<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図2)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図3)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(図3)と、演出ボタンランプ9c(図3)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図2)及び賞球払出装置400(図2)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図2)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
また、前面枠18のハンドル4の上側には、ガラス板5及び前面枠18を施錠する施錠装置(不図示)を操作するための鍵挿入部262が設けられている。この鍵挿入部262に所定の鍵263を挿入して所定方向、例えば、右方向に回せば、施錠装置のロック状態が解除されてガラス板5のみが開く。一方、鍵挿入部262に鍵263を挿入して所定方向に対して反対側方向、例えば、左方向に回せば、施錠装置のロック状態が解除されてガラス板5及び前面枠18が一体的に開く。
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図3では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図2)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、遊技領域3の下方に配置してもよい。
大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。第1始動口11及び第2始動口22が、本発明の始動口の一例である。
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄の組み合わせを大当たり演出図柄の組み合わせといい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄の組み合わせをハズレ演出図柄の組み合わせという。大当たり演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。
演出図柄変動パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、図2及び図3に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1の後側には、設定変更スイッチ260が設けられており、パチンコ遊技機1の表側からは設定変更スイッチ260が操作不能とされている。このため、前述したように、パチンコ遊技機1では、鍵挿入部262に鍵263を挿入して左方向に回してガラス板5及び前面枠18を開いた後でなければ、パチンコ遊技機1の後側に位置する設定変更スイッチ260を操作することができない。なお、鍵挿入部262に挿入される鍵263は、遊技ホールの管理者(以下、管理者等という)によって保管管理され、管理者等によってガラス板5及び前面枠18が一体的に開かれる。このため、遊技者が、ガラス板5及び前面枠18を一体的に開くこと、及び設定変更スイッチ260を操作することは困難とされている。
設定変更スイッチ260は、パチンコ遊技機1のスペックの一例である大当たり確率の設定変更に用いられる設定値を変更するためのスイッチである。詳細は後述するが、設定値は1~6の何れかの値であり、それぞれ大当たり確率が異なっている。設定値の数字が大きいほど大当たり確率が高く設定されている。つまり、設定1の場合に大当たり確率が最も低くなり、設定6の場合に大当たり確率が最も高くなる。本実施形態における設定値は一例であり、設定値の種類は7種類以上であっても、5種類以下であってもよい。また、パチンコ遊技機1の後側に設定値を表示する専用の表示器を設け、該表示器に設定値を表示させるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1の設定変更スイッチ260は、スイッチのON/OFFにより設定を選択するディップスイッチを設定値毎に設けた構成を採用している。なお、設定変更スイッチ260は、設定値を切り替えることができるのであれば、いずれの構成であってもよい。例えば、摘まみを備えたロータリースイッチでもよいし、摘まみの代わりにドライバの先端を挿入する凹部を形成し、その凹部に挿入したドライバによって回動部を回動させる構成でもよい。
また、パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図2)と、払出制御基板73(図2)と、サブ制御基板100(図3)と、画像制御基板200(図3)と、音声制御基板78(図3)と、ランプ制御基板79(図3)とを備えている。
図2に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。RAMクリアスイッチ66が押下された状態でパチンコ遊技機1を起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120が初期化される。また、RAMクリアスイッチ66は、設定変更スイッチ260同様、パチンコ遊技機1の後側から押下可能となっている。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
さらに、主制御基板60には、図示しない検出回路を介して設定変更スイッチ260が電気的に接続されている。設定変更スイッチ260により変更された設定値は、検出回路によって検出され、その検出された検出信号は、検出回路から遊技制御用マイコン61へ出力される。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図3に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンド等を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。変動演出パターンとは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7で行われる演出内容を特定するパターンである。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1の特別図柄表示器及び普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。また、電サポ制御が行われている状態を「高ベース状態」といい、電サポ制御が行われていない状態(非電サポ状態)を「低ベース状態」という。
パチンコ遊技機1では、後述する確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」である。この遊技状態は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより一旦終了し、当選した大当たりが再度確変大当たりである場合には高確率状態が再度開始されることとなる。
また、通常大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」である。この遊技状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。
[大当たり判定テーブル]
大当たり判定テーブルは、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルは、遊技状態と大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。ROM63には、設定値毎に大当たり確率が異なるよう大当たり乱数が対応付けられたテーブルが記憶されている。
大当たり乱数値(大当たり判定値)は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。
図4は、設定値毎に異なる大当たり判定テーブルが対応付けられた確率設定テーブルT1を示す。
確率設定テーブルT1は、ROM63に記憶されている。確率設定テーブルT1は、設定1~6に対応する大当たり判定テーブルT1-1~T1-6から構成されている。各大当たり判定テーブルT1-1~T1-6には、通常確率状態時の大当たり確率(以下、通常確率と示す)と高確率状態時の大当たり確率(以下、高確率と示す)がそれぞれ設定されている。
設定1に対応する大当たり判定テーブルT1-1には、通常確率が1/139.73、高確率が1/45.95となるよう、大当たりと判定される大当たり乱数値が対応付けられている。設定2に対応する大当たり判定テーブルT1-2には、通常確率が1/133.20、高確率が1/43.80となるよう、大当たり乱数値が対応付けられている。設定3に対応する大当たり判定テーブルT1-3には、通常確率が1/128.00、高確率が1/42.09となるよう、大当たり乱数値が対応付けられている。設定4に対応する大当たり判定テーブルT1-4には、通常確率が1/109.04、高確率が1/35.87となるよう、大当たり乱数値が対応付けられている。設定5に対応する大当たり判定テーブルT1-5には、通常確率が1/95.81、高確率が1/31.50となるよう、大当たり乱数値が対応付けられている。設定6に対応する大当たり判定テーブルT1-6には、通常確率が1/91.27、高確率が1/28.51となるよう、大当たり乱数が対応付けられている。つまり、設定1~設定6のうちいずれの設定値が設定されている場合であっても、高確率状態では大当たりと判定される確率が通常確率状態よりも高くなる。また、大当たりと判定されなかった場合、遊技制御用マイコン61は、ハズレと判定する。また、本実施形態では、通常確率状態時及び高確率状態時の両方において、設定1における大当たり確率が最も低く、設定6における大当たり確率が最も高い。なお、この設定値は、第1特図の大当たり判定及び第2特図の大当たり判定において共通である。
[大当たり種別判定テーブル]
大当たり種別判定テーブルは、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、大当たり判定の種類(第1特図大当たり判定か第2特図大当たり判定か)と大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1では、大当たりの種別として「通常大当たり」と「確変大当たり」が設定されている。パチンコ遊技機1では、第1特図大当たり判定又は第2特図大当たり判定かによって、特定の大当たり種に対応付ける大当たり種別乱数の個数を異ならせることも可能である。
[リーチ判定テーブル]
リーチ判定テーブルは、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄7Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルは、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値(リーチ判定値)は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。パチンコ遊技機1では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数と、時短状態のときのリーチ乱数とを設定している。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、パチンコ遊技機1におけるリーチ判定テーブルは、第1特図の抽選と第2特図の抽選で同一としてもよいし、異ならせてもよい。
[特図変動パターン選択テーブル]
特図変動パターン選択テーブルは、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルは、遊技状態と、判定(大当たり判定及びリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数値と、特図変動パターンと、変動時間と、停止時間とを対応付けて構成されている。なお、大当たり種別について対応付けてもよい。特図変動パターンとしては、大当たり変動用の変動パターンと、ハズレ変動用の変動パターンが存在する。大当たり変動用の変動パターンは、大当たり判定で大当たりと判定されたときに選択される変動パターンである。ハズレ変動用の変動パターンは、大当たり判定でハズレと判定されたときに選択される変動パターンである。さらに、ハズレ変動用の変動パターンは、リーチ判定でリーチ有りと判定されたときに選択される変動パターンと、リーチ判定でリーチ無しと判定されたときに選択される変動パターンに分類可能である。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図5に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。
次に、遊技制御用マイコン61は、設定値設定処理を行う(S2)。設定値設定処理では、RAM64にバックアップされている設定値データ、又は設定変更スイッチ260の操作によって設定された設定値を示す設定値データをRAM64に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S3)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S4)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S4)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S5)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S6)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S6)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S6)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S6)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S4)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S6)は直ぐには開始されず、割込許可(S5)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図6に従って、メイン側タイマ割込処理(S6)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、大入賞口センサ32a、ゲートセンサ12a等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図5のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S4)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S6)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S6)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S6)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する始動口センサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、その他の処理(S19)を実行して、本処理を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理(図5)のS3~S5の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S6)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S6)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(始動口センサ検出処理)
次に、図7に従って、始動口センサ検出処理(S15)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S20)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S20:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S21の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S20:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S22)。遊技球が第2始動口22に入賞したことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合(S22:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S23)。第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合(S23:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。これにより、第2特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(図6のS10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
S27の終了後、遊技球が第2始動口22に入賞していないと判定した場合(S22:No)、又は第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合(S23:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11に入賞したか否かを判定する(S28)。遊技球が第1始動口11に入賞したことは第1始動口センサ11aによって検出される。遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合(S28:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S29)。第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合(S29:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。これにより、第1特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
S33の終了後、遊技球が第1始動口11に入賞していないと判定した場合(S28:No)、又は第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合(S29:Yes)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
(普通動作処理)
次に、普通動作処理(S16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作等の処理を行う。
(特別図柄待機処理)
次に、図8に従って、特別図柄待機処理(S17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する(S40)。「0」ではないと判定した場合(S40:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(図9)を実行する(S41)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(図10,図11)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S43)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S44)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S45)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第2特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図9)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図10,図11)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。S45の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、S40で、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S40:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S46)。「0」ではないと判定した場合(S46:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(図9)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(図10,図11)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S49)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第1特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(図9)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図10,図11)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。S51の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、S46において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S46:Yes)、待機状態中であるか否かを判定する(S52)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中であると判定した場合(S52:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了し、待機状態中ではないと判定した場合(S52:No)、待機画面設定処理を実行する(S53)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間(前述の一定時間に相当)の経過を待って、客待ち用のデモ画面である待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は本処理を終了する。なお、遊技制御用マイコン61は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって待機状態であるか否かを判定するようにしてもよい。また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S40:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、図9に従って、第2特図大当たり判定処理(S41)及び第1特図大当たり判定処理(S47)の内容について説明する。
なお、第2特図大当たり判定処理(S41)と第1特図大当たり判定処理(S47)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S60)、大当たり判定テーブルを参照する(S61)。S61において遊技制御用マイコン61は、設定変更スイッチ260が操作されている場合、検出回路を介して入力した検出信号に対応する設定値を特定し、確率設定テーブルT1の中から、該設定値に対応する大当たり判定テーブルT1-1~T1-6を特定する。また、遊技制御用マイコン61は、設定中の設定値をサブ制御基板100に指示するための設定値指示コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONであるか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S62)。確変フラグは、いずれかの確変大当たりに当選したときにONにされ、いずれかの通常大当たりに当選したときにOFFにされる。ここで、確変フラグがONではない、つまり、通常確率状態であると判定した場合(S62:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、通常確率状態の大当たり乱数値を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S63)。この判定は、前述したように、現在設定されている設定値に対応する大当たり判定テーブルを参照して実行されるため、設定値に応じて大当たり判定で大当たりと判定する確率が異なる。
一方、S62において確変フラグがONである、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S62:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、高確率状態の大当たり乱数値を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S64)。S63同様、この判定は、前述したように、現在設定されている設定値に対応する大当たり判定テーブルを参照して実行されるため、設定値に応じて大当たり判定で大当たりと判定する確率が異なる。
S63で大当たりと判定した場合(S63:Yes)又はS64で大当たりと判定した場合(S64:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、大当たり種別判定テーブルを参照して大当たりの種別を判定する(S65)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S66)。S63で大当たりと判定しなかった場合(S63:No)、S66の終了後、又はS64で大当たりと判定しなかった場合(S64:No)、遊技制御用マイコン61は、S67に移行する。大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S65で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし、本処理を終了する。また、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし、本処理を終了する。
S63又はS64の大当たり判定処理を実行する遊技制御用マイコン61は、本発明の大当たり抽選手段の一例である。また、パチンコ遊技機1のスペックの一例である大当たり確率を特定する設定値を変更する設定変更スイッチ260、及び設定変更スイッチ260での設定変更の指示を受けて、その設定値に対応する大当たり判定テーブルを設定する遊技制御用マイコン61は、本発明のスペック設定手段の一例である。
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、図10及び図11に従って、第2特図変動パターン選択処理(S42)及び第1特図変動パターン選択処理(S48)の内容について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(S42)と第1特図変動パターン選択処理(S48)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定する(S70)。時短状態中であるか否かは、時短状態中であるか否かを特定可能な情報(時短フラグ)がONである否かによって判定することができる。時短フラグは、時短状態に制御されるときにONにされる一方、時短状態が終了するときにOFFにされる。
時短フラグがONではない、つまり、時短状態中ではないと判定した場合(S70:No)、遊技制御用マイコン61は、S71に移行する。一方、時短フラグがONである、つまり、時短状態中であると判定した場合(S70:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S77に移行する。S71又はS77に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S71,S77)。大当たりフラグがONであると判定した場合(S71,S77:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S72,S78)。例えば、非時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数値を参照する。同様に、時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数値を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ値が対応付けられている特図変動パターンを選択する。
また、S71又はS77において大当たりフラグがONではない、つまり、ハズレと判定した場合(S71,S77:No)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S73,S79)。非時短状態である場合、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルのうち、非時短状態に設定されているリーチ乱数の中に存在するか否かを判定する。取得したリーチ乱数が、非時短状態時のリーチ乱数の中に存在する場合、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S73:Yes)。同様に、時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルのうち、時短状態に設定されているリーチ乱数の中に存在するかを判定する。取得したリーチ乱数が、時短状態時のリーチ乱数の中に存在する場合、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S79:Yes)。
その後、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S74)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S80)。
また、S73又はS79においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S73,S79:No)、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S75)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S81)。
S72,S74,S75,S78,S80,S81の終了後、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S76)、本処理を終了する。S76において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS45,S51においてセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(特別図柄変動処理)
次に、図12に従って、特別図柄変動処理(S18)の内容について説明する。なお、第2特図の特別図柄変動処理と第1特図の特別図柄変動処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(S42,S48で選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間)が終了したか否かを判定する(S90)。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための特図用の変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、特図大当たり判定処理でセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄又は特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。第1特別図柄及び第2特別図柄は、本発明における識別図柄の一例である。また、特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示器51,52は、本発明における変動表示実行手段の一例である。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する(S93)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっていると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算し、減算後の時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終了する。
その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S94)、ONであると判定した場合(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。一方、大当たりフラグがOFFであると判定した場合(S94:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニングが終了すると、特別電動役物処理を実行する(S98)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理において、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで大入賞口32を開閉させる。そして、ラウンド遊技中、大入賞口32が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は、開閉部材31の閉動作により大入賞口32を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、大入賞口32の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングを実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。大当たりエンディングの終了により大当たり遊技が終了すると、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFとする。
S98の終了後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態設定処理(S99)を実行する。遊技状態設定処理において遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別として通常大当たりを決定している場合、時短フラグをONにし、時短カウンタに大当たり種別に応じた回数(例えば100)をセットする。遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、本処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)に関する情報が含まれている。一方、大当たりの種別として確変大当たりを決定している場合、遊技制御用マイコン61は、確変フラグ及び時短フラグをONにする。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、遊技状態設定処理を終了する。
(サブ側主制御処理)
次に、図13に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S100)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S101)、否定判定した場合(S101:No)、RAM120を初期化し(S102)、S103に進む。また、S101において肯定判定した場合(S101:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS103に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S101:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S101:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS100~S102は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S103)、乱数更新処理を実行する(S104)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S105)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S106)。以降、S103~S106を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S107)、1msタイマ割込処理(S108)及び10msタイマ割込処理(S109)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S107)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S108,S109)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図14に従って、1msタイマ割込処理(S108)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S110)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ9aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S111)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理(S155)においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S123)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S124)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S112)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理(S155)においてRAM120の出力バッファにセットされ、S111において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S112:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S113)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S114)。S114の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S112:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図15に従って、10msタイマ割込処理(S109)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図16)を実行し(S120)、スイッチ状態取得処理を実行する(S121)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S110)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S122)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S123)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S124)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S125)、本処理を終了する。その他の処理(S125)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図16に従って、受信コマンド解析処理(S120)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S130)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S130:Yes)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S131)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグなど)を示す情報等が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態を特定し、特定した遊技状態を記憶する。例えば、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている時短演出カウンタの値などが更新される。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも時短回数等の情報を保持することができる。
S131の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S130:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S132)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S132:Yes)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を実行する(S133)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S133の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S132:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S134)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S134:Yes)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行する(S135)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S135の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S134:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S136)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S136:Yes)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S137)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
S137の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S136:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S138)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S138:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出開始処理(図17)を実行する(S139)。
S139の終了後、演出制御用マイコン101は、後述の設定示唆演出を演出表示装置7に実行させるための設定示唆演出制御処理(図20)を実行する(S140)。S140の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S138:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S141)。主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S141:Yes)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S142)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S105)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを所定の停止パターンを経て確定表示する。
S142の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S141:No)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S143)、本処理を終了する。その他の処理(S143)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普図用の変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
(変動演出開始処理)
次に、図17に従って、変動演出開始処理(S139)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図用の変動開始コマンドを解析する(S150)。特図用の変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S150において解析した特図用の変動開始コマンドが第1特図用の変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図用の変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S151)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S152)。続いて、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S153)。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S154)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S154において選択した演出内容(変動演出パターン)の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S155)。変動演出開始コマンドには、演出内容(変動演出パターン)の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S111)において、演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。演出図柄は、本発明における識別図柄の一例である。また、演出図柄の変動表示を行う演出表示装置7は、本発明における変動表示実行手段の一例である。
[設定示唆演出]
このように構成されたパチンコ遊技機1では、現在設定されているスペックの設定状態を示唆する設定示唆演出の一例として、設定値を示唆する設定示唆演出が実行可能とされている。本実施形態の設定示唆演出は、大当たり確率が通常確率状態である特別図柄の変動表示中に実行可能とされ、より詳しくは、次回大当たり抽選に当選するまでの間、特別図柄の変動表示が所定回数(この例では100×N(N:自然数))行われる度に実行されるようになっている。
図18は、設定示唆演出の演出態様を示す。
前述した設定示唆演出の実行タイミングに到達すると、図18(a)に示すように、演出表示装置7に巻物Mが表示される。設定示唆演出の実行が決定されている場合には、図18(b)に示すように、巻物Mが開封されてキャラクタKAが表示される。一方、設定示唆演出の実行が決定されていない場合、巻物Mが開封されない。
図19に示す演出決定テーブルT2は、演出制御用マイコン101が、設定示唆演出の実行可否を決定する際に参照するテーブルである。当該テーブルT2は、ROM110に記憶されている。
演出決定テーブルT2は、現在設定されている設定値に対し、変動回数毎に所定個数の演出乱数値(判定値)を対応付けて構成されている。演出乱数は、設定示唆演出の実行抽選を行うための乱数である。本実施形態では、0~99の計100個の演出乱数が用いられる。
最初に、設定1における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT2において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、75個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、70個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、65個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、60個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、55個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、50個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定2における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT2において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、80個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、75個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、70個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、65個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、60個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、55個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定3における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT2において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、85個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、80個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、75個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、70個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、65個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、60個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定4における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT2において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、90個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、85個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、80個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、75個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、70個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、65個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定5における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT2において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、95個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、90個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、85個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、80個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、75個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、70個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定6における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT2において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、100個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、95個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、90個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、85個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、80個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、75個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
このように、演出決定テーブルT2では、設定値が大きいほど設定示唆演出の「実行可」が決定され易いため、本実施形態における設定示唆演出は、実行されることによって高設定を示唆する演出となる。以下の説明では、設定5及び設定6を「高設定値」と、設定1及び設定2を「低設定値」と示す場合がある。また、設定5又は設定6のパチンコ遊技機1を「高設定台」と、設定1又は設定2のパチンコ遊技機1を「低設定台」と示す場合がある。
ちなみに、大当たり抽選の実行回数が600回を超えた場合、演出制御用マイコン101は、100×N回目の特別図柄の変動表示中、演出決定テーブルT2における「600回目」の項目を参照し、設定示唆演出の実行抽選を行う。
なお、本実施形態において演出制御用マイコン101は、次のような手法にて大当たり確率が通常確率状態である場合における大当たり抽選の実行回数を把握する。すなわち、演出制御用マイコン101は、入力した遊技状態指定コマンドより、確変フラグがONからOFFになったことを認識すると、特図用の変動開始コマンドを入力する度に、RAM120に記憶されている演出回数カウンタの値を1加算し、更新する。そして、演出制御用マイコン101は、演出回数カウンタの値を確認し、その値が「100×N」となる場合に、演出決定テーブルT2を用いて設定示唆演出の実行抽選を行う。また、演出制御用マイコン101は、大当たり抽選に当選した場合、特別図柄の確定表示後、演出回数カウンタの値をリセットする。なお、上述した大当たり抽選の実行回数を計測するための制御手法は一例であり、演出制御用マイコン101が大当たり抽選の実行回数を把握することができるのであれば、如何なる制御手法が採用されてもよい。
(設定示唆演出制御処理)
以下、図20に従って、設定示唆演出制御処理(S140)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から入力した遊技状態指定コマンドに基づき、現在の大当たり確率が通常確率状態であるか否かを確認する(S160)。通常確率状態ではない場合、すなわち、高確率状態である場合(S160:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、通常確率状態である場合(S160:Yes)、演出制御用マイコン101は、演出回数カウンタの値を確認し、当該値が特定回数(この例では100×N)であるか否かを確認する(S161)。特定回数ではない場合(S161:No)、設定示唆演出の実行タイミングに到達していないことになるので、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、特定回数であった場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、演出決定テーブルT2(図19)を参照し、設定示唆演出の実行抽選を行う(S162)。
実行抽選を行うに際し、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から入力した設定値指示コマンドより、現在の設定値を確認する。そして、演出制御用マイコン101は、現在の設定値と演出回数カウンタの値に基づき、演出決定テーブルT2を参照して設定示唆演出の実行抽選を行う。例えば、設定5、かつ演出回数カウンタの値が「200」である場合、演出決定テーブルT2では、90個の乱数が「実行可」に対応付けられている。このため、演出制御用マイコン101は、90/100の確率で設定示唆演出の実行抽選を行う。
設定示唆演出の実行を決定しなかった場合(S163:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、設定示唆演出の実行を決定した場合(S163:Yes)、演出制御用マイコン101は、設定示唆演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットし(S164)、本処理を終了する。設定示唆演出制御処理を実行する演出制御用マイコン101は、本発明の演出制御手段の一例である。また、演出制御用マイコン101の指示に従って、演出表示装置7に設定示唆演出を実行させる画像制御基板200も、本発明の演出制御手段の一例である。
(設定示唆演出による作用)
図19に示す演出決定テーブルT2によれば、どの設定値であっても、同じ設定値を基準とした場合、特別図柄の変動表示回数が増加するほど設定示唆演出の実行確率が低くなるように乱数値が対応付けられている。また、同回数においては高設定値ほど設定示唆演出の実行確率が高くなっている。
例えば、設定6の場合、変動表示回数が「100回」であるときには「100/100」の確率、つまり必ず設定示唆演出が実行されるが、変動表示回数が「400回」であるときには、15%の確率で設定示唆演出が実行されないことがある。なお、前述したように、設定示唆演出の実行が決定された場合には、図18(b)に示すように、巻物Mが開封されてキャラクタKAが表示される。
同様に、設定2の場合、変動表示回数が「100回」であるときには20%の確率で設定示唆演出が実行されないことがある。また、変動表示回数が「400回」であるときには、35%の確率で設定示唆演出が実行されないことがある。
また、回数の面に着目して説明すると、例えば、変動表示回数が「100回」である場合、設定2における実行確率は「80/100」であるが、設定6における実行確率は、設定2における実行確率よりも高い「100/100」である。また、変動表示回数が「400回」である場合、設定2における実行確率は「65/100」であるが、設定6における実行確率は、設定2における実行確率よりも高い「85/100」である。
このように、同じ設定値を基準とした場合、特別図柄の変動表示回数が増加すると設定示唆演出の実行確率は減少するものの、同回数においては、高設定値ほど設定示唆演出が出現し易いため、設定示唆演出が実行された場合には、高設定に期待を持たせることができる。
また、本実施形態では、変動表示回数が増加するほど設定示唆演出の実行確率が低くなるといっても、最も大当たり確率の低い設定1における600回目以降の変動においても、50/100の確率で設定示唆演出の実行が決定され、設定1よりも大当たり確率の高いその他の設定値の場合には、50/100よりも高い確率で設定示唆演出の実行が決定される。特に、設定6に至っては、600回目以降の変動でも75/100の確率で設定示唆演出の実行が決定される。つまり、高設定値であるほど、変動回数が最も多い600回以降の時点においても設定示唆演出の実行確率が高い。これにより、前回の大当たり当選から次回大当たり当選までの期間が空いたとしても、設定示唆演出が実行された場合には、高設定台である可能性が高いことを遊技者に認識させ、あと数変動待てば大当たりに当選するかもしれないという期待を抱かせて遊技を継続させることが可能となる。
また、演出決定テーブルT2では、どの設定値であっても、特別図柄の変動表示回数が少ない時点ほど設定示唆演出の実行確率が高いが、同回数においては、低設定値ほど設定示唆演出の実行確率が低い。これは、変動表示回数が少ない時点においても同様で、低設定値ほど設定示唆演出の実行確率が低い。
これにより、変動表示回数が相対的に少ない時点(例えば100回)で設定示唆演出が実行された場合には、高設定値の可能性が高いと言える。ただし、変動表示回数が相対的に少ない時点(例えば100回)では、設定1の場合でも75%の確率で設定示唆演出が実行され得るため、設定示唆演出が実行されたからといって、必ず高設定台であるとは言い切れない。しかしながら、変動表示回数が相対的に少ない時点では、高設定値ほど設定示唆演出が実行され易くなっているため、遊技を開始して間もない時期に高設定値に期待を持たせることができ、遊技者に対して、以降の遊技を安心して継続させることができる。また、どの設定値であっても、変動表示回数が増加するほど設定示唆演出の実行確率が低くなるということは、変動表示回数が相対的に少ない時点(例えば100回)では、設定示唆演出が実行され易いということである。この場合、遊技開始序盤で設定示唆演出が実行されたならば、実際の設定値にかかわらず、遊技者は高設定値に期待を持ち、継続遊技に繋がる。逆に、変動表示回数が少ない時点で設定示唆演出が実行されなかった場合には、遊技を開始して間もない時期に低設定値の可能性が高いことが示唆されることになる。この場合、当該遊技機での遊技を止め、早めに別の遊技台を探す契機とすることも可能となる。
また、本実施形態では、最も大当たり確率の高い設定値が設定されている場合における最も低い設定示唆演出の実行確率と、最も大当たり確率の低い設定値が設定されている場合における最も高い設定示唆演出の実行確率が同一である。
つまり、変動表示回数の増加により設定示唆演出が実行され難くなるとしても、設定6の場合には最低でも75/100の確率で設定示唆演出が実行され、かつ同回数における他の設定値より設定示唆演出が実行され易い。また、この確率は、最も大当たり確率の低い設定1の場合において最も高い確率(75/100)と同率である。よって、変動表示回数が増加するにつれて設定示唆演出の実行確率が減少するとしても、一定の割合で設定示唆演出が実行されることに対して期待を持たせることができる。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、前回の大当たり当選から次回大当たり当選までの間、所定回数毎に設定示唆演出が実行され得る仕様とし、設定値毎に設定示唆演出の実行確率を異ならせている。また、その実行確率としては、極端に実行確率を低くしているわけではなく、最低でも「50/100」以上の確率で設定示唆演出を実行させるようバランスを調整している。つまり、遊技者の引き次第で十分に設定示唆演出が実行され得るような確率範囲とすることで、前回の大当たり当選から次回大当たり当選までの期間が空いたとしても、高設定値の可能性の方が高いということを示唆することが可能となる。
[第1実施形態の効果]
(1-1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、設定値(スペックの設定状態)及び変動表示回数の両方に応じて設定示唆演出の実行確率が設定されるため、設定示唆演出がマンネリ化せず、遊技者の興趣を向上させることができる。
(1-2)また、設定示唆演出は、実行されることによって高設定(スペックが高設定であること)を示唆する演出であって、実行確率は、特別図柄(識別図柄)の変動表示回数が増加するほど低くなる。特別図柄の変動表示回数が増加するに従って、設定示唆演出の実行確率が低くなるとしても、その低い実行確率の中で設定示唆演出が実行された場合には、高設定値に期待を持つことができるため、設定示唆演出が実行された場合に高設定値に対する安心感を遊技者に与えることができる。また、変動表示回数が増加するほど設定示唆演出の実行確率が低くなるということは、変動表示回数が少ない時点における実行確率が高いということになる。この場合、遊技開始序盤における設定示唆演出の実行確率が高まり、現在の設定値にかかわらず、設定示唆演出が実行され易くなる。この場合、遊技開始序盤で設定示唆演出が実行されたならば、実際の設定値にかかわらず、遊技者は高設定値に期待を持ち、継続遊技に繋がる。
(1-3)相対的に変動表示回数が少ない段階(例えば100回)において、他の設定値よりは低いが、設定1の場合でも「75/100」のようにある程度の実行確率を保証できるような確率とした。これにより、遊技序盤で設定示唆演出が実行されないことで低設定値である可能性が高いことが示唆される確率が減り、遊技者に高設定値に希望を抱かせ、遊技を継続させることができる。
(1-4)低設定値であるほど、特別図柄の変動表示回数が少ない時点における設定示唆演出の実行確率を低く設定した。変動表示回数が少ない時点で設定示唆演出が行われなかった場合には、低設定値である可能性が高い。その結果、当該遊技機で長時間遊技を行わなくても、当該遊技機が低設定台である可能性が高いということを遊技者が理解することができるため、遊技者に対して遊技機選択の余地を与えることができる。
(1-5)また、設定変更スイッチ260(スペック設定手段)により設定される設定値(スペック)が高いほど、設定示唆演出の実行確率が高くなる。たとえ変動表示回数が増加すると設定示唆演出が実行され難くなるというゲーム性を採用していたとしても、高設定値が設定されている場合にはその他の設定値が設定されている場合に比して設定示唆演出が実行され易いことになる。このため、変動表示回数が多い時点で設定示唆演出が実行された場合には、設定示唆演出が特別な演出であるとしてより印象付けることができる。
(1-6)また、設定変更スイッチ260(スペック設定手段)により設定されるスペックは、大当たり抽選の当選確率である。その結果、設定値及び変動表示回数の両方に応じて設定示唆演出の実行確率が設定されるため、設定示唆演出がマンネリ化せず、遊技者の興趣を向上させることができる。
(1-7)通常、前回の大当たり当選から次回の大当たり当選までの間隔が空くと、遊技者は、当該遊技機が低設定台である可能性が高いと認識しがちである。ところが、本発明では、高設定値が設定されている場合ほど、変動表示回数が多い時点における設定示唆演出の実行確率を高くした。これにより、変動表示回数が増加しても、高設定を示唆する設定示唆演出が実行される可能性があるため、なかなか大当たり抽選に当選しない状況下であっても、高設定値に期待を持つことができ、遊技を継続させることが可能となる。その結果、設定示唆演出に係る遊技者の興趣向上に繋がる。また、「変動表示回数が多いから低設定台である」という固定概念を払拭し、高設定台かもしれないという期待を抱かせることができる。
(1-8)変動表示回数が多いにもかかわらず、設定示唆演出が行われなかった場合には、低設定台である可能性が高いとも言える。この場合、遊技者は、当該遊技機において長時間遊技を行ったが、低設定台である可能性が高いことを結果的に理解し、遊技を止めるきっかけとすることができる。ただし、高設定値が設定されている場合、変動表示回数が増加すると、設定示唆演出の実行確率が高くなることから、設定示唆演出が実行されるまで遊技を継続させることも可能である。
(1-9)最も大当たり確率の高い設定値が設定されている場合における最も低い設定示唆演出の実行確率は、最も大当たり確率の低い設定値が設定されている場合における最も高い設定示唆演出の実行確率以上である。高設定値における最も低い実行確率(この例では75/100)が、低設定値における最も高い実行確率(この例では75/100)以上であるため、変動表示回数が増加するにつれて設定示唆演出の実行確率が減少するとしても、一定の割合で設定示唆演出が実行されることに対して期待を持たせることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
第1実施形態では、高設定値ほど設定示唆演出が出現し易い仕様としたが、第2実施形態では、高設定値ほど設定示唆演出が出現し難い仕様とした。つまり、設定示唆演出が出現した場合には、低設定値の可能性が高いことが示唆されるようになっている。第1実施形態と同じく、巻物Mが開く態様で設定示唆演出が実行されてもよいが(図18参照)、例えば、巻物Mに遊技者のライバルとなる敵キャラクタが表示された場合に、低設定値の可能性が高くなることを示唆するような態様が好ましい。
図21に示す演出決定テーブルT3は、演出制御用マイコン101が、設定示唆演出の実行可否を決定する際に参照するテーブルである。
最初に、設定1における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT3において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、25個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、30個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、35個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、40個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、45個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、50個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定2における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT3において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、20個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、25個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、30個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、35個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、40個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、45個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定3における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT3において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、15個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、20個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、25個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、30個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、35個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、40個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定4における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT3において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、10個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、15個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、20個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、25個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、30個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、35個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定5における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT3において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、5個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、10個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、15個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、20個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、25個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、30個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
次に、設定6における乱数の振分態様について説明する。
演出決定テーブルT3において、設定示唆演出の実行タイミングである「100回目」に対し、0個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「200回目」に対し、5個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「300回目」に対し、10個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「400回目」に対し、15個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「500回目」に対し、20個の乱数が「実行可」に対応付けられている。「600回目」に対し、25個の乱数が「実行可」に対応付けられている。
このように、演出決定テーブルT3では、設定値が大きいほど設定示唆演出の「実行否」が決定され易いため、本実施形態における設定示唆演出は、実行されることによって低設定を示唆する演出となる。つまり、実行されなかった場合には高設定値に期待を持つことができる。
(設定示唆演出による作用)
図21に示す演出決定テーブルT3によれば、どの設定値であっても、同じ設定値を基準とした場合、特別図柄の変動表示回数が増加するほど設定示唆演出の実行確率が高くなるように乱数値が対応付けられている。また、同回数においては高設定値ほど設定示唆演出の実行確率が低くなっている。
例えば、設定6の場合、変動表示回数が「100回」であるときには「0/100」の確率、つまり必ず設定示唆演出が実行されないが、変変動表示回数が「400回」であるときには15%の確率で設定示唆演出が実行されることがある。
同様に、設定2の場合、変動表示回数が「100回」であるときには20%の確率で設定示唆演出が実行されることがある。また、変動表示回数が「400回」であるときには35%の確率で設定示唆演出が実行されることがある。
また、回数の面に着目して説明すると、例えば、変動表示回数が「100回」である場合、設定2における実行確率は「20/100」であるが、設定6における実行確率は、設定2における実行確率よりも低い「0/100」である。また、変動表示回数が「400回」である場合、設定2における実行確率は「35/100」であるが、設定6における実行確率は、設定2における実行確率よりも低い「15/100」である。
このように、同じ設定値を基準とした場合、特別図柄の変動表示回数が増加すると設定示唆演出の実行確率は増加するものの、同回数においては、高設定値ほど設定示唆演出が出現し難いため、設定示唆演出が実行されなかった場合には、高設定に期待を持たせることができる。
また、本実施形態では、変動表示回数が増加するほど設定示唆演出の実行確率が高くなるといっても、最も大当たり確率の低い設定1における600回目以降の変動においても、50/100の確率で設定示唆演出の非実行が決定され、設定1よりも大当たり確率の高いその他の設定値の場合には、50/100よりも高い確率で設定示唆演出の非実行が決定される。特に、設定6に至っては、600回目以降の変動でも75/100の確率で設定示唆演出の非実行が決定される。つまり、高設定値であるほど、変動回数が最も多い600回以降の時点においても設定示唆演出の実行確率が低い。これにより、前回の大当たり当選から次回大当たり当選までの期間が空いたとしても、設定示唆演出が実行されなかった場合には、高設定台である可能性が高いことを遊技者に認識させ、あと数変動待てば大当たりに当選するかもしれないという期待を抱かせて遊技を継続させることが可能となる。
また、演出決定テーブルT3では、どの設定値であっても、特別図柄の変動表示回数が少ない時点ほど設定示唆演出の実行確率が低いが、同回数においては、低設定値ほど設定示唆演出の実行確率が高い。これは、変動表示回数が少ない時点においても同様で、低設定値ほど設定示唆演出の実行確率が高い。
これにより、変動表示回数が相対的に少ない時点(例えば100回)で設定示唆演出が実行されなかった場合には、高設定値の可能性が高いと言える。ただし、変動表示回数が相対的に少ない時点(例えば100回)では、設定1の場合でも75%の確率で設定示唆演出が実行されないため、設定示唆演出が実行されなかったからといって、必ず高設定台であるとは言い切れない。しかしながら、変動表示回数が相対的に少ない時点では、高設定値ほど設定示唆演出が実行され難くなっているため、遊技を開始して間もない時期に高設定値に期待を持たせることができ、遊技者に対して、以降の遊技を安心して継続させることができる。また、どの設定値であっても、変動表示回数が増加するほど設定示唆演出の実行確率が高くなるということは、変動表示回数が相対的に少ない時点(例えば100回)では、設定示唆演出が実行され難いということである。この場合、遊技開始序盤で設定示唆演出が実行されなかったならば、実際の設定値にかかわらず、遊技者は高設定値に期待を持ち、継続遊技に繋がる。逆に、変動表示回数が少ない時点で設定示唆演出が実行された場合には、遊技を開始して間もない時期に低設定値の可能性が高いことが示唆されることになる。この場合、当該遊技機での遊技を止め、早めに別の遊技台を探す契機とすることも可能となる。
また、本実施形態では、最も大当たり確率の高い設定値が設定されている場合における最も高い設定示唆演出の実行確率と、最も大当たり確率の低い設定値が設定されている場合における最も低い設定示唆演出の実行確率が同一である。
つまり、変動表示回数の増加により設定示唆演出が実行され易くなるとしても、設定6の場合には最低でも75/100の確率で設定示唆演出が実行されず、かつ同回数における他の設定値より設定示唆演出が実行され難い。また、この確率は、最も大当たり確率の低い設定1の場合において最も低い確率(75/100)と同率である。よって、変動表示回数が増加するにつれて設定示唆演出の実行確率が上昇するとしても、一定の割合で設定示唆演出が実行されないことに対して期待を持たせることができる。
[第2実施形態の効果]
(2-1)また、設定示唆演出は、実行されることによって低設定(スペックが低設定であること)を示唆する演出であって、実行確率は、特別図柄(識別図柄)の変動表示回数が増加するほど高くなる。特別図柄の変動表示回数が増加するに従って、設定示唆演出の実行確率が高くなるとしても、その高い実行確率の中で設定示唆演出が実行されなかった場合には、高設定値が設定されていることに対して期待を持つことができるため、設定示唆演出が実行されなかった場合に高設定値に対する安心感を遊技者に与えることができる。また、変動表示回数が増加するほど設定示唆演出の実行確率が高くなるということは、変動表示回数が少ない時点における実行確率が低いということになる。この場合、遊技開始序盤における設定示唆演出の実行確率が低くなり、現在の設定値にかかわらず、設定示唆演出が実行され難くなる。この場合、遊技開始序盤で設定示唆演出が実行されなかったならば、実際の設定値にかかわらず、遊技者は高設定値に期待を持ち、継続遊技に繋がる。
(2-2)相対的に変動表示回数が少ない段階(例えば100回)において、他の設定値よりは高いが、設定1の場合でも「25/100」のように低めの実行確率を設定した。これにより、遊技序盤で設定示唆演出が実行されることで低設定値である可能性が高いことが示唆される確率が減り、遊技者に高設定値に希望を抱かせ、遊技を継続させることができる。
(2-3)低設定値であるほど、特別図柄の変動表示回数が少ない時点における設定示唆演出の実行確率を高く設定した。変動表示回数が少ない時点で設定示唆演出が行われた合には、低設定値である可能性が高い。その結果、当該遊技機で長時間遊技を行わなくても、当該遊技機が低設定台である可能性が高いということを遊技者が理解することができるため、遊技者に対して遊技機選択の余地を与えることができる。
(2-4)また、設定変更スイッチ260(スペック設定手段)により設定される設定値(スペック)が高いほど、設定示唆演出の実行確率が低くなる。たとえ変動表示回数が増加すると設定示唆演出が実行され易くなるというゲーム性を採用していたとしても、高設定値が設定されている場合にはその他の設定値が設定されている場合に比して設定示唆演出が実行され難いことになる。このため、変動表示回数が多い時点で設定示唆演出が実行されなかった場合には、設定示唆演出が特別な演出であるとしてより印象付けることができる。
(2-5)通常、前回の大当たり当選から次回の大当たり当選までの間隔が空くと、遊技者は、当該遊技機が低設定台である可能性が高いと認識しがちである。ところが、本発明では、高設定値が設定されている場合ほど、変動表示回数が多い時点における設定示唆演出の実行確率を低くした。これにより、変動表示回数が増加しても、低設定を示唆する設定示唆演出が実行されない可能性があるため、なかなか大当たり抽選に当選しない状況下であっても、高設定値に期待を持つことができ、遊技を継続させることが可能となる。その結果、設定示唆演出に係る遊技者の興趣向上に繋がる。また、「変動表示回数が多いから低設定台である」という固定概念を払拭し、高設定台かもしれないという期待を抱かせることができる。
(2-6)通常であれば、何らかの遊技演出が実行されることを望む遊技者が、本実施形態のパチンコ遊技機1においては、設定示唆演出の非実行を望むことになり、新たなゲーム性を与えることができるとともに、何ら演出が実行されなくても遊技者に失望感を与えることがない。
(2-7)最も大当たり確率の高い設定値が設定されている場合における最も高い設定示唆演出の実行確率は、最も大当たり確率の低い設定値が設定されている場合における最も低い設定示唆演出の実行確率以下である。高設定値における最も高い実行確率(この例では25/100)が、低設定値における最も低い実行確率(この例では25/100)以下であるため、変動表示回数が増加するにつれて設定示唆演出の実行確率が増加するとしても、一定の割合で設定示唆演出が実行されないことに対して期待を持たせることができる。
<他の実施形態>
・演出決定テーブルT2,T3に定められた設定示唆演出の実行確率は、実施形態の例に限られず、適宜変更してもよい。第1実施形態では、例えば、設定1であるとき、100回の場合には75/100の確率、200回の場合には70/100の確率、300回の場合には65/100の確率といったように、回数が増加した場合における実行確率の減少割合を同一としたが、同一でなくてもよい。同様に、第2実施形態では、例えば、設定1であるとき、100回の場合には25/100の確率、200回の場合には30/100の確率、300回の場合には35/100の確率といったように、回数が増加した場合における実行確率の増加割合を同一としたが、同一でなくてもよい。
・変動表示回数が増加しても高設定値に期待を持たせるという目的達成のため、第1実施形態では、高設定値かつ変動表示回数が600回を超えている場合、その他の設定値に比して設定示唆演出の実行確率を高くするが、例えば、100回や200回のように変動表示回数が相対的に少ない時点においては、高設定値よりも低設定値の場合における設定示唆演出の実行確率が高くてもよい。つまり、全ての段階において高設定値の場合における設定示唆演出の実行確率を高くする必要はない。同様に、第2実施形態では、高設定値かつ変動表示回数が600回を超えている場合、その他の設定値に比して設定示唆演出の実行確率を低くするが、変動表示回数が相対的に少ない時点においては、高設定値よりも低設定値の場合における設定示唆演出の実行確率が低くてもよい。つまり、全ての段階において高設定値の場合における設定示唆演出の実行確率を低くする必要はない。
・設定示唆演出の実行確率を変動表示回数毎に異ならせるものの、設定1~設定5の場合においては、変動表示回数毎の設定示唆演出の実行確率を一律としてもよい。例えば、第1実施形態の演出決定テーブルT2では、設定1~設定5の場合に75/100とする一方、設定6の場合に100/100となるよう実行確率を設定してもよい。同様に、第2実施形態の演出決定テーブルT3では、設定1~設定5の場合に25/100とする一方、設定6の場合に0/100となるよう実行確率を設定してもよい。
・設定示唆演出の実行確率を変動表示回数毎に異ならせるものの、設定1~設定4の場合においては、変動表示回数毎の設定示唆演出の実行確率を一律としてもよい。例えば、第1実施形態の演出決定テーブルT2では、設定1~設定4の場合に70/100とする一方、設定6の場合に95/100となるよう実行確率を設定してもよい。同様に、第2実施形態の演出決定テーブルT3では、設定1~設定4の場合に30/100とする一方、設定6の場合に5/100となるよう実行確率を設定してもよい。
・設定5又は設定6の場合、変動表示回数が100回~600回の全ての場合において全て同一の実行確率としてもよい。ただし、第1実施形態の場合、50/100のように、ある程度の実行確率を保証でき、かつ他の設定値より実行確率が高いことが好ましい。同様に、第2実施形態の場合、50/100のように、ある程度の非実行確率を保証でき、かつ他の設定値より実行確率が低いことが好ましい。
・第1実施形態の演出決定テーブルT2において、どの設定値であっても、変動表示回数が少ない時点ほど設定示唆演出が実行され難く、変動表示回数が増加するにつれて設定示唆演出が実行され易くなるようにしてもよい。同様に、第2実施形態の演出決定テーブルT3において、どの設定値であっても、変動表示回数が少ない時点ほど設定示唆演出が実行され易く、変動表示回数が増加するにつれて設定示唆演出が実行され難くなるようにしてもよい。
・第1実施形態の演出決定テーブルT2において、高設定値の場合のみ、変動表示回数が少ない時点ほど設定示唆演出が実行され難く、変動表示回数が増加するにつれて設定示唆演出が実行され易くなるようにしてもよい。同様に、第2実施形態の演出決定テーブルT3において、高設定値の場合のみ、変動表示回数が少ない時点ほど設定示唆演出が実行され易く、変動表示回数が増加するにつれて設定示唆演出が実行され難くなるようにしてもよい。
・設定示唆演出の実行タイミングは、100回毎に限られず、例えば、50回毎に実行したり、特図変動の度に設定示唆演出を実行させるか否かを抽選で決定し、実行させることを決定した場合に設定示唆演出を実行させるようにしてもよい。ただし、実施形態の例のように、予めまとまった回数毎に実行確率を維持することが好ましい。
・設定示唆演出の演出態様は、実施形態の例に限れられない。例えば、キャラクタKAの他、キャラクタKBやキャラクタKC等その他のキャラクタも登場し得る仕様とし、設定6の場合には、設定1の場合に比して、変動表示回数が多い時点におけるキャラクタKCが登場する確率を最も高くする等してもよい。
・設定示唆演出による示唆対象は設定値に限られず、パチンコ遊技機1のスペックの設定状態に係る情報であればよい。「パチンコ遊技機1のスペックの設定状態に係る情報」とは、設定値に関する情報に限られず、遊技者に遊技利益(当たりなど)が付与される可能性や付与されたことが確定したことを示す情報、遊技をする上で遊技者が知ることで利益となるパチンコ遊技機の性能に関する情報等を含む概念である。また、パチンコ遊技機1のスペックの設定状態に係る情報を、大当たり遊技を構成するラウンド数、時短回数、電サポ回数、1ラウンドで大入賞口32に入賞可能な最大入賞数、大入賞口32に入賞したときの賞球数、1回の大当たり遊技で獲得可能な最大賞球数、ベース(総発射球数に対する総賞球数の割合)等としてもよい。例えば、大当たり遊技終了後、通常確率状態で生起される時短回数「30回」を「設定1」とし、「50回」を「設定2」等として対応付けてもよい。同様に、大当たり遊技終了後、高確率状態で生起される時短回数「30回」を「設定1」とし、「50回」を「設定2」等として対応付けてもよい。また、「確変継続率60%」を「設定1」とし、「確変継続率70%」を「設定2」等として対応付けてもよい。また、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態となる確率として、「60%」を「設定1」とし、「70%」を「設定2」等として対応付けてもよい。また、大当たり遊技を構成するラウンド数がパチンコ遊技機1において最も多い大当たり種が選択される確率「10%」を「設定1」とし、「20%」を「設定2」等として対応付けてもよい。また、1回の大当たり遊技で獲得可能な最大賞球数として、「1000球」を「設定1」、「1500球」を「設定2」等として対応付けてもよい。なお、前述の各設定内容は、大当たり確率にかかわらず同一としてもよいし、大当たり確率に応じて異ならせてもよい。
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・また上記実施形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。