(328~65535)であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
また、当否判定テーブルT1には、第2特図の特図当たり判定用の大当たり乱数値として、0~327の計328個の値が設定されている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数値が0~327の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~327以外(328~65535)であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。但し、ハズレ(大当たりではない)と判定される大当たり乱数値のうち、328~2312の範囲内の値であった場合は、小当たりと判定される。すなわち、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、大当たりではないと判定された場合、第2特図の判定では小当たりと判定されることがあり、その当選確率は大当たりに比べて非常に高い。また、本実施形態では、第1特図の当たり判定で小当たりと判定されることがないため、第2特図の判定では、第1特図の当たり判定に比して小当たりと判定される確率が非常に高い。
(大当たり種別判定テーブルT2,T3)
図6(a)および図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2,T3は、特図当たり判定において大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生させる値である。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数値が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数値を発生させ得る。
ここで、特別図柄のうち第1特図として、大当たりしたこと(大当たり遊技状態が生起すること)を示す複数種類の大当たり図柄1-1~1-6と、大当たりや小当たりではないことを示す少なくとも1種類のハズレ図柄とが設定されている。なお、第1特図については、小当たりしたこと(小当たり状態が生起すること)を示す小当たり図柄は設定されていない。第1特図の特図当たり判定で大当たりと判定した場合は、図6(a)に示す大当たり種別判定テーブルT2に基づいて、大当たり図柄(大当たり種別)が決定され、この大当たり図柄の決定により、大当たり遊技状態の種類やその後の遊技状態の種類が決定される。なお、各大当たり遊技状態では、各ラウンドでの大入賞口15aの開放時間の上限が30秒に設定されている。
例えば、大当たり種別乱数値が0~13の範囲内であれば(14パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-1」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「大当たり図柄1-1」に対応する大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、1回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
また、大当たり種別乱数値が14~25の範囲内であれば(12パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-2」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「大当たり図柄1-2」に対応する大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、2回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
また、大当たり種別乱数値が26~35の範囲内であれば(10パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-3」が決定され、大当たり遊技状態のラウンド数として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「大当たり図柄1-3」に対応する大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、3回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
また、大当たり種別乱数値が36~43の範囲内であれば(8パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-4」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「大当たり図柄1-4」に対応する大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、4回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
また、大当たり種別乱数値が44~49の範囲内であれば(6パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-5」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「大当たり図柄1-5」に対応する大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、5回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
これに対し、大当たり種別乱数値が50~99の範囲内であれば(50パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-6」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「大当たり図柄1-6」に対応する大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が10回実行されるか、または、10回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
このように、第1特図の特図当たり判定において大当たりの判定結果が導出された場合には、「大当たり図柄1-1」~「大当たり図柄1-6」の6種類の大当たり図柄のうち何れかが決定され、これに応じて大当たり遊技状態のラウンド数(大当たり遊技状態の種類)及びその後の遊技状態が決定される。ここで、「大当たり図柄1-1」~「大当たり図柄1-5」の何れかが決定された場合には(50パーセント)、時短遊技状態として、終了条件となる特図変動表示の実行回数が77回に設定されている時短遊技状態が生起する。これに対し、「大当たり図柄1-6」が決定された場合には(50パーセント)、時短遊技状態として、終了条件となる特図変動表示の実行回数が10回のみに設定されている時短遊技状態が生起するようになっている。また、大当たり図柄の種類毎に、時短遊技状態の終了条件となる小当たり回数が異なっているが、この点は後述する。
一方で、特別図柄のうち第2特図としては、大当たりしたこと(大当たり遊技状態が生起すること)を示す1種類の大当たり図柄2-1と、小当たりしたこと(小当たり状態が生起すること)を示す複数種類の小当たり図柄a,b,c,d,e,fと、大当たりや小当たりではないことを示す少なくとも1種類のハズレ図柄とが設定されている。第2特図の特図当たり判定で大当たりと判定した場合は、図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2に基づいて、大当たり図柄(大当たり種別)が決定され、この大当たり図柄の決定により、大当たり遊技状態の種類やその後の遊技状態の種類が決定される。なお、大当たり遊技状態では、各ラウンドでの大入賞口15aの開放時間の上限が30秒に設定されている。
本実施形態では、第2特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果である場合、大当たり種別乱数値が0~99の何れであっても(100パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄2-1」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「大当たり図柄2-1」に対応する大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が500回実行されるか、または、1回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。すなわち、第2特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果になると、時短遊技状態の終了条件として特図変動表示の実行回数による終了条件が成立する可能性は極めて低く、小当たり回数による終了条件が成立する可能性が極めて高い。
(小当たり種別判定テーブル)
図7に示す小当たり種別判定テーブルT4は、小当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が小当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT4は、小当たり種別(小当たり図柄種別)毎に所定個数の小当たり種別乱数値を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する値である。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数値を発生させる。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の小当たり種別乱数値を発生させ得る。前述したように、本実施形態では前述のように、小当たり図柄として「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」、「小当たり図柄d」、「小当たり図柄e」及び「小当たり図柄f」の6種類が設定されている。
小当たり図柄が決定された場合には、小当たり状態が生起する。小当たり状態では、大入賞口15aが前述した大当たり遊技状態の各ラウンドの開放時間(30秒)よりも短い時間(1.8秒)だけ開放するように設定されている。また、小当たり状態で大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域を通過した場合には、小当たり状態から大当たり遊技状態(2種大当たり状態)に発展(V当たり状態に移行)する。この大当たり遊技状態(V当たり状態)の各ラウンド(2ラウンド以降)での大入賞口15aの開放時間の上限は、1種大当たり状態と同様に30秒に設定されている。
第2特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出された場合に、小当たり種別乱数値が0であれば(1パーセント)、小当たり図柄として「小当たり図柄a」が決定される。この場合には、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「小当たり図柄a」に対応する小当たり状態から発展した大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が500回実行されるか、または、1回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。すなわち、第2特図の特図当たり判定が小当たりの判定結果になり、「小当たり図柄a」が決定されると、時短遊技状態の終了条件として特図変動表示の実行回数による終了条件が成立する可能性は極めて低く、小当たり回数による終了条件が成立する可能性が極めて高い。
一方で、第2特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出された場合の小当たり種別乱数値が1~23の範囲内であれば(23パーセント)、小当たり図柄として「小当たり図柄b」が決定される。この場合には、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「小当たり図柄b」に対応する小当たり状態から発展した大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、1回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
また、小当たり種別乱数値が24~45の範囲内であれば(22パーセント)、小当たり図柄として「小当たり図柄c」が決定される。この場合には、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「小当たり図柄c」に対応する小当たり状態から発展した大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、2回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
また、小当たり種別乱数値が46~65の範囲内であれば(20パーセント)、小当たり図柄として「小当たり図柄d」が決定される。この場合には、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「小当たり図柄d」に対応する小当たり状態から発展した大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、3回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
また、小当たり種別乱数値が66~83の範囲内であれば(18パーセント)、小当たり図柄として「小当たり図柄e」が決定される。この場合には、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「小当たり図柄e」に対応する小当たり状態から発展した大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、4回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
また、小当たり種別乱数値が84~99の範囲内であれば(16パーセント)、小当たり図柄として「小当たり図柄f」が決定される。この場合には、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態として、時短遊技状態が決定される。この場合の時短遊技状態は、「小当たり図柄f」に対応する小当たり状態から発展した大当たり遊技状態の終了を契機に開始され、特図変動表示が77回実行されるか、または、5回目の小当たり状態の生起が決定されることに応じて終了することが定められている。
(リーチ判定テーブル)
図8(a)に示すリーチ判定テーブルT5は、遊技制御用マイコン61による第1特図の変動表示に対応する特図変動パターンの決定に関し、リーチ(ハズレリーチ)が出現する特図変動パターン(ハズレリーチ変動パターン)とするか否かを決定する際に参照するテーブルである。また、図8(b)に示すリーチ判定テーブルT6は、遊技制御用マイコン61による第2特図の変動表示に対応する特図変動パターンの決定に関し、リーチ(ハズレリーチ)が出現する特図変動パターン(ハズレリーチ変動パターン)とするか否かを決定する際に参照するテーブルである。これらのリーチ判定テーブルT5,T6は、リーチ乱数カウンタが発生させるリーチ乱数値と遊技状態とを対応付けて構成されている。本実施形態においてリーチ乱数カウンタは、0~255の計256個の値をカウントする。すなわち、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数値を発生させ得る。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数値を発生させる。
なお、リーチとは、演出表示装置7において変動表示される複数の演出図柄群(左演出図柄7L、中演出図柄7C、右演出図柄7R)のうち、特図当たり判定の結果を示す演出図柄の組み合わせのうち残り1つの演出図柄に対応する演出図柄群が停止表示(仮停止表示、停留表示)していない状態であって、その停止表示していない演出図柄が停止表示された時に、大当たりか否か等を示す演出図柄の組み合わせが構成されることになる。例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が停止表示されていると共に、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が停止表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが停止表示(仮停止表示、停留表示)されていない状態(スクロール表示や切替表示がされている状態)は、リーチの状態である。
また、前述した「停止表示(仮停止表示、停留表示)」は、演出図柄が表示領域内に留まりつつも静止していない表示状態であり、演出図柄が揺れている状態の他、拡大と縮小を繰り返す状態等が概念的に含まれる。これに対し、演出図柄の「確定表示」は、停止表示された演出図柄の組み合わせを静止させて表示する状態であり、その変動表示が終了したことを示す。
図8(a)に示すように、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合において、リーチ乱数値が0~27の範囲であれば、リーチ有り(すなわちハズレリーチ変動パターンとすること)を決定し、それ以外であれば、リーチ無し(すなわちリーチが出現しない通常変動パターンとすること)を決定する。これに対し、時短遊技状態では、第1特図の特図当たり判定が行われてハズレの判定結果となった場合に、リーチ乱数値が0~255の範囲のどの値であっても、リーチ無し(すなわちリーチが出現しない通常変動パターンとすること)を決定する。すなわち、時短遊技状態で第1特図の特図当たり判定が行われてハズレの判定結果となった場合には必ず、リーチが出現しない変動演出が実行され、リーチが出現する変動演出は実行されることがない(大当たりとなる変動演出のみ、リーチが出現し得る)。
図8(b)に示すように、第2特図の特図当たり判定がハズレの判定結果となった場合は、その時の遊技状態が時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかに関わらず、またリーチ乱数値が0~255の範囲のどの値であっても、リーチ無し(すなわちリーチが出現しない通常変動パターン)を決定する。すなわち、第2特図の特図当たり判定が行われてハズレの判定結果となった場合には必ず、リーチが出現しない変動演出が実行され、リーチが出現する変動演出は実行されることがない(大当たりや小当たりとなる変動演出のみ、リーチが出現し得る)。
このように、本実施形態において、特図当たり判定がハズレの判定結果となった場合の特図変動パターンとしてハズレリーチ変動パターンを決定するのは、非時短遊技状態中に行う第1特図の変動表示の特図変動パターンを決定する場合のみに限られ、他の場合はリーチが出現しない通常変動パターンが決定されるようになっている。
(特図変動パターン選択テーブル)
図9(a)に示す特図変動パターン選択テーブルT7は、遊技制御用マイコン61が第1特図の変動表示に関する特図変動パターンを決定する際に参照するテーブルである。また、図9(b)に示す特図変動パターン選択テーブルT8は、遊技制御用マイコン61が第2特図の変動表示に関する特図変動パターンを決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT7,T8には、大当たり乱数値、小当たり種別乱数値及びリーチ乱数値等の乱数値(大当たり判定、小当たり判定、リーチ判定の判定結果)と、変動パターン乱数値と、その特図当たり判定時の遊技状態や特図保留数と、の関係で、特図変動パターンの種類が振り分けられている。なお、特図変動パターンは、特図変動表示の変動時間や、変動演出の内容(変動演出パターン)等の情報を含んでいる。なお、特図変動パターン選択テーブルT7,T8に示す変動演出パターンは、特図変動パターンに対応して決定される変動演出の大まかな種類(演出内容)であり、参考のために記載してある。
変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する値である。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数値を発生させる。変動パターン乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数値を発生させ得る。
図9(a)に示すように、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われ、大当たりの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~94の範囲内であれば特図変動パターンP1が選択され、95~99の範囲内であれば特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70秒(70,000ms)であり、特図変動パターンP2の変動時間は30秒(30,000ms)である。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、リーチ状態から発展したSPリーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。これに対し、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合であり、かつリーチ判定でリーチ有りとなった場合には、変動パターン乱数値が0~4の範囲内であれば特図変動パターンP3が選択される一方、変動パターン乱数値が5~99の範囲内であれば特図変動パターンP4が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70秒(70,000ms)であり、特図変動パターンP4の変動時間は30秒(30,000ms)である。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、リーチ状態から発展したSPリーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。また、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合であり、リーチ判定でリーチ無しとなった場合には、リーチが出現しない通常変動パターンが選択される。この場合に、特図保留数が0~2個であれば、変動時間が10秒(10,000ms)の特図変動パターンP5が選択され、特図保留数が3,4個であれば、変動時間が5秒(5,000ms)の特図変動パターンP6が選択される。これらの特図変動パターンP5,P6に対応する変動演出パターンには、通常変動(非リーチかつハズレ変動)の演出内容が対応付けられている。
また、第1特図の特図当たり判定が時短遊技状態で行われ、大当たりの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~99の範囲内のどの値であっても、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP7の変動時間は5秒(50,000ms)であり、リーチ状態から発展したSPリーチを表示させる内容が対応付けられている。これに対し、第1特図の特図当たり判定が時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合には、リーチ判定でリーチ有りと判定されることがなく、特図変動パターンとしてリーチが出現しない通常変動パターンが選択される。この場合に、特図保留数が0,1個であれば、変動時間が5秒(5,000ms)の通常変動パターンP8が選択され、特図保留数が2~4個であれば、変動時間が2.5秒(2,500ms)の通常変動パターンP9が選択される。これらの特図変動パターンP8,P9に対応する変動演出パターンには、通常変動(非リーチかつハズレ変動)の演出内容が対応付けられている。
図9(b)に示すように、第2特図の特図当たり判定が行われて、大当たりの判定結果となった場合には、遊技状態が非時短遊技状態及び時短遊技状態の何れであるかに関わらず、また特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~99の範囲内のどの値であっても、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP10の変動時間は50秒(50,000ms)であり、リーチ状態から発展したSPリーチを表示させる内容が対応付けられている。また、第2特図の特図当たり判定が行われて、小当たりの判定結果となった場合には、遊技状態が非時短遊技状態及び時短遊技状態の何れであるかに関わらず、また特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~99の範囲内のどの値であっても、特図変動パターンP11が選択される。特図変動パターンP11の変動時間は50秒(50,000ms)であり、リーチ状態から発展したSPリーチを表示させる内容が対応付けられている。これらに対し、第1特図の特図当たり判定が行われてハズレの判定結果となった場合には、リーチ判定でリーチ有りと判定されることがなく、特図変動パターンとしてリーチが出現しない通常変動パターンが選択される。この場合に、特図保留数が0,1個であれば、変動時間が50秒(5,000ms)の通常変動パターンP12が選択され、特図保留数が2~4個であれば、変動時間が2.5秒(2,500ms)の通常変動パターンP13が選択される。これらの特図変動パターンP12,P13に対応する変動演出パターンには、通常変動(非リーチかつハズレ変動)の演出内容が対応付けられている。
(普通図柄当否判定テーブル)
図10に示す普通図柄当否判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン61が普図当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。普通図柄当否判定テーブルT9は、普図当たり乱数値と普図当たり判定の判定結果とを対応付けて構成されている。普図当たり乱数値は、普図当たり乱数カウンタが発生させる値である。普図当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図当たり乱数カウンタが動作して普図当たり乱数値が発生する。普図当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の普図当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の値をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の普図当たり乱数値を発生させ得る。
普通図柄当否判定テーブルT9には、普図当たり判定用の当たり乱数値として、0~59999の計60000個の値が設定されている。遊技制御用マイコン61は、普図当たり乱数カウンタから取得した普図当たり乱数値が0~59999の範囲内の値であった場合は普図当たりと判定し、60000~65535の範囲内の値であった場合は、普図当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
(普図当たり種別判定テーブル)
図11に示す普図当たり種別判定テーブルT10は、遊技制御用マイコン61が普通作動部材12bの作動パターンを決定する際に参照するテーブルである。普図当たり種別判定テーブルT10には、普通図柄の当たり図柄毎に普図当たり種別乱数値が振り分けられ、各当たり図柄には普通作動部材12bの作動パターン対応付けられている。なお、普通作動部材12bの作動パターンは、第2始動口12aの開放時間(普通作動部材12bの作動時間)の情報を含んでいる。
普図当たり種別乱数値は、普図当たり種別乱数カウンタが発生する値である。普図当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図当たり種別乱数カウンタが動作して普図当たり種別乱数値を発生させる。普図当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において普図当たり種別乱数カウンタは、0~232の計233個の値をカウントする。つまり、0~232の計233個の普図当たり種別乱数値を発生させ得る。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通作動部材12bの作動パターンとして、短時間作動パターンFS1、中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)及び長時間作動パターンFS3(第1の作動パターン)の3種類が設定されている。このうち短時間作動パターンFS1は、第2始動口ソレノイド12dを36msだけ励磁状態とする(36msの間、普通作動部材12bを作動して第2始動口12aを開放する)作動パターンとなっている。一方、長時間作動パターンFS3は、第2始動口ソレノイド12dを5800msにわたって励磁状態とする(5800msの間、普通作動部材12bを作動して第2始動口12aを開放する)作動パターンとなっている。これらに対し、中時間作動パターンFS2は、第2始動口ソレノイド12dを600msだけ励磁状態とする(600msの間、普通作動部材12bを作動して第2始動口12aを開放する)作動パターンとなっている。
図11に示すように、非時短遊技状態で行われた普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合には、普図当たり種別乱数値が0~116の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz1が決定され、作動パターンとして短時間作動パターンFS1が選択される。一方、普図当たり種別乱数値が117~232の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定され、作動パターンとして短時間作動パターンFS1が選択される。すなわち、非時短遊技状態では、ゲート13への遊技球の通過を契機とする普図当たり判定において当たりの判定結果となった場合の約50パーセントが短時間作動パターンFS1となり、残りの約50パーセントが中時間作動パターンFS2となるので、普図当たり判定が当たりの判定結果となっても第2始動口12aは短時間しか開放されない可能性が高く、かつ、やや短い時間(中時間)開放する可能性もある。
これに対し、時短遊技状態で行われた普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合には、普図当たり種別乱数値が0~82の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz1が決定され、作動パターンとして中時間作動パターンFS2が選択される。一方、普図当たり種別乱数値が83~232の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定され、作動パターンとして長時間作動パターンFS3が選択される。すなわち、非時短遊技状態では、ゲート13への遊技球の通過を契機とする普図当たり判定において当たりの判定結果となった場合の約36パーセントが中時間作動パターンFS2となり、残りの約64パーセントが長時間作動パターンFS3となるので、普図当たり判定が当たりの判定結果となると第2始動口12aが長時間開放される可能性が高く、かつ、やや短い時間(中時間)しか開放しない可能性もある。
以上のように、遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態と時短遊技状態とで異なる決定確率により普通作動部材12bの複数種類の作動パターンを決定する。ここで、遊技制御用マイコン61が時短遊技状態において非時短遊技状態よりも高い確率で第2始動口12aの開放時間が長い作動パターン(長時間作動パターンFS3)を決定するように制御することが、前述した(開放時間延長機能による)電サポ制御に相当する。
なお、普通作動部材12bの作動パターンとして中時間作動パターンFS2を有することについては、本実施形態のパチンコ遊技機1における特徴事項の一つであるため、後段で詳述することとする。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図12を参照し、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、小当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普図当たり乱数値及び普図当たり種別乱数値を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4ms周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4ms周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図13を参照し、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ15c、特定領域センサ55a、一般入賞口センサ11b等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図12のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄関連処理(S18)を順に実行し、次にその他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S19)は、パチンコ遊技機1に異常状態が生じているかを判定する異常判定処理等である。例えば異常判定処理としては、不正入球を検出する不正入球検出処理、不正な磁気を検出する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検出する扉開放処理、不正な電波を検出する電波検出処理、衝撃(振動)を検出する衝撃検出処理等がある。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4ms後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(図柄用センサ検出処理)
次に、図14を参照し、図柄用センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート13を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート13を通過したことはゲートセンサ13aによって検出される。遊技球がゲート13を通過したと判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、ゲート入球フラグがONであるかOFFであるかを判定する。このゲート入球フラグは、遊技球がゲート13を通過してから対応する普図変動表示が終了するまで(普図当たりの場合は普通作動部材12bの作動が終了するまで)の期間にONとされるフラグである。前述したように本実施形態では普通図柄の作動保留を記憶する記憶部を備えていないことから、当該ゲート通過処理(S31)においてゲート入球フラグの状態を確認し、ONの場合には、前述したゲートセンサ13aによる検出を無効な検出(普図変動表示または補助遊技の実行中の検出)として当該処理を終了する。これに対し、ゲート入球フラグがOFFの場合には、ゲートセンサ13aによる検出を有効な検出(普図変動表示及び補助遊技の非実行中の検出)として、ゲート入球フラグをONに変更し、当該処理を終了する。
S31の終了後、又は遊技球がゲート13を通過していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口12aに入球したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口12aに入球したことは第2始動口センサ12cによって検出される。遊技球が第2始動口12aに入球していない場合(S32:No)、S38に進むが、遊技球が第2始動口12aに入球したと判定した場合(S32:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合(S33:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入球したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口10aに入球したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口10aに入球したことは第1始動口センサ10bによって検出される。遊技球が第1始動口10aに入球していない場合(S38:No)、センサ検出処理を終了するが、第1始動口10aに入球したと判定した場合(S38:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:Yes)、センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入球したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
(普通動作処理)
次に、図15を参照し、普通動作処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、補助遊技中(普通作動部材12bの作動中)であるか否かを判定し(S50)、補助遊技中ではないと判定した場合は(S50:No)普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S51)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の停止表示中ではないと判定した場合は(S51:No)、普通図柄の変動表示中か否かを判定し(S52)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合は(S52:No)、前述したゲート入球フラグがOFFであるか否か(すなわちゲートセンサ13aによる有効な検出が発生したか否か)を判定する(S53)。ここで、遊技制御用マイコン61は、ゲート入球フラグがOFFであると判定した場合は(S53:Yes)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S53においてゲート入球フラグがONであると判定した場合、すなわち有効なタイミングで遊技球がゲート13を通過した場合には(S53:No)、普図当たり判定処理を行う(S54-1)。この普図当たり判定処理(S54-1)では、取得した普図当たり乱数値と普通図柄当否判定テーブルT9との関係に基づいて普図当たり判定を行い、普図当たりか否か判定する。そして、この普図当たり判定が当たりの判定結果の場合、普図当たり種別乱数値と普図当たり種別判定テーブルT10との関係に基づいて普図決定処理(普図当たり種別決定処理を含む)を行い、普図当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM64の所定の記憶領域にセットする(S54-2)。つまり、普図決定処理(S54-2)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば、普図当たり種別決定処理に応じて決定した「普通当たり図柄」(普通図柄hz1または普通図柄hz2)に応じたデータをセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動時間決定処理を行う(S54-3)。普図変動時間決定処理(S54-3)では、遊技状態が時短遊技状態および非時短遊技状態の何れであっても、普通図柄の変動時間が0.1秒であって普通図柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。本実施形態では、普通図柄の変動時間(普図変動パターン)が遊技状態に関わらず一定となっている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、S54-1、S54-2及びS54-3において決定した内容(変動時間、停止図柄)に基づいて普通図柄の変動表示を開始する(S54-4)。なお、これに伴い、サブ制御基板100に普通図柄の変動開始と、その変動表示の結果(停止表示する普通図柄の種類)とを知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。この普図変動開始コマンドには、S54-1、S54-2及びS54-3において決定した普図当たり判定の当否、停止図柄及び普図変動時間が含まれている。
また、遊技制御用マイコン61は、S52において、普通図柄の変動表示中であると判定した場合は(S52:Yes)、普通図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S55-1)、終了していないと判定した場合は(S55-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了したと判定した場合は(S55-1:Yes)、普通図柄の変動表示を、普図当たり判定や普図当たり種別判定の結果に応じた表示結果(普通当たり図柄または普通ハズレ図柄)で停止させる(S55-2)。そして、サブ制御基板100に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンド(普図用の変動停止コマンド)をセットするとともに(S55-3)、普通図柄の停止時間をセットし(S55-4)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S51において、普通図柄の停止表示中であると判定した場合は(S51:Yes)、S56-1において普通図柄の停止時間が終了したか否か判定し、終了していないと判定した場合は(S56-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了していると判定した場合は(S56-1:Yes)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否か、つまり、当たりか否かを判定し(S56-2)、当たりではないと判定した場合は(S56-2:No)、ゲート入球フラグをOFFとして(S59)、普通動作処理を終える。一方、当たりと判定した場合は(S56-2:Yes)、時短遊技状態であるか否かを判定し(S56-3)、時短遊技状態であると判定した場合は(S56-3:Yes)、普通作動パターン決定処理(時短)を実行する(S57-1)。これに対し、当たりと判定し(S56-2:Yes)かつ非時短遊技状態であると判定した場合は(S56-3:No)、普通作動パターン決定処理(非時短)を実行する(S57-2)。
ここで、S57-1の普通作動パターン決定処理(時短)では、普通作動部材12bの普通作動パターンを、前述した普図当たり種別判定テーブルT10(図11)に基づいて決定する。すなわち、時短遊技状態中に補助遊技を行う場合の普通作動部材12bの作動パターンとして、中時間作動パターンFS2及び長時間作動パターンFS3の2種類があり、その何れかが決定される。そして、遊技制御用マイコン61は、続くS57-3において作動パターンをセットし、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を開始させる(S57-3)。これにより、時短遊技状態中には、第2始動口12aが基本的に5800ms開放され、場合によっては600ms開放される。そして、普通動作処理を終了する。
これに対し、S57-2の普通作動パターン決定処理(非時短)では、普通作動部材12bの普通作動パターンを、前述した普図当たり種別判定テーブルT10(図11)に基づいて決定する。すなわち、非時短遊技状態中に補助遊技を行う場合の普通作動部材12bの作動パターンとして、短時間作動パターンFS1及び中時間作動パターンFS2の2種類があり、その何れかが決定される。そして、遊技制御用マイコン61は、続くS57-3において作動パターンをセットし、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を開始させる(S57-3)。これにより、非時短遊技状態中には、基本的には36ms開放され、場合によっては600ms開放される。そして、普通動作処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS50において補助遊技中(普通作動部材12bの作動中)であると判定した場合は(S50:Yes)、補助遊技の終了条件(普通作動部材12bの作動終了条件)が満足されたか否かを判定する(S58-1)。ここで、作動終了条件とは、S57-1またはS57-2においてセットされた作動パターン毎の作動時間が終了したという作動時間終了条件、あるいは、第2始動口12aへの入球数が規定の入球数に達したという規定入球数条件である。また、規定入球数条件は、第2始動口12aへの入球数が10個と定められている。
遊技制御用マイコン61は、作動終了条件が満足されていないと判定した場合は(S58-1:No)、普通動作処理を終える。一方、満足されたと判定した場合は(S58-1:Yes)、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を終了させ(S58-2)、かつゲート入球フラグをOFFとして(S59)、普通動作処理を終了する。
(特別図柄待機処理)
次に、図16を参照し、特別図柄待機処理(S17)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間および停止時間の何れかを計測中であるか否かを判定し(S60)、計測中であれば(S60:Yes)、特別図柄待機処理を終了する。一方で、特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していなければ(S60:No)、S61に進む。遊技制御用マイコン61は、S61において、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」ではないと判定した場合(S61:No)、すなわち、第2特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図当たり判定処理(S62)及び第2特図変動パターン選択処理(S63)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S64)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S65)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S66)。この第2特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。S66の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS61において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S61:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S67)。「0」ではないと判定した場合(S67:No)、すなわち、第1特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図当たり判定処理(S68)及び第1特図変動パターン選択処理(S69)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S70)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S71)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S72)。この第1特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第1特別図柄表示器51において第1特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第1特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。S72の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S67:Yes)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S73)。待機状態は、大当たり遊技状態中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起する状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S73:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S73:No)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S74)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間を計測し、この待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S61:Yes)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(第2特図当たり判定処理(第1特図当たり判定処理))
次に、図17を参照し、第2特図当たり判定処理(S61)及び第1特図当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図当たり判定処理と第1特図当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、当否判定テーブル(この例では当否判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、当否判定テーブルT1の大当たりに対応する乱数値(判定値)の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数値と同じ乱数値が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
大当たりと判定した場合(S82:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S83)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2,T3)を参照し、大当たりの種別を判定する(S84)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短遊技状態の上限回数についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S84で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、当否判定テーブルT1の小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S85)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりと判定した場合(S85:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S86)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブルT4を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域の通過による大当たり遊技状態の有無、時短遊技状態の継続、時短遊技状態の終了等についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、小当たりと判定しなかった場合(S85:No)、すなわちハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
特図当たり判定処理におけるS82の処理が、本発明の特図当たり判定(大当たり判定)の一例である。また、特図当たり判定処理におけるS85の処理が、本発明の特図当たり判定(小当たり判定)の一例である。
(特図変動パターン選択処理(第1・第2特図変動パターン選択処理))
次に、図18及び図19を参照し、第2特図変動パターン選択処理(S62)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と第1特図変動パターン選択処理とは、処理の流れが同じであるため、特図変動パターン選択処理としてまとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態であることを示す時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S90)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S91に移行する。時短フラグがOFFではないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、S99に移行する。
S91,S99に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグがONであると判定した場合(S91,S99:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92,S100)。例えば、非時短遊技状態である場合、特図変動パターン選択テーブルT7を参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92)。また、時短遊技状態である場合は、特図変動パターン選択テーブルT8を参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S100)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
また、大当たりフラグがONではないと判定した場合(S91,S99:No)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S93,S101)。小当たりフラグがONであると判定した場合(S93,S101:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S94,S102)。前述したように本実施形態では、第1特図の抽選で小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。第2特図の抽選で小当たりに当選した場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT8を参照して、小当たり用の特図変動パターンを選択する(S94,S102)。その後、遊技制御用マイコン61は、S98に移行する。
一方、小当たりフラグがOFFであると判定した場合(S93,S101:No)、遊技制御用マイコン61は、S95,S103に移行する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数値を取得し、その取得したリーチ乱数値がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S95,S103)。遊技制御用マイコン61は、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT5のリーチ成立に対応する乱数値(判定値)の中に存在するならば、リーチ成立乱数であると判定する(S95,S103:Yes)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S96,S104)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
一方、取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S95,S103:No)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して、リーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S97,S105)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
S92,S94,S96,S97,S100,S102,S104,S105の終了後、S98に移行した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし、特図変動パターン選択処理を終了する。S98で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS66,S72でセットされる特図変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(特別図柄関連処理)
次に、図20を参照し、特別図柄関連処理(S18)について説明する。
遊技制御用マイコン61は先ず、特別図柄(第1特図、第2特図)の変動時間(S98でセットした特図変動パターンに応じた時間)の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S110)。そして、変動時間の終了タイミングであると判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S88でセットした特図停止図柄データに応じた特別図柄の停止図柄を表示(特別図柄の変動表示を確定表示)する(S111-1)と共に、特図変動停止コマンド(特図用の変動停止コマンド)をRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111-2)。また、特別図柄の停止時間の計測を開始する(S111-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、S111-3の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS110において特別図柄の変動時間の終了タイミングではないと判定した場合(S110:No)、前述したS111-3において開始した特別図柄の停止時間の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S112)。停止時間の終了タイミングであると判定した場合(S112:Yes)、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114-1)、ONであると判定した場合(S114-1:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S114-2)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。
遊技制御用マイコン61は、前述したS112において特別図柄の停止時間の終了タイミングではないと判定した場合(S112:No)、遊技状態が大当たり遊技状態(1種大当たり状態またはV当たり状態)であるか否かを判定する(S115-1)。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、大当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、大当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS115-1において大当たり遊技状態であると判定した場合には(S115-1:Yes)、1種大当たり状態またはV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S115-2)。そして、S115-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS115-1において大当たり遊技状態ではないと判定した場合(S115-1:No)、前述したS115-2を経由することなくS116-1に進み、遊技状態が小当たり状態であるか否かを判定する。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、小当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、小当たり状態であると判定する。そしてこのS116-1において小当たり状態であると判定した場合には(S116-1:Yes)、小当たり状態に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S116-2)。そして、S116-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(遊技状態管理処理)
次に、図21を参照し、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S113-1)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S113-1:No)、遊技制御用マイコン61は、後述するS113-7に移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S113-1:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値を1減算する(S113-2)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S113-3)。そして、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S113-3:Yes)に、時短フラグをOFFにし(S113-5)、S113-6に移行する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS113-3において1減算後の時短カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S113-3:No)、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態の終了条件のうち、当該時短遊技状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時であるか否かを判定する(S113-4)。そして、時短遊技状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時であると判定した場合(S113-4:Yes)、時短フラグをOFFにし(S113-5)、S113-6に移行する。これに対し、時短遊技状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時ではない判定した場合は(S113-4:No)、S113-5を経由することなく(時短フラグをOFFにせず)、S113-6に移行する。
S113-6において遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、その後、遊技状態管理処理を終了する。なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短遊技状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり状態、の何れかを含んでいる。S113-6(特別図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは、非時短遊技状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)、小当たり状態の何れかである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。時短カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、時短カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短遊技状態が終了し、非通常状態に移行する。
(特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態))
次に、図22を参照し、1種大当たり状態またはV当たり状態に関する特別電動役物処理(S117)の内容について説明する。遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示中および停止表示中の何れでもなく、かつ大当たりフラグがONとなっている期間に、図22に示す特別電動役物処理を実行する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)において、大当たりオープニング設定(S117-1)、大当たりラウンド設定(S117-2)、大当たりエンディング設定(S117-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニング設定(S117-1)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)のオープニング期間(大当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(大当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりラウンド設定(S117-2)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のラウンド期間(ラウンド演出)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(ラウンド開始コマンド(開放コマンド)、ラウンド終了コマンド(閉鎖コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディング設定(S117-3)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のエンディング期間(大当たりエンディング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(エンディングコマンド、エンディング終了コマンド(大当たり終了コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
なお、遊技制御用マイコン61は、前述した大当たりオープニング設定や大当たりエンディング設定において、大当たりオープニングや大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。また、前述の大当たりラウンド設定において遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種類に応じた作動パターンで大入賞口15aを開閉させる。そして、ラウンド遊技中、大入賞口15aに上限個数の遊技球が入球するか、あるいは所定時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は大入賞口15aを閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種別毎に定められたラウンド回数分、大入賞口15aを開閉する。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合のラウンド遊技の終了後に、大当たりエンディング設定においてエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットし、出力する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の終了タイミング(大当たりエンディングの終了タイミング)であるか否かを判定する(S117-4)。そして、大当たり遊技状態の終了タイミングではないと判定した場合(S117-4:No)、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、S117-4において大当たり遊技状態の終了タイミングであると判定した場合(S117-4:Yes)、S117-5~S117-8の処理を実行する。ここで、遊技制御用マイコン61は、S117-5において大当たりフラグをOFFにし、続くS117-6において時短フラグをONにして、更にS117-7において時短カウンタをセットする。そしてS117-8において、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。遊技制御用マイコン61は、この特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(特別電動役物処理(小当たり状態))
次に、図23を参照し、小当たり状態に関する特別電動役物処理(S121)について説明する。遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて大入賞口15aを開放させるために、図23に示す特別電動役物処理(小当たり)を実行する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり状態)は第2特図に関連して実行されるため、第2特図を前提として説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(小当たり状態)において、小当たりオープニング設定(S119-1)、小当たり開放設定(S119-2)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定(S119-1)において、小当たり状態のオープニング期間(小当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(小当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。また、遊技制御用マイコン61は、小当たり開放設定(S119-2)において、小当たり状態における大入賞口15aの開放期間の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(開放コマンド、閉鎖コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域を通過したか否かを判定する(S119-3)。特定領域を通過する遊技球は、特定領域センサ55aによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S119-3:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S119-4)。そして次に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドとして、V当たり状態とすることを示す情報を含む遊技状態指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S119-5)。なお、この遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。これにより、パチンコ遊技機1では、小当たり状態による大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合も、特図当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように大当たり遊技状態を生起させる(小当たり状態を2種大当たり状態に発展させる)ための制御が実行可能となる。
S119-3が否定判定の場合(S119-3:No)またはS119-5の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-6に移行する。このS119-6において遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく大入賞口15aの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく大入賞口15aの閉鎖条件は、大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入球するか、あるいは当選した小当たりの開放時間が経過することである。そして、大入賞口15aの閉鎖条件が成立したと判定した場合(S119-6:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S119-7)、特別電動役物処理(小当たり状態)を終了する。一方、大入賞口15aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S119-6:No)、S119-7を経由することなく、特別電動役物処理(小当たり状態)を終了する。
[演出制御用マイコン101の主な処理]
次に、演出制御用マイコン101(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(サブ側主制御処理)
先ず、図24を参照し、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S160)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S161)、否定判定した場合(S161:No)、RAM120を初期化し(S162)、S163に進む。また、S161において肯定判定した場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS163に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S161:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S161:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS160~S162は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S163)、乱数更新処理を実行する(S164)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S165)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S166)。以降、S163~S166を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S167)、1msタイマ割込処理(S168)及び10msタイマ割込処理(S169)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S167)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S168,S169)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図25を参照し、1msタイマ割込処理(S168)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1ms周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S170)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ5aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S171)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S183)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体モータ23dを駆動させるために、駆動データ(可動体モータ23dを駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体モータ23dを所定の動作パターンで駆動させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S184)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S172)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされ、S171において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S172:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S174)。S174の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図26を参照し、10msタイマ割込処理(S169)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10ms周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図27)を実行し(S180)、スイッチ状態取得処理を実行する(S181)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S170)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S182)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S183)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S184)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S185)、本処理を終了する。その他の処理(S185)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。また、その他の処理(S185)では、遊技者に対して右打ちを促す右打ち演出を行うための右打ち演出処理や、遊技制御用マイコン61からの各種のコマンドの受信(S180)に応じて特定される遊技の状況に合わせて演出モード(後述)を設定するための演出モード設定処理等を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図27を参照し、受信コマンド解析処理(S330)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S190-1)、受信したと判定した場合(S190-1:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S190-2)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、1種大当たり状態、小当たり状態、V当たり状態の何れであるか)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、現時点で設定されている遊技状態を特定し、その遊技状態を示す遊技状態フラグを「1」にセットし、それ以外の遊技状態フラグを「0」にセットする。また、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出終了処理(S196-2、特図変動停止コマンドの受信時)において計測を開始した(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの)停止時間の計測を終了する。
演出制御用マイコン101は、S190-2の処理の終了後、または、S190-1において遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S190-1:No)、S191-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S191-1)、受信したと判定した場合は(S191-1:Yes)、先読み演出判定処理を実行する(S191-2)。先読み演出判定処理(S191-2)では、第1特図保留演出記憶部121(または第2特図保留演出記憶部122)に記憶した始動入賞コマンドに含まれている始動入賞情報(例えば、大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、小当たり種別乱数値、リーチ乱数値等)を判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が特別図柄の変動表示を開始する時点よりも前(始動入球時)に、特図当たり判定や大当たり種別判定や小当たり種別判定やリーチ判定を行う(事前判定)。そして、事前判定の結果に応じた抽選により、示唆演出を行うか否かを決定する。
演出制御用マイコン101は、S191-2の処理の終了後、または、S191-1において始動入賞コマンドを受信していないと判定した場合に(S191-1:No)、S192-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S192-1)、受信したと判定した場合は(S192-1:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S192-2)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のオープニングで実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S192-2の処理の終了後、または、S192-1においてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合に(S192-1:No)、S193-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S193-1)。この処理においてラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合は(S193-1:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S193-2)。ラウンド演出選択処理では、大当たり遊技状態の各ラウンドにおいて実行するラウンド演出の種類を選択すると共に、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S193-2の処理の終了後、または、S193-1においてラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S193-1:No)、S194-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S194-1)、受信したと判定した場合は(S194-1:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S194-2)。このエンディング演出選択処理では、エンディングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のエンディングで実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出パターンが対応付けて設定されたエンディング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出パターンを選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S194-2の処理の終了後、または、S194-1においてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合に(S194-1:No)、S195-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S195-1)、受信したと判定した場合は(S195-1:Yes)、後述する変動演出開始処理(図28)を実行する(195-2)。この変動演出開始処理では、主制御基板60から受信した特図変動開始コマンドに応じて、変動演出のより具体的な演出内容(変動演出パターン)を決定し、その変動演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン101は、変動演出開始処理(S195-2)において、受信した特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンに応じて特図変動表示の変動時間を特定し、特定した変動時間を変動演出の実行時間(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの変動時間)としてその計測を開始する。
この変動演出開始処理(S195-2)の実行後、演出制御用マイコン101は、後述する示唆演出選択処理を実行する(S195-3)。示唆演出選択処理では、変動演出中に示唆演出を実行するか否かおよび実行する示唆演出の種類を決定する。そして、示唆演出を実行することを決定した場合には、その示唆演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S195-3の処理の終了後、または、S195-1において変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S195-1:No)、S196-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S196-1)、受信したと判定した場合は(S196-1:Yes)、変動演出終了処理を実行する(S196-2)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(図25のS165)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において停止状態(滞留状態)となっている左演出図柄7L、中演出図柄7Cおよび右演出図柄7Rを確定表示する。また、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理(S196-2)において、前述した変動演出開始処理(S195-2)で計測開始した変動時間の計測を終了し、変動演出後の演出図柄7L,7C,7Rの停止時間(特図変動表示の停止時間と同じ時間)の計測を開始する。
演出制御用マイコン101は、S197-2の処理の終了後、または、S196-1において変動停止コマンドを受信していないと判定した場合に(S196-1:No)、S197へ進む。
続いて、演出制御用マイコン101は、上記のコマンド以外のコマンドの受信に関する処理を行って(S197)、受信コマンド解析処理を終える。
(変動演出開始処理)
次に、図28を参照し、変動演出開始処理(S195-2)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図変動開始コマンドを解析する(S210)。特図変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S210において解析した特図変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S211)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S212)。次に、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S213)。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S214)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S214において選択した演出内容(変動演出パターン)の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S215)。変動演出開始コマンドには、演出内容(変動演出パターン)の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S171)において演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。また、画像制御基板200は、演出制御用マイコン101からの変動演出開始コマンドを受信したことに基づき、演出表示装置7の表示上において当該変動表示領域7Bcに表示される画像(当該変動画像)を消去すると共に、メイン演出保留表示領域7Baやサブ演出保留表示領域7Bbに表示される画像(保留画像)をシフトする。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
[遊技の流れと演出モード]
ここで、図29等を参照し、遊技内容(遊技状態)と演出内容(演出モード)との関係について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン61からのコマンドに基づいて演出制御用マイコン101が遊技の状況(例えば遊技状態の変化等)を特定し、その状況の変化に合わせて複数種類の演出モードの何れかを設定するように演出制御用マイコン101が制御を行う。各演出モードは、互いに演出内容や演出の実行頻度が異なっており、その演出モードの違いを遊技者が識別することができる。そして、演出モードが遊技の状況の変化に応じて変化することにより、遊技者はその遊技の状況の変化(遊技者にとっての有利度の変化)を認識することができる。すなわち、演出モードを変化させることに応じて、遊技者の期待感にメリハリを設けたり、または遊技者による遊技内容の理解を補助したりすることができる。図29に示すように、本実施形態では、主な演出モードとして「通常モード」、「チャンスモード」、「最終挑戦モード」の3種類が設けられている(なお、大当たり遊技状態に対応して設定される演出モードについては説明を省略する)。「通常モード」は、非時短遊技状態(但し、後述する残保留消化期間を除く)に対応して設定される演出モードである。「チャンスモード」は、時短遊技状態に対応して設定される演出モードである。「最終挑戦モード」は、非時短遊技状態のうち残保留消化期間に対応して設定される演出モードである。残保留消化期間とは、非時短遊技状態のうち、時短遊技状態の終了時に存在している第2特図の作動保留(残保留)を消化する期間のことである。これらの演出モードでは例えば、演出表示装置7の画面上の表示情報(背景画像や演出図柄、文字によるメッセージ等)の表示態様や、スピーカ8から出力される音声(BGM)の態様や、盤ランプ2a等の発光手段の発光態様を、互いに異ならせるようになっている。
なお、パチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、遊技状態として、非時短遊技状態、時短遊技状態及び大当たり遊技状態を生起可能であり、このうち時短遊技状態は、非時短遊技状態と比べて、右遊技領域3Rの第2始動口12aに遊技球を入球させ易い遊技状態となっている。このため、時短遊技状態は、遊技者が右遊技領域3Rを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である一方、非時短遊技状態は、遊技者が左遊技領域3Lを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である。この他、大当たり遊技状態は、大入賞装置15が右遊技領域3Rに存在していることから、右遊技領域3Rを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である。
非時短遊技状態及び時短遊技状態の相互での第2始動口12aに対する遊技球の入球させ易さは、各遊技状態での普通作動部材12bの作動パターンの選択率に応じて相違させている。本実施形態では、作動パターンと遊技領域3(右遊技領域3R)の構造との関係に特徴があるので、この点は後段にて詳述する。
また、パチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、大当たり遊技状態として、1種大当たり状態と2種大当たり状態とを生起可能である。1種大当たり状態は、特図当たり判定(大当たり判定)による大当たりの判定結果に対応して生起する大当たり遊技状態である。これに対し、2種大当たり状態は、特図当たり判定(小当たり判定)による小当たりの判定結果に対応して生起する小当たり状態と、この小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起するV当たり状態とからなる大当たり遊技状態である。本実施形態では、第2特図用の特図当たり判定でのみ、小当たりの判定結果が導出される。すなわち、2種大当たり状態は基本的に、右打ちを行う時短遊技状態での第2始動口12aへの遊技球の入球(第2始動口センサ12cの検出)を契機とする特図当たり判定に基づいて生起する。
ところで、パチンコ遊技機1の電源投入に伴ってRAM64の初期化を行う場合には、遊技制御用マイコン61によって非時短遊技状態が設定される。また遊技者は基本的に、自身にとって不利な非時短遊技状態で遊技を終了し、次の遊技者が非時短遊技状態から遊技を開始することになる。従って、遊技者が遊技を開始する際の遊技状態は、基本的には非時短遊技状態となる。この非時短遊技状態では、演出制御用マイコン101によって「通常モード」が設定される。「通常モード」では、第2始動口12aへの入球が困難であり、また遊技者が左遊技領域3Lに遊技球を打ち込んで(左打ちで)遊技を行うため、左遊技領域3Lに設けられている第1始動口10aへの遊技球の入球を契機として第1特図用の特図当たり判定が実行される。一方、右遊技領域3Rに設けられている第2始動口12aへの入球は基本的に生じない。第1特図用の特図当たり判定では、大当たりの判定結果となる可能性がある一方で、小当たりの判定結果となることはない。従って「通常モード」中は、1種大当たり状態の発生を期待して遊技者が遊技を行うことになる。「通常モード」は、このような遊技の状況(遊技者にとって不利な状況)に合わせた演出内容の演出モードとなっている。
遊技制御用マイコン61は、「通常モード」中に遊技球が第1始動口10aに入球したことを契機として第1特図用の特図当たり判定を実行し、当該判定が大当たりの判定結果になると、3ラウンド大当たりを生起させ、その終了後に遊技状態を時短遊技状態に移行させる。この時短遊技状態では前述の如く、第2始動口12aへの入球が非時短遊技状態よりも容易となる。時短遊技状態の終了条件は、特図変動表示の実行回数(特図変動回数)及び(特図当たり判定での)小当たり判定結果の導出回数(小当たり回数)の2種類によって定められる。但し、終了条件となる具体的な特図変動回数や小当たり回数は、その時短遊技状態の契機となった特別図柄(大当たり図柄や小当たり図柄)の種類毎に異なっている。なお、第2始動口12aに対する入球させ易さ(後述)は、どの場合の時短遊技状態も共通となっている。
ここで一旦、図30(a)及び図30(b)を参照し、時短遊技状態の終了タイミングについて説明する。
例えば、時短遊技状態中に特図変動回数の終了条件が成立することでその時短遊技状態が終了する場合は、図30(a)に示すように、その終了条件となる回数目の特図変動表示(最終変動)が終了するタイミング(特別図柄が確定表示されるタイミング)で時短遊技状態が終了し、非時短遊技状態に移行する。
また、時短遊技状態中に小当たり回数の終了条件が成立することでその時短遊技状態が終了する場合は、図30(b)に示すように、その終了条件となる回数目の小当たりの判定結果に対応する特図変動表示(小当たり変動)が終了するタイミング(特別図柄が小当たり図柄で確定表示されるタイミング)で時短遊技状態が終了し、非時短遊技状態に移行する。なおこの場合は、小当たり変動の終了から所定の停止時間(停止インターバル)が経過したことを契機として、小当たり状態(特別作動部材15bの作動)が開始される。すなわち、この場合の小当たり状態(終了条件となる回数目の小当たり状態)は、非時短遊技状態において生じることになる。
図29に戻り、「通常モード」での遊技に応じた大当たり遊技状態(第1特図用の特図当たり判定に基づく3ラウンド大当たり)の終了後に生起する時短遊技状態では、演出制御用マイコン101によって「チャンスモード」が設定される。なお、大当たり図柄(特別図柄)の種類毎に終了条件の具体的な特図変動回数や小当たり回数が異なっているが、本実施形態では何れの場合も共通して「チャンスモード」が設定されることとする。
具体的に時短遊技状態は、50パーセントの場合(図柄1-6が決定された場合)の終了条件として、特図変動回数が「10回」に達すること及び小当たり回数が「10回」に達することの2つの条件が定められており、何れかの終了条件が成立した場合に終了するように設定されている。なお、連続する10回の特図変動表示の全てに対応して小当たり状態が生起する可能性は低いため、大当たり図柄として図柄1-6が決定された場合は基本的に、特図変動回数の終了条件が成立して時短遊技状態が終了されることになる。
これに対し、残りの50パーセントの場合(図柄1-1~図柄1-5の何れかが決定された場合)の終了条件は、特図変動回数が「77回」に達することと定められており、小当たり回数が図柄1-1~図柄1-5に応じた回数(「1回」から「5回」までの何れか)に達することと定められている。すなわち、大当たり図柄として図柄1-1から図柄1-5までの何れかが決定された場合には、特図変動表示の終了条件が成立する前に小当たり回数の終了条件が成立する可能性が充分にあり、終了条件の小当たり回数が少ないほど、その小当たり回数による終了条件が成立し易くなる。
このように、「通常モード」での遊技の結果、大当たり図柄として図柄1-1から図柄1-5までの何れかを決定した場合と図柄1-6を決定した場合とで終了条件は大きく異なっているので、別々の演出モードを設定するようにしてもよい。この場合には例えば、大当たり図柄として図柄1-1から図柄1-5までの何れかを決定した場合には第1のチャンスモード(有利モード)を設定し、大当たり図柄として図柄1-6を決定した場合には第2のチャンスモード(不利モード)を設定して、互いに遊技者の期待感を異ならせるように演出することができる。
時短遊技状態(「チャンスモード」)では、第2始動口12aへの遊技球の入球を契機として第2特図用の特図当たり判定が実行される。この第2特図用の特図当たり判定では、小当たりの判定結果となる可能性が比較的高く、また大当たりの判定結果となる可能性もあるように設定されている。すなわち、「チャンスモード」は、遊技者にとって有利な状況に合わせた演出内容の演出モードとなっており、遊技者は小当たり状態(2種大当たり状態)や1種大当たり状態の発生を期待して遊技を行うことになる。
遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態(「チャンスモード」)中の第2特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果になると、その判定結果に対応して、大当たり図柄を決定すると共に、大当たり用の特図変動パターンを決定する。そして、対応する特図変動表示の終了後に、遊技状態を時短遊技状態から1種大当たり状態(10ラウンド大当たり)へと移行させ、その終了後に時短遊技状態へと復帰させる。演出制御用マイコン101はこの場合、1種大当たり状態への移行と共に大当たり演出を開始させ、その後の時短遊技状態への復帰と共に「チャンスモード」を再び開始させる。
また、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態(「チャンスモード」)中の第2特図の特図当たり判定が小当たりの判定結果になると、その判定結果に対応して、小当たり図柄を決定すると共に、小当たり用の特図変動パターンを決定する。そして、対応する特図変動表示の終了後に小当たり状態を生じさせる。
遊技制御用マイコン61は、小当たりの判定結果が時短遊技状態の終了条件となる回数(特定回数)に達していない回数目の小当たり判定結果であれば、時短遊技状態を維持する。従って時短遊技状態中に小当たり状態が生じることになる。一方、小当たりの判定結果が時短遊技状態の特定回数目の小当たり判定結果であれば、その小当たりに対応する特図変動表示の終了時点で非時短遊技状態に移行し、その直後に小当たり状態を生起させるようにする。従って非時短遊技状態中に小当たり状態が生じることになる(図30(b))。すなわち、時短遊技状態における終了条件となる小当たり回数が例えば5回の場合は、1回目から4回目の小当たり判定に対応する小当たり状態は時短遊技状態中に行われ、5回目(特定回数目)の小当たり判定に対応する小当たり状態だけが非時短遊技状態中に行われる。また例えば、時短遊技状態における終了条件となる小当たり回数が4回の場合は、1回目から3回目の小当たり判定に対応する小当たり状態は時短遊技状態中に行われ、4回目(特定回数目)の小当たり判定に対応する小当たり状態だけが非時短遊技状態中に行われる。この他、時短遊技状態における終了条件となる小当たり回数が3回の場合や2回の場合も同様である。なお、時短遊技状態における終了条件となる小当たり回数が1回の場合、その1回目(特定回数目)の小当たり判定に対応する小当たり状態が非時短遊技状態中に行われる。
ここで、小当たり状態は、時短遊技状態中に生起する場合及び非時短遊技状態中に生起する場合の何れであっても、特別作動部材15bが同じ時間(1.8秒)だけ作動し、大入賞口15aが同じ時間だけ開放される。しかし一方で、時短遊技状態中と非時短遊技状態中とでは、前述した普通作動部材12bの作動時間(作動パターン)が異なっている。そして、本実施形態の普通作動部材12bは、作動状態(入球許容姿勢)において、第2始動口12aに向けた遊技球の転動面(傾斜面)を形成するのと同時に、ゲート13を通過した遊技球が大入賞口15aに向かって流下するのを阻害する部材として機能するように、右遊技領域3Rに設けられている。すなわち、普通作動部材12bは、時短遊技状態においては、(特定回数目よりも前の小当たり状態で開放する)大入賞口15aに向かって遊技球が流下するのを阻害するように作動し、非時短遊技状態においては、(特定回数目の小当たり状態で開放する)大入賞口15aに向かって遊技球が流下するのを許容するように作動する。この点について図31及び図32を参照しながら以下に説明する。
遊技領域3(右遊技領域3R)の構成について先ず説明すると、第1経路R1は、図31(a)の「球移動時間(例)」に示すように、遊技球がゲート13への通過から概ね0.2秒(200ms)経過時に普通作動部材12bの高さ位置に到達するように構成されている。また、この第1経路R1に対して普通作動部材12b(第2始動入賞装置12)は、第1経路R1で受けた遊技球を上面に転動させて下流端(右端、第2始動口12a)まで到達させるのに概ね1.5秒(1500ms)程度かかるように配置され、ゲート13を通過した遊技球がその通過から概ね0.4秒(400ms)経過時に、普通作動部材12b上で第1経路R1の外側(右方)に逸れるように構成されている。なお、第1経路R1に対して第2始動口12aは、左右方向に遊技球の直径の2倍から3倍程度の寸法分離間するように設けられている。すなわち、第1経路R1上で普通作動部材12bにより受け止められた遊技球は、当該普通作動部材12bの上面を右方に向けて遊技球の直径の2倍から3倍程度の寸法分移動することで、第2始動口12aに到達する。
これに対し、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態中に遊技球がゲート13を通過する場合、その時点で普図変動表示を開始可能な状態であれば普図当たり判定を行い(本実施形態では普通図柄の作動保留を記憶する記憶部を設けていない)、普通作動部材12bの作動パターンとして、基本的には長時間作動パターンFS3を決定し、場合によっては中時間作動パターンFS2を決定する。そして、図31(a)に示すように0.1秒(100ms)の普図変動表示を開始させる。この普図変動表示の終了後、普通作動部材12bを、長時間作動パターンFS3により5.8秒(5800ms)間にわたって作動状態とするか、中時間作動パターンFS2により0.6秒(600ms)間にわたって作動状態とする。このため、図31(b)に示すように、長時間作動パターンFS3に応じて普通作動部材12bを作動状態とする場合には、ゲート13を通過した遊技球(図31(b)において符号PB1で示した遊技球)が第1経路R1の途中で作動状態(入球許容姿勢)の普通作動部材12bに受け止められ、その上面を右端まで転動して第2始動口12aへと入球する。また、中時間作動パターンFS2に応じて普通作動部材12bを作動状態とする場合には、ゲート13を通過した遊技球(図31(b)において符号PB2で示した遊技球)が第1経路R1の途中で作動状態(入球許容姿勢)の普通作動部材12bに受け止められ、その上面を転動する途中で普通作動部材12bが非作動状態(入球阻止姿勢)に復帰するためその上面から落下して、第2経路R2を流下する。すなわち、時短遊技状態では、ゲート13を通過した遊技球が第1経路R1の下流側まで流下することがなく、小当たり状態が発生したとしても遊技球が大入賞装置15(大入賞口15a)に到達しないため、特定領域を遊技球が通過することはない(2種大当たり状態に発展することはない)。
従って、演出制御用マイコン101は、時短遊技状態中の特定回数に達していない回数目の小当たりの判定結果に対応して小当たり状態が生じる場合、その小当たり状態を報知しない演出内容で演出を実行制御して、その後も「チャンスモード」を維持する。
また、遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態中に遊技球がゲート13を通過する場合、その時点で普図変動表示を開始可能な状態であれば普図当たり判定を行い(本実施形態では普通図柄の作動保留を記憶する記憶部を設けていない)、普通作動部材12bの作動パターンとして、基本的には短時間作動パターンFS1を決定し、場合によっては中時間作動パターンFS2を決定する。そして、図32(a)に示すように0.1秒(100ms)の普図変動表示を開始させる。この普図変動表示の終了後、普通作動部材12bを、短時間作動パターンにより0.036秒(36ms)間にわたって作動状態とするか、中時間作動パターンにより0.6秒(600ms)間にわたって作動状態とする。このため、図32(b)に示すように、短時間作動パターンFS1に応じて普通作動部材12bを作動状態とする場合には、ゲート13を通過した遊技球(図32(b)において符号PB3で示した遊技球)が作動状態(入球許容姿勢)の普通作動部材12bに受け止められることなく第1経路R1の下流側に向けて流下する(すなわち大入賞装置15に到達する)。すなわち、非時短遊技状態では、短時間作動パターンFS1に応じて普通作動部材12bを作動状態とする場合に、ゲート13を通過した遊技球が第1経路R1の下流側まで流下し、大入賞装置15に到達する。従って、小当たり状態が発生した場合には遊技球が大入賞口15aに入球して特定領域を通過することとなり、小当たり状態が2種大当たり状態に発展する。
この他、中時間作動パターンFS2に応じて普通作動部材12bを作動状態とする場合には、図32(b)に示すように、ゲート13を通過した遊技球(図32(b)において符号PB2で示した遊技球)が第1経路R1の途中で作動状態(入球許容姿勢)の普通作動部材12bに受け止められ、その上面を転動する途中で普通作動部材12bが非作動状態(入球阻止姿勢)に復帰するためその上面から落下して、第2経路R2を流下する。
このように、時短遊技状態中の特定回数目の小当たりの判定結果に対応して、非時短遊技状態中に小当たり状態が生じる場合に、特定領域を遊技球が通過可能となり、小当たり状態が2種大当たり状態に発展し得る。従って、演出制御用マイコン101は、その小当たり状態を報知する演出内容で演出(小当たり演出)を実行制御する。そして、小当たり演出中(小当たり状態中)に遊技球が特定領域を通過したことを契機として大当たり遊技状態を生起させ(2種大当たり状態に発展させ)、大当たり演出を開始させる。そして、大当たり遊技状態(2種大当たり状態)の終了後、時短遊技状態への移行と共に「チャンスモード」を再び開始させる。
「チャンスモード」での遊技に応じた大当たり遊技状態(1種大当たり状態、2種大当たり状態)の終了後に生起する時短遊技状態では、演出制御用マイコン101によって再び「チャンスモード」が設定される。大当たり図柄(特別図柄)及び小当たり図柄(特別図柄)の種類に応じて終了条件の具体的な特図変動回数や小当たり回数が異なっているが、本実施形態では何れの場合も共通して「チャンスモード」が設定されることとする。
具体的に時短遊技状態は、大当たり図柄(図柄2-1)が決定された場合の終了条件及び小当たり図柄の1パーセント(図柄a)が決定された場合の終了条件として、特図変動回数が「500回」に達すること及び小当たり回数が「1回」に達することの2つの条件が定められており、何れかの終了条件が成立した場合に終了するように設定されている。なお、500回の特図変動表示のうちに1回の小当たり状態が生起する可能性は極めて高いため、大当たり図柄2-1または小当たり図柄aが決定された場合は基本的に、小当たり回数の終了条件が成立して時短遊技状態が終了されることになる。
また、小当たり図柄の残りの99パーセントの場合(図柄b~図柄fの何れかが決定された場合)の終了条件は、特図変動回数が「77回」に達することと定められており、小当たり回数が図柄b~図柄fに応じた回数(「1回」から「5回」までの何れか)に達することと定められている。すなわち、大当たり図柄として図柄bから図柄fまでの何れかが決定された場合には、特図変動表示の終了条件が成立する前に小当たり回数の終了条件が成立する可能性が充分にあり、終了条件の小当たり回数が少ないほど、その小当たり回数による終了条件が成立し易くなる。
以上のように、大当たり図柄や小当たり図柄によって時短遊技状態の終了条件となる小当たり回数が異ならせてあることにより、「チャンスモード」で小当たり状態が生じる度に、その小当たり状態が2種大当たり状態に発展することを遊技者が期待し得る。すなわち、「チャンスモード」は、小当たり状態に対する期待度が高い遊技性となっている。このため、本実施形態では、特図当たり判定で小当たりの判定結果が導出された場合に、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンとしてリーチ(SPリーチ)を含む特図変動パターンを決定し、この小当たりの判定結果が時短遊技状態中の特定回数に達しない回数目の小当たり判定結果であれば、演出制御用マイコン101が演出図柄の変動演出の演出パターン(SPリーチ演出パターン)として、非特定の結果(非特定の演出図柄の組み合わせ)で終了する演出パターンを決定するようにし、この小当たりの判定結果が時短遊技状態中の特定回数目の小当たり判定結果であれば、演出制御用マイコン101が演出図柄の変動演出の演出パターン(SPリーチ演出パターン)として、特定の結果(特定の演出図柄の組み合わせ)で終了する演出パターンを決定するようにする。また、特図当たり判定がハズレの判定結果となる場合は、遊技制御用マイコン61が必ず通常変動パターンを決定し、演出制御用マイコン101がリーチを含まない演出パターンを決定するようになっている。すなわち、特定回数目よりも前の小当たり状態が行われる場合の変動演出(小当たり変動)では、SPリーチ演出が非特定の結果で終了する演出となり、特定回数目の小当たり状態が行われる場合の変動演出(小当たり変動)では、SPリーチ演出が特定の結果で終了する演出となる。このため、SPリーチ演出が特定の結果で終了した場合の小当たり状態中に遊技球が大入賞口15aに入球して特定領域を通過し、2種大当たり状態が生起する。従って遊技者は「チャンスモード」中、リーチ(SPリーチ)の変動演出が行われることを期待しながら遊技を行うことになる。そして、リーチ演出(SPリーチ演出)が特定の結果で終了した場合に、2種大当たり状態に発展する小当たり状態が生起することを認識し、興趣が高められる。なお、「チャンスモード」でリーチ演出(SPリーチ演出)が非特定の結果で終了したとしても、小当たり状態が実行されることで時短遊技状態の終了条件としての小当たり回数に近づくことになる。このため、2種大当たり状態に発展する小当たり状態が生起することへの期待感は、リーチ演出(SPリーチ演出)が行われる度に高められる。
時短遊技状態中に大当たり遊技状態の契機が生じることなく終了条件が成立して非時短遊技状態に移行する場合、演出制御用マイコン101は、第2特図の作動保留が存在していれば、演出モードを「チャンスモード」から「最終挑戦モード」へと移行させ、存在していなければ、演出モードを「チャンスモード」から「通常モード」へと移行させる。すなわち、「最終挑戦モード」は、時短遊技状態から非時短遊技状態への移行後、残っている第2特図の作動保留に基づく特図変動表示(演出図柄の変動演出)が行われる期間(残保留消化期間)に対応して設定される演出モードである。演出制御用マイコン101は、第2特図の作動保留に基づく特図変動表示(演出図柄の変動演出)が終了して作動保留がなくなると、「最終挑戦モード」を終了し、「通常モード」に移行させる。「最終挑戦モード」中は、第2特図用の特図当たり判定に基づいて特図変動表示(変動演出)が行われるため、その結果として小当たり状態が生起し得ると共に、場合によっては1種大当たり状態(10R大当たり)が生起し得る。ここで、「最終挑戦モード」中は非時短遊技状態であり、ゲート13への遊技球の通過を契機とする普図当たり判定によって決定され得る普通作動部材12bの作動パターンは基本的に短時間作動パターンFS1である。従って、「最終挑戦モード」で小当たり状態が生じた場合、その小当たり状態中は遊技球が特定領域を通過可能であり、2種大当たり状態へと発展し得る。すなわち、残保留消化期間に対応して設定される「最終挑戦モード」は、非時短遊技状態中の短い期間であるものの、遊技者にとって有利な状況に合わせた演出内容の演出モードとなっており、遊技者は小当たり状態(2種大当たり状態)や1種大当たり状態の発生を期待して遊技を行うことになる。
[第1実施形態の効果]
上述した第1実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1-1)第1実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3に、ゲート13(作動口)及び第2始動口12a(可変始動口)と、第2始動口12aへの遊技球の入球を阻止する入球阻止姿勢(第1姿勢)及び許容する入球許容姿勢(第2姿勢)に変位可能な普通作動部材12bとを備えると共に、ゲート13への遊技球の通過を契機として普通作動部材12bに対応する駆動手段である第2始動口ソレノイド12dを制御して普通作動部材12bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢に変位させる遊技制御用マイコン61(制御手段)を備えている。また、遊技領域3の右遊技領域3Rに、ゲート13を通過した遊技球が大入賞装置15の設置領域(所定の領域)に向けて流下する第1経路R1(所定経路)が設けられている。ここで、遊技制御用マイコン61は、複数種類の作動パターンの夫々に基づいて普通作動部材12bの姿勢を切替可能であり、その作動パターンとして、ゲート13を通過した遊技球を受けて第2始動口12aまで誘導可能な長時間作動パターンFS3(第1の作動パターン)と、ゲート13を通過した遊技球を受けて第1経路R1から逸れた側かつ第2始動口12aが位置しない側に放出可能な中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)とが設定されている。
従って、ゲート13を通過した遊技球が流下する第1経路R1を普通作動部材12bの作動によって遮ることができる。ここで、第1経路R1を遮る普通作動部材12bの作動パターンとして、ゲート13を通過した遊技球を第2始動口12aまで誘導可能な作動パターン(長時間作動パターンFS3)の他に、ゲート13を通過した遊技球を第2始動口12aまで誘導しない作動パターン(中時間作動パターンFS2)を設けることにより、普通作動部材12bを利用して、ゲート13からの遊技球の通過を許容したり妨げたりするだけでなく、第2始動口12aに入球させたり異なる側に誘導したりすることもできる。すなわち、ゲート13を通過した遊技球の進行方向を簡単な構成で3方向(多方向)に切り替えることができる。
(1-2)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技球が入球可能な大入賞口15a(特別入賞口)が第1経路R1(所定経路)の下流側に設けられており、第2始動口12aはこの第1経路R1から交差方向に離間している。そして、普通作動部材12bは、入球阻止姿勢(第1姿勢)では第1経路R1から退避して、ゲート13を通過した遊技球が大入賞口15aに向かうのを許容する一方、入球許容姿勢(第2姿勢)では第1経路R1を遮る傾斜面を形成して第1経路R1の途中で遊技球を受け、この遊技球が大入賞口15aに向かうのを阻止しつつ第2始動口12a(可変始動口)に向けて誘導する。また、長時間作動パターンFS3(第1の作動パターン)は、傾斜面(上面)上を遊技球が第1経路R1から第2始動口12aまで転動するのにかかる基準時間(1500ms)より長い時間(5800ms)にわたって普通作動部材12bを入球許容姿勢とする作動パターンであり、中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)は、基準時間(1500ms)より短くかつ遊技球が傾斜面上で第1経路R1から逸れるまでにかかる最短の移動時間(300ms)より長い時間(600ms)にわたって普通作動部材12bを入球許容姿勢とすることで、該遊技球を第1経路R1及び第2始動口12aの間から第2経路R2(別の経路)に流下させて大入賞口15aが位置しない側に導く作動パターンである。
従って、普通作動部材12bの作動によってゲート13から大入賞口15aへの遊技球の流れを遮ることができる。また、第2始動口12aが第1経路R1から離間し、普通作動部材12bが入球許容姿勢において第1経路R1から第2始動口12aに遊技球を誘導する傾斜面を形成する構成とすることで、大入賞口15aへの遊技球の流れを遮る作動パターンとして、作動時間の異なる複数種類の作動パターンを設けるだけで、遊技球を第2始動口12aに入球させる場合と入球させない場合とを生じさせることができる。すなわち、遊技球が大入賞口15aに向かうのを普通作動部材12bで阻止する状態を設けつつ、当該阻止する状態において遊技球が第2始動口12aに入球する頻度を調整することができる。
(1-3)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、第1経路R1(所定経路)と第2始動口12a(可変始動口)との間の離間寸法として、遊技球の直径より大きい寸法が確保されている。
これにより、中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)に応じて普通作動部材12bを作動する場合に、当該普通作動部材12bの傾斜面で受けた遊技球をその傾斜面上で第1経路R1から第2始動口12aに向けて転動する途中で落下させ、第2始動口12a及び大入賞口15a(特別入賞口)に入球させないように第2経路R2を流下させ得る。
(1-4)また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、大入賞口15a(特別入賞口)への遊技球の入球を阻止する入球阻止姿勢(第1姿勢)及び許容する入球許容姿勢(第2姿勢)に変位可能な特別作動部材15bと、大入賞口15aに入球した遊技球が通過可能な特定領域とを備えている。そして、遊技制御用マイコン61(制御手段)は、第2始動口12a(可変始動口)への遊技球の入球を契機として特別作動部材15bに対応する駆動手段としての大入賞口ソレノイド15dを制御して特別作動部材15bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢に変位させ得る。また、遊技制御用マイコン61は、特別作動部材15bを作動させて大入賞口15aへの遊技球の入球を許容する大当たり遊技状態と、大当たり遊技状態より短い時間だけ特別作動部材15bを作動させて大入賞口15aへの遊技球の入球を許容する小当たり状態とを生起可能であり、小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過したことを契機として、小当たり状態を2種大当たり状態(大当たり遊技状態)に発展させる。
すなわち、小当たり状態中に普通作動部材12bを長時間作動パターンFS3(第1の作動パターン)により作動させることで、ゲート13(作動口)を通過した遊技球が特定領域を通過するのを阻止(すなわち2種大当たり状態に発展するのを阻止)しつつ、その遊技球を第2始動口12aに導くことが可能となる。また、小当たり状態中に普通作動部材12bを中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)により作動させることで、ゲート13を通過した遊技球が特定領域を通過するのを阻止(すなわち2種大当たり状態に発展するのを阻止)しつつ、その遊技球を第2始動口12aにも入球させないようにすることが可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について、図33乃至図36を参照しつつ説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る構成と共通するまたは対応する構成に関して、同一の符号を用い、詳細な説明を省略することがある。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、図33に示すように、右遊技領域3Rの第2経路R2に、開口寸法が変化しない入球口としての右側始動口33aを有する右側始動入賞装置33が設けられている。右側始動口33aは、第1始動口10aと同様、遊技球の入球が第1特図の変動表示の契機となる入球口(始動口)である。すなわち、本実施形態では、左遊技領域3Lに第1始動口10aが設けられていると共に、右遊技領域3Rに第2始動口12a及び右側始動口33aが設けられている。そして、第1始動口10aや右側始動口33aへの遊技球の入球を契機として第1特図用の特図当たり判定が実行され、第2始動口12aへの遊技球の入球を契機として第2特図用の特図当たり判定が実行されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン61の制御によって2種類の時短遊技状態を生起可能である。この2種類の時短遊技状態は、普通作動部材12bの作動パターンの決定確率(第2始動口12aの開放時間延長機能)が異なっている。具体的には、普通作動部材12bの作動パターンとして、前述した第1実施形態と同様の3種類の作動パターン(短時間作動パターンFS1、中時間作動パターンFS2、長時間作動パターンFS3)が設けられており、これらの決定確率が、非時短遊技状態と、不利な時短遊技状態(以下「時短1」という)と、有利な時短遊技状態(以下「時短2」という)とで相違している。なお、時短1及び時短2は何れも、前述した第2始動口12aの開放時間延長機能と特別図柄の変動時間短縮機能とが作動する一方で、特別図柄や普通図柄の変動短縮機能、第2始動口12aの開放回数増加機能が作動しない遊技状態となっているが、少なくとも何れかの時短遊技状態を、変動短縮機能や開放回数増加機能が作動する遊技状態としてもよい。
(普図当たり種別判定テーブルT11)
図34は、本実施形態(第2実施形態)における遊技制御用マイコン61が参照する普図当たり種別判定テーブルT11である。普図当たり種別判定テーブルT11は、遊技制御用マイコン61が普通作動部材12bの作動パターンを決定する際に参照される。この普図当たり種別判定テーブルT11には、普通図柄の当たり図柄毎に普図当たり種別乱数値が振り分けられ、各当たり図柄には普通作動部材12bの作動パターン対応付けられている。そして、普通作動部材12bの3種類の作動パターンの各決定確率が、非時短遊技状態と、時短1と、時短2とで異なっている。
非時短遊技状態で行われた普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合には、普図当たり種別乱数値が0~199の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz1が決定され、作動パターンとして短時間作動パターンFS1が選択される。一方、普図当たり種別乱数値が200~232の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定され、作動パターンとして短時間作動パターンFS1が選択される。すなわち、非時短遊技状態では、ゲート13への遊技球の通過を契機とする普図当たり判定において当たりの判定結果となった場合の約86パーセントが短時間作動パターンFS1となり、残りの約14パーセントが中時間作動パターンFS2となる。短時間作動パターンFS1に基づいて普通作動部材12bが作動状態(入球許容姿勢)となる場合は、ゲート13を通過した遊技球が第1経路R1を下流側まで流下することとなり、第2始動口12a及び右側始動口33aの何れにも入球しない。これに対し、中時間作動パターンFS2に基づいて普通作動部材12bが作動状態(入球許容姿勢)となる場合は、ゲート13を通過した遊技球が第1経路R1で普通作動部材12bに一旦受け止められて第2経路R2に放出されることとなり、第2経路R2に設けられている右側始動口33aに入球する場合がある(第2始動口12aには入球しない)。
これに対し、時短1や時短2で行われた普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合には、普図当たり種別乱数値に基づいて中時間作動パターンFS2及び長時間作動パターンFS3の何れかが決定される。中時間作動パターンFS2に基づいて普通作動部材12bが作動状態(入球許容姿勢)となる場合は、ゲート13を通過した遊技球が第1経路R1で普通作動部材12bに一旦受け止められて第2経路R2に放出されることとなり、第2経路R2に設けられている右側始動口33aに入球する場合がある(第2始動口12aには入球しない)。これに対し、長時間作動パターンFS3に基づいて普通作動部材12bが作動状態(入球許容姿勢)となる場合は、ゲート13を通過した遊技球が第1経路R1で普通作動部材12bに受け止められてその上面を転動し、第2始動口12aに入球する(右側始動口33aには入球しない)。
ここで、時短1(不利な時短遊技状態)で行われた普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合には、普図当たり種別乱数値が0~199の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定され、作動パターンとして中時間作動パターンFS2が選択される。一方、普図当たり種別乱数値が200~232の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定され、作動パターンとして長時間作動パターンFS3が選択される。すなわち、時短1では、ゲート13への遊技球の通過を契機とする普図当たり判定において当たりの判定結果となった場合の約86パーセントが中時間作動パターンFS2となり、残りの約14パーセントが長時間作動パターンFS3となる。従って、第2特図用の特図当たり判定よりも第1特図用の特図当たり判定が行われ易く、時短1の終了条件としては、小当たり回数による終了条件よりも、特図変動回数による終了条件が成立し易い。
また、時短2(有利な時短遊技状態)で行われた普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合には、普図当たり種別乱数値が0~32の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定され、作動パターンとして中時間作動パターンFS2が選択される。一方、普図当たり種別乱数値が33~232の範囲内であれば普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定され、作動パターンとして長時間作動パターンFS3が選択される。すなわち、時短1では、ゲート13への遊技球の通過を契機とする普図当たり判定において当たりの判定結果となった場合の約14パーセントが中時間作動パターンFS2となり、残りの約86パーセントが長時間作動パターンFS3となる。従って、第1特図用の特図当たり判定よりも第2特図用の特図当たり判定が行われ易く、時短2の終了条件としては、特図変動回数による終了条件よりも、小当たり回数による終了条件が成立し易い。このため、時短2の終了条件となる特定回数目の小当たり判定結果に対応する小当たり状態が非時短遊技状態で生じ、遊技球が特定領域を通過して2種大当たり状態が生起する可能性が高い。
(大当たり種別判定テーブルT12,T13)
図35(a)および図35(b)に示す大当たり種別判定テーブルT12,T13は、特図当たり判定において大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。なお、各大当たり図柄1-1~1-6,2-1と、時短遊技状態の終了条件との関係は、前述した第1実施形態(図6)と同じであるため説明を省略する。但し、大当たり遊技状態の後の遊技状態が時短1及び時短2の何れかに定められている点で、第1実施形態(図6)と異なっている。具体的には、大当たり図柄1-2,1-4,1-6に対応する大当たり種別が、3ラウンド大当たりの終了後に時短1(不利な時短遊技状態)へと移行する大当たり種別と定められており、大当たり図柄1-1,1-3,1-5に対応する大当たり種別が、3ラウンド大当たりの終了後に時短2(有利な時短遊技状態)へと移行する大当たり種別と定められている。
(小当たり種別判定テーブルT14)
図36に示す小当たり種別判定テーブルT14は、特図当たり判定において小当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が小当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。なお、各小当たり図柄a,b,c,d,e,fと、時短遊技状態の終了条件との関係は、前述した第1実施形態(図7)と同じであるため説明を省略する。但し、小当たり状態から発展した2種大当たり状態の後の遊技状態が時短1及び時短2の何れかに定められている点で、第1実施形態(図7)と異なっている。具体的には、小当たり図柄c,eに対応する小当たり種別が、10ラウンド大当たりの終了後に時短1(不利な時短遊技状態)へと移行する小当たり種別と定められており、小当たり図柄a,b,d,fに対応する大当たり種別が、10ラウンド大当たりの終了後に時短2(有利な時短遊技状態)へと移行する大当たり種別と定められている。
[第2実施形態の効果]
上述した第2実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(2-1)第2実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3に、ゲート13(作動口)、第2始動口12a(可変始動口)及び右側始動口33a(別の始動口)と、第2始動口12aへの遊技球の入球を阻止する入球阻止姿勢(第1姿勢)及び許容する入球許容姿勢(第2姿勢)に変位可能な普通作動部材12bとを備えると共に、遊技制御用マイコン61が、ゲート13への遊技球の通過を契機として普通作動部材12bに対応する駆動手段としての第2始動口ソレノイド12dを制御して、普通作動部材12bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢に変位させる。また、遊技制御用マイコン61は、第2始動口12aへの遊技球の入球を契機とする特図当たり判定(内部判定)が大当たり(当たり)の判定結果となった場合に、遊技者に有利な大当たり遊技状態を生起させ、また小当たり(当たり)の判定結果となった場合に、遊技者に有利な小当たり遊技状態を生起させる。また、遊技制御用マイコン61は、複数種類(3種類)の作動パターンの夫々に基づいて普通作動部材12bの姿勢を切り替える。そして、この普通作動部材12bの作動パターンとして、ゲート13を通過した遊技球を受けて第2始動口12aまで誘導可能な長時間作動パターンFS3(第1の作動パターン)と、ゲート13を通過した遊技球を受けて第2始動口12aが位置しない側に放出可能な中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)とが設定されており、中時間作動パターンFS2に基づく普通作動部材12bの作動に応じて放出された遊技球が入球可能な位置に、右側始動口33aが設けられている。
このように、普通作動部材12bの作動パターンとして、ゲート13を通過した遊技球を第2始動口12aまで誘導せずに右側始動口33aの側に放出する中時間作動パターンFS2を設けることで、簡単な構成で遊技球を第2始動口12aに入球させたり右側始動口33aが位置する側に誘導したりすることができる。
なお、本実施形態では、第1始動口10aや右側始動口33aへの遊技球の入球を契機とする第1特図用の特図当たり判定と、第2始動口12aへの遊技球の入球を契機とする第2特図用の特図当たり判定との間で有利度に差があり、右側始動口33aに対する入球させ易さと第2始動口12aに対する入球させ易さとを、2種類の時短遊技状態(時短1及び時短2)の相互で異ならせている。すなわち、普通作動部材12bの中時間作動パターンFS2を利用して新たな遊技性を提供し、遊技の興趣を高めることができる。
(2-2)また、第2実施形態のパチンコ遊技機1は、ゲート13(作動口)を通過した遊技球が大入賞装置15の設置領域(所定領域)に向けて流下する第1経路R1(所定経路)を備え、該第1経路R1から交差方向に離間するよう第2始動口12a(可変始動口)が設けられており、普通作動部材12bは、入球阻止姿勢(第1姿勢)では第1経路R1から退避する一方、入球許容姿勢(第2姿勢)では第1経路R1を遮る傾斜面を形成してこの第1経路R1の途中で遊技球を受け、この遊技球を第2始動口12aに向けて誘導するように構成されている。そして、普通作動部材12bの長時間作動パターンFS3(第1の作動パターン)は、普通作動部材12bの上面(傾斜面)上を遊技球が第1経路R1から第2始動口12aまで転動するのにかかる基準時間(1500ms)より長い時間(5800ms)にわたって普通作動部材12bを入球許容姿勢とする作動パターンであり、中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)は、基準時間(1500ms)より短くかつ遊技球が傾斜面上で第1経路R1から逸れるまでにかかる最短の移動時間(300ms)より長い時間(600ms)にわたって普通作動部材12bを入球許容姿勢とすることで、該遊技球を第1経路R1及び第2始動口12aの間から第2経路R2(別の経路)に流下させて右側始動口33a(別の始動口)が位置する側に導く作動パターンである。
このように、第2始動口12aが第1経路R1から離間し、普通作動部材12bが入球許容姿勢において第1経路R1から第2始動口12aに遊技球を誘導する傾斜面を形成する構成とすることで、作動時間の異なる複数種類の作動パターンを設けるだけで、遊技球を第2始動口12aに入球させる場合と右側始動口33aに向けて放出する場合とを生じさせることができる。すなわち、遊技球が第2始動口12aに入球する頻度及び右側始動口33aに入球する頻度を同時に調整することができる。
(2-3)また、第2実施形態のパチンコ遊技機1は、第1経路R1(所定経路)と第2始動口12a(可変始動口)との間の離間寸法として、遊技球の直径より大きい寸法が確保されている。
これにより、中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)に応じて普通作動部材12bを作動する場合に、当該普通作動部材12bの傾斜面で受けた遊技球をその傾斜面上で第1経路R1から第2始動口12aに向けて転動する途中で落下させ、別の始動口(右側始動口33a)が位置する第2経路R2(別の経路)に遊技球を流下させ得る。
(2-4)また、第2実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技球が入球可能な大入賞口15a(特別入賞口)と、この大入賞口15aへの遊技球の入球を阻止する入球阻止姿勢(第1姿勢)及び許容する入球許容姿勢(第2姿勢)に変位可能な特別作動部材15bとを備えており、遊技制御用マイコン61は、第2始動口12a(可変始動口)への遊技球の入球を契機として特別作動部材15bに対応する駆動手段としての大入賞口ソレノイド15dを制御して特別作動部材15bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢に変位させる。ここで、第1経路R1(所定経路)は、ゲート13(作動口)を通過した遊技球が大入賞口15aへ向かう通路であり、普通作動部材12bは、入球阻止姿勢においてゲート13を通過した遊技球が大入賞口15aに向かうのを許容する一方、入球許容姿勢においてゲート13を通過した遊技球を受けることでその遊技球が大入賞口15aに向かうのを阻止するように構成されており、普通作動部材12bの長時間作動パターンFS3(第1の作動パターン)及び中時間作動パターンFS2(第2の作動パターン)は、ゲート13を通過した遊技球が大入賞口15aへ向かうのを阻止する作動パターンである。
すなわち、ゲート13を通過した遊技球が大入賞口15aへ向かうのを阻止しつつ、その遊技球を第2始動口12aや右側始動口33a(別の始動口)に入球させることができる。
(2-5)また、第2実施形態のパチンコ遊技機1は、右側始動口33a(別の始動口)への遊技球の入球を契機とする第1特図用の特図当たり判定(内部判定)と、第2始動口12a(可変始動口)への遊技球の入球を契機とする第2特図用の特図当たり判定(内部判定)とで、その判定結果が小当たりの判定結果(特定の判定結果)となる可能性の有無または可能性の大きさが異なる。
このように、第2始動口12aと右側始動口33aとは、入球を契機とする特図当たり判定で小当たりの判定結果となる可能性の有無または可能性の大きさが異なる。そして、普通作動部材12bの作動パターンを利用した簡単な構成により各始動口の入球頻度を変化させることができ、遊技にメリハリを設けることができる。
<他の実施形態>
・前述した第1・第2実施形態では、ゲートを通過した遊技球が所定の領域としての大入賞装置の設置領域(特別入賞口=大入賞口のある領域)に向けて流下する所定経路(第1経路)を設け、普通作動部材が第1姿勢(入球阻止姿勢)の時には所定経路が遮断されずに遊技球が所定の領域に向けて流下し、特別入賞口に入球する一方、第2姿勢(入球許容姿勢)の時には所定経路が遮断されて所定の領域に向かわず、遊技球が特別入賞口に向かうのを阻止するようにした。これに対し、特別入賞口を所定経路とは異なる位置に設け、所定経路を単に遊技球をアウト口(所定の領域)に向けて流下させる経路として構成してもよい。
・前述した第1・第2実施形態では、大入賞装置を1つのみ設け、その内部に特定領域を設けて、小当たり状態で特別入賞口(大入賞口)に入球した遊技球が必ず特定領域を通過して大当たり遊技状態(2種大当たり状態)に発展するようにした。また加えて、可変始動口(第2始動口)を開閉する普通作動部材の作動によって特別入賞口への遊技球の入球が阻害され得るように構成した。すなわち、第1・第2実施形態では、小当たり状態として、特別入賞口への遊技球の入球が阻害されることで遊技球が特定領域を通過しないまたは通過し難い不利小当たり状態と、特別入賞口への遊技球の入球が許容されることで遊技球が特定領域を通過するまたは通過し易い有利小当たり状態とを生じさせるように構成した。これに対し、普通作動部材の作動が特別入賞口への遊技球の入球し易さに影響を与えないように構成してもよい。
・また、大入賞装置の内部に振分部材を設けて、特別入賞口に入球した遊技球を特定領域及び非特定領域に振り分け得るようにし、小当たり状態の種類に応じて振分部材の動作態様を異ならせることで、遊技球が特定領域を通過しないまたは通過し難い不利小当たり状態と、遊技球が特定領域を通過するまたは通過し易い有利小当たり状態とを生じさせるように構成してもよい。
・この他、大入賞装置(特別入賞口)を複数(2つ)設けると共にその片方の内部に特定領域を設け、小当たり状態の種類に応じて開放する特別入賞口を異ならせることで、遊技球が特定領域を通過しないまたは通過し難い不利小当たり状態と、遊技球が特定領域を通過するまたは通過し易い有利小当たり状態とを生じさせるように構成してもよい。
・前述した第1・第2実施形態では、第1特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出されることがない設定としたが、第1特図の特図当たり判定でも小当たりの判定結果を設定してもよい。この場合には、第1特図の特図当たり判定で小当たりの判定結果となる確率を第2特図の特図当たり判定における確率よりも低くするか、第1特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過する確率を第2特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中よりも低くすることで、第1特図の特図当たり判定に基づく遊技よりも第2特図の特図当たり判定に基づく遊技の方が有利な遊技性とすることができる。また逆に、第2特図の特図当たり判定で小当たりの判定結果となる確率を第1特図の特図当たり判定における確率よりも低くするか、第2特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過する確率を第1特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中よりも低くするようにしてもよく、この場合は、第2特図の特図当たり判定に基づく遊技よりも第1特図の特図当たり判定に基づく遊技の方が有利な遊技性とすることができる。
・前述した第1・第2実施形態では、普図変動表示が行われていない状態で遊技球が作動口(ゲート)を通過した場合に限り、当該作動口への遊技球の通過を契機として制御手段(遊技制御用マイコン)が普図当たり判定を実行する(普通図柄の作動保留を記憶するための記憶部を設けない)ように構成したが、普通図柄の作動保留を記憶する記憶部を設けるようにしてもよい。
・前述した第1実施形態では、右遊技領域の所定経路とは別の経路(第2経路)に入球口を設けないようにしたが、設けてもよい。例えば前述した第2実施形態のように、可変始動口とは別の始動口(右側始動口)を前記別の経路に設けるようにしてもよい。
・前述した第2実施形態では、右遊技領域の所定経路とは別の経路(第2経路)に、可変始動口とは別の始動口(右側始動口)を設けたが、異なる種類の入球口(例えば一般入賞口や特別入賞口等)を設けるようにしてもよい。また、前記別の経路(第2経路)に入球口を設けないようにしてもよい。
1…パチンコ遊技機、3…遊技領域、12a…第2始動口(可変始動口)、12b…普通作動部材、12d…第2始動口ソレノイド(駆動手段)、13…ゲート(作動口)、15a…大入賞口(特別入賞口)、15b…特別作動部材、15d…大入賞口ソレノイド(駆動手段)、33a…右側始動口(別の始動口)、61…遊技制御用マイコン(制御手段)、FS2…中時間作動パターン(第2の作動パターン)、FS3…長時間作動パターン(第1の作動パターン)、R1…第1経路(所定経路)、R2…第2経路(別の経路)。

Claims (5)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域に、作動口、可変始動口及び別の始動口と、前記可変始動口への遊技球の入球を阻止する第1姿勢及び許容する第2姿勢に変位可能な普通作動部材とを備えると共に、前記作動口への遊技球の通過を契機として前記普通作動部材に対応する駆動手段を制御して該普通作動部材を第1姿勢から第2姿勢に変位させる制御手段を備え、前記可変始動口への遊技球の入球を契機とする内部判定が当たりの判定結果となった場合に遊技者に有利な遊技状態を生起させる遊技機であって、
    前記制御手段は、複数種類の作動パターンの夫々に基づいて前記普通作動部材の姿勢を切替可能に構成され、
    前記普通作動部材の前記作動パターンとして、前記作動口を通過した遊技球を受けて前記可変始動口まで誘導可能な第1の作動パターンと、前記作動口を通過した遊技球を受けて前記可変始動口が位置しない側に放出可能な第2の作動パターンとが設定され、
    前記第2の作動パターンに基づく前記普通作動部材の作動に応じて放出された遊技球が入球可能な位置に、前記別の始動口が設けられている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記作動口を通過した遊技球が所定の領域に向けて流下する所定経路を備え、該所定の経路から交差方向に離間するよう前記可変始動口が設けられており、
    前記普通作動部材は、前記第1姿勢では前記所定経路から退避する一方、前記第2姿勢では前記所定経路を遮る傾斜面を形成して該所定経路の途中で遊技球を受け、該遊技球を前記可変始動口に向けて誘導するように構成され、
    前記第1の作動パターンは、前記傾斜面上を遊技球が前記所定経路から前記可変始動口まで転動するのにかかる基準時間より長い時間にわたって前記普通作動部材を前記第2姿勢とする作動パターンであり、
    前記第2の作動パターンは、前記基準時間より短くかつ遊技球が前記傾斜面上で前記所定経路から逸れるまでにかかる最短の移動時間より長い時間にわたって前記普通作動部材を前記第2姿勢とすることで、該遊技球を前記所定経路及び前記可変始動口の間から別の経路に流下させて前記別の始動口が位置する側に導く作動パターンである請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記所定経路と前記可変始動口との間の離間寸法として、遊技球の直径より大きい寸法が確保されている請求項2記載の遊技機。
  4. 遊技球が入球可能な特別入賞口と、
    前記特別入賞口への遊技球の入球を阻止する第1姿勢及び許容する第2姿勢に変位可能な特別作動部材とを備え、
    前記制御手段は、前記可変始動口への遊技球の入球を契機として前記特別作動部材に対応する駆動手段を制御して該特別作動部材を第1姿勢から第2姿勢に変位させるように構成され、
    前記所定経路は、前記作動口を通過した遊技球が前記特別入賞口へ向かう通路であり、
    前記普通作動部材は、前記第1姿勢において前記作動口を通過した遊技球が前記特別入賞口に向かうのを許容する一方、前記第2姿勢において前記作動口を通過した遊技球を受けることで該遊技球が前記特別入賞口に向かうのを阻止するように構成され、
    前記第1の作動パターン及び前記第2の作動パターンは、前記作動口を通過した遊技球が前記特別入賞口へ向かうのを阻止する作動パターンである請求項2または3に記載の遊技機。
  5. 前記別の始動口への遊技球の入球を契機とする前記内部判定と、前記可変始動口への遊技球の入球を契機とする前記内部判定とで、その判定結果が特定の判定結果となる可能性の有無または可能性の大きさが異なる請求項4記載の遊技機。

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