JP2023160619A - 遊技機 - Google Patents

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裕一 木村
Yuichi Kimura
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Abstract

Figure 2023160619000001
【課題】特定演出中に所定の演出が行われることによる不快感を防止しつつ、多様な演出を実行し得る遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン101により、変動演出パターンとして、特図当たり判定が大当たりの判定結果となったことへの期待度を高めるリーチ演出の一種である高期待度SPリーチ演出を含む変動演出パターンが決定された場合には、変動演出の変動時間のうち高期待度SPリーチ演出が実行される高期待度SPリーチ演出期間中に、第1入賞音演出の実行を禁止する。
【選択図】図37

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
遊技機としては例えば、遊技球(パチンコ球)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、機内部に収容される遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、この遊技領域を機前面の窓(透明なガラス板)を通じて視認できるように構成されている。遊技領域には複数種類の入球口が点在しているため、遊技者がハンドル操作を行って遊技球を遊技領域に打ち出すと、その遊技球が遊技領域を流下する過程で入球口に入球したり、或いは入球口に入球せず遊技領域の下端まで流下してアウト口から排出されたりする。そして、遊技球が入球口に入球した場合、その入球口の種類に応じた賞球が遊技者に付与されたり、他の入球口を開放するか否かの抽選が行われたりする。このように、パチンコ遊技機で遊技を行うと、遊技球が入球口に入球することに応じて利益を得ることができる。
パチンコ遊技機では一般的に、遊技領域の中央部に視認できるよう配置された演出表示装置や、ランプ、スピーカ等の演出実行手段を用いて、入球口への遊技球の入球を契機とした複数種類の演出が行われる(例えば、特許文献1)。
特開2020-171628号公報
近年のパチンコ遊技機では数多くの演出が行われており、同じ期間に複数の演出が重複して行われることもめずらしくない。例えば、人気歌手による音楽ライブの映像を演出表示装置の表示画面で流し、その映像に合わせて楽曲演奏をスピーカから出力するといった演出を行って、遊技者の注目を集めることがあるが、このような演出の最中にも他の演出が行われ得るので、他の演出が音楽ライブの演出の妨げとなり、当該演出を楽しむ遊技者にとって不快に感じられることがある。但し、単純に期待できる演出のみを行って演出の種類を減らすようにすると、行われる演出の数が減ってパチンコ遊技が賑やかさを失い、盛り上がりに欠けるものとなり得る。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、特定演出中に所定の演出が行われることによる不快感を防止しつつ、多様な演出を実行し得る遊技機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、契機口への遊技球の入球を契機として当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定の結果に基づいて図柄の変動表示を行う図柄表示手段と、前記図柄の変動表示を行う図柄変動期間に対応する演出パターンを複数種類の中から決定する演出決定手段と、前記演出決定手段により決定された演出パターンに基づいて演出を実行する演出実行手段とを備えた遊技機であって、前記演出パターンとして、前記当否判定が当たりの判定結果となったことへの期待度を高める期待度演出の一種である特定演出を含む演出パターンが前記演出決定手段によって決定された場合には、前記図柄変動期間のうち前記特定演出が実行される特定期間中に、所定の演出の実行を
禁止または制限することを特徴とする。
これによれば、演出パターンに基づいて特定演出が行われる特定期間中に、所定の演出の実行を禁止または制限するので、特定演出が所定の演出によって阻害されることがなく、遊技者を特定演出に集中させ得る。
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、特定演出中に所定の演出が行われることによる不快感を防止しつつ、多様な演出を実行し得る。
パチンコ遊技機の正面図である。 遊技領域の要部拡大図である。 主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 大当たり判定テーブルの説明図である。 (a)は第1特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図、(b)は第2特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。 非時短状態で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図である。 (a)は最終変動を除く第1ラッシュ期間で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図、(b)は第1ラッシュ期間の最終変動で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図である。 第2ラッシュ期間で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図である。 リーチ判定テーブルの説明図である。 特図変動パターン選択テーブルの説明図である。 メイン側主制御処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図大当たり判定処理のフローチャートである。 特図変動パターン選択処理のフローチャートである。 図18の続きのフローチャートである。 特別図柄関連処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(1種大当たり、V当たり)のフローチャートである。 特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。 サブ側主制御処理のフローチャートである。 1msタイマ割込処理のフローチャートである。 10msタイマ割込処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 変動演出パターン選択テーブルの説明図である。 低期待度SPリーチ演出パターンに基づいて行われる変動演出での演出図柄の状態の変化を示すタイムチャートである。 (a)は、図30におけるt1時点からt2時点までの間の表示態様の一例、(b)は、図30におけるt2時点からt3時点までの間の表示態様の一例、(c)は、図30におけるt3時点からt4時点までの間の表示態様の一例、(d)は、図30におけるt4時点からt5時点までの間の表示態様の一例、(e)は、図30におけるt5時点からt6時点までの間で表示される味方キャラクタの表示態様の一例、(f)は、図30におけるt5時点からt6時点までの間で表示される敵キャラクタの表示態様の一例、(g)は、味方キャラクタの勝利で演出が終了する場合の表示態様の一例、(h)は、変動演出が終了する場合の表示態様の一例である。 高期待度SPリーチ演出パターンに基づいて行われる変動演出での演出図柄の状態の変化を示すタイムチャートである。 (a)は、図32におけるt11時点からt12時点までの間の表示態様の一例、(b)は、図32におけるt12時点からt13時点までの間の表示態様の一例、(c)は、図32におけるt13時点からt14時点までの間の表示態様の一例、(d)は、図32におけるt14時点からt15時点までの間の表示態様の一例、(e)は、図32におけるt15時点からt16時点までの間に行われる演出の表示態様の一例、(f)は、変動演出が終了する場合の表示態様の一例である。 (a)は、変動演出中の表示態様の一例であり、背景画像、保留画像、当該変動画像が表示されている。(b)~(d)は、保留予告(保留変化演出・入賞音演出)が行われない場合の保留画像・当該変動画像の表示態様の一例であり、このうち(b)は変動演出中、(c)は新たな変動演出を開始するにあたって当該変動保留を消去した状態、(d)は(c)の直後に保留画像を1つずつ左にシフトした状態を、夫々示している。また、(e)~(g)は、始動入賞の発生時において第1保留変化演出および第1入賞音演出が同時に行われた場合の保留画像・当該変動画像の表示態様の一例であり、このうち(e)は変動演出中、(f)は新たな変動演出を開始するにあたって当該変動保留を消去した状態、(g)は(f)の直後に保留画像を1つずつ左にシフトした状態を、夫々示している。更に、(h)~(j)は、始動入賞の発生時において第2保留変化演出および第2入賞音演出が同時に行われた場合の保留画像・当該変動画像の表示態様の一例であり、このうち(h)は変動演出中、(i)は新たな変動演出を開始するにあたって当該変動保留を消去した状態、(j)は(i)の直後に保留画像を1つずつ左にシフトした状態を、夫々示している。 保留予告可否決定テーブルの説明図である。 保留予告パターン選択テーブルの説明図である。 変動演出中の演出期間の種類と、保留予告(保留変化演出・入賞音演出)の実行可否との関係を示す説明図である。 保留予告禁止処理の説明図である。 先読み演出判定処理の説明図である。 他の実施形態における、変動演出中の演出期間の種類と、保留予告(保留変化演出・入賞音演出)の実行可否との関係の一例を示す説明図である。
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機として、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機を例に挙げる。なお、パチンコ遊技機の各部について方向や位置関係を説明する場合は、このパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た状態での「左」「右」及び「上」「下」を基準とする。また、遊技者から見て近い側(手前側)を「前」とし、遠い側(奥側)を「後」とする。
[パチンコ遊技機1の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠を備える。遊技機枠は、後述する遊技盤2を保持する内枠16と、この内枠16の前面を覆う扉状の前面枠18とを少なくとも含むように構成され、矩形枠状の外枠Wを介して遊技店内の設置島(図示せず)に設置される。前面枠18は、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、トップランプ23cとを備え、これらで囲まれる内側に窓18aが形成されている。この窓18aは、遊技盤2の盤面(前面)に形成される遊技領域3を視認可能とする開口であり、この窓18aを塞ぐように透明なガラス板が設けられるが、図1では省略している。また、前面枠18の左右の上端部(トップランプ23cを挟む左右両側)に、音楽、効果音及び報知
音等の音を演出内容に応じて出力する音出力手段としてのスピーカ8が夫々設けられている。
前面枠18は、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを構成する両側部が透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
また、トップランプ23cは、内部(図示せず)にLEDおよび回転リフレクタを有する回転灯を構成している。LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容や報知内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。回転リフレクタは、可動体モータ23d(図4)の駆動に応じてLEDの周囲で回転し、LEDの光の反射方向を変化させる。
また、前面枠18の下部には、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とが設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、発射装置90(打撃槌)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち打球供給皿24の上面に、演出ボタン5が設けられている。この演出ボタン5は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で押下操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。また、演出ボタン5は、遊技者が片手のみで後述する演出レバー6と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。演出ボタン5にはバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン5に対する押下操作状態が解除された際に、この弾性部材の復元力によって演出ボタン5が押下操作前の状態に復帰するようになっている。この演出ボタン5には、演出ボタン5に対する押下操作を検出する演出ボタン検出スイッチ5a(図4)と、演出ボタン5を振動させる演出ボタン振動モータ5b(図4)と、演出ボタン5を発光させる演出ボタンランプ5c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ5bは、例えば演出ボタン5の押下操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタン振動モータ5bの作動によって演出ボタン5を振動させたり、演出ボタンランプ5c(本実施形態ではLED)の発光によって透光性材料からなる演出ボタン5の表面を点灯または点滅させたりすることで、例えば演出ボタン5の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。演出ボタン5の押下操作が有効な期間に遊技者が演出ボタン5を押下操作すると、その操作が演出ボタン検出スイッチ5aによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出ボタン5の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方(下側の左端寄り)に、演出レバー6が設けら
れている。この演出レバー6は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で把持して操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4や演出ボタン5と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。具体的には、演出レバー6は、把持した手で奥側へ押し込むように操作(押込操作)できる他、左右に回転させるように操作(回転操作)することも可能に構成されている。また、演出レバー6には、演出レバー6の押込操作を検出する演出レバー押込検出スイッチ6a(図4)と、演出レバー6の右回転操作や左回転操作を検出する演出レバー回転検出スイッチ6b(図4)と、演出レバー6を振動させる演出レバー振動モータ6c(図4)とが設けられている。本実施形態では、演出レバー振動モータ6cの作動によって演出レバー6を振動させることで、例えば演出レバー6の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。演出レバー6の操作が有効な期間に遊技者が演出レバー6を押込操作または回転操作すると、その操作が演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
[遊技盤2の構成]
遊技盤2は、その盤面(前面)が遊技者の顔と略正対する位置となるように内枠16に保持されている。この遊技盤2は、前面枠18の前述したガラス板により前方から覆われているが、その盤面は、ガラス板(窓18a)を介して遊技者側(前方)から透視可能となっている。なお、図1では、遊技盤2の盤面の外周側(正面視で窓18aよりも外側にある範囲)が確認できないが、遊技球が流下(転動)する領域である遊技領域3を内周側に区画形成する環状の遊技領域形成手段(レール部材17等)が配置されている。なお、遊技盤2の盤面左側部ではレール部材17が左右2列となっており、その内側を発射装置90(図3)による発射球が上昇移動して遊技領域3に至るようになっている。この場合に発射球は、レール部材17の前述した左右2列の部分のうち図1で確認できない左側の部分に案内されて遊技領域3の上部領域に到達する。
また、図示省略するが、遊技盤2の盤面のうち遊技領域3の範囲には複数の遊技釘が打ち込まれている。このため、遊技領域3を流下する遊技球は遊技釘に接触してその挙動が変化する。遊技球は、遊技領域3を流下する過程で後述する入球口10a,11a,12a,14a,15aに入球するか、または入球せず遊技領域3を下端まで流下してアウト口19から遊技領域3外(内枠16側)へと排出される。なお、アウト口19は、遊技領域3に一つまたは複数設けられており、そのうち少なくとも一つが遊技領域3の下端に位置している。
ここで、遊技盤2の盤面の中央側に、大型のセンター装飾体20が配置されて、レール部材17等の遊技領域形成手段から内側に離間している。このセンター装飾体20は環状あるいは枠状であり、遊技盤2の略中央に形成されている大型の開口(図示せず)の縁に沿って取り付けられている。そして、遊技盤2の背後に位置する演出表示装置7(液晶パネル等)の画面(前面)の略全体が、センター装飾体20の内側開口を通じて盤面前側に露出し、パチンコ遊技機1の正面視では、センター装飾体20が演出表示装置7の画面の周囲を装飾するように位置している。センター装飾体20は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
なお、遊技盤2には、前述したセンター装飾体20内を含む複数箇所に発光手段(LED)が設けられており、その発光により遊技盤2を装飾するように構成されている。このように遊技盤2に設けられる装飾用の発光手段のことを、以下では「盤ランプ2a」と称することとする(図4)。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
センター装飾体20は、遊技盤2の盤面より前側に環状(枠状)に突出しているので、
遊技領域3を流下する遊技球がセンター装飾体20の内周側(画面の前方空間)に移動することが防止される。そしてこのセンター装飾体20により、遊技領域3がその上部で左右に分岐するように区画されている。すなわち、遊技領域3は、センター装飾体20の左側を流下する遊技球の経路である左遊技領域(第1の球流下領域)3Lと、センター装飾体20の右側を流下する遊技球の経路である右遊技領域(第2の球流下領域)3Rとを含む領域である。
遊技盤2は、遊技領域3の内側に、第1入賞装置10と、一般入賞部材11と、第2入賞装置(普通電動役物)12と、ゲート13と、第1大入賞装置(特別電動役物)14と、第2大入賞装置(特別電動役物)15とが設けられ、これらは、遊技球が入球可能な入球口10a,11a,12a,13,14a,15aを有している。なお、盤面のうち遊技領
域3の外側(右下方)に、遊技に関する各種の情報を表示するための表示器類50が設けられているが、この表示器類50については後述する。
前述したようにパチンコ遊技機1は、ハンドル4の操作に応じて遊技球の発射強度を調節することが可能であるので、遊技者は、発射強度の調節によって遊技球を左遊技領域3Lと右遊技領域3Rとに打ち分けることができる。左遊技領域3Lに向かって遊技球を発射(以下「左打ち」という)したときには、遊技球は、左遊技領域3Lに設けられる入球口(後述する第1始動口10a、一般入賞口11a)に入球し得る。一方、右遊技領域3Rに向かって遊技球を発射(以下「右打ち」という)したときには、遊技球は、右遊技領域3Rに設けられる入球口(後述する第2始動口12a、第1大入賞口14a、第2大入賞口15a、ゲート13)に入球し得る。
なお、以下の説明では、遊技領域3を移動する遊技球が入球可能な入球口のうち、遊技球の入球に対して賞球を付与するものを「入賞口」と称し、入賞口への遊技球の入球のことを「入賞」と表現する場合がある。また、入賞口のうち、遊技球の入球(入賞)が後述する特別図柄の変動表示の契機となるものを「始動口」(または「契機口」)と称し、始動口への遊技球の入球(入賞)のことを「始動入賞」と表現する場合がある。
遊技領域3には、センター装飾体20の下側に第1入賞装置10が設けられており、その左方に離間して一般入賞部材11が設けられている。ここで、遊技領域3は、遊技釘の配置等により、センター装飾体20の左側を流下した遊技球(左打ちした遊技球)が第1入賞装置10および一般入賞部材11に設けられる入賞口10a,11aに入賞可能に構
成されている。すなわち、第1入賞装置10および一般入賞部材11は、遊技領域3のうち左遊技領域3Lに設けられている。
遊技領域3には、センター装飾体20の右下方に、ゲート13、第2入賞装置12、第1大入賞装置14が設けられており、センター装飾体20の右下部に第2大入賞装置15が設けられている。ここで、遊技領域3は、遊技釘の配置等により、センター装飾体20の右側を流下した遊技球(右打ちした遊技球)が第2入賞装置12、第1大入賞装置14および第2大入賞装置15に設けられる入賞口12a,14a,15aに入賞可能に構成されていると共に、センター装飾体20の右側を流下した遊技球(右打ちした遊技球)がゲート13を通過(ゲート13に入球)可能に構成されている。すなわち、ゲート13、第2入賞装置12、第1大入賞装置14および第2大入賞装置15は、遊技領域3のうち右遊技領域3Rに設けられている。
第1入賞装置10は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、左遊技領域3Lを流下する遊技球が入賞可能な第1始動口10aが上端部に形成されていると共に、第1始動口10aに入賞した遊技球を遊技盤2の後面側に排出する排出通路(図示せず)が形成されている。第1始動口10aは、その開口寸法が変動しない(常に遊技球が入賞可能な)入賞口である。この第1入賞装置10の排出通路には、第1始動口10aに入賞
した遊技球を検出する第1始動口センサ10b(図3)が配置されている。
一般入賞部材11は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、その上端部に、左遊技領域3Lを流下する遊技球が入賞可能な一般入賞口11aが形成されていると共に、一般入賞口11aに入賞した遊技球を遊技盤2の後面側に排出する排出通路(図示せず)が形成されている。一般入賞口11aは、その開口寸法が変動しない(常に遊技球が入賞可能な)入賞口である。この一般入賞部材11の排出通路には、一般入賞口11aに入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ11b(図3)が配置されている。
ゲート13は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、右遊技領域3Rを流下する遊技球が上下方向(上から下)に通過(入球)可能に構成されている。このゲート13には、通過する遊技球を検出するゲートセンサ13a(図3)が配置されている。
第2入賞装置12は、図2に示すように、右遊技領域3Rのうちゲート13を通過した遊技球の流下先側に配置されている。第2入賞装置12は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられており、上面が緩やかに左方へと下り傾斜している。そしてこの第2入賞装置12の上面に、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第2始動口12aが形成されている。すなわち、第2始動口12aは、遊技領域3において上方に向けて開口するように形成されている。この第2入賞装置12の内部空間は、第2始動口12aに入賞した遊技球を受け容れ可能に形成されており、この内部空間を介して第2始動口12aが、遊技球を遊技盤2の後面側に排出する排出通路(図示せず)と連通している。ここで、第2入賞装置12は、その上面に沿う傾斜姿勢で第2始動口12aを塞ぐ板状の普通開閉部材12bと、第2始動口12aに入賞した遊技球を検出する第2始動口センサ12c(図3)と、普通開閉部材12bの後端部に接続された第2始動口ソレノイド12d(図3)とを備えている。そして、普通開閉部材12bを第2始動口ソレノイド12dの作動により後方へ向けてスライド(開作動)させることで、第2始動口12aが開放し、遊技球が第2始動口12aに入賞可能(入賞容易)な状態になる。また、普通開閉部材12bを第2始動口ソレノイド12dの作動終了により前方にスライド(閉作動)させることで、第2始動口12aが閉鎖し、遊技球が第2始動口12aに入賞不可能(入賞困難)な状態になる。すなわち、第2始動口12aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口、可変契機口)である。なお、第2始動口12aの閉鎖状態では、第2入賞装置12の上面(普通開閉部材12bの上面)に乗った遊技球が、その傾斜に沿って左方へと流下する。
第1大入賞装置14は、右遊技領域3Rのうち第2入賞装置12の上面を転動する遊技球の流下先側(図1)であって、遊技球がその前方(窓18aのガラス板との間)を通過できる程度にガラス板から後方に離間して設けられている。第1大入賞装置14は、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第1大入賞口14aが、前方を向いて開口するように形成されていると共に、第1大入賞口14aを開閉する第1特別開閉部材14bと、第1大入賞口14aに入賞した遊技球を検出する第1大入賞口センサ14c(図3)と、第1特別開閉部材14bの下縁部に接続された第1大入賞口ソレノイド14d(図3)とを備えている。第1大入賞口14aは、左右に幅広で、複数の遊技球が同時に入賞可能な大きさに形成されている。第1特別開閉部材14bは、第1大入賞口14aに対応して左右方向に長い板状に形成され、かつ下縁を回動軸にして、起立姿勢と前側への傾倒姿勢との間で前後に回動(揺動)可能に構成されている。そして、第1大入賞口ソレノイド14dの作動により第1特別開閉部材14bを前側に回動(開作動)させることで、第1大入賞口14aが開放し、第1特別開閉部材14bで受け止めた遊技球を第1大入賞口14aに入賞させることが可能な状態になる。また、第1大入賞口ソレノイド14dの作動終了により第1特別開閉部材14bを後側に回動(閉作動)させることで、第1大入賞口14aが閉鎖し、遊技球が第1大入賞口14aに入賞不可能な状態になる。すなわち、第1
大入賞口14aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口)である。
第2大入賞装置15は、本実施形態ではセンター装飾体20の右側部に設けられ、右遊技領域3Rの中間領域に位置している。第2大入賞装置15は、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第2大入賞口15aが形成されていると共に、第2大入賞口15aを開閉する第2特別開閉部材15bと、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を検出する第2大入賞口センサ15c(図3)と、第2特別開閉部材15bの下縁部に接続された第2大入賞口ソレノイド15d(図3)とを備えている。第2特別開閉部材15bは、下縁を回動軸にして、起立姿勢と右側への傾倒姿勢との間で左右に回動(揺動)可能に構成されている。そして、第2大入賞口ソレノイド15dの作動により第2特別開閉部材15bを右側に回動(開作動)させることで、第2大入賞口15aが開放し、遊技球が第2大入賞口15aに入賞可能な状態になる。また、第2大入賞口ソレノイド15dの作動終了により第2特別開閉部材15bを左側に回動(閉作動)させることで、第2大入賞口15aが閉鎖し、遊技球が第2大入賞口15aに入賞不可能な状態になる。すなわち、第2大入賞口15aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口)である。
第2大入賞装置15の内部には、第2大入賞口15aに入賞した遊技球が通過(入球)可能な特定領域及び非特定領域が形成されていると共に、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を特定領域又は非特定領域に振り分ける振分部材56と、この振分部材56を駆動する振分部材ソレノイド55c(図3)と、特定領域における遊技球の通過(入球)を検出する特定領域センサ55a(図3)と、非特定領域における遊技球の通過(入球)を検出する非特定領域センサ55b(図3)が設けられている。尚、本実施形態のパチンコ遊技機1では、後述の小当たり遊技状態中の特定領域への遊技球の通過が後述のV当たり状態への移行(後述の2種大当たり状態への発展)の契機となっている。
[表示器類50の構成]
図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図または特図1ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図または特図2ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。更に、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特図及び第2特図に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄または特図という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED及び消灯したLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート13(ゲートセンサ13a)を通過すると、所定の入球口(本実施形態では第2始動口12a)を開放するか否かの判定(普図当たり判定)が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普図当たり判定の結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、第2入賞装置12が作動して普通開閉部材12b(第2始動口12a)が開閉し、普図当たり状態(後述する補助遊技)が発生する。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別
図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯しているLED及び消灯しているLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯するLED及び消灯しているLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
遊技球が第1始動口10aに入賞すると、当たり(大当たり)か否かを判定する特図当たり判定(大当たり判定、又は第1特図当たり判定ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特図の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特図を確定表示する。ここで、確定表示された第1特図が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たり遊技状態が発生する。第1特別図柄表示器51での新たな第1特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第1始動口10aに入賞した場合は、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口12aに入賞すると、当たり(大当たり)か否かを判定する特図当たり判定(大当たり判定、又は第2特図当たり判定ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特図の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特図を確定表示する。ここで、確定表示された第2特図が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たり遊技状態が発生する。第2特別図柄表示器52での新たな第2特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第2始動口12aに入賞した場合は、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを1回の特図変動(または特別図柄の1回の変動)という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。パチンコ遊技機1では、特別図柄表示器の作動保留がその発生タイミングの時系列順に特別図柄の変動表示に用いられ、特図保留数が消化される。但し、第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される(第2特図の変動表示が第1特図の変動表示よりも優先的に実行される)。なお、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示が終了してから特図保留数の消化によって次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に、所定の変動インターバル(特別図柄の停止時間)が設けられている。
[演出表示装置7の表示領域]
次に、演出表示装置7について説明する。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、パチンコ遊技機1の前方からそれらの画像を見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている
。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される(図1)。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の変動態様としては例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する態様、つまり、縦方向にスクロールする態様がある。なお、他の変動態様として、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される切替方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、前述した特別図柄表示器51,52での特別図柄の変動表示と同期
させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、特図当たり判定の結果を演出的に表示する。ここで、左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rは、同じ演出図柄が上下や左右に揺れながら停止位置に存在する表示状態(仮停止表示)となった後に、完全に停止した表示状態(確定表示)となってその変動表示が終了する。なお、全ての演出図柄7L,7C,7Rが同時に確定表示される。
以下、特図当たり判定(大当たり判定)の結果が大当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を大当たり演出図柄といい、特図当たり判定(小当たり判定)の結果が小当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を小当たり演出図柄といい、特図当たり判定の結果がハズレ(小当たり以外)であったことを表す組み合わせの演出図柄をハズレ演出図柄という。大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。これに対し、小当たり演出図柄は、大当たり演出図柄(そろ目)以外の特定の組み合わせであり、例えば、左右の演出図柄の同じ数字を表す演出図柄で揃い、かつ中演出図柄がチャンス図柄となった状態等である。また、ハズレ演出図柄は、大当たり演出図柄・小当たり演出図柄以外の演出図柄の組み合わせである。以下、演出表示装置7が特別図柄表示器での特別図柄の変動表示(特図変動)と同期させて行う演出図柄の変動表示を「変動演出」という。また、変動演出での演出図柄の背後に表示される画像を「背景画像」という。なお、変動演出以外の演出や報知等についても、演出表示装置7に表示する主たる表示画像に対してその背後に表示する画像のことを「背景画像」ということがある。背景画像は、静止画像または動画像である。
演出図柄の変動演出は、特図の変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。なお、特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、図1に示すように、保留画像によって演出表示装置7の予め定められた表示領域(以下「演出保留表示領域7Ba,7Bb」という)に表示される。
従って、遊技者は、演出表示装置7(演出保留表示領域7Ba,7Bb)に表示される保
留画像の数を数えることにより、特別図柄の変動表示の作動保留数(第1特図保留数や第2特図保留数)を知ることができる。本実施形態では、遊技状態毎に、入賞が生じ易い側の始動口(第1始動口10aまたは第2始動口12a)に対応する一方の特別図柄(第1特図または第2特図)の作動保留数を、左側のメイン演出保留表示領域7Baで表示し、他方の特別図柄の作動保留数を、右側のサブ演出保留表示領域7Bbで表示する。また、
演出表示装置7の画面において、演出保留表示領域7Ba,7Bbの左側に、実行中の変
動演出の存在を示すための当該変動用表示領域7Bcが設けられている。なお、演出保留表示領域7Ba,7Bbや当該変動用表示領域7Bcは、演出表示装置7の画面に設けら
れる必要はなく、別の表示装置の画面上に設けるようにしてもよいし、LED等を用いたランプ(発光手段)により構成するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1では、変動演出の結果(演出図柄の停止表示)による特図当たり判定の結果の報知に加えて、その変動演出の結果を示唆したりその結果表示までの過程を盛り上げたりする演出等を行う。このような演出は、演出表示装置7に表示される画像、スピーカ8から出力される音、遊技盤2や前面枠18のランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23c)の点灯等を複合的に用いて行われる。すなわち、パチンコ遊技機1に設けられる演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、演出を実行する演出実行手段として機能する。
なお、演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、パチンコ
遊技機1に生じた異常状態を報知するための異常報知手段としても機能する。
[パチンコ遊技機1の主な電気的構成]
次に、図3及び図4に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60と、電源基板70と、払出制御基板73と、発射制御回路75と、音声制御基板78と、ランプ制御基板79と、貸球払出装置80と、発射装置90と、サブ制御基板100と、画像制御基板200とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、特図当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルT1、大当たり種別判定テーブルT2,T3、小当たり種別判定テーブルT4,T5,T6,T7、リーチ判定テーブルT8、特図変動パターン選択テーブルT9等の各種のテーブルが記憶されている。RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。
また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口10aに入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入賞情報)が記憶される。例えば第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入賞すると、その入賞に起因する第1特図の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口12aに入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入賞情報)が記憶される。例えば第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入賞すると、その入賞に起因する第2特図の変動表示は一旦保留(作動保
留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等の始動入賞情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、始動入賞情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている始動入賞情報は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示の開始タイミングが到来した際(変動表示の始動条件が成立した際)に実行される。
なお、パチンコ遊技機1では、前述したように第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される。つまり、第1特図保留数と第2特図保留数とが何れも複数存在する場合、先ず第2特図保留数が順に消化され、次に第1特図保留数が順に消化される。例えば、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域と、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域とに始動入賞情報が記憶されている状態で、特図の変動表示の開始タイミングが到来した場合は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が実行エリア(実行対象領域)にシフトし、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。一方でこの時、第2特図保留記憶部64bでは第1記憶領域の始動入賞情報はシフトされず、その後に第2特図保留数が0の状態での特図の変動表示の開始タイミング到来時になると実行エリア(実行対象領域)にシフトして、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。
普図保留記憶部64cは、遊技球がゲート13を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)等の作動入球情報が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート13を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。普通当たり乱数等の作動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に普図保留記憶部64cの第1記憶領域から順番に記憶される。このため、作動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も古い情報である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。すなわち、RAMクリアスイッチ66は、パチンコ遊技機1の後側から押下可能となっている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120を初期化する。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。更に、主制御基板60には、中継基板74を介して、第1始動口センサ10bと、一般入賞口センサ11bと、第2始動口センサ12cと、第1大入賞口センサ14cと、第2大入賞口センサ1
5cと、ゲートセンサ13aと、特定領域センサ55aと、非特定領域センサ55bと、が電気的に接続されている。
第1始動口センサ10bは、第1始動口10aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ11bは、一般入賞口11aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に入球した(通過している)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。遊技球が前述の各センサ10b,11b,12c,14c,15c,13aのうちゲートセン
サ13a以外のセンサによって検出されると、センサ毎に予め定めた個数の賞球の払出条件がそれぞれ成立する。
また、特定領域センサ55aは、第2大入賞装置15内部の特定領域を通過する(特定領域に入球する)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。更に、非特定領域センサ55bは、第2大入賞装置15内部の非特定領域を通過する(非特定領域に入球する)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。
また、主制御基板60には、中継基板74を介して、第2始動口ソレノイド12dと、第1大入賞口ソレノイド14dと、第2大入賞口ソレノイド15dと、振分部材ソレノイド55cとが電気的に接続されている。第2始動口ソレノイド12dは、主制御基板60の制御に基づいて第2入賞装置12の普通開閉部材12bを開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド14dは、主制御基板60の制御に基づいて第1大入賞装置14の第1特別開閉部材14bを開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド15dは、主制御基板60の制御に基づいて第2大入賞装置15の第2特別開閉部材15bを開閉駆動する。振分部材ソレノイド55cは、主制御基板60の制御に基づいて第2入賞装置12の内部の振分部材56を駆動する。
主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム
93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて、打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100(図4)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第1始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現在(現時点)の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときには、その電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときや、RAM120の記憶内容がクリアされたときでも、現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。パチンコ遊技機1では、RTC124による計時の結果に基づいて特別な演出を実行することが可能となっている。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ5c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23cおよび可動体モータ23dが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて、トップランプ23c内の回転リフレクタの動作態様を決める回転動作パターンデータを作成し、その回転動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した回転動作パターンデータに従って可動体モータ23dの駆動制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ5aと、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ5bと、演出レバー振動モータ6cとが電気的に接続されている。
演出ボタン検出スイッチ5aは、演出ボタン5が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ5aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させる部材であり、演出ボタン5の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ5bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン5を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ5bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
(大当たり遊技状態、小当たり遊技状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1は、従来において1種パチンコ機および2種パチンコ機と呼ばれていた各遊技機の遊技性を組み合わせた、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。ここで、1種パチンコ機の遊技性とは、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定(大当たり抽選)で当選となった場合に大当たり遊技状態を生じさせるものであり、2種パチンコ機の遊技性は、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定の小当たり判定(小当たり抽選)で当選となった場合に大入賞口を開放し、その開放中に入賞した遊技球が当該大入賞口内部の特定領域を通過したことを契機として大当たり遊技状態へと発展させるものである。1種2種混合機である本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定において大当りに当選した場合に大当たり遊技状態(以下「1種大当たり状態」ということがある)を生じさせる。また、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定(大当たり判定)がハズレとなり、かつ小当たり判定において当選した場合には、第2大入賞口15aを開放する小当たり遊技状態を生じさせ、この小当たり遊技状態中に第2大入賞口15aに入賞した遊技球が特定領域に入球した場合に限り、大当たり遊技状態(以下「2種大当たり状態」ということがある)へと発展させる。なお、2種大当たり状態は、前述の如く小当たり遊技状態から発展するものであるので、小当たり遊技状態を1ラウンドとみなし、特定領域への入球後に生じる開放(V当たり状態)については2ラウンド以降のラウンドとして計数する。すなわち、小当たり遊技状態とその後のV当たり状態とによって2種大当たり状態が構成される。これに対し、V当たり状態のみを大当り遊技状態と捉えることも可能である。
なお、大当たり遊技状態は、大入賞口への遊技球の入賞を狙うことのできる遊技期間(ラウンド)を含む遊技状態であり、本実施形態においては、オープニング期間、複数回のラウンドが生じる連続作動期間、エンディング期間の順に状態が変化する。ラウンド中は、第1大入賞口ソレノイド14dまたは第2大入賞口ソレノイド15dを駆動することにより第1特別開閉部材14bまたは第2特別開閉部材15bを作動させて、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを少なくとも1回開放する。ここで、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり遊技状態)を除いた大当たり遊技状態の各ラウンドは、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するかの何れか早い方のラウンド終了条件が成立することに応じて終了する。一方で、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり遊技状態)は、それ以外のラウンドよりも短い開放時間(例えば1.8秒)が経過するか、第2大入賞口15aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(10球以下の所定個数)に達するかの何れか早い方のラウンド終了条件(基本的には開放時間の経過)が成立することに応じて終了する。なお、ラウンドとラウンドの間にインターバル時間(ラウンドインターバル)が設定されており、少なくともこのインターバル時間には大入賞口が閉鎖状態を維持するように設定(第1大入賞口ソレノイド14dまたは第2大入賞口ソレノイド15dが非作動に制御)される。
(時短状態、非時短状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1には、普通図柄表示器53での表示(普通図柄の表示)について、確率変動機能(普図当たり判定の当たり確率を向上させる機能)と変動時間短縮機能とが備わっている一方で、特別図柄表示器での表示(特別図柄や普通図柄の表示)については変動時間短縮機能のみが備わっており、確率変動機能(特図当たり判定の大当たり確率を向上させる機能)は備わっていない。すなわち、パチンコ遊技機1では、特図当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
普通図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。また、普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動時間が短くなる。例えば、普通図柄の変動時間は、変動時間短縮機能が作動していない状態では10秒であるが、変動時間短縮機能が作動している状態では1秒である。またこの普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、前述した特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態では、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能も作動するようになっている。
更に、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能に同期して、第2入賞装置12の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動する。ここで、普通図柄が予め定めた特定の普通図柄で確定表示された場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12aを開閉させる補助遊技が行われる。この補助遊技における第2入賞装置12(第2始動口12a)の開放時間が、第2入賞装置12の開放時間延長機能によって長くなる。また、この補助遊技における第2入賞装置12(第2始動口12a)の開放回数が、第
2入賞装置12の開放回数増加機能によって多くなる。従って、開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動する状況下では、第2始動口12aへの遊技球の入賞頻度が高められる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。このように、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能と、第2入賞装置12についての開放時間延長機能及び開放回数増加機能とは、第2始動口12aへの遊技球の入賞頻度を高めるためのサポート機能である。このため、これらのうち少なくとも1つの機能を作動させる制御のことを電サポ制御ということがある。
すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機1における遊技状態として、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、第2入賞装置12の開放時間延長機能及び開放回数増加機能、の全機能が作動しない第1の遊技状態と、全機能が作動する第2の遊技状態とが生じ得るようになっている。以下の説明では、前述した第1の遊技状態を「非時短状態」と称し、前述した第2の遊技状態を「時短状態」と称する。但し「時短状態」は、前述した機能の全てを作動させる必要はなく、少なくとも1つの機能を作動する遊技状態であればよい。
なお、本実施形態における「時短状態」は、電サポ制御がなされる状態であり、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、「高ベース状態(有利遊技状態)」と言い換えることができる。一方で「非時短状態」は、前述した高ベース状態に対して「低ベース状態(通常遊技状態)」と言い換えることができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技が終了した後の遊技状態は時短状態である。本実施形態における時短状態の終了条件は、特別図柄の変動表示が予め定められた回数実行されるか、その予め定められた所定回数以内の特別図柄の変動表示の結果として大当たり遊技状態(1種大当たり状態または2種大当たり状態)が実行されるか、あるいは、特定の小当たり種別に所定回数当選することにより終了する。
[主な判定テーブル]
次に、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン61が参照する主な判定テーブルについて説明する。
(大当たり判定テーブルT1)
図5に示す大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルは、抽選の種類(第1特図・第2特図のどちらに対応する特図当たり判定であるか)と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値(大当たり判定値)は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
大当たり判定テーブルT1には、第1特図の当たり判定用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は「ハズレ」と判定する。
また、大当たり判定テーブルT1には、第2特図の当たり判定用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。また、第2特図の当たり判定でハズレと判定される場合であって、特に取得した大当たり乱数が365~6364の範囲内の値であった場合は、小当たりと判定される。すなわち、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、大当たりではないと判定された場合、第2特図の判定では小当たりと判定されることがあり、その当選確率は大当たりに比べて非常に高い。また、本実施形態では、第1特図の当たり判定で小当たりと判定されることがないため、第2特図の判定では、第1特図の当たり判定に比して小当たりと判定される確率が非常に高い。
ちなみに、第1特図の当たり判定でも小当たりを設定してもよいが、その確率は第2特図の判定における小当たり確率よりも低くすることが望ましい。さらに、第1特図の抽選で小当たりを設定する場合、特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで、第2大入賞装置15や振分部材56を作動させることが望ましい。また、大当たり乱数とは別に小当たり乱数を設け、大当たりに当選しなかった場合に小当たり判定を行うようにしてもよい。また、取得した大当たり乱数が「大当たり」とは判定されないが「小当たり」と判定される範囲内の値であった場合には、「ハズレ」と判定されることなく、「小当たり」と判定されてもよい。また、第2特図の当たり判定において、小当たりの当選確率を1/1や1/2等、遊技性に応じて適宜変更してもよい。また、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定で小当たりの当選確率を同一確率としてもよいが、第1特図の判定で小当たりに当選した場合には、特定領域への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで第2大入賞装置15や振分部材56を作動させることが望ましい。
(大当たり種別判定テーブルT2, T3)
図6(a)および図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2, T3は、特図当たり判定において大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数を発生する。
パチンコ遊技機1では、大当たり図柄として「大当たり図柄A」及び「大当たり図柄B」が設定されている。「大当たり図柄A」で特定される大当たり種別は、「7R(ラウンド)大当たり(時短7回)」である。「大当たり図柄B」で特定される大当たり種別は、「7R大当たり(時短20回)」である。また、大当たり種別「7R大当たり(時短7回)」には、時短状態の上限回数として「7回」が対応付けられている。大当たり種別「7R大当たり(時短20回)」には、時短状態の上限回数として「20回」が対応付けられている。時短状態の上限回数は、時短状態で実行する図柄変動の上限回数であって、大当たり遊技状態の終了後に時短状態が維持される上限を示す。なお、大当たり図柄A又は大当たり図柄Bに基づく大当たり遊技状態では、前述したラウンド遊技の終了条件の成立に
より、各ラウンド遊技が終了する。詳しくは、第1大入賞口14aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立することである。また、本実施形態では、大当たり(V入賞に基づく大当たりを含む)に当選してから再び通常遊技状態に戻るまでの期間中、時短状態に制御されることとなる(大当たり遊技状態中を除く)が、その遊技期間を「ラッシュ期間」と示す場合がある。より詳細には、上限回数「7回」とする時短状態に制御されている期間を「第1ラッシュ期間」と示し、上限回数「20回」とする時短状態に制御されている期間を「第2ラッシュ期間」と示す場合がある。
図6(a)に示す大当たり種別判定テーブルT2は、遊技状態にかかわらず、第1特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
第1特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄A」に当選したと判定される。
図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT3は、遊技状態にかかわらず、第2特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
第2特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄B」に当選したと判定される。
このように、大当たり抽選で大当たりに当選した場合、第1特図の抽選よりも第2特図の抽選において大当たりに当選した場合の方が、大当たり遊技状態の終了後に生起される時短状態の上限回数が多い大当たり種別に当選し易い。時短状態の上限回数が多いということは、手持ちの遊技球を過剰に減らすことなく大当たり抽選を受けることができるため、遊技者にとって有利である。
(小当たり種別判定テーブル)
図7~図9に示す小当たり種別判定テーブルT4~T7は、小当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が小当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT4~T7は、小当たり種別(小当たり図柄種別)毎に所定個数の小当たり種別乱数値(小当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する小当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数が発生する。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の小当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の小当たり種別乱数を発生する。本実施形態では、小当たり図柄として「小当たり図柄a」及び「小当たり図柄b」が設定されている。
「小当たり図柄a」で特定される小当たり種別では、特定領域を遊技球が通過可能とされており、2種大当たり状態(V当たり状態)終了後に時短状態を生起させるものである。なお、詳細は後述するが、2種大当たり状態(V当たり状態)終了後に生起される時短状態の上限回数は、小当たり抽選で小当たりに当選したときの遊技状態及び特定領域を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に応じて異なる。
「小当たり図柄b」で特定される小当たり種別では、特定領域を遊技球が通過不能とされており、小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの開放終了後にV当たり状態を実行
させないものである。なお、詳細は後述するが、小当たりに当選したときのラッシュ期間の違い(第1ラッシュ期間又は第2ラッシュ期間)により、時短状態を維持するか否かが決定されるようになっている。
なお、小当たり図柄a又は小当たり図柄bに当選した場合、第2大入賞口15aが開放されるが、その開放時間は大当たり遊技状態における第1大入賞口14aの開放時間(30秒)よりも短い(1.8秒)。ただし、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合には、1種大当たりと同じラウンドの終了条件で第2大入賞口15aを開放する大当たり遊技状態(V当たり状態)が行われる。また、図7~図9に示す「開放時間」は、何れも最大開放時間を示す。
図7に示す小当たり種別判定テーブルT4は、非時短状態における第2特図の抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。前述したように、非時短状態中は第2始動口12aが開放し難いため、左打ちを行って第1始動口10aを狙った方がスムーズに遊技が進行し易い。なお、第2特図保留が残存している状態で時短状態が終了した場合には、非時短状態において第2特図の抽選が実行される。パチンコ遊技機1では、第2特図保留の消化が第1特図保留の消化に優先して実行されるため、非時短状態への移行直後においては、時短終了時に残っていた第2特図保留(第2特図の残保留)の消化が第1特図保留の消化に先立って行われる。ここで、非時短状態において第2特図の残保留に基づく大当たり抽選で小当たりに当選した場合は、取得した小当たり種別乱数の値にかかわらず、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。非時短状態において「小当たり図柄a」に当選した場合、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう、振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とする2種大当たり状態を生起させることが対応付けられている。
図8(a)に示す小当たり種別判定テーブルT5、図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6、図9に示す小当たり種別判定テーブルT7は、それぞれ時短状態における第2特図の抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。本実施形態では、小当たり当選時に設定されていたラッシュ期間の違いに応じて、異なる小当たり種別判定テーブルを設定している。小当たり種別判定テーブルT5,T6は、第1ラッシュ期間(上限回数7回)中に参照されるテーブルである。一方、小当たり種別判定テーブルT7は、第2ラッシュ期間(上限回数20回)中に参照されるテーブルである。ここで、小当たり種別判定テーブルT5,T6のうち、小当たり種別判定テーブルT5は、第1ラッシュ期間中における1回~6回目までの変動で参照され、小当たり種別判定テーブルT6は、第2ラッシュ期間における7回目(最終変動)の変動で参照される。
図8(a)に示すように、小当たり種別判定テーブルT5において、取得した小当たり種別乱数が0~98の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数の値が99であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。つまり、第1ラッシュ期間(最終変動を除く)においては、「小当たり図柄b」よりも「小当たり図柄a」に当選する確率が高い。そして、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄a」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう、振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とする2種大当たり状態(V当たり状態)を生起させることが対応付けられている。つまり、最終変動を除く第1ラッシュ期間中の大当たり抽選で小当たりに当選した場合、高い確率で「小当たり図柄a」に当選することになり、対応する小当たり遊技状態中に遊技球がほぼ確実に特定領域に入球して2種大当たり状態(V当たり状態)が実行された後、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される。
一方、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過することがないよう、振分部材56を作動させることが対応付けられている。つまり、2種大当たり状態(V当たり状態)が生じない。但し、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選したとしても、第1特定条件が成立するまでは時短状態が維持されるようになっている。第1特定条件は、上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間における「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数(この例では7回)に到達することである。「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数に到達すると、時短状態が終了し、非時短状態に制御されるようになっている。前述したように、第2特図の抽選では、第1特図の抽選に比して小当たり抽選に当選し易い(この例では1/10)。また、第1ラッシュ期間の上限回数「7回」は、この小当たり当選確率(1/10)の分母に近しい値である。これにより、7回の時短状態中、1回は小当たりに当選する可能性がないとは言い切れない。ただし、小当たり抽選に当選したとしても、前述したように、「小当たり図柄b」に当選する確率(この例では1/100)よりも「小当たり図柄a」に当選する確率(この例では99/100)が高い。このため、第1特定条件の成立により第1ラッシュ期間が終了する確率は低く、小当たり抽選の当選により「小当たり図柄a」に当選し、大当たり遊技状態の終了後、時短状態に制御される可能性が高い。
図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6において、第1ラッシュ期間の最終変動では、取得した小当たり種別乱数の値にかかわらず、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。そして、第1ラッシュ期間の最終変動で「小当たりa」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう、振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とする2種大当たり状態を生起させるとともに、その後の時短状態の上限回数を「20回」とすることが対応付けられている。つまり、第1ラッシュ期間の最終変動で小当たりに当選した場合、小当たり図柄が「小当たり図柄a」であるので、小当たり遊技状態中に遊技球がほぼ確実に特定領域に入球して2種大当たり状態(V当たり状態)が実行される。そしてその後に、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される。
なお、図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6における小当たり種別の選択肢として、「小当たり図柄a」に加え「小当たり図柄b」も設定してもよい。但し、この実施形態においては、第1ラッシュ期間の滞在可能期間を「7回」としているため、「小当たり図柄b」の当選回数が、第1特定条件を成立させる回数(この例では7回)に到達しなくても、第1ラッシュ期間中の変動回数が7回に到達すると、第1ラッシュ期間(時短状態)が終了することになる。このような理由により、本実施形態では、第1ラッシュ期間の最終変動で選択され得る小当たり種別として「小当たり図柄b」を設定していない。
図9に示す小当たり種別判定テーブルT7では、第2ラッシュ期間中、取得した小当たり種別乱数が0~98の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数の値が99であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。つまり、第2ラッシュ期間においては、「小当たり図柄b」よりも「小当たり図柄a」に当選する確率が高い。そして、第2ラッシュ期間において「小当たりa」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とする2種大当たり状態を生起させるとともに、その後の時短状態の上限回数を「20回」とすることが対応付けられている。つまり、第2ラッシュ期間中の大当たり抽選で小当たりに当選した場合、高い確率で「小当たり図柄a」に当選することになり、対応する小当たり遊技状態中に遊技球がほぼ確実に特定領域に入球して2種大当たり状態(V当たり状態)が実行された後、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される。
一方、第2ラッシュ期間において「小当たりb」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過することがないよう、振分部材56を作動させることが対応付けられている。つまり、2種大当たり状態(V当たり状態)が生じない。但し、第2ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選したとしても、第2特定条件が成立するまでは時短状態が維持されるようになっている。第2特定条件は、上限回数を「20回」とする第2ラッシュ期間における「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数(この例では1回)に到達することである。「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数に到達すると、第2ラッシュ期間における変動回数が、第2ラッシュ期間の滞在可能期間「20回」に到達していなくても時短状態が終了し、非時短状態に制御されるようになっている。
なお、小当たり種別判定テーブルT6,T7において、「小当たり図柄b」の当選確率を遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
(リーチ判定テーブル)
図10に示すリーチ判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態(リーチ図柄が表示されている状態)であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が停止表示(仮停止表示、停留表示)されていると共に、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が停止表示(仮停止表示、停留表示)されており(リーチ図柄)、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、前述した「停止表示(仮停止表示、停留表示)」の概念には、演出図柄がスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
リーチ乱数は、特図当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルT8は、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値(リーチ判定値)は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であっ
た場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、図10のテーブルは、基本的に第1特図に対応するリーチ判定テーブルを示す。第2特図に対応するリーチ判定テーブルは、第1特図のテーブルと同一内容にしてもよいし、異なるテーブルとしてもよい。
(特図変動パターン選択テーブル)
図11に示す特図変動パターン選択テーブルT9は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT9は、始動口への入賞を契機とする判定の結果およびその判定時の遊技状態や特図保留数と、変動パターン乱数値との関係から、特図変動パターンを決定するためのテーブルである。ここで、判定の結果とは、大当たり判定、小当たり判定及びリーチ判定の結果(大当たり、小当たり、リーチ有りハズレ、リーチ無しハズレ)のことである。また、特図変動パターンは、特図変動表示の変動時間や、変動演出の内容(変動演出パターン)等の情報を含んでいる。なお、大当たり種別について対応付けてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT9に示す変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7で行われる演出内容を特定する変動演出パターンを指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
非時短状態における特図当たり判定で大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、リーチ状態から発展したSP(スーパー)リーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ小当たり判定で小当たりと判定された場合、特図変動パターンP3が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70,000msである。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、小当たり当選時の専用演出を表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく特図変動パターンP4が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。特図変動パターンP4の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP5の変動
時間は30,000msである。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP5に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP6の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP7の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP6,P7に対応する変動演出パターンには、通常
変動を表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定で大当たりと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値及び特図保留数に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP8の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP8に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ小当たり判定で小当たりと判定された場合、特図変動パターンP9が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP9に対応する変動演出パターンには、小当たり当選時の専用演出を表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値及び特図保留数に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP10の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP10に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP11が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP12が選択される。特図変動パターンP11の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP12の変
動時間は2,500msである。特図変動パターンP11,P12に対応する変動演出パターン
には、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
なお、この特図変動パターン選択テーブルは、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。また、時短状態の上限回数の違いに合わせて異なる遊技演出が実行可能となるよう、大当たり遊技状態の終了後に制御される時短状態の上限回数の違いに合わせてテーブルを設定してもよい。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図12に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(S
ystem Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセ
ット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図13に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図変動開始コマンド(普図用の変動開始コマンド)、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図変動開始コマンド(特図用の変動開始コマンド)についても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14c、第2大入賞口センサ15c、特定領域センサ55a、非特定領域センサ55b、一般入賞口センサ11b等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図12のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処
理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄関連処理(S18)を順に実行し、次にその他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S19)は、パチンコ遊技機1に異常状態が生じているかを判定する異常判定処理等である。例えば異常判定処理としては、不正入賞を検出する不正入賞検出処理、不正な磁気を検出する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検出する扉開放処理、不正な電波を検出する電波検出処理、衝撃(振動)を検出する衝撃検出処理等がある。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(図柄用センサ検出処理)
次に、図14に従って、図柄用センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート13を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート13を通過したことはゲートセンサ13aによって検出される。遊技球がゲート13を通過したと判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための普図当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S31の終了後、又は遊技球がゲート13を通過していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口12aに入賞したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口12aに入賞したことは第2始動口センサ12cによって検出される。遊技球が第2始動口12aに入賞していない場合(S32:No)、S38に進むが、遊技球が第2始動口12aに入賞したと判定した場合(S32:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合(S33:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口10aに入賞したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口10aに入賞したことは第1始動口センサ10bによって検出される。遊技球が第1始動口10aに入賞していない場合(S38:No)、センサ検出処理を終了するが、第1始動口10aに入賞したと判定した場合(S38:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:Yes)、センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
(普通動作処理)
次に、図15に従って、普通動作処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、補助遊技中(第2入賞装置12の作動中、普通開閉部材12bの開放中)であるか否かを判定し(S50)、作動中ではないと判定した場合は(S50:No)普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S51)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の停止表示中ではないと判定した場合は(S51:No)、普通図柄の変動表示中か否かを判定し(S52)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合は(S52:No)、普通図柄の保留数Vが「0」であるか否かを判定する(S53)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の保留数Vが「0」であると判定した場合は(S53:Yes)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S53において普通図柄の保留数Vが「0」ではないと判定した場合は(S53:No)、普図当たり判定処理を行う(S54-1)。この普図当たり判定処理(S54-1)では、普図保留記憶部64c(図3)に格納されている普通当たり乱数値を読み出し、普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM64の所定の記憶領域にセットする普図決定処理を行う(S54-2)。つまり、普図決定処理(S54-2)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動時間決定処理を行う(S54-3)。普図変動時間決定処理(S54-3)では、普通図柄変動パターン選択テーブル(図示せず)を参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒であって普通図
柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10.0秒であって普通図柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄保留数Vを1減算し(S54-4)、普図保留記憶部64cにおける各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部64cにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S54-5)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン61は、S54-3において選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S54-6)。なお、これに伴い、サブ制御基板100に普通図柄の変動開始を知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。この普図変動開始コマンドには、S54-1における普図当たり判定の結果およびS54-3において決定した普図変動時間が含まれている。
また、遊技制御用マイコン61は、S52において、普通図柄の変動表示中であると判定した場合は(S52:Yes)、普通図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S55-1)、終了していないと判定した場合は(S55-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了したと判定した場合は(S55-1:Yes)、普通図柄の変動表示を、普通当たり乱数値の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄または普通ハズレ図柄)で停止させる(S55-2)。そして、サブ制御基板100に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンド(普図用の変動停止コマンド)をセットするとともに(S55-3)、普通図柄の停止時間をセットし(S55-4)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S51において、普通図柄の停止表示中であると判定した場合は(S51:Yes)、S56-1において普通図柄の停止時間が終了したか否か判定し、終了していないと判定した場合は(S56-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了していると判定した場合は(S56-1:Yes)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否か、つまり、当たりか否かを判定し(S56-2)、当たりではないと判定した場合は(S56-2:No)、普通動作処理を終える。一方、当たりと判定した場合は(S56-2:Yes)、時短状態であるか否かを判定し(S56-3)、時短状態であると判定した場合は(S56-3:Yes)、普通開閉部材12bの開放パターンOP1をセットし(S57-1)、補助遊技を開始させる(S57-3)。これにより、普通開閉部材12bは、1.0秒間の開放動作を1回行う。
また、遊技制御用マイコン61は、S56-3において、時短状態ではない(非時短状態である)と判定した場合は(S56-3:No)、普通開閉部材12bの開放パターンOP2をセットし(S57-2)、普通開閉部材12bの開放作動を開始させる(S57-3)。これにより、普通開閉部材12bは、0.1秒間の開放動作を1回行う。
また、遊技制御用マイコン61は、S50において、補助遊技中であると判定した場合は(S50:Yes)、普通開閉部材12bの作動終了条件が満足されたか否かを判定する(S58)。ここで、作動終了条件とは、S57-1またはS57-2においてセットされた開放パターン毎の開放時間が終了したという開放時間終了条件、あるいは、第2始動口12aへの入賞数が規定の入賞数に達したという規定入賞数条件である。また、規定入賞数条件は、第2始動口12aへの入賞数が10個と定められている。
遊技制御用マイコン61は、作動終了条件が満足されていないと判定した場合は(S58:No)、普通動作処理を終える。一方、満足されたと判定した場合は(S58:Yes)、普通開閉部材12bの作動を終了させる(S59)。
(特別図柄待機処理)
次に、図16に従って、特別図柄待機処理(S17)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間および停止時間の何れかを計測中であるか否かを判定し(S60)、計測中であれば(S60:Yes)、特別図柄待機処理を終了する。一方で、特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していなければ(S60:No)、S61に進む。遊技制御用マイコン61は、S61において、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」ではないと判定した場合(S61:No)、すなわち、第2特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図当たり判定処理(S62)及び第2特図変動パターン選択処理(S63)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S64)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S65)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S66)。この第2特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。S66の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS61において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S61:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S67)。「0」ではないと判定した場合(S67:No)、すなわち、第1特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図当たり判定処理(S68)及び第1特図変動パターン選択処理(S69)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S70)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S71)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S72)。この第1特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第1特別図柄表示器51において第1特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第1特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。S72の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S67:Yes)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S73)。待機状態は、大当たり遊技状態中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S73:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S73:No)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S74)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間を計測し、この待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S61:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特
図保留の消化に優先して実行される。
(第2特図当たり判定処理(第1特図当たり判定処理))
次に、図17に従って、第2特図当たり判定処理(S61)及び第1特図当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図当たり判定処理と第1特図当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、大当たり判定テーブル(この例では大当たり判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの大当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
大当たりと判定した場合(S82:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S83)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2,T3)を参照し、大当たりの種別を判定する(S84)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短状態の上限回数についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S84で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S85)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりと判定した場合(S85:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S86)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブル(この例では小当たり種別判定テーブルT4~T7)を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域の通過による大当たり遊技状態の有無、時短状態の継続、時短状態の終了等についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、小当たりと判定しなかった場合(S85:No)、すなわちハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
第1特図当たり判定処理におけるS82の処理が本発明の第1特図の当たり判定の一例である。第2特図当たり判定処理におけるS82及びS85の処理が本発明の第2特図の当たり判定の一例である。第1特図当たり判定処理においてS82の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり判定手段の一例である。同様に、第2特図当たり判定処理においてS82及びS85の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり
判定手段の一例である。また、第2特図大当たり判定処理においてS87の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり種別決定手段の一例である。また、小当たり種別を決定する際に参照される小当たり種別判定テーブルも、本発明の当たり種別決定手段の一例ということができる。
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、図18及び図19に従って、第2特図変動パターン選択処理(S62)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と第1特図変動パターン選択処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短状態であることを示す時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S90)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S91に移行する。時短フラグがOFFではないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、S99に移行する。
S91,S99に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグがONであると判定した場合(S91,S99:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92,S100)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP1を選択する(S92)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP8を選択する(S100)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
また、大当たりフラグがONではないと判定した場合(S91,S99:No)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S93,S101)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりフラグがONであると判定した場合(S93,S101:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S94,S102)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、非時短状態であれば特図変動パターンP3を選択し(S94)、時短状態であれば特図変動パターンP9を選択する(S102)。その後、遊技制御用マイコン61は、S98に移行する。
一方、小当たりフラグがOFFであると判定した場合(S93,S101:No)、遊技制御用マイコン61は、ハズレと判定したことになる。この場合、遊技制御用マイコン61は、S95,S103に移行する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S95,S103)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT8のうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S95:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT8のうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S103:Yes)。
その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リー
チ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S96,S104)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP5を選択する(S96)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP10を選択する(S104)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
一方、取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S95,S103:No)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S97,S105)。例えば、非時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図保留数が0~2の場合は特図変動パターンP6を選択し、特図保留数が3~4の場合は特図変動パターンP7を選択する(S97)。特図変動パターンP7の変動時間は特図変動パターンP6よりも短くなっており、特図保留数が3~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。また、時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図保留数が0~1の場合は特図変動パターンP11を選択し、特図保留数が2~4の場合は特図変動パターンP12を選択する(S105)。特図変動パターンP12の変動時間は特図変動パターンP11よりも短くなっており、特図保留数が2~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
S92,S94,S96,S97,S100,S102,S104,S105の終了後、S98に移行した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし、特図変動パターン選択処理を終了する。S98で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS65,S71でセットされる特図変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(特別図柄関連処理)
次に、図20に従って、特別図柄関連処理(S18)について説明する。
遊技制御用マイコン61は先ず、特別図柄(第1特図、第2特図)の変動時間(S98でセットした特図変動パターンに応じた時間)の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S110)。そして、変動時間の終了タイミングであると判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S88でセットした特図停止図柄データに応じた特別図柄の停止図柄を表示(特別図柄の変動表示を確定表示)する(S111-1)と共に、特図変動停止コマンド(特図用の変動停止コマンド)をRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111-2)。また、特別図柄の停止時間の計測を開始する(S111-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、S111-3の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS110において特別図柄の変動時間の終了タイミングではないと判定した場合(S110:No)、前述したS111-3において開始した特別図柄の停止時間の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S112)。停止時間の終了タイミングであると判定した場合(S112:Yes)、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114-1)、
ONであると判定した場合(S114-1:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S114-2)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技状態の実行中は非時短状態に制御される。
遊技制御用マイコン61は、前述したS112において特別図柄の停止時間の終了タイミングではないと判定した場合(S112:No)、遊技状態が大当たり遊技状態(1種大当たり状態またはV当たり状態)であるか否かを判定する(S115-1)。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、大当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、大当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS115-1において大当たり遊技状態であると判定した場合には(S115-1:Yes)、1種大当たり状態またはV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S115-2)。そして、S115-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS115-1において大当たり遊技状態ではないと判定した場合(S115-1:No)、前述したS115-2を経由することなくS116-1に進み、遊技状態が小当たり遊技状態であるか否かを判定する。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、小当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、小当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS116-1において小当たり遊技状態であると判定した場合には(S116-1:Yes)、小当たり遊技状態に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S116-2)。そして、S116-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(遊技状態管理処理)
次に、図21に従って、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S113-1)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S113-1:No)、遊技制御用マイコン61は、後述するS113-7に移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S113-1:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値を1減算する(S113-2)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S113-3)。そして、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S113-3:Yes)に、時短フラグをOFFにし(S113-5)、S113-6に移行する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS113-3において1減算後の時短カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S113-3:No)、遊技制御用マイコン61は、時短状態の終了条件のうち、当該時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時であるか否かを判定する(S113-4)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、S113-4において、第1ラッシュ期間中における小当たり図柄bに基づく7回目の小当たり遊技状態の終了タイミングである場合と、第2ラッシュ期間中における小当たり図柄bに基づく1回目の小当たり遊技状態の終了タイミングである場合とに、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件が成立したと判定し(S113-4:Yes)、それ以外では、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件が成立していないと判定する(S113-4:No)。そして、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時であると判定した場合(S113-4:Yes)、時短フラグをOFFにし(S113-5)、S113-6に移行する。これに対し、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時ではない判定した場合は(S113-4:No)、S113-5を経由することなく(時短フラグをOFFにせず)、S113-6に移行する。
S113-6において遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、その後、遊技状態管理処理を終了する。なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短状態、時短状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり遊技状態、の何れかを含んでいる。S113-6(特別図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは、非時短状態、時短状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)、小当たり遊技状態の何れかである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。時短カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、時短カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短状態が終了し、非通常状態に移行する。
(特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態))
次に、図22に従って、1種大当たり状態またはV当たり状態に関する特別電動役物処理(S117)の内容について説明する。遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示中および停止表示中の何れでもなく、かつ大当たりフラグがONとなっている期間に、図22に示す特別電動役物処理を実行する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)において、大当たりオープニング設定(S117-1)、大当たりラウンド設定(S117-2)、大当たりエンディング設定(S117-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニング設定(S117-1)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)のオープニング期間(大当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(大当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりラウンド設定(S117-2)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のラウンド期間(ラウンド演出)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(ラウンド開始コマンド(開放コマンド)、ラウンド終了コマンド(閉鎖コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディング設定(S117-3)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のエンディング期間(大当たりエンディング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(エンディングコマンド、エンディング終了コマンド(大当たり終了コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
なお、遊技制御用マイコン61は、前述した大当たりオープニング設定や大当たりエンディング設定において、大当たりオープニングや大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。また、前述の大当たりラウンド設定において遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを開閉させる。そして、ラウンド遊技中、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種別毎に定められたラウンド回数分、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aの開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合のラウンド遊技の終了後に、大当たりエンディング設定においてエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットし、出力する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の終了タイミング(大当たりエンディングの終了タイミング)であるか否かを判定する(S117-4)。そして、大当たり遊技状態の終了タイミングではないと判定した場合(S117-4:No)、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、S117-4において大当たり遊技状態の終了タイミングであると判定した場合(S117-4:Yes)、S117-5~S117-8の処理を実行する。ここで、遊技制御用マイコン61は、S117-5において大当たりフラグをOFFにし、続くS117-6において時短フラグをONにして、更にS117-7において時短カウンタをセットする。そしてS117-8において、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。遊技制御用マイコン61は、この特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(特別電動役物処理(小当たり遊技状態))
次に、図23に従って、小当たり遊技状態に関する特別電動役物処理(S121)について説明する。遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて第2大入賞口15aを開放させるために、図23に示す特別電動役物処理(小当たり)を実行する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり遊技状態)は第2特図に関連して実行されるため、第2特図を前提として説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)において、小当たりオープニング設定(S119-1)、小当たり開放設定(S119-2)、振分部材作動フラグ設定(S119-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定(S119-1)において、小当たり遊技状態のオープニング期間(小当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(小当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
また、遊技制御用マイコン61は、小当たり開放設定(S119-2)において、小当たり遊技状態における第2大入賞口15aの開放期間の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(開放コマンド、閉鎖コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグ設定(S119-3)において、当選した小当たりの種別に従って振分部材作動フラグを設定する。振分部材作動フラグは、振分部材56を作動させる期間であることを示すフラグである。具体的に説明すると、本実施形態において遊技制御用マイコン61は、小当たり図柄aを決定した場合に振分部材作動フラグをONにし、小当たり図柄bを決定した場合には振分部材作動フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグがONになっている期間中、振分部材ソレノイド55cを通電状態とし、特定領域が開状態となるよう振分部材56を制御する。なお、振分部材作動フラグがONになっている期間中、常に特定領域が開状態となるように振分部材56を制御する必要はなく、振分部材ソレノイド55cがOFFにされる時間帯があってもよい。
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域を通過したか否かを判定する(S119-4)。特定領域を遊技球が通過したことは、特定領域センサ55aによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S119-4:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S119-5)。そして次に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドとして、V当たり状態とすることを示す情報を
含む遊技状態指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S119-6)。なお、この遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。これにより、パチンコ遊技機1では、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合も、特図当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように小当たり遊技状態を2種大当たり状態に発展させる(V当たり状態を開始させる)ための制御が実行可能となる。ただし、本実施形態において、特図当たり判定で大当たりと判定されたことによって実行される大当たり遊技状態である1種大当たり状態は、第1大入賞装置14で実行される一方、特定領域の通過によって実行される大当たり遊技状態である2種大当たり状態は、第2大入賞装置15で実行される。
S119-4が否定判定の場合(S119-4:No)またはS119-6の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-7に移行する。このS119-7において遊技制御用マイコン61は、振分部材56の作動終了条件が成立したか否かを判定する。そして、振分部材56の作動終了条件が成立したと判定した場合には(S119-7:Yes)、振分部材作動フラグをOFFすることで振分部材56の作動を終了させ(S119-8)、その後にS119-9に移行する。一方、振分部材56の作動終了条件が成立していないと判定した場合は(S119-7:No)、S119-8を経由することなく、S119-9に移行する。
S119-7が否定判定の場合またはS119-8の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-9に移行する。このS119-9において遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件は、第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは当選した小当たりに応じた開放パターンに定められた開放時間が経過することである。そして、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立したと判定した場合(S119-9:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S119-10)、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。一方、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S119-9:No)、S119-10を経由することなく、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。
[演出制御用マイコン101の主な処理]
次に、演出制御用マイコン101(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(サブ側主制御処理)
先ず、図24に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S160)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer
Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ
等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S161)、否定判定した場合(S161:No)、RAM120を初期化し(S162)、S163に進む。また、S161において肯定判定した場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS163に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S161:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S161:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化
すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS160~S162は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S163)、乱数更新処理を実行する(S164)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、保留予告の実行可否を決定するための保留予告可否決定用乱数、保留予告の種類(パターン)を決定するための保留予告パターン乱数、その他の種々の予告演出(示唆演出)を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S165)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S166)。以降、S163~S166を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S167)、1msタイマ割込処理(S168)及び10msタイマ割込処理(S169)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S167)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S168,S169)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図25に従って、1msタイマ割込処理(S168)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S170)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ5aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S171)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S183)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体モータ23dを駆動させるために、駆動データ(可動体モータ23dを駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体モータ23dを所定の動作パターンで駆動させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるた
めに、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S184)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S172)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされ、S171において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S172:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S174)。S174の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図26に従って、10msタイマ割込処理(S169)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図27)を実行し(S180)、スイッチ状態取得処理を実行する(S181)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S170)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S182)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S183)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S184)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。
次に、演出制御用マイコン101は、後述する保留予告の実行を禁止する期間を設定するための保留予告禁止処理を実行する(S185)。この保留予告禁止処理については、後段で詳述する。
続いて演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S186)、本処理を終了する。その他の処理(S186)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。また、その他の処理(S186)では、遊技者に対して右打ちを促す右打ち演出を行うための右打ち演出処理等を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図27に従って、受信コマンド解析処理(S330)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S190-1)、受信したと判定した場合(S190-1:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S190-2)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(非時短状態、時短状態、1種大当たり状態、小当たり状態、V当たり状態の何れであ
るか)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、現時点で設定されている遊技状態を特定し、その遊技状態を示す遊技状態フラグを「1」にセットし、それ以外の遊技状態フラグを「0」にセットする。また、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出終了処理(S196-2、特図変動停止コマンドの受信時)において計測を開始した(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの)停止時間の計測を終了する。
演出制御用マイコン101は、S190-2の処理の終了後、または、S190-1において遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S190-1:No)、S191-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S191-1)、受信したと判定した場合は(S191-1:Yes)、先読み演出判定処理を実行する(S191-2)。
先読み演出判定処理(S191-2)では、第1特図保留演出記憶部121(または第2特図保留演出記憶部122)に記憶した始動入賞コマンドに含まれている始動入賞情報(大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値等)を判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が特別図柄の変動表示を開始する時点よりも前(始動入賞時)に、始動入賞情報に関する事前判定(例えば、特図当たり判定や大当たり種別判定やリーチ判定)を行う。そして、事前判定の結果に応じた抽選により、先読み演出(示唆演出)を行うか否かを決定する。なお、本実施形態では、先読み演出として、演出表示装置7(メイン演出保留表示領域7Baや当該変動表示領域7Bc)に表示される保留画像の態様を変化させたり、始動入賞のタイミングで予め定めた音声(入賞音)を発生させたりする演出(保留予告)を行う。この先読み演出判定処理については、後段で詳述する。
演出制御用マイコン101は、S191-2の処理の終了後、または、S191-1において始動入賞コマンドを受信していないと判定した場合に(S191-1:No)、S192-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S192-1)、受信したと判定した場合は(S192-1:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S192-2)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のオープニングで実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S192-2の処理の終了後、または、S192-1においてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合に(S192-1:No)、S193-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S193-1)。この処理においてラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合は(S193-1:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S193-2)。ラウンド演出選択処理では、大当たり遊技状態の各ラウンドにおいて実行するラウンド演出の種類を選択すると共に、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S193-2の処理の終了後、または、S193-1においてラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S193-1:No)、S194-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S194-1)、受信したと判定した場合は(S194-1:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S194-2)。このエンディング演出選択処理では、エンディングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のエンディングで実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出パターンが対応付けて設定されたエンディング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出パターンを選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S194-2の処理の終了後、または、S194-1においてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合に(S194-1:No)、S195-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S195-1)、受信したと判定した場合は(S195-1:Yes)、後述する変動演出開始処理(図28)を実行する(195-2)。この変動演出開始処理では、主制御基板60から受信した特図変動開始コマンドに応じて、変動演出のより具体的な演出内容(変動演出パターン)を決定し、その変動演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン101は、変動演出開始処理(S195-2)において、受信した特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンに応じて特図変動表示の変動時間を特定し、特定した変動時間を変動演出の実行時間(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの変動時間)としてその計測を開始する。
この変動演出開始処理(S195-2)の実行後、演出制御用マイコン101は、後述する示唆演出選択処理を実行する(S195-3)。示唆演出選択処理では、変動演出中に示唆演出を実行するか否かおよび実行する示唆演出の種類を決定する。そして、示唆演出を実行することを決定した場合には、その示唆演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S195-3の処理の終了後、または、S195-1において変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S195-1:No)、S196-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S196-1)、受信したと判定した場合は(S196-1:Yes)、変動演出終了処理を実行する(S196-2)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(図25のS165)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において停止状態(滞留状態)となっている左演出図柄7L、中演出図柄7Cおよび右演出図柄7Rを確定表示する。また、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理(S196-2)において、前述した変動演出開始処理(S195-2)で計測開始した変動時間の計測を終了し、変動演出後の演出図柄7L,7C,7Rの停止時間(特図変動表示の停止時間と同じ時間)の計測を開始する。
演出制御用マイコン101は、S197-2の処理の終了後、または、S196-1において変動停止コマンドを受信していないと判定した場合に(S196-1:No)、S
197へ進む。
続いて、演出制御用マイコン101は、上記のコマンド以外のコマンドの受信に関する処理を行って(S197)、受信コマンド解析処理を終える。
(変動演出開始処理)
次に、図28に従って、変動演出開始処理(S195-2)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図変動開始コマンドを解析する(S210)。特図変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S210において解析した特図変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S211)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S212)。次に、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S213)。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S214)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S214において選択した演出内容(変動演出パターン)の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S215)。変動演出開始コマンドには、演出内容(変動演出パターン)の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S171)において演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。また、画像制御基板200は、演出制御用マイコン101からの変動演出開始コマンドを受信したことに基づき、演出表示装置7の表示上において当該変動表示領域7Bcに表示される画像(当該変動画像)を消去すると共に、メイン演出保留表示領域7Baやサブ演出保留表示領域7Bbに表示される画像(保留画像)をシフトする。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(変動演出パターンついて)
次に、変動演出パターンについて説明する。本実施例では、演出制御用マイコン101が、遊技制御用マイコン61からの特図変動開始コマンドを受信して特図変動パターンを特定し、その特図変動パターンに基づいて、変動演出における具体的な演出内容(変動演出パターン)を決定する。図29は、演出制御用マイコン101が遊技制御用マイコン61からの特図変動開始コマンドを受信した際、変動演出パターンを決定するために用いる変動演出パターン選択テーブルT10の内容を示している。変動演出パターンを大別すると、結果的に大当たり演出図柄(または小当たり演出図柄)が表示される演出内容を特定する当たり変動演出パターン(図29に示す変動演出パターンEP1-1,EP1-2,E
P2,EP3)と、結果的にハズレ演出図柄が表示される演出内容を特定するハズレ変動
演出パターン(図29に示す変動演出パターンEP4-1,EP4-2,EP5,EP6,EP7)とに分けられる。また、変動演出パターンは、大当たりとなることへの期待度を高める期待度演出であるリーチ演出を含むリーチ変動演出パターン(図29に示す変動演出パターンEP1-1,EP1-2,EP2,EP4-1,EP4-2,EP5)と、リーチ演
出を含まない非リーチ変動演出パターン(図29に示す変動演出パターンEP3,EP6,EP7)とに分けることも可能である。
ここで、前述したリーチ変動演出パターンEP1-1,EP1-2,EP2,EP4-1,EP4-2,EP5に含まれるリーチ演出は、ノーマルリーチ演出と、このノーマルリー
チ演出よりも期待度の高いSPリーチ演出とに分けられる。ノーマルリーチ演出は、リーチ発生前と同じ背景画像の表示を維持しつつ、その手前側で演出図柄によるリーチ変動を表示する。一方で、本実施形態のSPリーチ演出は、演出表示装置7の画面全体を使って演出するようになっており、その際に演出図柄(リーチ変動)は画面右下の小さな範囲で表示するようになっている。本実施形態では、SPリーチ演出として互いに演出内容が異なる2種類があり(高期待度SPリーチ演出、低期待度SPリーチ演出)、互いに期待度も異なるように大当たり当選時・落選時の各選択確率が設定されている。各SPリーチ演出について、共通の特図変動パターンが決定された際に選択可能としたが、異なる特図変動パターン(異なる変動時間)に対応するようにしてもよい。また、SPリーチ演出の種類は3種類以上であってもよい。
演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンの情報が特図変動パターンP1である場合に、変動演出パターン乱数値を確認すると共に変動演出パターン選択テーブルT10を参照し、変動演出パターン乱数値が「0」から「19」までの何れかであれば、当たり低期待度SPリーチ演出パターンEP1-1を決定し(20パーセント)、「20」から「99」の何れかであれば、当たり高期待度SPリーチ演出パターンEP1-2を決定する(80パーセント)。
また、演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンの情報が特図変動パターンP2である場合に、変動演出パターン乱数値を確認すると共に変動演出パターン選択テーブルT10を参照し、変動演出パターン乱数値が「0」から「99」までの何れの場合も、当たりノーマルリーチ演出パターンEP2を決定する。
更に、演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンの情報が特図変動パターンP3である場合、変動演出パターン乱数値を確認すると共に変動演出パターン選択テーブルT10を参照し、変動演出パターン乱数値が「0」から「99」までの何れの場合も、当たり全回転演出パターン(小当たり)EP3を決定する。
演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンの情報が特図変動パターンP4である場合に、変動演出パターン乱数値を確認すると共に変動演出パターン選択テーブルT10を参照し、変動演出パターン乱数値が「0」から「79」までの何れかであれば、ハズレ低期待度SPリーチ演出パターンEP4-1を決定し(80パーセント)、「80」から「99」の何れかであれば、ハズレ高期待度SPリーチ演出パターンEP4-2を決定する(20パーセント)。
また、演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンの情報が特図変動パターンP5である場合に、変動演出パターン乱数値を確認すると共に変動演出パターン選択テーブルT10を参照し、変動演出パターン乱数値が「0」から「99」までの何れの場合も、ハズレノーマルリーチ演出パターンEP5を決定する。
更に、演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンの情報が特図変動パターンP6である場合に、変動演出パターン乱数値を確認すると共に変動演出パターン選択テーブルT10を参照し、変動演出パターン乱数値が「0」から「99」までの何れの場合も、通常変動演出パターンEP6を決定する。
更にまた、演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンの情報が特図変動パターンP7である場合に、変動演出パターン乱数値を確認すると共に変動演出パターン選択テーブルT10を参照し、変動演出パターン乱数値が「0」から「99」までの何れの場合も、通常変動演出パターン(短縮)EP7を決定する。
(低期待度SPリーチ演出について)
以下、2種類のうち期待度が低い方のSPリーチ演出である低期待度SPリーチ演出について、図30および図31を参照しながら説明する。
演出表示装置7では通常、背景画像(図31(a)~図31(d))の手前側に見えるように演出図柄が表示されている。ここで、演出制御用マイコン101が受信した特図変動開始コマンドに基づいて特図変動パターンP1,P4の何れかを特定し、当該特図変動パタ
ーンP1,P4に対応する変動演出パターンとして低期待度SPリーチ演出パターンEP
1-1,EP4-1の何れかを決定した場合、演出表示装置7では、図31(a)のように
、背景画像を表示した状態で演出図柄の変動表示が開始され(図30におけるt1時点)、演出図柄は停止状態から高速変動状態に移行する。演出図柄の変動開始時点から第1時間が経過した時点(図30におけるt2時点、例えば変動開始から6秒経過時点)で、図31(b)のように、左演出図柄7Lの変動速度が低下し、間もなく左演出図柄7Lが仮停止状態となる(図30におけるt3時点、例えば変動開始から8秒経過時点)。すると同時に、図31(c)のように、その時点(t3時点)から右演出図柄7Rの変動速度が低下し、図31(d)のように、間もなく右演出図柄7Rが仮停止状態となる(図30におけるt4時点、例えば変動開始から10秒経過時点)。この時点(t4時点)で、左演出図柄7Lおよび右演出図柄7Rが同じ演出図柄(リーチ図柄)となってリーチが発生する。リーチ発生時点(図30におけるt4時点)から中演出図柄7Cの変動速度が低下するが、間もなく、画面全体を使った専用演出(低期待度SPリーチ演出)が開始される(図30におけるt5時点)。この低期待度SPリーチ演出では、図31(e)に示す味方キャラクタMKと、図31(f)に示す敵キャラクタTKとがバトルを展開して、味方キャラクタMKおよび敵キャラクタTKの何れか一方が勝利を収めて終了する。なお、図31(g)は、味方キャラクタMKが勝利したことを示す演出内容で低期待度SPリーチ演出が終了する場合(すなわち、当たり低期待度SPリーチ演出パターンEP1-1に基づく変動演出の場合)であり、この場合は図31(h)のように、大当たり演出図柄が最終的に拡大表示されて大当たりしたことが報知される。なお、ハズレ低期待度SPリーチ演出パターンEP4-1に基づく変動演出の場合には、敵キャラクタTKが勝利したことを示す演出内容で低期待度SPリーチ演出が終了し、ハズレ演出図柄が最終的に拡大表示されてハズレであることが報知される。
(高期待度SPリーチ演出について)
以下、2種類のうち期待度が高い方のSPリーチ演出である高期待度SPリーチ演出について、図32および図33を参照ながら説明する。
演出制御用マイコン101が受信した特図変動開始コマンドに基づいて特図変動パターンP1,P4の何れかを特定し、当該特図変動パターンP1,P4に対応する変動演出パターンとして高期待度SPリーチ演出パターンEP1-2,EP4-2の何れかを決定した
場合、演出表示装置7では、図33(a)のように、背景画像を表示した状態で演出図柄の変動表示が開始され(図32におけるt11時点)、演出図柄は停止状態から高速変動状態に移行する。演出図柄の変動開始時点から第1時間が経過した時点(図32におけるt12時点、例えば変動開始から6秒経過時点)で、図33(b)のように、左演出図柄7Lの変動速度が低下し、間もなく左演出図柄7Lが仮停止状態となる(図32におけるt13時点、例えば変動開始から8秒経過時点)。すると同時に、図33(c)のように、その時点(t13時点)から右演出図柄7Rの変動速度が低下し、図33(d)のように、間も
なく右演出図柄7Rが仮停止状態となる(図32におけるt14時点、例えば変動開始から10秒経過時点)。この時点(t14時点)で、左演出図柄7Lおよび右演出図柄7Rが同じ演出図柄(リーチ図柄)となってリーチが発生する。リーチ発生時点(図32におけるt14時点)から中演出図柄7Cの変動速度が低下するが、間もなく、画面全体を使った専用演出(高期待度SPリーチ演出)が開始される(図32におけるt15時点)。この高期待度SPリーチ演出では、図33(e)に示すように、人気アーティストによる音楽ライブの映像(実写動画)が表示され、楽曲の終了と共に大当たり演出図柄またはハズレ演出図柄が表示されて終了する。すなわち、当たり高期待度SPリーチ演出パターンEP1-2に基づく変動演出の場合には、図33(f)のように、大当たり演出図柄が最終的に拡大表示されて大当たりしたことが報知される。一方、ハズレ高期待度SPリーチ演出パターンEP4-2に基づく変動演出の場合には、ハズレ演出図柄が最終的に拡大表示されてハズレであることが報知される。
(保留予告について)
次に、パチンコ遊技機1が実行する予告演出(示唆演出)の一種である保留予告について、図34、図35および図36を順に参照しつつ説明する。
先ず、保留予告の演出内容について説明する。保留予告は、第1始動口10aへの遊技球の入賞を契機として、その始動入賞を契機とする変動演出の開始前(すなわち作動保留中に)に実行可能な演出であり、本実施形態では、演出表示装置7での表示による演出(保留変化演出)と、スピーカ8からの音出力による演出(入賞音演出)とがある。
保留変化演出は、メイン演出保留表示領域7Baに追加表示する保留画像HGを通常とは異なる態様で表示することにより、その始動入賞に対応する記憶情報(始動入賞情報)に基づいて大当たり遊技状態が発生する可能性があることを示唆する演出となっている。この保留変化演出は、第1始動口10aへの遊技球の入賞タイミングで開始されるか、またはその入賞に対応する保留画像HGが移動するタイミングで開始され、その入賞に対応する変動演出が開始される際に保留画像HGによる演出から当該変動画像TGによる演出変化して、その変動演出の終了と共に終了する。
また、入賞音演出は、第1始動口10aへの遊技球の入賞タイミングで予め定めた音をスピーカ8から出力することにより、その始動入賞に対応する記憶情報(始動入賞情報)に基づいて大当たり遊技状態が発生する可能性があることを示唆する演出となっている。
このように、保留変化演出と入賞音演出とは、個別の保留予告として実行され得る演出である。但し、以下の記載では、説明の簡略化のため、入賞音演出の実行と同時に保留変化演出の実行が決定されるものとして説明する。
本実施形態では、入賞音演出として第1入賞音演出および第2入賞音演出を実行可能であり、保留変化演出として第1保留変化演出および第2保留変化演出を実行可能である。ここで、第1入賞音演出と同時に第1保留変化演出が実行されることとし、第2入賞音演出と同時に第2保留変化演出が実行されることとする。
図34は、演出表示装置7(メイン演出保留表示領域7Baおよび当該変動表示領域7Bc)における表示内容の変化の一例である。このうち図34(a)~図34(d)は、保留予告(入賞音演出・保留変化演出)が行われない場合であり、図34(e)~図34(g)は、図34(a)の状態の後に始動入賞タイミングで第1入賞音演出が発生し、同時に第1保留変化演出が開始された場合であり、図34(h)~図34(j)は、図34(a)の状態の後に始動入賞タイミングで第2入賞音演出が発生し、同時に第2保留変化演出が開始された場合である。
図34(a)では、遊技状態が非時短状態であり、演出制御用マイコン101のRAM120において、第1特図保留演出記憶部121に記憶される始動入賞情報の数(第1特別図柄の変動表示に対応する変動演出の作動保留数)が「2」となっており、第2特図保留
演出記憶部122に記憶される始動入賞情報の数(第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出の作動保留数)が「0」となっている。メイン演出保留表示領域7Baに表示される2つの保留画像HGは、(第1特別図柄の変動表示に対応する)変動演出の作動保留数が「2」であることを示している。また、当該変動表示領域7Bcに表示される当該変動画像TGは、実行中の変動演出に対応している。サブ演出保留表示領域7Bbは非表示(第2特別図柄の変動表示に対応する変動演出の作動保留数が「0」)となっている。
この図34(a)の状態で、第1始動口10aへの遊技球の入賞が発生すると、そのタイミングでメイン演出保留表示領域7Baに保留画像HGが1つ追加される。この場合に、保留予告が行われない通常の場合は、図34(b)のように他の保留画像HGと同態様の保留画像HGが追加されて、メイン演出保留表示領域7Baに表示される保留画像HGの合計は3つとなる。その後、変動演出が終了すると、当該変動表示領域7Bcに表示されていた当該変動画像TGを図34(c)のように消去し、それと同時またはその直後に、図34(d)の如く、メイン演出保留表示領域7Baに表示されている3つの保留画像HGを左側へとずらすように移動させる。この場合、最も左側に表示されていた保留画像HGを当該変動表示領域7Bcに移動させ、これにより当該変動画像TGとして表示する。以降、同様に変動演出の終了毎に保留画像HGを移動させる。
図34(a)の状態において発生した第1始動口10aへの入賞を契機として第1入賞音演出および第1保留変化演出を同時に行う場合は、図34(e)のように、その始動入賞タイミングで、予め定めた態様の入賞音(具体的には「ピッ」という効果音)をスピーカ8から出力する(第1入賞音演出)。また、メイン演出保留表示領域7Baに追加する保留画像HGを、通常と異なる態様(通常と同形態であるが特殊な色)で表示する(第1保留変化演出)。このように、入賞音演出を行うのと同時に、通常とは異なる態様の保留画像HGを追加表示することで保留変化演出を行うことにより、確実かつ早期に遊技者の期待感を高めることができる。そして、その後、変動演出が終了すると、当該変動表示領域7Bcに表示されていた当該変動画像TGを図34(f)のように消去し、それと同時またはその直後に、図34(g)の如く、メイン演出保留表示領域7Baに表示されている3つの保留画像HGを左側へとずらすように移動させる。この場合、最も左側に表示されていた保留画像HGを当該変動表示領域7Bcに移動させ、これにより当該変動画像TGとして表示する。以降、同様に変動演出の終了毎に保留画像HGを移動させるので、図34(g)の時点から2回の変動演出が行われると、前述した特殊な色の保留画像HGが当該変動表示領域7Bcに移動して当該変動画像TGとなる。これにより、実行される変動演出に対応して大当たり遊技状態となることへの期待度が通常よりも高いことが示唆される。
また、図34(a)の状態において発生した第1始動口10aへの入賞を契機として第2入賞音演出および第2保留変化演出を同時に行う場合は、図34(h)のように、その始動入賞タイミングで、予め定めた態様の入賞音(具体的には「Let’s Go」という音声)を
スピーカ8から出力する(第2入賞音演出)。また、メイン演出保留表示領域7Baに追加する保留画像HGを、通常と異なる態様(特殊な形態、具体的には星形)で表示する(第2保留変化演出)。このように、入賞音演出を行うのと同時に、通常とは異なる態様の保留画像HGを追加表示することで保留変化演出を行うことにより、確実かつ早期に遊技者の期待感を高めることができる。そして、その後、変動演出が終了すると、当該変動表示領域7Bcに表示されていた当該変動画像TGを図34(i)のように消去し、それと同時またはその直後に、図34(j)の如く、メイン演出保留表示領域7Baに表示されている3つの保留画像HGを左側へとずらすように移動させる。この場合、最も左側に表示されていた保留画像HGを当該変動表示領域7Bcに移動させ、これにより当該変動画像TGとして表示する。以降、同様に変動演出の終了毎に保留画像HGを移動させるので、図34(j)の時点から2回の変動演出が行われると、前述した特殊な形態の保留画像HGが当該変動表示領域7Bcに移動して当該変動画像TGとなる。これにより、実行される変動演出に対応して大当たり遊技状態となることへの期待度が通常よりも高いことが示唆さ
れる。
次に、入賞音演出の実行可否の決定確率について、図35を参照しながら説明する。なお、保留変化演出については、入賞音演出を実行する際に実行するものとするため説明を省略する。但し、入賞音演出とは別に実行可否を決定してもよい。なお、保留変化演出は、契機となった始動入賞の発生時から対応の変動演出の開始までに、適宜のタイミングで開始することができる。
演出制御用マイコン101は、遊技制御用マイコン61からの始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド)を受信した場合に、始動入賞コマンドに含まれる情報(始動入賞情報)をRAM120の第1特図保留演出記憶部121に記憶すると共に、保留予告可否決定用乱数の値を取得する。そして、その保留予告可否決定用乱数値を確認すると共に、演出制御用マイコン101のROM110に記憶されている保留予告可否決定テーブルT11(図35)を参照して、入賞音演出(第1入賞音演出または第2入賞音演出)を行うか否か(実行可否)を決定する。この場合に、演出制御用マイコン101は、事前判定を行い、始動入賞情報に含まれる大当たり乱数の値がハズレを示す値である場合、保留予告可否決定用乱数値が「0」から「8」までの何れかであれば、入賞音演出を実行しないことを決定し、保留予告可否決定用乱数値が「9」であれば、入賞音演出を実行することを決定する。一方で、演出制御用マイコン101は、事前判定を行い、始動入賞情報に含まれる大当たり乱数の値が大当たりを示す値である場合、保留予告可否決定用乱数値が「0」から「4」までの何れかであれば、入賞音演出を実行しないことを決定し、保留予告可否決定用乱数値が「5」から「9」までの何れかであれば、入賞音演出を実行することを決定する。
このように、入賞音演出は、始動入賞コマンドを受信したタイミングでの事前判定(大当たり判定)がハズレの判定結果である場合の10パーセントで実行が決定され、事前判定(大当たり判定)が大当たりの判定結果である場合の50パーセントで実行が決定されるので、入賞音演出が行われない場合よりも行われた場合の方が、大当たり遊技状態となることへの期待度が高いことを示唆することができる。
第1入賞音演出が実行される場合と、第2入賞音演出が実行される場合とでは、大当たり遊技状態となることへの具体的な期待度が互いに異なるように設定されている。以下、入賞音演出の実行種類(第1入賞音演出および第2入賞音演出)の決定確率等について、図36を参照しながら説明する。
演出制御用マイコン101は、遊技制御用マイコン61からの始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド)を受信した場合に、前述した保留予告可否決定用乱数値の他に、保留予告パターン乱数の値も取得する。前述のように、保留予告可否決定テーブルT11と保留予告可否決定用乱数値との関係に基づいて、入賞音演出を実行することを決定した場合は、保留予告パターン乱数値を確認すると共に、演出制御用マイコン101のROM110に記憶されている保留予告パターン選択テーブルT12(図36)を参照して、実行する入賞音演出の種類(保留予告パターン)を決定する。この場合に、演出制御用マイコン101は、前述した事前判定の結果、始動入賞情報に含まれる大当たり乱数の値が大当たりを示す値である場合、保留予告パターン乱数値が「0」から「2」までの何れかであれば、入賞音演出として第1入賞音演出を実行することを決定し、保留予告パターン乱数値が「3」から「9」までの何れかであれば、入賞音演出として第2入賞音演出を実行することを決定する。一方で、演出制御用マイコン101は、前述した事前判定の結果、始動入賞情報に含まれる大当たり乱数の値がハズレを示す値である場合、保留予告パターン乱数値が「0」から「8」までの何れかであれば、入賞音演出として第1入賞音演出を実行することを決定し、保留予告パターン乱数値が「9」であれば、入賞音演出として第2入賞音演出を実行することを決定する。
このように、入賞音演出を実行する場合、始動入賞コマンドを受信したタイミングでの
事前判定(大当たり判定)がハズレの判定結果である場合の90パーセントが第1入賞音演出となり、10パーセントが第2入賞音演出となる。一方で、事前判定(大当たり判定)が大当たりの判定結果である場合は、30パーセントが第1入賞音演出となり、70パーセントが第2入賞音演出となる。従って、第1入賞音演出が行われる場合よりも第2入賞音演出が行われる場合の方が、大当たり遊技状態となることへの期待度として高い期待度を示唆することができる。すなわち、第1入賞音演出は、大当たり遊技状態となることへの期待度が低い入賞音演出(保留予告)となっており、第2入賞音演出は、大当たり遊技状態となることへの期待度が高い入賞音演出(保留予告)となっている。
(保留予告の禁止・制限について)
本実施形態では、前述した保留予告の実行を、必要に応じて禁止または制限する場合がある。以下では、保留予告が禁止または制限される対象期間と、禁止または制限する対象の演出内容とについて説明する。
図1に示す演出表示装置7の画面の中央側には、前述のように、左演出図柄7Lを変動表示する左演出図柄表示領域と、中演出図柄7Cを変動表示する中演出図柄表示領域と、右演出図柄7Rを変動表示する右演出図柄表示領域とが設けられている。また、画面の下辺に沿う側には、特図保留演出記憶部121,122での始動入賞情報の記憶数に応じた
数の保留画像HG(図34)を表示する演出保留表示領域7Ba,7Bbと、実行中の変
動演出の存在を示す当該変動画像TG(図34)を表示する当該変動表示領域7Bcとが設けられている。
変動演出の演出図柄(左演出図柄7L、中演出図柄7C、右演出図柄7R)や、保留画像HGおよび当該変動画像TGは、通常、背景画像(例えば遊技状態等に応じて定められている)の手前側に位置して見えるように表示制御される。これに対し、SPリーチ演出が行われる期間等の、大当たりになることへの期待度が特に高い演出中には、演出表示装置7の画面全体を使ってダイナミックな演出が行われるため、変動演出の演出図柄は縮小表示され、かつ、保留画像HGや当該変動画像TGが非表示になる(図31、図33)。
ここで、前述した保留変化演出は、保留画像HGや当該変動画像TGの態様を変化させる演出である。従って保留変化演出は、SPリーチ演出中において実行不可能となる(少なくとも画面上に表示されない)。これに対し、保留予告の他の一種である入賞音演出については、SPリーチ演出中にも実行可能である。すなわち、SPリーチ演出が行われる期間には、入賞音演出も実行しないようにすることもできるし、実行することもできる。しかし、以下2つの問題点がある。
・ 本実施形態では、SPリーチ演出として、低期待度SPリーチ演出と高期待度SPリーチ演出とがあり、大当たりすることへの期待度が互いに大きく異なっている。高期待度SPリーチ演出は大当たりとなることへの期待度が高く、遊技者が注目する対象となる演出であるが、その演出中に入賞音演出が行われると、その入賞音演出が高期待度SPリーチ演出の妨げとなる。特に、本実施形態では、高期待度SPリーチ演出として人気アーティストの音楽ライブの映像表示および音出力を行うので、その間に入賞音演出が発生すると、楽曲鑑賞をする遊技者にとって不快に感じられる。
・ SPリーチ演出が、実行中の変動演出の結果が大当たりとなることへの期待度を高める演出であるのに対し、保留予告は、作動保留中の変動演出の結果が大当たりとなることへの期待度を高める演出である。SPリーチ演出の実行中に保留予告(保留変化演出・入賞音演出)を全く行わないようにすると、遊技者の注目がSPリーチ演出(実行中の変動演出)のみに向くことになる。本実施形態では、SPリーチ演出として低期待度SPリーチ演出と高期待度SPリーチ演出とがあり、互いに大当たりとなることへの期待度が大きく異なっている。低期待度SPリーチ演出は結果的にハズレの結果で終了することが多いので、その実行中に保留予告(保留変化演出・入賞音演出)を全く行わないようにして遊技者の注目を集めると、遊技者は期待を裏切られる頻度が高くなって興趣が低下する。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、SPリーチ演出の種類に応じて、入賞音演出の種類毎の実行可否を図37のように決定する。なお、SPリーチ演出の期間中は、保留画像HGや当該変動画像TGが非表示となるため、保留変化演出は実行できない。
ノーマルリーチ演出パターンEP2,EP5に基づく変動演出の実行期間は、左演出図
柄7L、中演出図柄7Cおよび右演出図柄7Rが同時に変動開始して高速変動を行ってから左演出図柄7Lおよび右演出図柄7Rによってリーチが成立するまでの期間(ノーマルリーチ演出が開始されるまでの期間)であるリーチ前期間と、ノーマルリーチ演出が実行されるノーマルリーチ期間とで構成される。
ここで、リーチ前期間およびノーマルリーチ期間は何れも、演出表示装置7の画面全体を使って演出を行うようなことがなく、演出保留表示領域7Ba,7Bb・当該変動表示
領域7Bcは保留画像HG・当該変動画像TGを表示可能な状態が維持される。このため、両期間において、第1入賞音演出の実行が許容されると共に、第2入賞音演出の実行が許容されるようにする。
低期待度SPリーチ演出パターンEP1-1,EP4-1に基づく変動演出の実行期間
は、左演出図柄7L、中演出図柄7Cおよび右演出図柄7Rが同時に変動開始して高速変動を行ってから左演出図柄7Lおよび右演出図柄7Rによってリーチが成立するまでの期間(低期待度SPリーチ演出が開始されるまでの期間)であるリーチ前期間と、低期待度SPリーチ演出が実行される低期待度SPリーチ期間とで構成される。
ここで、リーチ前期間は、演出表示装置7の画面全体を使って演出を行うようなことがなく、演出保留表示領域7Ba,7Bb・当該変動表示領域7Bcは保留画像HG・当該
変動画像TGを表示可能な状態が維持される。このため、リーチ前期間においては、第1入賞音演出の実行が許容されると共に、第2入賞音演出の実行が許容されるようにする。
一方、低期待度SPリーチ期間では、低期待度SPリーチ演出が演出表示装置7の画面全体を使って行われ、演出保留表示領域7Ba,7Bb・当該変動表示領域7Bcは保留
画像HG・当該変動画像TGを非表示とする状態になるので、第1・第2保留変化演出の実行が不可能になる。しかし、低期待度SPリーチ演出(実行中の変動演出)は大当たりとなることへの期待度が高くなく、遊技者の注目を過度に集めると結果的に遊技者の期待を裏切る可能性が高い。このため、第1・第2入賞音演出の実行を許容して、作動保留に基づいて以後に行われる変動演出にも遊技者の注目が分散されるようにする。
高期待度SPリーチ演出パターンEP1-2,EP4-2に基づく変動演出の実行期間
は、左演出図柄7L、中演出図柄7Cおよび右演出図柄7Rが同時に変動開始して高速変動を行ってから左演出図柄7Lおよび右演出図柄7Rによってリーチが成立するまでの期間(高期待度SPリーチ演出が開始されるまでの期間)であるリーチ前期間と、高期待度SPリーチ演出が実行される高期待度SPリーチ期間とで構成される。
ここで、リーチ前期間は、演出表示装置7の画面全体を使って演出を行うようなことがなく、演出保留表示領域7Ba,7Bb・当該変動表示領域7Bcは保留画像HG・当該
変動画像TGを表示可能な状態が維持される。このため、リーチ前期間においては、第1入賞音演出の実行が許容されると共に、第2入賞音演出の実行が許容されるようにする。
一方、高期待度SPリーチ期間では、高期待度SPリーチ演出が演出表示装置7の画面全体を使って行われ、演出保留表示領域7Ba,7Bb・当該変動表示領域7Bcは保留
画像HG・当該変動画像TGを非表示とする状態になるので、第1・第2保留変化演出の実行が不可能になる。また、高期待度SPリーチ演出は、その時点で実行中の変動演出が大当たりになることを高い信頼度で示唆する演出であり、遊技者が注目する価値がある。そこで、第1・第2入賞音演出のうち、大当たりになることへの期待度が低く、実行される頻度も高い第1入賞音演出について、高期待度SPリーチ期間中の実行を禁止するようにして、遊技者が第1入賞音演出に邪魔されずに高期待度SPリーチ演出での楽曲の音出
力を楽しむことができるようにする。なお、第2入賞音演出については、大当たりになることへの期待度が高く、実行される頻度も低いので、高期待度SPリーチ期間中の実行を許容する。
(保留予告禁止処理)
次に、サブ制御基板100の演出制御用マイコン101が実行する前述した10msタイマ割込処理(図26)のうち、保留予告禁止処理(S185)の処理の流れについて、図38を参照しながら具体的に説明する。演出制御用マイコン101は、2種類の入賞音演出のうち大当たりすることへの期待度が低い第1入賞音演出の入賞音演出を禁止する期間を判別可能とするために、RAM120内に保留予告禁止フラグを設定可能に構成されている。保留予告禁止処理では、第1入賞音演出を禁止する期間に対応して、保留予告禁止フラグが「1」に設定される。
図38に示すように、演出制御用マイコン101は、保留予告禁止処理において先ず、高期待度SPリーチ演出期間の開始タイミングであるか否かを判定する(S300)。そして、高期待度SPリーチ演出期間の開始タイミングであると判定した場合には(S300:Yes)、保留予告禁止フラグを「0」から「1」に変更する(S301)。そして、S302に進む。一方で、高期待度SPリーチ演出期間の開始タイミングではないと判定した場合は(S300:No)、S301の処理を経由することなく、すなわち保留予告禁止フラグを維持しつつ、S302に移行する。
続くS302において、演出制御用マイコン101は、高期待度SPリーチ演出期間の終了タイミングであるか否かを判定する。そして、高期待度SPリーチ演出期間の終了タイミングであると判定した場合には(S302:Yes)、保留予告禁止フラグを「1」から「0」に変更する(S303)。そして、保留予告禁止処理を終了する。一方で、S302において、高期待度SPリーチ演出期間の終了タイミングではないと判定した場合は(S302:No)、S303の処理を経由することなく、すなわち保留予告禁止フラグの状態を維持しつつ、保留予告禁止処理を終了する。
(先読み演出判定処理)
次に、サブ制御基板100の演出制御用マイコン101が実行する前述した受信コマンド解析処理(図27)のうち、先読み演出判定処理(S191-2)の処理の流れについて、図39を参照しながら具体的に説明する。先読み演出判定処理では、先読み演出としての入賞音演出の実行可否や実行種類を決定すると共に、保留予告禁止期間中に禁止対象とされる演出の実行を禁止する。
図39に示すように演出制御用マイコン101は、前述した始動入賞コマンドの受信(図27のS191-1)を契機とする先読み演出判定処理において、先ず、保留予告可否決定用乱数の値と、保留予告パターン乱数の値とを取得する(S310)。そして、保留予告可否決定テーブルT11(図35)を参照し、前述のS310で取得した保留予告可否決定用乱数値に基づき、入賞音演出を実行するか否かを決定する(保留予告実行可否決定処理、S311)。この保留予告実行可否決定処理の結果、入賞音演出を実行しないことを決定した場合には(S312:No)、先読み演出判定処理を終了する。一方で、保留予告実行可否決定処理の結果、入賞音演出を実行すると決定した場合には(S312:Yes)、続くS313へと進む。
S313において、演出制御用マイコン101は、保留予告パターン選択テーブルT12(図36)を参照し、前述のS310で取得した保留予告パターン乱数値に基づき、実行する入賞音演出の種類(第1入賞音演出および第2入賞音演出の何れか)を決定する(保留予告パターン選択処理、S313)。この保留予告パターン選択処理の結果、第2入
賞音演出(第1入賞音演出よりも期待度の高い入賞音演出)を実行することが決定された場合は(S314:Yes)、RAM120の出力バッファに第2保留予告指定コマンドをセットして(S315)、先読み演出判定処理を終了する。これにより、第2保留予告指定コマンドは、1msタイマ割込処理の出力処理(S171)において画像制御基板200および音声制御基板78に出力される。なお、第2保留予告指定コマンドを受信した音声制御基板78は、スピーカ8から第2入賞音演出を音出力させる。また、第2保留予告指定コマンドを受信した画像制御基板200は、演出表示装置7の画面に第2保留変化演出を表示させる。但し、SPリーチ演出の実行期間には、画面全体で演出が行われ、演出保留表示領域7Ba,7Bb・当該変動表示領域7Bcの保留画像HGおよび当該変動
画像TGが非表示となるため、保留変化演出も非表示となる(すなわち、SPリーチ演出中の場合、保留予告として第2入賞音演出のみが行われる)。
演出制御用マイコン101は、保留予告パターン選択処理(S313)の結果、第1入賞音演出(第2入賞音演出よりも期待度の低い入賞音演出)を実行することが決定された場合には(S314:No)、保留予告禁止フラグが「0」であるか否かを判定する(S316)。そして、保留禁止フラグが「0」、すなわち第1入賞音演出の禁止期間ではない場合には(S316:Yes)、RAM120の出力バッファに第1保留予告指定コマンドをセットして(S317)、先読み演出判定処理を終了する。これにより、第1保留予告指定コマンドは、1msタイマ割込処理の出力処理(S171)において画像制御基板200および音声制御基板78に出力される。なお、第1保留予告指定コマンドを受信した音声制御基板78は、スピーカ8から第1入賞音演出を音出力させる。また、第1保留予告指定コマンドを受信した画像制御基板200は、演出表示装置7の画面に第1保留変化演出を表示させる。但し、SPリーチ演出の実行期間には、画面全体で演出が行われ、演出保留表示領域7Ba,7Bb・当該変動表示領域7Bcの保留画像HGおよび当該
変動画像TGが非表示となるため、保留変化演出も非表示となる(すなわち、SPリーチ演出中の場合、保留予告として第1入賞音演出のみが行われる)。
演出制御用マイコン101は、前述したS316において、保留禁止フラグが「1」、すなわち第1入賞音演出の禁止期間である場合には(S316:No)、先読み演出判定処理を終了する。すなわちこの場合、第1入賞音演出の禁止期間(高期待度SPリーチ演出期間)であり、前述のS312,S313において実行することが決定された入賞音演
出(および保留変化演出)が実行されない。従って、高期待度SPリーチ演出が期待度の低い第1入賞音演出によって阻害されることがなくなる。
[実施形態の効果]
上述した実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)パチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン61(当否判定手段)が、始動口(契機口)への遊技球の入賞(入球)を契機として特図当たり判定(当否判定)を実行する。また、特図当たり判定の結果に基づいて、特別図柄表示器(図柄表示手段)が特別図柄(図柄)の変動表示を行う。遊技制御用マイコン61から送信される変動開始コマンドには、変動演出の変動時間(図柄変動期間)等の情報(特図変動パターン)が含まれており、演出制御用マイコン101(演出決定手段)は、特図変動パターン(変動時間)に対応する変動演出パターン(演出パターン)を複数種類の中から決定する。演出表示装置7やスピーカ8等(演出実行手段)は、演出制御用マイコン101により決定された変動演出パターンに基づいて、演出を実行する。そして、演出制御用マイコン101により、変動演出パターンとして、特図当たり判定が大当たり(当たり)の判定結果となったことへの期待度を高めるリーチ演出(期待度演出)の一種である高期待度SPリーチ演出(特定演出)を含む変動演出パターンが決定された場合には、変動演出の変動時間(図柄変動期間)のうち高期待度SPリーチ演出が実行される高期待度SPリーチ演出期間(特定期間)中に、第1入賞音演出(所定の演出)の実行を禁止する。これにより、大当たりになること
への期待度が高い高期待度SPリーチ演出が、大当たりになることへの期待度が低い第1入賞音演出によって阻害されることがなく、遊技者を高期待度SPリーチ演出に集中させ得る。
(2)またパチンコ遊技機1は、第1入賞音演出(「ピッ」という音、所定の演出)と、この第1入賞音演出よりも期待度が高い第2入賞音演出(「Let’s Go」という音声、
所定の演出とは別の演出)とが、始動入賞タイミング(遊技球の挙動に基づくタイミング)で実行される入賞音演出として設けられており、高期待度SPリーチ演出期間中において、第1入賞音演出の発生を禁止する一方、第2入賞音演出の発生は許容する。このように、始動入賞タイミングで実行される入賞音演出が、期待度の高い第2入賞音演出(別の演出)であれば高期待度SPリーチ演出期間中も実行を許容し、期待度の低い第1入賞音演出(所定の演出)だけを高期待度SPリーチ演出期間中に禁止することで、高期待度SPリーチ演出に集中させつつ、期待度の高い第2入賞音演出によって期待度の更なる向上を図ることができる。
(3)また、変動演出パターンに応じた変動演出(変動表示演出)を表示する演出表示装置7(演出表示手段)を備えており、高期待度SPリーチ演出は、変動演出の一部に合わせた音演出である、楽曲演奏の音出力を含んでおり、第1入賞音演出は、遊技球の始動口への入賞(入球)に伴って発せられる入賞音(入球音)である。従って、変動演出に合わせた音演出を入賞音(入球音)が邪魔するのを防止できる。
(4)また、演出表示装置7の画面に設けられる演出保留表示領域7Ba,7Bbに、
変動演出の作動保留数を示す保留画像HG(演出保留表示)を表示可能であると共に、始動口への遊技球の入賞に伴って、保留画像HGの変化により期待度を示唆する保留変化演出を実行可能であり、保留画像HGを非表示とした演出保留表示領域7Ba,7Bbを含
む表示領域で演出が行われる期間として、高期待度SPリーチ演出期間と、この高期待度SPリーチ演出期間よりも期待度が低い低期待度SPリーチ演出(非特定演出)が行われる低期待度SPリーチ演出期間(非特定期間)とがあり、高期待度SPリーチ演出期間に第1入賞音演出の実行が禁止される一方、低期待度SPリーチ演出期間には、第1入賞音演出の実行が許容される。低期待度SPリーチ演出期間は、保留変化演出が非表示となるが、第1・第2入賞音演出が許容されるため、演出が過度に少なくなるのを防止できる。一方で、高期待度SPリーチ演出期間は、第1入賞音演出を禁止して、高期待度SPリーチ演出(楽曲の音出力を含む)に遊技者を集中させ得る。
<他の実施形態>
・前述した実施形態では、特定演出が実行される特定期間中(高期待度SPリーチ演出期間中)に、所定の演出(第1入賞音演出)の発生を禁止するようにしたが、禁止せず制限するようにしてもよい。すなわちこの場合は、特定期間中に所定の演出が発生し得るものの、その実行頻度は低くなる(実行確率が低下する)。
・前述した実施形態では、遊技球の挙動に基づくタイミング(始動入賞タイミング)で実行される演出として、所定の演出(第1入賞音演出)と、この所定の演出よりも大当たりとなることへの期待度が高い別の演出(第2入賞音演出)とが設けられ、特定期間中(高期待度SPリーチ演出期間中)において、期待度の低い所定の演出(第1入賞音演出)の発生を禁止する一方、期待度の高い別の演出(第2入賞音演出)の発生は許容するようにした。これに対し、特定期間中(高期待度SPリーチ演出期間中)において、第1・第2入賞音演出の両方の発生を禁止または制限するようにしてもよい。
なおこの場合、図40に示すように、非特定期間中(低期待度SPリーチ演出期間中)において、第1入賞音演出の発生を禁止または制限し、第2入賞音演出の発生は許容するようにしてもよい。
また、大当たりとなることへの期待度が第1・第2入賞音演出において同じである場合も、一方の入賞音演出の発生を禁止する一方、他方の入賞音演出の発生を許容するようにしてもよい。この他、期待度の高い第2入賞音演出の発生を禁止する一方、期待度の低い第2入賞音演出の発生を許容するようにしてもよい。
・前述した実施形態では、所定の演出の発生を禁止する対象期間とするか否かを、その期間が大当たりとなることへの期待度が高い演出が行われる期間であるか否かによって決定した。これに対し、音楽ライブの楽曲を音出力する演出等の、音出力に関して遊技者の注目が集まり易い演出の実行期間に、所定の演出(入賞音演出)の発生を禁止する一方、音出力に関して遊技者の注目が集まり難い演出の実行期間には、所定の演出(入賞音演出)の発生を許容するようにしてもよい。
・前述した実施形態では、演出表示手段(演出表示装置7)の画面上で保留画像等が非表示となる(画面全体で演出を行う)特定期間中(高期待度SPリーチ演出期間中)において、所定の演出(第1入賞音演出)の発生を禁止するようにした。これに対し、演出表示手段(演出表示装置7)の画面上で保留画像等が表示される(画面全体で演出を行う)特定期間中(高期待度SPリーチ演出期間中)において、所定の演出(入賞音演出または保留変化演出)の発生を禁止するようにしてもよい。
・前述した実施形態では、特定演出(高期待度SPリーチ演出)や非特定演出(低期待度SPリーチ演出)を、その実行中の変動演出の結果が大当たりになることへの期待度を高める演出として設けた。これに対し、特定演出・非特定演出のうち一方または両方を、小当たり(大当たりまたは小当たり)になることへの期待度を高める演出として設けるようにしてもよい。この場合には、小当たり用の特図変動パターンP3に対応する変動演出パターン(図29)をSPリーチ演出とすればよい。
・前述した実施形態では、入賞音演出や保留変化演出を、その契機となる始動入賞に基づく変動演出の結果が大当たりになることへの期待度を高める演出として設けた。これに対し、入賞音演出(第1・第2入賞音演出の何れか)や保留変化演出(第1・第2保留変化演出の何れか)を、小当たり(大当たりまたは小当たり)になることへの期待度を高める演出として設けるようにしてもよい。この場合には、前述した図35および図36に示すテーブルにおいて事前判定に関する乱数値(判定値)の振り分けが、小当たりの際にハズレと同じ振分となるように設定されていたのに変えて、小当たりの際にハズレの場合よりも実行確率が高くなるように(例えば大当たりと同じ振分に)設定すればよい。
1…パチンコ遊技機、7…演出表示装置(演出実行手段、演出表示手段)、7Ba…メイン演出保留表示領域(演出保留表示領域)、7Bb…サブ演出保留表示領域(演出保留表示領域)、8…スピーカ(演出実行手段)、10a…第1始動口(契機口)、12a…第2始動口(契機口)、51…第1特別図柄表示器(図柄表示手段)、52…第2特別図柄表示器(図柄表示手段)、61…遊技制御用マイコン(当否判定手段)、101…演出制御用マイコン(演出決定手段)。

Claims (4)

  1. 契機口への遊技球の入球を契機として当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定の結果に基づいて図柄の変動表示を行う図柄表示手段と、前記図柄の変動表示を行う図柄変動期間に対応する演出パターンを複数種類の中から決定する演出決定手段と、前記演出決定手段により決定された演出パターンに基づいて演出を実行する演出実行手段とを備えた遊技機であって、
    前記演出パターンとして、前記当否判定が当たりの判定結果となったことへの期待度を高める期待度演出の一種である特定演出を含む演出パターンが前記演出決定手段によって決定された場合には、前記図柄変動期間のうち前記特定演出が実行される特定期間中に、所定の演出の実行を禁止または制限する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記所定の演出と、該所定の演出よりも前記期待度が高い別の演出とが、遊技球の挙動に基づくタイミングで実行される演出として設けられており、
    前記特定期間中において、前記所定の演出の発生を禁止または制限する一方、前記別の演出の発生は許容する請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記演出パターンに応じた変動表示演出を表示する演出表示手段を備え、
    前記特定演出は、前記変動表示演出の一部に合わせた音演出であり、
    前記所定の演出は、遊技球の前記契機口への入球に伴って発せられる入球音である請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記変動表示演出の保留数を示す演出保留表示を前記演出表示手段の演出保留表示領域に表示可能に構成され、
    遊技球の前記契機口への入球に伴って、前記演出保留表示の変化により前記期待度を示唆する保留変化演出を実行可能であり、
    前記所定の演出は、前記保留変化演出と共に実行可能であり、
    前記演出保留表示を非表示とした前記演出保留表示領域を含む表示領域で演出が行われる期間として、前記特定期間と、前記特定演出よりも前記期待度が低い非特定演出が行われる非特定期間とがあり、
    前記特定期間に前記所定の演出の実行が禁止または制限される一方、前記非特定期間には前記所定の演出の実行が許容される請求項3に記載の遊技機。

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