JP2024004258A - 遊技機 - Google Patents

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Takuto Ichihara
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Abstract

【課題】事前示唆演出に対する遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供する。【解決手段】最大保留記憶個数である「8個」まで特図保留が記憶されており、かつその特図保留の中に「SPリーチハズレ」又は「大当たり」と判定される特図保留が存在する場合、その特図保留の位置に応じて、保留変化演出の実行確率を異ならせるようにした。具体的には、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が、8個の特図保留のうち「前区分」に分類される1~4個目の特図保留として記憶されている場合、保留変化演出の実行が決定され難くなるようにした。【選択図】図27

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、始動口への遊技球の入球を契機に当否判定を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の遊技機では、当否判定の結果に基づいて、大当たりを示唆する演出が実行され、また、当否判定の実行権利が保留された場合は、その保留された実行権利に対する事前判定の結果に基づいて、いわゆる事前示唆演出が実行される。
特開2014-90853号公報
しかしながら、前述したようなパチンコ遊技機は、事前判定の結果を示唆するという単純な演出手法を長年に亘って採用しているため、遊技者に飽きられており、遊技の興趣が低くなっているという問題がある。このような事前示唆演出に関し、遊技の興趣を向上させるための技術については、なお改善の余地があった。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、事前示唆演出に対する遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技球が入球可能な始動口と、前記始動口への入球を契機に遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記遊技情報に基づいて特典を付与するか否かを判断する特典付与判断手段と、図柄の変動を用いて前記特典付与判断手段の判断結果を報知する報知手段と、前記遊技情報取得手段を介して取得した前記遊技情報を、前記報知手段の報知に供されるまで、所定の最大保留記憶個数を上限として時系列順に保留として記憶するとともに、前記報知手段による報知が終わった段階で最も古く記憶された保留を新たに消化する保留記憶手段と、記憶されている保留の消化に伴って実行される前記報知手段の報知内容を事前に示唆する事前示唆演出を実行する事前示唆手段と、を有し、前記事前示唆演出は、前記最大保留記憶個数まで保留が記憶されている場合に実行条件が成立するものであり、特典付与の期待度が高い演出を実行させると判断される保留の位置、及び特典を付与すると判断される保留の位置のうち少なくとも一方に応じて、前記事前示唆演出の実行確率を異ならせることを特徴とする。
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、事前示唆演出に対する遊技の興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機の正面図である。 主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 (a)は第1誘導通路に遊技球が誘導される流れを示す模式図、(b)は第2誘導通路に遊技球が誘導される流れを示す模式図である。 (a)~(c)は、演出保留画像と当該変動画像の推移を説明する模式図である。 大当たり判定テーブルの説明図である。 大当たり種別判定テーブルの説明図である。 リーチ判定テーブルの説明図である。 特図変動パターン選択テーブルの説明図である。 メイン側主制御処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図大当たり判定処理のフローチャートである。 特図変動パターン選択処理のフローチャートである。 図15の続きのフローチャートである。 特別図柄変動処理のフローチャートである。 サブ側主制御処理のフローチャートである。 1msタイマ割込処理のフローチャートである。 10msタイマ割込処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 先読み演出判定処理のフローチャートである。 予告演出パターン選択処理のフローチャートである。 予告演出決定テーブルの説明図である。 予告パターン決定テーブルの説明図である。 (a)~(h)は、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留に基づいて実行が決定された保留変化演出の流れを示す模式図である。 (a)~(h)は、「大当たり」と判定される特図保留に基づいて実行が決定された保留変化演出の流れを示す模式図である。 変更例としての予告演出決定テーブルの説明図である。
本発明の実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図2)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の
発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図3)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(図3)と、演出ボタンランプ9c(図3)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図2)及び賞球払出装置400(図2)から払い出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図2)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図3では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
遊技盤2は、入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な入球口11を有する。入球口11は常時開口しており、遊技球が入球口11に入球する確率は略変動しない。
図4に従って入賞装置10について説明する。
入賞装置10には、入球口11に入球した遊技球を遊技盤2の内部に誘導する誘導通路Yが設けられている。誘導通路Yは、その下流側において第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2に分岐しており、第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2との分岐点には、遊技球の自重によって遊技球を第1誘導通路Y1又は第2誘導通路Y2に振り分ける振分部材150が設けられている。また、第1誘導通路Y1の途中には、第1誘導通路Y1を通過した遊技球を検知する第1検知センサ11aが設けられている。第2誘導通路Y2の途中には、第2誘導通路Y2を通過した遊技球を検知する第2検知センサ11bが設けられている。
振分部材150は、底板150aと該底板150aの略中央から立設する仕切り板150bとで構成されている。底板150a上の空間が仕切り板150bによって二分割されたことになり、該空間のうち左側の空間が、底板150aと仕切り板150bとによって遊技球を一時的に停留可能な左停留領域151aとなる。一方、仕切り板150bによって二分された底板150a上の空間のうち右側の空間が、底板150aと仕切り板150bとによって遊技球を一時的に停留可能な右停留領域151bとなる。また、誘導通路Yには、振分部材150の底板150aを底面側から支えるとともに、振分部材150の傾動作を可能とする略三角形状の支え152が配設されている。
このような構成により、例えば、図4(a)に示すように、入球口11と左停留領域151aが連通状態となっているとすると、誘導通路Yを通過した遊技球が左停留領域151aで一時的に受け入れられる。そして、遊技球の自重によって支え152を中心として振分部材150が左方に傾き、図4(b)に示すように、誘導通路Yと第1誘導通路Y1が連通状態となる一方で、誘導通路Yと第2誘導通路Y2が非連通状態となる。これにより、遊技球が第1誘導通路Y1側に流動する。ただし、この状態では、入球口11と右停留領域151bが連通した状態をとる。
その後、新たな遊技球が入球口11に入球すると、入球口11と右停留領域151bが連通状態となっているので、誘導通路Yを通過した遊技球が右停留領域151bで一時的に受け入れられる。そして、遊技球の自重によって支え152を中心として振分部材150が右方に傾き、図4(a)に示すように、誘導通路Yと第2誘導通路Y2が連通状態となる一方で、誘導通路Yと第1誘導通路Y1が非連通状態となる。これにより、遊技球が第2誘導通路Y2側に流動する。ただし、この状態では、入球口11と左停留領域151aが連通した状態をとる。
このように、本実施形態の入賞装置10では、遊技球が入賞装置10に入球する度に、その遊技球の自重によって振分部材150が機械的に傾動する。これにより、入賞装置10に入球した遊技球は、第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2とに交互に振り分けられる。つまり、入賞装置10を構成する第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2は、同一の流路上に位置することになる。
図1の説明に戻り、ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって入賞装置10の左方に配置されている。
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図2)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22(本発明の「始動口」に相当)が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、入賞装置10の下方に配置してもよい。
大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、入球口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。第1特図保留表示器51aは、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する。第2特図保留表示器52aは、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する。普図保留表示器53aは、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。「作動保留」とは、特別図柄表示器における特図変動が保留されている状態を示す。以下、特別図柄表示器の作動保留が発生している状態を「特図保留」と示す場合がある。また、特別図柄表示器に関する「作動保留の記憶数」を「特図保留数」と示す場合がある。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
遊技球が入球口11に入球したのち第1誘導通路Y1を通過する(第1検知センサ11aで検知される)と、大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。つまり、第1特別図柄表示器51において第1特別図柄を変動表示させた後、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示させることによって、大当たり判定の結果が報知される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1誘導通路Y1を通過したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。加えて、本実施形態では、遊技球が入球口11に入球したのち第2誘導通路Y2を通過した(第2検知センサ11bで検知された)場合も、大当たり判定が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示
を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。つまり、第2特別図柄表示器52において第2特別図柄を変動表示させた後、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示されることによって、大当たり判定の結果が報知される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞するか、又は第2誘導通路Y2を通過したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを「特図保留の消化」という。
また、本実施形態において、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52では、変動中の特別図柄を確定表示させることによって大当たり判定の結果が報知されるため、「第1特別図柄表示器51」及び「第2特別図柄表示器52」は、「報知手段」の一例である。
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。このように、演出表示装置7では、特図変動と同期して演出図柄の変動表示が行われ、変動中の演出図柄による図柄組み合わせを確定表示させることによって大当たり判定の結果が報知されるため、「演出表示装置7」は、「報知手段」の一例である。
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄の組み合わせを、演出図柄による大当たりの図柄組み合わせといい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄の組み合わせを、演出図柄によるハズレの図柄組み合わせという。演出図柄による大当たりの図柄組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、演出図柄によるハズレの図柄組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。
また、演出表示装置7では、演出図柄の変動表示が特別図柄の変動表示と同期して行われることに伴い、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。
図1に示すように、演出表示装置7における表示領域の下方には、演出保留表示領域54Aと、当該変動表示領域54Bと、が設定されている。
図5に従って、演出保留表示領域54Aと当該変動表示領域54Bについて説明する。
演出保留表示領域54Aは、演出表示装置7の作動保留数を画像の数で表すための演出保留画像を表示する領域である。以下、演出保留表示領域54Aに表示される演出保留画像を「演出保留画像54a」と示す。
図5(a)に示すように、演出保留表示領域54Aには、最大で8個の演出保留画像54aを表示させることができる。この「8個」という数値は、第1特図保留に対応する4個(保留上限)の演出保留画像54aと、第2特図保留に対応する4個(保留上限)の演出保留画像54aと、の合算値である。そして、演出保留表示領域54Aでは、特図保留が増加すると、その増加数に応じて演出表示装置7の左方から右方に向けて演出保留画像54aが増加する。つまり、演出保留表示領域54Aにおいて最も左方に位置する演出保留画像54aが最も古い情報であり、最も右方に位置する演出保留画像54aが最も新しい情報である。
ただし、本実施形態では、振分部材150の作動によって、入賞装置10に入賞した順に遊技球が第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2に交互に振り分けられるようになっている。これにより、入賞装置10に遊技球が入賞した場合、演出保留表示領域54Aでは、入賞装置10に入賞した順で、第1特図保留に対応する演出保留画像54aと第2特図保留に対応する演出保留画像54aとが、左詰めで交互に表示された状態となる。一方、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、その遊技球は第2始動口センサ22aによって検知されるため、演出保留表示領域54Aでは、第2始動口22に入賞した遊技球の数だけ、第2特図保留に対応する演出保留画像54aが左詰めで表示された状態となる。なお、パチンコ遊技機1では、第1特図保留に対応する演出保留画像54aの表示態様と、第2特図保留に対応する演出保留画像54aの表示態様を同一としている。本実施形態では、特図(第1特図/第2特図)の種類に関わらず、箱を模した演出保留画像54a表示させている。これにより、遊技者は、演出保留画像54aの数を数えることにより、特図保留数を知ることができるが、何番目の保留画像がどちらの特図に対応する保留画像であるかを判別することはできない。
また、図5(a)~(c)に示すように、演出保留表示領域54Aの左方には、当該変動表示領域54Bが設定されている。当該変動表示領域54Bは、演出保留画像54aを当該変動画像54bとして表示するための領域である。当該変動画像54bとは、実行中の変動表示に対応する画像を指す。
以下、演出保留画像54aの推移について説明する。
図5(a)に示すように、本実施形態では、当該変動表示領域54Bに当該変動画像54bが表示されている状態で、演出保留表示領域54Aにおいて最大8個の演出保留画像54aを表示することができる。そして、当該変動画像54bに基づく図柄の変動が終了すると、新たな図柄変動が開始される。
このとき、図5(b)に示すように、最も左方に位置する演出保留画像54aが当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されるとともに、演出保留画像54aが1つずつ左方にシフトされる。
その後、当該変動画像54bに基づく図柄の変動が開始される度に演出保留画像54aが1つずつ左方にシフトされるが、仮に1度も入賞装置10又は第2始動口22に遊技球が入賞しなかったとすると、演出保留画像54aが増加することなく減少の一途を辿る。すると、最終的には、図5(c)に示すように、最後(8個目)の演出保留画像54aが当該変動表示領域54Bに移動すると、演出保留表示領域54Aには1つも演出保留画像54aが表示されていない状態となる。図5(c)は、特図保留数「0」を示している。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、図2及び図3に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図2)と、払出制御基板73(図2)と、サブ制御基板100(図3)と、画像制御基板200(図3)と、音声制御基板78(図3)と、ランプ制御基板79(図3)とを備えている。
図2に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64とを備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。大当たり乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、本発明の「遊技情報」の一例である。
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。さらに、RAM64には、変動順記憶部64dが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1誘導通路Y1を通過した(第1検知センサ11aで検知された)ことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1誘導通路Y1を通過した(第1検知センサ11aで検知された)ときは、その通過に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2誘導通路Y2を通過した(第2検知センサ11bで検知された)、又は第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2誘導通路Y2を通過した(第2検知センサ11bで検知された)とき、又は第2始動口22に入賞した(第2始動口センサ22aで検知された)ときは、その通過又は入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)される。そして、その通過又は入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。このように、特図保留記憶部64a,64bでは、次の変動表示が開始されるまで、それぞれ4個を上限として時系列順に大当たり乱数等が記憶されるようになっている。したがって、特図保留記憶部64a,64bを合わせると、最大で8個を上限として時系列順に大当たり乱数等を記憶することができる。第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bが、本発明の「保留記憶手段」の一例である。
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
変動順記憶部64dには、第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶された大当たり乱数等の記憶順を示すデータが記憶される。変動順記憶部64dは、8個の保留領域(第1~第8保留領域)と1個の実行領域と、で構成され、各領域には、第1特図であることを示すデータ、又は第2特図であることを示すデータが
記憶されるようになっている。具体的には、遊技球が第1検知センサ11a、第2検知センサ11b、又は第2始動口センサ22aで検知されると、前述した8個の保留領域のうち最も番号が小さく、かつ空いている保留領域に、検知されたセンサと対応する特図を示すデータが記憶される。また、8個の保留領域において、番号の小さい保留領域から順にデータが記憶されることで、特図の種類(第1特図/第2特図)だけでなく入賞順も特定可能である。
そして、大当たり判定が実行される場合、最も番号の小さい保留領域に記憶されたデータが、実行領域へシフトされることに伴い、番号の大きい保留領域に記憶されたデータが、番号が小さい保留領域側へ1つずつシフトされる。この実行領域にシフトされたデータより、これから開始される大当たり判定が、第1特図大当たり判定であるのか第2特図大当たり判定であるのかを判別することが可能となる。
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1検知センサ11aと、第2検知センサ11bと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aとが電気的に接続されている。同様に、主制御基板60には、中継基板74を介して大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
第1検知センサ11aは、第1誘導通路Y1の途中に設けられており、遊技球が第1誘導通路Y1を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2検知センサ11bは、第2誘導通路Y2の途中に設けられており、遊技球が第2誘導通路Y2を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払い出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払い出し可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払い出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払い出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、払出制御基板73、及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図3に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120とを備えている。また、サブ制御基板100は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123と、変動順演出記憶部124と、が設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンド等を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1誘導通路Y1を通過したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領
域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2誘導通路Y2を通過したこと、又は第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。
変動順演出記憶部124には、第1特図保留演出記憶部121及び第2特図保留演出記憶部122の各記憶領域に記憶された始動入賞コマンドの記憶順を示すデータが記憶される。変動順演出記憶部124は、8個の保留領域(第1~第8保留領域)と1個の実行領域と、で構成され、各領域には、第1始動入賞コマンドを示すデータ、又は第2始動入賞コマンドを示すデータが記憶される。具体的には、主制御基板60から第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを入力すると、前述した8個の保留領域のうち最も番号が小さく、かつ空いている保留領域に、入力した始動入賞コマンドが、第1始動入賞コマンドであるのか第2始動入賞コマンドであるのかを示すデータが記憶される。また、8個の保留領域において、番号の小さい保留領域から順にデータが記憶されることで、始動入賞コマンドの種類だけでなく入賞順も特定可能である。
そして、始動入賞コマンドの解析タイミングに到達すると、最も番号の小さい保留領域に記憶されたデータが、実行領域へシフトされることに伴い、番号の大きい保留領域に記憶されたデータが、番号が小さい保留領域側へ1つずつシフトされる。この実行領域にシフトされたデータより、これから解析される始動入賞コマンドが、第1始動入賞コマンドであるのか第2始動入賞コマンドであるのかを判別することが可能となる。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203とが実装されている。さらに、画像制御基板200には、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各
ランプの発光制御を行う。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1の特別図柄表示器及び普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。また、電サポ制御が行われている状態を「高ベース状態」といい、電サポ制御が行われていない状態を「低ベース状態」という。なお、「高ベース状態」は、所謂、電サポ制御が実行されている状態であるため、「高ベース状態」を「電サポ制御状態」や「入球容易状態」ということがある。一方、「低ベース状態」を「非電サポ制御状態」や「非入球容易状態」ということがある。また、「高ベース状態」は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器53の確率変動機能、変動時間短縮機能、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能、開放回数増加機能のうち1つ以上の機能が作動することによって、その機能が作動していないときよりも普通可変入賞装置20が
開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるものであってもよい。
パチンコ遊技機1では、後述する確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。本実施形態においてこの遊技状態は、次回大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されるまで継続する。「大当たり遊技」は、大当たり判定で大当たりと判定された場合に、確定表示された特図の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンで大入賞口32を開放させるものである。
また、パチンコ遊技機1では、後述する通常大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。この遊技状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」である。以下、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「高確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「低確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」を「低確低ベース状態」又は「通常遊技状態」という。
「高確高ベース状態」や「低確高ベース状態」のような「高ベース状態」では、電サポ制御によって普通可変入賞装置20が開放され易くなっており、入賞装置10の入球口11よりも第2始動口22の方が入賞し易い。このため、右打ちにより右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射させた方が遊技を有利に進行することができる。
一方、「低確低ベース状態」のような「低ベース状態」では、電サポ制御が実行されず、普通可変入賞装置20が開放され難いため、第2始動口22よりも入賞装置10の入球口11の方が入賞し易い。このため、左打ちにより左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射させた方が、遊技が進行し易い。この場合、「低ベース状態」であるが、第2検知センサ11bで遊技球が検知されるケースが発生することになる。
[大当たり判定テーブル]
図6に示す大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルT1は、遊技状態と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態では、大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
大当たり判定テーブルT1には、通常確率状態時における大当たり乱数値として、0~164の計165個の大当たり乱数が対応付けられている。遊技制御用マイコン61は、通常確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~164の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~164以外であった場合は、大当たりではない、つまり、「ハズレ」と判定する。
また、大当たり判定テーブルT1には、高確率状態時における大当たり乱数値として、
0~649の計650個の大当たり乱数が対応付けられている。遊技制御用マイコン61は、高確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~649の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~649以外であった場合は、大当たりではない、つまり、「ハズレ」と判定する。このように、高確率状態では、通常確率状態のときよりも多くの大当たり乱数が設定されており、通常確率状態のときよりも大当たりと判定される確率が高くなっている。なお、本実施形態の大当たり判定テーブルT1は、第1特図の抽選と第2特図の抽選で共通としているが、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)に応じてテーブルを分けて設定してもよい。
[大当たり種別判定テーブル]
図7に示す大当たり種別判定テーブルT2は、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルT2は、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)に応じ、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)をそれぞれ対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~9の計10個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~9の計10個の大当たり種別乱数を発生する。
パチンコ遊技機1では、第1特図の抽選で大当たりと判定されたときに決定される大当たり図柄として、「大当たり図柄A」「大当たり図柄B」が設定されている。また、第2特図の抽選で大当たりと判定されたときに決定される大当たり図柄として、「大当たり図柄a」「大当たり図柄b」が設定されている。
各大当たり図柄に基づく大当たり遊技は、初回のラウンド遊技が開始される前に実行されるオープニングと、複数回のラウンド遊技と、最終回のラウンド遊技が終了した後に実行されるエンディングと、を含む。各ラウンド遊技は、大入賞口32に入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(この例では10球)に達するか、所定の開放時間(この例では30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立すると終了する(大入賞口32が閉鎖される)。ラウンド遊技終了後、所定のインターバル時間が経過すると、次のラウンド遊技が開始される。
「大当たり図柄A」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「7」とする「確変大当たり」である。以下の説明では、当該確変大当たりを「7R確変大当たり」と示す場合がある。「大当たり図柄A」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「高確率状態」とされる。「大当たり図柄B」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「7」とする「通常大当たり」である。以下の説明では、当該通常大当たりを「7R通常大当たり」と示す場合がある。「大当たり図柄B」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「通常確率状態」とされる。
「大当たり図柄a」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「10」とする「確変大当たり」である。以下の説明では、当該確変大当たりを「10R確変大当たり」と示す場合がある。「大当たり図柄a」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「高確率状態」とされる。「大当たり図柄b」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「10」とする「通常大当
たり」である。以下の説明では、当該通常大当たりを「10R通常大当たり」と示す場合がある。「大当たり図柄b」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「通常確率状態」とされる。
また、第1特図の抽選では、取得した大当たり種別乱数が0~4の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄A」が、5~9の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄B」が、それぞれ選択される。一方、第2特図の抽選では、取得した大当たり種別乱数が0~4の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄a」が、5~9の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄b」が、それぞれ選択される。
なお、本実施形態では、いずれの大当たり種別に当選した場合であっても、大当たり遊技終了後には、電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。ただし、大当たり確率を「高確率状態」とすることに伴って制御される電サポ制御状態は、次回、大当たり判定で大当たりと判定されるまで継続される(図中「次回まで」と示す)。一方、大当たり確率を「通常確率状態」とすることに伴って制御される電サポ制御状態は、その上限回数が「100回」とされる。当該上限回数を超えると、「低確低ベース状態」となる。「電サポ制御状態の上限回数」とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限回数を指す。なお、大当たりの種類、ラウンド遊技数、電サポ制御が行われる上限回数等は、遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
[リーチ判定テーブル]
図8に示すリーチ判定テーブルT3は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルT3は、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。
[特図変動パターン選択テーブル]
図9に示す特図変動パターン選択テーブルT4は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT4は、遊技状態と、判定(大当たり判定及びリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数値(変動パターン判定値)と、特図変動パターンと、変動時間と、を対応付けて構成されている。大当たり種別について対応付けてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT4に示す「変動演出パターン」は、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7等で行われる演出内容を特定する変動演出パターン(サブ制御基板100側で決定)を指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~49の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が50~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP3が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間は75,000msであり、特図変動パターンP3の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP1,P2には、SP(スーパー)リーチ演出を実行させる変動演出パターンが対応付けられている。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。スーパーリーチ演出は、通常変動とノーマルリーチ演出を経て発展的にリーチ演出が実行される演出であり、ノーマルリーチ演出よりもリーチ後の変動時間が長い。また、大当たり期待度がノーマルリーチ演出よりも高くなるよう、当該テーブルにおいて乱数値が振り分けられている。ノーマルリーチ演出は、複数列で変動する演出図柄のうち所定列の演出図柄が一旦停止してリーチを形成した後、当該リーチを形成する演出図柄が一旦停止した状態で、残り1つの演出図柄が変動する演出である。また、ノーマルリーチ演出は、リーチ形成後に大当たりとなる可能性があることを示唆する演出でもある。ただし、ノーマルリーチ演出の大当たり期待度がスーパーリーチ演出よりも低くなるよう、当該テーブルにおいて乱数値が振り分けられている。
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~2の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP4が選択される。また、取得した変動パターン乱数が3~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。特図変動パターンP4の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP5の変動時間は75,000msであり、特図変動パターンP6の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP4,P5には、SPリーチ演出を実行させる変動演出パターンが対応付けられている。特図変動パターンP6に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定で
リーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP7の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP8の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP7,P8に対応する変動演出パターンに
は、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定で大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP9が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は50,000msであり、特図変動パターンP10の変動時間は20,000msである。特図変動パターンP9に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP10には、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP11が選択される。また、取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP12が選択される。特図変動パターンP11の変動時間は50,000msであり、特図変動パターンP12の変動時間は20,000msである。特図変動パターンP11には、SPリーチ演出を実行させる変動演出パターンが対応付けられている。特図変動パターンP12に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP13が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP14が選択される。特図変動パターンP13の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP
14の変動時間は2,500msである。特図変動パターンP13,P14に対応する変動演出
パターンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。なお、この特図変動パターン選択テーブルT4は、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。また、図9に示す特図変動パターンの種類や変動時間は一例であり、この例に限られない。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図10に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセ
ット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更
新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に到達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図11に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1検知センサ11a、第2検知センサ11b、第2始動口センサ22a、大入賞口センサ32a、ゲートセンサ12a等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図10のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、その他の処理(S19)を実行して、本処理を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づ
いて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理(図10)のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(センサ検出処理)
次に、図12に従って、センサ検出処理(S15)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S20)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S20:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S21の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S20:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1誘導通路Y1を通過したか否かを判定する(S22)。遊技球が第1誘導通路Y1を通過したことは第1検知センサ11aによって検出される。遊技球が第1誘導通路Y1を通過したと判定した場合(S22:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S23)。第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合(S23:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S24)。これにより、第1特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。また、この制御とは別に、遊技制御用マイコン61は、変動順記憶部64dにおいて、8個の保留領域のうち最も番号が小さく、かつ空いている保留領域に、第1特図であることを示すデータを記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S25において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1誘導通路Y1を通過したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
S27の終了後、遊技球が第1誘導通路Y1を通過していないと判定した場合(S22:No)、又は第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合(S23:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2誘導通路Y2を通過したか否か、又は第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S28)。遊技球が第2誘導通路Y2を通過したことは第2検知センサ11bによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞し
たことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2誘導通路Y2を通過したか、又は第2始動口22に入賞したと判定した場合(S28:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S29)。第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合(S29:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S30)。これにより、第2特別図柄の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。また、この制御とは別に、遊技制御用マイコン61は、変動順記憶部64dにおいて、8個の保留領域のうち最も番号が小さく、かつ空いている保留領域に、第2特図であることを示すデータを記憶する。また、以下の説明では、特図関係乱数取得処理で取得され、保留数に応じて何れかの記憶領域に格納された各乱数(大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を、「保留情報」と示す場合がある。
なお、前述したように、RAM64の変動順記憶部64dには、第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶された大当たり乱数等の記憶順を示すデータが記憶されるようになっている。これにより、遊技制御用マイコン61は、各保留情報の取得順序を把握することができる。なお、本実施形態では、変動順記憶部64dを設け、当該記憶部において大当たり乱数等の取得順を把握していたが、遊技制御用マイコン61が、大当たり乱数等の取得順序を把握することができれば、変動順記憶部64dを設けなくてもよい。例えば、特図保留記憶部64a,64bに保留情報を記憶させる際に、その記憶順序を示すデータも合わせて記憶するようにしてもよい。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S31において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2誘導通路Y2を通過したこと、又は第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S31において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。S33の終了後、遊技球が第2誘導通路Y2を通過していない、又は第2始動口22に入賞していないと判定した場合(S28:No)、又は第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合(S29:Yes)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。遊技制御用マイコン61、及び遊技制御用マイコン61が実行するS25,S31の処理が、本発明の「遊技情報取得手段」の一例である。
このように、本実施形態では、第1検知センサ11a又は第2検知センサ11bで遊技球が検知された場合に保留球として記憶されるようになっており、かつ入球口11に入球すると、必ず第1誘導通路Y1又は第2誘導通路Y2に振り分けられるようになっている。これにより、本実施形態の入球口11は、本発明の「始動口」に相当する。また、第1誘導通路Y1又は第2誘導通路Y2を遊技球が通過すると保留球として記憶されるようになっているので、本実施形態の第1誘導通路Y1及び第2誘導通路Y2は、本発明の「始動口」であるとも表現することができる。
(普通動作処理)
次に、普通動作処理(S16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作等の処理を行う。
(特別図柄待機処理)
次に、図13に従って、特別図柄待機処理(S17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第1特図保留記憶部64a又は第2特図保留記憶部64bにおける各記憶領域のいずれかに、保留情報が記憶されているか否かを判定する(S40)。
第1特図保留記憶部64a又は第2特図保留記憶部64bにおける各記憶領域のうち何れの記憶領域にも保留情報が記憶されていないと判定した場合(S40:No)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中であるか否かを判定する(S52)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中であると判定した場合(S52:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了し、待機状態中ではないと判定した場合(S52:No)、待機画面設定処理を実行する(S53)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間(前述の一定時間に相当)の経過を待って、客待ち用のデモ画面である待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は本処理を終了する。なお、遊技制御用マイコン61は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって待機状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
一方、第1特図保留記憶部64a又は第2特図保留記憶部64bにおける各記憶領域のいずれかに、保留情報が記憶されていると判定した場合(S40:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時間的に最も古い保留情報が、第1特図の保留情報であるか否かを判定する(S41)。前述したように、遊技制御用マイコン61は、保留情報を特図保留記憶部に記憶させる場合、その記憶順序も合わせて記憶するようになっている。これにより、遊技制御用マイコン61は、時間的に最も古い保留情報が、第1特図の保留情報であるか第2特図の保留情報であるかを判別できるようになっている。
時間的に最も古い保留情報が第1特図の保留情報であると判定した場合(S41:Yes)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(図14)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(図15,図16)を実行する(S43)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S44)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S45)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S46)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。また、この制御とは別に、遊技制御用マイコン61は、変動順記憶部64dにおいて、番号の大きい保留領域に記憶したデータを、番号が小さい保留領域側へシフトする。
この第1特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(図14)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図15,図16)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。S46の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
一方、時間的に最も古い保留情報が第1特図の保留情報ではないと判定した場合(S41:No)、時間的に最も古い保留情報は第2特図の保留情報であるということになる。この場合、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(図14)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(図15,図16)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S49)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。また、この制御とは別に、遊技制御用マイコン61は、変動順記憶部64dにおいて、番号の大きい保留領域に記憶したデータを、番号が小さい保留領域側へシフトする。
この第2特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図14)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図15,図16)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。S51の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特図の変動表示と第2特図保留に基づく第2特図の変動表示に関し、特図の種類(第1特図/第2特図)に優先順序はなく、保留情報を取得した順番で特図保留が消化されるようになっている。
(第1特図大当たり判定処理(第2特図大当たり判定処理))
次に、図14に従って、第1特図大当たり判定処理(S42)及び第2特図大当たり判定処理(S47)の内容について説明する。なお、第1特図大当たり判定処理(S42)と第2特図大当たり判定処理(S47)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S60)、大当たり判定テーブル(この例では大当たり判定テーブルT1)を参照する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONであるか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S62)。確変フラグは、いずれかの確変大当たりに当選したときにONにされ、いずれかの通常大当たりに当選したときにOFFにされる。ここで、確変フラグがONではない、つまり、通常確率状態であると判定した場合(S62:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当
否判定を行う(S63)。
一方、S62において確変フラグがONである、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S62:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S64)。
S63で大当たりと判定した場合(S63:Yes)又はS64で大当たりと判定した場合(S64:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2)を参照して大当たりの種別を判定する(S65)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S66)。S63で大当たりと判定しなかった場合(S63:No)、S66の終了後、又はS64で大当たりと判定しなかった場合(S64:No)、遊技制御用マイコン61は、S67に移行する。大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S65で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし、本処理を終了する。また、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし、本処理を終了する。
本実施形態では、「大当たり遊技」が、本発明の「特典」の一例であり、「取得した大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する」ことが、「特典を付与するか否かの判断」の一例である。そして、遊技制御用マイコン61、及び遊技制御用マイコン61が実行するS63,S64が、本発明の「特典付与判断手段」の一例である。
(第1特図変動パターン選択処理(第2特図変動パターン選択処理))
次に、図15及び図16に従って、第1特図変動パターン選択処理(S43)及び第2特図変動パターン選択処理(S48)の内容について説明する。なお、第1特図変動パターン選択処理(S43)と第2特図変動パターン選択処理(S48)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定する(S70)。時短状態中であるか否かは、時短状態中であるか否かを特定可能な情報(時短フラグ)がONである否かによって判定することができる。時短フラグは、時短状態に制御されるときにONにされる一方、時短状態が終了するときにOFFにされる。
時短フラグがONではない、つまり、時短状態中ではないと判定した場合(S70:No)、遊技制御用マイコン61は、S71に移行する。一方、時短フラグがONである、つまり、時短状態中であると判定した場合(S70:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S77に移行する。S71又はS77に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S71,S77)。大当たりフラグがONであると判定した場合(S71,S77:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブル(この例では特図変動パターン選択テーブルT4)を参照して特図変動パターンを選択する(S72,S78)。例えば、非時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。同様に、時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変
動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
また、S71又はS77において大当たりフラグがONではない、つまり、ハズレと判定した場合(S71,S77:No)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S73,S79)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブル(この例ではリーチ判定テーブルT3)のうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S73:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数がリーチ判定テーブルのうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S79:Yes)。
その後、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S74)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S80)。
また、S73又はS79においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S73,S79:No)、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S75)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S81)。
S72,S74,S75,S78,S80,S81の終了後、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S76)、本処理を終了する。S76において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS46,S51においてセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(特別図柄変動処理)
次に、図17に従って、特別図柄変動処理(S18)の内容について説明する。なお、第1特図の特別図柄変動処理と第2特図の特別図柄変動処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(S43,S48で選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間)が終了したか否かを判定する(S90)。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための特図用の変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、特図大当たり判定処理でセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄又は特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する(S93)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、時短フラグがONになっているか否か判定し、ONに
なっていると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算し、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終了する。なお、パチンコ遊技機1では、確変大当たりに当選した場合、次回大当たりに当選するまで高確率状態が継続されるため、遊技状態管理処理として、確変フラグをOFFにしたり、確変状態中における特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタを設ける必要はない。
その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S94)、ONであると判定した場合(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。一方、大当たりフラグがOFFであると判定した場合(S94:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニングが終了すると、特別電動役物処理を実行する(S98)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理において、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで大入賞口32を開閉させる。そして、ラウンド遊技中、大入賞口32が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は、開閉部材31の閉動作により大入賞口32を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、大入賞口32の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングを実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。大当たりエンディングの終了により大当たり遊技が終了すると、その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFとする。
S98の終了後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態設定処理(S99)を実行する。遊技状態設定処理において遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別として通常大当たり(実施形態の例では「大当たり図柄B」又は「大当たり図柄b」で特定される大当たり種別)を決定している場合、時短フラグをONにし、時短カウンタに大当たり種別に応じた回数(実施形態の例では100)をセットする。遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、本処理を終了する。遊技状態
指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)に関する情報が含まれている。一方、大当たりの種別として確変大当たり(実施形態の例では「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄a」で特定される大当たり種別)を決定している場合、遊技制御用マイコン61は、確変フラグ及び時短フラグをONにする。なお、本実施例における確変大当たりでは、大当たり遊技終了後、次回大当たりに当選するまで時短状態に制御されるため、時短回数として時短カウンタに特定の値をセットしなくてもよい。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、遊技状態設定処理を終了する。
(サブ側主制御処理)
次に、図18に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S100)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer
Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ
等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S101)、否定判定した場合(S101:No)、RAM120を初期化し(S102)、S103に進む。また、S101において肯定判定した場合(S101:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS103に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S101:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S101:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS100~S102は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S103)、乱数更新処理を実行する(S104)。この乱数更新処理では、種々の演出選択乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出選択乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S105)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S106)。以降、S103~S106を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S107)、1msタイマ割込処理(S108)及び10msタイマ割込処理(S109)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S107)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込
処理(S108,S109)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図19に従って、1msタイマ割込処理(S108)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S110)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ9aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S111)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理(図22)においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S123)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S124)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S112)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理(図22)においてRAM120の出力バッファにセットされ、S111において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S112:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S113)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S114)。S114の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S112:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図20に従って、10msタイマ割込処理(S109)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図21)を実行し(S120)、スイッチ状態取得処理を実行する(S121)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S110)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S122)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S123)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S124)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S125)、本処理を終了する。その他の処理(S125)では、演出選択乱数である変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図21に従って、受信コマンド解析処理(S120)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S130)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S130:Yes)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S131)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグなど)を示す情報等が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態を特定し、特定した遊技状態を記憶する。例えば、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている時短演出カウンタの値などが更新される。具体的には、時短状態で行われる特別図柄の残り変動回数が時短演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも時短回数等の情報を保持することができる。
S131の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S130:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S132)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S132:Yes)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を実行する(S133)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S133の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S132:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S134)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S134:Yes)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行する(S135)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S135の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S134:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンド
を受信したか否かを判定する(S136)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S136:Yes)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S137)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S137の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S136:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定する(S138)。始動入賞コマンドを受信したと判定した場合(S138:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する先読み演出判定処理(図23)を実行する(S139)。先読み演出判定処理は、先読み演出を実行するか否か、及び先読み演出の演出内容を定めた予告パターンを決定する処理である。先読み演出判定処理の詳細については後述する。S139の実行後、又は始動入賞コマンドを受信したと判定していない場合(S138:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S140)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S139:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出開始処理(図22)を実行する(S141)。
S141の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S140:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S142)。主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S142:Yes)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S143)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S105)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを所定の停止パターンを経て確定表示させる。
S143の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S142:No)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S144)、本処理を終了する。その他の処理(S144)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普図用の変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
(変動演出開始処理)
次に、図22に従って、変動演出開始処理(S141)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図用の変動開始コマンドを解析する(S150)。特図用の変動開始コマンドには、特図変動パターン選択処理でセットされた特図変動パターンの情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S150において解析した特図用の変動開始コマンドが第1特図用の変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図用の変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S151
)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部121,122に記憶されている始動入賞コマンド、後述する先読み大当たりフラグ、後述する先読みリーチフラグ等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S152)。また、この制御とは別に、演出制御用マイコン101は、変動順演出記憶部124において、番号の大きい保留領域に記憶したデータを、番号が小さい保留領域側へシフトする。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S153)。その後、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S154)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて変動演出パターンや各種予告演出の演出内容を定めた予告演出パターン等を決定する。
続いて、演出制御用マイコン101は、S154で選択した演出内容の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S155)。変動演出開始コマンドには、演出内容の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(図19のS111)において、演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、変動演出開始処理を終了する。
(先読み演出について)
以下、図27及び図28を参照し、本実施形態の特徴である先読み演出(本発明の「事前示唆演出」に相当)について説明する。
パチンコ遊技機1では、先読み演出判定処理(図21のS139)の判定結果に基づき、先読み演出が行われる。先読み演出とは、特図保留の消化に伴って実行される大当たり判定の結果を事前に示唆する演出である。前述したように、特別図柄表示器51,52及び演出表示装置7では、変動中の図柄を確定表示させることによって大当たり判定の結果が報知されるため、先読み演出によって特別図柄表示器51,52又は演出表示装置7の表示内容(大当たりか否か/リーチありか否か)を事前に示唆しているとも表現することができる。
なお、パチンコ遊技機1では、演出保留画像54aの表示態様を変化させる態様で先読み演出が実行される。具体的には、大当たりと判定される特図保留、又はハズレと判定されるが大当たり期待度の高いリーチ演出(以下、「SPリーチハズレ」と示す)と判定される特図保留が存在する場合、これらの特図保留に対応する演出保留画像54aの表示態様を変化させる態様で先読み演出が実行される。以下、前述した態様で実行される先読み演出を「保留変化演出(本発明の「表示態様変化演出」に相当)」と示す。また、本実施形態では、「大当たり」と判定される特図保留が、本発明の「特典を付与すると判断される保留」の一例である。同様に、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が、本発明の「特典付与の期待度が高い演出を実行させると判断される保留」の一例である。
パチンコ遊技機1では、低確低ベース状態時に保留変化演出を実行可能としている。加えて、保留変化演出は、単に大当たり又はSPリーチハズレと判定される特図保留が存在
することのみを条件として実行されるのではなく、最大保留記憶個数「8」まで特図保留が記憶されている場合に実行条件が成立する。そして、大当たり又はSPリーチハズレと判定される特図保留の位置に応じて異なる確率で、保留変化演出を実行させるか否かの実行抽選を行い、該抽選において「実行」を決定した場合に保留変化演出を実行させるようになっている。
保留変化演出の実行が決定された場合、演出表示装置7では、演出保留表示領域54Aにおいて8個目の特図保留に対応する演出保留画像54aが表示されたタイミングで、キャラクタ画像KGが、当該変動表示領域54Bに表示される(例えば、図27(b)参照)。そして、演出保留表示領域54Aに表示された8個の演出保留画像54aのうち、保留変化演出の実行契機となった特図保留(大当たり又はSPリーチハズレと判定される特図保留)に対応する演出保留画像54aを特定できるような態様で表示演出が行われる。この例では、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aの上方に矢印画像YGを表示させている。
その後、実行中の図柄変動が終了すると、最も左方に位置する演出保留画像54aが当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されるとともに、演出保留画像54aが1つずつ左方にシフトされる(図27(d)参照)。このとき、矢印画像YGも、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aと同じタイミングで1つ左にシフトされる(図27(d)参照)。
また、図27(d)に示すように、図柄の変動開始に伴って、箱を模した当該変動画像54bが開封されるような態様で表示演出が行われるが、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応しない当該変動画像54bが表示されている場合には、箱の中から何も飛び出てこない。一方、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する当該変動画像54bが表示されている場合には、箱の中からアイテムが飛び出るようになっている(図27(g)参照)。このアイテムは、アイテムの種類毎に大当たり期待度が異なっているため、当該変動画像54bから飛び出したアイテムの違いによって大当たり期待度が異なることになる。また、8個目の特図保留に対応する演出保留画像54aが表示されたタイミングで表示されたキャラクタ画像KGは、保留変化演出が終了するまでの間、表示される。つまり、保留変化演出は、キャラクタ画像KGの表示が開始されてからキャラクタ画像KGの表示が終了するまでの期間において実行可能である。そして、本実施形態では、保留変化演出の実行が決定されるとキャラクタ画像KGが表示されるため、キャラクタ画像KGの表示演出も事前示唆演出の一種である。つまり、キャラクタ画像KGが表示されることにより、保留変化演出が開始されることが遊技者に報知されるからである。また、「キャラクタ画像KGを表示させる表示演出」が、本発明の「先行事前示唆演出」の一例となる。また、このような演出態様より、「キャラクタ画像KGを表示させる表示演出」と「保留変化演出」を合わせたものが、本発明の先読み演出であるとも表現することができる。
(先読み演出判定処理)
次に、図23に従って、先読み演出判定処理(図21のS139)について説明する。なお、第1始動入賞コマンドに基づく先読み演出判定処理と、第2始動入賞コマンドに基づく先読み演出判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
まず、演出制御用マイコン101は、RAM120の受信バッファに格納されている第1始動入賞コマンド(又は第2始動入賞コマンド)をRAM120の第1特図保留演出記憶部121(又は第2特図保留演出記憶部122)に記憶する(S160)。なお、受信した第1始動入賞コマンドは、第1特図保留演出記憶部121の第1乃至第4記憶領域のうち、当該第1始動入賞コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶さ
れる。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で第1始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
また、この制御とは別に、演出制御用マイコン101は、変動順演出記憶部124において、8個の保留領域のうち最も番号が小さく、かつ空いている保留領域から順に、特図保留の記憶順に対応した順で、第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを示すデータを記憶する。これにより、演出制御用マイコン101は、各始動入賞コマンドの取得順序を把握することができる。なお、本実施形態では、変動順演出記憶部124を設け、当該記憶部において始動入賞コマンドの取得順を把握していたが、演出制御用マイコン101が、始動入賞コマンドの取得順序を把握することができれば、変動順演出記憶部124を設けなくてもよい。例えば、特図保留演出記憶部121,122に始動入賞コマンドを記憶させる際に、その記憶順序を示すデータも合わせて記憶するようにしてもよい。
次に、演出制御用マイコン101は、第1特図保留演出カウンタ(又は第2特図保留カウンタ)の値を「1」加算して更新する(S161)。前述したように、第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。このため、第1特図保留演出カウンタの値は、第1特図保留数と同期して増減する。同様に、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。このため、第2特図保留演出カウンタの値は、第2特図保留数と同期して増減する。
続いて、演出制御用マイコン101は、事前判定を行う(S162)。具体的には、演出制御用マイコン101は、事前判定として、S160で記憶した第1始動入賞コマンド(又は第2始動入賞コマンド)に含まれている大当たり乱数が、大当たり判定(図14のS63又はS64)において大当たりと判定される大当たり乱数であるか否かを判定する。前述したように、本実施形態の保留変化演出は、「低確低ベース状態」において実行されるものとしている。これにより、演出制御用マイコン101は、S162において、通常確率状態時の大当たり乱数の中に、受信した始動入賞コマンドに含まれる大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否かを判定する。つまり、パチンコ遊技機1では、特図用の変動開始コマンドを用いて行う変動演出開始処理(図21のS141)よりも先に、始動入賞コマンドを用いて行う先読み演出判定処理(図21のS139)を実行している。これにより、演出制御用マイコン101は、大当たり判定に基づく結果分析よりも前に、大当たり判定の結果等を事前に把握することが可能となる。ちなみに、サブ制御基板100のROM110には、大当たり判定テーブルT1(図6)と同一の構成とされるサブ側大当たり判定テーブルが記憶されている。これにより、演出制御用マイコン101は、サブ側大当たり判定テーブルを参照することで、通常確率状態時の大当たり乱数の中に、受信した始動入賞コマンドに含まれる大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否かを判定することができる。
さらに、演出制御用マイコン101は、事前判定(S162)において、S160で記憶した第1始動入賞コマンド(又は第2始動入賞コマンド)に含まれている変動パターン乱数が、特図変動パターン選択処理(図15のS74又は図16のS80)において、「SPリーチハズレ」と判定される変動パターン乱数であるか否かを判定する。前述したように、本実施形態の保留変化演出は、「低確低ベース状態」において実行されるものとしている。これにより、演出制御用マイコン101は、S162において、非時短状態時において「SPリーチハズレ」を特定する変動パターン乱数の中に、受信した始動入賞コマンドに含まれる変動パターン乱数と同じ乱数が存在するか否かを判定する。つまり、パチンコ遊技機1では、特図用の変動開始コマンドを用いて行う変動演出開始処理(図21のS141)よりも先に、始動入賞コマンドを用いて行う先読み演出判定処理(図21のS139)を実行している。これにより、演出制御用マイコン101は、特図変動パターン
選択処理に基づく結果分析よりも前に、選択し得る特図変動パターンの種類等を事前に把握することが可能となる。ちなみに、サブ制御基板100のROM110には、特図変動パターン選択テーブルT4(図9)と同一の構成とされるサブ側特図変動パターン選択テーブルが記憶されている。これにより、演出制御用マイコン101は、サブ側特図変動パターン選択テーブルを参照することで、非時短状態時の変動パターン乱数の中に、受信した始動入賞コマンドに含まれる変動パターン乱数乱数と同じ乱数が存在するか否かを判定することができる。
続いて、演出制御用マイコン101は、S162で行った事前判定の結果が大当たりであるか否かを判定する(S163)。事前判定の結果が大当たりであると判定した場合(S163:Yes)、演出制御用マイコン101は、大当たりと事前判定したことを示す先読み大当たりフラグ「1」を、大当たりと事前判定した大当たり乱数を含む第1始動入賞コマンド(又は第2始動入賞コマンド)が記憶されている特図保留演出記憶部121,122の記憶領域にセットする(S164)。次に、演出制御用マイコン101は、後述する予告パターン選択処理を行う(S165)。この予告パターン選択処理は、保留変化演出の演出内容を定めた予告パターンを決定するための処理である。その後、演出制御用マイコン101は、先読み演出判定処理を終了する。
一方、事前判定の結果が大当たりではないと判定した場合(S163:No)、演出制御用マイコン101は、S162で行った事前判定の結果が「SPリーチハズレ」であるか否かを判定する(S166)。事前判定の結果が「SPリーチハズレ」ではない場合(S166:No)、演出制御用マイコン101は、先読み演出判定処理を終了する。つまり、SPリーチまで発展しない特図変動パターン(例えば、特図変動パターンP6~P8)であると判定した場合、演出制御用マイコン101は、保留変化演出を実行しない。一方、事前判定の結果が「SPリーチハズレ」であると判定した場合(S166:Yes)、演出制御用マイコン101は、「SPリーチハズレ」と事前判定したことを示す先読みリーチフラグ「1」を、「SPリーチハズレ」と事前判定した変動パターン乱数を含む第1始動入賞コマンド(又は第2始動入賞コマンド)が記憶されている記憶領域にセットする(S167)。その後、演出制御用マイコン101は、予告パターン選択処理を行い(S165)、先読み演出判定処理を終了する。
(予告パターン選択処理)
次に、図24に従って、予告パターン選択処理(図23のS165)について説明する。
演出制御用マイコン101は、今回の10msec周期の割込パルスの入力によって実行した受信コマンド解析処理(図21)で解析対象となった始動入賞コマンドが、最大保留記憶個数「8」の特図保留に対応する始動入賞コマンドであるか否かを判定する(S170)。前述したように、本実施形態では、RAM120の変動順演出記憶部124において、第1特図保留演出記憶部121及び第2特図保留演出記憶部122の各記憶領域に記憶された始動入賞コマンドの記憶順を示すデータが記憶されるようになっている。これにより、演出制御用マイコン101は、変動順演出記憶部124に記憶されたデータを参照することで、今回、実行した受信コマンド解析処理(図21)で解析対象となった始動入賞コマンドが、最大保留記憶個数「8」の特図保留に対応する始動入賞コマンドであるか否かを判定することができる。ちなみに、変動順演出記憶部124に記憶されているデータを参照しなくても、最大保留記憶個数「8」の特図保留に対応する始動入賞コマンドであるか否かを判定することは可能である。例えば、第1特図保留演出記憶部121及び第2特図保留演出記憶部122の記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドの個数を数えることによっても、解析対象となった始動入賞コマンドが、最大保留記憶個数「8」の特図保留に対応する始動入賞コマンドであるか否かを判定することができる。
最大保留記憶個数「8」の特図保留に対応する始動入賞コマンドではないと判定した場合(S170:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。つまり、演出制御用マイコン101は、特図保留が最大保留記憶個数である「8個」まで記憶された場合しか、保留変化演出を実行させない。一方、最大保留記憶個数「8」の特図保留に対応する始動入賞コマンドであると判定した場合(S170:Yes)、演出制御用マイコン101は、現時点で記憶されている「8個」の特図保留の中に、「大当たり」と判定される特図保留が記憶されているか否かを判定する(S171)。例えば、演出制御用マイコン101は、第1特図保留演出記憶部121又は第2特図保留演出記憶部122における何れかの記憶領域に、「大当たり」であると事前判定したことを示す先読み大当たりフラグ「1」がセットされているか否かを判定することで、S171の判定を実行することが可能となる。
「大当たり」と判定される特図保留が記憶されていると判定した場合(S171:Yes)、演出制御用マイコン101は、S173に移行する。一方、「大当たり」と判定される特図保留が記憶されていないと判定した場合(S171:No)、演出制御用マイコン101は、現時点で記憶されている「8個」の特図保留の中に、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が記憶されているか否かを判定する(S172)。例えば、演出制御用マイコン101は、第1特図保留演出記憶部121又は第2特図保留演出記憶部122における何れかの記憶領域に、「SPリーチハズレ(この例では特図変動パターンP4,P5)であると事前判定したことを示す先読みリーチフラグ「1」がセットされているか否かを判定することで、S172の判定を実行することが可能となる。
「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が記憶されていないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。つまり、「大当たり」や「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が記憶されておらず、「ノーマルリーチ」や「リーチ無しハズレ」と判定される特図保留しか記憶されていない場合、保留変化演出が実行されない。一方、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が記憶されていると判定した場合(S172:Yes)、演出制御用マイコン101は、S173に移行する。
S173に移行した演出制御用マイコン101は、まず、演出選択乱数カウンタがカウントする予告演出乱数(0~99の計100個)の中からいずれか1つの乱数を取得する。そして、演出制御用マイコン101は、予告演出決定テーブルT5(図25)を参照し、保留変化演出の実行可否を決定する。
図25に示す予告演出決定テーブルT5は、演出制御用マイコン101が保留変化演出の実行可否を抽選により決定する際に参照するテーブルである。予告演出決定テーブルT5は、事前判定結果(始動入賞コマンドで特定される内容)と、S171又はS172を肯定判定した始動入賞コマンドが対応付けられている特図保留の位置と、予告演出乱数値(予告演出判定値)と、抽選結果と、を対応付けて構成されている。
「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が記憶されている場合、その特図保留の位置に応じて、保留変化演出の「実行可」及び「実行不可」に対する予告演出乱数の振分個数が異なる。具体的には、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が、8個の特図保留のうち1~4個目の何れかに該当する場合、取得した予告演出乱数が0~29の範囲内の値であるならば、保留変化演出の「実行可」が決定され、30~99の範囲内の値であるならば、保留変化演出の「実行不可」が決定される。一方、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が、8個の特図保留のうち5~8個目の何れかに該当する場合、取得した予告演出乱数が0~69の範囲内の値であるならば、保留変化演出の「実行可」が決定
され、70~99の範囲内の値であるならば、保留変化演出の「実行不可」が決定される。
また、「大当たり」と判定される特図保留が記憶されている場合、その特図保留の位置に関わらず、取得した予告演出乱数が0~79の範囲内の値であるならば、保留変化演出の「実行可」が決定され、80~99の範囲内の値であるならば、保留変化演出の「実行不可」が決定される。
最大保留記憶個数である「8個」の特図保留のうち、1~4個目の特図保留を「前区分」とする一方、5~8個目の特図保留を「後区分」に区分けすると、以下のように説明することができる。すなわち、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が前区分に位置する場合、保留変化演出の「実行可」よりも「実行不可」が決定される可能性が高い。つまり、いくら「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が記憶されていたとしても、その特図保留が前区分に位置する場合、保留変化演出の実行が決定され難い。一方、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が後区分に位置する場合、保留変化演出の「実行不可」よりも「実行可」が決定される可能性が高い。さらに、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が前区分に位置する場合に比して、後区分に位置する場合の方が、保留変化演出の「実行可」が決定される可能性が高い。その一方で、「大当たり」と判定される特図保留が記憶されている場合、その特図保留の位置に関わらず、保留変化演出の「実行不可」よりも「実行可」が決定される可能性が高い。これにより、「前区分」に注目した場合、その「前区分」に位置する特図保留が「SPリーチハズレ」と判定される特図保留である場合よりも、「大当たり」と判定される特図保留である場合の方が、保留変化演出の「実行可」が決定され易いということになる。つまり、最大保留記憶個数である「8個」の特図保留のうち、前区分に位置する特図保留に基づいて保留変化演出の実行が決定された場合、「SPリーチハズレ」よりも「大当たり」の可能性が高いということになる。
なお、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留よりも前に「大当たり」と判定される特図保留が記憶されていたとする。この場合、どちらの特図保留も保留変化演出の実行可否を決定する契機となり得るものであるが、本実施形態では、演出制御用マイコン101は、「大当たり」と判定される特図保留に基づいて保留変化演出の実行可否を決定するようになっている。同様に、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留よりも後ろに「大当たり」と判定される特図保留が記憶されていた場合も、演出制御用マイコン101は、「大当たり」と判定される特図保留に基づいて保留変化演出の実行可否を決定するようになっている。つまり、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が記憶されていることに基づいて保留変化演出の実行可否を決定しない。ただし、このような場合であっても、本実施形態では、「大当たり」と判定される特図保留に対応する演出保留画像54aに加え、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留に対応する演出保留画像54aの上方にも、矢印画像YGが表示されるようになっている。
そして、S173において、取得した予告演出乱数と、予告演出決定テーブルT5に対応付けられた予告演出乱数値を比較して保留変化演出の実行可否を決定した演出制御用マイコン101は、その後、S173の抽選によって保留変化演出の実行を決定したか否かを判定する(S174)。保留変化演出の実行を決定していないと判定した場合(S174:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
一方、保留変化演出の実行を決定したと判定した場合(S174:Yes)、演出制御用マイコン101は、予告パターン決定テーブルT6(図26)を参照し、当該変動画像54bから飛び出すアイテムを決定するための予告パターンを決定する(S175)。
図26に示す予告パターン決定テーブルT6は、保留変化演出の実行契機となった特図
保留を特定する演出保留画像54aが当該変動画像54bとなったときに、当該変動画像54bから飛び出すアイテムを決定する際に参照されるテーブルである。予告パターン決定テーブルT6は、事前判定結果(始動入賞コマンドで特定される内容)と、予告演出乱数値(予告演出判定値)と、アイテム(予告パターン)と、を対応付けて構成されている。
保留変化演出の実行契機となった特図保留が「SPリーチハズレ」を特定するものであった場合、取得した予告演出乱数が0~49の範囲内の値であるならば、当該変動画像54bから飛び出すアイテムとして「星(図27(g)参照)」が決定される。また、取得した予告演出乱数が50~89の範囲内の値であるならば、当該変動画像54bから飛び出すアイテムとして「犬(図示せず)」が決定される。また、取得した予告演出乱数が90~99の範囲内の値であるならば、当該変動画像54bから飛び出すアイテムとして「スマイル(図28(g)参照)」が決定される。
一方、保留変化演出の実行契機となった特図保留が「大当たり」を特定するものであった場合、取得した予告演出乱数が0~29の範囲内の値であるならば、当該変動画像54bから飛び出すアイテムとして「星(図27(g)参照)」が決定される。また、取得した予告演出乱数が30~69の範囲内の値であるならば、当該変動画像54bから飛び出すアイテムとして「犬」が決定される。また、取得した予告演出乱数が70~99の範囲内の値であるならば、当該変動画像54bから飛び出すアイテムとして「スマイル(図28(g)参照)」が決定される。
このような振り分けにより、当該変動画像54bからアイテムとして「スマイル」が飛び出す場合、大当たりの可能性が高いということになる。また、当該変動画像54bからアイテムとして「星」が飛び出す場合、「ハズレ」の可能性が高いということになる。なお、本実施形態において説明したアイテムは一例であり、ここで例示した内容に限られない。
そして、S175において、取得した予告演出乱数と、予告パターン決定テーブルT6に対応付けられた予告演出乱数値を比較して、当該変動画像54bから飛び出すアイテムを決定した演出制御用マイコン101は、その後、S175で決定したアイテムを示す予告パターンを含むとともに保留変化演出を実行させるための予告演出指示コマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S176)、本処理を終了する。出力バッファにセットされた予告演出指示コマンドは、サブ側主制御処理のS105において画像制御基板200に出力される。これにより、予告パターンに基づく保留変化演出が演出表示装置7に表示される。具体的には、予告演出指示コマンドを入力した画像制御基板200は、予告演出指示コマンドで指示される内容に従い、保留変化演出の実行契機となった演出保留画像54aの上方に矢印画像YGを表示させる。また、画像制御基板200は、予告演出指示コマンドで指示される内容に従い、8個目の演出保留画像54aを表示させると同時に、当該変動表示領域54Bにキャラクタ画像KGを表示させる。また、画像制御基板200は、予告演出指示コマンドで指示される内容に従い、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aが当該変動画像54bとして表示された場合に、当該変動画像54bの中から指定されたアイテムが飛び出るように表示させる。
ただし、実際に保留変化演出を開始させるタイミングにおける遊技状態が低確低ベース状態でなければ、演出制御用マイコン101は、保留変化演出を実行させない。遊技状態は、遊技状態フラグの値より確認可能である。また、演出制御用マイコン101は、既に保留変化演出を実行させている場合に、保留変化演出の実行を決定した場合も、新たな保留変化演出を実行させない。保留変化演出の実行中であるか否かは、例えば、実行中フラグの値を確認すること等によって判定することができる。実行中フラグは、保留変化演出
の実行状況を示すフラグであり、保留変化演出が実行されるタイミングで「1」がセットされ、保留変化演出が終了すると「0」がセットされるものである。
保留変化演出の実行可否並びに演出内容を決定し、保留変化演出を実行させる演出制御用マイコン101は、本発明の「事前示唆手段」の一例である。また、演出制御用マイコン101の指示に従って、演出表示装置7に保留変化演出を実行させる画像制御基板200も、本発明の「事前示唆手段」の一例である。
(保留変化演出の流れ)
以下、図27及び図28に従って、保留変化演出の流れについて説明する。
図27は、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が後区分(この例では6個目)に位置していることを前提とする。
図27(a)に示すように、当該変動表示領域54Bに当該変動画像54bが表示されている状態で、最大保留記憶個数である8個目の特図保留が記憶されたとする。この場合、図27(b)に示すように、演出保留表示領域54Aにおいて8個目の演出保留画像54aが表示される。そして、最大保留記憶個数「8」まで特図保留が記憶されるという条件と、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が後区分に分類される位置に記憶されているという条件の成立により、抽選によって保留変化演出の実行が決定されたとする。この場合、図27(b)に示すように、8個目の特図保留に対応する演出保留画像54aが表示されたタイミングで、キャラクタ画像KGが当該変動表示領域54Bに表示される。この演出を視認した遊技者は、保留変化演出が開始されることを認識する。さらに、演出表示装置7では、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54a(この例では左から6番目の演出保留画像54a)を特定できるよう、対象となる演出保留画像54aの上方に矢印画像YGが表示される。この演出を視認した遊技者は、6番目の特図保留が大当たりとなるかもしれないという期待を抱く。
その後、図27(c)に示すように、当該変動表示領域54Bに表示されていた当該変動画像54bに基づく図柄変動が終了する。その後、図27(d)に示すように、時間的に最も古い特図保留に基づく新たな図柄変動が開始される。この新たな図柄変動に伴い、図27(c)において最も左方に位置していた演出保留画像54aが、図27(d)において、当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されるとともに、演出保留画像54aが1つずつ左方にシフトされる。これにより、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aも、1つ左にシフトし、左から5番目の位置に表示される。なお、図27(c)において、実行中の図柄変動自体は終了したが、保留変化演出は継続しているため、図27(d)に示すように、キャラクタ画像KGは、当該変動表示領域54Bに表示された状態を維持している。また、図27(d)に示す例では、新たな変動開始に伴い、箱を模した当該変動画像54bの蓋が開く態様で保留変化演出が実行される。ただし、前提より、図27(d)で表示されている当該変動画像54bは、保留変化演出の実行契機となった特図保留と対応するものではないので、当該変動画像54bの蓋が開いたとしても、中から何もアイテムは飛び出てこない。
その後、図27(e)に示すように、当該変動表示領域54Bに表示されていた当該変動画像54bに基づく図柄変動が終了する。その後も同じように、時間的に最も古い特図保留に基づく新たな図柄変動が開始され、この新たな図柄変動に伴い、最も左方に位置していた演出保留画像54aが、当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されるとともに、演出保留画像54aが1つずつ左方にシフトされていく。ここまでの流れで消化される演出保留画像54aは、全て、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aではない。したがって、前述同様、当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されたとしても、中から何もアイテ
ムは飛び出てこないだけでなく、この態様で実行される保留変化演出が、複数回連続することになる。しかしながら、矢印画像YGが上方に表示された演出保留画像54aが後方に控えているため、この待ち時間の間も、遊技者の期待感を維持することができる。
そして、複数回の図柄変動が行われた後、図27(f)に示すように、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aが、当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されたとする。つまり、保留変化演出の実行契機となった特図保留に基づく図柄変動が開始されるとする。この演出を視認した遊技者は、矢印画像YGが表示されていた演出保留画像54aが当該変動表示領域54Bに移動したことで、これから開始される図柄変動が大当たりとなるかもしれないという期待を抱く。
そして、図27(g)に示すように、矢印画像YGが非表示状態となり、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する当該変動画像54bから、抽選で決定されたアイテム(この例では「星」)が飛び出す態様で表示される。この演出を視認した遊技者は、大当たりとなるかもしれないという期待を抱く。
その後、図27(h)に示すように、演出表示装置7では、変動演出開始コマンドで指示される内容に従ってSPリーチ演出が実行されるが、前提により、ハズレの図柄組み合わせが確定表示される。その後、残りの特図保留(この例では残り2個)に基づく図柄変動が終了するまでの間、図27(c)~(e)に示すような態様で保留変化演出が実行され、最後の特図保留に基づく図柄変動の終了を以て、保留変化演出が終了する。
このように、アイテムが飛び出る態様で保留変化演出が実行された後、未だ特図保留が残存している場合には、何らアイテムが飛び出ない態様、すなわち大当たり期待度の低い内容の保留変化演出が継続することになる。ただし、保留変化演出が開始されてから比較的早い段階でアイテムが飛び出た場合に比して、図27に示す例では、アイテムが飛び出た後、保留変化演出が終了するまでに要する図柄変動回数が少ない。このため、図27に示す例では、大当たりに期待を持ち難い単なる「消化」となりがちな特図変動であっても、終了までに要する時間が短い分、終了を待つという行為に対して苦痛を与え難い。
図28は、「大当たり」と判定される特図保留が前区分(この例では2個目)に位置していることを前提とする。
図28(a)に示すように、当該変動表示領域54Bに当該変動画像54bが表示されている状態で、最大保留記憶個数である8個目の特図保留が記憶されたとする。この場合、図28(b)に示すように、演出保留表示領域54Aにおいて8個目の演出保留画像54aが表示される。そして、最大保留記憶個数「8」まで特図保留が記憶されるという条件と、「大当たり」と判定される特図保留が記憶されているという条件の成立により、抽選によって保留変化演出の実行が決定されたとする。この場合、図28(b)に示すように、8個目の特図保留に対応する演出保留画像54aが表示されたタイミングで、キャラクタ画像KGが当該変動表示領域54Bに表示される。この演出を視認した遊技者は、保留変化演出が開始されることを認識する。さらに、演出表示装置7では、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54a(この例では左から2番目の演出保留画像54a)を特定できるよう、対象となる演出保留画像54aの上方に矢印画像YGが表示される。この演出を視認した遊技者は、2番目の特図保留が大当たりとなるかもしれないという期待を抱く。また、矢印画像YGが表示されている演出保留画像54aがあと2つ左にシフトすると当該変動表示領域54Bに移動し得るため、大当たりとなる図柄変動が開始されるまでの待ち時間があまり長くないことを認識する。
その後、図28(c)に示すように、当該変動表示領域54Bに表示されていた当該変動画像54bに基づく図柄変動が終了する。その後、図28(d)に示すように、時間的
に最も古い特図保留に基づく新たな図柄変動が開始される。この新たな図柄変動に伴い、図28(c)において最も左方に位置していた演出保留画像54aが、図28(d)において、当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されるとともに、演出保留画像54aが1つずつ左方にシフトされる。これにより、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aも、1つ左にシフトし、左から1番目の位置に表示される。また、図28(d)に示す例では、新たな変動開始に伴い、当該変動画像54bの蓋が開く態様で保留変化演出が実行される。ただし、前提より、図28(d)で表示されている当該変動画像54bは、保留変化演出の実行契機となった特図保留と対応するものではないので、当該変動画像54bの蓋が開いたとしても、中から何もアイテムは飛び出てこない。
その後、図28(e)に示すように、当該変動表示領域54Bに表示されていた当該変動画像54bに基づく図柄変動が終了する。続いて、図28(f)に示すように、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aが、当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示される。つまり、保留変化演出の実行契機となった特図保留に基づく図柄変動が開始される。この演出を視認した遊技者は、矢印画像YGが表示されていた演出保留画像54aが当該変動表示領域54Bに移動したことで、これから開始される図柄変動が大当たりとなるかもしれないという期待を抱く。また、本実施形態では、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が前区分に分類される位置に記憶されている場合、後区分に分類される位置に記憶されている場合に比して、保留変化演出の実行を決定し難い。これにより、保留変化演出が開始されてから早い段階で当該変動画像54bからアイテムが飛び出す態様の演出が実行された場合、この演出を視認した遊技者は、大当たりの可能性が高いかもしれないと期待する。
そして、図28(g)に示すように、矢印画像YGが非表示状態となり、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する当該変動画像54bから、抽選で決定されたアイテム(この例では「スマイル」)が飛び出す態様で表示される。この演出を視認した遊技者は、今までの変動では何らアイテムが飛び出さなかったが、今回の変動ではアイテムが飛び出してきたことにより、大当たりとなるかもしれないという期待を抱く。
その後、図28(h)に示すように、演出表示装置7では、変動演出開始コマンドで指示される内容に従ってリーチ演出が実行され、前提により、大当たりの図柄組み合わせが確定表示されて大当たり遊技が開始される。このとき、まだ特図保留が残存しているが、大当たりに当選したことにより、図28(h)に示す態様で大当たりの図柄組み合わせが確定表示された後、保留変化演出が継続することなく、大当たり遊技が開始される。そして、大当たり遊技が終了した後は、当選した大当たり種別に基づく遊技状態下において、残存している特図保留に基づいて図柄変動が行われる。
このように、「大当たり」と判定される特図保留に基づいて保留変化演出が実行される場合、たとえ特図保留が残存していたとしても、大当たりの図柄組み合わせが確定表示された後、保留変化演出が継続することなく、大当たり遊技が開始される。よって、「大当たり」と判定される特図保留に基づいて保留変化演出を実行させる場合、その「大当たり」と判定される特図保留の位置を考慮することなく、保留変化演出の実行を決定しても遊技者に不都合が生じない。
[実施形態の効果]
(1)実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、特別図柄表示器51,52又は演出表示装置7(報知手段)における表示内容(報知内容)を事前に示唆する先読み演出(事前示唆演出)の実行条件は、最大保留記憶個数まで特図保留が記憶されている場合に成立する。そして、「SPリーチハズレ(特典付与の期待度が高い演出)」と判定される特図
保留の位置に応じて、先読み演出の実行確率が異なることになる。従来においては、「大当たり」や「SPリーチハズレ」と判定される特図保留の位置を考慮することなく、単純に「大当たり又はSPリーチハズレと判定される保留が記憶されている」という状況のみに従って先読み演出を実行させていた。このため、せっかく最大保留記憶個数に到達するまで保留を貯めて先読み演出の実行権利を獲得したものの、保留消化の初期段階で大当たり期待度の高い先読み演出が実行されることがある。大当たり期待度の高い先読み演出が実行されたにもかかわらず、結局、はずれてしまった場合、初期段階で遊技者を失望させてしまうことになり、せっかく最大保留記憶個数に到達するまで保留を貯めて先読み演出を実行させることができたにもかかわらず、残りの保留に基づく演出に興味を持たせることができなかった。ところが、本発明によれば、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留の位置に応じて、先読み演出の実行確率が異なるため、様々な遊技状況を作り出すことができる。例えば、先読み演出の実行が決定されなかったとしても、「大当たり」と判定される特図保留が記憶されているならば、先読み演出を経ずに大当たりとなる状況を作り出すことができる。また、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が後半に記憶されており、かつ先読み演出の実行が決定された場合、先読み演出が進行するほど遊技者の期待感を高揚させることができるため、「先読み演出の開始~先読み演出の終盤」までというの比較的長い期間、遊技者の期待感を維持することができる。その結果、先読み演出に対する遊技の興趣を向上させることができる。
(2)また、最大保留記憶個数まで特図保留が記憶されている場合、当該最大保留記憶個数を前区分と後区分に区分けすることができる。そして、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が前区分に位置する場合、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が後区分に位置する場合に比して先読み演出を実行し難くなるようにした。つまり、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が記憶されていたとしても、その位置が前区分である場合には、先読み演出の実行が決定され難くなる。よって、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が前区分に位置する場合には、抽選の結果、先読み演出が実行され難くなるため、前述したような問題が生じ難い。前述したような問題とは、「せっかく最大保留記憶個数に到達するまで保留を貯めて先読み演出を実行させることができたにもかかわらず、残りの保留に基づく演出に興味を持たせることができない」という問題である。
(3)逆を言えば、最大保留記憶個数まで特図保留が記憶されており、かつ「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が後区分に位置する場合、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が前区分に位置する場合に比して、先読み演出の実行が決定され易いということになる。つまり、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が後区分に位置する場合、先読み演出の実行が決定され易く、かつ先読み演出が進行するほど大当たり期待度の高い内容で先読み演出が実行されることになる。これにより、「先読み演出の開始~先読み演出の終盤」までというの比較的長い期間、遊技者の期待感を維持することができる。
(4)また、「大当たり」と判定される特図保留が前区分に位置する場合、先読み演出を実行し易くなるようにした。同じ「前区分に特図保留が位置する」状況であっても、「ハズレ」と判定される特図保留であれば先読み演出の実行が決定され難い一方、「大当たり」と判定される特図保留であれば先読み演出の実行が決定され易いということになる。これにより、「大当たり」と判定される特図保留が存在することが、先読み演出の初期段階で報知されることになる。この場合、せっかく最大保留記憶個数に到達するまで保留を貯めて先読み演出を実行させることができたにもかかわらず、先読み演出の初期段階で結果が判明してしまうことになるが、その結果は遊技者にとって最も喜ばしい「大当たり」であるため、遊技者に不快な印象を与えることがない。
(5)また、「先読み演出」は、キャラクタ画像KGを表示させる表示演出(先行事前
示唆演出)と、「SPリーチハズレ」又は「大当たり」と判定される特図保留を示す演出保留画像54a(保留画像)の表示態様を変化させる保留変化演出(表示態様変化演出)と、で構成される。なお、キャラクタ画像KGを表示させる表示演出は、特図保留数が最大保留記憶個数に到達した時点から開始されるものである。また、保留変化演出は、キャラクタ画像KGの表示演出が開始してから終了するまでの期間に行われるものである。特図保留数が最大保留記憶個数に到達した時点からキャラクタ画像KGを表示させることで、大当たりに期待を持つことができる特図保留が存在することを、早い段階で遊技者に知らせることができる。また、保留変化演出を実行することによって、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対する具体的な大当たり期待度を遊技者に示唆することができる。このような態様で先読み演出が実行されるため、演出面で遊技者を飽きさせることがない。
(6)また、最大保留記憶個数を、第1誘導通路Y1(第1始動口)を遊技球が通過したが大当たり判定を開始させることができないときに保留される第1特図用の保留情報(遊技情報)の上限個数と、第2誘導通路Y2(第2始動口)を遊技球が通過したが大当たり判定を開始させることができないときに保留される第2特図用の保留情報(遊技情報)の上限個数と、の合算値とした。そして、第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2を、同一の流路上に配置するようにした。単純計算しても2倍量に相当するため、第1特図用の保留情報及び第2特図用の保留情報の両方をそれぞれ上限個数に到達するまで貯めることは、第1特図用の保留情報又は第2特図用の保留情報のうち何れか一方のみを上限個数に到達するまで貯めることよりも困難である。しかし、第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2が同一の流路上に位置する場合、第1始動口と第2始動口が異なる流路上に位置する場合に比して最大保留記憶数(この例では8)に到達し易くなるので、先読み演出の実行契機を獲得し易い。
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
・通常大当たりの当選によって付与される時短回数は、当選時の遊技状態に応じて変更するようにしてもよい。例えば、当選時の遊技状態が「低ベース状態」であれば、時短回数の上限を「100回」とする一方、当選時の遊技状態が「高ベース状態」であれば、時短回数の上限を「150回」としてもよい。
・最大保留記憶個数である「8個」まで特図保留が記憶されている状態において、「大当たり」又は「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が2個以上記憶されている場合、その特図保留に対応する演出保留画像54aが当該変動画像54bとして表示される度にアイテムが飛び出すようにしてもよい。例えば、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が2個以上記憶されているならば、それぞれの特図保留に対応する演出保留画像54aが当該変動画像54bとして表示される度に、アイテムが飛び出すようにしてもよい。また、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留よりも後ろに「大当たり」と判定される特図保留が記憶されている場合、それぞれの特図保留に対応する演出保留画像54aが当該変動画像54bとして表示される度に、アイテムが飛び出すようにしてもよい。なお、「大当たり」と判定される特図保留よりも後ろに「SPリーチハズレ」又は「大当たり」と判定される特図保留が記憶されている場合、1つ目の「大当たり」と判定される特図保留に基づく図柄変動が終了すると、大当たり遊技の開始に伴って保留変化演出も終了することになる。このため、その後の特図保留に対応する当該変動画像54bからアイテムが飛び出す態様で演出を実行させる必要はない。ただし、「大当たり」又は「SPリーチハズレ」と判定される特図保留に対応する演出保留画像54aを特定する表示演出(実施形態では矢印画像YGを表示する演出)は、その個数分だけ実行してもよい。
・実施形態では、8個目の特図保留に対応する演出保留画像54aが表示されたタイミングで、1種類のキャラクタ画像KGを表示させるようにしたが、大当たり種別や大当たり期待度等に応じて異なるキャラクタ画像KGが表示されるようにしてもよい。
・また、同一の流路を流下した遊技球が、第1特図用の遊技情報の取得権利を与える始動口、又は第2特図用の遊技情報の取得権利を与える始動口のうちどちらにも入賞し得る状況を作り出すことができれば、第1誘導通路Y1及び第2誘導通路Y2を含む入賞装置10を設置しなくてもよい。例えば、常時開口する第1始動口を左方に配置し、この第1始動口の右方に常時開口する第2始動口を配置し、第1始動口と第2始動口よりも上流であって、かつ第1始動口と第2始動口の中間となる位置に、遊技釘や風車を設けることで、遊技球が第1始動口又は第2始動口のいずれにも入賞し得る状況を作り出すようにしてもよい。
・実施形態では、誘導通路Yの途中に振分部材150を配設し、当該振分部材150の傾動によって遊技球が第1誘導通路Y1又は第2誘導通路Y2に振り分けられるようにした。機械的な動作を伴って遊技球を第1誘導通路Y1又は第2誘導通路Y2に振り分けることができれば、振分部材は実施形態の例に限られない。例えば、振分部材150に代えてクルーンを設置するようにしてもよい。この場合、遊技球は、第1誘導通路Y1又は第2誘導通路Y2に対し、正確に交互に振り分けられるとは限らず、何れかの誘導通路に連続して遊技球が誘導されることがある。
・「大当たり」と判定される特図保留が、特定個数目(例えば7個目)の特図保留である場合に限り、保留変化演出の実行を決定するようにしてもよい。つまり、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が、特定個数目の特図保留である場合には、保留変化演出の実行を決定しないようにしてもよい。これにより、特定個数目の特図保留に対応する演出保留画像54aを特定する演出(実施形態の例では矢印画像YGの表示)が行われた時点で、当該特図保留に基づく大当たり判定の結果が「大当たり」となることを事前に把握させることができる。
・実施形態では、矢印画像YGを表示することによって、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aを特定できるようにした。保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aを遊技者が特定することができれば、特定させるための演出態様は実施形態の例に限られない。例えば、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aを振動させるような態様としてもよい。また、実施形態では、8個目の特図保留に対応する演出保留画像54aが表示されたタイミングで、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aの上方に矢印画像YGを表示させていた。保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aが当該変動表示領域54Bに移動する前であれば、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aを特定させるための演出は、如何なるタイミングで行われてもよい。例えば、8個目の特図保留に対応する演出保留画像54aが表示されたタイミングでは行わず、演出保留画像54aが1つずつ左にシフトする動作に伴って特定の演出保留画像54aの色を徐々に変化させることで、保留変化演出の実行契機となった特図保留に対応する演出保留画像54aを特定できるようにしてもよい。
・また、先読み演出では、キャラクタ画像KGを表示させなくてもよい。つまり、先読み演出は保留変化演出のみで構成されるものとしてもよい。
・また、本発明における「事前示唆演出」は、事前示唆演出の実行契機となった特図保留に基づく図柄変動が終了するまでに完結するものであれば、その実行時期は実施形態の
時期に限定されない。つまり、実施形態のように、最大保留記憶個数である8個目の特図保留に対応する演出保留画像54aが表示されたタイミングと同時に開始されなくてもよい。
・本発明の「事前示唆演出」は、最大保留記憶個数まで特図保留が記憶されたことを契機に実行条件が成立し、かつ大当たり判定の結果を事前に示唆することができれば、その実行態様は「保留変化演出」に限られない。例えば、最大保留記憶個数まで特図保留が記憶された場合、図柄変動が行われる度に盤ランプ2aや可動体15の発光色を異ならせる態様で実行されてもよい。
・実施形態では、8個の特図保留のうち、1~4個目の特図保留を「前区分」とし、5~8個目の特図保留を「後区分」とした。「大当たり」又は「SPリーチハズレ」と判定される特図保留の位置に応じて保留変化演出の実行可否を決定することができれば、「前区分」又は「後区分」という区分けに従って保留変化演出の実行可否を決定しなくてもよい。例えば、1,2個目の特図保留を「第1ブロック」、3,4個目の特図保留を「第2ブロック」、5,6個目の特図保留を「第3ブロック」、7,8個目の特図保留を「第4ブロック」に区分けし、ブロック毎に保留変化演出の実行確率を異ならせてもよい。また、1個目の特図保留、2個目の特図保留、3個目の特図保留といったように、各特図保留毎に保留変化演出の実行確率を異ならせてもよい。また、特図保留を均等に2区分に区分けする必要はなく、例えば1~3個目の特図保留を「前区分」とし、4~8個目の特図保留を「後区分」としてもよい。
・演出表示装置7の作動保留数に関し、演出保留画像54aに加え、演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知してもよい。また、最大保留記憶個数である「8個」に到達するまでの間は、演出保留表示領域54Aにおいて演出保留画像54aを表示させることなく、演出表示装置7の周辺にあるランプ等で作動保留数を報知するようにしてもよい。そして、最大保留記憶個数である「8個」に到達する特図保留が記憶されて初めて、演出保留表示領域54Aにおいて8個の演出保留画像54aを表示させ、保留変化演出を開始させるようにしてもよい。
・実施形態では、各特図保留数の上限値を「4」としたが、「3」以下、又は「5」以上(例えば「8」)としてもよい。この場合、入賞装置10に第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2を設けなくても、第1特図保留数又は第2特図保留数のうちどちらかのみで最大保留記憶個数である「8」に到達することが可能となる。また、第1特図保留数の上限値と、第2特図保留数の上限値と、が異なる値となるようにしてもよい。
・また、保留変化演出の実行条件を、特図保留数が「4」に到達することとしてもよい。この場合も、入賞装置10に第1誘導通路Y1と第2誘導通路Y2を設けなくても、第1特図保留数又は第2特図保留数のうちどちらかのみで保留変化演出の実行条件が成立し易くなる。
・図23に示す先読み演出判定処理において、大当たりの種別も判定するようにしてもよい。そして、特定される大当たり種別の違いによって、保留変化演出の実行確率を異ならせるようにしてもよい。
・実施形態では、特図保留の位置に加え、特図保留によって特定される変動内容(大当たり又はSPリーチハズレ)の違いによっても、保留変化演出の実行確率を異ならせていた。これに代えて、特図保留によって特定される変動内容が「大当たり」又は「SPリーチハズレ」のいずれであっても、特図保留の位置のみに従って、保留変化演出の実行確率を異ならせるようにしてもよい。
・また、実施形態では、「大当たり」と判定される特図保留の位置のみに従って、保留変化演出の実行確率を異ならせるようにしてもよい。同様に、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留の位置のみに従って、保留変化演出の実行確率を異ならせるようにしてもよい。
・予告演出決定テーブルT7(図29)に示すように、「大当たり」と判定される特図保留が記憶されている位置に応じて、保留変化演出の実行確率を異ならせるようにしてもよい。例えば、実施形態では、「SPリーチハズレ」と判定される特図保留が前区分に分類される位置に記憶されている場合、保留変化演出の実行を決定し難くなるよう乱数値が振り分けられていた。これを踏まえ、アイテムが飛び出る態様の保留変化演出が早い段階で出現した場合に「大当たり」に期待を持つことができるようにしてもよい。すなわち、予告演出決定テーブルT7に示すように、「大当たり」と判定される特図保留が、8個の特図保留のうち1~4個目の何れかに該当する場合、取得した予告演出乱数が0~69の範囲内の値であるならば、保留変化演出の「実行可」が決定され、70~99の範囲内の値であるならば、保留変化演出の「実行不可」が決定されるようにしてもよい。ちなみに、アイテムが飛び出る態様の保留変化演出が後半で出現した場合に「大当たり」に期待を持つことができるよう、「大当たり」と判定される特図保留が、5~8個目の何れかに該当する場合も、「実行可」が決定される確率を高くすることが好ましい。
・上記実施形態は、非封入式パチンコ遊技機を前提として説明したが、封入式パチンコ遊技機においても実施可能である。
・大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・実施形態は、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
・上記実施形態の技術は、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
Y1 第1誘導通路(始動口、第1始動口)
Y2 第2誘導通路(始動口、第2始動口)
1 パチンコ遊技機
7 演出表示装置(報知手段)
10 入賞装置
11 入球口(始動口)
22 第2始動口(始動口)
30 大入賞装置
51 第1特別図柄表示器(報知手段)
52 第2特別図柄表示器(報知手段)
54A 演出保留表示領域
54a 演出保留画像
54B 当該変動表示領域
54b 当該変動画像
61 遊技制御用マイコン(遊技情報取得手段、特典付与判断手段)
64a 第1特図保留記憶部(保留記憶手段)
64b 第2特図保留記憶部(保留記憶手段)
101 演出制御用マイコン(事前示唆手段)
200 画像制御基板(事前示唆手段)

Claims (5)

  1. 遊技球が入球可能な始動口と、
    前記始動口への入球を契機に遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、
    前記遊技情報に基づいて特典を付与するか否かを判断する特典付与判断手段と、
    図柄の変動を用いて前記特典付与判断手段の判断結果を報知する報知手段と、
    前記遊技情報取得手段を介して取得した前記遊技情報を、前記報知手段の報知に供されるまで、所定の最大保留記憶個数を上限として時系列順に保留として記憶するとともに、前記報知手段による報知が終わった段階で最も古く記憶された保留を新たに消化する保留記憶手段と、
    記憶されている保留の消化に伴って実行される前記報知手段の報知内容を事前に示唆する事前示唆演出を実行する事前示唆手段と、を有し、
    前記事前示唆演出は、前記最大保留記憶個数まで保留が記憶されている場合に実行条件が成立するものであり、特典付与の期待度が高い演出を実行させると判断される保留の位置、及び特典を付与すると判断される保留の位置のうち少なくとも一方に応じて、前記事前示唆演出の実行確率を異ならせることを特徴とする遊技機。
  2. 前記最大保留記憶個数まで保留が記憶されている場合、当該最大保留記憶個数を前区分と後区分に区分けすることができ、
    特典付与の期待度が高い演出を実行させると判断される保留が前記前区分に位置する場合、特典付与の期待度が高い演出を実行させると判断される保留が前記後区分に位置する場合に比して前記事前示唆演出を実行し難い請求項1に記載の遊技機。
  3. 特典を付与すると判断される保留が前記前区分に位置する場合、前記事前示唆演出を実行し易い請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記事前示唆演出は、保留の数が前記最大保留記憶個数に到達した時点から開始される先行事前示唆演出と、前記先行事前示唆演出が開始してから終了するまでの期間において、特典付与の期待度が高い演出を実行させると判断される保留又は特典を付与すると判断される保留を示す保留画像の表示態様を変化させる表示態様変化演出と、で構成される請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
  5. 前記始動口は、入球を契機に第1特図用の遊技情報の取得権利を与える第1始動口と、入球を契機に第2特図用の遊技情報の取得権利を与える第2始動口と、を含み、
    前記保留記憶手段で記憶される前記遊技情報の前記最大保留記憶個数は、前記第1始動口へ遊技球が入球したが前記特典付与判断手段による判断を開始させることができないときに保留される第1特図用の遊技情報の上限個数と、前記第2始動口へ遊技球が入球したが前記特典付与判断手段による判断を開始させることができないときに保留される第2特図用の遊技情報の上限個数と、の合算値であり、
    前記第1始動口と前記第2始動口は、同一の流路上に位置する請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
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