<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前枠18、内枠24、外枠25によって構成される。
外枠25は、縦長方形状の枠体であり、パチンコ遊技機1の外郭を形成する。内枠24は、外枠25の内側に配置され、後述する遊技盤2が取り付けられる。前枠18は、内枠24及び外枠25の前面側に配置されている。また、パチンコ遊技機1では、パチンコ遊技機1の左上部において、前枠18及び内枠24が、それぞれ回動可能となるよう図示しないヒンジで固定されている。
また、前枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、を備えている。
ハンドル4は、前枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図4)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
スピーカ8は、前枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(図4)と、演出ボタンランプ9c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
また、内枠24の下部には、後述する貯留装置26(図2参照)が設けられている。貯留装置26には、予め定めた数の遊技球を貯留可能である。遊技球は、後述する遊技領域3に向けて発射された後、遊技領域3を流下し、再度、貯留装置26に戻る。つまり、貯
留装置26に貯留されている遊技球は、パチンコ遊技機1の外部に排出されることなく、循環する。パチンコ遊技機1は、所謂「封入式パチンコ遊技機(管理遊技機)」である。これにより、パチンコ遊技機1は、内部に貯留されている遊技球が外部に排出される遊技機(所謂、「非封入式パチンコ遊技機」)のように、遊技者に遊技球を払い出すための機構(賞球払出装置、賞球モータ、上皿、下皿など)が不要である。また、パチンコ遊技機1では、前枠18に上皿や下皿が設けられていないため、遊技者が遊技球に触れることがない。
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3(本発明の遊技領域に相当)が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図4では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
また、パチンコ遊技機1では、前枠18の下部中央に、持ち球数表示器MHが設けられている。持ち球数表示器MHは、遊技者が遊技に使用可能な遊技球である持ち球の数を「持ち球数」として表示するものである。持ち球数表示器MHは、7セグメント式の表示器である。なお、持ち球数表示器MHの表示制御は、後述する枠制御用マイコン73aによって制御される。
また、遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。
普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、遊技領域3の下方に配置してもよい。
大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32(本発明の「大入賞口」に相当)を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。第1始動口11、一般入賞口13、第2始動口22、大入賞口32が、本発明の入賞口の一例である。
なお、本実施形態では、右打ちをした場合、遊技球が第1始動口11に入賞し得ないよう、遊技釘等によって流路が形成されている。このため、右打ちをした場合、第1始動口11側に流れることなく、発射したほぼ全ての遊技球が、第2始動口22側に案内される。一方、第1始動口11の周辺には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘が打ち込まれている(図示せず)。このため、左打ちをした場合、発射した遊技球が全て第1始動口11に案内されることはなく、第1始動口11周辺の遊技釘に当接し、第1始動口11に入賞することなく、遊技領域3を流下する場合がある。
また、パチンコ遊技機1では、遊技領域3の外側に1つの排出経路(図示せず)が設けられている。この排出経路は、パチンコ遊技機1における全ての入球口(第1始動口11、一般入賞口13、第2始動口22、大入賞口32、及びアウト口19)と連通している。よって、第1始動口11、一般入賞口13、第2始動口22、大入賞口32、又はアウト口19に入賞した遊技球は、必ず排出経路を通過する。排出経路を通過した遊技球は、貯留装置26に向かい、貯留装置26で貯留される。
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、
点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。大当たり判定は、本発明の当否判定の一例である。
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右
演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄の組み合わせを大当たり演出図柄の組み合わせといい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄の組み合わせをハズレ演出図柄の組み合わせという。大当たり演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
(貯留装置)
次に、図2に従って、貯留装置26について説明する。
貯留装置26は、ハンドル4の回動操作に基づき、貯留装置26内で貯留している遊技球を遊技領域3に向けて発射するとともに、遊技領域3を流下した遊技球を貯留する装置である。
貯留装置26は、予め定めた数の遊技球を貯留可能な貯留部27と、貯留部27に貯留された遊技球をハンドル4の回動角度に応じた発射強度で1球ずつ打撃する打球槌28とを備えている。打球槌28で打撃された遊技球は、貯留部27から上方に向かって延びる発射経路29を通って遊技領域3へ向かう。なお、発射経路29を通過した遊技球が遊技領域3を流下することができるのであれば、発射経路29の連通先は問わない。例えば、発射経路29をレール部材17の下部と連通させることで、レール部材17の下部から上部に向かって遊技球が発射されるようにし、レール部材17を通過した遊技球が、レール
部材17に沿って、レール部材17の上部から遊技領域3に向かって流下されるようにしてもよい。また、発射経路29を図1に示すレール部材17の上端と連通させ、遊技球がレール部材17の上端から遊技領域3に向かって流下されるようにしてもよい。
次に、持ち球数表示器MH(図1参照)で表示される持ち球数の増減について説明する。
図2に示すように、発射経路29の途中には、発射経路29を通過する遊技球を検出する発射球センサ26aが配置されている。このため、貯留装置26から遊技球が発射される度に、発射球センサ26aによって遊技球が検出されることになる。この場合、持ち球数表示器MHで表示される持ち球数は、遊技球の発射に伴って1球ずつ減少する。
一方、パチンコ遊技機1では、特定の入賞口に遊技球が入賞すると、入賞口に応じた数の遊技球が遊技者に与えられる。ただし、パチンコ遊技機1は、封入式パチンコ遊技機であるため、上皿等に実際に遊技球が払い出されるわけではない。具体的に説明すると、第1始動口11に遊技球が入賞すると3球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、持ち球数が「3」増加する。また、一般入賞口13に遊技球が入賞すると5球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、持ち球数が「5」増加する。また、第2始動口22に遊技球が入賞すると3球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、持ち球数が「3」増加する。また大入賞口32に遊技球が入賞すると、入賞1球につき15球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、持ち球数が「15」増加する。なお、ここで説明した球数は、あくまで一例であり、適宜変更可能である。また、以下の説明では、入賞口への入賞によって遊技者に賞球が与えられることを、「賞球の払い出し」と示す場合があるが、パチンコ遊技機1は、封入式パチンコ遊技機であるため、上皿等に実際に遊技球が払い出されることを示しているのではなく、持ち球数が増加することを示している。
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、図3及び図4に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図3)と、枠制御基板73(図3)と、サブ制御基板100(図4)と、画像制御基板200(図4)と、音声制御基板78(図4)と、ランプ制御基板79(図4)とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、差玉数演算部67と、を備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65と、RAMクリアスイッチ66と、を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄
を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。また、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120(図4)が初期化される。また、差玉数演算部67は、後述する差玉数を演算する。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技
球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
また、主制御基板60には、枠制御基板73を介してカードユニット76が電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。
また、枠制御基板73には、持ち球数表示器MHが電気的に接続されている。
枠制御基板73は、遊技制御用マイコン61からの各種コマンドや各種信号、カードユニット76からの信号に基づいて、遊技者が遊技に使用可能な遊技球である持ち球の数を管理する。また、枠制御基板73は、持ち球数を持ち球数表示器MHに表示させる。前述したように、パチンコ遊技機1は、所謂、封入式パチンコ遊技機であるため、賞球を上皿等に直接払い出したり、貸球の払い出しを行うことはない。
また、枠制御基板73には、枠制御用ワンチップマイコン(以下、枠制御用マイコンという)73aが実装されている。枠制御用マイコン73aは、CPU73bと、ROM73cと、RAM73dと、を備えている。また、枠制御基板73は、入出力回路73eを備えている。枠制御用マイコン73aは、プログラムに従って持ち球数の表示制御を実行する。CPU73bは、プログラムを実行する。ROM73cには、持ち球数の表示を制御するためのプログラムが記憶されている。RAM73dは、CPU73bがプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。入出力回路73eは、枠制御基板73に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。本実施形態では、枠制御基板73と主制御基板60が電気的に接続されているため、遊技制御用マイコン61は、枠制御基板73に各種コマンドや信号を送信するとともに、遊技球数の増減監視のために枠制御基板73から信号を受信することが可能となる。
また、枠制御基板73には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打球槌28を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打球槌28が遊技球を打撃する強度を調節する。パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。ハンドル4及びハンドル4を制御する発射装置90は、本発明の発射手段の一例である。
また、枠制御基板73には、中継基板80を介して排出口センサHaと、発射球センサ26aとが、電気的に接続されている。
排出口センサHaは、図示しない排出経路内に設けられており、遊技球が排出経路を通過したこと、すなわち遊技球が遊技領域3を流下して排出口から排出されることを示す信号を枠制御基板73へ出力する。発射球センサ26aは、発射経路29内に設けられており(図2参照)、遊技球が発射経路29を通過したこと、すなわち遊技球が遊技領域3に向かって発射されたされたことを示す信号を枠制御基板73へ出力する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、枠制御基板73、及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70
は、枠制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、枠制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板80に電気的に接続された各センサに対して、枠制御基板73から中継基板80を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をON/OFFするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。一方、前述したように、主制御基板60と枠制御基板73は、双方向通信可能に構成されているが、枠制御基板73とサブ制御基板100は通信可能に構成されておらず、枠制御基板73の情報をサブ制御基板100に送信するためには、主制御基板60を介する必要がある。なお、主制御基板60と枠制御基板73は、主制御基板60から枠制御基板73への単方向通信可能な構成としてもよい。また、枠制御基板73からサブ制御基板100への単方向通信のみ可能となるように構成してもよい。また、始動口センサ等は、主制御基板60ではなく、枠制御基板73に対して電気的に接続されてもよい。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120とを備えている。また、サブ制御基板100は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンド等を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。変動演出パターンとは、選択された特図変
動パターンに対応して演出表示装置7等で行われる演出内容を特定するパターンである。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転
検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1の特別図柄表示器及び普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。パチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定
されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、遊技領域3に発射された遊技球数(以下、「発射球数」と示す)に対するいずれかの入賞口への入賞に基づく賞球数の割合であるベース値が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。また、電サポ制御が行われている状態を「高ベース状態」といい、電サポ制御が行われていない状態(非電サポ制御状態)を「低ベース状態」という。なお、「高ベース状態」は、所謂、電サポ制御が実行されている状態であるため、「高ベース状態」を「電サポ制御状態」や「入球容易状態」ということがある。一方、「低ベース状態」を「非電サポ制御状態」や「非入球容易状態」ということがある。また、「高ベース状態」は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器53の確率変動機能、変動時間短縮機能、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能、開放回数増加機能のうち一つ以上の機能が作動することによって、その機能が作動していないときよりも普通可変入賞装置20が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるものであってもよい。
パチンコ遊技機1では、後述する確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。本実施形態においてこの遊技状態は、次回大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されるまで継続する。「大当たり遊技」は、大当たり判定で大当たりに当選した場合に、確定表示された特図の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンで大入賞口32を開放させるものである。
また、パチンコ遊技機1では、後述する通常大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。この遊技状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」である。以下、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「高確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「低確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」を「低確低ベース状態」又は「通常遊技状態」という。
「高確高ベース状態」や「低確高ベース状態」のような「高ベース状態」では、電サポ制御によって普通可変入賞装置20が開放され易くなっており、第1始動口11よりも第2始動口22の方が入賞し易い。このため、右打ちにより右遊技領域3Bに向かって遊技
球を発射させた方が遊技を有利に進行することができる。
一方、「低ベース状態」では、電サポ制御が実行されず、普通可変入賞装置20が開放され難いため、第2始動口22よりも第1始動口11の方が入賞し易い。このため、左打ちにより左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射させた方が、遊技が進行し易い。
本実施形態では、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」が、本発明の「通常遊技状態」の一例である。また、大当たり確率が「高確率状態」又は「通常確率状態」のいずれかを問わず、「時短状態かつ高ベース状態」とされる状態が、本発明の「当否判定が実行され易い遊技状態」の一例である。また、変動時間短縮機能が作動しているか否かを問わず、大当たり確率を「高確率状態」とされる状態が、本発明の「当否判定で大当たりと判定され易い遊技状態」の一例である。
[大当たり判定テーブル]
図5に示す大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルT1は、遊技状態と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値(大当たり判定値)は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態では、大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
大当たり判定テーブルT1には、通常確率状態時における大当たり乱数値として、0~164の計165個の大当たり乱数が対応付けられている。遊技制御用マイコン61は、通常確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~164の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~164以外であった場合は、大当たりではない、つまり、「ハズレ」と判定する。
また、大当たり判定テーブルT1には、高確率状態時における大当たり乱数値として、0~649の計650個の大当たり乱数が対応付けられている。遊技制御用マイコン61は、高確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~649の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~649以外であった場合は、大当たりではない、つまり、「ハズレ」と判定する。このように、高確率状態では、通常確率状態のときよりも多くの大当たり乱数が設定されており、通常確率状態のときよりも大当たりと判定される確率が高くなっている。なお、本実施形態の大当たり判定テーブルT1は、第1特図の抽選と第2特図の抽選で共通としているが、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)に応じてテーブルを分けて設定してもよい。
[大当たり種別判定テーブル]
図6に示す大当たり種別判定テーブルT2は、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルT2は、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)に応じ、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)をそれぞれ対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行すること
により、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数を発生する。
パチンコ遊技機1では、第1特図の抽選で大当たりと判定されたときに決定される大当たり図柄として、「大当たり図柄A」「大当たり図柄B」「大当たり図柄C」「大当たり図柄D」が設定されている。また、第2特図の抽選で大当たりと判定されたときに決定される大当たり図柄として、「大当たり図柄a」「大当たり図柄b」「大当たり図柄c」「大当たり図柄d」「大当たり図柄e」が設定されている。
各大当たり図柄に基づく大当たり遊技は、初回のラウンド遊技が開始される前に実行されるオープニングと、複数回のラウンド遊技と、最終回のラウンド遊技が終了した後に実行されるエンディングと、を含む。各ラウンド遊技は、大入賞口32に入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(この例では10球)に達するか、所定の開放時間(この例では30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立すると終了する(大入賞口32が閉鎖される)。ラウンド遊技終了後、所定のインターバル時間が経過すると、次のラウンド遊技が開始される。
「大当たり図柄A」及び「大当たり図柄a」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「5」とする「確変大当たり」である。また、「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄a」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「高確率状態」とされる。
「大当たり図柄B」及び「大当たり図柄b」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「7」とする「確変大当たり」である。また、「大当たり図柄B」又は「大当たり図柄b」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「高確率状態」とされる。
「大当たり図柄C」及び「大当たり図柄c」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「9」とする「確変大当たり」である。また、「大当たり図柄C」又は「大当たり図柄c」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「高確率状態」とされる。
「大当たり図柄D」及び「大当たり図柄d」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「5」とする「通常大当たり」である。また、「大当たり図柄D」又は「大当たり図柄d」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「通常確率状態」とされる。
「大当たり図柄e」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「10」とする「確変大当たり」である。また、「大当たり図柄e」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「高確率状態」とされる。
本実施形態では、「5R確変大当たり」「7R確変大当たり」「9R確変大当たり」「10R確変大当たり」が「確変大当たり」に分類され、「5R通常大当たり」が「通常大当たり」に分類される。
したがって、第1特図の抽選で当選可能な確変大当たりは、「5R確変大当たり」「7R確変大当たり」「9R確変大当たり」の3種類となり、第1特図の抽選で当選可能な通常大当たりは、「5R通常大当たり」の1種類となる。
また、第1特図の抽選では、取得した大当たり種別乱数が0~24の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄A」が、25~49の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄B」が、50~69の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄C」が、70~99の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄D」が、それぞれ連択される。
一方、第2特図の抽選では、取得した大当たり種別乱数が0~19の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄a」が、20~39の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄b」が、40~59の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄c」が、60~69の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄d」が、70~99の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄e」が、それぞれ連択される。
これにより、「5R通常大当たり」は、第1特図の抽選及び第2特図の抽選において同一確率で当選し得るが、「10R確変大当たり」は、第2特図の抽選でしか決定されることがないため、第1特図の抽選よりも第2特図の抽選で大当たりに当選した場合の方が、遊技者にとって有利な状態となる。
なお、本実施形態では、いずれの大当たり種別に当選した場合であっても、大当たり遊技終了後には、電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。ただし、大当たり確率を「高確率状態」とすることに伴って制御される電サポ制御状態は、次回、大当たり判定で大当たりと判定されるまで継続される(図中「次回まで」と示す)。一方、大当たり確率を「通常確率状態」とすることに伴って制御される電サポ制御状態は、その上限回数が「100回」とされる。当該上限回数を超えると、「低確低ベース状態」となる。「電サポ制御状態の上限回数」とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限回数を指す。
[リーチ判定テーブル]
図7に示すリーチ判定テーブルT3は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄7Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルは、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値(リーチ判定値)は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リー
チ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。
[特図変動パターン選択テーブル]
図8に示す特図変動パターン選択テーブルT4は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT4は、遊技状態と、判定(大当たり判定及びリーチ判定)結果と、大当たり種別と、特図保留数と、変動パターン乱数値(変動パターン判定値)と、特図変動パターンと、変動時間と、を対応付けて構成されている。なお、当選した大当たり種別を参照することなく特図変動パターンが選択されてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT4に示す「変動演出パターン」は、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7等で行われる演出内容を特定する変動演出パターンを指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値(変動パターン判定値)は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
遊技状態が非時短状態のときに大当たりと判定され、かつ大当たり種別「確変大当たり」に当選したときに取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。
一方、遊技状態が非時短状態のときに大当たりと判定され、かつ大当たり種別「通常大当たり」に当選したときに取得した変動パターン乱数が0~79の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が80~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。
特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間
は30,000msである。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、SP(スーパー)リーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、大当たり期待度がノーマルリーチ演出よりも高くなるよう、当該テーブルにおいて乱数の振分率が設定されている。SPリーチ演出は、通常変動とノーマルリーチ演出を経て発展的にリーチ演出が実行される演出である。ノーマルリーチ演出は、複数列で変動する演出図柄のうち所定列の演出図柄が仮停止してリーチを形成した後、当該リーチを形成する演出図柄が仮停止した状態で、残り1つの演出図柄が変動する演出である。また、ノーマルリーチ演出は、リーチ形成後に大当たりとなる可能性があることを示唆する演出でもある。ただし、ノーマルリーチ演出の大当たり期待度がSPリーチ演出よりも低くなるよう、当該テーブルにおいて乱数の振分率が設定されている。
遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP3が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP4が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP4の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、SPリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。特図変動パターンP5の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP6の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP5,P6に対応する変動演出パターンに
は、通常変動を実行させる内容が対応付けられている。
遊技状態が時短状態のときに大当たりと判定された場合、遊技状態が非時短状態のときに大当たりと判定された場合と異なり、大当たり種別を参照することなく、かつ取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP7の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP7に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP8の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP8に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP9が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP10の変動時間は2,500msである。特図変動パターンP9,P10に対応する変動演出パターンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。なお、この特図変動パターン選択テーブルは、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図9に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がONされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセ
ット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に到達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図10に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や枠制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、大入賞口センサ32a、ゲートセンサ12a等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球数を指示するための賞球コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。賞球コマンドは、枠制御基板73に対して出力されるコマンドである。その後、遊技制御用マ
イコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図9のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、遊技停止制御処理(S19)、その他の処理(S20)を実行して、本処理を終了する。その他の処理(S20)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理(図9)のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(センサ検出処理)
次に、図11に従って、センサ検出処理(S15)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S21)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S21:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S22)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S22の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S21:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S23)。遊技球が第2始動口22に入賞したことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合(S23:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S24)。第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合(S24:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S25)。これにより、第2特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S26)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S27)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S26において第2特図保留記憶部64
bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S26において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S27において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S28)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
S28の終了後、遊技球が第2始動口22に入賞していないと判定した場合(S23:No)、又は第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合(S24:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11に入賞したか否かを判定する(S29)。遊技球が第1始動口11に入賞したことは第1始動口センサ11aによって検出される。遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合(S29:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S30)。第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S31)。これにより、第1特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S32)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S33)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S32において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S32において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S33において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S34)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
S34の終了後、遊技球が第1始動口11に入賞していないと判定した場合(S29:No)、又は第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
(普通動作処理)
次に、普通動作処理(S16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作等の処理を行う。
(特別図柄待機処理)
次に、図12に従って、特別図柄待機処理(S17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する(S40)。「0」ではないと判定した場合(S40:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(図13)を実行する(S41)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(図14,図15)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減
算し(S43)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S44)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S45)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第2特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図13)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図14,図15)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。S45の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、S40で、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S40:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S46)。「0」ではないと判定した場合(S46:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(図13)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(図14,図15)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S49)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第1特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(図13)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図14,図15)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。S51の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、S46において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S46:Yes)、待機状態中であるか否かを判定する(S52)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中であると判定した場合(S52:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了し、待機状態中ではないと判定した場合(S52:No)、待機画面設定処理を実行する(S53)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間(前述の一定時間に相当)の経過を待って、客待ち用のデモ画面である待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は本処理を終了する。なお、遊技制御用マイコン61は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって待機状態であるか否か
を判定するようにしてもよい。また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S40:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、図13に従って、第2特図大当たり判定処理(S41)及び第1特図大当たり判定処理(S47)の内容について説明する。
なお、第2特図大当たり判定処理(S41)と第1特図大当たり判定処理(S47)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S60)、大当たり判定テーブル(この例では大当たり判定テーブルT1)を参照する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONであるか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S62)。確変フラグは、いずれかの確変大当たりに当選したときにONにされ、いずれかの通常大当たりに当選したときにOFFにされる。ここで、確変フラグがONではない、つまり、通常確率状態であると判定した場合(S62:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S63)。
一方、S62において確変フラグがONである、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S62:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S64)。
S63で大当たりと判定した場合(S63:Yes)又はS64で大当たりと判定した場合(S64:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2)を参照して大当たりの種別を判定する(S65)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S66)。S63で大当たりと判定しなかった場合(S63:No)、S66の終了後、又はS64で大当たりと判定しなかった場合(S64:No)、遊技制御用マイコン61は、S67に移行する。大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S65で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし、本処理を終了する。また、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし、本処理を終了する。
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、図14及び図15に従って、第2特図変動パターン選択処理(S42)及び第1特図変動パターン選択処理(S48)の内容について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(S42)と第1特図変動パターン選択処理(S48)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定する(S70)。時短状態中であるか否かは、時短状態中であるか否かを特定可能な情報(時短フラグ)がONである否かによって判定することができる。時短フラグは、時短状態に制御されるときにONにされる一方、時短状態が終了するときにOFFにされる。
時短フラグがONではない、つまり、時短状態中ではないと判定した場合(S70:No)、遊技制御用マイコン61は、S71に移行する。一方、時短フラグがONである、つまり、時短状態中であると判定した場合(S70:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S77に移行する。S71又はS77に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S71,S77)。大当たりフラグがONであると判定した場合(S71,S77:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブル(この例では特図変動パターン選択テーブルT4)を参照して特図変動パターンを選択する(S72,S78)。例えば、非時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。同様に、時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
また、S71又はS77において大当たりフラグがONではない、つまり、ハズレと判定した場合(S71,S77:No)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S73,S79)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブル(この例ではリーチ判定テーブルT3)のうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S73:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数がリーチ判定テーブルのうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S79:Yes)。
その後、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S74)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S80)。
また、S73又はS79においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S73,S79:No)、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S75)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S81)。
S72,S74,S75,S78,S80,S81の終了後、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S76)、本処理を終了する。S76において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS45,S51においてセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(特別図柄変動処理)
次に、図16に従って、特別図柄変動処理(S18)の内容について説明する。なお、第2特図の特別図柄変動処理と第1特図の特別図柄変動処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(S42,S48で選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間)が終了したか否かを判定する(S90)。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための特図用の変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、特図大当たり判定処理でセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄又は特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する(S93)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっていると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算し、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終了する。なお、パチンコ遊技機1では、確変大当たりに当選した場合、次回大当たりに当選するまで高確率状態が継続されるため、遊技状態管理処理として、確変フラグをOFFにしたり、確変状態中における特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタを設ける必要はない。
その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S94)、ONであると判定した場合(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。一方、大当たりフラグがOFFであると判定した場合(S94:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニングが終了すると、特別電動役物処理を実行する(S98)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理において、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで大入賞口32を開閉させる。そして、ラウンド遊技中、大入賞口32が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経
過すると、遊技制御用マイコン61は、開閉部材31の閉動作により大入賞口32を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、大入賞口32の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングを実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。大当たりエンディングの終了により大当たり遊技が終了すると、その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFとする。
S98の終了後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態設定処理(S99)を実行する。遊技状態設定処理において遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別として通常大当たり(この例では、5R通常大当たり)を決定している場合、時短フラグをONにし、時短カウンタに大当たり種別に応じた回数(この例では100)をセットする。遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、本処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)に関する情報が含まれている。一方、大当たりの種別として確変大当たり(この例では5R確変大当たり、7R確変大当たり、9R確変大当たり、10R確変大当たり)を決定している場合、遊技制御用マイコン61は、確変フラグ及び時短フラグをONにする。なお、本実施例における確変大当たりでは、大当たり遊技終了後、次回大当たりに当選するまで時短状態に制御されるため、時短回数として時短カウンタに特定の値をセットしなくてもよい。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、遊技状態設定処理を終了する。
(差玉数演算部)
まず、遊技停止制御処理(図17)で参照される差玉数演算部67について説明する。
パチンコ遊技機1では、1日の営業時間において最も差玉数が増えた状態と最も差玉数が減った状態との差である最大差玉数が規定数(例えば95,000)に到達した場合に、遊技を実行することができない状態である遊技停止状態の成立条件を満たしたと判断されるようになっている。なお、本実施形態における差玉数は、遊技者の立場から演算されたものであり、現時点の差玉数は総賞球数(セーフ数)から総発射球数(アウト数)を差し引いて算出される。以下の説明では、現時点の差玉数を「第1差玉数」と示す場合がある。また、「遊技の停止」とは、現在の遊技状態を維持したまま、継続して遊技を行うことができないようにする状態を指す。例えば、ハンドル4を操作して遊技球を遊技領域3に発射しようとしても発射できないようにしたり、遊技球を発射できたとしても遊技球の入賞を検知できないように全てのセンサを無効としたりする状態を指す。また、特別図柄表示器51,52、普通図柄表示器53、演出表示装置7における図柄の変動時間の計測を中止し、特図変動パターンや普図変動パターンに定められた変動時間が経過しても図柄変動が終了しないようにしたり、特別図柄表示器51,52、普通図柄表示器53を構成するLEDを消灯して図柄変動を行わないようにしたりする状態を指す。また、主制御基板60で制御している各種ソレノイドの開閉駆動を中断し、ソレノイドの駆動により可動する可動部材の可動を行わないようにしたり、持ち球として記憶されている遊技球数を強制的に払い戻したり、新たな玉貸しの受付を禁止したりする状態を指す。本実施形態における「遊技停止状態」が、本発明の「特定状態」の一例である。
差玉数演算部67では、賞球が払い出される度に又は遊技球が発射される度に、第1差玉数を算出し、その数値が記憶されるようになっている。具体的に説明すると、遊技制御用マイコン61は、中継基板74を介して各入賞口センサからの検出信号を入力すると、差玉数演算部67を制御し、当該検出信号で特定される入賞口の種類に応じた賞球数に相
当する遊技球数を加算するように第1差玉数の演算値を加算し、更新する。なお、前述したように、主制御基板60には、排出口センサHa及び発射球センサ26aが接続されていない。よって、主制御基板60が、遊技球の発射状況を判断するためには、枠制御基板73から主制御基板60に対して、発射状況を示すコマンド等が出力される必要がある。詳細は後述するが、本実施形態において枠制御基板73は、発射球センサ26aから検出信号を入力すると、遊技球が発射されたことを示す発射コマンドを主制御基板60に出力するようになっている。これにより、主制御基板60は、発射球数を把握することができる。そして、遊技制御用マイコン61は、枠制御基板73から発射コマンドを入力すると、差玉数演算部67を制御し、第1差玉数の演算値を1減算し、更新する。
このように、遊技制御用マイコン61は、各入賞口センサからの検出信号と枠制御基板73から入力した発射コマンドに基づいて、現時点の差玉数である第1差玉数を算出する。そして、遊技制御用マイコン61は、差玉数演算部67によって第1差玉数を更新する度に、その差玉数を、現時点の差玉数としてRAM64に一時的に記憶させる。このとき、遊技制御用マイコン61は、現時点の差玉数とは別に、最も差玉数が減った状態であるときの最小差玉数を記憶する。「最も差玉数が減った状態」とは、差玉数演算部67で算出された第1差玉数のうち最も小さい値となる差玉数(最小差玉数)が算出されたときの状態を指す。
このように、遊技制御用マイコン61は、第1差玉数と最小差玉数を記憶しているため、これらの数値から、現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分を算出することができる。この差分が、1日の営業時間において最も大きくなる値が、本営業日における「最大差玉数」となるが、現時点の差玉数や最小差玉数が更新されるにつれ、現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分も更新されることになる。以下の説明では、現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分を「第2差玉数」と示す。前述したように、1日の営業時間において最も大きい第2差玉数が、本営業日における最大差玉数となる。ちなみに、第2差玉数の算出式は、MY=X-Yとなる(MY:第2差玉数、X:第1差玉数、Y:現時点までの最小差玉数)。本実施形態では、現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分である第2差玉数、及び現時点までで最も大きい差玉数と現時点までで最も小さい差玉数との差分によって算出される「最大差玉数」が、本発明の「特定算出数」の一例である。
以下、第2差玉数を算出する具体例について説明する。
パチンコ遊技機1に電源が投入された直後は、遊技球の発射及び賞球の払出しが行われないため、差玉数演算部67による演算値は「0」である。これにより、遊技開始直後における最小差玉数は「0」となる。遊技制御用マイコン61は、「0」を最小差玉数として記憶する。その後、遊技が行われて賞球数が発射球数を上回ると、現時点の差玉数(第1差玉数)が「1」以上となる。例えば、現時点の差玉数(第1差玉数)が「1,580」であって、最小差玉数が「0」であるとすると、第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)は、「1,580(=1,580-(0))」となる。この時点では、「1,580」が、最大差玉数となる。
一方、発射球数が賞球数を上回ったことにより、現時点の差玉数が「0」を下回ると、遊技制御用マイコン61は、新たな値を最小差玉数として上書きして記憶する。例えば、最小差玉数が更新され、その値が「-2,345」となったとする。この場合、遊技制御用マイコン61は、「-2,345」を新たな最小差玉数として記憶する。その後も遊技が行われ、多数の賞球を獲得したことにより、現時点の差玉数が「4,380」となったとする。この場合、第2差玉数は、「6,725(=4,380-(-2,345))」となる。この場合、先程までの最大差玉数は「1,580」であったが、最小差玉数と現時点の差玉数の更新により、最大差玉数が「1,580」から「6,723」に更新され
たことになる。よって、遊技制御用マイコン61は、「6,723」を、(現時点までの)新たな最大差玉数として記憶する。つまり、第2差玉数が、現時点までにおいて最も大きい値であった場合、その第2差玉数が、現時点までにおける最大差玉数として記憶される。
このように、遊技制御用マイコン61は、差玉数演算部67の演算結果として最小差玉数を更新する度に、その演算値を上書きして記憶しつつ、現時点の差玉数を算出する度に、現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分(第2差玉数)を算出する。同様に、遊技制御用マイコン61は、第2差玉数の最大値が更新される度に、その演算値を「現時点までにおける最大差玉数」として上書きして記憶する。すなわち、現時点の第2差玉数が、現時点までにおいて「最大差玉数」として記憶されている第2差玉数を上回れば、現時点の第2差玉数が、現時点までの最大差玉数として置き換わることになる。そして、最大差玉数が規定数に到達すると、遊技停止処理が実行されることになる。
また、最大差玉数が規定数に到達する過程としては、賞球が多量に払い出されたことにより、現時点の差玉数の更新を経て規定数に到達する過程のみに限られず、多量に遊技球を発射したことにより、最小差玉数の更新を経て規定数に到達する過程もある。
(遊技停止制御処理)
次に、図17に従って、遊技停止制御処理の内容について説明する。
前述したように、遊技制御用マイコン61の差玉数演算部67は、各入賞口センサからの検出信号及び枠制御基板73からの発射コマンドを入力すると、当該検出信号及びコマンドに基づいて、現時点の差玉数(第1差玉数)を算出するとともに、最小差玉数を更新した場合には、その値を上書きして記憶する。そして、遊技制御用マイコン61は、差玉数演算部67の演算結果を確認し、第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)が規定数(この例では「95,000」)に達しているか否かを判定する(S110)。第2差玉数が規定数に達していないと判定した場合(S110:No)、遊技を停止させる必要がないので、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。一方、第2差玉数が規定数に達していると判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技停止条件を満たしたとして、最大差玉数が規定数に到達したことを示す規定数到達フラグをONにする(S111)。規定数到達フラグは、最大差玉数が規定数である「95,000」に到達したとき、すなわち遊技停止条件を満たしたときにONされる。
次に、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技の実行中ではないか否かを判定する(S112)。大当たり遊技の実行中であるか否かは、大当たりフラグの設定状況により確認することができる。大当たり遊技の実行中ではないと判定した場合(S112:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技停止を決定する(S113)。そして、遊技制御用マイコン61は、他基板に遊技停止を決定したことを指示するために、遊技停止指示コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S114)。その後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
なお、遊技を停止することを決定した場合、遊技制御用マイコン61は、遊技停止の一例として、ハンドル4の操作が無効となるよう、発射装置90の制御を規制する。また、遊技制御用マイコン61は、遊技停止の一例として、いずれかの入賞口に遊技球が入賞しても検知することがないよう、各種センサでの検知を無効とする。例えば、各種センサから検知信号を入力したとしても、他基板にその旨を出力しなかったり、検出信号を入力したことに基づいて実行する各種制御の実行を規制する。また、遊技制御用マイコン61は、遊技停止の一例として、決定した特図変動パターンに定められた変動時間が経過しても、特別図柄表示器51,52での変動を継続するよう、特別図柄表示器51,52を構成
するLEDを制御する。また、遊技制御用マイコン61は、遊技停止の一例として、特別図柄表示器51,52、普通図柄表示器53を構成するLEDを消灯させる。また、遊技制御用マイコン61は、遊技停止の一例として、各種ソレノイドの駆動による可動部材が可動しないよう、各種ソレノイドを制御する。
一方、大当たり遊技の実行中であると判定した場合(S112:No)、遊技制御用マイコン61は、S113,S114の処理を実行することなく、本処理を終了する。つまり、本実施形態では、最大差玉数が規定数に到達したタイミングで大当たり遊技を実行していた場合、実行中の大当たり遊技が終了するまで遊技停止が持ち越される。
差玉数演算部67、及び差玉数演算部67によって差玉数を用いた演算を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の「算出手段」の一例である。また、最大差玉数が規定数に到達したことを契機として遊技の停止制御を実行する遊技制御用マイコン61は、本発明の「遊技制御手段」の一例である。
ちなみに、この例では、主制御基板60で差玉数を用いた演算を行い、最大差玉数が規定数に到達したか否かを判定するようにしていたが、主制御基板60が差玉数を把握することができれば、その方法は上記の方法に限られない。例えば、主制御基板60では差玉数を用いた演算を行わず、枠制御基板73から差玉数を示すコマンドを主制御基板60に出力するようにし、当該コマンドで特定される値から、最大差玉数が規定数に到達したか否かを判定するようにしてもよい。この場合、枠制御用マイコン73aが「算出手段」に相当する。
ちなみに、遊技停止制御処理によって生起された遊技停止状態やRAM64に記憶した各種差玉数に関する情報(現在の差玉数、最小差玉数、現時点における最大差玉数等)は、パチンコ遊技機1の電源がONされることによってリセットされる。すなわち、前述したメイン側主制御処理(図9)の初期設定(S1)にて実行するようにしてもよい。具体的には、初期設定(S1)にてRAMクリアスイッチ66が操作された場合、遊技制御用マイコン61は、遊技停止状態の解除を決定し、通常通り、遊技が行えるよう各種制御を実行する。例えば、ハンドル4の操作が無効となるようされていた場合には、通常通り、ハンドル4の操作が有効となるよう発射装置90を制御する。また、各種センサでの検知を無効としていた場合には、通常通り、各種センサでの検知が有効となるようにする。また、初期設定(S1)にて、遊技制御用マイコン61は、RAM64に記憶された各種差玉数に関する情報(現在の差玉数、最小差玉数、現時点における最大差玉数等)をリセットするとともに、規定数到達フラグをOFFにする。
[枠制御用マイコン73aの主な処理]
次に、枠制御用マイコン73aが実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(枠側タイマ割込処理)
最初に、図18に従って、枠側タイマ割込処理の内容について説明する。
枠側タイマ割込処理は、例えば、4msec周期でCPU73bに対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。
枠側タイマ割込処理において、まず、枠制御用マイコン73aは、後述する入力処理を実行する(S130)。続いて、枠制御用マイコン73aは、RAM73dに設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を主制御基板60に出力する出力処理を実行する(S131)。前述したように、パチンコ遊技機1は封入式パチンコ遊技機であるため、賞球を実際に払い出す処理を実行しなくてもよい。その後、枠制御用マイコン73aは、その他の処理を実行し(S132)、本処理を終了する。
(入力処理)
次に、図19に従って、入力処理(S130)の内容について説明する。
まず、枠制御用マイコン73aは、カードユニット76から貸球信号を入力したか否かを判定する(S140)。貸球信号は、カードユニット76に設けられた球貸ボタン(図示せず)が操作されたことにより、遊技者によって球貸しが要求されたこと並びに要求された貸球数を示す信号である。貸球信号を入力したと判定した場合(S140:Yes)、枠制御用マイコン73aは、貸球信号で特定される情報に従って、遊技者に貸し出す貸球数を持ち球数として加算する(S141)。前述したように、「持ち球数」とは、遊技者が遊技に使用可能な遊技球数のことである。具体的には、枠制御用マイコン73aのRAM73dには、持ち球数をカウントする持ち球数カウンタが設けられており、枠制御用マイコン73aは、貸球信号、発射球センサ26aからの検出信号、賞球コマンド等に基づき、持ち球数カウンタの値を更新し、持ち球数を把握する。
図19の説明に戻り、枠制御用マイコン73aは、持ち球数カウンタの値を更新した後、貸球信号で特定される貸球数(要求された貸球数)を加算した値を、持ち球数表示器MHに表示させる。つまり、持ち球数カウンタの値と持ち球数表示器MHに表示される値は同期している。その後、枠制御用マイコン73aは、S142に移行する。一方、貸球信号を入力していないと判定した場合(S140:No)、枠制御用マイコン73aは、S141の処理を実行することなく、S142に移行する。
S142において枠制御用マイコン73aは、発射球センサ26aから検出信号を入力したか否かを判定する。前述したように、発射球センサ26aから出力される検出信号は、遊技球が遊技領域3に向かって発射されたことを示す信号である。発射球センサ26aからの検出信号を入力したと判定した場合(S142:Yes)、枠制御用マイコン73aは、発射球センサ26aから入力した検出信号で特定される情報に従って、持ち球数カウンタから1減算する(S143)。また、枠制御用マイコン73aは、持ち球数カウンタの値を更新した後、1減算後の値を持ち球数表示器MHに表示させる。ちなみに、発射された遊技球の数、すなわち、遊技領域3を流下して排出口から排出される遊技球の数は、発射球センサ26a(又は排出口センサHa)から信号が出力された回数と同じである。その後、枠制御用マイコン73aは、S144に移行する。一方、発射球センサ26aからの検出信号を入力していないと判定した場合(S142:No)、枠制御用マイコン73aは、S143の処理を実行することなく、S144に移行する。
S144において枠制御用マイコン73aは、主制御基板60から賞球コマンドを入力したか否かを判定する。前述したように、賞球コマンドは、入賞した入賞口の種類や入賞口毎に異なる伴う遊技球数等を特定するコマンドである。賞球コマンドを入力したと判定した場合(S144:Yes)、枠制御用マイコン73aは、賞球コマンドで特定される情報に従って、持ち球数カウンタの値を加算する(S145)。また、枠制御用マイコン73aは、持ち球数カウンタの値を更新した後、賞球コマンドで特定される賞球数を加算した値を、持ち球数表示器MHに表示させる。その後、枠制御用マイコン73aは、S146に移行する。一方、賞球コマンドを受信していないと判定した場合(S144:No)、枠制御用マイコン73aは、S145の処理を実行することなく、S146に移行する。
S146において枠制御用マイコン73aは、その他のセンサによる検出信号に基づく処理として、その他の処理を実行する。その後、枠制御用マイコン73aは、遊技球が発射されたことを示す発射コマンドをRAM73dに設けられた出力バッファにセットする(S147)。この発射コマンドは、前述した出力処理によって主制御基板60に出力される。これにより、主制御基板60は、発射球数を把握することができる。また、主制御基板60で差玉数を用いた演算を行わず、枠制御用マイコン73aから、持ち球数カウン
タの値から玉貸によって増加した遊技球数を引いた遊技球数を指示するコマンドを主制御基板60に出力することで、主制御基板60において各種差玉数を把握できるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、S142において発射球センサ26aからの検出信号により、発射球数を把握していたが、排出口センサHaからの検出信号の受信の有無により発射球数を把握するようにしてもよい。また、持ち球数カウンタのカウント値も、初期設定(S1)に合わせてリセットされるようにしてもよい。
前述したように、パチンコ遊技機1は、封入式パチンコ遊技機であるため、賞球コマンドを入力したとしても、枠制御用マイコン73aは、実際に遊技球を払い出すことはない。しかしながら、主制御基板60から賞球コマンドを入力すると、枠制御用マイコン73aは、当該コマンドに基づいて持ち球数カウンタの値を増加させるようになっており、その結果、遊技者の持ち球が増加する。よって、賞球コマンドで特定される球数だけ持ち球数カウンタの値を増加させることで持ち球数を増加させる枠制御用マイコン73aが、本発明の「賞球制御手段」の一例である。また、パチンコ遊技機1が封入式パチンコ遊技機であることを鑑み、本発明における「賞球の払い出し」は、持ち球数カウンタにおける持ち球数の増加に相当する。
(サブ側主制御処理)
次に、図20に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S150)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer
Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ
等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S151)、否定判定した場合(S151:No)、RAM120を初期化し(S152)、S153に進む。また、S151において肯定判定した場合(S151:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS153に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S151:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S151:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS150~S152は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S153)、乱数更新処理を実行する(S154)。この乱数更新処理では、種々の演出選択乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出選択乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S155)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S156)。以降、S153~S156を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S157)、1msタイマ割込処理(S158)及び10msタイマ割込処理(S159)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S157)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S158,S159)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図21に従って、1msタイマ割込処理(S158)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S160)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ9aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S161)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理(図24)においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S173)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S174)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S162)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理(図24)においてRAM120の出力バッファにセットされ、S161において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S162:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S163)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S164)。S164の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S162:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図22に従って、10msタイマ割込処理(S159)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は
、後述する受信コマンド解析処理(図23)を実行し(S170)、スイッチ状態取得処理を実行する(S171)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S160)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S172)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S173)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S174)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S175)、本処理を終了する。その他の処理(S175)では、演出選択乱数である変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図23に従って、受信コマンド解析処理(S170)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S180)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S180:Yes)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S181)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグなど)を示す情報等が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態を特定し、特定した遊技状態を記憶する。例えば、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている時短演出カウンタの値などが更新される。具体的には、時短状態で行われる特別図柄の残り変動回数が時短演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも時短回数等の情報を保持することができる。
S181の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S180:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S182)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S182:Yes)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を実行する(S183)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S183の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S182:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S184)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S184:Yes)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行
する(S185)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S185の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S184:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S186)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S186:Yes)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S187)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S187の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S186:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S188)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S188:Yes)、演出制御用マイコン101は、その後、後述する変動演出開始処理(図24)を実行する(S189)。
S189の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S188:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S190)。主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S190:Yes)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S191)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S155)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを所定の停止パターンを経て確定表示する。
S191の実行後、又は主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S190:No)、演出制御用マイコン101は、賞球指示コマンド又は発射指示コマンドを受信したか否かを判定する(S192)。賞球指示コマンドは、主制御基板60から出力されるコマンドであって、賞球コマンドと同一の内容を指示する。発射指示コマンドは、主制御基板60から出力されるコマンドであって、枠制御基板73から発射コマンドを受信したこと、すなわち遊技球が発射されたことを指示する。これらのコマンドにより、サブ制御基板100は、各種差玉数を把握することができる。
主制御基板60から賞球指示コマンド又は発射指示コマンドを受信したと判定した場合(S192:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する事前報知演出を実行させるための事前報知演出制御処理(図26)を実行する(S193)。
S193の実行後、又は主制御基板60から賞球指示コマンド及び発射指示コマンドを受信していないと判定した場合(S192:No)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S194)、本処理を終了する。その他の処理(S194)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普図用の変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
(変動演出開始処理)
次に、図24に従って、変動演出開始処理(S189)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図用の変動開始コマンドを解析する(S200)。特図用の変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S200において解析した特図用の変動開始コマンドが第1特図用の変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図用の変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S201)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S202)。続いて、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S203)。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S204)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、演出選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S204において選択した演出内容(変動演出パターン)の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S205)。変動演出開始コマンドには、演出内容(変動演出パターン)の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S161)において、演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
[事前報知演出について]
パチンコ遊技機1では、最大差玉数が規定数に到達した場合、何の前触れもなく遊技を停止させるのではなく、絶対値が規定数(この例では「95,000」)よりも小さい報知基準数に到達したことを契機として、遊技停止状態に制御されることを事前に示唆する事前報知演出が実行されるようになっている。
本実施形態では、報知基準数として特定の値が定められているわけではなく、大当たり遊技中に第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)が規定数に到達する可能性がある場合、特図が確定表示されてから大当たり遊技が終了するまでの間における所定期間に、規定数到達までの残り球数が報知されるようになっている。実施形態では、前述の「所定期間」を「大当たり遊技中」としている。
図25(a)~(d)は、大当たり種別として「10R確変大当たり」が決定された場合における事前報知演出としての表示画像の例を示している。
図25(a)は、大当たり遊技開始時(オープニング中)における表示画像の例を示している。
大当たり遊技が開始すると、事前報知演出として「あと○○球で遊技ができなくなるよ」等のメッセージを表示する差玉数カウント画像G1が表示される。図25(a)では、規定数到達までの残り球数を「1,000」とする差玉数カウント画像G1が表示されている。この数値により、遊技者に対して、あと1,000球で規定数に到達する旨が報知される。なお、パチンコ遊技機1では、大当たり遊技が開始される度に事前報知演出が実行されるのではなく、大当たり遊技の実行中に第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)が規定数に到達する可能性がある場合に限って事前報知演出が実行される。大当たり遊技の実行中に第2差玉数が規定数に到達する可能性があるか否かの判断方法の詳細については後述する。
また、演出表示装置7では、差玉数カウント画像G1に加え、大当たり遊技中、実際に獲得した賞球数を表示する獲得賞球数カウント画像G2が表示されるようになっている。ちなみに、オープニング演出中は、大入賞口32が開放されないため、獲得賞球数カウント画像G2の値は「0球」となる。
その後、大当たり遊技中、遊技球を大入賞口32に入賞させることができた場合には、規定数到達までの残り球数に応じて、差玉数カウント画像G1の数値が更新・表示される。同様に、大当たり遊技中、遊技球を大入賞口32に入賞させることができた場合には、獲得した賞球数に応じて、獲得賞球数カウント画像G2の数値が更新・表示される。
図25(b)は、大当たり遊技中(この例では3ラウンド目の途中)の表示画像の例を示している。
この例では、規定数到達までの残り球数「710」を示す差玉数カウント画像G1と、獲得賞球数「342」を示す獲得賞球数カウント画像G2と、が表示されている。大入賞口32に遊技球を複数入賞させることができた場合には、ラウンド遊技が進むに連れ、差玉数カウント画像G1に表示される「規定数到達までの残り球数」は、小さくなる(0に近付く)。一方、大入賞口32に遊技球を複数入賞させることができた場合には、ラウンド遊技が進むに連れ、獲得賞球数カウント画像G2に表示される遊技球数は大きくなる。本実施形態では、差玉数カウント画像G1及び獲得賞球数カウント画像G2は、ともに大当たり遊技の開始時から大当たり遊技が終了するまでの間、常時表示されるとともに、その数値は、球数変化に合わせて随時更新されるようになっている。なお、遊技者が大当たり遊技中に第2差玉数が規定数に到達する可能性があるかどうかを把握することができれば、差玉数カウント画像G1の更新・表示タイミングは、実施形態の例に限られない。例えば、オープニング開始時から規定数到達までの間において、規定数に到達するまでの正確な残り球数が、所定の報知周期(例えば30秒毎)で更新・表示されてもよい。また、各ラウンド遊技の開始時又は終了時において、その時点における数値が表示されてもよい。なお、差玉数カウント画像G1及び獲得賞球数カウント画像G2は、どちらも遊技球数に関する表示であるため、残り球数及び獲得賞球数のどちらを示しているのかを遊技者が区別できるよう、表示形態を異ならせている。また、遊技者が残り球数及び獲得賞球数のどちらを示しているのかを区別することができれば、カウント画像G1,G2の表示形態は実施形態の例に限られない。
図25(c)は、大当たり遊技の途中(この例では7ラウンド目の途中)で、規定値到達までの残り球数が「0」、すなわち規定数に到達した例を示している。
この例では、規定数到達までの残り球数「0」を示す差玉数カウント画像G1と、獲得
賞球数「1,011球」を示す獲得賞球数カウント画像G2と、が表示されている。前述したように、パチンコ遊技機1では、最大差玉数が規定数に到達したタイミングで大当たり遊技を実行していた場合、実行中の大当たり遊技が終了するまで遊技停止が持ち越されるようになっている。これにより、最大差玉数が「95,000」に到達した時点で、各種差玉数に係る演算は停止され、それに伴い差玉数カウント画像G1も「0」の状態が維持される。その一方、大当たり遊技が終了するまで遊技停止が持ち越されるということは、例えば、前述したようにハンドル4の操作が無効となるようなことはなく、かつ開閉部材31の開閉動作が継続されるため、大入賞口32に遊技球が入賞可能な状態が継続されることになる。これにより、差玉数カウント画像G1の値は「0」のまま変化しないが、獲得賞球数カウント画像G2の値は、獲得した賞球数に応じて更新・表示される。つまり、図25(a)で、差玉数カウント画像G1によって「あと1,000球で遊技を行うことができなくなる」旨が報知されたが、その報知数「1,000球」を超える賞球を獲得できる。すなわち、大当たり遊技中の獲得賞球数が、大当たり遊技開始時に報知された球数に到達して差玉数カウント画像G1の値が「0」になったとしても、大当たり遊技が終了しない。
図25(d)は、大当たり遊技終了時(エンディング中)における表示画像の例を示している。
図25(c)の説明で述べたように、最大差玉数が「95,000」に到達したことにより、以降、差玉数カウント画像G1の値が「0」を維持した状態が継続されるが、大入賞口32に遊技球が入賞可能な状態は継続される。つまり、大当たり遊技が継続する。このため、差玉数カウント画像G1は「0」のまま変化しないが、獲得賞球数カウント画像G2の値は更新され、「10R確変大当たり」に基づく大当たり遊技で獲得した総賞球数が表示される(この例では「1,500球」)。
図25(e)は、パチンコ遊技機1で遊技を行うことができない状況となったことを周知する遊技停止中画像の例を示している。
大当たり遊技の終了後、図25(e)に示すような遊技停止画像が表示される。なお、遊技停止中画像は、パチンコ遊技機1で遊技を行うことができない状況となったことの周知が目的であるため、遊技者の注意を引くよう、例えば、演出表示装置7の全面に大きく表示する等が好ましい。
ちなみに、この遊技停止状態は、RAMクリアスイッチ66の操作によって解除されて通常通り遊技を実行できる状態に制御されるようになっているが、遊技停止状態となった後は、原則、営業時間が終了するまでの間、RAMクリアスイッチ66は操作されず、遊技停止状態が維持されるようになっている。
なお、パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中、必ず事前報知演出を実行しているのではなく、大当たり遊技中に、最大差玉数が規定数に到達する可能性があり、かつ当該大当たり遊技の終了後にも大当たりと判定される可能性が高い状態となる場合に、事前報知演出の実行を許可している。「当該大当たり遊技の終了後にも大当たりと判定される可能性が高い状態」とは、例えば、大当たり当選時の遊技状態にかかわらず、いずれかの確変大当たりに当選した状態を指す。前述したように、「確変大当たり」に当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が「高確高ベース状態」となるため、大当たり抽選に当選し易い状態で、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。そして、この「高確高ベース状態」は、次回大当たりに当選するまで継続されるため、「高確高ベース状態」を生起させた大当たりとは別に、少なくともあと1回の大当たり当選が保証されている状態である。また、「当該大当たり遊技の終了後にも大当たりと判定される可能性が高い状態」は、「高確高ベース状態」となることで、賞球獲得面で遊技者に有利となるため、「賞球獲得の面で遊技者に有利な遊技状態」であるとも言える。
(サブ制御基板100による差玉数の把握)
事前報知演出の実行タイミングをサブ制御基板100側で判断するためには、サブ制御基板100が、各種差玉数に関する情報(現時点の差玉数、最小差玉数、現時点における最大差玉数等)を把握しておく必要がある。そこで、第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)が報知基準数に到達したか否かをサブ制御基板100側で判断するために、演出制御用マイコン101には、サブ側差玉数演算部が設けられている。サブ制御基板100側で主制御基板60の差玉数演算部67と同様、各種差玉数を算出させるために、主制御基板60は、賞球コマンドと同一の内容を指示する賞球指示コマンドと、枠制御基板73から発射コマンドを入力したこと、すなわち遊技球が発射されたことを指示する発射指示コマンドと、を、サブ制御基板100に出力する。つまり、演出制御用マイコン101は、賞球指示コマンドを入力した場合には、サブ側差玉数演算部を制御し、当該コマンドで特定される入賞口の種類に応じた賞球数に相当する遊技球数を加算するように現時点の差玉数(第1差玉数)の演算値を加算し、更新する。一方、発射指示コマンドを入力した場合、演出制御用マイコン101は、サブ側差玉数演算部を制御し、第1差玉数の演算値を1減算し、更新する。このサブ側差玉数演算部による演算結果は、主制御基板60側の差玉数演算部67による演算結果と一致している。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも各種差玉数に関する情報を保持することができる。なお、サブ制御基板100にサブ側差玉数演算部を設けず、報知基準数に到達する度に、報知基準数に到達したことを指示するコマンドを主制御基板60からサブ制御基板100に出力することで、サブ制御基板100に対して、事前報知演出の実行タイミングに到達したことを知らせるようにしてもよい。
(事前報知演出制御処理)
以下、図26に従って、事前報知演出制御処理(S193)の内容について説明する。
前述したように、演出制御用マイコン101は、賞球指示コマンド又は発射指示コマンドを入力すると、サブ側差玉数演算部を制御し、現時点の差玉数(第1差玉数)を算出するとともに、最小差玉数を更新した場合には、その値を上書きして記憶する。また、演出制御用マイコン101は、第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)を算出し、更新する(S210)。その後、演出制御用マイコン101は、大当たり判定で大当たりと判定され、かつ当選した大当たり種別が、当該大当たり遊技の終了後にも大当たりと判定される可能性が高い「確変大当たり」であるか否かを判定する(S211)。
当選した大当たり種別が「確変大当たり」であると判定した場合(S211:Yes)、演出制御用マイコン101は、今回の大当たり遊技中に規定数に到達する可能性があるか否かを判定する(S212)。S212の判定は、「今回の大当たり遊技で獲得可能な賞球の上限数+大当たり遊技開始前における第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)」と「規定数」との差で表す算出式(以下、第1算出式と示す)より、規定数に到達するか否かを判定可能である。
パチンコ遊技機1では、大入賞口32に遊技球が入賞すると、入賞1球につき15球の遊技球が与えられるとともに、各ラウンド遊技は、大入賞口32に入賞した遊技球の個数が10球に到達すると開閉部材31の閉動作が行われ、ラウンド遊技が終了するよう設定されている。これにより、演出制御用マイコン101は、大当たり遊技の開始時点において、今回の大当たり遊技で理論上、獲得可能な賞球の上限数(以下、賞球上限数と示す)を算出することができる。例えば「10R確変大当たり」であれば、最大で「15(球)×10(球)×10(ラウンド)=1500球」の賞球を獲得可能であるということを、大当たり遊技が開始する前に把握することができる。これにより、「10R確変大当たり」に当選しており、かつ大当たり遊技開始前の第2差玉数が例えば「80,000」であ
る場合、第1算出式に当てはめると、1,500+80,000<95,000となる。賞球上限数と大当たり遊技開始前における第2差玉数を加算した値が規定数よりも小さいということは、大当たり遊技中に規定数に到達しないということである。
一方、「10R確変大当たり」に当選しており、かつ大当たり遊技開始前の第2差玉数が例えば「94,000」である場合、第1算出式に当てはめると、1,500+94,000>95,000となる。賞球上限数と大当たり遊技開始前における第2差玉数を加算した値が規定数よりも大きいということは、大当たり遊技中に規定数に到達する可能性があるということである。
よって、この第1算出式の算出結果を参照し、今回の大当たり遊技中に規定数に到達する可能性があると判定した場合(S212:Yes)、演出制御用マイコン101は、事前報知演出の実行条件を満たしたとして、オープニング演出の開始時から、規定数到達までの残り球数を反映した差玉数カウント画像G1(例えば、図25(a)参照)の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S213)。その後、演出制御用マイコン101は、S214に移行する。
ちなみに、サブ制御基板100から、規定数到達までの残り球数を反映した差玉数カウント画像G1の表示を指示するコマンドを受信した画像制御基板200は、オープニング演出中、図25(a)に示すような差玉数カウント画像G1を演出表示装置7に表示させる。また、これとは別に、演出制御用マイコン101は、賞球指示コマンドで特定される賞球数を指示するサブ側賞球指示コマンドを画像制御基板200に出力する。これにより、画像制御基板200は、獲得賞球数カウント画像G2を演出表示装置7に表示する。
画像制御基板200に対して、事前報知演出(規定数到達までの残り球数を反映した差玉数カウント画像G1)の実行指示を行う演出制御用マイコン101は、本発明の事前報知演出実行手段の一例である。また、演出制御用マイコン101からの指示を受け、演出表示装置7に事前報知演出を実行させる画像制御基板200も、本発明の事前報知演出実行手段の一例である。また、演出表示装置7で行われる事前報知演出に合わせてスピーカ8から音声を出力したり、サイドランプ23a,23b等を点滅させてもよい。この場合、これらの部材を制御する各制御基板78,79も、事前報知演出実行手段の一例となる。
図26の説明に戻り、大当たり判定で大当たりと判定されていない場合や、当選した大当たり種別が「通常大当たり」であると判定された場合(S211:No)、又は今回の大当たり遊技中に規定数に到達しないと判定した場合(S212:No)、差玉数カウント画像G1を表示させる必要がないため、演出制御用マイコン101は、S213の処理を実行することなく、S214に移行する。
S214において演出制御用マイコン101は、S210で更新した後の第2差玉数が、規定数(この例では「95,000」)に達しているかを判定する。第2差玉数が規定数に達していると判定した場合(S214:Yes)、演出制御用マイコン101は、各種差玉数に係る演算を停止する(S215)。また、演出制御用マイコン101は、規定数に到達したことを示す差玉数カウント画像G1(例えば図25(c)参照)の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S216)、本処理を終了する。
一方、第2差玉数が規定数に達していないと判定した場合(S214:No)、演出制御用マイコン101は、引き続き、差玉数カウント画像G1を表示させるべく、S215の処理を実行することなく、規定数到達までの残り球数を反映した差玉数カウント画像G
1(例えば図25(b)参照)の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S216)、本処理を終了する。
サブ制御基板100から規定数到達までの残り球数を反映した差玉数カウント画像G1の表示を指示するコマンドを受信した画像制御基板200は、ラウンド演出中、図25(b)に示すような差玉数カウント画像G1を演出表示装置7に表示させる。一方、サブ制御基板100から規定数に到達したことを示す差玉数カウント画像G1の表示を指示するコマンドを受信した画像制御基板200は、ラウンド演出中、図25(c)に示すような差玉数カウント画像G1を演出表示装置7に表示させる。
なお、大当たり遊技終了時までに第2差玉数が規定数に到達していなかった場合、大当たり遊技の終了に伴って差玉数カウント画像G1は非表示状態とされるが、内部的には各種差玉数に係る演算は継続される。そして、大当たり遊技終了後に生起される「高確高ベース状態」中、再度大当たり抽選に当選した場合には、その当選時における残り球数から差玉数カウント画像G1の表示が再開される。
[事前報知演出の流れ]
以下、図27(a),(b)に従って、遊技の進行に合わせた差玉数の推移について説明する。
なお、図27(a),(b)で示す例は、事前報知演出が行われるまでの過程を説明するためものであり、差玉数の推移はあくまで目安である。また、図27(a),(b)において、縦軸は差玉数を示し、横軸は時間経過を示す。なお、電源投入直後の差玉数は「0」からスタートする。また、前述したように、本実施形態における「差玉数」は、遊技者の立場から演算されたものであるため、遊技球が発射されると、差玉数が減少することになる(図中、縦軸の矢印と逆方向にグラフが推移する)。
図27(a)は、大当たり遊技中に規定数に到達した例を示している。
遊技中におけるいずれかのタイミングで大当たりに当選すると、大当たり遊技が開始される(時点a1)。このとき、当選した大当たり種別が「10R確変大当たり」であって、大当たり遊技開始前における第2差玉数が「94,000」であったとする。「10R確変大当たり」に当選した場合、理論上の賞球上限数は「1,500球」となる。そして、大当たり遊技中に第2差玉数が規定数に到達するか否かを判定するために、前述した第1算出式に当てはめると、「1,500+94,000>95,000」となる。このように、賞球上限数と大当たり遊技開始前における第2差玉数を加算した値が規定数よりも大きいということは、大当たり遊技中に規定数に到達する可能性があるということになる。これにより、大当たり遊技の開始時(時点a1)において、規定数到達までの残り球数を報知するために、「あと1,000球で遊技ができなくなるよ」と示す差玉数カウント画像G1が表示される。
大入賞装置30は右遊技領域3Bに配置されているため、大当たり遊技が開始されると、遊技者は右打ちを行う。大入賞口32へ遊技球を入賞させることができた場合、多量の賞球を獲得することができる。このとき、獲得した賞球数が「1,000球」を超えると、第2差玉数が規定数に到達(1,000+94,000=95,000)したことになる(時点a2)。なお、前述したように、パチンコ遊技機1では、第2差玉数が規定数に到達したタイミングで大当たり遊技を実行していた場合、実行中の大当たり遊技が終了するまで遊技停止が持ち越される。これにより、時点a2のタイミングで規定数に到達したとしても、実行中の大当たり遊技が終了するまでの間、大入賞口32に遊技球を入賞させることができた場合には、遊技者はさらに賞球を獲得することができる(図中、点線で示す推移)。ただし、第2差玉数が規定数に到達していることにより、時点a2に到達した
時点から各種差玉数に係る演算は停止される。そして、大当たり遊技が終了すると(時点a3)、遊技停止制御が開始される。
ちなみに、この例では「10R確変大当たり」に当選したことにより、大当たり遊技中に規定数に到達する可能性があるとして、時点a1のタイミングで事前報知演出が実行された。その一方で、例えば、当選した大当たり種別が「5R確変大当たり」であった場合、理論上の賞球上限数は「15(球)×10(球)×5(ラウンド)=750球」となり、大当たり遊技中に規定数に到達する可能性がないので、時点a1のタイミングで事前報知演出を実行する必要はない。
図27(b)は、大当たり遊技中に規定数に到達しなかった例を示している。
図27(a)と同じく、遊技中におけるいずれかのタイミングで大当たりに当選すると、大当たり遊技が開始される(時点b1)。このとき、当選した大当たり種別が「10R確変大当たり」であって、大当たり遊技開始前における第2差玉数が「94,000」であったとする。「10R確変大当たり」に当選した場合、理論上の賞球上限数は「1,500球」となる。そして、大当たり遊技中に第2差玉数が規定数に到達するか否かを判定するために、前述した第1算出式に当てはめると、「1,500+94,000>95,000」となる。このように、賞球上限数と大当たり遊技開始前における第2差玉数を加算した値が規定数よりも大きいということは、大当たり遊技中に規定数に到達する可能性があるということになる。これにより、大当たり遊技の開始時(時点b1)において、規定数到達までの残り球数を報知するために、「あと1,000球で遊技ができなくなるよ」と示す差玉数カウント画像G1が表示される。
前述したように、パチンコ遊技機1では、大入賞口32に遊技球が入賞すると、入賞1球につき15球の賞球が与えられる。また、各ラウンド遊技は、大入賞口32に入賞した遊技球の個数が10球に到達すると開閉部材31の閉動作が行われ、ラウンド遊技が終了するよう設定されている。これにより、例えば、1~7ラウンド目までは大入賞口32に遊技球を10球入賞させ、8ラウンド目では、差玉数カウント画像G1の報知内容を参照して遊技球の発射量を調節することで、規定数に到達しないよう、大入賞口32に1球しか遊技球が入賞し得ないようにし、9,10ラウンド目では遊技球を発射しないように調節したとする。この場合、大当たり遊技中、計1,065球[=(15(球)×10(球)×7(ラウンド))+(15(球)×1(球))]の賞球を獲得したことになる。この1,065球の賞球を獲得するために、最小で71球[=(10(球)×7(ラウンド))+1(球)」の遊技球を発射したとすると、この発射球数を考慮したとしても、(1,065-71)+94,000<95,000となる。すると、大当たり遊技の終了時点(時点b2)において、第2差玉数が規定数に到達しなかったことになる。前述したように、パチンコ遊技機1では、最大差玉数が規定数に到達したタイミングで大当たり遊技を実行していた場合、実行中の大当たり遊技が終了するまで遊技停止が持ち越される。逆を言えば、大当たり遊技中に最大差玉数が規定数に到達しなければ、次の大当たり遊技まで、規定数到達が持ち越されることになる。
これにより、大当たり遊技の終了時点(時点b2)において、第2差玉数が規定数に到達していないことに基づき、遊技が継続可能な状態が維持される。なお、前述したように、大当たり遊技の終了時点において第2差玉数が規定数に到達していなかった場合、大当たり遊技の終了に伴って差玉数カウント画像G1が非表示状態とされるが、内部的には各種差玉数に係る演算が継続される。
また、前述したように、確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が「高確高ベース状態」となり、かつこの遊技状態は、次回大当たりに当選するまで継続されるため、「高確高ベース状態」を生起させた大当たりとは別に、少なくともあと1回
の大当たり当選が保証されている状態である。
ただし、大当たり遊技の終了時点において、第2差玉数が規定数に到達していないことに基づき遊技を継続させる状況は、当選した大当たり種別が「確変大当たり」である場合に限る。なぜならば、当選した大当たり種別が「通常大当たり」である場合、本実施形態においては、大当たり遊技終了後、上限回数の特図変動が行われるまで「低確高ベース状態」とされることで、第2始動口22に遊技球が入賞し易い状態が生起されるものの、大当たりに当選し易い状態ではない。これにより、次回大当たり当選が保証されているとは言い難く、今回の大当たり遊技で規定数に到達しないように遊技球の発射量を調節し、遊技が継続される状況を作り出したとしても、遊技者の手持ちの遊技球を大きく減らすことなく、大当たり遊技1回分多くの賞球が獲得できる保証がないからである。このような理由により、図26に示す事前報知演出制御処理では、S211の条件に「通常大当たり」を含めていない。
図27(b)の説明に戻り、「高確高ベース状態」におけるいずれかのタイミングで大当たりに当選すると、再度、大当たり遊技が開始される(時点b3)。また、大当たり遊技の開始に伴い、時点b3における大当たり当選時の残り球数から差玉数カウント画像G1の表示が再開される。
このとき、当選した大当たり種別が「5R確変大当たり」であって、大当たり遊技開始前における第2差玉数が「94,500」であったとする。「5R確変大当たり」で獲得可能な理論上の賞球上限数は「15(球)×10(球)×5(ラウンド)=750(球)」となる。そして、大当たり遊技中に第2差玉数が規定数に到達するか否かを判定するために、前述した第1算出式に当てはめると、「750+94,500>95,000」となる。このように、賞球上限数と大当たり遊技開始前における第2差玉数を加算した値が規定数よりも大きいということは、大当たり遊技中に規定数に到達する可能性があるということになる。これにより、2回目の大当たり遊技の開始時(時点b3)において、規定数到達までの残り球数を報知するために「あと500球で遊技ができなくなるよ」と示す差玉数カウント画像G1が表示される。
そして、例えば、1~5ラウンドの全てのラウンド遊技において大入賞口32に遊技球を10球入賞させたとすると、大当たり遊技中、計750球(=15(球)×10(球)×5(ラウンド))の賞球を獲得したことになる。この750球の賞球を獲得するために、
最小で(10(球)×5(ラウンド)=50球)の遊技球を発射したとすると、この発射球数を考慮したとしても、(750-50)+94,500>95,000となる。つまり、大当たり遊技の途中で第2差玉数が規定数に到達することになる(時点b4)。
この場合、前述同様、時点b4に到達した時点から各種差玉数に係る演算は停止されるが、実行中の大当たり遊技が終了するまでの間、大入賞口32に遊技球を入賞させることができれば、遊技者はさらに賞球を獲得することができる(図中、点線で示す推移)。そして、大当たり遊技が終了すると(時点b5)、遊技停止制御が開始される。
図27(a)の例では、大当たり遊技中に規定数に到達したことにより、当該大当たり遊技の終了を以て遊技停止制御が行われたが、図27(b)の例では、差玉数カウント画像G1の報知内容を参照し、大当たり遊技中に第2差玉数が規定数に到達しないように遊技球の発射量を調節した。これにより、図27(b)の例では、1回目の大当たり遊技終了後に遊技停止制御が行われず、遊技が継続可能な状態が維持される。
また、図27(b)の例のように、第2差玉数が規定数に到達する直前で遊技球の発射を中断すれば、次回大当たりを得ることができた場合に、その次回大当たり遊技でも賞球
を獲得することができるので、1回目の大当たり遊技で規定数に到達する場合に比して、大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得することができる。このような賞球獲得手法は、「確変大当たり」に当選したことにより、大当たり遊技終了後の遊技状態が「高確高ベース状態」とされることで実現可能である。すなわち、「高確高ベース状態」中は、大当たり抽選に当選し易い状態で、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる状態である。さらに、本実施形態では、「高確高ベース状態」が、次回大当たりに当選するまで継続されるため、「高確高ベース状態」を生起させた大当たりとは別に、少なくともあと1回の大当たり当選が保証されることになる。このため、今回の大当たり遊技で規定数に到達しないよう、賞球上限数と一致する球数まで賞球を獲得することを諦めたとしても、あと1回大当たり遊技が生起されることに期待を持つことができる。
さらに言うなれば、毎回、確変大当たりに当選することができれば、差玉数カウント画像G1の報知内容を参照し、毎回、大当たり遊技中に第2差玉数が規定数に到達しないように遊技球の発射量を調節すれば、「高確高ベース状態」を延長させることができる。つまり、本来であれば、1回目の大当たり遊技中に第2差玉数が規定数に到達し、当該大当たり遊技の終了を以て遊技が停止し得るものが、規定数到達を遅らせることで、再度、大当たり遊技を生起させることが可能となる。
[第1実施形態の効果]
(1)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、実行中の大当たり遊技において、第2差玉数が規定数に到達する可能性がある場合、大当たり遊技中にその旨を事前に報知することで、遊技者は、発射球数を調節することができ、結果的に当該大当たり遊技中における規定数到達を回避できる場合がある。その結果、規定数到達が、次回以降の大当たり遊技に持ち越される場合があり、普通に遊技を行うよりも大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得することが可能となることがある。
(2)また、大当たり遊技中に、第2差玉数が規定数に到達する可能性がある場合、大当たり遊技中が開始してから規定数に到達するまでの間(当否判定の結果を示す図柄が確定表示されてから規定数に到達するまでの間)、事前報知演出として、規定数に到達するまでの正確な残り球数を、所定の報知周期(例えば30秒毎)で報知するようにした。規定数到達までの正確な残り球数が報知されたならば、規定数到達寸前まで遊技球を発射して賞球を獲得しつつ、規定数に到達する手前で遊技球の発射を停止すれば、当該大当たり遊技中における規定数到達を回避できる場合がある。その結果、規定数到達が、次回以降の大当たり遊技に持ち越される場合があり、普通に遊技を行うよりも大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得することが可能となる場合がある。また、遊技者による発射球数の調整次第で普通に遊技を行うよりも大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得できるという攻略要素を持たせることができ、遊技者の挑戦意欲を掻き立てることができる。
(3)また、大当たり遊技中に、第2差玉数が規定数に到達する可能性があり、かつ当該大当たり遊技の終了後にも大当たりと判定される可能性が高い場合に事前報知演出を実行するようにした。通常、遊技者は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技の実行中、入賞上限個数まで遊技球を大入賞口32に入賞させ、獲得可能な数だけ賞球を獲得しようとする傾向が高い。ところが、当該大当たり遊技が終了しても、その後も大当たり当選が保証されていれば、今回の大当たり遊技で獲得可能な上限数まで賞球を獲得することができなくても、次の大当たりで再度、賞球を獲得することができるため、普通に遊技を行うよりも大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成又は同様に対
応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
第1実施形態では、大当たり遊技中に規定数に到達する可能性がある場合、大当たり遊技の開始時から事前報知演出を実行していた。第2実施形態では、規定数に到達するまでの残り球数が、大当たり遊技を構成するラウンド数が最も多い大当たり種別に基づく複数回分(この例では2回分)の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を切った時点から規定数に到達するまでの間、事前報知演出を実行するようになっている。
その理由を以下に説明する。
遊技者は、大当たり遊技が開始すると、大当たり遊技中、多量の賞球を獲得することに意識が向くため、実行中の大当たり遊技で遊技停止の可能性があることが報知されても、なかなか発射頻度を調節して、1回の大当たり遊技で獲得可能な賞球上限数の手前で賞球獲得を中断するという行為を実行し難い。ところが、第2実施形態で示す例のように、遊技停止までの残り球数に余裕がある時点から遊技停止の可能性があることを徐々に報知された場合、遊技者は、あと何球で規定数に到達するのかを意識しながら、余裕をもって遊技に臨み易い。また、事前報知演出の開始タイミングを「規定数に到達するまでの残り球数が、大当たり遊技を構成するラウンド数が最も多い大当たり種別に基づく2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を切った時点から」とした理由は、次の通りである。パチンコ遊技機1では、複数種類の大当たり種別が設定されており、どの大当たり種別に当選するかは抽選によってランダムに決定される。これにより、単に「2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を切った時点から」規定数到達までの残り球数を表示するとした場合、当選した大当たり種別によっては「2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数」を、1回の大当たり遊技で獲得し得ることがある。つまり、「5R確変大当たり」では、理論上「15(球)×10(球)×5(ラウンド)=750(球)」の賞球を獲得することができ、この「5R確変大当たり」2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数は、理論上1,500球となるが、この賞球数は、「10R確変大当たり」に基づく1回の大当たり遊技で獲得可能である。すなわち、大当たり遊技2回分の賞球を獲得し得るまで遊技が停止しないと安心していたにもかかわらず、1回の大当たり遊技で第2差玉数が規定数に到達してしまい、意図せず遊技停止に至ってしまう場合があるからである。これにより、規定数到達までの残り球数が、本実施形態において最もラウンド数の多い「10R確変大当たり」に基づく2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数である「3,000球」を切った時点から事前報知演出を開始することで、遊技者は余裕をもって遊技に臨み易く、かつ、第1実施形態で説明したように、大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得するために発射球数を予め調節する等の攻略手順を計画することができる。
以下、図28に従って、第2実施形態における事前報知演出制御処理の内容について説明する。
演出制御用マイコン101は、第1実施形態における事前報知演出制御処理(図26)のS210と同じく、入力した賞球指示コマンド又は発射指示コマンドに基づいて、サブ側差玉数演算部を制御し、現時点の差玉数(第1差玉数)を算出するとともに、最小差玉数を更新した場合には、その値を上書きして記憶する。また、演出制御用マイコン101は、第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)を算出し、更新する(S220)。その後、演出制御用マイコン101は、大当たり判定で大当たりと判定され、かつ当選した大当たり種別が、当該大当たり遊技の終了後にも大当たりと判定される可能性が高い「確変大当たり」であるか否かを判定する(S221)。当選した大当たり種別が「確変大当たり」であると判定した場合(S221:Yes)、演出制御用マイコン101は、S220で更新した後の第2差玉数が「92,000」に達しているか否かを判定する(S222)。この「92,000」という値は、前述した規定数到達までの残り球数が、「10R確変大当たり」に基づく2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数である「3,000球」を切った値である。第2差玉数が「92,000」に達してい
る、すなわち、規定数到達まで「3,000」を切っていると判定した場合(S222:Yes)、演出制御用マイコン101は、事前報知演出の実行条件を満たしたとして、規定数到達まで残り「3,000」を切っていることを示す報知基準数到達フラグをONにする(S224)。報知基準数到達フラグは、第2差玉数が報知基準数(この例では92,000)に達したとき、すなわち事前報知演出の実行条件を満たしたときにONされ、最大差玉数が規定数(この例では「95,000」)に達したときにOFFされる。その後、演出制御用マイコン101は、残り球数に対応した事前報知画像の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S224)、その後、S225に移行する。
一方、当選した大当たり種別が「確変大当たり」ではないと判定した場合(S221:No)、又は第2差玉数が「92,000」に達していないと判定した場合(S222:No)、演出制御用マイコン101は、差玉数カウント画像G1を表示させる必要がないため、演出制御用マイコン101は、S223,S224の処理を実行することなく、S224に移行する。
S225において演出制御用マイコン101は、S220で更新した後の第2差玉数が、規定数(この例では「95,000」)に達しているかを判定する。第2差玉数が規定数に達していると判定した場合(S225:Yes)、演出制御用マイコン101は、各種差玉数(現在の差玉数、最小差玉数、現時点における最大差玉数等)に係る演算を停止する(S226)。また、演出制御用マイコン101は、報知基準数到達フラグをOFFにする(S227)。その後、演出制御用マイコン101は、最大差玉数が規定数に到達したことを示す差玉数カウント画像G1(例えば図25(c)参照)の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S228)、本処理を終了する。なお、規定数到達が大当たり遊技中であった場合は、先の実施形態で説明したように、各種差玉数に係る演算は停止されるが、大当たり遊技中は、遊技停止が持ち越される。
一方、第2差玉数が規定数に達していないと判定した場合(S225:No)、演出制御用マイコン101は、引き続き、差玉数カウント画像G1を表示させるべく、S226,S227の処理を実行することなく、残り球数に対応した差玉数カウント画像G1(例えば図25(b)参照)の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S228)、本処理を終了する。
これにより、本実施形態においては、規定数に到達するまでの残り球数が、大当たり遊技を構成するラウンド数が最も多い大当たり種別に基づく2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を切った時点から規定数に到達するまでの間、規定数到達までの残り球数の報知が事前報知演出として実行されることになる。よって、遊技者は、余裕をもって遊技に臨むことができ、かつ大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得するために発射球数を予め調節する等の攻略手順を計画することができる。
[第2実施形態の効果]
(1)規定数到達までの残り球数が、大当たり遊技を構成するラウンド数が最も多い大当たり種別に基づく2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を切った時点から規定数に到達するまでの間、事前報知演出として規定数に到達するまでの正確な残り球数が報知されるようにした。実行中の大当たり遊技で遊技停止の可能性があることが報知されるよりも、規定数到達までの残り球数に余裕がある時点から、遊技停止の可能性があることが報知された方が、遊技者は余裕をもって遊技に臨み易い。また、確変大当たりに当選した場合には、規定数到達寸前まで遊技球を発射して賞球を獲得しつつ、大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得できるという攻略要素を持たせることができ、遊技者の挑戦意欲を掻き立てることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態では、主に第1,第2実施形態と異なる点について説明する。また、第1,第2実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
第2実施形態では、大当たり当選により賞球を獲得し得る状況であるか否かを問わず、規定数到達までの残り球数が「10R確変大当たり」に基づく2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を切ったか否かのみに従って、事前報知演出を実行していた。第3実施形態では、大当たり判定で大当たりと判定されていることを前提とし、大当たり遊技の開始時点で、規定数到達までの残り球数が「10R確変大当たり」に基づく2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を切っている場合に、事前報知演出を実行させるようにしている。
(事前報知演出制御処理)
以下、図29に従って、第3実施形態における事前報知演出制御処理の内容について説明する。なお、図29に示す事前報知演出制御処理では、S222aに示す処理内容を除き、図28に示す事前報知演出制御処理と同一の制御が行われる。
先の実施形態で説明したように、演出制御用マイコン101は、入力した賞球指示コマンド又は発射指示コマンドに基づいて、サブ側差玉数演算部を制御し、現時点の差玉数(第1差玉数)を算出するとともに、最小差玉数を更新した場合には、その値を上書きして記憶する。また、演出制御用マイコン101は、第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)を算出し、更新する(S220)。その後、演出制御用マイコン101は、大当たり判定で大当たりと判定され、かつ当選した大当たり種別が「確変大当たり」であるか否かを判定する(S221)。当選した大当たり種別が「確変大当たり」であると判定した場合(S221:Yes)、演出制御用マイコン101は、S220で更新した後の第2差玉数が、「92,000~93,499」の範囲内の値、すなわち、規定数到達までの残り球数が「3,000~1,501」の範囲内の値であるか否かを判定する(S222a)。規定数到達までの残り球数が「3,000~1,501」の範囲内の値とは、2回の大当たり判定で大当たりと判定され、1回目の大当たりと2回目の大当たりのうちどちらかで、最もラウンド数の多い「10R確変大当たり」が決定されたとしても、1回目の大当たり遊技中に規定数に到達することがない数値範囲である。
第2差玉数が「92,000~93,499」の反囲内の値である、すなわち、規定数到達までの残り球数が「3,000~1,501」の範囲内の値であると判定した場合(S222a:Yes)、演出制御用マイコン101は、報知基準数到達フラグをONにする(S223)。その後、演出制御用マイコン101は、図25(a)に示すような事前報知画像の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S224)、その後、S225に移行する。
一方、大当たり判定で大当たりと判定していない場合や、当選した大当たり種別が「確変大当たり」ではないと判定した場合(S221:No)、又は第2差玉数が「92,000~93,499」の範囲外の値である判定した場合(S222a:No)、演出制御用マイコン101は、S223,S224の処理を実行することなく、S225に移行する。
S225において演出制御用マイコン101は、S220で更新した後の第2差玉数が、規定数(この例では「95,000」)に達しているかを判定する。第2差玉数が規定
数に達していると判定した場合(S225:Yes)、演出制御用マイコン101は、種差玉数(現在の差玉数、最小差玉数、現時点における最大差玉数等)に係る演算を停止する(S226)。また、演出制御用マイコン101は、報知基準数到達フラグをOFFにする(S227)。その後、演出制御用マイコン101は、最大差玉数が規定数に到達したことを示す差玉数カウント画像G1(例えば図25(c)参照)の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S228)、本処理を終了する。
一方、第2差玉数が規定数に達していないと判定した場合(S225:No)、演出制御用マイコン101は、S226,S227の処理を実行することなく、規定数到達までの残り球数を反映した差玉数カウント画像G1(例えば図25(b)参照)の表示を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S228)、本処理を終了する。
これにより、本実施形態においては、大当たり遊技の開始時点で、規定数に到達するまでの残り球数が、最大でも「10R確変大当たり」に基づく2回分の大当たり遊技で獲得可能な賞球数を切った時点から規定数に到達するまでの間、規定数到達までの残り球数報知が事前報知演出として実行される。これにより、パチンコ遊技機1で設定されている確変大当たり種別のうちどの種別に当選したとしても、実行中の大当たり遊技の途中で規定数に到達することがないので、遊技者は、余裕をもって遊技に臨むことができ、かつ大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得するために発射球数を調節する等の攻略手順を計画することができる。
例えば、最初に当選した大当たり種別が「10R確変大当たり」であった場合、当該確変大当たりに基づく大当たり遊技の開始時に、「あと1,550球で遊技ができなくなるよ」等のメッセージを表示する差玉数カウント画像G1が表示されたが、発射量の調節を忘れてしまい、獲得可能な最大上限数(1,500球)まで賞球を獲得してしまったとしても、当該大当たり遊技で規定数に到達することがない。これにより、遊技者は、「10R確変大当たり」に基づく大当たり遊技の終了後に制御される「高確高ベース状態」において大当たりに当選し、再度、大当たり遊技が開始されたときに、大当たり遊技中、規定数に到達しないように発射量を調節することで、規定数到達を次回大当たり当選まで持ち越すことができる。
ただし、例えば、大当たり遊技終了後に生起された「高確高ベース状態」で当選した大当たりに基づく大当たり遊技開始時における規定数到達までの残り球数が少ない場合(例えば10球)、規定数到達を次回の大当たり遊技まで持ち越すよりも、規定数に到達させた上で、当該大当たり遊技で獲得可能とされている分だけ賞球を獲得した方が、遊技者にとって有利な場合がある。なぜならば、規定数到達を次回の大当たり遊技まで持ち越したとしても、次回の大当たり遊技でラウンド数の多い大当たり種別が決定されるとは限らないからである。例えば、今回の大当たりが「10R確変大当たり」であって、かつ残り10球で規定数に到達する状況であれば、規定数に到達させた上で10ラウンド分の賞球を獲得した方が、結果的に遊技者はより多くの賞球を獲得できる場合がある。すなわち、今回の大当たりが「10R確変大当たり」であっても、規定数到達を先延ばしにしたことにより当選した大当たり種別が「5R通常大当たり」となる可能性も否めず、結果的に獲得し得る賞球数が減少してしまうことがある。
[第3実施形態の効果]
(1)第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、本パチンコ遊技機1で設定されている確変大当たりのうちどの大当たり種が決定されたとしても、実行中の大当たり遊技の途中で規定数に到達することがないので、遊技者は、余裕をもって遊技に臨むことができ、かつ大当たり遊技1回分多くの賞球を獲得するために発射球数を調節する等の攻略手
順を計画することができる。
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
・事前報知演出の実行期間となる「所定期間」は、特図の大当たり図柄が確定表示されてから大当たり遊技が開始するまでの間であってもよい。また、「所定期間」は、オープニング期間のみとしてもよい。また、「所定期間」は、特図の大当たり図柄が確定表示されてからオープニング期間が終了するまでの期間としてもよい。ラウンド遊技中に事前報知演出を行ったとしても、遊技者は、多量の賞球を獲得することを意識している状態であるため、急に事前報知演出が行われたとしても、思考を切り替え、規定数到達を次回大当たりまで持ち越すように発射球数を調節して、当該大当たり遊技における獲得賞球数を減らすことを躊躇する傾向にある。ところが、オープニング期間が終了するまでの間に事前報知演出が行われた場合には、規定数到達を意識しながら大当たり遊技に臨むことができるので、規定数到達を次回大当たり当選まで持ち越すように発射球を調節し易い。
・大当たり遊技終了後に「高確高ベース状態」に制御されるか否かを考慮することなく、大当たり遊技中に第2差玉数が規定数に到達する可能性がある場合に事前報知演出を実行するようにしてもよい。つまり、次も大当たりの可能性が高いか否かを問わず、単に大当たり遊技中に規定数に到達する可能性がある場合に事前報知演出を実行するようにしてもよい。
・「確変大当たり」当選により、大当たり遊技終了後の遊技状態が「高確高ベース状態」となることが確定している場合、「確変大当たり」に基づく大当たり遊技が終了した後も、差玉数カウント画像G1を引き続き表示させるようにしてもよい。
・メイン側タイマ割込処理(図10)において、特別図柄変動処理(S18)の実行後に遊技停止制御処理(S19)を実行したが、主制御基板60で遊技停止のタイミングに到達したか否かを判定することができれば、遊技停止制御処理の実行タイミングは実施形態で示したタイミングに限られない。
・同様に、受信コマンド解析処理(図23)において、変動演出終了処理(S191)の実行後に事前報知演出制御処理(S193)を実行したが、サブ制御基板100側で事前報知演出の実行タイミングに到達したか否かを判定することができれば、事前報知演出制御処理の実行タイミングは実施形態で示したタイミングに限られない。
・実施形態では、RAMクリアスイッチ66の操作によって遊技停止状態を解除し、主電源ON(メイン側主制御処理の初期設定)によって各種差玉数に関する情報や差玉数に関するフラグをリセットするようにした。これに代えて、遊技停止状態の解除と差玉数のリセットが、同一条件によって行われてもよいし、RAMクリアスイッチ66の操作によって差玉数をリセットし、主電源OFF(又はON)によって遊技停止状態の解除を行ってもよい。また、主電源をOFF(又はON)することに加え、RAMクリアスイッチ66が操作されたことを契機として、遊技停止状態の解除と差玉数のリセットが行われてもよい。
・最大差玉数が規定数に到達したタイミングで大当たり遊技を実行していた場合、大当たり遊技が終了するまで遊技停止を持ち越すようにしていた(図17参照)。これに代えて、大当たり遊技の実行中であるか否かに関わらず、最大差玉数が規定数に到達した時点で遊技停止制御を実行してもよい。
・遊技停止を行うための規定数は、遊技性等に応じて、適宜、変更可能である。例えば、遊技停止の規定数は、発射球数に対する賞球数の割合としてもよい。
・上記実施形態は、ゲートを通過した際にも賞球が与えられる仕様としてもよい。
・上記実施形態において、アウト口19を通過した遊技球を検知するアウト口センサを配置してもよい。
・上記実施形態では、遊技停止の契機となる規定数を「最大差玉数」としたが、これに限定されない。例えば、賞球数から発射球数を減算した差玉数が「95,000」となった場合に遊技を停止させるようにしてもよい。また、総賞球数が規定数に到達した場合に遊技停止制御を行ってもよいし、総発射球数が規定数に到達した場合に遊技停止制御を行ってもよいし、また、第1,第2実施形態における差玉を遊技店の立場から演算されたものとし、「発射球数から賞球数を減算した値」が規定数に到達した場合に遊技停止制御を行ってもよい。また、「賞球数」は、大入賞口32への入賞に基づく賞球のみを対象としてもよい。
・規定数に到達するまでの差玉数を遊技者に報知することができれば、事前報知演出の演出態様は、図25(a)~(d)に示す例に限られない。例えば、演出表示装置7の上下方向に延びる目盛りと、該目盛りを基準に増減する増減バーを表示し、増減バーの先端が示す目盛りの値によって残り球数を報知するようにしてもよい。また、例えば、可動体15を動作させたり、スピーカ8の音声、枠ランプ2b等の発光によって事前報知演出が行われてもよい。
・図25(e)で例示したような遊技停止報知用の報知演出は、最大差玉数が規定数に到達するという第1条件に加え、例えば、ハンドル4を把持するという第2条件を満たした場合に実行されるようにしてもよい。また、第2条件は、カードユニット76に設けられた玉貸ボタンが操作されることとしてもよい。この場合、遊技停止条件は成立しているため、玉貸ボタンが操作されたとしても遊技球が貸し出されることがなく、仮に、遊技停止状態であることを失念した遊技者が玉貸ボタンを操作したとしても、実際に玉貸が行われる前に遊技停止報知用の報知演出が実行されると、遊技者は、遊技停止中であることに気付くことができるので、玉貸操作をキャンセルすることができ、遊技者が損することはない。
・待機状態や大当たり遊技の終了タイミング等においてのめり込みに関する注意喚起を促す画像を表示させる場合、その画像表示と合わせて、遊技停止中であることを報知する報知演出を実行してもよい。
・事前報知演出は、第2差玉数(現時点の差玉数と現時点までの最小差玉数との差分)が報知基準数に到達する第1条件に加え、例えば、演出ボタン9を操作するという第2条件を満たした場合に実行されるようにしてもよい。また、規定数到達までの残り球数に応じて、演出ボタン9を操作した場合における報知内容を変化させてもよい。
・規定数に到達するまでの残り球数に応じて、エンディング演出の内容を異ならせてもよい。
・大当たり種別やパチンコ遊技機の仕様を変更したり、小当たりを設定することで、「高確低ベース状態」や「小当たりラッシュ状態」のような遊技状態も制御可能としてもよい。
・上記実施形態では、普通可変入賞装置20及び大入賞装置30を右遊技領域3Bに配置したが、右打ちを行わせる構成でなくてもよい。つまり、非時短状態に比して時短状態
中にいずれかの始動口に遊技球を入賞させ易い状態であれば、第1始動口11、普通可変入賞装置20、及び大入賞装置30の配置箇所は実施形態の例に限られない。例えば、第1始動口11の直上に第2始動口22を配置したり、第1始動口11の直下に大入賞装置30を配置してもよい。また、遊技盤2の前後方向にスライド移動可能な板状の可動部材を始動口の直上に可動部材を設けてもよい。非時短状態時には可動部材を前方向に突出させて遊技領域3を流下した遊技球が始動口に入賞し難くなるようにする一方、時短状態時には可動部材を遊技盤2内に収容させ、遊技領域3を流下した遊技球が始動口に入賞し易くなるようにしてもよい。
・上記実施形態は、封入式パチンコ遊技機を前提として説明したが、非封入式パチンコ遊技機においても実施可能である。
・大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・また上記実施形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
・上記実施形態の技術は、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
[本明細書に開示されている発明]
前述した他の実施形態には、以下の発明が開示されている。以下の説明では、各実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。ただし、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
(発明A)
遊技領域(遊技領域3)に遊技球を発射する発射手段(ハンドル4)と、
遊技球が入賞可能な入賞口(第1始動口11、第2始動口22、大入賞口32)と、
前記入賞口に遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す賞球制御手段(枠制御用マイコン73a)と、
賞球数に基づく特定算出数(第2差玉数、最大差玉数)を算出する算出手段(遊技制御用マイコン61)と、
前記特定算出数が規定数に到達することを条件に、遊技を実行することができない特定状態に制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン61)と、
前記特定算出数が、絶対値が前記規定数より小さい報知基準数に到達することを契機として前記遊技制御手段により前記特定状態に制御されることを事前に示唆する事前報知演出を実行する事前報知演出実行手段(演出制御用マイコン101)と、を備え、
前記入賞口は、当否判定で大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技中に遊技球が入賞し易い状態をとる大入賞口(大入賞口32)を含み、
前記事前報知演出実行手段は、
前記大当たり遊技中に、前記特定算出数が前記規定数(95,000)に到達する可能性がある場合、前記当否判定の結果を示す図柄が確定表示されてから大当たり遊技が終了
するまでの間における所定期間(大当たり遊技中)に、前記事前報知演出を実行することを特徴とする遊技機。