本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機としてパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図4)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(図4)と、演出ボタンランプ9c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図4では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、遊技領域3の下方に配置してもよい。
大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。第1始動口11が本発明の第1始動口の一例であり、第2始動口22が本発明の第2始動口の一例である。
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
本実施形態では、各特別図柄表示器51,52は、それぞれ4個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)及び消灯したLED(■)がそれぞれ特別図柄を表しており、LEDの点灯箇所が所定方向(例えば、左から右)へ流れる状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、本実施形態では、普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)及び消灯したLED(■)が普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄を大当たり演出図柄といい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄をハズレ演出図柄という。大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。
演出図柄変動パターンの変動表示は、特図変動パターンの変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。図1に示すように、演出表示装置7には、第1演出保留表示領域51Bと、第2演出保留表示領域52Bとが設定されている。第1演出保留表示領域51B及び第2演出保留表示領域52Bは、演出表示装置7の作動保留数を画像の数で表すための演出保留画像を表示する領域である。遊技者は、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数を知ることができる。同様に、遊技者は、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像の数を数えることにより、第2特図保留数を知ることができる。なお、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知してもよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、図3及び図4に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図3)と、払出制御基板73(図3)と、サブ制御基板100(図4)と、画像制御基板200(図4)と、音声制御基板78(図4)と、ランプ制御基板79(図4)とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルTa1(図5(a))、大当たり種別判定テーブル(図示せず)、リーチ判定テーブルTa2(図5(b))、特図変動パターン選択テーブル(図示せず)等の各種のテーブルが記憶されている。大当たり乱数が本発明の判定情報の一例である。
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
図6(a)に示すように、第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
図6(b)に示すように、第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bが本発明の保留手段の一例である。
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
図7(b)に示すように、第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンド等を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
図7(c)に示すように、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
図7(a)に示すように、当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1の特別図柄表示器及び普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。また、電サポ制御が行われている状態を「高ベース状態」といい、電サポ制御が行われていない状態(非電サポ状態)を「低ベース状態」という。時短状態かつ高ベース状態は、本発明の入球容易状態の一例である。
パチンコ遊技機1では、後述する確変大当たりに当選した後の大当たり遊技が終了した後の遊技状態は、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」である。この遊技状態は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより一旦終了し、当選した大当たりが再度確変大当たりである場合には高確率状態が再度開始されることとなる。以下、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「高確高ベース状態」と示す場合がある。
また、通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技が終了した後の遊技状態は、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」である。この遊技状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。以下、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「低確高ベース状態」と示す場合がある。また、「低確高ベース状態」は、「低確低ベース状態」における大当たり判定で「突時当たり(時短状態への移行)」となった場合にも取り得ることがある。パチンコ遊技機1は、突時当たりとなった特図変動の終了後、大当たり遊技を経ることなく「低確高ベース状態」にする。この場合の「低確高ベース状態」も、大当たり遊技後に「低確高ベース状態」になった場合と同様、時短終了条件が成立するまで継続する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。以下、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」を「低確低ベース状態」と示す場合がある。
また、パチンコ遊技機1では、遊技状態毎に共通の遊技演出(背景や演出モードやキャラクタ絵柄やリーチ演出等)が設定されている。
[大当たり判定テーブル]
図5(a)に示す大当たり判定テーブルTa1は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルTa1は、遊技状態と、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)と、大当たり乱数値とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態では、大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
大当たり判定テーブルTa1には、通常確率状態時における第1特図の抽選用の大当たり乱数値として、0~164の計165個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、通常確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~164の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~164以外であった場合は、大当たりではないと判定する。大当たりではないと判定した乱数のうち、取得した大当たり乱数が165~3442の範囲内の値であった場合、遊技制御用マイコン61は、突時当たり(時短状態への移行)と判定する。つまり、通常確率状態時における第1特図の抽選では、大当たりに当選しなかった場合であっても約1/20の割合で突時当たりとなる。突時当たりとなった場合には次変動から時短状態(低確高ベース状態)へと移行する。また、大当たりではないと判定した乱数のうち、取得した大当たり乱数が3443~65535の何れかであった場合、遊技制御用マイコン61は、「ハズレ」と判定する。なお、突時当たりと判定される割合は、この実施例で示す割合に限られず、遊技性に応じて適宜変更可能である。また、突時当たりは、大当たり判定において大当たりと判定されなかった場合に判定され得るため、「ハズレ」の一種として扱うことも可能である。
大当たり判定テーブルTa1には、通常確率状態時における特第2特図の抽選用の大当たり乱数値として、0~164の計165個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、通常確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~164の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~164以外であった場合は、ハズレと判定する。なお、通常確率状態時における第2特図の抽選では、突時当たりと判定されることはない。つまり、通常確率状態時における第1特図の抽選と第2特図の抽選とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、第1特図の抽選のみ突時当たりと判定される場合がある。
大当たり判定テーブルTa1には、高確率状態時における第1特図及び第2特図の抽選用の大当たり乱数値として、0~649の計650個の大当たり乱数が設定されている。つまり、通常確率状態のときよりも多くの大当たり乱数が設定されており、通常確率状態のときよりも大当たりと判定される確率が高くなっている。遊技制御用マイコン61は、高確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~649の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~649以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
[大当たり種別判定テーブル]
大当たり種別判定テーブルは、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)と、大当たり種別乱数値とを対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1では、大当たりの種別として「10R通常大当たり」と「10R確変大当たり」がある。
10R通常大当たりは、大当たり遊技を構成するラウンド数が「10」であって、大当たり遊技終了後の遊技状態を、「低確高ベース状態」とする大当たり種別である。ただし、「高ベース状態(時短状態)」における特図変動の上限回数は「100回」とされ、当該上限回数を超えると、「低確低ベース状態」となる。10R確変大当たりは、大当たり遊技を構成するラウンド数が「10」であって、大当たり遊技終了後の遊技状態を、「高確高ベース状態」とする大当たり種別である。10R確変大当たりが決定された場合、次回大当たり抽選に当選するまで、「高確高ベース状態」とされる。なお、大当たりの種別は、この例に限られず、大当たりの種別を増やしてもよい。
また、大当たりに関し、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。大当たり遊技中は、多数の賞球を獲得できるとともに、時短状態中は、特図保留数の消化ペースが早く、かつ第2始動口22に遊技球が入賞し易いため、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。よって、大当たり遊技や時短状態は、本発明の特典の一例である。
[リーチ判定テーブル]
図5(b)に示すリーチ判定テーブルTa2は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄7Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルTa2は、遊技状態とリーチ乱数値とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。
なお、図5(b)のテーブルは、基本的に第1特図に対応するリーチ判定テーブルを示す。第2特図に対応するリーチ判定テーブルは、第1特図のテーブルと同一内容にしてもよいし、異なるテーブルとしてもよい。また、通常確率状態で突時当たり成立乱数と一致する大当たり乱数を取得している場合、非時短状態であればリーチ判定テーブルは参照しないが、時短状態であればリーチ判定テーブルを参照する。リーチ判定テーブルを参照する場合、「突時当たり」は「ハズレ」として取り扱われ、時短状態が生起されない。また、大当たり判定の実行時に時短状態とされている場合には、大当たり判定において「突時当たり」と判定される場合がないよう大当たり乱数を設定してもよい。
[特図変動パターン選択テーブル]
特図変動パターン選択テーブルは、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルは、遊技状態と、判定(大当たり判定及びリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数値と、特図変動パターンと、変動時間と、停止時間とを対応付けて構成されている。なお、大当たり種別について対応付けてもよい。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。特図変動パターンとしては、大当り変動用の変動パターンと、ハズレ変動用の変動パターンが存在する。大当たり変動用の変動パターンは、大当たり判定で大当たりと判定されたときに選択される変動パターンである。ハズレ変動用の変動パターンは、大当たり判定でハズレと判定されたときに選択される変動パターンである。さらに、ハズレ変動用の変動パターンは、リーチ判定でリーチ有りと判定されたときに選択される変動パターンと、リーチ判定でリーチ無しと判定されたときに選択される変動パターンに分類可能である。さらに、パチンコ遊技機1では、通常確率状態時における第1特図の抽選で「突時当たり」と判定された場合に選択される突時当たり用の変動パターンが設定されている。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図8に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図9に従って、メイン側タイマ割込処理(図8のS5)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、大入賞口センサ32a、ゲートセンサ12a等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図8のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する始動口センサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、その他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理(図8)のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(図8のS5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(図9のS10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(図8のS5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(始動口センサ検出処理)
次に、図10に従って、始動口センサ検出処理(図9のS15)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S20)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S20:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S21の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S20:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S22)。遊技球が第2始動口22に入賞したことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合(S22:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S23)。第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合(S23:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。これにより、第2特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S25で第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S25で第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26で作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(図9のS10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
S27の終了後、遊技球が第2始動口22に入賞していないと判定した場合(S22:No)、又は第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合(S23:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11に入賞したか否かを判定する(S28)。遊技球が第1始動口11に入賞したことは第1始動口センサ11aによって検出される。遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合(S28:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S29)。第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合(S29:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。これにより、第1特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S31で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S31で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(図9のS10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
S33の終了後、遊技球が第1始動口11に入賞していないと判定した場合(S28:No)、又は第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合(S29:Yes)、遊技制御用マイコン61は、始動口センサ検出処理を終了する。
(普通動作処理)
次に、普通動作処理(図9のS16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作等の処理を行う。
(特別図柄待機処理)
次に、図11に従って、特別図柄待機処理(図9のS17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する(S40)。「0」ではないと判定した場合(S40:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(図12)を実行する(S41)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(図14,図16)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S43)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S44)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S45)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第2特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図12)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図14,図16)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。S45の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、S40で、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S40:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S46)。「0」ではないと判定した場合(S46:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(図13)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(図15,図16)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S49)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第1特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(図13)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図15,図16)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。S51の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、S46で、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S46:Yes)、待機状態中であるか否かを判定する(S52)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中であると判定した場合(S52:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了し、待機状態中ではないと判定した場合(S52:No)、待機画面設定処理を実行する(S53)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間(前述の一定時間に相当)の経過を待って、客待ち用のデモ画面である待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。なお、遊技制御用マイコン61は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって待機状態であるか否かを判定するようにしてもよい。また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S40:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(第2特図大当たり判定処理)
次に、図12に従って、第2特図大当たり判定処理(図11のS41)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S60)、大当たり判定テーブルを参照する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONであるか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S62)。確変フラグは、いずれかの確変大当たりに当選したときにONにされ、いずれかの通常大当たりに当選したときにOFFにされる。ここで、確変フラグがONではない、つまり、通常確率状態であると判定した場合(S62:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S60で読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S63)。
一方、S62で確変フラグがONである、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S62:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルTa1のうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S60で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S64)。
S63で大当たりと判定した場合(S63:Yes)又はS64で大当たりと判定した場合(S64:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブルを参照し、大当たりの種別を判定する(S65)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。ここで、振分率とは、大当たり種別判定テーブルに設定されている複数種類の大当たりのうち、所定の大当たりが選択される確率のことである。また、最大ラウンド数とは、大当たり遊技における実行可能な最大ラウンド数のことである。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S66)。S63で大当たりと判定しなかった場合(S63:No)、S66の終了後、又はS64で大当たりと判定しなかった場合(S64:No)、遊技制御用マイコン61は、S67に移行する。大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S67において、S65で判定した大当たりの種別に応じた第2特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし、第2特図大当たり判定処理を終了する。また、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、第2特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし、第2特図大当たり判定処理を終了する。
(第1特図大当たり判定処理)
次に、図13に従って、第1特図大当たり判定処理(図11のS47)の内容について説明する。なお、第2特図大当たり判定処理と処理の流れが同じ部分については説明を省略する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図大当たり判定処理と同じく、S60~S66の処理を実行する。ただし、S63で大当たりと判定しなかった場合(S63:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルTa1の突時当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S60で読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか、つまり突時当たりか否かの判定を行う(S68)。例えば、S60で読み出した大当たり乱数が「3000」であった場合は、大当たり判定テーブルTa1のうち、突時当たりに対応する乱数範囲165~3442の中に「3000」が存在するため、突時当たりと判定する(S68:Yes)。
遊技制御用マイコン61は、S68で突時当たりと判定した場合(S68:Yes)、第1特図の突時当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S67)、第1特図大当たり判定処理を終了する。一方、突時当たりと判定しなかった場合(S68:No)、第1特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S67)、第1特図大当たり判定処理を終了する。遊技制御用マイコン61が実行するS63,S64,S68が本発明の第1判定手段の一例である。なお、「突時当たり」は、大当たり判定において大当たりと判定されなかった場合に判定され得るとともに、大当たり種別のように複数の突時当たり種別が存在するわけではないため、S68の処理を実行することなく、S67に移行してもよい。
(第2特図変動パターン選択処理)
次に、図14及び図16に従って、第2特図変動パターン選択処理(図11のS42)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定する(S70)。時短状態中であるか否かは、時短状態中であるか否かを特定可能な情報(時短フラグ)がONである否かによって判定することができる。時短フラグは、時短状態に制御されるときにONにされる一方、時短状態が終了するときにOFFにされる。
時短フラグがONではない、つまり、時短状態中ではないと判定した場合(S70:No)、遊技制御用マイコン61は、S71に移行する。一方、時短フラグがONである、つまり、時短状態中であると判定した場合(S70:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S77に移行する。S71又はS77に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S71,S77)。大当たりフラグがONであると判定した場合(S71,S77:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S72,S78)。例えば、非時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。同様に、時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
また、S71又はS77で大当たりフラグがONではない、つまり、ハズレと判定した場合(S71,S77:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S73,S79)。非時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTa2のうち、非時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。取得したリーチ乱数が、非時短状態時のリーチ乱数の中に存在する場合、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S73:Yes)。同様に、時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTa2のうち、時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。取得したリーチ乱数が、時短状態時のリーチ乱数の中に存在する場合、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S79:Yes)。
その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S74,S80)。例えば、非時短状態であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルにおいて非時短状態でリーチ有りハズレとなる変動パターン乱数を参照する。同様に、時短状態であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルにおいて時短状態でリーチ有りハズレとなる変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
また、S73又はS79でリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S73,S79:No)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S75,S81)。例えば、非時短状態であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルにおいて非時短状態でリーチ無しハズレとなる変動パターン乱数を参照する。同様に、時短状態であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルにおいて時短状態でリーチ無しハズレとなる変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
S72,S74,S75,S78,S80,S81の終了後、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし(図14のS76)、第2特図変動パターン選択処理を終了する。
S76で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理(図11)のS45,S51でセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図9のS10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(第1特図変動パターン選択処理)
次に、図15及び図16に従って、第1特図変動パターン選択処理(図11のS48)の内容について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と処理の流れが同じ部分については説明を省略する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図変動パターン選択処理と同じく、S70,S71の処理を実行する。S71で大当たりフラグがONになっていないと判定した場合(S71:No)、遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数が突時当たり成立乱数であるか否かを判定する(S82)。取得した大当たり乱数が、非時短状態時において突時当たりと判定される大当たり乱数の中に存在する場合、遊技制御用マイコン61は、突時当たり成立乱数であると判定する(S82:Yes)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S83)。このとき選択される特図変動パターンは、突時当たり用の特図変動パターンである。S83で特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし(図15のS76)、第1特図変動パターン選択処理を終了する。
一方、取得した大当たり乱数が突時当たり成立乱数ではない場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、S73に移行し、以降、第2特図変動パターン選択処理と同様の処理を行う。
(特別図柄変動処理)
次に、図17に従って、特別図柄変動処理(図9のS18)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(図11のS42又はS48で選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間)が終了したか否かを判定する(S90)。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。この図柄は、第2特図大当たり判定処理(図12のS67)又は第1特図大当たり判定処理(図13のS67)においてセットした特図停止図柄データに応じた図柄である。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S93)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S94)、ONであると判定した場合(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たり遊技のオープニングの実行時間を所定のタイマにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理を実行する(S98)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理において、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで大入賞口32を開閉させる。そして、ラウンド遊技中、大入賞口32が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は、開閉部材31の閉動作により大入賞口32を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、大入賞口32の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、エンディング演出を実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFとする。
特別電動役物処理(S98)の終了後、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態設定処理(S99)を実行し、その後、特別図柄変動処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S90:No)、又は大当たりフラグがONではないと判定した場合(S94:No)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄変動処理を終了する。各特図柄表示器で大当たり判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる遊技制御用マイコン61は、本発明の図柄表示制御手段の一例である。
(遊技状態管理処理)
次に、図18に従って、遊技状態管理処理(図17のS93)の内容について説明する。この処理は、第1特図変動を対象として説明する。
遊技制御用マイコン61は、S92で確定表示させた図柄が、第1特図の突時当たり図柄であるか否かを確認する(S100)。遊技制御用マイコン61は、特図バッファにセットした特図停止図柄データを読み出すことで、突時当たり図柄であるか否かを確認することができる。突時当たり図柄である場合(S100:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをONにし(S101)、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタに「25」をセットする(S102)。S102でセットされる値は、突時当たり図柄が決定されたことによって付与される時短状態の回数である。なお、通常、時短カウンタは大当たり遊技の終了時に大当たりの種別に基づく値がセットされる。例えば、「10R通常大当たり」に当選した場合、大当たり遊技の終了時、時短カウンタに「100」がセットされる。S102の終了後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし(S107)、その後、遊技状態管理処理を終了する。
一方、突時当たり図柄ではないと判定した場合(S100:No)、遊技制御用マイコン61は、時短フラグがONであるか否かを確認する(S103)。時短フラグがONである場合(S103:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値を1減算する(S104)。次に、遊技制御用マイコン61は、1減算後の時短カウンタの値が「0」であるか否かを確認する(S105)。時短カウンタの値が「0」である場合(S105:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをOFFにする(S106)。S106の実行後、時短フラグがONではないと判定した場合(S103:No)、又は1減算後の時短カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S105:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし(S107)、その後、遊技状態管理処理を終了する。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図9のS10)においてサブ制御基板100に出力される。遊技状態指定コマンドには、設定した現在の遊技状態に関する情報(確変状態か否か、時短状態か否か、時短カウンタ値等)が含まれている。
(遊技状態設定処理)
次に、図19に従って、遊技状態設定処理(図17のS99)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、大当たり種別として10R確変大当たりを決定したか否かを判定する(S110)。10R確変大当たりを決定していない場合(S110:No)、決定した大当たりの種別は10R通常大当たりということになる。遊技制御用マイコン61は、時短フラグをONにし(S111)、時短カウンタに「100」をセットする(S112)。これにより、10R通常大当たりを決定した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が、「低確高ベース状態」となる。ただし、この遊技状態は、特別図柄の変動回数が100回に到達するか、又は次回大当たり抽選に当選することのいずれか早い方の条件成立によって終了する。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S113)、遊技状態設定処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)に関する情報が含まれている。
一方、大当たりの種別として10R確変大当たりを決定している場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、確変フラグをONにする(S114)。その後、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをON(S115)にする。これにより、10R確変大当たりを決定した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が、「高確高ベース状態」となる。この遊技状態は、次回大当たり抽選に当選するまで継続される。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S113)、遊技状態設定処理を終了する。図18及び図19の処理を実行し、大当たり判定手段の判定結果に応じた特典(大当たり遊技や時短状態)を生起させる遊技制御用マイコン61は、特典制御手段の一例である。
(サブ側主制御処理)
次に、図20に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S120)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S121)、否定判定した場合(S121:No)、RAM120を初期化し(S122)、S123に進む。また、S121で肯定判定した場合(S121:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS123に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S121:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S121:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS120~S122は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S123)、乱数更新処理を実行する(S124)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S125)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S126)。以降、S123~S126を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S127)、1msタイマ割込処理(S128)及び10msタイマ割込処理(S129)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(図20のS127)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S128,S129)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図21に従って、1msタイマ割込処理(図20のS128)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S130)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ9aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S131)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理(図25のS187)においてRAM120の出力バッファにセットされる演出図柄変動表示開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(図22のS143)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(図22のS144)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出図柄変動表示開始コマンドを出力したか否かを判定する(S132)。演出図柄変動表示開始コマンドは、後述する変動演出開始処理(図25のS187)においてRAM120の出力バッファにセットされ、S131において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、演出図柄変動表示開始コマンドを出力したと判定した場合(S132:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S133)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S134)。S134の終了後、又は演出図柄変動表示開始コマンドを出力していないと判定した場合(S132:No)、演出制御用マイコン101は、1msタイマ割込処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図22に従って、10msタイマ割込処理(図20のS129)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図23)を実行し(S140)、スイッチ状態取得処理を実行する(S141)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(図21のS130)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S142)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S143)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S144)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S145)、10msタイマ割込処理を終了する。その他の処理(S145)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数などを更新するなどの処理を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図23に従って、受信コマンド解析処理(図22のS140)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S150)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S150:Yes)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S151)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)を示す情報等が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。例えば、遊技状態指定コマンドに含まれている情報が「低確低ベース状態」を示している場合、演出制御用マイコン101は、遊技状態フラグ「1」をセットする。「低確高ベース状態」を示している場合、演出制御用マイコン101は、遊技状態フラグ「2」をセットする。「高確高ベース状態」を示している場合、演出制御用マイコン101は、遊技状態フラグ「3」をセットする。なお、大当たり遊技に基づく時短状態か、突時当たりに基づく時短状態かを区別できるよう、フラグを設定してもよい。例えば、「突時当たり」を特定する特図用の変動開始コマンドを入力している場合、演出制御用マイコン101は、当該コマンドと遊技状態指定コマンドにより、突時当たりに基づく「低確高ベース状態」であると特定し、遊技状態フラグ「4」をセットしてもよい。同様に、「10R通常大当たり」を特定する特図用の変動開始コマンドを入力している場合、演出制御用マイコン101は、当該コマンドと遊技状態指定コマンドにより、大当たり遊技に基づく「低確高ベース状態」であると特定し、遊技状態フラグ「2」をセットしてもよい。また、演出制御用マイコン101は、遊技状態フラグのセットに合わせ、モードステータスを設定する。モードステータスは、設定する演出モードを決定するためのものである。パチンコ遊技機1では、「低確低ベース状態」のときに設定される「通常モード」と、「低確高ベース状態」のときに設定される「通常時短モード」及び「特殊時短モード」と、「高確高ベース状態」のときに設定される「高確モード」とが設定されている。なお、「通常時短モード」は、10R通常大当たりの大当たり遊技終了後に設定されるモードであり、「特殊時短モード」は、突時当たりに基づく時短状態が生起されたときに設定されるモードである。モードステータス「1」が「通常モード」に対応し、モードステータス「2」が「通常時短モード」に対応し、モードステータス「3」が「高確モード」に対応し、モードステータス「4」が「特殊時短モード」に対応する。現在のモードステータスを参照することで、演出制御用マイコン101は、現在の演出モードを特定することが可能である。演出モードとは、主に演出態様群を指しており、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出、背景画像等の演出態様の一部又は全部が異なるようになっている。なお、10R通常大当たりの大当たり遊技終了後に設定されるモードと、突時当たりに基づく時短状態が生起されたときに設定されるモードは、同一であってもよい。
また、演出制御用マイコン101は、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている時短演出カウンタの値を更新する。すなわち、時短状態で行われる特別図柄の残り変動回数が時短演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも時短回数の情報を保持することができる。
S151の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S150:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S152)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S152:Yes)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を実行する(S153)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S153の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S152:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S154)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S154:Yes)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行する(S155)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S155の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S154:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S156)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S156:Yes)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S157)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S157の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S156:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定する(S158)。始動入賞コマンドを受信したと判定した場合(S158:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する先読み演出判定処理(図24)を実行する(S159)。S159の実行後、又は始動入賞コマンドを受信したと判定していない場合(S158:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S160)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S160:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出開始処理(図25)を実行する(S161)。
S161の終了後、又は主制御基板60から変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S160:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S162)。主制御基板60から変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S162:Yes)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S163)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(図20のS125)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを所定の停止パターンを経て確定表示する。
S163の終了後、又は主制御基板60から変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S162:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から客待ち待機コマンドを受信したか否かを判定する(S164)。客待ち待機コマンドを受信したと判定した場合(S164:Yes)、演出制御用マイコン101は、デモ演出の演出内容が定められた客待ち演出パターンを決定するための客待ち演出パターン決定処理を実行する(S165)。サブ制御基板100が客待ち待機コマンドを受信してから次に変動開始コマンドを受信するまでの期間が待機状態(客待ち状態)に相当する。S165の終了後、又は主制御基板60から客待ち待機コマンドを受信していないと判定した場合(S164:No)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S166)、受信コマンド解析処理を終了する。その他の処理(S164)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
以下、本実施例の特徴である特別演出としての先読み演出について説明する。
先読み演出は、先読み演出判定処理(図23のS159)の判定結果に応じて行われる演出である。一般的な先読み演出は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定を行う前に、特図保留演出記憶部121,122に大当たり乱数が記憶されているか否かを事前判定し、大当たり乱数が記憶されていると判定された場合に、大当たりの発生を示唆する態様で行われる。パチンコ遊技機1では、低確高ベース状態終了後の特定判定タイミングまでに、突時当たりと判定される大当たり乱数が第1特図保留演出記憶部121に記憶されている場合に先読み演出が実行される。具体的には、突時当たりに基づく低確高ベース状態終了後、遊技制御用マイコン61が最初に第1特図大当たり判定を実行するまでの間に突時当たりと判定される大当たり乱数が記憶されている場合、突時当たりに基づく低確高ベース状態で表示されていた背景画像と同一の背景画像が演出表示装置7に表示される。本実施形態では、突時当たりに基づく低確高ベース状態終了後、最初に第1特図大当たり判定が実行されるまでの期間が、先読み演出判定に係る特定判定タイミングの一例である。
(先読み演出判定処理)
次に、図24に従って、先読み演出判定処理(図23のS159)について説明する。
演出制御用マイコン101は、RAM120の受信バッファに格納されている第1始動入賞コマンドをRAM120の第1特図保留演出記憶部121に記憶する(S170)。なお、受信した第1始動入賞コマンドは、第1特図保留演出記憶部121の第1乃至第4記憶領域のうち、当該第1始動入賞コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で第1始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。また、変動演出パターンの表示は、第1特図保留演出記憶部121の第1記憶領域に記憶されている第1始動入賞コマンドに基づいて行われ、変動演出パターンの表示を行う毎に各記憶領域に記憶されている第1始動入賞コマンドは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトする。
続いて、演出制御用マイコン101は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新する(S171)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。このため、第1特図保留演出カウンタの値は、第1特図保留数と同期して増減する。
続いて、演出制御用マイコン101は、事前判定を行う(S172)。この事前判定では、S170で第1特図保留演出記憶部121に記憶した第1始動入賞コマンドに含まれている大当たり乱数が、第1特図大当たり判定処理(図13)において突時当たりと判定される大当たり乱数であるか否かを判定する。つまり、演出制御用マイコン101は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定を行う前に事前判定を行う。サブ制御基板100のROM110には、大当たり判定テーブルTa1(図5(a))と同一のサブ側大当たり判定テーブルが記憶されており、演出制御用マイコン101は、サブ側大当たり判定テーブルを参照して事前判定を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、事前判定の結果、第1特図の突時当たり図柄であるか否かを判定する(S173)。突時当たり図柄である場合(S173:Yes)、演出制御用マイコン101は、事前判定において突時当たりが存在することを示す先読み突時当たりフラグ「1」を、突時当たりと判定した大当たり乱数を含む第1始動入賞コマンドが記憶されている記憶領域にセットする(S174)。その後、演出制御用マイコン101は、先読み演出判定処理を終了する。一方、突時当たり図柄ではないと判定した場合(S173:No)、演出制御用マイコン101は、S174を実行することなく先読み演出判定処理を終了する。
(変動演出開始処理)
次に、図25に従って、変動演出開始処理(図23のS161)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した変動開始コマンドを解析する(S180)。変動開始コマンドには、特図変動パターン選択処理でセットされた特図変動パターンの情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。
続いて、演出制御用マイコン101は、S180で解析した変動開始コマンドに基づき、特図保留演出カウンタの値を減算し(S181)、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S182)。詳しくは、S180にて解析した変動開始コマンドが第2特図変動開始コマンドである場合、演出制御用マイコン101は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算し(S181)、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S182)。同様に、S180にて解析した変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合、演出制御用マイコン101は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し(S181)、第1特図保留演出記憶部121に記憶されている始動入賞コマンド、先読み突時当たりフラグ等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S182)。
次に、演出制御用マイコン101は、現在のモードステータスを確認する(S183)。続いて、演出制御用マイコン101は、モードステータスの値を参照しつつ、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S184)。パチンコ遊技機1では、突時当たりが決定されている場合、突時当たり図柄組み合わせを決定する。この突時当たり図柄組み合わせは、リーチ無しハズレ図柄組み合わせ、リーチ有りハズレ図柄組み合わせ等と同一であってもよいし、これらの図柄組み合わせの何れとも異なる図柄組み合わせであってもよい。
続いて、演出制御用マイコン101は、後述する予告演出選択処理(図26)を実行し(S185)、その後、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S186)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、演出選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出の内容を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S184で選択した演出内容の表示を演出表示装置7に開始させるための演出図柄変動表示開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S187)。演出図柄変動表示開始コマンドには、演出内容の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む演出図柄変動表示開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(図21のS131)において、演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、変動演出開始処理を終了する。画像制御基板200に対して、大当たり判定の結果を示す演出図柄組み合わせの停止指示を行う演出制御用マイコン101は、図柄表示制御手段の一例である。また、演出制御用マイコン101からの指示を受け、演出表示装置7に演出図柄を停止表示させる画像制御基板200も、図柄表示制御手段の一例である。
(予告演出選択処理)
次に、図26に従って、予告演出選択処理(図25のS185)について説明する。なお、この予告演出選択処理は、第1特図保留演出記憶部121に対して実行する処理である。
演出制御用マイコン101は、現在の遊技状態が、突時当たりに基づく時短状態終了後の低確低ベース状態であるか否かを判定する(S190)。S190の判定は、例えば、残り時短回数が0回となったときに、遊技制御用マイコン61から突時当たりに基づく時短状態が終了したことを示すコマンドが送信されるようにし、当該コマンドにより判定可能としてもよい。また、S190の判定は、同じ「時短状態」でも、大当たり遊技に基づく時短状態と突時当たりに基づく時短状態を判別できるようフラグ管理し、当該フラグにより判定可能としてもよい。突時当たりに基づく時短状態終了後の低確低ベース状態ではない場合(S190:Yes)、演出制御用マイコン101は、予告演出選択処理を終了する。一方、突時当たりに基づく時短状態終了後の低確低ベース状態である場合(S190:Yes)、演出制御用マイコン101は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S191)。大当たりフラグがONであると判定した場合(S191:Yes)、事前判定に基づく先読み演出を実行する必要がないため、演出制御用マイコン101は、予告演出選択処理を終了する。
大当たりフラグがONではないと判定した場合(S191:No)、演出制御用マイコン101は、第1特図保留演出記憶部121の第1乃至第4記憶領域のうち何れかの記憶領域に、先読み突時当たりフラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S192)。前述したように、先読み突時当たりフラグは、先読み演出判定処理において突時当たりが存在すると判定された場合にセットされる(図24のS174)。先読み突時当たりフラグ「1」がセットされている場合(S192:Yes)、演出制御用マイコン101は、「低確高ベース状態」で設定される特殊時短モードと同一の背景画像を指示する背景指定コマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S193)、予告演出選択処理を終了する。この背景指定コマンドは、コマンド送信処理(図20のS125)により画像制御基板200に出力される。その結果、遊技状態が低確低ベース状態であるにもかかわらず、演出表示装置7において特殊時短モードと同一の背景画像が表示される。この背景画像は、低確低ベース状態中、継続して表示される。
一方、先読み突時当たりフラグ「1」がセットされていない場合(S192:No)、演出制御用マイコン101は、現在の遊技状態である「低確低ベース状態」で設定される通常モードの背景画像を指示する背景指定コマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S194)、予告演出選択処理を終了する。この背景指定コマンドは、コマンド送信処理(図20のS125)により画像制御基板200に出力される。その結果、演出表示装置7において、現在の遊技状態と一致する通常モード用の背景画像が表示される。
画像制御基板200に対して、先読み演出(背景画像の表示)の実行指示を行う演出制御用マイコン101は、演出制御手段の一例である。また、演出制御用マイコン101からの指示を受け、演出表示装置7に先読み演出(背景画像の表示)を実行させる画像制御基板200も、演出制御手段の一例である。また、先読み演出中、演出内容に合わせてスピーカ8から音声が出力されたり、サイドランプ23a,23b等が点滅してもよい。この場合、これらの部材を制御する各制御基板78,79も、演出制御手段の一例である。
(演出例)
以下、図27に従って、先読み演出の演出例について説明する。なお、図27中、第1演出保留表示領域51Bに表示された色付きの丸は、突時当たりと判定される特図保留を示し、白丸は、「ハズレ」と判定される第1特図保留又は第2特図保留を示す。また、破線で示す丸は、特図保留が記憶されていないことを示す。また、「実行中」は、現在、特図変動が行われていることを示し、「保1」~「保4」は、それぞれ第1~第4記憶領域を示す。また、「特図」は、変動中の特図の種類(特図1,特図2)を示す。
低確低ベース状態は、第2始動口22を狙っても遊技球が入賞し難いため、第1始動口11を狙って遊技球が発射される。低確低ベース状態において、第1特図の変動表示中に第1始動口11に遊技球が入賞すると、当該入賞を契機とする第1特図変動が保留される(時点a1)。変動表示中の第1特図変動の結果が突時当たりであり、かつ当該入賞を契機に保留される第1特図変動の結果も突時当たりとなるものと仮定する。第1特図の変動表示が行われている遊技状態は「低確低ベース状態」であるため、演出表示装置7には、通常モード用の背景画像(この例では縦縞)が表示されている。
実行中の第1特図の変動が終了すると、前提により、第1特別図柄表示器51に突時当たり図柄が確定表示され、次の変動から低確高ベース状態が生起される(時点a2)。この「低確高ベース状態」は、特別図柄の変動回数が「25回」に到達するまで継続される。低確高ベース状態中は、第2始動口22に遊技球が入賞し易いため、遊技者は、遊技球の発射強度を変更し、左遊技領域3Aから右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射する。これにより、第2特図保留が発生しやすい。パチンコ遊技機1では、第2特図保留の消化が第1特図保留の消化に優先して実行されるため、低確高ベース状態中に第2特図保留が発生すると、第1特図変動の実行が保留されて第2特図変動が優先的に行われる。また、前提により、第2特図変動の変動表示が行われているときの遊技状態は、突時当たりが決定されたこと基づき低確高ベース状態となるため、演出表示装置7には、特殊時短モード用の背景画像(この例ではドット)が表示される。
低確高ベース状態における第2特図の変動回数が「25回」に到達すると、遊技状態が「低確高ベース状態」から「低確低ベース状態」に移行する(時点a3)。このとき、本来であれば、低確低ベース状態に移行したことにより、通常モード用の背景画像が表示されるが、前提により突時当たりと判定される第1特図保留が記憶されている。このため、内部的な遊技状態は低確低ベース状態であるが、低確高ベース状態であるときに設定される特殊時短モード用の背景画像と同一の背景画像が表示される。これにより、遊技者は、低確低ベース状態中であっても、すぐに低確高ベース状態が生起されることに対して期待を抱くことになる。すなわち、低確低ベース状態で実行が保留されている第1特図変動を消化してしまえば、再度、低確高ベース状態が生起されることが確約されているため、低確低ベース状態に落ちてすぐに遊技を止めてしまうことを抑止でき、遊技継続意欲を抱かせ易くなる。
演出表示装置7では、特殊時短モードと同一の背景画像が表示されているが、低確低ベース状態は第2始動口22に遊技球が入賞し難いため、遊技者は、右遊技領域3Bから左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射し、第1特図保留を貯留する。ただし、第2特図保留の消化が第1特図保留の消化に優先して実行されるため、低確低ベース状態に移行後も、第2特図保留が0となるまで第2特図変動が優先的に行われる(時点a4)。その後、第1特図変動が順次消化され(時点a5)、前提より、再度、第1特図の突時当たり図柄が確定表示された後(時点a6)、低確高ベース状態が生起される(時点a7)。
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、終了条件の成立により、内部的には低確高ベース状態(入球容易状態)が終了して低確低ベース状態(通常状態)に戻るが、低確高ベース状態の終了後、ほどなくして低確高ベース状態が生起される場合には、先読み演出として低確高ベース状態時と同一の背景画像が表示される(特別演出)。これにより、低確高ベース状態の終了直後においても、再度、低確高ベース状態が生起されるかもしれないという期待を抱かせることができる。その結果、低確高ベース状態終了後も遊技に対する興趣を維持させることができる。
(2)また、低確高ベース状態の終了条件は、図柄変動の実行回数が上限回数に到達することである。これによれば、低確高ベース状態が終了すると、第2始動口22への入球率が低くなり、遊技の継続意欲が削がれがちだが、先読み演出を実行することで、低確高ベース状態の終了直後においても、再度、低確高ベース状態が生起されるかもしれないという期待を抱かせ、遊技者に対して遊技を継続させることができる。
(3)遊技制御用マイコン61(特典制御手段)は、突時当たりと判定された場合に、当該判定結果を示す図柄の停止後に低確高ベース状態を生起させる。これによれば、当たり遊技を経ることなく、図柄の停止後いきなり低確高ベース状態を生起するという新しい遊技形態に対応した先読み演出を実行することができる。また、突時当たりと判定された場合に生起される低確高ベース状態は、当たり遊技を経ない分、賞球獲得数は減少するが、第2始動口22に遊技球が入賞し易い状況は確保されるため、遊技者にとって有利な特典であることに変わりはない。このため、先読み演出を実行することで、低確高ベース状態が生起されるかもしれないという期待を抱かせ、遊技の継続意欲をもたらすことができる。
(4)先読み演出は、低確高ベース状態であるときに設定される特殊時短モードと同一の背景画像(似たような演出)を表示させる態様で行われる。その結果、内部的には低確低ベース状態に落ちているが、見た目上、低確高ベース状態が継続しているような感覚を与え、遊技の継続意欲をもたらすことができる。
<他の実施形態>
図27では、低確高ベース状態に移行する前に、既に突時当たりとなる第1特図変動が保留されている事例を説明した。図27に示す事例に限られず、低確高ベース状態から低確低ベース状態に切り替わった直後には第1特図保留が存在していなくても、低確低ベース状態で行われる第2特図の変動表示中に、第1特図大当たり判定で突時当たりと判定される大当たり乱数が取得された際にも、先読み演出を実行することができる。図28に示すように、低確低ベース状態から低確高ベース状態に切り替わる時点で第1特図保留が存在しない場合(時点b1)、低確高ベース状態に移行すると、第2特図の変動が行われる(時点b2)。そして、低確高ベース状態における特別図柄の変動回数が「25回」に到達すると、低確高ベース状態から低確低ベース状態に移行する。なお、低確低ベース状態は、第2始動口22に遊技球が入賞し難い状態であるため、第2特図変動中に第1始動口11を狙って遊技球を発射することになる。そして、第2特図変動中に第1始動口11への遊技球の入賞に基づいて突時当たりと判定される大当たり乱数を取得した際には(時点b3)、第1特図の変動開始前に、特殊時短モードと同一の背景画像を表示させることも可能である(時点b4)。
先読み演出の対象は、第1特図であるため、第2特図では先読み演出判定を実行しなくてもよい。
ハズレと判定される大当たり乱数を取得した際にも、先読み演出を実行可としてもよい。つまり、先読み演出が実行されたとしても、突時当たりに基づく低確高ベース状態が生起されない事例があってもよい。この事例を実現させるためには、図24に示す先読み演出判定処理において、S173でハズレか否かを判定する。ハズレと判定される場合、例えば、1/50等の確率で先読み演出を実行させるか否かを抽選で決定し、先読み演出の実行を決定した場合に、先読み演出を実行させるようにしてもよい。これによれば、実際は低確高ベース状態が生起されない場合でも、所定の確率で先読み演出が実行されることがあるため、低確高ベース状態から低確低ベース状態に落ちてしまった場合であっても、再度、低確高ベース状態が生起されるかもしれないという期待を抱かせ、遊技継続意欲をもたらすことができる。
上記実施形態では、突時当たり用の変動パターンを設定していた。この変動パターンで特定される演出内容が、リーチ有りハズレと同一の演出内容である場合、リーチ判定で「リーチ有りハズレ」と判定されたときにも先読み演出を実行可としてもよい。
先読み演出の演出態様は、低確高ベース状態時に設定される特殊時短モードと同一の背景画像を表示させる態様に限られない。例えば、低確高ベース状態から低確低ベース状態に移行した際、「もう少し経てば時短が復活するかも?!」のように、再度、低確高ベース状態が生起されることに期待を持たせるような内容で先読み演出を実行するようにしてもよい。そして、低確低ベース状態から、再度、低確高ベース状態に移行した際には、前回の低確高ベース状態から時短回数が上乗せされたかのような態様で時短回数を報知するようにしてもよい。
先読み演出の演出態様は、低確高ベース状態時に設定される特殊時短モードと同一の背景画像を表示させる態様に限られず、再度、低確高ベース状態が生起されることを示唆する内容であれば、どのような態様であってもかまわない。例えば、低確高ベース状態時に設定される特殊時短モードでは、赤色の背景画像に加えて特殊キャラクタが登場するが、低確低ベース状態時に表示される先読み演出としての背景画像では、赤色の背景画像のみ表示させ、特殊キャラクタは登場しなくてもよい。つまり、低確高ベース状態中と同一の演出内容とせずとも、一部類似した内容の演出を実行してもよい。これによれば、見た目上、低確高ベース状態が継続しているような感覚を与え、若しくは低確高ベース状態が再度生起されることに期待を抱かせることができ、その結果、遊技継続意欲をもたらすことができる。
低確高ベース状態から低確低ベース状態に移行したときに先読み演出を実行していたが、低確高ベース状態中に先読み演出を実行してもよい。例えば「時短が続くかも?!」のようなメッセージを表示させることで、再度、低確高ベース状態が生起されることを示唆するようにしてもよい。この場合、低確高ベース状態の終盤(例えば、残り変動回数1回)で先読み演出を実行することが望ましい。また、低確高ベース状態終了後、低確低ベース状態で行われる1回目の特図変動の開始前(インターバル期間)に先読み演出を実行するようにしてもよい。
大当たり遊技に基づく低確高ベース状態の終了後、突時当たりに基づく低確高ベース状態が生起される場合に先読み演出を実行させてもよい。この場合、大当たり遊技に基づく低確高ベース状態の開始前に突時当たりと判定される大当たり乱数を取得した場合に、先読み演出を実行可とする。同様に、突時当たりに基づく低確高ベース状態の終了後、大当たり遊技に基づく低確高ベース状態が生起される場合に先読み演出を実行させてもよい。この場合、突時当たりに基づく低確高ベース状態の開始前に10R通常大当たりと判定される大当たり種別乱数を取得した場合に、先読み演出を実行可とする。
遊技制御用マイコン61が行う大当たり判定において、特定の乱数値(例えば65500~65535)を取得した場合にのみ参照される突時当たり用テーブルを設定し、当該テーブルを用いて、突時当たり図柄に当選しているか否かを判定するようにしてもよい。この場合、大当たり判定で使用する乱数とは別の乱数を生成し、この乱数に基づき、突時当たり図柄に当選しているか否かを判定する。
遊技制御用マイコン61が行う大当たり判定においてハズレと判定した場合、別の乱数値を取得し、突時当たりとするか否かを抽選で決定するようにしてもよい。
遊技制御用マイコン61が、大当たり乱数等の取得時に事前判定を行い、事前判定の結果をサブ制御基板100に出力するようにしてもよい。
上記実施形態では、「入球容易状態」を、「特別図柄及び普通図柄の変動時間短縮機能が機能し、かつ電サポ制御が行われている状態」として説明したが、第2始動口22への入賞が通常遊技状態よりも容易な状態を伴う状態であれば、その他の状態を指してもよい。例えば、普通図柄の当選確率が高確率状態であって、かつ普通図柄の変動時間が短縮され、更に普通可変入賞装置20の開放時間が延長された状態、又は開放回数が増加した状態のうち、いずれか1つの状態のみを満たせばよい。
また上記実施形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。