<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図4)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用
することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(図4)と、演出ボタンランプ9c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払い出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Lと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Rとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図4では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置40と、表示器類50とを備える。
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技
領域3Rに配置されており、右遊技領域3Rを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Lであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Rのう ちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。つまり、可動部材21の開閉動作によって第2始動口22への遊技球の入賞(入球)頻度が変化する。なお、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、遊技領域3の下方に配置してもよい。第1始動口11が本発明の第1始動口の一例であり、第2始動口22が本発明の第2始動口の一例である。
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
第1大入賞装置30は、右遊技領域3Rであって、固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置40は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えており、第2大入賞装置40は、第2大入賞口42を開閉する第2開閉部材41を備える。第1大入賞口32及び第2大入賞口42は、それぞれ同時に複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。本実施形態では、第1開閉部材31及び第2開閉部材41は、それぞれ左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。以下、第1大入賞口32及び第2大入賞口42に共通の事項を説明する場合は、単に大入賞口という。
図2に示すように、第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(V入賞領域ともいう)43及び非特定領域44が形成されている。また、第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球を特定領域43又は非特定領域44に振り分ける振分部材45と、この振分部材45を駆動する振分部材ソレノイド42d(図3)とが設けられている。
特定領域43は、例えば、第2大入賞口42の底部に設けられ、上方に向けて開口して設けられている。非特定領域44は、例えば、第2大入賞口42の左側壁において、右方に向けて開口するように設けられている。振分部材45は、図2(a)に示すように、特定領域43を開放することにより遊技球が特定領域43に入賞し易い開放状態とする開位置と、図2(b)に示すように、特定領域43を覆うことにより遊技球が特定領域43に入賞困難な閉鎖状態とする閉位置との間を、振分部材ソレノイド42dの作動によって移動する。振分部材45が開位置に位置する場合(図2(a)の位置)、遊技球は特定領域43に入賞し易い。一方、振分部材45が閉位置に位置する場合(図2(b)の位置)、
振分部材45によって特定領域43への入賞が規制され、遊技球は非特定領域44に入賞し易い。第2大入賞装置40が本発明の特別入賞装置の一例である。
図1の説明に戻り、表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側下方であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。第1特図及び第2特図が本発明の識別図柄の一例である。また、第1特別図柄表示器51が本発明の図柄表示手段の一例である。同様に、第2特別図柄表示器52が本発明の図柄表示手段の一例である。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器
52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。なお、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。また、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。また、「大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する」こと、及び「大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する」ことが、本発明の「当たり判定の結果を示す態様で識別図柄の停止表示を行う」ことに相当する。
また、詳細は後述するが、本実施形態において小当たりに当選した場合、第2大入賞装置40が作動して第2開閉部材41が開閉し、第2大入賞口42が開閉するようになっている。
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄の組み合わせを大当たり演出図柄の組み合わせといい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄の組み合わせをハズレ演出図柄の組み合わせという。大当たり演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状
態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。第1特図又は第2特図の確定表示と同期して確定表示される演出図柄も、本発明の識別図柄の一例である。また、第1特図又は第2特図の確定表示と同期して演出図柄が確定表示される演出表示装置7は、本発明の図柄表示手段の一例である。また、「特別図柄の確定表示と同時に演出図柄を確定表示して大当たり判定結果を表示する」ことも、本発明の「当たり判定の結果を示す態様で識別図柄の停止表示を行う」ことに相当する。
演出図柄変動パターンの変動表示は、特図変動パターンの変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。なお、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数、及び第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、保留画像によって演出表示装置7に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7に表示される保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数や第2特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留数や第2特図保留数に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。なお、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知してもよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
[盤面構成と遊技状態の説明]
図1にて説明したように、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3L又は右遊技領域3Rに遊技球を打ち分けることができる。そして、左遊技領域3Lには第1始動口11が配置され、右遊技領域3Rには、ゲート12、第2始動口22、第1大入賞口32、及び第2大入賞口42が配置されている。このため、第1始動口11を狙って遊技球を発射した場合、遊技球は第1始動口11に入賞し得るが、第2始動口22には入賞し得ない。同様に、第2始動口22を狙って遊技球を発射した場合、遊技球は第2始動口22に入賞し得るが、第1始動口11には入賞し得ない。以下、左遊技領域3Lを狙って遊技球を発射させることを「左打ち」といい、右遊技領域3Rを狙って遊技球を発射させることを「右打ち」という。本実施形態においては、右打ちが有効とされる期間中、演出表示装置7の右上において、右矢印を模した画像MGが表示され、遊技者に対して右打ちが指示されるようになっている(例えば図1参照)。なお、ここに示す右打ち指示方法は一例であり、例えば、「右打ち」という文字を表示してもよいし、複数個のLEDランプを矢印形状に配置し、当該LEDランプを点滅又は点灯するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1の遊技状態として、非時短状態と、時短状態とが設定されている。詳細は後述するが、非時短状態中は、第2始動口22が開放し難い状態とされている。このため、左打ちを行って第1始動口11を狙った方がスムーズに遊技が進行し易い。また、時短状態中は、第2始動口22が開放し易い状態とされている。このため、右打ちを行って第2始動口22を狙った方がスムーズに遊技が進行し易い。
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、図3及び図4に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図3)と、払出制御基板73(図3)と、サブ
制御基板100(図4)と、画像制御基板200(図4)と、音声制御基板78(図4)と、ランプ制御基板79(図4)とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル(この例では図5参照)、大当たり種別判定テーブル(この例では図6参照)、小当たり種別判定テーブル(この例では図7~図9参照)、リーチ判定テーブル(この例では図10参照)、特図変動パターン選択テーブル(この例では図11参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部
64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ42aと、特定領域センサ42bと、非特定領域センサ42cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド40aと、振分部材ソレノイド42dと、が電気的に接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ42aは、第2大入賞口42の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口42に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ42bは、第2大入賞口42の内部の特定領域43内に設けられており、遊技球が特定領域43を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ42cは、第2大入賞口42の内部の非特定領域44に設けられており、遊技球が非特定領域44を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ42bは、本発明における検知手段の一例である。
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド40aは、第2大入賞装置40の第2開閉部材41を開閉駆動する。振分部材ソレノイド42dは、第2大入賞装置40の内部に設けられた振分部材45を駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払い出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払い出し可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、
最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払い出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払い出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、払出制御基板73及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンド等を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。変動演出パターンとは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7で行われる演出内容を特定するパターンである。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データ
が記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。パチンコ遊技機1では、大当たりに当選した場合には第1大入賞口32が開放され、小当たりに当選した場合には第2大入賞口42が開放される。より詳細に説明すると、大当たり判定で大当たりに当選した場合は「1種大当たり」となり、「大当たり」を示す図柄が確定表示された後、大入賞口(実施形態では第1大入賞口32)を開閉させるラウンド遊技を規定ラウンド数(実施形態では7ラウンド)だけ実行する大当たり遊技が実行される。大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間を「ラウンド」といい、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。ちなみに、大当たり遊技を構成する各ラウンド遊技は、ラウンド遊技の終了条件の成立により終了する。ラウンド遊技の終了条件とは、大入賞口に入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立することである。一方、大当たり判定で小当たりに当選すると、「小当たり」を示す図柄が確定表示された後、大当たり遊技を構成するラウンド遊技における大入賞口の開放時間よりも短い時間だけ大入賞口(実施形態では第2大入賞口42)が開放される。小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放時間は、少なくとも1球の遊技球
が入賞可能な時間(実施形態では1.2秒)とされている。また、小当たり当選に基づく開放中も、規定個数の遊技球が第2大入賞口42に入賞すると第2大入賞口42が閉鎖されるようになっているが、その入賞上限個数は、大当たり遊技における入賞上限個数よりも少ない。ただし、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過した場合には「2種大当たり」となり、1種大当たりと同様、大入賞口(実施形態では第2大入賞口42)を開閉させるラウンド遊技を規定ラウンド数(実施形態では7ラウンド)だけ実行する大当たり遊技が実行される。なお、本実施形態において、2種大当たりにおけるラウンド遊技時間は、1種大当たりにおけるラウンド遊技時間と同じく、複数の遊技球が入賞可能な時間(実施形態では30秒)とされている。また、以下の説明においては、1種大当たりと区別するために、特定領域43の通過により生起された大当たりを「V当たり」と、「V当たり」に基づく大当たり遊技を「V当たり遊技」とそれぞれ示す場合がある。
また、パチンコ遊技機1では、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は基本的に固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
パチンコ遊技機1の普通図柄表示器53には、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。一方、特別図柄表示器には、確率変動機能は無く、変動時間短縮機能のみ備わっている。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。これにより、時短状態における単位時間あたりの特図変動の実行回数(変動表示回数ともいう)は、非時短状態における単位時間あたりの特図変動の実行回数よりも多くなる。
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動可能とされている。普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53が確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに、時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。例えば非時短状態での普通可変入賞装置20の開放時間は0.5秒、時短状態での普通可変入賞装置20の開放時間は3秒とする。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くな
るため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技が終了した後の遊技状態は、電サポ制御が行われるとともに時短状態である。本実施形態における時短状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、所定回数以内に大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)してその大当たり遊技が実行されるか、あるいは、特定の小当たり種別に所定回数当選することにより終了する。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、電サポ制御は行わないとともに非時短状態である。また、時短状態は、非時短状態に比して特別図柄の変動時間が短くなっていることに加え、電サポ制御が行われるため、第2始動口22に入賞しやすく、かつ単位時間あたりの特図変動の実行回数が多い遊技状態となる。非時短状態が、本発明の通常遊技状態の一例である。時短状態が、本発明の特定遊技状態の一例である。
[大当たり判定テーブル]
図5に示す大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルは、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値(大当たり判定値)は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
大当たり判定テーブルT1には、第1特図の抽選用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は「ハズレ」と判定する。
また、大当たり判定テーブルT1には、第2特図の抽選用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。また、第2特図の抽選でハズレと判定される場合であって、特に取得した大当たり乱数が365~6364の範囲内の値であった場合は、小当たりと判定される。すなわち、第1特図の抽選と第2特図の抽選とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、大当たりではないと判定された場合、第2特図の抽選では小当たりと判定されることがあり、その当選確率は大当たりに比べて非常に高い。また、本実施形態では、第1特図の抽選で小当たりと判定されることがないため、第2特図の抽選では、第1特図の抽選に比して小当たりと判定される確率が非常に高い。
ちなみに、第1特図の抽選でも小当たりを設定してもよいが、その確率は第2特図の抽選における小当たり確率よりも低くすることが望ましい。さらに、第1特図の抽選で小当
たりを設定する場合、特定領域43(V入賞領域)への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで、第2大入賞装置40や振分部材45を作動させることが望ましい。また、大当たり乱数とは別に小当たり乱数を設け、大当たりに当選しなかった場合に小当たり判定を行うようにしてもよい。また、取得した大当たり乱数が「大当たり」とは判定されないが「小当たり」と判定される範囲内の値であった場合には、「ハズレ」と判定されることなく、「小当たり」と判定されてもよい。また、第2特図の抽選において、小当たりの当選確率を1/1や1/2等、遊技性に応じて適宜変更してもよい。また、第1特図の抽選と第2特図の抽選で小当たりの当選確率を同一確率としてもよいが、第1特図の抽選で小当たりに当選した場合には、特定領域43への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで第2大入賞装置40や振分部材45を作動させることが望ましい。
[大当たり種別判定テーブル]
図6(a),(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2,T3は、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルT2,T3は、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数を発生する。
パチンコ遊技機1では、大当たり図柄として「大当たり図柄A」及び「大当たり図柄B」が設定されている。「大当たり図柄A」で特定される大当たり種別は、「7R(ラウンド)大当たり(時短7回)」である。「大当たり図柄B」で特定される大当たり種別は、「7R大当たり(時短20回)」である。また、大当たり種別「7R大当たり(時短7回)」には、時短状態の上限回数として「7回」が対応付けられている。大当たり種別「7R大当たり(時短20回)」には、時短状態の上限回数として「20回」が対応付けられている。時短状態の上限回数は、時短状態で実行する図柄変動の上限回数であって、大当たり遊技終了後に時短状態が維持される上限を示す。なお、大当たり図柄A又は大当たり図柄Bに基づく大当たり遊技では、前述したラウンド遊技の終了条件の成立により、各ラウンド遊技が終了する。詳しくは、第1大入賞口32に入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立することである。また、本実施形態では、大当たり(V入賞に基づく大当たりを含む)に当選してから再び通常遊技状態(大当たり遊技中を除く)に戻るまでの期間中、時短状態に制御されることとなるが、その遊技期間を「ラッシュ期間」と示す場合がある。より詳細には、上限回数「7回」とする時短状態に制御されている期間を「第1ラッシュ期間」と示し、上限回数「20回」とする時短状態に制御されている期間を「第2ラッシュ期間」と示す場合がある。
(大当たり種別判定テーブルT2)
図6(a)に示す大当たり種別判定テーブルT2は、遊技状態にかかわらず、第1特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
第1特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄A」に当選したと判定される。
(大当たり種別判定テーブルT3)
図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT3は、遊技状態にかかわらず、第2特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
第2特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄B」に当選したと判定される。
このように、大当たり抽選で大当たりに当選した場合、第1特図の抽選よりも第2特図の抽選において大当たりに当選した場合の方が、大当たり遊技終了後に生起される時短状態の上限回数が多い大当たり種別に当選し易い。時短状態の上限回数が多いということは、手持ちの遊技球を過剰に減らすことなく大当たり抽選を受けることができるため、遊技者にとって有利である。
[小当たり種別判定テーブル]
図7~図9に示す小当たり種別判定テーブルT4~T7は、小当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が小当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT4~T7は、小当たり種別(小当たり図柄種別)毎に所定個数の小当たり種別乱数値(小当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する小当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数が発生する。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の小当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の小当たり種別乱数を発生する。本実施形態では、小当たり図柄として「小当たり図柄a」及び「小当たり図柄b」が設定されている。
「小当たり図柄a」で特定される小当たり種別では、特定領域43を遊技球が通過可能とされており、V当たり遊技終了後に時短状態を生起させるものである。なお、詳細は後述するが、V当たり遊技終了後に生起される時短状態の上限回数は、小当たり抽選で小当たりに当選したときの遊技状態及び特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に応じて異なる。
「小当たり図柄b」で特定される小当たり種別では、特定領域43を遊技球が通過不能とされており、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放終了後にV当たり遊技を実行させないものである。なお、詳細は後述するが、小当たりに当選したときのラッシュ期間の違い(第1ラッシュ期間又は第2ラッシュ期間)により、時短状態を維持するか否かが決定されるようになっている。
なお、小当たり図柄a又は小当たり図柄bに当選した場合、第2大入賞口42が開放されるが、その開放時間は大当たり遊技における第1大入賞口32の開放時間(30秒)よりも短い(1.2秒)。ただし、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過した場合には、1種大当たりと同じ態様で第2大入賞口42を開放する大当たり遊技(V当たり遊技)が行われる。また、図7~図9に示す「開放時間」は、いずれも最大開放時間を示す。
(小当たり種別判定テーブルT4)
図7に示す小当たり種別判定テーブルT4は、非時短状態における第2特図の抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。前述したように、非時短状態中は第
2始動口22が開放し難いため、左打ちを行って第1始動口11を狙った方がスムーズに遊技が進行し易いが、特別条件が成立した場合のみ、非時短状態において第2特図の抽選が実行されることがある。前述の特別条件は、時短状態中に第2始動口22に遊技球が入賞したが、第2特図保留が残存している状態で時短状態が終了したときに成立する。また、パチンコ遊技機1では、第2特図保留の消化が第1特図保留の消化に優先して実行されるため、時短状態終了後の非時短状態においては、第1特図保留の消化に先立って、時短終了時に残っていた第2特図保留(第2特図の残保留)の消化が行われ、その後、再び第1特図の抽選を主とした遊技に戻る。
図7の説明に戻り、非時短状態においては、取得した小当たり種別乱数の値にかかわらず、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。非時短状態において「小当たり図柄a」に当選した場合、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。つまり、非時短状態で実行される第2特図の残保留に基づく大当たり抽選で小当たりに当選した場合、V当たり遊技が実行された後、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される。
図8(a)に示す小当たり種別判定テーブルT5、図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6、図9に示す小当たり種別判定テーブルT7は、それぞれ時短状態における第2特図の抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。本実施形態では、小当たり当選時に設定されていたラッシュ期間の違いに応じて、異なる小当たり種別判定テーブルを設定している。小当たり種別判定テーブルT5,T6は、第1ラッシュ期間(上限回数7回)中に参照されるテーブルであり、小当たり種別判定テーブルT7は、第2ラッシュ期間(上限回数20回)中に参照されるテーブルである。さらに、小当たり種別判定テーブルT5,T6は、第1ラッシュ期間における変動回数の違いに応じて対応付けられており、小当たり種別判定テーブルT5は、第1ラッシュ期間中における1回~6回目までの変動で参照されるテーブルであり、小当たり種別判定テーブルT6は、第2ラッシュ期間における7回目(最終変動)の変動で参照されるテーブルである。
(小当たり種別判定テーブルT5)
図8(a)に示すように、小当たり種別判定テーブルT5において、取得した小当たり種別乱数が0~98の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数の値が99であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。つまり、第1ラッシュ期間(最終変動を除く)においては、「小当たり図柄b」よりも「小当たり図柄a」に当選する確率が高い。そし、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄a」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。つまり、最終変動を除く第1ラッシュ期間中の大当たり抽選で小当たりに当選した場合、V当たり遊技が実行された後、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される。
一方、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過することがないよう、振分部材45を作動させることが対応付けられている。つまり、V当たり遊技が実行されること、及びV当たり遊技終了後に新たに時短状態に制御されることがない。ただし、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選したとしても、第1特定条件が成立するまでは時短状態が維持されるようになっている。第1特定条件は、上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間における「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数(
この例では7回)に到達することである。「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数に到達すると、時短状態が終了し、非時短状態に制御されるようになっている。前述したように、第2特図の抽選では、第1特図の抽選に比して小当たり抽選に当選し易い(この例では1/10)。また、第1ラッシュ期間の上限回数「7回」は、この小当たり当選確率(1/10)の分母に近しい値である。これにより、7回の時短状態中、1回は小当たりに当選する可能性がないとは言い切れない。ただし、小当たり抽選に当選したとしても、前述したように、「小当たり図柄b」に当選する確率(この例では1/100)よりも「小当たり図柄a」に当選する確率(この例では99/100)が高い。このため、第1特定条件の成立により第1ラッシュ期間が終了する確率は低く、小当たり抽選の当選により「小当たり図柄a」に当選し、大当たり遊技後、時短状態に制御される可能性が高い。
(小当たり種別判定テーブルT6)
図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6において、第1ラッシュ期間の最終変動では、取得した小当たり種別乱数の値にかかわらず、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。そして、第1ラッシュ期間の最終変動で「小当たりa」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「20回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。つまり、第1ラッシュ期間の最終変動で小当たりに当選した場合、V当たり遊技が実行された後、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される。
なお、図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6における小当たり種別の選択肢として、「小当たり図柄a」に加え「小当たり図柄b」も設定してもよい。ただし、この実施形態においては、第1ラッシュ期間の滞在可能期間を「7回」としているため、「小当たり図柄b」の当選回数が、第1特定条件を成立させる回数(この例では7回)に到達しなくても、第1ラッシュ期間中の変動回数が7回に到達すると、第1ラッシュ期間(時短状態)が終了することになる。このような理由により、本実施形態では、第1ラッシュ期間の最終変動で選択され得る小当たり種別として「小当たり図柄b」を設定していない。
(小当たり種別判定テーブルT7)
図9に示す小当たり種別判定テーブルT7では、第2ラッシュ期間中、取得した小当たり種別乱数が0~98の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数の値が99であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。つまり、第2ラッシュ期間においては、「小当たり図柄b」よりも「小当たり図柄a」に当選する確率が高い。そして、第2ラッシュ期間において「小当たりa」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「20回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。つまり、第2ラッシュ期間中の大当たり抽選で小当たりに当選した場合、V当たり遊技が実行された後、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される。
一方、第2ラッシュ期間において「小当たりb」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過することがないよう、振分部材45を作動させることが対応付けられている。つまり、V当たり遊技が実行されること、及びV当たり遊技終了後に新たに時短状態に制御されることがない。ただし、第2ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選したとしても、第2特定条件が成立するまでは時短状態が維持されるようになっている。第2特定条件は、上限回数を「20回」とする第2ラッシュ期間における「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数(この例では1回)に到達すること
である。「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数に到達すると、第2ラッシュ期間における変動回数が、第2ラッシュ期間の滞在可能期間「20回」に到達していなくても時短状態が終了し、非時短状態に制御されるようになっている。
なお、小当たり種別判定テーブルT6,T7において、「小当たり図柄b」の当選確率を遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
[リーチ判定テーブル]
図10に示すリーチ判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄7Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルT8は、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値(リーチ判定値)は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、図10のテーブルは、基
本的に第1特図に対応するリーチ判定テーブルを示す。第2特図に対応するリーチ判定テーブルは、第1特図のテーブルと同一内容にしてもよいし、異なるテーブルとしてもよい。
[特図変動パターン選択テーブル]
図11に示す特図変動パターン選択テーブルT9は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT9は、遊技状態と、判定(大当たり判定、小当たり判定及びリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数値と、特図変動パターンと、変動時間と、を対応付けて構成されている。なお、大当たり種別について対応付けてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT9に示す変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7で行われる演出内容を特定する変動演出パターンを指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
非時短状態における大当たり判定で大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、リーチ状態から発展したSP(スーパー)リーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
小当たり判定で小当たりと判定された場合、特図変動パターンP3が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70,000msである。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、小当たり当選時の専用演出を表示させる内容が対応付けられている。
大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく特図変動パターンP4が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。特図変動パターンP4の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP5の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP5に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP6の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP7の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP6,P7に対応する変動演出パターンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における大当たり判定で大当たりと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値及び特図保留数に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP8の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP8に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。
小当たり判定で小当たりと判定された場合、特図変動パターンP9が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP9に対応する変動演出パターンには、小当たり当選時の専用演出を表示させる内容が対応付けられている。
大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値及び特図保留数に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP10の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP10に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。
大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP11が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP12が選択される。特図変動パターンP11の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP12の変動時間は2,500msである。特図変動パターンP11,P12に対応する変動演出パターンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
なお、この特図変動パターン選択テーブルは、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。また、時短状態の上限回数の違いに合わせて異なる遊技演出が実行可能となるよう、大当たり遊技終了後に制御される時短状態の上限回数の違いに合わせてテーブルを設定してもよい。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図12に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メ
イン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図13に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、ゲートセンサ12a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ42a、特定領域センサ42b、非特定領域センサ42c等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図12のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、その他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(センサ検出処理)
次に、図14に従って、センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S31の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口22に入賞したことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞していない場合(S32:No)、S38に進むが、遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合(S32:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合(S33:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特別図柄の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11に入賞したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口11に入賞したことは第1始動口センサ11aによって検出される。遊技球が第1始動口11に入賞していない場合(S38:No)、センサ検出処理を終了するが、第1始動口11に入賞したと判定した場合(S38:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:Yes)、センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特別図柄の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
(普通動作処理)
次に、図15に従って、普通動作処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、補助遊技中であるか否かを判定する(S50)。補助遊技中であるか否かは、電チューソレノイド20aが作動中であるか(通電状態であるか)否かを判定することによって判定可能である。補助遊技中である場合(S50:Yes)、遊技制御用マイコン61は、補助遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S58)。補助遊技の終了条件とは、第2始動口22に入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10個)に達するか、所定の開放時間(後述する開放パターンに定められた時間)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立することである。終了条件が成立していない場合(S58:No)、遊技制御用マイコン61は、終了条件が成立するまで可動部材21を開動作させるべく、本処理を終了する。一方、終了条件が成立している場合(S58:Yes)、遊技制御用マイコン61は、可動部材21を閉動作させ(S59:Yes)、本処理を終了する。
一方、補助遊技中ではない場合(S50:No)、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の変動中であるか否かを判定する(S51)。変動中である場合(S51:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S55に移行する。一方、変動中ではない場合(S51:No)、遊技制御用マイコン61は、普図保留数が「0」であるか否かを判定する(S52)。「0」である場合(S52:Yes)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。一方、「0」ではない場合(S52:No)、遊技制御用マイコン61は、普図当たり判定を実行する(S53)。
ROM63bには、大当たり判定テーブルT1と同じように、遊技状態毎に普図当たりと判定される普図当たり乱数の値を異ならせた普図当たり判定テーブル(図示せず)が記憶されている。普図当たり判定テーブルでは、時短状態中は、非時短状態中に比して、普図当たりと判定される確率が高くなるよう普図当たり乱数の値が対応付けられている。そして、遊技制御用マイコン61は、普図保留記憶部64cの第1記憶領域に記憶されている普図当たり乱数の値を読み出し、その乱数値が普図当たり判定テーブルのうち普図当たりに対応する乱数値の範囲に含まれるか否かを判定して普図当たり判定を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動パターンを選択する。
普図変動パターンを選択するにあたり、遊技制御用マイコン61は、時短フラグを確認する。時短フラグは、時短状態に制御されるときにONにされる一方、時短状態が終了するときにOFFにされる。時短フラグがONである場合、遊技制御用マイコン61は、普図当たり判定の結果にかかわらず、時短状態用の変動時間(例えば1秒)を定めた普図変動パターンを選択する。時短フラグがOFFである場合、遊技制御用マイコン61は、普図当たり判定の結果にかかわらず、非時短状態用の変動時間(例えば10秒)を定めた普図変動パターンを選択する。なお、普図保留数や普図当たり判定の結果に応じて異なる変動時間を定めた普図変動パターンが選択されてもよい。
その後、遊技制御用マイコン61は、普図保留数から「1」を減算し(S54)、普図保留記憶部64cの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。続いて、遊技制御用マイコン61は、普図当たり判定及び普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図用の変動開始コマンドを出力し、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の変動表示を普通図柄表示器53に開始させる。
続いて、遊技制御用マイコン61は、決定した普図変動パターンに定められた普図変動時間が経過したか否かを判定する(S55)。変動時間が経過していない場合(S55:No)、遊技制御用マイコン61は、普図の変動表示を継続すべく、本処理を終了する。一方、変動時間が経過している場合(S55:Yes)、普通図柄の変動が終了したことになる。続いて、遊技制御用マイコン61は、補助遊技を開始させるか否かを判定するために、S53の判定結果が普図当たりであったか否かを判定する(S56)。S53の判定結果が普図当たりではない場合(S56:No)、補助遊技を開始する必要がないため、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。一方、S53の判定結果が普図当たりであった場合(S56:Yes)、遊技制御用マイコン61は、可動部材21の開放パターンをセットし、可動部材21の開閉制御を行う(S57)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、非時短状態のときは「0.5秒を1回」とする開放パターンをRAM64にセットする。また、遊技制御用マイコン61は、時短状態のときは「3秒を1回」とする開放パターンをRAM64にセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、セットした開放パターンに従うように電チューソレノイド20aを作動させ、可動部材21の開放制御を行う。
(特別図柄待機処理)
次に、図16に従って、特別図柄待機処理(S17)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する(S60)。「0」ではないと判定した場合(S60:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(S61)及び第2特図変動パターン選択処理(S62)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S63)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S64)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S65)。この第2特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。S65の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S60:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S66)。「0」ではないと判定した場合(S66:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(S67)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S69)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S70)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S71)。この第1特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセッ
トし、第1特別図柄表示器51において第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。S71の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S66:Yes)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S72)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S72:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S72:No)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S73)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S60:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、図17に従って、第2特図大当たり判定処理(S61)及び第1特図大当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図大当たり判定処理と第1特図大当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、大当たり判定テーブル(この例では大当たり判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの大当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
大当たりと判定した場合(S82:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S83)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2,T3)を参照し、大当たりの種別を判定する(S84)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短状態の上限回数についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S84で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S85)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりと判定した場合(S85:Yes)、遊技制御用マイコ
ン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S86)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブル(この例では小当たり種別判定テーブルT4~T7)を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域43の通過による大当たり遊技の有無、時短状態の継続、時短状態の終了等についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、小当たりと判定しなかった場合(S85:No)、すなわちハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
第1特図大当たり判定処理におけるS82の処理が本発明の第1特別図柄の当たり判定の一例である。第2特図大当たり判定処理におけるS82及びS85の処理が本発明の第2特別図柄の当たり判定の一例である。第1特図大当たり判定処理においてS82の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり判定手段の一例である。同様に、第2特図大当たり判定処理においてS82及びS85の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり判定手段の一例である。また、第2特図大当たり判定処理においてS87の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり種別決定手段の一例である。また、小当たり種別を決定する際に参照される小当たり種別判定テーブルも、本発明の当たり種別決定手段の一例ということができる。
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、図18及び図19に従って、第2特図変動パターン選択処理(S62)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と第1特図変動パターン選択処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S90)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S91に移行する。時短フラグがOFFではないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、S99に移行する。
S91,S99に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグがONであると判定した場合(S91,S99:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92,S100)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP1を選択する(S92)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP8を選択する(S100)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
また、大当たりフラグがONではないと判定した場合(S91,S99:No)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S93,S10
1)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりフラグがONであると判定した場合(S93,S101:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S94,S102)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、非時短状態であれば特図変動パターンP3を選択し(S94)、時短状態であれば特図変動パターンP9を選択する(S102)。その後、遊技制御用マイコン61は、S98に移行する。
一方、小当たりフラグがOFFであると判定した場合(S93,S101:No)、遊技制御用マイコン61は、ハズレと判定したことになる。この場合、遊技制御用マイコン61は、S95,S103に移行する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S95,S103)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT8のうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S95:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT8のうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S103:Yes)。
その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S96,S104)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP5を選択する(S96)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP10を選択する(S104)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
一方、取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S95,S103:No)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S97,S105)。例えば、非時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図保留数が0~2の場合は特図変動パターンP6を選択し、特図保留数が3~4の場合は特図変動パターンP7を選択する(S97)。特図変動パターンP7の変動時間は特図変動パターンP6よりも短くなっており、特図保留数が3~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。また、時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図保留数が0~1の場合は特図変動パターンP11を選択し、特図保留数が2~4の場合は特図変動パターンP12を選択する(S105)。特図変動パターンP12の変動時間は特図変動パターンP11よりも短くなっており、特図保留数が2~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
S92,S94,S96,S97,S100,S102,S104,S105の終了後、S98に移行した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし、特図変動パターン選択処理を終了する。S98で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS65,S71でセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板1
00へ出力される。
(特別図柄変動処理)
次に、図20に従って、特別図柄変動処理(S18)について説明する。なお、第2特図の特別図柄変動処理と第1特図の特別図柄変動処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(S98でセットした特図変動パターンに応じた時間)が終了したか否かを判定する(S110)。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S110:No)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄変動処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための特図用の変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、S88でセットした特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S112)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114)、ONであると判定した場合(S114:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S115)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S116)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S117)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニングが終了すると、特別電動役物処理(大当たり)を実行する(S118)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(大当たり)において、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで第1大入賞口32又は第2大入賞口42を開閉させる。そして、ラウンド遊技中、第1大入賞口32又は第2大入賞口42が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は、第1開閉部材31又は第2開閉部材41の閉動作により第1大入賞口32又は第2大入賞口42を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、第1大入賞口32又は第2大入賞口42の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングを実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。大当たりエンディングの終了により大当たり遊技が終了すると、その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFと
する。S116~S118の処理を実行する遊技制御用マイコン61は、本発明の大当たり遊技実行手段の一例である。
特別電動役物処理(大当たり)(S118)の終了後、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態設定処理(S119)を実行する。その後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄変動処理を終了する。
また、大当たりフラグがOFFであると判定した場合(S114:No)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S120)。小当たりフラグがONではないと判定した場合(S120:No)、遊技制御用マイコン61は、S119に移行する。一方、小当たりフラグがONであると判定した場合(S120:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて第2大入賞口42を開放させるために、特別電動役物処理(小当たり)を実行する(S121)。なお、遊技制御用マイコン61は、小当たりの場合、遊技状態リセット処理(S115)を実行することなく、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放を行うことになる。
(特別電動役物処理(小当たり))
次に、図21に従って、特別電動役物処理(小当たり)(S121)について説明する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり)は、第2特図で実行されるため、第2特図を前提として説明する。
遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定を行い(S122)、小当たりオープニングを実行させるための小当たりオープニングコマンドをセットする(S123)。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、当選した小当たりに応じた第2大入賞口42の開放パターンをセットし(S124)、第2開閉部材41の開閉制御を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、当選した小当たりの種別に従って、振分部材作動フラグを設定する(S125)。振分部材作動フラグは、振分部材45を作動させる期間であることを示すフラグである。具体的に説明すると、本実施形態において遊技制御用マイコン61は、小当たり図柄aを決定した場合に振分部材作動フラグをONにし、小当たり図柄b決定した場合に振分部材作動フラグをOFFにする。
遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグがONになっている期間中、振分部材ソレノイド42dを通電状態とし、特定領域43が開状態となるよう振分部材45を制御する。なお、振分部材作動フラグがONになっている期間中、常に特定領域43が開状態となるように振分部材45を制御する必要はなく、振分部材ソレノイド42dがOFFにされる時間帯があってもよい。
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域43を通過したか否かを判定する(S126)。特定領域43を遊技球が通過したことは、特定領域センサ42bによって検出される。遊技球が特定領域43を通過したと判定した場合(S126:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S127)。これにより、パチンコ遊技機1では、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過した場合も、大当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように大当たり遊技を開始させるための制御が実行可能となる(図20のS114)。ただし、大当たり判定で大当たりと判定されたことによって実行される大当たり遊技は、第1大入賞装置30で実行される一方
、特定領域43の通過によって実行される大当たり遊技は、第2大入賞装置40で実行される。
S127の終了後、遊技制御用マイコン61は、S128に移行する。一方、遊技球が特定領域43を通過していないと判定した場合(S126:No)、遊技制御用マイコン61は、S127の処理を実行することなく、S128に移行する。つまり、遊技球が特定領域43を通過していないため、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放後に大当たり遊技が開始されることはない。
S128に移行した遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく第2大入賞口42の閉鎖条件は、第2大入賞口42が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは当選した小当たりに応じた開放パターンに定められた開放時間が経過することである。第2大入賞口42の閉鎖条件が成立していないと判定した場合(S128:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。一方、第2大入賞口42の閉鎖条件が成立したと判定した場合(S128:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S129)、本処理を終了する。
(遊技状態管理処理)
次に、図22に従って、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S130)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S130:No)、遊技制御用マイコン61は、S134に移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S130:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値を1減算する(S131)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S132)。1減算後の時短カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S132:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをOFFにし(S133)、S134に移行する。一方、1減算後の時短カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S132:No)、遊技制御用マイコン61は、S133の処理を実行することなくS134に移行する。
S134において遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、その後、遊技状態管理処理を終了する。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。時短カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、時短カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短状態が終了し、非通常状態に移行する。
遊技状態管理処理において、S131の処理によって時短カウンタの値を1減算し、時短状態の残り回数を計数する遊技制御用マイコン61は、本発明の計数手段の一例である。また、RAM64に設定された時短カウンタも、本発明の計数手段の一例である。
(遊技状態設定処理)
次に、図23及び図24に従って、遊技状態設定処理(S119)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、当たり種別が「大当たり」であるか否かを判定する(S140)。S140の判定では、大当たり判定で大当たりと判定されたことにより決定された「大当たり」の他、「小当たり図柄a」当選に基づく第2大入賞口42の開放中に特定領域43を遊技球が通過したことにより決定された大当たりを含む。
当たりの種別が「大当たり」であった場合(S140:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをONにするとともに(S141)、時短状態の上限回数となる数値を時短カウンタにセットする(S142)。詳しくは、大当たり判定で大当たりと判定された「大当たり」である場合、遊技制御用マイコン61は、当選した大当たり種別に従い、「7」又は「20」を時短カウンタにセットする(図6(a),(b)参照)。
一方、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放中に特定領域43を遊技球が通過したことにより決定された「大当たり」である場合、遊技制御用マイコン61は、小当たりに当選したときの遊技状態と、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に従って、時短状態の上限回数となる数値を時短カウンタにセットする(図7~図9)。
詳しくは、図24に示すように、小当たり当選時の遊技状態が非時短状態であった場合、特定領域43を遊技球が通過するときの遊技状態も非時短状態となる。この場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「7」をセットする。
一方、小当たり当選時の遊技状態が第1ラッシュ期間中の時短状態である場合、最終変動を除く第1ラッシュ期間中であれば、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態は「時短状態」となる。なぜならば、遊技制御用マイコン61は、特別図柄停止処理(図20のS112)を実行した後に遊技状態管理処理(S113)を実行し、遊技状態管理処理では、1減算後の時短カウンタの値が0でなければ、時短フラグをON状態のまま維持するようになっている(S132:No)。また、小当たりフラグがONである場合、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをリセットしない。このため、図柄変動後に第2大入賞口42が開放されて特定領域43を遊技球が通過するタイミングでは、時短状態が継続することになるからである。そして、小当たり当選時の遊技状態が第1ラッシュ期間中の時短状態であって、かつ特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態が時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「7」をセットする。
また、小当たり当選時の遊技状態が第1ラッシュ期間中の最終変動である場合、小当たり当選時の遊技状態は時短状態となるが、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態は「非時短状態」となる。なぜならば、遊技制御用マイコン61は、特別図柄停止処理(図20のS112)を実行した後に遊技状態管理処理(S113)を実行するようになっている。そして、小当たり当選時の遊技状態は「時短状態」であるが、それが第1ラッシュ期間中の最終変動であれば、1減算後の時短カウンタの値が0(S132:No)となり、時短フラグがOFFにセットされる(S133)。これにより、図柄変動後に開始される小当たり遊技中、すなわち特定領域43を遊技球が通過するタイミングでは、時短状態が終了しており、非時短状態となっているからである。そして、小当たり当選時の遊技状態が時短状態であるが、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)した時の遊技状態が「非時短状態」である場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「20」をセットする。
このように、遊技制御用マイコン61は、第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が時短状態であった場合、特定領域43を遊技球が通過したときの遊技状態(時短状態が継続しているか、非時短状態となっているか)に従って、時短回数の上限回数を決定し得るようになっている。また、小当たり当選時の遊技状態が第1ラッシュ期間中の最終変動である場合(特定領域43通過時の遊技状態が非時短状態)には、小当たり当選時の遊技状態が第1ラッシュ期間中の最終変動ではない場合(特定領域43通過時の遊技状態が時短状態)に比して、時短状態の上限回数として多い回数(この例では20回)を決定し易い。
また、小当たり当選時の遊技状態が、最終変動を除く第2ラッシュ期間中の時短状態(特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態が時短状態)である場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「20」をセットする。同様に、小当たり当選時の遊技状態が、最終変動である第2ラッシュ期間中の時短状態(特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態が非時短状態)である場合も、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「20」をセットする。つまり、小当たり当選時の遊技状態が第2ラッシュ期間中であれば、最終変動であるか否かを問わず、時短状態の上限回数として多い回数(この例では20回)を決定し易い。
図23の説明に戻り、S142において時短カウンタに値をセットした遊技制御用マイコン61は、その後、遊技状態指定コマンドをセットし(S143)、遊技状態設定処理を終了する。これにより、大当たり遊技(V当たり遊技を含む)終了後の遊技状態は「時短状態」となる。この遊技状態は、特図の変動回数が予め定めた上限回数に到達すること(回数終了条件)、又は次の大当たり遊技が実行されること(当選終了条件)のいずれかの条件の成立により終了する。
一方、当たりの種別が「大当たり(V当たりを含む)」ではない場合(S140:No)、遊技制御用マイコン61は、当たりの種別が「小当たり図柄b」であるか否かを判定する(S144)。「小当たり図柄b」であった場合(S144:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たり当選が第1ラッシュ期間中の当選であったか否かを判定する(S145)。このとき、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタにセットされた値から第1ラッシュ期間中の当選であったか否かを判定してもよい。実施形態において、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタにセットされた値が「8」以上であれば、第2ラッシュ期間中の当選であると認識することができる。また、決定した時短状態の上限回数の違いに応じて、それぞれ異なる時短カウンタにてカウントを行うようにしてもよい。例えば、時短状態の上限回数として「7回」を決定した場合には、第1時短カウンタにてカウントを行う一方、時短状態の上限回数として「20回」を決定した場合には、第2時短カウンタにてカウントを行うようにしてもよい。そして、使用する時短カウンタの違いによって、小当たり当選時のラッシュ期間を把握できるようにしてもよい。
そして、小当たり当選が第1ラッシュ期間中の当選であると判定した場合(S145:Yes)、遊技制御用マイコン61は、「小当たり図柄b」に当選した回数をカウントする小当たりカウンタの値を1加算する(S146)。前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1ラッシュ期間における「小当たり図柄b」の当選回数が「7回」に到達すると、時短カウンタの値が「1」以上残存している場合であっても、時短状態を終了させるようになっている。このため、遊技制御用マイコン61は、1加算後の小当たりカウンタの値が「7」以上であるか否かを判定する(S147)。1加算後の小当たりカウンタの値が「7」以上であると判定した場合(S147:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短状態を終了させるべく、時短フラグをOFFにする(S148)。それとともに、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値をリセットし(S149)、小当たりカウンタの値をリセットする(S150)。また、遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグをONにしている場合、振分部材作動フラグをOFFにする(S151)。その後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをセットし(S143)、遊技状態設定処理を終了する。
一方、1加算後の小当たりカウンタの値が「7」未満であると判定した場合(S147:No)、遊技制御用マイコン61は、S148~S151の処理を実行することなく、S143に移行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。つまり、時短カウンタの値が「1」以上残存しているにも関わらず時短状態を終了させるようなことは行わず、図24
に示すように、現在の遊技状態を維持する。ちなみに、図8(b)にて説明したように、本実施形態においては、第1ラッシュ期間の最終変動で「小当たり図柄b」に当選することがない。これにより、本実施形態においては、小当たりカウンタの値が「7」に到達したことによって時短状態が終了することはない。
また、小当たり当選が第1ラッシュ期間中の当選ではないと判定した場合(S145:No)、小当たり当選が第2ラッシュ期間中の当選であるということになる。この場合も、遊技制御用マイコン61は、「小当たり図柄b」に当選した回数をカウントする小当たりカウンタの値を1加算する(S152)。前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第2ラッシュ期間における「小当たり図柄b」の当選回数が「1回」に到達すると、時短カウンタの値が「1」以上残存している場合であっても、時短状態を終了させるようになっている。このため、遊技制御用マイコン61は、1加算後の小当たりカウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(S153)。1加算後の小当たりカウンタの値が「1」以上であると判定した場合(S153:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短状態を終了させるべく、S148~S151の処理を実行する。すなわち、遊技制御用マイコン61は、図24に示すように、第2ラッシュ期間中において「小当たり図柄b」に規定回数(この例では1回)当選した場合には、時短カウンタの値が「1」以上残存している場合であっても、時短状態を終了させる。
一方、1加算後の小当たりカウンタの値が「1」未満であると判定した場合(S153:No)、遊技制御用マイコン61は、S148~S151の処理を実行することなく、S143に移行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。つまり、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放後に時短状態を終了させるようなことは行わず、現在の遊技状態を維持する。
このように、本実施形態では、第2特図の抽選で小当たりに当選した場合、小当たりに当選したときの遊技状態と、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に従って、時短状態の上限回数が決定される。そして、この決定された回数が時短カウンタにセットされるとともに、特図変動が消化される度に1減算され、時短カウンタの値が「0」、すなわち時短カウンタにおける計数値が時短状態の上限回数に到達すると、時短状態が終了し、非時短状態に制御される。また、本実施形態においては、第1ラッシュ期間よりも第2ラッシュ期間の方が滞在可能期間が長いが、第2ラッシュ期間の方が、第1ラッシュ期間に比して、時短状態の終了条件となる「小当たり図柄b」の当選回数が少なく設定されているため、時短状態の上限回数に到達する前に時短状態が終了するリスクが高くなっている。ただし、前述したように、第2特図の抽選では、第1特図の抽選に比して小当たり抽選に当選し易い(この例では1/10)。また、第2ラッシュ期間の上限回数「20回」は、この小当たり当選確率(1/10)の分母よりも大きい値である。これにより、理論上、20回の時短状態中、2回は小当たりに当選する可能性がある。ただし、小当たり抽選に当選したとしても、前述したように、「小当たり図柄b」に当選する確率(この例では1/100)よりも「小当たり図柄a」に当選する確率(この例では99/100)が高い。このため、第2特定条件の成立により第2ラッシュ期間が終了する確率は低く、小当たり抽選の当選により「小当たり図柄a」に当選し、大当たり遊技後、時短状態に制御される可能性が高い。ただし、第2ラッシュ期間の方が、第1ラッシュ期間に比して、時短状態の終了条件となる「小当たり図柄b」の当選回数が少ないため、第1ラッシュ期間に比して、時短状態の上限回数に到達する前に時短状態が終了するリスクが高い。
遊技状態管理処理(S113)及び遊技状態設定処理(S119)を実行する遊技制御用マイコン61は、本発明の遊技状態制御手段の一例である。また、S142の処理において、小当たりに当選したときの遊技状態と、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)し
たときの遊技状態に従って、当選した小当たりの種類をベースとし時短状態の上限回数を決定する遊技制御用マイコン61は、本発明の回数決定手段の一例である。また、回数決定手段としての遊技制御用マイコン61が決定する時短状態の上限回数のうち、「上限回数7回」が本発明の第1回数の一例であり、「上限回数20回」が本発明の第2回数の一例である。
(サブ側主制御処理)
次に、図25に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S160)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer
Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S161)、否定判定した場合(S161:No)、RAM120を初期化し(S162)、S163に進む。また、S161において肯定判定した場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS163に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S161:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S161:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS160~S162は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S163)、乱数更新処理を実行する(S164)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S165)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S166)。以降、S163~S166を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S167)、1msタイマ割込処理(S168)及び10msタイマ割込処理(S169)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S167)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S168,S169)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図26に従って、1msタイマ割込処理(S168)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S170)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ9aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S171)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S183)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S184)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S172)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされ、S171において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S172:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S174)。S174の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図27に従って、10msタイマ割込処理(S169)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図28)を実行し(S180)、スイッチ状態取得処理を実行する(S181)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S170)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S182)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S183)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S184)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を
行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S185)、本処理を終了する。その他の処理(S185)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図28に従って、受信コマンド解析処理(S180)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S190)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S190:Yes)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S191)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、小当たりカウンタ等)に関する情報が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。例えば、遊技状態指定コマンドに含まれている情報が「非時短状態」を示している場合、演出制御用マイコン101は、遊技状態フラグ「1」をセットする。「時短状態」を示している場合、演出制御用マイコン101は、遊技状態フラグ「2」をセットする。
また、演出制御用マイコン101は、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている時短演出カウンタの値を更新する。すなわち、時短状態で行われる特別図柄の残り変動回数が時短演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも時短回数の情報を保持することができる。また、演出制御用マイコン101は、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている小当たり演出カウンタの値を更新する。すなわち、強制時短終了までの「小当たり図柄b」の当選回数が小当たり演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも強制時短終了に関する情報を保持することができる。
S191の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S190:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S192)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S192:Yes)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を実行する(S193)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン101は、小当たりが指示されている場合には、オープニング演出選択処理において、小当たり当選に基づくオープニング中に実行する演出の種類を決定し、選択した内容の小当たりオープニング演出を実行するためオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S193の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S192:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S194)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S194:Yes)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行する(S195)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて
実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S195の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S194:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S196)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S196:Yes)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S197)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S197の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S196:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S198)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S198:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出開始処理(図29)を実行する(S199)。
S199の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S198:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S200)。主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S200:Yes)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S201)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S165)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを所定の停止パターンを経て確定表示する。
S201の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S200:No)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S202)、本処理を終了する。その他の処理(S202)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普図用の変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
また、本実施形態における受信コマンド解析処理において、「小当たり図柄b」に当選したことにより時短状態を終了させる場合、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放後、時短状態が終了することを報知するような内容で表示演出を実行させるようにしてもよい。
(変動演出開始処理)
次に、図29に従って、変動演出開始処理(S199)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図用の変動開始コマンドを解析する(S210)。特図用の変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S210において解析した特図用の変動開始コマンドが第1特図用の変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図用の変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S211)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S212)。次に、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S214)。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S215)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S215において選択した演出内容(変動演出パターン)の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S216)。変動演出開始コマンドには、演出内容(変動演出パターン)の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S171)において、演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
<遊技状態の遷移に関する説明>
次に、図30に従って、パチンコ遊技機1における遊技状態の遷移について説明する。
本実施形態では、非時短状態中は第2始動口22が開放し難いため、左打ちを行って第1始動口11を狙った方がスムーズに遊技が進行し易くなっている。このため、非時短状態中、第1始動口11を狙って遊技球を発射し、第1特図の抽選で大当たりに当選したとする。この場合、大当たり種別として「大当たり図柄A」が決定され(図6(a))、大当たり遊技終了後、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される(図中、矢印a)。この時短状態の上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間中は、第2始動口22が開放し易いため、右打ちを行い、第2始動口22を狙って遊技が進行する。そして、上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間において、最終変動を除く期間中に「小当たり図柄a」に当選した場合、特定領域43を遊技球が通過したときには、大当たり遊技終了後、再度、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される(図中、矢印b)。一方、上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間中、一度も小当たり又は大当たりに当選しなかった場合、時短状態の上限回数(7回)に到達したことにより、時短状態が終了し、非時短状態に制御される(図中、矢印c)。
一方、第1ラッシュ期間において、第2特図の抽選で大当たりに当選した場合、又は第1ラッシュ期間の最終変動で小当たりに当選した場合、いずれも、大当たり遊技を経た後、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される(図中、矢印d)。このように、第
1ラッシュ期間においては、小当たり当選時の遊技状態が第1ラッシュ期間中の最終変動である場合(特定領域43通過時の遊技状態が非時短状態)には、小当たり当選時の遊技状態が第1ラッシュ期間中の最終変動ではない場合(特定領域43通過時の遊技状態が時短状態)に比して、時短状態の上限回数として多い回数(この例では20回)を決定し易い。
また、時短状態の上限回数を「20回」とする第2ラッシュ期間中は、第1ラッシュ期間中と同じく第2始動口22が開放し易いため、右打ちを行い、第2始動口22を狙って遊技が進行する。そして、上限回数を「20回」とする第2ラッシュ期間において、最終変動であるか否かを問わず、大当たりに当選した場合、又は「小当たり図柄a」に当選して特定領域43を遊技球が通過したときには、大当たり遊技終了後、再度、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される(図中、矢印e)。
一方、第2ラッシュ期間中、一度も小当たり又は大当たりに当選しなかった場合、時短状態の上限回数(20回)に到達したことにより、時短状態が終了し、非時短状態に制御される(図中、矢印f)。また、この例だけでなく、第2ラッシュ期間中、一度でも「小当たり図柄b」に当選した場合、時短状態の上限回数に到達していなくとも、時短状態が強制的に終了され、非時短状態に制御される(図中、矢印f)。
つまり、本実施形態においては、第1ラッシュ期間よりも第2ラッシュ期間の方が滞在可能期間が長いが、第2ラッシュ期間の方が、第1ラッシュ期間に比して、時短状態の終了条件となる「小当たり図柄b」の当選回数が少ないため、抽選結果次第では、第2ラッシュ期間が、第1ラッシュ期間の滞在可能期間よりも短くなってしまうことがある。
なお、第1ラッシュ期間及び第2ラッシュ期間のうちいずれのラッシュ期間中においても、第2特図保留が残存している状態で時短状態が終了した場合、時短状態終了後の非時短状態においては、第2特図の残保留の消化が優先的に実行される。このとき、第2特図の残保留に基づく抽選で大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される(図中、矢印g)。一方、第2特図の残保留に基づく抽選で小当たりに当選した場合、特定領域43を遊技球が通過したときには、大当たり遊技終了後、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される(図中、矢印h)。
[第1実施形態の効果]
(1)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第2特図の抽選(第2特図の当たり判定)が行われたときの遊技状態と、特定領域43を遊技球が通過したとき(検知手段によって遊技球が検知されたとき)の遊技状態と、に従って、大当たり遊技後に制御される時短状態の上限回数(特定遊技状態で実行する識別図柄の変動表示の上限回数)が決定されることになる。この場合、第2特図の抽選が行われたときの遊技状態と、特定領域43を遊技球が通過したときの遊技状態との組み合わせ次第で、時短状態の上限回数が異なり得ることになるので、当たり種別毎に時短状態の上限回数が一義的に定められている場合に比して、バリエーションに富んだ遊技性を有することが可能となる。
(2)また、時短状態(特定遊技状態)中に実行した特別図柄(識別図柄)の変動表示回数を計数し、計数された値が遊技制御用マイコン61(回数決定手段)によって決定された上限回数に到達すると、時短状態を終了させて非時短状態(通常遊技状態)に制御する。また、第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が時短状態であった場合、特定領域センサ42b(検知手段)によって遊技球が検知されたときに時短状態が継続しているか否かに従って、上限回数を決定する。その結果、第2特図の抽選が行われた遊技状態が、同じ「時短状態中」であっても、特定領域43を遊技球が通過したときに時短状態が継続しているか否かに従って、その後に制御される時短状態の上限回数が決定さ
れ得る。このため、遊技者は、より多い回数の上限回数が決定され得るタイミングでの小当たり当選を期待することになり、より一層、時短状態中の抽選に興味を抱かせることができる。
(3)また、第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が時短状態であって、かつ特定領域センサ42bによって遊技球が検知されたときの遊技状態が非時短状態である場合は、第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が時短状態であって、かつ特定領域センサ42bによって遊技球が検知されたときの遊技状態が時短状態である場合に比して、上限回数として多い回数を高確率で決定する。その結果、時短状態における最終変動で大当たりに当選するか、又は小当たり当選を経て特定領域43を遊技球が通過しないと時短状態が終了してしまう状況下において、最終変動で小当たりに当選して特定領域43に遊技球を通過させることができた場合には、最終変動を除く時短状態で特定領域43に遊技球を通過させることができた場合に比して、時短状態の上限回数として多い回数が高確率で決定される。これにより、最終変動で小当たりに当選した遊技者に対して特別な印象を与えることができる。
(4)また、第2特図の抽選で小当たりと判定された場合に小当たり種別を決定する一方で、「7回(第1回数)」及び「20回(第2回数)」を含む複数の選択肢の中から上限回数を決定する。第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が上限回数を「20回」とする時短状態である場合、第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が上限回数を「7回」とする時短状態である場合に比して、上限回数に到達する前に時短状態を終了させる小当たり種別を高確率で決定する。その結果、同じ時短状態であっても、時短状態の長短に応じて時短状態が途中で終了する確率が異なることになるため、結果的に時短状態中の遊技により一層注視させることができる。
(5)また、特定の小当たり種別当選によって時短状態が終了してしまうおそれがあるので、滞在可能回数の多い時短状態中(この例では20回)であっても、間延び感を与えることなく緊張感を持たせた状態で遊技を行わせることができる。逆に、滞在可能回数の少ない時短状態中(この例では7回)においては、途中で時短状態が終了するリスクが低いことにより、時短状態が終了するかもしれないという不安感を抱かせることなく、短期間の時短状態ではあるが、期間中、遊技を最大限に楽しませることができる。
(6)また、第1ラッシュ期間の最終変動で「小当たり図柄a」に当選しないと、時短状態の上限回数を「99回」とする第2ラッシュ期間に移行することができない。その結果、「小当たり図柄a」に当選するタイミングや、第1ラッシュ期間の最終変動で当選する小当たり種別に注目させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
第2実施形態においては、第2特図の抽選で小当たりに当選したときに決定される小当たり種別を複数設けるとともに、V当たり遊技終了後に生起される時短状態の上限回数を、小当たり抽選で小当たりに当選したときの遊技状態及び特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に応じて、小当たり種別に異ならせている。
[大当たり種別判定テーブル]
(大当たり種別判定テーブルT2a)
図31(a)に示す大当たり種別判定テーブルT2aは、遊技状態にかかわらず、第1
特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。第1特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄A」に当選したと判定される。第2実施形態においても、「大当たり図柄A」で特定される大当たり種別は、「7R大当たり(時短7回)」である。
(大当たり種別判定テーブルT3a)
図31(b)に示す大当たり種別判定テーブルT3aは、遊技状態にかかわらず、第2特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。第2特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄C」に当選したと判定される。「大当たり図柄C」で特定される大当たり種別は、「7R大当たり(時短99回)」である。大当たり種別「7R大当たり(時短99回)」には、時短状態の上限回数として「99回」が対応付けられている。また、第2実施形態においては、上限回数「99回」とする時短状態に制御されている期間を「第3ラッシュ期間」と示す場合がある。
[小当たり種別判定テーブル]
本実施形態では、小当たり図柄として「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」、及び「小当たり図柄d」が設定されている。詳細は後述するが、「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」で特定される小当たり種別では、特定領域43を遊技球が通過可能とされており、V当たり遊技終了後に時短状態を生起させるものである。なお、時短状態の上限回数は、小当たり抽選で小当たりに当選したときの遊技状態及び特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に応じて異なる。
一方、「小当たり図柄d」で特定される小当たり種別では、特定領域43を遊技球が通過不能とされており、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放後にV当たり遊技を実行させないものである。また、「小当たり図柄d」に当選すると、時短状態の上限回数に到達していなくとも、時短状態が強制的に終了し、非時短状態に制御されることがあるが、小当たり当選時におけるラッシュ期間の違いにより、時短状態終了までの過程が異なる。詳細は後述する。
なお、小当たり図柄a~dに当選した場合、第2大入賞口42が開放されるが、その開放時間は大当たり遊技における第1大入賞口32の開放時間(30秒)よりも短い(1.2秒)。ただし、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過した場合には、1種大当たりと同じ態様で第2大入賞口42を開放する大当たり遊技(V当たり遊技)が行われる。また、図32~図34に示す「開放時間」は、いずれも最大開放時間を示す。
(小当たり種別判定テーブルT4a)
図32に示す小当たり種別判定テーブルT4aは、非時短状態における第2特図の残保留に基づく抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
非時短状態においては、取得した小当たり種別乱数が0~32の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。また、取得した小当たり種別乱数が33~65の範囲内の値であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。また、取得した小当たり種別乱数が66~99の範囲内の値であれば、「小当たり図柄c」に当選したと判定される。
非時短状態においては、「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」のうちいずれの小当たり図柄に当選した場合であっても、第2大入賞口42の開放中に
遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「99回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。つまり、非時短状態で実行される第2特図の残保留に基づく大当たり抽選で小当たりに当選した場合、当選した小当たり種別にかかわらず、V当たり遊技が実行された後、上限回数を「99回」とする時短状態に制御される。
(小当たり種別判定テーブルT5a)
図33(a)に示す小当たり種別判定テーブルT5aは、第1ラッシュ期間(上限回数7回)中における1回~6回目までの変動で参照されるテーブルである。
第1ラッシュ期間中における1回~6回目までの変動において、取得した小当たり種別乱数が0~32の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数が33~65の範囲内の値であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数が66~98の範囲内の値であれば、「小当たり図柄c」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数の値が99であれば、「小当たり図柄d」に当選したと判定される。つまり、第1ラッシュ期間(最終変動を除く)においては、「小当たり図柄d」よりも「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」に当選する確率が高い。そして、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄a」又は「小当たり図柄b」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「99回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。
一方、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄c」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。
また、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄d」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過することがないよう、振分部材45を作動させることが対応付けられている。つまり、V当たり遊技が実行されること、及びV当たり遊技終了後に新たに時短状態に制御されることがない。ただし、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄d」に当選したとしても、第3特定条件が成立するまでは時短状態が維持されるようになっている。第3特定条件は、上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間における「小当たり図柄d」の当選回数が所定回数(この例では1回)に到達することである。「小当たり図柄d」の当選回数が所定回数に到達すると、時短状態が終了し、非時短状態に制御されるようになっている。本実施形態では、第1ラッシュ期間において時短状態を終了させるために必要な「小当たり図柄d」の当選回数が「1回」に設定されているため、一度でも「小当たり図柄d」に当選すると、時短状態の上限回数に到達していなくとも、時短状態が強制的に終了され、非時短状態に制御される。
前述したように、第2特図の抽選では、第1特図の抽選に比して小当たり抽選に当選し易い(この例では1/10)。また、第1ラッシュ期間の上限回数「7回」は、この小当たり当選確率(1/10)の分母に近しい値である。これにより、7回の時短状態中、1回は小当たりに当選する可能性がないとは言い切れない。ただし、小当たり抽選に当選したとしても、前述したように、「小当たり図柄d」に当選する確率(この例では1/100)よりもその他の小当たり図柄に当選する確率(この例では99/100)が高い。こ
のため、小当たり図柄dに当選する確率は低いが、時短状態を終了させるために必要な「小当たり図柄d」の当選回数が「1回」であるため、第1実施形態における第1ラッシュ期間より、第2実施形態における第1ラッシュ期間の方が、時短状態が途中で終了する可能性は高い。
(小当たり種別判定テーブルT6a)
図33(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6aは、第1ラッシュ期間における7回目(最終変動)の変動で参照されるテーブルである。
第1ラッシュ期間における最終変動では、取得した小当たり種別乱数が0~32の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。また、取得した小当たり種別乱数が33~65の範囲内の値であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。また、取得した小当たり種別乱数が66~99の範囲内の値であれば、「小当たり図柄c」に当選したと判定される。
そして、第1ラッシュ期間の最終変動において「小当たり図柄a」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「99回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。
一方、第1ラッシュ期間の最終変動において「小当たり図柄b」又は「小当たり図柄c」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。
なお、図33(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6aにおける小当たり種別の選択肢として、「小当たり図柄a」~「小当たり図柄c」に加え「小当たり図柄d」も設定してもよい。ただし、この実施形態においては、第1ラッシュ期間の滞在可能期間を「7回」としているため、最終変動で「小当たり図柄d」に当選したか否かを問わず、第1ラッシュ期間中の変動回数が7回に到達すると、第1ラッシュ期間(時短状態)が終了することになる。このような理由により、本実施形態では、第1ラッシュ期間の最終変動で選択され得る小当たり種別として「小当たり図柄d」を設定していない。
(小当たり種別判定テーブルT7a)
図34(a)に示す小当たり種別判定テーブルT7aは、第3ラッシュ期間(上限回数99回)中における1回~98回目までの変動で参照されるテーブルである。
第3ラッシュ期間中における1回~98回目までの変動において、取得した小当たり種別乱数が0~32の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数が33~65の範囲内の値であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数が66~98の範囲内の値であれば、「小当たり図柄c」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数の値が99であれば、「小当たり図柄d」に当選したと判定される。
つまり、第3ラッシュ期間(最終変動を除く)においては、第1ラッシュ期間(最終変動を除く)と同じく、「小当たり図柄d」よりも「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」に当選する確率が高い。そして、最終変動を除く第3ラッシュ期間において「小当たり図柄a」又は「小当たり図柄b」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、
時短状態の上限回数を「99回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。
一方、最終変動を除く第3ラッシュ期間において「小当たり図柄c」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。
また、最終変動を除く第3ラッシュ期間において「小当たり図柄d」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過することがないよう、振分部材45を作動させることが対応付けられている。つまり、V当たり遊技が実行されること、及びV当たり遊技終了後に新たに時短状態に制御されることがない。ただし、第3ラッシュ期間において「小当たり図柄d」に当選したとしても、第4特定条件が成立するまでは時短状態が維持されるようになっている。第4特定条件は、上限回数を「99回」とする第3ラッシュ期間における「小当たり図柄d」の当選回数が所定回数(この例では2回)に到達することである。「小当たり図柄d」の当選回数が所定回数に到達すると、第3ラッシュ期間における変動回数が、第3ラッシュ期間の滞在可能期間「99回」に到達していなくても時短状態が終了し、非時短状態に制御されるようになっている。なお、小当たり種別判定テーブルT5a,T7aにおいて、「小当たり図柄d」の当選確率を遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
(小当たり種別判定テーブルT7b)
図34(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6aは、第3ラッシュ期間における99回目(最終変動)の変動で参照されるテーブルである。
第3ラッシュ期間における最終変動では、取得した小当たり種別乱数が0~32の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。また、取得した小当たり種別乱数が33~65の範囲内の値であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。また、取得した小当たり種別乱数が66~99の範囲内の値であれば、「小当たり図柄c」に当選したと判定される。
そして、第3ラッシュ期間の最終変動において「小当たり図柄a」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「99回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。
一方、第3ラッシュ期間の最終変動において「小当たり図柄b」又は「小当たり図柄c」に当選した場合には、第2大入賞口42の開放中に遊技球が特定領域43を通過可能となるよう、振分部材45を作動させ、遊技球が特定領域43を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とするV当たり遊技を生起させることが対応付けられている。
なお、図34(b)に示す小当たり種別判定テーブルT7bにおける小当たり種別の選択肢として、「小当たり図柄a」~「小当たり図柄c」に加え「小当たり図柄d」も設定してもよい。ただし、この実施形態においては、第3ラッシュ期間の滞在可能期間を「99回」としているため、最終変動で「小当たり図柄d」に当選したか否かを問わず、第3ラッシュ期間中の変動回数が99回に到達すると、第3ラッシュ期間(時短状態)が終了することになる。このような理由により、本実施形態では、第3ラッシュ期間の最終変動で選択され得る小当たり種別として「小当たり図柄d」を設定していない。
(遊技状態設定処理)
次に、図35及び図36に従って、第2実施形態における遊技状態設定処理(S119)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、当たり種別が「大当たり」であるか否かを判定する(S140)。S140の判定では、大当たり判定で大当たりと判定されたことにより決定された「大当たり」の他、「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」当選に基づく第2大入賞口42の開放中、特定領域43を遊技球が通過したことにより決定された大当たりを含む。
当たりの種別が「大当たり」であった場合(S140:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをONにするとともに(S141)、時短状態の上限回数となる数値を時短カウンタにセットする(S142)。詳しくは、大当たり判定で大当たりと判定された「大当たり」である場合、遊技制御用マイコン61は、当選した大当たり種別に従い、「7」又は「99」を時短カウンタにセットする(図31(a),(b)参照)。
一方、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放中に特定領域43を遊技球が通過したことにより決定された「大当たり」である場合、遊技制御用マイコン61は、小当たりに当選したときの遊技状態と、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に従って、時短状態の上限回数となる数値を時短カウンタにセットする(図32~図34参照)。
詳しくは、図36に示すように、小当たり当選時の遊技状態が非時短状態であった場合、特定領域43を遊技球が通過するときの遊技状態も非時短状態となる。この場合、遊技制御用マイコン61は、当選した小当たり種別が「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」のいずれであっても、時短カウンタに「99」をセットする。つまり、小当たり当選時の遊技状態が非時短状態である場合には、当選した小当たり種別にかかわらず、時短状態の上限回数として多い回数(この例では99回)を決定し易い。
一方、先の実施形態で説明したように、小当たり当選時の遊技状態が、最終変動を除く第1ラッシュ期間中の時短状態である場合、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態は「時短状態」となる。この状態において、当選した小当たり種別が「小当たり図柄a」又は「小当たり図柄b」であった場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「99」をセットする。一方、当選した小当たり種別が「小当たり図柄c」であった場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「7」をセットする。
また、先の実施形態で説明したように、小当たり当選時の遊技状態が第1ラッシュ期間中の最終変動である場合、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態は「非時短状態」となる。この状態において、当選した小当たり種別が「小当たり図柄a」であった場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「99」をセットする。一方、当選した小当たり種別が「小当たり図柄b」又は「小当たり図柄c」であった場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「7」をセットする。
また、本実施形態における第3ラッシュ期間は、時短状態の上限回数が他のラッシュ期間と異なるだけであって、その他の点は他のラッシュ期間と同一である。よって、小当たり当選時の遊技状態が、最終変動を除く第3ラッシュ期間中の時短状態である場合、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態は「時短状態」となる。この状態において、当選した小当たり種別が「小当たり図柄a」又は「小当たり図柄b」であった場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「99」をセットする。一方、当選した小当たり種別が「小当たり図柄c」であった場合、遊技制御用マイコン61は、時短カ
ウンタに「7」をセットする。
一方、小当たり当選時の遊技状態が第3ラッシュ期間中の最終変動である場合、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態は「非時短状態」となる。この状態において、当選した小当たり種別が「小当たり図柄a」であった場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「99」をセットする。一方、当選した小当たり種別が「小当たり図柄b」又は「小当たり図柄c」であった場合、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタに「7」をセットする。
このように、本実施形態においても遊技制御用マイコン61は、第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が時短状態であった場合、特定領域43を遊技球が通過したときの遊技状態(時短状態が継続しているか、非時短状態となっているか)に従って、時短回数の上限回数を決定し得るようになっている。
また、当選した小当たり種別が「小当たり図柄b」である場合、小当たり当選時の遊技状態が最終変動を除く時短状態中であれば、時短状態の上限回数として多い回数(この例では99回)を決定するが、小当たり当選時の遊技状態が時短状態の最終変動である場合には、時短状態の上限回数として少ない回数(7回)を決定するようになっている。一方、当選した小当たり種別が「小当たり図柄c」である場合、小当たり当選時の遊技状態が最終変動中であるか否かを問わず、小当たり当選時の遊技状態が時短状態であれば、時短状態の上限回数として少ない回数(7回)を決定するようになっている。
図35の説明に戻り、S142において時短カウンタに値をセットした遊技制御用マイコン61は、その後、遊技状態指定コマンドをセットし(S143)、遊技状態設定処理を終了する。
一方、当たりの種別が「大当たり(V当たりを含む)」ではない場合(S140:No)、遊技制御用マイコン61は、当たりの種別が「小当たり図柄d」であるか否かを判定する(S144a)。「小当たり図柄d」であった場合(S144a:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たり当選が第1ラッシュ期間中の当選であったか否かを判定する(S145)。小当たり当選が第1ラッシュ期間中の当選であると判定した場合(S145:Yes)、遊技制御用マイコン61は、「小当たり図柄d」に当選した回数をカウントする小当たりカウンタの値を1加算する(S146)。次に、遊技制御用マイコン61は、1加算後の小当たりカウンタの値が「1」になったか否かを判定する(S147a)。前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1ラッシュ期間における「小当たり図柄d」の当選回数が「1回」に到達すると、時短カウンタの値が「1」以上残存している場合であっても、時短状態を終了させるようになっている。このため、遊技制御用マイコン61は、1加算後の小当たりカウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する。
1加算後の小当たりカウンタの値が「1」以上であると判定した場合(S147a:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短状態を終了させるべく、時短フラグをOFFにする(S148)。それとともに、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値をリセットし(S149)、小当たりカウンタの値をリセットする(S150)。また、遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグをONにしている場合、振分部材作動フラグをOFFにする(S151)。その後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをセットし(S143)、遊技状態設定処理を終了する。
一方、1加算後の小当たりカウンタの値が「1」未満であると判定した場合(S147a:No)、遊技制御用マイコン61は、S148~S151の処理を実行することなく
、S143に移行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。ちなみに、図33(a)にて説明したように、本実施形態においては、第1ラッシュ期間中に「小当たり図柄d」に1回でも当選した場合、必ず時短状態を終了させるようになっているため、S147aが否定判定されることはない。
また、小当たり当選が第1ラッシュ期間中の当選ではないと判定した場合(S145:No)、小当たり当選が第3ラッシュ期間中の当選であるということになる。この場合も、遊技制御用マイコン61は、「小当たり図柄d」に当選した回数をカウントする小当たりカウンタの値を1加算する(S152)。前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第3ラッシュ期間における「小当たり図柄d」の当選回数が「2回」に到達すると、時短カウンタの値が「1」以上残存している場合であっても、時短状態を終了させるようになっている。このため、遊技制御用マイコン61は、1加算後の小当たりカウンタの値が「2」以上であるか否かを判定する(S153a)。
1加算後の小当たりカウンタの値が「2」以上であると判定した場合(S153a:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短状態を終了させるべく、S148~S151の処理を実行する。すなわち、遊技制御用マイコン61は、図36に示すように、第3ラッシュ期間中において「小当たり図柄d」に規定回数(この例では2回)当選した場合には、時短カウンタの値が「1」以上残存している場合であっても、時短状態を終了させる。つまり、第3ラッシュ期間の方が、第1ラッシュ期間に比して、時短状態を終了させるために必要な「小当たり図柄d」の当選回数が多く設定されているため、第1ラッシュ期間に比して時短状態の上限回数に到達する前に時短状態が終了するリスクが低い。
一方、1加算後の小当たりカウンタの値が「2」未満であると判定した場合(S153a:No)、遊技制御用マイコン61は、S148~S151の処理を実行することなく、S143に移行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。つまり、小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放後に時短状態を終了させるようなことは行わず、図36に示すように、現在の遊技状態を維持する。
このように、本実施形態では、第2特図の抽選で小当たりに当選した場合、小当たりに当選したときの遊技状態と、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に従って時短状態の上限回数が決定される。そして、この決定された回数が時短カウンタにセットされるとともに、特図変動が消化される度に1減算され、時短カウンタの値が「0」、すなわち時短カウンタにおける計数値が時短状態の上限回数に到達すると、時短状態が終了し、非時短状態に制御される。また、本実施形態においては、第1ラッシュ期間よりも第3ラッシュ期間の方が滞在可能期間が長いが、第3ラッシュ期間の方が第1ラッシュ期間に比して、時短状態の終了条件となる「小当たり図柄d」の当選回数が多い。このため、第3ラッシュ期間は、第1ラッシュ期間に比して時短状態の上限回数に到達する前に時短状態が終了するリスクが低い。ただし、前述したように、第2特図の抽選では、第1特図の抽選に比して小当たり抽選に当選し易い(この例では1/10)。また、第3ラッシュ期間の上限回数「99回」は、この小当たり当選確率(1/10)の分母よりも大きい値である。これにより、理論上、99回の時短状態中、約10回に1回は小当たりに当選する可能性がある。ただし、小当たり抽選に当選したとしても、前述したように、「小当たり図柄d」に当選する確率(この例では1/100)よりもその他の小当たり図柄に当選する確率(この例では99/100)が高い。このため、第4特定条件の成立により第3ラッシュ期間が終了する確率は低く、小当たり抽選の当選によりその他の小当たり図柄に当選し、大当たり遊技後、時短状態に制御される可能性が高い。一方、第1ラッシュ期間は、第3ラッシュ期間に比して時短状態の終了条件となる「小当たり図柄d」の当選回数が少ないため、第3ラッシュ期間に比して、時短状態の上限回数に到達する前に時短状態が終了するリスクが高い。
本実施形態では、回数決定手段としての遊技制御用マイコン61が決定する時短状態の上限回数のうち、「上限回数7回」が本発明の第1回数の一例であり、「上限回数99回」が本発明の第2回数の一例である。
<遊技状態の遷移に関する説明>
次に、図37に従って、パチンコ遊技機1における遊技状態の遷移について説明する。
第1実施形態と同じく、第2実施形態においても、非時短状態中は第2始動口22が開放し難いため、左打ちを行って第1始動口11を狙った方がスムーズに遊技が進行し易くなっている。このため、非時短状態中、第1始動口11を狙って遊技球を発射し、第1特図の大当たり判定で大当たりに当選したとする。この場合、大当たり種別として「大当たり図柄A」が決定され(図31(a))、大当たり遊技終了後、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される(図中、矢印a)。この時短状態の上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間中は、第2始動口22が開放し易いため、右打ちを行い、第2始動口22を狙って遊技が進行する。そして、上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間において小当たり図柄c」に当選した場合、又は第1ラッシュ期間の最終変動で「小当たり図柄b」に当選した場合、特定領域43を遊技球が通過したときには、大当たり遊技終了後、再度、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される(図中、矢印b)。一方、上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間中、一度も小当たり又は大当たりに当選しなかった場合、時短状態の上限回数(7回)に到達したことにより、時短状態が終了し、非時短状態に制御される(図中、矢印c)。また、この事例だけでなく、第1ラッシュ期間中、一度でも「小当たり図柄d」に当選した場合、時短状態の上限回数に到達していなくても、時短状態が強制的に終了され、非時短状態に制御される(図中、矢印c)。
一方、第1ラッシュ期間において、第2特図の抽選で大当たりに当選した場合、最終変動であるか否かを問わず「小当たり図柄a」に当選した場合、又は最終変動を除く期間中に「小当たり図柄b」に当選した場合、いずれも、大当たり遊技を経た後、上限回数を「99回」とする時短状態に制御される(図中、矢印d)。
一方、第3ラッシュ期間中、一度も小当たり又は大当たりに当選しなかった場合、時短状態の上限回数(99回)に到達したことにより、時短状態が終了し、非時短状態に制御される(図中、矢印e)。また、この事例だけでなく、第3ラッシュ期間中、「小当たり図柄d」に規定回数(この例では2回)当選した場合、時短状態の上限回数に到達していなくとも、時短状態が強制的に終了され、非時短状態に制御される(図中、矢印e)。なお、第3ラッシュ期間中、「小当たり図柄d」に一度当選したが(例えば、10回目の変動)、その後、時短状態の上限回数に到達するまでの間、小当たり及び大当たりに一度も当選しなかったとする。この場合、「小当たり図柄d」に一度当選したものの、その当選回数が、時短状態を強制的に終了させる規定回数(この例では2回)に到達していないため、時短状態が強制的に終了されることはない。
また、上限回数を「99回」とする第3ラッシュ期間において、第2特図の抽選で大当たりに当選した場合、最終変動であるか否かを問わず「小当たり図柄a」に当選した場合、又は最終変動を除く期間中に「小当たり図柄b」に当選した場合、いずれも、大当たり遊技を経た後、再度、上限回数を「99回」とする時短状態に制御される(図中、矢印f)。
一方、上限回数を「99回」とする第3ラッシュ期間において、最終変動であるか否かを問わず「小当たり図柄c」に当選した場合、又は最終変動で「小当たり図柄b」に当選した場合、いずれも大当たり遊技を経た後、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される(図中、矢印g)。
なお、第1ラッシュ期間及び第3ラッシュ期間のうちいずれのラッシュ期間中においても、第2特図保留が残存している状態で時短状態が終了した場合、時短状態終了後の非時短状態においては、第2特図の残保留の消化が優先的に実行される。このとき、第2特図の残保留に基づく抽選で大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後、上限回数を「99回」とする時短状態に制御される(図中、矢印h)。さらに、第2特図の残保留に基づく抽選で小当たりに当選した場合、当選した小当たり種別が「小当たり図柄a」「小当たり図柄b」「小当たり図柄c」のいずれであっても、特定領域43を遊技球が通過したときには、大当たり遊技終了後、上限回数を「99回」とする時短状態に制御される(図中、矢印h)。つまり、第2特図の残保留で小当たりに当選した場合には、大当たり抽選に当選した場合と同一回数の時短状態が決定される。
[第2実施形態の効果]
(1)第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第2特図の抽選で小当たりと判定された場合に小当たり種別を決定する一方で、「7回(第1回数)」及び「99回(第2回数)」を含む複数の選択肢の中から上限回数を決定する。第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が上限回数を「99回」とする時短状態である場合、第2特図の抽選で小当たりと判定されたときの遊技状態が上限回数を「7回」とする時短状態である場合に比して、上限回数に到達する前に時短状態を終了させる小当たり種別を決定し難くすることができる。特定の小当たり種別当選によって時短状態が終了してしまうおそれがあるが、上限回数の多い時短状態では、終了契機となる小当たり種別が決定され難いため、滞在可能期間の長い時短状態を、最大限、楽しませることができる。逆に、滞在可能回数の少ない時短状態中においては、途中で時短状態が終了するリスクが高いことになり、緊張感を持たせた状態で遊技を行わせることができる。
(2)また、第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、時短状態に続いて制御される非時短状態中に行われた第2特図の抽選で小当たりと判定され、かつ該第2特図の抽選が時短状態中に第2始動口22に入賞した遊技球に基づいて実行されたものである場合、いずれの小当たり種別が決定された場合であっても、上限回数として「99回」を高確率で決定することができる。非時短状態から「99回」の時短状態に移行させることで、時短状態から非時短状態に落ちたと落胆する遊技者に対して、自力で「99回」の時短状態を引き戻したかのような印象を与えることができる。また、同じ「非時短状態」であっても、非時短状態中に入賞した遊技球に基づく抽選で小当たりに当選した場合よりも、時短状態中に入賞した遊技球に基づく抽選で小当たりに当選した場合の方が、多い回数の時短状態に移行し易いという印象を与えることができる。
(3)また、第3ラッシュ期間中、最終変動で「小当たり図柄a」に当選しないと、再度、第3ラッシュ期間に制御されることがないので、遊技者に対して第3ラッシュ期間中の最終変動で決定される小当たり種別に注目させることができる。
(4)また、第1ラッシュ期間は、1回でも「小当たり図柄d」に当選すると非時短状態に転落してしまうため、上限回数を「99回」とする第3ラッシュ期間においても、遊技者は、「小当たり図柄d」当選によって、非時短状態に転落するかもしれないという疑念を抱くことになる。実際、第3ラッシュ期間は、非時短状態に移行するまでの「小当たり図柄d」の当選回数が、第1ラッシュ期間に比して多く設定されているが、非時短状態に移行するまでの「小当たり図柄d」の当選回数が遊技者に知らされていなければ、第3ラッシュ期間中、非時短状態に転落する可能性があることを念頭に入れさせつつ、如何に第3ラッシュ期間中に小当たり当選によって時短状態を継続させることができるか挑戦させることができる。
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
・ラッシュ期間の違い、又は同じラッシュ期間であっても最終変動であるか否かに応じて、特図変動パターン選択テーブルを設定してもよい。
・第1実施形態において、第1特図の抽選で大当たりに当選した場合には、時短状態の上限回数を「7回」とする大当たり種別しか決定され得なかったが、時短状態の上限回数を「20回」とする大当たり種別が決定される場合があってもよい。同様に、第2実施形態において、第1特図の抽選で大当たりに当選した場合には、時短状態の上限回数を「7回」とする大当たり種別しか決定され得なかったが、時短状態の上限回数を「99回」とする大当たり種別が決定される場合があってもよい。
・第1実施形態において、第2特図の抽選で大当たりに当選した場合には、時短状態の上限回数を「20回」とする大当たり種別しか決定され得なかったが、時短状態の上限回数を「7回」とする大当たり種別が決定される場合があってもよい。同様に、第2実施形態において、第2特図の抽選で大当たりに当選した場合には、時短状態の上限回数を「99回」とする大当たり種別しか決定され得なかったが、時短状態の上限回数を「7回」とする大当たり種別が決定される場合があってもよい。
・第1実施形態では、第1ラッシュ期間(上限回数7回)よりも第2ラッシュ期間(上限回数20回)において、時短状態を終了させるための「小当たり図柄b」の当選確率を低く設定してもよい。また、第1ラッシュ期間と第2ラッシュ期間において、「小当たり図柄b」の当選確率を同一確率とする一方で、時短状態を終了させるために必要な「小当たり図柄b」の当選回数を、第1ラッシュ期間よりも第2ラッシュ期間において多く設定してもよい。
・同様に、第2実施形態では、第1ラッシュ期間(上限回数7回)よりも第3ラッシュ期間(上限回数99回)において、時短状態を終了させるための「小当たり図柄d」の当選確率を高く設定してもよい。また、第1ラッシュ期間と第3ラッシュ期間において、「小当たり図柄d」の当選確率を同一確率とする一方で、時短状態を終了させるために必要な「小当たり図柄d」の当選回数を、第3ラッシュ期間よりも第1ラッシュ期間において多く設定してもよい。
・第1実施形態において、第2ラッシュ期間中の小当たり当選により、上限回数を「7回」とする時短状態に移行する場合があってもよい。
・第1実施形態において、第2特図の残保留に基づく抽選で小当たりに当選した場合、上限回数を「20回」とする時短状態に移行する場合があってもよい。
・第1実施形態において、第1ラッシュ期間の最終変動で、時短状態の上限回数を「7回」とする小当たり種別が決定される場合があってもよい。
・各ラッシュ期間の上限回数は一例であり、小当たりに当選したときの遊技状態と、特定領域43を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に従って時短状態の上限回数が決定されるのであれば、その回数は実施形態の値に限られない。
・実施形態では、遊技球が特定領域43を通過不能とする小当たり種別の当選回数が規定回数に到達すると、時短状態を終了させて非時短状態に制御するようになっていた。これに代えて、特定の小当たり種別の当選回数が規定回数に到達するまでは、特定領域43を遊技球が通過した場合に大当たり遊技を行い、その後、時短状態に制御する一方で、特定の小当たり種別の当選回数が規定回数に到達した後は、特定領域43を遊技球が通過し
た場合に大当たり遊技を行うが、その後、時短状態に制御することなく非時短状態に制御してもよい。このようにすることで、時短終了契機となる小当たり種別を設定することなく、時短状態を終了させ、非時短状態に制御することが可能となる。
・実施形態では、「特定遊技状態」を「特別図柄及び普通図柄の変動時間短縮機能が機能し、かつ電サポ制御が行われている状態」として説明したが、第2始動口22への入賞が通常遊技状態よりも容易な状態を伴う状態であれば、その他の状態を指してもよい。例えば、普通図柄の当選確率が高確率状態であって、かつ普通図柄の変動時間が短縮され、更に普通可変入賞装置20の開放時間が延長された状態、又は開放回数が増加した状態のうち、いずれか1つの状態のみを満たせばよい。
・振分部材45はソレノイド式に限定されない。例えば、複数の孔が設けられたクルーンを振分部材としてもよい。この場合、複数の孔のうちいずれか1つの孔を遊技球が通過したことを「V入賞」とし、V入賞を契機に大当たりを発生させてもよい。
・小当たり当選に基づく第2大入賞口42の開放時間や開放パターンを適宜変更してもよい。ただし、大当たり遊技のように多量の遊技球が入賞し得るような時間ではない方が好ましい。
・小当たり当選に基づく特定領域43の開放時間や振分部材45の動作パターンを適宜変更してもよい。ただし、第1実施形態の「小当たり図柄b」や、第2実施形態の「小当たり図柄d」に当選した場合においては、特定領域43に遊技球が入賞し得ないよう、特定領域43の開放時間や振分部材45の動作パターンを決定することが好ましい。
・第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(所謂「入球順(記憶順)変動」)の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化を並行して消化する制御処理を採用してもよい。
・実施形態では、小当たりと判定された場合、小当たり種別乱数を用いて小当たりの種別を決定するようにしたが、小当たりと判定される大当たり乱数の違いによって、小当たり種別が決定されてもよい。また、大当たり種別乱数と小当たり種別乱数を別々に設定する必要はなく、1種類の「当たり種別乱数」として設定し、大当たり判定で大当たりと判定された場合には、当たり種別乱数に従って大当たり種別を決定する一方、小当たり判定で小当たりと判定された場合には、当たり種別乱数に従って小当たり種別を決定するようにしてもよい。また、時短状態の上限回数は、遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。